JP2015079708A - 電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物、電池又は電気二重層キャパシタ集電体、電池及び電気二重層キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビニルシラン系共重合体と、ポリカルボン酸と、導電剤とを含む電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物である。ビニルシラン系共重合体はアルコキシシラン基を持つビニル系モノマーと電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基を含有するビニル系モノマーと他のビニルモノマーとを共重合した共重合体。
【選択図】なし
Description
(式中、R10は、水素原子又は−COCH3であり、R11及びR12は、水素原子又はエチル基である)に示されるように、金属集電体表面のヒドロキシ基と化学的に結合する、シラノール基で変性したポリビニルアルコールを結着剤として使用する方法が考案されている(特許文献3及び4)。この他にも、ビニルシラン系共重合体を含む電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物が提案されている(特許文献5及び6)
ここで、ビニルシラン系共重合体が、式(1):
〔式中、
Iは、式(2):
(式中、
X1は、単結合又は結合鎖(但し、酸素原子を除く)であり、
R2〜R4は、独立して、−OR5(ここで、R5は、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である)、置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基又はハロゲン原子であり、
R21〜R23は、独立して、水素原子又はC1〜C6アルキル基である)で示される単位であり、
IIは、下記式(3):
(式中、
Ra、Rb及びRcは、独立して、水素原子又は有機基であり、
X2は単結合又は結合鎖であり、
Rd、Re及びRfは、独立して、水素原子又は有機基であり、
Rg及びRhは、独立して、水素原子又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である)で示される単位であり、
IIIは、ビニル系モノマーに由来する単位(但し、I及びIIは除く)であり、
mは、1〜10000の数であり、
nは、20〜100000の数であり、
pは、0〜100000の数であり、
mとp+nの比率(m/(p+n))は、0.0001〜1であり、
pとnの比率(p/n)は、0〜5000であり、I、II及びIIIの各単位は、ランダムでも、ブロックで存在していてもよく、
式(1)中の少なくとも1つの単位は活性水素基を有する〕で示されることを特徴とする、電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物に関する。
本発明は、上記の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物でコートした電池又は電気二重層キャパシタ集電体、及び上記電池又は電気二重層キャパシタ集電体を含む電池又は電気二重層キャパシタに関する。
に示すように、主鎖の炭素に対して、酸素を介してケイ素が結合した構造(「−C−O−Si−」結合)を有している。本発明者らは、この結合が電気化学的に容易に切断されるので、充放電時にコート層が容易に剥離し、このことが電池又は電気二重層キャパシタ特性の劣化の原因となることを見出した。
本発明の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物は、ビニルシラン系共重合体と、ポリカルボン酸と、導電剤とを含む、導電性コート剤組成物である。ここで、本発明におけるポリカルボン酸からは、ビニルシラン系共重合体に相当するものを除くこととする。また、本発明におけるポリカルボン酸は、ポリカルボン酸とそのポリカルボン酸の酸無水物を包含する概念である。
本発明におけるビニルシラン系共重合体は、式(1)で表される。式(1)中の少なくとも1つの単位は活性水素基を有することとする。
単位IIIは、ビニル系モノマーに由来する基であって、製造時の安定性や耐電気分解特性の観点から、ビニル系モノマーは、好ましくは、カルボン酸ビニルモノマー、アクリルモノマー等が好ましく、カルボン酸ビニルモノマーがより好ましい。
(式中、R1は、水素原子、カルボン酸由来の有機基又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である)が挙げられる。
単位Iは、式(2)で表される。式(2)中、R2〜R4は、独立して、−OR5(水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である)、置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)である。置換基としては、ヒドロキシ基、C1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)が挙げられる。
(式中、X1は、単結合又は結合鎖(但し、酸素原子を除く)であり、上述の例示及び好適な態様が適用され、R5は、独立して、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基であり、上述の例示及び好適な態様が適用される)。式(5)におけるX1は、好ましくは単結合である。
単位IIは、式(3)で表される。式(3)中、Ra〜Rcは、水素原子又は有機基であり、有機基としては、C1〜C6アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基)が挙げられ、これらは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基等で置換されていてもよい。好ましくは、水素原子又はC1〜C4アルキル基である。
式(1)において、mは、1〜10000であり、密着性の点から、好ましくは、2〜5000であり、より好ましくは、4〜3000であり、nは、20〜100000であり、粘度の点から、好ましくは、30〜8000であり、より好ましくは、40〜4000であり、pは、0〜100000であり、粘度の点から、好ましくは、5〜8000であり、より好ましくは、10〜6000である。
pとnの比率(p/n)は、0〜5000であり、4500以下であり、密着性の点から、好ましくは4000以下であり、より好ましくは、3500以下である。
(式中、m、n、p、R1、R5、Rg及びRhは上記のとおりであり、
式(6)中の少なくとも1つの単位は活性水素基を有する)。活性水素基は、上記のとおりである。
ビニルトリエトキシシランの代わりに、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のビニルアルキルジアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン;ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等を使用すること好ましいが、製造時の安定性や耐電気分解特性の観点でビニルトリエトキシシランがより好ましい。
3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの代わりに、例えば、3−ブテン−1,2−ジオール、ビニルエチレンカーボネート等を使用することができる。
ビニルシラン系共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、単位III(任意)、単位I及び単位II以外の単位を含んでいてもよい。他の単位は、単位III(任意)、単位I及び単位IIを誘導するモノマー以外のモノマーを共重合させることにより、導入することができる。
本発明におけるポリカルボン酸は、1分子中にカルボキシ基を2個以上含む化合物であり、反応性や架橋密度の観点から、カルボキシ基は、好ましくは2〜1000個であり、より好ましくは3〜100個である。ポリカルボン酸の分子量は、100000以下とすることができ、好ましくは30000以下であり、より好ましくは分子量20000以下である。ポリカルボン酸には、ポリカルボン酸由来の酸無水物も包含される。
本発明における導電剤は、導電性を有する粒子若しくはフィラー、又はイオン性を有する液体であり得る。
本発明の組成物は、ビニルシラン系共重合体と、ポリカルボン酸と、導電剤とを含む。本発明の組成物によって、電池又は電気二重層キャパシタ集電体と活物質層との密着性(耐剥離性)を高めるため、ビニルシラン系共重合体とポリカルボン酸とが結着剤として安定して機能する観点から、ポリカルボン酸は、ビニルシラン系共重合体100質量部に対して、1〜300質量部であることが好ましく、5〜200質量部がより好ましく、10〜200質量部がさらに好ましく、10〜100質量部がとりわけ好ましく、20〜100質量部が特に好ましい。
本発明の組成物は、ビニルシラン系共重合体と、ポリカルボン酸と、導電剤とを含めば、形態は制限されず、粉末状、フレーク状等の固体でもよいし、ペースト、溶液又は懸濁液等の液体でもよい。但し、本発明の組成物を集電体上に適用して被膜(コート層)を形成する場合は、ペースト、溶液又は懸濁液等の液体の形態で使用することが好ましい。本発明の組成物が固体の場合、使用する際に溶媒と混合して液状にすることができ、本発明の組成物がペースト状であればそのままで、又はさらに溶媒と混合して、使用しやすい粘度又は性状の液状にすることが好ましい。
本発明の組成物は、ビニルシラン系共重合体、ポリカルボン酸及び導電剤、必要に応じて、後述する任意成分を混合し撹拌することによってペースト、溶液又は懸濁液等として得ることができる。撹拌は、プロペラ式ミキサー、プラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ニーダー、乳化用ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等の各種撹拌装置を適宜選択して行うことができる。また、必要に応じて加熱又は冷却しながら撹拌することもでき、好ましくは上記の好適な粘度範囲に調整する。
(溶媒)
本発明の組成物は、粘度を中心とする液性を調整するために、各種溶媒を含むことができる。溶媒としては、炭化水素(プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アミルベンゼン、テレビン油、ピネン等)、ハロゲン系炭化水素(塩化メチル、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、臭化メチル、臭化エチル、クロロベンゼン、クロロブロモメタン、ブロモベンゼン、フルオロジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロクロロエタン等)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、2−オクタノール、n−ドデカノール、ノナノール、シクロヘキサノール、グリシドール等)、エーテル、アセタール(エチルエーテル、ジクロロエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルベンジルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、シネオール、メチラール)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−アミルケトン、ジイソブチルケトン、ホロン、イソホロン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等)、エステル(ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−アミル、酢酸メチルシクロヘキシル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、ステアリン酸ブチル等)、多価アルコールとその誘導体(エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメトキシエタノール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル等)、脂肪酸及びフェノール(ギ酸、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、無水プロピオン酸、酪酸、イソ吉草酸、フェノール、クレゾール、o−クレゾール、キシレノール等)、窒素化合物(ニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、ニトロベンゼン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジアミルアミン、アニリン、モノメチルアニリン、o−トルイジン、o−クロロアニリン、ジクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、アセトニトリル、ピリジン、α−ピコリン、2,4−ルチジン、キノリン、モルホリン等)、含硫黄溶媒(二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、4,4−ジエチル−1,2−ジチオラン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、メタンチオール、プロパンスルトン)、含リン溶媒(リン酸トリエチル、リン酸トフェニル)、その他の溶媒(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、ホウ酸アミル等)、無機溶媒(液体アンモニア、シリコーンオイル等)、水等を例示することができる。
本発明の組成物は、ビニルシラン系共重合体以外の結着剤として、特開2010−146726公報の第77段落に記載されている、硬化性の有機成分及び無機成分を適宜含むことができる。有機成分としては、エポキシ化合物、シロキサン化合物等の他、硬化性のモノマーやオリゴマー等のプレポリマーを使用することができ、これらは、溶融液で、又は溶媒に溶解させて使用したり、あるいは流動性のある微粉末を使用したりすることもできる。熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用することができ、熱可塑性樹脂としては、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルブチラール、塩化ビニル、メタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、エチレン、アミド、セルロース、イソブチレン、ビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等からなるプレポリマーやポリマーを挙げることができる。また、熱硬化性樹脂としては、尿素、メラミン、フェノール、レゾルシノール、エポキシ、オキセタン、エピスルフィド、イソシアネート、キトサンとカルボン酸の混合物、イミド等からなるプレポリマーやポリマー、誘導体等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、又は2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、さらに、カップリング剤を含むことができる。このようなカップリング剤としては、具体的にはフッ素系のシランカップリング剤として、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、エポキシ変性シランカップリング剤として信越化学工業株式会社製カップリング剤(商品名:KBM−403)、オキセタン変性シランカップリング剤として東亞合成株式会社製カップリング剤(商品名:TESOX電池集電体用組成物)、あるいは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセトネート、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニウムラクテート、チタニウムラクテートアンモニウム塩、テトラステアリルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、イソプロピルトリオクタイノルチタネート、イソプロピルジメタクリイソステアロイルチタネート、チタニウムラクテートエチルエステル、オクチレングリコールチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、トリイソステアリルイソプロピルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ブチルチタネートダイマー、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等のチタン系カップリング剤を挙げることができる。これらは、単独で、又は2種以上を併用してもよい。カップリング剤としては、チタン系カップリング剤又はシランカップリング剤が好ましい。
特に、チタン系カップリング剤やシランカップリング剤による架橋反応が起きることで、架橋速度を向上させたり密着力や強度電気化学的な耐性を向上させたりできる。
また、本発明の組成物中に配合して使用することで界面に過度な絶縁性の改質層を形成することを防ぐことができ、界面抵抗の増大を抑えることができる。また、特開2010−146726公報の実施例7に記載したように、例えばポリカルボン酸を添加する前に活性水素(例えば、水素結合性官能基)を有する化合物とカップリング剤とをあらかじめ加熱して反応させておいてから本発明の組成物を作製してもよい。
本発明の組成物は、ぬれを調節するために、各種界面活性剤を含むことができる。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン(ノニオン)型界面活性剤のいずれも使用することができる。アニオン界面活性剤としては、石ケン、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、メチルタウリン酸塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、脂肪酸アルキルベタイン、スルホベタイン、アミオキサイド等が挙げられ、非イオン(ノニオン)型界面活性剤としては、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型化合物、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルキルエーテル型化合物、ポリオキシソルビタンエステル等のエステル型化合物、アルキルフェノール型化合物、フッ素型化合物、シリコーン型化合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独で、又は2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、機械的強度や熱的特性を向上させるために、必要に応じて、各種の絶縁性フィラーを必要な導電性を損なわない範囲で含むことができる。絶縁性フィラーとしてはアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物の粉末や、コロイダルシリカやチタニアゾル、アルミナゾル等のゾル、タルク、カオリナイト、スメクタイト等の粘土鉱物、炭化ケイ素、炭化チタン等の炭化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化物、窒化ホウ素、ホウ化チタン、酸化ホウ素等のホウ化物、ムライト等の複合酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、チタン酸バリウム等が挙げられる。
本発明の組成物は、さらに必要に応じて、安定剤を適宜選択して含むことができる。このような安定剤としては、具体的には2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチル−フェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−アニリノ)−1,3,5−トリアジン等のフェノール系酸化防止剤、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ}−5−tert−ブチル−フェニル]スルフィド、2−メルカプト−5−メチル−ベンゾイミダゾール等のサルファイド系ヒドロペルオキシド分解剤、トリス(イソデシル)ホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスファートジエチルエステル、ナトリウムビス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファート等のリン系ヒドロペルオキシド分解剤、フェニルサリチラート、4−tert−オクチルフェニルサリチラート等のサリチレート系光安定剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等のベンゾフェノン系光安定剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系光安定剤、フェニル−4−ピペリジニルカルボナート、セバシン酸ビス−[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル]等のヒンダードアミン系光安定剤、[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)]−2−エチルヘキシルアミン−ニッケル−(II)のNi系光安定剤、シアノアクリレート系光安定剤、シュウ酸アニリド系光安定剤等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、上述したように、ビニルシラン系共重合体、ポリカルボン酸及び導電剤の他に、必要に応じて、溶媒、その他の結着剤、カップリング剤、界面活性剤、絶縁性フィラー及び安定剤を含むことができる。
(電池又は電気二重層キャパシタ集電体)
本発明の電池又は電気二重層キャパシタ集電体(以下、電池等集電体ともいう)は、本発明の組成物を用いて集電体にコート層を形成させることにより製造できる。
コートする対象の集電体としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト等の金属、カーボン繊維不織布、金属複合材料等の導電性を有する複合材料が挙げられる。リチウムイオン二次電池においては、一般に正極用集電体としてアルミ箔、負極用集電体として銅箔が用いられ、電気二重層キャパシタにおいてはアルミ箔やアルミのエッチング箔が用いられることが多い。
本発明の電池等集電体は、各種電池に適用することができ、充電電位の高さに伴う電気化学的な劣化を防ぐ効果の高さの観点から、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、カリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池が好ましく、リチウムイオン二次電池がより好ましい。リチウムイオン二次電池の中では、内部抵抗が高い鉄オリビン系のリチウムイオン二次電池への効果がさらに高い。電池の製造は、特に制限されず、公知の方法によって行うことができる。
下記実施例及び比較例において合成したビニルシラン系共重合体は、以下の方法にて分析した。
(1)シリル基含有単位の含有量(モル%)
ケン化前の共重合体について、BRUKER社製のAVANCEIIIHD400を用いて、1H−NMR(400HzのプロトンNMR、溶媒:重クロロホルム、温度:23℃)を測定し、得られたNMRチャートに基づき、シリル基含有単位の含有量を以下のようにして求めた。なお、各単位のプロトンとケミカルシフトとの関係は、図2に示す通りである。
計算式:(X/9)×Y
BRUKER社製のAVANCEIIIHD400を用いて、1H−NMR(400MHz、プロトンNMR、溶媒:重水溶液、温度:50℃)にて測定し、得られたNMRチャートに基づき、積分値より算出した。なお、各単位のプロトンとケミカルシフトとの関係は、図3に示す通りである。
残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量にて分析した。
JIS K 6726に準じて測定した。
実施例1では、コート剤組成物を正極と負極の両方にコートした集電体を用いてリチウムイオン二次電池を製造した。
還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた反応容器に、酢酸ビニル1000部、メタノール50部、ビニルトリメトキシシラン6.3部、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン10モル%(対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.02モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。重合開始後、ビニルトリメトキシシラン1部とメタノール9部を用いて作成したビニルトリメトキシシランメタノール溶液を滴下した。酢酸ビニルの重合率が71%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に留出し、共重合体のメタノール溶液を得た。得られた共重合体のシリル基含有単位の含有量は、0.5モル%であった。得られた共重合体のNMRチャート(400Hz、プロトンNMR、溶媒:重クロロホルム、温度:23℃)を図4に示す。
得られたビニルシラン系共重合体のケン化度は99.8モル%、平均重合度900、側鎖1,2−ジオール構造単位の含有量は9.2モル%であった。
50Lのビーカーに水1600部と上記ビニルシラン系共重合体を100部加え80℃で6時間均一になるまで攪拌した。そこへ、ピロメリット酸を100部加え60℃で4時間均一になるまで攪拌した。そこへアセチレンブラック(東海カーボン株式会社製;トーカブラック#4500)を100部加え概ね均一になるまで攪拌し分散液を得た。
幅300mm、厚さ20μmの圧延アルミ箔(正極用)及び幅300mm、厚さ15μmの圧延銅箔(負極用)に幅200mm、厚さ10μmで上記塗工液を塗布し、170℃温風炉で30秒乾燥させた。乾燥後の塗工膜厚はそれぞれ1μmであった。
冷却ジャケット付きの10Lプラネタリーミキサーに、PVdFの15%NMP溶液(株式会社クレハ製;クレハKFポリマー#1120)550部、コバルト酸リチウム(日本化学工業株式会社製;C−5H)1000部、カーボンブラック(東海カーボン株式会社製;トーカブラック#4500)110部、NMP5000部を加え液温が30℃を超えないように冷却しながら均一になるまで攪拌した。これを、前記コート層を形成した集電体に幅180mm、厚さ200μmで塗工し、160℃温風炉で20秒乾燥させた。これを線圧500kgf/cmでロールプレスした。プレス後の正極活物質層の厚みは20μmであった。
冷却ジャケットつきの10Lプラネタリーミキサーに、PVdFの15%NMP溶液(株式会社クレハ製;クレハKFポリマー#9130)550部、グラファイト(日本黒鉛株式会社製;CGB−200)1100部、NMP4000部を加え液温が30℃を超えないように冷却しながら均一になるまで攪拌した。これを、前記導電コート層を形成した集電体に幅180mm、厚さ200μmで塗工し、120℃温風炉で2分間乾燥させた。これを線圧500kgf/cmでロールプレスした。プレス後の負極活物質層の厚みは25μmであった。
正極及び負極を短辺に10mm活物質層が無い領域が含まれるように40mm×50mmでカットし、金属がむき出しになっている部分に正極はアルミのタブを、負極にニッケルのタブを抵抗溶接で接合した。セパレーター(セルガード株式会社製;#2400)を幅45mm、長さ120mmにカットし、3つに折り返してその間に正極及び負極が対向するように挟み込み、これを幅50mm長さ100mmのアルミラミネートセルを二つ折りにしたもので挟み、タブが当たる部分にシーラントを挟み込んだ上でシーラント部分とそれに直行する辺を熱ラミネートして袋状にした。これを100℃の真空オーブンに12時間入れて真空乾燥させ、次いでドライブローブボックス中で6フッ化リン酸リチウム/EC:DEC=1:1 1M電解液(キシダ化学株式会社製;LBG−96533)を注入し、真空含浸した後、余った電解液を扱き出し、真空シーラーで接合密封して、リチウムイオン二次電池を製造した。
コート剤組成物をコートしていない集電体を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、リチウムイオン二次電池を製造した。
比較例2では、ビニルシラン系共重合体の代わりに部分ケン化型のポリビニルアルコールを含むコート剤組成物を正極と負極の両方にコートした集電体を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
50Lのビーカーに水1600部と部分ケン化型のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製;クラレポバールPVA235(ケン化度87〜89%))を100部加え80℃で6時間均一になるまで攪拌した。そこへ、ピロメリット酸を100部加え60℃で4時間均一になるまで攪拌した。そこへカーボンブラック(東海カーボン株式会社製;トーカブラック#4500)を100部加え概ね均一になるまで攪拌し分散液を得た。上記分散液を冷却ジャケットつきのビーズミルを用いて分散した。分散には0.5mmのジルコニアボールを充填率80%で入れ、周速7mで液温が30℃以上にならないように冷却しながら攪拌し、コート剤組成物である塗工液を得た。
上記コート剤組成物を集電体にコートしたこと以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を作製した。
比較例3では、単位IIの構造を有していないビニルシラン系共重合体を含むコート剤組成物を正極と負極の両方にコートした集電体を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた反応容器に、酢酸ビニル800部、メタノール800部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.075モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。重合開始後、ビニルトリメトキシシラン2.32部とメタノール160部を用いて作成したビニルトリメトキシシランメタノール溶液を滴下した。酢酸ビニルの重合率が78%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に留出し、共重合体のメタノール溶液を得た。得られた共重合体のシリル基含有単位の含有量は、0.3モル%であった。
なお、上記の手法で得られる単位IIの構造を有さないビニルシラン共重合体のNMRチャート(400Hz、プロトンNMR、溶媒:重クロロホルム、温度:23℃)を図6に示す。
なお、上記の手法で得られるビニルシラン系共重合体のNMRチャート(400Hz、プロトンNMR、溶媒:重水、温度:50℃)を図7に示す。
50Lのビーカーに水1600部と前記IIの構造を有さないビニルシラン系共重合体を100部加え80℃で6時間均一になるまで攪拌した。そこへ、ピロメリット酸を100部加え60℃で4時間均一になるまで攪拌した。そこへカーボンブラック(東海カーボン株式会社製;トーカブラック#4500)を100部加え概ね均一になるまで攪拌し分散液を得た。上記分散液を冷却ジャケットつきのビーズミルを用いて分散した。分散には0.5mmのジルコニアボールを充填率80%で入れ、周速7mで液温が30℃以上にならないように冷却しながら攪拌し、コート剤組成物である塗工液を得た。
上記コート剤組成物を集電体にコートしたこと以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を作製した。
上記の実施例及び比較例で製造したについて、下記の特性を測定した。
初期容量を出すために0.01mAの定電流で電圧が4.3Vになるまで充電し、次いで4.3Vの定電圧で2時間充電した。その後、0.01mAの定電流で電圧が3Vになるまで放電した。これを3回繰り返し、3回目の放電容量を初期容量とした。
初期内部抵抗として、初期容量を測定した後のセルを4.3Vの電位にし、その電位をセンターに±10mVの電圧変化で1kHzのインピーダンスを測定した。
初期容量から放電レートを求めて、放電レート別の放電容量を測定した。充電は毎回10時間かけて定電流で4.3Vまで電圧を上げた後、4.3V定電圧で2時間充電した。その後、10時間かけて定電流で3Vになるまで放電し、このときの放電容量を0.1Cの放電容量とした。次に同様に充電した後0.1Cで求めた放電容量から1時間で放電が完了する電流値で放電しそのときの放電容量を求め1Cのときの放電容量とした。同様に、3C、10C、30Cのときの放電容量を求め、0.1Cの時の放電容量を100%としたときの容量維持率を算出した。
1Cで4.3Vまで充電し、4.3Vの定電圧で2時間充電したあと1Cで放電する充放電試験を実施した。このとき、放電容量が最初の1回目の放電に対して何%になるかを計算し容量が80%をきったときの充放電回数を寿命とした。
60℃で0.1Cで4.3Vまで充電し、4.3Vの定電圧でのインピーダンス変化をおよそ1日おきに測定した。抵抗値が2倍になった時間を寿命とした。
電池を上記サイクル寿命条件で1000サイクル耐久充放電試験を行い、耐久試験後の正極及び負極から活物質層の脱離がないかを電池を分解して確認した。
評価基準は以下の通りであった。
◎:全く脱離は見られない
○:一部脱離は見られるが、集電体は剥き出しになっていない
△:脱離が進行し、集電体の一部が剥き出しになっている
×:活物質層が完全に脱離している
2:コート剤組成物のコート層
3:集電体
Claims (9)
- ビニルシラン系共重合体と、ポリカルボン酸と、導電剤とを含む電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物であって、
ここで、ビニルシラン系共重合体が、式(1):
〔式中、
Iは、式(2):
(式中、
X1は、単結合又は結合鎖(但し、酸素原子を除く)であり、
R2〜R4は、独立して、−OR5(ここで、R5は、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である)、置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基又はハロゲン原子であり、
R21〜R23は、独立して、水素原子又はC1〜C6アルキル基である)で示される単位であり、
IIは、式(3):
(式中、
Ra、Rb及びRcは、独立して、水素原子又は有機基であり、
X2は、単結合又は結合鎖であり、
Rd、Re及びRfは、独立して、水素原子又は有機基であり、
Rg及びRhは、独立して、水素原子又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である)で示される単位であり、
IIIは、ビニル系モノマーに由来する単位(但し、I及びIIは除く)であり、
mは、1〜10000の数であり、
nは、20〜100000の数であり、
pは、0〜100000の数であり、
mとp+nの比率(m/(p+n))は、0.0001〜1であり、
pとnの比率(p/n)は、0〜5000であり、
I、II及びIIIの各単位は、ランダムでも、ブロックで存在していてもよく、
式(1)中の少なくとも1つの単位は活性水素基を有する〕で示されることを特徴とする、電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。 - 活性水素基が、ヒドロキシ基(−OH)、カルボキシ基(−COOH)、アミノ基(−NH2)、モノ置換アミノ基(−NHR6)、ヒドラジド基(R7R8NN(R9)C(=O)R10)、ヒドロキシルアミノ基(−NHOH)、スルホ基(−SO3H)又はチオール基(−SH)(式中、R6は、独立して、C1〜C8のアルキル基、アシル基、カルボキシル基、ビニル基、アリル基、アリール基、ハロゲン又は金属であり、R7〜R10は、独立して、水素原子、C1〜C8アルキル基、ヒドロキシ基、アシル基、カルボキシ基、アミノ基、ビニル基、アリル基、アリール基、ハロゲン原子又は金属である)である、請求項1記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。
- 式(1)が、Rg及びRhの少なくとも一方が水素原子であるIIを少なくとも一つ有する、請求項1又は2記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。
- 式(1)がIIIを有し、少なくとも一つのIIIが活性水素基を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。
- X1が、単結合、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C6アルキレン基、C2〜C6アルケニレン基、C2〜C6アルキニレン基、C6〜C20アリーレン基、−(OCH2)m−、−(CH2O)mCH2−、−CO−、−COCO−、−CO−O−、−CO−O−(CH2)m−、−CO(CH2)mCO−、−CO(C6H4)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO2−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、CSNR−、−NRCS−、−NRNR−又は−HPO4−(Rは、独立して、水素原子又はアルキル基であり、mは自然数である)である、請求項1〜4のいずれか1項記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。
- X2が、単結合、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C6アルキレン基、C2〜C6アルケニレン基、C3〜C6アルキニレン基、C6〜C20アリーレン基、−O−、−(OCH2)m−、−(CH2O)mCH2−、−CO−、−COCO−、−CO−O−、−CO−O−(CH2)m−、−CO(CH2)mCO−、−CO(C6H4)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO2−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、CSNR−、−NRCS−、−NRNR−又は−HPO4−(Rは、独立して、水素原子又はアルキル基であり、mは自然数である)である、請求項1〜5のいずれか1項記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。
- ビニルシラン系共重合体が、式(6):
(式中、R1は、水素原子、カルボン酸由来の有機基又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基であり、
m、n、p、R1、R5、Rg及びRhは、請求項1記載のとおりであり、
式(6)中の少なくとも1つの単位は活性水素基を有する)
で示される共重合体である、請求項1〜6のいずれか1項記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。 - 請求項1〜7のいずれか1項記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物でコートした集電体。
- 請求項8記載の集電体を含む電池又は電気二重層キャパシタ。
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