JP2015083620A - フィルムコンデンサ及び製造装置 - Google Patents

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正彦 安藤
尚起 吉本
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Abstract

【課題】本発明は、誘電率の増大と誘電損失の低減を両立した誘電体フィルム、これを用いたフィルムコンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】高誘電率高分子11を主鎖とし、側鎖に低誘電率高分子12を有する高分子13を主成分とする誘電体フィルムであって、高誘電率高分子11が一軸配向しており、高誘電率高分子11の分極モーメントがフィルムの膜厚方向に配向していることを特徴とする。本発明の誘電体フィルムにより、高誘電率と低誘電損失の両立が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、大容量フィルムコンデンサ用材料およびそれを用いたフィルムコンデンサに関する。
従来、フィルムコンデンサは誘電体フィルムの表面にアルミニウム等の金属を蒸着した構造のフィルム、またはアルミニウム箔と誘電体フィルムを多層に重ねて構成されたフィルムを積層状、ないしは捲回して作製されており、近年では金属蒸着により誘電体フィルム上に電極を形成したものが多用されている。
フィルムコンデンサ用のフィルムとしては、これまでポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)やポリフェニレンサルファイド(PPS)を材料とする誘電性フィルムが検討されているが、これらの材料からなるフィルムは、誘電率が2.5〜3程度と低い。フィルムコンデンサの容量は、使用するフィルムの誘電率に比例し、フィルムの膜厚に反比例することから、これまではフィルムの薄膜化が検討されてきた。ところが、フィルムの薄膜化には、生産での困難性の増加や絶縁性能の低下等の課題があった。近年、さらにフィルムコンデンサの小型化・大容量化の要求に基づき、フィルム材料の誘電率増大が必要となってきた。
また、フィルムコンデンサは高電圧でも絶縁破壊しにくい構造および材料設計、誘電率増大に伴う誘電正接(tanδ)の低減化も不可欠である。
このため、コンデンサ用のフィルムの誘電率を高めるため、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの比誘電率の高いフッ素系の樹脂を材料とする誘電性フィルムが検討されている。また、誘電性フィルムに誘電率の高い無機粒子(チタン酸バリウム系酸化物粒子やチタン酸ストロンチウム系酸化物粒子など)を添加し、フィルム化することが提案されている。
フィルムコンデンサには大容量化のために誘電率向上が不可欠であるが、誘電率が増大すると分極が増大するため、一般的には誘電正接の損失(以下、誘電損失)が増大する。
PVDF系共重合体高分子の材料とする誘電性フィルムの誘電損失を抑制する手段として、PVDF系共重合体からなる高誘電率高分子の主鎖にPEMA系などからなる低誘電率高分子を側鎖としてグラフト重合した複合高分子材料を用いる方法が検討されている(非特許文献1参照)。
J. Mater. Chem., 22, 23468-23476 (2012).
フィルムコンデンサの大容量化、電圧耐性の向上には誘電率の増大と誘電正接の損失の低減を両立させる必要がある。非特許文献1のように誘電性フィルムの誘電損失を抑制する手段が検討されているが、更なる特性の向上が望まれる。
本発明は、誘電率の増大と誘電損失の低減を両立した誘電体フィルム、これを用いたフィルムコンデンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の要旨は以下である。
高誘電率高分子を主鎖とし、側鎖に低誘電率高分子を有する高分子を主成分とする誘電体フィルムであって、高誘電率高分子が一軸配向しており、高誘電率高分子の分極モーメントがフィルムの膜厚方向に配向していることを特徴とする。
本発明により、誘電率の増大と誘電損失の低減を両立した誘電体フィルム、これを用いたフィルムコンデンサを提供できる。
本実施形態の誘電体フィルムを構成する高分子材料の配向・分極状態の概念図。 本実施形態の誘電体フィルム製造装置の構成を示す図。 本実施形態の誘電体フィルム製造装置による高分子材料の配向・分極状態変化を示す図。 本実施形態の誘電体フィルムの誘電率と誘電損失の関係を示す図。 本実施形態と従来の誘電体フィルムコンデンサを用いたインバータ(変換器)のサイズを比較した概略図。 PVDF系高分子材料の分極、配向、及び高次構造を示す図。
次に本発明を実施するための形態を、事例を以って説明する。以下に示す発明を実施するための形態は一例であって、本発明の実施に関して何ら制限を与えるものではない。
本実施形態の誘電体フィルムは、高誘電率高分子を主鎖とし、側鎖に低誘電率高分子を有する高分子を主成分とする。まず、誘電率の向上を図るため、フッ素系高分子などの高誘電率高分子を主鎖として用いる。この主鎖に誘電損失の低減を図るために側鎖として、ポリエチルメタクリレート(PEMA)など低誘電率高分子を有する構成の高分子を用いる。図1に本発明の実施形態に係る誘電体フィルムの配向・分極状態の概念図を示す。主鎖の高誘電率高分子11の周囲の点線枠で示した領域に側鎖の低誘電率高分子が存在する。この主鎖と側鎖で構成される高分子13が誘電体フィルム14内で一軸方向に配向され、高誘電率高分子11同士が低誘電率高分子13で被覆され、所定の間隔を保って分散した状態となっている。また、矢印で示したように高誘電率高分子の分極モーメントがフィルムの膜厚方向に配向するように分極されている。このように、高誘電率高分子を主鎖とし、側鎖に低誘電率高分子を有する高分子を用いた誘電体フィルムにおいて、高誘電率高分子が一軸配向しており、高誘電率高分子の分極モーメントがフィルムの膜厚方向に配向した構成とすることによって、高い誘電率と低い誘電損失を両立できることを見出した。
<高誘電率高分子(主鎖)の説明>
高誘電率高分子としては、誘電率が高いフッ素系高分子を用いることができる。このようなフッ素系高分子としては、フッ化ビニリデン(PVDF)またはフッ化ビニリデンを含む共重合体、例えばフッ化ビニリデンとトリフルオロエチレン(TrFE)の二元共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンおよびクロロテトラフルオロエチレン(CTFE)の三元共重合体などを用いることができる。高分子の数平均重合度は300以上100,000以下、より好ましくは800以上50,000以下程度であるのがよい。
<低誘電率高分子(側鎖)の説明>
低誘電率高分子としては、主鎖の高誘電率高分子よりも低誘電率の高分子であればよい。たとえば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチルメタクリレート(PEMA)、ポリスチレン(PS)、などを用いることができる。また、主鎖に対する側鎖の比率は重量比で30%以下、20%前後であることが望ましい。
高誘電率高分子の主鎖に対して低誘電率高分子の側鎖を形成する方法としては、非特許文献1に記載のグラフト重合などの手法を適用することができる。特に、主鎖と側鎖のグラフト重合は、原子移動ラジカル重合法(ATRP法)などを用いて行なうことができる。
<誘電体フィルムの製造装置>
図2に示すように、本実施形態の誘電体フィルムは、高誘電率高分子を主鎖とし、側鎖に低誘電率高分子を有する高分子を主成分とするフィルムを形成するフィルム形成機構21と、フィルム形成機構21で形成されたフィルムを延伸する延伸機構22と、延伸機構22で延伸したフィルムを分極(ポーリング)させる分極機構23を有する製造装置により製造することができる。フィルム形成機構21ではキャスト法や射出成型などを用いてフィルムが形成される。分極機構23では、電場印加または磁場印加によって固誘電率高分子の分極が行われる。また、図2に示したようにフィルム形成機構21で形成したフィルムを連続的に延伸機構22、分極機構23に搬送することで生産性を向上することができる。
以下に、図1で示した誘電体フィルムの配向・分極状態とすることによって、高い誘電率と低い誘電損失を両立できる理由を説明する。以下ではフッ化ビニリデン(PVDF)系高分子を用いた場合を例にして説明する。
まず、PVDF系高分子の特徴について説明する。図6に、本発明の誘電フィルムを構成するPVDF系高分子の代表的な分極配向状態、およびその高次構造を示す。一重結合の主鎖炭素(C)に垂直な方向に水素(H)とフッ素(F)が2個ずつ交互の互いに反対向きに結合した構成をとる。PVDFには少なくとも4種類の互いに異なる結晶構造が知られているが、本図では主要な2種類であるα相(II相)とβ相(I相)を示す。α相(II相)は、電気陰性度の違いにより負に帯電したFと正に帯電したHの間に生じる分極モーメントが隣同士で相殺するため、本結晶構造を示す誘電フィルムの比誘電率は3〜4と小さい。β相(I相)は、分子内で分極モーメントが同一方向を向くため、本結晶構造を示す誘電フィルムの比誘電率は10以上と大きい。一般的に、分子単独ではα相、集合状態ではβ相となる傾向がある。誘電フィルム中では、PVDF系高分子は折り畳まれた所謂ラメラ構造を呈する結晶ドメインが非晶質マトリクスに分散した構成となっており、その詳細は誘電フィルムに施す延伸(引っ張って伸ばす)、ポーリング(高温で一定電圧を印加する)といった後処理に依存する。
次に、誘電フィルム誘電率(ε)、誘電損失と、PVDF系高分子の分極、復極動作との関係を説明する。外部電圧印加に伴う分極動作には、β相回転とαβ相転移の2種類がある。β相回転は、回転角度が60度ピッチに制約されるためεは比較的小さいが、回転に伴う損失は小さい。一方、αβ相転移では比誘電率は大きいが、分子の大きな変形を伴うため損失も大きい。次に、印加電圧で生じた分極を自発的に解消する復極動作を考える。分極領域の上下表面に現れる電荷が作る電場が復極力となり、分極を反転する力が働く。但し、分極領域が電極に接する場合は、分極の表面電荷は逆符号の電極電荷で相殺されて復極力は生じない。この結果、印加電圧を零にしても分極が残留してC−V特性にヒステリシスが生じ、誘電損失が増大する。
これに対して、分極が細分化されて低ε層が介在する場合は、分極の表面電荷は相殺されず、復極力が生じる。この結果、残留分極が抑制されて、誘電損失が低減する。以上の考察から、誘電率εと誘電損失はトレードオフ関係にあることが分かる。非特許文献1のPVDF系共重合体からなる高誘電率高分子の主鎖に低誘電率高分子を側鎖としてグラフト重合したグラフト重合体高分子を用いた誘電体フィルムでは、低誘電率高分子によって分極が細分化されることによって誘電損失を低減できるが、同時に誘電率も低下する。これに対して、図1で示した誘電体フィルムの配向・分極状態では、誘電率の低下を抑えつつ誘電損失の低減が可能となる。復極力は、電荷密度/分極領域サイズに比例する。ここで、表面電荷密度は分極領域サイズに依存せず一定のため、復極力は分極領域が小さいほど大きい。グラフト重合体高分子をフィルム化した場合、ラメラ構造を呈する結晶ドメインとなるため、分極領域サイズが大きくランダムな不均一構造となる。このような不均一構造では、特に大きなサイズの分極領域がヒステリシスの発生と、誘電損失の増大の原因となる。一方、誘電損失を低下させようとすると低誘電率高分子の重量比を増加させる必要が生じ、誘電率の低下を招く。これに対して、図1に示した本実施形態の構造では、一軸配向した高誘電率高分子の間に低誘電率高分子が介在することから、分極領域(主鎖)が小さく、大きさが比較的揃った構造となる。このように分極領域サイズが小さくなることで復極力が大きくなることで誘電率の低下が抑えられ、その結果、高誘電率と低損失が両立できると考えられる。
以下、実施例を用いて説明する。なお、以下の実施例は本発明を実施するための一例であり、本発明を何ら制限するものではない。なお、本明細書で使用している特性値は、次の方法で測定したものである。
(比誘電率、誘電損失)
金属基板上に形成した高分子誘電体フィルム、またはアルミニウムを一方の面に蒸着したアルミニウム蒸着高分子誘電体フィルムに、基板(またはアルミニウム蒸着面)と反対側のフィルムの表面に真空中で直径5mmにてアルミニウムを蒸着しサンプルを作製した。このサンプルをパラメータアナライザ(ヒューレットパッカード社製のHP4284A)にて、室温(25℃)および100℃下で周波数100Hz、1kHzおよび10kHzでの静電容量と誘電損失を測定する。
(実施例1)
フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン/クロロトリフルオロエチレン3元共重合体高分子P(VDF−TrFE−CTFE)(62/30/8mol%:ピエゾテック製)とポリエチルメタクリレート(PEMA)を原子移動ラジカル重合法(ATRP法)でグラフト重合して、P(VDF−TrFE−CTFE)を主鎖、PEMAを側鎖とするグラフト重合体高分子:P(VDF−TrFE−CTFE)−g−PEMAを形成した。P(VDF−TrFE−CTFE)とPEMAの比率は重量比20%とした。このグラフト重合体高分子を重量比3%でDMF溶媒に溶解して、キャスト法で膜厚30μmの誘電体フィルムを形成した。
次に、作製した誘電体フィルムを(株)井元製作所製の電動一軸延伸装置で延伸して、膜厚10μmの一軸延伸した誘電体フィルムを形成した。一軸延伸後の誘電体フィルムの片側前面にアルミニウム電極100nmを蒸着形成し、反対側に直径5mmのアルミニウム電極100nmをマスク蒸着した。加熱機構付き電圧印加装置を用いて、フィルムを90〜130℃に加熱して、電極間に0.5〜1MV/cmの電圧を15〜120分印加して分極処理(ポーリング)を行なった。X線回折、偏光顕微鏡、赤外線吸収分光による測定を実施し、誘電体フィルム中の高分子の配向・分極状態を確認した結果、図1に示すように、高分子主鎖が延伸方向に平行に配向しており、ポーリング方向に平行に分極が揃った所謂β相(I相)となっていることが確認できた。
図4に本実施例で作製した誘電体フィルムの比誘電率および誘電損失(tanδ)を示す。白丸、白三角、白四角は、グラフト共重合体フィルムで延伸・分極処理しないフィルムであり、それぞれ低誘電率高分子の重量比を変化させたものである。また、黒丸が本実施例のフィルム、白六角はグラフト共重合せずにP(VDF−TRFE−CTFE)とPEMAを混合して形成したフィルム、黒三角は従来のポリプロピレン(PP)フィルムの値をそれぞれ示している。
グラフト共重合体フィルムで延伸・分極処理しないフィルム、P(VDF−TRFE−CTFE)とPEMAを混合して形成したフィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、は概ね図中の点線上に乗っており、比誘電率と誘電損失がトレードオフ関係にあることが分かる。ここで、混合形成フィルムでは本実施例のフィルムと同じ誘電損失を得るために、PEMAの重量比を50%としている。これに対して本実施例では、10近い比誘電率を維持したまま、誘電損失を従来のものより約一桁小さい0.001まで低減できており、本実施例の効果は明らかである。また、PPと比べると誘電損失は約1桁高いものの、従来のPP材料より約5倍大きな比誘電率を維持したまま誘電損失の低減を実現している。本実施例の誘電損失の値は、例えば100〜1kHzの周波数帯で使用する電力用変換器(インバータ)では十分に低い誘電損失といえる。
(実施例2)
図2に誘電体フィルムの製造装置の概略を示す。本実施例の誘電体フィルムの製造装置は、キャスト、射出成形等のフィルム形成機構21、フィルム一軸延伸機構22、および電場印加または磁場印加によるフィルム分極配向機構23から構成されている。ロールトゥロール方式で一連のフィルム形成、一軸延伸、分極処理が施され、高効率にフィルムを形成することができる特徴を有する。図3に延伸前後、ポーリング前後で高分子の配向、分極状態を測定比較した結果を示す。延伸前の誘電体フィルム31では、高分子は所謂ラメラ構造の状態であり配向はランダムとなっている。また、分極モーメントの向きも不均一である。延伸後の誘電体フィルム31では、延伸方向に沿って高分子が一軸配向されている。分極モーメントの向きも不均一である。分極(ポーリング)工程を施した後の誘電体フィルムでは、分極モーメントが誘電体フィルム31の厚さ方向に配向している。このように、分子配向、分極はそれぞれ延伸工程、分極工程によって生じたことが確認できた。
(実施例3)
図5に、本発明の誘電体フィルムの両面に電極を形成したフィルムコンデンサを適用した電力変換器(インバータ)のサイズを従来のものと比較して示す。なお、フィルムコンデンサは誘電体フィルムの表面にアルミニウム等の電極を形成し、フィルムを捲回して形成される。
使用電圧が1kVを超える電力変換器では、IGBTなどのスイッチ、電力平滑用のコンデンサ、及び冷却系で主に構成される電力用変換器の全体積の70%近くをコンデンサが占めている。本発明の誘電体フィルムを適用することによって、従来のポリプロピレン材料を用いたフィルムコンデンサと比べてコンデンサの体積を約1/5に小型化でき、それに対応して冷却系も小型化でき、全体積を約1/5に小型化できる。また、電力変換器を多数接続して構成するMMC(モジュラーマルチレベルコンバータ)を大幅に小型化することが可能になり、例えばMMCを用いた交直変換器を搭載した洋上風力基地を小型化可能になり、設置コストを大幅に低減でき、洋上風力発電の普及に貢献できる。
以上で説明したように、本発明によれば従来のフィルム材料に比べて誘電率の増大と誘電損失の低減を両立できるフィルム材料を作製可能であり、電圧耐性にも優れている。このようなフィルム材料を用いたフィルムコンデンサは高効率な電力変換器、パワーエレクトロニクス向け部材等において有用である。
11 高誘電率高分子
12 低誘電率高分子
13 高誘電率高分子の主鎖と低誘電率高分子の側鎖で構成される高分子
14 誘電体フィルム
21 フィルム形成機構
22 一軸延伸機構
23 分極(ポーリング)機構
31 誘電体フィルム
32 延伸前の分子配向・分極状態
33 延伸後の分子配向・分極状態
34 分極後の分子配向・分極状態
51 従来のフィルムコンデンサ
52 スイッチ
53 冷却系
54 本発明のフィルムコンデンサ

Claims (11)

  1. 高誘電率高分子を主鎖とし、側鎖に低誘電率高分子を有する高分子を主成分とする誘電体フィルムであって、
    前記高誘電率高分子が一軸配向しており、前記高誘電率高分子の分極モーメントがフィルムの膜厚方向に配向していることを特徴とする誘電体フィルム。
  2. 請求項1に記載の誘電体フィルムにおいて、前記高誘電率高分子がフッ素系高分子であることを特徴とする誘電体フィルム。
  3. 請求項2に記載の誘電体フィルムにおいて、前記高誘電率高分子がフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリデンを含む共重合体であることを特徴とする誘電体フィルム。
  4. 請求項2に記載の誘電体フィルムにおいて、一軸配向した隣り合う高誘電率高分子の間に前記低誘電率高分子が介在していることを特徴とする誘電体フィルム。
  5. 請求項3に記載の誘電体フィルムにおいて、前記フッ化ビニリデンの結晶構造がβ相であることを特徴とする誘電体フィルム。
  6. 請求項2に記載の誘電体フィルムにおいて、前記低誘電率高分子がポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリスチレンのいずれかであることを特徴とする誘電体フィルム。
  7. 請求項6に記載の誘電体フィルムにおいて、前記低誘電率高分子はグラフト重合により主鎖と重合されていることを特徴とする誘電体フィルム。
  8. 高誘電率高分子を主鎖とし、側鎖に低誘電率高分子を有する高分子を主成分とする誘電体フィルムであって、
    前記誘電体フィルムは一軸延伸されており、前記高誘電率高分子の分極モーメントがフィルムの膜厚方向に配向していることを特徴とする誘電体フィルム。
  9. 請求項1に記載の誘電体フィルムを用いたフィルムコンデンサ。
  10. 電力平滑用のコンデンサとして請求項9に記載のフィルムコンデンサを用いた電力変換器。
  11. 高誘電率高分子を主鎖とし、側鎖に低誘電率高分子を有する高分子を主成分とするフィルムを形成するフィルム形成機構と、前記フィルム形成機構で形成されたフィルムを延伸する延伸機構と、前記延伸機構で延伸したフィルムを分極させる分極機構を備えることを特徴とする誘電体フィルムの製造装置。
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