以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。図1は、本発明の実施例に係る作業機械の構成例を示す図である。図1において、作業機械1は、クローラ式の下部走行体2の上に、旋回機構を介して、上部旋回体3をX軸周りに旋回自在に搭載している。また、上部旋回体3は、前方中央部に、ブーム4、アーム5及びブレーカ90から構成されるアタッチメントを備える。ブーム4及びアーム5はそれぞれ、ブームシリンダ7及びアームシリンダ8によって油圧駆動される。また、エンドアタッチメントとしてのブレーカ90は、エンドアタッチメント姿勢制御シリンダ9によってその姿勢が制御され、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20によってその破砕(往復)動作が制御される。
図2は、本発明に係る作業機械の別の構成例を示す図である。図2において、作業機械1は、クローラ式の下部走行体2の上に、旋回機構を介して、上部旋回体3をX軸周りに旋回自在に搭載している。また、上部旋回体3は、前方中央部に、ブーム4、アーム5及びクラッシャ92から構成されるアタッチメントを備える。ブーム4及びアーム5はそれぞれ、ブームシリンダ7及びアームシリンダ8によって油圧駆動される。エンドアタッチメントとしてのクラッシャ92は、エンドアタッチメント姿勢制御シリンダ9によってその姿勢が制御され、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20によってその破砕(開閉)動作が制御される。
このように作業機械1は、用途に応じて、エンドアタッチメントとしてのブレーカ90とクラッシャ92とを交換することができる。なお、エンドアタッチメントとしてバケット(図示せず。)が取り付けられてもよい。
図3は、作業機械1の駆動系の構成例を示すブロック図であり、機械的動力系、高圧油圧ライン、パイロットライン、及び電気制御系をそれぞれ二重線、実線、破線、及び点線で示す。
作業機械1の駆動系は、主に、エンジン11、レギュレータ13、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブ17、操作装置26、圧力センサ29、コントローラ30、吐出圧センサS1、及びエンジン回転数調整ダイヤル75を含む。
エンジン11は、作業機械1の駆動源であり、例えば、所定の回転数を維持するように動作する内燃機関としてのディーゼルエンジンである。また、エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15の入力軸に接続される。
メインポンプ14は、高圧油圧ラインを介して作動油をコントロールバルブ17に供給するための装置であり、例えば、斜板式可変容量型油圧ポンプである。
レギュレータ13は、メインポンプ14の吐出流量を制御するための装置であり、例えば、メインポンプ14の吐出圧、又はコントローラ30からの制御信号等に応じてメインポンプ14の斜板傾転角を調節することによって、メインポンプ14の吐出流量を制御する。
パイロットポンプ15は、パイロットラインを介して各種油圧制御機器に作動油を供給するための装置であり、例えば、固定容量型油圧ポンプである。
コントロールバルブ17は、作業機械1における油圧システムを制御する油圧制御装置である。コントロールバルブ17は、例えば、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、エンドアタッチメント姿勢制御シリンダ9、走行用油圧モータ1A(左用)、走行用油圧モータ1B(右用)、旋回用油圧モータ2A、及びエンドアタッチメント駆動アクチュエータ20のうちの1又は複数のものに対しメインポンプ14が吐出する作動油を選択的に供給する。以下では、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、エンドアタッチメント姿勢制御シリンダ9、走行用油圧モータ1A(左用)、走行用油圧モータ1B(右用)、旋回用油圧モータ2A、及びエンドアタッチメント駆動アクチュエータ20を集合的に「油圧アクチュエータ」と称する。
操作装置26は、操作者が油圧アクチュエータの操作のために用いる装置であり、パイロットラインを介して、パイロットポンプ15が吐出する作動油を油圧アクチュエータのそれぞれに対応する流量制御弁のパイロットポートに供給する。なお、パイロットポートのそれぞれに供給される作動油の圧力(パイロット圧)は、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26のレバー又はペダル(図示せず。)の操作方向及び操作量に応じた圧力である。また、ブレーカ90、クラッシャ92等のエンドアタッチメントに関する操作装置26としては、操作レバーに備えられたボタン若しくはダイヤル、又はペダル等がある。
圧力センサ29は、操作装置26を用いた操作者の操作内容を検出するためのセンサであり、例えば、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26のレバー又はペダルの操作方向及び操作量を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。なお、操作装置26の操作内容は、圧力センサ以外の他のセンサを用いて検出されてもよい。
コントローラ30は、作業機械1を制御するための制御装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータで構成される。
吐出圧センサS1は、メインポンプ14の吐出圧を検出するためのセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
エンジン回転数調整ダイヤル75は、エンジン回転数を切り換えるための装置である。本実施例では、エンジン回転数調整ダイヤル75は、3段階以上の段階でエンジン回転数を切り換えできるようにする。エンジン11は、エンジン回転数調整ダイヤル75で設定されたエンジン回転数で一定に回転数制御される。
次に、図4を参照しながら、メインポンプ14の吐出流量を変化させる機構について説明する。なお、図4は、作業機械1に搭載される油圧システムの構成例を示す概略図であり、機械的動力系、高圧油圧ライン、パイロットライン、及び電気制御系を、それぞれ二重線、実線、破線、及び点線で示す。
図4において、油圧システムは、エンジン11によって駆動されるメインポンプ14L、14Rから、センターバイパス管路40L、40Rのそれぞれを経て作動油タンクまで作動油を循環させる。なお、メインポンプ14L、14Rは、図3のメインポンプ14に対応する。
センターバイパス管路40Lは、コントロールバルブ17内に配置された流量制御弁179a、171、173、175、及び177を通る高圧油圧ラインであり、センターバイパス管路40Rは、コントロールバルブ17内に配置された流量制御弁170、172、174、176、178及び179bを通る高圧油圧ラインである。
流量制御弁170は、走行直進弁としてのスプール弁であり、左右の走行用油圧モータ1A、1Bに供給される作動油の流れを切り換える。具体的には、走行用油圧モータ1A、1Bと他の何れかの油圧アクチュエータとが同時に駆動される場合、流量制御弁170は、メインポンプ14Lからの作動油が走行用油圧モータ1A、1Bの双方に供給されるようにする。一方、走行用油圧モータ1A、1Bが単独で駆動される場合、流量制御弁170は、メインポンプ14Lからの作動油が走行用油圧モータ1Aに供給され、メインポンプ14Rからの作動油が走行用油圧モータ1Bに供給されるようにする。
流量制御弁171は、メインポンプ14Lが吐出する作動油を走行用油圧モータ1Aに供給するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。また、流量制御弁172は、メインポンプ14R又はメインポンプ14Rが吐出する作動油を走行用油圧モータ1Bに供給するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
流量制御弁173、174は、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給し、かつ、ブームシリンダ7内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。なお、流量制御弁174は、操作装置26の一例であるブーム操作レバー26Aが操作された場合に常に作動するスプール弁である。また、流量制御弁173は、ブーム操作レバー26Aが所定操作量以上で操作された場合にのみ作動するスプール弁である。
流量制御弁175、176は、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、かつ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。なお、流量制御弁175は、操作装置26の一例であるアーム操作レバー(図示せず。)が操作された場合に常に作動するスプール弁である。また、流量制御弁176は、アーム操作レバーが所定操作量以上で操作された場合にのみ作動するスプール弁である。
流量制御弁177は、メインポンプ14Lが吐出する作動油を旋回用油圧モータ2Aで循環させるために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
流量制御弁178は、メインポンプ14Rが吐出する作動油をエンドアタッチメント姿勢制御シリンダ9へ供給し、かつ、エンドアタッチメント姿勢制御シリンダ9内の作動油を作動油タンクへ排出するためのスプール弁である。
流量制御弁179a、179bは、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油をエンドアタッチメント駆動アクチュエータ20へ供給し、かつ、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。なお、流量制御弁179aは、操作装置26の一例であるエンドアタッチメント操作ペダル(図示せず。)が操作された場合に常に作動するスプール弁である。また、流量制御弁179bは、エンドアタッチメント操作ペダルが所定操作量以上で操作された場合にのみ作動するスプール弁である。なお、エンドアタッチメント操作ペダルは、エンドアタッチメント操作レバーであってもよい。
レギュレータ13L、13Rは、メインポンプ14L、14Rの吐出圧に応じてメインポンプ14L、14Rの斜板傾転角を調節することによって、メインポンプ14L、14Rの吐出流量を制御する。なお、レギュレータ13L、13Rは、図3のレギュレータ13に対応する。具体的には、レギュレータ13L、13Rは、メインポンプ14L、14Rの吐出圧が所定値以上となった場合にメインポンプ14L、14Rの斜板傾転角を調節して吐出流量を減少させる。吐出圧と吐出流量との積で表されるメインポンプ14の吸収馬力がエンジン11の出力馬力を超えないようにするためである。なお、以下では、この制御を「全馬力制御」と称する。
ブーム操作レバー26Aは、操作装置26の一例であり、ブーム4を操作するために用いられる。また、ブーム操作レバー26Aは、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用して、レバー操作量に応じた制御圧を流量制御弁174の左右何れかのパイロットポートに導入させる。なお、ブーム操作レバー26Aは、レバー操作量が所定操作量以上の場合には、流量制御弁173の左右何れかのパイロットポートにも作動油を導入させる。
圧力センサ29Aは、圧力センサ29の一例であり、ブーム操作レバー26Aに対する操作者の操作内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作内容は、例えば、レバー操作方向、レバー操作量(レバー操作角度)等である。
左右走行レバー(又はペダル)及びアーム操作レバー(何れも図示せず。)はそれぞれ、下部走行体2の走行及びアーム5の開閉を操作するための操作装置である。
また、エンドアタッチメント姿勢操作レバー、エンドアタッチメント駆動操作ペダル、及び旋回操作レバー(何れも図示せず。)はそれぞれ、エンドアタッチメントの姿勢、エンドアタッチメントの駆動、及び、上部旋回体3の旋回を操作するための操作装置である。
これらの操作装置は、ブーム操作レバー26Aと同様に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用して、レバー操作量(又はペダル操作量)に応じた制御圧を油圧アクチュエータのそれぞれに対応する流量制御弁の左右何れかのパイロットポートに導入させる。また、これらの操作装置のそれぞれに対する操作者の操作内容は、圧力センサ29Aと同様、対応する圧力センサによって圧力の形で検出され、検出値がコントローラ30に対して出力される。
コントローラ30は、圧力センサ29A等の出力を受信し、必要に応じてレギュレータ13L、13Rに対して制御信号を出力し、メインポンプ14L、14Rの吐出流量を変化させる。
ここで、図4の油圧システムで採用されるネガティブコントロール制御について説明する。
センターバイパス管路40L、40Rは、最も下流にある流量制御弁177、179bのそれぞれと作動油タンクとの間にネガティブコントロール絞り18L、18Rを備える。メインポンプ14L、14Rが吐出した作動油の流れは、ネガティブコントロール絞り18L、18Rで制限される。そして、ネガティブコントロール絞り18L、18Rは、レギュレータ13L、13Rを制御するための制御圧(以下、「ネガコン圧」とする。)を発生させる。
破線で示されるネガコン圧管路41L、41Rは、ネガティブコントロール絞り18L、18Rの上流で発生させたネガコン圧をレギュレータ13L、13Rに伝達するためのパイロットラインである。
レギュレータ13L、13Rは、ネガコン圧に応じてメインポンプ14L、14Rの斜板傾転角を調節することによって、メインポンプ14L、14Rの吐出流量を制御する。本実施例では、レギュレータ13L、13Rは、導入されるネガコン圧が大きいほどメインポンプ14L、14Rの吐出流量を減少させ、導入されるネガコン圧が小さいほどメインポンプ14L、14Rの吐出流量を増大させる。
具体的には、図4で示されるように、作業機械1における油圧アクチュエータが何れも操作されていない場合(以下、「待機モード」とする。)、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油は、センターバイパス管路40L、40Rを通ってネガティブコントロール絞り18L、18Rに至る。そして、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油の流れは、ネガティブコントロール絞り18L、18Rの上流で発生するネガコン圧を増大させる。その結果、レギュレータ13L、13Rは、メインポンプ14L、14Rの吐出流量を許容最小吐出流量まで減少させ、吐出した作動油がセンターバイパス管路40L、40Rを通過する際の圧力損失(ポンピングロス)を抑制する。
一方、何れかの油圧アクチュエータが操作された場合、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油は、操作対象の油圧アクチュエータに対応する流量制御弁を介して、操作対象の油圧アクチュエータに流れ込む。そして、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油の流れは、ネガティブコントロール絞り18L、18Rに至る量を減少或いは消滅させ、ネガティブコントロール絞り18L、18Rの上流で発生するネガコン圧を低下させる。その結果、低下したネガコン圧を受けるレギュレータ13L、13Rは、メインポンプ14L、14Rの吐出流量を増大させ、操作対象の油圧アクチュエータに十分な作動油を循環させ、操作対象の油圧アクチュエータの駆動を確かなものとする。
上述のような構成により、図4の油圧システムは、待機モードにおいては、メインポンプ14L、14Rにおける無駄なエネルギー消費を抑制することができる。なお、無駄なエネルギー消費は、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油がセンターバイパス管路40L、40Rで発生させるポンピングロスを含む。
また、図4の油圧システムは、油圧アクチュエータを作動させる場合には、メインポンプ14L、14Rから必要十分な作動油を作動対象の油圧アクチュエータに確実に供給できるようにする。
また、作業機械1は、作業に応じてエンドアタッチメント(エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20)を付け替えられるように構成されている。そのため、操作者は、装着されたエンドアタッチメントの種類及び仕様に応じて、エンドアタッチメント(エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20)を流れる作動油の最大流量及び最大圧力を変更する必要がある。本実施例では、操作者は、作動油の最大流量値及び最大圧力値をコントローラ30に入力することによって、エンドアタッチメントによる破砕作業の際にエンドアタッチメント駆動アクチュエータ20を流れる作動油の最大流量及び最大圧力を調整する。以下では、図5〜図7を参照して、この調整処理の詳細を説明する。
図5は、作業機械1に取り付けられているエンドアタッチメントの駆動システムである補助ラインシステムの構成例を示す図であり、高圧油圧ライン、パイロットライン、及び電気制御系をそれぞれ実線、破線、及び点線で示す。
補助ラインシステムは、主に、パイロットポンプ15、コントロールバルブ17、コントローラ30、設定部60、エンドアタッチメントとしてのクラッシャ92、切換弁190、切換弁200、及びリリーフ弁220を含む。
切換弁200は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20から流出する作動油の流れを制御する弁である。本実施例では、切換弁200は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20とコントロールバルブ17とを接続する管路205上に配置される。また、切換弁200は、3ポート2位置の切換弁であり、切換弁190からのパイロット圧に応じて弁位置を切り換える。なお、切換弁200は、コントローラ30からの制御信号に応じて弁位置を切り換える電磁弁であってもよい。具体的には、切換弁200は、第1位置及び第2位置を弁位置として有する。なお、図中の括弧内の数字は、弁位置の番号を表す。切換弁190についても同様である。
第1位置は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20とコントロールバルブ17とを連通させる弁位置であり、作業機械1にクラッシャ92が装着された場合に採用される。また、第2位置は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20と作動油タンクとを連通させる弁位置であり、作業機械1にブレーカ90が装着された場合に採用される。
切換弁190は、切換弁200を制御する弁である。本実施例では、切換弁190は、3ポート2位置の切換弁であり、コントローラ30からの制御信号に応じて弁位置を切り換える電磁弁を用いることができる。なお、切換弁190は、切換弁200が電磁弁の場合には省略される。具体的には、切換弁190は、第1位置及び第2位置を弁位置として有する。第1位置は、切換弁200のパイロットポートとパイロットポンプ15とを連通させる弁位置であり、切換弁200を第2位置に変位させる場合に採用される。また、第2位置は、切換弁200のパイロットポートと作動油タンクとを連通させる弁位置であり、切換弁200を第1位置に変位させる場合に採用される。
リリーフ弁220は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20を流れる作動油の圧力がリリーフ圧を超えるのを防止するための弁である。本実施例では、リリーフ弁220は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20とコントロールバルブ17とを接続する管路210から分岐する管路215上に配置される。また、リリーフ弁220は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20の上流側の作動油の圧力がリリーフ圧に達した場合に、その上流側の作動油を作動油タンクに排出する。
また、リリーフ弁220は、リリーフ圧を調整可能な電磁リリーフ弁であり、コントローラ30からの指令に応じてリリーフ圧を変化させる。本実施例では、リリーフ弁220は、コントローラ30から供給される電流の大きさ(供給電流値)に応じてリリーフ圧を変化させる。具体的には、リリーフ弁220は、供給電流値が大きいほどリリーフ圧を大きくする。但し、リリーフ弁220は、供給電流値が小さいほどリリーフ圧を大きくしてもよい。
設定部60は、作業機械1の各種設定を行うためにキャビン10内に設置される装置であり、表示部60a及び操作部60bを有する。本実施例では、設定部60は、キャビン10内のコンソールに含まれる。表示部60aは、作業機械1に関する各種情報を表示する機能要素であり、本実施例では液晶ディスプレイが採用される。また、操作部60bは、各種情報を作業機械1に入力する機能要素であり、本実施例ではハードウェアボタンが採用される。具体的には、操作部60bは、エンドアタッチメント選択ボタン60b1、方向ボタン60b2、及び確定ボタン60b3を含む。
エンドアタッチメント選択ボタン60b1は、エンドアタッチメントの種類毎に用意された情報を選択的に表示部60aに表示するためのボタンである。本実施例では、エンドアタッチメント選択ボタン60b1は、押下される度に、クラッシャ、バケット、及びブレーカのそれぞれに関する条件設定の表示を順に切り替える。なお、条件設定は、各エンドアタッチメントに対して複数用意される。具体的には、エンドアタッチメント選択ボタン60b1は、リリーフ弁220のリリーフ圧を調整する画面(以下、「リリーフ圧調整画面」とする。)をエンドアタッチメントの種類毎に且つ条件設定毎に呼び出す際に用いられる。なお、方向ボタン60b2は、表示部60aに表示されるカーソルを移動させたり、各種パラメータの値を増減させたりする際に用いられる。また、確定ボタン60b3は、各種パラメータの値の増減を開始させたり、確定させたりする際に用いられる。
コントローラ30は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20を流れる作動油の最大流量値及び最大圧力値並びにリリーフ圧(供給電流値)の対応関係を表す対応関係マップを記憶する記憶部30aを有する。そして、コントローラ30は、圧力センサ29を介して、クラッシャ92に関する操作装置26の操作内容を取得すると、設定部60で設定された最大流量値及び最大圧力値に対応するリリーフ圧(供給電流値)を対応関係マップから読み出す。そして、コントローラ30は、読み出したリリーフ圧(供給電流値)に対応する電流をリリーフ弁220に供給し、リリーフ弁220のリリーフ圧を調整する。これにより、コントローラ30は、設定部60で設定された最大流量値及び最大圧力値でクラッシャ92を駆動させることができる。
次に、図6を参照して、エンドアタッチメントの種類に応じてリリーフ弁220のリリーフ圧を調整する際に表示されるリリーフ圧調整画面の詳細について説明する。なお、図6は、表示部60aに表示されるリリーフ圧調整画面の表示例を示す。
本実施例では、操作者は、設定部60の操作部60bにおけるエンドアタッチメント選択ボタン60b1を押下してリリーフ圧調整画面を呼び出す。
図6(A)は、リリーフ圧調整画面の構成例を示す。図6(A)において、リリーフ圧調整画面は、エンドアタッチメントタブ61、設定番号タブ62、パラメータ表示領域63、パラメータ指定カーソル64、及びポンプ数アイコン65を含む。
エンドアタッチメントタブ61は、複数種類のエンドアタッチメントのうち現に選択されているエンドアタッチメントを表すタブである。図6(A)は、3種類のエンドアタッチメントのうちのクラッシャ92が現に選択されている状態を示す。具体的には、クラッシャタブ61a、ブレーカタブ61b、バケットタブ61cのうちのクラッシャタブ61aが現に選択されている状態を示す。また、本実施例では、エンドアタッチメントタブ61は、方向ボタン60b2のうちの左ボタン又は右ボタンによって切り換えられる。なお、エンドアタッチメントタブ61は、エンドアタッチメント選択ボタン60b1が押下される度に切り換えられてもよい。
設定番号タブ62は、複数の条件設定のうち現に選択されている条件設定の設定番号を表すタブである。図6(A)は、クラッシャ92に対して用意された5つの条件設定のうちの1番目の条件設定が選択されている状態を示す。また、本実施例では、設定番号タブ62は、方向ボタン60b2のうちの左ボタン又は右ボタンによって切り換えられる。
パラメータ表示領域63は、変更対象となるパラメータの値を表示する領域である。図6(A)は、クラッシャ92に対して用意された1番目の条件設定で変更可能な2つのパラメータを示す。なお、2つのパラメータは、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20を流れる作動油のMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)である。本実施例では、コントローラ30は、MAX FLOW(最大流量値)とMAX PRESS.(最大圧力値)の組み合わせからリリーフ弁220のリリーフ圧を一意に決定できるように構成される。また、本実施例では、リリーフ弁220のリリーフ圧は、リリーフ弁220に供給される電流の値(供給電流値)によって表される。そのため、コントローラ30は、例えば、MAX FLOW(最大流量値)、MAX PRESS.(最大圧力値)、及びリリーフ圧(供給電流値)の対応関係を表す対応関係マップを記憶部30a(図5参照。)に予め記憶している。また、本実施例では、表示部60aは、MAX FLOW(最大流量値)とMAX PRESS.(最大圧力値)の組み合わせから決定されるリリーフ圧(供給電流値)を表示していないが、決定されたリリーフ圧(供給電流値)を表示してもよい。なお、ここで入力されるMAX FLOW(最大流量値)とMAX PRESS.(最大圧力値)は、例えば、エンドアタッチメントに関する仕様値である。
パラメータ指定カーソル64は、現に変更対象となっているパラメータを指定するカーソルである。図6(A)は、MAX FLOW(最大流量値)が変更対象として指定された状態を示す。本実施例では、MAX FLOW(最大流量値)は、方向ボタン60b2のうちの右ボタンが押下された場合に所定の増大幅で増大し、左ボタンが押下された場合に所定の減少幅で減少する。なお、コントローラ30は、エンドアタッチメントが操作された場合、ここで設定されたMAX FLOW(最大流量値)に応じてレギュレータ13L、13Rを制御する(図4の信号線SL、SR参照。)。また、パラメータ指定カーソル64は、確定ボタン60b3が押下される度に、MAX FLOW(最大流量値)を変更対象として指定した状態とMAX PRESS.(最大圧力値)を変更対象として指定した状態とが切り替わる。
ポンプ数アイコン65は、設定されたMAX FLOW(最大流量値)を実現するために必要なポンプの数を表すアイコンである。図6(A)は、毎分300リットルの最大流量を実現するために2つのメインポンプ14L、14Rが利用されることを示す。具体的には、ポンプ数アイコン65の一形態であるポンプ数アイコン65aは、二連ポンプの図形によって2つのメインポンプ14L、14Rが利用されることを表す。なお、本実施例では、最大流量の設定値に応じてポンプ数が自動的に決定される。具体的には、最大流量の設定値が所定値以上であればメインポンプ14L、14Rの双方が利用され、最大流量の設定値が所定値未満であればメインポンプ14Lのみが利用される。
図6(A)に示す条件設定が選択された状態でクラッシャ92が操作されると、コントローラ30は、図5に示すように、切換弁190を第2位置に設定することによって切換弁200を第1位置に設定する。これにより、コントローラ30は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20から流出する作動油がコントロールバルブ17を経て作動油タンクに排出されるようにする。具体的には、コントローラ30は、設定されたMAX FLOW(最大流量値)が所定値(例えば毎分200リットル)以上であるため、メインポンプ14L、14Rのそれぞれに対応する流量制御弁179a、179bを経て作動油が作動油タンクに排出されるようにする。また、コントローラ30は、設定されたMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)に対応する大きさの電流をリリーフ弁220に供給する。これにより、コントローラ30は、メインポンプ14L、14Rの双方からエンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に流入する作動油の圧力が、リリーフ圧調整画面を通じて調整されたリリーフ圧を超えないようにする。
また、コントローラ30は、メインポンプ14L、14Rの吐出流量を調整することによって、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に流入する作動油の流量が必要に応じてMAX FLOW(最大流量値)となるようにする。例えば、コントローラ30は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20によるクラッシャ92の破砕(開閉)動作のみが行われていると判断した場合には、メインポンプ14L、14Rの吐出流量がMAX FLOW(最大流量値)となるようにする。メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油の全てをエンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に供給するためである。
また、コントローラ30は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20によるクラッシャ92の破砕(開閉)動作を含む複合操作が行われていると判断した場合には、メインポンプ14L、14Rの吐出流量を増大させる。エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に供給される作動油の流量をMAX FLOW(最大流量値)としながら、他の油圧アクチュエータに適切な流量で作動油を供給するためである。
その結果、作業機械1の操作者は、クラッシャ92の仕様に適したMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)でクラッシャ92による破砕(開閉)作業を実行できる。
図6(B)〜図6(E)は、リリーフ圧調整画面の別の構成例を示す。図6(B)のリリーフ圧調整画面は、バケットタブ61cが省略された点で図6(A)のリリーフ圧調整画面と異なるが、その他の点で共通する。なお、図6(B)に示す条件設定が選択された状態でクラッシャ92が操作されたときのコントローラ30による処理は、図6(A)のときと同様であるためその説明を省略する。
図6(C)のリリーフ圧調整画面は、MAX FLOW(最大流量値)が毎分100リットルに設定された点、及び、一連ポンプの図形によってメインポンプ14Lのみが利用されることを表すポンプ数アイコン65bが表示された点で図6(B)のリリーフ圧調整画面と異なるが、その他の点で共通する。
図6(C)に示す条件設定が選択された状態でクラッシャ92が操作されると、コントローラ30は、図5に示すように、切換弁190を第2位置に設定することによって切換弁200を第1位置に設定する。これにより、コントローラ30は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20から流出する作動油がコントロールバルブ17を経て作動油タンクに排出されるようにする。具体的には、コントローラ30は、設定されたMAX FLOW(最大流量値)が所定値未満であるため、メインポンプ14Lに対応する流量制御弁179aのみを経て作動油が作動油タンクに排出されるようにする。また、コントローラ30は、設定されたMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)に対応する大きさの電流をリリーフ弁220に供給する。これにより、コントローラ30は、メインポンプ14Lからエンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に流入する作動油の圧力が、リリーフ圧調整画面を通じて調整されたリリーフ圧を超えないようにする。
また、コントローラ30は、メインポンプ14Lの吐出流量を調整することによって、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に流入する作動油の流量が必要に応じてMAX FLOW(最大流量値)となるようにする。例えば、コントローラ30は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20によるクラッシャ92の破砕(開閉)動作のみが行われていると判断した場合には、メインポンプ14Lの吐出流量がMAX FLOW(最大流量値)となるようにする。メインポンプ14Lが吐出する作動油の全てをエンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に供給するためである。
また、コントローラ30は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20によるクラッシャ92の破砕(開閉)動作を含む複合操作が行われていると判断した場合には、メインポンプ14Lの吐出流量を増大させる。エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に供給される作動油の流量をMAX FLOW(最大流量値)としながら、他の油圧アクチュエータに適切な流量で作動油を供給するためである。この場合、コントローラ30は、メインポンプ14Rが吐出する作動油を他の油圧アクチュエータに供給してもよい。
その結果、作業機械1の操作者は、クラッシャ92の仕様に適したMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)でクラッシャ92による破砕(開閉)作業を実行できる。
また、図6(D)のリリーフ圧調整画面は、ブレーカタブ61bが選択された点で図6(A)のリリーフ圧調整画面と異なるが、その他の点で共通する。
図6(D)に示す条件設定が選択された状態でブレーカ90が操作されると、コントローラ30は、切換弁190を第1位置に設定することによって切換弁200を第2位置に設定する。これにより、コントローラ30は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20から流出する作動油がコントロールバルブ17を経ずにフィルタ185を介して作動油タンクに排出されるようにする。例えば、ブレーカ90の破砕(往復)動作の際に作動油に混入する塵埃、磨耗粉等の異物がコントロールバルブ17に侵入するのを防止するためである。また、コントローラ30は、設定されたMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)に対応する大きさの電流をリリーフ弁220に供給する。これにより、コントローラ30は、メインポンプ14L、14Rの双方からエンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に流入する作動油の圧力が、リリーフ圧調整画面を通じて調整されたリリーフ圧を超えないようにする。また、コントローラ30は、メインポンプ14L、14Rの吐出流量を調整することによって、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に流入する作動油の流量が必要に応じてMAX FLOW(最大流量値)となるようにする。その結果、作業機械1の操作者は、ブレーカ90の仕様に適したMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)でブレーカ90による破砕(往復)作業を実行できる。
また、図6(E)リリーフ圧調整画面は、MAX FLOW(最大流量値)が毎分100リットルに設定された点、及び、メインポンプ14Lのみが利用されることを表すポンプ数アイコン65bが表示された点で図6(D)のリリーフ圧調整画面と異なるが、その他の点で共通する。
図6(D)に示す条件設定が選択された状態でブレーカ90が操作されると、コントローラ30は、切換弁190を第1位置に設定することによって切換弁200を第2位置に設定する。これにより、コントローラ30は、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20から流出する作動油がコントロールバルブ17を経ずにフィルタ185を介して作動油タンクに排出されるようにする。また、コントローラ30は、設定されたMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)に対応する大きさの電流をリリーフ弁220に供給する。これにより、コントローラ30は、メインポンプ14Lからエンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に流入する作動油の圧力が、リリーフ圧調整画面を通じて調整されたリリーフ圧を超えないようにする。また、コントローラ30は、メインポンプ14Lの吐出流量を調整することによって、エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に流入する作動油の流量が必要に応じてMAX FLOW(最大流量値)となるようにする。その結果、作業機械1の操作者は、ブレーカ90の仕様に適したMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)でブレーカ90による破砕(往復)作業を実行できる。
なお、本実施例では、MAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)の設定に関しては、エンドアタッチメント選択ボタン60b1で選択された画面の条件設定が採用されるが、表示部60aで最後に表示されていた画面の条件設定が採用されてもよい。
また、上述では、作業機械1の操作者がエンドアタッチメントの仕様値を入力する例を示したが、操作者は、作業内容に応じて任意の値を入力することもできる。例えば、エンドアタッチメントの力が強いためその力の大きさを半分にしたい場合、操作者は、仕様値の半分の大きさの値をMAX PRESS.(最大圧力値)として入力してもよい。これにより、操作者は、エンドアタッチメントの力を半減させることができる。
次に、図7を参照して、コントローラ30に記憶される対応関係マップの詳細について説明する。対応関係マップ350は、MAX FLOW(最大流量値)、MAX PRESS.(最大圧力値)、及びリリーフ弁220に対する供給電流値の対応関係を表す参照テーブルである。本実施例では、対応関係マップ350は、見出し行にMAX FLOW(最大流量値)Q1、Q2、・・・・・、Qn(Q1<Q2<・・・・<Qn)を配置し、見出し列にMAX PRESS.(最大圧力値)P1、P2、・・・、Pn(P1<P2<・・・・<Pn)を配置する。また、対応関係マップ350は、MAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)の組み合わせのそれぞれに対応する供給電流値I11、I12、・・・、I1n、I21、I22、・・・、I2n、・・・、In1、In2、・・・、Innをマトリクス状に配置する。なお、MAX FLOW(最大流量値)Q1、Q2、・・・、Qnの増大幅は、例えば、リリーフ圧調整画面で方向ボタン60b2を用いて変更されるMAX FLOW(最大流量値)の増大幅に等しい。MAX PRESS.(最大圧力値)P1、P2、・・・、Pnについても同様である。この構成により、作業機械1は、操作者が入力可能なMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)の全ての組み合わせに対してリリーフ圧(供給電流値)を適合させることができる。
対応関係マップ350を生成する作業者は、例えば作業機械1の出荷前に、ブレーカ90、クラッシャ92等のエンドアタッチメントが作業機械1に装着されていない状態で以下の作業を実行する。
具体的には、作業者は、図5に示すように、管路205、210にエンドアタッチメント駆動アクチュエータ20を接続する代わりに作動油遮断機構195を接続する。作動油遮断機構195は、作業機械1にエンドアタッチメント(エンドアタッチメント駆動アクチュエータ20)が装着されていない場合であってもリリーフ弁220に作用する作動油の圧力が高められるようにする機構である。作動油遮断機構195は、例えば、仕切り弁等のストップバルブ、管路閉塞用のプラグ等を含む。これにより、エンドアタッチメントの脱着作業が省略され、作業者の負担が軽減される。但し、対応関係マップ350の生成作業は、エンドアタッチメントが作業機械1に装着された状態、すなわち管路205、210がエンドアタッチメント駆動アクチュエータ20に接続された状態で行われてもよい。
その後、作業者は、エンドアタッチメント操作ペダルを操作してメインポンプ14L、14Rの吐出流量を制御する。具体的には、作業者は、流量Q1の作動油が管路210を流れるように、メインポンプ14L、14Rの吐出流量を制御する。この場合、コントローラ30は、リリーフ弁220のリリーフ圧が最小値となるようにリリーフ弁220に対する供給電流の大きさを調整する。本実施例では、コントローラ30は、供給電流を最大値にする。また、コントローラ30は、流量Q1が所定値以上であれば、メインポンプ14L、14Rのそれぞれが吐出する作動油を合流させて流量Q1を実現させる。また、コントローラ30は、流量Q1が所定値未満であれば、メインポンプ14Lが吐出する作動油のみで流量Q1を実現させる。なお、作業者は、エンドアタッチメント操作ペダル以外の他の操作装置26を操作しないようにする。他の油圧アクチュエータに作動油が供給されないようにするためである。
その後、コントローラ30は、流量Q1を維持しながら、供給電流を徐々に変更してリリーフ圧を徐々に増大させる。また、リリーフ圧は、圧力センサを用いて検出される。本実施例では、吐出圧センサS1を用いてリリーフ圧を間接的に検出する。なお、コントローラ30は、リリーフ弁220の近くに設置されるリリーフ圧センサ(図示せず。)を用いてリリーフ圧を直接的に検出してもよい。そして、コントローラ30は、流量Q1を維持しながら、徐々に増大するリリーフ圧が値P1、P2、・・・、Pnのそれぞれに達したときの供給電流の大きさを供給電流値I11、I21、・・・、In1として順に記憶する。
供給電流値I1nが記憶された後、操作者は、エンドアタッチメント操作ペダルを操作して、流量Q2の作動油が管路210を流れるようにする。そして、コントローラ30は、上述のようにリリーフ圧が値P1、P2、・・・、Pnのそれぞれに達したときの供給電流の大きさを供給電流値I12、I22、・・・、In2として順に記憶する。流量Q3〜流量Qnの作動油が管路210を流れるようにエンドアタッチメント操作ペダルが操作された場合も同様である。
なお、上述の実施例では、管路210を流れる作動油の流量調整が作業者の手作業によって行われるが、コントローラ30によって自動的に行われてもよい。
以上の構成により、作業機械1は、リリーフ圧調整画面を通じて入力されるMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)の組み合わせに応じてリリーフ弁220のリリーフ圧を適切に調整できる。そのため、作業機械1の操作者は、所望の最大流量及び最大圧力に合致するリリーフ圧(供給電流値)を選択でき、エンドアタッチメントを最適な状態で駆動させることができる。
また、作業機械1は、リリーフ圧調整画面を通じて入力されるMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)の全ての組み合わせに対してリリーフ弁220のリリーフ圧(供給電流値)を適合させることができる。そのため、作業機械1は、実際の作業現場で新たな設定を作成するといった煩わしい作業を不要にし、解体作業等の本来の作業のための時間が削減されるのを防止できる。
また、作業機械1は、対応関係マップ350に無い組み合わせが仮に入力された場合であっても、隣接する組み合わせに対応する供給電流値を用いた補間により、その組み合わせに対応する供給電流値を導き出してもよい。例えば、圧力Px(P2<Px<P3)及び流量Q2の組み合わせが入力された場合、作業機械1は、圧力P2及び流量Q2の組み合わせに対応する供給電流値I22と圧力P3及び流量Q2の組み合わせに対応する供給電流値I32とを用いた補間により、圧力Px及び流量Q2の組み合わせに対応する供給電流値Ix2を導き出してもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例では、コントローラ30は、リリーフ圧調整画面を通じて入力されるMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)の組み合わせを用いて対応関係マップ350を参照し、リリーフ弁220に対する供給電流の大きさ、すなわちリリーフ圧を決定する。しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、コントローラ30は、作業機械1の出荷前に取得された管路210を流れる作動油の流量及び圧力並びにリリーフ弁220に対する供給電流のデータに基づいて、MAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)の組み合わせから供給電流の大きさを導き出す演算式を生成してもよい。この場合、コントローラ30は、リリーフ圧調整画面を通じて入力されるMAX FLOW(最大流量値)及びMAX PRESS.(最大圧力値)をその演算式に代入して供給電流の大きさ、すなわちリリーフ圧を決定する。