JP2015081207A - セメントキルン排ガスの処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストでセメントキルン排ガスから効率よく水銀を回収する。【解決手段】セメントキルン排ガスから回収したダストD1を加熱し、ダストD1に含まれる水銀を揮発させる外熱キルン3と、外熱キルン3から排出された揮発水銀を含む水銀含有ガスG1を、水銀含有ガスG2と水銀除去ダストD3とに分離するバグフィルタ4と、分離された水銀含有ガスG2に含まれる揮発水銀を回収する活性炭吸着塔8とを備え、外熱キルン3とバグフィルタ4とを一体化した。バグフィルタ4を外熱キルン3のダスト排出部3cの上部に配置することができる。外熱キルン3に供給するダスト加熱用の熱風を供給する熱風炉5からの熱風H3によってバグフィルタ4を加熱してもよい。【選択図】図1
Description
本発明は、セメントキルンから排出される燃焼排ガスから水銀を回収する装置に関する。
セメントの主原料である石灰石等の天然原料や、フライアッシュ等のリサイクル資源に水銀が含まれているため、セメントキルンの排ガスには、極微量の金属水銀(Hg)が含まれる。セメントキルン排ガス中の水銀が増加すると、大気汚染の原因となる虞があると共に、フライアッシュ等のリサイクル資源利用拡大の阻害要因となる虞もある。
そこで、特許文献1には、図2に示すように、空気A2を加熱する熱風炉12と、熱風炉12から排出されたガスG4に、セメントキルン排ガスに含まれる、水銀を含むキルンダストD4を投入する抽気ダクト13と、キルンダストD4を含む水銀含有ガスG5を集塵して水銀含有ガスG6と水銀除去ダストD5とに分離するサイクロン14と、サイクロン14から排出された水銀含有ガスG6を集塵して水銀含有ガスG7と水銀除去ダストD6とに分離するバグフィルタ15と、バグフィルタ15から排出された水銀含有ガスG7から熱回収するユングストローム型熱交換器16と、ユングストローム型熱交換器16からファン17を介して供給される水銀含有ガスG8に含まれる水銀を回収する活性炭吸着塔19と、ユングストローム型熱交換器16で生じた熱を熱風炉12に供給するファン18とを備えるセメントキルン排ガスの処理装置11が記載されている。
上記特許文献1に記載の処理装置によれば、セメントキルン排ガスに含まれる水銀を効率よく回収することができる。しかし、キルンダストD4を加熱したガスG4によってキルンダストD4や水銀含有ガスG5を搬送するため、加熱に必要なガス量の10倍以上のガス量が必要となる。そのため、ユングストローム型熱交換器16での水銀含有ガスG7と空気A3との熱交換効率が低下すると共に、抽気ダクト13、サイクロン14やバグフィルタ15等の固気分離装置、活性炭吸着塔19等の関連設備も大型化せざるを得ず、設備コスト及び運転コストが高くなるという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、低コストでセメントキルン排ガスから効率よく水銀を回収することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のセメントキルン排ガスの処理装置は、セメントキルン排ガスから回収したダストを加熱し、該ダストに含まれる水銀を揮発させる加熱装置と、該加熱装置から排出された揮発水銀を含むガスを、水銀含有ガスと水銀除去ダストとに分離する固気分離装置と、該分離された水銀含有ガスに含まれる揮発水銀を回収する水銀回収装置とを備え、前記加熱装置と固気分離装置とを一体化したことを特徴とする。
本発明に係るセメントキルン排ガスの処理装置によれば、加熱装置と固気分離装置とを一体化することで、加熱装置と固気分離装置との間の放散熱を低減することができる。これによって、加熱装置へ供給するガス量を少なくした場合でも、ダストに含まれる水銀の揮発に要する熱量が不足する危険性を小さくすることができ、セメントキルン排ガスから効率よく水銀を回収することができる。
上記セメントキルン排ガスの処理装置において、前記固気分離装置を前記加熱装置のダスト排出部の上部に配置することで、加熱装置と固気分離装置からのダストの排出を統一することができ、設備コスト及び運転コストを低減することができる。
前記加熱装置を外熱キルン又はUターンキルンとすることができる。これらの間接加熱式のキルンを用いることで、加熱装置から排出されるガス量を少なくすることができ、関連設備の小型化が可能となる。また、セメントキルン排ガスから回収したダストと加熱媒体との接触により加熱媒体に水銀が含まれることを防止して排ガス処理設備を簡易なものとすることができる。また、ダストを均一に加熱することができるため、ダストに含まれる水銀を効率よく揮発させることができる。
前記固気分離装置を、前記外熱キルン又はUターンキルンに供給するダスト加熱用の熱風を供給する熱風炉からの熱風によって加熱することができ、固気分離装置においても加熱装置から排出された揮発水銀を含むガスを加熱することで、熱量不足を補い、効率よく水銀を回収することができる。また、この際、ダスト加熱用の熱風を供給する熱風炉からの熱風を利用することで設備コスト及び運転コストを低く抑えることができる。
以上のように、本発明によれば、低コストでセメントキルン排ガスから効率よく水銀を回収することが可能となる。
図1は、本発明に係るセメントキルン排ガスの処理装置の一実施の形態を示し、この処理装置1は、セメントキルン排ガスに含まれる、水銀を含むキルンダストD1及び空気A1が供給され、キルンダストD1を加熱して水銀含有ガスG1と水銀除去ダストD2とに分離する外熱キルン3と、外熱キルン3に熱風H2を供給する熱風炉5と、外熱キルン3から排出される水銀含有ガスG1を集塵して水銀含有ガスG2と水銀除去ダストD3とに分離するバグフィルタ4と、バグフィルタ4から排出された水銀含有ガスG2に冷却用空気Cを導入する冷風取入部6と、ファン7を介して供給された水銀含有ガスG2から水銀を回収する活性炭吸着塔8とを備える。
加熱装置としての外熱キルン3は、回転式のキルン3aを囲繞するジャケット3bに、熱風炉5から熱風H2が供給されてキルン内部が加熱される。熱風炉5からの熱風H2は高温空気でも、燃焼ガスであってもよい。一方、スクリューコンベア2から外熱キルン3にキルンダストD1が供給され、外熱キルン3の内部で加熱される。
上述のような外熱キルン3に代えてUターンキルンを用いることもできる。Uターンキルンは、水平軸の周りに緩やかに回転する円筒と、傾斜する案内羽根を有する仕切壁とを備え、粉粒体の内筒内充填率(ホールドアップ)を従来の10%以下から30%〜40%と高めて上記円筒を小型化したものである。
加熱装置としての熱風炉5は、発生した熱風H1の大部分の熱風H2を外熱キルン3に吹き込み、熱風H2によってキルンダストD1を加熱してキルンダストD1中の水銀を揮発させる。また、残りの熱風H3をバグフィルタ4に供給する。
バグフィルタ4は、900℃程度までの耐熱性を有する高耐熱型のバグフィルタであることが望ましい。このようなバグフィルタとしては、ハニカムセル化した棒状のセラミック管を複数配列したものや、シート状のセラミックフィルタを用いたものなど、様々なタイプのものが開発されている。本発明においては、水銀含有ガスG1に含まれる微細粒子を回収し得るものであれば、フィルタのタイプは特に限定されない。
バグフィルタ4は、外熱キルン3のダスト排出部3cの上部において外熱キルン3と一体化される。これによって、外熱キルン3とバグフィルタ4との間の配管を省略している。このバグフィルタ4にも熱風炉5から熱風H3が供給されて加熱される。
水銀回収装置としての活性炭吸着塔8は、ファン7によって導入された水銀含有ガスG2中の水銀を回収するために備えられる。ここで、冷風取入部6から導入された冷却用空気Cによって水銀含有ガスG2の温度を活性炭に通ガス可能な温度(例えば100℃程度)まで低下させる。活性炭吸着塔8で使用される活性炭としては、市販の活性炭の中で、水銀回収能力に特に優れる活性炭を選定することが望ましい。具体的には、水銀吸着用として調整された硫黄添着処理が施されている活性炭が好適である。
次に、上記構成を有するセメントキルン排ガス処理装置1の動作について、図1を参照しながら説明する。
スクリューコンベア2によってキルンダストD1を外熱キルン3に供給すると共に、キャリアガスとしての空気A1を外熱キルン3に供給する。また、外熱キルン3に熱風炉5から熱風H2を供給し、熱風H2によってキルンダストD1を380〜500℃に間接加熱し、キルンダストD1に含まれる水銀を揮発させる。
外熱キルン3から排出される水銀含有ガスG1は、直接バグフィルタ4に導入され、バグフィルタ4において、水銀含有ガスG1を水銀含有ガスG2と水銀除去ダストD3とに分離する。この際、熱風炉5からの熱風H3でバグフィルタ4を加熱し、外熱キルン3におけるキルンダストD1に含まれる水銀の揮発に要する熱量の不足を補う。バグフィルタ4のケーシングを加熱した後の熱風H5は、適切な排ガス処理をした後大気に放出する。
外熱キルン3から排出された水銀除去ダストD2は、バグフィルタ4で分離された水銀除去ダストD3と共に系外に排出してセメント原料等として利用する。キルンダストD1を加熱した後の熱風H4は、適切な排ガス処理をした後大気に放出する。
バグフィルタ4から排出された350〜450℃の水銀含有ガスG2は、冷風取入部6から取り入れた冷却用空気Cによって100℃程度まで冷却し、ファン7を介して活性炭吸着塔8に供給する。活性炭吸着塔8において水銀含有ガスG2中の水銀を回収し、回収後の排ガスG3を適切な排ガス処理をした後大気に放出する。
以上のように、本実施の形態では、外熱キルン3等を用いて供給ガス量を少なくした場合でも、外熱キルン3等とバグフィルタ4とを一体化することで、外熱キルン3等とバグフィルタ4との間の配管を省略して放散熱を減少させると共に、バグフィルタ5を加熱することで、外熱キルン3等における熱量不足を補うことができ、低コストでセメントキルン排ガスから効率よく水銀を回収することが可能となる。
尚、上記実施の形態では、加熱装置として外熱キルン3等を用いているが、キルンダストD1を加熱し、キルンダストD1に含まれる水銀を揮発させることができるものであれば、他の形式のキルンであってもよく、直接加熱式の加熱装置を用いることもできる。
さらに、外熱キルン3に空気A1を供給したが、セメントキルンに付設されるクリンカクーラからの排ガスを外熱キルン3に供給してキルンダストD1の間接加熱に利用してもよい。
また、水銀回収装置として活性炭吸着塔8を用いたが、活性コークス等を用いた装置や、吸着剤により水銀を吸着除去するガス吸着装置等を使用することもできる。
さらに、冷風取入部6からの冷却用空気Cで水銀含有ガスG2を冷却したが、水銀含有ガスG2を熱交換器に通すことで、水銀含有ガスG2から熱を回収しながらその温度を低下させることもできる。
1 セメントキルン排ガス処理装置
2 スクリューコンベア
3 外熱キルン
3a キルン
3b ジャケット
3c ダスト排出部
4 バグフィルタ
5 熱風炉
6 冷風取入部
7 ファン
8 活性炭吸着塔
A1 空気
C 冷却用空気
D1 キルンダスト
D2、D3 水銀除去ダスト
G1、G2 水銀含有ガス
G3 排ガス
H1〜H5 熱風
2 スクリューコンベア
3 外熱キルン
3a キルン
3b ジャケット
3c ダスト排出部
4 バグフィルタ
5 熱風炉
6 冷風取入部
7 ファン
8 活性炭吸着塔
A1 空気
C 冷却用空気
D1 キルンダスト
D2、D3 水銀除去ダスト
G1、G2 水銀含有ガス
G3 排ガス
H1〜H5 熱風
Claims (4)
- セメントキルン排ガスから回収したダストを加熱し、該ダストに含まれる水銀を揮発させる加熱装置と、
該加熱装置から排出された揮発水銀を含むガスを、水銀含有ガスと水銀除去ダストとに分離する固気分離装置と、
該分離された水銀含有ガスに含まれる揮発水銀を回収する水銀回収装置とを備え、
前記加熱装置と固気分離装置とを一体化したことを特徴とするセメントキルン排ガスの処理装置。 - 前記固気分離装置を前記加熱装置のダスト排出部の上部に配置したことを特徴とする請求項1に記載のセメントキルン排ガスの処理装置。
- 前記加熱装置は、外熱キルン又はUターンキルンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメントキルン排ガスの処理装置。
- 前記固気分離装置を、前記外熱キルン又はUターンキルンに供給するダスト加熱用の熱風を供給する熱風炉からの熱風によって加熱することを特徴とする請求項3に記載のセメントキルン排ガスの処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013218809A JP2015081207A (ja) | 2013-10-22 | 2013-10-22 | セメントキルン排ガスの処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013218809A JP2015081207A (ja) | 2013-10-22 | 2013-10-22 | セメントキルン排ガスの処理装置 |
Publications (1)
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JP2015081207A true JP2015081207A (ja) | 2015-04-27 |
Family
ID=53012017
Family Applications (1)
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JP2013218809A Pending JP2015081207A (ja) | 2013-10-22 | 2013-10-22 | セメントキルン排ガスの処理装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2015081207A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112807873A (zh) * | 2020-12-22 | 2021-05-18 | 佛山市伊清环保工程技术有限公司 | 一种窑炉烟气多污染物协同治理成套装备 |
-
2013
- 2013-10-22 JP JP2013218809A patent/JP2015081207A/ja active Pending
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CN112807873A (zh) * | 2020-12-22 | 2021-05-18 | 佛山市伊清环保工程技术有限公司 | 一种窑炉烟气多污染物协同治理成套装备 |
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