JP2015081584A - 圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】混合気温度が適正化され、筒内圧力に基づいて推定される燃焼時期を現在の運転条件における所望の燃焼時期に精度良く制御することのできる圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置を得る。【解決手段】逆流させる内部EGRガス量と、吸気管壁および内部EGRガスの間の熱移動特性とを考慮した上で、吸気開弁時期を補正制御する構成を備え、不活性ガス量の変化に伴う燃焼速度の変化を招くことなく混合気から過剰な熱量を取り去るように吸気開弁時期を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも一部の運転条件において、燃焼室内に形成された空気と燃料との混合気を、ピストンの圧縮作用によって自己着火させる圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置に関するものである。
圧縮自己着火内燃機関では、空気と燃料とが混ざり合って燃焼室内に形成される混合気が、ピストンで圧縮されることで自己着火温度に達し、燃焼室内空間の複数の箇所で同時多発的に燃焼が開始される。すなわち、従来のガソリン燃焼の内燃機関において、点火に用いられる火花放電は、圧縮自己着火内燃機関では不要である。
ここで、ピストンの圧縮による混合気温度の上昇は、断熱圧縮作用によるものである。そこで、より強い断熱圧縮作用を得て混合気温度を自己着火温度に到達させるために、圧縮自己着火内燃機関では、一般的に、従来の火花点火の内燃機関よりも、圧縮比が高く設定されている。しかしながら、常温の空気を多く含む混合気を、断熱圧縮作用だけで自己着火温度まで上昇させることは困難である。そこで、排気閉弁時期を進角側に調整することにより高温の排気ガスの一部(以下、内部EGRガスと称す)を残留させる等の手段を用いて、混合気の温度を従来の火花点火によるガソリン燃焼の内燃機関の場合よりも高くする工夫がなされている。
また、混合気温度を高温にすること自体は、上記のようにして比較的容易に実現される。しかしながら、混合気温度が必要以上に高温になると、燃焼速度が上昇して、ノッキングに類似した振動を伴う燃焼が発生し、混合気温度が必要以下の低温になると、着火が不安定になって失火が発生する。このため、混合気温度を常に適正な温度に制御する必要がある。
そして、混合気温度を制御する第1の従来技術として、計測した筒内圧力から推定した燃焼時期と、あらかじめ求めた現在の運転条件(運転状態)で適正な燃焼時期(目標の燃焼時期)との偏差に応じて、排気閉弁時期および吸気開弁時期を変更制御することで、内部EGRガス量を調整し、その後に燃焼室内に供給される新気(空気)と燃料とを、内部EGRガスと混合することで混合気温度を調整するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、具体的には、筒内圧力から推定した燃焼時期が現在の運転条件で適正な燃焼時期よりも進角している場合には、混合気温度を下げるために、排気閉弁時期を遅角側に、または吸気開弁時期を進角側に変更制御することで、内部EGRガスを減量する。一方、筒内圧力から推定した燃焼時期が現在の運転条件で適正な燃焼時期よりも遅角している場合には、混合気温度を上げるために、排気閉弁時期を進角側に、または吸気開弁時期を遅角側に変更制御することで、内部EGRガスを増量する。
また、混合気温度を制御する第2の従来技術として、内部EGRガス量には変化を与えずに混合気温度を変化させるために、内部EGRガスの一部を比較的低温である吸気管に逆流させることで冷却するものがある(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2では、具体的には、吸気管に逆流した内部EGRガスが新気によって冷却された後に、再び燃焼室内に戻ることで、混合気温度の上昇を抑制する。ここで、新気以外への熱の移動が無ければ、吸気管に逆流した内部EGRガスによって過熱された新気も同時に燃焼室に供給される。したがって、燃焼室内の熱量には何ら変わり無く、混合気温度にも変化が生じない。しかしながら、実際上、新気以外への熱の移動として、吸気管に逆流した内部EGRガスから吸気管壁への熱の移動、すなわち燃焼室の壁面よりも温度が低い吸気管壁による内部EGRガスの冷却が生じる。冷却された内部EGRガスは、吸気行程において新気とともに再び燃焼室に戻るので、内部EGRガス量が当初と変わらずに混合気温度だけが下がる。
特開2005−139985号公報 特開2009−197740号公報
しかしながら、従来技術には以下のような課題がある。
特許文献1に記載の従来技術では、筒内圧力から推定した燃焼時期が現在の運転条件で適正な燃焼時期に対して進角している場合には内部EGRガス量を低減させ、遅角している場合には内部EGRガス量を増大させる制御を行うとともに、筒内圧力から推定した燃焼時期と現在の運転条件で適正な燃焼時期との偏差に応じて、制御量を補正することが開示されている。しかしながら、この制御量を具体的に決定する方法までは開示されていない。
さらに、内部EGRガス量を低減させることで燃焼時期が遅角化するが、混合気温度が下がったことによる燃焼速度低下と、不活性ガスである内部EGRガス量が低減したことによる燃焼速度向上が同時に作用する。したがって、実際上、燃焼時期が目標の燃焼時期になるように制御することが困難であるという問題がある。
また、特許文献2に記載の従来技術では、内燃機関の運転条件が高回転数および高負荷である場合において、その回転数あるいは負荷に応じて、吸気開弁時期を設定することが開示されている。しかしながら、この吸気開弁時期を具体的に設定する方法までは開示されていない。
さらに、吸気開弁時期の設定には内燃機関の回転数あるいは負荷が考慮されるにとどまっており、吸気管での冷却が必要な熱量に応じた制御と、吸気管あるいは吸気管内の内部EGRガスの状態によって変化する熱移動に応じた制御とがなされていない。したがって、吸気管での内部EGRガスの冷却が過剰になったり、不足したりして、混合気温度を適正に制御することが困難であり、結果として、過早燃焼または失火が発生する可能性があるという問題がある。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、混合気温度が適正化され、燃焼時期を所望の燃焼時期に精度良く制御することのできる圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置を得ることを目的とする。
本発明における圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置は、燃焼室内に形成された混合気を、ピストンの圧縮作用によって自己着火させることが可能であり、クランク角度を検出するクランク角度検出部と、気筒内の圧力である筒内圧力を検出する筒内圧力検出部と、吸気管内の壁面温度を検出する吸気管内壁面温度検出部と、燃焼室内に残留した内部EGRガスの温度を検出する内部EGRガス温度検出部と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数算出部と、エンジン負荷を算出するエンジン負荷算出部と、を有する圧縮自己着火内燃機関に対して、燃焼制御を実行するための燃焼制御装置であって、吸気弁および排気弁のそれぞれの開弁時期および閉弁時期を可変調整する可変バルブタイミング制御部とクランク角度検出部が検出したクランク角度と、筒内圧力検出部が検出した筒内圧力とに基づいて、燃焼時期を検出する燃焼時期検出部と、エンジン回転数およびエンジン負荷と、目標燃焼時期とが関連付けられた第1のデータマップから、エンジン回転数算出部が算出したエンジン回転数およびエンジン負荷算出部が算出したエンジン負荷に対応する目標燃焼時期を抽出する目標燃焼時期抽出部と、燃焼時期検出部が検出した燃焼時期と、目標燃焼時期抽出部が抽出した目標燃焼時期との偏差である燃焼時期偏差を算出する燃焼時期偏差算出部と、燃焼時期偏差算出部が算出した燃焼時期偏差がゼロとなるように、内部EGRガスから取り去るべき熱量を推定する熱量推定部と、内部EGRガス温度検出部が検出した内部EGRガスの温度と、吸気管内壁面温度検出部が検出した壁面温度との温度差である吸気管内壁面温度差を算出する吸気管内壁面温度差算出部と、吸気管内壁面温度差算出部が算出した吸気管内壁面温度差と、熱量推定部が推定した熱量とに基づいて、吸気管へ逆流させる内部EGRガス量として、逆流内部EGRガス量を推定する逆流内部EGRガス量推定部と、逆流内部EGRガス量と、吸気開弁時期補正量とが関連付けられた第2のデータマップから、逆流内部EGRガス量推定部が推定した逆流内部EGRガス量に対応する吸気開弁時期補正量を抽出する吸気開弁時期補正量抽出部と、を備え、可変バルブタイミング制御部は、燃焼時期偏差算出部が算出した燃焼時期偏差の絶対値があらかじめ設定した定数よりも大きい場合に、吸気開弁時期補正量抽出部が抽出した吸気開弁時期補正量に基づいて、吸気弁の開弁時期を変更するものである。
本発明によれば、熱移動特性を考慮した上で、吸気開弁時期を補正制御する構成を備え、不活性ガス量の変化に伴う燃焼速度の変化を招くことなく混合気から過剰な熱量を取り去るように吸気開弁時期を制御することで、混合気温度が適正化され、燃焼時期を所望の燃焼時期に精度良く制御することのできる圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1における圧縮自己着火内燃機関の概略を示す構成図である。 本発明の実施の形態1において、クランク角度に対する熱発生率の変化を示す説明図である。 本発明の実施の形態1において、クランク角度に対する燃焼室内の混合気の温度変化を示す説明図である。 本発明の実施の形態1において、推定した吸気管に逆流させる内部EGRガス量に対する吸気開弁時期補正量を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における圧縮自己着火内燃機関の一連の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、圧力差に対する熱伝達率補正量を示す説明図である。
以下、本発明による圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、この内燃機関は、点火プラグを備え、一部の運転条件において、燃焼室内に形成された空気と燃料との混合気を、ピストンの圧縮作用によって自己着火させるものであってもよい。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における圧縮自己着火内燃機関の概略を示す構成図である。なお、車両等の駆動に用いられる内燃機関は、一般的に複数個の燃焼室を有しているが、ここでは、動作の説明を簡素化するために、複数個のうちの1つの燃焼室のみの構成を示している。
図1に示した本実施の形態1における圧縮自己着火内燃機関は、クランク軸1、コネクティングロッド2、ピストン3、シリンダ4、燃焼室5、吸気弁6、吸気管7、排気弁8、動弁機構9(リフト可変機構10および位相可変機構11)、エンジン制御部(ECU)12、動弁機構制御部13、燃料噴射弁14、燃料供給管15、燃料噴射制御部16、排気管17、クランク角度センサ(クランク角度検出部)18、筒内圧力センサ(筒内圧力検出部)19、排気温度センサ20(内部EGRガス温度検出部)、吸気管内壁面温度センサ(吸気管内壁面温度検出部)21、吸気圧力センサ22(吸気圧力検出部)を備える。
エンジン制御部12は、圧縮自己着火内燃機関全体を統括制御するとともに、エンジン回転数算出部101、エンジン負荷算出部102、可変バルブタイミング制御部103、燃焼時期検出部104、目標燃焼時期抽出部105、燃焼時期偏差算出部106、熱量推定部107、吸気管内壁面温度差算出部108、逆流内部EGRガス量推定部109、吸気開弁時期補正量抽出部110、熱伝達率抽出部111、伝熱量推定部112、および記憶部(図示せず)を含んで構成されている。
また、エンジン制御部12の記憶部には、目標燃焼時期、燃料密度、熱伝達率、各物質の分子量、各物質のガス定数、各物質の比熱比、空燃比、各物質の比熱、推定した逆流させる内部EGRガス量と吸気開弁時期補正量とが関連付けられたデータマップA、および圧力差と熱伝達率補正量とが関連付けられたデータマップBが格納されたデータベースが記憶されている。
次に、本実施の形態1における圧縮自己着火内燃機関の動作について説明する。本実施の形態1における圧縮自己着火内燃機関は、4サイクル内燃機関であり、「吸気」、「圧縮」、「膨張」、「排気」の4つの行程を順に繰り返す。また、クランク軸1の回転とコネクティングロッド2の作用によりピストン3がシリンダ4に沿って往復移動することで燃焼室5の容積が変化する。
まず、吸気工程では、ピストン3が最も押し込まれた状態付近から吸気弁6が徐々に開き、ピストン3が引き抜かれることで、吸気管7を介して燃焼室5に空気が吸入される。圧縮自己着火内燃機関では、この吸気行程中に、燃料噴射弁14から、燃料が燃焼室5に噴射供給される。
なお、燃料は、燃料供給管15を介して、燃料昇圧ポンプ(図示せず)等で100〜200気圧程度に加圧されて供給される。燃料の噴射供給は、エンジン制御部12内での演算処理によって決定された噴射量および噴射時期の制御情報を、燃料噴射制御部16が受け取って、燃料噴射弁14に駆動エネルギーを供給することで制御される。
ここで、吸気弁6および排気弁8は、動弁機構9のカム軸により、クランク軸1の回転に同期して駆動するようになっている。また、動弁機構9には、吸気側および排気側にそれぞれバルブリフト量を連続的に変更可能な公知のリフト可変機構10と、バルブリフトのクランク回転に対する位相角を連続的に変更可能な公知の位相可変機構11とが組み込まれている。
また、バルブリフト量および位相角は、エンジン制御部12内の可変バルブタイミング制御部103での演算処理によって決定された吸排気弁開閉時期の制御情報を、動弁機構制御部13が受け取って、リフト可変機構10および位相可変機構11に駆動エネルギーを供給することで制御される。換言すると、動弁機構制御部13は、この制御情報に基づいて、リフト可変機構10および位相可変機構11に駆動エネルギーを供給し、リフト可変機構10および位相可変機構11を作動させる。これにより、動弁機構制御部13は、吸気弁6および排気弁8のリフト特性(すなわち、バルブリフト量および位相角)を変更することができ、燃焼室5への吸気の充填量および内部EGRガス量を調整することができる。
続いて、圧縮工程では、ピストン3が引き抜かれる途中から吸気弁6が徐々に閉じ始め、ピストン3が再び押し込まれ始めた付近で吸気弁6が完全に閉じると、燃焼室5に吸入された空気と燃料とが、混合を継続しながら圧縮される。
火花点火によって燃焼を開始させる従来のガソリン燃焼の内燃機関では、その後、ピストン3が最も押し込まれる少し前に、点火プラグ等により、空気と燃料との混合気の燃焼を開始させる。一方、圧縮自己着火内燃機関では、断熱圧縮によって、空気と燃料との混合気を、その温度が上昇して自己着火するまで、ピストン3によって強く圧縮することで、燃焼を開始させる。
続いて、膨張行程では、燃焼が開始されると、燃焼室5内の圧力が急上昇してピストン3を押し戻す力が作用するので、コネクティングロッド2によって、クランク軸1に回転力を生じさせる。
続いて、排気工程では、ピストン3が最も押し戻される付近から排気弁8が徐々に開き、押し戻されるピストン3によって、燃焼で発生した高温高圧の燃焼ガスが燃焼室5内から排気管17を介して排気される。
次に、エンジン制御部12内の燃焼時期検出部104による燃焼時期θの検出について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の実施の形態1において、クランク角度θに対する熱発生率dQ/dθの変化を示す説明図である。
ここで、図2に示す熱発生率dQ/dθ(以下、単に熱発生率と称す)は、例えば、気筒内の圧力である筒内圧力Pを用いた下式(1)によって算出される。
Figure 2015081584
なお、上式(1)において、Pは筒内圧力、θはクランク角度、Vは燃焼室容積、κは混合気の比熱比を示す。また、筒内圧力Pは、筒内圧力センサ19によって検出され、クランク角度θは、クランク角度センサ18によって検出される。さらに、混合気の比熱比κは、エンジン制御部12内のデータベースから抽出される。
また、図2に示すように、クランク角度θの値がθ以上となれば、熱発生率が増加し始める。このような熱発生率の増加は、燃焼室5内で燃焼が発生するとともに、燃焼が拡大していることを示している。すなわち、熱発生率が増加し始めるクランク角度θは、燃焼が開始された時期として扱うことができる。したがって、燃焼時期検出部104は、熱発生率が増加し始めるクランク角度θを、現在の運転条件における燃焼時期θとして検出する。
また、現在の運転条件における燃焼時期θに対して、同じ運転条件における所望の(適正な)燃焼時期を目標燃焼時期θとする。この目標燃焼時期θは、現在の運転条件におけるエンジン回転数およびエンジン負荷に基づいて算出される。具体的には、エンジン回転数算出部101は、クランク角度センサ18からの検出値に基づいてエンジン回転数を算出するとともに、エンジン負荷算出部102は、エンジン制御部12内で演算された燃料噴射量に基づいてエンジン負荷を算出する。そして、目標燃焼時期抽出部105は、あらかじめ設けられたデータマップから、算出したエンジン回転数およびエンジン負荷に対応する目標燃焼時期θを抽出する。なお、このデータマップは、エンジン回転数およびエンジン負荷と、目標燃焼時期θとが関連付けられたものであり、実験等を行うことであらかじめ設定しておくことができる。
次に、エンジン制御部12内の熱量推定部107による混合気に与えるべき温度変化量ΔTの推定について、図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施の形態1において、クランク角度θに対する燃焼室5内の混合気の温度変化を示す説明図である。
ここで、熱量推定部107は、燃焼時期偏差算出部106が算出する燃焼時期θと目標燃焼時期θとの偏差(以下、燃焼時期偏差Δθと称す)がゼロとなるように制御すべく、内部EGRガスから取り去るべき熱量Qを推定する。熱量推定部107は、この途中のプロセスとして、熱量Qに対応する温度変化量ΔTを推定する。
図3において、特性曲線(1)は、現在の運転条件における燃焼室5内の混合気の温度変化を示したものに相当する。また、特性曲線(1)において、現在の燃焼時期θに対応する燃焼室5内の混合気温度をTとする。
さらに、図3において、特性曲線(2)は、目標燃焼時期θで燃焼室5内の混合気温度がTとなる混合気の断熱変化を仮定したものに相当する。また、特性曲線(2)において、現在の燃焼時期θに対応する燃焼室5内の混合気温度をTとする。
ここで、現在の運転条件における燃焼時期を最適化するには、燃焼時期θを燃焼時期偏差Δθだけずらすことで、燃焼時期θが目標燃焼時期θに一致するようにすればよい。すなわち、特性曲線(1)が目標燃焼時期θで燃焼室5内の混合気温度がTとなる温度変化特性(特性曲線(2))になるように合わせ込むために、TとTとの偏差である温度変化量ΔTを混合気に与えればよい。
続いて、温度変化量ΔTを推定する手順を説明する。まず、現在の運転条件における燃焼時期θでの燃焼室5内の混合気温度Tを推定する。なお、燃焼室5内の混合気温度Tは、目標燃焼時期θにおける燃焼室5内の混合気温度でもあり、目標燃焼時期θで燃焼室5内の混合気温度Tとなる混合気は、特性曲線(2)に示すような温度特性を持つ。
したがって、燃焼時期θにおける燃焼室5内の混合気温度がTである混合気は、目標燃焼時期θで燃焼室5内の混合気温度Tとなる混合気(すなわち、特性曲線(2)で示される混合気)と同じであり、断熱変化の関係から、Tを、Tを用いて推定することができる。これにより、TとTとの偏差である温度変化量ΔTを推定することができる。
具体的には、はじめに、現在の運転条件における燃焼室5内の混合気の温度特性から、燃焼時期θにおける燃焼室5内の混合気温度Tを推定する。Tは、燃焼時期θにおける筒内圧力Pθa、燃焼時期θにおける燃焼室容積Vθa、内部EGRガスのモル数Negr、吸入空気のモル数Nair、ガス定数R(RegrおよびRair)を用いると、下式(2)のように推定される。
Figure 2015081584
なお、ガス定数Rは、エンジン制御部12内のデータベースから抽出される。また、内部EGRガスのモル数Negrは、排気閉弁時期の筒内圧力、燃焼室容積および排気温度センサ20が検出した排気温度と、ガス定数Rとに基づいて算出される。さらに、吸入空気のモル数Nairは、エンジン制御部12にあらかじめ設けられたデータベースから抽出された空燃比、空気の分子量および燃料密度と、エンジン回転数と、燃料噴射量とに基づいて算出される。
また、ポワソンの法則から、断熱変化における燃焼室容積Vおよび混合気温度Tについて、混合気の比熱比をκとすると、下式(3)の関係が成り立つ。
Figure 2015081584
また、上式(3)を用いると、Tは、下式(4)のように推定される。なお、Vθbは、目標燃焼時期θにおける燃焼室容積である。
Figure 2015081584
また、上式(2)および上式(4)を用いると、混合気に与えるべき温度変化量ΔTは、下式(5)のように推定される。
Figure 2015081584
次に、熱量推定部107による内部EGRガスから取り去るべき熱量Qの推定と、逆流内部EGRガス量推定部109による逆流させる内部EGRガス量Nre(以下、逆流内部EGRガス量Nreと称す)の推定とについて説明する。
ここで、エンジン制御部12は、温度変化量ΔTを混合気に与えるべく、内部EGRガスから熱量Qを取り去る。また、エンジン制御部12は、内部EGRガスから熱量Qを取り去るべく、吸気管7に推定した逆流内部EGRガス量Nreだけ内部EGRガスを逆流させる。
内部EGRガスから取り去るべき熱量Qは、各物質の比熱C(CegrおよびCair)、内部EGRガスのモル数Negr、吸入空気のモル数Nair、混合気に与えるべき温度変化量ΔTを用いると、下式(6)のように推定される。なお、各物質の比熱Cは、エンジン制御部12内のデータベースから抽出される。
Figure 2015081584
また、内部EGRガスから取り去るべき熱量Qは、吸気管7内に逆流した内部EGRガスから熱が吸気管壁面に移動することで取り去ることができる。逆流内部EGRガス量Nreは、内部EGRガスから取り去るべき熱量Qを用いると、下式(7)のように推定される。
Figure 2015081584
なお、上式(7)中の吸気管内壁面温度差ΔTinは、排気温度センサ20で検出される排気閉弁時期の排気温度Tevc(燃焼室5内に残留した内部EGRガスの温度に相当)と、吸気管内壁面温度センサ21で検出される吸気管内壁面温度Tinとの温度差であり、吸気管内壁面温度差算出部108によって算出される。
続いて、図4は、本発明の実施の形態1において、推定した逆流内部EGRガス量Nreに対する吸気開弁時期補正量を示す説明図である。換言すると、図4は、前述したデータベースに格納されているデータマップAに相当する。なお、このデータマップAは、逆流内部EGRガス量Nreおよび後述する伝熱量dQと、吸気開弁時期補正量とが関連付けられたものであり、実験等を行うことであらかじめ設定しておくことができる。
逆流内部EGRガス量Nreから吸気管壁面に移動する熱量は、吸気管7内の状態によって異なる。したがって、推定した逆流内部EGRガス量Nreだけでなく、吸気管7内に逆流させた内部EGRガスから吸気管壁面に移動する伝熱量dQをさらに考慮して、吸気開弁時期を補正するように設定することが好ましい。
ここで、単位時間あたりに吸気管7内に逆流した内部EGRガスから吸気管壁面に移動する伝熱量dQは、吸気管内壁面有効面積A、熱伝達率h、温度差ΔTinを用いると、下式(8)のように推定される。
Figure 2015081584
なお、吸気管内壁面有効面積Aは、吸気管7の形状によって設定されるので、運転条件によらず一定であるが、熱伝達率hおよび温度差ΔTinは、運転条件により変化する。
また、熱伝達率抽出部111は、あらかじめ設けられたデータマップから、エンジン回転数算出部101が算出したエンジン回転数および吸気管内壁面温度差算出部108が算出した吸気管内壁面温度差ΔTinに対応する熱伝達率hを抽出する。なお、このデータマップは、エンジン回転数および吸気管内壁面温度差ΔTinと、熱伝達率hとが関連付けられたものであり、実験等を行うことであらかじめ設定しておくことができる。
さらに、伝熱量推定部112は、熱伝達率抽出部111が抽出した熱伝達率hと、吸気管内壁面温度差算出部108が算出した吸気管内壁面温度差ΔTinとに基づいて、上式(8)にしたがって、伝熱量dQを推定する。図4の特性曲線は、各伝熱量における逆流内部EGRガス量Nreに対する吸気開弁時期補正量を示す。図4において、伝熱量dQが大きいほど、逆流内部EGRガスの単位時間あたりの伝熱量が大きい。
したがって、推定した逆流内部EGRガス量Nreの値が正(増量側)の場合には、伝熱量dQが大きいほど、同じ逆流内部EGRガス量Nreの値に対して、吸気開弁時期を進角側に補正する量が、より小さい値として設定されるように補正制御する。また、推定した逆流内部EGRガス量Nreの値が負(減量側)の場合には、伝熱量dQが大きいほど、同じ逆流内部EGRガス量Nreの値に対して、吸気開弁時期を遅角側に補正する量が、より小さい値として設定されるように補正制御する。
ただし、逆流内部EGRガス量Nreが少な過ぎると、逆流内部EGRガスがもつ熱量自体が少ないので、逆流内部EGRガスがもつ熱量に対する吸気管壁面に移動した熱量の割合が大きくなり、逆流内部EGRガスの温度が大きく低下して温度差ΔTinが減少する。
上式(8)より温度差ΔTinが減少すると、伝熱量dQも減少するので、吸気管7内に滞留している間に内部EGRガスから取り去るべき熱量Qだけの熱量すべてを吸気管壁面に移動できない。このようなことを回避するために、図4の吸気開弁時期補正量は、逆流内部EGRガス量Nreと伝熱量dQとに応じて、温度差ΔTinの減少が抑制されるようにすることも考慮して設定されている。
そして、吸気開弁時期補正量抽出部110は、図4から、逆流内部EGRガス量推定部109が推定した逆流内部EGRガス量Nreおよび伝熱量推定部112が推定した伝熱量dQに対応する吸気開弁時期補正量を抽出する。そして、可変バルブタイミング制御部103は、この吸気開弁時期補正量に基づいて、位相可変機構11により吸気開弁時期を変更(補正)制御することで燃焼時期を適正化する。
なお、前述したように、吸気開弁時期を補正するように設定する場合に、逆流内部EGRガス量Nreだけでなく、伝熱量dQを考慮する方がより燃焼時期を適正化することができるので好ましい。ただし、伝熱量dQを考慮しなくても、吸気開弁時期を補正することによる効果を得ることはできる。このような場合、伝熱量dQを算出する必要がなく、データマップAについても逆流内部EGRガス量Nreと、吸気開弁時期補正量とが関連付けられたものであればよい。
次に、本発明の実施の形態1における圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置の一連の動作について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。図5は、本発明の実施の形態1における圧縮自己着火内燃機関の一連の動作を示すフローチャートである。
ステップS100において、燃焼時期検出部104は、筒内圧力センサ19が検出した筒内圧力Pに基づいて、熱発生率を算出する。そして、燃焼時期検出部104は、算出した熱発生率が増加し始める時期を、燃焼時期θとして検出し、ステップS101へと進む。
ステップS101において、目標燃焼時期抽出部105は、算出されたエンジン回転数およびエンジン負荷に対応する目標燃焼時期θを、あらかじめ設定した燃焼時期のデータマップから抽出し、ステップS102へと進む。
ステップS102において、燃焼時期偏差算出部106は、ステップS100で検出された燃焼時期θと、ステップS101で抽出された目標燃焼時期θとに基づいて、燃焼時期偏差Δθを算出し、ステップS103へと進む。
ステップS103において、燃焼時期偏差算出部106は、燃焼時期偏差Δθの絶対値|Δθ|があらかじめ設定した定数αよりも大きいか否かを判定し、絶対値|Δθ|が定数αよりも大きい場合には、ステップS104へと進み、絶対値|Δθ|が定数α未満である場合には、ステップS100へと戻る。
ここで、絶対値|Δθ|が微小であった場合、吸気開弁時期の補正制御を行うことでハンチングを起こす可能性があるので、それを防ぐためにあらかじめ不感帯を設けている。そして、ハンチングが起こらない絶対値|Δθ|の最小の値を定数αとして、|Δθ|が定数αより大きい場合にのみ、吸気開弁時期の補正制御を実施している。なお、あらかじめ設定する定数αは、例えば、クランク角度で0.5degとして運用し、ハンチングが起こるようであれば0<α≦3.0の範囲で定数αを変更すればよい。
ステップS104において、熱量推定部107は、燃焼時期θに対応する筒内圧力Pθaおよび燃焼室容積Vθaと、目標燃焼時期θに対応する燃焼室容積Vθbとに基づいて、混合気に与えるべき温度変化量ΔTを推定し、ステップS105へと進む。
ステップS105において、熱量推定部107は、ステップS104で推定された混合気に与えるべき温度変化量ΔTに基づいて、内部EGRガスから取り去るべき熱量Qを推定し、ステップS106へと進む。
ステップS106において、逆流内部EGRガス量推定部109は、ステップS105で推定された内部EGRガスから取り去るべき熱量Qに基づいて、逆流内部EGRガス量Nreを推定し、ステップS107へと進む。
ステップS107において、熱伝達率抽出部111は、エンジン回転数と、吸気管内壁面温度差ΔTinとに対応する熱伝達率hを、データベースから抽出し、ステップS108へと進む。
ステップS108において、伝熱量推定部112は、ステップS107で抽出された熱伝達率hと、吸気管内壁面温度差ΔTinと、吸気管内壁面有効面積Aとに基づいて、伝熱量dQを推定し、ステップS109へと進む。
ステップS109において、吸気開弁時期補正量抽出部110は、ステップS108で推定された伝熱量dQに基づいて、吸気管7へ逆流させる内部EGRガス量Nreに対して伝熱量dQに応じた吸気開弁時期補正量の関係(データマップA)から吸気開弁時期補正量を抽出してステップS110へと進む。
ステップS110において、可変バルブタイミング制御部103は、ステップS109で抽出された吸気開弁時期補正量に基づいて、位相可変機構11に対して吸気開弁時期を補正するように指令し、ステップS100へと戻る。
以上のように、本実施の形態1によれば、筒内圧力に基づいて推定される燃焼時期と、現在の運転条件における目標燃焼時期との偏差に基づいて混合気に与えるべき温度変化量を算出し、内部EGRガスから取り去るべき熱量を温度変化量と混合気量との関係から推定する。さらに、推定した内部EGRガスから取り去るべき熱量に応じて吸気管へ逆流させる内部EGRガス量を推定し、逆流させる内部EGRガス量と、吸気管壁および内部EGRガスの間の熱移動特性とを考慮した上で、吸気開弁時期を補正制御する。したがって、不活性ガス量の変化に伴う燃焼速度の変化を招くことなく、混合気から過剰な熱量を取り去るように吸気開弁時期を補正制御することで混合気温度が適正化され、燃焼時期を所望の燃焼時期に精度よく制御することができる。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、熱伝達率hを変更(補正)しない場合について説明した。これに対して、本実施の形態2では、熱伝達率hを圧力差ΔPに基づいて変更(補正)する場合について説明する。なお、本実施の形態2における圧縮自己着火内燃機関の構成は、先の実施の形態1のものと同様であるので、説明を省略する。
ここで、本実施の形態2では、クランク角度センサ18および筒内圧力センサ19によって検出される吸気開弁時期の筒内圧力Pivoと、クランク角度センサ18および吸気圧力センサ22によって検出される吸気開弁時期の吸気圧力(吸気管7内の圧力)Pinivoとの圧力差ΔP(Pivo−Pinivo)に基づいて熱伝達率hを補正する。そして、本実施の形態2は、補正した熱伝達率hに応じて推定した伝熱量dQに基づいて、吸気開弁時期を補正することを技術的特徴としている。なお、熱伝達率hの補正は、エンジン制御部12内の熱伝達率変更部(図示せず)によって行われる。
図6は、本発明の実施の形態2において、圧力差ΔPに対する熱伝達率補正量を示す説明図である。換言すると、図6は、前述したデータベースに格納されているデータマップBに相当する。なお、このデータマップBは、圧力差ΔPと、熱伝達率補正量とが関連付けられたものであり、実験等を行うことであらかじめ設定しておくことができる。
ここで、圧力差ΔPは、大きいほど単位時間あたりに吸気管7内に逆流させる内部EGRガス量が増加し、吸気管7内で内部EGRガスの対流が大きくなる。この場合、熱伝達率hは、流体の対流が大きく流速が速いほど高くなるので、圧力差ΔPに応じて熱伝達率hを補正することが好ましい。具体的には、熱伝達率hの補正は、圧力差ΔPに基づいて、図6に示すような、圧力差ΔPと熱伝達率補正量との関係から抽出した熱伝達率補正量に応じて行う。
また、本実施の形態2における圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置について、先の実施の形態1における燃焼制御装置の一連の動作と異なる点は、ステップS107で熱伝達率hを抽出した後、抽出した熱伝達率hを圧力差ΔPに基づいて補正するという処理を実行してからステップS108を実行する点である。
すなわち、本実施の形態2における圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置は、先の図5におけるステップS100〜ステップS106を先の実施の形態1と同様に実行する。そして、先の図5におけるステップS107において、熱伝達率抽出部111は、熱伝達率hを抽出し、ステップS108を実行する前に、熱伝達率変更部は、ステップS107で抽出された熱伝達率hを圧力差ΔPに基づいて補正する。
続いて、熱伝達率変更部による熱伝達率hの補正が完了すれば、先の実施の形態1と同様に、ステップS108において、伝熱量推定部112は、補正した熱伝達率hに基づいて伝熱量dQを推定し、ステップS109において、吸気開弁時期補正量抽出部110は、逆流内部EGRガス量Nreと伝熱量dQとに基づいて吸気開弁時期補正量を抽出し、ステップS110において、可変バルブタイミング制御部103は、位相可変機構11に対して吸気開弁時期を補正するように指令し、ステップS100へと戻るというフローで全体の制御が実行される。
このように、圧力差ΔPに基づいて抽出した熱伝達率補正量に応じて熱伝達率hを補正することで、伝熱量dQの推定精度を向上することができる。したがって、混合気から過剰な熱量を取り去るべく吸気開弁時期補正量を精度よく抽出することができるので、燃焼時期を所望の燃焼時期に制御する精度を向上させることができる。
以上、本実施の形態2によれば、圧力差ΔPを考慮することで、内部EGRガスとの間の熱移動特性に対する推定精度が向上して、先の実施の形態1による効果をさらに高めることができる。
1 クランク軸、2 コネクティングロッド、3 ピストン、4 シリンダ、5 燃焼室、6 吸気弁、7 吸気管、8 排気弁、9 動弁機構、10 リフト可変機構、11 位相可変機構、12 エンジン制御部、13 動弁機構制御部、14 燃料噴射弁、15 燃料供給管、16 燃料噴射制御部、17 排気管、18 クランク角度センサ、19 筒内圧力センサ、20 排気温度センサ、21 吸気管内壁面温度センサ、22 吸気圧力センサ、101 エンジン回転数算出部、102 エンジン負荷算出部、103 可変バルブタイミング制御部、104 燃焼時期検出部、105 目標燃焼時期抽出部、106 燃焼時期偏差算出部、107 熱量推定部、108 吸気管内壁面温度差算出部、109 逆流内部EGRガス量推定部、110 吸気開弁時期補正量抽出部、111 熱伝達率抽出部、112 伝熱量推定部。
本発明における圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置は、燃焼室内に形成された混合気を、ピストンの圧縮作用によって自己着火させることが可能であり、クランク角度を検出するクランク角度検出部と、気筒内の圧力である筒内圧力を検出する筒内圧力検出部と、吸気管内の壁面温度を検出する吸気管内壁面温度検出部と、燃焼室内に残留した内部EGRガスの温度を検出する内部EGRガス温度検出部と、エンジン回転数を算出するエンジン回転数算出部と、エンジン負荷を算出するエンジン負荷算出部と、を有する圧縮自己着火内燃機関に対して、燃焼制御を実行するための燃焼制御装置であって、吸気弁および排気弁のそれぞれの開弁時期および閉弁時期を可変調整する可変バルブタイミング制御部とクランク角度検出部が検出したクランク角度と、筒内圧力検出部が検出した筒内圧力とに基づいて、燃焼時期を検出する燃焼時期検出部と、エンジン回転数およびエンジン負荷と、目標燃焼時期とが関連付けられた第1のデータマップから、エンジン回転数算出部が算出したエンジン回転数およびエンジン負荷算出部が算出したエンジン負荷に対応する目標燃焼時期を抽出する目標燃焼時期抽出部と、燃焼時期検出部が検出した燃焼時期と、目標燃焼時期抽出部が抽出した目標燃焼時期との偏差である燃焼時期偏差を算出する燃焼時期偏差算出部と、燃焼時期偏差算出部が算出した燃焼時期偏差がゼロとなるように、内部EGRガスから取り去るべき熱量を推定する熱量推定部と、内部EGRガス温度検出部が検出した内部EGRガスの温度と、吸気管内壁面温度検出部が検出した壁面温度との温度差である吸気管内壁面温度差を算出する吸気管内壁面温度差算出部と、吸気管内壁面温度差算出部が算出した吸気管内壁面温度差と、熱量推定部が推定した熱量とに基づいて、吸気管へ逆流させる内部EGRガス量として、逆流内部EGRガス量を推定する逆流内部EGRガス量推定部と、逆流内部EGRガス量と、吸気開弁時期補正量とが関連付けられた第2のデータマップから、逆流内部EGRガス量推定部が推定した逆流内部EGRガス量に対応する吸気開弁時期補正量を抽出する吸気開弁時期補正量抽出部と、を備え、可変バルブタイミング制御部は、燃焼時期偏差算出部が算出した燃焼時期偏差の絶対値があらかじめ設定した定数よりも大きい場合に、吸気開弁時期補正量抽出部が抽出した吸気開弁時期補正量に基づいて、吸気弁の開弁時期を変更するものである。

Claims (3)

  1. 燃焼室内に形成された混合気を、ピストンの圧縮作用によって自己着火させることが可能であり、
    クランク角度を検出するクランク角度検出部と、
    気筒内の圧力である筒内圧力を検出する筒内圧力検出部と、
    吸気管内の壁面温度を検出する吸気管内壁面温度検出部と、
    前記燃焼室内に残留した内部EGRガスの温度を検出する内部EGRガス温度検出部と、
    エンジン回転数を検出するエンジン回転数算出部と、
    エンジン負荷を算出するエンジン負荷算出部と、
    を有する圧縮自己着火内燃機関に対して、燃焼制御を実行するための燃焼制御装置であって、
    吸気弁および排気弁のそれぞれの開弁時期および閉弁時期を可変調整する可変バルブタイミング制御部と
    前記クランク角度検出部が検出した前記クランク角度と、前記筒内圧力検出部が検出した前記筒内圧力とに基づいて、燃焼時期を検出する燃焼時期検出部と、
    前記エンジン回転数および前記エンジン負荷と、目標燃焼時期とが関連付けられた第1のデータマップから、前記エンジン回転数算出部が算出した前記エンジン回転数および前記エンジン負荷算出部が算出した前記エンジン負荷に対応する目標燃焼時期を抽出する目標燃焼時期抽出部と、
    前記燃焼時期検出部が検出した燃焼時期と、前記目標燃焼時期抽出部が抽出した前記目標燃焼時期との偏差である燃焼時期偏差を算出する燃焼時期偏差算出部と、
    前記燃焼時期偏差算出部が算出した前記燃焼時期偏差がゼロとなるように、内部EGRガスから取り去るべき熱量を推定する熱量推定部と、
    前記内部EGRガス温度検出部が検出した前記内部EGRガスの温度と、前記吸気管内壁面温度検出部が検出した前記壁面温度との温度差である吸気管内壁面温度差を算出する吸気管内壁面温度差算出部と、
    前記吸気管内壁面温度差算出部が算出した前記吸気管内壁面温度差と、前記熱量推定部が推定した前記熱量とに基づいて、前記吸気管へ逆流させる内部EGRガス量として、逆流内部EGRガス量を推定する逆流内部EGRガス量推定部と、
    前記逆流内部EGRガス量と、吸気開弁時期補正量とが関連付けられた第2のデータマップから、前記逆流内部EGRガス量推定部が推定した前記逆流内部EGRガス量に対応する前記吸気開弁時期補正量を抽出する吸気開弁時期補正量抽出部と、
    を備え、
    前記可変バルブタイミング制御部は、
    前記燃焼時期偏差算出部が算出した前記燃焼時期偏差の絶対値があらかじめ設定した定数よりも大きい場合に、前記吸気開弁時期補正量抽出部が抽出した前記吸気開弁時期補正量に基づいて、前記吸気弁の開弁時期を変更する
    圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 請求項1に記載の圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置において、
    前記エンジン回転数および前記吸気管内壁面温度差と、熱伝達率とが関連付けられた第3のデータマップから、前記エンジン回転数算出部が算出した前記エンジン回転数および前記吸気管内壁面温度差算出部が算出した前記吸気管内壁面温度差に対応する熱伝達率を抽出する熱伝達率抽出部と、
    前記熱伝達率抽出部が抽出した前記熱伝達率と、前記吸気管内壁面温度差算出部が算出した前記吸気管内壁面温度差とに基づいて伝熱量を推定する伝熱量推定部と、
    をさらに備え、
    前記吸気開弁時期補正量抽出部は、
    前記伝熱量および前記逆流内部EGRガス量と、前記吸気開弁時期補正量とが関連付けられた第4のデータマップから、前記伝熱量推定部が推定した前記伝熱量および前記逆流内部EGRガス量推定部が推定した前記逆流内部EGRガス量に対応する前記吸気開弁時期補正量を抽出する
    圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置。
  3. 請求項2に記載の圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置において、
    前記吸気管内の圧力である吸気圧力を検出する吸気圧力検出部と、
    前記吸気弁の開弁時期において前記筒内圧力検出部が検出した前記筒内圧力と、前記吸気弁の開弁時期において前記吸気圧力検出部が検出した前記吸気圧力との圧力差に基づいて、前記熱伝達率抽出部が抽出した前記熱伝達率を変更する熱伝達率変更部と、
    をさらに備え、
    前記伝熱量推定部は、
    前記熱伝達率変更部が変更した前記熱伝達率と、前記吸気管内壁面温度差算出部が算出した前記吸気管内壁面温度差とに基づいて前記伝熱量を推定する
    圧縮自己着火内燃機関の燃焼制御装置。
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