JP2015080468A - 草抜き機 - Google Patents

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Abstract

【課題】小さな力で容易に雑草などを引き抜くこと。
【解決手段】水平方向に延びるハンドル8と、ハンドル8の中間部から下方に延びる支柱2と、回動軸を介して交差させた挟持刃18を有する挟持部材4とを備え、草抜き時においては、草の茎を挟持刃が挟持したまま、ローラ25を支点とし、ハンドル8を力点として挟持刃18の先端が上方へ上がるように、ローラ25を回動支点としてハンドル8が後方下側へ回動するようにして草抜きを行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、道路脇、空き地などに生えている雑草等を根ごと引き抜くことができる草抜き機に関する。
道路脇に生える雑草を除去するために、草刈り機や除草剤があり、エンジンや電動により作動する回転刃を用いたものは、作業効率も良く頻繁に用いられている。しかしながら、草刈り機は作業効率が良い反面、回転刃が縁石やポールなどに触れると、回転刃が反動で周方向に跳ね飛ばされて身体の怪我などが報告されている。また、除草剤(殺虫剤も含めて)も呼吸困難、体調不良、湿疹などの人体への影響が報告されており、安全上、環境上の問題もある。
さらに、草刈り機については、雑草の茎を切断するので、根っ子がそのまま残り、種類や季節にもよるが、短期間で再度、群生するのが一般的であり、作業回数も頻繁となる。
一方、雑草を根ごと引き抜いた場合は、新たな種などが落とされなければ、雑草は再度生えてくることがない。そこで、草刈り機とは別に雑草を根ごと引き抜く、草抜き機が考案されている。例えば、下記の特許文献1では電動式の草抜き機が開示され、特許文献2では手動式の草抜き器が開示されている。
特開平9−252703号公報 実開平7−1776号公報
しかしながら、草抜きの経験をした者は誰しもが分かるように、茎の小さな雑草は容易に抜けるが、茎の大きな雑草は多大な労力を有する。例えば、特許文献1の草取り器は、雑草を根切して抜き取るようにしているが、1本宛草の根をねらって、根切カッターを地中に差し込み1度に複数の雑草を抜き取ることができない。また、特許文献2の草抜き器では、片手で草取りをするので、軽作業には向いているが、太い茎をもった大量の雑草の草取りには不向きであり、いずれも広範囲の敷地に密集する雑草の除去には不向きである。
本発明は、雑草を引き抜くときに、1本宛引き抜くことはもちろん、茎が太くとも複数本を同時に抜き取ることができる草抜き機を提供することを目的とする。
本発明の草抜き装置は、上記目的を達成するために、水平方向に延び、左右に把持部を有するハンドルと、該ハンドルの中間部から下方に延びる支柱と、該支柱の下部側に設けられた一対のアーム部材を回動軸を介して交差させた挟持部材と、該アーム部材の先端側に設けられ草の茎を受け入れる左右一対の挟持刃と、該挟持刃を開閉する開閉手段と、前記支柱の下部側に設けられ草抜き時に地面への接地点となる支点部とを備え、前記挟持刃が水平方向に向くように前記アーム部材に取付けられ、草抜き時においては、前記草の茎を挟持した挟持刃を作用点とし、前記支点部を支点とし、前記ハンドルの左右把持部を力点とし、該ハンドルを後方下側へ回動させて、前記支点部を回動支点として前記挟持刃が閉じたまま上方へ回動するように構成した。
上記草抜き装置の前記開閉手段は、前記開閉手段は、前記ハンドルに設けられた引き戻し可能なレバーと、該レバーに一端が取付けられ、前記レバーの引きに応じて引かれるワイヤーと、該ワイヤーの他端が取付けられ、該ワイヤーを引き戻しすることによって先端が開閉する前記アーム部材を有する挟持部材と、前記アーム部材の先端が開く方向又は閉じる方向に付勢するばねとを備え、前記ワイヤーの引き戻しによって前記アーム部材と共に前記挟持刃が開閉することが好ましい。
上記草抜き装置の前記開閉手段は、前記支柱の下端を軸心として前記支柱を回動自在に支持する支持軸と、一端が前記支柱の下部側に設けられた取付部に軸支され他端が前記挟持部材の後端に軸支されている進退ロッドと、該進退ロッドに前記アーム部材の後端が引かれて先端が閉じる前記挟持部材とを備え、前記支柱を後方へ回動させると、前記進退ロッドが前記支柱と共に後方へ移動するとともに、前記アーム部材の後端が進退ロッドによって後方へ移動し、前記アーム部材の先端が前記回動軸を軸として前記挟持刃が閉じる方向に回動し、前記支柱を前方へ回動させると、前記進退ロッドが前記支柱と共に前方へ移動するとともに、前記アーム部材の後端が進退ロッドによって前方へ移動し、前記アーム部材の先端が前記回動軸を軸として前記挟持刃が開く方向に回動することもできる。
上記草抜き機の前記一対の挟持刃は、前端が前方側向かってかつ平行に配置され、平行移動によって挟持刃が開閉することが好ましい。
上記草抜き機の前記一対の挟持刃は開状態でV字形状に配置することもできる。
上記草抜き機の前記挟持刃は、草の茎に刃を喰いこます凹凸刃と、該凹凸刃の草の茎への食い込みを規制するとともに、草の外周面を挟持する挟持面を有することが好ましい。
本発明は、草抜き装置は、水平方向に延び、左右に把持部を有するハンドルと、該ハンドルの中間部から下方に延びる支柱と、該支柱の下部側に設けられた一対のアーム部材を回動軸を介して交差させた挟持部材と、該アーム部材の先端側に設けられ草の茎を受け入れる左右一対の挟持刃と、該挟持刃を開閉する開閉手段と、前記支柱の下部側に設けられ草抜き時に地面への接地点となる支点部とを備え、前記挟持刃が水平方向に向くように前記アーム部材に取付けられ、草抜き時においては、前記草の茎を挟持した挟持刃を作用点とし、前記支点部を支点とし、前記ハンドルを力点とし、該ハンドルを後方下側へ回動させて、前記支点部を回動支点として前記挟持刃が上方へ回動するように構成したので、てこの原理で大きな力で雑草を引く抜くことができる。また、茎を挟持刃で挟持するので、複数本の茎を挟持することも可能である。
本発明の第1の実施形態の草抜き機の正面図である。 図1の草抜き機の側面図である。 図1における草抜き機のハンドル部を斜め後方から見た拡大斜視図である。 図1における草抜き機の挟持部材周辺の拡大正面図である。 図1における草抜き機の挟持部材と搬送部を斜め後方側から見た拡大斜視図である。 Aは、図1の草抜き機の挟持部材が開閉する状態を示す正面図、Bは挟持部材の背面図である。 本発明の第2の実施形態の草抜き機であって、Aは挟持部材が開いた状態の側面図、Bは挟持部材が開いた状態の平面図である。 本発明の第2の実施形態の草抜き機であって、Aは挟持部材が閉じた状態の側面図、Bは挟持部材が閉じた状態の平面図である。
以下、本発明の実施形態による草抜き機について図面を参照しながら説明する。
図1及び図2を参照にして、草抜き機1は、円形パイプの支柱2と、該支柱2の上端部に設けられているハンドル部3と、支柱2の下側前部に設けられている挟持部材4、同じく支柱2の下側後部に設けられている搬送部5とを備えている。
図3を参照にして、支柱2は直線形状の中空のパイプであり、支柱2の上端部にはハンドル8が取付けられている。ハンドル部3は、ハンドル8、補助ハンドル9、左右一対のレバー10が設けられている。ハンドル8も支柱2と同様に、直線上のパイプであり、左右中間部が支柱2の上端部と溶接によって固定されている。ハンドル8の両端側の把持部には、作業者が把持するゴム若しくは樹脂製のグリップ11が装着されている。また、ハンドル8の中間部には、ハンドル8に対して前方側にかつ間隔を開けて平行に配置される補助ハンドル9が、平板金具12を介して取付けられている。補助ハンドル9は中空のパイプであって、ハンドル8の長さよりも小さい。
補助ハンドル9の前方側外周面には左右一対のレバー10が取付金具14を介して取付けられている。レバー10は、自転車のブレーキで使用されるものと同種のものであり、レバー10の基端側(ハンドル8の内側)には、各々ワイヤー15の一端が取付けられており、各ワイヤー15の他端は後述する挟持部材4のアーム部材16a,16bに取付けられている。補助ハンドル9はレバー10が、引かれたときに、補助ハンドル9とレバー10とが干渉しないように短い長さに形成される。
なお、ワイヤー15の周囲にはレバー10の基端に接続されたチューブ17が設けられ、ワイヤー15はチューブ17の内部を摺動するが、図面は、チューブ17内のワイヤー15の存在を示す隠れ線を省略し、符号のみ示している。レバー10は、外側(先端)の自由端側が作業者の位置から見て手前(草抜き機の後方)に引かれることによって、ワイヤー15が矢印a側に引っ張られる。
また、取付金具14は、取付ボルトやナットを緩めてレバー10の装着角度を変更できるものが好ましく、レバー10は、補助ハンドル9に取付けたが、ハンドル8に直接取付けてもよい。
図4及び図5を参照にして、一対のチューブ17の各々は、レバー10から支柱2の下側に固定されているガイド金具21に取付けられている。ガイド金具21には、各ワイヤー15が貫通する孔19(図5参照)が形成され、一対のワイヤー15が互いに逆方向へ貫通する。
挟持部材4は、上述したワイヤー15の他端部が取付けられるアーム部材16とアーム部材16に取付けられている挟持刃18とを備えている。一対のアーム部材16は、本実施形態ではS字形状であって、ハサミやペンチのように、中間部がX字形状又はほぼX字形状に交差し、該交差部には回動軸20が設けられている。
そして、回動軸20が支柱2の下部の固定部に回動可能に取付けられ、アーム部材16は、回動軸20を軸心として回動される。また、挟持部材4は、上下方向に支柱2の軸心方向に沿って配設され、先端側が下方に向き、上方の後端側にワイヤー15が取付けられる。すなわち、図4に示すように、一方のワイヤー15aが、アーム部材16aの後端に接続(固定)され、他方のワイヤー15bがアーム部材16bの後端に接続(固定)されている(なお、符号15をワイヤー15a,15bの総称とする)。
アーム部材16a,16bの後端は、ガイド金具21とほぼ同じ高さに位置し、先端は、草抜き機1を立てた状態において、地面の位置か若しくは地面よりやや高い位置に配置される。
アーム部材16a,16bの先端側には水平(直角)方向にかつ、草抜き機1の前方に向けて、一対の挟持刃18が、平行に取付けられている(図5参照)。挟持刃18の先端は開口となり、雑草などの茎を挟持刃18間に導入することができる。
挟持部材4の回動軸20には巻ばね23が設けられ、巻ばね23は、アーム部材16a,16bの先端側及び挟持刃18が開く方向に取付けられている。
図6のAに示すように、ワイヤー15の挟持部材4への取付位置とガイド金具21の取付位置とがほぼ同じ高さである。挟持刃18の開閉は、レバー10が引かれると、ワイヤー15が引かれ、ワイヤー15の他端側では、アーム部材16a,16bの後端が近づくように内側へ引かれ、挟持刃18が閉じる。レバー10を離し、レバー10が無負荷になると、巻ばね23の反発力によって、挟持刃18が開く方向に回転し(図6のAの実線を参照)、ワイヤー15の戻りによって、レバー10が戻される。
このようにして、挟持刃18が開閉する。したがって、本実施形態では、開閉手段は、ハンドルに取付けられた引き戻し可能なレバー10と、進退可能なワイヤー15と、ワイヤー15に接続されている挟持部材4と、挟持部材4が開く方向に付勢する巻ばね23とを備えている。
図5を参照にして、支柱2の後方には、クランク形状に折り曲げられた延長金具26が固定され、延長金具26の後端には、大小のコ字金具27a,27bが内外に取付けられ、コ字金具27a,27bには左右一対のローラ25が回転可能に設けられている。草抜き機1は、挟持刃18とローラ25の接地によって、図2に示すように、起立姿勢で自立することができる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の草抜き機1は、軽量であるので、何れかの箇所を持って、移動させるのも容易であるが、ローラ25が取付けられているのでハンドル8をもって、ローラ25を転がしながら移動させることができる。
草抜きを実行するためには、レバー10を把持することなく、ハンドル8によって、引き抜くべき雑草の茎を、挟持刃18の間に入り込むように誘導する。そして、草抜き機1を立てたままの姿勢かやや傾斜させた状態でレバー10を手前に引き込む。すると、挟持刃18が、1本又は複数の雑草の茎を挟持し、そのままレバー10を掴んだまま、作業者はハンドル8を後方下側に回転させる。必要であればハンドルに自分の体重を加えるようにしてもよい。このように、てこの原理を用いて、挟持刃18を作用点、ローラ25を支点、ハンドル8を力点(テンソル)として、小さな力で雑草に対する大きな引き抜き力を得ることができる。
なお、ローラ25を支点としたが、ローラ25に代えて、他の部位(例えば、延長金具に支点となる部材を取り付けるなど)を地面に接地させることにより、支点にしてもよく、この意味では、ローラ25を省略してもよい。
一般の自転車は、右側と左側のレバーが自転車の前輪と後輪とのブレーキを分散するので、レバー10のそのものの力は2方へ分散されるが、本実施形態では、右側と左側とのレバー10が2方に分散することなく、挟持刃18にのみに集中するので、大きな挟持力を加えることができる。
また、本実施形態では、補助ハンドル9にレバー10を取付けているので、レバー10のストロークが大きくなっている。すなわち、図2を参照にして、レバー10は、補助ハンドル9がハンドルであると仮定すれば、レバー10は補助ハンドル9に干渉するストロークS1の長さまで引くことができる。しかしながら、補助ハンドル9をレバー10と干渉することなく、両サイドを短くしているので、さらにレバー10が後方のハンドル8に当接するまでの長さであるストロークS2だけ大きくなる。このように、ストロークを大きくして、挟持刃18の広がりが大きくなるようにしている。加えて、ワイヤー15と挟持部材4の取付部の高さと、ガイド金具21のワイヤー15の高さを同じとし、ワイヤー15が水平に引かれることから、この点でも挟持部材4(及び挟持刃18)の開閉ストロークが大きくなる。
さらには、上述したように、レバー10が左右一対設けられているので、挟持刃18の開閉ストロークは、レバーが1つの場合と比較して2倍となる効果もある。
変形例として、細い茎の雑草を引き抜くときは、ハンドルの片側のみにレバー、ワイヤーなどを取付け、挟持刃の他方を固定して、一方の挟持刃のみで挟持刃を開閉してもよい。
なお、本発明者は、雑草を連続的に引き抜く場合は、草の樹液が挟持刃の面に付着し、樹液が挟持刃の摩擦力を軽減し、雑草の除去に影響を及ぼすことを知見した。したがって、挟持刃の形状は、雑草の引き抜きに大きく影響する。雑草の茎を挟持するには、通常の切断刃のように、刃先が鋭いものでは、雑草を引き抜く前に雑草の茎を破断してしまうので、茎の高さ方向に茎を挟持するためにある程度の長さの平面か曲面を必要とする。
本実施形態では、挟持刃18について、上側に茎当部29を形成し、茎当部29の下側から挟持刃18の内側に突出する三角刃28を設けている。すなわち、茎を挟持刃18で挟持するときは、三角刃28によって茎を噛み込み、茎当部29で三角刃28の噛み込みを規制し、その後、茎当部29で茎を挟持しながら雑草を抜き取る。三角刃28の噛み込みで、茎当部29の滑りを軽減できる。
挟持刃については、三角刃を上下2箇所設けたり、表面形状の全体を三角刃にしたり、網状の凹凸によって形成してもよい。
また、本願実施形態では、草抜き機のコストを軽減するため手作業で行うようにしている。しかしながら、本草抜き機1はワイヤーの進退で挟持刃を開閉するので、回転モータなどに連結されたクラッチ付きのプーリなどを、ワイヤーに接続させて用いることができる。この場合は、プーリにワイヤーの一端を取付け、プーリのクラッチと回転モータをオンにしてワイヤーを引き、挟持刃を閉じることができる。挟持刃の閉時では、一定以上の負荷が加わらないよう、回転モータのトルクを調整できるものが好ましい。
ワイヤーを戻すときは、プーリのクラッチと電動モータをオフにして、上述した巻ばねなどによって、挟持刃を開位置に戻すことができる。よって、容易に電動方式に変更することができ、回転刃などを用いていないので、安全性にも問題がない。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態では、挟持刃の開閉ストロークがある程度制限される(ただし、上述した回転モータなどを用いた場合を除く)。
本実施形態では、上記第1の実施形態よりも、さらに、手動式で密接する複数本の雑草を束ねて抜くことができる草抜き機について説明する。
図7のA,B及び図8のA,Bを参照にして、草抜き機41は、円形パイプの支柱42と、該支柱42の上端部に設けられているハンドル43と、支柱42の下側前部に設けられている挟持部材44と、同じく支柱42の下部に設けられている搬送部45とを備えている。
支柱42は、下部をくの字形状に折り曲げた形状の中空のパイプであり、下端部が搬送部45のケーシング48の底部に設けられている支持軸49に回動可能に取付けられる。
支柱42をくの字形状に折り曲げた部分には、連結金具51が固定され、連結金具51は、支柱42の左右両側に延びている。連結金具51の両端部には進退ロッド52,23が接続される。
連結金具51の左右に設けられている左右の後側進退ロッド53a,53b(符号53はこれらを総称するの)は、上下に回動可能となるように後端が連結金具51に軸支され、多少、左右に揺れる程度の隙間(遊び)が形成するように取付けられる。後側進退ロッド53の前端は、前側進退ロッド52a,52b(符号52はこれらを総称する)の後端に接続され、前後の進退ロッド52,53同志の接続も、相互に上下方向に回動できるように軸支され、多少、左右に揺れる程度の隙間(遊び)があるように取付けられる。
前側進退ロッド52の前端は、挟持部材44のアーム部材54a,54bの後端側に連結ロッド55を介して軸支され、前側進退ロッド52a,52bが水平方向に回動可能になるように連結されている。連結ロッド55は、挟持部材44の高さ位置と、進退ロッド52,53の高さ位置が異なるので、軸心を上下方向に向けて配設され、軸方向長さは挟持部材44と進退ロッド52の両者を連結できる長さが必要である。
挟持部材44は、本実施形態では、内角が120度前後でくの字形状に形成された一対のアーム部材54a,54bを交差させ、該交差部には回動軸56が設けられている。よって、一方のアーム部材54aは、後端側で連結ロッド55を介して前側進退ロッド52aに連結され、他方のアーム部材54bは、後端側で連結ロッド55を介して前側進退ロッド52bに連結される。
そして、回動軸56がケーシング48の前方側の固定金具60に、挟持部材44を取付け、挟持部材44は、回動軸56を軸心としてアーム部材54a,54bが回動される。
挟持部材44は水平方向に配設され、回動軸56よりも前方の部分は、一対の挟持刃58が取り付けられている。挟持刃58は、回動軸56を軸心として回動することにより、V字形状に開いた状態(図7のB)と、閉じた状態(図8のB)に開閉が可能である。
挟持刃58を開閉させるには、支柱42を起立させた状態から(図7のA参照)、支持軸49を回転軸として、後方下側に傾倒させる(図8のA参照)。すると、支柱42に取り付けている連結金具51が後方に移動し、前後の進退ロッド52,53が後退し、連結ロッド55を介してアーム部材54a,54bの後端を後方側に引く。このアーム部材54a,54bを後方に引くことによって、アーム部材54a,54bが回動軸56を軸心にして回動する。これにより、アーム部材54a,54bに取付けている挟持刃58が内側に閉じる。
一方、後方に傾倒した支柱42をもとの起立姿勢に戻すと、支柱42に取り付けている連結金具51が前方に移動し、前後進退ロッド52,53が前進し、連結ロッド55を介してアーム部材54a,54bの後端を前方側に押す。このアーム部材54a,54bを前方に押すことによって、アーム部材54a,54bが回動軸56を軸心にして回動する。これにより、アーム部材54a,54bの先端側に取付けている挟持刃58が外側に開く。
したがって、本実施形態の開閉手段は、支柱42と、支柱42を回動自在に支持する支持軸49と、前後進退ロッド52,53と、連結ロッド55と挟持部材44を備える。
挟持刃58は、本実施形態では、上記第1の実施形態に比べて、茎当部65の高さを大きくし、茎当部65の下側に三角刃64を設けている(図5の三角刃28を参照)。茎当部65の面には、網状の凹凸を形成している。
ケーシング48の後方には、車軸62が横方向にケーシング48に支持され、車軸62の両端には、一対のローラ63が取付けられている。また、ケーシング48には、支柱42の前方と後方への回動角を制限する図示しないストッパーを形成している。
次に、本実施形態の作用について説明する。
草抜きを実行するためには、両手でハンドル43を把持し、支柱42を起立姿勢にしたまま、引き抜くべき雑草の茎を挟持刃58の間に入り込むように誘導する。そして、草抜き機41を立設させたまま(やや傾斜させてもよい)状態で、V字形状に開いた挟持刃58の内部に雑草の茎を導入する。そして、作業者はハンドル43を後方下側に回転させる。すると、V字形状の開状態にあった挟持刃58が回動軸56を軸心にして、閉じる方向に回転する。本実施形態では、支柱42を後方に30度、回転させると、挟持刃58が閉じる。また、支柱42の傾きが30度を超えると、支柱42は傾きが制限されるので、30度以上の傾きを超えると、前方の挟持刃58がケーシング48の前端側と共に上方へ持ち上がる。詳しくは、てこの原理によって、挟持刃58を作用点、ローラ63を支点、ハンドル43を力点(テンソル)として、挟持刃58が雑草を挟持したまま上方へ回転する。実際には、雑草の茎の厚みで、雑草が完全に潰されない限りは、支柱42の後方への回転は、茎の厚味で30度に達する前に回転が制限される。こうして、支柱42のケーシング48に対する回転が制限されると、挟持刃58は上方へ回転移動し、挟持刃58によって挟持されている雑草が引き抜かれる。
なお、本実施形態では、挟持刃58がV字形状であるので、雑草を挟持刃58が挟持する際に、ケーシング48が後退して茎を挟持できない場合がある。こうしたときは、ケーシング48に図示しない足掛け部を形成し、足掛け部に足を踏み込んで、ケーシング48の後退を止めることが好ましい。また、挟持刃58の先端に茎当部65から内側へ突出する図示しない、抜け止めを形成してもよい。ただし、雑草の茎を受け入れるスペースを確保する必要がある。
本実施形態では、挟持刃58がV字形状であるので、挟持刃58の先端が大きく開くため、挟持刃58間に複数本の雑草の茎を受け入れることができる。また、挟持刃58の長さを延ばすことによって、さらに多くの雑草を引き抜くことができる。実用的には、挟持刃58の先端の開閉幅は約0〜76mmである。
また、本実施形態では、上述したように、草抜き機のコストを軽減するため草刈りを手作業で行うようにしている。しかしながら、本草抜き機41は進退ロッド52によって挟持刃を開閉するので、電動シリンダなどを用いて進退ロッドを進退させることができる。すなわち、一対のシリンダロッドの先端をアーム部材54a,54bの後端に取付けることによって、シリンダロッドを進退させ、挟持刃58を開閉させることができる。
このように、本発明の各実施形態における草抜き機1,48は、両手を用いて、雑草を引き抜くことができる。しゃがむことなく、作業が可能で、また、ハンドル8,43の高さを腰から腹の位置にすることで、ハンドル8,43に体重を乗せることもでき、作業を容易にすることができる。よって、支柱42(第1の実施形態の支柱2も同じ)の高さは、作業者の身長に合わせて高さ調整できるようにするとよい。
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の変形あるいは変更が可能である。
例えば、上記第1の実施形態においては、巻ばね23をアーム部材16a,16bが開く方向へ付勢させたが、巻ばね23をアーム部材16a,16bを閉じる方向へ付勢させてもよい。この場合は、雑草の茎を挟持するときにだけレバー10を握って雑草の茎を挟持し、茎を挟持した後はレバー10を離すので、レバー10を握ったまま草抜き作業をする必要がなくなる。また、レバー10を引いた状態でアーム部材16a,16bの先端が開かねばならないので、ガイド金具21の向きが逆になる。よって、上記第1の実施形態では、ガイド金具21の位置を中央にし、レバー10によってアーム部材16a,16bを内側へ引いていたが、ガイド金具21をアーム部材16a,16bの左右外側に位置変更させて、アーム部材16a,16bをレバー10によって外側へ引く必要がある。
また、茎当部29,65に対しては、説明を省略したが、茎当部29,65の面に交換用のパッドなどを脱着可能に取付けるようにして、雑草の種類などに応じて形状や材質が異なるものを、適宜交換するようにしてもよい。例えば、そのパッドの材質を金属、ゴム、樹脂などに変更できるようにしてもよい。
さらに、茎当部29,65やこれに伴う三角刃28,64の形状については、一方向に直線方向へ延びる形状としたが、例えば、工具のプライヤの挟持部のように、半楕円弧形状の内面を形成し、一対の茎当部によって、単数若しくは複数の雑草を挟持するようにしてもよい。
1,48 草抜き機
2,42 支柱
4,44 挟持部材
8,43 ハンドル
9 補助ハンドル
10 レバー
15 ワイヤー
16,54 アーム部材
18,58 挟持刃
20,56 回動軸
28,64 三角刃
29,65 茎当部
48 ケーシング
52,53 進退ロッド
55 連結ロッド
25,63 ローラ

Claims (6)

  1. 水平方向に延び、左右に把持部を有するハンドルと、
    該ハンドルの中間部から下方に延びる支柱と、該支柱の下部側に設けられた一対のアーム部材を回動軸を介して交差させた挟持部材と、該アーム部材の先端側に設けられ草の茎を受け入れる左右一対の挟持刃と、該挟持刃を開閉する開閉手段と、前記支柱の下部側に設けられ草抜き時に地面への接地点となる支点部とを備え、
    前記挟持刃が水平方向に向くように前記アーム部材に取付けられ、
    草抜き時においては、前記草の茎を挟持した挟持刃を作用点とし、前記支点部を支点とし、前記ハンドルの左右把持部を力点とし、該ハンドルを後方下側へ回動させて、前記支点部を回動支点として前記挟持刃が閉じたまま上方へ回動するように構成したことを特徴とする草抜き機。
  2. 前記開閉手段は、前記ハンドルに設けられた引き戻し可能なレバーと、該レバーに一端が取付けられ、前記レバーの引きに応じて引かれるワイヤーと、該ワイヤーの他端が取付けられ、該ワイヤーを引き戻しすることによって先端が開閉する前記アーム部材を有する挟持部材と、前記アーム部材の先端が開く方向又は閉じる方向に付勢するばねとを備え、
    前記ワイヤーの引き戻しによって前記アーム部材と共に前記挟持刃が開閉するようにした請求項1に記載の草抜き機。
  3. 前記開閉手段は、前記支柱の下端を軸心として前記支柱を回動自在に支持する支持軸と、
    一端が前記支柱の下部側に設けられた取付部に軸支され他端が前記挟持部材の後端に軸支されている進退ロッドと、該進退ロッドに前記アーム部材の後端が引かれて先端が閉じる前記挟持部材とを備え、
    前記支柱を後方へ回動させると、前記進退ロッドが前記支柱と共に後方へ移動するとともに、前記アーム部材の後端が進退ロッドによって後方へ移動し、前記アーム部材の先端が前記回動軸を軸として前記挟持刃が閉じる方向に回動し、
    前記支柱を前方へ回動させると、前記進退ロッドが前記支柱と共に前方へ移動するとともに、前記アーム部材の後端が進退ロッドによって前方へ移動し、前記アーム部材の先端が前記回動軸を軸として前記挟持刃が開く方向に回動するようにした請求項1に記載の草抜き機。
  4. 前記一対の挟持刃は前端が前方側向かってかつ平行に配置され、平行移動によって挟持刃が開閉する請求項1又は2に記載の草抜き機。
  5. 前記一対の挟持刃は開状態でV字形状に配置されている請求項1又は3に記載の草抜き機。
  6. 前記挟持刃は、草の茎に刃を喰いこます凹凸刃と、該凹凸刃の草の茎への食い込みを規制するとともに、草の外周面を挟持する挟持面を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の草抜き機。
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