JP2001174408A - ホルムアルデヒドの測定方法および測定装置 - Google Patents

ホルムアルデヒドの測定方法および測定装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】室内等の空気中に含まれる微量のホルムアルデ
ヒドを簡便な方法で精度よく測定する方法および装置を
提供する。 【解決手段】没食子酸および過酸化水素の水溶液とホル
ムアルデヒドをアルカリ性水溶液中、反応部Aで反応さ
せ、その時に生じる波長560nm 〜850nmの範
囲の発光の強度を発光強度測定部Bで測定し、その発光
強度からホルムアルデヒドの量を演算部Cで測定し、演
算結果を表示部Dで表示する。アルカリ性水溶液中に、
さらにアルカリ金属の炭酸塩または炭酸水素塩を添加す
ると、安定した発光が得られる。発光強度の測定には、
光電子増倍管4を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホルムアルデヒドを
含むサンプルからホルムアルデヒドを測定する方法に関
する。さらに詳しくは、水中あるいは空気中に含まれる
微量のホルムアルデヒドの測定方法に関する。本発明の
方法は、とくに空気中に含まれるホルムアルデヒドの測
定に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来ホルムアルデヒドの分析方法として
はJIS K0303による方法が知られている。この
方法は排ガス中のホルムアルデヒドの分析方法として定
められ、樹脂などの製造工程、メタノールなどの燃焼、
その他の化学反応、またはホルムアルデヒドを使用する
作業工程などにおいて、煙道、煙突、ダクト、排気管な
どに排出される排ガス中のホルムアルデヒドの分析方法
について記載されている。
【0003】また、分析試薬として、DNPH(2,4
−ジニトロフェニルヒドラジン)を用いるDNPH法が
知られている。このDNPH法は、試料ガスをDNPH
溶液に吹き込んで接触させる、あるいはDNPH溶液含
浸捕集剤を詰めたカートリッジに通す、等の操作を行な
うことにより、試料ガス中のホルムアルデヒドをDNP
Hのアダクトとして固定し、その後、ガスクロマトグラ
フィ、高速液体クロマトグラフィ等の手段により上記ア
ダクトを定量し、試料ガス中のホルムアルデヒドの量を
測定する方法である。
【0004】さらに、分析試薬として、AHMT(4−
アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1,2,4
−トリアゾール)を用いるAHMT法が知られている。
このAHMT法は、試料ガス中のホルムアルデヒドをほ
う酸溶液に吸収させた後、塩基性としてからAHMTを
加えて発色させ、その吸光度からホルムアルデヒドを定
量する方法である。DNPH法およびAHMT法は比較
的正確に低濃度のホルムアルデヒドを定量することがで
きるため、JIS法として採用されている。
【0005】JIS K0303による方法は、ホルム
アルデヒドを使用する工場等で作業環境中のホルムアル
デヒドを測定する場合のように、数ppm〜数十ppm
の濃度の測定には適用可能である。しかしながら、雰囲
気空気に含まれるような、非常に低濃度のホルムアルデ
ヒドを測定する場合は、その濃度を正確に測定すること
は困難である。
【0006】また、DNPH法では、DNPH溶液に吸
収され、アダクトとされたホルムアルデヒドをさらにク
ロロホルム等の溶媒で抽出した後、ガスクロマトグラフ
に導入して定量するという手間を要する。DNPH溶液
含浸捕集剤を詰めたカートリッジを用いる場合は、この
カートリッジに雰囲気空気を通し、空気中に含まれるホ
ルムアルデヒドを捕集して測定する。すなわち、一定時
間、雰囲気空気を通した後、カートリッジに捕集された
ホルムアルデヒドのアダクトを、溶離剤としてアセトニ
トリル等を用いて溶離し、さらに高速液体クロマトグラ
フィで定量する等の繁雑な操作を行わなければならな
い。
【0007】一方、AHMT法では、吸光度によりホル
ムアルデヒドの濃度を測定するため、予め、既知濃度の
ホルムアルデヒド吸収液と特定波長の光の吸光度の関係
を求めておく必要がある。さらに、吸光光度計を用いて
試料吸収液の上記特定波長の吸光度を測定し、上記ホル
ムアルデヒドの既知濃度と吸光度の関係から、その吸光
度に相当するホルムアルデヒドの濃度を試料中のホルム
アルデヒド濃度とするという繁雑な手間を必要とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、世界的な省エネ
ルギーの機運の中で住宅の高気密化、高断熱化が進んで
いる。しかしながら、高気密化、高断熱化は同時に室内
の換気を妨げるため、室内で発生したホルムアルデヒ
ド、VOC(揮発性有機化合物)等の化学物質が部屋の
中に滞留し、それらの影響がヒトの健康上に及んできて
おり、社会的な問題となっている。
【0009】上記化学物質の中でも、ホルムアルデヒド
(HCHO)はその毒性が強いことから、シックハウス
症候群(目がチカチカする、涙が出る、セキが出る、頭
痛がする、気分が悪くなる等の諸症状)の主原因とされ
ている。ホルムアルデヒドの発生源は合板製造時に使用
された接着剤、壁紙、クロスなどを接着する際の接着
剤、塗料、ニス、各種合成樹脂製品、家具、防シワ加工
の施された衣類等、広い範囲に及んでいる。
【0010】このような状況のもとで、1997年7月
に厚生省は健康住宅ガイドラインとして「室内空気中の
ホルムアルデヒドの量を30分平均値で0.1mg/m
3以下(0.08ppm以下)」を提示した。しかしな
がら、空気中に存在する上記の値付近の微量ホルムアル
デヒドを測定することは非常に困難であり、前記した分
析方法にしたがい、高価な分析機器等を用いて、専門家
による複雑な操作を行なうことを必要とする。
【0011】一方、シックウハウス症候群が社会問題化
している現状から、主として新築住宅を購入した人、住
宅をリフォームした人等を中心に室内空気中のホルムア
ルデヒドの測定を求める要望が強くなってきている。こ
れらの要望に応じるのは、住宅メーカー、マンションメ
ーカー、住宅リフォーマー 、建材メーカー、家具メー
カー等の従業員でありほとんどは専門家以外である。し
たがって、専門知識を持たない人々がポータブルで簡便
に操作でき、しかも比較的正確に空気中のホルムアルデ
ヒドを測定する装置が求められてきた。
【0012】ホルムアルデヒドの分析方法としては、前
記DNPH法、AHMT法等の化学分析法以外に化学発
光法が知られている(ANAL. CHEM.Vol47, NO.
13,Nov.1975, pp2101〜2109)。
この化学発光法は、ホルムアルデヒドがアルカリ性水溶
液中で過酸化水素によって酸化されると弱い発光を生じ
るが、その時ピロガロールのような多価フェノールが存
在すると強いオレンジ色の発光が数分間続くというTr
autz−Schorigin Reaction(T
SR)理論に基づいている。
【0013】上記、ANAL. CHEM. Vol.47, NO
13,Nov.1975,pp2101〜2109には
多価フェノールとしてピロガロールの置換体である没食
子酸(Gallic Acid)を用いると、没食子酸
そのもの、およびそれから過酸化水素と分子酸素による
酸化によって生じた他のポリフェノールの作用によって
発光強度がさらに10〜100倍に増加するという記載
がある。
【0014】そこで、本発明は上記の技術を利用して、
水中あるいは空気中に含まれる低濃度のホルムアルデヒ
ド、とくに、雰囲気空気中に含まれる0.08ppm付
近の微量のホルムアルデヒドを化学発光法により、簡便
な操作で、精度よく測定する技術を提供することをその
課題とする。
【0015】
【発明の開示】すなわち、本発明の第1の側面によれ
ば、没食子酸および過酸化水素の水溶液とホルムアルデ
ヒドをアルカリ性水溶液中で反応させ、反応時に生じる
波長560nm 〜850nmの範囲の発光の強度を測
定し、この発光強度からホルムアルデヒドの量を測定す
ることを特徴とするホルムアルデヒドの測定方法が提供
される。
【0016】本発明の方法に用いる没食子酸は通常、
0.01〜0.1mol/dm3、好ましくは0.01
〜0.05mol/dm3の範囲で用いる。0.01m
ol/dm3より低い濃度ではホルムアルデヒドと反応
させた時十分な発光強度が得られない。また、0.1m
ol/dm3より高い濃度で用いても発光強度は変わら
ず、経済的に不利であるためである。
【0017】過酸化水素の濃度は通常、0.01〜1.
0mol/dm3、好ましくは0.01〜0.5mol
/dm3の範囲で用いる。0.01mol/dm3より低
い濃度では、ホルムアルデヒドと反応させた時十分な発
光が得られず、また、1.0mol/dm3 より高い
濃度で用いてもそれに見合う効果が得られないためであ
る。
【0018】没食子酸および過酸化水素の水溶液(以下
(反応液)ということもある。)は、各成分を別々に調
製して反応液中の濃度が上記の値になるように混合すれ
ばよい。あるいは、予め上記濃度の没食子酸水溶液に過
酸化水素を加えて上記濃度となるように調製してもよ
い。また、その逆の操作により没食子酸と過酸化水素の
混合水溶液を調製してもよい。この場合、過酸化水素は
没食子酸に対して通常、1〜100倍モル、好ましく
は、1〜50倍モル用いる。なお、過酸化水素は市販の
37〜40%の過酸化水素水溶液を適宜希釈して用いれ
ばよい。
【0019】通常、ホルムアルデヒドはアルカリ性水溶
液に溶解した状態で測定に供される。このとき、アルカ
リ性水溶液のpHは9〜14、好ましくは11〜14に
調整する。pHが9より小さいときは反応液との反応時
に十分な発光が得られず、また14より大きくしても発
光に特に有利な結果が得られないためである。アルカリ
性水溶液は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属塩を水に溶解させ、前記pHに調整する。
【0020】前記発光反応は、通常、既知の同一濃度の
ホルムアルデヒドを、アルカリ性水溶液に溶解させて反
応液と反応させると同一の発光強度(アナログ値)が得
られるはずである。しかし、アルカリ性水溶液単独の場
合は必ずしも同一の発光強度が得られるとはいえず、バ
ラツキがみられる。そこで、本発明においては、上記ア
ルカリ性水溶液に、予め、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等のアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩を添加す
る。上記アルカリ金属の炭酸塩また炭酸水素塩を添加す
ることにより、反応時に安定した発光が、再現性よく得
られるという効果がある。
【0021】この安定した発光が得られるという効果
は、雰囲気空気をアルカリ性水溶液に吹き込んで、その
中に溶解されたホルムアルデヒドを測定する際に、とく
に、顕著に現れる。この効果の理由は明らかではない
が、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩がpHの緩衝剤
として作用し、雰囲気空気を吹き込む際に、ホルムアル
デヒドと同時に溶解された空気中の二酸化炭素の影響を
緩衝してアルカリ性水溶液のpHを一定に保つため、安
定した発光が得られるものと思われる。
【0022】この場合、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水
素塩として挙げた各種化合物の中、とくに、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウムを用いると好ましい結果が得られ
る。アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩の添加量は、ア
ルカリ性水溶液中で0.01〜0.1mol/dm3
好ましくは0.03〜0.06mol/dm3 の濃度で
ある。0.01mol/dm3より小さい濃度ではその
添加の効果がみられず、また、0.1mol/dm3
り大きくしてもそれに見合う効果が得られないうえ、却
って反応に悪影響を及ぼすためである。
【0023】前記の方法により得られた発光強度は、周
囲からの光を遮断し光電子増倍管(ホトマルチプライ
ヤ)を用いて測定する。このとき、光電子増倍管の受光
面の前面に波長560nm以下の光をカットするため、
光学フィルタを設けた方が好ましい結果が得られる。光
電子増倍管では、入射された光の光量に応じて光電子が
放出され、ダイノードに衝突した電子が次々と増倍され
て電圧値として出力される。出力された電圧はさらに増
幅器で増幅され、コンピュータ演算部(CPU)に入力
される。増幅された電圧は、アルカリ性水溶液中に存在
するホルムアルデヒドの量と比例するため、複数の濃度
既知のホルムアルデヒドの発光強度を電圧値としてコン
ピュータに入力し、試料中の未知のアンモニア濃度を検
量線法によって、測定し、表示する。
【0024】本発明の方法を利用して測定する試料中の
ホルムアルデヒドの量は特に限定されないが、通常、
0.001〜10ppm、好ましくは0.005〜5p
pm、さらに好ましくは0.005〜2ppmの範囲の
微量のホルムアルデヒドの測定に好適に用いられる。
【0025】本発明の第2の側面によれば、没食子酸お
よび過酸化水素の水溶液とホルムアルデヒドをアルカリ
性水溶液中で反応させる反応部と、反応時に生じる発光
の強度を測定する発光強度測定部と、発光強度からホル
ムアルデヒドの濃度を演算する演算部と、演算結果を表
示する表示部と、を含むホルムアルデヒドの測定装置が
提供される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図1を参照
しつつ、より詳細に説明する。本発明の好適な実施形態
に係るホルムアルデヒド測定装置は、没食子酸および過
酸化水素の水溶液(反応液)とホルムアルデヒドをアル
カリ性水溶液中で反応させる反応部A、上記反応時に生
じる発光強度を測定する発光強度測定部B、発光強度か
らホルムアルデヒドの濃度を演算する演算部Cおよび演
算結果を表示する表示部Dを備えている。反応部Aは、
反応液貯留部1、反応液添加弁2、遮光ケース3から構
成されている。反応液貯留部1は反応液を貯留するため
の凹部を有しており、その形状は特に限定されないが、
通常、テーパ部を持つ漏斗状のものが用いられる。反応
液が均一に落下するいう点において有利であるためであ
る。
【0027】反応液貯留部1の材質は特に限定されるこ
となく、金属、プラスチック等使用可能である。しか
し、加工の容易性等の点から硬質塩化ビニル等のプラス
チックが有利に使用される。また、反応液貯留部1の底
部は、はめあわせ等の方法で図2に示す透光性のガラス
瓶(インピンジャ)21を装着できる構造となってい
る。ホルムアルデヒドを含む試料はアルカリ性水溶液に
溶解した状態で上記ガラス瓶21に入れられ、上記反応
液貯留部1の底部に、はめあわせて装着される。
【0028】反応液貯留部1に一時貯えられた反応液
は、反応液添加弁2のレバーを操作することにより遮光
ケース3内で、ガラス瓶21中に落下し、ホルムアルデ
ヒドと反応する。すなわち、反応液とホルムアルデヒド
とがアルカリ性の水溶液中で遮光下、反応し発光する。
このときの発光強度は発光強度測定部Bで測定される。
【0029】発光強度測定部Bは、光電子増倍管4、増
幅器6から構成される。光電子増倍管4の受光面の前部
に光学フィルタ5を設けてもよい。光学フィルタ5によ
って、560nmより短波長の光をカットすると、より
正確な測定値が得られるという効果があるためである。
光電子増倍管4により測定された発光強度は電圧として
出力され、増幅器6によって増幅される。
【0030】演算部Cは、通常、コンピュータ(CP
U)7から構成される。増幅された電圧は演算部Cのコ
ンピュータ7に入力され、前記した検量線法によって、
試料中のホルムアルデヒドの濃度を測定する。すなわ
ち、既知濃度のホルムアルデヒド水溶液と反応液が、反
応して生じる発光強度と、そのホルムアルデヒド濃度の
間には、実質的に直線関係が成立するため、ホルムアル
デヒド濃度未知の試料水溶液と反応液を、反応させて生
じた発光強度から、上記直線関係を利用して、試料水溶
液中のホルムアルデヒド濃度を求めることができる。も
ちろん、前記したように、発光強度は電圧値として出力
され、上記の演算は、コンピュータ7によって行なわれ
る。得られた演算結果は、表示部Dで、例えば、液晶デ
イスプレイ(LCD)8により濃度単位、通常、ppm
でデジタル表示される。
【0031】一方、雰囲気空気中のホルムアルデヒドを
分析する場合、空気を吸収液(アルカリ性水溶液)に吹
き込み、空気中に含まれるホルムアルデヒドを捕集した
後、上記の方法で分析する必要がある。この場合、図2
に示す雰囲気空気採取部Eを用いる。雰囲気空気採取部
Eはアルカリ性水溶液を保持するための透光性のガラス
瓶(インピンジャ)21、雰囲気空気採取管22、排気
管23から構成されている。ガラス瓶21は通常、テフ
ロンゴム、シリコンゴム等のゴム栓24を用いて気密に
し、ゴム栓24に雰囲気空気採取管22を、その先端が
ガラス瓶21の底部近辺に達するように貫通させる。
【0032】雰囲気空気は、排気管23の下流に設けら
れた吸引ポンプ25により、所定量が所定時間、吸引さ
れ、ガラス瓶21中の吸収液(アルカリ性水溶液)の中
を通過した後、排出される。上記のように、雰囲気空気
が吸収液の中を通過し、バブリングする間に、雰囲気空
気中のホルムアルデヒドはアルカリ性水溶液の中に溶解
し、捕集される。
【0033】なお、上記の雰囲気空気採取時に、アルカ
リ性水溶液の中に、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩
を添加しておくと、反応液との反応時に安定した発光が
得られるということは前述したとおりである。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、化学発光式ホルムアルデヒド測定計とし
ては、(株)ファームテック製、FANAT−10を用
いた。
【0035】
【実施例1】(ブランク値の測定)まず、ブランク値の
測定を行なった。すなわち、ホルムアルデヒドを含まな
いpH13.5の水酸化ナトリウム水溶液20cm3
入ったガラス瓶21を反応液貯留部1の底部に装着し
た。ついで反応液貯留部1の上部に貯留された反応液
(0.2%没食子酸、0.3%過酸化水素水溶液)20
cm3を反応液添加弁2を操作し、遮光ケース3内でガ
ラス瓶21へ添加した。なお、反応液は市販の37%過
酸化水素を希釈して所定濃度の水溶液とした後、没食子
酸を溶解して調製した。両者が混合されたときに生じる
発光強度を、光学フィルタ5で波長560nm以下の光
をカットした後、光電子増倍管4(浜松ホトニクス株式
会社製)で測定し、得られた電圧を増幅器6で増幅し、
コンピューター7に入力した。このとき得られた電圧値
をホルムアルデヒド濃度がゼロのときの値とした。
【0036】(濃度既知のホルムアルデヒド水溶液の発
光強度の測定)ついで、ホルムアルデヒド濃度0.95
2ppmの水酸化ナトリウム水溶液20cm3を別途調
製し、この水酸化ナトリウム水溶液を別のガラス瓶21
に入れ、以後の操作は、(ブランク値の測定)と同様に
行って発光強度を測定した。このときに生じる発光強度
を光電子増倍管4で測定し、出力された電圧を増幅器6
で増幅し、コンピュータ7に入力した。
【0037】(水中のホルムアルデヒド濃度の測定)鋼
鉄製ホルマリン貯蔵容器を洗浄した排水を3ケ所で採取
し、微量の水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性とした
後、各20cm3を前記と同様に操作し、光電子増倍管
4で発光強度を測定した。電圧として出力された値を、
コンピュータ7に入力し、予めコンピュータ7に入力し
た前記の(ブランク値)および(濃度既知のホルムアル
デヒド水溶液の発光強度)の測定データから、検量線法
により演算してアンモニア濃度を測定した。その結果、
3ケ所における排水中のホルムアルデヒド濃度は0.
772ppm 0.758ppm 0.775pp
mと測定された。
【0038】
【実施例2】実施例1と同様にしてホルムアルデヒド濃
度がゼロと0.952ppmの場合について、発光強度
の測定を行ない、そのときに出力された電圧をそれぞ
れ、コンピュータ7に入力した。一方、図2に示す雰囲
気空気採取部Eを用い、ガラス瓶21にpH13.5の
水酸化ナトリウム水溶液20cm3を吸収液として入
れ、化学実験室の中の空気を1dm3/分の割合で30
分バブリングさせた。試料採取後、ガラス瓶21を実施
例1で用いたFANAT−10の反応液貯留部1の底部
に装着し、反応液添加弁2を操作して、反応液を吸収液
に添加し、発光強度の測定を行なった。以後、実施例1
(水中のホルムアルデヒド濃度の測定)と同様に操作し
て吸収液中のホルムアルデヒドの濃度を測定し、空気中
の濃度に換算した。得られた結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】得られた結果にバラツキがあるため、第3
回と第4回の結果を無視し、残り3回の平均値0.03
7ppmを空気中のホルムアルデヒド濃度とした。
【0041】
【実施例3】実施例1で用いたpH13.5の水酸化ナ
トリウム水溶液に炭酸ナトリウムを0.05mol/d
3の濃度となるように添加し、反応液中の過酸化水素
の濃度を1.2%とした。それ以外の条件は実施例1と
同様にして、ホルムアルデヒド濃度がゼロと0.952
ppmの場合について、発光強度の測定を行ない、出力
された電圧をそれぞれ、コンピュータ7に入力した。一
方、実施例2と同様にして化学実験室中の空気を30分
間で30dm3採取し、吸収液中に溶解したホルムアル
デヒドの濃度を測定し、空気中の濃度に換算した。得ら
れた結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】実施例2と比べてバラツキはみられないた
め、5回の平均値0.038ppmを空気中のホルムア
ルデヒド濃度とした。
【0044】
【実施例4】内装材である壁紙(クロス)を張り替えた
翌日の部屋の空気中に含まれているホルムアルデヒド濃
度を実施例3と同様にして測定した。得られた結果を表
3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】3回の平均値0.993ppmを空気中の
ホルムアルデヒド濃度とした。
【0047】
【実施例5】実施例4において、クロスを張り替えた
後、10日後の部屋の空気中に含まれているホルムアル
デヒドの濃度を実施例3と同様にして測定した。得られ
た結果を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】3回の平均値0.062ppmを空気中の
ホルムアルデヒド濃度とした。
【0050】
【実施例6】石油ストーブで暖房している工場内の空気
中に含まれているホルムアルデヒドの濃度を実施例3と
同様にして測定した。得られた結果を表5に示す。
【0051】
【表5】
【0052】3回の平均値0.047ppmを空気中の
ホルムアルデヒド濃度とした。
【0053】
【実施例7】実施例1において水酸化ナトリウムに代え
て水酸化カリウムを用いた以外は、実施例1と同様にし
て排水中のホルムアルデヒド濃度を測定した。3ケ所で
測定した結果、排水中のホルムアルデヒド濃度は0.
745ppm 0.714ppm 0.758pp
mであった。
【0054】
【発明の効果】アルカリ性で没食子酸および過酸化水素
水溶液とホルムアルデヒドが反応すると化学発光が起こ
り、この時発生する発光強度はホルムアルデヒドの量に
比例する。この原理を利用して、水中または空気中に含
まれる微量のホルムアルデヒドの量を測定する。光電子
倍増管を用いて波長560〜850nmの発光強度を電
圧として出力し、ホルムアルデヒドの量と電圧値が実質
的に直線関係にあるため、予め入力しておいた既知の濃
度のホルムアルデヒドと電圧の関係から試料中のホルム
アルデヒドの濃度を簡単に精度良く測定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホルムアルデヒド測定装置の概略
構成図である。
【図2】本発明に係る雰囲気空気中のホルムアルデヒド
を測定するときに用いる空気採取部の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
A 反応部 1 反応液貯留部 2 反応液添加弁 B 発光強度測定部 4 光電子増倍管 6 増幅器 7 コンピュータ(CPU) C 演算部 D 表示部 E 雰囲気空気採取部 21 ガラス瓶(インピンジャ) 22 雰囲気空気採取管 23 排気管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G042 AA01 BD08 CA01 CA02 CB01 CB03 DA03 DA08 FA04 FA11 FB02 GA05 2G054 AA01 AA02 AB07 CA30 CB01 CE02 EA01 EB01 EB11 FA12 FB07 GA03 GB01 JA01 JA04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】没食子酸および過酸化水素の水溶液とホル
    ムアルデヒドをアルカリ性水溶液中で反応させ、反応時
    に生じる波長560nm 〜850nmの範囲の発光の
    強度を測定し、この発光強度からホルムアルデヒドの量
    を測定することを特徴とするホルムアルデヒドの測定方
    法。
  2. 【請求項2】アルカリ性水溶液にさらにアルカリ金属の
    炭酸塩または炭酸水素塩を添加する請求項1に記載のホ
    ルムアルデヒドの測定方法。
  3. 【請求項3】アルカリ金属の炭酸塩が炭酸ナトリウムで
    ある請求項1または2に記載のホルムアルデヒドの測定
    方法。
  4. 【請求項4】アルカリ金属の炭酸塩が炭酸カリウムであ
    る請求項1ないし3のいずれか1項に記載のホルムアル
    デヒドの測定方法。
  5. 【請求項5】アルカリ性水溶液のpHが9〜14である
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載のホルムアルデ
    ヒドの測定方法。
  6. 【請求項6】発光強度の測定を光電子増倍管により行な
    う請求項1ないし5のいずれか1項に記載のホルムアル
    デヒドの測定方法。
  7. 【請求項7】ホルムアルデヒドが雰囲気空気をアルカリ
    性水溶液に吹き込み、この雰囲気空気中に存在するホル
    ムアルデヒドを水溶液としたものである請求項1ないし
    6のいずれか1項に記載のホルムアルデヒドの測定方
    法。
  8. 【請求項8】没食子酸および過酸化水素の水溶液とホル
    ムアルデヒドをアルカリ性水溶液中で反応させる反応部
    と、反応時に生じる発光の強度を測定する発光強度測定
    部と、発光強度からホルムアルデヒドの濃度を演算する
    演算部と、演算結果を表示する表示部と、を含むホルム
    アルデヒドの測定装置。
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