JP2015079708A - 電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物、電池又は電気二重層キャパシタ集電体、電池及び電気二重層キャパシタ - Google Patents

電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物、電池又は電気二重層キャパシタ集電体、電池及び電気二重層キャパシタ Download PDF

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Taichi Kamimura
太一 上村
山崎 哲
Satoru Yamazaki
哲 山崎
渋谷 光夫
Mitsuo Shibuya
光夫 渋谷
章誠 稲熊
Akiyoshi Inakuma
章誠 稲熊
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Abstract

【課題】電池又は電気二重層キャパシタ集電体と活物質層との密着性(耐剥離性)を高め、電池又は電気二重層キャパシタ特性(サイクル寿命及びフロート寿命)を向上させることができる電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物を提供する。
【解決手段】ビニルシラン系共重合体と、ポリカルボン酸と、導電剤とを含む電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物である。ビニルシラン系共重合体はアルコキシシラン基を持つビニル系モノマーと電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基を含有するビニル系モノマーと他のビニルモノマーとを共重合した共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物、これでコートした電池又は電気二重層キャパシタ集電体、並びにこの電池又は電気二重層キャパシタ集電体を含む電池及び電気二重層キャパシタに関する。
携帯電話やノートパソコン等のモバイル機器の電源として、充放電可能なさまざまな電池が実用化されている。中でも、軽量で電圧が高く容量も大きいリチウムイオン二次電池や、充放電レート特性の良い電気二重層キャパシタ等がよく用いられている。
しかし、車載用等のパワー用途向けの電池においては、発車及び停車時に短時間で大電流を出し入れする必要があり、従来の電池は、内部抵抗が高く、ハイレートにおける充放電サイクル特性が実用上十分ではない。また、従来の電池は、航続距離の観点から、充放電容量も十分ではなく、さらに安全性の観点から見て、電極活物質層と金属集電体の密着性も十分ではない。
上記のように、電池として十分な特性を発揮できない一つの理由として、金属集電体と活物質層間の抵抗値が高く、また、金属集電体と活物質層の密着力が不十分だったことを挙げることができる。この問題の改善策として、金属集電体に導電性のコート層を設け、該導電性コート層の表面に活物質層を形成することにより、金属集電体と活物質層間の界面の抵抗を低減させ、密着力を向上させる方法が考案されている(特許文献1及び2)。
中でも、式(A):

(式中、R10は、水素原子又は−COCHであり、R11及びR12は、水素原子又はエチル基である)に示されるように、金属集電体表面のヒドロキシ基と化学的に結合する、シラノール基で変性したポリビニルアルコールを結着剤として使用する方法が考案されている(特許文献3及び4)。この他にも、ビニルシラン系共重合体を含む電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物が提案されている(特許文献5及び6)
また、事前にシランカップリング剤等を用いて集電体表面を処理してから、電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物で集電体をコートする方法も考案されている(特許文献7)。
特開昭63−121265公報 特開平7−201362公報 特許第3789427公報 WO2009/147989パンフレット WO2012/029618パンフレット WO2012/029858パンフレット 特開2008−153053公報
しかし、特許文献3及び4の方法では、車載用等のパワー用途向けの電池に対して、実用上十分なハイレートにおける充放電サイクル特性を達成できず、特に長期間充放電サイクル試験や高温放置試験を行った際の電池又は電気二重層キャパシタ特性の劣化防止に対して不十分であった。また、特許文献5及び6の方法では、使用されるビニルシラン共重合体が、電解液に対してやや膨潤しやすいためか、容量保持率や耐剥離性の点において不十分であった。
また、特許文献7の手法を使用すると、薄いながらも絶縁層を介して活物質層が形成されるため、電池の内部抵抗値が上がり充放電速度が遅くなるという問題があった。
本発明は、電池又は電気二重層キャパシタ集電体と活物質層との密着性(耐剥離性)を高め、電池又は電気二重層キャパシタ特性(サイクル寿命及びフロート寿命)を向上させることができる電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物、及び該組成物を使用した電池又は電気二重層キャパシタ集電体を提供することを課題とする。さらに、本発明は、該組成物又は該集電体を使用して、電池又は電気二重層キャパシタ特性(サイクル寿命及びフロート寿命)の高い電池及び電気二重層キャパシタを提供することを課題とする。
本発明は、ビニルシラン系共重合体と、ポリカルボン酸と、導電剤とを含む電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物であって、
ここで、ビニルシラン系共重合体が、式(1):

〔式中、
Iは、式(2):

(式中、
は、単結合又は結合鎖(但し、酸素原子を除く)であり、
〜Rは、独立して、−OR(ここで、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいC〜Cアルキル基又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である)、置換基を有していてもよいC〜Cアルキル基又はハロゲン原子であり、
21〜R23は、独立して、水素原子又はC〜Cアルキル基である)で示される単位であり、
IIは、下記式(3):

(式中、
、R及びRは、独立して、水素原子又は有機基であり、
は単結合又は結合鎖であり、
、R及びRは、独立して、水素原子又は有機基であり、
及びRは、独立して、水素原子又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である)で示される単位であり、
IIIは、ビニル系モノマーに由来する単位(但し、I及びIIは除く)であり、
mは、1〜10000の数であり、
nは、20〜100000の数であり、
pは、0〜100000の数であり、
mとp+nの比率(m/(p+n))は、0.0001〜1であり、
pとnの比率(p/n)は、0〜5000であり、I、II及びIIIの各単位は、ランダムでも、ブロックで存在していてもよく、
式(1)中の少なくとも1つの単位は活性水素基を有する〕で示されることを特徴とする、電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物に関する。
本発明は、上記の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物でコートした電池又は電気二重層キャパシタ集電体、及び上記電池又は電気二重層キャパシタ集電体を含む電池又は電気二重層キャパシタに関する。
本発明によれば、電池又は電気二重層キャパシタ集電体と活物質層との密着性(耐剥離性)を高め、電池又は電気二重層キャパシタ特性(サイクル寿命及びフロート寿命)を向上させることができる電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物、及び該組成物を使用した電池又は電気二重層キャパシタ集電体が提供される。また、本発明によれば、該組成物又は該集電体を使用して、電池又は電気二重層キャパシタ特性(サイクル寿命及びフロート寿命)の高い電池及び電気二重層キャパシタが提供される。
電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物でコートした集電体と活物質層を含む電池用電極の断面図である。 実施例及び比較例におけるケン化前の共重合体の各単位のプロトンとケミカルシフトとの関係を示す表である。 実施例及び比較例におけるケン化後の共重合体の各単位のプロトンとケミカルシフトとの関係を示す表である。 実施例1におけるケン化前の共重合体のNMRチャートである。 実施例1におけるケン化後の共重合体のNMRチャートである。 比較例3におけるケン化前の共重合体のNMRチャートである。 比較例3におけるケン化後の共重合体のNMRチャートである。
さらに詳細には、本発明は、集電体と活物質層との密着性を高め、集電体の導電性のコート層が実用上十分に低い抵抗値を示すようにし、電池又は電気二重層キャパシタ特性を向上させ、長期間充放電して使った場合や充電した状態で高温放置された場合にも、コート層が電気化学的に分解することで剥離し、電池の特性が大幅に落ちるといった事態を回避し得るものといえる。
本発明者らは、従来技術における電池又は電気二重層キャパシタ特性の劣化について、鋭意検討したところ、劣化は、従来の結着剤がポリビニルアルコールのヒドロキシ基の水素がケイ素に置き換わった構造を有していることに起因することを見出した。すなわち、従来の結合剤は、式(B):

に示すように、主鎖の炭素に対して、酸素を介してケイ素が結合した構造(「−C−O−Si−」結合)を有している。本発明者らは、この結合が電気化学的に容易に切断されるので、充放電時にコート層が容易に剥離し、このことが電池又は電気二重層キャパシタ特性の劣化の原因となることを見出した。
本発明は、特定のビニルシラン系共重合体とポリカルボン酸を配合した電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物を用いて、集電体に導電性のコート層を形成することにより、長期間多サイクル充放電した後や、充電した状態で高温放置されたときの電池又は電気二重層キャパシタ特性の劣化を防ぐことができるという知見により達成されたものである。
さらに詳細には、本発明の組成物を用いて、集電体に導電性のコート層を形成した場合、組成物中のビニルシラン系共重合体のケイ素に結合した官能基と、集電体表面に存在する活性水素とが化学的に結合を形成するため、集電体に対する密着力を高めることができる。また、主鎖の炭素に対して電気化学的に分解されやすい「−C−O−Si−」結合を形成していないので、電気化学的にも安定なコート層を形成できる。加えて、ビニルシラン系共重合体は、活性水素基を含むため、ポリカルボン酸との反応性が高く、また集電体表面との相互作用が強くなるため、架橋密度が高いことに由来する電気化学的な安定性の高さと、密着性の高さをもたらすことができる。
また、本発明の組成物を用いて、集電体に導電性のコート層を形成することにより、集電体と活物質層との密着性を高めることができるため、電極をスリットする際に導電性のチッピングを発生しにくくすることでき、使用時のショートに由来する事故を防ぐことができる。
本発明の電池又は電気二重層キャパシタは、内部抵抗が低く、充放電サイクル特性に優れ、充放電容量が大きく、長期間多サイクル充放電した後や、充電した状態で高温放置されたときでも、電極活物質が電池又は電気二重層キャパシタ集電体から脱落しにくく、寿命が長い。
[電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物]
本発明の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物は、ビニルシラン系共重合体と、ポリカルボン酸と、導電剤とを含む、導電性コート剤組成物である。ここで、本発明におけるポリカルボン酸からは、ビニルシラン系共重合体に相当するものを除くこととする。また、本発明におけるポリカルボン酸は、ポリカルボン酸とそのポリカルボン酸の酸無水物を包含する概念である。
(ビニルシラン系共重合体)
本発明におけるビニルシラン系共重合体は、式(1)で表される。式(1)中の少なくとも1つの単位は活性水素基を有することとする。
活性水素基としては、ヒドロキシ基(−OH)、カルボキシ基(−COOH)、アミノ基(−NH)、モノ置換アミノ基(−NHR)、ヒドラジド基(RNN(R)C(=O)R10)、ヒドロキシルアミノ基(−NHOH)、スルホ基(−SOH)、チオール基(−SH)(ここで、Rは、C〜Cアルキル基、アシル基、カルボキシ基、ビニル基、アリル基、アリール基、ハロゲン原子、金属等であり、R〜R10は、独立して、水素原子、C〜Cアルキル基、ヒドロキシ基、アシル基、カルボキシ基、アミノ基、ビニル基、アリル基、アリール基、ハロゲン原子、金属等である)等を例示することができる。好ましくは、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基であり、特に好ましくはヒドロキシ基である。
本発明の組成物において、ビニルシラン系共重合体は、ポリカルボン酸を架橋剤として、これと共に結着剤としての役割を果たす。すなわち、本発明の組成物を熱硬化させる際に、ビニルシラン系共重合体は、共重合体が有する活性水素基がポリカルボン酸と脱水縮重合反応(例えば、エステル結合生成反応)をすることで架橋する。本発明の組成物を溶媒に溶解して使用すると、硬化させる際に、溶媒を蒸散させるだけで架橋反応を開始させることができ(溶媒中で、ビニルシラン系共重合体とポリカルボン酸の分子間距離が近づくためと考えられる)、さらに加熱することで架橋反応を促進することができる。加熱による架橋反応の促進は40〜250℃の範囲で行なうことが好ましく、架橋速度と被着体の熱劣化のバランスから60〜180℃の範囲がより好ましい。
(単位III)
単位IIIは、ビニル系モノマーに由来する基であって、製造時の安定性や耐電気分解特性の観点から、ビニル系モノマーは、好ましくは、カルボン酸ビニルモノマー、アクリルモノマー等が好ましく、カルボン酸ビニルモノマーがより好ましい。
カルボン酸ビニルモノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ピパリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、アジピン酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等が挙げられ、例えば、活性水素基の導入にケン化を利用する場合に、ケン化反応後のカルボン酸の除去や精製が容易である点で、ギ酸ビニルや酢酸ビニルが好ましく、価格や入手の容易さ、安全性の観点で酢酸ビニルがより好ましい。
式(1)は、任意で単位IIIを有することができ、単位IIIは存在しなくてもよい。式(1)が、単位IIIを有する場合、単位IIIのうち、少なくとも1つは活性水素基を有することが好ましい。活性水素基の存在により、式(1)のビニルシラン系共重合体間で、双極子相互作用や水素結合を形成でき、またポリカルボン酸と脱水縮合反応を起こしたり、共重合体間や共重合体と集電体表面にある活性水素との間で架橋することができる。
単位IIIへの活性水素基の導入は、例えば、式(1)の調製のため、カルボン酸ビニルモノマーを重合させた後、ケン化して、カルボン酸由来の有機基をヒドロキシ基(活性水素基)に転換する方法が挙げられる。この場合、耐電解液性や集電体への密着性の観点及び、ポリカルボン酸との反応に伴う硬化収縮応力による導電剤の集電体への圧接効果を強める観点から、カルボン酸由来の有機基の割合が、30%以下(すなわちケン化度が70%以上)であることが好ましく、20%以下(すなわちケン化度が80%以上)であることがより好ましく、10%以下(すなわちケン化度が90%以上)であることがさらに好ましい。カルボン酸由来の有機基のすべてがヒドロキシ基に転換されていてもよい(すなわち、カルボン酸由来の有機基の割合が0%、ケン化度が100%)。
活性水素基としては、製造時の安定性や耐電気分解特性の観点から、ヒドロキシ基(−OH)が好ましいが、これに限定されず、カルボキシ基(−COOH)、アミノ基(−NH)、モノ置換アミノ基(−NHR)、ヒドラジド基(RNN(R)C(=O)R10)、ヒドロキシルアミノ基(−NHOH)、スルホ基(−SOH)、チオール基(−SH)(ここで、Rは、C〜Cアルキル基、アシル基、カルボキシ基、ビニル基、アリル基、アリール基、ハロゲン原子、金属等であり、R〜R10は、独立して、水素原子、C〜Cアルキル基、ヒドロキシ基、アシル基、カルボキシ基、アミノ基、ビニル基、アリル基、アリール基、ハロゲン原子、金属等である)等を例示することができる。好ましくは、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基であり、特に好ましくはヒドロキシ基である。
単位IIIとしては、式(4):

(式中、Rは、水素原子、カルボン酸由来の有機基又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である)が挙げられる。
に関し、カルボン酸由来の有機基は、−CO−R41で表すことができ、ここで、R41としては、ハロゲンで置換されてもよいC〜C17直鎖又は分岐鎖のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘプチル基、ノニル基、ウンデカニル基、トリデカニル基、ペンタデカニル基、ヘプタデカニル基、モノクロロメチル基、1−エチル−ペンチル基)、C〜Cシクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基)、芳香族基(例えば、フェニル基)が挙げられるが、これらに制限されず、使用するカルボン酸ビニルモノマーに依存することができる。
ヒドロキシ基に転換した後、さらに反応させることにより、Rがハロゲンで置換されてもよい炭化水素基(好ましくは直鎖又は分岐鎖のC〜C17アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘプチル基、ノニル基、ウンデカニル基、トリデカニル基、ペンタデカニル基、ヘプタデカニル基、モノクロロメチル基、1−エチル−ペンチル基)、C〜Cシクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基)、芳香族基(例えば、フェニル基))である単位IIIを得ることができる。これらも、カルボン酸由来の有機基という。
に関し、電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基のカチオンとしては、不可逆容量の観点から Li、Na、K等のアルカリ金属、Be、Mg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム等が挙げられ、使用する電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成するカチオン由来の基であることが好ましい。
なお、電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオンは、電池又は電気二重層キャパシタの電解質として使用できる電解質のカチオンであればよいが、本発明の組成物を使用する電池又は電気二重層キャパシタの電解質カチオンであることが好ましい。例えば、リチウムイオン電池(一次電池/二次電池)の場合はリチウムであり、ナトリウムイオン電池(一次電池/二次電池)の場合はナトリウムであり、テトラアルキルアンモニウムを使用した電気二重層キャパシタの場合、テトラアルキルアンモニウム(四フッ化ホウ酸テトラエチルアンモニウムを用いたキャパシタの場合はテトラエチルアンモニウムであり、トリエチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いたキャパシタの場合はトリエチルメチルアンモニウム)である。
(単位I)
単位Iは、式(2)で表される。式(2)中、R〜Rは、独立して、−OR(水素原子、置換基を有していてもよいC〜Cアルキル基又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である)、置換基を有していてもよいC〜Cアルキル基又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)である。置換基としては、ヒドロキシ基、C〜Cアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)が挙げられる。
製造時の安定性や耐電気分解特性の観点から、R〜Rは、−OR(ここで、Rは、非置換又はC〜Cアルコキシ基で置換されているC〜Cアルキル基である)又は非置換のC〜Cアルキル基が好ましい。ここで、C〜Cアルキル基は直鎖であっても、分岐鎖であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が挙げられる。R〜Rは、好ましくは、−OCH、−OCHCH、−CH、−CHCHであり、−OCH、−OCHCHがより好ましい。
不可逆容量の観点からは、Rが電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である、−ORが好ましい。
が電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である場合、このようなカチオンとしては、不可逆容量の観点から、Li、Na、K等のアルカリ金属、Be、Mg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム等が挙げられ、使用する電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成するカチオン由来の基であることが好ましい。
において、電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオンは、電池又は電気二重層キャパシタの電解質として使用できる電解質のカチオンであればよいが、本発明の組成物を使用する電池又は電気二重層キャパシタの電解質カチオンであることが好ましい。例えば、リチウムイオン二次電池の場合はリチウムであり、テトラアルキルアンモニウムを使用した電気二重層キャパシタの場合、テトラアルキルアンモニウム(四フッ化ホウ酸テトラエチルアンモニウムを用いたキャパシタの場合はテトラエチルアンモニウムであり、トリエチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いたキャパシタの場合はトリエチルメチルアンモニウムである)である。
のすべてが電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基に置換された場合を置換率100%とした場合に、電池容量や寿命の観点から、置換率は5%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。
式(2)中、Xは、単結合又結合鎖(但し、酸素原子を除く)である。ここで、結合鎖とは、ビニルシラン共重合体の主鎖とシラン構造とをつなぐ基である。
具体的には、Xとして、C〜C18アルキレン基(例えば、C〜Cアルキレン基)、C〜C18アルケニレン基(例えば、C〜Cアルケニレン基)、C〜C18アルキニレン基(例えば、C〜Cアルキニレン基)、C〜C20アリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン等)等の2価の炭化水素基(これらの炭化水素基は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)等で置換されていてもよい)、−(OCH2m−、−(CH2O)mCH2−、−CO−、−COCO−、−CO(CH2mCO−、−CO(C64)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO2−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO4−、−Si(OR)2−、−Ti(OR)2−、−Al(OR)−等(Rは、独立して、水素原子又は任意の置換基であり、水素原子又はアルキル基(特にC〜Cアルキル基)が好ましく、mは自然数であり、好ましくは1〜10である)からなる群から選択される基が例示できる。
式(2)中の主鎖の炭素原子とケイ素原子との間の結合が電気化学的に安定で、電池又は電気二重層型キャパシタの充放電時にコート層の耐剥離性を確保するため、Xは、熱安定性の点や高温下/酸性条件下での構造安定性を考慮して、単結合が最も好ましいが、結合鎖であってもよく、中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で、C〜Cアルキレン基(特にメチレン基)、−CO−O−(CH21〜5−、−CH2OCH2−が好ましい。
式(2)中、R21〜R23は、水素原子又はC〜Cアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基)であり。好ましくは、水素原子又はC〜Cアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
式(2)としては、R21〜R23が水素原子であり、R〜Rが−ORである単位が好ましく、例えば、式(5)の単位が挙げられる。

(式中、Xは、単結合又は結合鎖(但し、酸素原子を除く)であり、上述の例示及び好適な態様が適用され、Rは、独立して、水素原子、置換基を有していてもよいC〜Cアルキル基又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基であり、上述の例示及び好適な態様が適用される)。式(5)におけるXは、好ましくは単結合である。
単位Iは、ビニルシラン系モノマー由来の単位であることができ、ビニルシラン系モノマーとしては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン等のビニルトリアルコキシシラン;ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のビニルアルキルジアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン;ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる、製造時の安定性や耐電気分解特性の観点から、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルアルキルジアルコキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン及びビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランが好ましい。
本発明の組成物は、金属表面に存在するヒドロキシ基と化学的に結合するシラノール基を有するビニルシラン系共重合体とすることができ、このようなビニルシラン系共重合体を結着剤として使用することにより、金属表面との密着力を高めることができ、加えて、単位Iにおいて、ケイ素原子が直接活性水素基を有するビニル共重合体の主鎖炭素に結合しているものを使用することができ、電気化学的にも分解しにくくすることができる。
さらに、上記のような組成物において、シラノール基の水素原子をNaや使用する電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオンで置換すると、シラノール同士が保存中に縮合して増粘したり、密着力が下がったりすることを抑制することができるい。単位IIIの形成に酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルモノマーを使用する場合、活性水素基の導入のためケン化する際に、水酸化ナトリウムを使用するため、上記式(4)のR及び/又は上記式(2)のRにNaが導入され得るが(例えば、特許文献6参照)、例えば、電池の充放電時のイオン伝導を妨げたり、電池又は電気二重層キャパシタ特性の劣化、充放電容量の低減等を防止するためには、電解質のカチオンで置換されたものがより好ましく、リチウムイオン二次電池の場合は水酸化リチウムでケン化し、R及び/又はRをLiで置換した方がより好ましい。リチウムイオン二次電池に組み込み充放電したときの寄生容量によるリチウムイオンの枯渇に対するイオン源になり、充放電容量の向上に寄与できる。
(単位II)
単位IIは、式(3)で表される。式(3)中、R〜Rは、水素原子又は有機基であり、有機基としては、C〜Cアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基)が挙げられ、これらは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基等で置換されていてもよい。好ましくは、水素原子又はC〜Cアルキル基である。
式(3)中、R〜Rは、独立して、水素原子又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基であり、好ましくは、R及びRの少なくとも一方が水素原子であり、より好ましくはR及びRの両方が水素原子である。R〜Rが水素原子の場合、ヒドロキシ基が形成されるが、このヒドロキシ基はポリカルボン酸と反応し得、また、集電体表面と相互作用し得るため、電気化学的な安定性の高さと密着性の高さをもたらすことができる。
及びRに関し、電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基については、単位IIIのRにおける電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基の例示、及び好ましい例示が適用される。
式(3)中、Xは、単結合又結合鎖である。ここで、結合鎖とは、ビニルシラン共重合体の主鎖とジオール構造とをつなぐ基である。
具体的には、Xとして、C〜C18アルキレン基(例えば、C〜Cアルキレン基)、C〜C18アルケニレン基(例えば、C〜Cアルケニレン基)、C〜C18アルキニレン基(例えば、C〜Cアルキニレン基)、C〜C20アリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基等)の2価の炭化水素基(これらの炭化水素基は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)等で置換されていてもよい)、−O−、−(CH2O)m−、−(CH2O)mCH2−、−CO−、−COCO−、−CO−O−、−CO−O−(CH2m−、−CO(CH2mCO−、−CO(C64)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO2−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO4−、−Si(OR)2−、−Ti(OR)2−、−Al(OR)−等(Rは、独立して、水素原子又は任意の置換基であり、水素原子又はアルキル基(特にC〜Cアルキル基)が好ましく、mは自然数であり、好ましくは1〜10である)が挙げられる。
は、熱安定性の点や高温下/酸性条件下での構造安定性を考慮して、単結合が最も好ましいが、結合鎖であってもよく、中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で、C〜Cアルキレン基(特にメチレン基)、−CH2OCH2−が好ましい。
式(3)中、R〜Rは、水素原子又は有機基であり、有機基としては、C〜Cアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基)が挙げられ、これらは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基等で置換されていてもよい。好ましくは、水素原子又はC〜Cアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。特に、R〜Rが水素原子であり、Rが水素原子の場合、末端に形成されるヒドロキシ基は第1級アルコールに相当し、ポリカルボン酸との反応性が非常に高く、集電体表面との相互作用が強くなるため、電気化学的な安定性の高さと密着性の高さをもたらすことができる。さらに、単位IIの存在により電解液に対する耐膨潤性を向上させることが可能となり、集電体と活物質間の耐剥離性の改善や容量維持率向上をもたらすことができる。
単位IIは、例えば、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン由来の単位であることができ、好ましくは、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンである。単位IIを誘導することができるモノマーは、特開2009−149865号公報、WO2009−069644号パンフレットに記載のとおりであり、これらの公報に記載の方法に準じて、単位IIをビニルシラン系共重合体に導入することができる。
(ビニルシラン系共重合体)
式(1)において、mは、1〜10000であり、密着性の点から、好ましくは、2〜5000であり、より好ましくは、4〜3000であり、nは、20〜100000であり、粘度の点から、好ましくは、30〜8000であり、より好ましくは、40〜4000であり、pは、0〜100000であり、粘度の点から、好ましくは、5〜8000であり、より好ましくは、10〜6000である。
mとp+nの比率(m/(p+n))は、0.0001〜1であり、密着性の点から、好ましくは、0.0002〜0.75であり、より好ましくは、0.0005〜0.5である。
pとnの比率(p/n)は、0〜5000であり、4500以下であり、密着性の点から、好ましくは4000以下であり、より好ましくは、3500以下である。
I、II及びIIIの各単位は、ランダムでも、ブロックで存在していてもよい。単位IIIは、pが0の場合、存在しないことになる。
本発明において、ビニルシラン系共重合体は、少なくとも1つの単位が活性水素基を有する。活性水素基を有する単位は、R及びRの少なくとも一方が水素原子である単位IIであってもよく、式(1)が単位IIIを有する場合(すなわち、pは0ではない)、活性水素基(例えば、ヒドロキシ基)を有する単位IIIであってもよい。例えば、R及びRの両方が水素原子である単位IIであってもよい。また、
また、ビニルシラン系共重合体は、単位III(任意)、単位I及び単位IIを誘導するモノマーを重合させることにより得ることができ、重合後、ケン化等により、活性水素基を導入してもよい。具体的には、カルボン酸ビニルモノマー、ビニルシラン系モノマー及び3,4−ジアシロキシ−1−ブテンを原料として、調製することができる。
ビニルシラン系共重合体は、式(6)で示されるものが好ましい。

(式中、m、n、p、R、R、R及びRは上記のとおりであり、
式(6)中の少なくとも1つの単位は活性水素基を有する)。活性水素基は、上記のとおりである。
具体的には、式(6)に包含されるビニルシラン系共重合体は、酢酸ビニル、ビニルトリエトキシシラン、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを反応させることにより共重合体(単位IIIが存在し、ここで単位IIIにおける−ORに相当する部分が−OCOCHであり、単位Iにおける、R〜Rが−ORであり、Rが−C基であり、単位IIにおける−OR及び−ORに相当する部分が−OCOCHである共重合体である)を得て、水酸化ナトリウム等でケン化して、単位II及び単位IIIにおける−OCOCH部分をヒドロキシ基に転換することにより製造することができる。m、n、pの単位数は、それぞれ原料の仕込み量から調整することができる。
ケン化度は耐電解液性の観点から50%以上好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、90%以上がさらに好ましい。ケン化度は100%であってもよい。
上記のケン化において、−ORがヒドロキシ基に転換されることがある。さらに、ヒドロキシ基は、Na等の電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基と置換することができる(具体的には、R、R、R、RにNa等の電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基を導入することができる)。
式(6)のR、R、R、Rのすべてが前記電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基に置換された場合を置換率100%とした場合に、電池容量や寿命の観点から、前記電池又は電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基の置換率は、5%以上が好ましく、20%以上が特に好ましい。
上記の反応において、酢酸ビニルの代わりに、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ピパリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、アジピン酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等を例示できるが、価格や入手の容易さの観点で酢酸ビニルを使用することが好ましく、
ビニルトリエトキシシランの代わりに、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のビニルアルキルジアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン;ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等を使用すること好ましいが、製造時の安定性や耐電気分解特性の観点でビニルトリエトキシシランがより好ましい。
3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの代わりに、例えば、3−ブテン−1,2−ジオール、ビニルエチレンカーボネート等を使用することができる。
(ビニルシラン系共重合体に導入できるその他のモノマー)
ビニルシラン系共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、単位III(任意)、単位I及び単位II以外の単位を含んでいてもよい。他の単位は、単位III(任意)、単位I及び単位IIを誘導するモノマー以外のモノマーを共重合させることにより、導入することができる。
他のモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のビニル基とエポキシ基を有するモノマー;トリアリルオキシエチレン、ジアリルマレアート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリルオキシエタン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル基を2個以上有するモノマー;酢酸アリル、アセト酢酸ビニルエステル、アセト酢酸アリルエステル、ジアセト酢酸アリルエステル等のアリルエステル系モノマー;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート;アセトアセトキシエチルクロトナート、アセトアセトキシプロピルクロトナート等のアセトアセトキシアルキルクロトナート;2−シアノアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコール(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキル部分がC〜C10アルキル基であり、好ましくはC〜Cアルキル基);(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレンといったスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン;エチレンスルホン酸といったオレフィン系モノマー;ブタジエン−1,3、2−メチルブタジエン、1,3又は2,3−ジメチルブタジエン−1,3、2−クロロブタジエン−1,3等のジエン系モノマー等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で、又は2種以上を併用してもよい。
重合の安定性を確保する観点から、他のモノマーの使用量は、共重合モノマー全体の10質量%以下であることができ、使用しなくてもよい。例えば、0.01〜10質量%とすることができ、目的に応じて、例えば、0.05〜5質量%とすることができ、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%とすることができる。
(ポリカルボン酸)
本発明におけるポリカルボン酸は、1分子中にカルボキシ基を2個以上含む化合物であり、反応性や架橋密度の観点から、カルボキシ基は、好ましくは2〜1000個であり、より好ましくは3〜100個である。ポリカルボン酸の分子量は、100000以下とすることができ、好ましくは30000以下であり、より好ましくは分子量20000以下である。ポリカルボン酸には、ポリカルボン酸由来の酸無水物も包含される。
芳香族ポリカルボン酸が反応性の観点で好ましく、1分子中に3個以上のカルボキシ基を有するポリカルボン酸が反応性や架橋密度の観点で好ましい。
ポリカルボン酸としては、クエン酸、ブタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、アスパラギン酸、ピロメリット酸、メリト酸、含リンエステル基テトラカルボン酸、フェニルエチニルフタル酸、オキシジフタル酸及びこれらの酸無水物が挙げられる。この他、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート(酸無水物)、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン(酸無水物)、グリセリンビスアンヒドロトリメリテートモノアセテート(酸無水物)、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート(酸無水物)かも例示できる。
ポリカルボン酸は、単独で、又は2種以上を併用してもよい。
(導電剤)
本発明における導電剤は、導電性を有する粒子若しくはフィラー、又はイオン性を有する液体であり得る。
導電性を有する粒子又はフィラーとしては、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Rh、W、Mo、Co、Ni、Pt、Pd、Cr、Ta、Pb、V、Zr、Ti、In、Fe、Zn等の金属粉末やフレーク、あるいはコロイド;Sn−Pb系、Sn−In系、Sn−Bi系、Sn−Ag系、Sn−Zn系の合金粉末やフレーク;アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックやグラファイト、グラファイト繊維、グラファイトフィブリル、カーボンファイバー、活性炭、木炭、カーボンナノチューブ、フラーレン等の導電性炭素系材料;酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン(二酸化チタン、一酸化チタン等)等のうち格子欠陥の存在により余剰電子が生成し導電性を示す金属酸化物系導電性フィラーが挙げられる。導電性を有する粒子又はフィラーとして、表面をカップリング剤等で処理したものを使用することもできる。導電性を有する粒子又はフィラーは、単独で、又は2種以上を併用してもよい。
導電性を有する粒子又は導電性を有するフィラーを構成する粒子の平均粒子径は、導電性や液性の観点から、0.001〜100μmが好ましく、より好ましくは0.01〜10μmである。ここで、平均粒子径は、電子顕微鏡で測定された各粒子の平面画像の面積を有する円の直径を、測定した全粒子について平均した値を平均粒子径としたものある。扁平な粒子に付いては、同一体積になる真球状の粒子の直径を用いて平均粒子径を算出した。
イオン性を有する液体は、イオンが溶解した液体又はイオン性液体であり得る。
イオンが溶解した液体として、溶媒が水の場合、イオン源として、塩化ナトリウム、塩化カリウム又は塩化リチウム等を使用した液体が例示でき、溶媒がジメチルカーボネート等の有機物の場合、イオン源として、六フッ化リン酸リチウム等が使用した液体が例示できる。
イオン性液体としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエチルスルフォニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド等のイミダゾリウム塩誘導体;3−メチル−1−プロピルピリジミウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド等のピリジニウム塩誘導体;テトラブチルアンモニウムヘプタデカフルオロオクタンスルフォネート、テトラフェニルアンモニウムメタンスルフォネート等のアルキルアンモニウム誘導体;テトラブチルフォスフォニウムメタンスルフォネート等のホスホニウム塩誘導体等が挙げられる。
イオン性を有する液体は、単独でも、若しくは2種以上を併用してもよいし、導電性を有する粒子又はフィラーと組み合わせて使用いてもよい。
(ビニルシラン系共重合体、ポリカルボン酸及び導電剤の含有量)
本発明の組成物は、ビニルシラン系共重合体と、ポリカルボン酸と、導電剤とを含む。本発明の組成物によって、電池又は電気二重層キャパシタ集電体と活物質層との密着性(耐剥離性)を高めるため、ビニルシラン系共重合体とポリカルボン酸とが結着剤として安定して機能する観点から、ポリカルボン酸は、ビニルシラン系共重合体100質量部に対して、1〜300質量部であることが好ましく、5〜200質量部がより好ましく、10〜200質量部がさらに好ましく、10〜100質量部がとりわけ好ましく、20〜100質量部が特に好ましい。
導電剤同士、導電剤と集電体、導電剤と活物質層の接触による抵抗値が過度に高くなることを抑制し、抵抗値を安定にし、結着剤の量とバランスをとり、密着力や耐電気分解特性を安定にし、さらに樹脂の硬化応力の過度の低下を抑制し、後述する集電体表面の酸化膜や水酸化膜に対する付き抜け効果を確保する観点から、導電剤は、ビニルシラン系共重合体100質量部に対して、10〜9900質量部であることが好ましく、20〜4900質量部がより好ましく、50〜1900質量部がさらに好ましい。導電剤の質量の算出に当たっては、導電剤がイオンが溶解した液体の場合、イオン以外の溶媒部分は除くこととする。
本発明の組成物が、その効果を工業的に安定に奏するには、本発明の組成物の不揮発成分中、ビニルシラン系共重合体、ポリカルボン酸及び導電剤の合計量が、50〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%がさらに好ましい。
(本発明の組成物の形態)
本発明の組成物は、ビニルシラン系共重合体と、ポリカルボン酸と、導電剤とを含めば、形態は制限されず、粉末状、フレーク状等の固体でもよいし、ペースト、溶液又は懸濁液等の液体でもよい。但し、本発明の組成物を集電体上に適用して被膜(コート層)を形成する場合は、ペースト、溶液又は懸濁液等の液体の形態で使用することが好ましい。本発明の組成物が固体の場合、使用する際に溶媒と混合して液状にすることができ、本発明の組成物がペースト状であればそのままで、又はさらに溶媒と混合して、使用しやすい粘度又は性状の液状にすることが好ましい。
本発明の組成物には、塗工装置に合わせて、後述する溶媒を粘度調整のために任意の比率で添加することができる。塗工性の観点から、粘度は1〜10000mPa・sが好ましく、10〜1000mPa・sがより好ましく、100〜500mPa・sがさらに好ましい。
(本発明の組成物の製造方法)
本発明の組成物は、ビニルシラン系共重合体、ポリカルボン酸及び導電剤、必要に応じて、後述する任意成分を混合し撹拌することによってペースト、溶液又は懸濁液等として得ることができる。撹拌は、プロペラ式ミキサー、プラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ニーダー、乳化用ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等の各種撹拌装置を適宜選択して行うことができる。また、必要に応じて加熱又は冷却しながら撹拌することもでき、好ましくは上記の好適な粘度範囲に調整する。
[本発明の組成物の任意成分]
(溶媒)
本発明の組成物は、粘度を中心とする液性を調整するために、各種溶媒を含むことができる。溶媒としては、炭化水素(プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アミルベンゼン、テレビン油、ピネン等)、ハロゲン系炭化水素(塩化メチル、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、臭化メチル、臭化エチル、クロロベンゼン、クロロブロモメタン、ブロモベンゼン、フルオロジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロクロロエタン等)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、2−オクタノール、n−ドデカノール、ノナノール、シクロヘキサノール、グリシドール等)、エーテル、アセタール(エチルエーテル、ジクロロエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルベンジルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、シネオール、メチラール)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−アミルケトン、ジイソブチルケトン、ホロン、イソホロン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等)、エステル(ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−アミル、酢酸メチルシクロヘキシル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、ステアリン酸ブチル等)、多価アルコールとその誘導体(エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメトキシエタノール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル等)、脂肪酸及びフェノール(ギ酸、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、無水プロピオン酸、酪酸、イソ吉草酸、フェノール、クレゾール、o−クレゾール、キシレノール等)、窒素化合物(ニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、ニトロベンゼン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジアミルアミン、アニリン、モノメチルアニリン、o−トルイジン、o−クロロアニリン、ジクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、アセトニトリル、ピリジン、α−ピコリン、2,4−ルチジン、キノリン、モルホリン等)、含硫黄溶媒(二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、4,4−ジエチル−1,2−ジチオラン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、メタンチオール、プロパンスルトン)、含リン溶媒(リン酸トリエチル、リン酸トフェニル)、その他の溶媒(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、ホウ酸アミル等)、無機溶媒(液体アンモニア、シリコーンオイル等)、水等を例示することができる。
(その他の結着剤)
本発明の組成物は、ビニルシラン系共重合体以外の結着剤として、特開2010−146726公報の第77段落に記載されている、硬化性の有機成分及び無機成分を適宜含むことができる。有機成分としては、エポキシ化合物、シロキサン化合物等の他、硬化性のモノマーやオリゴマー等のプレポリマーを使用することができ、これらは、溶融液で、又は溶媒に溶解させて使用したり、あるいは流動性のある微粉末を使用したりすることもできる。熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用することができ、熱可塑性樹脂としては、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルブチラール、塩化ビニル、メタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、エチレン、アミド、セルロース、イソブチレン、ビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等からなるプレポリマーやポリマーを挙げることができる。また、熱硬化性樹脂としては、尿素、メラミン、フェノール、レゾルシノール、エポキシ、オキセタン、エピスルフィド、イソシアネート、キトサンとカルボン酸の混合物、イミド等からなるプレポリマーやポリマー、誘導体等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、又は2種以上を併用してもよい。
(カップリング剤)
本発明の組成物は、さらに、カップリング剤を含むことができる。このようなカップリング剤としては、具体的にはフッ素系のシランカップリング剤として、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、エポキシ変性シランカップリング剤として信越化学工業株式会社製カップリング剤(商品名:KBM−403)、オキセタン変性シランカップリング剤として東亞合成株式会社製カップリング剤(商品名:TESOX電池集電体用組成物)、あるいは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセトネート、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニウムラクテート、チタニウムラクテートアンモニウム塩、テトラステアリルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、イソプロピルトリオクタイノルチタネート、イソプロピルジメタクリイソステアロイルチタネート、チタニウムラクテートエチルエステル、オクチレングリコールチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、トリイソステアリルイソプロピルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ブチルチタネートダイマー、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等のチタン系カップリング剤を挙げることができる。これらは、単独で、又は2種以上を併用してもよい。カップリング剤としては、チタン系カップリング剤又はシランカップリング剤が好ましい。
カップリング剤を本発明の組成物に配合することにより、本発明の組成物中に含まれる活性水素(例えば、水素結合性官能基)を有する置換基と反応させ、さらに架橋密度を向上させることができ、例えば、リチウムイオン二次電池の場合においては、リチウムイオンと集電体を構成するアルミニウム等の元素の相互置換反応をさらに抑制できる。
特に、チタン系カップリング剤やシランカップリング剤による架橋反応が起きることで、架橋速度を向上させたり密着力や強度電気化学的な耐性を向上させたりできる。
また、本発明の組成物中に配合して使用することで界面に過度な絶縁性の改質層を形成することを防ぐことができ、界面抵抗の増大を抑えることができる。また、特開2010−146726公報の実施例7に記載したように、例えばポリカルボン酸を添加する前に活性水素(例えば、水素結合性官能基)を有する化合物とカップリング剤とをあらかじめ加熱して反応させておいてから本発明の組成物を作製してもよい。
(界面活性剤)
本発明の組成物は、ぬれを調節するために、各種界面活性剤を含むことができる。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン(ノニオン)型界面活性剤のいずれも使用することができる。アニオン界面活性剤としては、石ケン、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、メチルタウリン酸塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、脂肪酸アルキルベタイン、スルホベタイン、アミオキサイド等が挙げられ、非イオン(ノニオン)型界面活性剤としては、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型化合物、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルキルエーテル型化合物、ポリオキシソルビタンエステル等のエステル型化合物、アルキルフェノール型化合物、フッ素型化合物、シリコーン型化合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独で、又は2種以上を併用してもよい。
(絶縁性フィラー)
本発明の組成物は、機械的強度や熱的特性を向上させるために、必要に応じて、各種の絶縁性フィラーを必要な導電性を損なわない範囲で含むことができる。絶縁性フィラーとしてはアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物の粉末や、コロイダルシリカやチタニアゾル、アルミナゾル等のゾル、タルク、カオリナイト、スメクタイト等の粘土鉱物、炭化ケイ素、炭化チタン等の炭化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化物、窒化ホウ素、ホウ化チタン、酸化ホウ素等のホウ化物、ムライト等の複合酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、チタン酸バリウム等が挙げられる。
(安定剤)
本発明の組成物は、さらに必要に応じて、安定剤を適宜選択して含むことができる。このような安定剤としては、具体的には2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチル−フェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−アニリノ)−1,3,5−トリアジン等のフェノール系酸化防止剤、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ}−5−tert−ブチル−フェニル]スルフィド、2−メルカプト−5−メチル−ベンゾイミダゾール等のサルファイド系ヒドロペルオキシド分解剤、トリス(イソデシル)ホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスファートジエチルエステル、ナトリウムビス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファート等のリン系ヒドロペルオキシド分解剤、フェニルサリチラート、4−tert−オクチルフェニルサリチラート等のサリチレート系光安定剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等のベンゾフェノン系光安定剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系光安定剤、フェニル−4−ピペリジニルカルボナート、セバシン酸ビス−[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル]等のヒンダードアミン系光安定剤、[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)]−2−エチルヘキシルアミン−ニッケル−(II)のNi系光安定剤、シアノアクリレート系光安定剤、シュウ酸アニリド系光安定剤等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用してもよい。
(任意成分の含有量)
本発明の組成物は、上述したように、ビニルシラン系共重合体、ポリカルボン酸及び導電剤の他に、必要に応じて、溶媒、その他の結着剤、カップリング剤、界面活性剤、絶縁性フィラー及び安定剤を含むことができる。
本発明の組成物を硬化させる際の架橋密度を確保することと、例えば、リチウムイオン二次電池の場合においては、リチウムイオンと集電体を構成する元素の相互置換反応を抑制する観点とから、本発明の組成物はカップリング剤を、ビニルシラン系共重合体100質量部に対して、0.01〜20質量部で含むことが好ましく、0.1〜10質量部がより好ましく、0.3〜3質量部がさらに好ましい。
本発明の組成物の電池又は電気二重層キャパシタの集電体と活物質層に対する適度のぬれ性を確保する観点から、本発明の組成物は、界面活性剤を、ビニルシラン系共重合体100質量部に対して、0.01〜50質量部で含むことが好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。
硬化後の本発明の組成物の機械的強度や熱的特性を向上し、必要な導電性を損なわない観点から、本発明の組成物は、絶縁性フィラーを、ビニルシラン系共重合体100質量部に対して、0.001〜10質量部で含むことが好ましく、0.01〜5質量部がより好ましく、0.1〜2質量部がさらに好ましい。
本発明の組成物の品質を安定に確保する観点から、本発明の組成物は、安定剤を、ビニルシラン系共重合体100質量部に対して、0.01〜10質量部で含むことが好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.1〜1質量部がさらに好ましい。
本発明の組成物によれば、組成物を用いて形成される導電性コート層が活物質層との密着性を高めるため、電極をスリットする際に導電性のチッピングが発生しにくく、使用時のショートに由来する事故を防ぐことができる。
[電池又は電気二重層キャパシタ集電体と電池又は電気二重層キャパシタ]
(電池又は電気二重層キャパシタ集電体)
本発明の電池又は電気二重層キャパシタ集電体(以下、電池等集電体ともいう)は、本発明の組成物を用いて集電体にコート層を形成させることにより製造できる。
コートする対象の集電体としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト等の金属、カーボン繊維不織布、金属複合材料等の導電性を有する複合材料が挙げられる。リチウムイオン二次電池においては、一般に正極用集電体としてアルミ箔、負極用集電体として銅箔が用いられ、電気二重層キャパシタにおいてはアルミ箔やアルミのエッチング箔が用いられることが多い。
コート層を形成する方法は、特に制限されることなく、本発明の組成物を、対象の集電体にグラビアコーター、スリットダイコーター、スプレーコーター、ディッピング等の方法で適用した後、場合により乾燥させる方法が挙げられる。導電剤と電池等集電体とが接触する機会や面積を安定に確保して、低抵抗値を安定に確保する観点から、コート層の厚さは0.01〜100μmの範囲が好ましく、電気特性及び密着性の観点から0.05〜5μmの範囲がさらに好ましい。
(電池又は電気二重層キャパシタ)
本発明の電池等集電体は、各種電池に適用することができ、充電電位の高さに伴う電気化学的な劣化を防ぐ効果の高さの観点から、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、カリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池が好ましく、リチウムイオン二次電池がより好ましい。リチウムイオン二次電池の中では、内部抵抗が高い鉄オリビン系のリチウムイオン二次電池への効果がさらに高い。電池の製造は、特に制限されず、公知の方法によって行うことができる。
本発明の電池等集電体は、電気二重層キャパシタに適用することができる。電気二重層キャパシタの製造方法は、特に制限されず、公知の方法によって行なうことができる。
本発明によれば、集電体と活物質層との密着力が向上するため、使用時の剥離による電池又は電気二重層キャパシタ特性の劣化を防ぐことができる。また、本発明によれば、集電体と活物質層間の抵抗を低減させることができるため、ハイレートで充放電ができる。
本発明によれば、電池等集電体は導電剤を含むコート層を備えており、集電体表面の絶縁性の酸化及び/又は水酸化膜を導電剤が突き破るため、電極作製後にロールプレス等で電極をプレスしなくても、あるいはプレス圧を低くしても電極の抵抗を低減できる。その結果、活物質層が押しつぶされず、電解液の含浸、イオンの移動が容易になるため、ハイレートで充放電が可能な電池を作製できる。
本発明によれば、電気化学的に安定な界面結合状態を形成できるため、長期多サイクル充放電を繰り返した場合、あるいは充電した状態で高温放置された場合にも、電気分解に伴う電池又は電気二重層キャパシタ特性の劣化を防ぐことができる。
本発明によれば、電池の内部抵抗は低く、また集電体と活物質層間の剥離が起き難いため、大電流を流すことが可能で、急速充放電が可能になる。また、集電体表面に化学的に強固に結合するため、界面の劣化に伴う抵抗値の増大を抑えることができ、充放電試験や保存試験等の長期信頼性試験後の電池又は電気二重層キャパシタ特性の低下が小さい。
特に、本発明の組成物によれば、組成物中のビニルシラン系共重合体が活性水素基を有し、集電体表面に存在する極性基(例えば、金属の場合はヒドロキシ基等)と共有結合を形成するため、密着力に優れ、その密着力により電気化学的な耐久性に優れる。従来のコート剤は、コート剤の主鎖の炭素に対して、酸素を介してケイ素が結合した構造(「−C−O−Si−」結合)を有するが、この結合は電気化学的に切れやすく、長期信頼性に十分優れる電池の製造が困難であるのに対し、本発明の組成物は、このような構造を有しておらず、電気化学的に安定であり、長期安定性に優れる。
また、本発明の組成物によれば、組成物中のポリカルボン酸が、ビニルシラン系共重合体の活性水素基)や集電体表面に存在する活性水素基(例えば、ヒドロキシ基等)との間を架橋することで、電気化学的に分解しにくくする効果をもたらす。このような電気化学的に堅牢な結合は、集電体が、電気化学的に、他の電池構成材料との間で相互マイグレーションを起すことを防ぎ、抵抗の高い合金層の形成や空隙の発生による抵抗値の増大や機械的な強度の低下を防ぐ効果もある。
以下に実施例を用いて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。部は、断りがない場合は質量部である。
分析方法
下記実施例及び比較例において合成したビニルシラン系共重合体は、以下の方法にて分析した。
(1)シリル基含有単位の含有量(モル%)
ケン化前の共重合体について、BRUKER社製のAVANCEIIIHD400を用いて、1H−NMR(400HzのプロトンNMR、溶媒:重クロロホルム、温度:23℃)を測定し、得られたNMRチャートに基づき、シリル基含有単位の含有量を以下のようにして求めた。なお、各単位のプロトンとケミカルシフトとの関係は、図2に示す通りである。
シリル基含有単位の含有量の計算は、3.56ppmのビニルメトキシシラン由来のピーク(X)と4.84ppmの酢酸ビニル由来のピーク(Y)との比率により以下の計算式で計算した。
計算式:(X/9)×Y
(2)側鎖1,2−ジオール構造単位の含有量(モル%)
BRUKER社製のAVANCEIIIHD400を用いて、1H−NMR(400MHz、プロトンNMR、溶媒:重水溶液、温度:50℃)にて測定し、得られたNMRチャートに基づき、積分値より算出した。なお、各単位のプロトンとケミカルシフトとの関係は、図3に示す通りである。
(3)ケン化度(モル%)
残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量にて分析した。
(4)平均重合度
JIS K 6726に準じて測定した。
[実施例1]
実施例1では、コート剤組成物を正極と負極の両方にコートした集電体を用いてリチウムイオン二次電池を製造した。
(ビニルシラン系共重合体の合成)
還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた反応容器に、酢酸ビニル1000部、メタノール50部、ビニルトリメトキシシラン6.3部、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン10モル%(対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.02モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。重合開始後、ビニルトリメトキシシラン1部とメタノール9部を用いて作成したビニルトリメトキシシランメタノール溶液を滴下した。酢酸ビニルの重合率が71%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に留出し、共重合体のメタノール溶液を得た。得られた共重合体のシリル基含有単位の含有量は、0.5モル%であった。得られた共重合体のNMRチャート(400Hz、プロトンNMR、溶媒:重クロロホルム、温度:23℃)を図4に示す。
次いで、上記メタノール溶液を樹脂分濃度8質量%に調整して容器に仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2質量%(ナトリウム換算)メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテン構造単位の合計量1モルに対して10ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行するとともにケン化物が析出し、粒子状となった時点で濾別し、中和用の酢酸メタノール溶液(20質量%)を添加し、濾別、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、ビニルシラン系共重合体を得た。なお、得られたビニルシラン系共重合体のNMRチャート(400Hz、プロトンNMR、溶媒:重水、温度:50℃)を図5に示す。
得られたビニルシラン系共重合体のケン化度は99.8モル%、平均重合度900、側鎖1,2−ジオール構造単位の含有量は9.2モル%であった。
(コート剤組成物の製造)
50Lのビーカーに水1600部と上記ビニルシラン系共重合体を100部加え80℃で6時間均一になるまで攪拌した。そこへ、ピロメリット酸を100部加え60℃で4時間均一になるまで攪拌した。そこへアセチレンブラック(東海カーボン株式会社製;トーカブラック#4500)を100部加え概ね均一になるまで攪拌し分散液を得た。
上記分散液を冷却ジャケットつきのビーズミルを用いて分散した。分散には0.5mmのジルコニアボールを充填率80%で入れ、周速7mで液温が30℃以上にならないように冷却しながら攪拌し、コート剤組成物である塗工液を得た。
(コート層の形成)
幅300mm、厚さ20μmの圧延アルミ箔(正極用)及び幅300mm、厚さ15μmの圧延銅箔(負極用)に幅200mm、厚さ10μmで上記塗工液を塗布し、170℃温風炉で30秒乾燥させた。乾燥後の塗工膜厚はそれぞれ1μmであった。
(正極の製造)
冷却ジャケット付きの10Lプラネタリーミキサーに、PVdFの15%NMP溶液(株式会社クレハ製;クレハKFポリマー#1120)550部、コバルト酸リチウム(日本化学工業株式会社製;C−5H)1000部、カーボンブラック(東海カーボン株式会社製;トーカブラック#4500)110部、NMP5000部を加え液温が30℃を超えないように冷却しながら均一になるまで攪拌した。これを、前記コート層を形成した集電体に幅180mm、厚さ200μmで塗工し、160℃温風炉で20秒乾燥させた。これを線圧500kgf/cmでロールプレスした。プレス後の正極活物質層の厚みは20μmであった。
(負極の製造)
冷却ジャケットつきの10Lプラネタリーミキサーに、PVdFの15%NMP溶液(株式会社クレハ製;クレハKFポリマー#9130)550部、グラファイト(日本黒鉛株式会社製;CGB−200)1100部、NMP4000部を加え液温が30℃を超えないように冷却しながら均一になるまで攪拌した。これを、前記導電コート層を形成した集電体に幅180mm、厚さ200μmで塗工し、120℃温風炉で2分間乾燥させた。これを線圧500kgf/cmでロールプレスした。プレス後の負極活物質層の厚みは25μmであった。
(リチウムイオン二次電池の製造)
正極及び負極を短辺に10mm活物質層が無い領域が含まれるように40mm×50mmでカットし、金属がむき出しになっている部分に正極はアルミのタブを、負極にニッケルのタブを抵抗溶接で接合した。セパレーター(セルガード株式会社製;#2400)を幅45mm、長さ120mmにカットし、3つに折り返してその間に正極及び負極が対向するように挟み込み、これを幅50mm長さ100mmのアルミラミネートセルを二つ折りにしたもので挟み、タブが当たる部分にシーラントを挟み込んだ上でシーラント部分とそれに直行する辺を熱ラミネートして袋状にした。これを100℃の真空オーブンに12時間入れて真空乾燥させ、次いでドライブローブボックス中で6フッ化リン酸リチウム/EC:DEC=1:1 1M電解液(キシダ化学株式会社製;LBG−96533)を注入し、真空含浸した後、余った電解液を扱き出し、真空シーラーで接合密封して、リチウムイオン二次電池を製造した。
[比較例1]
コート剤組成物をコートしていない集電体を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、リチウムイオン二次電池を製造した。
[比較例2]
比較例2では、ビニルシラン系共重合体の代わりに部分ケン化型のポリビニルアルコールを含むコート剤組成物を正極と負極の両方にコートした集電体を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
(コート剤組成物の製造)
50Lのビーカーに水1600部と部分ケン化型のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製;クラレポバールPVA235(ケン化度87〜89%))を100部加え80℃で6時間均一になるまで攪拌した。そこへ、ピロメリット酸を100部加え60℃で4時間均一になるまで攪拌した。そこへカーボンブラック(東海カーボン株式会社製;トーカブラック#4500)を100部加え概ね均一になるまで攪拌し分散液を得た。上記分散液を冷却ジャケットつきのビーズミルを用いて分散した。分散には0.5mmのジルコニアボールを充填率80%で入れ、周速7mで液温が30℃以上にならないように冷却しながら攪拌し、コート剤組成物である塗工液を得た。
(リチウムイオン二次電池の製造方法)
上記コート剤組成物を集電体にコートしたこと以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例3]
比較例3では、単位IIの構造を有していないビニルシラン系共重合体を含むコート剤組成物を正極と負極の両方にコートした集電体を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
(単位IIの構造を有さないビニルシラン系共重合体の合成)
還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた反応容器に、酢酸ビニル800部、メタノール800部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.075モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。重合開始後、ビニルトリメトキシシラン2.32部とメタノール160部を用いて作成したビニルトリメトキシシランメタノール溶液を滴下した。酢酸ビニルの重合率が78%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に留出し、共重合体のメタノール溶液を得た。得られた共重合体のシリル基含有単位の含有量は、0.3モル%であった。
なお、上記の手法で得られる単位IIの構造を有さないビニルシラン共重合体のNMRチャート(400Hz、プロトンNMR、溶媒:重クロロホルム、温度:23℃)を図6に示す。
次いで、上記メタノール溶液を樹脂分濃度8質量%に調整して容器に仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2質量%(ナトリウム換算)メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して10ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行するとともにケン化物が析出し、粒子状となった時点で濾別し、中和用の酢酸メタノール溶液(20質量%)を添加し、濾別、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、単位IIの構造を有していないビニルシラン系共重合体を得た。得られた単位IIの構造を有していないビニルシラン系共重合体のケン化度99.1モル%、平均重合度700であった。
なお、上記の手法で得られるビニルシラン系共重合体のNMRチャート(400Hz、プロトンNMR、溶媒:重水、温度:50℃)を図7に示す。
(コート剤組成物の製造)
50Lのビーカーに水1600部と前記IIの構造を有さないビニルシラン系共重合体を100部加え80℃で6時間均一になるまで攪拌した。そこへ、ピロメリット酸を100部加え60℃で4時間均一になるまで攪拌した。そこへカーボンブラック(東海カーボン株式会社製;トーカブラック#4500)を100部加え概ね均一になるまで攪拌し分散液を得た。上記分散液を冷却ジャケットつきのビーズミルを用いて分散した。分散には0.5mmのジルコニアボールを充填率80%で入れ、周速7mで液温が30℃以上にならないように冷却しながら攪拌し、コート剤組成物である塗工液を得た。
(リチウムイオン二次電池の製造方法)
上記コート剤組成物を集電体にコートしたこと以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を作製した。
[リチウムイオン二次電池の特性の測定]
上記の実施例及び比較例で製造したについて、下記の特性を測定した。
(初期容量測定)
初期容量を出すために0.01mAの定電流で電圧が4.3Vになるまで充電し、次いで4.3Vの定電圧で2時間充電した。その後、0.01mAの定電流で電圧が3Vになるまで放電した。これを3回繰り返し、3回目の放電容量を初期容量とした。
(初期内部抵抗)
初期内部抵抗として、初期容量を測定した後のセルを4.3Vの電位にし、その電位をセンターに±10mVの電圧変化で1kHzのインピーダンスを測定した。
(レート特性)
初期容量から放電レートを求めて、放電レート別の放電容量を測定した。充電は毎回10時間かけて定電流で4.3Vまで電圧を上げた後、4.3V定電圧で2時間充電した。その後、10時間かけて定電流で3Vになるまで放電し、このときの放電容量を0.1Cの放電容量とした。次に同様に充電した後0.1Cで求めた放電容量から1時間で放電が完了する電流値で放電しそのときの放電容量を求め1Cのときの放電容量とした。同様に、3C、10C、30Cのときの放電容量を求め、0.1Cの時の放電容量を100%としたときの容量維持率を算出した。
(サイクル寿命)
1Cで4.3Vまで充電し、4.3Vの定電圧で2時間充電したあと1Cで放電する充放電試験を実施した。このとき、放電容量が最初の1回目の放電に対して何%になるかを計算し容量が80%をきったときの充放電回数を寿命とした。
(フロート試験)
60℃で0.1Cで4.3Vまで充電し、4.3Vの定電圧でのインピーダンス変化をおよそ1日おきに測定した。抵抗値が2倍になった時間を寿命とした。
(耐久試験後の電極の剥離試験)
電池を上記サイクル寿命条件で1000サイクル耐久充放電試験を行い、耐久試験後の正極及び負極から活物質層の脱離がないかを電池を分解して確認した。
評価基準は以下の通りであった。
◎:全く脱離は見られない
○:一部脱離は見られるが、集電体は剥き出しになっていない
△:脱離が進行し、集電体の一部が剥き出しになっている
×:活物質層が完全に脱離している
本発明の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物によれば、内部抵抗が低く、電気化学的な耐久性が良好な導電性のコート層が得られるため、長期信頼性に優れた電池又電気二重層キャパシタを提供できる。
1:活物質層
2:コート剤組成物のコート層
3:集電体

Claims (9)

  1. ビニルシラン系共重合体と、ポリカルボン酸と、導電剤とを含む電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物であって、
    ここで、ビニルシラン系共重合体が、式(1):

    〔式中、
    Iは、式(2):

    (式中、
    は、単結合又は結合鎖(但し、酸素原子を除く)であり、
    〜Rは、独立して、−OR(ここで、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいC〜Cアルキル基又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である)、置換基を有していてもよいC〜Cアルキル基又はハロゲン原子であり、
    21〜R23は、独立して、水素原子又はC〜Cアルキル基である)で示される単位であり、
    IIは、式(3):

    (式中、
    、R及びRは、独立して、水素原子又は有機基であり、
    は、単結合又は結合鎖であり、
    、R及びRは、独立して、水素原子又は有機基であり、
    及びRは、独立して、水素原子又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基である)で示される単位であり、
    IIIは、ビニル系モノマーに由来する単位(但し、I及びIIは除く)であり、
    mは、1〜10000の数であり、
    nは、20〜100000の数であり、
    pは、0〜100000の数であり、
    mとp+nの比率(m/(p+n))は、0.0001〜1であり、
    pとnの比率(p/n)は、0〜5000であり、
    I、II及びIIIの各単位は、ランダムでも、ブロックで存在していてもよく、
    式(1)中の少なくとも1つの単位は活性水素基を有する〕で示されることを特徴とする、電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。
  2. 活性水素基が、ヒドロキシ基(−OH)、カルボキシ基(−COOH)、アミノ基(−NH)、モノ置換アミノ基(−NHR)、ヒドラジド基(RNN(R)C(=O)R10)、ヒドロキシルアミノ基(−NHOH)、スルホ基(−SOH)又はチオール基(−SH)(式中、Rは、独立して、C〜Cのアルキル基、アシル基、カルボキシル基、ビニル基、アリル基、アリール基、ハロゲン又は金属であり、R〜R10は、独立して、水素原子、C〜Cアルキル基、ヒドロキシ基、アシル基、カルボキシ基、アミノ基、ビニル基、アリル基、アリール基、ハロゲン原子又は金属である)である、請求項1記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。
  3. 式(1)が、R及びRの少なくとも一方が水素原子であるIIを少なくとも一つ有する、請求項1又は2記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。
  4. 式(1)がIIIを有し、少なくとも一つのIIIが活性水素基を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。
  5. が、単結合、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキレン基、C〜Cアルケニレン基、C〜Cアルキニレン基、C〜C20アリーレン基、−(OCH−、−(CHO)CH−、−CO−、−COCO−、−CO−O−、−CO−O−(CH−、−CO(CHCO−、−CO(C)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、CSNR−、−NRCS−、−NRNR−又は−HPO−(Rは、独立して、水素原子又はアルキル基であり、mは自然数である)である、請求項1〜4のいずれか1項記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。
  6. が、単結合、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキレン基、C〜Cアルケニレン基、C〜Cアルキニレン基、C〜C20アリーレン基、−O−、−(OCH−、−(CHO)CH−、−CO−、−COCO−、−CO−O−、−CO−O−(CH−、−CO(CHCO−、−CO(C)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、CSNR−、−NRCS−、−NRNR−又は−HPO−(Rは、独立して、水素原子又はアルキル基であり、mは自然数である)である、請求項1〜5のいずれか1項記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。
  7. ビニルシラン系共重合体が、式(6):

    (式中、Rは、水素原子、カルボン酸由来の有機基又は電池若しくは電気二重層キャパシタの電解質を構成し得るカチオン由来の基であり、
    m、n、p、R、R、R及びRは、請求項1記載のとおりであり、
    式(6)中の少なくとも1つの単位は活性水素基を有する)
    で示される共重合体である、請求項1〜6のいずれか1項記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の電池又は電気二重層キャパシタ集電体用コート剤組成物でコートした集電体。
  9. 請求項8記載の集電体を含む電池又は電気二重層キャパシタ。
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