JP2015078179A - シクロラバンジュロール及びその誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の化合物を簡便で効率的、かつ選択的に製造する。【解決手段】2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)のカルボニル基を反応させて1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)を得る工程と、(2)の環外二重結合を反応させて(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)を得る工程とを少なくとも含む(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノールの製造方法、(3)をエステル化して(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル化合物(4)を得る工程とを少なくとも含む(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル化合物の製造方法を提供する。【化1】【選択図】なし
Description
本発明は、生物活性物質として又はその合成中間体として重要なモノテルペンアルコール及びその誘導体の製造方法に関するものである。より詳しくは、シクロラバンジュロール(cyclolavandulol)として知られる(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール及びこのアルコール化合物から誘導される(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル化合物の製造方法に関するものである。
昆虫の性フェロモンは、通常雌個体が雄個体を誘引する機能をもつ生物活性物質であり、少量で高い誘引活性を示す。性フェロモンは、発生予察や地理的な拡散(特定地域への侵入)の確認の手段として、また、害虫防除の手段として広く利用されている。害虫防除の手段としては、大量誘殺法(Mass trapping)、誘引殺虫法(Lure & kill又はAttract & kill)、誘引感染法(Lure & infect又はAttract & infect)や交信攪乱法(Mating disruption)と呼ばれる防除法が広く実用に供されている。性フェロモンの利用にあたっては必要量のフェロモン原体を経済的に製造することが、基礎研究のために、更には、応用のために必要とされる。
酪酸(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル[別名:(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・n−ブチレート、シクロラバンジュリルブチレート]は、コナカイガラムシ(Mealybug)類の防除のために重要な寄生蜂(Wasp)の誘引物質として単離された。すなわち、Tabataらは、ラバンジュロール(Lavandulol)を酪酸クロリドで処理して、酪酸ラバンジュリルを合成した際の副生成物中からコナカイガラムシに寄生する蜂の一種であるAnagyrus sawadaiを誘引する物質である酪酸(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチルを発見し、この活性物質を単離し、構造を決定した(非特許文献1)。そして、ラバンジュロールを出発原料として酪酸クロリドで処理することにより1.2%の収率で酪酸(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチルを得ている。
酪酸(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル[別名:(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・n−ブチレート、シクロラバンジュリルブチレート]は、コナカイガラムシ(Mealybug)類の防除のために重要な寄生蜂(Wasp)の誘引物質として単離された。すなわち、Tabataらは、ラバンジュロール(Lavandulol)を酪酸クロリドで処理して、酪酸ラバンジュリルを合成した際の副生成物中からコナカイガラムシに寄生する蜂の一種であるAnagyrus sawadaiを誘引する物質である酪酸(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチルを発見し、この活性物質を単離し、構造を決定した(非特許文献1)。そして、ラバンジュロールを出発原料として酪酸クロリドで処理することにより1.2%の収率で酪酸(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチルを得ている。
Teshibaらは、フジコナカイガラムシ(Planococcus kraunhiae)による被害のあるカキ圃場において、この物質が本来フジコナカイガラムシに寄生しない種の寄生蜂であるAnagyrus sawadai及び別の寄生蜂Leptomastix dactylopiiを誘引し、フジコナカイガラムシの防除のために有効な手段となり得ることを示した(非特許文献2)。
これらの生物活性物質の構造活性相関等の基礎的な生物学的や薬学的研究のため、更には、応用や実用に供する目的には十分量の物質供給が必要となり、効率的で選択性のよい(異性体の副生が少なく分離の手間がかからない)これらの生物活性物質の製造方法が強く望まれている。
Appl.Entomol.Zool.,46,117−123(2011)
Journal of Pharmacy Research、4,2126−2128(2011)
Appl.Entomol.Zool.,43,369−375(2008)
しかし、これらの合成例では工程が長く低収率であったり、また、中間体の精製に工業的には実施しにくいクロマトグラフィー等の手段を用いている等の理由で、必要量の原体の確保が非常に困難と考えられた。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、生物学的、薬理学的や農学的活性試験や実際の利用等に必要な十分量の原体を供給するために、簡便で効率的、かつ選択的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、生物学的、薬理学的や農学的活性試験や実際の利用等に必要な十分量の原体を供給するために、簡便で効率的、かつ選択的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、出発原料である2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノンから、(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノールが、更に、このアルコールのエステル化反応により(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル化合物がそれぞれ収率よく、かつ選択性よく工業的に製造可能であることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の一つの態様では、下記式(1)に示す2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノンのカルボニル基を反応させて下記式(2)に示す1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセンを得る工程と、得られた1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセンの環外二重結合を反応させて下記式(3)に示す(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノールを得る工程とを少なくとも含む(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノールの製造方法が提供される。
また、本発明の別の態様では、この(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノールを得るための各工程と、得られた(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノールをエステル化して下記一般式(4)
(式中、Rは水素又は炭素数1から10の炭化水素基を表す。)
で示される(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル化合物を得る工程とを少なくとも含む(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル化合物の製造方法が提供される。
すなわち、本発明の一つの態様では、下記式(1)に示す2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノンのカルボニル基を反応させて下記式(2)に示す1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセンを得る工程と、得られた1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセンの環外二重結合を反応させて下記式(3)に示す(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノールを得る工程とを少なくとも含む(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノールの製造方法が提供される。
で示される(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル化合物を得る工程とを少なくとも含む(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル化合物の製造方法が提供される。
本発明によれば、生物活性物質として又はその合成中間体として重要なモノテルペンアルコール及びその誘導体、すなわち、(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール、(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル化合物を簡便で効率的、かつ選択的に合成することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の出発原料である2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)は、例えば、エナミン法(G.Storkら、Journal of Organic Chemistry,85,207−221及びY.Chanら、Organic Syntheses,Coll.Vol.6,496−498)でアルデヒド誘導体エナミンとエチルビニルケトンから容易に合成できる。そして、上記出発原料の一炭素(C1)増炭と官能基変換によってそれぞれの目的物へと導くことが可能である。
本発明の出発原料である2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)は、例えば、エナミン法(G.Storkら、Journal of Organic Chemistry,85,207−221及びY.Chanら、Organic Syntheses,Coll.Vol.6,496−498)でアルデヒド誘導体エナミンとエチルビニルケトンから容易に合成できる。そして、上記出発原料の一炭素(C1)増炭と官能基変換によってそれぞれの目的物へと導くことが可能である。
第一工程は、上記出発原料である2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)のカルボニル基をメチレン基に変換し、1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)に導く工程である。
この工程には、既知の種々の方法、例えば、リンイリドを用いるWittig反応、α−シリルメチルカルバニオンの付加に次いで酸又は塩基で処理するPeterson反応、Tebbe錯体を用いる方法、Petasis試薬を用いる方法、四塩化チタン存在下に、ジヨードメタン又はジブロモメタンを亜鉛で処理して得られる試薬による方法、ハロゲン化メチルマグネシウム、メチルリチウム、トリメチルアルミニウム等のメチルカルバニオン(メチル有機金属試薬)の付加による第三級アルコールの生成に次いで脱水させる方法等が用いられる。このうち、Wittig反応とPeterson反応は、既存の二重結合の位置が変化せず単一の異性体を与える点で好ましく、特に反応条件や後処理及び生成物の単離の容易さの点で、Wittig反応が好ましい。
Wittig反応の好ましい例としては、ハロゲン化トリフェニルメチルホスホニウムを溶媒中、塩基で処理して調製したリンイリド試薬、すなわち、トリフェニルホスホニウムメチリド[(C6H5)3P=CH2]と原料のケトンを反応させる。
リンイリド試薬の調製における原料のハロゲン化トリフェニルメチルホスホニウムとしては、例えば、塩化トリフェニルメチルホスホニウム、臭化トリフェニルメチルホスホニウム、ヨウ化トリフェニルメチルホスホニウム等が挙げられる。
リンイリド試薬の調製における溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類を挙げることができ、これらを単独又は混合して用いることができる。
リンイリド試薬の調製における塩基としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、塩化メチルマグネシウム等の有機金属試薬やナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルコキシド類、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムジシクロヘキシルアミド等の金属アミド類、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の水素化金属類、ジムシルナトリウム等を挙げることができる。塩基の使用量は、ハロゲン化トリフェニルメチルホスホニウム1モルにつき、好ましくは0.5から2モル、より好ましくは1.0から1.5モルである。
リンイリド試薬の調製における反応温度は、好ましくは−78から50℃、より好ましくは−78℃から室温(5から35℃、以下同様。)、更に好ましくは−10℃から室温である。
リンイリド試薬の調製における反応時間は、5分間から18時間が好ましいが、試薬の安定性から5分間から1時間がより好ましい。
リンイリド試薬の調製における原料のハロゲン化トリフェニルメチルホスホニウムとしては、例えば、塩化トリフェニルメチルホスホニウム、臭化トリフェニルメチルホスホニウム、ヨウ化トリフェニルメチルホスホニウム等が挙げられる。
リンイリド試薬の調製における溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類を挙げることができ、これらを単独又は混合して用いることができる。
リンイリド試薬の調製における塩基としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、塩化メチルマグネシウム等の有機金属試薬やナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルコキシド類、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムジシクロヘキシルアミド等の金属アミド類、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の水素化金属類、ジムシルナトリウム等を挙げることができる。塩基の使用量は、ハロゲン化トリフェニルメチルホスホニウム1モルにつき、好ましくは0.5から2モル、より好ましくは1.0から1.5モルである。
リンイリド試薬の調製における反応温度は、好ましくは−78から50℃、より好ましくは−78℃から室温(5から35℃、以下同様。)、更に好ましくは−10℃から室温である。
リンイリド試薬の調製における反応時間は、5分間から18時間が好ましいが、試薬の安定性から5分間から1時間がより好ましい。
このようにして調製したリンイリド試薬であるトリフェニルホスホニウムメチリドと、ケトンである2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)を反応させる。通常、リンイリド試薬の溶液にケトンを無溶媒で又は溶媒で希釈して滴下する。
希釈に使用する溶媒は、リンイリド試薬の調製に用いるものと同様のものが例示できる。
Wittig反応における反応温度は、好ましくは−78から50℃、より好ましくは−78℃から室温、更に好ましくは−10℃から室温である。
Wittig反応におけるリンイリド試薬の使用量は、基質のケトン1モルにつき、好ましくは0.5から10モル、収率や経済性の観点からより好ましくは1.0から2.5モルである。
Wittig反応における反応時間は、ガスクロマトグラフィー(GC)や薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応の進行を追跡して反応を完結させるのがよいが、通常30分間から96時間である。
希釈に使用する溶媒は、リンイリド試薬の調製に用いるものと同様のものが例示できる。
Wittig反応における反応温度は、好ましくは−78から50℃、より好ましくは−78℃から室温、更に好ましくは−10℃から室温である。
Wittig反応におけるリンイリド試薬の使用量は、基質のケトン1モルにつき、好ましくは0.5から10モル、収率や経済性の観点からより好ましくは1.0から2.5モルである。
Wittig反応における反応時間は、ガスクロマトグラフィー(GC)や薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応の進行を追跡して反応を完結させるのがよいが、通常30分間から96時間である。
Wittig反応の後処理、すなわち目的物の単離や精製は、減圧蒸留や各種クロマトグラフィー等の通常の有機合成における精製方法から便宜選択して用いることができるが、工業的経済性の観点から減圧蒸留が好ましい。この際、予め反応で生じるトリフェニルフォスフィンオキシドを貧溶媒で析出させてろ別する等して除去しておいてもよいし、除去せずそのまま減圧蒸留してもよい。以上のようにして、1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)を得る。また、目的物が十分な純度を有している場合には、粗生成物のまま次の工程に用いてもよい。
次の工程は、1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)を(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)に変換する工程である。
この工程には、既知の種々のオレフィンを水和する方法が用いられるが、ヒドロホウ素化−酸化による方法、ヒドロシリル化後にケイ素置換基をフッ素イオン存在下水酸基に変換する方法が好ましく、特に、ヒドロホウ素化−酸化による方法は試薬の選択により水酸基を位置選択的に導入できる点で好ましい。
ヒドロホウ素化では、反応基質1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)を通常溶媒中、ホウ素化合物(ボラン類)と反応させる。
用いられるホウ素化合物としては、例えば、無置換ボラン(BH3、その二量体及びエーテルやアミンとの錯体を含む)又は置換ボラン、すなわち、モノアルキルボラン又はジアルキルボラン等が挙げられる。目的物(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)は、反応基質1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)の1位のメチレン基の外側(exo−側)に水酸基が導入された第一級アルコール化合物であるので、基質の2位の内部オレフィンと反応せず1位のメチレン基とのみ反応することが望ましく、しかも、第三級アルコール、すなわち、1,2,4,4−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−オールが副生しないことが望ましい。これらの選択性の実現のためには、ホウ素化合物としてモノアルキルボラン又はジアルキルボランが好ましい。特に、立体障害の大きなボランが好ましく、テキシルボラン、イソピノカンフェニルボラン、ジシクロヘキシルボラン、ジシアミルボラン、ジイソピノカンフェニルボラン、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)等を例示でき、また後述するが、次の酸化工程では置換ボランのアルキル置換基由来の対応するアルコール化合物が本質的に生成するので、目的物との分離を考慮してボラン類を選択するとよい。これらのホウ素化合物は別途調製又は購入したものを使用できるが、系内で調製してそのまま反応基質との反応に用いることもできる。
ヒドロホウ素化では、反応基質1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)を通常溶媒中、ホウ素化合物(ボラン類)と反応させる。
用いられるホウ素化合物としては、例えば、無置換ボラン(BH3、その二量体及びエーテルやアミンとの錯体を含む)又は置換ボラン、すなわち、モノアルキルボラン又はジアルキルボラン等が挙げられる。目的物(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)は、反応基質1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)の1位のメチレン基の外側(exo−側)に水酸基が導入された第一級アルコール化合物であるので、基質の2位の内部オレフィンと反応せず1位のメチレン基とのみ反応することが望ましく、しかも、第三級アルコール、すなわち、1,2,4,4−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−オールが副生しないことが望ましい。これらの選択性の実現のためには、ホウ素化合物としてモノアルキルボラン又はジアルキルボランが好ましい。特に、立体障害の大きなボランが好ましく、テキシルボラン、イソピノカンフェニルボラン、ジシクロヘキシルボラン、ジシアミルボラン、ジイソピノカンフェニルボラン、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)等を例示でき、また後述するが、次の酸化工程では置換ボランのアルキル置換基由来の対応するアルコール化合物が本質的に生成するので、目的物との分離を考慮してボラン類を選択するとよい。これらのホウ素化合物は別途調製又は購入したものを使用できるが、系内で調製してそのまま反応基質との反応に用いることもできる。
ヒドロホウ素化におけるホウ素化合物の使用量としては、反応基質1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)1モルにつき、好ましくは0.5から30モル、収率や経済性や選択性からより好ましくは1.0から10モルである。
ヒドロホウ素化における反応溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類が好ましく、これらにヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類を混合して用いてもよい。
ヒドロホウ素化における反応溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類が好ましく、これらにヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類を混合して用いてもよい。
ヒドロホウ素化における反応温度は、例えば−78℃から溶媒の沸点まで反応性や選択性や反応速度を考慮して選択できる。
ヒドロホウ素化における反応時間は、薄層クロマトグラフィー(TLC)等で反応の進行を追跡して反応を完結させるのがよく、通常30分間から96時間である。
ヒドロホウ素化における反応時間は、薄層クロマトグラフィー(TLC)等で反応の進行を追跡して反応を完結させるのがよく、通常30分間から96時間である。
続く酸化工程は、上記ヒドロホウ素化で得られた置換ボランをアルカリ性過酸化水素を用いて酸化処理して目的のアルコール化合物(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)を得る工程である。通常、ヒドロホウ素化反応の混合物中にアルカリ溶液、次いで、過酸化水素水溶液を滴下して実施する。滴下の際は反応混合物の急激な温度上昇を防ぐために、冷却下(−20℃から氷冷が好ましい)、ゆっくりと滴下する。
酸化工程におけるアルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液が通常用いられる。また、酸化工程における過酸化水素は市販の35%水溶液が好ましく用いられるが、適宜希釈して用いてもよい。これらアルカリ溶液及び過酸化水素の使用量は、どちらも工業的に大量に安価で入手できるものであるので、反応を完全に進行させるために必要な量であれば特に制限されない。
酸化工程におけるアルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液が通常用いられる。また、酸化工程における過酸化水素は市販の35%水溶液が好ましく用いられるが、適宜希釈して用いてもよい。これらアルカリ溶液及び過酸化水素の使用量は、どちらも工業的に大量に安価で入手できるものであるので、反応を完全に進行させるために必要な量であれば特に制限されない。
目的物の単離や精製は、減圧蒸留や各種クロマトグラフィー等の通常の有機合成における精製方法から適宜選択して用いることができるが、工業的経済性の観点から減圧蒸留が好ましい。また、置換ボランをヒドロホウ素化に用いた場合の置換ボランのアルキル基由来のアルコール化合物は、溶媒留去又は減圧蒸留によって目的物から分離できる。
以上のようにして、2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)から収率よく、かつ選択性よく(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)が得られる。
以上のようにして、2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)から収率よく、かつ選択性よく(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)が得られる。
得られた(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)は、更にエステル化して、(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル(4)に変換することができる。
Rは、水素又は炭素数1から10、好ましくは炭素数1から5の炭化水素基である。Rの種類によって種々のエステル化合物になり得る。例えば、Rが水素の場合のエステル化合物としてはギ酸エステルとなる。
Rの炭化水素基の具体例としては、メチル基(エステル化合物としては酢酸エステルとなる)、エチル基(エステル化合物としてはプロピオン酸エステルとなる)、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロプロピル基、ジメチルシクロプロピル基(すべてのメチル基の置換位置を含む、以下同じ。)、メチルシクロブチル基、ジメチルシクロブチル基、トリメチルシクロブチル基、テトラメチルシクロブチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、トリメチルシクロペンチル基、テトラメチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状もしくは環状の飽和炭化水素基、又は、ビニル基(エステル化合物としてはアクリル酸エステルとなる。)、1−プロペニル基(エステル化合物としてはクロトン酸エステルとなる。)、2−プロペニル基(エステル化合物としてはメタクリル酸エステルとなる。)、2−メチル−1−プロペニル基(エステル化合物としてはセネシオ酸エステルとなる。)、エチニル基(エステル化合物としてはプロピオール酸エステルとなる。)、プロピニル基、1−ブチニル基、シクロペンテニル基(すべての二重結合の位置を含む、以下同じ。)、シクロヘキセニル基、ジクロヘキサジエニル基、メチルシクロヘキセニル基等の直鎖状、分岐状もしくは環状の不飽和炭化水素基、又はこれらと異性体の関係にある炭化水素基が挙げられる。
Rの炭化水素基の具体例としては、メチル基(エステル化合物としては酢酸エステルとなる)、エチル基(エステル化合物としてはプロピオン酸エステルとなる)、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロプロピル基、ジメチルシクロプロピル基(すべてのメチル基の置換位置を含む、以下同じ。)、メチルシクロブチル基、ジメチルシクロブチル基、トリメチルシクロブチル基、テトラメチルシクロブチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、トリメチルシクロペンチル基、テトラメチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状もしくは環状の飽和炭化水素基、又は、ビニル基(エステル化合物としてはアクリル酸エステルとなる。)、1−プロペニル基(エステル化合物としてはクロトン酸エステルとなる。)、2−プロペニル基(エステル化合物としてはメタクリル酸エステルとなる。)、2−メチル−1−プロペニル基(エステル化合物としてはセネシオ酸エステルとなる。)、エチニル基(エステル化合物としてはプロピオール酸エステルとなる。)、プロピニル基、1−ブチニル基、シクロペンテニル基(すべての二重結合の位置を含む、以下同じ。)、シクロヘキセニル基、ジクロヘキサジエニル基、メチルシクロヘキセニル基等の直鎖状、分岐状もしくは環状の不飽和炭化水素基、又はこれらと異性体の関係にある炭化水素基が挙げられる。
エステル化反応としては、公知のエステルの製造方法、例えば、アシル化剤との反応、カルボン酸との反応、エステル交換反応を適用できる。
エステル化反応としてアシル化剤との反応を用いる場合、溶媒は、好ましくは、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒類から選択して、単独あるいは2種類以上を混合して使用できる。
アシル化剤は、好ましくは、酸ハロゲン化物、又は混合酸無水物を含む酸無水物である。酸ハロゲン化物としては、好ましくは、酸クロリド(式(4)中のRの炭化水素基に対応したRCOCl)、酸ブロミド(式(4)中のRに対応したRCOBr)等が挙げられる。混合酸無水物を含む酸無水物として、好ましくは、式(4)中のRに対応したRCOOXが挙げられ、ここで、Xは、R2C=O(R2は、水素又は炭素数1から10の炭化水素基、好ましくは炭素数1から5の炭化水素基であり、Rと同じであっても異なってもよいが、好ましくはRと同じであり、上述したRと同じ具体例が挙げられる。)、トリフルアセチル基、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、又はp−ニトロフェニル基等の脱離基を表す。
アシル化剤との反応では、上記溶媒中、反応基質の(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)と、アシル化剤と、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基類を順次又は同時に加えて反応させる。酸無水物等のアシル化剤を用いる反応では、塩基の代わりに塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類から選ばれる酸触媒下に反応を行うこともできる。
アシル化剤の使用量は、反応基質の構造に依存するが、原料のアルコール化合物1モルにつき、好ましくは1から40モル、より好ましくは1から5モルの範囲である。
アシル化剤は、好ましくは、酸ハロゲン化物、又は混合酸無水物を含む酸無水物である。酸ハロゲン化物としては、好ましくは、酸クロリド(式(4)中のRの炭化水素基に対応したRCOCl)、酸ブロミド(式(4)中のRに対応したRCOBr)等が挙げられる。混合酸無水物を含む酸無水物として、好ましくは、式(4)中のRに対応したRCOOXが挙げられ、ここで、Xは、R2C=O(R2は、水素又は炭素数1から10の炭化水素基、好ましくは炭素数1から5の炭化水素基であり、Rと同じであっても異なってもよいが、好ましくはRと同じであり、上述したRと同じ具体例が挙げられる。)、トリフルアセチル基、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、又はp−ニトロフェニル基等の脱離基を表す。
アシル化剤との反応では、上記溶媒中、反応基質の(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)と、アシル化剤と、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基類を順次又は同時に加えて反応させる。酸無水物等のアシル化剤を用いる反応では、塩基の代わりに塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類から選ばれる酸触媒下に反応を行うこともできる。
アシル化剤の使用量は、反応基質の構造に依存するが、原料のアルコール化合物1モルにつき、好ましくは1から40モル、より好ましくは1から5モルの範囲である。
アシル化反応温度は、用いるアシル化剤の種類や反応条件により適切な反応温度を選択できるが、一般的には−50℃から溶媒の沸点が好ましく、−20℃から室温が更に好ましい。
エステル化反応としてカルボン酸との反応を用いる場合、対応するカルボン酸と原料のアルコール化合物(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)との脱水反応であり、酸触媒下に行うのが一般的である。
カルボン酸の使用量は、反応基質の構造に依存するが、原料のアルコール化合物1モルにつき、好ましくは1から40モル、より好ましくは1から5モルの範囲である。
カルボン酸との反応に用いる酸触媒の例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類を挙げることができ、これらは単独又は混合して用いられる。酸触媒の使用量は、原料のアルコール化合物1モルにつき、好ましくは0.001から1モル、より好ましくは0.01から0.05モルの触媒量である。
カルボン酸との反応に用いる溶媒としては、上記アシル化剤との反応に挙げたものと同様のものを例示できるが、一般的には−50℃から溶媒の沸点が好ましい。へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類を含む溶媒を用いて、生じる水を共沸により系外に除去しながら反応を進行させてもよい。この場合、常圧で溶媒の沸点で還流しながら水を留去してもよいが、減圧下に沸点より低い温度で水の留去を行ってもよい。
カルボン酸との反応に用いる酸触媒の例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類を挙げることができ、これらは単独又は混合して用いられる。酸触媒の使用量は、原料のアルコール化合物1モルにつき、好ましくは0.001から1モル、より好ましくは0.01から0.05モルの触媒量である。
カルボン酸との反応に用いる溶媒としては、上記アシル化剤との反応に挙げたものと同様のものを例示できるが、一般的には−50℃から溶媒の沸点が好ましい。へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類を含む溶媒を用いて、生じる水を共沸により系外に除去しながら反応を進行させてもよい。この場合、常圧で溶媒の沸点で還流しながら水を留去してもよいが、減圧下に沸点より低い温度で水の留去を行ってもよい。
エステル化反応としてエステル交換反応を用いる場合、対応するカルボン酸と低級アルコールとのカルボン酸エステル化合物と原料のアルコール化合物とを触媒存在下に反応させ、生じる低級アルコールを除去することにより実施する。
カルボン酸エステル化合物としては、第一級アルキルエステルが好ましく、特にメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステルが価格、反応の進行のし易さ等の点から好ましい。このカルボン酸エステル化合物の使用量は、反応基質の構造に依存するが、原料のアルコール化合物1モルにつき、好ましくは1から40モル、より好ましくは1から5モルの範囲である。
カルボン酸エステル化合物としては、第一級アルキルエステルが好ましく、特にメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステルが価格、反応の進行のし易さ等の点から好ましい。このカルボン酸エステル化合物の使用量は、反応基質の構造に依存するが、原料のアルコール化合物1モルにつき、好ましくは1から40モル、より好ましくは1から5モルの範囲である。
エステル交換反応に用いる触媒としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基類、青酸ナトリウム、青酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸錫、酢酸アルミニウム、アセト酢酸アルミニウム、アルミナ等の塩類、三塩化アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、四塩化錫、四臭化錫、二塩化ジブチル錫、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫オキシド、四塩化チタン、四臭化チタン、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、酸化チタン(IV)等のルイス酸類を挙げることができ、これらは単独又は混合して用いられる。
エステル交換反応に用いる触媒の使用量は、原料のアルコール化合物1モルにつき、好ましくは0.001から20モル、より好ましくは0.01から0.05モルの触媒量である。反応は無溶媒(反応試薬であるカルボン酸エステル自身を溶媒として用いてもよい)で行うことができ、余計な濃縮や溶媒回収等の操作を必要としないので好ましいが、目的物や反応試薬の重合を防ぐ等の目的で溶媒を補助的に用いることも可能である。
エステル交換反応に用いる溶媒として、例えば、へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類の単独又は混合使用が好ましい。
エステル交換反応の反応温度は、用いるカルボン酸エステル化合物の種類や反応条件により適切な反応温度を選択できるが、通常、加熱下に行われ、エステル交換反応で生じる低沸点の低級アルコール、即ち、メタノール、エタノール、1−プロパノール等の沸点付近で反応を行い、生じる低級アルコールを留去しながら行うのがよい結果を与える。減圧下に沸点より低い温度でアルコールの留去を行ってもよい。
目的の(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル化合物(4)の単離や精製は、減圧蒸留や各種クロマトグラフィー等の通常の有機合成における精製方法から適宜選択して用いることができるが、工業的経済性の観点から減圧蒸留が好ましい。
以上のようにして、2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)から収率よく、かつ選択性よく(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル化合物(4)が得られる。
以上のようにして、2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)から収率よく、かつ選択性よく(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル・エステル化合物(4)が得られる。
以下、実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
合成例1
出発原料2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)の合成
出発原料2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)は、以下の反応経路により、具体的には下記の方法によって合成された。
合成例1
出発原料2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)の合成
出発原料2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)は、以下の反応経路により、具体的には下記の方法によって合成された。
窒素雰囲気下、氷冷したイソブチルアルデヒドピロリジンエナミン68.5gにエチルビニルケトン40.4gを10分かけて滴下した。滴下後、反応混合物を徐々に室温まで上げ、更に室温で17時間かき混ぜた。反応混合物を再び氷冷した後、20%塩酸400mlを滴下した。滴下後、反応混合物を徐々に室温まで上げ、更に室温で30時間かき混ぜた。反応混合物をジエチルエーテルで抽出し、ジエチルエーテル層を分離し、水層を炭酸水素ナトリウムで中和した後、更にジエチルエーテルで抽出した。合わせたジエチルエーテル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して得られた粗生成物を減圧蒸留して目的物53.9g(収率82%)を得た。
2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(2)
無色の液体
沸点 76℃/1.9kPa
IR(D−ATR):ν=2958,2925,2867,1676,1448,1362cm-1。
EI−MS(70eV):m/z=27,41,55,67,81,95,110,123,138(M+)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=1.11(6H,s),1.70(3H,d,J=1.5Hz),1.81(2H,dt様,J=0.8,6.9Hz),2.42(2H,t様,J=7.0Hz),6.37−6.39(1H,m)ppm。
13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ=15.91,27.93(2C),32.89,34.44,36.33,132.47,155.07,199.73ppm。
無色の液体
沸点 76℃/1.9kPa
IR(D−ATR):ν=2958,2925,2867,1676,1448,1362cm-1。
EI−MS(70eV):m/z=27,41,55,67,81,95,110,123,138(M+)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=1.11(6H,s),1.70(3H,d,J=1.5Hz),1.81(2H,dt様,J=0.8,6.9Hz),2.42(2H,t様,J=7.0Hz),6.37−6.39(1H,m)ppm。
13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ=15.91,27.93(2C),32.89,34.44,36.33,132.47,155.07,199.73ppm。
実施例1
1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)の合成
窒素雰囲気下、合成例1の方法で合成した2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)55.0gを氷冷した臭化メチルトリフェニルホスホニウム181gとカリウムt−ブトキシド56.1gからテトラヒドロフラン700mlとトルエン300mlの混合溶媒中で調製したリンイリド溶液に20分間かけて滴下した。混合物を氷冷のまま80分間かき混ぜた後、氷水にあけて有機層を分取した。水層をジエチルエーテルで抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣にn−ヘキサンを加え、生じたトリフェニルフォスフィンオキシドを濾別した。濾液を減圧濃縮して得た粗生成物を減圧蒸留して目的物44.31g(収率83%)を得た。
1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)の合成
窒素雰囲気下、合成例1の方法で合成した2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン(1)55.0gを氷冷した臭化メチルトリフェニルホスホニウム181gとカリウムt−ブトキシド56.1gからテトラヒドロフラン700mlとトルエン300mlの混合溶媒中で調製したリンイリド溶液に20分間かけて滴下した。混合物を氷冷のまま80分間かき混ぜた後、氷水にあけて有機層を分取した。水層をジエチルエーテルで抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣にn−ヘキサンを加え、生じたトリフェニルフォスフィンオキシドを濾別した。濾液を減圧濃縮して得た粗生成物を減圧蒸留して目的物44.31g(収率83%)を得た。
1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)
無色の液体
沸点 110℃/21kPa
EI−MS(70eV):m/z=27,39,53,65,79,93,105,121,136(M+)。
IR(D−ATR):ν=2955,2922,2854,1604,1440,878cm-1。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=1.01(6H,s),1.50−1.53(3H,m),1.79(2H,d,J=1.5Hz),2.37−2.41(2H,m),4.77(1H,quint−様,J=1.5Hz),4.87(1H,br.s),5.39(1H,s)ppm。
13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ=19.65,28.97,29.20(2C),32.66,37.44,107.58,129.95,138.59,144.50ppm。
無色の液体
沸点 110℃/21kPa
EI−MS(70eV):m/z=27,39,53,65,79,93,105,121,136(M+)。
IR(D−ATR):ν=2955,2922,2854,1604,1440,878cm-1。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=1.01(6H,s),1.50−1.53(3H,m),1.79(2H,d,J=1.5Hz),2.37−2.41(2H,m),4.77(1H,quint−様,J=1.5Hz),4.87(1H,br.s),5.39(1H,s)ppm。
13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ=19.65,28.97,29.20(2C),32.66,37.44,107.58,129.95,138.59,144.50ppm。
実施例2
(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)の合成例1
窒素雰囲気下、氷冷したボラン−テトラヒドロフラン溶液 0.9M、145mlに2−メチル−2−ブテン19.0gを5分間かけて滴下し、氷冷下2時間かき混ぜ系内でジシアミルボラン(Disiamylborane)を調製した。
次に、実施例1の方法で合成した1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)11.24gとテトラヒドロフラン50mlの混合物を調製したジシアミルボランに5分間で滴下した。反応混合物を氷冷下5分かき混ぜ、次いで氷浴をとり、室温で終夜かき混ぜた。
反応混合物を再び氷冷した後、99.5質量%エタノール12ml、25%水酸化ナトリウム水溶液44g、35%過酸化水素水44gを注意深く順次加え、氷冷下30分間、更に室温で1時間かき混ぜた。水25mlを加え、有機層を分取し、水層をエーテルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し粗生成物19.87g(ガスクロマトグラフィー純度76.0%、純度換算収率84%)を得た。
この粗生成物の各種クロマトグラフィー及びスペクトル分析において、異性体(2,4,4−トリメチル−1−シクロヘキセン)メタノール及び1,2,4,4−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−オールは検出されず、シクロヘキセン環内二重結合の移動は起こらなかった。また、ヒドロホウ素化反応はexo−側から選択的に進行したことが示された。この粗製生物は中間体として十分な純度を有しており、このまま次の工程に用いた。
(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)の合成例1
窒素雰囲気下、氷冷したボラン−テトラヒドロフラン溶液 0.9M、145mlに2−メチル−2−ブテン19.0gを5分間かけて滴下し、氷冷下2時間かき混ぜ系内でジシアミルボラン(Disiamylborane)を調製した。
次に、実施例1の方法で合成した1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)11.24gとテトラヒドロフラン50mlの混合物を調製したジシアミルボランに5分間で滴下した。反応混合物を氷冷下5分かき混ぜ、次いで氷浴をとり、室温で終夜かき混ぜた。
反応混合物を再び氷冷した後、99.5質量%エタノール12ml、25%水酸化ナトリウム水溶液44g、35%過酸化水素水44gを注意深く順次加え、氷冷下30分間、更に室温で1時間かき混ぜた。水25mlを加え、有機層を分取し、水層をエーテルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し粗生成物19.87g(ガスクロマトグラフィー純度76.0%、純度換算収率84%)を得た。
この粗生成物の各種クロマトグラフィー及びスペクトル分析において、異性体(2,4,4−トリメチル−1−シクロヘキセン)メタノール及び1,2,4,4−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−オールは検出されず、シクロヘキセン環内二重結合の移動は起こらなかった。また、ヒドロホウ素化反応はexo−側から選択的に進行したことが示された。この粗製生物は中間体として十分な純度を有しており、このまま次の工程に用いた。
(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)
無色の液体
EI−MS(70eV):m/z=31,41,55,67,81,93,108,123,139,154(M+)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=0.937(3H,s),0.941(3H,s),1.32−1.40(2H,m),1.45−1.52(1H,m),1.65−1.68(3H,m),1.68−1.74(2H,m),2.50−2.12(1H,m),3.56−3.71(2H,m),5.28(1H,s)ppm。
無色の液体
EI−MS(70eV):m/z=31,41,55,67,81,93,108,123,139,154(M+)。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=0.937(3H,s),0.941(3H,s),1.32−1.40(2H,m),1.45−1.52(1H,m),1.65−1.68(3H,m),1.68−1.74(2H,m),2.50−2.12(1H,m),3.56−3.71(2H,m),5.28(1H,s)ppm。
実施例3
(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)の合成例2
上記実施例2で系内で調製したジシアミルボランの代わりに、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)を用いた以外は、実施例2に準じた方法により1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)から目的物(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)(定量的収率)を得た。得られた目的物の各種スペクトルは、実施例2の目的物のそれらと一致した。
(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)の合成例2
上記実施例2で系内で調製したジシアミルボランの代わりに、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)を用いた以外は、実施例2に準じた方法により1−メチレン−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン(2)から目的物(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)(定量的収率)を得た。得られた目的物の各種スペクトルは、実施例2の目的物のそれらと一致した。
実施例4
式(4)においてRがn−プロピル基である酪酸(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチルの合成
窒素雰囲気下氷冷しながら、実施例2の方法で合成した(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)18.8g、ピリジン14.5g、アセトニトリル200mlの混合物に、酪酸クロリド18.9gを10分間で滴下した。氷冷で10分間、室温で90分間かき混ぜた後、反応混合物を氷水にあけ、n−ヘキサンで抽出した。分取した有機層を希塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を減圧蒸留して目的物17.42g(収率84%)を得た。
式(4)においてRがn−プロピル基である酪酸(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチルの合成
窒素雰囲気下氷冷しながら、実施例2の方法で合成した(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン)メタノール(3)18.8g、ピリジン14.5g、アセトニトリル200mlの混合物に、酪酸クロリド18.9gを10分間で滴下した。氷冷で10分間、室温で90分間かき混ぜた後、反応混合物を氷水にあけ、n−ヘキサンで抽出した。分取した有機層を希塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を減圧蒸留して目的物17.42g(収率84%)を得た。
酪酸(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル
無色の液体
沸点 80−83℃/400Pa
EI−MS(70eV):m/z=27,43,55,71,93,108,121,136。
IR(D−ATR):ν=2956,2934,2864,1738,1453,1303,1176cm-1。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=0.91−0.97(9H,m),1.29−1.36(1H,m),1.41−1.48(1H,m),1.56−1.73(7H,m),2.17−2.23(1H,m),2.28(2H,t,J=7.2Hz),3.98(1H,dd,J=8.4,11Hz),4.14(1H,dd,J=4.0,11Hz),5.23(1H,s)ppm。
13C−NMR(150MHz,CDCl3):δ=13.67,18.44,22.03,22.83,29.56,30.06,31.78,33.76,36.29,38.30,65.43,130.11,135.79,173.81ppm。
これらのスペクトルデータは非特許文献1のものとよい一致を示した。
無色の液体
沸点 80−83℃/400Pa
EI−MS(70eV):m/z=27,43,55,71,93,108,121,136。
IR(D−ATR):ν=2956,2934,2864,1738,1453,1303,1176cm-1。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=0.91−0.97(9H,m),1.29−1.36(1H,m),1.41−1.48(1H,m),1.56−1.73(7H,m),2.17−2.23(1H,m),2.28(2H,t,J=7.2Hz),3.98(1H,dd,J=8.4,11Hz),4.14(1H,dd,J=4.0,11Hz),5.23(1H,s)ppm。
13C−NMR(150MHz,CDCl3):δ=13.67,18.44,22.03,22.83,29.56,30.06,31.78,33.76,36.29,38.30,65.43,130.11,135.79,173.81ppm。
これらのスペクトルデータは非特許文献1のものとよい一致を示した。
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