JP2015080499A - 電気刺激装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体の広範囲とその広範囲内の狭範囲の疼痛の緩和を行う。
【解決手段】
刺激回路は、第1の電極リード2Aの少なくとも1つの刺激電極と第2の電極リード2Cの少なくとも1つの刺激電極の間に電気的刺激信号の供給を行う。これと並行して、刺激回路は、該電気的刺激信号の供給を行う第1の電極リード2Aの少なくとも1つの刺激電極と第2の電極リード2Cの少なくとも1つの刺激電極により形成された領域内の第3の電極リード2Bの刺激電極の間に電気的刺激信号の供給を行う。
【選択図】図10
【解決手段】
刺激回路は、第1の電極リード2Aの少なくとも1つの刺激電極と第2の電極リード2Cの少なくとも1つの刺激電極の間に電気的刺激信号の供給を行う。これと並行して、刺激回路は、該電気的刺激信号の供給を行う第1の電極リード2Aの少なくとも1つの刺激電極と第2の電極リード2Cの少なくとも1つの刺激電極により形成された領域内の第3の電極リード2Bの刺激電極の間に電気的刺激信号の供給を行う。
【選択図】図10
Description
本発明は、生体を電気刺激する電気刺激療法に使用される電気刺激装置に関し、特に、生体内に低侵襲で植込むことが可能な電気刺激装置に関する。
従来、薬物療法等を用いる痛み治療を行っても有用な効果を示さない場合や、副作用等によりその治療が継続できない場合に、神経を電気刺激することにより痛みを緩和する電気刺激療法が効果をあげている。電気刺激療法の1つである脊髄電気刺激療法は、脊髄を介して脳へ伝播する痛みを緩和するために、SCS(Spinal Cord Stimulation)システムを利用して脊髄の神経を電気刺激するものである。このSCSシステムには、生体を電気刺激する刺激電極を有する電極リード、刺激電極に電気的な刺激信号(以下、「電気的刺激信号」という)を供給する刺激装置(IPG:Implantable Pulse Generator)を有する電気刺激装置が含まれる。脊髄電気刺激療法では、脊髄を覆う脊髄硬膜の背側にある空間の硬膜外腔に電極リードを導き、患者の痛みに関与している神経が通っている脊髄レベルを刺激電極で電気刺激を行うことで、疼痛領域にパレステジアと呼ばれる刺激感覚を起こし、疼痛を緩和しようとするものである。
しかしながら、脊髄電気刺激療法では、疼痛領域にパレステジアを一致させるように刺激電極を留置することが難しく、疼痛のない領域にパレステジアが起こった場合には患者が不快と感じることがあった。また、硬膜外腔から遠い、脊髄の深い領域を通る神経を刺激することは難しく、例えば、腰痛を緩和することは困難であった。これに対し、近年、SCSシステムの電極リードを疼痛領域の最大疼痛部位の皮下に植込み、最大疼痛部位の末梢神経終末を電気刺激することで限局的にパレステジアを起こして疼痛緩和を行う末梢神経刺激療法(PNFS:Peripheral Nerve Field Stimulation)が臨床応用されつつある。
生体内に植え込まれる電極リードについて、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この特許文献1には、長尺体である電極リードの一端に刺激電極を設け、この刺激電極を生体内の疼痛部位の近傍に植込むことについて記載されている。
しかし、SCSシステムで使用される従来の電極リードは、その先端部にのみ刺激電極が設けられているため、刺激電極が配置された狭い領域の疼痛にしか効果がなかった。それゆえ、広範囲の疼痛を緩和するためには多数本の電極リードを皮下に植込み、かつ多数本の電極リードに設けられた刺激電極に電気的刺激信号を供給する複数個の刺激装置を皮下に植込む必要があるが、植込み手技が煩雑になるとともに生体への侵襲が大きかった。また、疼痛領域に電極リードの先端部が置かれるために、それが機械的刺激となって疼痛領域に潰瘍や紅斑が発生して、状態をさらに悪化させる場合があった。また、通常では痛みと感じない微小刺激がとても痛く認識される感覚異常(アロディニア)を患者が有する場合には、直接疼痛領域内に刺激電極を留置することは困難であった。
例えば、広範囲な領域に広がる痛みに対して、この領域を囲むように複数本の電極リードを配置して電気刺激を行うことで痛みを緩和することができる。しかし、この領域内に特に痛みの強い領域が存在する場合、その痛みの強い領域に合わせて電気刺激の強度を調整する(強くする)と他の領域においては、この強い電気刺激を不快に感じる場合がある。逆に痛みの弱い領域に合わせて電気刺激の強度を調整すると痛みの強い領域において疼痛緩和が不十分となる。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、生体の疼痛の強さの分布が異なる領域の疼痛を緩和することを目的とする。
本発明に係る電気刺激装置は、電気的刺激信号を出力する刺激回路を有する刺激装置と、電気的刺激信号が供給される第1乃至第3の電極リードを備える。
上記第1乃至第3の電極リードは、可撓性を有し内部に導線が配線されたリード部と、該リード部の前記刺激装置が接続される側の端部に設けられた端子部と、該端子部と電気的に接続され該端子部を介して電気的刺激信号が供給される上記リード部内に設けられた一以上の刺激電極とを有する。
上記刺激回路は、第1の電極リードの少なくとも1つの刺激電極と第2の電極リードの少なくとも1つの刺激電極の間に電気的刺激信号の供給を行うとともに、該電気的刺激信号の供給を行う第1の電極リードの少なくとも1つの刺激電極と第2の電極リードの少なくとも1つの刺激電極により形成された領域内の第3の電極リードの刺激電極の間に電気的刺激信号の供給を行う。
上記第1乃至第3の電極リードは、可撓性を有し内部に導線が配線されたリード部と、該リード部の前記刺激装置が接続される側の端部に設けられた端子部と、該端子部と電気的に接続され該端子部を介して電気的刺激信号が供給される上記リード部内に設けられた一以上の刺激電極とを有する。
上記刺激回路は、第1の電極リードの少なくとも1つの刺激電極と第2の電極リードの少なくとも1つの刺激電極の間に電気的刺激信号の供給を行うとともに、該電気的刺激信号の供給を行う第1の電極リードの少なくとも1つの刺激電極と第2の電極リードの少なくとも1つの刺激電極により形成された領域内の第3の電極リードの刺激電極の間に電気的刺激信号の供給を行う。
本発明によれば、第1の電極リードの少なくとも1つの刺激電極と第2の電極リードの少なくとも1つの刺激電極の間に電気的刺激信号が供給される。これと並行して、該電気的刺激信号が供給される第1の電極リードの少なくとも1つの刺激電極と第2の電極リードの少なくとも1つの刺激電極により形成された領域内の第3の電極リードの刺激電極の間に電気的刺激信号が供給される。少なくともこの2つの電気的刺激信号の供給による電気刺激が交互に行われることにより、生体の疼痛の強さの分布が異なる領域の疼痛を緩和することができる。
以下、本発明を実施するための形態例について説明する。以下に述べる実施形態例は、本発明の好適な具体例である。そのため、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかしながら、本発明の範囲は、下記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。例えば、以下の説明で挙げる各パラメータの数値的条件は好適例に過ぎず、説明に用いた各図における寸法、形状及び配置関係も概略的なものである。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施形態
1−1.電気刺激装置の全体構成
1−2.電極リードの構成
1−3.電極リード内の導線の第1の配線構成
1−4.刺激回路の回路構成
1−5.電極リードの植込み方法
1−6.電気的刺激信号の供給タイミング
2.第2の実施形態
3.変形例
説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施形態
1−1.電気刺激装置の全体構成
1−2.電極リードの構成
1−3.電極リード内の導線の第1の配線構成
1−4.刺激回路の回路構成
1−5.電極リードの植込み方法
1−6.電気的刺激信号の供給タイミング
2.第2の実施形態
3.変形例
<1.第1の実施形態>
[1−1.電気刺激装置の全体構成]
始めに、本発明の第1の実施形態に係る電気刺激装置1の機械的な構成例を図1と図2を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電気刺激装置1を構成する電極リード2A〜2Cと、刺激装置20の概略構成例を示す斜視図である。
図2は、連結された電極リード2A〜2Cの概略構成例を示す斜視図である。図2Aは、1本の電極リード2Aの概略構成例を示す斜視図である。図2Bは、3本の電極リード2A〜2Cを直列に連結した連結リード2の概略構成例を示す斜視図である。
[1−1.電気刺激装置の全体構成]
始めに、本発明の第1の実施形態に係る電気刺激装置1の機械的な構成例を図1と図2を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電気刺激装置1を構成する電極リード2A〜2Cと、刺激装置20の概略構成例を示す斜視図である。
図2は、連結された電極リード2A〜2Cの概略構成例を示す斜視図である。図2Aは、1本の電極リード2Aの概略構成例を示す斜視図である。図2Bは、3本の電極リード2A〜2Cを直列に連結した連結リード2の概略構成例を示す斜視図である。
電気刺激装置1は、神経又は筋肉の電気刺激に用いられる装置である。この電気刺激装置1は、生体内に植込まれた電極リード2A〜2Cの刺激電極5A〜5Cに電気的刺激信号を供給することにより、生体内の神経又は筋肉を刺激するものである。この電気刺激装置1は、生体内に植え込まれ、電気的刺激信号を神経又は筋肉に導いて刺激するために用いられる電極リード2A〜2Cと、刺激電極5A〜5Cに電気的刺激信号を供給する刺激装置20とを備える。電極リード2A〜2Cは、後述するように、複数の刺激電極が生体の疼痛領域を囲むように配置されるとともに、他の刺激電極が最大疼痛部位の直下となるように配置される(後述する図7、図8参照)。以降の説明では、皮下にある神経を電気刺激する末梢神経刺激療法(PNFS)に利用できる電気刺激装置1を例に説明を行う。
ここで、直列に連結された電極リード2A〜2Cが、エクステンションリード24を介して刺激装置20に接続された状態において、刺激装置20に対して近い位置に配置される側の電極リード2A〜2Cの端部を「近位端」と称し、刺激装置20に対して遠い位置に配置される側の端部を「遠位端」と称する。すなわち、電極リード2A〜2Cにおいて、差込み部3A〜3Cが設けられた側の端部は近位端となり、コネクタ7A〜7Cが設けられた側の端部は遠位端となる。
始めに、図1と図2Aを参照して、電極リード2Aの構成について説明する。
電極リード2Aは、可撓性を有する長尺体として構成されるリード部6Aを有する。リード部6Aの遠位端には、電極リード2Aと連結する電極リード2Bの差込み部3Bが差し込まれるコネクタ7Aが設けられている。また、リード部6Aの近位端には、エクステンションリード24のコネクタ25に差し込まれる差込み部3Aが設けられている。差込み部3Aに設けられる差込み端子4A(第1の端子部の一例)の端子数は、コネクタ7Aに設けられているコネクタ端子8A(第2の端子部の一例)の端子数と同数としてある。なお、本実施形態では、図2Aに示すように8個の差込み端子4Aがリード部6Aに設けられている。
電極リード2Aは、可撓性を有する長尺体として構成されるリード部6Aを有する。リード部6Aの遠位端には、電極リード2Aと連結する電極リード2Bの差込み部3Bが差し込まれるコネクタ7Aが設けられている。また、リード部6Aの近位端には、エクステンションリード24のコネクタ25に差し込まれる差込み部3Aが設けられている。差込み部3Aに設けられる差込み端子4A(第1の端子部の一例)の端子数は、コネクタ7Aに設けられているコネクタ端子8A(第2の端子部の一例)の端子数と同数としてある。なお、本実施形態では、図2Aに示すように8個の差込み端子4Aがリード部6Aに設けられている。
そして、電極リード2Aは、リード部6Aの近位端(一端)にある差込み部3A、及びリード部6Aの遠位端(他端)にあるコネクタ7Aの間に設けられる2個の刺激電極5Aを有している。この刺激電極5Aは、差込み端子4Aと導線9(後述する図4を参照)によって電気的に接続され、差込み端子4Aから供給された電気的刺激信号により生体内の神経を電気刺激する。リード部6Aは、電極リード2Aを生体内に植込んだときに2個の刺激電極5Aが生体に接触するように刺激電極5Aを固定している。
コネクタ7Aは、その内周面上にコネクタ端子8Aを有する。コネクタ端子8Aと差込み端子4Aとは、リード部6Aの内部に埋め込んで配線された導線9により電気的に接続されている。図2Aに示すコネクタ7Aの開口部7bには、電極リード2Bの差込み部3Bが差し込まれ、コネクタ7Aの内部でコネクタ端子8Aと、差込み部3Bの差込み端子4Bとが電気的に接続される。コネクタ7Aの外径は、植込み時に低侵襲となるように3〜9mm程度であることが好ましい。
差込み端子4A、刺激電極5A及びコネクタ端子8Aは、リード部6Aの外周方向に沿って形成され、軸方向に一定の間隔を空けて配置されている。
差込み端子4A、刺激電極5A及びコネクタ端子8Aは、リード部6Aの外周方向に沿って形成され、軸方向に一定の間隔を空けて配置されている。
図1に示すように、リード部6Aの近位端には、差込み部3Aと、エクステンションリード24に設けられたコネクタ25とを固定する固定部の一例として係合部材10Aが設けられている。係合部材10Aは、リード部6Aの外周上にリード部6Aから突出するように形成されており、リード部6Aの近位端には、エクステンションリード24に設けられたコネクタ25の不図示の溝部に係合する不図示の爪部が形成されている。この爪部は、電極リード2Bのリード部6Bに形成される爪部10a(後述する図3を参照)と同様の形状としてある。
電極リード2Bは、リード部6Bに4個の刺激電極5Bを設けており、この点が電極リード2Aと異なる。その他の電極リード2Bが有する差込み部3B、差込み端子4B、リード部6B、コネクタ7B、コネクタ端子8B、係合部材10Bは、それぞれ電極リード2Aが有する差込み部3A、差込み端子4A、リード部6A、コネクタ7A、コネクタ端子8A、係合部材10Aと同じものである。
電極リード2Cは、電極リード2Aと同様の機能及び構成を有する。すなわち、電極リード2Cが有する差込み部3C、差込み端子4C、刺激電極5C、リード部6C、コネクタ7C、コネクタ端子8C、係合部材10Cは、それぞれ電極リード2Aが有する差込み部3A、差込み端子4A、刺激電極5A、リード部6A、コネクタ7A、コネクタ端子8A、係合部材10Aと同じものである。
そして、少なくとも2本の電極リードが、各電極リードに設けられた差込み端子とコネクタ端子の接続により直列に連結される。本実施の形態では、図2Bに示すように、3本の電極リード2A〜2Cが順に連結された例を示している。そして、図1に示すように、電極リード2Aのコネクタ7Aに電極リード2Bの差込み部3Bが差し込まれ、係合部材10Bによってコネクタ7Aと差込み部3Bが固定されることにより、コネクタ端子8Aと差込み端子4Bが接続される。また、電極リード2Bのコネクタ7Bに電極リード2Cの差込み部3Cが差し込まれ、係合部材10Cによってコネクタ7Bと差込み部3Cが固定されることにより、コネクタ端子8Bと差込み端子4Cが接続される。以降の説明では、直列に連結された電極リード2A〜2Cを、連結リード2と呼ぶ。
次に、再び図1を参照して刺激装置20の構成について説明する。
刺激装置20は、筐体21と、筐体21から突出するコネクタ22と、コネクタ22に一端が接続されるエクステンションリード24とを有する。筐体21の内部には、電極リード2A〜2Cが有する刺激電極5A〜5Cに対して電気的刺激信号を供給する刺激回路30が設けられている。
そして、刺激装置20は、直列に連結した少なくとも2本の電極リードが有する刺激電極のうち任意の1個の刺激電極に独立して電気的刺激信号を供給することができる。例えば、電極リード2A,2Bが直列に連結されている場合に、刺激装置20は、電極リード2Aが有する2個の刺激電極5Aのうち、いずれか1個の刺激電極5Aだけに電気的刺激信号を供給することができる。
刺激装置20は、筐体21と、筐体21から突出するコネクタ22と、コネクタ22に一端が接続されるエクステンションリード24とを有する。筐体21の内部には、電極リード2A〜2Cが有する刺激電極5A〜5Cに対して電気的刺激信号を供給する刺激回路30が設けられている。
そして、刺激装置20は、直列に連結した少なくとも2本の電極リードが有する刺激電極のうち任意の1個の刺激電極に独立して電気的刺激信号を供給することができる。例えば、電極リード2A,2Bが直列に連結されている場合に、刺激装置20は、電極リード2Aが有する2個の刺激電極5Aのうち、いずれか1個の刺激電極5Aだけに電気的刺激信号を供給することができる。
以降の説明では、刺激装置20に対して近い位置に配置される側のエクステンションリード24の端部を「近位端」と称し、刺激装置20に対して遠い位置に配置される側の端部を「遠位端」と称する。すなわち、エクステンションリード24において、リード部26に差込み端子23が設けられた側の端部は近位端となり、コネクタ25が設けられた側の端部は遠位端となる。
筐体21は、比較的硬く、生体適合性がある金属や樹脂、例えばチタンやエポキシ等の素材を用いて、略直方体形状に形成されている。また、筐体21には、エクステンションリード24に形成された差込み端子23が差し込まれるコネクタ22が設けられている。
エクステンションリード24は、可撓性を有する長尺体として構成されるリード部26を有する。エクステンションリード24の内部には不図示の導線が配線されており、コネクタ25の内部に形成される不図示のコネクタ端子と、差込み端子23とが一意に対応付けられて電気的に接続されている。
差込み端子23は、筐体21のコネクタ22に差し込まれると、コネクタ22内の不図示のコネクタ端子に電気的に接続される。差込み端子23に形成された8個の端子は、差込み端子4Aに形成された8個の端子と同様の構成としてあり、エクステンションリード24の近位端側に保持されている。そして、差込み端子23は、コネクタ22を介して筐体21の内部の刺激回路30と電気的に接続されている。
コネクタ25には、電極リード2Aの差込み部3Aが差し込まれる。コネクタ25には、差込み部3Aの差込み端子4Aに対応する位置に、コネクタ7Aのコネクタ端子8Aと同様の構成とした8個のコネクタ端子が形成されている。そして、コネクタ25に、電極リード2Aの差込み部3Aを差し込んで接続する構成は、電極リード2Aのコネクタ7Aに電極リード2Bの差込み部3Bを差し込んで接続する構成と同様としてある。
刺激回路30は、回路基板上にカスタムIC等の小型な部品を実装した回路であり、電源部から供給された電力によって電気的刺激信号を生成する。そして、刺激回路30は、生成した電気的刺激信号を刺激電極5A〜5Cの個々の電極に対し、独立して供給する制御を行う。このため、刺激回路30と、刺激電極5A〜5Cの各電極が対応づけられる差込み端子23の各端子とが、エクステンションリード24に埋め込まれている各導線(図示略)で電気的に接続されている。なお、刺激回路30の電気的な構成については後述する(図5)。
上述した差込み端子4A〜4Cと、刺激電極5A〜5Cは、共に略円環状に形成され、リード部6A〜6Cの外周面に埋め込まれて保持されている。同様に、エクステンションリード24の差込み端子23も略円環状に形成され、リード部26の外周面に埋め込まれて保持されている。また、差込み端子4A〜4C,23、刺激電極5A〜5C、コネクタ端子8A〜8C、及びエクステンションリード24のコネクタ25内の不図示のコネクタ端子、リード部6A〜6C内に配線される導線9、及びエクステンションリード24内の不図示の導線には、導電性があって生体適合性がある素材が用いられる。この素材として、例えばステンレス鋼、MP35N合金、プラチナ、又はプラチナ合金(例えば、プラチナ90%/イリジウム10%合金)等がある。
リード部6A〜6C、エクステンションリード24のリード部26は、柔軟性があって、かつ生体適合性がある素材、例えばシリコーンやポリウレタン等の樹脂素材によって形成されており、その外径は、植込み時に低侵襲となるように1〜3mm程度であることが好ましい。また、コネクタ7A〜7C、25、係合部材10A〜10Cは、柔軟性があって、かつ生体適合性がある素材、例えばシリコーンやポリウレタン等の樹脂素材によって形成される。ただし、コネクタ7A〜7C、25、係合部材10A〜10Cに用いられる素材は、樹脂素材に限定されず、柔軟性があって、かつ生体適合性がある素材であればどのような素材であってもよい。
[1−2.電極リードの構成]
続いて、図3を参照して、電極リード2A,2Bを連結する際の構成の詳細について説明する。
図3は、電極リード2Aの遠位端、及び電極リード2Bの近位端の概略内部構成例を示す軸方向の断面図である。図3Aは、2本の電極リード2A,2Bの連結前の状態を示す断面図である。図3Bは、2本の電極リード2A,2Bの連結後の状態を示す断面図である。なお、図3では、導線9の記載を省略してある。
続いて、図3を参照して、電極リード2A,2Bを連結する際の構成の詳細について説明する。
図3は、電極リード2Aの遠位端、及び電極リード2Bの近位端の概略内部構成例を示す軸方向の断面図である。図3Aは、2本の電極リード2A,2Bの連結前の状態を示す断面図である。図3Bは、2本の電極リード2A,2Bの連結後の状態を示す断面図である。なお、図3では、導線9の記載を省略してある。
電極リード2Aが有するコネクタ7Aの遠位端には、電極リード2Bの差込み部3Bの外径とほぼ同じ内径とした開口部7bが形成される。また、コネクタ7Aの遠位端には、外周方向に沿って溝部7aが形成される。また、電極リード2Aのコネクタ7Aの内部には、開口部7bから近位端に向けて開口部7bと同じ内径とした略円筒状の空間である収容部7cが形成される。この収容部7cには、電極リード2Bの差込み部3Bが収容される。
収容部7cの内周面上には、コネクタ7Aの軸方向に沿って8個のコネクタ端子8Aが設けられている。コネクタ端子8Aの各端子の配置は、収容部7cに収容される差込み部3Bに設けられた差込み端子4Bの各端子の配置に対応している。そして、コネクタ端子8Aと刺激電極5Aとが、導線9によって、リード部6A内で電気的に接続されている。導線9の具体的な配線構成例については、後述する図4に示す。
コネクタ端子8Aは、固定機構の一例としてコイル状の金属バネであるガータスプリングによって構成されており、開口部7bの内周に対して内側に少し張り出している。また、電極リード2Bの差込み端子4Bは、ガータスプリングの内周部分に合致する凹部として形成してある。これにより、ガータスプリングの内周部分に差し込まれた差込み部3Bの差込み端子4Bに対して、ガータスプリングが締め付けることにより、コネクタ7Aが差込み部3Bを固定する。このため、電極リード2Aのコネクタ7Aから電極リード2Bの差込み部3Bが外れにくくなる。
コネクタ7Aの開口部7b付近には、電極リード2Bとの係合機構としての溝部7aが、コネクタ7Aの外周面に設けられている。溝部7aは、開口部7bの遠位端から所定の長さだけ離れた位置に形成される。開口部7bから溝部7aまでのコネクタ7Aの外周の径は、溝部7aより近位端側のコネクタ7Aの外周の径よりも小さくすることでコネクタ7Aの外周面に段差を形成してある。この段差により、係合部材10Bの爪部10aと、溝部7aとの接続が容易となる。
そして、差込み部3Bがコネクタ7Aに差し込まれ、溝部7aに、電極リード2Bの係合部材10Bに設けられた爪部10aが係合することで、電極リード2Aと電極リード2Bとが構造的に接続される。この係合部材10Bは、シリコーン等の柔軟性のある素材で構成されるため、電極リード2Bの電極リード2Aへの装着及び取り外しを、少ない力で容易に行うことが可能となる。
収容部7cの近位端付近には、収容部7cの軸方向と直交する方向に固定ねじ穴7dが形成されている。この固定ねじ穴7dにねじ込まれた固定ねじ7eによって、差込み部3Bの先端付近がコネクタ7Aに固定される。固定ねじ7eの先端が接する差込み部3Bの先端付近には、不図示の固定部が略円環状に形成され、外周面に埋め込まれて保持されている。これにより、電極リード2Bが、電極リード2Aに強固に連結される。固定ねじ7eと固定部には、比較的硬く、生体適合性がある素材、例えばステンレス鋼が用いられる。
[1−3.電極リード内の導線の第1の配線構成]
続いて、図4を参照して、連結リード2に配される導線9の詳細について説明する。
図4は、連結リード2に配される導線9の第1の配線構成例を示す軸方向の断面図である。
続いて、図4を参照して、連結リード2に配される導線9の詳細について説明する。
図4は、連結リード2に配される導線9の第1の配線構成例を示す軸方向の断面図である。
上述したように、電極リード2A〜2Cが直列に連結された連結リード2には、合計8個の刺激電極5A〜5Cが設けられている。刺激電極5A〜5Cは、刺激装置20に最も近い電極リード2Aの差込み端子4Aに1対1に対応付けられており、差込み端子4Aの配置に従って、直列に連結された電極リード2A〜2Cに順に配置されている。
ここで、連結リード2に設けられた刺激電極5A〜5Cに対して、近位端から遠位端に向けて連続する電極番号として“0”〜“7”の符号を順に付し、それぞれの電極番号を図4に示している。このような電極番号の割り振りは、後述する図5に示す刺激回路30の制御部35によって行われる。
ここで、連結リード2に設けられた刺激電極5A〜5Cに対して、近位端から遠位端に向けて連続する電極番号として“0”〜“7”の符号を順に付し、それぞれの電極番号を図4に示している。このような電極番号の割り振りは、後述する図5に示す刺激回路30の制御部35によって行われる。
始めに、電極リード2Aの導線9の配線例を説明する。
電極リード2Aでは、導線9が、差込み端子4Aとコネクタ端子8Aと刺激電極5Aとのうちの少なくとも2つを電気的に接続している。すなわち、導線9は、差込み端子4Aとコネクタ端子8A、コネクタ端子8Aと刺激電極5A、又は差込み端子4Aと刺激電極5Aとを接続している。そして、電極リード2Aでは、近位端から遠位端に向けて順番に配置された2個の刺激電極5Aと、遠位端から近位端に向けて配置された8個の差込み端子4Aのうち、刺激電極5Aと同数の2個の差込み端子4Aが、導線9によって遠位端から近位端側に向けて順番に電気的に接続される。また、2個のコネクタ端子8Aが、刺激電極5Aに接続された2個の差込み端子4Aと、導線9によって遠位端から近位端に向けて順番に電気的に接続される。
電極リード2Aでは、導線9が、差込み端子4Aとコネクタ端子8Aと刺激電極5Aとのうちの少なくとも2つを電気的に接続している。すなわち、導線9は、差込み端子4Aとコネクタ端子8A、コネクタ端子8Aと刺激電極5A、又は差込み端子4Aと刺激電極5Aとを接続している。そして、電極リード2Aでは、近位端から遠位端に向けて順番に配置された2個の刺激電極5Aと、遠位端から近位端に向けて配置された8個の差込み端子4Aのうち、刺激電極5Aと同数の2個の差込み端子4Aが、導線9によって遠位端から近位端側に向けて順番に電気的に接続される。また、2個のコネクタ端子8Aが、刺激電極5Aに接続された2個の差込み端子4Aと、導線9によって遠位端から近位端に向けて順番に電気的に接続される。
以下の説明では、差込み端子4Aを構成する個々の端子に対して遠位端から近位端に向けて順に端子番号“0”〜“7”を付し、コネクタ端子8Aを構成する個々の端子についても、遠位端から近位端に向けて順に端子番号“0”〜“7”を付する。そして、差込み端子4Aの端子番号“0”〜“7”の端子に接続されるそれぞれの導線9を識別するため、これらの導線9に対して、導線9(0)〜9(7)とした導線番号を付する。
ただし、本実施形態において、刺激電極5A〜5Cに接続される差込み端子4A〜4Cの一部の端子は、刺激電極5A〜5Cに接続した後、コネクタ端子8A〜8Cの一部の端子にも導線9で接続されるため、刺激電極5A〜5Cと差込み端子4A〜4Cを接続する導線9と区別する必要がある。このため、以下の説明では、導線9の符号として、導線9(“差込み端子の端子番号”,“1”),導線9(“差込み端子の端子番号”,“2”)を用いる。ここでは、差込み端子4A〜4Cの一部の端子が刺激電極5A〜5Cのいずれかに接続される場合に“1”とする。刺激電極5A〜5Cのいずれかに接続された差込み端子4A〜4Cの一部の端子が、刺激電極5A〜5Cに接続した後、コネクタ端子8A〜8Cのいずれかの一部の端子に接続される場合に“2”とする。
図4を参照して導線9の配線例を具体的に説明する。
電極リード2Aでは、刺激電極5A〜5Cに電気的刺激信号を供給する差込み端子4Aの端子数(8個)が、電極リード2B,2Cの刺激電極5B,5Cに電気的刺激信号を供給するコネクタ端子8Aの端子数(6個)に刺激電極5Aの電極数(2個)を加えた数としてある。そして、電極リード2Aでは、電極番号が“0”,“1”の2個の刺激電極5Aと、端子番号“0”,“1”の2個の差込み端子4Aが、それぞれ導線9(0,1),9(1,1)によって順番に接続される。このため、刺激装置20から電極リード2Aの端子番号“0”,“1”の差込み端子4Aに供給された電気的刺激信号が、導線9(0,1),9(1,1)を経て、電極番号が“0”,“1”の刺激電極5Aに供給され、刺激電極5Aが生体を電気刺激することができる。
電極リード2Aでは、刺激電極5A〜5Cに電気的刺激信号を供給する差込み端子4Aの端子数(8個)が、電極リード2B,2Cの刺激電極5B,5Cに電気的刺激信号を供給するコネクタ端子8Aの端子数(6個)に刺激電極5Aの電極数(2個)を加えた数としてある。そして、電極リード2Aでは、電極番号が“0”,“1”の2個の刺激電極5Aと、端子番号“0”,“1”の2個の差込み端子4Aが、それぞれ導線9(0,1),9(1,1)によって順番に接続される。このため、刺激装置20から電極リード2Aの端子番号“0”,“1”の差込み端子4Aに供給された電気的刺激信号が、導線9(0,1),9(1,1)を経て、電極番号が“0”,“1”の刺激電極5Aに供給され、刺激電極5Aが生体を電気刺激することができる。
また、端子番号“2”〜“7”の6個の差込み端子4Aと、端子番号“0”〜“5”の6個のコネクタ端子8Aが、それぞれ電極リード2Aの導線9(2)〜9(7)によって順番に接続される。
さらに、電極番号が“0”,“1”の2個の刺激電極5Aと、端子番号“6”,“7”の2個のコネクタ端子8Aが、それぞれ電極リード2Aの導線9(0,2),9(1,2)によって順番に接続される。
さらに、電極番号が“0”,“1”の2個の刺激電極5Aと、端子番号“6”,“7”の2個のコネクタ端子8Aが、それぞれ電極リード2Aの導線9(0,2),9(1,2)によって順番に接続される。
次に、電極リード2Bの導線9の配線例を説明する。
電極リード2Bでは、刺激電極5B,5Cに電気的刺激信号を供給する差込み端子4Bの端子数(6個)が、電極リード2Cの刺激電極5Cに電気的刺激信号を供給するコネクタ端子8Bの端子数(2個)に刺激電極5Bの電極数(4個)を加えた数としてある。また、導線9が、差込み端子4Bとコネクタ端子8Bと刺激電極5Bとのうちの少なくとも2つを電気的に接続している。すなわち、導線9は、差込み端子4Bとコネクタ端子8B、コネクタ端子8Bと刺激電極5B、又は差込み端子4Bと刺激電極5Bとを接続している。そして、電極リード2Bでは、近位端から遠位端に向けて配置された4個の刺激電極5Bと、遠位端から近位端に向けて配置された8個の差込み端子4Bのうち、刺激電極5Bと同数の4個の差込み端子4Bが、導線9によって順番に電気的に接続される。また、遠位端から近位端に向けて配置された4個のコネクタ端子8Bと、刺激電極5Bに接続された4個の差込み端子4Bが、導線9によって遠位端から近位端に向けて順番に電気的に接続される。
電極リード2Bでは、刺激電極5B,5Cに電気的刺激信号を供給する差込み端子4Bの端子数(6個)が、電極リード2Cの刺激電極5Cに電気的刺激信号を供給するコネクタ端子8Bの端子数(2個)に刺激電極5Bの電極数(4個)を加えた数としてある。また、導線9が、差込み端子4Bとコネクタ端子8Bと刺激電極5Bとのうちの少なくとも2つを電気的に接続している。すなわち、導線9は、差込み端子4Bとコネクタ端子8B、コネクタ端子8Bと刺激電極5B、又は差込み端子4Bと刺激電極5Bとを接続している。そして、電極リード2Bでは、近位端から遠位端に向けて配置された4個の刺激電極5Bと、遠位端から近位端に向けて配置された8個の差込み端子4Bのうち、刺激電極5Bと同数の4個の差込み端子4Bが、導線9によって順番に電気的に接続される。また、遠位端から近位端に向けて配置された4個のコネクタ端子8Bと、刺激電極5Bに接続された4個の差込み端子4Bが、導線9によって遠位端から近位端に向けて順番に電気的に接続される。
具体的に説明すると、電極リード2Bでは、電極番号が“2”〜“5”の4個の刺激電極5Bと、端子番号“0”〜“3”の4個の差込み端子4Bが、それぞれ導線9(0,1)〜9(3,1)によって順番に接続される。このため、電極リード2Aのコネクタ7Aに、電極リード2Bの差込み部3Bが差し込まれ、コネクタ端子8Aと差込み端子4Bが接続されると、端子番号“0”〜“3”の差込み端子4Bは、電極リード2Aの端子番号“2”〜“5”の差込み端子4Aと電気的に接続される。これにより、刺激装置20から電極リード2Aの端子番号“2”〜“5”の差込み端子4Aに供給された電気的刺激信号が、電極リード2Bの導線9(0,1)〜9(3,1)を経て、電極番号が“2”〜“5”の刺激電極5Bに供給され、刺激電極5Bが生体を電気刺激することができる。
また、端子番号“4”〜“7”の4個の差込み端子4Bと、端子番号“0”〜“3”の4個のコネクタ端子8Bとが、それぞれ電極リード2Bの導線9(4)〜9(7)によって順番に接続される。
さらに、電極番号が“2”〜“5”の4個の刺激電極5Bと、端子番号“4”〜“7”の4個のコネクタ端子8Bが、それぞれ電極リード2Bの導線9(0,2)〜9(3,2)によって順番に接続される。
さらに、電極番号が“2”〜“5”の4個の刺激電極5Bと、端子番号“4”〜“7”の4個のコネクタ端子8Bが、それぞれ電極リード2Bの導線9(0,2)〜9(3,2)によって順番に接続される。
次に、電極リード2Cの導線9の配線例を説明する。
電極リード2Cでは、刺激電極5Cに電気的刺激信号を供給する差込み端子4Cの端子数(2個)が刺激電極5Cの電極数(2個)と同数としてある。また、導線9が、差込み端子4Cとコネクタ端子8Cと刺激電極5Cとのうちの少なくとも2つを電気的に接続している。すなわち、導線9は、差込み端子4Cとコネクタ端子8C、コネクタ端子8Cと刺激電極5C、又は差込み端子4Cと刺激電極5Cとを接続している。そして、電極リード2Cでは、近位端から遠位端に向けて配置された2個の刺激電極5Cと、遠位端から近位端に向けて配置された8個の差込み端子4Cのうち、刺激電極5Cと同数の2個の差込み端子4Cが、導線9によって順番に電気的に接続される。また、遠位端から近位端に向けて配置された2個のコネクタ端子8Cと、刺激電極5Cに接続された2個の差込み端子4Cが、導線9によって遠位端から近位端に向けて順番に電気的に接続される。
電極リード2Cでは、刺激電極5Cに電気的刺激信号を供給する差込み端子4Cの端子数(2個)が刺激電極5Cの電極数(2個)と同数としてある。また、導線9が、差込み端子4Cとコネクタ端子8Cと刺激電極5Cとのうちの少なくとも2つを電気的に接続している。すなわち、導線9は、差込み端子4Cとコネクタ端子8C、コネクタ端子8Cと刺激電極5C、又は差込み端子4Cと刺激電極5Cとを接続している。そして、電極リード2Cでは、近位端から遠位端に向けて配置された2個の刺激電極5Cと、遠位端から近位端に向けて配置された8個の差込み端子4Cのうち、刺激電極5Cと同数の2個の差込み端子4Cが、導線9によって順番に電気的に接続される。また、遠位端から近位端に向けて配置された2個のコネクタ端子8Cと、刺激電極5Cに接続された2個の差込み端子4Cが、導線9によって遠位端から近位端に向けて順番に電気的に接続される。
具体的に説明すると、電極リード2Cでは、電極番号が“6”,“7”の2個の刺激電極5Cと、端子番号“0”,“1”の2個の差込み端子4Cが、それぞれ導線9(0,1),9(1,1)によって順番に接続される。このため、電極リード2Bのコネクタ7Bに、電極リード2Cの差込み部3Cが差し込まれ、コネクタ端子8Bと差込み端子4Cが接続されると、端子番号“0”,“1”の差込み端子4Cは、電極リード2Bの端子番号“4”,“5”の差込み端子4Bと電気的に接続される。さらに、端子番号“4”,“5”の差込み端子4Bは、電極リード2Aの端子番号“6”,“7”の差込み端子4Aと電気的に接続されている。
これにより、刺激装置20から電極リード2Aの端子番号“6”,“7”の差込み端子4Aに供給された電気的刺激信号が、電極リード2Cの導線9(0,1),9(1,1)を経て、電極番号が“6”,“7”の刺激電極5Cに供給され、刺激電極5Cが生体を電気刺激することができる。
これにより、刺激装置20から電極リード2Aの端子番号“6”,“7”の差込み端子4Aに供給された電気的刺激信号が、電極リード2Cの導線9(0,1),9(1,1)を経て、電極番号が“6”,“7”の刺激電極5Cに供給され、刺激電極5Cが生体を電気刺激することができる。
また、端子番号“2”〜“7”の6個の差込み端子4Cと、端子番号“0”〜“5”の6個のコネクタ端子8Cが、それぞれ電極リード2Cの導線9(2)〜9(7)によって順番に接続される。
さらに、電極番号が“6”,“7”の2個の刺激電極5Cと、端子番号“6”,“7”の2個のコネクタ端子8Cが、それぞれ電極リード2Cの導線9(0,2),9(1,2)によって順番に接続される。
なお、本実施形態において電極リード2Cのコネクタ7Cに接続される電極リードは存在しないため、コネクタ端子8Cが生体に露出しないように、開口部7bをキャップ等によって密閉し、コネクタ7Cを塞ぐことが望ましい。
さらに、電極番号が“6”,“7”の2個の刺激電極5Cと、端子番号“6”,“7”の2個のコネクタ端子8Cが、それぞれ電極リード2Cの導線9(0,2),9(1,2)によって順番に接続される。
なお、本実施形態において電極リード2Cのコネクタ7Cに接続される電極リードは存在しないため、コネクタ端子8Cが生体に露出しないように、開口部7bをキャップ等によって密閉し、コネクタ7Cを塞ぐことが望ましい。
このように電極リード2A〜2Cを直列に連結することで、電極番号が“0”〜“7”である8個の刺激電極5A〜5Cが、電極リード2Aの端子番号“0”〜“7”の差込み端子4Aにそれぞれ電気的に接続される。このため、刺激装置20から差込み端子4Aの特定の端子番号の端子に電気的刺激信号を供給すれば、この端子番号に一意に対応する電極番号の刺激電極5A〜5Cから電気的刺激信号が生体内の神経に出力され、疼痛部位を電気刺激することが可能となる。
[1−4.刺激回路の回路構成]
次に、刺激装置20に収納された刺激回路30の電気的な構成について、図5を参照して説明する。
図5は、刺激回路30の電気的構成を示す機能ブロック図である。
次に、刺激装置20に収納された刺激回路30の電気的な構成について、図5を参照して説明する。
図5は、刺激回路30の電気的構成を示す機能ブロック図である。
刺激回路30は、コイル部31と、充電部32と、充電池33と、通信部34と、制御部35と、刺激パラメータ設定部36と、発振部37と、電極構成設定部38と、スイッチ部39とを備える。
刺激回路30は、電源部の一例としてのコイル部31と、充電部32と、充電池33とを備える。コイル部31は、例えばコイルとコンデンサで構成される共振回路である。コイル部31は、充電池33の充電を行う場合、不図示の体外に配置されたコントローラから送信される充電用の電磁波を受信する。そして、電磁波の受信に伴ってコイル部31から発生する交流電流が充電部32に出力される。また、コイル部31は不図示の体外に配置されたコントローラから送信される、所定の情報が乗せられた電磁波を受信し、受信した電磁波が当該コイル部31から通信部34に出力される。
充電部32は、不図示の整流回路を内蔵し、コイル部31から出力された交流電流を直流電流に変換して電力を取得する。そして、取得した電力で充電池33の充電を行う。充電池33は、例えばリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。この充電池33は、蓄積している電力を、刺激回路30を構成する各ブロックに供給している。
通信部34は、コイル部31が受信した電磁波を復調し、電磁波に乗せられている情報を取り出す。そして、取り出した情報を、制御部35を介して刺激パラメータ設定部36及び電極構成設定部38に出力する。刺激パラメータ設定部36に出力される情報は、電気的刺激信号の刺激強度に関する情報(以下、「刺激パラメータ」という)であり、電極構成設定部38に出力される情報は、刺激電極5A〜5Cの電極構成に関する情報(以下、「電極構成情報」という)である。
電気的刺激信号の刺激強度は、当該電気的刺激信号のパルス電圧、パルス電流、パルス幅あるいは周波数により決定されるものであり、これらパルス電圧等の値が、刺激パラメータとして設定される。また、電極構成情報は、電気的刺激信号の極性(刺激パルス、基準電位)を変更するための情報と、電気的刺激信号を出力する刺激電極5A〜5Cの電極番号に対応したコネクタ22のコネクタ端子をスイッチ部39に選択させるための情報とを含む信号である。
刺激パラメータ設定部36は、通信部34から入力される刺激パラメータに基づいて、発振部37で発生する電気的刺激信号の刺激強度を変更するための刺激強度変更信号を生成する。発振部37は、刺激パラメータ設定部36から入力される刺激強度変更信号に基づいて電気的刺激信号を生成し、生成した電気的刺激信号をスイッチ部39に出力する。
電極構成設定部38は、通信部34から入力される電極構成情報に基づいて、発振部37が発生した電気的刺激信号を出力する刺激電極5A〜5Cの電極番号に対応したコネクタ22のコネクタ端子を選択するための、電極構成選択信号を生成する。なお、刺激パラメータ設定部36から出力される刺激強度変更信号は発振部37に出力され、電極構成設定部38から出力される電極構成選択信号はスイッチ部39に出力される。
スイッチ部39は、電極構成設定部38から入力される電極構成選択信号に基づいて、発振部37から入力される電気的刺激信号を出力する刺激電極5A〜5Cの電極番号に対応したコネクタ22のコネクタ端子を決定する。なお、制御部35には、例えばマイクロコンピュータ等が用いられ、刺激回路30の各ブロックを制御する。
[1−5.電極リードの植込み方法]
次に、従来の電極リードの植込み方法と、本実施形態に係る電極リードの植込み方法について説明する。
次に、従来の電極リードの植込み方法と、本実施形態に係る電極リードの植込み方法について説明する。
<従来の電極リードの植込み方法>
始めに、SCSシステムを応用して、末梢神経刺激療法を行うための従来の電極リードの植込み方法について説明する。
図6は、従来の電極リード104を生体100の皮下に植込む手順を示す説明図である。図6A〜図6Dは、電極リード104の植込み手順1〜4を示す説明図である。
始めに、SCSシステムを応用して、末梢神経刺激療法を行うための従来の電極リードの植込み方法について説明する。
図6は、従来の電極リード104を生体100の皮下に植込む手順を示す説明図である。図6A〜図6Dは、電極リード104の植込み手順1〜4を示す説明図である。
(手順1)
医師は、診察により、患者の生体100における疼痛領域101のうちで、最大疼痛部位102を特定する(図6A)。
(手順2)
次に、医師は、中空の穿刺針103を、特定した最大疼痛部位102から離れた位置から皮下に穿刺し、穿刺針103の針先を特定した最大疼痛部位102に達するまで進める(図6B)。
(手順3)
次に、医師は、穿刺針103の中空部分にSCSシステムで用いられる電極リード104を挿入する(図6C)。この電極リード104の一端には、図6Dに示す刺激電極106が設けられているため、この刺激電極106が最大疼痛部位102に一致するように電極リード104が挿入される。
(手順4)
その後、医師は、電極リード104を生体100内に植込んだまま、生体100から穿刺針103を抜き、さらに電極リード104上から穿刺針103を取り去る。そして、電極リード104の差込み端子105を不図示の体外の刺激装置と接続し、この体外の刺激装置から電極リード104の刺激電極106に様々なパターンの電気的刺激信号を供給して、疼痛緩和に適した刺激電極106の最大疼痛部位102における位置や電気的刺激信号のパラメータ等を調整し、決定する。最後に、医師は、電極リード104の差込み端子105を刺激装置107と接続し(図6D)、電極リード104と共に刺激装置107を生体内の皮下に植込む。
医師は、診察により、患者の生体100における疼痛領域101のうちで、最大疼痛部位102を特定する(図6A)。
(手順2)
次に、医師は、中空の穿刺針103を、特定した最大疼痛部位102から離れた位置から皮下に穿刺し、穿刺針103の針先を特定した最大疼痛部位102に達するまで進める(図6B)。
(手順3)
次に、医師は、穿刺針103の中空部分にSCSシステムで用いられる電極リード104を挿入する(図6C)。この電極リード104の一端には、図6Dに示す刺激電極106が設けられているため、この刺激電極106が最大疼痛部位102に一致するように電極リード104が挿入される。
(手順4)
その後、医師は、電極リード104を生体100内に植込んだまま、生体100から穿刺針103を抜き、さらに電極リード104上から穿刺針103を取り去る。そして、電極リード104の差込み端子105を不図示の体外の刺激装置と接続し、この体外の刺激装置から電極リード104の刺激電極106に様々なパターンの電気的刺激信号を供給して、疼痛緩和に適した刺激電極106の最大疼痛部位102における位置や電気的刺激信号のパラメータ等を調整し、決定する。最後に、医師は、電極リード104の差込み端子105を刺激装置107と接続し(図6D)、電極リード104と共に刺激装置107を生体内の皮下に植込む。
このような従来の電極リード104では、最大疼痛部位102の近傍だけを電気刺激するに過ぎず、疼痛領域101の全体を電気刺激できなかった。また、最大疼痛部位102の位置が変化したときには、電極リード104を植込み直す以外の方法では変化した最大疼痛部位102に追従して電気刺激を与えることができなかった。また、1本の電極リード104では一箇所にしか電気刺激を与えられない。さらに、刺激装置107により、広範囲の疼痛領域101に電気刺激を与えるためには強い電圧の電気的刺激信号を刺激電極106に供給する必要があるため、刺激電極周辺の領域では刺激に伴う不快感を与える可能性があった。また、刺激電極106を最大疼痛部位102に置くことで、電極リード104の端部が最大疼痛部位102内で機械的刺激となって、潰瘍や紅斑が生じやすくなり、さらに状態を悪化させる場合があった。
<本実施形態に係る電極リードの植込み方法>
図7は、本実施形態例に係る電極リード2A〜2Cを生体40の皮下に植込みを行う手順を示す説明図である。図7A〜図7Cは、電極リード2A〜2Cの植込み手順1〜3を示す説明図である。
図8は、本実施形態に係る電気刺激装置1を生体の皮下に植込んだ状態を示す説明図である。
図7は、本実施形態例に係る電極リード2A〜2Cを生体40の皮下に植込みを行う手順を示す説明図である。図7A〜図7Cは、電極リード2A〜2Cの植込み手順1〜3を示す説明図である。
図8は、本実施形態に係る電気刺激装置1を生体の皮下に植込んだ状態を示す説明図である。
(手順1)
医師は、診察により、患者の生体40における疼痛領域41及び最大疼痛部位42を特定する。次に、特定した疼痛領域41に基づいて、電極リード2Aの生体40への予定する挿入部、挿出部に小切開を作製する。続いて、作製した挿入部から牽引ワイヤ43を生体40の皮下組織内に押し進め、作製した挿出部から体表へ牽引ワイヤ43を出す。その後、牽引ワイヤ43に電極リード2Aの差込み部3Aの先端を取り付け、この牽引ワイヤ43を引っ張りながら、皮下内に電極リード2Aを移動させて、最大疼痛部位42を含む疼痛領域41の下端に配置する(図7A)。
(手順2)
次に、医師は、電極リード2Aを生体40の皮下に植込んだ手順と同様の手順を繰り返し、疼痛領域41に重なる位置に電極リード2Bを植込み、疼痛領域41の上端に電極リード2Cを植込む(図7B)。植込んだ電極リード2A〜2Cに設けられる電極数は、刺激装置20が制御可能な最大電極数(例えば、8個)以下となるようにする。また、刺激電極5A〜5Cが疼痛領域41に対して適切に配置されるように電極リード2A〜2Cの位置合せを行う。このとき、電極リード2A,2Cは、略平行に配置され、電極リード2Bは、電極リード2A,2Cの間で斜めに配置される。そして、電極リード2A〜2Cを直列に連結しやすくなるように、電極リード2Aのコネクタ7Aと電極リード2Bの差込み部3Bが近くに配置され、電極リード2Bのコネクタ7Bと電極リード2Cの差込み部3Cが近くに配置される。
医師は、診察により、患者の生体40における疼痛領域41及び最大疼痛部位42を特定する。次に、特定した疼痛領域41に基づいて、電極リード2Aの生体40への予定する挿入部、挿出部に小切開を作製する。続いて、作製した挿入部から牽引ワイヤ43を生体40の皮下組織内に押し進め、作製した挿出部から体表へ牽引ワイヤ43を出す。その後、牽引ワイヤ43に電極リード2Aの差込み部3Aの先端を取り付け、この牽引ワイヤ43を引っ張りながら、皮下内に電極リード2Aを移動させて、最大疼痛部位42を含む疼痛領域41の下端に配置する(図7A)。
(手順2)
次に、医師は、電極リード2Aを生体40の皮下に植込んだ手順と同様の手順を繰り返し、疼痛領域41に重なる位置に電極リード2Bを植込み、疼痛領域41の上端に電極リード2Cを植込む(図7B)。植込んだ電極リード2A〜2Cに設けられる電極数は、刺激装置20が制御可能な最大電極数(例えば、8個)以下となるようにする。また、刺激電極5A〜5Cが疼痛領域41に対して適切に配置されるように電極リード2A〜2Cの位置合せを行う。このとき、電極リード2A,2Cは、略平行に配置され、電極リード2Bは、電極リード2A,2Cの間で斜めに配置される。そして、電極リード2A〜2Cを直列に連結しやすくなるように、電極リード2Aのコネクタ7Aと電極リード2Bの差込み部3Bが近くに配置され、電極リード2Bのコネクタ7Bと電極リード2Cの差込み部3Cが近くに配置される。
(手順3)
次に、医師は、皮下に植込んだ電極リード2A〜2Cを直列に連結する(図7C)。この連結は、生体40から露出するコネクタ7Aに差込み部3Bを差込み、コネクタ7Bに差込み部3Cを差し込むことで行われる。そして、医師は、電極リード2Aの差込み部3Aを不図示の体外の刺激装置と接続し、この体外の刺激装置から様々なパターンの刺激を行って、疼痛の緩和に適した電極リード2A〜2Cの位置、電気的刺激信号のパラメータ等を調整し、決定する。
次に、医師は、皮下に植込んだ電極リード2A〜2Cを直列に連結する(図7C)。この連結は、生体40から露出するコネクタ7Aに差込み部3Bを差込み、コネクタ7Bに差込み部3Cを差し込むことで行われる。そして、医師は、電極リード2Aの差込み部3Aを不図示の体外の刺激装置と接続し、この体外の刺激装置から様々なパターンの刺激を行って、疼痛の緩和に適した電極リード2A〜2Cの位置、電気的刺激信号のパラメータ等を調整し、決定する。
(手順4)
次に、医師は、電極リード2A,2Bの接続部位、電極リード2B,2Cの接続部位、及び電極リード2Cのコネクタ7Cの付近を切開して、電極リード2A〜2Cの生体40から露出している部分を螺旋状にまとめて、コネクタ7B、7Cと共に生体40の皮下に押し込む。そして、医師は、全ての切開口を縫合する。
次に、医師は、電極リード2A,2Bの接続部位、電極リード2B,2Cの接続部位、及び電極リード2Cのコネクタ7Cの付近を切開して、電極リード2A〜2Cの生体40から露出している部分を螺旋状にまとめて、コネクタ7B、7Cと共に生体40の皮下に押し込む。そして、医師は、全ての切開口を縫合する。
(手順5)
最後に、医師は、電極リード2Aの差込み部3Aと刺激装置20を接続し、差込み部3Aと共に刺激装置20を皮下に植込んで、電気刺激装置1の植込みを完了する(図8)。刺激装置20は、一般的に患者の腰部又は腹部に形成された皮下ポケット内に収容されるが、電極リード2Aの差込み部3Aが刺激装置20の植込み予定の皮下ポケットに届く場合には、刺激装置20のコネクタ22に直接差し込まれて接続される。一方、電極リード2Aの差込み部3Aが刺激装置20の植込み予定の皮下ポケットに届かない場合は、エクステンションリード24を介して電極リード2A〜2Cと刺激装置20が接続される。
最後に、医師は、電極リード2Aの差込み部3Aと刺激装置20を接続し、差込み部3Aと共に刺激装置20を皮下に植込んで、電気刺激装置1の植込みを完了する(図8)。刺激装置20は、一般的に患者の腰部又は腹部に形成された皮下ポケット内に収容されるが、電極リード2Aの差込み部3Aが刺激装置20の植込み予定の皮下ポケットに届く場合には、刺激装置20のコネクタ22に直接差し込まれて接続される。一方、電極リード2Aの差込み部3Aが刺激装置20の植込み予定の皮下ポケットに届かない場合は、エクステンションリード24を介して電極リード2A〜2Cと刺激装置20が接続される。
以上説明した第1の実施形態例に係る電気刺激装置1によれば、電極リード2A〜2Cを生体40の皮下に植込んで、複数の刺激電極5A〜5Cにより末梢神経刺激療法を行うようにした。これにより、従来よりも広範囲の疼痛領域41に配置した刺激電極5A〜5Cにより最大疼痛部位42に電気刺激を与えることが可能となる。このため、最大疼痛部位42を含む疼痛領域41の全体にわたって電気刺激を行い、疼痛を緩和することができる。
また、電気刺激装置1は、硬膜外腔に電極リードを植込むSCSシステムに対し、刺激装置20、電極リード2A〜2C、エクステンションリード24の全てを皮下に植込むことができる。そのため、とても低侵襲な術式で植え込みを行うことができ、患者の生体40に与える負担が小さい。また、SCSシステムでの硬膜外腔への電極リード植込みの際に起こる硬膜外血腫、神経損傷、硬膜穿刺といったトラブルを避けることができる。なお、エクステンションリード24のコネクタ25を差込み部に換え、エクステンションリード24の両端部に差込み部を設ける場合には、電極リード2A〜2Cそれぞれの近位端にコネクタを設け、遠位端に差込み部を設けた構成としてもよいことは言うまでもない。
また、電極リード2A〜2C内で、差込み端子4A〜4Cから刺激電極5A〜5Cに接続した導線9は、さらにコネクタ端子8A〜8Cに接続される。それゆえ、電極リード2A〜2C内における全ての差込み端子4A〜4Cと、全てのコネクタ端子8A〜8Cは、それぞれ導線9によって内部で接続される。このため、リード部6A〜6C内で配線される導線9の本数が減らないため、リード部6A〜6Cの径方向における導線9の配置に偏りがなくなり、リード部6A〜6Cがよじれたり、折れ曲がったりしても強度を保つ。また、リード部6A〜6Cに意図しない応力がかからないため、導線9の断線を防ぐことができる。特に、リード部6A〜6C内をマルチルーメン構造とし、このルーメン内を個々の導線9を通すことで、より強度を増すことができる。
また、医師は、電極リード2A〜2Cを、それぞれ真っ直ぐの状態で生体40の皮下に植込むことにより、生体40の挿入部、挿出部から出た電極リード2A〜2Cの両端を持ちながら容易に刺激電極5A〜5Cの位置を変えやすい。このため、医師は、刺激電極5A〜5Cの植込み位置を決定することが容易であり、SCSシステムに比べて手術時間を短くすることができる。また、電極リード2A〜2Cが生体40から露出する部分とコネクタ7A〜7Cとが、まとめて皮下に植込まれている。このため、患者が体位を変えても、電極リード2A〜2Cのまとめられた部分が患者の動きに追随するため、刺激電極5A〜5Cの位置ズレを抑えることができる。
また、従来であれば複数本の電極リードを植込むためには、マルチコネクタを有する刺激装置を用いたり、スプリッターと呼ばれる分配器を用いたりする必要があったが、複数本の電極リードを刺激装置から疼痛領域まで引き回してこなければならず、植込みの際にとても煩雑な作業となっていた。しかし、本実施形態に係る直列に連結された電極リード2A〜2Cでは、1本の電極リード2Aを刺激装置20から疼痛領域まで引き回せばよく、植込みの負担を減らすことができる。
また、従来のSCSシステムでは、X線透視下で硬膜外腔に電極リードを植込むため、手術に長時間を要していた。しかし、本実施形態に係る電極リード2A〜2Cは、皮下に植込むため、X線透視を必要とせずに手術が可能であり、患者に対する放射線被曝のおそれがない。
[1−6.電気的刺激信号のタイミング]
次に、連結された複数本の電極リードを用いて生体を電気刺激する例を説明する。
上述した3本の電極リード2A〜2Cの刺激電極5A〜5Cを構成する電極の個数の組み合わせとして、2個、4個、2個の電極を組み合わせた例を示したが、これらの個数はあくまでも一例であって、その他の個数を有する刺激電極を組み合わせてもよい。例えば、刺激電極5A〜5Cを構成する電極の個数を同数としてもよいし、互いに異ならせてもよい。以下では、刺激電極5A〜5Cを構成する電極の個数が4個である場合を例に、生体を電気刺激する方法を説明する。
次に、連結された複数本の電極リードを用いて生体を電気刺激する例を説明する。
上述した3本の電極リード2A〜2Cの刺激電極5A〜5Cを構成する電極の個数の組み合わせとして、2個、4個、2個の電極を組み合わせた例を示したが、これらの個数はあくまでも一例であって、その他の個数を有する刺激電極を組み合わせてもよい。例えば、刺激電極5A〜5Cを構成する電極の個数を同数としてもよいし、互いに異ならせてもよい。以下では、刺激電極5A〜5Cを構成する電極の個数が4個である場合を例に、生体を電気刺激する方法を説明する。
図9は、3本の電極リード2A〜2Cを用いて生体の疼痛領域41と最大疼痛部位42を電気刺激する説明図である。
図9において、連結された3本の電極リード2A〜2Cが、図8と同様に生体40の皮下に植え込まれている。この例では、電極リード2Aが最大疼痛部位42を含む疼痛領域41の下端に沿って配置され、電極リード2Cが疼痛領域41の上端に沿って電極リード2Aと対向するように配置されている。最大疼痛部位42の皮下に刺激電極5Bが位置するように、電極リード2Bが配置されている。なお、刺激装置20及びエクステンションリード24も皮下に植え込まれることとなる。電極リード2A〜2Cの刺激電極5A〜5Cの個数はいずれも4個であり、この場合の刺激装置20が制御可能な最大電極数は12個である。
図9において、連結された3本の電極リード2A〜2Cが、図8と同様に生体40の皮下に植え込まれている。この例では、電極リード2Aが最大疼痛部位42を含む疼痛領域41の下端に沿って配置され、電極リード2Cが疼痛領域41の上端に沿って電極リード2Aと対向するように配置されている。最大疼痛部位42の皮下に刺激電極5Bが位置するように、電極リード2Bが配置されている。なお、刺激装置20及びエクステンションリード24も皮下に植え込まれることとなる。電極リード2A〜2Cの刺激電極5A〜5Cの個数はいずれも4個であり、この場合の刺激装置20が制御可能な最大電極数は12個である。
図10は、3本の電極リード2A〜2Cの刺激電極5A〜5Cに供給される電気的刺激信号のタイミングチャートの一例である。
以下の説明では、刺激電極5Aを構成する個々の電極に対して、近位端から遠位端に向けて電極番号“0”〜“3”を付し、同様に刺激電極5Bを構成する個々の電極に対して電極番号“4”〜“7”を付し、刺激電極5Cを構成する個々の電極に対して電極番号“8”〜“11”を付している。
以下の説明では、刺激電極5Aを構成する個々の電極に対して、近位端から遠位端に向けて電極番号“0”〜“3”を付し、同様に刺激電極5Bを構成する個々の電極に対して電極番号“4”〜“7”を付し、刺激電極5Cを構成する個々の電極に対して電極番号“8”〜“11”を付している。
図10において、T1は、刺激装置20から刺激電極5A〜5Cの全体に対して電気的刺激信号を供給する時間の長さ(すなわち全体刺激時間)を表している。また、T2は、刺激装置20から刺激電極5A〜5Cの個々の電極に対して電気的刺激信号を供給する時間の長さ(すなわち電極刺激時間)を表している。全体刺激時間T1の間に、複数回の電極刺激時間T2による電気的刺激信号が生体40に供給される。刺激電極5A〜5Cへの電気刺激の周波数(1/T1)は、例えば50〜100Hzであり、全体刺激時間T1は10ms〜数十msオーダーである。
図10の例では、最初の全体刺激時間T1内の初めの電極刺激時間T2において、刺激回路30から電極リード2Aの電極番号“0”,“3”の刺激電極5Aに電気的刺激信号を構成する刺激パルス信号が供給され、電極リード2Cの電極番号“8”,“11”の刺激電極5Cに電気的刺激信号を構成する基準電位信号が供給される。それにより、最大疼痛部位42を含む疼痛領域41への電気刺激が行われる。
次の電極刺激時間T2では、最大疼痛部位42の直下に配置された、電極リード2Bの電極番号“4”の刺激電極5Bに、痛みの程度に合わせて例えばパルス幅及び波高値を変えた刺激パルス信号が供給され、電極番号“7”の刺激電極5Bに基準電位信号が供給される。それにより、最大疼痛部位42への電気刺激が行われる。
そして、刺激回路30は全体刺激時間T1内において、電極リード2A,2Cの刺激電極5A,5Cへの電気的刺激信号の供給と、電極リード2Bへの電気的刺激信号の供給を交互に繰り返す。
続いて、最初の全体刺激時間T1が経過して二番目の全体刺激時間T1が到来したとき、その初めの電極刺激時間T2において、電極リード2Cの電極番号“8”,“11”の刺激電極5Cに電気的刺激信号を構成する前回と同じ刺激パルス信号が供給され、電極リード2Aの電極番号“0”,“3”の刺激電極5Aに電気的刺激信号を構成する基準電位信号が供給される。それにより、最大疼痛部位42を含む疼痛領域41への電気刺激が行われる。
次の電極刺激時間T2では、電極リード2Bの電極番号“7”の刺激電極5Bに前回と同じ刺激パルス信号が供給され、電極番号“4”の刺激電極5Bに基準電位信号が供給される。それにより、最大疼痛部位42への電気刺激が行われる。
そして、二番目の全体刺激時間T1内において、電極リード2A,2Cの刺激電極5A,5Cへの電気的刺激信号の供給と、電極リード2Bへの電気的刺激信号の供給を交互に繰り返す。さらに、二番目の全体刺激時間T1が経過して三番目の全体刺激時間T1が到来したとき、最初の全体刺激時間T1における電極刺激時間T2による複数回の電気刺激を繰り返す。
上述のとおり、電極リード2A(第1の電極リード)の刺激電極5Aと電極リード2C(第2の電極リード)の刺激電極5Cによって形成された領域(疼痛領域41に対応)内に、最大疼痛部位42に対応させて電極リード2B(第3の電極リード)の少なくとも1つの刺激電極5Bが配置される。そして、電極リード2Aの刺激電極5Aの少なくとも1つの電極と電極リード2Cの刺激電極5Cの少なくとも1つの電極との間で行われる第1の電気刺激と、電極リード2Bの刺激電極5Bの少なくとも2つの電極との間で行われる第2の電気刺激とが交互に連続的に行われる。
したがって、最大疼痛部位42を含む疼痛領域41を電極リード2A,2Cの刺激電極5A,5Cで電気刺激し、これと並行して、最大疼痛部位42を電極リード2Bの刺激電極5Bで電気刺激することができる。それゆえ、最大疼痛部位42を含む広範囲の疼痛領域41の疼痛を緩和しつつ、同時に疼痛領域41内の狭範囲の最大疼痛部位42の痛みを緩和することができる。
このように、痛みが比較的強くない広範囲の領域に対する電気刺激(電極リード2A,2Cによる電気刺激)と、この広範囲の領域に含まれる痛みが強い狭範囲の領域に対する電気刺激(電極リード2B内の刺激電極5C間の電気刺激)を実質的に同時に行うことで、より細かい疼痛緩和の制御を行うことができる。すなわち、痛みが強い狭範囲の領域では、痛みが比較的強くない広範囲の領域に対する電気刺激の疼痛緩和の効果を得ることができるため、痛みが強い狭範囲の領域を1本の電極リードで刺激するよりも弱い電気刺激で相応の疼痛緩和の効果を得ることができる。
また、疼痛領域41の中心近傍(最大疼痛部位42)を通る電極リード2Bの刺激電極5Bによる電気刺激を弱めても、疼痛領域41の外縁近傍に配置された他の電極リード2A,2Cの刺激電極5Bによる電気刺激によって、疼痛領域41への電気刺激の強度を高めることで同様な効果を得ることができる。
また、単一の電極リードを直線で皮下の疼痛領域41へ挿入する場合に比べ、電力量を抑えることができるため、生体40への悪影響を抑えられる。痛みの強くない領域に対して強い刺激が印加されないので、患者の刺激に対する不快感も少なくなる。
また、電気刺激する領域に応じて刺激装置20による電気的刺激信号の供給をきめ細かく制御することで、刺激装置20の電力消費が抑えられ、刺激装置20の充電池33を充電する間隔を延ばすことができる。
なお、図10の例では、最初の全体刺激時間T1と二番目の全体刺激時間T1とで、刺激電極5A,5Cに与える刺激パルス信号と基準電位信号を切り替えている。すなわち、刺激電極5A,5Cに与える電気的刺激信号の極性を切り替えている。このようにすることにより、生体の直流的分極が避けられ、生体に対する不快感を緩和することが期待できる。
図10では、電極リード2Aの電極番号“0”,“3”の刺激電極5A、電極リード2Cの電極番号“8”,“11”の刺激電極5C、電極リード2Bの電極番号“4”,“7”の刺激電極5Cに電気的刺激信号を供給する例を示したが、この例に限られない。また、図10では、電極リード2A〜2Cの刺激電極5A〜5Cの電極数をそれぞれ4個として合計12個としているが、この例に限らず、13個以上又は12個未満でもよい。
また、生体40の疼痛領域41及び最大疼痛部位42の痛みに応じて、全体刺激時間T1内において刺激電極5A,5C及び/又は刺激電極5Bへ電気的刺激信号を供給する回数を増やしたり、供給する電気的刺激信号の刺激強度を変化させたりしてもよい。
なお、図9の例では、最大疼痛部位42に対して電極番号“4”〜“7”の刺激電極5Bが配置されており、そのうち電極番号“4”,“7”の刺激電極5Bは最大疼痛部位42の領域から外れているが、これらの刺激電極5Bを最大疼痛部位42の領域内に配置してもよいことは勿論である。電気的刺激信号は少なくとも2つの刺激電極に対して供給されるため、刺激電極のうち少なくとも1つの電極が最大疼痛部位に配置されていればよい。
<2.第2の実施形態>
図11は、本発明の第2の実施形態に係る電気刺激装置1Aを示す説明図である。
本実施形態では、複数本の電極リードを連結することなく、複数本の電極リードの各々を単独で疼痛領域41及び最大疼痛部位42に配置して疼痛緩和を行う例である。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る電気刺激装置1Aを示す説明図である。
本実施形態では、複数本の電極リードを連結することなく、複数本の電極リードの各々を単独で疼痛領域41及び最大疼痛部位42に配置して疼痛緩和を行う例である。
図11では、4個の刺激電極55Aが設けられた電極リード52Aが疼痛領域41の下端に配置され、4個の刺激電極55Cが設けられた電極リード52Cが疼痛領域41の上端に配置されている。また4個の刺激電極55Bが設けられた電極リード52Bが疼痛領域41内の最大疼痛部位42に配置されている。つまり、電極リード52Aは電極リード2A(図9参照)に対応する位置に、電極リード52Bは電極リード2Bに対応する位置に、電極リード52Cは電極リード2Cに対応する位置に配置されている。
刺激電極55Aを構成する個々の電極に対して、近位端から遠位端に向けて電極番号“0”〜“3”を付し、同様に刺激電極55Bを構成する個々の電極に対して電極番号“4”〜“7”を付し、刺激電極55Cを構成する個々の電極に対して電極番号“8”〜“11”を付している。
電極リード52Aは、コネクタ7Aがないことを除いて電極リード2Aとほぼ同じ構成であり、可撓性を有する長尺体として構成されるリード部(リード本体)を有する。また、リード部の近位端には、刺激装置20Aのコネクタ22Aに差し込まれる差込み端子23A(端子部)が設けられている。差込み端子23Aには、コネクタ22Aに設けられている差込み端子23A用の受け部(図示略)の端子(図1のコネクタ22のコネクタ端子に相当)と同数(この例では4個)の端子が設けられている。
電極リード52Aは、リード部に設けられた複数(4個)の刺激電極55Aを有している。この刺激電極55Aは、差込み端子23Aの端子と1対1に対応付けられている。刺激電極55Aは、リード部内部に配線された不図示の導線によって差込み端子23Aと電気的に接続され、差込み端子23Aから供給された電気的刺激信号により生体40内の神経を電気刺激する。刺激電極55Aと差込み端子23Aは、リード部の外周方向に沿って形成され、軸方向に一定の間隔を空けて配置されている。
電極リード52Aの刺激電極55A、差込み端子23A及びコネクタ22Aに設けられた差込み端子23A用の受け部の端子の形状は、電極リード2A及びコネクタ22に設けられたものと同じである。また、電極リード52Aの刺激電極55A、差込み端子23A及びコネクタ22Aの差込み端子23A用の受け部の端子には、第1の実施形態と同様に、導電性があって生体適合性がある素材が用いられる。
電極リード52B,52Cについても、電極リード52Aと同様に、刺激電極55B,55C及び差込み端子23B,23Cが設けられている。そして、電極リード52B,52Cの刺激電極55B,55C、差込み端子23B,23C及びコネクタ22Aに設けられた差込み端子23B,23C用の受け部の端子の形状及び素材は、それぞれ電極リード52A及びコネクタ22Aに設けられたものと同じである。
なお、刺激電極55A〜55Cは、リード部の中央に配置されていることが望ましいが、リード部の端部近傍でもよい。また、3本の電極リード52A〜52Cを用いたが、少なくとも3本の電極リードを用いればよい。
図12は、電気刺激装置1Aの刺激回路30Aの電気的構成を示す機能ブロック図である。
上述したように、刺激装置20Aのコネクタ22Aには、差込み端子23A〜23C用の受け部(図示略)の端子が設けられている。電極リード52A〜52Cの差込み端子23A〜23Cが、コネクタ22Aに設けられた差込み端子23A〜23C用の受け部(図示略)に差し込まれると、コネクタ22Aの差込み端子23A〜23C用の受け部の端子が、刺激回路30Aのスイッチ部39と電気的に接続する。このとき、電極リード52A〜52Bの刺激電極55A〜55Cは、コネクタ22Aの差込み端子23A〜23C用の受け部の端子と一対一に対応している。
上述したように、刺激装置20Aのコネクタ22Aには、差込み端子23A〜23C用の受け部(図示略)の端子が設けられている。電極リード52A〜52Cの差込み端子23A〜23Cが、コネクタ22Aに設けられた差込み端子23A〜23C用の受け部(図示略)に差し込まれると、コネクタ22Aの差込み端子23A〜23C用の受け部の端子が、刺激回路30Aのスイッチ部39と電気的に接続する。このとき、電極リード52A〜52Bの刺激電極55A〜55Cは、コネクタ22Aの差込み端子23A〜23C用の受け部の端子と一対一に対応している。
スイッチ部39は、電極構成設定部38から入力される電極構成選択信号に基づいて、発振部37から入力される電気的刺激信号を出力する刺激電極55A〜55Cの電極番号に対応したコネクタ22Aの差込み端子23A〜23C用の受け部の端子を決定する。これにより、電極リード52A〜52Cの指定された刺激電極55A〜55Cに電気的刺激信号が供給される。
そして、例えば図10に示すタイミングチャートに従い、“0”〜“11”の電極番号を指定して刺激電極55A〜55Cに電気的刺激信号を供給することで、電極リード52A,52Cにより最大疼痛部位42を含む疼痛領域41を電気刺激し、電極リード52Bにより最大疼痛部位42を電気刺激することができる。なお、電極リード52Bの刺激電極55Bと図9の電極リード2Bの刺激電極5Bとは、電極番号の順番が正反対である。
したがって、刺激電極5Bの電極番号“4”〜“7”の電極が、刺激電極55Bの電極番号“7”〜“4”の電極に対応している。
したがって、刺激電極5Bの電極番号“4”〜“7”の電極が、刺激電極55Bの電極番号“7”〜“4”の電極に対応している。
本実施形態によれば、刺激装置20Aと直接接続した電極リード52A〜55Cに設けられた刺激電極55A〜55Cを、疼痛領域41及び最大疼痛部位42のそれぞれに配置した場合でも、第1の実施形態と同様の疼痛緩和の効果が得られる。
なお、例えば電極リード52Aと電極リード52Bを連結するなど、一部の電極リードを連結してもよい。このように、電極リード52A〜52Cの一部を複数本の電極リードを連結した連結リードに置き換えても同様の効果が得られる。
<3.変形例>
なお、本発明には、様々な変形例を想定し得る。
例えば、図7,図9,図11に示したように電極リード2Aと電極リード2Cを、疼痛領域41を挟んで対向するように直線状に配置しているが、電極リード2A,2Cは円弧状などの曲線状でもよい。同様に、電極リード2Aと電極リード2Cにより形成される領域に配置される電極リード2Bも、直線状に限らず、曲線状でもよい。
なお、本発明には、様々な変形例を想定し得る。
例えば、図7,図9,図11に示したように電極リード2Aと電極リード2Cを、疼痛領域41を挟んで対向するように直線状に配置しているが、電極リード2A,2Cは円弧状などの曲線状でもよい。同様に、電極リード2Aと電極リード2Cにより形成される領域に配置される電極リード2Bも、直線状に限らず、曲線状でもよい。
また、第1及び第2の実施形態において一つの刺激装置20,20Aを用いたが、刺激装置を2個以上設けてもよい。例えば、2個の刺激装置の一方を広範囲の領域(疼痛領域41)を電気刺激するために用い、他方の刺激装置を広範囲内の狭範囲の領域(最大疼痛部位42)を電気刺激するために用いる。あるいは、一つの刺激装置内に二つの刺激回路を設けるようにしてもよい。
また、一つの基準電位信号を用いて電極リード2A,2C(52A,52C)による電気刺激と電極リード2B(52B)による電気刺激を時分割ではなく、同時に行うことも可能である。しかし、各刺激電極から出力される電流(電圧)の分布が複雑になり、経験豊富な医師でないと生体40に与える電気刺激の効果がわかりにくいということがある。そこで、2個の刺激装置を設けて、広範囲の領域と狭範囲の領域のそれぞれの領域に配置された刺激電極に供給する基準電位信号を異ならせることで、広範囲の領域の電気刺激と狭範囲の領域の電気刺激を、同時に実施することが可能になる。このようにした場合、2つの基準電位信号が互いに異なるため、生体40に与える電気刺激の効果が容易に推定できる。あるいは、一つの刺激装置内の二つの刺激回路から出力する基準電位信号を異ならせることでも、同様の効果が得られる。
また、第1及び第2の実施形態では、各電極リードの刺激電極と、刺激装置のコネクタ内の電極リードごとに設けられた差込み端子受け部の端子を一対一に対応させ、スイッチ部39でコネクタ内の差込み端子受け部の端子を選択して指定した刺激電極へ電気的刺激信号を供給していたが、これに限られない。例えば、複数の電極リードに一意的なリード番号を付し、刺激電極に相対的な電極番号を付す。そして、電極リードに付したリード番号と、刺激電極に付した相対的な電極番号を用いて刺激電極を指定し、電気的刺激信号を供給するようにしてもよい。この場合、各電極リード内に設けられたリードICチップがリード番号を利用して電極リードを識別し、該当する電極リード内の刺激電極に対応して設けられた電極ICチップが、指定された刺激電極に電気的刺激信号が供給されるように制御する。
また、直列に連結する電極リード2A〜2Cに用いられる刺激電極5A〜5Cの最大個数を8個として説明したが、この個数は増減してもよい(例えば、4個、16個)。また、電気刺激装置1に用いる電極リードの本数は、3本に限らず、4本以上としてもよい。また、電極リード毎に配置された刺激電極の間隔を一定とせずに、異ならせてもよい。
また、第1及び第2の実施形態において、刺激装置20,20Aには筐体21から突出するコネクタ22,22Aを設けたが、コネクタ22,22Aを筐体21の内部に収めて筐体21から突出する部位をなくし、刺激装置20のサイズを小さくしてもよい。
また、第1の実施形態において、刺激装置20と電極リード2Aは、エクステンションリード24を介して接続されるように構成したが、電極リード2Aの差込み端子4Aが刺激装置20のコネクタ22に接続されるように構成してもよい。
また、電極リードのリード部には、電極の間隔を広げた刺激電極が配置されるように構成してもよい。これにより、例えば、刺激電極5Aの電極間でリード部6Aを折り曲げて皮下に植込まれた1本の電極リード2Aだけでも、生体40を電気刺激することができる。
また、図7,図9,図11に示したように略Z形状のパターンで電極リード2A〜2C,52A〜52Cを生体40に植込むようにしたが、その他のパターンで電極リード2A〜2C,52A〜52Cを植込んでもよい。例えば、略四角状、略W形状、略M形状等の様々なパターンを利用することができる。また、電極リード2A,2B,2Cの順に直列に連結するだけでなく、例えば、電極リード2B,2A,2Cの順に直列に連結してもよい。
また、本発明は上述した実施形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
1,1A…電気刺激装置、 2A〜2C…電極リード、 3A〜3C…差込み部、 4A〜4C…差込み端子、 5A〜5C…刺激電極、 6A〜6C…リード部、 7A〜7C…コネクタ、 8A〜8C…コネクタ端子、 9…導線、 10A〜10C…係合部材、 20,20A…刺激装置、 22,22A…コネクタ、 30,30A…刺激回路、 52A〜52C…電極リード、 55A〜55C…刺激電極
Claims (4)
- 電気的刺激信号を出力する刺激回路を有する刺激装置と、
可撓性を有し内部に導線が配線されたリード部と、該リード部の前記刺激装置が接続される側の端部に設けられた端子部と、該端子部と電気的に接続され前記端子部を介して前記電気的刺激信号が供給される前記リード部内に設けられた一以上の刺激電極と、を有する第1乃至第3の電極リードと、を備え、
前記刺激回路は、前記第1の電極リードの少なくとも1つの前記刺激電極と前記第2の電極リードの少なくとも1つの前記刺激電極の間に前記電気的刺激信号の供給を行うとともに、該電気的刺激信号の供給を行う前記第1の電極リードの前記少なくとも1つの前記刺激電極と前記第2の電極リードの前記少なくとも1つの前記刺激電極により形成された領域内の前記第3の電極リードの前記刺激電極の間に前記電気的刺激信号の供給を行う
電気刺激装置。 - 前記領域内に、前記電気的刺激信号が供給される前記第3の電極リードの前記刺激電極の少なくとも1つが置かれる
請求項1に記載の電気刺激装置。 - 前記第1の電極リードと前記第2の電極リードの間での少なくとも1つの前記電気的刺激信号の供給と、前記第3の電極リードの前記刺激電極の間での少なくとも1つの前記電気的刺激信号の供給が時分割で繰り返される
請求項1又は2に記載の電気刺激装置。 - 前記第1乃至第3の電極リードは、前記リード部の前記刺激装置が接続される側と反対側の端部に設けられた第2の端子部を備え、
前記第3の電極リードの前記端子部と前記第2の電極リードの前記第2の端子部とが電気的に接続され、前記第2の電極リードの前記端子部と前記第1の電極リードの前記第2の端子部とが電気的に接続され、前記第1の電極リードの前記端子部に前記電気的刺激信号が供給される
請求項1乃至3のいずれかに記載の電気刺激装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013218448A JP2015080499A (ja) | 2013-10-21 | 2013-10-21 | 電気刺激装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013218448A JP2015080499A (ja) | 2013-10-21 | 2013-10-21 | 電気刺激装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015080499A true JP2015080499A (ja) | 2015-04-27 |
Family
ID=53011446
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2013218448A Pending JP2015080499A (ja) | 2013-10-21 | 2013-10-21 | 電気刺激装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015080499A (ja) |
-
2013
- 2013-10-21 JP JP2013218448A patent/JP2015080499A/ja active Pending
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