JP2015083001A - 揮発性有機化合物成分検出センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】
酵素サイクリング反応によるNADH増幅によって生じるホルマザン色素の吸光度を測定することにより、測定対象ガスに含まれる揮発性有機化合物の成分量を選択的に高感度且つ、連続的に検出可能とする揮発性有機化合物成分量検出センサを提供する。
【解決手段】
測定対象ガス中に含まれる揮発性有機化合物の成分量を検出するために用いる揮発性有機化合物成分量検出センサ10を反応溶液が内部に導入可能な反応槽16を備え、反応槽16内に反応溶液を導入させた後、測定対象ガスを反応槽16内に取り込み、揮発性有機化合物を反応溶液に溶解させることで、反応槽16内において、酵素サイクリング反応を起こし、サイクリング反応の反応生成物であるホルマザン色素を生成させるとともに、生成されるホルマザン色素の反応槽16内における吸光度変化を計測していくことで、測定対象ガス中の揮発性有機化合物成分量を検出する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、酵素サイクリング反応を利用し、測定対象ガスに含まれる揮発性有機化合物の成分量をリアルタイムに検出する揮発性有機化合物成分量検出センサに関するものである。
揮発性有機化合物、例えば、ホルムアルデヒドは、安価であるため、家具、建築資材、壁紙用の接着剤や、塗料の原料として使用されている。また、ホルムアルデヒド水溶液は、ホルマリンと呼ばれ、アミノ基同士の架橋性が高いため、生物固体或いは、組織片の標本作製のための防腐、固定処理に広く用いられている。
さらに、ホルムアルデヒドは、人体への毒性が強く、特に、粘膜への刺激性を中心とした急性毒性があり、蒸気は、呼吸器系、目、のど等の炎症を引き起こしてしまう。また、所謂「シックハウス症候群」の原因物質と考えられており、建材、家具等から空気中に放出されることで、人体に慢性的な悪影響を及ぼすことが分かってきている。
なお、健康への影響については、詳細な調査が行われており、世界保健機構や、厚生労働省の定める指針値(80ppb)を下回る50ppb程度の濃度であっても、眼部の刺激や、小児アレルギーの罹患リスクが増加すると報告されている。
こうした状況の中で、生活環境を管理・改善していくためには、多様なガス成分が混在する環境下において、揮発性有機化合物、例えば、ホルムアルデヒドを高感度で簡便にモニタリングする技術が必要不可欠であり、特に必要な条件は、「高感度」「連続モニタリング」「高ガス選択性」の3つであるが、一般的に知られているガス検知管法や半導体センサにおいては、これらの条件を全て満たすのは、非常に難しいとされている。
例えば、特許文献1には、ホルムアルデヒドガスの選択的計測のために、ホルムアルデヒドの認識・分解に生体触媒であるホルムアルデヒド脱水素酵素を用い、検出システムに蛍光を利用することを特徴とするホルムアルデヒド成分の検出用センサが開示されている。
また、ホルムアルデヒドを初めとする揮発性有機化合物を含むガスを高感度に測定する方法として、脱水素酵素(例えば、ホルムアルデヒド脱水素酵素)により生成するNADHを増幅させる必要があるが、この増幅方法として、酵素サイクリング法が良く知られている。例えば、特許文献2には、酵素サイクリング法に関する技術、詳しくは、酵素反応を用いて試料液中のイノシン酸およびアデノシン一リン酸の合量を精度よく測定することができる試薬組成物について開示されている。
特開2010−29094号公報 特開平5−68591号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)が、ホルムアルデヒドの酵素による脱水により生じる水素の付与により、蛍光特性を有するNADHに変化することを利用し、このNADHの量をモニタリングすることにより、ホルムアルデヒドガスの濃度を測定することが可能としているが、NADHの量子収率が低いため、高感度測定に関しては課題が残っている。
また、特許文献2に開示されているような酵素サイクリング法は、主にタンパク質等の生体物質の量を測定するために利用されているが、揮発性有機物の検出に転用することは、技術的に難しく、これまで開発されることはなかった。
本発明が解決しようとしている課題は、上述の問題に対応するためのもので、酵素サイクリング反応によるNADH増幅によって生じるホルマザン色素の吸光度を測定することにより、測定対象ガスに含まれる揮発性有機化合物の成分量を選択的に高感度且つ、連続的に検出可能とする揮発性有機化合物成分量検出センサを提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明は、以下の技術的手段を講じている。
即ち、請求項1記載の発明は、測定対象ガス中に含まれる揮発性有機化合物の成分量を検出するために用いる揮発性有機化合物成分量検出センサであって、前記揮発性有機化合物成分量検出センサは、反応溶液を内部に導入可能とする反応槽を備え、当該反応槽内に前記反応溶液を導入させた後、前記測定対象ガスを前記反応槽内に取り込み、前記揮発性有機化合物を前記反応溶液に溶解させることで、当該反応槽内において、酵素サイクリング反応を起こし、当該サイクリング反応の反応生成物であるホルマザン色素を生成させるとともに、当該生成されるホルマザン色素の前記反応槽内における吸光度変化を計測していくことで、前記測定対象ガス中の揮発性有機化合物成分量を検出するものであることを特徴とする揮発性有機化合物成分量検出センサである。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の揮発性有機化合物成分量検出センサであって、前記揮発性有機化合物成分量検出センサは、光源と、光を分光させる分光器と、光の強度を検出する検出器とを有する吸光度測定ユニットが備えられており、前記光源からの光を前記分光器により所定波長の光に分光させるとともに、当該分光された光を前記反応槽内に透過させ、当該透過された光の強度を前記検出器により測定することで、前記酵素サイクリング反応により生成されたホルマザン色素の吸光度を計測し、当該計測結果に基づいて、前記測定対象ガス中に含まれる揮発性有機化合物成分量を検出するものであることを特徴としている。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1記載の揮発性有機化合物成分量検出センサであって、前記揮発性有機化合物成分量検出センサは、光源と、光を分光させる分光器と、光の強度を検出する検出器とを有する吸光度測定ユニットが備えられており、前記光源からの光を前記分光器により所定波長の光に分光させるとともに、当該分光された光を前記反応槽に向けて所定の角度から照射させることで、当該反応槽に反射させ、当該反射させた光の強度を前記検出器により測定することで、前記酵素サイクリング反応により生成されたホルマザン色素の吸光度を計測し、当該計測結果に基づいて、前記測定対象ガス中に含まれる揮発性有機化合物成分量を検出するものであることを特徴としている。
そして、請求項4記載の発明は、請求項1〜3何れか1項記載の揮発性有機化合物成分量検出センサであって、前記酵素サイクリング反応は、前記反応溶液に少なくとも含まれる、NAD、脱水素酵素、テトラゾリウム塩、ジアホラーゼと、前記反応溶液に溶解した揮発性有機化合物とにより生じることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜3何れか1項記載の揮発性有機化合物成分量検出センサであって、前記酵素サイクリング反応は、前記反応槽の内部に設けられた酵素固定膜に固定される、脱水素酵素及びジアホラーゼと、前記反応溶液に少なくとも含まれる、NAD、テトラゾリウム塩と、前記反応溶液に溶解した揮発性有機化合物とにより生じることを特徴としている。
さらに、請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の揮発性有機化合物成分量検出センサであって、前記酵素サイクリング反応は、前記揮発性有機化合物を前記脱水素酵素により脱水素させ、これにより生じた水素を前記NADを介して前記テトラゾリウム塩に受容させることで前記ホルマザン色素を生成させるものであることを特徴としている。
そして、請求項7記載の発明は、請求項4〜6何れか1項記載の揮発性有機化合物成分量検出センサであって、前記ホルマザン色素は、前記テトラゾリウム塩の前記ジアホラーゼによる酸化還元によって生成される水溶性又は水不溶性の物質であることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項1〜7何れか1項記載の揮発性有機化合物成分量検出センサであって、前記揮発性有機化合物成分量検出センサは、前記反応槽内に前記測定対象ガスを取り込むガス取り込み流路と、前記反応槽内に対して前記反応溶液を導入させる反応溶液導入路と、前記反応槽内から前記反応溶液を導出させる反応溶液導出路とが、それぞれ設けられていることを特徴としている。さらに、請求項9記載の発明は、請求項1〜8何れか1項記載の揮発性有機化合物成分量検出センサであって、前記揮発性有機化合物は、ホルムアルデヒド、アルコール、アセトアルデヒド、アンモニアのうちの何れかであることを特徴としている。
本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサによれば、脱水素酵素の持つ高い選択性と、酵素サイクリング反応による高感度化の両方を合わせ持つ揮発性有機化合物のリアルタイムな連続計測が可能となる。また、検出センサ自体の構成が簡易なものとできるため、小型化が可能である。
本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第1の実施形態の一例を示した図である。 本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第2の実施形態の一例を示した図である。 本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第3の実施形態の一例を示した図である。 本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第4の実施形態の一例を示した一部切欠き平面図である。 図4におけるA−A断面図である。 図5におけるB−B断面図である。 本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第4の実施形態において用いる反応溶液セルの一例を示した図である。 本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの実施形態における酵素サイクリング反応の理論を示した一例図である。 NADH変化率に対するジアホラーゼの影響についての実験結果を示したグラフである。 ホルムアルデヒドの変化率に対するホルムアルデヒド脱水素酵素濃度の影響についての実験結果を示したグラフである。 ホルムアルデヒドの変化率に対する水溶性テトラリゾウム(WST−8)濃度の影響についての実験結果を示したグラフである。 ホルムアルデヒド溶液の濃度変化に対するホルマザン色素(WST−8ホルマザン)吸光スペクトル変化を示したグラフである。 ホルムアルデヒド濃度とホルマザン色素の吸光度をプロットしたグラフである。 ホルムアルデヒドガスの濃度変化に対するホルマザン色素(WST−8ホルマザン)吸光スペクトル変化を示したグラフである。 ホルムアルデヒドガス濃度とホルマザン色素の吸光度をプロットしたグラフである。 ホルムアルデヒドガス濃度に対するホルマザン色素の吸光度の時間変化を示したグラフである。 酵素サイクリング反応溶液の緩衝液の種類及びそのpHに対するホルマザン色素の吸光度の変化を示したグラフである。 ホウ酸緩衝液とトリス塩酸緩衝液の酵素サイクリング反応時間の挙動を示したグラフである。 酵素サイクリング反応溶液の溶液量と、ホルマザン色素の吸光度の関係を示したグラフである。 検出対象ガスの流速と、ホルマザン色素の吸光度の関係を示したグラフである。 ホルムアルデヒドガスのリアルタイム検出測定を行う実験に用いた検出センサの一例を示した構成概略図である。 酵素サイクリング反応溶液の各溶液量におけるホルマザン色素の吸光度の時間変化を示したグラフである。
以下、本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第1の実施形態の一例を示した図を表している。また、10は揮発性有機化合物成分量検出センサ、12は反応溶液貯留槽、14は導入用バルブ、16は反応槽、18は導出用バルブ、20は導出用ポンプ、22は反応済み溶液貯留槽、24は吸光度測定ユニット、26は光源、28は分光器、30は検出器、32はガス取り込み部を示している。
まず、図1に示すように、揮発性有機化合物成分量検出センサ10は、酵素サイクリング反応を引き起こすために用いる反応溶液が貯留されている反応溶液貯留槽12と、反応溶液が導入され、内部で酵素サイクリング反応を起こさせる反応槽16と、反応槽16に反応溶液貯留槽12からの反応溶液の導入を制御するための導入用バルブ14、測定対象ガスを取り込むガス取り込み部32、そして、サイクリング反応収束後の反応済み溶液を貯留する反応済み溶液貯留槽22と、反応済み溶液貯留槽22への溶液の導出を制御する導出用バルブ18、導出用ポンプ20を備えている。
さらに、揮発性有機化合物成分量検出センサ10は、反応槽16内にて起こる酵素サイクリング反応の反応生成物であるホルマザン色素の反応槽16内における吸光度を計測する吸光度測定ユニット24を備えており、この吸光度測定ユニット24は、光源26及び分光器28と、これらと反応槽16を間に挟んだ対向する側に配置される検出器30から構成されている。
本実施形態においては、酵素サイクリング反応を起こさせる反応溶液は、ホルムアルデヒド脱水素酵素、NAD、テトラゾリウム塩及びジアホラーゼから構成されている。揮発性有機化合物の一例であるホルムアルデヒドの成分量を検出する際には、まず、導入用バルブ14を開放し、反応溶液貯留槽12から、反応溶液を反応槽16へと導入させておく。
続いて、ホルムアルデヒド成分量の検出開始とともに、ホルムアルデヒドを含む測定対象ガスを反応槽16に設けたガス取り込み部32から取り込み、反応溶液に接触させ、ホルムアルデヒドを溶解させる。そうすると、図8に示すように、溶解したホルムアルデヒドが、ホルムアルデヒド脱水素酵素により脱水素され蟻酸となり、それと同時に、NADが、NADHへと変化していく。
この時、NADHは、反応溶液内に含まれるテトラゾリウム塩及びジアホラーゼの存在により酸化され、再び、NADとなり、そこから、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド脱水素酵素により脱水素され、再び、NADHが生成されていく。つまり、反応槽16内において、酵素サイクリング反応が生じるわけである。また、NADHからNADと酸化する間に、WST−8(水溶性テトラゾリウム)が還元されることにより、WST−8ホルマザン(ホルマザン色素)が生成される。
このWST−8ホルマザン(ホルマザン色素)の生成量は、ホルムアルデヒドと等量となり、460nmに吸収波長を持つWST−8ホルマザンの吸光度をリアルタイムに計測していくことで、ホルムアルデヒドの成分量を求めることができるわけである。なお、ホルムアルデヒド脱水素酵素及びジアホラーゼは、反応溶液に含ませる以外に、例えば、反応槽16内部に設けた酵素用の固定膜に固定させても良い。
上記の酵素サイクリング反応により、反応槽16内には、ホルマザン色素が反応生成物として蓄積していくわけであるが、この蓄積により、反応槽16内におけるホルマザン色素の吸光度が徐々に変化していくことになる。そして、この吸光度の変化を吸光度測定ユニット24がリアルタイムに計測していく構成となっている。
本実施形態においては、吸光度測定ユニット24は、図1に一例として示すように、光源26及び分光器28と、これらと反応槽16を間に挟んだ対向する側に配置される検出器30から構成されており、光源26からの光を分光器28によって、所定の波長の光に分光し、その分光した光を反応槽16へ通過させ、この通過させた光の強度を検出器30が測定し、測定結果に基づいて測定対象ガス中のホルムアルデヒド成分量を検出していく仕組みとなっている。
吸光度の変化は、ホルムアルデヒドの濃度と相関しており、吸光度の変化をモニタリングすることで、ホルムアルデヒドを含むガスのリアルタイム検出が可能となってくるわけである。また、続いて検出していく場合には、導出用バルブ18を開放し、導出用ポンプ20によって反応槽16の反応溶液を反応済み溶液貯留槽22へと導出し、この反応済み溶液貯留槽22に貯留させるようになっている。そして、同時に、新たな反応溶液を反応槽16に導入させ、連続して検出を行っていくことになる。なお、本実施形態では、揮発性有機化合物の一例としてホルムアルデヒドを用いているが、本発明は、アルコール、アセトアルデヒド、アンモニアや、その他の揮発性有機化合物であっても対応できるものである。
次に、本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第2の実施形態の一例を示した図を表しており、符号は、図1と同様である。
まず、図2に示すように、揮発性有機化合物成分量検出センサ10は、酵素サイクリング反応を引き起こすために用いる反応溶液が貯留されている反応溶液貯留槽12と、反応溶液が導入され、内部で酵素サイクリング反応を起こさせる反応槽16と、反応槽16に反応溶液貯留槽12から反応溶液を導入させるための導入用バルブ14、そして、ホルマザン色素の吸光度計測後の反応溶液を貯留する反応済み溶液貯留槽22と、反応済み溶液貯留槽22への反応溶液の導出を制御する導出用バルブ18、導出用ポンプ20を備えている。
さらに、揮発性有機化合物成分量検出センサ10は、反応槽16内にて起こる酵素サイクリング反応の反応生成物であるホルマザン色素の反応槽16内における吸光度を計測する吸光度測定ユニット24を備えており、この吸光度測定ユニット24は、光源26、分光器28及び検出器30から構成されている。
本実施形態においては、酵素サイクリング反応を起こさせる反応溶液は、ホルムアルデヒド脱水素酵素、NAD、テトラゾリウム塩及びジアホラーゼから構成されている。揮発性有機化合物の一例であるホルムアルデヒドの成分量を検出する際には、まず、導入用バルブ14を開放し、反応溶液貯留槽12から、反応溶液を反応槽16へと導入さておく。
続いて、検出開始とともに、ホルムアルデヒドを含む測定対象ガスを反応槽16に設けたガス取り込み部32から取り込み、反応溶液に接触させ、ホルムアルデヒドを溶解させる。そうすると、図8に示すように、溶解したホルムアルデヒドが、ホルムアルデヒド脱水素酵素により脱水素され蟻酸となり、それと同時に、NADが、NADHへと変化していく。
この時、NADHは、テトラゾリウム塩及びジアホラーゼの存在により酸化され、再び、NADとなり、そこから、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド脱水素酵素により脱水素され、再び、NADHが生成されていく。つまり、反応槽16内において、酵素サイクリング反応が生じるわけである。また、NADHからNADと酸化する間に、WST−8(水溶性テトラゾリウム)が還元されることにより、WST−8ホルマザン(ホルマザン色素)が生成される。
このWST−8ホルマザン(ホルマザン色素)の生成量は、ホルムアルデヒドと等量となり、460nmに吸収波長を持つWST−8ホルマザンの吸光度をリアルタイムに計測することで、ホルムアルデヒドの成分量を求めることができるわけである。なお、ホルムアルデヒド脱水素酵素及びジアホラーゼは、反応溶液に含ませる以外に、例えば、反応槽16内部に設けた酵素用の固定膜に固定させても良い。
上記の酵素サイクリング反応により、反応槽16内には、ホルマザン色素が反応生成物として蓄積していくわけであるが、この蓄積により、反応槽16内におけるホルマザン色素の吸光度が徐々に変化していくことになる。そして、この吸光度の変化を吸光度測定ユニット24がリアルタイムに計測していく構成となっている。
本実施形態においては、吸光度測定ユニット24は、図2に一例として示すように、光源26、分光器28及び検出器30から構成されており、光源26と、分光器28は、反応槽16の底面に向けて所定の角度をもって所定の波長に分光した光を照射できる位置に配置されている。そして、その分光した光が反応槽16の底面に反射され、この反射された光を受ける位置に配置された検出器30が、光の強度を測定し、その測定結果に基づいて測定対象ガス中のホルムアルデヒド成分量を検出していく仕組みとなっている。
吸光度の変化は、ホルムアルデヒドの濃度と相関しており、吸光度の変化をモニタリングすることで、ホルムアルデヒドを含むガスのリアルタイム検出が可能となってくるわけである。また、続いて検出していく場合には、導出用バルブ18を開放し、導出用ポンプ20によって反応槽16の反応溶液を反応済み溶液貯留槽22へと導出し、この反応済み溶液貯留槽22に貯留させるようになっている。そして、新たな反応溶液を反応槽16に導入させ、新たな検出を行っていくことになる。なお、本実施形態では、揮発性有機化合物の一例としてホルムアルデヒドを用いているが、本発明は、アルコール、アセトアルデヒド、アンモニアや、その他の揮発性有機化合物であっても対応できるものである。
次に、本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第3の実施形態の一例を示した図である。符号については、34が反応溶液カートリッジ、36が反応溶液カートリッジ挿入部、38がガス注入流路、40がガス排出流路、42が反応済み溶液カートリッジ、44が反応済み溶液カートリッジ挿入部を示す以外は、図1と同様である。
まず、図3に示すように、本実施形態における揮発性有機化合物成分量検出センサ10は、まず、反応溶液が予め貯留されている反応溶液カートリッジ34を挿脱可能とする反応溶液カートリッジ挿入部36と、この反応溶液カートリッジ挿入部36に挿入された反応溶液カートリッジ34から反応溶液を受け貯留する反応溶液貯留槽12とを備えている。
さらに、揮発性有機化合物成分量検出センサ10は、反応溶液貯留槽12から反応溶液が導入され、内部で酵素サイクリング反応を起こさせる反応槽16と、反応槽16に反応溶液貯留槽12からの反応溶液の導入を制御するための導入用バルブ14、そして、サイクリング反応収束後の反応済み溶液を貯留する反応済み溶液貯留槽22と、反応済み溶液貯留槽22への溶液の導出を制御する導出用バルブ18、導出用ポンプ20を備えている。
また、揮発性有機化合物成分量検出センサ10は、反応済み溶液を貯留する反応済み溶液貯留槽22から反応済み溶液を受け、それを回収する際に用いる反応済み溶液カートリッジ42が挿脱可能な反応済み溶液カートリッジ挿入部44を備えている。次に、測定対象ガスを外部から反応槽16内に注入させるガス注入流路38と、反応後の測定対象ガスを反応槽16から排出するガス排出流路40が備えられている。
さらに、揮発性有機化合物成分量検出センサ10は、反応槽16内にて起こる酵素サイクリング反応の反応生成物であるホルマザン色素の反応槽16内における吸光度を計測する吸光度測定ユニット24を備えており、この吸光度測定ユニット24は、光源26と、検出器30を備えている。
本実施形態においては、酵素サイクリング反応を起こさせる反応溶液は、ホルムアルデヒド脱水素酵素、NAD、テトラゾリウム塩及びジアホラーゼから構成されている。揮発性有機化合物の一例であるホルムアルデヒドの成分量を検出する際には、まず、導入用バルブ14を開放し、反応溶液カートリッジ34から受けた反応溶液を反応溶液貯留槽12から反応槽16へと導入させる。
続いて、検出開始とともに、ホルムアルデヒドを含む測定対象ガスを反応槽16に通じるガス注入流路38から取り込み、反応溶液に接触させ、ホルムアルデヒドを溶解させる。そうすると、図8に示すように、溶解したホルムアルデヒドが、ホルムアルデヒド脱水素酵素により脱水素され蟻酸となり、それと同時に、NADが、NADHへと変化していく。
この時、NADHは、テトラゾリウム塩及びジアホラーゼの存在により酸化され、再び、NADとなり、そこから、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド脱水素酵素により脱水素され、再び、NADHが生成されていく。つまり、反応槽16内において、酵素サイクリング反応が生じるわけである。また、NADHからNADと酸化する間に、WST−8(水溶性テトラゾリウム)が還元されることにより、WST−8ホルマザン(ホルマザン色素)が生成される。
このWST−8ホルマザン(ホルマザン色素)の生成量は、ホルムアルデヒドと等量となり、460nmに吸収波長を持つWST−8ホルマザンの吸光度をリアルタイムに計測することで、ホルムアルデヒドの成分量を求めることができるわけである。なお、ホルムアルデヒド脱水素酵素及びジアホラーゼは、反応溶液に含ませる以外に、例えば、反応槽16内部に設けた酵素用の固定膜に固定させても良い。
上記のように、反応槽16内に導入される反応溶液において、酵素サイクリング反応を起こすことでホルマザン色素を生成し、そのホルマザン色素の吸光度を吸光度測定ユニット24がリアルタイムに計測し、その計測結果に基づいて測定対象ガス中の揮発性有機化合物の成分量を検出していく構成となっている。
本実施形態においては、吸光度測定ユニット24は、図3に一例として示すように、光源26と、反応槽16を間に挟んで対向する側に配置される検出器30から構成されており、光源26から照射される所定波長の光を反応槽16へ通過させ、この通過させた光の強度を検出器30が測定し、測定結果に基づいて測定対象ガス中のホルムアルデヒド成分量を検出していく仕組みとなっている。
吸光度の変化は、ホルムアルデヒドの濃度と相関しており、吸光度の変化をモニタリングすることで、ホルムアルデヒドを含むガスのリアルタイム検出が可能となってくるわけである。また、続いて検出していく場合には、導出用バルブ18を開放し、導出用ポンプ20によって反応槽16の反応溶液を反応済み溶液貯留槽22へと導出し、この反応済み溶液貯留槽22に貯留させるようになっている。
そして、同時に、新たな反応溶液を反応槽16に導入させ、連続して検出を行っていくことになる。なお、反応済み溶液を外部へと排出させる際には、反応済み溶液カートリッジ42を反応済み溶液カートリッジ挿入部44に挿入し、反応済み溶液貯留槽22から反応済み溶液を反応済み溶液カートリッジ42へと移し替えるようにする。また、本実施形態では、揮発性有機化合物の一例としてホルムアルデヒドを用いているが、本発明は、アルコール、アセトアルデヒド、アンモニアや、その他の揮発性有機化合物であっても対応できるものである。
次に、本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサの第4の実施形態の一例を示した一部切欠き平面図である。また、図5は、図4におけるA−A断面図、図6は、図5におけるB−B断面図、図7は反応溶液セルの一例を示した図である。符号については、46がハウジング、48が開口部、52が反応溶液セル収容部、54が表示部、56がカバー部材、58が蓋部材、60が反応溶液セル、62がガス取込口、64がバブラ、66がエアポンプを示す以外は、図1と同様である。
まず、図4に示すように、本実施形態における揮発性有機化合物成分量検出センサ10は、まず、ハウジング46と、ハウジング46に設けられた開口部48から突出した状態で筒状の透明な反応溶液セル60(図7参照)をハウジング46内に収容可能とする反応溶液セル収容部52を備えている。
さらに、揮発性有機化合物成分量検出センサ10は、反応溶液セル収容部52に収容された反応溶液セル60内にて起こる酵素サイクリング反応の反応生成物であるホルマザン色素の反応溶液セル内における吸光度を計測する吸光度測定ユニット24を備えており、この吸光度測定ユニット24は、光源26と、検出器30を備えている。
なお、本実施形態においては、酵素サイクリング反応を起こさせる反応溶液は、ホルムアルデヒド脱水素酵素、NAD、テトラゾリウム塩及びジアホラーゼから構成され、揮発性有機化合物の一例であるホルムアルデヒドの反応溶液セル50内における成分量を検出していく。
またさらに、揮発性有機化合物成分量検出センサ10は、吸光度測定ユニット24により計測された吸光度から反応溶液内のホルムアルデヒド成分量を算出し、その結果を表示する表示部54と、円筒状に形成され、反応溶液セル収容部52に収容される位置と、開口部48から突出した反応溶液セルを覆う位置との間を変位可能とするカバー部材56と、このカバー部材56の上面を開閉自在に構成される蓋部材58を備えている。
続いて、揮発性有機化合物の一例であるホルムアルデヒドの成分量を検出する際には、まず、ホルムアルデヒドを含む測定対象ガスを導入させた反応溶液セル60を反応溶液セル収容部52に収容させるとともに、カバー部材56と、蓋部材58によって、反応溶液セル60をハウジング46内において暗室下におく。
なお、測定対象ガスの反応溶液セル60への導入は、図7に示すように、予め反応溶液が導入された反応溶液セル60に接続されているエアポンプ66の吸引により、ガス取込口62から測定対象ガスが反応溶液セル60内に取り込まれ、この取り込まれた測定対象ガスが、反応溶液セル60内に配置されるバブラ64により、反応溶液内でバブリングさせることにより行うが、この導入方法は、本発明を限定するものではない。
測定対象ガスに含まれているホルムアルデヒドが、反応溶液に接触すると、ホルムアルデヒドが反応溶液に溶解する。そうすると、図8に示すように、溶解したホルムアルデヒドが、ホルムアルデヒド脱水素酵素により脱水素され蟻酸となり、それと同時に、NADが、NADHへと変化していく。
この時、NADHは、テトラゾリウム塩及びジアホラーゼの存在により酸化され、再び、NADとなり、そこから、ホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド脱水素酵素により脱水素され、再び、NADHが生成されていく。つまり、反応溶液セル50内において、酵素サイクリング反応が生じるわけである。また、NADHからNADと酸化する間に、WST−8(水溶性テトラゾリウム)が還元されることにより、WST−8ホルマザン(ホルマザン色素)が生成される。
このWST−8ホルマザン(ホルマザン色素)の生成量は、ホルムアルデヒドと等量となり、460nmに吸収波長を持つWST−8ホルマザンの吸光度をリアルタイムに計測することで、ホルムアルデヒドの成分量を求めることができるわけである。
上記のように、反応溶液セル内に導入される反応溶液において、酵素サイクリング反応を起こすことでホルマザン色素を生成し、そのホルマザン色素の吸光度を吸光度測定ユニット24がリアルタイムに計測し、その計測結果に基づいて測定対象ガス中の揮発性有機化合物の成分量を検出し、表示部54にその数値等を表示していく構成となっている。
本実施形態においては、吸光度測定ユニット24は、図4〜6に一例として示すように、光源26と、反応溶液セルを間に挟んで対向する側に配置される検出器30から構成されており、光源26から照射される所定波長の光を反応溶液セルへ通過させ、この通過させた光の強度を検出器30が測定し、測定結果に基づいて測定対象ガス中のホルムアルデヒド成分量を検出していく仕組みとなっている。
吸光度の変化は、ホルムアルデヒドの濃度と相関しており、吸光度の変化をモニタリングすることで、ホルムアルデヒドを含むガスのリアルタイム検出が可能となってくるわけである。また、本実施形態では、揮発性有機化合物の一例としてホルムアルデヒドを用いているが、本発明は、アルコール、アセトアルデヒド、アンモニアや、その他の揮発性有機化合物であっても対応できるものである。
(実験1)
続いて、本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサにおいて、NADH変化率に対するジアホラーゼの影響についての実験を行った。その結果を図9にグラフとして示す。本実験は、リン酸緩衝剤(pH8.0、100mM)に0.1mMのEDTA、0.03mMのNADH、1mMのWST−8(水溶性テトラゾリウム)、0〜1U/mlのジアホラーゼをそれぞれ加え調整した反応溶液を用いた。
反応溶液は、試薬調整の後、10分間静置し、その後、460nmの光を用いての吸光度測定により、WST−8ホルマザン色素の生成量を調べた。この結果、ジアホラーゼは、0.2U/ml以上としても、吸光度が変化していかないことが分かった。
(実験2)
次に、本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサにおいて、ホルムアルデヒドの変化率に対するホルムアルデヒド脱水素酵素濃度の影響についての実験を行った。その結果を図10にグラフとして示す。本実験は、リン酸緩衝剤(pH8.0、100mM)に0.1mMのEDTA、0.3mMのNAD、0.03mMのホルムアルデヒド、1mMのWST−8(水溶性テトラゾリウム)、1U/mlのジアホラーゼ、0〜1U/mlのホルムアルデヒド脱水素酵素をそれぞれ加え調整した反応溶液を用いた。
反応溶液は、試薬調整の後、10分間静置し、その後、460nmの光を用いての吸光度測定により、WST−8ホルマザン色素の生成量を調べた。この結果、ホルムアルデヒド脱水素酵素は、0.2U/ml以上としても、吸光度が変化していかないことが分かった。
(実験3)
続いて、本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサにおいて、ホルムアルデヒドの変化率に対するWST−8(水溶性テトラゾリウム)濃度の影響についての実験を行った。その結果を図11にグラフとして示す。本実験は、リン酸緩衝剤(pH8.0、100mM)に0.1mMのEDTA、0.3mMのNAD、0.03mMのホルムアルデヒド、1U/mlのジアホラーゼ、1U/mlのホルムアルデヒド脱水素酵素、0〜1mMのWST−8(水溶性テトラゾリウム)をそれぞれ加え調整した反応溶液を用いた。
反応溶液は、試薬調整の後、10分間静置し、その後、460nmの光を用いての吸光度測定により、WST−8ホルマザン色素の生成量を調べた。この結果、WST−8ホルマザン色素は、0.2mM以上としても、吸光度が変化していかないことが分かった。
(実験4)
ここで、ホルムアルデヒド溶液の濃度変化に対するWST−8ホルマザン色素の吸光スペクトル変化について図12に示す。反応溶液は、0.1mMのEDTA、0.3mMのNADと、1U/mlのホルムアルデヒド脱水素酵素、1U/mlのジアホラーゼ、1mMのWST−8(水溶性テトラゾリウム)をリン酸緩衝剤(pH8.0、100mM)に溶解させたものを用い、そして、ホルムアルデヒド濃度が、10、20、50、100、200、500ppbとなるよう、ホルムアルデヒドを反応溶液に加えたものをそれぞれ用意した。
そして、調整の後、10分間静置し、その後、吸光度測定に用いる光の波長を変化させていった際の、各反応溶液におけるWST−8ホルマザン色素の吸光度変化を図12に見ていくと、各反応溶液(各ホルムアルデヒド濃度)何れにおいても、吸光度変化が見て取れる。また、例えば、ホルムアルデヒド濃度が低めの、10ppbや、20ppbの場合でも、ホルムアルデヒドの検出が可能であることも分かった。
そして、上記の各反応溶液において、460nmの光を用いての吸光度測定により、WST−8ホルマザン色素の吸光度を調べた結果をグラフとして図12に示す。この結果を見るに、ホルムアルデヒド濃度が上昇していけば、WST−8ホルマザン色素の吸光度も増加していくことが明らかとなった。また、図13に示した結果は、図12に示した結果と高い相関関係にあることも分かる。
(実験5)
続いて、ホルムアルデヒドガスの濃度変化に対するWST−8ホルマザン色素の吸光スペクトル変化について図14に示す。反応溶液は、0.1mMのEDTA、0.3mMのNADと、1U/mlのホルムアルデヒド脱水素酵素、1U/mlのジアホラーゼ、1mMのWST−8(水溶性テトラゾリウム)をリン酸緩衝剤(pH8.0、100mM)に溶解させたものを用いた。
そして、ホルムアルデヒド濃度が、10、20、50、100、200、500ppbとなるよう、ホルムアルデヒドガスを反応溶液内において30分間バブリングさせたものをそれぞれ用意した。その後、吸光度測定に用いる光の波長を変化させていった際の、各反応溶液におけるWST−8ホルマザン色素の吸光度変化を図14に見ていくと、各反応溶液(各ホルムアルデヒド濃度)何れにおいても、吸光度変化が見て取れる。また、例えば、ホルムアルデヒド濃度が低めの、10ppbや、20ppbの場合でも、ホルムアルデヒドの検出が可能であることも分かった。
そして、上記の各反応溶液において、460nmの光を用いての吸光度測定により、WST−8ホルマザン色素の吸光度を調べた結果をグラフとして図15に示す。この結果を見るに、ホルムアルデヒド濃度が上昇していけば、WST−8ホルマザン色素の吸光度も増加していくことが明らかとなった。また、図15に示した結果は、図14に示した結果と高い相関関係にあることも分かる。
(実験6)
そして、ホルムアルデヒドガス濃度に対するWST−8ホルマザン色素の吸光度の時間変化について図16に示す。実験方法は、上記実験5と同様で、時間(バブリング時間)を0分から5分毎に100分までの吸光度を測定していった。結果は、ホルムアルデヒドガスのバブリング時間と吸光度の間には、高い相関関係があることが分かった。また、ホルムアルデヒドガスの濃度に依存して傾きが変化しており、WST−8ホルマザン色素の生成速度がホルムアルデヒドの濃度に依存していることを明らかにしている。
(実験7)
続いて、酵素サイクリング反応溶液の緩衝液の種類及びそのpHに対するホルマザン色素の吸光度の変化について検証した。その結果を図17に示す。リン酸緩衝液(Phosphate buffer)は、pHが高くなるにつれ、吸光度が上昇し、pH8.0において、最も高い吸光度を示すことが分かった。そして、ホウ酸緩衝液(Borate buffer)は、pHの上昇とともに吸光度が減少していき、リン酸緩衝液同様、ホウ酸緩衝液においても、pH8.0が最も高い吸光度を示すことが明らかとなった。
また、トリス塩酸緩衝液(Tris-HCI buffer)は、pHに関係なく、極めて低い吸光度となった。さらに、炭酸緩衝液(Carbonate buffer)は、比較的吸光度が高く、pHによる吸光度の違いは示されなかった。これらの結果より、酵素サイクリング反応が、緩衝液の種類とpHの影響を強く受けることが明確なものとなった。
(実験8)
次に、ホウ酸緩衝液とトリス塩酸緩衝液の酵素サイクリング反応時間の挙動について明らかにした。結果を図18に示す。ホウ酸緩衝液(Borate buffer)は、pH8.0では、約3分、pH8.5では、約10分、pH9.0では約30分で吸光度が最大になることが分かった。その結果、先の図17における吸光度の違いは、pHの違いにより酵素反応時間が異なることが原因であることが判明した。
一方、トリス塩酸緩衝液(Tris-HCI buffer)においては、吸光度の緩やかな上昇が観察された。これは、トリス緩衝液中では酵素反応の速度が極めて遅いことを示している。なお、グラフには示していないが、リン酸緩衝液および炭酸緩衝液は、約1分以内で吸光度が最大に達した。これらの結果から、本発明においては、pH8.0のリン酸緩衝液を反応溶液として用いることが、好ましいということになる。
ところで、酵素サイクリング法によるホルムアルデヒドガスの検出は、大気中のホルムアルデヒドガスを効率よく反応溶液に溶解させる必要がある。従って、ホルムアルデヒドガスは、バブリングにより反応溶液へと溶解させるようにすることが好ましい。また、反応溶液への溶解度を向上させるためには、反応溶液の溶液量とガスの流速を最適化することが必要である。
(実験9)
そこで、酵素サイクリング反応溶液の溶液量と、ホルマザン色素の吸光度の関係を明らかにする実験を行った。その結果を図19に示す。なお、検出対象ガスの流速は、500ml/minとし、反応時間は10分とした。この結果、反応溶液の溶液量が減少することによって、吸光度が加速度的に増加することが判明した。これは、溶液量の減少とともに時間当たりのホルムアルデヒドガスの溶解量が増えたことが原因であると考えられる。
(実験10)
続いて、検出対象ガスの流速と、ホルマザン色素の吸光度の関係を明らかにする実験を行った。その結果を図20に示す。なお、反応溶液の溶液量は0.5mlとし、反応時間は5分とした。グラフに示すように、両者の間には、直線関係が成り立っている。これは、ガス流量が早くなるほど溶解量が増加することを意味している。これらの結果から、ガス測定に用いる酵素サイクリングシステムの測定条件は、溶液量0.5ml、ガス流速500ml/minとした。
(実験11)
次に、図21に一例として示すように、ホルムアルデヒドのパーミエーションチューブ70とガス発生装置72を用いて、ホルムアルデヒドガスを反応溶液に導入することにより、ホルムアルデヒドガスのリアルタイム検出測定を行った。本実験は、リン酸緩衝液(pH8.0のものを100mM)に0.1mMのEDTA、0.03mMのNAD、1mMのWST−8、そして、1U/mLのホルムアルデヒド脱水素酵素、1U/mLのジアホラーゼをそれぞれ加え調整した反応溶液を用いた。
そして、反応溶液量を100〜500μlに変化させ、80ppbのホルムアルデヒドガスを0.5L/minの流速で吹き付け、吸光度の変化を観察した。なお、マイクロセルに入れた反応溶液とガス排出口74との距離は3mmとしている。測定時間は全行程1600秒で、0〜200秒は空気、200〜500秒はホルムアルデヒドガス、500〜900秒は空気、900〜1200秒はホルムアルデヒドガス、1200〜1600秒は空気を導入した。なお、吸光度は460.193nmと、650.306nmにおける差によって算出した。
各反応溶液における吸光度時間変化の測定結果を図22に示す。いずれもホルムアルデヒドガスを導入してから40〜50秒後に吸光度変化が起こり、空気に切り替えてから40〜60秒後に吸光度変化の減少が見られた。この結果は、反応溶液がホルムアルデヒドガスと反応していることを意味し、リアルタイムに検出測定ができることを示している。
また、ホルムアルデヒドガスによる吸光度変化の大きさは、反応溶液の溶液量の違いで差はあまり見られなかった。一方、空気を導入した際、反応溶液の溶液量が多いほど吸光度変化(傾き)は小さくなり、また、空気への切り替え直後における吸光度の減少量が大きくなった。これらの現象は、反応溶液の蒸発やホルマザンの拡散速度の違いなどの原因によると考えられる。なお、検出測定は、反応溶液が蒸発して光路に影響を及ぼすか、吸光度が1を超えるまでは可能であることが分かった。また、反応溶液の蒸発が光路に影響する時間は100μlで25分程度であったことも分かった。
本発明に係る揮発性有機化合物成分量検出センサによれば、シンプルな構成且つ小型な装置で精度の高い揮発性有機化合物成分量の検出をリアルタイムに行うことができるため、多様な場面及び環境で行う必要がある揮発性有機化合物成分量の検出に有用である。
10 揮発性有機化合物成分量検出センサ
12 反応溶液貯留槽
14 導入用バルブ
16 反応槽
18 導出用バルブ
20 導出用ポンプ
22 反応済み溶液貯留槽
24 吸光度測定ユニット
26 光源
28 分光器
30 検出器
32 ガス取り込み部
34 反応溶液カートリッジ
36 反応溶液カートリッジ挿入部
38 ガス注入流路
40 ガス排出流路
42 反応済み溶液カートリッジ
44 反応済み溶液カートリッジ挿入部
46 ハウジング
48 開口部
52 反応溶液セル収容部
54 表示部
56 カバー部材
58 蓋部材
60 反応溶液セル
62 ガス取込口
64 バブラ
66 エアポンプ
70 パーミエーションチューブ
72 ガス発生装置
74 ガス排出口

Claims (9)

  1. 測定対象ガス中に含まれる揮発性有機化合物の成分量を検出するために用いる揮発性有機化合物成分量検出センサであって、
    前記揮発性有機化合物成分量検出センサは、
    反応溶液を内部に導入可能とする反応槽を備え、当該反応槽内に前記反応溶液を導入させた後、前記測定対象ガスを前記反応槽内に取り込み、前記揮発性有機化合物を前記反応溶液に溶解させることで、当該反応槽内において、酵素サイクリング反応を起こし、当該サイクリング反応の反応生成物であるホルマザン色素を生成させるとともに、当該生成されるホルマザン色素の前記反応槽内における吸光度変化を計測していくことで、前記測定対象ガス中の揮発性有機化合物成分量を検出するものであることを特徴とする揮発性有機化合物成分量検出センサ。
  2. 前記揮発性有機化合物成分量検出センサは、光源と、光を分光させる分光器と、光の強度を検出する検出器とを有する吸光度測定ユニットが備えられており、前記光源からの光を前記分光器により所定波長の光に分光させるとともに、当該分光された光を前記反応槽内に透過させ、当該透過された光の強度を前記検出器により測定することで、前記酵素サイクリング反応により生成されたホルマザン色素の吸光度を計測し、当該計測結果に基づいて、前記測定対象ガス中に含まれる揮発性有機化合物成分量を検出するものであることを特徴とする請求項1記載の揮発性有機化合物成分量検出センサ。
  3. 前記揮発性有機化合物成分量検出センサは、光源と、光を分光させる分光器と、光の強度を検出する検出器とを有する吸光度測定ユニットが備えられており、前記光源からの光を前記分光器により所定波長の光に分光させるとともに、当該分光された光を前記反応槽に向けて所定の角度から照射させることで、当該反応槽に反射させ、当該反射させた光の強度を前記検出器により測定することで、前記酵素サイクリング反応により生成されたホルマザン色素の吸光度を計測し、当該計測結果に基づいて、前記測定対象ガス中に含まれる揮発性有機化合物成分量を検出するものであることを特徴とする請求項1記載の揮発性有機化合物成分量検出センサ。
  4. 前記酵素サイクリング反応は、前記反応溶液に少なくとも含まれる、NAD、脱水素酵素、テトラゾリウム塩、ジアホラーゼと、前記反応溶液に溶解した揮発性有機化合物とにより生じることを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載の揮発性有機化合物成分量検出センサ。
  5. 前記酵素サイクリング反応は、前記反応槽の内部に設けられた酵素固定膜に固定される、脱水素酵素及びジアホラーゼと、前記反応溶液に少なくとも含まれる、NAD、テトラゾリウム塩と、前記反応溶液に溶解した揮発性有機化合物とにより生じることを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載の揮発性有機化合物成分量検出センサ。
  6. 前記酵素サイクリング反応は、前記揮発性有機化合物を前記脱水素酵素により脱水素させ、これにより生じた水素を前記NADを介して前記テトラゾリウム塩に受容させることで前記ホルマザン色素を生成させるものであることを特徴とする請求項4又は5記載の揮発性有機化合物成分量検出センサ。
  7. 前記ホルマザン色素は、前記テトラゾリウム塩の前記ジアホラーゼによる酸化還元によって生成される水溶性又は水不溶性の物質であることを特徴とする請求項4〜6何れか1項記載の揮発性有機化合物成分量検出センサ。
  8. 前記揮発性有機化合物成分量検出センサは、前記反応槽内に前記測定対象ガスを取り込むガス取り込み流路と、前記反応槽内に対して前記反応溶液を導入させる反応溶液導入路と、前記反応槽内から前記反応溶液を導出させる反応溶液導出路とが、それぞれ設けられていることを特徴とする請求項1〜7何れか1項記載の揮発性有機化合物成分量検出センサ。
  9. 前記揮発性有機化合物は、ホルムアルデヒド、アルコール、アセトアルデヒド、アンモニアのうちの何れかであることを特徴とする請求項1〜8何れか1項記載の揮発性有機化合物成分量検出センサ。
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