以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態に係る貯湯式給湯装置1の全体構成を示す。
本実施形態の貯湯式給湯装置1は、貯湯タンク10内に貯えられた給湯用水を台所、洗面所、風呂などへの給湯機能に用いるとともに、貯えられた給湯用水を一次側の熱源として、二次側に流通する被加熱流体を加熱する熱交換器30を備え、浴水の追い焚き機能や暖房機能に利用したものである。
先ず、給湯機能は、図1に示すように、給湯用水を内部に貯える貯湯タンク10と、この貯湯タンク10内の最下部10cから低温の給湯用水を取り出し、高温にして貯湯タンク10内の最上部10bに送る給湯用水加熱回路21と、この給湯用水加熱回路21を流れる給湯用水を加熱する加熱装置としてのヒートポンプ熱源機20と、貯湯タンク10内に水道水を給水する給水用配管12と、貯湯タンク10内の給湯用水を導出する給湯管13と、給湯用配管14、14aと、貯湯式給湯装置1の作動を制御する制御手段(熱源制御部41、給湯制御部42)とから構成されている。
一方、追い焚き機能および暖房機能においては、貯湯タンク10内の給湯用水が一次側に流通する一次側回路31と、二次側に被加熱流体が流通する二回路の二次側回路32、33からなる熱交換器30と、浴水追い焚き装置80と、暖房装置である床暖房ユニット60A、60B、暖房ユニット70A、70Bと、これらを接続する追い焚き回路34、35、暖房回路36、37、および給湯制御部42から構成されている。
尚、本実施形態では、二回路の二次側回路32、33のうち、一方を追い焚き用熱交換部32と称し、他方を暖房用熱交換部33と称している。
次に、給湯機能を構成する構成部品についてより具体的に説明すると、貯湯タンク10は、縦長形状の耐食性に優れた金属製(例えば、ステンレス製)の容器で形成され、外周部に図示しない断熱材が配設され、高温の給湯用水を長時間に渡って保温できるようになっている。また、貯湯タンク10内の底面には給水口10aが設けられ、この給水口10aに給水経路である給水用配管12が接続されている。
給水用配管12には、給水温度を検出する給水サーミスタ51が設けられており、給水用配管12内の温度情報を給湯制御部42に出力するようになっている。
給水用配管12には、開閉弁51aおよび流量カウンタ51bが設けられている。開閉弁51aは、給湯制御部42により制御されて給水用配管12を開閉する。流量カウンタ51bは、給水用配管12を流れる給水量を検出する。流量カウンタ51bによって検出される給水の流量情報は給湯制御部42に出力されるようになっている。
また、給水用配管12には、給水口10aに導入される水道水の水圧を所定圧となるように調節するとともに、断水などにおける湯の逆流を防止する図示しない減圧逆止弁が設けられている。更に、給水用配管12の下流端は、給湯用混合弁15およびお湯張り用混合弁15aの一方の入口側に繋がれている。
また、貯湯タンク10の最上部には給湯口10bが設けられ、この給湯口10bには貯湯タンク10内に貯えられた給湯用水のうち、高温の給湯用水を導出するための給湯経路である給湯管13が接続されている。尚、この給湯管13の経路途中には空気逃がし弁19が配設された排出配管13aを接続しており、貯湯タンク10内の圧力が所定圧以上に上昇した場合には、貯湯タンク10内の給湯用水を外部に排出して、貯湯タンク10などにダメージを与えないようになっている。
給湯管13の下流端には給湯用混合弁15およびお湯張り用混合弁15aが設けられ、これらの下流側には混合湯経路である給湯用配管14、14aが接続されている。また、この給湯用配管14、14aには、供給される給湯用水の湯温を検出する出湯サーミスタ52、52a、および給湯用配管14、14a内を流通する給湯用水の流量情報を検出する流量カウンタ57、57aが設けられ、出湯サーミスタ52、52a、および流量カウンタ57、57aにより検出された温度情報および流量情報を給湯制御部42に出力するようになっている。
給湯用配管14、14aの下流端は台所、洗面所、浴室などに配置された図示しない給湯水栓やシャワー水栓などに通じており、これらの給湯水栓やシャワー水栓が開弁したときに、使用者が設定した設定温度に調節された給湯用水が出湯される。尚、流量カウンタ57、57aが給湯用配管14、14a内の給湯用水の流れを検出したときは、給湯水栓やシャワー水栓などのいずれかで給湯用水が使用されていることである。また、一方の給湯用配管14aは、浴槽89内に浴水を湯張りするための給湯用配管であって、湯張り用開閉弁58、流量カウンタ57aおよび逆止弁59が設けられている。
この湯張り用開閉弁58は、給湯制御部42により制御され、給湯用配管14aに流れる混合湯を開閉する電磁弁である。流量カウンタ57aは、給湯用配管14a内に流れる湯張り流量を検出するものである。そして、逆止弁59は、浴水追い焚き装置80内の浴水が給湯用配管14a内に逆流させないための弁である。
尚、湯張り用開閉弁58を開弁させて浴槽89に湯張り、差し湯、足し湯をするときは、後述する開閉弁85も開弁するように制御されるとともに、水圧スイッチ84により検出された水位レベルが所定レベルに達したとき、湯張り用開閉弁58および開閉弁85が閉弁されて設定流量の混合湯が浴槽89内に湯張りされることになる。また、差し湯、足し湯は、湯張り用流量カウンタ57aにより検出された流量情報に基づいて所定の流量の混合湯が出湯されるように制御される。
ところで、給湯用混合弁15および湯張り用混合弁15aは、給湯用配管14、14aに供給する給湯用水の湯温を調節する温度調節弁であり、給湯管13側と給水用配管12側との開口面積比を調節することで、給湯用水と水道水との混合比を調節するようにしている。つまり、ここで、使用者が設定した設定温度となるように温度調節されている。
尚、これらの混合弁15、15aは、給湯制御部42に電気的に接続されており、上記出湯サーミスタ52、52a、給水サーミスタ51および後述する貯湯サーミスタ54により検出される温度情報に基づいて制御される。また、これらの混合弁15、15aは出湯サーミスタ52、52aにより検出される温度情報に基づいてフィードバック制御を行うように制御される。
そして、貯湯タンク10の外壁面には、給湯用水の貯湯量、もしくは貯湯温度を検出するための水温センサである複数(本例では、5箇所)の貯湯サーミスタ54が縦方向(タンクの高さ方向)にほぼ等間隔に配置され、貯湯タンク10内に満たされた給湯用水の各水位レベルでの温度情報を給湯制御部42に出力するようにしている。
従って、給湯制御部42は、複数の貯湯サーミスタ54からの温度情報に基づき、貯湯タンク10内のうち沸き上げられた高温の給湯用水の位置(すなわち、残湯量)と、貯湯タンク10内上方の沸き上げられた湯温と、貯湯タンク10内下方の沸き上げられる前の低温の給湯用水との境界位置を検出することができるとともに、各水位レベルでの給湯用水の湯温が検出できる。尚、複数の貯湯サーミスタ54のうち、最上部に設けられた貯湯サーミスタ54は高温の給湯用水を出湯する出湯温度を検出する機能を有している。
次に、貯湯タンク10内の給湯用水を加熱するヒートポンプ熱源機20は、例えば、炭酸ガスを冷媒として使用することにより、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプサイクルを使用している。このヒートポンプサイクルは、周知のように図示しない冷媒圧縮機、給湯用水加熱用の加熱熱交換器、膨張弁、冷媒蒸発器およびアキュムレータなどの冷凍サイクル機能部品より構成されている。ちなみに、冷媒圧縮機は、内蔵する電動モータによって駆動され、アキュムレータより吸引した気相冷媒を臨界圧力以上まで圧縮して吐出する。
加熱熱交換器は、冷媒と給湯用水とを熱交換するもので、例えば、冷媒が流れる冷媒通路と給湯用水が流れる給湯用水通路とが二重管構造に設けられ、且つ冷媒の流れ方向と給湯用水の流れ方向とが対向するように構成された対向流式の加熱熱交換器である。
膨張弁は、加熱熱交換器から流出する冷媒を減圧して冷媒蒸発器に供給する。冷媒蒸発器は、膨張弁で減圧された冷媒を大気との熱交換によって蒸発させる。アキュムレータは、冷媒蒸発器より流出する冷媒を気液分離して、気相冷媒のみ冷媒圧縮機に吸引させるとともに、サイクル中の余剰冷媒を蓄えている。
また、加熱熱交換器の給湯用水通路は、上述した給湯用水加熱回路21を介して貯湯タンク10に接続され、図示しない電動ポンプが作動することで、貯湯タンク10内の給湯用水が循環する。尚、給湯用水加熱回路21の上流端が貯湯タンク10の底部10cに接続され、給湯用水加熱回路21の下流端が貯湯タンク10の上部10dに接続されている。これにより、加熱熱交換器で冷媒との熱交換により加熱された給湯用水が貯湯タンク10の上部10dへ送り込まれるため、貯湯タンク10の上部側から下部側へ向かって順次給湯用水に蓄熱されてゆく。
尚、ヒートポンプ熱源機20は熱源制御部41からの制御信号により作動されるとともに、作動状態を熱源制御部41に出力するようになっている。また、これらの動力源として交流電力を用い、主に料金設定の最も安い深夜時間帯における深夜電力を用いて、貯湯タンク10内の給湯用水を沸き上げる蓄熱運転を行っているが、昼間時間帯においても給湯用水の湯温が低下してくると沸き上げ運転を行うよう制御される。ちなみに、超臨界ヒートポンプサイクルによれば、一般的なヒートポンプサイクルよりも高温(例えば、85〜90℃)の給湯用水を内部に貯えることができる。
次に、追い焚き機能を構成する構成部品についてより具体的に説明する。浴水追い焚き装置80は、浴槽89内の浴水を熱交換器30の二次側回路である追い焚き用熱交換部32に循環させて浴水を追い焚きする装置であり、往き管82、戻り管81およびバイパス管83から構成された循環回路と、熱交換器30の追い焚き用熱交換部32とを接続する追い焚き回路34、35とが接続されている。
ちなみに、往き管82側が追い焚き往き管34に接続され、戻り管81側が追い焚き戻り管35に接続されている。また、往き管82には、上流側から順に、水圧スイッチ84、開閉弁85、第2循環ポンプ86、浴水温度検出手段としての浴水温度サーミスタ55、流水スイッチ87および追い焚き三方弁88が設けられている。また、戻り管81には、下流側に追い焚きサーミスタ56が設けられている。
水圧スイッチ84は、浴槽89内に湯張りされた浴水の湯量、言い換えれば、浴槽89内の水位レベルを求めるための水圧を検出するセンサである。開閉弁85は浴水循環回路を開閉する電磁弁であり、第2循環ポンプ86は浴槽89内の浴水を追い焚き用熱交換部32に圧送する電動ポンプである。浴水温度サーミスタ55は、往き管82を流通する浴水の湯温を検出する水温センサである。
流水スイッチ87は、追い焚き三方弁88側の方向に浴水および後述する給湯用水が流通しているか否かを検出するための流水センサである。この追い焚き三方弁88は、浴水を追い焚き用熱交換部32に流通させるか、追い焚き用熱交換部32を迂回するバイパス管83のいずれか一方に流通方向を切り換えるための切換弁である。追い焚きサーミスタ56は、戻り管81を流通する浴水の湯温を検出する水温センサであり、浴槽89内に戻される浴水温度となる。
尚、水圧スイッチ84、流水スイッチ87、浴水温度サーミスタ55および追い焚きサーミスタ56は、それぞれの容積情報、流水情報および温度情報を給湯制御部42に出力するようにされ、開閉弁85、第2循環ポンプ86および追い焚き三方弁88は給湯制御部42により制御される。
また、湯張り後に浴槽89内の浴水の温度を検出するときは、追い焚き三方弁88をバイパス管83側に流れ方向を切り換えるとともに、第2循環ポンプ86を作動させることで、浴槽89内の浴水が往き管82、バイパス管83、戻り管81、浴槽89内の順に循環されて浴水温度サーミスタ55により浴水の湯温を検出するようにしている。
また、追い焚きするときは、追い焚き三方弁88の流れ方向を追い焚き用熱交換部32側に切り換えることで、浴槽89内の浴水が往き管82、追い焚き用熱交換部32、戻り管81、浴槽89内の順に循環されて、浴水温度サーミスタ55により検出された浴水の湯温が所定温度になるまで循環させるように制御される。
次に、暖房機能を構成する構成部品についてより具体的に説明する。まず、床暖房ユニット60A、60Bは、例えば、脱衣所や台所などの床に設置し、床パネル61a、61b内の配管63a、63bに熱交換媒体となるブラインを流通させて被加熱物である床パネル61a、61bを暖める暖房装置であり、配管61a、61bに流通するブラインを開閉する熱動弁62a、62b、床パネル61a、61bの出口側水温を検出する図示しない水温センサ、および水温センサにより検出された出口側水温に基づいて熱動弁62a、62bを制御する図示しない床暖房制御部から構成されている。
また、暖房ユニット70A、70Bは、例えば、浴室内や洗面室内の被加熱流体である室内の空気を吸い込んで放熱器71a、71bで加熱させて、温風を吹き出して室内を暖房する暖房装置であり、放熱器71a、71b、送風機72a、72b、放熱器71a、71bに流通するブラインを開閉する開閉弁73a、73b、吸い込み温度を検出する図示しない吸い込み温度センサおよび吸い込み温度センサにより検出された吸い込み温度に基づいて送風機72a、72bおよび開閉弁73a、73bを制御する図示しない暖房制御部などから構成されている。
暖房回路36、37は、暖房用熱交換部30で熱交換されたブラインを床暖房ユニット60A、60Bや暖房ユニット70A、70Bに流通させる循環回路であり、36が暖房往き管であり、37が暖房戻り管である。そして、暖房回路36、37には、バイパス通路36a、二次側循環手段としての第3循環ポンプ38、供給温度検出手段としての供給温度サーミスタ53aおよび戻り温度検出手段としての戻り温度サーミスタ53bなどが設けられている。尚、バイパス通路36aは、熱動弁62や開閉弁73が全て閉弁したときに床暖房ユニット60A、60Bや暖房ユニット70A、70Bを迂回するバイパス回路である。
第3循環ポンプ38は、ブラインを暖房用熱交換部33から床暖房ユニット60A、60Bや暖房ユニット70A、70Bに流通させる圧送手段であり、床暖房ユニット60A、60Bや暖房ユニット70A、70Bの使用台数に基づいて、給湯制御部42により回転数が制御される。そして、供給温度サーミスタ53aは暖房用熱交換部33を流通して熱交換後のブラインの水温を検出する水温センサであり、戻り温度サーミスタ53bは床暖房ユニット60A、60Bや暖房ユニット70A、70Bを流通して熱交換後のブラインの水温を検出する水温センサであり、いずれのサーミスタも検出された温度情報を給湯制御部42に出力するようになっている。
次に、熱交換器30は、加熱側である一次側が1回路で構成され、加熱される側である二次側が複数の回路で構成された対向流式の熱交換器である。具体的には、図1に示すように、貯湯タンク10内の貯えられた給湯用水が流通する一次側回路31と浴水やブラインが流通する複数個(本実施形態では二つ)の二次側回路32、33から構成されている。
本実施形態の貯湯式給湯装置1では、図1に示すように、上方に配置した二次側回路32を追い焚き用熱交換部32と称して浴水追い焚き装置80に接続し、下方に配置した二次側回路33を暖房用熱交換部33と称して暖房装置60A、60B、70A、70Bに接続している。
そして、熱交換器30は、図1に示すように、一次側回路31に貯湯タンク10内の貯えられた給湯用水が流通するように1次側循環回路が往き管16、戻り管17および第1循環ポンプ18などから構成されている。この往き管16は、上流端が貯湯タンク10の上方部10eに接続され、下流端が一次側回路31の流入部に接続されている。
また、戻し管17は、上流端が一次側回路31の流出側に接続され、下流端が貯湯タンク10の下方部10fに接続されている。第1循環ポンプ18は、戻し管17の中途に配置されており、貯湯タンク10内の給湯用水を一次側回路31に流通させるポンプである。尚、この第1循環ポンプ18は、上述した追い焚きサーミスタ56や供給温度サーミスタ53aにより検出された温度情報に基づいて回転数が制御されるように給湯制御部42に電気的に接続されている。
一方、追い焚き用熱交換部32は、その流入部が追い焚き戻り管35に接続され、その流出部が追い焚き往き管34に接続されて、一次側回路31の流れ方向と対向する方向に浴水が流れることになる。暖房用熱交換部33においても、同じように、その流入部と流出部とが暖房回路36、37に接続されて一次側回路31の流れ方向と対向する方向にブラインが流れることになる。これにより、熱交換器30は、図1に矢印で示すように、対向流式の熱交換器を形成している。
次に、給湯制御部42は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵のROMには、予め設定された制御プログラムが設けられている。給湯制御部42は、各サーミスタ51〜56からの温度情報、各流量カウンタ57、57aからの流量情報、暖房リモコン90a、台所リモコン90b、風呂リモコン90cのそれぞれからの操作スイッチからの操作信号などに基づいて、給湯管13、給湯用配管14、14a、浴水追い焚き装置80、暖房回路36、37および戻り管17内の各種アクチュエータ類を制御するように構成されている。
また、熱源制御部41は、給湯制御部42と同じように、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵のROMには、予め設定された制御プログラムが設けられており、図示しない各種サーミスタからの温度情報などに基づいてヒートポンプ熱源機20内のアクチュエータ類を制御する。この熱源制御部41では、加熱熱交換器で加熱された給湯用水の湯温を一定温度に保つために、加熱後の給湯用水の温度を検出する貯湯サーミスタ(最上部)54の検出温度に基づいて電動ポンプの回転数制御を行っている。
暖房リモコン90aは、床暖房ユニット60A、60B、および暖房ユニット70A、70Bの運転開始およびその停止を個別に遠隔操作するためのものであって、図2に示すように、選択スイッチ91a、91b、91c、91d、決定スイッチ92、および表示パネル93を備える。台所リモコン90bは、熱源制御部41を制御して貯湯タンク10内の給湯用水を加熱するための運転スイッチ、および浴槽89内に湯張りをするための操作スイッチなどが設けられている。風呂リモコン90cは、浴槽89内の浴水を追い焚きするための追い焚きスイッチ等を備える。
次に、以上の構成による貯湯式給湯装置の作動概要について説明する。まず、台所リモコン90bの運転スイッチがオンされると(例えば、深夜時間帯に達すると)、熱源制御部41によりヒートポンプ熱源機20内のヒートポンプサイクル部品と循環ポンプなどのアクチュエータ類を制御させて貯湯タンク10内の給湯用水を加熱して高温(例えば85℃)の給湯用水が貯えられる。
そして、貯湯タンク10内に貯えられた給湯用水が台所、洗面所、浴室などへ給湯の用途に供されるとともに、熱交換器30の一次側回路31に貯えられた高温の給湯用水を流通させて、追い焚き用熱交換部32を流通する浴水、および暖房用熱交換部33を流通するブラインを加熱させて追い焚き機能および暖房機能の用途に供するものである。
まず、浴水を追い焚きする作動について説明する。風呂リモコン90cの追い焚きスイッチを操作しておくと、所定時間毎に浴水温度を検出して、その浴水温度が追い焚き設定温度に未達であれば浴水を加熱するように作動する。つまり、給湯制御部42により、所定時間後に追い焚き三方弁88、開閉弁85、第2循環ポンプ86が作動して浴槽89内の浴水を往き管82、バイパス管83、戻り管81の順に循環させる。
このときに、浴水温度サーミスタ55により浴水温を検出する。検出された浴水温が追い焚き設定温度以下であると、追い焚き三方弁88の流れ方向を追い焚き用熱交換部32側に切り換えられて浴水を追い焚き用熱交換部32に流通させる。これにより、第1循環ポンプ18が運転され、給湯用水が一次側回路31に流通されて浴水が給湯用水熱エネルギを受けて加熱される。また、浴水と熱交換された給湯用水は貯湯タンク10内に戻される。
そして、浴水温が設定温度に達すると、追い焚き三方弁88の流れ方向がバイパス管83側に切り換えられるとともに、開閉弁85が閉弁、第2循環ポンプ86および第1ポンプ18が停止する。これにより、貯湯タンク10内の給湯用水を加熱元として浴水が追い焚き設定温度を維持するように保温されるものである。
次に、床暖房ユニット60A、60B、暖房ユニット70A、70Bを運転したときの暖房装置の作動について説明する。
まず、暖房リモコン90aにおいて床暖房ユニット60Aを運転するための運転スイッチを操作すると熱動弁62aが開弁され、第3循環ポンプ38が運転する。これにより、配管61aに加熱されたブラインが流通する。暖房リモコン90aにおいて床暖房ユニット60Bを運転するための運転スイッチを操作すると熱動弁62bが開弁され、配管61bに加熱されたブラインが流通する。
また、暖房リモコン90aにおいて暖房ユニット70Aを運転するための運転スイッチを操作すると、開閉弁73aが開弁され、放熱器71aに加熱されたブラインが流通され、その後に送風機72aが作動して放熱器71aで室内空気が加熱される。同様に、暖房リモコン90aにおいて暖房ユニット70Bを運転するための運転スイッチを操作すると、開閉弁73bが開弁され、放熱器71bに加熱されたブラインが流通され、その後に送風機72bが作動して放熱器71bで室内空気が加熱される。
そして、第3循環ポンプ38の運転により暖房用熱交換部33にブラインが流通する。一方、第1循環ポンプ18の運転によって貯湯タンク10内の高温の給湯用水が一次側回路31に流通されて、ブラインが給湯用水の熱エネルギを受けて加熱される。また、ブラインと熱交換された給湯用水は貯湯タンク10内に戻される。尚、ここでは、第1循環ポンプ18および第3循環ポンプ38は、供給温度サーミスタ53aによって検出されたブラインの湯温が所定温度となるように回転数を制御される。
これにより、一次側回路31に流通する流量が設定されるとともに、暖房用熱交換部33内を流通するブラインの流量が設定される。ちなみに、供給温度サーミスタ53aによって検出されたブラインの湯温の所定温度は、床暖房ユニット60A、60Bと暖房ユニット70A、70Bとでは異なるように設定され、例えば、床暖房ユニット60が運転しているときは、約60℃程度であり、暖房ユニット70のみが運転しているときは約80℃程度にしてある。これは、床暖房に最適となる温度帯の湯温を超えないようにしたものである。
そして、設定温度に達すると、熱動弁62a、62bもしくは開閉弁73a、73bが閉弁する。このときに、熱動弁62a、62b、開閉弁73a、73bの全てが閉弁のときは、ブラインがバイパス通路36aを流通するようにしている。これにより、貯湯タンク10内の給湯用水を加熱元として、暖房用熱交換部33を流通するブラインを加熱することで、床暖房ユニット60A、60Bや暖房ユニット70A、70Bを暖房の用途に供することができる。なお、以下、床暖房ユニット60A、60Bや暖房ユニット70A、70Bを総称して暖房ユニット60A、60B、70A、70Bという。
次に、本実施形態の作動を説明する。給湯制御部42は、暖房運転制御処理、リモコン表示処理、および優先機能設定処理をそれぞれ独立して実行する。以下、暖房運転制御処理、リモコン表示処理、および優先機能設定処理を別々に説明する。
(暖房運転制御処理)
図3は、本実施形態における給湯制御部42の暖房運転制御処理を示すフローチャートである。暖房運転制御処理は、暖房ユニット60A、60B、70A、70Bのうち1つの暖房ユニットの運転を開始させる操作が暖房リモコン90aに対し行われると、開始される。以下、暖房ユニット60A、60B、70A、70Bのうち、暖房リモコン90aに対して運転を開始させる操作が施された上記1つの暖房ユニットを、運転操作対象の暖房ユニットという。
まず、ステップ100において、給湯および暖房のうち給湯が優先されるように設定されているか否かを判定する。暖房よりも給湯が優先されるように設定されている場合には、ステップ100でNOと判定する。
次に、ステップ101において、複数の貯湯サーミスタ54の検出温度に基づいて、貯湯タンク10の残湯が所定量未満であるか否かを判定する。
具体的には、複数の貯湯サーミスタ54の検出温度に基づいて貯湯タンク10内のうち沸き上げられた高温の給湯用水の水位レベルを求め、この水位レベルから貯湯タンク10の残湯量を求めることになる。上記所定量は、暖房ユニット60A、60B、70A、70Bの使用限界量よりも多い残湯量である。貯湯タンク10の残湯が所定量未満であるときには、ステップ101でYESと判定する。これに伴い、運転操作対象の暖房ユニットを停止する(ステップ102)。
一方、ステップ101において、貯湯タンク10の残湯量が所定量以上であるときには、NOと判定する。この場合、運転操作対象の暖房ユニットの運転をさせる(ステップ103)。
また、ステップ100において、給湯よりも暖房が優先されるように設定されている場合には、YESと判定する。これに伴い、ステップ104において、複数の貯湯サーミスタ54の検出温度に基づいて、貯湯タンク10の残湯量が少ないか否かを判定する。
貯湯タンク10の残湯量が所定量未満であるときには、貯湯タンク10の残湯量が少ないとしてステップ104においてYESと判定する。これに伴い、運転操作対象の暖房ユニットの運転する(ステップ105)。これに伴い、浴槽89内に浴水を湯張りすることを禁止する(ステップ106)。つまり、湯張り用開閉弁58を開けることを禁止する。一方、ステップ104において、貯湯タンク10の残湯量が所定量以上であるときには、貯湯タンク10の残湯が多いとしてNOと判定する。この場合、運転操作対象の暖房ユニットの運転をさせる(ステップ103)。
以上により、暖房よりも給湯が優先されて、かつ暖房ユニット60A、60B、70A、70Bのうち、例えば床暖房ユニット60Aの運転を開始させる操作が暖房リモコン90aに対し行われた場合、床暖房ユニット60Aが停止される。
一方、給湯よりも暖房が優先されて、かつ暖房ユニット60A、60B、70A、70Bのうち、例えば床暖房ユニット60Aの運転を開始させる操作が暖房リモコン90aに対し行われた場合、床暖房ユニット60Aが運転される。
(リモコン表示処理)
図4は、本実施形態における給湯制御部42のリモコン表示処理を示すフローチャートである。
ステップ110において、複数の貯湯サーミスタ54の検出温度に基づいて、貯湯タンク10の残湯が所定量未満であるか否かを判定する。このとき、貯湯タンク10の残湯が所定量未満であるときには、ステップ110においてYESと判定したときに、ステップ111に進んで、暖房が給湯よりも優先されるように設定されているか否かを判定する。
ここで、暖房よりも給湯が優先されるように設定されている場合、ステップ111でNOと判定して、暖房よりも給湯が優先されるように設定されている旨を優先機能情報として暖房リモコン90aの表示パネル93に表示させる(ステップ112)。例えば、図2に示すように「給湯優先」を示す文字95aを表示パネル93に表示させる。
また、給湯よりも暖房が優先されるように設定されている場合、ステップ111でYESと判定して、給湯よりも暖房が優先されるように設定されている旨を優先機能情報として暖房リモコン90aの表示パネル93に表示させる(ステップ113)。例えば、図5に示すように「暖房優先」といった文字95bを表示パネル93に表示させる。
このように給湯および暖房のうちいずれが優先されるように設定されている旨が「給湯優先」或いは「暖房優先」といった文字で表示パネル93に表示される。
次に、ステップ114において、貯湯タンク10の残湯量を示す残湯量情報を暖房リモコン90aの表示パネル93に表示させる。例えば、図2および図5に示すように、貯湯タンク10の残湯量を示す図形97を表示パネル93に表示させる。図形97は、横に延びるバーの個数で残湯量を示すものである。図2および図5では、5個のバーを表示して、残湯量が最高レベルになっている旨を示している。
次に、ステップ115では、複数の貯湯サーミスタ54の検出温度に基づく残湯の温度、タイマー設定時間、現時刻等を文字97、98、99、100で表示パネル93に表示させる。
また、上記ステップ110において、複数の貯湯サーミスタ54の検出温度に基づいて、貯湯タンク10の残湯が所定量以上であるときには、NOと判定して、ステップ114に進む。
(優先機能設定処理)
図6は、本実施形態における給湯制御部42の優先機能設定処理を示すフローチャートである。優先設定処理は、暖房リモコン90aによって暖房および給湯のうちいずれか一方の運転を優先させることを設定するための処理である。
まず、ステップ120において、給湯を優先機能とすることを決定する操作が使用者によって施されたか否かを判定する。
例えば、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対して優先機能を選択させるための画面(図7参照)を表示させた状態で、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルKを「給湯優先」を示す文字94gに重ねて表示して、決定スイッチ92が操作されたとき、給湯を優先機能とすることを決定する操作が使用者によって施されたとして、ステップ120でYESと判定する。これに伴い、上記選択された給湯を優先機能とすることを設定する(ステップ122)。つまり、暖房よりも給湯を優先して運転させることを決定する。
一方、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対して優先機能を選択させるための画面(図7参照)を表示させた状態で、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルKを「暖房優先」を示す文字94hに重ねて表示して、決定スイッチ92が操作されたとき、給湯を暖房機能とすることを決定する操作が使用者によって施されたとして、ステップ120でNOと判定する。これに伴い、上記選択された暖房を優先機能とすることを設定する(ステップ121)。つまり、給湯よりも暖房を優先して運転させることを決定する。
以上説明した本実施形態によれば、貯湯式給湯装置1は、ヒートポンプ熱源機20によって加熱されたお湯を蓄える貯湯タンク10を備え、給湯制御部42が貯湯タンク10内の残湯量が所定量未満であると判定したとき、貯湯タンク10内の残湯を熱源とする給湯および暖房のうち1つの機能を優先して運転させることができる。したがって、貯湯式給湯装置1において、貯湯タンク10内の残湯が少なくなったとき、自動的に給湯および暖房のうち1つの機能を優先して運転させることができる。これにより、貯湯タンク10内の残湯を有効利用して給湯や暖房を実施することができる。
本実施形態では、給湯制御部42は、暖房リモコン90aの表示パネル93に貯湯タンク10内の残湯量情報や優先機能情報を表示させる。したがって、暖房運転を始める前に、暖房運転が可能な状態であるか否かを使用者に知らせることができる。これにより、貯湯式給湯装置1の利便性を向上させることができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、季節に関係なく、給湯および暖房のうち一方を他方よりも優先して運転する例について説明したが、これに代えて、冬季にのみ暖房を給湯に優先して運転する例について説明する。
本実施形態と上記第1実施形態とでは、暖房運転制御処理および優先機能設定処理が相違する。そこで、本実施形態の作動の説明として、本実施形態の暖房運転制御処理および優先機能設定処理について説明する。
(暖房運転制御処理)
図8は、本実施形態における給湯制御部42の暖房運転制御処理を示すフローチャートである。図8のフローチャートは、図3のフローチャートに代えて用いられる。図8において、図3と同一符号は同一ステップを示す。
まず、ステップ100において、給湯および暖房のうち給湯が優先されるように設定されているか否かを判定する。暖房よりも給湯が優先されるように設定されている場合には、ステップ100でNOと判定する。この場合、上記第1実施形態と同様に、ステップ101、102の処理、或いは、ステップ101、103の処理を実行する。これにより、貯湯タンク10の残湯が所定量未満であるときには、運転操作対象の暖房ユニットを停止する。一方、貯湯タンク10の残湯量が所定量以上であるときには、運転操作対象の暖房ユニットの運転をさせる。
また、上記ステップ100において、給湯よりも暖房が優先されるように設定されている場合には、YESと判定する。これに伴い、次のステップ104において、複数の貯湯サーミスタ54の検出温度に基づいて、貯湯タンク10の残湯が所定量未満であるか否かを判定する。
このとき、貯湯タンク10の残湯が所定量以上である場合には、ステップ104において、NOと判定する。これに伴い、次のステップ103において、運転操作対象の暖房ユニットを運転させる。
一方、上記ステップ104において、貯湯タンク10の残湯が所定量未満である場合には、YESと判定する。このとき、ステップ104aにおいて、現在の季節が夏季(6月、7月、8月)であるか否かを判定する。
このとき、現在の季節が夏季であるときには、ステップ104aにおいて、YESと判定する。これに伴い、次のステップ102aにおいて、運転操作対象の暖房ユニットの運転を停止させる。
一方、上記ステップ104aにおいて、現在の季節が夏季以外の季節であるときにはNOと判定する。これに伴い、ステップ104bにおいて、現在の季節が冬季(12月、1月、2月)であるか否かを判定する。このとき、現在の季節が冬季であるときには、ステップ104bでYESと判定する。これに伴い、次のステップ105aにおいて、運転操作対象の暖房ユニットを運転させる。これに加えて、次のステップ105bにおいて、浴槽89内に浴水を湯張りすることを禁止する。つまり、お湯張り用混合弁15aを開けることを禁止する。
また、上記ステップ104a、104bにおいて、現在の季節が夏季、冬季以外の他の季節(3月〜5月、9月〜11月)であるときにはNOと判定する。これに伴い、次のステップ102bにおいて、運転操作対象の暖房ユニットの運転を停止させる。
(優先機能設定処理)
図9は、本実施形態における給湯制御部42の優先機能設定処理を示すフローチャートである。
まず、ステップ123aにおいて、使用者に対して冬季に暖房運転を実施することを選択させる操作が施されたか否かを判定する。つまり、冬季に暖房を給湯よりも優先する操作が使用者によって施されたか否かを判定することになる。
例えば、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対して季節に応じて暖房を優先させるか否かを選択させるための画面(図10参照)を表示させた状態で、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルKを「冬季運転」を示す文字94jに重ねて表示して、決定スイッチ92が操作されたとき、冬季に暖房運転を実施することを選択する操作が使用者によって施されたとしてステップ123aにおいてYESと判定する。つまり、冬季に暖房を給湯よりも優先する操作が施されたと判定する。これに伴い、冬季に暖房運転を実施することを設定する(ステップ125a)。つまり、冬季に暖房を給湯よりも優先することを決定することになる。
上記ステップ123aにおいて、冬季に暖房運転を実施することを選択する操作が使用者によって施されなかった場合にはNOと判定する。これに伴い、ステップ123bにおいて、夏季に暖房を禁止することを選択する操作が使用者によって施されたか否かを判定する。つまり、夏季に暖房よりも給湯を優先する操作が使用者によって施されたか否かを判定することになる。
例えば、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対して季節に応じて暖房を優先させるか否かを選択させるための画面(図10参照)を表示させた状態で、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルKを「夏季禁止」を示す文字94mに重ねて表示して、決定スイッチ92が操作されたとき、夏季に暖房を禁止することを選択する操作が使用者によって施されたとしてステップ123bにおいてYESと判定する。つまり、夏季に給湯を暖房よりも優先する操作が施されたと判定する。
これに伴い、夏季に暖房を禁止することを設定する(ステップ125b)。つまり、夏季に給湯を暖房よりも優先することを決定することになる。
上記ステップ123bにおいて、夏季に暖房を禁止することを操作が使用者によって施されなかった場合にはNOと判定する。これに伴い、ステップ123cにおいて、その他の季節に暖房を禁止することを選択する操作が使用者によって施されたか否かを判定する。つまり、その他の季節に暖房よりも給湯を優先する操作が施されたか否かを判定することになる。
例えば、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対して季節に応じて暖房を優先させるか否かを選択させるための画面(図10参照)を表示させた状態で、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルKを「他の季節禁止」を示す文字94kに重ねて表示して、決定スイッチ92が操作されたとき、その他の季節に暖房を禁止することを選択する操作が使用者によって施されたとしてステップ123cにおいてYESと判定する。つまり、その他の季節に給湯を暖房よりも優先する操作が施されたと判定する。
これに伴い、その他の季節に暖房を禁止することを設定する(ステップ125c)。つまり、その他の季節に給湯を暖房よりも優先することを決定することになる。
以上説明した本実施形態によれば、冬季には、暖房を給湯よりも優先して運転し、夏季には、暖房よりも給湯を優先して運転することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、上記第1実施形態において、4つの部屋のうち他の部屋よりも優先して暖房する部屋を設定する例について説明する。
本実施形態では、貯湯式給湯装置1は、リビングルーム、ダイニングルーム、寝室1、寝室2といった4つの部屋を床暖房ユニット60A、60Bや暖房ユニット70A、70Bによって独立して暖房する。そして、リビングルーム、ダイニングルーム、寝室1、寝室2のうち他の3つの部屋よりも優先して暖房する部屋を予め設定する。つまり、暖房ユニット60A、60B、70A、70Bのうち他の3つの暖房ユニットよりも優先して運転させる1つの暖房ユニットを設定する。
本実施形態と上記第1実施形態とでは、暖房運転制御処理および優先機能設定処理が相違する。そこで、本実施形態の作動の説明として、本実施形態の暖房運転制御処理および優先機能設定処理について説明する。
(暖房運転制御処理)
図11は、本実施形態における給湯制御部42の暖房運転制御処理を示すフローチャートである。図11のフローチャートは、図3のフローチャートに代えて用いられる。図11において、図3と同一符号は同一ステップを示す。暖房運転制御処理は、暖房ユニット60A、60B、70A、70Bを全て開始させる操作が暖房リモコン90aに対し行われると、開始される。
まず、ステップ104において、複数の貯湯サーミスタ54の検出温度に基づいて、貯湯タンク10の残湯が所定量未満であるか否かを判定する。このとき、貯湯タンク10の残湯が所定量未満である場合には、YESと判定する。
次に、ステップ100aにおいて、4つの部屋のうちリビングルームが他の3つの部屋よりも優先順位が高く設定されているか否かを判定する。このとき、4つの部屋のうちリビングルームが他の3つの部屋よりも優先順位が高く設定されている場合には、ステップ100aにおいてYESと判定する。これに伴い、ステップ103aにおいて、床暖房ユニット60Aを運転して暖房ユニット60B、70A、70Bを停止する。これにより、リビングルームを暖房し、かつダイニングルーム、および寝室1、寝室2のそれぞれの暖房を停止する。
上記ステップ100aにおいて、4つの部屋のうちリビングルームが他の3つの部屋よりも優先順位が高く設定されていない場合には、NOと判定する。これに伴い、ステップ100bにおいて、4つの部屋のうちダイニングルームが他の3つの部屋よりも優先順位が高く設定されているか否かを判定する。このとき、4つの部屋のうちダイニングルームが他の3つの部屋よりも優先順位が高く設定されている場合には、ステップ100bにおいてYESと判定する。これに伴い、ステップ103bにおいて、床暖房ユニット60Bを運転して暖房ユニット60A、70A、70Bを停止する。これにより、ダイニングルームを暖房し、かつリビングルーム、および寝室1、寝室2のそれぞれの暖房を停止する。
上記ステップ100bにおいて、4つの部屋のうちダイニングルームが他の3つの部屋よりも優先順位が高く設定されていない場合には、NOと判定する。これに伴い、ステップ100cにおいて、4つの部屋のうち寝室1が他の3つの部屋よりも優先順位が高く設定されているか否かを判定する。このとき、4つの部屋のうち寝室1が他の3つの部屋よりも優先順位が高く設定されている場合には、ステップ100cにおいてYESと判定する。これに伴い、ステップ103cにおいて、暖房ユニット70Aを運転して暖房ユニット60A、60B、70Bを停止する。これにより、寝室1を暖房し、かつリビングルーム、およびリビングルーム、寝室2のそれぞれの暖房を停止する。
上記ステップ100cにおいて、4つの部屋のうち寝室1が他の3つの部屋よりも優先順位が高く設定されていない場合には、NOと判定する。これに伴い、ステップ100dにおいて、4つの部屋のうち寝室2が他の3つの部屋よりも優先順位が高く設定されているか否かを判定する。このとき、4つの部屋のうち寝室2が他の3つの部屋よりも優先順位が高く設定されている場合には、ステップ100dにおいてYESと判定する。これに伴い、ステップ103dにおいて、暖房ユニット70Bを運転して暖房ユニット60A、60B、70Aを停止する。これにより、寝室2を暖房し、かつリビングルーム、およびリビングルーム、寝室1のそれぞれの暖房を停止する。
上記ステップ100dにおいて、4つの部屋のうち寝室2が他の3つの部屋よりも優先順位が高く設定されていない場合には、NOと判定する。つまり、暖房よりも給湯を優先していることになる。これに伴い、ステップ108において、暖房ユニット60A、60B、70A、70Bをそれぞれ停止させてリビングルーム、ダイニングルーム、寝室1、寝室2のそれぞれの暖房を停止させる。
なお、上記ステップ104において、貯湯タンク10の残湯が所定量以上である場合には、NOと判定する。これに伴い、次のステップ103eにおいて、暖房ユニット60A、60B、70A、70Bをそれぞれ運転させてリビングルーム、ダイニングルーム、寝室1、寝室2を全て暖房させる。
(優先機能設定処理)
図12は、本実施形態における給湯制御部42の優先機能設定処理を示すフローチャートである。
まず、ステップ130において、4つの部屋のうちリビングルームを他の3つの部屋よりも優先して運転させる操作が使用者によって施されたか否かを判定する。
例えば、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対して4つの部屋のうち優先して暖房する部屋を選択させるための画面(図13参照)を表示させた状態で、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルKを「リビング優先」を示す文字95bに重ねて表示して、決定スイッチ92が操作されたとき、4つの部屋のうちリビングルームを他の3つの部屋よりも優先して運転させる操作が施されたとしてステップ130でYESと判定する。これに伴い、4つの部屋のうちリビングルームを他の3つの部屋よりも優先して運転させることを設定する(ステップ131)。これに伴い、ステップ132において、4つの部屋のうちリビングルームを他の3つの部屋よりも優先して暖房させる旨を示す文字94a(図14参照)を優先機能情報として暖房リモコン90aの表示パネル93に表示させる。
まず、ステップ130において、4つの部屋のうちリビングルームを他の3つの部屋よりも優先して運転させる操作が使用者によって施されていない場合には、NOと判定する。これに伴い、ステップ133において、4つの部屋のうちダイニングルームを他の3つの部屋よりも優先して運転させる操作が使用者によって施されたか否かを判定する。
例えば、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対して4つの部屋のうち優先して暖房する部屋を選択させるための画面(図13参照)を表示させた状態で、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルKを「ダイニング優先」を示す文字95aに重ねて表示して、決定スイッチ92が操作されたとき、4つの部屋のうちダイニングルームを他の3つの部屋よりも優先して運転させる操作が施されたとしてステップ130でYESと判定する。これに伴い、ステップ135において、4つの部屋のうちダイニングルームを他の3つの部屋よりも優先して暖房させる旨を示す文字を優先機能情報として暖房リモコン90aの表示パネル93に表示させる。
次に、ステップ133において、4つの部屋のうちダイニングルームを他の3つの部屋よりも優先して運転させる操作が施されていない場合には、NOと判定する。これに伴い、ステップ136において、4つの部屋のうち寝室1を他の3つの部屋よりも優先して運転させる操作が使用者によって施されたか否かを判定する。
例えば、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対して4つの部屋のうち優先して暖房する部屋を選択させるための画面(図13参照)を表示させた状態で、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルKを「寝室1優先」を示す文字95cに重ねて表示して、決定スイッチ92が操作されたとき、4つの部屋のうち寝室1を他の3つの部屋よりも優先して運転させる操作が施されたとしてステップ136でYESと判定する。これに伴い、ステップ138において、4つの部屋のうち寝室1を他の3つの部屋よりも優先して暖房させる旨を示す文字を優先機能情報として暖房リモコン90aの表示パネル93に表示させる。
次に、ステップ136において、4つの部屋のうち寝室1を他の3つの部屋よりも優先して運転させる操作が使用者によって施されていない場合には、NOと判定する。これに伴い、ステップ139において、4つの部屋のうち寝室2を他の3つの部屋よりも優先して運転させる操作が使用者によって施されたか否かを判定する。
例えば、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対して4つの部屋のうち優先して暖房する部屋を選択させるための画面(図13参照)を表示させた状態で、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルKを「寝室2優先」を示す文字95dに重ねて表示して、決定スイッチ92が操作されたとき、4つの部屋のうち寝室2を他の3つの部屋よりも優先して運転させる操作が施されたとしてステップ139でYESと判定する。これに伴い、ステップ141において、4つの部屋のうち寝室2を他の3つの部屋よりも優先して暖房させる旨を示す文字を優先機能情報として暖房リモコン90aの表示パネル93に表示させる。
以上説明した本実施形態によれば、リビングルーム、ダイニングルーム、寝室1、寝室2のうち他の3つの部屋よりも優先して暖房する優先部屋を予め設定する。これにより、4つの部屋のうち1つの優先部屋だけを暖房して、他の3つの部屋の暖房を停止することになる。つまり、部屋毎に独立して暖房する暖房ユニット60A、60B、70A、70Bのうち3つの暖房ユニットよりも優先して運転させる暖房ユニット(以下、優先運転暖房ユニットという)を決めておき、暖房ユニット60A、60B、70A、70Bのうち優先運転暖房ユニットだけを運転し、かつ他の3つの暖房ユニットの暖房を停止させることができる。
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、4つの部屋のうち3つの部屋よりも優先して運転させる1つの部屋だけを運転させる例について説明したが、本第4実施形態では、4つの部屋に対して暖房運転させる優先順位を設定して、この優先順位に応じて4つの部屋のうち運転させる1つの部屋を決める例について説明する。
以下、本実施形態では、暖房運転制御処理および優先機能設定処理について説明する。説明の便宜上、ダイニングルームの優先順位を1とし、寝室1の優先順位を2とし、リビングルームの優先順位を3とし、寝室2の優先順位を4とする。
(暖房運転制御処理)
図15は、本実施形態における給湯制御部42の暖房運転制御処理を示すフローチャートである。図15のフローチャートは、図11のフローチャートに代えて用いられる。図15において、図11と同一符号は同一ステップを示す。暖房運転制御処理は、暖房ユニット60Bによってリビングルームの暖房を開始させる操作が暖房リモコン90aに対して行われると、開始される。
まず、ステップ104において、複数の貯湯サーミスタ54の検出温度に基づいて、貯湯タンク10の残湯が所定量未満であるか否かを判定する。このとき、貯湯タンク10の残湯が所定量未満である場合には、YESと判定する。
次に、ステップ150において、優先順位が1であるダイニングルームを暖房中であるか否かを判定する。つまり、床暖房ユニット60Aが運転中であるか否かを判定する。
ここで、床暖房ユニット60Aが運転中であるときには、優先順位が1であるダイニングルームを暖房中であるとして、ステップ150でYESと判定する。この場合、暖房ユニット60Bによるリビングルームの暖房を停止する(ステップ153)。
上記ステップ150において、優先順位が1であるダイニングルームを暖房していない場合には、NOと判定して、次のステップ151において、優先順位が2である寝室1を暖房中であるか否かを判定する。つまり、暖房ユニット70Aが運転中であるか否かを判定する。
ここで、暖房ユニット70Aが運転中であるときには、優先順位が2である寝室2を暖房中であるとして、ステップ151でYESと判定する。この場合、暖房ユニット60Bによるリビングルームの暖房を停止する(ステップ154)。
上記ステップ151において、優先順位が2である寝室1を暖房していない場合には、NOと判定する。つまり、リビングルームよりも優先順位が高いダイニングルームおよび寝室1の暖房が行われていないと判定することになる。この場合、暖房ユニット60Bによるリビングルームの暖房の運転を開始する(ステップ152)。
なお、上記ステップ104において、複数の貯湯サーミスタ54の検出温度に基づいて、貯湯タンク10の残湯が所定量以上であるときには、YESと判定して、暖房ユニット60Bによるリビングルームの暖房の運転を開始する(ステップ155)。
(優先機能設定処理)
図16は、本実施形態における給湯制御部42の優先機能設定処理を示すフローチャートである。
まず、ステップ160において、使用者によってリビングルームの優先順位を選択させる操作が施されたか否かを判定する。
例えば、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対してリビングルームの優先順位を選択させるための画面(図17参照)を表示させ、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルK1を「リビング」を示す文字200に重ねて、かつ画面内の「優先4」、「優先3」、「優先2」、「優先1」を示す文字204〜207のうち1つの文字にカーソルK2を重ねた状態で、決定スイッチ92が操作されたとき、リビングルームの優先順位を選択させる操作が施されたとしてYESと判定する。
例えば、画面内のカーソルK1を「リビング」を示す文字200に重ねて、かつ「優先3」を示す文字204にカーソルK2を重ねた状態で、決定スイッチ92が操作されたとき、リビングルームの優先順位を3と設定する(ステップ161)。
上記ステップ160において、使用者によってリビングルームの優先順位を選択する操作が使用者によって施されなかったときには、NOと判定する。次に、ステップ162において、使用者によってダイニングルームの優先順位を選択させる操作が施されたか否かを判定する。
例えば、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対してダイニングルームの優先順位を選択させるための画面(図17参照)を表示させ、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルK1を「ダイニング」を示す文字201に重ねて、かつ画面内の「優先4」、「優先3」、「優先2」、「優先1」を示す文字204〜207のうち1つの文字にカーソルK2を重ねた状態で、決定スイッチ92が操作されたとき、ダイニングルームの優先順位を選択させる操作が使用者によって施されたとしてYESと判定する。
例えば、画面内のカーソルK1を「ダイニング」を示す文字201に重ねて、かつ「優先1」を示す文字206にカーソルK2を重ねた状態で、決定スイッチ92が使用者によって操作されたとき、リビングルームの優先順位を1と設定する(ステップ163)。
上記ステップ162において、使用者によってダイニングルームの優先順位を選択させる操作が使用者によって施されなかったときには、NOと判定する。次に、ステップ164において、使用者によって寝室1の優先順位を選択させる操作が施されたか否かを判定する。
例えば、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対してダイニングルームの優先順位を選択させるための画面(図17参照)を表示させ、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルK1を「寝室1」を示す文字202に重ねて、かつ画面内の「優先4」、「優先3」、「優先2」、「優先1」を示す文字204〜207のうち1つの文字にカーソルK2を重ねた状態で、決定スイッチ92が操作されたとき、寝室1の優先順位を選択させる操作が使用者によって施されたとしてYESと判定する。
例えば、画面内のカーソルK1を「寝室1」を示す文字202に重ねて、かつ「優先2」を示す文字207にカーソルK2を重ねた状態で、決定スイッチ92が操作されたとき、リビングルームの優先順位を2と設定する(ステップ165)。
例えば、暖房リモコン90aの表示パネル93において、使用者に対して寝室2の優先順位を選択させるための画面(図17参照)を表示させ、選択スイッチ91b、91dへの操作によって、画面内のカーソルK1を「寝室2」を示す文字205に重ねて、かつ画面内の「優先4」、「優先3」、「優先2」、「優先1」を示す文字204〜207のうち1つの文字にカーソルK2を重ねた状態で、決定スイッチ92が操作されたとき、寝室2の優先順位を選択させる操作が使用者によって施されたとしてYESと判定する。
例えば、画面内のカーソルK1を「寝室2」を示す文字203に重ねて、かつ「優先4」を示す文字207にカーソルK2を重ねた状態で、決定スイッチ92が操作されたとき、リビングルームの優先順位を4と設定する(ステップ167)。
このように選択スイッチ91b、91dへの操作によるカーソルK1、K2による選択によってリビングルーム、ダイニングルーム、寝室1、寝室2の優先順位を設定することができる。
以上説明した本実施形態によれば、4つの部屋をそれぞれ独立して暖房する暖房ユニット60A、60B、70A、70Bに優先順位を設定する。使用者が暖房リモコン90aに対してリビングルームを暖房させるように操作したときに、リビングルームよりも優先順位が高いダイニングルームおよび寝室1が運転していないときに、リビングルームの暖房を開始させる。一方、暖房リモコン90aによりリビングルームを暖房させるように操作したときに、リビングルームよりも優先順位が高いダイニングルームおよび寝室1が運転しているときに、リビングルームの暖房を停止させることができる。
(第5実施形態)
本第5実施形態では、上記第1実施形態において、貯湯タンク10内の残湯が所定量未満になると、料金設定の最も安い深夜時間帯でなくても、貯湯タンク10内の残湯を増加させる制御、いわゆる“タンク増し”を開始させることを可能にする例について説明する。
以下、本実施形態において、給湯制御部42のタンク増し制御処理について図18、図19を参照して説明する。タンク増し制御処理は、貯湯タンク10内の残湯を増加させるための制御処理である。
まず、ステップ170において、複数の貯湯サーミスタ54の検出温度に基づいて、貯湯タンク10の残湯が所定量未満であるか否かを判定する。
このとき、貯湯タンク10の残湯が所定量未満であるときにはステップ170においてYESと判定する。これに伴い、次のステップ171において、暖房リモコン90aの表示パネル93において、タンク増し制御処理の開始を使用者に対して促すための画面(図19参照)を表示させる。つまり、暖房リモコン90aにおいて貯湯タンク10内の残湯量を増加させるための操作を使用者に対して促進させるための情報を表示パネル93に表示させる。
次に、ステップ172において、暖房リモコン90aにおいて、タンク増し制御処理を開始させる操作が施されたか否かを判定する。
例えば、タンク増し制御処理の開始を使用者に対して促すための画面上において、選択スイッチ91b、91dへの操作によって「タンク増しをする」を意味する文字210にカーソルKを重ねて、決定スイッチ92が操作されたとき、タンク増し制御処理を開始させる操作が施されたとしてYESと判定する。
これに伴い、ステップ173において、タンク増し制御処理を開始させる。具体的には、開閉弁51aを開弁して給水用配管12から給水口10aを通して貯湯タンク10内に給水を流入させる。この後、貯湯タンク10内の貯水量が最高レベルになるまで貯湯タンク10内への給水の流入を継続する。
この場合、給水用配管12を流れる給水量を計測する流量カウンタ51bを用いて貯湯タンク10内に流入する給水量を計測して貯湯タンク10内に流入させる給水量を制御する。このように貯湯タンク10内に給水を流入した後、開閉弁51aを閉弁する。そして、熱源制御部41を通してヒートポンプ熱源機20の沸き上げ運転を開始させる。これに伴い、ヒートポンプ熱源機20が貯湯タンク10内の給湯用水を加熱する。その後、貯湯サーミスタ54の検出温度に応じて貯湯タンク10内の残湯の温度が所定温度以上になると判定されると、ヒートポンプ熱源機20の沸き上げ運転を停止する。これにより、貯湯タンク10内の残湯が増加させることになる。
なお、上記ステップ172において、暖房リモコン90aにおいて、タンク増し制御処理を開始させる操作が施されなかったときにはNOと判定する。これに伴い、タンク増し制御処理を開始しない。
例えば、表示パネル93における使用者に対してタンク増し制御処理の開始を促すための画面上において、選択スイッチ91b、91dへの操作によって「タンク増しをしない」を意味する文字211にカーソルKを重ねて、決定スイッチ92が操作されたとき、タンク増し制御処理を開始させる操作が施されていないとしてNOと判定する。
以上説明した本実施形態によれば、貯湯タンク10内の残湯が所定量未満になると、使用者による暖房リモコン90aへの操作に応じて貯湯タンク10内の残湯を増加させることができる。これにより、上記第1〜第4実施形態で説明した暖房運転制御処理が実行されなくなるので、給湯や暖房を自由に実施することができる。
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、貯湯タンク10内の残湯が所定量未満になると、暖房リモコン90aの表示パネル93に優先機能情報を表示させる例について説明したが、これに代えて、貯湯タンク10内の残湯量に関係なく、暖房リモコン90aの表示パネル93に優先機能情報を表示させてもよい。
上記第1実施形態では、貯湯タンク10の残湯が所定量未満であるときに、貯湯タンク10の残湯量情報を暖房リモコン90aの表示パネル93に表示させる例について説明したが、これに代えて、貯湯タンク10の残湯量に関係なく、貯湯タンク10の残湯量情報を暖房リモコン90aの表示パネル93に表示させてもよい。
上記第2実施形態では、夏季、冬季以外のその他の季節において、給湯を暖房よりも優先して運転する例に説明したが、これに代えて、他の季節には、給湯よりも暖房を優先して運転してもよい。なお、季節も使用者が任意に設定することができてもよい。つまり、上記第1実施形態では、夏季が6月〜8月に該当し、かつ冬季が12月〜2月に該当する例について説明したが、これに代えて、夏季に該当する月を使用者が任意に設定できるようにしてもよく、冬季に該当する月を使用者が任意に設定できるようにしてもよい。また、その他の季節に該当する月を使用者が任意に設定できるようにしてもよい。
上記第4実施形態では、暖房リモコン90aによりリビングルームを暖房させるように操作したときに、リビングルームよりも優先順位が高い部屋を暖房する床暖房ユニット60A、暖房ユニット70Aの運転状況に応じてリビングルームを暖房させるか否かを決めた例について説明したが、これに代えて、次の(1)、(2)、(3)ようにしてもよい。
(1)暖房リモコン90aによりダイニングルームを暖房させるように操作したときに、ダイニングルームよりも優先順位が高い部屋を暖房する床暖房ユニットの運転状況に応じてリビングルームを暖房させるか否かを決める。
ダイニングルームは優先順位が1であるため、ダイニングルーム以外の他の部屋の運転状況に関係なく、床暖房ユニット60Aによりダイニングルームを暖房することになる。
(2)暖房リモコン90aにより寝室1を暖房させるように操作したときに、寝室1よりも優先順位が高いダイニングルームを暖房する床暖房ユニット60Aの運転状況に応じて寝室1を暖房させるか否かを決める。
例えば、ダイニングルームが床暖房ユニット60Aによって暖房されているときには、暖房ユニット70Aによる寝室1の暖房を停止する。ダイニングルームが床暖房ユニット60Aによって暖房していないときには、暖房ユニット70Aによる寝室1の暖房を開始する。
(3)暖房リモコン90aにより寝室2を暖房させるように操作したときに、寝室2よりも優先順位が高いダイニングルーム、リビングルーム、寝室1を暖房する床暖房ユニット60A、60B、および暖房ユニット70Aの運転状況に応じて寝室2を暖房させるか否かを決める。
例えば、ダイニングルーム、リビングルーム、寝室1が床暖房ユニット60A、60B、および暖房ユニット70Aによって暖房されているときには、暖房ユニット70Bによる寝室1の暖房を停止する。ダイニングルーム、リビングルーム、寝室2が床暖房ユニット60A、60B、および暖房ユニット70Aによって暖房していないときには、暖房ユニット70Bによる寝室2の暖房を開始する。
上記第4実施形態において、暖房リモコン90aの表示パネル93に部屋毎の優先順位を表示させるようにしてもよい。
上記第1〜5の実施形態では、暖房運転制御処理、リモコン表示処理、優先機能設定処理を給湯制御部42によって実行させる例について説明したが、これに代えて、暖房運転制御処理、リモコン表示処理、優先機能設定処理を暖房リモコン90a内の制御部によって実行してもよい。
なお、本発明を実施するにあたり、HEMS(Home Energy Management System)に適用されるモニタ端末を本発明の暖房リモコン90aとしてもよい。当該モニタ端末は、家庭内の給湯器等を含む各機器をつないで操作パネルを一元化し、エネルギの使用量を表示器で可視化するようにしたものである。つまり、本発明を実施するにあたり、給湯器を操作できるものであるならば、給湯器以外の機器を操作できるリモートコントローラも本発明の給湯リモコンとしてもよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
以下、特許請求の範囲と上記各実施形態との間の対応関係について説明する。
残湯判定手段がステップ101、110に対応し、優先運転手段がステップ102、105に対応し、暖房機器が床暖房ユニット60A、60B、暖房ユニット70A、70Bに対応し、表示器が表示パネル93に対応し、優先表示制御手段がステップ112、113に対応する。残湯量表示制御手段がステップ114に対応し、判定手段がステップ150、151に対応する。残湯増加制御手段がステップ173に対応し、操作判定手段がステップ172に対応し、情報表示制御手段がステップ171に対応する。