JP2015079617A - 二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】本明細書は、二次電池のケース内部に収容される電極体の膨張を抑制し、ケースに設けられているガス排出弁が塞がれることを防止する技術を提供する。【解決手段】本明細書が開示する二次電池は、ガス排出弁5が設けられているケース3と、そのケース3に収容されている電極体4を備えている。電極体4は、正極シートと負極シートが幅方向にずらされて積層されている積層体である。ガス排出弁5は、ケースの上蓋3aを貫通して設けられている。電極体4の正極シートと負極シートが重なっている重複部7の外周には、テープ6が巻き付けられている。テープ6の幅Wは、重複部7の幅Wbよりも小さく、かつガス排出弁5の幅Waよりも大きい。そして、テープ6の表面がガス排出弁5に対向している。【選択図】図1
Description
本発明は、二次電池に関する。この二次電池では、セパレータを挟んで正極シートと負極シートが積層されている積層体からなる電極体がケースに収容されている。
リチウムイオン電池等といった二次電池は、電気自動車等の普及と共に高容量化及び大型化が進んでいる。このような二次電池は、過充電や過放電が生じると、そのケース内部に多量のガスが発生する。このため、ケースには、その内部で発生しているガスを排出するためのガス排出弁が設けられている。
他方、電極体が電解液を吸収して膨張し、ガス排出弁を塞いでしまう虞があることが特許文献1で指摘されている。特許文献1では、そのような課題を解決するため、電極体の端部の集電部とケース外側の端子を接続する金属製のリードに対向する位置にガス排出弁を設けることが提案されている。
また、電極体そのものの膨張を抑制する技術として、特許文献2と3には、電極体にシートを巻き付けることが開示されている。なお、特許文献2によると、電極体内部でのガス発生も膨張の一因であるとされている。
電極体にテープを巻き付けるにしても、電極体の膨張を完全に抑えることはできない。他方、ケースと電極体の間の隙間は狭く、即ち、電極体とガス排出弁の間の距離は短く、電極体にテープが巻き付けられているとしても、テープごと膨張するとガス排出弁を塞いでしまう虞がある。
本明細書が開示する技術は、上記課題に鑑みて創作された。その目的は、電極体がその膨張によりガス排出弁を塞いでしまうことを従来よりも確実に防止する技術を提供することにある。
本明細書が開示する技術は、ガス排出弁と対向する位置では電極体にテープを巻き付けるとともに、ガス排出弁から遠い場所では電極体内のガスあるいは電解液が電極体の外へ排出されるようにして、テープ巻回箇所の膨張を抑制する。
本明細書が開示する二次電池は、ガス排出弁が一側面に設けられているケースと、電極体を備えている。電極体は、長尺の正極シートと長尺の負極シートが幅方向にずらされて積層されている積層体である。ガス排出弁は、ケースの一側面にケースの内側から外側へ貫通して設けられている。電極体は、ケースに収容されており、電極体の正極シートと負極シートが重なっている重複部の外周には、帯状のテープが巻き付けられている。テープの幅は、重複部の幅よりも小さく、かつガス排出弁のテープの幅方向と同一方向の幅よりも大きい。そして、テープの表面がガス排出弁のケース内側の面に対向している。別言すれば、ガス排出弁のケース内側の面にテープの表面が対向するように電極体がケースに収容されている。
上記の二次電池では、テープは、重複部の全域ではなく、一領域に巻き付けられている。そのため、テープが巻き付けられていない部分から電極体内で発生したガス(あるいは電解液)が電極体外に向かって排出される。それゆえ、電極体を膨張させる力が弱まり、テープ巻回箇所、即ち、ガス排出弁と対向している箇所の膨張が効果的に抑えられる。従って電極体がガス排出弁を塞いでしまう可能性を低く抑えることができる。なお、テープの幅がガス排出弁の幅に近いほど、電極体内のガスを排出する効果が促される。
本明細書が開示する技術によれば、二次電池のケース内部に収容される電極体の膨張を抑制し、ケースに設けられているガス排出弁が塞がれることを防止することができる。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
図面を参照して実施形態の二次電池を説明する。図1は、ガス排出弁5が設けられているケース3に、テープ6が巻き付けられている電極体4が、電解液と共に収容されている二次電池2を示している図である。図1では、ケース3は断面で示されており、電極体4は正面図で描いている。なお、X軸、Y軸は水平方向を示しており、Z軸が垂直方向を示している。
ケース3は、一側面が開口している矩形のケース本体3bと、その開口している部分を塞ぐ上蓋3aにより構成されている。上蓋3aには、ガス排出弁5がケースの内側からケースの外側へ貫通するように設けられている。ここで、ガス排出弁5は、上蓋3aのX軸方向の中央に配置されている。なお、ガス排出弁5はケース内の圧力が所定の値以上に上昇したときにケース内からガスを排出する安全弁である。さらに、上蓋3aには正極端子12a及び負極端子12bがケースの内側からケースの外側へ貫通するように設けられている。
電極体4は、セパレータを挟んで帯状の正極シートと帯状の負極シートが幅方向にずらされて積層された積層体が形成された後に、この積層体が扁平に巻き回されて形成されている。電極体4の巻回軸方向(X軸方向)の両端には、正極シートのみが重なっている正極集電タブ8aと負極シートのみが重なっている負極集電タブ8bが存在する。また、電極体4の正極集電タブ8aと負極集電タブ8bの間には、正極シートと負極シートが重なっている重複部7が存在する。なお、正極集電タブ8aには正極リード9aが接続され、負極集電タブ8bには負極リード9bが接続されている。さらに、正極リード9aには、正極端子12aが接続され、負極リード9bには、負極端子12bが接続されている。よって、電極体4で発生する電気エネルギーは、正極端子12a及び負極端子12bにより、外部へ取り出される。
テープ6は、電極体4の重複部7の外周に巻き付けられている。図2に示すように、テープ6は、重複部7の下部(ケース3の底側に位置する部分)から巻き始め、重複部7の外周を一巡し、重複部7の下部で巻き終わる。ここで、テープ6の巻き終わりの部分は、巻き始めの部分の上に重ねられる。テープ6の巻き始めと巻き終わりの部分は、重複部7の下部の湾曲している範囲に収まるように重ねられる。
また、テープ6は、その表面がケース3に設けられたガス排出弁5と対向するように配置されている。電極体4はケース3のX軸方向における中央に位置しており、ガス排出弁5はケース3の蓋部材3aのX軸方向における中央に位置している。このため、テープ6は、電極体4の重複部7のX軸方向における中央に位置している。また、テープ6の幅Wは、ガス排出弁5のX軸方向の幅Waよりも大きく、重複部7のX軸方向の幅Wbよりも小さい。実施形態では、テープの幅Wはガス排出弁の幅Waの1.2倍である。この幅Wは、組付け時の公差を考慮し、X軸方向にテープ6及び電極体4がずれても、テープ6の表面がガス排出弁5に対向するようにするための設計値である。なお、テープ6の材料は、電解液に対して耐性のあるPP(ポリプロピレン)である。
実施形態の構成により得られる利点を、図3を参照して説明する。電極体4のテープ6が巻き付けられている箇所は、テープ6の巻付け力により緊縛されている。これにより、二次電池2の過充電等により電極体4内にガスが発生しても、上記の箇所の膨張が抑えられる。また、テープ6は、重複部7の中央に重複部7の幅Wbよりも小さい幅Wで巻き付けられている。これにより、電極体4内で発生したガスが破線矢印13の経路を経て電極体4の両端から排出される。よって、電極体4を膨張させる力が弱まり、テープ6の巻回箇所の膨張をより確実に防止することができる。したがって、電極体4がガス排出弁5を塞いでしまうことを先行技術に比べより確実に防ぐことができる。
なお、テープ6の幅Wは、ガス排出弁5の幅Waに近いほどよい。テープ6が巻き付けられている部分を最小限にすることで、テープ6が巻き付けられていない部分からより多くのガスの排出を促すことができる。
また、テープ6は、巻き回により作られた電極体4の形状を保持するための部材を兼ねてもよい。これにより、電極体4の形状を保持するための部材を減らすことができる。
以下、実施形態で示した技術に関する留意点を述べる。テープ6の材料は、電解液に耐性のある材料、例えば、PE(ポリエチレン)及びPET(ポリエチレンテレフタレート)等の材料でもよい。また、電解液への耐性に加え、耐熱性の高いポリイミドは、テープ6の好適な材料となる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:二次電池
3:ケース
3a:上蓋
3b:ケース本体
4:電極体
5:ガス排出弁
6:テープ
7:重複部
3:ケース
3a:上蓋
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4:電極体
5:ガス排出弁
6:テープ
7:重複部
Claims (1)
- ガス排出弁が一側面に設けられているケースと、
ケースに収容されており、正極シートと負極シートが幅方向にずらされて積層されている電極体と、を備えており、
電極体の正極シートと負極シートが重なっている重複部にテープが巻き付けられており、
前記テープの幅は、前記重複部の幅よりも小さく、かつガス排出弁の幅よりも大きく、
前記テープの表面がガス排出弁に対向している、
ことを特徴とする二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013215575A JP2015079617A (ja) | 2013-10-16 | 2013-10-16 | 二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2013215575A Pending JP2015079617A (ja) | 2013-10-16 | 2013-10-16 | 二次電池 |
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JP (1) | JP2015079617A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108832059A (zh) * | 2018-05-02 | 2018-11-16 | 名添科技(深圳)有限公司 | 一种基于动力隔膜含有吸容腔体的动力锂电池 |
US10217973B2 (en) | 2016-09-30 | 2019-02-26 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Prismatic secondary battery |
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2013
- 2013-10-16 JP JP2013215575A patent/JP2015079617A/ja active Pending
Cited By (3)
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US10217973B2 (en) | 2016-09-30 | 2019-02-26 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Prismatic secondary battery |
CN108832059A (zh) * | 2018-05-02 | 2018-11-16 | 名添科技(深圳)有限公司 | 一种基于动力隔膜含有吸容腔体的动力锂电池 |
CN108832059B (zh) * | 2018-05-02 | 2021-06-04 | 名添科技(深圳)有限公司 | 一种基于动力隔膜含有吸容腔体的动力锂电池 |
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