JP2015084681A - 移動栽培装置 - Google Patents

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山田 久也
Hisaya Yamada
久也 山田
哲 壺井
Toru Tsuboi
哲 壺井
喜雄 池田
Yoshio Ikeda
喜雄 池田
康友 勢井
Yasutomo Sei
康友 勢井
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【課題】果菜等を栽培する複数の栽培ベンチ10を循環させる閉ループ状の移動栽培装置1において、日照不足による果実の肥大速度低下や着色遅れの問題を回避する。【解決手段】搬送方向を互いに逆向きにして平行状に並ぶ一対の搬送コンベヤ40A,40Bと、前記両搬送コンベヤ40A,40B間をつなぐ一対の案内装置20A,20Bとによって閉ループを形成する。閉ループ内で複数の栽培ベンチ10を循環搬送させる。各案内装置20A,20Bは、一方の搬送コンベヤ40A(40B)から他方の搬送コンベヤ40B(40A)に向けて傾斜するように、各案内装置20A,20Bの長手方向一端側を支点にして昇降回動可能に構成する。各案内装置20A,20Bの長手方向他端側を昇降動させる昇降機構57を更に備える。【選択図】図11

Description

本願発明は、野菜や花卉を高密植状態で栽培できる移動栽培装置に関する。
従来、複数の横長な栽培ベンチを用いて果菜等を栽培する技術はよく知られている。例えば特許文献1には、複数の栽培ベンチを循環搬送する閉ループ状の移動栽培装置が開示されている。特許文献1の移動栽培装置では、搬送方向を互いに逆向きにして平行状に並ぶ一対の搬送コンベヤと、両搬送コンベヤ間をつなぐ一対の案内装置とによって閉ループを形成している。そして、栽培ベンチ群を各案内装置の長手方向(以下、縦方向という)に移動させる櫛状ロッドと、櫛状ロッドを縦方向に移動させる移動用アクチュエータと、櫛状ロッドを回動させる回動用アクチュエータとを備えている。各櫛状ロッドの縦方向搬送と、各搬送コンベヤの横方向搬送とを連動させることによって、各栽培ベンチが閉ループ状に循環搬送される。
特開2010−57448号公報
ところで、特許文献1の移動栽培装置では、各栽培ベンチの長手一側部に複数の拡張用アームを設け、当該拡張用アーム群に上方からネットを被せ、栽培中の果実をネット側で生育させる。この場合、各栽培ベンチのネット側が南向きになるように、各案内装置上に栽培ベンチ群を配置することによって、日当たりの確保を図っている。しかし、特許文献1の移動栽培装置では、成長して株自体が大きくなると、生い茂った葉等の影響で果実の日当たりが悪くなり易い。このため、密植栽培可能な移動栽培装置であるにも拘らず、日照不足による果実の肥大速度低下や着色遅れを招来するという問題があった。
本願発明は、上記のような現状を検討して改善を図った移動栽培装置を提供することを技術的課題として成されたものである。
請求項1の発明は、搬送方向を互いに逆向きにして平行状に並ぶ一対の搬送コンベヤと、前記両搬送コンベヤ間をつなぐ一対の案内装置とによって閉ループを形成し、前記閉ループ内で複数の栽培ベンチを循環搬送させる移動栽培装置において、前記各案内装置は、一方の前記搬送コンベヤから他方の前記搬送コンベヤに向けて傾斜するように、前記各案内装置の長手方向一端側を支点にして昇降回動可能に構成し、前記各案内装置の長手方向他端側を昇降動させる昇降機構を更に備えているというものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の移動栽培装置において、前記各案内装置の長手方向一端側には、前記各案内装置を傾斜させた状態で前記他方の搬送コンベヤに向かう前記栽培ベンチの移動を規制するストッパー部材を設けているというものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の移動栽培装置において、前記両案内装置が概ね南北に延びるように設置し、前記両案内装置の長手方向他端側を北側に位置させているというものである。
本願発明によると、搬送方向を互いに逆向きにして平行状に並ぶ一対の搬送コンベヤと、前記両搬送コンベヤ間をつなぐ一対の案内装置とによって閉ループを形成し、前記閉ループ内で複数の栽培ベンチを循環搬送させる移動栽培装置において、前記各案内装置は、一方の前記搬送コンベヤから他方の前記搬送コンベヤに向けて傾斜するように、前記各案内装置の長手方向一端側を支点にして昇降回動可能に構成し、前記各案内装置の長手方向他端側を昇降動させる昇降機構を更に備えているから、成長して株自体が大きくなり葉が生い茂ったとしても、日当たりを考慮して、前記昇降機構によって前記各案内装置の長手方向他端側を上昇させ、前記一方の搬送コンベヤから前記他方の搬送コンベヤに向けて前記各案内装置を傾斜させることが可能になる。このため、一日のうち数時間は栽培中の果実に対する良好な日当たりを確保して、日照不足による果実の肥大速度低下や着色遅れといった問題を抑制できる。
請求項2の発明によると、前記各案内装置の長手方向一端側には、前記各案内装置を傾斜させた状態で前記栽培ベンチの移動を規制するストッパー部材を設けているから、前記ストッパー部材の存在によって、前記各案内装置上に載置した前記栽培ベンチ群が前記各案内装置の傾斜のために勝手に移動するのを防止でき、前記各案内装置上に前記栽培ベンチ群を安定的に保持できる。
請求項3の発明によると、前記両案内装置が概ね南北に延びるように設置し、前記両案内装置の長手方向他端側を北側に位置させているから、北側に位置する前記各案内装置の長手方向他端側を前記昇降機構によって上昇させ、一日のうち数時間は移動栽培装置全体において栽培中の果実に対する良好な日当たりを最大限確保できる。従って、日照不足による果実の肥大速度低下や着色遅れといった問題をより確実に回避できる。
実施形態における移動栽培装置の概略平面図である。 一対の搬送コンベヤの平面図である。 短縮状態の押し出し装置を示す拡大平面図である。 伸長状態の押し出し装置を示す拡大平面図である。 栽培ベンチの斜視図である。 栽培ベンチの循環搬送態様を説明する平面図であり、押し出し装置による押し出し前の状態を示す図である。 栽培ベンチの循環搬送態様を説明する平面図であり、押し出し装置による押し出し途中の状態を示す図である。 栽培ベンチの循環搬送態様を説明する平面図であり、押し出し装置による押し出し終了の状態を示す図である。 栽培ベンチの循環搬送態様を説明する平面図であり、各搬送コンベヤの横方向搬送途中の状態を示す図である。 案内装置の回動支点部と昇降機構とを示す拡大正面断面図である。 案内装置の回動支点部と昇降機構とを示す拡大側面図である。 ストッパー部材を示す拡大平面図である。
以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図4を参照しながら、移動栽培装置1の概略構造について説明する。以下の説明において必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば「左右」「上下」等)を用いる場合は、図1において紙面に直交する方向を平面視とし、紙面上下方向を前後方向又は縦方向とし、紙面左右方向を左右方向又は横方向とする。これらの用語は説明の便宜のために用いたものであり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
なお、実施形態では、縦方向及び横方向がいずれも水平面(地面)に対して平行(重力方向に対して垂直)であるが、本願発明はこれに限定されるものではなく、イチゴやホウレンソウといった果菜等の栽培に支障を来さない程度で、縦方向及び横方向が水平面に対して多少傾斜していても構わない。
図1及び図2に示すように、実施形態の移動栽培装置1は、イチゴやホウレンソウといった果菜等を栽培する複数の栽培ベンチ10を循環搬送する閉ループ状のものである。この場合の移動栽培装置1は、搬送方向を互いに逆向きにして平行状に並ぶ一対の搬送コンベヤ40A,40Bと、一方の搬送コンベヤ40A(40B)の搬送下流側と他方の搬送コンベヤ40B(40A)の搬送上流側とをつなぐ一対の案内装置20A(20B)と、各栽培ベンチ10を各案内装置20A,20B上で摺動させる摺動体13と、各搬送コンベヤ40A,40Bの搬送下流側からこれに対峙する案内装置20A,20Bに向けて栽培ベンチ10を押し出し移動させる一対の押し出し装置21A,21Bとを備えている。
まず始めに、図5を参照しながら、栽培ベンチ10の詳細構造について説明する。栽培ベンチ10は、上向き開口横長箱状の容器であるプランタ2と、プランタ2が収容される横長箱枠状のフレーム枠11とを備えている。プランタ2は栽培用の土を収容するものであり、その底面には余分な水及び薬液を外部に排出する排出穴(図示省略)が形成されている。プランタ2上面の前後縁部には、フレーム枠11を構成する左右横長のアッパーフレーム12に係合する係止片部2aが形成されていて、係止片部2aがアッパーフレーム12に引っ掛かり係合することによって、プランタ2が栽培ベンチ10に支持されている。
フレーム枠11の下面側には、栽培ベンチ10を各案内装置20A,20B上で摺動させる摺動体としての車輪13が、二つ一組の計四組取り付けられている。計四組の車輪13は、各案内装置20A,20Bの案内レール35(詳細は後述する)の配置幅に合わせた適宜間隔で、栽培ベンチ10(フレーム枠11)の横方向に並べて配置されている。なお、摺動体は各案内装置20A,20B側に設けてもよい。また、摺動体は車輪13に限らず、コロ、スライダ又はローラといった別の構造であってもよい。フレーム枠11の上面側には、プランタ2下面の排出穴から排出された余分な水及び薬液を回収する受け樋14が取り付けられている。各栽培ベンチ10の受け樋14に集められた水及び薬液は、案内装置20A,20Bの長手方向(縦方向)に沿って延びる回収樋30A,30B(図1参照)にてまとめられて回収される。
各栽培ベンチ10における一方のアッパーフレーム12には、各案内装置20A,20Bの長手方向に延びる当接体としての一対の規制アーム15が着脱可能に取り付けられている。実施形態の規制アーム15は両方とも、手前側搬送コンベヤ40Aに向けて突出する平面視L字状に形成されている。両規制アーム15が隣の栽培ベンチ10に当接した状態では、隣り合う栽培ベンチ10の間に各案内装置20A,20Bの長手方向(縦方向)に沿って適宜間隔(実施形態では500mm程度)が開くことになる。規制アーム15を着脱可能に構成すると、隣り合う栽培ベンチ10間の配置間隔を変更して、栽培ベンチ10を増設したり削減したりでき、果菜等の種類や品種によって栽培ベンチ10の増減を図れて便利である。当接体はアッパーフレーム12に固定した規制アーム15の構造に限定されるものではない。隣の栽培ベンチ10に当接した状態で、隣り合う栽培ベンチ10の間に各案内装置20A,20Bの長手方向(縦方向)に沿って適宜間隔を開け得るように、各栽培ベンチ10から突出した構造であればよい。
フレーム枠11における両規制アーム15の間には、両規制アーム15と同じ向きに突出する複数の支持アーム16が設けられている。詳細は図示していないが、両規制アーム15の突出片部に形成された固定穴に線材を結び付け、当該線材の中途部を各支持アーム16上面に形成された案内溝に上方から引っ掛け、これらの上に例えばネットを被せ付ける。当該ネットの部分は、両規制アーム15、複数の支持アーム16及び線材にて下方から支持され、栽培中の果菜等においてプランタ2の外まで伸長した部分を保護することになる。
なお、フレーム枠11の下部中央側には、栽培ベンチ10にて栽培される果菜等の各種情報を記憶する(読み書きする)ICタグ17が設けられている。当該ICタグ17の使用によって、果菜等のトレーサビリティを向上できる。
次に、図1〜図4を参照しながら、搬送コンベヤ40A,40B及び案内装置20A,20Bの詳細構造について説明する。一対の搬送コンベヤ40A,40Bと一対の案内装置20A,20Bとは、複数の栽培ベンチ10を循環搬送するために閉ループ状に構成されている。
一対の搬送コンベヤ40A,40Bは、前後方向(縦方向)に間隔を開けた状態で平行状に並べられていて、それぞれ栽培ベンチ10を互いに逆向きの搬送方向(横方向)に搬送するように構成されている。一対の案内装置20A,20Bは、左右方向(横方向)に間隔を開けた状態で平行状に並べられていて、それぞれ栽培ベンチ10を互いに逆向きの方向(縦方向)に案内するように構成されている。
手前側搬送コンベヤ40Aの左半部は送り側案内装置20Aの手前側に位置し、手前側搬送コンベヤ40Aの右半部は戻り側案内装置20Bの手前側に位置している。奥側搬送コンベヤ40Bの左半部は送り側案内装置20Aの奥側に位置し、奥側搬送コンベヤ40Bの右半部は戻り側案内装置20Bの奥側に位置している。各搬送コンベヤ40A,40Bはいずれも、各案内装置20A,20Bとの間で栽培ベンチ10を授受可能に構成されている。各栽培ベンチ10は、手前側搬送コンベヤ40A→送り側案内装置20A→奥側搬送コンベヤ40B→戻り側案内装置20B→手前側搬送コンベヤ40Aの順に、図1の平面視時計回りに循環搬送される。なお、循環搬送方向は図1の平面視反時計回りにしてもよいことは言うまでもない。
各搬送コンベヤ40A,40Bの基本的な構造は同じである。各搬送コンベヤ40A,40Bは、複数本の脚支柱48にて支持される左右横長の二本のコンベヤフレーム47を備えている。両コンベヤフレーム47の左右両端部の間に、左右一対のスプロケット42,43が回転可能に軸支されている。両コンベヤフレーム47の間には、駆動及び従動スプロケット42,43を介して2本の略平行なコンベヤチェン41が張設されている。コンベヤチェン41は駆動及び従動スプロケット42,43に掛け回されている。チェン及びスプロケット伝動系を介して、駆動スプロケット42の駆動軸に電動モータ45を連結させ、当該電動モータ45によって2本の略平行なコンベヤチェン41を同期させて同一方向に回動させるように構成されている。
両コンベヤチェン41には、各案内装置20A,20Bから受け渡された栽培ベンチ10の車輪13を載せる載置板46が適宜間隔を開けて取り付けられている。栽培ベンチ10の各車輪13が対応する載置板46に載った状態で、電動モータ45にて一対のコンベヤチェン41を回転駆動させることにより、各搬送コンベヤ40A,40Bが栽培ベンチ10を横方向に搬送する。
実施形態では、手前側搬送コンベヤ40Aの手前側スペース(特に戻り側案内装置20B寄りの手前側スペース)が、作業者の作業スペースとして設定される。作業者は、作業スペースにおいて種々の作業(例えば収穫作業、草取り作業、剪定作業及びプランタ2交換作業等)を行える。また、実施形態では、移動栽培装置1において作業スペースから最も離れた位置、すなわち、奥側搬送コンベヤ40B側に、灌水装置31及び防除装置32(薬液噴霧装置)が配置されている。灌水装置31は、奥側搬送コンベヤ40Bにて横方向搬送される栽培ベンチ10に向けて水を散布するものである。実施形態の灌水装置31は奥側搬送コンベヤ40Bの長手中途部に設けられている。防除装置32は、奥側搬送コンベヤ40Bにて横方向搬送される栽培ベンチ10に向けて防除剤や薬液を散布するものである。実施形態の防除装置32は灌水装置31と同様に、奥側搬送コンベヤ40Bの長手中途部に配置されている。従って、作業スペースに居る作業者に防除剤や薬液が付着するおそれを確実に防止できる点で優れている。
一方、各案内装置20A,20Bの基本的な構造は同じである。各案内装置20A,20Bは、多数の支柱や横フレームによってその骨組を構成していて、栽培ベンチ10の車輪13が走行する複数本の案内レール35(実施形態では四本)を備えている。案内レール35群は、左右方向(横方向)に間隔を空けて並べられ、多数の支柱や横フレームからなる骨組にて支持されている。各案内レール35は前後方向(縦方向)に長い金属板を折り曲げ、縦方向から見て概ね上方に開口するV字形状に形成されている。このような断面V字状の案内レール35によって、車輪13を脱輪させることなく、複数の栽培ベンチ10を各搬送コンベヤ40A,40Bまで容易に案内できる。
各搬送コンベヤ40A,40Bの搬送下流側には、当該箇所にある栽培ベンチ10をこれに対峙する案内装置20A,20Bに向けて縦方向に搬送する手段として、押し出し装置21A,21Bが設けられている。実施形態の各押し出し装置21A,21Bは、電磁ソレノイドやエアシリンダ等の直動アクチュエータであって多段に伸縮動するように構成されている。各押し出し装置21A,21Bを構成するピストンロッドの先端側には、栽培ベンチ10に当接する横長の当接バー22が連結されている。
押し出し装置21A(21B)が多段伸長して、当接バー22が一方の搬送コンベヤ40A(40B)の搬送下流側にある栽培ベンチ10の手前側面(奥側面)に当接し案内装置20A(20B)に向けて押し出すことによって、案内装置20A(20B)上にある複数の栽培ベンチ10が次々と玉突き状に追突して、案内装置20A(20B)の最下流側にある栽培ベンチ10が他方の搬送コンベヤ40B(40A)の搬送上流側に押し出されることになる(図6〜図9参照)。
実施形態では、隣り合う栽培ベンチ10が玉突き状に搬送される際、送り側案内装置20A上では、搬送上流側の栽培ベンチ10の奥側面が搬送下流側の栽培ベンチ10の両規制アーム15に当接する。戻り側案内装置20B上では、搬送上流側の栽培ベンチ10の両規制アーム15が搬送下流側の栽培ベンチ10の奥側面に当接する。なお、各搬送コンベヤ40A,40Bの搬送上流側には、各案内装置20A,20Bの最下流側から各搬送コンベヤ40A,40Bに受け渡される栽培ベンチ10の縦方向搬送を規制するストッパー23が固定されている。
上記の説明並びに図6〜図9から明らかなように、実施形態の移動栽培装置1によると、搬送方向を互いに逆向きにして平行状に並ぶ一対の搬送コンベヤ40A,40Bと、前記一方の搬送コンベヤ40A(40B)の搬送下流側と前記他方の搬送コンベヤ40B(40A)の搬送上流側とをつなぐ一対の案内装置20A,20Bと、前記各栽培ベンチ10を前記各案内装置20A,20B上で摺動させる摺動体13と、前記各搬送コンベヤ40A,40Bの搬送下流側からこれに対峙する前記案内装置20A,20Bに向けて前記栽培ベンチ10を押し出し移動させる一対の押し出し装置21A,21Bとを備えており、前記各押し出し装置21A,21Bによる前記栽培ベンチ10の押し出し移動に伴い、前記各案内装置20A,20B上にある複数の前記栽培ベンチ10を玉突き状に搬送するから、前記複数の栽培ベンチ10を前記各案内装置20A,20B上で縦方向搬送するのに必要な駆動機構が前記押し出し装置21A,21Bだけで済み、極めて簡単な構造で確実に前記複数の栽培ベンチ10を循環搬送できる。前記特許文献1の移動栽培装置のように、前記案内装置20A,20B毎に櫛状ロッド、移動用アクチュエータ及び回転用アクチュエータを設ける必要がなくなるから、大幅なコスト抑制が図れる。
また実施形態によると、前記各押し出し装置21A,21Bは前記各搬送コンベヤ40A,40Bの搬送下流側に配置されているから、例えば電気や油圧といった駆動力を必要とする構造が前記各搬送コンベヤ40A,40B側にまとまることになり、前記各案内装置20A,20B側には電気配線や油圧配管等が不要になる。この点でもコスト抑制に貢献できる。
更に実施形態によると、前記各栽培ベンチ10は前記各案内装置20A,20Bの長手方向に延びる当接体15を有しており、前記当接体15が隣の前記栽培ベンチ10に当接する状態で、隣り合う前記栽培ベンチ10の間に前記各案内装置20A,20Bの長手方向に沿って適宜間隔が開くように構成されているから、前記各栽培ベンチ10で栽培される果菜等の花梗や果実を、隣り合う前記栽培ベンチ10の衝突によって傷付けるおそれがないのである。
次に、図10〜図12を参照しながら、一方の搬送コンベヤ40A(40B)から他方の搬送コンベヤ40B(40A)に向けて各案内装置20A,20Bを傾斜させる構造について説明する。なお、図10及び図11では、説明の便宜上、後述するストッパー部材62の図示を省略している。図10及び図11に示すように、各案内装置20A,20Bは、少なくともその長手方向一端側を支点にして昇降回動可能に構成している。
実施形態の移動栽培装置1は、両案内装置20A,20Bが概ね南北に延びるように設置されている。すなわち、両案内装置20A,20Bの長手方向は概ね南北方向に沿っている。このため、両搬送コンベヤ40A,40Bの長手方向が概ね東西方向に沿っていることは言うまでもない。各案内装置20A,20Bが長手方向一端側だけを支点にして昇降回動する構造であれば、両案内装置20A,20Bの長手方向他端側は北側に位置させる。そして、両案内装置20A,20Bの長手方向他端側に、後述する昇降機構としてのジャッキ部材57を配置することになる。
実施形態の各案内装置20A,20Bは、長手方向一端側だけでなく他端側も支点にして昇降回動可能な構成になっていて、いずれも基本的に同じ構成である。そこで、第1案内装置20Aの長手方向一端側(搬送上流側、手前側搬送コンベヤ40A寄りと言ってもよい)の構造を例にして、以下に説明する。
第1案内装置20A寄りにある脚支柱48の上端側に、上向き開口断面コ字状の溝形受け台51を設けている。第1案内装置20Aの各案内レール35の長手方向一端側をこれに対応する溝形受け台51内に載せている。溝形受け台51の左右両側板と案内レール35の長手方向一端側とには、左右方向(横方向)に延びる頭付きの支点ピン軸52を貫通させている。支点ピン軸52のうち溝形受け台51を貫通した突端部には抜け止め用の止めピン53を装着している。溝形受け台51と案内レール35の長手方向一端側とを連結する複数本(実施形態では四本)の支点ピン軸52の軸心は、いずれも同一軸線上に位置している。全ての案内レール35の長手方向一端寄りの部位は、横方向に延びる上流連結フレーム54に固定している。全ての案内レール35の長手方向他端寄りの部位は、横方向に延びる下流連結フレーム54に固定している。従って、連結フレーム54自体は、第1案内装置20Aにおいて二本存在することになる。
従って、例えば第1案内装置20Aの各案内レール35の長手方向他端側において、各止めピン53を外してから各支点ピン軸52を引き抜くと、各溝形受け台51に載せた案内レール35の長手方向他端側が自由端になる。その結果、案内レール35群は、長手方向一端側の各支点ピン軸52を支点にして、下流連結フレーム54ごと一体的に昇降回動可能な状態になる。言うまでもないが、第1案内装置20Aの各案内レール35の長手方向一端側において、各止めピン53を外してから各支点ピン軸52を引き抜くと、各溝形受け台51に載せた案内レール35の長手方向一端側が自由端になり、案内レール35群は、長手方向他端側の各支点ピン軸52を支点にして、上流連結フレーム54ごと一体的に昇降回動可能な状態になる。
図10に示すように、第1案内装置20Aの骨組である一対の横フレーム55の搬送上流側には、平面視で上流連結フレーム54と重なる位置に、横方向に延びる上流梁フレーム56をボルト締結している。上流連結フレーム54と上流梁フレーム56との間には、昇降機構としてのジャッキ部材57を設けている。言うまでもないが、一対の横フレーム55の搬送下流側にも、平面視で下流連結フレーム54と重なる位置に、横方向に延びる下流梁フレーム56をボルト締結していて、下流連結フレーム54と下流梁フレーム56との間にも、昇降機構としてのジャッキ部材57を設けている。
昇降機構としてのジャッキ部材57は、パンタグラフ形リンク58と、手動ハンドル59付きねじ軸60とを備えている。実施形態では、上流連結フレーム54と上流梁フレーム56とに、各支点ピン軸52の軸心と平行な上下支軸61を介して、パンタグラフ形リンク58の上下端側を回動可能に連結している。
例えば第1案内装置20Aの各案内レール35の長手方向他端側において、各止めピン53を外してから各支点ピン軸52を引き抜き、各溝形受け台51に載せた案内レール35の長手方向他端側を自由端にした後、案内レール35群の長手方向一端側(第1案内装置20Aの搬送上流側)にあるジャッキ部材57の手動ハンドル59でねじ軸60を回転操作して、パンタグラフ形リンク58を屈伸動させることによって、案内レール35群は、長手方向一端側の各支点ピン軸52を支点にして、下流連結フレーム54ごと一体的に昇降回動する。
もちろん、第1案内装置20Aの各案内レール35の長手方向一端側において、各止めピン53を外してから各支点ピン軸52を引き抜き、各溝形受け台51に載せた案内レール35の長手方向一端側を自由端にした後、案内レール35群の長手方向他端側(第1案内装置20Aの搬送下流側)にあるジャッキ部材57の手動ハンドル59でねじ軸60を回転操作して、パンタグラフ形リンク58を屈伸動させることによって、案内レール35群は、長手方向他端側の各支点ピン軸52を支点にして、上流連結フレーム54ごと一体的に昇降回動する。
従って、ジャッキ部材57によって、一方の搬送コンベヤ40A(40B)から他方の搬送コンベヤ40B(40A)に向けて各案内装置20A,20Bを傾斜させる操作を簡単に実行できる。ジャッキ部材57によって、各案内装置20A,20Bを任意の傾斜姿勢で安定的に支持できる。なお、昇降機構(ジャッキ部材57)は手動で昇降操作(屈伸操作)するものに限らず、アクチュエータを用いて自動的に昇降動するものであっても構わない。
図12に示すように、各案内装置20A,20Bの少なくとも長手方向一端側には、各案内装置20A,20Bを傾斜させた状態で、栽培ベンチ10の移動を規制するストッパー部材62を設けている。実施形態では、各案内装置20A,20Bの長手方向一端側と長手方向他端側との計四つの領域にストッパー部材62を配置している。これらストッパー部材62はいずれも基本的に同じ構成であるので、第1案内装置20Aの長手方向一端側(搬送上流側、手前側搬送コンベヤ40A寄りと言ってもよい)の構造を例にして、以下に説明する。
第1案内装置20Aにおける各案内レール35の長手方向一端側には、溝形受け台51寄りの部位に、案内レール35にそって延びる回動支軸63を介して、略L字状のストッパー部材62を回動可能に装着している。ストッパー部材62は、規制姿勢時に案内レール35の上面側に載る回動板64と、規制姿勢(図12の実線状態参照)時に回動板64から上向きに突出する阻止ブロック65とを備えている。実施形態では、各案内レール35の一側面に平面視コ字状の受けブラケット66の基板部を固着している。そして、受けブラケット66の前後両側板部に装架した回動支軸63に、回動板64を上下回動可能に軸支している。従って、ストッパー部材62は、回動支軸回りの回動によって、案内レール35の上面側に載る規制姿勢と、案内レール35の上面側から離れる退避姿勢(図12の二点鎖線状態参照)とに姿勢変更可能になっている。
ストッパー部材62を規制姿勢にすると、案内レール35上で阻止ブロック65が直立した状態になり、例えば第1案内装置20Aを手前側搬送コンベヤ40Aに向けて斜め下向きに傾斜させた場合は、手前側搬送コンベヤ40Aに最も近い栽培ベンチ10の各車輪13と、これに対応した阻止ブロック65とが当接して、手前側搬送コンベヤ40Aに最も近い栽培ベンチ10が手前側搬送コンベヤに向けて移動するのを阻止する。その結果、第1案内装置20A上に載置した栽培ベンチ10群が第1案内装置20Aの傾斜のために勝手に移動するのを防止でき、第1案内装置20A上に栽培ベンチ10を安定的に保持できる。ストッパー部材62を退避姿勢にすると、回動板64及び阻止ブロック65は案内レールから大きく離れた位置にセットされ、各栽培ベンチ10の車輪13が案内レール35上を通過するのを邪魔しない(許容する)。
上記の説明並びに図10〜図12から明らかなように、実施形態の移動栽培装置1によると、搬送方向を互いに逆向きにして平行状に並ぶ一対の搬送コンベヤ40A,40Bと、前記両搬送コンベヤ40A,40B間をつなぐ一対の案内装置20A,20Bとによって閉ループを形成し、前記閉ループ内で複数の栽培ベンチ10を循環搬送させる移動栽培装置1において、前記各案内装置20A,20Bは、一方の前記搬送コンベヤ40A(40B)から他方の前記搬送コンベヤ40B(40A)に向けて傾斜するように、前記各案内装置20A,20Bの長手方向一端側を支点にして昇降回動可能に構成し、前記各案内装置20A,20Bの長手方向他端側を昇降動させる昇降機構57を更に備えているから、成長して株自体が大きくなり葉が生い茂ったとしても、日当たりを考慮して、前記昇降機構57によって前記各案内装置20A,20Bの長手方向他端側を上昇させ、前記一方の搬送コンベヤ40A(40B)から前記他方の搬送コンベヤ40B(40A)に向けて前記各案内装置20A,20Bを傾斜させることが可能になる。このため、一日のうち数時間は栽培中の果実に対する良好な日当たりを確保して、日照不足による果実の肥大速度低下や着色遅れといった問題を抑制できる。
また、前記各案内装置20A,20Bの長手方向一端側には、前記各案内装置20A,20Bを傾斜させた状態で前記栽培ベンチ10の移動を規制するストッパー部材62を設けているから、前記ストッパー部材62の存在によって、前記各案内装置20A,20B上に載置した前記栽培ベンチ10群が前記各案内装置20A,20Bの傾斜のために勝手に移動するのを防止でき、前記各案内装置20A,20B上に前記栽培ベンチ10群を安定的に保持できる。
更に、前記両案内装置20A,20Bが概ね南北に延びるように設置し、前記両案内装置20A,20Bの長手方向他端側を北側に位置させているから、北側に位置する前記各案内装置20A,20Bの長手方向他端側を前記昇降機構57によって上昇させ、一日のうち数時間は移動栽培装置1全体において栽培中の果実に対する良好な日当たりを最大限確保できる。従って、日照不足による果実の肥大速度低下や着色遅れといった問題をより確実に回避できる。
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。その他各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。なお、本明細書中で用いた「果菜等」の文言は、イチゴ等の果菜類やホウレンソウ等の葉菜類などを広く含めた概念として使用している。
1 移動栽培装置
10 栽培ベンチ
13 車輪(摺動体)
20A,20B 案内装置
40A,40B 搬送コンベヤ
51 溝形受け台
52 支点ピン軸
57 ジャッキ部材
58 パンタグラフ形リンク
59 手動ハンドル
60 ねじ軸
62 ストッパー部材


Claims (3)

  1. 搬送方向を互いに逆向きにして平行状に並ぶ一対の搬送コンベヤと、前記両搬送コンベヤ間をつなぐ一対の案内装置とによって閉ループを形成し、前記閉ループ内で複数の栽培ベンチを循環搬送させる移動栽培装置において、
    前記各案内装置は、一方の搬送コンベヤから他方の搬送コンベヤに向けて傾斜するように、前記各案内装置の長手方向一端側を支点にして昇降回動可能に構成し、
    前記各案内装置の長手方向他端側を昇降動させる昇降機構を更に備えている、
    移動栽培装置。
  2. 前記各案内装置の長手方向一端側には、前記各案内装置を傾斜させた状態で前記栽培ベンチの移動を規制するストッパー部材を設けている、
    請求項1に記載の移動栽培装置。
  3. 前記両案内装置が概ね南北に延びるように設置し、前記両案内装置の長手方向他端側を北側に位置させている、
    請求項1又は2に記載の移動栽培装置。

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