(1)顕微鏡装置の構成
本発明の一実施の形態に係る顕微鏡装置および光学部材切替装置について説明する。本実施の形態に係る顕微鏡装置においては、測定対象物の蛍光観察を行うことが可能である。また、その顕微鏡装置においては、測定対象物を透過する光を用いた明視野観察、暗視野観察、位相差観察、微分干渉観察、偏斜観察および偏光観察を行うことが可能である。以下の説明では、測定対象物を透過する光を用いた明視野観察、暗視野観察、位相差観察、微分干渉観察、偏斜観察および偏光観察を透過観察と総称する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る顕微鏡装置の外観斜視図である。図1に示すように、本例の顕微鏡装置500は、主として測定部100、PC(パーソナルコンピュータ)200、測定光供給部300および表示部400から構成される。測定部100とPC200とが配線WR1により接続される。測定部100と測定光供給部300とが配線WR2および導光部材330により接続される。図1の例では、PC200および表示部400が一体化された構成として一台のノート型パーソナルコンピュータが用いられる。配線WR1としては、LAN(ローカルエリアネットワーク)ケーブルまたはUSB(ユニバーサルシリアルバス)ケーブル等が用いられる。配線WR2としては、電源線と信号線とが一体化されたケーブルが用いられる。
図2は図1の顕微鏡装置500のハードウェア構成を説明するための図である。図2では、測定部100および測定光供給部300の縦断面が模式的に示される。
図2に示すように、測定光供給部300は、筐体301、電源装置310、投光部320および排熱装置340を含む。電源装置310、投光部320および排熱装置340は、筐体301内に収容される。電源装置310は、投光部320に電力を供給するとともに、配線WR2を介して測定部100に電力を供給する。
測定光供給部300の筐体301には排熱用の開口309が形成されている。排熱装置340は、排熱ファンおよび排熱ファンを駆動するモータを含み、電源装置310および投光部320で発生される熱を開口309を通して筐体301の外部に排出する。
測定部100は、筐体101、複数の支柱106、台座107、パターン付与部110、受光部120、透過光供給部130、ステージ140、ステージ駆動装置141、フィルタユニット150、レンズユニット160および制御基板170を含む。レンズユニット160は、光学部材切替装置の一例としてレンズ切替装置1を含む。また、フィルタユニット150は光学部材切替装置の他の例としてフィルタ切替装置2を含む。
筐体101は、パターン付与部110、受光部120、透過光供給部130、ステージ140、ステージ駆動装置141、フィルタユニット150、レンズユニット160、制御基板170および各構成要素の図示しない駆動回路を収容する。また、筐体101は、前面部101a、背面部101b、一側面部101c(図1)、他側面部101d(図1)および上面部101eを有する。上面部101eには上面蓋102が取り付けられている。前面部101aの中央には前面蓋103が取り付けられている。上面蓋102および前面蓋103が閉じられた状態で、ステージ140および受光部120を含む空間が暗室状態になる。
筐体101内には、ステージフレーム11、ベースフレーム12およびアッパーフレーム16が上下に並ぶようにかつ水平面に平行となるように設けられる。ステージフレーム11、ベースフレーム12およびアッパーフレーム16は後述する支持体の一部を構成し、支持体は複数の支柱106および台座107により支持される。ステージフレーム11はベースフレーム12の上方に位置し、アッパーフレーム16はステージフレーム11の上方に位置する。ステージフレーム11およびベースフレーム12には、測定対象物Sの観察に用いる光を通過させるための開口が形成されている。
ステージ140の中央部にも開口が形成されている。ステージフレーム11およびステージ140の開口が互いに重なるように、ステージフレーム11の上面にステージ140が一体的に取り付けられる。さらに、ステージフレーム11の上面にはステージ140とともにステージ駆動装置141が取り付けられる。
ステージ140上には、シャーレまたはプレパラート等を用いて測定対象物Sが載置される。測定対象物Sが載置されるステージ140上の平面を載置面と呼ぶ。本例では、載置面は水平面に平行に維持される。
以下の説明では、図2に矢印で示すように、載置面上で互いに直交する2方向をX方向およびY方向と定義し、載置面に対して直交する方向をZ方向と定義する。X方向は測定部100の左右方向に相当し、Y方向は測定部100の前後方向に相当し、Z方向は測定部100の上下方向に相当する。ステージ140はX−Yステージであり、X方向およびY方向に移動可能に構成される。ステージ駆動装置141は、制御基板170から与えられる信号に応答してステージ140をX方向およびY方向に移動させる。
本例においては、測定対象物Sは種々のタンパク質を含む生物標本である。蛍光観察を行う場合、測定対象物Sには特定のタンパク質に融合する蛍光試薬が塗布される。蛍光試薬は、例えばGFP(緑色蛍光タンパク質)、TexasRed(テキサスレッド)およびDAPI(ジアミジノフェニルインドール)を含む。GFPは、波長490nm付近の光を吸収して波長510nm付近の光を放出する。TexasRedは、波長596nm付近の光を吸収して波長620nm付近の光を放出する。DAPIは、波長345nm付近の光を吸収して波長455nm付近の光を放出する。
ベースフレーム12の上面にパターン付与部110、フィルタユニット150およびレンズユニット160が取り付けられ、ベースフレーム12の下方に受光部120が設けられる。
ベースフレーム12上では、パターン付与部110の前方の位置にフィルタユニット150が配置される。アッパーフレーム16の上面に透過光供給部130が取り付けられる。
図3は、測定部100および測定光供給部300における光路を示す模式図である。図3では、光路とともに測定部100および測定光供給部300の各構成要素の詳細が示される。図3においても、図2と同様に、X方向、Y方向およびZ方向が矢印で示される。
図3に示すように、測定光供給部300の投光部320は、測定光源321、減光機構322、遮光機構323および光コネクタ324を含む。光コネクタ324に導光部材330の一端が接続される。本例においては、導光部材330は液体ライトガイドである。導光部材330は、例えばガラスファイバまたは石英ファイバであってもよい。
測定光源321は、例えばメタルハライドランプである。測定光源321は、水銀ランプ、キセノンランプまたは白色LED(発光ダイオード)等の他の光源であってもよい。測定光源321は、測定対象物Sの蛍光観察用の光源として用いられる。以下、測定光源321により出射される光を測定光と呼ぶ。
遮光機構323は、例えばメカニカルシャッタである。遮光機構323は、測定光源321から出射された測定光の光路上に位置するように配置される。遮光機構323が導光状態である場合には、測定光が遮光機構323を通過し、導光部材330の一端に入射する。一方、遮光機構323が遮光状態である場合には、測定光は遮断され、導光部材330の一端に入射しない。遮光機構323は、測定光の通過および遮断を切り替え可能な光変調素子を含んでもよい。遮光機構323は、測定対象物Sの蛍光観察が行われる場合に導光状態となり、測定対象物Sの蛍光観察が行われない場合に遮光状態となる。
減光機構322は、互いに透過率が異なる複数のND(Neutral Density)フィルタを含む。減光機構322は、複数のNDフィルタのいずれかが遮光機構323を通過した測定光の光路上に位置するように配置される。測定光の光路上に位置するNDフィルタを選択的に切り替えることにより、減光機構322を通過する測定光の強度を調整することができる。減光機構322は、複数のNDフィルタに代えて、測定光の強度を調整可能な光変調素子を含んでもよい。
測定部100のパターン付与部110は、光コネクタ111、光変調素子112および複数(本例では2個)のミラー113を含む。測定部100の後方から背面部101bを通して光コネクタ111に導光部材330の他端が接続される。光コネクタ111は、蛍光観察時に導光部材330により導かれる測定光が測定部100の後方から前方に向かって出射されるように導光部材330の他端を支持する。
光コネクタ111の前方に一方のミラー113がXY平面に対して傾斜するように配置される。また、一方のミラー113の上方に他方のミラー113がXY平面に対して傾斜するように配置される。さらに、2つのミラー113の後方でかつ2つのミラー113よりも上方の位置に光変調素子112が配置される。光コネクタ111の他端から出射される測定光は、一方のミラー113により測定部100の下方から上方に向かうように反射される。また、一方のミラー113により反射された測定光は、他方のミラー113により前方斜め下方から後方斜め上方に向かうように反射され、光変調素子112に入射する。
光変調素子112は、例えばDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)である。光変調素子112は、LCOS(Liquid Crystal on Silicon:反射型液晶素子)であってもよい。光変調素子112に入射した光は、後述するパターン生成部212により予め設定されたパターンおよび予め設定された強度(明るさ)に変換されるとともに測定部100の後方から前方に向かうように反射される。パターン付与部110の光変調素子112で反射された測定光は、図示しない投光レンズを通過してフィルタユニット150に入射する。
上記のように、本例では光変調素子112としてDMDまたはLCOS等の反射型デバイスが用いられる。これに限らず、光変調素子112としては、反射型デバイスに代えてLCD(液晶ディスプレイ)等の透過型デバイスを用いてもよい。
フィルタユニット150は、フィルタ切替装置2および複数のフィルタキューブ151を含む。フィルタ切替装置2は、フィルタターレット152を含む。各フィルタキューブ151は、フレーム151a、励起フィルタ151b、ダイクロイックミラー151cおよび吸収フィルタ151dを含む。フレーム151aは、励起フィルタ151b、ダイクロイックミラー151cおよび吸収フィルタ151dを支持する立方体状の部材である。
複数のフィルタキューブ151は、測定対象物Sの蛍光観察に用いられる複数種類の蛍光試薬にそれぞれ対応する。例えば、蛍光試薬として上記のGFP、TexasRedおよびDAPIが用いられる場合には、GFP、TexasRedおよびDAPIにそれぞれ対応する3種類のフィルタキューブ151がフィルタユニット150に設けられる。
この場合、GFPに対応するフィルタキューブ151の励起フィルタ151bは波長490nm付近の光を通過させ、吸収フィルタ151dは波長510nm付近の光を通過させる。ダイクロイックミラー151cは、波長490nm付近の光を反射し、波長510nm付近の光を通過させる。
また、TexasRedに対応するフィルタキューブ151の励起フィルタ151bは596nm付近の光を通過させ、吸収フィルタ151dは620nm付近の光を通過させる。ダイクロイックミラー151cは、波長596nm付近の光を反射し、波長620nm付近の光を通過させる。
さらに、DAPIに対応するフィルタキューブ151の励起フィルタ151bは345nm付近の光を通過させ、吸収フィルタ151dは455nm付近の光を通過させる。ダイクロイックミラー151cは、波長345nm付近の光を反射し、波長455nm付近の光を通過させる。
フィルタターレット152は円板状を有する。フィルタターレット152には、その中心軸を基準として90°の角度間隔で4つの貫通孔が設けられている。フィルタターレット152は、図2のベースフレーム12上でフィルタターレット152の中心軸の周りで回転可能に支持される。フィルタ切替装置2の詳細については後述する。
複数のフィルタキューブ151の各々は、励起フィルタ151bがフィルタターレット152の中心軸と反対の方向に向かうようにかつ4つの貫通孔のうちのいずれかに重なるようにフィルタターレット152上に設けられる。
本実施の形態では、フィルタターレット152の3つの貫通孔に重なるように、上記の3種類の蛍光試薬にそれぞれ対応する3つのフィルタキューブ151がフィルタターレット152上に取り付けられる。
使用者は、蛍光観察時にフィルタターレット152を回転させることにより、所望のフィルタキューブ151を選択することができる。選択されたフィルタキューブ151は、測定光が励起フィルタ151bに入射するように、ステージ140上の測定対象物Sを通るZ方向に平行な観察軸OA上に配置される。観察軸OAはZ方向に延びる受光部120の光軸である。励起フィルタ151bに測定光が入射すると、測定光のうち一部の波長領域の光が励起フィルタ151bを通過する。励起フィルタ151bを通過した光は、ダイクロイックミラー151cにより上方に向けて反射される。
上記のように、本実施の形態ではフィルタターレット152の3つの貫通孔に3つのフィルタキューブ151が取り付けられ、残り1つの貫通孔にフィルタキューブ151が取り付けられない。そのため、フィルタキューブ151が取り付けられない貫通孔を観察軸OA(測定光の光路)上に配置させることにより、フィルタキューブ151を用いない明視野観察を行うことが可能である。
レンズユニット160は、レンズ切替装置1、複数の対物レンズ161、焦点距離調整機構163、レンズ支持板163pおよび焦点距離調整駆動部165を含む。複数の対物レンズ161は、互いに異なる倍率を有する。レンズ切替装置1は、レンズターレット162を含む。
焦点距離調整機構163が図2のベースフレーム12上に取り付けられる。焦点距離調整機構163はレンズ支持板163pをXY平面に平行かつZ方向に移動可能に支持する。
レンズ支持板163p上にレンズ切替装置1が設けられる。レンズ切替装置1のレンズターレット162は、円板状を有する。レンズターレット162には、その中心軸を基準として60°の角度間隔で6つの貫通孔が形成されている。レンズターレット162は、レンズターレット162の中心軸の周りで回転可能に支持される。レンズ切替装置1の詳細については後述する。
本実施の形態では、倍率が互いに異なる6つの対物レンズ161が、レンズターレット162の6つの貫通孔に重なるようにレンズターレット162上に取り付けられる。この状態で、6つの対物レンズ161は、ステージ140の下方かつフィルタユニット150の上方に位置する。
使用者は、レンズターレット162を回転させることにより、測定対象物Sの観察に用いる1つの対物レンズ161を選択することができる。選択された対物レンズ161は上記の観察軸OA上に配置される。
焦点距離調整駆動部165は、焦点距離調整機構163を駆動することによりレンズ支持板163pをZ方向に移動させる。それにより、ステージ140上の測定対象物Sと選択された対物レンズ161との間のZ方向における相対的な距離が調整される。
測定対象物Sの蛍光観察時には、フィルタキューブ151のダイクロイックミラー151cにより反射された測定光が、選択された対物レンズ161により集光されつつステージ140の開口を通過して測定対象物Sに照射される。測定対象物Sに測定光が照射されると、測定対象物Sに塗布された蛍光試薬から蛍光が放出される。測定対象物Sの下方に放出された蛍光は、選択された対物レンズ161とその対物レンズ161の下方に位置するフィルタキューブ151とベースフレーム12に形成された開口とを通過し、受光部120に入射する。
図2のアッパーフレーム16上に取り付けられる透過光供給部130は、固定部130Aおよび揺動部130Bからなる。固定部130Aは、透過光源131、絞り調整部132および透過光学系133を含み、アッパーフレーム16(図2)の上面上に固定される。
透過光源131は、例えば白色LEDである。透過光源131は、ハロゲンランプ等の他の光源であってもよい。透過光源131は、測定対象物Sの透過観察用の光源として用いられる。以下、透過光源131から出射される光を透過光と呼ぶ。絞り調整部132は、絞りおよび位相差スリットを含み、測定対象物Sに照射される透過光の明るさを調整するためおよび透過光による位相差観察を行うために用いられる。透過光学系133は、リレーレンズを含み、透過光源131から出射される透過光を固定部130Aの前方へ導く。リレーレンズは、絞り調整部132が含む絞りおよび位相差スリットとコンデンサレンズ135の前側焦点位置との間で共役関係が維持されるように配置される。
揺動部130Bは、ミラー134、コンデンサレンズ135および図示しない揺動機構を含む。揺動部130Bは、図2の上面蓋102が開かれた状態で、X方向に平行な軸を中心として揺動可能に構成される。それにより、揺動部130Bは、コンデンサレンズ135がZ方向においてステージ140上の測定対象物Sに対向する正規位置とコンデンサレンズ135がZ方向においてステージ140上の測定対象物Sに対向しない離間位置との間を移動する。
測定対象物Sの透過観察時には、使用者により揺動部130Bが手動で正規位置に移動される。揺動部130Bが正規位置にある状態で、固定部130Aから前方に導かれる透過光がミラー134により下方に反射され、コンデンサレンズ135を通してステージ140上の測定対象物Sを透過する。
上記のように、フィルタユニット150においては、透過観察時にフィルタキューブ151が設けられていないフィルタターレット152の貫通孔が選択される。この場合、測定対象物Sを透過した透過光は、使用者により選択された対物レンズ161とフィルタターレット152の貫通孔とベースフレーム12に形成された開口とを通して受光部120に入射する。
受光部120は、カメラ121、カラーフィルタ122および結像レンズ123を含む。カメラ121は、例えば撮像素子を含むCCD(電荷結合素子)カメラである。撮像素子は、例えばモノクロCCDである。撮像素子は、CMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサ等の他の撮像素子であってもよい。
カラーフィルタ122は、赤色波長の光を通過させるR(赤色)フィルタ、緑色波長の光を通過させるG(緑色)フィルタおよび青色波長の光を通過させるB(青色)フィルタを含む。受光部120に入射した蛍光または透過光は、結像レンズ123により集光および結像された後、カラーフィルタ122を通ってカメラ121により受光される。これにより、測定対象物Sの画像が得られる。カメラ121の撮像素子の各画素からは、受光量に対応するアナログの電気信号(以下、受光信号と呼ぶ)が制御基板170に出力される。
モノクロCCDには、カラーCCDとは異なり、赤色波長の光を受光する画素、緑色波長の光を受光する画素および青色波長の光を受光する画素を設ける必要がない。そのため、モノクロCCDの計測の分解能はカラーCCDの分解能よりも高くなる。また、モノクロCCDには、カラーCCDとは異なり、各画素にカラーフィルタを設ける必要がない。そのため、モノクロCCDの感度はカラーCCDの感度よりも高くなる。これらの理由により、本例におけるカメラ121にはモノクロCCDが設けられる。
本例においては、カラーフィルタ122のRフィルタ、GフィルタおよびBフィルタを通過した光が時分割でカメラ121により受光される。この構成によれば、モノクロCCDを用いた受光部120により測定対象物Sのカラー画像を得ることができる。
一方、カラーCCDが十分な分解能および感度を有する場合には、撮像素子は、カラーCCDであってもよい。この場合、カメラ121は、Rフィルタ、GフィルタおよびBフィルタを通過した光を時分割で受光する必要がないので、受光部120にカラーフィルタ122が設けられない。それにより、受光部120の構成を単純にすることができる。
制御基板170には、図示しないA/D変換器(アナログ/デジタル変換器)およびFIFO(First In First Out)メモリが実装される。カメラ121から出力される受光信号は、PC200による制御に基づいて、A/D変換器により一定のサンプリング周期でサンプリングされるとともにデジタル信号に変換される。A/D変換器から出力されるデジタル信号は、FIFOメモリに順次蓄積される。FIFOメモリに蓄積されたデジタル信号は画素データとして順次PC200に転送される。
(2)顕微鏡装置の制御系
図4は図1の顕微鏡装置500の制御系を示すブロック図である。測定部100においては、制御基板170は、PC200から与えられる指令に応答してパターン付与部110、受光部120、透過光供給部130、ステージ駆動装置141、フィルタユニット150、レンズユニット160の動作を制御する。また、制御基板170は、上記のようにカメラ121(図3)から出力される受光信号に基づくデジタル信号をPC200に転送する。さらに、制御基板170は、PC200からの指令に応答して測定光供給部300の電源装置310および投光部320の動作を制御する。
PC200は、CPU(中央演算処理装置)210、ROM(リードオンリメモリ)220、RAM(ランダムアクセスメモリ)230、記憶装置240および操作部250を含む。操作部250は、測定部100の制御基板170に指令を与えるために使用者により操作可能に構成され、キーボードおよびポインティングデバイスを含む。ポインティングデバイスとしては、マウスまたはジョイスティック等が用いられる。
表示部400は、例えばLCDパネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルにより構成される。ROM220には、システムプログラムが記憶される。RAM230は、種々のデータを記憶するとともにCPU210の作業領域として機能する。記憶装置240は、ハードディスク等からなる。記憶装置240には、顕微鏡装置500の制御プログラムおよび画像処理プログラムが記憶される。また、記憶装置240は、測定部100から与えられる画素データ等の種々のデータを保存するために用いられる。
図5は、CPU210の構成を示すブロック図である。図5に示すように、CPU210は、画像データ生成部211、パターン生成部212および制御部213を含む。画像データ生成部211は、上記の制御プログラムおよび画像処理プログラムを実行することにより、測定部100から与えられる画素データに基づいて画像データを生成する。画像データは複数の画素データの集合である。
パターン生成部212は、図3の光変調素子112により出射される測定光のパターンとして、空間的な位相が所定量ずつ順次移動されつつ前記測定対象物に照射されるべきパターンを生成する。制御部213は、パターン生成部212により生成されたパターンに基づいて図2の制御基板170を介して光変調素子112を制御することにより、所定のパターンを有する測定光を測定対象物Sに照射しつつパターンの位相を移動させる。
また、制御部213は、制御基板170に指令を与えることにより制御基板170を介して受光部120、透過光供給部130、ステージ140、フィルタユニット150、レンズユニット160および投光部320の動作を制御する。さらに、制御部213は、生成した画像データにRAM230を用いて各種処理を行うとともに、画像データに基づく画像を表示部400に表示させる。
(3)レンズ切替装置の詳細
(3−1)レンズ切替装置の構成
図6は図3のレンズ切替装置1の一部を示す平面図であり、図7は図6のレンズ切替装置1のJ−J線縦断面図であり、図8は図7のレンズ切替装置1のK−K線縦断面図である。図6および図7では、図3の焦点距離調整機構163の図示を省略する。図7に示すように、レンズ切替装置1を支持するレンズ支持板163pには、観察軸OAが通る位置に貫通孔163hが形成されている。
図6および図7に示すように、レンズ切替装置1は、レンズ回転機構20およびレンズ固定機構30を備える。レンズ回転機構20は、回転軸21、複数(本例では6個)のレンズ取り付け板22、複数(本例では6個)のガイド軸23、ガイド軸挿入部材24、エンコーダが取り付けられたステッピングモータ25、ギア26およびレンズターレット162を含む。回転軸21は、上方に向かって延びるようにかつその中心軸の周りで回転可能となるようにレンズ支持板163pに取り付けられる。
円板状を有するレンズターレット162の中心には、レンズターレット162を回転軸21に取り付けるための貫通孔が形成されている。その貫通孔に回転軸21が挿入されることにより、レンズターレット162が回転軸21のZ方向における略中央部分に固定される。
ガイド軸挿入部材24は略円柱形状を有する。ガイド軸挿入部材24には、ガイド軸挿入部材24を回転軸21に取り付けるための貫通孔がその中心軸に沿って延びるように形成されている。その貫通孔に回転軸21が挿入されることにより、ガイド軸挿入部材24が回転軸21の上端部分に固定される。
レンズ支持板163pには、レンズターレット162を駆動するためのステッピングモータ25が設けられている。ステッピングモータ25の回転軸にギア26が取り付けられる。レンズターレット162の外周部には、ギア26に噛み合う複数の歯が形成されている。ステッピングモータ25が作動することにより、回転軸21、レンズターレット162およびガイド軸挿入部材24が回転軸21の中心軸の周りで一体的に回転する。
レンズターレット162上には、略扇状を有する6つのレンズ取り付け板22が回転軸21の中心軸を基準として60°の角度間隔で配置される。各レンズ取り付け板22の内側端部近傍には上方に向かって延びるように棒状のガイド軸23が設けられる。また、各レンズ取り付け板22は、レンズターレット162の外周部よりも外方へ突出する突出部22pを有する。突出部22pの先端は球状を有する。
ガイド軸挿入部材24には、その中心軸を基準として60°の角度間隔で6つの貫通孔がさらに形成されている。ガイド軸挿入部材24の6つの貫通孔に、6つのレンズ取り付け板22に設けられた6本のガイド軸23がそれぞれ挿入される。この状態で、各レンズ取り付け板22は、レンズターレット162に接触する下部位置dp(図7)とレンズターレット162から一定距離上方に離間する上部位置up(図7)との間で移動可能となっている。
各レンズ取り付け板22の略中央部には、測定光および透過光を通過させるための貫通孔が形成されている。その貫通孔を覆うように、レンズ取り付け板22上に対物レンズ161が取り付けられる。
6つのレンズ取り付け板22が下部位置dp(図7)にある状態で、ステッピングモータ25が作動する。この場合、6つの対物レンズ161が、図6に一転鎖線で示すように、回転軸21の中心軸を基準として観察軸OAに交差する円形の軌道OR1上を移動する。また、6つのレンズ取り付け板22の突出部22pが軌道OR1の同心円である軌道OR2上を移動する。
レンズ固定機構30は、固定部材31、送りねじ32、ギア33,39、移動部材34、ガイド軸35a,35b、ガイド軸挿入部材36、突出部支持板37およびエンコーダが取り付けられたステッピングモータ38を含む。
固定部材31は、上壁部31Aおよび側壁部31Bを有する。側壁部31Bは、レンズ回転機構20の近傍の位置でXZ平面に平行となるようにレンズ支持板163p上に固定される。上壁部31Aは、側壁部31Bの上端部からY方向に延びるように設けられる。
図8に示すように、側壁部31Bには矩形の開口31oが形成されている。開口31oを形成する内周面31iの一部に逆V字状の凹部31vが形成されている。凹部31vは互いに対向する2つの内面部を有する。凹部31vの2つの内面部は、開口部から底部にかけて漸次互いに近づくように傾斜している。凹部31vは、各レンズ取り付け板22の突出部22pと係合可能に形成される。側壁部31Bは上記の軌道OR2が開口31oを通るように配置される。
図7に示すように、上壁部31Aとレンズ支持板163pとの間に2本の棒状のガイド軸35a,35bが接続される。また、上壁部31Aとレンズ支持板163pとの間に送りねじ32が設けられる。2本のガイド軸35a,35bおよび送りねじ32は、Y方向に並ぶように配置される。送りねじ32は2本のガイド軸35a,35bよりも側壁部31Bから離れた箇所に設けられ、ガイド軸35bはガイド軸35aおよび送りねじ32よりも側壁部31Bに近い箇所に設けられる。また、ガイド軸35bは、その下部がコイルバネspに挿入された状態でコイルバネspとともに上壁部31Aとレンズ支持板163pとの間に設けられる。送りねじ32の下端部近傍にはギア33が取り付けられている。
レンズ支持板163pには、ギア33を駆動するためのステッピングモータ38が設けられている。ステッピングモータ38の回転軸にギア39が取り付けられる。ギア39およびギア33は互いに噛み合うように配置される。ステッピングモータ38が作動することにより、送りねじ32およびギア33が送りねじ32の中心軸の周りで一体的に回転する。
側壁部31Bの開口31oからY方向に延びるように矩形の突出部支持板37が設けられる。突出部支持板37には、3つの貫通孔が形成されている。3つの貫通孔にガイド軸35a,35bおよび送りねじ32が挿入された状態で、突出部支持板37はコイルバネspにより上下動可能に支持される。突出部支持板37は、軌道OR2を通って側壁部31Bの開口31o内に進入する突出部22pを下方から支持可能に構成される。
上壁部31Aと突出部支持板37との間にY方向に延びるガイド軸挿入部材36が設けられる。ガイド軸挿入部材36にはガイド軸35a,35bをそれぞれ挿入可能な2つの貫通孔が形成されている。送りねじ32には、移動部材34が取り付けられる。ガイド軸挿入部材36は、2つの貫通孔にガイド軸35a,35bが挿入された状態で移動部材34に接続される。
移動部材34は筒状部材である。移動部材34の内周面には、送りねじ32に噛み合うようにねじ切り加工が施されている。上記のように、ステッピングモータ38が作動することにより送りねじ32が回転すると、移動部材34およびガイド軸挿入部材36が一体的に上下方向に移動する。
例えば、選択された対物レンズ161の光軸が観察軸OA上に位置する状態でステッピングモータ38の回転軸が一方向に回転することにより、ガイド軸挿入部材36が上部位置upとほぼ同じ高さまで上昇する。この場合、突出部支持板37がコイルバネspにより上方に押し上げられ、選択された対物レンズ161のレンズ取り付け板22が突出部支持板37により上部位置upまで上昇する。
それにより、図8に示すように、固定部材31の凹部31vに突出部22pが付勢され、固定部材31の凹部31vと突出部22pとが係合する。この状態で、軌道OR1上での複数の対物レンズ161の回転および軌道OR2上での複数の突出部22pの回転が阻止される。レンズ切替装置1において複数の対物レンズ161の回転および複数の突出部22pの回転が阻止される状態を回転阻止状態と呼ぶ。
一方、回転阻止状態からステッピングモータ38の回転軸が逆方向に回転することにより、ガイド軸挿入部材36が下部位置dpよりも下方の位置まで下降する。この場合、突出部支持板37がコイルバネspの弾性力に抗して押し下げられ、選択された対物レンズ161のレンズ取り付け板22が下降する。その後、そのレンズ取り付け板22がレンズターレット162の上面に接することにより、レンズ取り付け板22の下降が停止される。それにより、選択された対物レンズ161のレンズ取り付け板22が下部位置dpに位置する。
このようにして、固定部材31の凹部31vと突出部22pとの係合状態が解除され、軌道OR1上での複数の対物レンズ161の回転および軌道OR2上での複数の突出部22pの回転が許容される。レンズ切替装置1において複数の対物レンズ161の回転および複数の突出部22pの回転が許容される状態を回転許容状態と呼ぶ。
(3−2)レンズ切替装置の動作
図9〜図11は、レンズ切替装置1による対物レンズ161の切り替え動作を説明するための図である。図9(a),(b)に切り替え動作開始時のレンズ切替装置1の状態が断面図で示される。図9(a)の断面図は図6のJ−J線縦断面図に相当し、図9(b)の断面図は図7のK−K線縦断面図に相当する。
初期状態では、レンズ切替装置1は回転阻止状態であるものとする。対物レンズ161の切り替え動作が開始されると、レンズ切替装置1が回転阻止状態から回転許容状態に移行するようにレンズ固定機構30のステッピングモータ38が作動する。それにより、図9(a),(b)に太い矢印で示すように、突出部支持板37がレンズ支持板163pに向かって下方に移動し、レンズ取り付け板22が突出部支持板37とともに下部位置dpまで移動する。
回転阻止状態から回転許容状態への移行が完了すると、レンズ回転機構20のステッピングモータ25が作動し、レンズターレット162が回転する。それにより、図9(c)の平面図に示すように、複数の対物レンズ161が円形の軌道OR1上を移動する。
その後、ステッピングモータ25は、図10(a)の平面図に示すように、新たに選択された対物レンズ161の光軸が軌道OR1上の観察軸OAを含む予め定められた範囲Q1内に位置する状態で停止する。選択された対物レンズ161の光軸が範囲Q1内に位置する場合、その対物レンズ161を支持するレンズ取り付け板22の突出部22pは軌道OR2上の範囲Q2内に位置する。
レンズターレット162の回転が停止すると、レンズ切替装置1が回転許容状態から回転阻止状態に移行するようにレンズ固定機構30のステッピングモータ38が作動する。それにより、図10(b)の縦断面図に太い矢印で示すように、突出部支持板37がコイルバネspの弾性力により移動部材34およびガイド軸挿入部材36とともに上方に移動する。
図11(a)〜(d)に回転許容状態から回転阻止状態への移行中のレンズ固定機構30の状態が断面図で示される。図11(a)〜(d)の断面図は図7のK−K線縦断面図に相当する。
突出部22pの軌道OR2上での凹部31vの開口部の長さは上記の範囲Q2の長さよりも大きく設定されている。
回転許容状態から回転阻止状態への移行開始時に選択された対物レンズ161の光軸が観察軸OAからずれていると、図11(a)に示すように、突出部22pも凹部31vの中心部からずれた箇所に位置する。このような場合でも、選択された対物レンズ161の光軸が軌道OR1の範囲Q1(図10(a))内にある場合には、突出部22pは軌道OR2の範囲Q2(図10(a))内に位置する。
上記のように、凹部31vの開口部の長さは範囲Q2よりも大きく設定されている。それにより、突出部支持板37が上方へ移動すると、図11(b)に示すように、突出部22pが凹部31v内に進入し、凹部31vの一方の内面部に当接する。突出部支持板37がさらに上方へ移動すると、図11(c)に示すように、突出部22pが一方の内面部上を摺動する。それにより、図6のレンズターレット162が回転し、突出部22pが凹部31vの底部に向かうにつれて凹部31vの中心部に移動する。
最後に、図11(d)に示すように、突出部22pが凹部31vの2つの内面部に当接し、突出部22pと凹部31vとが係合する。それにより、突出部22pが凹部31vの中心部で固定される。このようにして、選択された対物レンズ161の光軸が観察軸OA上に導かれる。
本例のレンズ切替装置1においては、対物レンズ161の切り替え時に、回転許容状態で複数のレンズ取り付け板22の突出部22pと固定部材31の凹部31vとが互いに離間した状態で複数の対物レンズ161が軌道OR1上を移動する。それにより、突出部22pと凹部31vとの間に摩擦力が発生しない。
また、回転許容状態から回転阻止状態への移行時に、レンズターレット162の回転が許容された状態で一の突出部22pが凹部31vの一方の内面部上を摺動する。そのため、一の突出部22pと凹部31vの一方の内面部との間に大きな摩擦力が発生しない。
これらより、磨耗による突出部22pおよび凹部31vの劣化を抑制しつつ、選択された対物レンズ161の光軸を正確に観察軸OA上に位置決めすることができる。
さらに、上記のように、ステッピングモータ25によるレンズターレット162の回転時には、選択された対物レンズ161の光軸を観察軸OAに正確に一致させる必要がない。それにより、高い動作精度を有するステッピングモータ25を用いる必要がない。したがって、レンズ切替装置1の製造コストを低減することができる。
上記のレンズ切替装置1においては、対物レンズ161の切り替え時に、全てのレンズ取り付け板22が下部位置dpに位置する。このとき、全ての対物レンズ161の先端部分がステージ140よりも下方に位置する。この状態で複数の対物レンズ161が回転する。その後、選択された対物レンズ161が観察軸OA上の範囲Q1内に位置する状態で、その対物レンズ161が取り付けられたレンズ取り付け板22が上部位置upまで上昇する。それにより、対物レンズ161の切り替え時に各対物レンズ161の先端部分がステージ140と干渉することが防止される。
レンズ固定機構30においては、回転許容状態から回転阻止状態への移行時に突出部支持板37がコイルバネspにより上方に向かって付勢される。この状態で、突出部支持板37が突出部22pを支持することにより突出部22pが凹部31vに向かって付勢される。
一方、回転阻止状態から回転許容状態への移行時には、ステッピングモータ38が作動することにより突出部支持板37がコイルバネspの弾性力に抗して下方に移動する。それにより、突出部22pが凹部31vに向かって付勢されなくなり、突出部22pと凹部31vとが離間する。その後、凹部31vから一定距離離間した下部位置dpで、レンズ取り付け板22の下方への移動がレンズターレット162により阻止される。
それにより、レンズ取り付け板22が下部位置dpに正確に位置決めされる。この場合、高い精度で突出部支持板37を上下動させる必要がない。したがって、ステッピングモータ38として高い動作精度を有するステッピングモータを用いる必要がない。
(4)フィルタ切替装置の詳細
(4−1)フィルタ切替装置の構成
図12は、図3のフィルタ切替装置2の平面図である。図13は、図12のフィルタ切替装置2の背面図である。図14は、図12のフィルタ切替装置2の一方側面図である。図15は、図12のフィルタ切替装置2の他方側面図である。フィルタ切替装置2が設けられるベースフレーム12には、観察軸OAが通る位置に貫通孔が形成されている。
図12〜図15に示すように、フィルタ切替装置2は、主として回転板41、エンコーダが取り付けられたステッピングモータ44、回転軸49(図12、図13および図14)、回転軸51(図12〜図15)、回転軸159(図12、図13および図15)、3つの回転軸支持部材52(図12および図14)、摺動部材53(図12および図14)、棒状部材54(図12)、コイルバネ55(図13〜図15)、固定部材56(図12〜図15)およびフィルタターレット152(図12〜図15)から構成される。
ベースフレーム12から上方に延びるように回転軸49が設けられている。回転軸49の上端部に回転板41が回転可能に取り付けられている。回転板41は略円板状を有する。回転板41の上面には、外周部近傍に2つのピン42が設けられている。2つのピン42は、回転板41の中心を挟んで互いに対向する。
長尺状の支持板43が、回転板41をまたぐようにベースフレーム12上に取り付けられている。支持板43の中心部には、上方からステッピングモータ44が取り付けられる。ステッピングモータ44の回転軸は、支持板43を通して回転板41の中心に接続される。ステッピングモータ44が作動することにより、回転板41が回転する。回転板41の詳細は後述する。
回転軸49からX方向に所定距離離間した位置で、ベースフレーム12から上方に延びるように回転軸159が設けられている。回転軸159の上端部にフィルタターレット152が回転可能に取り付けられている。フィルタターレット152は、回転板41の外径と同じ外径を有し、回転板41の上方に配置される。上方から見た場合に、フィルタターレット152の一部は回転板41の一部に重なる。
上記のように、本例のフィルタターレット152には、その中心軸を基準として90°の角度間隔で4つの貫通孔が設けられている。4つの貫通孔のうち3つの貫通孔に重なるように3つのフィルタキューブ151が設けられる。フィルタターレット152は、その外周部に4つの貫通孔の近傍の位置からそれぞれ放射状に延びる4つの棒状突出部153を有する。
フィルタターレット152の下面には、その中心軸を基準として90°の角度間隔で4つの直線溝154が形成されている。各直線溝154は、フィルタターレット152の中心から一定距離離間した位置からフィルタターレット152の外周部まで放射状に延びている。また、各直線溝154は、回転板41の上面に設けられたピン42を収容可能な縦断面を有する。
回転板41が回転することにより1つのピン42がフィルタターレット152の1つの直線溝154内に進入し、その直線溝154の内部を移動すると、フィルタターレット152が回転する。その後、1つのピン42が1つの直線溝154から退出すると、フィルタターレット152の回転が停止する。このように、回転板41、2つのピン42およびフィルタターレット152により、フィルタターレット152が間欠的に回転するゼネバ運動が実現される。本例のフィルタターレット152は、回転板41が約180°回転するごとに約90°分間欠的に回転する。
フィルタターレット152が回転することにより、3つのフィルタキューブ151が、図12に一転鎖線で示すように、回転軸159の中心軸を基準として観察軸OAに交差する円形の軌道OR3上を移動する。また、4つの棒状突出部153が軌道OR3の同心円である軌道OR4上を移動する。
回転板41およびフィルタターレット152の側方に回転軸51、3つの回転軸支持部材52、摺動部材53、棒状部材54、コイルバネ55および固定部材56が設けられている。
図16は、摺動部材53および固定部材56の動作を説明するための外観斜視図である。図16(a),(b)に示すように、3つの回転軸支持部材52は、X方向に延びる回転軸51をその中心軸の周りで回転可能に支持する。
回転軸51の一端部に、回転軸51から回転板41(図12)へ向かって突出するように摺動部材53が取り付けられている。摺動部材53の先端には、回転板41(図12)の外周縁部の下端(後述する図17参照)に当接する摺動面53sが形成されている。一方、摺動部材53の後端には、Y方向に延びる棒状部材54の一端が取り付けられている。棒状部材54の他端には、コイルバネ55が取り付けられている。コイルバネ55は、図16(a),(b)に太い矢印で示すように、棒状部材54の他端を下方に向かって付勢する。
回転軸51の他端部近傍に、回転軸51からフィルタターレット152(図12)へ向かって突出するように固定部材56が固定されている。固定部材56の先端にはV字状の凹部56vが形成されている。凹部56vは、互いに対向する2つの内面部を有する。凹部56vの2つの内面部は、開口部から底部にかけて漸次互いに近づくように傾斜している。凹部56vは、フィルタターレット152の棒状突出部153(図12)と係合可能に形成される。
図17は、図12の回転板41の詳細を示す図である。図17(a)に図12の回転板41を下方から見た図が示され、図17(b)に図12の回転板41の一方側面図が示される。
図17(a),(b)に示すように、回転板41の外周縁部のZ方向の厚みは複数の部分で互いに異なる。具体的には、回転板41の外周縁部は、第1の厚みt1を有する第1の部分41aおよび第1の厚みt1よりも小さい第2の厚みt2を有する第2の部分41bとを含む。さらに、回転板41の外周縁部は、第1の厚みt1と第2の厚みt2との間で連続的に厚みが変化する第3の部分41cを含む。
回転板41の上面は図12のベースフレーム12上で均一な高さを有する。したがって、回転板41の外周縁部の下端の高さは、第1の部分41a、第2の部分41bおよび第3の部分41cで互いに異なる。それにより、回転板41が回転すると、図16(a),(b)に示すように、摺動部材53の摺動面53sのZ方向の位置が変化し、固定部材56が揺動する。
具体的には、摺動部材53の摺動面53sが回転板41の第1の部分41aの下部に位置するときに、図16(b)に示すように摺動部材53および固定部材56の前端が下方に向かう状態で保持される。このとき、固定部材56の先端は棒状突出部153の軌道OR4(図12)上から外れる。そのため、固定部材56の凹部56vと棒状突出部153とが係合しない。それにより、フィルタターレット152の回転が許容される。フィルタ切替装置2においては、フィルタターレット152の回転が許容される状態を回転許容状態と呼ぶ。
一方、摺動部材53の摺動面53sが回転板41の第2の部分41bの下部に位置するときに、図16(a)に示すように摺動部材53および固定部材56が水平姿勢で保持される。このとき、固定部材56の先端は棒状突出部153の軌道OR4(図12)上に位置する。したがって、固定部材56と対向する位置に棒状突出部153が存在する場合には、固定部材56の凹部56vと棒状突出部153とが係合する。それにより、フィルタターレット152の回転が阻止される。フィルタ切替装置2においては、フィルタターレット152の回転が阻止される状態を回転阻止状態と呼ぶ。
(4−2)フィルタ切替装置の動作
図18は、フィルタ切替装置2による複数のフィルタキューブ151の切り替え動作を説明するための図である。図18(a)〜(g)に回転板41およびフィルタターレット152の経時的な変化が平面図で示される。
初期状態では、摺動部材53の摺動面53sは回転板41の第2の部分41b(図17)の下部に位置し、固定部材56の凹部56vと1つの棒状突出部153とが係合している。すなわち、フィルタ切替装置2が回転阻止状態にあるものとする。また、初期状態では、3つのフィルタキューブ151のうち1つのフィルタキューブ151の光学的な中心部分が観察軸OA上に位置決めされている。
図18(a)に示すように、フィルタキューブ151の切り替え動作が開始されると、図12のステッピングモータ44が作動し、回転板41が一方向に回転する。続いて、図18(b)に示すように、回転板41が回転することにより一方のピン42がフィルタターレット152の1つの直線溝154に向かう。このとき、摺動部材53の摺動面53sが回転板41の第3の部分41c(図17)の下部に位置し、固定部材56の凹部56vと1つの棒状突出部153との係合状態が徐々に解除される。このようにして、フィルタ切替装置2が回転阻止状態から回転許容状態に移行する。
次に、図18(c)〜(e)に示すように、回転板41がさらに回転することにより一方のピン42がフィルタターレット152の1つの直線溝154内に進入し、移動する。それにより、フィルタターレット152が一方のピン42の動作とともに約90°回転する。この移動時には、摺動部材53の摺動面53sが回転板41の第1の部分41a(図17)の下部に位置し、固定部材56の凹部56vと1つの棒状突出部153とが離間している。
その後、図18(f)に示すように、回転板41が回転することにより一方のピン42がフィルタターレット152の1つの直線溝154から退出し、フィルタターレット152の回転が停止する。本例のフィルタ切替装置2においては、選択されたフィルタキューブ151の光学的な中心部分が、軌道OR3上の観察軸OAを含む予め定められた範囲Q3(図12参照)内に位置する状態でゼネバ運動によるフィルタターレット152の回転が停止するように各部の寸法が設定される。選択されたフィルタキューブ151の光学的な中心部分が範囲Q3内に位置する場合、そのフィルタキューブ151の近傍に設けられる棒状突出部153は軌道OR4上の範囲Q4内に位置する。
その後、摺動部材53の摺動面53sが回転板41の第3の部分41c(図17)の下部に位置し、固定部材56の凹部56vと他の棒状突出部153とが徐々に係合する。このようにして、フィルタ切替装置2が回転許容状態から回転阻止状態に移行する。
最後に、図18(g)に示すように、回転板41が初期状態から約180°分回転した時点で、フィルタ切替装置2の回転許容状態から回転阻止状態への移行が完了する。それにより、新たに選択されたフィルタキューブ151の光学的な中心部分が観察軸OA上に位置決めされる。このとき、摺動部材53の摺動面53sは回転板41の第2の部分41b(図17)の下部に位置する。
上記のように、フィルタキューブ151の切り替え時においては、選択されたフィルタキューブ151の光学的な中心部分が範囲Q3(図12参照)内に位置する状態(図18(f))で回転許容状態から回転阻止状態への移行が行われる。それにより、フィルタキューブ151の光学的な中心部分が観察軸OA上に導かれる。この場合の固定部材56の動作について説明する。
図19は、回転許容状態から回転阻止状態への移行中の固定部材56の動作を示す模式的側面図である。図19(a)に示すように、回転許容状態では、固定部材56の先端部が棒状突出部153の軌道OR4よりも下方に位置する。その後、回転許容状態から回転阻止状態への移行が進むと、固定部材56の先端部が軌道OR4に向かって徐々に上方へ移動する。
ここで、凹部56vの開口部の長さは上記の範囲Q4の長さよりも大きく設定されている。また、選択されたフィルタキューブ151の光学的な中心部が軌道OR3上の範囲Q3内に位置する場合、そのフィルタキューブ151の近傍に設けられる棒状突出部153は範囲Q4内に位置する。したがって、選択されたフィルタキューブ151の光学的な中心部が軌道OR3上の範囲Q3内に位置する状態で固定部材56の先端部が上方へ移動すると、図19(b)に示すように、棒状突出部153が凹部56v内に進入する。また、棒状突出部153が凹部56vの一方の内面部に当接する。
固定部材56の先端部がさらに上方へ移動すると、棒状突出部153が一方の内面部上を摺動する。それにより、フィルタターレット152が回転し、棒状突出部153が凹部56vの底部に向かうにつれて凹部56vの中心部に移動する。最終的に、図19(c)に示すように、棒状突出部153が凹部56vの2つの内面部に当接し、棒状突出部153と凹部56vとが係合する。このようにして、棒状突出部153が凹部56vの中心部で固定され、選択されたフィルタキューブ151の光学的な中心部分が観察軸OA上に導かれる。
本例のフィルタ切替装置2においては、フィルタキューブ151の切り替え時に、回転許容状態でフィルタターレット152の複数の棒状突出部153と固定部材56の凹部56vとが互いに離間した状態で複数のフィルタキューブ151が軌道OR3上を移動する。それにより、棒状突出部153と凹部56vとの間に摩擦力が発生しない。
また、回転許容状態から回転阻止状態への移行時に、フィルタターレット152の回転が許容された状態で一の棒状突出部153が凹部56vの一方の内面部上を摺動する。そのため、一の棒状突出部153と凹部56vの一方の内面部との間に大きな摩擦力が発生しない。
これらより、磨耗による棒状突出部153および凹部56vの劣化を抑制しつつ、選択されたフィルタキューブ151の光学的な中心部分を正確に観察軸OA上に位置決めすることができる。
さらに、上記のように、ゼネバ運動によるフィルタターレット152の回転時には、選択されたフィルタキューブ151の光学的な中心部分を観察軸OAに正確に一致させる必要がない。それにより、フィルタターレット152を回転させるために高い動作精度を有するステッピングモータを用いる必要がない。したがって、フィルタ切替装置2の製造コストを低減することができる。
本例のフィルタ切替装置2においては、1つのステッピングモータ44により発生される駆動力に基づいて、フィルタターレット152が回転されるとともに、回転許容状態と回転阻止状態との間の移行が行われる。それにより、フィルタターレット152を回転させるための駆動装置と、回転許容状態と回転阻止状態との間の移行のための駆動装置とを個別に容易する必要がない。したがって、複数の駆動装置を用いることによるフィルタ切替装置2の高コスト化が防止される。
(5)パターン付与部の機能
図20は、測定対象物Sに測定光が照射される場合に測定対象物Sから放出される蛍光を表す模式図である。図20に示すように、対物レンズ161の焦点に測定対象物Sの観察対象部分sp1が配置される場合、対物レンズ161を通過する測定光は点線で示すように測定対象物Sの観察対象部分sp1に向かって集光される。それにより、測定対象物Sの観察対象部分sp1に蛍光試薬が存在すると、その観察対象部分sp1から蛍光が放出される。蛍光の一部が太い矢印で示すように対物レンズ161を通して受光部120(図3)に入射する。
対物レンズ161により測定対象物Sの観察対象部分sp1に測定光が集光される場合には、対物レンズ161の焦点から外れた位置に存在する蛍光試薬も測定光を受けることにより蛍光を放出する。図20の例では、観察対象部分sp1以外の部分sp2,sp3からも蛍光が放出される。部分sp2,sp3が対物レンズ161の被写界深度DFから外れた位置にあると、それらの部分sp2,sp3から放出される蛍光が迷光として受光部120に入射する。
図21は、測定対象物Sにおける所定の観察範囲に均一な測定光を照射することにより得られる蛍光観察画像の一例を示す図である。上記の理由により、測定対象物Sにおける所定の観察範囲に均一に測定光を照射すると、図21に示すように、対物レンズ161の被写界深度DFから外れた位置から放出される蛍光が迷光として受光部120に入射し、蛍光観察画像のコントラストを全体的に低下させる。
そこで、本例の測定部100においては、コントラストの高い蛍光観察画像を得るために、以下に説明するパターン化された測定光を用いるセクショニング観察が行われる。
セクショニング観察では、所定パターンを有する測定光を測定対象物Sに照射しつつ所定パターンの空間的な位相を一定量ずつ移動させる。所定パターンを有する測定光は、例えばXY平面上の一方向(例えばY方向)または二方向(例えばX方向およびY方向)において周期的に変化する強度を有する。以下、パターンを有する測定光をパターン測定光と呼ぶ。
パターン測定光のパターンおよびその位相は、光変調素子112により制御される。ここで、強度が所定の値以上のパターン測定光の部分を明部分と呼び、強度が所定の値より小さいパターン測定光の部分を暗部分と呼ぶ。
パターン測定光としては、例えば一方向(例えばX方向)に平行でかつ一方向に直交する他の方向(例えばY方向)に略等間隔で並ぶ複数の直線状の明部分を含むとともに複数の明部分の間に複数の直線状の暗部分を含む断面を有する縞状測定光を用いることができる。
図22は、セクショニング観察方法の一例を示す図である。セクショニング観察では、図22(a)〜(d)に示すように、パターン測定光(本例では縞状測定光)の明部分が測定対象物Sの全ての部分に少なくとも1回照射されるようにパターン測定光のパターンの位相が一定量ずつ移動される。また、パターンの位相が一定量移動されるごとに、測定対象物Sにより放出される蛍光が検出される。これにより、測定対象物Sの複数の画像データが生成される。
以下、測定対象物Sにパターン測定光が照射された場合に得られる画像データをパターン画像データと呼ぶ。パターン画像データに基づく画像をパターン画像と呼ぶ。
各パターン画像データにおいて、パターン測定光の明部分に対応する画素データは高い値(輝度値)を有し、パターン測定光の暗部分に対応する画素データは低い値(輝度値)を有する。そのため、図22(a)〜(d)に矢印で示すように、各パターン画像において、パターン測定光の明部分に対応する画素の部分は明るく、パターン測定光の暗部分に対応する画素の部分は暗い。
ここで、各パターン画像は、迷光の影響を受ける。迷光の影響が除去された画像データを得るために以下の処理が実行される。
まず、複数のパターン画像データから画素ごとに複数の画素データの値を用いて明暗差の度合いを表わす成分(以下、合焦成分と呼ぶ)を算出する。合焦成分を有する画素をつなぎ合わせることにより画像データを生成する。このようにして生成される画像データをセクショニング画像データと呼ぶ。セクショニング画像データに基づく画像をセクショニング画像と呼ぶ。
上記の縞状測定光を用いて生成されたパターン画像データにおいては、合焦成分は、例えば画素データの最大値(最大輝度値)と最小値(最小輝度値)との差、または画素データの値の標準偏差である。
本例では、各画素について、パターン測定光の明部分および暗部分が照射されたときのパターン画像データの画素データの差を合焦成分として算出する。算出された全画素についての合焦成分をつなぎ合せることにより、セクショニング画像データを生成する。各画素について、パターン測定光の暗部分が照射されたときのパターン画像データの画素データの値は、迷光の成分に相当する。したがって、迷光の影響が除去されたセクショニング画像データを得ることができる。その結果、図22(e)に示すように、迷光の影響が除去されたコントラストの高い蛍光観察画像(セクショニング画像)を得ることができる。
なお、パターン測定光としては、縞状測定光に代えて、例えばX方向に平行でかつY方向に強度が正弦波状に変化するパターンを含む断面を有する正弦波状測定光を用いることもできる。正弦波状測定光を用いて生成されたパターン画像データにおいては、合焦成分は、例えば画素データの振幅(ピークトゥピーク)である。また、パターン測定光としては、縞状測定光に代えて、X方向およびY方向に略等間隔で並ぶ複数のドット状の明部分を含む断面を有するドット状測定光を用いることもできる。ドット状測定光を用いて生成されたパターン画像データにおいては、合焦成分は、例えば画素データの最大値(最大輝度値)と最小値(最小輝度値)との差、または画素データの値の標準偏差である。
(6)測定部の構造の詳細
(6−1)フレーム構造
図2の筐体101の内部では、上記のパターン付与部110、受光部120、透過光供給部130、ステージ140、ステージ駆動装置141、フィルタユニット150およびレンズユニット160が、ステージフレーム11、ベースフレーム12およびアッパーフレーム16を含む支持体により支持される。
図23は、筐体101の内部に設けられる支持体の分解斜視図である。図23および後述する図24〜図26では、図2と同様に、X方向、Y方向およびZ方向が矢印で示される。
図23に示すように、支持体10は、ステージフレーム11、ベースフレーム12、2つのサイドフレーム13、2つの補強フレーム14、バックフレーム15およびアッパーフレーム16を含む。各フレームは、例えばアルミニウム合金等の金属材料により作製される板状部材である。各フレームは、樹脂により作製されてもよい。
ベースフレーム12は、一側辺および他側辺を有する板状部材であり、XY平面に平行に配置される。ベースフレーム12の一側辺および他側辺は、X方向に直交する。ベースフレーム12のX方向における中央部には後方から矩形の切り欠きが形成されている。
2つのサイドフレーム13は、同じ形状を有する板状部材であり、YZ平面に平行でかつ互いに向かい合うようにベースフレーム12の上面における一側辺近傍および他側辺近傍に取り付けられる。各サイドフレーム13の前方の上端部分は後方の上端部分よりも低い。
2つの補強フレーム14は、XZ平面に平行でかつ互いに向かい合うように2つのサイドフレーム13の間に取り付けられる。また、バックフレーム15は、XZ平面に平行になるように2つのサイドフレーム13の後端部に取り付けられる。
ステージフレーム11は、板状部材であり、XY平面に平行になるように2つのサイドフレーム13の前方の上端部分に取り付けられる。アッパーフレーム16は、板状部材であり、XY平面に平行となるように2つのサイドフレーム13の後方の上端部分に取り付けられる。このようにして、複数のフレーム11〜16が連結されることにより支持体10が作製される。支持体10の後方からバックフレーム15に制御基板170が取り付けられる。
本例の支持体10においては、YZ平面に平行な2つのサイドフレーム13が、Z方向の互いに異なる3つの位置でXY平面に平行な3つのフレーム(ステージフレーム11、ベースフレーム12およびアッパーフレーム16)により連結されている。それにより、2つのサイドフレーム13がZ方向の互いに異なる2つの位置でXY平面に平行な2つのフレーム(ステージフレーム11、ベースフレーム12およびアッパーフレーム16のうちのいずれか2つ)により連結される場合に比べて支持体10の剛性が著しく向上する。したがって、高い剛性を確保するために、支持体10を構成する各フレーム11〜16の厚みを大きくする必要がなくなる。その結果、支持体10の小型化および軽量化が実現される。
(6−2)支持体により支持される複数の構成要素
図24は、図23の支持体10により支持される複数の構成要素の分解斜視図である。図24に示すように、ベースフレーム12の下面に上面が開口した収容ボックス120Bが取り付けられる。収容ボックス120B内には、受光部120が収容される。また、収容ボックス120B内には、受光部120とともに図示しない駆動回路および排熱ファンが収容される。
ベースフレーム12における切り欠きが形成された部分にパターン付与部110が取り付けられる。ベースフレーム12の上面には、パターン付与部110の前方の位置にフィルタユニット150が取り付けられる。また、ベースフレーム12の上面には、フィルタユニット150の一側方にレンズユニット160の焦点距離調整機構163が取り付けられる。この状態で、レンズユニット160のレンズターレット162はフィルタターレット152の上方の位置で焦点距離調整機構163によりZ方向に移動可能に支持される。アッパーフレーム16の上面上に透過光供給部130が取り付けられる。
(6−3)複数の支柱、台座および筐体
図25は、図23の支持体10を支持する複数の支柱106および台座107を示す分解斜視図である。図25に示すように、台座107は、略長方形状を有する板状部材である。台座107の四隅に4つの支柱106が上方へ向かって延びるように取り付けられている。各支柱106の上端部に弾性部材106dが取り付けられる。
各弾性部材106dは、コイル状のバネがゲル材料により覆われた構成を有する。ゲル材料としては、ポリウレタンゲルを用いることができる。なお、ゲル材料は低硬度のものが好ましい。
支持体10が4つの弾性部材106d上に載置される。この状態で、前方の2つの弾性部材106dおよび支柱106がステージフレーム11の下面の前方部分を支持する。また、後方の2つの弾性部材106dおよび支柱106がバックフレーム15の下端部を支持する。なお、バックフレーム15の下端部には、予め2つの弾性部材106dが当接する下面を有する接続部材(図示せず)が取り付けられている。
上記のように、支持体10が4つの支柱106、4つの弾性部材106dおよび台座107により支持された状態で、支持体10にさらに筐体101が取り付けられる。
図26は、図25の支持体10への筐体101の取り付け方法を示す外観斜視図である。図26に示すように、支持体10の前方部分に筐体101の前面部101aがねじ等を用いて取り付けられ、支持体10の後方部分に筐体101の背面部101bがねじ等を用いて取り付けられる。また、支持体10の一側方部分に筐体101の一側面部101cがねじ等を用いて取り付けられ、支持体10の他側方部分に筐体101の他側面部101dがねじ等を用いて取り付けられる。さらに、支持体10の上方部分に筐体101の上面部101eがねじ等を用いて取り付けられる。
このようにして、支持体10に前面部101a、背面部101b、一側面部101c、他側面部101dおよび上面部101eが取り付けられることにより筐体101が形成される。この状態で、筐体101は、4つの支柱106、4つの弾性部材106dおよび台座107のいずれにも接触することなく支持体10により支持される。
上記のように、本例の測定部100においては、支持体10(図23)、筐体101(図2)、パターン付与部110(図2)、受光部120(図2)、透過光供給部130(図2)、ステージ140(図2)、ステージ駆動装置141(図2)、フィルタユニット150(図2)、レンズユニット160(図2)が、4つの弾性部材106dを介して4つの支柱106および台座107により支持される。
それにより、測定部100が設置されている設置面に振動が生じた場合でも、その設置面から台座107および4つの支柱106に伝達される振動が4つの弾性部材106dにより吸収され、支持体10に伝達されない。したがって、測定部100の外部で発生する振動に起因する観察の信頼性の低下が抑制される。
図2および図3に示すように、筐体101内には、熱源としてパターン付与部110の光変調素子112、受光部120のカメラ121、透過光供給部130の透過光源131および制御基板170が存在する。したがって、図23の支持体10には、光変調素子112、カメラ121、透過光源131および制御基板170から発生する熱を筐体101の外部に排出するための排熱装置(図示せず)が設けられる。この場合においても、排熱装置が作動することにより支持体10に生じる高周波の振動が、図25の4つの弾性部材106dにより吸収される。したがって、測定部100の内部で発生する振動に起因する観察の信頼性の低下が抑制される。
(7)効果
上記のレンズ切替装置1においては、対物レンズ161の切り替え時に、突出部22pと凹部31vの内面部との間に大きな摩擦力が発生しない。それにより、磨耗による突出部22pおよび凹部31vの劣化を抑制することができる。また、選択された対物レンズ161の光軸が範囲Q1内に位置する場合には、回転許容状態から回転阻止状態への移行時に、選択された対物レンズ161の光軸が観察軸OA上に導かれる。それにより、ステッピングモータ25によるレンズターレット162の回転時に、選択された対物レンズ161の光軸を観察軸OAに正確に一致させる必要がない。これらの結果、レンズ切替装置1の低コスト化および長寿命化が実現されるとともに対物レンズ161の切り替えを高い精度で行うことが可能になる。
上記のフィルタ切替装置2においては、フィルタキューブ151の切り替え時に、棒状突出部153と凹部56vの内面部との間に大きな摩擦力が発生しない。それにより、磨耗による棒状突出部153および凹部56vの劣化を抑制することができる。また、選択されたフィルタキューブ151の光学的な中心部分が範囲Q3内に位置する場合には、回転許容状態から回転阻止状態への移行時に、選択されたフィルタキューブ151の光学的な中心部分が観察軸OA上に導かれる。それにより、ゼネバ運動によるフィルタターレット152の回転時に、選択されたフィルタキューブ151の光学的な中心部分を観察軸OA上に正確に位置決めする必要がない。これらの結果、フィルタ切替装置2の低コスト化および長寿命化が実現されるとともにフィルタキューブ151の切り替えを高い精度で行うことが可能になる。
レンズ切替装置1においては、回転阻止状態で突出部22pと凹部31vとを係合させるためにコイルバネspが用いられる。同様に、フィルタ切替装置2においては、回転阻止状態で棒状突出部153と凹部56vとを係合させるためにコイルバネ55が用いられる。コイルバネsp,55は、板バネ等の他の種類のバネに比べて寿命が長い。したがって、レンズ切替装置1およびフィルタ切替装置2の長寿命化が実現される。
上記のように、本例の顕微鏡装置500には、2つの光学部材切替装置としてレンズ切替装置1およびフィルタ切替装置2が設けられる。したがって、顕微鏡装置500の低コスト化および長寿命化が実現される。また、対物レンズ161およびフィルタキューブ151の切り替えを高い精度で行うことが可能になるので、信頼性の高い顕微鏡観察が実現される。
(8)レンズ回転機構の他の構成例
図27はレンズ切替装置1の他の構成例を示す平面図であり、図28は図27のレンズ切替装置1のL−L線縦断面図である。図27においては、図6の例と同様に、図3の焦点距離調整機構163の図示を省略する。また、図28では、レンズ固定機構30の図示を省略する。
図27に示すように、本例のレンズ切替装置1は、レンズ回転機構20およびレンズ固定機構30から構成される。本例のレンズ回転機構20は、図6および図7のレンズ回転機構20と異なる構成を有する。一方、レンズ固定機構30は、図6および図7のレンズ固定機構30と同じ構成を有する。
以下、本例のレンズ回転機構20について、図6および図7のレンズ回転機構20と異なる点を説明する。図27および図28に示すように、本例では、回転軸21の上端部近傍にガイド軸挿入部材24が取り付けられる。また、ガイド軸挿入部材24の上端部を取り囲むようにレンズターレット162が回転軸21およびガイド軸挿入部材24とともに回転可能に設けられる。
レンズターレット162の上面上に複数のレンズ取り付け板22が設けられる。各レンズ取り付け板22は、レンズターレット162の中心からレンズターレット162の外周部より外方の位置まで延びるように形成されている。
各レンズ取り付け板22の内側端部近傍には下方に向かって延びるように棒状のガイド軸23が設けられる。また、各レンズ取り付け板22の外側端部近傍には上方に突出する球状の突出部22pが設けられている。各レンズ取り付け板22上に対物レンズ161が取り付けられる。
ガイド軸挿入部材24の6つの貫通孔に、6つのレンズ取り付け板22に設けられた6本のガイド軸23がそれぞれ挿入される。この状態で、各レンズ取り付け板22はレンズターレット162に接触する下部位置dp(図28)とレンズターレット162から一定距離上方に離間する上部位置up(図28)との間で移動可能となっている。
本例のレンズ回転機構20は、図6および図7のレンズ回転機構20の構成要素に加えて、回転板61、2つのピン62、ギア63、エンコーダが取り付けられたステッピングモータ64および回転軸71,72をさらに含む。
レンズ支持板163p上に回転軸71を介して回転板61が回転可能に支持される。回転板61は略円板状を有する。回転板61の上面には、外周部近傍に2つのピン62が設けられている。2つのピン62は、回転板61の中心を挟んで互いに対向する。また、レンズ支持板163p上に回転軸72を介してギア63が回転可能に支持される。回転板61の外周部にはギア63に噛み合う複数の歯が形成されている。回転板61およびギア63は互いに噛み合うように配置される。
回転軸72の上方にステッピングモータ64が設けられる。ステッピングモータ64は図示しない支持部材によりレンズ支持板163p上に固定される。ステッピングモータ64の回転軸が回転軸72に接続される。ステッピングモータ64が作動することによりギア63および回転板61が回転する。
回転板61およびギア63は、レンズターレット162の下方に位置する。上方から見た場合に、レンズターレット162の一部は回転板61の一部に重なる。レンズターレット162の下面には、その中心軸を基準として60°の角度間隔で6つの直線溝164(図27)が形成されている。各直線溝164は、レンズターレット162の中心から一定距離離間した位置からレンズターレット162の外周部まで放射状に延びている。さらに、各直線溝164は、回転板61の上面に設けられたピン62を収容可能な縦断面を有する。
回転板61およびギア63が回転することにより回転板61の上面に設けられた2つのピン62のうちいずれか1つが、レンズターレット162の6つの直線溝164のうちの1つに進入し、移動し、退出する。それにより、レンズターレット162が間欠的に回転するゼネバ運動が実現される。本例では、レンズターレット162は、回転板61が約180°回転するごとに約60°分間欠的に回転する。
選択された対物レンズ161の光軸と観察軸OAとが一致する状態で、レンズ固定機構30の固定部材31の凹部31v(図8)と突出部22pとが係合する。この状態で、軌道OR1上での複数の対物レンズ161の回転および軌道OR2上での複数の突出部22pの回転が阻止される。本例においても、レンズ切替装置1において複数の対物レンズ161の回転および複数の突出部22pの回転が阻止される状態を回転阻止状態と呼ぶ。また、レンズ切替装置1において複数の対物レンズ161の回転および複数の突出部22pの回転が許容される状態を回転許容状態と呼ぶ。
図29は、フィルタ切替装置2による複数の対物レンズ161の切り替え動作を説明するための図である。図29(a)〜(g)に回転板61およびレンズターレット162の経時的な変化が平面図で示される。
初期状態では、レンズ切替装置1が回転阻止状態にあり、選択された対物レンズ161の光軸が観察軸OAに一致しているものとする。
対物レンズ161の切り替え動作が開始されると、レンズ固定機構30(図27)のステッピングモータ38が作動することにより、レンズ切替装置1が回転阻止状態から回転許容状態に移行する。その後、図29(a)に示すように、図28のステッピングモータ64が作動し、回転板61が一方向に回転する。
続いて、図29(b)に示すように、回転板61が回転することにより一方のピン62がレンズターレット162の1つの直線溝164に向かう。次に、図29(c)〜(e)に示すように、回転板61がさらに回転することにより一方のピン62がレンズターレット162の1つの直線溝164内に進入し、移動する。それにより、レンズターレット162が一方のピン62の動作とともに約60°回転する。
その後、図29(f)に示すように、回転板61が回転することにより一方のピン62がフィルタターレット152の1つの直線溝164から退出する。このとき、レンズ固定機構30(図27)のステッピングモータ38が作動することにより、レンズ切替装置1が回転許容状態から回転阻止状態に移行する。
最後に、図29(g)に示すように、回転板61が初期状態から約180°分回転した時点で、レンズ切替装置1の回転許容状態から回転阻止状態への移行が完了する。それにより、新たに選択された対物レンズ161の光軸が観察軸OA上に位置決めされる。
(9)移動規制機構の他の構成例
図6および図27のレンズ固定機構30には、エンコーダが取り付けられたステッピングモータ38が設けられる。それにより、エンコーダの出力に基づいてステッピングモータ38の回転角度が制御される。これに限らず、レンズ固定機構30には、上記のステッピングモータ38に代えて、DC(直流)モータおよび検出器を設けてもよい。
図30は、レンズ固定機構30の他の構成例を示す縦断面図である。図30(a)に示すように、本例では、ガイド軸挿入部材36に棒状の検出用突出片36pが取り付けられる。検出用突出片36pは、Y方向に延びるようにガイド軸挿入部材36に固定され、ガイド軸挿入部材36とともに上下方向に移動する。
また、レンズ支持板163p上に、Z方向に延びる支持部材71が設けられる。支持部材71においては、固定部材31の凹部31vよりも上方の位置に検出器72aが取り付けられる。また、支持部材71においては、検出器72aから所定距離下方の位置に検出器72bが取り付けられる。検出器72a,72bは、それぞれ上下方向に移動する検出用突出片36pの先端部を検出する。
検出器72a,72bとしては、例えばフォトインタラプタ等の光センサを用いることができる。また、検出器72a,72bとしては、超音波センサまたは磁気センサ等を用いることもできる。
本例のレンズ固定機構30では、図6および図27のステッピングモータ38に代えて、DCモータ38dが用いられる。例えば図2の制御基板170は、レンズ切替装置1が回転許容状態から回転阻止状態に移行する際に、DCモータ38dを回転させる。それにより、図30(a)に太い矢印で示すように、ガイド軸挿入部材36が上昇し、突出部支持板37もコイルバネspの弾性力により上昇する。
選択された対物レンズ161のレンズ取り付け板22が上部位置upに達すると、レンズ取り付け板22の突出部22pが固定部材31の凹部31vと係合することによりレンズ取り付け板22および突出部支持板37の上昇が停止する。その後、検出用突出片36pが検出器72aにより検出されることにより、制御基板170はDCモータ38dの回転を停止させる。
このように、上記の構成では、回転許容状態から回転阻止状態への移行時にレンズ取り付け板22が上部位置upに達した後でDCモータ38dの回転が停止しても、レンズ取り付け板22が上部位置upで正確に位置決めされる。
また、図2の制御基板170は、レンズ切替装置1が回転阻止状態から回転許容状態に移行する際に、DCモータ38dを回転させる。それにより、図30(b)に太い矢印で示すように、ガイド軸挿入部材36が下降し、突出部支持板37もコイルバネspの弾性力に抗して下降する。選択された対物レンズ161のレンズ取り付け板22が下部位置dpに達すると、レンズ取り付け板22はレンズターレット162により支持される。したがって、レンズ取り付け板22の下降が停止する。その後、検出用突出片36pが検出器72bにより検出されることにより、制御基板170はDCモータ38dの回転を停止させる。
このように、上記の構成では、回転阻止状態から回転許容状態への移行時にレンズ取り付け板22が下部位置dpに達した後でDCモータ38dの回転が停止しても、レンズ取り付け板22が下部位置dpで正確に位置決めされる。
上記のように、本例ではステッピングモータを用いることなくレンズ取り付け板22の正確な位置決めが実現される。したがって、レンズ固定機構30の低コスト化が実現される。
(10)他の実施の形態
上記の実施の形態では、光学部材切替装置の一例として対物レンズ161を切り替えるレンズ切替装置1を説明し、光学部材切替装置の他の例としてフィルタキューブ151を切り替えるフィルタ切替装置2を説明した。これに限らず、光学部材切替装置は、対物レンズ161およびフィルタキューブ151以外の他の光学部材(ミラー、フィルタ、ズームレンズ、接眼レンズ等)を切り替え可能に構成されてもよい。
上記の実施の形態では、光学部材切替装置を顕微鏡装置500に適用する例について説明した。これに限らず、光学部材切替装置は、ビデオカメラ等の他の光学装置に適用することもできる。
(11)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記の実施の携帯においては、レンズ切替装置1およびフィルタ切替装置2がそれぞれ光学部材切替装置の例であり、複数の対物レンズ161および複数のフィルタキューブ151がそれぞれ複数の光学部材の例であり、受光部120が光学装置の例であり、観察軸OAが光学装置の光軸の例である。
また、突出部22pおよび棒状突出部153がそれぞれ第1の係合部の例であり、レンズ取り付け板22およびフィルタターレット152がそれぞれ支持部材の例であり、軌道OR1,OR3がそれぞれ第1の軌道の例であり、ステッピングモータ25,44がそれぞれ第1の駆動装置の例であり、固定部材31の凹部31vおよび固定部材56の凹部56vがそれぞれ第2の係合部の例である。
また、回転許容状態にあるときの凹部31v,56vの状態がそれぞれ第1の状態の例であり、回転阻止状態にあるときの凹部31v,56vの状態がそれぞれ第2の状態の例であり、送りねじ32、ギア33,39、移動部材34、ガイド軸挿入部材36、突出部支持板37、ステッピングモータ38、レンズターレット162、制御基板170およびコイルバネspを含む構成が移行制御装置の例であり、回転板41、ピン42、回転軸51、回転軸支持部材52、摺動部材53、棒状部材54、コイルバネ55および制御基板170を含む構成が移行制御装置の例である。
また、範囲Q1,Q3がそれぞれ第1の範囲の例であり、軌道OR2,OR4が第2の軌道の例であり、範囲Q2,Q4がそれぞれ第2の範囲の例であり、コイルバネsp,55がそれぞれコイルバネの例であり、突出部支持板37が当接部材の例であり、送りねじ32、ギア33,39、移動部材34、ガイド軸挿入部材36およびステッピングモータ38を含む構成が当接部材移動装置の例であり、レンズターレット162が移動阻止部の例である。
また、回転板41、ピン42、回転軸51、回転軸支持部材52、摺動部材53および棒状部材54を含む構成が動力変換機構の例であり、測定対象物Sが対象物の例であり、ステージ140がステージの例であり、受光部120が光学装置の例であり、顕微鏡装置500が顕微鏡装置の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。