JP2015078670A - ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法及びプログラム - Google Patents

ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法及びプログラム Download PDF

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悠希 中澤
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昭彦 齋藤
Akihiko Saito
昭彦 齋藤
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Takashi Sonoda
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Haruhito Oshino
陽仁 押野
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Abstract

【課題】負荷遮断後の挙動をロバストに制御するガスタービン制御装置を提供する。【解決手段】ガスタービン制御装置は、負荷遮断を検出すると負荷遮断制御の開始を指示する負荷遮断制御指示部と、無負荷において定格回転数で運転するための燃料流量指令値を示す予め定められた無負荷燃料流量指令値を、燃料流量指令値に影響するパラメータの値に応じた補正係数に基づいて補正する無負荷燃料流量指令値補正部と、前記補正した無負荷燃料流量指令値に対して、負荷遮断後におけるタービンの回転数が予め定められた回転数を上回らず、且つ負荷遮断後にタービンの回転数が定格回転数に収束するまでの時間が予め定められた時間以内となるように制御するための補正を行って前記負荷遮断制御時の燃料流量指令値を示す最小燃料流量指令値を算出する最小燃料流量指令値算出部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法及びプログラムに関する。
ガスタービンプラントでは、負荷運転中に非常事態が生じた場合,負荷を切り離して運転を継続する運用がある(負荷遮断)。また、実運用中に緊急事態が生じ負荷遮断を行わなければならない状況になったときのために負荷の低下率を何段階かに分けて負荷遮断の試験を行うことになっている。負荷遮断が起こるとこれまで接続されていた負荷が無くなる為、ガスタービンの回転数が高速化する現象がみられる。このような場合にガスタービンプラントでは、安全面を考慮して回転数が例えば110%以上高速になると異常と判断して自動停止する機能を備えている。従って負荷遮断直後はガスタービンの回転数を110%未満に抑えるよう出力の制御を行わなければならない。しかし、回転数を抑えすぎると燃焼器の火炎が失火してしまうという問題も生じる。
ガスタービンの回転数は燃焼器に供給する燃料流量を示す値である燃料流量指令値によって制御することが可能である。負荷遮断時においてもこの燃料流量指令値を適切な値とすることによって回転数の挙動と火炎の安定性を制御している。例えば特許文献1には、燃空比が最適となるように最小燃料指令値を補正する方法が開示されている。
ところで負荷遮断時の燃料流量指令値は、予め定められた無負荷燃料流量指令値を基準として定められている。ここで無負荷燃料流量指令値とは最初から無負荷の状態で定格回転数(例えば3000又は3600回転/分)でガスタービンを運転するために必要な燃料流量指令値である。これに対して負荷遮断時の最小燃料流量指令値は負荷に接続されていた状態から急に無負荷になったことによる勢いを低減するために無負荷燃料流量指令値より低い値が設定されている。例えば、最小燃料流量指令値は、無負荷燃料流量指令値に1より小さい定数を乗算して求めることができる。
特開2011−85105号公報
通常、無負荷燃料流量指令値は、ある大気温度や大気圧力などを想定して算出された値である。しかし実際には例えば大気温度などのガスタービンの挙動に影響する様々なパラメータが存在し、それらの値によって無負荷燃料流量指令値は変化するため、それらを考慮しない最小燃料流量指令値を用いると、ガスタービンがおかれている状況によって負荷遮断直後のガスタービンの挙動(回転数など)が異なり問題となることがある。ここで問題とは、例えば負荷遮断後の挙動については様々な規則が定められており、その規則が守られなくなってしまうということである。例えば、同じガスタービンでも冬ならば負荷遮断制御が適切に行われ、夏の大気温度においては規則で定められた範囲を逸脱してしまうといったことが考えられる。
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできるガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明は、負荷遮断を検出すると負荷遮断制御の開始を指示する負荷遮断制御指示部と、無負荷において定格回転数で運転するための燃料流量指令値を示す予め定められた無負荷燃料流量指令値を、燃料流量指令値に影響するパラメータの値に応じた補正係数に基づいて補正する無負荷燃料流量指令値補正部と、前記補正した無負荷燃料流量指令値に対して、負荷遮断後におけるタービンの回転数が予め定められた回転数を上回らず、且つ負荷遮断後にタービンの回転数が定格回転数に収束するまでの時間が予め定められた時間以内となるように制御するための補正を行って前記負荷遮断制御時の燃料流量指令値を示す最小燃料流量指令値を算出する最小燃料流量指令値算出部と、を備えることを特徴とするガスタービン制御装置である。
また、本発明における前記燃料流量指令値に影響するパラメータは、現在の大気温度、現在の大気湿度、現在の大気圧力、燃料ガスカロリーのうち少なくとも一つであることを特徴とする。
また、本発明は、前記無負荷燃料流量指令値とガスタービンの運転開始後に無負荷となったときに記録した無負荷燃料流量指令値との差が閾値以上である場合には、前記無負荷燃料流量指令値を前記記録した無負荷燃料流量指令値に補正する経年劣化補正部とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、予め定められた必要最小燃空比とIGV開度から求めた空気流量とに基づいてガスタービンの火炎が失火することのない燃料流量指令値の下限値を算出する燃料流量指令下限値算出部と、前記下限値と前記最小燃料流量指令値とのうち大きい値を、最小燃料流量指令値として決定する最小燃料流量指令値決定部とを備えることを特徴とする。
また本発明は、前記IGV開度から求めた空気流量を、前記空気流量に影響するパラメータの値に応じた補正係数に基づいて補正する空気流量補正部とを備えることを特徴とする。
前記空気流量に影響するパラメータは、現在の大気温度、現在の大気湿度、現在の大気圧力のうち少なくとも一つであることを特徴とする。
また本発明は、負荷遮断を検出すると負荷遮断制御の開始を指示し、無負荷において定格回転数で運転するための燃料流量指令値を示す予め定められた無負荷燃料流量指令値を、燃料流量指令値に影響するパラメータの値に応じた補正係数に基づいて補正し、前記補正した無負荷燃料流量指令値に対して、負荷遮断後におけるタービンの回転数が予め定められた回転数を上回らず、且つ負荷遮断後にタービンの回転数が定格回転数に収束するまでの時間が予め定められた時間以内となるように制御するための補正を行って前記負荷遮断制御時の燃料流量指令値を示す最小燃料流量指令値を算出することを特徴とするガスタービン制御方法である。
また本発明は、ガスタービン制御装置のコンピュータを、負荷遮断を検出すると負荷遮断制御の開始を指示する手段、無負荷において定格回転数で運転するための燃料流量指令値を示す予め定められた無負荷燃料流量指令値を、燃料流量指令値に影響するパラメータの値に応じた補正係数に基づいて補正する手段、前記補正した無負荷燃料流量指令値に対して、負荷遮断後におけるタービンの回転数が予め定められた回転数を上回らず、且つ負荷遮断後にタービンの回転数が定格回転数に収束するまでの時間が予め定められた時間以内となるように制御するための補正を行って前記負荷遮断制御時の燃料流量指令値を示す最小燃料流量指令値を算出する手段として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、負荷遮断時の燃料流量指令値を各種パラメータの値に応じて補正することで負荷遮断時のガスタービンの挙動をそれらのパラメータの値に影響されないように制御することができる。
本発明に係る第一実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。 本発明に係る第一実施形態における最小燃料流量指令値の決定方法を示す図である。 本発明に係る第一実施形態における最小燃料流量指令値の決定に用いるテーブルの一例を示す図である。 本発明に係る第一実施形態における最小燃料流量指令値の決定処理のフロー図である。 本発明に係る第一実施形態による最小燃料流量指令値を適用した結果を示す図である。 本発明に係る第二実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。 本発明に係る第二実施形態における最小燃料流量指令値の決定方法を示す図である。 本発明に係る第二実施形態における最小燃料流量指令値の決定に用いるテーブルの一例を示す第一の図である。 本発明に係る第二実施形態における最小燃料流量指令値の決定に用いるテーブルの一例を示す第二の図である。 本発明に係る第二実施形態における最小燃料流量指令値の決定に用いるテーブルの一例を示す第三の図である。 本発明に係る第三実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。 本発明に係る第三実施形態における最小燃料流量指令値の決定方法を示す図である。 本発明に係る第三実施形態における最小燃料流量指令値の決定に用いるテーブルの一例である。 本発明に係る第四実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。 本発明に係る第四実施形態における最小燃料流量指令値の決定方法を示す図である。 本発明に係る第五実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。 本発明に係る第五実施形態における最小燃料流量指令値の決定方法を示す図である。
<第一実施形態>
以下、本発明の一実施形態によるガスタービン制御装置を図1〜図5を参照して説明する。図1は本実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。
本実施形態のガスタービンプラントは、図1に示すように、ガスタービン10と、ガスタービン10の駆動で発電する発電機15と、ガスタービン10の挙動を制御するガスタービン制御装置30と、を備えている。ガスタービン10と発電機15はロータ14で連結されている。
ガスタービン10は、空気を圧縮して圧縮空気を生成する圧縮器11と、圧縮空気中で燃料ガスを燃焼させ高温の燃焼ガスを生成する燃焼器12と、燃焼ガスにより駆動するタービン13と、を備えている。
燃焼器12は、燃焼器12に燃料を供給する燃料供給装置(図示せず)と接続されている。燃料供給装置と燃焼器12の間には燃料の流量を調節する燃料流量調節弁16が設けられている。
ガスタービン制御装置30は、負荷遮断制御指示部17、大気温度検出部18、無負荷燃料流量指令値補正部19、最小燃料流量指令値算出部20、燃料流量調整部21を備えている。
負荷遮断制御指示部17は、負荷運転中における異常を検出した場合に負荷遮断制御を開始する。本実施形態において負荷遮断制御とは、負荷遮断後のガスタービン10の回転数の急激な増加を抑制しつつ燃焼器12の火炎の失火を防ぐよう制御することをいう。本実施形態においては、燃料流量指令値を適正な値にすることでこの制御を行う。
大気温度検出部18は、圧縮器11が吸入する空気の大気温度を検出する。
無負荷燃料流量指令値補正部19は、予め定められた無負荷燃料流量指令値を燃料流量指令値に影響するパラメータの値に応じた補正係数で補正して、現在のガスタービンの状態における無負荷燃料流量指令値を算出する。無負荷燃料流量指令値とは、無負荷において定格回転数で運転するときに必要な燃料流量指令値である。本実施形態において燃料流量指令値に影響するパラメータとは圧縮器11が吸入する空気の大気温度である。例えば、大気温度が低いと空気の重量流量は増加し、ガスタービン10の回転数も増加する。その場合、回転数を抑えるためには燃料流量を減少させるよう補正する必要がある。従来の方法では所定の大気温度における無負荷燃料流量指令値をガスタービンの設計時に設定し、運用中は大気温度による影響を考慮せずに設定した無負荷燃料流量指令値を用いている。無負荷燃料流量指令値補正部19は、この所定の大気温度における無負荷燃料流量指令値を現在の大気温度における適切な値に補正する。
なお、以下において所定の条件を仮定して予め定められた無負荷燃料流量指令値を設定無負荷燃料流量指令値と称する。
最小燃料流量指令値算出部20は、大気温度に応じて補正した無負荷燃料流量指令値に基づいて負荷遮断制御時における燃料流量指令値を算出する。この負荷遮断制御時における燃料流量指令値を最小燃料流量指令値という。最小燃料流量指令値算出部20は、最小燃料流量指令値を無負荷燃料流量指令値を定数倍(例えば0.7倍)して補正することによって算出する。ここで無負荷燃料流量指令値の他に最小燃料流量指令値が必要なのは、無負荷燃料流量指令値が最初から無負荷の状態でガスタービンを定格回転数で運転するのに必要な燃料流量指令値であるのに対し、最小燃料流量指令値は、急に負荷を切り離した状態となった状態での燃料流量指令値であって、想定される状況が異なるからである。また、最小燃料流量指令値が無負荷燃料流量指令値より小さな値となるのは、負荷遮断発生時には、負荷接続時に適した燃料流量による運転が行われており、負荷遮断直後はその影響で回転数が増加する為、最小燃料流量指令値によって回転数の増加を抑制しなければならないことによる。この定数は、負荷遮断後におけるタービンの回転数が予め定められた回転数(例えば定格回転数の110%以上)を上回らず、且つ負荷遮断後にタービンの回転数が定格回転数に収束するまでの時間が予め規則などによって定められた時間以内となるように算出された値である。
燃料流量調整部21は、最小燃料流量指令値算出部20が算出した最小燃料流量指令値に基づいて必要な量の燃料が燃焼器12へ供給されるように燃料流量調節弁16を制御する。
なお、ガスタービン制御装置30は、これらの他にもさまざまな機能部を備えているが本実施形態は負荷遮断時の制御に関するので説明は省略する。
図2は本実施形態における最小燃料流量指令値の決定方法を示す図である。
図2を用いて負荷遮断時の最小燃料流量指令値の決定方法を説明する。
符号S101〜S103の処理は、無負荷燃料流量指令値を大気温度で補正する処理である。これらの処理は無負荷燃料流量指令値補正部19が行う。無負荷燃料流量指令値補正部19は、予め設定された無負荷燃料流量指令値に現在の大気温度に応じた補正係数を乗算して補正後の無負荷燃料流量指令値を求める。
符号S104の処理は、最小燃料流量指令値算出部20が補正後の無負荷燃料流量指令値に定数を乗じて最小燃料流量指令値を算出する処理である。
燃料流量調整部21は、最小燃料流量指令値算出部20が算出した最小燃料流量指令値を取得し、その値が示す燃料流量で燃焼器12に燃料を供給するよう燃料流量調節弁16の弁開度を制御する。
最小燃料流量指令値の決定処理については後に図4を用いて詳しく説明する。
図3は本実施形態における最小燃料流量指令値の決定に用いるテーブルの一例である。
図3のテーブルには大気温度とそれに対する補正係数が格納されている。この補正係数は、所定の大気温度における無負荷燃料流量指令値を別の大気温度における無負荷燃料流量指令値へ補正する係数である。
例えば無負荷燃料流量指令値補正部19が大気温度検出部18から取得した温度が「T1」であれば、無負荷燃料流量指令値補正部19は、記憶部に格納された図3のテーブルを参照し、「大気温度」欄が「T1」の値を検索する。そして無負荷燃料流量指令値補正部19は、係数「Kt1」を取得する。無負荷燃料流量指令値補正部19は、設定無負荷燃料流量指令値に「Kt1」を乗算して現在の大気温度における無負荷燃料流量指令値を算出する。
このテーブルに格納された大気温度による補正係数は、例えば設計のヒートバランスや実機の運転データ等から算出してガスタービンごとに決定されたものである。また、このテーブルに格納されていない値については補間計算を行って補正係数を算出してもよい。
図4は本実施形態による最小燃料流量指令値の決定処理のフロー図である。
図4の処理フローを用いて周波数低下時の負荷制御燃料流量指令値の決定処理について説明する。
この処理フローが実行される前提として、運転中に負荷遮断が生じたものとする。すると、負荷遮断制御指示部17が負荷遮断を示す信号を検出し、負荷遮断制御を行うよう無負荷燃料流量指令値補正部19に指示を行う(S100)。すると無負荷燃料流量指令値補正部19は、ガスタービン制御装置30が備える記憶部(図示せず)から設定無負荷燃料流量指令値を読み込む(S101)。次に無負荷燃料流量指令値補正部19は、大気温度検出部18から取得した現在の大気温度に基づいて、設定無負荷燃料流量指令値を現在の大気温度における無負荷流量指令値に換算する為の大気温度補正係数を記憶部が保持するテーブルから読み取る(S102)。このテーブルは例えば図3で示したテーブルである。
次に無負荷燃料流量指令値補正部19は、設定無負荷燃料流量指令値に大気温度補正係数を乗じて現在の大気温度に適した無負荷燃料流量指令値を算出し(S103)、最小燃料流量指令値算出部20へ出力する。
次に最小燃料流量指令値算出部20は、記憶部から定数を読み込んで補正後の無負荷燃料流量指令値にこの定数(例えば0.7)を乗じて最小燃料流量指令値を算出する(S104)。この定数は、過去の運転データなどから算出された値で予め記憶部に記録されているものとする。以上で本処理フローは完了する。
図5は本実施形態による最小燃料流量指令値を適用した結果を示す図である。
図5(a)は、無負荷燃料流量指令値補正部19が、現在の大気温度による補正を行わなかったときの負荷遮断後のガスタービンの挙動を示したグラフの一例である。
符号41aは、大気温度が40℃のときの挙動を示すグラフである。符号42aは、大気温度が20℃のときの挙動を示すグラフである。符号43aは大気温度が4℃の挙動を示すグラフである。図5(a)のグラフの横軸の0は、負荷が切り離された瞬間の時刻を示している。負荷遮断を検出するとガスタービン制御装置30は、最小燃料流量指令値を算出し、燃焼器12の火炎が失火しないようにしながら回転数を抑制するよう制御する。図5(a)のグラフは、負荷遮断後しばらくはガスタービン10の回転数が増加することを示している。このとき大気温度が高くなるほど回転数が増加し、回転数が100%に収まるまでに時間を要する。回転数の上限(110%)だけでなく、回転数が100%になるまでの時間も規則により定められている。この図のように設定無負荷燃料流量指令値を用いた最小燃料流量指令値によって負荷遮断後の回転数を規定値(110%)以内に制御できても、回転数が100%を超えた状態が長引くと問題となる。従って大気温度が高いときにもなるべく回転率が増加しないように、且つ回転数が増加した状態が長引かないようにする必要がある。そこで図1〜4を用いて説明したように大気温度に応じた補正を行って負荷遮断時の燃料流量指令値(最小燃料流量指令値)を算出する。
図5(b)は、大気温度による補正を行った最小燃料流量指令値によってガスタービンを制御した場合の負荷遮断後のガスタービンの挙動を示したグラフである。図5(a)と同様に符号41bが示すグラフは大気温度が40℃、符号42bが示すグラフは大気温度が20℃、符号43bが示すグラフは大気温度が4℃での挙動を示すグラフである。
図5(b)は、大気温度による補正を行うことで負荷遮断後の回転数の増加及び回転数が100%に収まるまでに要する時間が、大気温度の影響をうけなくなったことを示している。また、最も回転数が増加したときの回転数は図5(a)における最も回転数の少ない値に制御されており、回転数が100%に収まるまでに要する時間も図5(a)における最も短い時間に合わせて収まるように制御されている。
このように本実施形態によれば大気温度に影響されず負荷遮断後のガスタービンの挙動を制御することができる。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態によるガスタービン制御装置を図6〜図10を参照して説明する。
図6は本実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。
図6で示すように、本実施形態においてガスタービンプラントは、大気圧力検出部22及び大気湿度検出部23を備えている。本実施形態においては燃料流量指令値に影響するパラメータとして圧縮器11が吸入する空気の大気圧力、大気湿度、及び使用する燃料の燃料ガスカロリーのうち一つ又は複数を用いる。
無負荷燃料流量指令値補正部19は、大気圧力検出部22から大気の圧力を取得する。また、無負荷燃料流量指令値補正部19は、大気湿度検出部23から大気の湿度を取得する。圧縮器11が吸入する空気量は、第一実施形態の大気温度だけでなく、大気圧力、大気湿度の影響も受ける。例えば、大気圧力が高いと空気の重量流量は増加し、ガスタービンの回転数も増加する。また、湿度については、吸入する空気の湿度が低いと空気に含まれる水分を加熱する必要がないのでその分熱効率が良くなりガスタービンの回転数も増加する。それらの影響に対し無負荷燃料流量指令値補正部19は、大気圧力、大気湿度に応じた補正係数によって設定無負荷燃料流量指令値を補正する。
無負荷燃料流量指令値補正部19は、燃料ガスカロリー検出部が測定した燃料ガスカロリーを取得する。燃料ガスカロリーとは燃料を燃焼させたときに発生する熱量のことである。例えば、燃焼ガスカロリーが高い燃料であれば同じ出力を得るのに燃料流量は少なくて済む。無負荷燃料流量指令値補正部19は、燃焼器12に供給する燃料の燃料ガスカロリーに応じた補正係数によって設定無負荷燃料流量指令値を補正する。
図7は本実施形態における最小燃料流量指令値の決定方法を示す図である。
図7を用いて負荷遮断時の最小燃料流量指令値の決定方法を説明する。
まず、負荷遮断制御指示部17が負荷遮断を検出し、負荷遮断制御を行うよう無負荷燃料流量指令値補正部19に指示を行う。無負荷燃料流量指令値補正部19は、記憶部から設定無負荷燃料流量指令値を読み取る(S101)。この設定無負荷燃料流量指令値は、所定の大気圧力、大気湿度、燃料ガスカロリーを仮定し、その大気圧力、大気湿度、燃料ガスカロリーに対して設定された値である。
次に無負荷燃料流量指令値補正部19は、設定無負荷燃料流量指令値を現在の大気圧力、大気湿度、燃料ガスカロリーにおける無負荷燃料流量指令値に換算する為の補正係数をそれぞれの補正係数を定義したテーブルから取得する(S201)。これらの補正係数はそれぞれ別々のテーブルに格納されており、それぞれのテーブルを記憶部が保持している。
無負荷燃料流量指令値補正部19は、現在の大気圧力に応じた補正係数をテーブルから取得するために大気圧力検出部22から取得した現在の大気圧力を用いる。無負荷燃料流量指令値補正部19は、現在の大気湿度に応じた補正係数をテーブルから取得するために大気湿度検出部23から取得した現在の大気湿度を用いる。また、無負荷燃料流量指令値補正部19は、現在の燃料ガスカロリーに応じた補正係数をテーブルから取得するために燃料ガスカロリー検出部24から取得した現在の燃料ガスカロリーを用いる。
次に無負荷燃料流量指令値補正部19は、取得したそれぞれの補正係数をS101で取得した設定無負荷燃料流量指令値に乗じて現在の大気圧力、大気湿度、燃料ガスカロリーを考慮した無負荷燃料流量指令値を算出し(S103)、最小燃料流量指令値算出部20に出力する。
以下の処理については第一実施形態と同じである。つまり最小燃料流量指令値算出部20は、補正後の無負荷流量指令値を定数倍して最小燃料流量指令値を算出する。燃料流量調整部21は、算出した最小燃料流量指令値に基づいて燃料流量調節弁16を制御する。
図8は本実施形態における最小燃料流量指令値の算出に用いるテーブルの一例である。
図8のテーブルには大気圧力とそれに対する補正係数が格納されている。
例えば無負荷燃料流量指令値補正部19が大気圧力検出部22から取得した圧力が「P1」であれば、無負荷燃料流量指令値補正部19は、記憶部に格納された図8のテーブルを参照し、「大気圧力」欄が「P1」の値を持つ行を検索する。そして無負荷燃料流量指令値補正部19は、検索した結果得られる行の「係数」欄の値「Kp1」を取得する。無負荷燃料流量指令値補正部19は、予め所定の大気圧力を仮定して算出された設定無負荷燃料流量指令値に「Kp1」を乗算して圧力補正後の無負荷燃料流量指令値を算出する。
図9は本実施形態における最小燃料流量指令値の算出に用いるテーブルの一例である。
図9のテーブルには大気湿度とそれに対する補正係数が格納されている。
例えば無負荷燃料流量指令値補正部19が大気湿度検出部23から取得した圧力が「H1」であれば、無負荷燃料流量指令値補正部19は、記憶部に格納された図8のテーブルを参照し、「大気湿度」欄が「H1」の値を持つ行を検索する。そして無負荷燃料流量指令値補正部19は、検索した結果得られる行の「係数」欄の値「Kh1」を取得する。無負荷燃料流量指令値補正部19は、予め所定の大気湿度を仮定して算出された設定無負荷燃料流量指令値に「Kh1」を乗算して湿度補正後の無負荷燃料流量指令値を算出する。
図10は本実施形態における最小燃料流量指令値の算出に用いるテーブルの一例である。図10のテーブルには燃料ガスカロリーとそれに対する補正係数が格納されている。
例えば無負荷燃料流量指令値補正部19が燃料ガスカロリー検出部24から取得した現在の燃料ガスカロリーが「C1」であれば、無負荷燃料流量指令値補正部19は、記憶部に格納された図10のテーブルを参照し、「燃料ガスカロリー」欄が「C1」の値を持つ行を検索する。そして無負荷燃料流量指令値補正部19は、検索の結果得られた行の「係数」欄の値「Kc1」を取得する。無負荷燃料流量指令値補正部19は、予め所定の燃料ガスカロリーを仮定して算出された設定無負荷燃料流量指令値に「Kc1」を乗算して燃料ガスカロリー補正後の無負荷燃料流量指令値を算出する。
なお、これら図8〜図10のテーブルに格納されていない値については、テーブルに格納された値を用いて補間計算を行うことでそれぞれの補正係数を算出してもよい。
なお、これら大気圧力、大気湿度、燃料ガスカロリーについての補正係数は3つ全てを使用することが好ましいが、どれか1つ又は2つだけを用いてもよい。例えば、3つ全てを使用する場合、無負荷燃料流量指令値補正部19は、所定の設定無負荷燃料流量指令値に図8〜図10で取得した係数を以下の式1のように全て乗じる。
補正後の無負荷流量指令値
= 設定無負荷流量指令値 × Kp1 × Kh1 × Kc1 ・・・(1)
1つ又は2つの補正係数を用いる場合は、使用するパラメータの補正係数だけを設定無負荷流量指令値に乗じればよい。
また、これらパラメータは大気温度、大気圧力、大気湿度、燃料ガスカロリーに限定されない。他に燃料温度、燃料密度、メタン濃度、ウォッベ指数などであってもよい。それらのパラメータについても記憶部がパラメータごとに補正係数を定義したテーブルを備えており、無負荷燃料流量指令値補正部19がそれらのテーブルから補正係数を読み込んで無負荷燃料流量指令値を補正してもよい。
本実施形態によれば負荷遮断時の大気圧力、大気湿度、燃料ガスカロリーに影響されず負荷遮断後のガスタービンの挙動を制御することができる。
なお、本実施形態は第一実施形態と合わせることも可能である。つまり大気温度に応じた補正係数をさらに乗算することによって負荷遮断時の最小燃料流量指令値をより現状のガスタービンの状態に適した値とすることができる。
<第三実施形態>
以下、本発明の第三実施形態によるガスタービン制御装置を図11〜図13を参照して説明する。
図11は本実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。
図11で示すように、本実施形態によるガスタービン制御装置30は経年劣化補正部25を備えている点で第一実施形態と異なる。
経年劣化補正部25は、ガスタービンの経年劣化による無負荷燃料流量指令値の変化を補正する。例えばガスタービンを運用しているとタービン13に備えられたタービン翼が変形したり浸食したりする。するとガスタービンの燃焼効率に影響が及ぶ。経年劣化補正部25は、このような影響による無負荷燃料流量指令値の変化に対応するために、ガスタービン運転開始後に実際に記録した無負荷燃料流量指令値を用いてガスタービン設計時に設定した設定無負荷燃料流量指令値を補正する。
図12は本実施形態における最小燃料流量指令値の決定方法を示す図である。
図12を用いて負荷遮断時の最小燃料流量指令値の決定方法を説明する。
まず、第一実施形態と同様にして負荷遮断制御指示部17の指示により無負荷燃料流量指令値補正部19は、設定無負荷燃料流量指令値を取得し(S101)、テーブルから取得した現在の大気温度に応じた補正係数(S102)によって補正を行う(S103)。次に、経年劣化補正部25は、記憶部が保持するテーブルに記録した無負荷燃料流量指令値から最新の値を取得し、その値と設計無負荷燃料流量指令値とを比較する。
そして、それらの値の差が所定の閾値以上であれば経年劣化補正部25は、最新の無負荷燃料流量指令値を設計無負荷燃料流量指令値で除算した値(経年劣化補正係数)をS102で算出した大気温度で補正した無負荷燃料流量指令値に乗じて経年劣化と大気温度とを考慮した無負荷燃料流量指令値を算出する(S301)。差が所定の閾値より小さければ経年劣化による補正は行わない。
これらの処理後に経年劣化補正部25は、無負荷燃料流量指令値を最小燃料流量指令値算出部20へ出力する。
以下の処理については第一実施形態と同じである。つまり最小燃料流量指令値算出部20は、補正後の無負荷流量指令値を定数倍して最小燃料流量指令値を算出する。燃料流量調整部21は、その最小燃料流量指令値に基づいて燃料流量調節弁16を制御する。
図13は本実施形態における最小燃料流量指令値の算出に用いるテーブルの一例である。図13のテーブルには運転データ記録時の年月日とそのときに記録した無負荷燃料流量指令値とが対応付けて格納されている。
経年劣化補正部25は、このテーブルの「記録日」欄が最新である行の「無負荷燃料流量指令値」欄の値を取得する。
この「無負荷燃料流量指令値」欄の無負荷燃料流量指令値は、当該ガスタービンの運転開始後に無負荷状態になった際に記録した無負荷燃料流量指令値を、ガスタービンの設計時に設定された無負荷燃料流量指令値と比較できるように補正した値であることが好ましい。例えば、設計無負荷燃料流量指令値が大気温度4℃における値であって、運転時に無負荷燃料流量指令値を記録したときの大気温度が20℃であれば経年劣化による補正を行うとかえって無負荷燃料流量指令値が現在のガスタービンの状況に適さない値となり、負荷遮断時のガスタービンの挙動を制御できなくなってしまうことも考えられる。従ってこのテーブルには、大気温度が20℃で測定した無負荷燃料流量指令値を大気温度4℃での値に補正した結果の値が格納されていることが好ましい。あるいは、図13のテーブルには大気温度が20℃で測定した無負荷燃料流量指令値が格納されていて、経年劣化補正部25が別途記憶部に保持されている図3のテーブルから大気温度による補正係数を取得して、図13のテーブルから取得した無負荷燃料流量指令値にその補正係数を乗算して、S301の一連の処理を行ってもよい。
本実施形態によれば、ガスタービンの経年劣化による影響を受けず負荷遮断直後のガスタービンの挙動を制御することができる。
<第四実施形態>
以下、本発明の第四実施形態によるガスタービン制御装置を図14〜図15を参照して説明する。
図14は本実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。
図14で示すように、本実施形態によるガスタービン制御装置30は燃料流量指令下限値算出部26及び最小燃料流量指令値決定部27を備えている点で第一実施形態と異なる。
燃料流量指令下限値算出部26は、圧縮器11の吸込口に設けられている入口案内翼であるIGV(IGV:inlet guide vane)28の開度(IGV開度)から求めた圧縮器11への空気流量と、燃焼器12の火炎を保持するのに必要な最小燃空比(必要最小燃空比)とに基づいて燃料流量指令値の下限値を算出する。
最小燃料流量指令値決定部27は、燃料流量指令下限値算出部26が算出した燃料流量指令値の下限値と、最小燃料流量指令値算出部20が算出した最小燃料流量指令値とを比較して大きい値を最小燃料流量指令値として決定する。大きい値を選択するのは、燃料流量指令値が小さいと燃焼器12が失火する恐れがあるからである。
図15は本実施形態における最小燃料流量指令値の決定方法を示す図である。
図15を用いて負荷遮断時の最小燃料流量指令値の決定方法を説明する。
負荷遮断制御指示部17が負荷遮断を検出すると、第一実施形態と同様にして無負荷燃料流量指令値補正部19が大気温度で補正した無負荷燃料流量指令値を算出し(S102〜S103)、最小燃料流量指令値算出部20が最小燃料流量指令値を算出する(S104)。そして最小燃料流量指令値算出部20が最小燃料流量指令値を最小燃料流量指令値決定部27へ出力する。
また、負荷遮断制御指示部17の指示により燃料流量指令下限値算出部26がIGV28よりIGV開度を取得する(S401)。燃料流量指令下限値算出部26は、IGV開度に基づいて圧縮器11が吸入する空気流量を公知の計算方法を用いて算出する(S402)。また、燃料流量指令下限値算出部26は、予め設定された必要最小燃空比を記憶部から読み取る(S403)。この必要最小燃空比は、過去の運用データやシミュレーションなどによって失火しない最小の燃空比を算出した値であって予め記憶部に格納されているものとする。次に燃料流量指令下限値算出部26は、S402で算出した空気流量とS403で取得した必要最小燃空比とを乗算して、失火を防ぐのに必要な最小の燃料流量を算出する(S404)。そして燃料流量指令下限値算出部26は、必要最小燃料流量に対応する燃料流量指令値(燃料流量指令下限値)を求め(S405)、その値を最小燃料流量指令値決定部27へ出力する。必要最小燃料流量から燃料流量指令下限値を求めるには、予めプラントごとに定められた燃料流量と燃料流量指令値との対応関係を規定したテーブルや関数から算出してもよい。
次に最小燃料流量指令値決定部27は、燃料流量指令下限値算出部26が算出した燃料流量指令値の下限値と、最小燃料流量指令値算出部20が算出した最小燃料流量指令値とを比較して大きい値を最小燃料流量指令値として決定し(S406)、その値を燃料流量調整部21へ出力する。そして燃料流量調整部21は、最小燃料流量指令値決定部27が決定した燃料流量指令値に基づいて燃料流量調節弁16を制御する。
第一〜三実施形態の方法で最小燃料流量指令値を算出し、負荷遮断時の回転数を抑制しても、最小燃料流量指令値が小さすぎる場合にはガスタービンの火炎が失火する恐れがある。本実施形態によれば、最小燃料流量指令値の下限値を設定することで、第一〜三実施形態の方法で最小燃料流量指令値を補正しても燃焼器12の失火を防ぐことができる。
<第五実施形態>
以下、本発明の第五実施形態によるガスタービン制御装置を図16〜図17を参照して説明する。
図16は本実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。
図16で示すように、本実施形態は、第四実施形態のガスタービン制御装置30に空気流量補正部29を追加した構成である。
空気流量補正部29は、燃料流量指令下限値算出部26が算出する空気流量を空気流量に影響するパラメータの値によって補正する。空気流量に影響するパラメータとは、例えば大気温度、大気圧力、大気湿度などである。空気流量を例えば大気温度で補正するのは、空気流量の体積は同じでも大気温度によって空気の重量流量が変化し、ガスタービンの挙動にも影響するからである。以下、空気流量に影響するパラメータが大気温度である場合を例に説明を行う。
図17は本実施形態における最小燃料流量指令値の算出方法を示す図である。
本実施形態においては、第四実施形態と同様にして負荷遮断制御指示部17の指示により、最小燃料流量指令値算出部20が最小燃料流量指令値を算出する(S104)。また、燃料流量指令下限値算出部26は、IGV開度に応じた空気流量を算出し(S402)、空気流量補正部29に出力する。
次に空気流量補正部29は、大気温度検出部18から圧縮器11が吸入する空気の大気温度を取得する。空気流量補正部29は、その大気温度に応じた補正係数をテーブルより取得する(S501)。そして空気流量補正部29は、取得した空気流量にその補正係数を乗算し(S502)、補正後の空気流量を燃料流量指令下限値算出部26へ出力する。
大気温度ごとの補正係数は図3で示したテーブルと同様のテーブルで「係数」欄に空気流量を補正する場合の値が格納されたテーブルを参照して決定すればよい。
以降の処理については第四実施形態と同じである。つまり燃料流量指令下限値算出部26は、大気温度に応じた補正を行った後の空気流量に必要最小燃空比を乗じて、最小燃料流量を算出し(S404)、その値に対応する燃料流量指令下限値を求める(S405)。そして最小燃料流量指令値決定部27が燃料流量指令下限値と最小燃料流量指令値とのうち大きい値を最小燃料流量指令値として決定する(S406)。
なお、空気流量に影響するパラメータが大気圧力である場合、大気圧力に応じた補正係数は図8で示したテーブルと同様のテーブルで「係数」欄に空気流量を補正する場合の値が格納されたテーブルを参照して決定すればよい。また、空気流量に影響するパラメータが大気湿度である場合、大気湿度に応じた補正係数は図9で示したテーブルと同様のテーブルで「係数」欄に空気流量を補正する場合の値が格納されたテーブルを参照して決定すればよい。
また、これらの空気流量に影響するパラメータは1つ又は複数を組み合わせて用いることが可能である。使用するパラメータには、大気温度が含まれることが好ましい。
本実施形態によれば、大気温度、大気圧力、大気湿度で補正した必要最小燃料流量指令値を用いることで負荷遮断時におけるガスタービンの制御において大気温度、大気圧力、大気湿度の影響を受けることなくガスタービンの失火を防ぐことができる。
なお上述のガスタービン制御装置30は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したガスタービン制御装置30における各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
10・・・ガスタービン
11・・・圧縮器
12・・・燃焼器
13・・・タービン
14・・・ロータ
15・・・発電機
16・・・燃料流量調節弁
17・・・負荷遮断制御指示部
18・・・大気温度検出部
19・・・無負荷燃料流量指令値補正部
20・・・最小燃料流量指令値算出部
21・・・燃料流量調整部
22・・・大気圧力検出部
23・・・大気湿度検出部
24・・・燃料ガスカロリー検出部
25・・・経年劣化補正部
26・・・燃料流量指令下限値算出部
27・・・最小燃料流量指令値決定部
28・・・IGV
29・・・空気流量補正部
30・・・ガスタービン制御装置
41・・・40℃におけるグラフ
42・・・20℃におけるグラフ
43・・・4℃におけるグラフ

Claims (8)

  1. 負荷遮断を検出すると負荷遮断制御の開始を指示する負荷遮断制御指示部と、
    無負荷において定格回転数で運転するための燃料流量指令値を示す予め定められた無負荷燃料流量指令値を、燃料流量指令値に影響するパラメータの値に応じた補正係数に基づいて補正する無負荷燃料流量指令値補正部と、
    前記補正した無負荷燃料流量指令値に対して、負荷遮断後におけるタービンの回転数が予め定められた回転数を上回らず、且つ負荷遮断後にタービンの回転数が定格回転数に収束するまでの時間が予め定められた時間以内となるように制御するための補正を行って前記負荷遮断制御時の燃料流量指令値を示す最小燃料流量指令値を算出する最小燃料流量指令値算出部と、
    を備えることを特徴とするガスタービン制御装置。
  2. 前記燃料流量指令値に影響するパラメータは、現在の大気温度、現在の大気湿度、現在の大気圧力、燃料ガスカロリーのうち少なくとも一つである
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン制御装置。
  3. 前記無負荷燃料流量指令値とガスタービンの運転開始後に無負荷となったときに記録した無負荷燃料流量指令値との差が閾値以上である場合には、前記無負荷燃料流量指令値を前記記録した無負荷燃料流量指令値に補正する経年劣化補正部と
    を備えること特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスタービン制御装置。
  4. 予め定められた必要最小燃空比とIGV開度から求めた空気流量とに基づいてガスタービンの火炎が失火することのない燃料流量指令値の下限値を算出する燃料流量指令下限値算出部と、
    前記下限値と前記最小燃料流量指令値とのうち大きい値を、最小燃料流量指令値として決定する最小燃料流量指令値決定部と
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のガスタービン制御装置。
  5. 前記IGV開度から求めた空気流量を、前記空気流量に影響するパラメータの値に応じた補正係数に基づいて補正する空気流量補正部と
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のガスタービン制御装置。
  6. 前記空気流量に影響するパラメータは、現在の大気温度、現在の大気湿度、現在の大気圧力のうち少なくとも一つである
    ことを特徴とする請求項5に記載のガスタービン制御装置。
  7. 負荷遮断を検出すると負荷遮断制御の開始を指示し、
    無負荷において定格回転数で運転するための燃料流量指令値を示す予め定められた無負荷燃料流量指令値を、燃料流量指令値に影響するパラメータの値に応じた補正係数に基づいて補正し、
    前記補正した無負荷燃料流量指令値に対して、負荷遮断後におけるタービンの回転数が予め定められた回転数を上回らず、且つ負荷遮断後にタービンの回転数が定格回転数に収束するまでの時間が予め定められた時間以内となるように制御するための補正を行って前記負荷遮断制御時の燃料流量指令値を示す最小燃料流量指令値を算出する
    ことを特徴とするガスタービン制御方法。
  8. ガスタービン制御装置のコンピュータを、
    負荷遮断を検出すると負荷遮断制御の開始を指示する手段、
    無負荷において定格回転数で運転するための燃料流量指令値を示す予め定められた無負荷燃料流量指令値を、燃料流量指令値に影響するパラメータの値に応じた補正係数に基づいて補正する手段、
    前記補正した無負荷燃料流量指令値に対して、負荷遮断後におけるタービンの回転数が予め定められた回転数を上回らず、且つ負荷遮断後にタービンの回転数が定格回転数に収束するまでの時間が予め定められた時間以内となるように制御するための補正を行って前記負荷遮断制御時の燃料流量指令値を示す最小燃料流量指令値を算出する手段
    として機能させるためのプログラム。
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