JP2015078639A - アイドルストップ制御装置およびアイドルストップシステム - Google Patents

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昌一郎 上園
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Abstract

【課題】アイドルストップシステムを備えた車両において、アイドリングストップ後にエンジンをリスタートする場合、エンジンの出力トルクが駆動輪へ伝わり、車両の車速が出てしまうことを回避する。
【解決手段】アイとリングストップ後にエンジンリスタート許可が成立してエンジンをリスタートする処理へ移行した場合、駆動輪の車輪速度が0以外となることを検知してエンジンリスタート処理を停止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アイドルストップ制御装置およびアイドルストップシステムに関するものである。
内燃機関を備えた車両において、車両停止時等、アイドルストップ条件を満たした場合にエンジンを停止し、リスタート条件を満たした場合にエンジンをリスタートするアイドルストップ制御システムを搭載した車両が知られている。アイドルストップ制御システムおよびマニュアルトランスミッションを備えた車両でアイドルストップする際に、クラッチスイッチもしくはニュートラルスイッチの少なくとも1つの故障を検知した場合、アイドルストップを禁止する制御が知られている(特許文献1)。
特開2011−52560号公報
しかし特許文献1記載の技術では、車両が停止する際に、アイドルストップ条件が成立してエンジンが停止した後、クラッチスイッチもしくはニュートラルスイッチのいずれかが故障した場合のリスタートについては、検討がなされていない。このような場合、エンジンをリスタートする際に車両が前進してしまうことがある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的はクラッチスイッチもしくはニュートラルスイッチの故障時において、意図せぬ車両の前進を抑制することにある。
上記課題を解決するため本発明の制御装置は、エンジンと、前記エンジンを始動するスタータと、前記エンジンの出力の車軸への伝達と非伝達とを運転者の手動操作により切り替えるマニュアルトランスミッションと、を備え、前記エンジンのアイドリングストップおよびリスタートとを行う車両を制御する制御装置において、アイドリングストップした後に前記エンジンのリスタート処理を実行するときに、前記車両の速度がゼロ以外となった場合、前記リスタート処理を停止することを特徴とする。
本発明によれば、アイドルストップ条件が成立後、エンジン停止している間にクラッチスイッチもしくはニュートラルスイッチの少なくとも一方が故障した場合、エンジンをリスタートする際に車両の前進を検知でき、ひいてはリスタートを停止し、運転者の意図しない車両の前進を回避することができる。
本発明の車両システムの説明図である。 従来のアイドルストップ処理のフローチャートである。 従来のエンジンリスタート処理のフローチャートである。 本発明のエンジンリスタート処理のフローチャートである。 本発明のアイドルストップ処理とエンジンリスタート処理を説明するタイムチャートである。
本発明の第一の実施例を、以下に説明する。
図1は、本発明の車両システムである。エンジン1のクランクシャフト102は、クラッチ5を介してマニュアルトランスミッション3に接続されている。マニュアルトランスミッション3の出力軸は、デファレンシャルギアを介して駆動輪11のシャフトに接続される。エンジン1の出力トルクは、クラッチ5が締結しているとマニュアルトランスミッション3に伝わり、マニュアルトランスミッション3のギア位置が、非ニュートラル位置であれば、ギアに応じた変速比でプロペラシャフト8を駆動する。デファレンシャルギアのギア比で変速された駆動トルクで車輪が駆動する。
エンジン1は、燃料噴射の量と燃料を点火するタイミング、空気流量に基づき、出力トルクを発生させる。このエンジン1の制御は、マイクロコンピューターを備えた電子制御装置2が実施する。自動車の電動化が進み、マイクロコンピューターを備えた電子制御装置2は、エンジン1の制御以外にも用いられている。例えば、車両の走行状態をコントロールするビークルダイナミックスコントロール装置や、ブレーキの制動状態を制御するアンチブレーキロックコントロール装置などがある。これら複数の電子制御装置は、自動車内で複数の配線もしくは通信によってそれぞれの制御状態を表す電気信号やデータの送受信を行い協調制御を実現している。
エンジン1の始動は、運転者がキースイッチをONにすることで始動する。キースイッチがONになると、カーステレオ、カーナビゲーションシステムなどの電装品に電源が供給される。さらにエンジン1を始動するためのエンジン1始動装置(スターター13)へ電源が供給されるリレースイッチが閉となり、スターター13が始動する。スターター13はリレースイッチが閉となると、マグネット機構に通電されピニオンギア1301がエンジン1クランクシャフト102に連結されたリングギア101に噛み合う方向にピニオンギア1301が移動する。ピニオンギア1301が移動してリングギア101に噛み合った段階で、スターター13の電機子へ電気が導通し、スターターモーターが駆動する。スターターモーターが駆動すると、ピニオンギア1301と連結したリングギア101にスターターモーター駆動トルクが伝達し、エンジン1のクランクシャフト102が回転する(クランキング)。この時、電子制御装置2により、点火と燃料噴射のタイミングが制御され、燃料が点火してエンジン1が自律回転するように制御する。クランキングからエンジン1が自律回転するまでをエンジン1始動状態と呼ぶ。エンジン1が自律回転状態になった状態をエンジン1完爆状態と呼ぶ。クランキングからエンジン1が自律回転するまで、リングギア101へスターターモーターが駆動トルクを供給し続ける。エンジン1が自律回転し、リングギア101の回転数がスターター13のピニオンギア1301の回転数を上回ると、スターター13のピニオンギア1301に備わっているワンウェイクラッチ機構5が働き、リングギア101からピニオンギア1301へ伝わるトルクは遮断され、エンジン1にスターター13が回される状態を回避できる。
クラッチ5の締結と開放は、運転者のクラッチペダルの踏込量に応じて操作される。クラッチ5を開放するにはクラッチペダルを踏み込み、クラッチ5を締結するには、クラッチペダルの踏み込み量をゼロにする。クラッチペダルにはクラッチ5の締結と開放を検知するためのクラッチスイッチが備わっている。例えばクラッチ5締結時にクラッチスイッチの出力が1、クラッチ5開放時にクラッチスイッチの出力が0となる。
マニュアルトランスミッション3のギア位置は、運転者のシフトレバー6の操作で切り換えられる。ギア位置は、変速比によって1速から例えば4速を選択できる。ギア位置にはバックギア位置もある。これらのギア位置に以外の位置がニュートラル位置である。シフトレバー6にはニュートラルスイッチが備わっている。ニュートラルスイッチの出力は、ギア位置かニュートラル位置の場合に1、非ニュートラル位置の場合に0となる。
始動したエンジン1の燃費を向上する方法として、道路の交差点で停止した場合や駐車場で停止した状態が続いた場合に自動的にエンジン1を停止するアイドリングストップシステムを搭載した自動車が広く普及しつつある。アイドリングストップシステムは、車両が停止もしくは停止にむかって減速している状態で、バッテリ14の状態等のアイドリングストップ条件が成立した場合に、エンジン1を停止して、エンジン1の駆動トルクが必要ないときに燃料消費を節約するシステムである。アイドリングストップの後、例えば運転者がクラッチ5を開放した場合に、停止している車両を駆動したい意思があると電子制御装置2が判断して、エンジン1をリスタートする。アイドリングストップ中に、自動車の電源が全て落ちてしまうと、カーナビゲーションシステムやエアコン機器の電源も切れてしまう。それを回避するため、アイドリングストップ中はエンジン1を停止する操作のみ実施して、電源は導通している状態を継続する。アイドリングストップの状態が継続すると、カーナビゲーションシステムやエアコンなどの機器の消費電力量が増え、自動車の電源バッテリ14の残容量が減ってくる。電源バッテリ14の電圧を検知し、所定の電圧を下回った場合、運転者に意思に関係なくエンジン1をリスタートするように電子制御装置2が制御する。
自動車の車両速度は、一般的に車輪の回転速度を速度センサで検知する。アンチブロックブレーキシステムの電子制御装置12が、車輪制動時に車輪がロックしないように車輪の回転速度を元に制御する。この車輪の回転速度は、他の電子制御装置へ送信される。
エンジン1リスタート条件が成立した場合、運転者の意思に関係なくエンジン1をリスタートする制御が実行される。エンジン1のリスタートを許可する条件の一つに、エンジン1がリスタートした場合に駆動輪11へエンジン1の出力トルクが伝わらないことが前提となる。もし、エンジン1の出力トルクが駆動輪11へ伝達すると、車両が前進もしくは後退することになるからである。
アイドリングストップ許可条件とエンジン1のリスタート許可条件の内、エンジン1の出力トルクが駆動輪11へ伝わってしまう状態を回避する条件に着目して以下説明する。図5に示すように、本実施の形態におけるアイドリングストップ許可条件としてクラッチ5が開放もしくはギア位置がニュートラル位置であることが必要である。例えば、ギア位置がニュートラル位置で、かつクラッチ5が開放から締結となったことをアイドルストップ許可条件とした場合を考える。ここでアイドリングストップ条件成立後、運転者の走行意思を検知する手段として、クラッチ5を開放する操作であるとする。そうすると、同様に図5に示すようにエンジン1リスタートの条件として(1)クラッチ5が締結から開放に移ったこと、(2)ギア位置がニュートラル位置であること、この(1)(2)が共に成立するとする。
クラッチ5が締結していることを示す条件として、クラッチスイッチの出力が0であることを電子制御装置2は検知している。ギア位置がニュートラル位置であることを示す条件として、ニュートラルスイッチの出力が1であることを電子制御装置2は検知している。しかし、アイドリングストップ条件が成立して、エンジン1停止し、車輪速度もゼロの状態になっている場合に、例えばニュートラルスイッチの出力が1にスイッチが固着し、運転者がギア位置を非ニュートラル位置に移動した場合、ギア位置が非ニュートラルであるが、ニュートラルスイッチの出力は1に固着しているので、電子制御装置2はギア位置がニュートラル位置であると誤判断してしまう。この時、クラッチスイッチが締結状態であるが、クラッチスイッチの出力がクラッチ5開放の出力1に固着した場合、ギア位置が非ニュートラル位置でなおかつクラッチ5が締結しているにもかかわらず、エンジン1のリスタート許可条件が成立してしまうことになる。この場合、エンジン1の出力トルクが駆動輪11へ伝達され、車両が動いてしまうこととなる。
このような状況を回避するため、本発明ではエンジン1のリスタート条件が成立してエンジン1をリスタートする時に、車両の駆動輪速度が0以外となった場合に、エンジン1のリスタートを停止する処理を追加した。駆動輪速度が0以外となった場合、エンジン1をリスタートするためのスターター13の駆動リレー1302を開とする処理を実施する。これによって、駆動輪速度が0以外となった後、エンジン1のリスタート処理を停止し、車両が動くことが継続することを回避できる。
なお、車両の駆動輪速度を直接検出する方法以外にも、エンジン回転数やクランク位相等のエンジン運転状態、車両の加速度を検出するセンサなどを用いて車両が動き出してしまう状態を検知しても良い。
エンジン1をリスタートする時に車両の駆動輪速度を検知し、スターター13の駆動リレー1302を開とする処理を実施した場合、アイドルストップシステム後のエンジン1のリスタート処理を停止し、エンジン1のリスタート処理から、エンジン1ストール処理へと移行する。このエンジン1ストール処理に移行したことを、運転者へ知らせる処理を実施する。運転者へ知らせる方法としては、例えば警告音を鳴らしてもよい。また、インスツルメントパネルのエンジン1始動失敗を示す警告ランプを点灯してもよい。
次に本発明の第二の実施例を、以下に説明する。
本実施形態では、アイドリングストップ許可条件が成立し、車両が停止している状態からアイドリングストップ後にエンジンリスタート許可判定する条件の一つに、車両の車輪速度を判定している。これは、アイドリングストップ状態で停止した車両の路面が傾斜している場合、傾斜に伴い車両が前後どちらかに移動してしまう場合があることに着目したものである。このようにずり上がりまたはずり下がりに伴う車輪速度を検知した場合、エンジンリスタートを許可して、エンジン1をリスタートするためのスターター13の駆動リレー1302を開とする処理を実施し、エンジン1をリスタートする場合がある。アイドルストップ制御中に生じる駆動輪速度には、車両のずり上がりまたはずり下がりにより駆動輪速度が0以外となった場合(以下、この場合により生じる駆動輪速度を、ずり上がりまたはずり下がりにより生じる駆動輪速度という)と、本発明の第一の実施例で説明したエンジン1のリスタート条件が成立してエンジン1をリスタートする時に、車両の駆動輪速度が0以外となった場合(以下、この場合により生じる駆動輪速度を、エンジンリスタート時に生じる駆動輪速度という)がある。図4のスターター電源リレーを開から閉へ切り替える処理の後に、駆動輪の回転数の判定処理を実施すると、ずり上がりまたはずり下がりにより生じる駆動輪速度が生じた場合でも、スターター電源リレーを閉から開へ切り替える処理を実施し、エンジンリスタート処理停止となってしまう。従って、これらずり上がりまたはずり下がりにより生じる駆動輪速度とエンジンリスタート時に生じる駆動輪速度を区別する必要がある。
これらの駆動輪速度を区別する方法として本実施例では、次のフラグデータセット処理とフラグデータ判定処理を追加する。フラグデータは、例えば0と1の二値をセットできるデータをあらかじめ準備しておく(以下、このフラグデータをフラグAという)。このフラグAの初期値は0とし初期化はエンジンコントロール装置の起動時に実施する。アイドリングストップ後のエンジンリスタート許可判定処理時に、駆動輪速度を検知した場合は、ずり上がりまたはずり下がりにより生じる速度を検知したとして、フラグAを0から1にセットする。図4のスターター電源リレーを開から閉へ切り替える処理の後に、フラグAの値が0か1かを判定処理を追加する。フラグAの値が1の場合は、駆動輪の回転数の判定処理をスキップして、エンジンリスタート処理を継続する。フラグAの値が0の場合は駆動輪の回転数の判定処理を実施するようにすれば良い。このようにフラグAのセット処理とフラグAの判定処理を追加することで、ずり上がりまたはずり下がりにより生じる駆動輪速度とエンジンリスタート時に生じる駆動輪速度を区別することができる。フラグAは、エンジンリスタート処理継続またはエンジンリスタート処理停止後、0をセットしクリアしておく。
1 エンジン
2 エンジンコントロール装置
3 マニュアルトランスミッション
5 クラッチ機構
7 ギア位置シフト機構
11 駆動輪
1201 駆動輪回転数検知装置
13 スタータ
1302 スターターの電源リレー
1303 アイドリングストップ用コントロール装置
14 バッテリ

Claims (6)

  1. エンジンと、前記エンジンを始動するスタータと、前記エンジンの出力の車軸への伝達と非伝達とを運転者の手動操作により切り替えるマニュアルトランスミッションと、を備え、前記エンジンのアイドリングストップおよびリスタートとを行う車両を制御する制御装置において、アイドリングストップした後に前記エンジンのリスタート処理を実行するときに、前記車両の速度がゼロ以外となった場合、前記リスタート処理を停止することを特徴とする制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記マニュアルトランスミッションのギア位置を検出するギア位置検出手段と、
    運転者のクラッチ操作を検出するクラッチ信号検出手段と、を備え、
    前記リスタート処理が実行される条件は、前記マニュアルトランスミッションのギア位置がニュートラル位置と検出され、かつ前記クラッチ信号が締結状態から解放状態に移行する場合であることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
  3. 前記制御装置は、前記リスタート処理を実行する前に前記車両の速度がゼロ以外となっている場合には、前記リスタート処理を停止しないことを特徴とする請求項2記載の制御装置。
  4. 請求項2または3いずれか一項記載の制御装置と、前記エンジンと、前記スタータと、前記マニュアルトランスミッションと、を備えたアイドリングストップシステム。
  5. 請求項4において、前記リスタート処理を停止した場合、スタート処理を禁止することを特徴とするアイドリングストップシステム。
  6. 請求項4もしくは5いずれか一項において、前記リスタート処理を停止した場合、スタート処理を禁止したことを運転者へ検知する手段を有することを特徴とするアイドリングストップシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20210034730A (ko) * 2019-09-20 2021-03-31 현대자동차주식회사 수동 변속기가 장착된 차량의 isg 기능 제어 방법 및 그 방법이 적용된 차량

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210034730A (ko) * 2019-09-20 2021-03-31 현대자동차주식회사 수동 변속기가 장착된 차량의 isg 기능 제어 방법 및 그 방법이 적용된 차량
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