JP2015081563A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの逆回転量を検出して、逆回転量に応じて再始動からの燃料噴射量を補正する内燃機関の制御装置を得る。
【解決手段】運転状態検出手段の検出結果に基づき、エンジン101が逆回転であるか否かを判断する逆回転判断手段と、前記逆回転判断手段で逆回転であると判断した時に、エンジン101の逆流行程数を検出する逆流量検出手段と、前記逆流量検出手段で検出したエンジン101の逆流行程数に基づき、噴射制御手段で設定される燃料供給量を減量補正する燃料減量補正手段と、を備えた。
【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、内燃機関の始動早期化のための燃料噴射量を制御する内燃機関の制御装置に関するものである。
従来の内燃機関の制御装置においては、例えば特開平5−312068号公報(特許文献1)に開示されているように、始動時の燃料噴射量制御装置は、エンジンが逆回転した後の再始動時に、逆回転前の始動時の燃料噴射積算量と、始動後の燃料噴射積算量の和より、逆回転時の燃料噴射量に対する遅れタイミングと補正量を決定するものである。
特開平5−312068号公報
前記特許文献1に開示された従来の始動時の燃料噴射量制御装置の動作の一例を図26及び図27により説明する。
図26において、時点Aでスタータを駆動し始めると共に、始動時燃料が噴射されて始動時燃料の積算値が更新され始める。時点Bでスタータが停止し、始動時燃料の積算が停止すると共に、燃料噴射は始動後燃料に切替り、始動後燃料の積算更新が開始される。また、圧縮上死点付近でエンジンの回転が停止しようとして、そのタイミングで点火されることでエンジンが逆回転を開始する。時点Cでは逆回転をしたことを判定し、その時点で始動後燃料の積算が停止すると共に、総燃料積算量として、始動時燃料aと始動後燃料bの和(a+b)が設定される。時点Dで逆回転が停止し、時点Eでは再度スタータの駆動によりエンジンが正回転を始めると共に、総燃料積算量が減量を始める。時点Fでスタータが停止し、時点Gで逆回転判定が不成立となった時点で総燃料積算量がクリアされる。
時点Eからの始動では、時点Aからの始動時により積算された総燃料積算量を元に設定された補正係数により補正された燃料噴射量で燃料噴射を行う。これは、時点Eの始動においては、それ以前に噴射された燃料量が吸気管内に付着して残っているため、この付着燃料量が時点Eからの始動時のシリンダ内に供給されることを見越して補正を行うことで適正な燃料量にするためである。
図27は、図26より逆回転量が多い(時点CからDの間が長い)場合である。従来技術においては、逆回転量によらず総燃料積算量(a+b)は同じになるため、時点Eからの再始動時の燃料補正係数は同じになる。これは、正回転時の始動時積算燃料量と逆回転判定するまでの逆回転時の始動後積算燃料量とに基づいて補正係数を設定しているためである。
しかしながら、エンジンの始動性は燃料量のみでは決まらず、燃料と吸入空気量の比率である空燃比で決まる。逆回転量が多くなると、吸気系に逆流する既燃ガスの量や、未燃の混合気の量が多くなることでシリンダに吸入される新気の量が減少するため、逆回転量が少ない図26では空燃比が適正であるのに対し、逆回転量が多くなる図27では空燃比が低下(燃料が過剰)となるため、始動性が悪化するという問題があった。
この発明は、前記問題を解決するためになされたもので、エンジンの逆回転量を検出して、逆回転量に応じて再始動からの燃料噴射量を補正することにより、逆回転量によらず安定した始動性を得る内燃機関の制御装置を得ることを目的とするものである。
この発明による内燃機関の制御装置は、内燃機関に燃料を供給する燃料噴射手段と、前記内燃機関の回転を含む運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記内燃機関の始動時であるか否かを判断する始動時判断手段と、前記始動時判断手段により、前記内燃機関が始動時であるか否かに応じて前記内燃機関への燃料供給量を算出すると共に、前記燃料噴射手段を駆動制御する噴射制御手段と、を備えた内燃機関の制御装置であって、前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記内燃機関が逆回転であるか否かを判断する逆回転判断手段と、前記逆回転判断手段で逆回転であると判断した時に、前記内燃機関の逆流行程数を検出する逆流量検出手段と、前記逆流量検出手段で検出した前記逆流行程数に基づき、前記噴射制御手段で設定される前記燃料供給量を減量補正する燃料減量補正手段と、を備えたものである。
この発明による内燃機関の制御装置によれば、エンジンの逆回転量を検出して、逆回転量に応じて再始動からの燃料噴射量を補正することで、逆回転により吸気系に再吸入された排気既燃ガスや燃焼せずにそのまま排気された未燃混合気の量に応じた補正が可能となるため、逆回転量によらず安定した始動性を得ることが可能となる。また、逆回転量が異なっても空燃比は安定することになる。
この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の全体構成図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置のブロック図である。 図2に対応する従来の内燃機関の制御装置のブロック図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における各気筒の行程と、クランク角センサ信号、カム角センサ信号及び燃料噴射と点火タイミングを表す図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置におけるクランク角センサの出力を説明する図である。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 従来の内燃機関の制御装置における始動時の燃料噴射量制御装置の動作を説明する図である。 従来の内燃機関の制御装置における始動時の燃料噴射量制御装置の動作を説明する図である。
以下、この発明による内燃機関の制御装置の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の全体構成図である。図1において、符号101は内燃機関(以下の説明では、エンジンともいう。)を示し、符号102は内燃機関101が吸入する空気を浄化するエアクリーナ、符号103は内燃機関101が吸入する空気量を調整するスロットルバルブを示している。スロットルバルブ103は、モータ(図示せず)により開度が調整され、スロットル開度センサ104により開度が検出される。
符号105は吸気管106内の圧力の急変や脈動抑制を行うサージタンク、符号107はスロットルバルブ下流の吸気管106の圧力を計測する圧力センサ、符号108は内燃機関101が吸入する空気に燃料を供給し、混合気を形成するインジェクタ、符号109は排気管、符号110は内燃機関101から排出する排気ガスの残存空気量を計量するフロントO2センサを示している。符号111はリアO2センサで、排気ガスの有害成分であるHC、CO、NOxを無害なCO2、H2Oに変換する三元触媒112を通過した後の排気ガス中の残存空気量を計量する。
また、符号113は一次コイルの電流を通電、遮断することで二次コイルに高電圧を発生させる点火コイル、符号114は点火コイル113で発生した高電圧によって火花を発生させる点火プラグ、符号115はカム角信号を発生するカム角センサ、符号116はカム角センサ115で信号を発生させるための突起もしくは窪みが形成されたカム角センサプレートである。
また、符号117はクランク角信号を発生するクランク角センサ、符号118はクランク角センサ117で信号を発生させるための突起もしくは窪みが形成されたクランク角センサプレート、符号119は内燃機関101を冷却するための冷却水、符号120は冷却水119の温度を検出する水温センサ、符号121はコントロールユニット(以下ECUという。)を示し、ECU121は、カム角センサ115、クランク角センサ117、圧力センサ107、フロントO2センサ110、リアO2センサ111、水温センサ120、スロットル開度センサ104等の信号を入力し、燃料噴射量、点火タイミング、スロットル開度等を演算し、インジェクタ108、点火コイル113、スロットルバルブモータに信号を出力する。
図2は、実施の形態1による内燃機関の制御装置のブロック図であって、ECU121がその役割を果たす。図2において、運転状態検出手段201は、クランク角センサ117の信号から求めたエンジン回転、圧力センサ107の信号から求めたエンジン負荷、水温センサ120の信号から求めた水温等から内燃機関101の運転状態を検出する。始動時判断手段202は、運転状態検出手段201からのエンジン回転情報をもとに、始動時であるかを判断する。逆転判断手段203は、クランク角センサ117の信号情報をもとに内燃機関101が正回転状態にあるか、逆回転状態にあるかを判断するものである。
逆流量検出手段204は、逆転判断手段203が逆回転状態であると判断した場合に、吸気管106に逆流する排気ガスの逆流行程数を検出し、燃料減量補正手段205は、逆流量検出手段204が検出した逆流量をもとに、燃料噴射量の減量補正係数を算出する。また、噴射制御手段206は、始動時は水温及び回転等から内燃機関101に供給する燃料量を決定し、始動時でない場合は吸気管圧力と回転及び水温その他から内燃機関101に供給する燃料量を決定し、燃料減量補正手段205で求めた減量補正係数を減量して、燃料噴射量を決定するものである。噴射制御手段206で決定された燃料噴射量は燃料噴射手段207から噴射される。噴射制御手段206で決定された燃料噴射量は、インジェクタ108への信号に変換される。なお、図3は、図2に対応する従来の内燃機関の制御装置のブロック図であり、逆流量検出手段204が備えられていない点以外は図2と同様で、同一符号を付すことにより説明を省略する。
図4は、本実施の形態における各気筒の行程と、クランク角センサ信号、カム角センサ信号及び燃料噴射と点火タイミングを表す図である。本実施の形態では、#1から#3の3気筒からなる3気筒4サイクルエンジンが使用される。なお、図4の「B75」、「B5」、「B195」は、それぞれ「BTDC(Before Top Dead Center)75deg」、「BTDC5deg」、「BDTC195deg」を表している。
クランク角センサ117の信号は、クランク角度10度毎にHiからLowに切替る信号を発生させ、ECU121はその立下り信号を入力する。カム角センサ115の信号は所定のタイミングでHiからLowに切替る信号を発生させ、ECU121はその立下り信号を入力する。クランク角信号は特定クランク角のみ信号が発生しないようにしてあり、そのタイミングとカム角センサ信号によりクランク角を特定している。特定したクランク角は、クランクカウンタとして0から71の間でカウントされる。
4サイクルエンジンは各気筒毎に吸気、圧縮、燃焼、排気の各行程をエンジン2回転、すなわちクランク角720度で行う。よって、クランクカウンタは10度毎のクランク角を計数するために0から71をカウントする。
正回転時の吸気行程は逆回転時の排気行程、正回転時の圧縮行程は逆回転時の膨張行程、正回転時の燃焼行程は逆回転時の圧縮行程、正回転時の排気行程は逆回転時の吸気行程
となる。逆回転時の吸気行程は排気管109からの吸気、逆回転時の排気行程は吸気管106への排気となる。判別した気筒、すなわちクランクカウンタの値にしたがって、正回転時の吸気行程の燃料噴射、正回転時の圧縮上死点付近での点火を行うように、インジェクタ108と点火コイル113の制御を行う。
図5は、本実施の形態におけるクランク角センサ117の出力を説明する図で、(a)で示す1段目のクランク角センサプレートは、図1のクランク角センサプレート118を平面展開したものであり、数値はそれぞれの歯を示している。ここでは、正回転時と逆回転時の動作を説明するための数値であって、クランクカウンタの値とは無関係である。(b)で示す2段目の回転方向は、クランク角センサプレート118が回転することでクランク角センサ117が矢印の方向で移動していることを示す。正回転からクランク角センサプレート118の2と3の間で逆回転に転じている。
(c)で示す3段目の矢印は、(b)の回転方向に沿った場合の回転方向を示し、(d)で示す4段目は、正回転または逆回転した状態でのクランク角センサ117の歯を左から右に時間軸のイメージで展開したものである。また、(e)で示す5段目は、(d)のクランク角センサプレート118に対するクランク角センサ117の出力信号を示したものである。
クランク角センサ出力信号は正回転時と逆回転時でLowレベルの期間が異なり、正回転時は約45μsec、逆回転時は約90μsecとなる。このLowレベルの時間を計測することでエンジンが正回転状態にあるのか、逆回転状態にあるのかが判別できる。
図6から図17は、実施の形態1の内燃機関の制御装置を説明するフローチャートで、ECU121に内蔵するマイクロコンピュータが実行するプログラムの実行手順を示す。
図6は、イグニッションスイッチ(図示せず)が運転者によりONされて、ECU121に電源が供給された最初に実行させる処理を説明する図である。
図6において、ステップS601でクランクカウンタを255にセットする。クランクカウンタは、クランク角センサ117の信号が入力される毎にカウントされるカウンタであり、動作については後述する。
次に、ステップS602で欠歯間クランクカウンタを0にする。欠歯間クランクカウンタは、クランク角センサ信号の欠歯間のクランク角センサ検出数をカウントするカウンタである。
次に、ステップS603で欠歯間カム角カウンタを0にする。欠歯間カム角カウンタは、欠歯間のカム角センサ検出数をカウントするカウンタである。
次に、ステップS604で停止カウンタを0にする。停止カウンタはエンジン停止時の期間をカウントするカウンタである。
次に、ステップS605で逆回転カウンタを0にする。逆回転カウンタはエンジン101が逆回転するクランク角をカウントするカウンタである。
次に、ステップS606で停止モードに設定する。エンジンの制御モードは、停止モード、始動モード、通常モード、逆回転モードがあるが、各モードは排他的に設定される。すなわち、停止モードが設定された場合は、始動モード、通常モード、逆回転モードは設定されない。
次に、ステップS607で補正係数を1.0に設定し、ステップS608で掃気補正量を0に設定する。そして、ステップS609で逆流比率演算回数に0を設定する。なお、掃気補正量は、吸気管106に逆流した排気ガスの掃気を促進するためにスロットルバルブ103の開度を大きくするための補正量で、アイドル制御用の空気量の補正量として算出される。
図7は、クランク角センサ117の立下りエッジ毎に実行される処理を説明する図である。
図7において、ステップS701でクランク角センサ信号のLowレベル時間が70μsecより短いかを判定する。クランク角センサ信号のLowレベル時間は、正回転時は約45μsec、逆回転時は約90μsecであるため、70μsecを正回転か逆回転かを判断するしきい値とする。また、クランク角センサ117の有効エッジは立ち下がりであることから、今回の有効エッジに対するLowレベル時間の計測ができないため、ここでは前回のLowレベル時間の計測値に基づいて判断することになる。図5の有効エッジCの時点では、有効エッジBのLowレベル時間が正回転であるか逆回転であるかを判断することになる。
続いて図7において、クランク角センサ信号のLowレベル時間が70μsec以上の場合は、ステップS703で逆回転であると判断し、ステップS704で逆回転モードとして、逆回転モードフラグをセットする。逆回転モードフラグをセットした場合は、停止モード、始動モード、通常モードのフラグはリセットされる。
ステップS705でクランクカウンタのカウントダウン処理を実施し、ステップS706で逆回転カウンタのカウントアップ処理を実施する。なお、クランクカウンタのカウントダウン処理と、逆回転カウンタのカウントアップ処理の詳細は後述する。
ステップS701でクランク角センサ信号のLowレベル時間が70μsecより短いと判定した場合は、ステップS707で正回転であると判定する。
ステップS708でエンジン回転が600r/min以上の場合は、ステップS710で通常モードと判断し、600r/minより小さい場合は、ステップS709で始動モードと判断する。エンジン回転は、クランク角センサ信号から生成した模擬クランク角信号(図4参照)のB75タイミング毎の時間間隔から算出する。B75タイミングが2回あるまでは、エンジン回転は0r/minとしておく。
ステップS711で欠歯検出とクランクカウンタ特定処理を実施し、ステップS712でクランクカウンタのカウントアップ処理を行い、ステップS713で停止カウンタを0に設定する。なお、欠歯検出とクランクカウンタ特定処理、及びクランクカウンタのカウントアップ処理の詳細は後述する。
図8は、カム角センサ信号の立下りエッジ毎に実行される割り込み処理を説明する図で、ステップS801で欠歯間カム角カウンタに1を加算する。
図9は、停止モード判定処理を説明する図で、この処理は所定時間毎に実行される。
ステップS901で、クランク角センサ信号の入力が0.2sec以上ない場合は、ステップS902で停止モードと判定する。始動モード、通常モード、逆回転モード判定はクリアする。ステップS903で停止カウンタのカウントアップ処理を行う。この停止カウンタのカウントアップ処理の詳細は後述する。
図10は、図7のステップS711の欠歯検出とクランクカウンタ特定処理の詳細を説明する図である。
図10において、ステップS1001で、欠歯間クランクカウンタに1を加算する。欠歯間クランクカウンタは、前述のように欠歯間のクランク角センサ検出信号数をカウントしているものであって、気筒識別に用いており、欠歯を検出するごとにクリアされる。
ステップS1002で、欠歯間クランクカウンタが5以上であるかを判定する。5未満の場合は、そのままこの処理を抜ける。欠歯検出は、クランク角センサ信号の連続する3回の信号間の時間を用いて行うため、クランク角センサ信号を最小4回検出しないと正しく行えない。従って欠歯間クランクカウンタが5以上の場合のみ、欠歯検出処理を行う。
ステップS1002で欠歯間クランクカウンタが5以上の場合、ステップS1003でクランク角センサ信号周期比(△T)を次式により算出する。
△T=[{T(n−1)/T(n)}+{T(n−1)/T(n−2)}]/2
△T:クランク角センサ信号周期比
T(n):クランク角センサ信号周期(今回)
T(n−1):クランク角センサ信号周期(前回)
T(n−2):クランク角センサ信号周期(前々回)
欠歯は2歯欠けであり、欠歯部分のクランク角センサ間の角度は30degCA、欠歯でない部分のクランク角センサ間の角度は10degCAである。欠歯の次のクランク角センサ信号(図4の時点A、B、C、Dの個所)では、△Tは3前後の値となる。正確に3にならないのは周期変動があるためである。欠歯の次のクランク角センサ信号以外では、△Tは1前後または1未満となる。
ステップS1004で、△Tが2未満の場合は、欠歯でないと判断し、このままこの処理を抜ける。欠歯での△Tは約3、欠歯以外での△Tは約1または1未満であるため、しきい値を2としている。
ステップS1004で、△Tが2以上の場合は、ステップS1005でクランクカウンタが255であるかを判定する。クランクカウンタが255の場合は、ステップS1006でクランクカウンタ値の特定処理を行う。クランクカウンタ値の特定処理は、クランク位置の特定ができていない場合のみ、欠歯間クランクカウンタ数と欠歯間カム角カウンタ数を用いてクランク位置を特定する処理である。詳細は後述する。
ステップS1005でクランクカウンタが255でない場合は、クランク位置の特定は完了しているため、別処理にてクランクカウンタのカウントアップにより更新される。従ってステップS1006のクランクカウンタ値の特定処理はせずに次の処理に移行する。
ステップS1007で、欠歯間クランクカウンタをクリアし、ステップS1008で欠歯間カム角カウンタをクリアする。
図11は、図7のステップS712のクランクカウンタのカウントアップ処理の詳細を説明する図である。
図11において、ステップS1101でクランクカウンタが255でないかを判定し、255でない場合は、ステップS1102でクランクカウンタが71でないかを判定する。ステップS1102でクランクカウンタが71の場合は、ステップS1106でクランクカウンタを0にする。クランクカウンタはクランク角720degCA(2回転)間の、クランク角センサ信号の10degCA毎の信号をカウントするものであり、0から71の間でカウントする。71になれば0に戻す。
ステップS1102でクランクカウンタが71でないと判定した場合は、ステップS1103でクランクカウンタが13または25または49または61であるかを判定する。クランクカウンタがこれらに該当する場合は、ステップS1105でクランクカウンタに3を加算する。クランクカウンタが13または25または49または61の次は欠歯個所であり、クランク角センサ信号間が30degCAであるため3を加算する。
ステップS1103で、クランクカウンタが13または25または49または61に該当しない場合は、ステップS1104でクランクカウンタに1を加算する。
ステップS1101でクランクカウンタが255の場合は、クランク位置の特定ができていないため、クランクカウンタのカウントができないと判断して、この処理では何もせずに抜ける。
図12は、図7のステップS705のクランクカウンタのカウントダウン処理の詳細を説明する図である。
図12において、ステップS1201でクランクカウンタが255でないかを判定し、255でない場合は、ステップS1202でクランクカウンタが0でないかを判定する。ステップS1202でクランクカウンタが0の場合は、ステップS1206でクランクカウンタを71にする。クランクカウンタはクランク角720degCA(2回転)間の、クランク角センサ信号の10degCA毎の信号をカウントするものであり、0から71の間でカウントする。逆回転で0に到達した次は71にする。
ステップS1202でクランクカウンタが0でないと判定した場合は、ステップS1203でクランクカウンタが16または28または52または64であるかを判定する。クランクカウンタがこれらに該当する場合は、ステップS1205でクランクカウンタから3を減算する。クランクカウンタが16または28または52または64の前は欠歯個所であり、クランク角センサ信号間が30degCAであるため、3を減算する。
ステップS1203で、クランクカウンタが16または28または52または64に該当しない場合は、ステップS1204でクランクカウンタから1を減算する。
ステップS1201でクランクカウンタが255の場合は、クランク位置の特定ができていないため、クランクカウンタのカウントができないと判断して、この処理では何もせずに抜ける。
図13は、図7のステップS706の逆回転カウンタのカウントアップ処理の詳細を説明する図である。
図13において、ステップS1301で前回の逆回転モードが不成立で、今回の逆回転モードが成立したか、すなわち逆回転モードが不成立から成立に変化したかを判定する。逆回転モードが不成立から成立に変化した場合は、ステップS1302で逆回転カウンタを0にする。逆回転モードが不成立から成立に変化していない場合は、ステップS1302の逆回転カウンタの0クリアは実施しない。
ステップS1303でクランクカウンタが16または28または52または64であるかを判定する。クランクカウンタがこれらに該当する場合は、ステップS1304で逆回転カウンタに3をカウントアップする。クランクカウンタが16または28または52または64の前は欠歯個所であり、クランク角センサ信号間が30degCAであるため、3を加算する。
ステップS1303で、クランクカウンタが16または28または52または64に該当しない場合は、ステップS1305で逆回転カウンタに1をカウントアップする。
図14は、図9のステップS903の停止カウンタのカウントアップ処理の詳細を説明する図である。
図14において、ステップS1401で前回の停止モードが不成立で、今回の停止モードが成立したか、すなわち停止モードが不成立から成立に変化したかを判定する。停止モードが不成立から成立に変化した場合は、ステップS1402で停止カウンタを0にし、停止モードが不成立から成立に変化していない場合は、ステップS1402の停止カウンタの0クリアは実施しない。ステップS1403で停止カウンタに1をカウントアップする。
図15は、図10のステップS1006のクランクカウンタ値の特定処理の詳細を説明する図である。
図15において、ステップS1501で、欠歯間クランクカウンタが22でかつ欠歯間カム角カウンタが2であるかを判定する。ステップS1501でYesの場合は、ステップS1502でクランクカウンタを17に設定する。
ステップS1501でNoの場合は、ステップS1503で欠歯間クランクカウンタが10でかつ欠歯間カム角カウンタが0であるかを判定する。ステップS1503でYesの場合は、ステップS1504でクランクカウンタを29に設定し、Noの場合は、ステップS1505で欠歯間クランクカウンタが22でかつ欠歯間カム角カウンタが1であるかを判定する。
ステップS1505でYesの場合は、ステップS1506でクランクカウンタを53に設定し、Noの場合は、ステップS1507で欠歯間クランクカウンタが10でかつ欠歯間カム角カウンタが1であるかを判定する。
ステップS1507でYesの場合は、ステップS1508でクランクカウンタを65に設定し、Noの場合は、何もせずにこの処理を抜ける。クランクカウンタ値の特定処理は、クランクカウンタが255の場合、すなわちクランク位置が特定できていない場合のみに実行されるため、何もせずに抜けるということは、欠歯検出した時点では、欠歯間クランクカウンタまたは欠歯間カム角カウンタがクランク位置を特定するまで計数されていないことになる。
図16及び図17は、図7から図15で実施したクランク位置の特定情報や、モード判定情報を用いて、排気逆流量に対する補正量を算出する処理を説明する図で、図16のステップS1601〜S1609では、エンジン101が逆回転状態から停止した時にどれだけ排気ガスが逆流したか(逆流量の初期値、後述する図18の初期値)を求め、ステップS1610〜S1617では、吸気管106に逆流した排気ガスが吸気管106に残存する新気と時間経過により混ざる状態(後述する図18の1回目〜n回目)を演算する処理で、所定時間毎に実行される。
図16において、ステップS1601で、停止モードであり、かつ逆回転カウンタが0より大きいかを判定する。停止モードで、かつ逆回転カウンタが0より大きいと判定すると、ステップS1602で、停止カウンタが所定値1より小さいかを判定する。
停止カウンタと比較する所定値1は、吸気側に逆流した既燃排気ガスや未燃混合気は、逆流直後は吸気バルブ付近の吸気管106の下流側に滞留しているが、時間の経過に伴い、吸気管106の上流側へ元々吸気管106にあった新気と混合しながら徐々に逆流していくため、排気管109から吸気管106に逆流したガスがさらに吸気管106の上流側に逆流を始めるまでの時間である。
ステップS1602で停止カウンタが所定値1未満であると判定した場合は、ステップS1603で逆流行程数を以下の算出式で求めて設定する。すなわち、逆回転カウンタ/240−2と制限値の小さい方を逆流行程数に設定する。
逆流行程数=min(逆回転カウンタ/240−2,制限値)
逆回転カウンタは、逆回転したクランク角を記憶しており、エンジン101のサイクル間隔で除算すれば、逆回転行程数が求まる。上式は3気筒4サイクルエンジンの場合であり、クランク角240度で除算する。なお、240の値はエンジンの気筒数で決まり、2気筒エンジンでは720/2=360、3気筒エンジンでは720/3=240、4気筒エンジンでは720/4=180、6気筒エンジンでは720/6=120となる。
逆流行程数を算出するのに、2を減算する理由を図4で説明する。図4において、正回転時の排気行程が逆回転時の吸気行程となり、正回転時の吸気行程が逆回転時の排気行程となる。すなわち、逆回転時の吸気行程は排気バルブが開いて排気管109から吸入され、逆回転時の排気行程は吸気バルブが開いて吸気管106へ排出されることになる。逆回転時の吸気行程から排気行程の間には、圧縮行程と膨張行程があり、吸気バルブと排気バルブは共に閉じた状態であるため、その間に逆回転から正回転にもどれば、逆回転時の吸気行程で排気管109から吸気した排気ガスは、逆回転時の排気行程で吸気管106に排気されることはない。よって、逆回転時の圧縮、膨張行程は逆回転量に計数する必要はないため、2を減算する。
また、制限値は、以下の式で決まる値を予め設定しておく。
制限値=スロットルバルブから吸気バルブまでの吸気管容積/1シリンダあたりの排気量
スロットルバルブ103の下流から吸気バルブの間は、エンジン停止中はほぼ閉空間となり、それ以上の逆流量はスロットルバルブ103の上流から大気へ放出される。逆回転1行程で逆流する排気ガスの量は1シリンダ容積分であるため、スロットルバルブ103から吸気バルブまでの吸気管容積を1シリンダあたりの容積で除算すれば、吸気管106に滞留した排気ガスをエンジン正回転時に排出するのに必要な最大の行程数が制限値として求まる。
続いてステップS1604で、逆流行程数の小数点以下を切り捨てて整数値とする。いずれかのシリンダが逆流途中に正回転に戻る場合には、逆流中の排気ガスは正回転になれば、再度、排気管109に排出され、シリンダ内の排気ガスの一部が吸気管106に残ることはないため、小数点以下は切り捨てる。
ステップS1605からステップS1607で、逆回転で停止した直後の各逆回転サイクルを配列として、各サイクルの逆流比率を求める。
まず、ステップS1605で、逆流比率の配列番号の[制限値]から[制限値−逆流行程数+1]までに1を設定する。
ステップS1606で、逆流行程数が制限値より小さいか判定し、制限値より小さい場合は、ステップS1607で逆流比率の配列番号の[制限値−逆流行程数]から[1]までに0を設定する。
ステップS1608で補正行程カウンタに制限値を設定し、ステップS1609で逆流比率演算回数に0を設定する。
ステップS1602で停止カウンタが所定値1以上であると判定した場合は、ステップS1610で逆流比率演算回数を2で除算した余りが0であるかを判定する。除算した余りが0の場合はステップS1611で変数iに1を設定し、余りが0でない場合はステップS1612で変数iに2を設定する。
ステップS1613で、変数i+1が制限値以下であるかを判定し、制限値以下である場合は、ステップS1614で、
逆流比率TMP=逆流比率[i]×所定値2+逆流比率[i+1]×(1−所定値2)により逆流比率TMPを求め、ステップS1615で、
逆流比率[i+1]=逆流比率[i]×(1−所定値2)+逆流比率[i+1]×所定値2
により逆流比率[i+1]を求める。
ステップS1616で、ステップS1614で求めた逆流比率TMPを逆流比率[i]に代入し、ステップS1617で、変数iに2を加算してステップS1613に戻る。ステップS1613で、変数i+1が制限値より大きい場合は、ステップS1618で逆流比率演算回数に1を加算してこの処理を終える。
図16のステップS1610からステップS1617の処理を、図18と図19で説明する。この処理は、吸気管106に逆流した排気ガス及び未燃混合ガスが吸気管106に残存する新気と混合する状態を算出している箇所であり、数値は一例である。
図18は、逆流した排気ガスの逆流比率を行程毎に区切ってテーブルで示しており、1番目(図の左側)が吸気管106のスロットルバルブ103側、すなわち上流側、9番目(図の右側)が吸気管106の吸気バルブ側、すなわち下流側となっている。また、配列の最大値は制限値と同値であり、一般的には吸気管ボリュームは排気量の3倍程度であることから3気筒エンジンでは1シリンダ容積の9倍になるため、9としている。
初期値は、逆流した行程数が4行程を例に逆回転が停止した直後の状態を示しており、図16のステップS1605からステップS1607で、吸気バルブ側の4行程分の6から9番目は、逆流比率は排気ガスで満たされた状態の1、新気が残る1から5番目は0に設定する。この状態から、各行程容積毎に仕切られた空間同士でガス交換が行われることとして、図18の初期値から矢印のように隣り合う値同士を図16のステップS1614からステップS1616で計算していく。このときの所定値2は0.8としており、この値は実際の排気ガスと新気の混合状態で設定する値である。配列の隣通しを一通り計算し終わると1回目の値になる。そこから1回目の矢印の順で計算すると2回目の値になり、さらに矢印の順で計算すると3回目の値となる。これを繰り返すとn回目の値、即ち吸気管内の逆流ガスの比率が全行程容積で一律となる。
図19は、横軸に逆流比率テーブルの配列ナンバー、縦軸に逆流比率、すなわち図18の配列の演算回数である時間経過に対する数値の変化を表している。初期値(図19のA)は配列ナンバー1から5が0、6から9が1に設定され、演算を繰り返す毎に20回目(図19のB)、60回目(図19のC)と逆流比率テーブルの配列ナンバー間の差が徐々に小さくなり、n回目(図19のD)で均一化する。
図17に戻り、この図17は、図16で求めた逆流比率を用いて燃料噴射量を補正することと、空気量の補正を行う処理で、各気筒毎の燃料噴射量演算のタイミング毎に実施される。
図17において、ステップS1701で、補正行程カウンタが0より大きいかを判定し、ステップS1701で補正行程カウンタが0より大きい場合は、ステップS1702において補正係数を以下の式で算出する。すなわち、逆流比率の配列において、補正行程カウンタ番目の内容を、1から減算した値を補正係数に設定する。
補正係数=1−逆流比率[補正行程カウンタ]
続いて、ステップS1703で補正行程カウンタから1を減算し、ステップS1704で逆流比率が所定値3より大きいかを判定する。ステップS1704で逆流比率が所定値3より大きい場合は、ステップS1705で掃気補正量に所定値4を設定する。掃気補正量は、前述のように、吸気管106に逆流した排気ガスの掃気を促進するためにスロットルバルブ103の開度を大きくするための補正量で、アイドル制御用の空気量の補正量として算出される。逆流比率が大きい行程時のみ掃気を促進するために、逆流比率が所定値3より大きい場合のみ実施する。
ステップS1701で、補正行程カウンタが0以下の場合は、ステップS1706で補正係数を1に設定し、ステップS1707で掃気補正量に0を設定する。
補正行程カウンタが0に達していれば、エンジン逆回転時に吸気管106に逆流した排気ガスは全て排出されたか、元々逆流はなかったことになるため、補正の必要はない。
ステップS1708で燃料噴射量を求める。始動モード判定している場合は、エンジン水温毎のマップ値及びエンジン回転に応じた値を参照して求めた基本噴射量に、補正係数を乗算して燃料噴射量を求める。通常モード判定している場合は、エンジン回転と負荷とその他水温等の補正係数を乗算した値を基本噴射量として、この基本噴射量にステップS1702及びステップS1706で算出した補正係数を乗算して燃料噴射量を求める。ステップS1708で求めた燃料噴射量をもとにインジェクタを駆動して吸気管106内に燃料を供給する。
ステップS1709で、空気供給量を調整してエンジンの回転数を制御するためのISC(idle speed control)空気量を求める。始動モード判定している場合は、エンジン水温毎のマップ値を参照して求めた空気量Baseに掃気補正量を加算してISC空気量を求める。通常モード判定している場合は、基本空気量に水温補正やフィードバック補正を加減算した空気量Baseに掃気補正量を加算してISC空気量を算出し、算出したISC空気量からスロットルバルブ103の開度を算出してスロットルバルブ103を制御する。
図20は、実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を示すタイミングチャートの一例である。
図20において、時点AでスタータがONしてクランキングが開始され、始動モードと判定される。時点Bで、クランク角信号とカム角信号の歯数より気筒識別が実施されてクランク位置が特定され、クランクカウンタが設定される。時点Cで、クランキングが停止されると共に、エンジン101が上死点付近で停止しようとするタイミングでスパークプラグによる点火が実施され、エンジン101が逆回転を開始する。
時点CからDでは、エンジン101が逆回転していることにより、クランク角センサ信号は逆回転時の波形を出力し、これによりECU121は逆回転していると判断し、クランクカウンタを減少側にカウントすると共に、逆回転カウンタをカウントアップする。時点Dで、エンジン101の逆回転が停止し、クランク角センサの入力がなくなるため、クランクカウンタと逆回転カウンタのカウントが停止する。
時点Eで、エンジン101の回転が停止してクランク角センサ入力がなくなってから0.2secが経過したことで、停止モードと判定すると共に、停止カウンタがカウントを開始する。また、逆流比率が算出される。時点Fで、停止カウンタが所定値以上となったことで逆流比率が排気ガスと新気の混合過程の計算を開始する。逆流比率の実線は最も吸気バルブに近い(下流)側の演算値を示し、破線は最もスロットルバルブ103に近い(上流)側の演算値を示している。なお、最下流と最上流以外の演算値は割愛している。吸気バルブに近い側の演算値とスロットルバルブ103に近い側の演算値の両者とも、時間の経過と共に均一値に収束していく。
時点Gで、再度スタータがONされて始動モードになると共に、停止カウンタがカウントを停止する。時点Hで、再始動を開始後に最初の燃料噴射タイミングとなり、補正係数を算出して補正係数を乗算して補正した燃料噴射量をインジェクタ108より噴射開始する。また、掃気補正量によりスロットル開度が補正される。
時点HからIは、燃料噴射のタイミング毎に補正係数を燃料噴射量に乗算して補正した燃料噴射量で燃料を噴射すると共に、掃気補正量を加算したISC空気量により電子スロットルを制御する。時点Jでは、制限値回の補正が終了し、逆流した排気ガスは全て排気管109へ排出されたため、補正係数を1にして、掃気補正量を0にする。
図21は、図20よりエンジン101の逆回転行程である時点CからDが短い場合のタイミングチャートを示す。
この場合は、時点Eで算出される逆流比率のテーブルに1が設定される行程数が少ないため、時点Gで、逆流比率の実線(吸気管106の上流側)と破線(吸気管106の下流側)が均一化して収束する比率が図20より小さい値となり、補正係数は図20より大きい値となる。掃気補正量は、判定式(逆流比率>所定値3)に対し所定値3を0.4に設定すると、掃気補正量は設定されない。
図22は、図20よりエンジン101が逆回転してからの停止期間である時点DからGが短い場合のタイミングチャートである。
この場合は、エンジン停止時間が短いため、図20での時点FからGの吸気管106に逆流した排気ガスが吸気管106の密閉空間で新気と混合するまでに次の始動に移行するため、逆流した排気ガスは吸気管106の下流側に滞留していることで、始動開始の初期に補正係数を図20の場合より小さくして、補正の期間を短くすると共に、補正係数の1.0への戻しを早くすることで、吸気管106内の排気ガスの残留分布に対応した補正としている。
図23は、図20と図22の間のタイミングで始動を開始することで、時点DからGが図20より短く、図22より長い場合のタイミングチャートを示す。
この場合は、時点Fから吸気管106に逆流した排気ガスが吸気管106の中で新気と混合するが、均一化する前に再始動が実施されることから、逆流比率の実線(下流側)と破線(上流側)の値が異なることになる。吸気管106の下流側で排気ガスが多く(新気が少なく)、上流側で排気ガスが少ない(新気が多い)状態となっており、行程毎に異なる逆流比率に対して、始動初期は補正係数が小さく、始動後期は補正係数が大きくなる。掃気補正量は、始動初期の逆流比率が大きい行程のみ設定されることになる。
以上詳述したように、実施の形態1による内燃機関の制御装置によれば、エンジン101の逆回転量に応じて始動時燃料噴射量の補正係数を算出することで、エンジン逆回転による排気既燃ガス及び排気未燃混合気が吸気管106に逆流し、エンジン始動時に吸入する新気の量が減少しているにもかかわらず、新気の量に見合った燃料量を噴射して燃料過多となる始動時間が長くなることや、始動できないことが防止できる。また、始動時の空気と燃料の混合比が適正化されることで、始動遅れや始動不可である状態を解消できると共に、始動時の燃料量が適正化されて排ガス悪化が改善されることになる。
図24及び図25は、従来技術において説明した図26及び図27と対比させることによって、前記特徴を説明するものである。
実施の形態1による内燃機関の制御装置は、図24及び図25に示すように、エンジン101の逆回転量を検出して、逆回転量に応じて再始動からの燃料噴射量を補正することで、逆回転により吸気系に再吸入された排気既燃ガスや燃焼せずにそのまま排気された未燃混合気の量に応じた補正が可能となるため、逆回転量によらず安定した始動性を得ることが可能となる。図24と図25では、逆回転の期間である時点Bから時点Dの長さが異なり、図24の逆回転量はA、図25の逆回転量はBであり、A<Bとなっている。補正量はそれぞれ時点Cと時点Dであり、図24では逆回転量Aより補正量Cを求め、図25では逆回転量Bより補正量Dを求めている。従って、C<Dとなる。このように、逆回転量に応じた補正量を求めることで、逆回転による逆流排気ガスや逆流未燃混合気の量に応じた補正が可能となって、図24と図25のように逆回転量が異なっても空燃比は安定することになる。
また、エンジン逆回転後の停止期間に応じて補正係数が変化するようにすることで、エンジン101が逆回転して停止した直後と、エンジン101が逆回転して停止してから時間が経過した後の逆流排気ガスと新気の混合状態が異なることに対する補正が可能となり、始動時の空気と燃料の混合比が適正化されることで、始動遅れや始動不可である状態を解消できると共に、始動時の燃料量が適正化されることで排ガス悪化が改善されることになる。
また、エンジン逆回転後の停止中の吸気管106に逆流した排気ガスと残存する新気の混合状態を推定して逆流比率を算出することで、再始動時の各行程の新気に見合った補正係数を算出でき、始動時の空気と燃料の混合比が適正化されることで、始動遅れや始動不可である状態を解消できると共に、始動時の燃料量が適正化されることで排ガス悪化が改善されることになる。
また、吸気管106のスロットルバルブ103から吸気バルブ間の容積と、1シリンダ容積の比を逆流行程数の上限値とすることで、ほぼ密閉空間となる吸気管106のスロットルバルブ103から吸気バルブ間に滞留する残留排気ガスの各行程毎に占める割合に応じた補正を行うことができるため、始動遅れや始動不可である状態を解消できると共に、始動時の燃料量が適正化されることで排ガス悪化が改善されることになる。
また、排気ガスが逆流する行程数は、エンジン101が逆回転した行程数から2を減算した数にすることで、エンジン逆回転時に排気管109からシリンダ内に吸入した排気ガスを吸気管106に排出するまでの遅れ行程数である2行程分を考慮できることになるため、始動遅れや始動不可である状態を解消できると共に、始動時の燃料量が適正化されることで排ガス悪化が改善されることになる。
また、逆流比率が大きい行程における再始動時の行程においては、掃気補正量を加算したスロットルバルブ103の開度とすることで、吸気管106に逆流した排気ガスの排出遅れを解消することが出来るため、始動遅れや始動不可である状態を解消できると共に、始動時の燃料量が適正化されることで排ガス悪化が改善されることになる。
以上、この発明の実施の形態について詳細に説明したが、この発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
101 内燃機関(エンジン)、102 エアクリーナ、103 スロットルバルブ、104 スロットル開度センサ、105 サージタンク、106 吸気管、107 圧力センサ、108 インジェクタ、109 排気管、110 フロントO2センサ、111 リアO2センサ、112 三元触媒、113 点火コイル、114 点火プラグ、115 カム角センサ、116 カム角センサプレート、117 クランク角センサ、118 クランク角センサプレート、119 冷却水、120 水温センサ、121 コントロールユニット。
この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、内燃機関の始動早期化のための燃料噴射量を制御する内燃機関の制御装置に関するものである。
従来の内燃機関の制御装置においては、例えば特開平5−312068号公報(特許文献1)に開示されているように、始動時の燃料噴射量制御装置は、エンジンが逆回転した後の再始動時に、逆回転前の始動時の燃料噴射積算量と、始動後の燃料噴射積算量の和より、逆回転時の燃料噴射量に対する遅れタイミングと補正量を決定するものである。
特開平5−312068号公報
前記特許文献1に開示された従来の始動時の燃料噴射量制御装置の動作の一例を図26及び図27により説明する。
図26において、時点Aでスタータを駆動し始めると共に、始動時燃料が噴射されて始動時燃料の積算値が更新され始める。時点Bでスタータが停止し、始動時燃料の積算が停止すると共に、燃料噴射は始動後燃料に切替り、始動後燃料の積算更新が開始される。また、圧縮上死点付近でエンジンの回転が停止しようとして、そのタイミングで点火されることでエンジンが逆回転を開始する。時点Cでは逆回転をしたことを判定し、その時点で始動後燃料の積算が停止すると共に、総燃料積算量として、始動時燃料aと始動後燃料bの和(a+b)が設定される。時点Dで逆回転が停止し、時点Eでは再度スタータの駆動によりエンジンが正回転を始めると共に、総燃料積算量が減量を始める。時点Fでスタータが停止し、時点Gで逆回転判定が不成立となった時点で総燃料積算量がクリアされる。
時点Eからの始動では、時点Aからの始動時により積算された総燃料積算量を元に設定された補正係数により補正された燃料噴射量で燃料噴射を行う。これは、時点Eの始動においては、それ以前に噴射された燃料量が吸気管内に付着して残っているため、この付着燃料量が時点Eからの始動時のシリンダ内に供給されることを見越して補正を行うことで適正な燃料量にするためである。
図27は、図26より逆回転量が多い(時点CからDの間が長い)場合である。従来技術においては、逆回転量によらず総燃料積算量(a+b)は同じになるため、時点Eからの再始動時の燃料補正係数は同じになる。これは、正回転時の始動時積算燃料量と逆回転判定するまでの逆回転時の始動後積算燃料量とに基づいて補正係数を設定しているためである。
しかしながら、エンジンの始動性は燃料量のみでは決まらず、燃料と吸入空気量の比率である空燃比で決まる。逆回転量が多くなると、吸気系に逆流する既燃ガスの量や、未燃の混合気の量が多くなることでシリンダに吸入される新気の量が減少するため、逆回転量が少ない図26では空燃比が適正であるのに対し、逆回転量が多くなる図27では空燃比が低下(燃料が過剰)となるため、始動性が悪化するという問題があった。
この発明は、前記問題を解決するためになされたもので、エンジンの逆回転量を検出して、逆回転量に応じて再始動からの燃料噴射量を補正することにより、逆回転量によらず安定した始動性を得る内燃機関の制御装置を得ることを目的とするものである。
この発明による内燃機関の制御装置は、内燃機関に燃料を供給する燃料噴射手段と、前記内燃機関の回転を含む運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記内燃機関の始動時であるか否かを判断する始動時判断手段と、前記始動時判断手段により、前記内燃機関が始動時であるか否かに応じて前記内燃機関への燃料供給量を算出すると共に、前記燃料噴射手段を駆動制御する噴射制御手段と、を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記内燃機関が逆回転であるか否かを判断する逆回転判断手段と、内燃機関のスロットルバルブから吸気バルブまでの吸気管容積/1シリンダあたりの排気量を制限値とし、{内燃機関の逆回転の値/(720/内燃機関の気筒数)}−2の値と前記制限値の小さい方を逆流行程数として、前記逆回転判断手段で逆回転であると判断した時に、前記内燃機関の逆流行程数を検出する逆流量検出手段と、前記逆流量検出手段で検出した前記逆流行程数に基づき、前記噴射制御手段で設定される前記燃料供給量を減量補正する燃料減量補正手段と、を備えたものである。
この発明による内燃機関の制御装置によれば、エンジンの逆回転量を検出して、逆回転量に応じて再始動からの燃料噴射量を補正することで、逆回転により吸気系に再吸入された排気既燃ガスや燃焼せずにそのまま排気された未燃混合気の量に応じた補正が可能となるため、逆回転量によらず安定した始動性を得ることが可能となる。また、逆回転量が異なっても空燃比は安定することになる。
この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の全体構成図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置のブロック図である。 図2に対応する従来の内燃機関の制御装置のブロック図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における各気筒の行程と、クランク角センサ信号、カム角センサ信号及び燃料噴射と点火タイミングを表す図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置におけるクランク角センサの出力を説明する図である。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置で実行されるプログラムの実行手順を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明する図である。 従来の内燃機関の制御装置における始動時の燃料噴射量制御装置の動作を説明する図である。 従来の内燃機関の制御装置における始動時の燃料噴射量制御装置の動作を説明する図である。
以下、この発明による内燃機関の制御装置の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の全体構成図である。図1において、符号101は内燃機関(以下の説明では、エンジンともいう。)を示し、符号102は内燃機関101が吸入する空気を浄化するエアクリーナ、符号103は内燃機関101が吸入する空気量を調整するスロットルバルブを示している。スロットルバルブ103は、モータ(図示せず)により開度が調整され、スロットル開度センサ104により開度が検出される。
符号105は吸気管106内の圧力の急変や脈動抑制を行うサージタンク、符号107はスロットルバルブ下流の吸気管106の圧力を計測する圧力センサ、符号108は内燃機関101が吸入する空気に燃料を供給し、混合気を形成するインジェクタ、符号109は排気管、符号110は内燃機関101から排出する排気ガスの残存空気量を計量するフロントO2センサを示している。符号111はリアO2センサで、排気ガスの有害成分であるHC、CO、NOxを無害なCO2、H2Oに変換する三元触媒112を通過した後の排気ガス中の残存空気量を計量する。
また、符号113は一次コイルの電流を通電、遮断することで二次コイルに高電圧を発生させる点火コイル、符号114は点火コイル113で発生した高電圧によって火花を発生させる点火プラグ、符号115はカム角信号を発生するカム角センサ、符号116はカム角センサ115で信号を発生させるための突起もしくは窪みが形成されたカム角センサプレートである。
また、符号117はクランク角信号を発生するクランク角センサ、符号118はクランク角センサ117で信号を発生させるための突起もしくは窪みが形成されたクランク角センサプレート、符号119は内燃機関101を冷却するための冷却水、符号120は冷却水119の温度を検出する水温センサ、符号121はコントロールユニット(以下ECUという。)を示し、ECU121は、カム角センサ115、クランク角センサ117、圧力センサ107、フロントO2センサ110、リアO2センサ111、水温センサ120、スロットル開度センサ104等の信号を入力し、燃料噴射量、点火タイミング、スロットル開度等を演算し、インジェクタ108、点火コイル113、スロットルバルブモータに信号を出力する。
図2は、実施の形態1による内燃機関の制御装置のブロック図であって、ECU121がその役割を果たす。図2において、運転状態検出手段201は、クランク角センサ117の信号から求めたエンジン回転、圧力センサ107の信号から求めたエンジン負荷、水温センサ120の信号から求めた水温等から内燃機関101の運転状態を検出する。始動時判断手段202は、運転状態検出手段201からのエンジン回転情報をもとに、始動時であるかを判断する。逆転判断手段203は、クランク角センサ117の信号情報をもとに内燃機関101が正回転状態にあるか、逆回転状態にあるかを判断するものである。
逆流量検出手段204は、逆転判断手段203が逆回転状態であると判断した場合に、吸気管106に逆流する排気ガスの逆流行程数を検出し、燃料減量補正手段205は、逆流量検出手段204が検出した逆流量をもとに、燃料噴射量の減量補正係数を算出する。また、噴射制御手段206は、始動時は水温及び回転等から内燃機関101に供給する燃料量を決定し、始動時でない場合は吸気管圧力と回転及び水温その他から内燃機関101に供給する燃料量を決定し、燃料減量補正手段205で求めた減量補正係数を減量して、燃料噴射量を決定するものである。噴射制御手段206で決定された燃料噴射量は燃料噴射手段207から噴射される。噴射制御手段206で決定された燃料噴射量は、インジェクタ108への信号に変換される。なお、図3は、図2に対応する従来の内燃機関の制御装置のブロック図であり、逆流量検出手段204が備えられていない点以外は図2と同様で、同一符号を付すことにより説明を省略する。
図4は、本実施の形態における各気筒の行程と、クランク角センサ信号、カム角センサ信号及び燃料噴射と点火タイミングを表す図である。本実施の形態では、#1から#3の3気筒からなる3気筒4サイクルエンジンが使用される。なお、図4の「B75」、「B5」、「B195」は、それぞれ「BTDC(Before Top Dead Center)75deg」、「BTDC5deg」、「BDTC195deg」を表している。
クランク角センサ117の信号は、クランク角度10度毎にHiからLowに切替る信号を発生させ、ECU121はその立下り信号を入力する。カム角センサ115の信号は所定のタイミングでHiからLowに切替る信号を発生させ、ECU121はその立下り信号を入力する。クランク角信号は特定クランク角のみ信号が発生しないようにしてあり、そのタイミングとカム角センサ信号によりクランク角を特定している。特定したクランク角は、クランクカウンタとして0から71の間でカウントされる。
4サイクルエンジンは各気筒毎に吸気、圧縮、燃焼、排気の各行程をエンジン2回転、すなわちクランク角720度で行う。よって、クランクカウンタは10度毎のクランク角を計数するために0から71をカウントする。
正回転時の吸気行程は逆回転時の排気行程、正回転時の圧縮行程は逆回転時の膨張行程、正回転時の燃焼行程は逆回転時の圧縮行程、正回転時の排気行程は逆回転時の吸気行程となる。逆回転時の吸気行程は排気管109からの吸気、逆回転時の排気行程は吸気管106への排気となる。判別した気筒、すなわちクランクカウンタの値にしたがって、正回転時の吸気行程の燃料噴射、正回転時の圧縮上死点付近での点火を行うように、インジェクタ108と点火コイル113の制御を行う。
図5は、本実施の形態におけるクランク角センサ117の出力を説明する図で、(a)で示す1段目のクランク角センサプレートは、図1のクランク角センサプレート118を平面展開したものであり、数値はそれぞれの歯を示している。ここでは、正回転時と逆回転時の動作を説明するための数値であって、クランクカウンタの値とは無関係である。(b)で示す2段目の回転方向は、クランク角センサプレート118が回転することでクランク角センサ117が矢印の方向で移動していることを示す。正回転からクランク角センサプレート118の2と3の間で逆回転に転じている。
(c)で示す3段目の矢印は、(b)の回転方向に沿った場合の回転方向を示し、(d)で示す4段目は、正回転または逆回転した状態でのクランク角センサ117の歯を左から右に時間軸のイメージで展開したものである。また、(e)で示す5段目は、(d)のクランク角センサプレート118に対するクランク角センサ117の出力信号を示したものである。
クランク角センサ出力信号は正回転時と逆回転時でLowレベルの期間が異なり、正回転時は約45μsec、逆回転時は約90μsecとなる。このLowレベルの時間を計測することでエンジンが正回転状態にあるのか、逆回転状態にあるのかが判別できる。
図6から図17は、実施の形態1の内燃機関の制御装置を説明するフローチャートで、ECU121に内蔵するマイクロコンピュータが実行するプログラムの実行手順を示す。
図6は、イグニッションスイッチ(図示せず)が運転者によりONされて、ECU121に電源が供給された最初に実行させる処理を説明する図である。
図6において、ステップS601でクランクカウンタを255にセットする。クランクカウンタは、クランク角センサ117の信号が入力される毎にカウントされるカウンタであり、動作については後述する。
次に、ステップS602で欠歯間クランクカウンタを0にする。欠歯間クランクカウンタは、クランク角センサ信号の欠歯間のクランク角センサ検出数をカウントするカウンタである。
次に、ステップS603で欠歯間カム角カウンタを0にする。欠歯間カム角カウンタは、欠歯間のカム角センサ検出数をカウントするカウンタである。
次に、ステップS604で停止カウンタを0にする。停止カウンタはエンジン停止時の期間をカウントするカウンタである。
次に、ステップS605で逆回転カウンタを0にする。逆回転カウンタはエンジン101が逆回転するクランク角をカウントするカウンタである。
次に、ステップS606で停止モードに設定する。エンジンの制御モードは、停止モード、始動モード、通常モード、逆回転モードがあるが、各モードは排他的に設定される。すなわち、停止モードが設定された場合は、始動モード、通常モード、逆回転モードは設定されない。
次に、ステップS607で補正係数を1.0に設定し、ステップS608で掃気補正量を0に設定する。そして、ステップS609で逆流比率演算回数に0を設定する。なお、掃気補正量は、吸気管106に逆流した排気ガスの掃気を促進するためにスロットルバルブ103の開度を大きくするための補正量で、アイドル制御用の空気量の補正量として算出される。
図7は、クランク角センサ117の立下りエッジ毎に実行される処理を説明する図である。
図7において、ステップS701でクランク角センサ信号のLowレベル時間が70μsecより短いかを判定する。クランク角センサ信号のLowレベル時間は、正回転時は約45μsec、逆回転時は約90μsecであるため、70μsecを正回転か逆回転かを判断するしきい値とする。また、クランク角センサ117の有効エッジは立ち下がりであることから、今回の有効エッジに対するLowレベル時間の計測ができないため、ここでは前回のLowレベル時間の計測値に基づいて判断することになる。図5の有効エッジCの時点では、有効エッジBのLowレベル時間が正回転であるか逆回転であるかを判断することになる。
続いて図7において、クランク角センサ信号のLowレベル時間が70μsec以上の場合は、ステップS703で逆回転であると判断し、ステップS704で逆回転モードとして、逆回転モードフラグをセットする。逆回転モードフラグをセットした場合は、停止モード、始動モード、通常モードのフラグはリセットされる。
ステップS705でクランクカウンタのカウントダウン処理を実施し、ステップS706で逆回転カウンタのカウントアップ処理を実施する。なお、クランクカウンタのカウントダウン処理と、逆回転カウンタのカウントアップ処理の詳細は後述する。
ステップS701でクランク角センサ信号のLowレベル時間が70μsecより短いと判定した場合は、ステップS707で正回転であると判定する。
ステップS708でエンジン回転が600r/min以上の場合は、ステップS710で通常モードと判断し、600r/minより小さい場合は、ステップS709で始動モードと判断する。エンジン回転は、クランク角センサ信号から生成した模擬クランク角信号(図4参照)のB75タイミング毎の時間間隔から算出する。B75タイミングが2回あるまでは、エンジン回転は0r/minとしておく。
ステップS711で欠歯検出とクランクカウンタ特定処理を実施し、ステップS712でクランクカウンタのカウントアップ処理を行い、ステップS713で停止カウンタを0に設定する。なお、欠歯検出とクランクカウンタ特定処理、及びクランクカウンタのカウントアップ処理の詳細は後述する。
図8は、カム角センサ信号の立下りエッジ毎に実行される割り込み処理を説明する図で、ステップS801で欠歯間カム角カウンタに1を加算する。
図9は、停止モード判定処理を説明する図で、この処理は所定時間毎に実行される。
ステップS901で、クランク角センサ信号の入力が0.2sec以上ない場合は、ステップS902で停止モードと判定する。始動モード、通常モード、逆回転モード判定はクリアする。ステップS903で停止カウンタのカウントアップ処理を行う。この停止カウンタのカウントアップ処理の詳細は後述する。
図10は、図7のステップS711の欠歯検出とクランクカウンタ特定処理の詳細を説明する図である。
図10において、ステップS1001で、欠歯間クランクカウンタに1を加算する。欠歯間クランクカウンタは、前述のように欠歯間のクランク角センサ検出信号数をカウントしているものであって、気筒識別に用いており、欠歯を検出するごとにクリアされる。
ステップS1002で、欠歯間クランクカウンタが5以上であるかを判定する。5未満の場合は、そのままこの処理を抜ける。欠歯検出は、クランク角センサ信号の連続する3回の信号間の時間を用いて行うため、クランク角センサ信号を最小4回検出しないと正しく行えない。従って欠歯間クランクカウンタが5以上の場合のみ、欠歯検出処理を行う。
ステップS1002で欠歯間クランクカウンタが5以上の場合、ステップS1003でクランク角センサ信号周期比(△T)を次式により算出する。
△T=[{T(n−1)/T(n)}+{T(n−1)/T(n−2)}]/2
△T:クランク角センサ信号周期比
T(n):クランク角センサ信号周期(今回)
T(n−1):クランク角センサ信号周期(前回)
T(n−2):クランク角センサ信号周期(前々回)
欠歯は2歯欠けであり、欠歯部分のクランク角センサ間の角度は30degCA、欠歯でない部分のクランク角センサ間の角度は10degCAである。欠歯の次のクランク角センサ信号(図4の時点A、B、C、Dの個所)では、△Tは3前後の値となる。正確に3にならないのは周期変動があるためである。欠歯の次のクランク角センサ信号以外では、△Tは1前後または1未満となる。
ステップS1004で、△Tが2未満の場合は、欠歯でないと判断し、このままこの処理を抜ける。欠歯での△Tは約3、欠歯以外での△Tは約1または1未満であるため、しきい値を2としている。
ステップS1004で、△Tが2以上の場合は、ステップS1005でクランクカウンタが255であるかを判定する。クランクカウンタが255の場合は、ステップS1006でクランクカウンタ値の特定処理を行う。クランクカウンタ値の特定処理は、クランク位置の特定ができていない場合のみ、欠歯間クランクカウンタ数と欠歯間カム角カウンタ数を用いてクランク位置を特定する処理である。詳細は後述する。
ステップS1005でクランクカウンタが255でない場合は、クランク位置の特定は完了しているため、別処理にてクランクカウンタのカウントアップにより更新される。従ってステップS1006のクランクカウンタ値の特定処理はせずに次の処理に移行する。
ステップS1007で、欠歯間クランクカウンタをクリアし、ステップS1008で欠歯間カム角カウンタをクリアする。
図11は、図7のステップS712のクランクカウンタのカウントアップ処理の詳細を説明する図である。
図11において、ステップS1101でクランクカウンタが255でないかを判定し、255でない場合は、ステップS1102でクランクカウンタが71でないかを判定する。ステップS1102でクランクカウンタが71の場合は、ステップS1106でクランクカウンタを0にする。クランクカウンタはクランク角720degCA(2回転)間の、クランク角センサ信号の10degCA毎の信号をカウントするものであり、0から71の間でカウントする。71になれば0に戻す。
ステップS1102でクランクカウンタが71でないと判定した場合は、ステップS1103でクランクカウンタが13または25または49または61であるかを判定する。
クランクカウンタがこれらに該当する場合は、ステップS1105でクランクカウンタに3を加算する。クランクカウンタが13または25または49または61の次は欠歯個所であり、クランク角センサ信号間が30degCAであるため3を加算する。
ステップS1103で、クランクカウンタが13または25または49または61に該当しない場合は、ステップS1104でクランクカウンタに1を加算する。
ステップS1101でクランクカウンタが255の場合は、クランク位置の特定ができていないため、クランクカウンタのカウントができないと判断して、この処理では何もせずに抜ける。
図12は、図7のステップS705のクランクカウンタのカウントダウン処理の詳細を説明する図である。
図12において、ステップS1201でクランクカウンタが255でないかを判定し、255でない場合は、ステップS1202でクランクカウンタが0でないかを判定する。
ステップS1202でクランクカウンタが0の場合は、ステップS1206でクランクカウンタを71にする。クランクカウンタはクランク角720degCA(2回転)間の、クランク角センサ信号の10degCA毎の信号をカウントするものであり、0から71の間でカウントする。逆回転で0に到達した次は71にする。
ステップS1202でクランクカウンタが0でないと判定した場合は、ステップS1203でクランクカウンタが16または28または52または64であるかを判定する。クランクカウンタがこれらに該当する場合は、ステップS1205でクランクカウンタから3を減算する。クランクカウンタが16または28または52または64の前は欠歯個所であり、クランク角センサ信号間が30degCAであるため、3を減算する。
ステップS1203で、クランクカウンタが16または28または52または64に該当しない場合は、ステップS1204でクランクカウンタから1を減算する。
ステップS1201でクランクカウンタが255の場合は、クランク位置の特定ができていないため、クランクカウンタのカウントができないと判断して、この処理では何もせずに抜ける。
図13は、図7のステップS706の逆回転カウンタのカウントアップ処理の詳細を説明する図である。
図13において、ステップS1301で前回の逆回転モードが不成立で、今回の逆回転モードが成立したか、すなわち逆回転モードが不成立から成立に変化したかを判定する。逆回転モードが不成立から成立に変化した場合は、ステップS1302で逆回転カウンタを0にする。逆回転モードが不成立から成立に変化していない場合は、ステップS1302の逆回転カウンタの0クリアは実施しない。
ステップS1303でクランクカウンタが16または28または52または64であるかを判定する。クランクカウンタがこれらに該当する場合は、ステップS1304で逆回転カウンタに3をカウントアップする。クランクカウンタが16または28または52または64の前は欠歯個所であり、クランク角センサ信号間が30degCAであるため、3を加算する。
ステップS1303で、クランクカウンタが16または28または52または64に該当しない場合は、ステップS1305で逆回転カウンタに1をカウントアップする。
図14は、図9のステップS903の停止カウンタのカウントアップ処理の詳細を説明する図である。
図14において、ステップS1401で前回の停止モードが不成立で、今回の停止モードが成立したか、すなわち停止モードが不成立から成立に変化したかを判定する。停止モードが不成立から成立に変化した場合は、ステップS1402で停止カウンタを0にし、停止モードが不成立から成立に変化していない場合は、ステップS1402の停止カウンタの0クリアは実施しない。ステップS1403で停止カウンタに1をカウントアップする。
図15は、図10のステップS1006のクランクカウンタ値の特定処理の詳細を説明する図である。
図15において、ステップS1501で、欠歯間クランクカウンタが22でかつ欠歯間カム角カウンタが2であるかを判定する。ステップS1501でYesの場合は、ステップS1502でクランクカウンタを17に設定する。
ステップS1501でNoの場合は、ステップS1503で欠歯間クランクカウンタが10でかつ欠歯間カム角カウンタが0であるかを判定する。ステップS1503でYesの場合は、ステップS1504でクランクカウンタを29に設定し、Noの場合は、ステップS1505で欠歯間クランクカウンタが22でかつ欠歯間カム角カウンタが1であるかを判定する。
ステップS1505でYesの場合は、ステップS1506でクランクカウンタを53に設定し、Noの場合は、ステップS1507で欠歯間クランクカウンタが10でかつ欠歯間カム角カウンタが1であるかを判定する。
ステップS1507でYesの場合は、ステップS1508でクランクカウンタを65に設定し、Noの場合は、何もせずにこの処理を抜ける。クランクカウンタ値の特定処理は、クランクカウンタが255の場合、すなわちクランク位置が特定できていない場合のみに実行されるため、何もせずに抜けるということは、欠歯検出した時点では、欠歯間クランクカウンタまたは欠歯間カム角カウンタがクランク位置を特定するまで計数されていないことになる。
図16及び図17は、図7から図15で実施したクランク位置の特定情報や、モード判定情報を用いて、排気逆流量に対する補正量を算出する処理を説明する図で、図16のステップS1601〜S1609では、エンジン101が逆回転状態から停止した時にどれだけ排気ガスが逆流したか(逆流量の初期値、後述する図18の初期値)を求め、ステップS1610〜S1617では、吸気管106に逆流した排気ガスが吸気管106に残存する新気と時間経過により混ざる状態(後述する図18の1回目〜n回目)を演算する処理で、所定時間毎に実行される。
図16において、ステップS1601で、停止モードであり、かつ逆回転カウンタが0より大きいかを判定する。停止モードで、かつ逆回転カウンタが0より大きいと判定すると、ステップS1602で、停止カウンタが第1所定値より小さいかを判定する。
停止カウンタと比較する第1所定値は、吸気側に逆流した既燃排気ガスや未燃混合気は、逆流直後は吸気バルブ付近の吸気管106の下流側に滞留しているが、時間の経過に伴い、吸気管106の上流側へ元々吸気管106にあった新気と混合しながら徐々に逆流していくため、排気管109から吸気管106に逆流したガスがさらに吸気管106の上流側に逆流を始めるまでの時間である。
ステップS1602で停止カウンタが第1所定値未満であると判定した場合は、ステップS1603で逆流行程数を以下の算出式で求めて設定する。すなわち、逆回転カウンタ/240−2と制限値の小さい方を逆流行程数に設定する。
逆流行程数=min(逆回転カウンタ/240−2,制限値)
逆回転カウンタは、逆回転したクランク角を記憶しており、エンジン101のサイクル間隔で除算すれば、逆回転行程数が求まる。上式は3気筒4サイクルエンジンの場合であり、クランク角240度で除算する。なお、240の値はエンジンの気筒数で決まり、2気筒エンジンでは720/2=360、3気筒エンジンでは720/3=240、4気筒エンジンでは720/4=180、6気筒エンジンでは720/6=120となる。
逆流行程数を算出するのに、2を減算する理由を図4で説明する。図4において、正回転時の排気行程が逆回転時の吸気行程となり、正回転時の吸気行程が逆回転時の排気行程となる。すなわち、逆回転時の吸気行程は排気バルブが開いて排気管109から吸入され、逆回転時の排気行程は吸気バルブが開いて吸気管106へ排出されることになる。逆回転時の吸気行程から排気行程の間には、圧縮行程と膨張行程があり、吸気バルブと排気バルブは共に閉じた状態であるため、その間に逆回転から正回転にもどれば、逆回転時の吸気行程で排気管109から吸気した排気ガスは、逆回転時の排気行程で吸気管106に排気されることはない。よって、逆回転時の圧縮、膨張行程は逆回転量に計数する必要はないため、2を減算する。
また、制限値は、以下の式で決まる値を予め設定しておく。
制限値=スロットルバルブから吸気バルブまでの吸気管容積/1シリンダあたりの排気量
スロットルバルブ103の下流から吸気バルブの間は、エンジン停止中はほぼ閉空間となり、それ以上の逆流量はスロットルバルブ103の上流から大気へ放出される。逆回転1行程で逆流する排気ガスの量は1シリンダ容積分であるため、スロットルバルブ103から吸気バルブまでの吸気管容積を1シリンダあたりの容積で除算すれば、吸気管106に滞留した排気ガスをエンジン正回転時に排出するのに必要な最大の行程数が制限値として求まる。
続いてステップS1604で、逆流行程数の小数点以下を切り捨てて整数値とする。いずれかのシリンダが逆流途中に正回転に戻る場合には、逆流中の排気ガスは正回転になれば、再度、排気管109に排出され、シリンダ内の排気ガスの一部が吸気管106に残ることはないため、小数点以下は切り捨てる。
ステップS1605からステップS1607で、逆回転で停止した直後の各逆回転サイクルを配列として、各サイクルの逆流比率を求める。
まず、ステップS1605で、逆流比率の配列番号の[制限値]から[制限値−逆流行程数+1]までに1を設定する。
ステップS1606で、逆流行程数が制限値より小さいか判定し、制限値より小さい場合は、ステップS1607で逆流比率の配列番号の[制限値−逆流行程数]から[1]までに0を設定する。
ステップS1608で補正行程カウンタに制限値を設定し、ステップS1609で逆流比率演算回数に0を設定する。
ステップS1602で停止カウンタが第1所定値以上であると判定した場合は、ステップS1610で逆流比率演算回数を2で除算した余りが0であるかを判定する。除算した余りが0の場合はステップS1611で変数iに1を設定し、余りが0でない場合はステップS1612で変数iに2を設定する。
ステップS1613で、変数i+1が制限値以下であるかを判定し、制限値以下である場合は、ステップS1614で、
逆流比率TMP=逆流比率[i]×第2所定値+逆流比率[i+1]×(1−第2所定値)により逆流比率TMPを求め、ステップS1615で、
逆流比率[i+1]=逆流比率[i]×(1−第2所定値)+逆流比率[i+1]×第2所定値により逆流比率[i+1]を求める。
ステップS1616で、ステップS1614で求めた逆流比率TMPを逆流比率[i]に代入し、ステップS1617で、変数iに2を加算してステップS1613に戻る。ステップS1613で、変数i+1が制限値より大きい場合は、ステップS1618で逆流比率演算回数に1を加算してこの処理を終える。
図16のステップS1610からステップS1617の処理を、図18と図19で説明する。この処理は、吸気管106に逆流した排気ガス及び未燃混合ガスが吸気管106に残存する新気と混合する状態を算出している箇所であり、数値は一例である。
図18は、逆流した排気ガスの逆流比率を行程毎に区切ってテーブルで示しており、1番目(図の左側)が吸気管106のスロットルバルブ103側、すなわち上流側、9番目(図の右側)が吸気管106の吸気バルブ側、すなわち下流側となっている。また、配列の最大値は制限値と同値であり、一般的には吸気管ボリュームは排気量の3倍程度であることから3気筒エンジンでは1シリンダ容積の9倍になるため、9としている。
初期値は、逆流した行程数が4行程を例に逆回転が停止した直後の状態を示しており、図16のステップS1605からステップS1607で、吸気バルブ側の4行程分の6から9番目は、逆流比率は排気ガスで満たされた状態の1、新気が残る1から5番目は0に設定する。この状態から、各行程容積毎に仕切られた空間同士でガス交換が行われることとして、図18の初期値から矢印のように隣り合う値同士を図16のステップS1614からステップS1616で計算していく。このときの第2所定値は0.8としており、この値は実際の排気ガスと新気の混合状態で設定する値である。配列の隣通しを一通り計算し終わると1回目の値になる。そこから1回目の矢印の順で計算すると2回目の値になり、さらに矢印の順で計算すると3回目の値となる。これを繰り返すとn回目の値、即ち吸気管内の逆流ガスの比率が全行程容積で一律となる。
図19は、横軸に逆流比率テーブルの配列ナンバー、縦軸に逆流比率、すなわち図18の配列の演算回数である時間経過に対する数値の変化を表している。初期値(図19のA)は配列ナンバー1から5が0、6から9が1に設定され、演算を繰り返す毎に20回目(図19のB)、60回目(図19のC)と逆流比率テーブルの配列ナンバー間の差が徐々に小さくなり、n回目(図19のD)で均一化する。
図17に戻り、この図17は、図16で求めた逆流比率を用いて燃料噴射量を補正することと、空気量の補正を行う処理で、各気筒毎の燃料噴射量演算のタイミング毎に実施される。
図17において、ステップS1701で、補正行程カウンタが0より大きいかを判定し、ステップS1701で補正行程カウンタが0より大きい場合は、ステップS1702において補正係数を以下の式で算出する。すなわち、逆流比率の配列において、補正行程カウンタ番目の内容を、1から減算した値を補正係数に設定する。
補正係数=1−逆流比率[補正行程カウンタ]
続いて、ステップS1703で補正行程カウンタから1を減算し、ステップS1704で逆流比率が第3所定値より大きいかを判定する。ステップS1704で逆流比率が第3所定値より大きい場合は、ステップS1705で掃気補正量に第4所定値を設定する。掃気補正量は、前述のように、吸気管106に逆流した排気ガスの掃気を促進するためにスロットルバルブ103の開度を大きくするための補正量で、アイドル制御用の空気量の補正量として算出される。逆流比率が大きい行程時のみ掃気を促進するために、逆流比率が第3所定値より大きい場合のみ実施する。
ステップS1701で、補正行程カウンタが0以下の場合は、ステップS1706で補正係数を1に設定し、ステップS1707で掃気補正量に0を設定する。
補正行程カウンタが0に達していれば、エンジン逆回転時に吸気管106に逆流した排気ガスは全て排出されたか、元々逆流はなかったことになるため、補正の必要はない。
ステップS1708で燃料噴射量を求める。始動モード判定している場合は、エンジン水温毎のマップ値及びエンジン回転に応じた値を参照して求めた基本噴射量に、補正係数を乗算して燃料噴射量を求める。通常モード判定している場合は、エンジン回転と負荷とその他水温等の補正係数を乗算した値を基本噴射量として、この基本噴射量にステップS1702及びステップS1706で算出した補正係数を乗算して燃料噴射量を求める。ステップS1708で求めた燃料噴射量をもとにインジェクタを駆動して吸気管106内に燃料を供給する。
ステップS1709で、空気供給量を調整してエンジンの回転数を制御するためのISC(idle speed control)空気量を求める。始動モード判定している場合は、エンジン水温毎のマップ値を参照して求めた空気量Baseに掃気補正量を加算してISC空気量を求める。通常モード判定している場合は、基本空気量に水温補正やフィードバック補正を加減算した空気量Baseに掃気補正量を加算してISC空気量を算出し、算出したISC空気量からスロットルバルブ103の開度を算出してスロットルバルブ103を制御する。
図20は、実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を示すタイミングチャートの一例である。
図20において、時点AでスタータがONしてクランキングが開始され、始動モードと判定される。時点Bで、クランク角信号とカム角信号の歯数より気筒識別が実施されてクランク位置が特定され、クランクカウンタが設定される。時点Cで、クランキングが停止されると共に、エンジン101が上死点付近で停止しようとするタイミングでスパークプラグによる点火が実施され、エンジン101が逆回転を開始する。
時点CからDでは、エンジン101が逆回転していることにより、クランク角センサ信号は逆回転時の波形を出力し、これによりECU121は逆回転していると判断し、クランクカウンタを減少側にカウントすると共に、逆回転カウンタをカウントアップする。時点Dで、エンジン101の逆回転が停止し、クランク角センサの入力がなくなるため、クランクカウンタと逆回転カウンタのカウントが停止する。
時点Eで、エンジン101の回転が停止してクランク角センサ入力がなくなってから0.2secが経過したことで、停止モードと判定すると共に、停止カウンタがカウントを開始する。また、逆流比率が算出される。時点Fで、停止カウンタが所定値以上となったことで逆流比率が排気ガスと新気の混合過程の計算を開始する。逆流比率の実線は最も吸気バルブに近い(下流)側の演算値を示し、破線は最もスロットルバルブ103に近い(上流)側の演算値を示している。なお、最下流と最上流以外の演算値は割愛している。吸気バルブに近い側の演算値とスロットルバルブ103に近い側の演算値の両者とも、時間の経過と共に均一値に収束していく。
時点Gで、再度スタータがONされて始動モードになると共に、停止カウンタがカウントを停止する。時点Hで、再始動を開始後に最初の燃料噴射タイミングとなり、補正係数を算出して補正係数を乗算して補正した燃料噴射量をインジェクタ108より噴射開始する。また、掃気補正量によりスロットル開度が補正される。
時点HからIは、燃料噴射のタイミング毎に補正係数を燃料噴射量に乗算して補正した燃料噴射量で燃料を噴射すると共に、掃気補正量を加算したISC空気量により電子スロットルを制御する。時点Jでは、制限値回の補正が終了し、逆流した排気ガスは全て排気管109へ排出されたため、補正係数を1にして、掃気補正量を0にする。
図21は、図20よりエンジン101の逆回転行程である時点CからDが短い場合のタイミングチャートを示す。
この場合は、時点Eで算出される逆流比率のテーブルに1が設定される行程数が少ないため、時点Gで、逆流比率の実線(吸気管106の上流側)と破線(吸気管106の下流側)が均一化して収束する比率が図20より小さい値となり、補正係数は図20より大きい値となる。掃気補正量は、判定式(逆流比率>第3所定値)に対し第3所定値を0.4に設定すると、掃気補正量は設定されない。
図22は、図20よりエンジン101が逆回転してからの停止期間である時点DからGが短い場合のタイミングチャートである。
この場合は、エンジン停止時間が短いため、図20での時点FからGの吸気管106に逆流した排気ガスが吸気管106の密閉空間で新気と混合するまでに次の始動に移行するため、逆流した排気ガスは吸気管106の下流側に滞留していることで、始動開始の初期に補正係数を図20の場合より小さくして、補正の期間を短くすると共に、補正係数の1.0への戻しを早くすることで、吸気管106内の排気ガスの残留分布に対応した補正としている。
図23は、図20と図22の間のタイミングで始動を開始することで、時点DからGが図20より短く、図22より長い場合のタイミングチャートを示す。
この場合は、時点Fから吸気管106に逆流した排気ガスが吸気管106の中で新気と混合するが、均一化する前に再始動が実施されることから、逆流比率の実線(下流側)と破線(上流側)の値が異なることになる。吸気管106の下流側で排気ガスが多く(新気が少なく)、上流側で排気ガスが少ない(新気が多い)状態となっており、行程毎に異なる逆流比率に対して、始動初期は補正係数が小さく、始動後期は補正係数が大きくなる。掃気補正量は、始動初期の逆流比率が大きい行程のみ設定されることになる。
以上詳述したように、実施の形態1による内燃機関の制御装置によれば、エンジン101の逆回転量に応じて始動時燃料噴射量の補正係数を算出することで、エンジン逆回転による排気既燃ガス及び排気未燃混合気が吸気管106に逆流し、エンジン始動時に吸入する新気の量が減少しているにもかかわらず、新気の量に見合った燃料量を噴射して燃料過多となる始動時間が長くなることや、始動できないことが防止できる。また、始動時の空気と燃料の混合比が適正化されることで、始動遅れや始動不可である状態を解消できると共に、始動時の燃料量が適正化されて排ガス悪化が改善されることになる。
図24及び図25は、従来技術において説明した図26及び図27と対比させることによって、前記特徴を説明するものである。
実施の形態1による内燃機関の制御装置は、図24及び図25に示すように、エンジン101の逆回転量を検出して、逆回転量に応じて再始動からの燃料噴射量を補正することで、逆回転により吸気系に再吸入された排気既燃ガスや燃焼せずにそのまま排気された未燃混合気の量に応じた補正が可能となるため、逆回転量によらず安定した始動性を得ることが可能となる。図24と図25では、逆回転の期間である時点Bから時点Dの長さが異なり、図24の逆回転量はA、図25の逆回転量はBであり、A<Bとなっている。補正量はそれぞれ時点Cと時点Dであり、図24では逆回転量Aより補正量Cを求め、図25では逆回転量Bより補正量Dを求めている。従って、C<Dとなる。このように、逆回転量に応じた補正量を求めることで、逆回転による逆流排気ガスや逆流未燃混合気の量に応じた補正が可能となって、図24と図25のように逆回転量が異なっても空燃比は安定することになる。
また、エンジン逆回転後の停止期間に応じて補正係数が変化するようにすることで、エンジン101が逆回転して停止した直後と、エンジン101が逆回転して停止してから時間が経過した後の逆流排気ガスと新気の混合状態が異なることに対する補正が可能となり、始動時の空気と燃料の混合比が適正化されることで、始動遅れや始動不可である状態を解消できると共に、始動時の燃料量が適正化されることで排ガス悪化が改善されることになる。
また、エンジン逆回転後の停止中の吸気管106に逆流した排気ガスと残存する新気の混合状態を推定して逆流比率を算出することで、再始動時の各行程の新気に見合った補正係数を算出でき、始動時の空気と燃料の混合比が適正化されることで、始動遅れや始動不可である状態を解消できると共に、始動時の燃料量が適正化されることで排ガス悪化が改善されることになる。
また、吸気管106のスロットルバルブ103から吸気バルブ間の容積と、1シリンダ容積の比を逆流行程数の上限値とすることで、ほぼ密閉空間となる吸気管106のスロットルバルブ103から吸気バルブ間に滞留する残留排気ガスの各行程毎に占める割合に応じた補正を行うことができるため、始動遅れや始動不可である状態を解消できると共に、始動時の燃料量が適正化されることで排ガス悪化が改善されることになる。
また、排気ガスが逆流する行程数は、エンジン101が逆回転した行程数から2を減算した数にすることで、エンジン逆回転時に排気管109からシリンダ内に吸入した排気ガスを吸気管106に排出するまでの遅れ行程数である2行程分を考慮できることになるため、始動遅れや始動不可である状態を解消できると共に、始動時の燃料量が適正化されることで排ガス悪化が改善されることになる。
また、逆流比率が大きい行程における再始動時の行程においては、掃気補正量を加算したスロットルバルブ103の開度とすることで、吸気管106に逆流した排気ガスの排出遅れを解消することが出来るため、始動遅れや始動不可である状態を解消できると共に、始動時の燃料量が適正化されることで排ガス悪化が改善されることになる。
以上、この発明の実施の形態について詳細に説明したが、この発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
101 内燃機関(エンジン)、102 エアクリーナ、103 スロットルバルブ、104 スロットル開度センサ、105 サージタンク、106 吸気管、107 圧力センサ、108 インジェクタ、109 排気管、110 フロントO2センサ、111 リアO2センサ、112 三元触媒、113 点火コイル、114 点火プラグ、115 カム角センサ、116 カム角センサプレート、117 クランク角センサ、118 クランク角センサプレート、119 冷却水、120 水温センサ、121 コントロールユニット。

Claims (6)

  1. 内燃機関に燃料を供給する燃料噴射手段と、
    前記内燃機関の回転を含む運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記内燃機関の始動時であるか否かを判断する始動時判断手段と、
    前記始動時判断手段により、前記内燃機関が始動時であるか否かに応じて前記内燃機関への燃料供給量を算出するとともに、前記燃料噴射手段を駆動制御する噴射制御手段と、を備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記内燃機関が逆回転であるか否かを判断する逆回転判断手段と、
    前記逆回転判断手段で逆回転であると判断した時に、前記内燃機関の逆流行程数を検出する逆流量検出手段と、
    前記逆流量検出手段で検出した前記逆流行程数に基づき、前記噴射制御手段で設定される前記燃料供給量を減量補正する燃料減量補正手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記内燃機関の逆回転後の停止期間をカウントし、カウントした停止期間に応じて前記燃料減量補正手段で求めた燃料供給量の減量補正を補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃料減量補正手段は、前記内燃機関の吸気管に逆流した排気ガス及び燃料と空気の混合ガスと、新気とが前記吸気管の内部で混合する逆流比率を推定して減量補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記逆流比率が所定値より大きい行程では、掃気制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記逆流量検出手段は、逆回転行程数より2を減算して逆流行程数を求めることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記逆流行程数は、最大値で制限され、前記最大値は前記内燃機関の吸気管の容量と、前記内燃機関の1シリンダあたりの容量の比率により決定されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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US20220397074A1 (en) * 2021-06-09 2022-12-15 Mitsubishi Electric Corporation Controller for internal combustion engine

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