JP2015080498A - 電気刺激装置 - Google Patents

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Yoshihito Fukui
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Abstract

【課題】刺激装置の植込みに伴い生じる生体の疼痛部位の痛みを緩和する。
【解決手段】電気的刺激信号を出力する刺激回路30を有し、生体40の内部に植込まれる刺激装置20と、内部に導線が配線されたリード部と、該リード部の刺激装置20が接続される側の端部に設けられた端子部23と、該端子部23と電気的に接続される一以上の刺激電極15Aと、を有する電極リード15と、を備える。さらに、刺激装置20の植込みに伴い生じる生体40の疼痛領域45a,46に配置される、刺激装置20の刺激回路30と電気的に接続される一以上の補助刺激電極21T1〜21T4を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、生体を電気刺激する電気刺激療法に使用される電気刺激装置に関し、特に、生体内に低侵襲で植込むことが可能な電気刺激装置に関する。
従来、薬物療法等を用いる痛み治療を行っても有用な効果を示さない場合や、副作用等によりその治療が継続できない場合に、神経を電気刺激することにより痛みを緩和する電気刺激療法が効果をあげている。電気刺激療法の1つである脊髄電気刺激療法は、脊髄を介して脳へ伝播する痛みを緩和するために、SCS(Spinal Cord Stimulation)システムを利用して脊髄の神経を電気刺激するものである。このSCSシステムには、生体を電気刺激する刺激電極を有する電極リード、刺激電極に電気的な刺激信号(以下、「電気的刺激信号」という)を供給する刺激装置(IPG:Implantable Pulse Generator)を有する電気刺激装置が含まれる。脊髄電気刺激療法では、脊髄を覆う脊髄硬膜の背側にある空間の硬膜外腔に電極リードを導き、患者の痛みに関与している神経が通っている脊髄レベルを刺激電極で電気刺激を行うことで、疼痛領域にパレステジアと呼ばれる刺激感覚を起こし、疼痛を緩和しようとするものである。
しかしながら、脊髄電気刺激療法では、疼痛領域にパレステジアを一致させるように刺激電極を留置することが難しく、疼痛のない領域にパレステジアが起こった場合には患者が不快と感じることがあった。また、硬膜外腔から遠い、脊髄の深い領域を通る神経を刺激することは難しく、例えば、腰痛を緩和することは困難であった。これに対し、近年、SCSシステムの電極リードを疼痛領域の最大疼痛部位の皮下に植込み、最大疼痛部位の末梢神経終末を電気刺激することで限局的にパレステジアを起こして疼痛緩和を行う末梢神経刺激療法(PNFS:Peripheral Nerve Field Stimulation)が臨床応用されつつある。
ところで、電気刺激療法を利用して、術後の創部痛に対する皮下での電気刺激が急性期における疼痛緩和に有効であったことが報告されている。また、特許文献1には、複数の刺激電極を有する電極リードを生体の手術瘢痕の近くの皮下に挿入し、刺激装置から刺激電極へ電気的刺激信号を供給することで、手術瘢痕による慢性疼痛を緩和する技術が開示されている。
米国特許出願公開第2010/0324625号明細書
電気的刺激療法では、電極リードの刺激電極に電気的刺激信号を供給する刺激装置は、一般的に患者の腰部や腹部に形成された皮下ポケット内に電極リードと共に収納されるが、刺激装置が植込まれた部位、及び刺激装置を植込むために切開した部位に痛みが生じることがある。しかし、電気的刺激療法において、疼痛領域に配置した刺激電極で電気刺激を行って疼痛を緩和しつつ、電気刺激装置の刺激装置が植込まれた部位、及び刺激装置を植込むために切開した部位の痛みを緩和するための方法については有効な方法が存在しなかった。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、刺激装置の植込みに伴い生じる生体の疼痛部位の痛みを緩和することを目的とする。
本発明の一態様の電気刺激装置は、電気的刺激信号を出力する刺激回路を有し、生体の内部に植込まれる刺激装置と、内部に導線が配線されたリード部と、該リード部の刺激装置が接続される側の端部に設けられた端子部と、該端子部と電気的に接続される一以上の刺激電極と、を有する電極リードと、を備える。さらに、刺激装置の植込みに伴い生じる生体の疼痛部位に対応して生体内に配置される、刺激装置の刺激回路と電気的に接続される一以上の補助刺激電極を備える。
上記構成によれば、慢性の疼痛領域を刺激電極で電気刺激し、これと並行して、刺激装置を植込こんだ植込み部の内部から補助刺激電極により、刺激装置の植込みに伴い生じる生体の疼痛部位に電気刺激を行える。
本発明によれば、疼痛領域の疼痛を緩和しつつ、刺激装置の植込みに伴い生じる生体の疼痛部位の痛みを緩和することができる。
第1の実施形態に係る電気刺激装置を生体の皮下に植込んだ状態を示す説明図である。 図1の補助刺激電極を有する刺激装置の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る刺激回路の電気的構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る刺激電極及び補助刺激電極に供給される電気的刺激信号のタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る刺激装置と補助電極リードの説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る刺激回路の電気的構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る電気刺激装置を生体の皮下に植込んだ状態を示す説明図である。 図7の刺激装置と補助電極リードの説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る電気刺激装置を構成する電極リードと、刺激装置の概略構成例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る直列に連結された電極リード及び補助電極リードの概略構成例を示す斜視図である。図10Aは、1本の電極リードの概略構成例を示す斜視図である。図10Bは、2本の電極リードと補助電極リードを直列に連結した連結リードの概略構成例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る電極リード及び補助電極リードの概略内部構成例を示す軸方向の断面図である。図11Aは、2本の電極リードの連結前の状態を示す断面図である。図11Bは、連結された2本の電極リードに補助電極リードを連結する前の状態を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る連結リードを構成する2本の電極リード及び補助電極リードの内部構成例を示す軸方向の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る刺激回路の電気的構成を示す機能ブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態例について説明する。以下に述べる実施形態例は、本発明の好適な具体例である。そのため、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかしながら、本発明の範囲は、下記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。例えば、以下の説明で挙げる各パラメータの数値的条件は好適例に過ぎず、説明に用いた各図における寸法、形状及び配置関係も概略的なものである。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(刺激装置本体に補助刺激電極が設けられた例)
2.第2の実施の形態(補助刺激電極を有する補助電極リードを備えた例)
3.第3の実施の形態(電極リードと補助電極リードを連結した例)
4.その他
<1.第1の実施の形態>
[電気刺激装置の全体構成]
図1は、第1の実施形態に係る電気刺激装置1を生体40の皮下に植込んだ状態を示す説明図である。図2は、図1の補助刺激電極を有する刺激装置20の説明図である。
電気刺激装置1は、神経又は筋肉の電気刺激に用いられる装置である。この電気刺激装置1は、生体40内に植込まれた電極リード15の刺激電極15Aに電気的刺激信号を供給することにより、生体内の神経又は筋肉を刺激するものである。この電気刺激装置1は、生体40内に植え込まれ、電気的刺激信号を神経又は筋肉に導いて刺激するために用いられる電極リード15と、刺激電極15Aに電気的刺激信号を供給する刺激装置20とを備える。以降の説明では、皮下にある神経を電気刺激する末梢神経刺激療法(PNFS)に利用できる電気刺激装置1を例に説明を行う。
ここで、電極リード15が刺激装置20に接続された状態において、刺激装置20に対して近い側の電極リード15の端部を「近位端」と称し、刺激装置20に対して遠い側の電極リード15の端部を「遠位端」と称する。
始めに、電極リード15の構成について説明する。
電極リード15は、可撓性を有する長尺体として構成されるリード部(リード本体)を有する。また、リード部の近位端には、刺激装置20のコネクタ22に差し込まれる差込み端子23(端子部)(図2参照)が設けられている。差込み端子23には、コネクタ22に設けられているコネクタ端子と同数(図1の例では4個)の端子が設けられている。
電極リード15は、リード部に設けられた複数(図2の例では4個)の刺激電極15Aを有している。この刺激電極15Aは、差込み端子23の端子と1対1に対応付けられている。刺激電極15Aは、リード部内部に配線された不図示の導線によって差込み端子23と電気的に接続され、差込み端子23から供給された電気的刺激信号により生体40内の神経を電気刺激する。刺激電極15Aと差込み端子23は、リード部の外周方向に沿って形成され、軸方向に一定の間隔を空けて配置されている。
[電気刺激装置の植込み方法]
次に、図1及び図2を参照して、電極リード15及び刺激装置20の生体40内への植込み方法について説明する。
(手順1)
医師は、診察により、患者の生体40における疼痛領域41及び最大疼痛部位42を特定する。次に、特定した疼痛領域41に基づいて、電極リード15の生体40への予定する挿入部45a、挿出部45bに小切開を作製する。続いて、作製した挿入部45aの切開口から不図示の牽引ワイヤを生体40の皮下組織内に押し進め、作製した挿出部45bの切開口から体表へ牽引ワイヤを出す。その後、牽引ワイヤに電極リード15の先端を取り付け、この牽引ワイヤを引っ張りながら、電極リード15を移動させて、最大疼痛部位42を含む疼痛領域41に電極リード15を配置する
(手順2)
次に、医師は、電極リード15の差込み端子23を不図示の体外の刺激装置と接続し、この体外の刺激装置から様々なパターンの刺激を行って、疼痛の緩和に適した電極リード15の位置、電気的刺激信号等を調整、決定する。
(手順3)
最後に、医師は、電極リード15と刺激装置20を接続し、挿入部45aの切開口をさらに大きく切開するとともに、この切開口内に鈍的切開を行って皮下ポケット46(図2)を作成し、この切開口から刺激装置20を皮下ポケット46内に収納して、電気刺激装置1の植込みを完了する(図1)。
[刺激装置の構成]
次に、図2を参照して刺激装置20の構成について説明する。
刺激装置20は、筐体21(刺激装置本体)と、筐体21から突出するコネクタ22と、筐体21の一の面に設けられた補助刺激電極21T1〜21T4を有する。筐体21の内部には、電極リード15が有する刺激電極15Aに対して電気的刺激信号を供給する刺激回路30が設けられている。
筐体21は、比較的硬く、生体適合性がある金属や樹脂、例えばチタンやエポキシ等の素材を用いて、略直方体形状に形成されている。また、筐体21には、電極リード15に形成された差込み端子23が差し込まれるコネクタ22が設けられている。
差込み端子23は、筐体21のコネクタ22に差し込まれると、コネクタ22内の不図示のコネクタ端子に電気的に接続される。そして、差込み端子23は、コネクタ22を介して筐体21の内部の刺激回路30と電気的に接続されている。
さらに、筐体21の一の面の四隅近傍に、補助刺激電極21T1〜21T4が設けられている。筐体21の一の面は、例えば生体40の挿入部45aの切開口に対向する面である。補助刺激電極21T1〜21T4は、筐体21内部に配線された不図示の導線によって刺激回路30と電気的に接続され、刺激回路30から供給された電気的刺激信号により、刺激装置20の植込みに伴い生じる生体40の疼痛部位を皮下ポケット46の内部から電気刺激する。これにより、刺激装置20を植込むために切開した部位(挿入部45aの切開口)、及び刺激装置20が植込まれた部位(皮下ポケット46)近傍の皮下組織に電気的刺激信号が供給される。
上述した刺激電極15A及び差込み端子23は、共に略円環状に形成され、リード部の外周面に埋め込まれて保持され、補助刺激電極21T1〜21T4は、略円形状に形成され、筐体21の一の面に埋め込まれて保持されている。また、刺激電極15A、差込み端子23、コネクタ22内のコネクタ端子、筐体21の補助刺激電極21T1〜21T4、電極リード15内に配線される導線には、導電性があって生体適合性がある素材が用いられる。この素材として、例えばステンレス鋼、MP35N合金、プラチナ、又はプラチナ合金(例えば、プラチナ90%/イリジウム10%合金)等がある。
また、電極リード15のリード部は、柔軟性があって、かつ生体適合性がある素材、例えばシリコーンやポリウレタン等の樹脂素材によって形成されており、その外径は、植込み時に低侵襲となるように1〜3mm程度であることが好ましい。
刺激回路30は、回路基板上にカスタムIC等の小型な部品を実装した回路であり、電源部から供給された電力によって電気的刺激信号を生成する。そして、刺激回路30は、生成した電気的刺激信号を刺激電極15A及び補助刺激電極21T1〜21T4の個々の電極に対し、独立して供給する制御を行う。
[刺激回路の回路構成]
次に、刺激装置20に収納された刺激回路30の電気的な構成について、図3を参照して説明する。
図3は、刺激回路30の電気的構成を示す機能ブロック図である。
刺激回路30は、コイル部31と、充電部32と、充電池33と、通信部34と、制御部35と、刺激パラメータ設定部36と、発振部37と、電極構成設定部38と、スイッチ部39とを備える。
刺激回路30は、電源部の一例としてのコイル部31と、充電部32と、充電池33とを備える。コイル部31は、例えばコイルとコンデンサで構成される共振回路である。コイル部31は、充電池33の充電を行う場合、不図示の体外に配置されたコントローラから送信される充電用の電磁波を受信する。そして、電磁波の受信に伴ってコイル部31から発生する交流電流が充電部32に出力される。また、コイル部31は不図示の体外に配置されたコントローラから送信される、所定の情報が乗せられた電磁波を受信し、受信した電磁波が当該コイル部31から通信部34に出力される。
充電部32は、不図示の整流回路を内蔵し、コイル部31から出力された交流電流を直流電流に変換して電力を取得する。そして、取得した電力で充電池33の充電を行う。充電池33は、例えばリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。この充電池33は、蓄積している電力を、刺激回路30を構成する各ブロックに供給している。
通信部34は、コイル部31が受信した電磁波を復調し、電磁波に乗せられている情報を取り出す。そして、取り出した情報を、制御部35を介して刺激パラメータ設定部36及び電極構成設定部38に出力する。刺激パラメータ設定部36に出力される情報は、電気的刺激信号の刺激強度に関する情報(以下、「刺激パラメータ」という)であり、電極構成設定部38に出力される情報は、刺激電極15A及び補助刺激電極21T1〜21T4の電極構成に関する情報(以下、「電極構成情報」という)である。
電気的刺激信号の刺激強度は、当該電気的刺激信号のパルス電圧、パルス電流、パルス幅あるいは周波数により決定されるものであり、これらパルス電圧等の値が、刺激パラメータとして設定される。また、電極構成情報は、電気的刺激信号の極性を変更するための情報と、電気的刺激信号を出力する刺激電極15Aの電極番号に対応したコネクタ22のコネクタ端子及び補助刺激電極21T1〜21T4をスイッチ部39に選択させるための情報とを含む信号である。
本実施形態において、刺激電極を識別するための情報(電極識別情報)として電極番号を用いる。なお電極識別情報は、番号(数字)の他に、文字や記号、又はそれらの組み合わせでもよい。ここで、電極リードの各々が備える刺激電極及び補助刺激電極の電極番号は、刺激電極及び補助刺激電極の配置に対応して所定の規則性を有しており、所定の値から順に付される。以下では、一つの電極リードが備える刺激電極又は補助刺激電極に対し、電極番号として“0”から始まり1ずつ増加させた数字を付している。
刺激パラメータ設定部36は、通信部34から入力される刺激パラメータに基づいて、発振部37で発生する電気的刺激信号の刺激強度を変更するための刺激強度変更信号を生成する。発振部37は、刺激パラメータ設定部36から入力される刺激強度変更信号に基づいて電気的刺激信号を生成し、生成した電気的刺激信号をスイッチ部39に出力する。
電極構成設定部38は、通信部34から入力される電極構成情報に基づいて、発振部37が発生した電気的刺激信号を出力する刺激電極15A及び補助刺激電極21T1〜21T4を選択するための電極構成選択信号を生成する。すなわち、電極構成設定部38は、電極構成情報に基づいて、電気的刺激信号を出力する刺激電極15Aの電極番号に対応したコネクタ22のコネクタ端子及び補助刺激電極21T1〜21T4の電極番号を選択するための、電極構成選択信号を生成する。なお、刺激パラメータ設定部36から出力される刺激強度変更信号は発振部37に出力され、電極構成設定部38から出力される電極構成選択信号はスイッチ部39に出力される。
スイッチ部39は、電極構成設定部38から入力される電極構成選択信号に基づいて、発振部37から入力される電気的刺激信号を出力する刺激電極15Aの電極番号に対応したコネクタ22のコネクタ端子及び補助刺激電極21T1〜21T4を決定する。なお、制御部35には、例えばマイクロコンピュータ等が用いられ、刺激回路30の各ブロックを制御する。
[電気的刺激信号のタイミングチャート]
図4は、電極リード15の刺激電極15A及び筐体21の補助刺激電極21T1〜21T4に供給される電気的刺激信号のタイミングチャートの一例である。
以下の説明では、刺激電極15Aを構成する個々の端子に対して、近位端から遠位端に向けて端子番号“0”,“1”,“2”,“3”を付し、補助刺激電極21T1〜21T4に対して、電極番号“4”,“5”,“6”,“7”を付している。
図4において、T1は、刺激電極15A及び補助刺激電極21T1〜21T4の全体に対して電気的刺激信号を供給する時間の長さ(すなわち全体刺激時間)を表しており、刺激パラメータの周波数の逆数(周期)に相当する。また、T2は、刺激電極15A及び補助刺激電極21T1〜21T4の個々の電極に対して電気的刺激信号を供給する時間の長さ(すなわち電極刺激時間)を表している。全体刺激時間T1の間に、電極刺激時間T2を持つ複数回の電気的刺激信号の供給が行われる。これにより、1本の電極リード15の刺激電極15Aの異なる組合せに対して、異なる刺激パラメータで電気的刺激信号を供給することができる。
図4の例では、全体刺激時間T1内の初めの電極刺激時間T2において、電極番号“0”,“2”の刺激電極15Aに電気的刺激信号を構成する刺激パルス信号が供給され、電極番号“1”の刺激電極15Aに電気的刺激信号を構成する基準電位信号が供給され、最大疼痛部位42を含む疼痛領域41への電気刺激が行われる。
次の電極刺激時間T2では、電極番号“2”の刺激電極15Aにパルス幅及び波高値を変えた刺激パルス信号が供給され、電極番号“3”の刺激電極15Aに基準電位信号が供給され、疼痛緩和が行われる。
さらに次の電極刺激時間T2では、電極番号“4”,“6”の補助刺激電極21T1,21T3に刺激パルス信号が供給され、電極番号“5”の補助刺激電極21T2に基準電位信号が供給され、刺激装置20の植込みに伴い生じる生体40の疼痛部位(切開口及び皮下ポケット46)を電気刺激する。
そして、電極刺激時間T2による複数回の電気刺激を繰り返して全体刺激時間T1が経過すると、再度、電極番号“0”,“2”の刺激電極15Aに刺激パルス信号が供給され、電極番号“1”の刺激電極15Aに基準電位信号が供給され、上記の全体刺激時間T1における電気刺激が繰り返される。
本実施形態では、刺激電極15A及び補助刺激電極21T1〜21T4への電気刺激は、例えば50〜100Hzの周波数で行われ、パルス幅は数十〜数百マイクロ秒オーダーである。また補助刺激電極21T1〜21T4に対する電気刺激の回数は、例えば刺激電極15Aに対する電気刺激の回数の数分の1である。よって、最大疼痛部位42を含む疼痛領域41を刺激電極15Aで電気刺激し、これと並行して、補助刺激電極21T1〜21T4で皮下ポケット46の内部から、刺激装置20の植込みに伴い生じる生体40の疼痛部位に電気刺激を行うことができる。それにより、最大疼痛部位42を含む疼痛領域41の疼痛を緩和しつつ、刺激装置20の植込みに伴い生じる生体40の疼痛部位の痛みを緩和することができる。
なお、本実施形態では、電極リード15の刺激電極15A及び筐体21の補助刺激電極21T1〜21T4はそれぞれ4個としているが、この例に限らず、8個以上又は8個未満でもよい。
また、刺激装置20の植込みに伴い生じる生体40の疼痛部位の痛みが大きい場合には、全体刺激時間T1内の補助刺激電極21T1〜21T4へ電気的刺激信号を供給する回数を増やしたり、供給する電気的刺激信号の刺激強度を強くしたりしてもよい。
また、本実施形態では、筐体21に補助刺激電極21T1〜21T4を設けた構成を例示したが、例えば補助刺激電極21T1,21T2をコネクタ22の切開口と対向する面に設けるようにしてもよい。このようにした場合、補助刺激電極21T1〜21T4によって囲まれる領域の面積が大きくなるため、補助刺激電極21T1〜21T4を用いて、生体40のより広範囲を電気刺激することができる。
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態として、電気刺激装置が、補助刺激電極を有する補助電極リードを備えた例を説明する。
図5は、第2の実施形態に係る刺激装置20Aと補助電極リード16の説明図である。
図5に示すように、電気刺激装置1Aは、刺激電極15Aを有する電極リード15と、複数の補助刺激電極16Tを有する補助電極リード16と、刺激電極15A及び補助刺激電極16Tに電気的刺激信号を供給する刺激装置20Aとを備える。筐体21の内部には、電極リード15の刺激電極15A及び補助電極リード16の補助刺激電極16Tに対して電気的刺激信号を供給する刺激回路30Aが設けられている。
[刺激装置の構成]
刺激装置20Aは、筐体21と、筐体21から突出するコネクタ22Aを備える。コネクタ22Aは、電極リード15の差込み端子23、及び補助電極リード16に形成された差込み端子17が差し込まれる不図示のコネクタ端子が設けられている。このコネクタ22Aのコネクタ端子には、差込み端子23及び差込み端子17と同数の端子が設けられている。
補助電極リード16は、可撓性を有する長尺体として構成される補助リード部(リード本体)を有する。補助電極リード16は、補助リード部に設けられた複数(図5の例では4個)の補助刺激電極16Tを有している。この補助刺激電極16Tは、差込み端子17の端子と1対1に対応付けられており、補助リード部内部に配線された不図示の導線によって差込み端子17と電気的に接続される。差込み端子17は、筐体21のコネクタ22Aに差し込まれると、コネクタ22A内の不図示のコネクタ端子に電気的に接続され、コネクタ22Aのコネクタ端子を介して筐体21の内部の刺激回路30Aと電気的に接続される。補助刺激電極16Tと差込み端子17は、リード部の外周方向に沿って形成され、軸方向に一定の間隔を空けて配置されている。
補助刺激電極16Tは、コネクタ22A及び差込み端子17を介して刺激回路30Aから供給された電気的刺激信号により、刺激装置20Aの植込みに伴い生じる生体40の疼痛部位を皮下ポケット46の内部から電気刺激する。これにより、刺激装置20Aを植込むために切開した部位(挿入部45aの切開口)、及び刺激装置20が植込まれた部位(皮下ポケット46)近傍の皮下組織に電気的刺激信号が供給される。
補助刺激電極16T、差込み端子17及び補助電極リード16内に配線される導線には、第1の実施形態と同様に、導電性があって生体適合性がある素材が用いられる。また、補助電極リード16の補助リード部は、柔軟性があって、かつ生体適合性がある素材によって形成されていることが好ましい。
図5の例では、補助電極リード16を、筐体21の一の面に対向するように環状にまとめて生体40内に植込んでいる。筐体21の一の面は、例えば生体40の挿入部45aの切開口に対向する面である。このとき、補助電極リード16の4個の補助刺激電極16Tが、上記一の面における上下左右の辺に対応する位置に配置されるように、予め補助電極リード16の形状を形成する。このように4個の補助刺激電極16Tが散在するように配置した場合、4個の補助刺激電極16Tによって囲まれる領域の面積が大きくなる。それゆえ、補助刺激電極21T1〜21T4を用いて、生体40のより広範囲を電気刺激することができる。また、4個の補助刺激電極16Tが90度間隔のように均等に配置されていると、補助刺激電極16Tに供給された電気的刺激信号による生体40への電気刺激の効果を推定しやすい。
ここで、予め所定の形状に形成された補助電極リード16を固定する固定部を、筐体21の挿入部45aの切開口に対向する面に設けてもよい。図5の例では、一対の部材からなる4個の固定部28a〜28dが設けられている。それぞれの固定部28a〜28dが補助電極リード16の補助リード部を挟持することで、補助電極リード16が筐体21の挿入部45aの切開口に対向する面に固定されるとともに、その形状が維持される。それゆえ、刺激装置20Aの植込みに伴い生じる生体40の疼痛部位を皮下ポケット46の内部から安定的に電気刺激することができる。
[刺激回路の回路構成]
次に、刺激装置20Aに収納された刺激回路30Aの電気的な構成について、図6を参照して説明する。
図6は、第2の実施形態に係る刺激回路30Aの電気的構成を示す機能ブロック図である。
刺激回路30Aは、第1の実施形態に係る刺激回路30とほほ同じ電気的構成を有しており、コネクタ22Aを介して電極リード15及び補助電極リード16へ電気的刺激信号を供給する点が異なっている。
電極構成設定部38は、通信部34から入力される電極構成情報に基づいて、発振部37が発生した電気的刺激信号を出力する刺激電極15A及び補助刺激電極16Tを選択するための電極構成選択信号を生成する。すなわち、電極構成設定部38は、電極構成情報に基づいて、電気的刺激信号を出力する刺激電極15A及び補助刺激電極16Tの電極番号に対応したコネクタ22Aのコネクタ端子を選択するための、電極構成選択信号を生成する。この電極構成設定部38から出力される電極構成選択信号はスイッチ部39に出力される。
スイッチ部39は、電極構成設定部38から入力される電極構成選択信号に基づいて、発振部37から入力される電気的刺激信号を出力する刺激電極15A及び補助刺激電極16Tの電極番号に対応したコネクタ22Aのコネクタ端子を決定する。
そして、刺激電極15Aを構成する個々の端子に対して、近位端から遠位端に向けて端子番号“0”,“1”,“2”,“3”を付し、補助刺激電極16Tに対して、電極番号“4”,“5”,“6”,“7”を付す。電気刺激装置1Aは、例えば図4のタイミングチャートに従って刺激電極15A及び補助刺激電極16Tに電気的刺激信号を供給し、生体40に電気刺激を行う。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、慢性の疼痛領域を刺激電極15Aで電気刺激し、これと並行して、補助刺激電極16Tで皮下ポケット46の内部から、刺激装置20Aの植込みに伴い生じる生体40の疼痛部位に電気刺激を行うことができる。それにより、疼痛領域の疼痛を緩和しつつ、刺激装置20Aの植込みに伴い生じる生体40の疼痛部位の痛みを緩和することができる。
また、補助電極リード16の補助リード部の形状を自在に形成して、補助刺激電極16Tの配置を変更することができる。それゆえ、刺激装置20Aの植込みに伴い生じる生体40の疼痛部位の位置や大きさ等に応じて、適切に電気刺激を行うことができる。
なお、補助電極リード16の差込み端子17はコネクタ22Aに抜き差し可能であるから、補助電極リード16の交換が容易である。したがって、補助電極リード16を交換して、補助刺激電極16Tの数や配置を容易に変更することができる。
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態として、電極リードと補助電極リードを連結した例を説明する。
図7は、第3の実施形態に係る電気刺激装置1Bを生体40の皮下に植込んだ状態を示す説明図である。図8は、図7の刺激装置20B、電極リード2A及び補助電極リード24の説明図である。
図7及び図8に示すように、電気刺激装置1Bは、刺激電極5A〜5Cを有する電極リード2A〜2Cと、複数の補助刺激電極24Tを有する補助電極リード24と、刺激電極5A〜5C及び補助刺激電極24Tに電気的刺激信号を供給する刺激装置20Bとを備える。筐体21の内部には、刺激電極5A〜5C及び補助刺激電極24Tに対して電気的刺激信号を供給する刺激回路30Bが設けられている。
次に、電気刺激装置1Bの機械的な構成例を図9と図10を参照して説明する。
図9は、電気刺激装置1Bを構成する電極リード2A〜2Cと、刺激装置20Bの概略構成例を示す斜視図である。
図10は、直列に連結された電極リード2A〜2C及び補助電極リード24の概略構成例を示す斜視図である。図10Aは、1本の電極リード2Aの概略構成例を示す斜視図である。図10Bは、2本の電極リード2A、2Bと補助電極リード24を直列に連結した連結リードの概略構成例を示す斜視図である。
以降の説明では、刺激装置20Bに対して近い位置に配置される側の補助電極リード24の端部を「近位端」と称し、刺激装置20Bに対して遠い位置に配置される側の端部を「遠位端」と称する。すなわち、補助電極リード24において、補助リード部27に差込み部28が設けられた側の端部は近位端となり、差込み部25が設けられた側の端部は遠位端となる。
[刺激装置の構成]
刺激装置20Bは、筐体21と、筐体21から突出するコネクタ22Bを備える。コネクタ22Bは、電極リード2A〜2Cと連結した補助電極リード24の近位端に形成された差込み端子28T(後述する図10参照)が差し込まれる不図示のコネクタ端子が設けられている。このコネクタ22Bのコネクタ端子には、差込み端子28Tと同数の3個の端子が設けられている。
補助電極リード24は、可撓性を有する長尺体として構成される補助リード部27(リード本体)を有する。この補助電極リード24は、第2の実施形態に係る補助電極リード16に対応するものであるが、遠位端に電極リード2Aのコネクタ7Aに接続するための差込み部25が形成されている点が異なる。補助電極リード24は、補助リード部27に設けられた複数(図8の例では4個)の補助刺激電極27Tを有している。この補助刺激電極27Tは、補助リード部27内部に配線された導線9(後述する図12参照)によって差込み端子28Tと電気的に接続される。差込み端子28Tは、筐体21のコネクタ22Bに差し込まれると、コネクタ22B内の不図示のコネクタ端子に電気的に接続され、コネクタ22Bのコネクタ端子を介して筐体21の内部の刺激回路30Bと電気的に接続される。補助刺激電極27Tと差込み端子28Tは、補助リード部27の外周方向に沿って形成され、軸方向に一定の間隔を空けて配置されている。
補助刺激電極27Tは、コネクタ22B及び差込み端子28Tを介して刺激回路30Bから供給された電気的刺激信号により、刺激装置20Bの植込みに伴い生じる生体40の疼痛部位を皮下ポケット46の内部から電気刺激する。これにより、刺激装置20Bを植込むために切開した部位(挿入部45aの切開口)、及び刺激装置20Bが植込まれた部位(皮下ポケット46)近傍の皮下組織に電気的刺激信号が供給される。
[連結リードを構成する電極リード]
ここで、直列に連結された電極リード2A〜2Cが、補助電極リード24を介して刺激装置20Bに接続された状態(図7参照)において、刺激装置20Bに対して近い位置に配置される側の電極リード2A〜2Cの各々の端部を「近位端」と称し、刺激装置20Bに対して遠い位置に配置される側の各々の端部を「遠位端」と称する。すなわち、電極リード2A〜2Cにおいて、コネクタ7A〜7Cが設けられた側の端部は近位端となり、差込み部3A〜3Cが設けられた側の端部は遠位端となる。
始めに、図9と図10Aを参照して、電極リード2Aの構成について説明する。
電極リード2Aは、可撓性を有する長尺体として構成されるリード部6Aを有する。リード部6Aの遠位端には、電極リード2Aと連結する電極リード2Bのコネクタ7Bに差し込まれる差込み部3Aが設けられている。また、リード部6Aの近位端には、補助電極リード24の差込み部25が差し込まれるコネクタ7Aが設けられている。差込み部3Aには、コネクタ7Aに設けられているコネクタ端子8A(第1の端子部)と同数の3個の差込み端子4A(第2の端子部)が設けられている。
そして、電極リード2Aは、リード部6Aの遠位端(一端)にある差込み部3A、及びリード部6Aの近位端(他端)にあるコネクタ7Aの間に設けられる2個の刺激電極5Aを有している。この刺激電極5Aは、コネクタ端子8Aと導線9(後述する図12を参照)によって電気的に接続され、コネクタ端子8Aから供給された電気的刺激信号により生体内の神経を電気刺激する。リード部6Aは、電極リード2Aを生体内に植込んだときに2個の刺激電極5Aが生体に接触するように刺激電極5Aを固定している。
コネクタ7Aは、その内周面上にコネクタ端子8Aを有する。コネクタ端子8Aと差込み端子4Aとは、リード部6Aの内部に埋め込んで配線された導線9により電気的に接続されている。図10Aに示すコネクタ7Aの開口部7bには、補助電極リード24の差込み部25が差し込まれ、コネクタ7Aの内部でコネクタ端子8Aと、差込み部25の差込み端子25Tとが電気的に接続される。コネクタ7Aの外径は、植込み時に低侵襲となるように3〜9mm程度であることが好ましい。
図9に示すように、リード部6Aの遠位端には、差込み部3Aと、電極リード2Bに設けられたコネクタ7Bとを固定する固定部の一例として係合部材10Aが設けられている。係合部材10Aは、リード部6Aの外周上にリード部6Aから突出するように形成されており、係合部材10Aの先端部には、電極リード2Bのコネクタ7Bの溝部7aに係合する爪部10a(後述する図11を参照)が形成されている。この爪部10aは、補助電極リード24の差込み部25の付近に形成される係合部材26の爪部と同様の形状としてある。
電極リード2Bは、リード部6Bに4個の刺激電極5Bを設けており、この点が電極リード2Aと異なる。その他の電極リード2Bが有する差込み部3B、差込み端子4B、リード部6B、コネクタ7B、コネクタ端子8B及び係合部材10Bは、それぞれ電極リード2Aが有する差込み部3A、差込み端子4A、リード部6A、コネクタ7A、コネクタ端子8A及び係合部材10Aと同じものである。
電極リード2Cは、電極リード2Aと同様の機能及び構成を有する。すなわち、電極リード2Cが有する差込み部3C、差込み端子4C、刺激電極5C、リード部6C、コネクタ7C、コネクタ端子8C及び係合部材10Cは、それぞれ電極リード2Aが有する差込み部3A、差込み端子4A、刺激電極5A、リード部6A、コネクタ7A、コネクタ端子8A及び係合部材10Aと同じものである。
そして、少なくとも2本の電極リードが、各電極リードに設けられた差込み端子とコネクタ端子の接続により直列に連結される。本実施形態では、図10Bに示すように、3本の電極リード2A〜2Cが順に連結された例を示している。図9に示すように、電極リード2Bのコネクタ7Bに電極リード2Aの差込み部3Aが差し込まれ、係合部材10Aによってコネクタ7Bと差込み部3Aが固定されることにより、コネクタ端子8Bと差込み端子4Aが接続される。また、電極リード2Cのコネクタ7Cに電極リード2Bの差込み部3Bが差し込まれ、係合部材10Bによってコネクタ7Cと差込み部3Bが固定されることにより、コネクタ端子8Cと差込み端子4Bが接続される。以降の説明では、直列に連結された電極リード2A〜2Cを、連結リード2と呼ぶ。
上述した差込み端子4A〜4Cと、刺激電極5A〜5Cは、共に略円環状に形成され、リード部6A〜6Cの外周面に埋め込まれて保持されている。同様に、補助電極リード24の差込み端子25Tと差込み端子28Tも略円環状に形成され、補助リード部27の外周面に埋め込まれて保持されている。また、差込み端子4A〜4C,25T,28T、刺激電極5A〜5C、コネクタ端子8A〜8C、リード部6A〜6C内に配線される導線9、及び補助電極リード24内の不図示の導線には、導電性があって生体適合性がある素材が用いられる。この素材として、例えばステンレス鋼、MP35N合金、プラチナ、又はプラチナ合金(例えば、プラチナ90%/イリジウム10%合金)等がある。
リード部6A〜6C、補助電極リード24の補助リード部27は、柔軟性があって、かつ生体適合性がある素材、例えばシリコーンやポリウレタン等の樹脂素材によって形成されており、その外径は、植込み時に低侵襲となるように1〜3mm程度であることが好ましい。また、コネクタ7A〜7C、係合部材10A〜10Cは、柔軟性があって、かつ生体適合性がある素材、例えばシリコーンやポリウレタン等の樹脂素材によって形成される。ただし、コネクタ7A〜7C、係合部材10A〜10Cに用いられる素材は、樹脂素材に限定されず、柔軟性があって、かつ生体適合性がある素材であればどのような素材であってもよい。
[電極リードの構成]
続いて、図11を参照して、電極リード2A,2B及び補助電極リード24を連結する際の構成の詳細について説明する。
図11は、電極リード2A,2B及び補助電極リード24の概略内部構成例を示す軸方向の断面図である。図11Aは、2本の電極リード2A,2Bの連結前の状態を示す断面図である。図11Bは、連結された2本の電極リード2A,2Bに補助電極リード24を連結する前の状態を示す断面図である。なお、図11では、導線9の記載を省略してある。
電極リード2Bが有するコネクタ7Bの近位端には、電極リード2Aの差込み部3Aの外径とほぼ同じ内径とした開口部7bが形成される。また、このコネクタ7Bの遠位端には、外周方向に沿って溝部7aが形成される。また、電極リード2Bのコネクタ7Bの内部には、開口部7bから遠位端に向けて開口部7bと同じ内径とした略円筒状の空間である収容部7cが形成される。この収容部7cには、電極リード2Aの差込み部3Aが収容される。
収容部7cの内周面上には、コネクタ7Bの軸方向に沿って3個のコネクタ端子8Bが設けられている。コネクタ端子8Bの各端子の配置は、収容部7cに収容される差込み部3Aに設けられた差込み端子4Aの各端子の配置に対応している。
コネクタ端子8Bは、固定機構の一例としてコイル状の金属バネであるガータスプリングによって構成されており、開口部7bの内周に対して内側に少し張り出している。また、電極リード2Aの差込み端子4Aは、ガータスプリングの内周部分に合致する凹部として形成してある。これにより、ガータスプリングの内周部分に差し込まれた差込み部3Aの差込み端子4Aに対して、ガータスプリングが締め付けることにより、コネクタ7Bが差込み部3Aを固定する。このため、電極リード2Bのコネクタ7Bから電極リード2Aの差込み部3Aが外れにくくなる。
コネクタ7Bの開口部7b付近には、更に電極リード2Aとの係合機構としての溝部7aが、コネクタ7Bの外周面に設けられている。溝部7aは、開口部7bの近位端から所定の長さだけ離れた位置に形成される。コネクタ7Bの近位端から溝部7aまでの該コネクタ7Bの外周の径は、溝部7aより遠位端側のコネクタ7Bの外周の径よりも小さくすることでコネクタ7Bの外周面に段差を形成してある。この段差により、電極リード2Bの溝部7aと、電極リード2Aの係合部材10Aの爪部10aとの接続が容易となる。
そして、差込み部3Aがコネクタ7Bに差し込まれ、溝部7aに、電極リード2Aの係合部材10Aに設けられた爪部10aが係合することで、電極リード2Aと電極リード2Bとが構造的に接続される。この係合部材10Aは、シリコーン等の柔軟性のある素材で構成されるため、電極リード2Aの電極リード2Bへの装着及び取り外しを、少ない力で容易に行うことが可能となる。
収容部7cの遠位端付近には、収容部7cの軸方向と直交する方向に固定ねじ穴7dが形成されている。この固定ねじ穴7dにねじ込まれた固定ねじ7eによって、差込み部3Aの先端付近がコネクタ7Bに固定される。固定ねじ7eの先端が接する差込み部3Aの先端付近には、不図示の固定部が略円環状に形成され、外周面に埋め込まれて保持されている。これにより、電極リード2Aが、電極リード2Bに強固に連結される。固定ねじ7eと固定部には、比較的硬く、生体適合性がある素材、例えばステンレス鋼が用いられる。
補助電極リード24の遠位端側の差込み部25付近に設けられた係合部材26は、係合部材10Aと同じものであり、係合部材26の先端部には、電極リード2Aのコネクタ7Aの溝部7aに係合する爪部10aが形成されている。補助電極リード24の差込み部25を電極リード2Aのコネクタ7Aの収容部7cに収容すると、ガータスプリングからなるコネクタ端子8Aが差込み端子25Tを締め付けて、コネクタ7Aが差込み部25を固定する。さらに、コネクタ7Aの収容部7cの固定ねじ穴7dにねじ込まれた固定ねじ7eによって、差込み部25の先端付近がコネクタ7Aに固定される。
また、補助電極リード24の近位端側の差込み部28には、外周方向に沿って溝部11aが形成されている。コネクタ22Bの内部に形成された、差込み部28と同じ内径とした略円筒状の空間である不図示の収容部には、爪部が設けられている。差込み端子23をコネクタ22Bに差し込んだとき、コネクタ22Bの爪部と差込み部28の溝部11aが係合し、外れにくくなる。
[電極リードの内部構成]
続いて、図12を参照して、連結リード2を構成する電極リード2A〜2B及び補助電極リード24の詳細について説明する。
図12は、連結リード2を構成する2本の電極リード2A,2B及び補助電極リード24の内部構成例を示す軸方向の断面図である。図12では説明の便宜上、電極リード2Cの記載を割愛している。
上述したように、電極リード2A〜2Cが直列に連結された連結リード2には、合計8個の刺激電極5A〜5Cが設けられている。補助電極リード24には、4個の補助刺激電極27Tが設けられているから、刺激電極5A〜5Cと補助刺激電極27Tを合わせると、電極数は12個である。この連結リード2を構成している電極リード2A〜2Cと補助電極リード24ごとに、刺激電極5A〜5C及び補助刺激電極27Tに対し近位端から遠位端にかけて電極番号に対応する符号を順に付し、それぞれの電極番号を図4に示している。ここで、電極リード2A〜2C及び補助電極リード24の各々が備える刺激電極及び補助刺激電極の電極番号は、刺激電極及び補助刺激電極の配置に対応して所定の規則性を有しており、所定の値から順に付される。本実施形態では、一つの電極リード及び補助電極リードが備える刺激電極及び補助刺激電極に対し、電極番号として“0”から始まり1ずつ増加させた数字を付している。
始めに、電極リード2Aの内部構成例を説明する。
電極リード2Aでは、近位端から遠位端に向けて配置された3個のコネクタ端子8Aと、近位端から遠位端に向けて配置された3個の差込み端子4Aが、導線9によって近位端から遠位端に向けて順番に電気的に接続される。
以下の説明では、コネクタ端子8Aを構成する個々の端子に対して近位端から遠位端に向けて順に端子番号“0”〜“2”を付し、差込み端子4Aを構成する個々の端子についても、近位端から遠位端に向けて順に端子番号“0”〜“2”を付する。また、コネクタ端子8Aの端子番号“0”〜“2”の端子に接続されるそれぞれの導線を特に区別することなく、導線9と総称する。
電極リード2Aでは、リード部6A内部の電極番号が“0”の刺激電極5Aに対応する位置に、電極ICチップ50(電極制御部の一例)が設けられている。電極ICチップ50は、刺激電極5Aに対する電気的刺激信号の供給を制御するものであり、刺激電極5Aに対応して該刺激電極5Aの電極数と同じ数の電極ICチップ50が設けられる。この電極ICチップ50の動作の詳細については後述する。電極ICチップ50は、電極番号“0”の刺激電極5Aと電気的に接続するとともに、端子番号“0”〜“2”の3個のコネクタ端子8Aと端子番号“0”〜“2”の3個の差込み端子4Aとを接続する、3本の導線9のそれぞれに電気的に接続している。
さらに、リード部6A内部の電極番号が“1”の刺激電極5Aに対応する位置にも、同じ仕様の電極ICチップ50が設けられている。この電極番号が“1”の刺激電極5Aに対応する電極ICチップ50も、電極番号が“0”の刺激電極5Aに対応する電極ICチップ50と同様に、電極番号が“1”の刺激電極5A及び3本の導線9と電気的に接続している。
また電極リード2Aでは、コネクタ7A内部の任意の位置に、リードICチップ51(リード制御部の一例)が設けられている。リードICチップ51は、端子番号“0”のコネクタ端子8Aと、電極番号“0”,“1”に対応する電極ICチップ50と導線9を介して接続している。リードICチップ51は、各刺激電極5Aに対応して設けられた電極ICチップ50の動作を制御するものであり、1つの電極リードに1つのリードICチップ51が設けられる。このリードICチップ51は、後述するように電極リードを識別する機能を有し、刺激装置20から電極リード2Aが指定された場合に、各電極ICチップ50の動作を制御する。このリードICチップ51の動作の詳細については後述する。
上述の構成により、刺激装置20Bから電極リード2Aの例えば端子番号“1”,“2”のコネクタ端子8Aの間に供給された電気的刺激信号が、導線9を経て、電極番号が“0”,“1”の刺激電極5Aに対応する電極ICチップ50に供給される。そして、端子番号“0”のコネクタ端子8Aと接続されたリードICチップ51及び電極ICチップ50の制御に基づいて、刺激電極5Aに電気的刺激信号が供給され、刺激電極5Aが神経を電気刺激する。
次に、電極リード2Bの内部構成例を説明する。
電極リード2Bでは、電極リード2Aと同様に、近位端から遠位端に向けて配置された端子番号“0”〜“2”のコネクタ端子8Bと、近位端から遠位端に向けて配置された端子番号“0”〜“2”の差込み端子4Bが、導線9によって近位端から遠位端に向けて順番に電気的に接続される。
また、電極リード2Bでは、リード部6B内部の電極番号が“0”の刺激電極5Bに対応する位置に、電極ICチップ50が設けられている。電極ICチップ50は、電極番号“0”の刺激電極5Bと電気的に接続するとともに、端子番号“0”〜“2”の3個のコネクタ端子8Bと端子番号“0”〜“2”の3個の差込み端子4Bとを接続する、3本の導線9のそれぞれに電気的に接続している。さらに、リード部6B内部の電極番号が“1”〜“3”の3個の刺激電極5Bに対応する位置にも、同じ仕様の電極ICチップ50が設けられている。この電極番号が“1”〜“3”の刺激電極5Bに対応する各電極ICチップ50も、電極番号が対応する刺激電極5B及び3本の導線9のそれぞれに電気的に接続している。
また電極リード2Bにおいても電極リード2Aと同様に、コネクタ7B付近の所定の位置にリードICチップ51が設けられている。リードICチップ51は、端子番号“0”のコネクタ端子8Bと、電極番号“0”〜“3”に対応する電極ICチップ50のそれぞれと導線9を介して接続している。
次に、電極リード2Cの内部構成例を説明する。
電極リード2Cは、図12には図示していないが、電極リード2Aと同じ2個の刺激電極5Cを有する。よって、電極リード2Cの内部構成は電極リード2Aと同じである。すなわち、電極リード2Cでは、リード部6C内部の電極番号が“0”,“1”の刺激電極5Cに対応する位置に、それぞれ電極ICチップ50が設けられている。各電極ICチップ50は、電極番号が対応する刺激電極5Cと電気的に接続するとともに、端子番号“0”〜“2”の3個のコネクタ端子8Cと端子番号“0”〜“2”の3個の差込み端子4Cとを接続する、3本の導線9のそれぞれに電気的に接続している。
また電極リード2Cにおいても電極リード2Aと同様に、コネクタ7C付近の所定の位置に、リードICチップ51が設けられている。リードICチップ51は、端子番号“0”のコネクタ端子8Cと、電極番号“0”,“1”に対応する電極ICチップ50のそれぞれと導線9を介して接続している。
次に、補助電極リード24の内部構成例を説明する。
補助電極リード24は、電極リード2Bと同じ4個の補助刺激電極27Tを有する。よって、補助電極リード24の内部構成は電極リード2Bと同じである。すなわち、補助電極リード24では、補助リード部27内部の電極番号が“0”〜“3”の補助刺激電極27Tに対応する位置に、それぞれ電極ICチップ50が設けられている。各電極ICチップ50は、電極番号が対応する補助刺激電極27Tと電気的に接続するとともに、端子番号“0”〜“2”の3個の差込み端子28Tと端子番号“0”〜“2”の3個の差込み端子25Tとを接続する、3本の導線9のそれぞれに電気的に接続している。
また補助電極リード24においても電極リード2Bと同様に、差込み端子28T付近の所定の位置に、リードICチップ51が設けられている。リードICチップ51は、端子番号“0”の差込み端子28Tと、電極番号“0”〜“3”に対応する電極ICチップ50のそれぞれと導線9を介して接続している。
電気刺激療法において神経に対する電気的な刺激は、少なくとも2つの刺激電極の間に電気的刺激信号(刺激パルス信号及び基準電位信号)を与えることによって行われる。すなわち、少なくとも1つの刺激電極に刺激パルス信号が印加され、少なくとも1つの刺激電極に基準電位信号が印加される。
補助電極リード24の差込み端子28Tの端子番号“2”の端子には、後述する図13の刺激パルスラインL1が接続され、差込み端子28Tの端子番号“1”の端子には基準電位ラインL2が接続され、差込み端子28Tの端子番号“0”の端子には制御電源ラインL3が接続されている。
刺激パルスラインL1は、電気的刺激信号を構成する刺激パルス信号を伝送するラインである。以下、刺激パルス信号を単に「刺激パルス」と記すことがある。
基準電位ラインL2は、電気的刺激信号を構成する基準電位信号を伝送するラインである。基準電位は、リードICチップ51と電極ICチップ50の各部における基準電位と同じである。
制御電源ラインL3は、刺激装置20BとリードICチップ51、及び刺激装置20Bと電極ICチップ50との間で、制御信号と電源信号からなるシリアル信号が伝送されるラインである。制御信号は、リードICチップ51及び電極ICチップ50において電気刺激の設定を行うための情報を含む信号である。電源信号は、リードICチップ51及び電極ICチップ50の各電源部に供給されるバースト波の信号(バースト信号)である。以下では、この制御信号と電源信号を含むシリアル信号を「制御電源信号」と記す。なお、制御電源ラインL3は、電極ICチップ50又はリードICチップ51から出力される応答信号も伝送する。
このように電極リード2A〜2C及び補助電極リード24を直列に連結することで、電極番号が付された12個の刺激電極5A〜5C及び補助刺激電極27Tが、対応する電極ICチップ50及び導線9を介して、補助電極リード24の端子番号“0”〜“2”の中の所定の差込み端子28Tにそれぞれ電気的に接続される。このため、差込み端子28Tの所定の端子を介して、刺激装置20Bから刺激電極5A〜5C及び補助刺激電極27Tに電気的刺激信号を供給することが可能である。そして、刺激装置20Bから指定された電極リード2A〜2C及び補助電極リード24に設けられたリードICチップ51が、各刺激電極5A〜5C及び補助刺激電極27Tに対応する電極ICチップ50の動作を制御することにより、該当電極リード及び補助電極リードの刺激電極及び補助刺激電極から電気的刺激信号が生体内の神経に出力され、疼痛部位を電気刺激することが可能となる。
電気刺激装置1Bでは、電極リード2A〜2C及び補助電極リード24に付したリード番号と、刺激電極5A〜5C及び補助刺激電極27Tに付した相対的な電極番号を用いて、刺激電極5A〜5C及び補助刺激電極27Tを指定する。
[リードICチップの動作]
次に、補助電極リード24を例にリードICチップ51の動作を説明する。
リードICチップ51には、例えば、カスタムICやマイクロコンピュータ等の演算制御装置を用いることができる。
補助電極リード24のリードICチップ51は、端子番号“0”の差込み端子28Tを介して刺激装置20Bから供給された制御電源信号に含まれる制御信号に基づいて、所定の制御を行う。すなわちリードICチップ51は、制御電源信号内の制御信号に含まれるリード番号(リード識別情報)が、内部のリード番号記憶部に保存されている当該補助電極リード24に対して付されたリード番号と一致する否かを判定する。制御信号に含まれるリード番号と当該リードICチップ51のリード番号が一致する場合には、リードICチップ51は、補助刺激電極27T側へ制御電源信号を供給する。
リード番号記憶部には、例えば補助電極リード24を製造した段階で、当該補助電極リード24を一意に識別できるリード番号が保存される。リード番号記憶部には、不揮発性のメモリが用いられる。以下では、電極リードを識別するための情報(リード識別情報)として、リード番号を用いている。なおリード識別情報は、番号(数字)の他に、文字や記号、又はそれらの組み合わせでもよい。本実施形態では、一例として、補助電極リード24のリード番号を“0”、電極リード2A〜2Cのリード番号を“1”〜“3”とする。
また、リードICチップ51は、内部に補助電極リード24に配置された補助刺激電極27Tの電極数を記憶する電極数記憶部を有する。図12の例では、補助刺激電極27Tが4個であるという情報が電極数記憶部に保存されている。電極数記憶部に電極数を記憶させる処理は、一例として補助電極リード24を製造した段階で行われる。本実施形態では、リード番号と電極番号によって電極リード2A〜2C及び補助電極リード24を一意に識別することにより、電極リード2A〜2Cの刺激電極5A〜5C及び補助電極リード24の補助刺激電極27Tの電極番号を相対値化する。
リードICチップ51は、切替え部としての機能を有しており、制御信号に基づいて、端子番号“0”の差込み端子28Tと、各補助刺激電極27Tに対応する電極ICチップ50及び端子番号“0”の差込み端子25Tを接続状態(オン)にする。制御信号が入力されない場合には、これらはオフ状態である。これらがオンのとき、端子番号“0”の差込み端子28Tから入力された制御電源信号が、補助電極リード24の補助刺激電極27T(0)〜27T(3)(括弧内はリード番号)に対応する各電極ICチップ50へ供給される。リードICチップ51内の切替え部は、一例としてFET(電界効果トランジスタ)などのスイッチ素子を用いて構成される。
[電極ICチップの動作]
次に、補助電極リード24を例に電極ICチップ50の動作を説明する。
電極ICチップ50には、例えば、カスタムICやマイクロコンピュータ等の演算制御装置を用いることができる。ここでは、電極ICチップ50として、補助刺激電極27T(0)に対応する電極ICチップ50を例に説明する。
図12に示すように、補助刺激電極27T(0)に対応する電極ICチップ50は、リードICチップ51を介して端子番号“0”の差込み端子28Tから供給された制御電源信号に含まれる制御信号に基づいて、補助刺激電極27T(0)への電気的刺激信号の供給を制御する。
すなわち電極ICチップ50は、制御電源信号内の制御信号に含まれる電極番号が、内部の電極番号記憶部に保存されている当該補助刺激電極27T(0)に対して付された電極番号と一致する否かを判定する。制御信号に含まれる電極番号と当該電極ICチップ50の電極番号が一致する場合には、電極ICチップ50は、制御信号に含まれる選択信号に基づいて、内部に備えるスイッチ部の接続の切り替えを行う。
電極番号記憶部は、例えば補助電極リード24を製造した段階で、補助電極リード24に設けられた補助刺激電極27T(0)〜27T(3)を識別できる電極番号(電極識別情報)が保存される。電極番号記憶部には、不揮発性のメモリが用いられる。
電極ICチップ50は、電極ICチップ50から出力される選択信号に基づいて、内部のスイッチ部を切り替える。すなわち、電極ICチップ50は、補助刺激電極27T(0)と接続するラインを切り替えて、補助刺激電極27T(0)に供給される電気的刺激信号を切り替える。補助刺激電極27T(0)に信号を供給する形態としては、補助刺激電極27T(0)と刺激パルスラインL1を接続して刺激パルスを供給する形態、基準電位ラインL2と接続して基準電位信号を供給する形態、並びに何ら信号を供給しない無接続の形態がある。電極ICチップ50内のスイッチ部は、例えばFET(電界効果トランジスタ)などのスイッチ素子を用いて構成される。なお、スイッチ部は、選択信号を受信していないときはどのラインにも接続していない状態とする。
以上、補助刺激電極27T(0)に対応する電極ICチップ50を例に説明したが、補助刺激電極27T(1)〜27T(3)に対応する電極ICチップ50でも同様である。また、補助電極リード24のリードICチップ51及び各電極ICチップ50の動作は、電極リード2A〜2Cに関しても同様である。補助電極リード24に電極リード2A〜2Cを連結した場合には、電極リード2Aの端子番号“2”のコネクタ端子8Aに供給された刺激パルスは、導線9を通じて電極リード2B,2Cの各刺激電極に対応する電極ICチップ50内のスイッチ部にも供給される。
また、電極リード2Aの端子番号“1”のコネクタ端子8Aに供給された基準電位信号は、導線9を通じて電極リード2B,2Cの各電極ICチップ50内のスイッチ部にも供給される。
また、電極リード2Aの端子番号“0”のコネクタ端子8Aに供給された制御電源信号は、電極リード2B,2CのリードICチップ51にも供給される。さらに電極リード2Aに供給された制御電源信号は、電極リード2B,2CのリードICチップ51内の切替え部を介して各電極ICチップ50にも供給される。
以上説明した本実施形態では、第1及び第2の実施形態による効果に加え、次のような効果がある。
電極リード2A〜2Cが備える刺激電極5A〜5Cの電極番号と、補助電極リード24が備える補助刺激電極27Tの電極番号と重複する値を有している。しかし、リード番号を利用して電極リード2A〜2C及び補助電極リード24を一意に識別することにより、電極リード2A〜2Cの刺激電極5A〜5C及び補助電極リード24の補助刺激電極27Tの電極番号を相対値化することができる。すなわち、電極リード2A〜2C及び補助電極リード24の連結の順番に関わらず、リード番号と電極番号を組み合わせて、刺激電極5A〜5C及び補助刺激電極27Tを特定することができる。よって、3本の電極リード2A〜2C及び補助電極リード24の連結の順番に、刺激電極5A〜5C及び補助刺激電極27Tに対し電極番号を割り付ける必要がなく、刺激電極5A〜5C及び補助刺激電極27Tの管理が容易になる。
また、本実施形態によれば、電極リードに設けた刺激電極の電極番号を相対値化することができるので、多数の電極リードを連結させることができる。そして多数の電極リードを連結した連結リードについて、各電極リードの刺激電極の電極番号を容易に管理することができる。
また、本実施形態では、電極リード2A〜2C及び補助電極リード24に設けた刺激電極5A〜5C及び補助刺激電極27Tの電極数よりも、導線9の本数を少なくすることができる。そのため、電極リード2A〜2C及び補助電極リード24を連結してもリード部6A〜6C及び補助リード部27の各々の径を小さく抑えることができる。それゆえ、低侵襲の連結リードを形成することが可能になる。
また、各電極リードのリードICチップ51がリード番号を利用して電極リードを識別し、該当する電極リード内の電極ICチップ50のみに制御電源信号が供給されるので、省電力化が図れる。
なお、上述したリードICチップ51は、コネクタ7A〜7C又は差込み部28の内部の任意の位置に設けたが、任意の位置のリード部6A〜6C又は補助リード部27の内部に設けてもよいし、電極ICチップ50の一つがリードICチップ51の機能を兼ね備えていてもよい。
[刺激回路の回路構成]
次に、刺激装置20Bに収納された刺激回路30Bの電気的な構成について、図13を参照して説明する。
図13は、刺激回路30Bの電気的構成を示す機能ブロック図である。
刺激回路30Bは、コイル部61と、充電部62と、充電池63と、通信部64と、制御部65と、刺激パラメータ設定部66と、刺激出力発振部67と、制御パラメータ設定部68と、制御出力発振部69と、電源部63Aとを備える。以下では、コイル部61、充電部62、充電池63及び通信部64は、コイル部31、充電部32、充電池33及び通信部34と同様の構成及び機能を有するため詳細な説明を省略する。
通信部64は、コイル部61が受信した交流信号を復調し、交流信号に含まれている情報を取り出す。そして、取り出した情報を、制御部65を介して刺激パラメータ設定部66及び制御パラメータ設定部68に出力する。刺激パラメータ設定部66に出力される情報は、電気的刺激信号の刺激強度に関する情報である。また、制御パラメータ設定部68に出力される情報は、連結リード2及び補助電極リード24の構成に関する情報(電極構成情報)や刺激電極に与える電気的刺激信号に関する情報(接続情報)である。
上述したように、電気的刺激信号を構成する刺激パルスのパルス電圧等の値が、刺激パラメータとして設定される。また、電気的刺激信号を出力する電極リード2A〜2C及び補助電極リード24のリード番号並びに該当電極リード及び補助電極リード内の刺激電極及び補助刺激電極の電極番号の情報(電極構成情報)と、該当刺激電極及び補助刺激電極に与える電気的刺激信号の極性を変更するための情報(接続情報)とが、制御パラメータとして設定される。
刺激パラメータ設定部66は、制御部65から入力される電気的刺激信号の刺激強度に関する情報に基づいて刺激パラメータを設定し、この刺激パラメータに基づいて、例えば刺激出力発振部67で発生する電気的刺激信号の刺激強度を変更するための刺激強度変更信号を生成する。
刺激出力発振部67は、例えば刺激パラメータ設定部66から入力される刺激強度変更信号に基づいて電気的刺激信号を構成する刺激パルスを生成し、生成した刺激パルスをコネクタ22Bの刺激パルスラインL1に接続する端子へ出力する。
制御パラメータ設定部68は、制御部65から入力される電極構成情報と接続情報に基づいて制御パラメータを設定する。
制御出力発振部69は、制御パラメータ設定部68から入力される制御パラメータに基づいてシリアル信号である制御電源信号を生成し、生成した制御電源信号をコネクタ22Bの制御電源ラインL3と接続している端子へ出力する。生成された制御電源信号には、電源部63Aから供給される電力に基づく電源信号(バースト信号)が付加されている。電源部63Aの基準電位に接続された不図示の端子は、コネクタ22Bの基準電位ラインL2に接続する端子と接続している。
なお、制御部65には、例えばマイクロコンピュータ等が用いられている。制御部65は、刺激回路30Bの各ブロックを制御する。また、制御部65は、制御部65内部のメモリ65aに、電極リード2A〜2Cからなる連結リード2及び補助電極リード24の構成に関する情報を保存している。連結リード2の構成に関する情報は、電極リード2A〜2Cの連結の順番(リード番号の順番)及び各電極リードの刺激電極の電極数である。これに、補助電極リード24の連結の順番及び補助刺激電極27Tの電極数も加えられる。この連結リード2の構成に関する情報等の保存は、一例として、刺激装置20Bに接続された補助電極リード24の差込み部25に連結リード2を連結した後、初期処理を行うタイミングで行われる。医師は、電極リード2A〜2C及び補助電極リード24のそれぞれの包材に記されたリード番号を電極リード2A〜2C及び補助電極リード24の連結の順番でコントローラ60に入力し、刺激装置20Bとの間で通信を行うことで連結リード2の構成に関する情報等が制御部65内部のメモリ65aに保存される。
また、刺激回路30Bは、制御電源ラインL3に繋がる不図示の応答信号受信部を有している。応答信号受信部は、コネクタ22Bを介して電極リード2A〜2C及び補助電極リード24から出力された、設定情報の設定処理が完了したことを示す応答信号(シリアル信号)を受信し、制御部65へ送信する機能を備える。
<4.変形例>
なお、本発明には、様々な変形例を想定し得る。
例えば、上述した第1〜第3の実施形態では、皮下にある神経を電気刺激する末梢神経刺激療法(PNFS)に利用できる電気刺激装置を想定した構成を例示したが、刺激装置を生体内に植込む電気刺激療法に適用することができる。したがって、上述した第1〜第3の実施形態を、SCSシステムを利用した脊髄電気刺激療法やその他の電気刺激療法に適用してもよい。
また、上述した第1〜第3の実施形態では、一つの刺激回路を用いて刺激電極と補助刺激電極へ電気的刺激信号を供給しているが、補助刺激電極へ電気的刺激信号を供給するための専用の刺激回路を設けてもよい。
また、第2及び第3の実施形態において、補助電極リード16,24の内部にルーメン(挿通管)を形成し、そのルーメンにワイヤを挿入して補助電極リードを所定の形状に形成するようにしてもよい。
また、上述した第3の実施形態において、例えば、刺激電極5A〜5Cを構成する電極の個数の組み合わせとして、2個、4個、2個の電極を組み合わせたものとしているが、これらの個数はあくまでも一例であって、その他の個数を有する刺激電極を組み合わせてもよい。例えば、刺激電極5A〜5Cを構成する電極の個数を同数としてもよいし、互いに異ならせてもよい。また、電気刺激装置1に用いる電極リードの本数は、3本に限らず、2本以下又は4本以上に適宜増減して用いてもよい。また、電極リード毎に配置された刺激電極の間隔を一定とせずに、異ならせてもよい。
また、上述した第1〜第3の実施形態において、刺激装置20,20A,20Bには筐体21から突出するコネクタ22,22A,22Bを設けたが、コネクタ22,22A,22Bを筐体21の内部に収めて筐体21から突出する部位をなくし、刺激装置20,20A,20Bのサイズを小さくしてもよい。
また、上述した第3の実施形態において、リード部6Aには、電極の間隔を広げた刺激電極5Aが配置されるように構成してもよい。これにより、例えば、刺激電極5Aの電極間で折り曲げて皮下に植込まれた1本の電極リード2Aだけでも、生体40を電気刺激することができる。
また、図7に示したように略Z形状のパターンで電極リード2A〜2Cを生体40に植込むようにしたが、その他のパターンで電極リード2A〜2Cを植込んでもよい。例えば、略四角状、略W形状、略M形状等の様々なパターンを利用することができる。また、電極リード2A,2B,2Cの順に直列に連結するだけでなく、例えば、電極リード2B,2A,2Cの順に直列に連結してもよい。
また、上述した第3の実施形態では、各電極リード2A〜2Cのコネクタ7A〜7C付近にリードICチップ51を内蔵したため、電極リード2A〜2Cのコネクタ7A〜7C側が近位端になり、差込み部3A〜3C側が遠位端となるよう構成している。しかし、リードICチップ51を各電極リード2A〜2Cの差込み部3A〜3C付近に内蔵し、電極リード2A〜2Cの近位端側に差込み部3A〜3Cを配置し、遠位端側にコネクタ7A〜7Cを配置した構成としてもよい。この場合、近位端側に配置した差込み部3A〜3Cの差込み端子4A〜4Cが第1の端子部となり、遠位端側に配置したコネクタ7A〜7Cのコネクタ端子8A〜8Cが第2の端子部となる。また、刺激装置20の補助電極リード24の連結リードと接続する側の端部には、コネクタが配置される。
また、本発明は上述した実施形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
1,1B…電気刺激装置、 2A〜2C,15…電極リード、 3A〜3C…差込み部、 4A〜4C…差込み端子、 5A〜5C,15A…刺激電極、 6A〜6C…リード部、 7A〜7C…コネクタ、 8A〜8C…コネクタ端子、 9…導線、10A〜10C…係合部材、 16,27…補助電極リード、 16T,27T…刺激電極、 20,20A,20B…刺激装置、 21…筐体、 21T1〜21T4…補助刺激電極、 22,22A,22B…コネクタ、 25…差込み部、 25T…差込み端子、 27…リード部、 27T…刺激電極、 30,30A,30B…刺激回路、 35…制御部、 36…刺激パラメータ設定部、 37…発振部、 38…電極構成設定部、 39…スイッチ部、 45a…挿入部、 46…皮下ポケット(植込み部)、 51…リードICチップ、 50…電極ICチップ、 65…制御部、 65a…メモリ、 66…刺激パラメータ設定部、 67…刺激出力発振部、 68…制御パラメータ設定部、 69…制御出力発振部、 L1…刺激パルスライン、 L2…基準電位ライン、 L3…制御電源ライン

Claims (5)

  1. 電気的刺激信号を出力する刺激回路を有し、生体の内部に植込まれる刺激装置と、
    内部に導線が配線されたリード部と、該リード部の前記刺激装置が接続される側の端部に設けられた端子部と、該端子部と電気的に接続される一以上の刺激電極と、を有する電極リードと、
    前記刺激装置の植込みに伴い生じる前記生体の疼痛部位に対応して生体内に配置される、前記刺激装置の前記刺激回路と電気的に接続される一以上の補助刺激電極と、を備える
    電気刺激装置。
  2. 内部に導線が配線された補助リード部と、該補助リード部の前記刺激装置が接続される側の端部に設けられた第1の端子部とを有し、前記刺激装置に起因する前記生体の疼痛領域側に設けられる補助電極リードを更に備え、
    前記補助刺激電極は、前記補助電極リードの前記補助リード部に設けられ、前記補助リード部に設けられた前記第1の端子部と電気的に接続される
    請求項1に記載の電気刺激装置。
  3. 前記補助電極リードは、前記刺激装置に起因する前記生体の疼痛領域に応じて、所定の形状に配置されている
    請求項2に記載の電気刺激装置。
  4. 前記補助電極リードは、前記補助リード部の前記刺激装置が接続される側と反対側の端部に設けられた第2の端子部を備え、
    前記刺激装置に接続された前記補助電極リードに設けられた前記第2の端子部に、前記電極リードに設けられた前記端子部が接続される
    請求項2又は3に記載の電気刺激装置。
  5. 前記補助刺激電極は、前記刺激回路を収容する刺激装置本体の、前記刺激装置に起因する前記生体の疼痛領域側に設けられる
    請求項1に記載の電気刺激装置。
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