JP2015077279A - 遊技機 - Google Patents

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宏一 中條
Koichi Nakajo
宏一 中條
園田 欽章
Yoshiaki Sonoda
欽章 園田
亀井 欽一
Kinichi Kamei
欽一 亀井
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Abstract

【課題】変動入賞装置の一部を機種に拘らず共通に使用可能な遊技機を提供する。【解決手段】変動入賞装置745は、当該変動入賞装置745に設けられた大入賞口746を通過して入賞した遊技球が流下可能な入賞球流路768を形成した裏ユニット752と、裏ユニット752の前面側で当該変動入賞装置745を装飾する前面装飾ユニット751と、を含み、裏ユニット752は、大入賞口746を開閉可能な入賞開閉部材777を軸支する【選択図】図104

Description

本発明は、遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な変動入賞装置を備えるパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
従来の遊技機、例えば、パチンコ遊技機においては、開閉部材で開閉可能な大入賞口が設けられた変動入賞装置(入賞口ユニット)を備え、変動入賞装置の前面を装飾する装飾パネル(ベース板)に開閉部材を軸着することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−160028号公報
ところで、上記特許文献1に記載の変動入賞装置では、パチンコ遊技機の機種のデザインに対応した装飾パネルを備えているため、デザインが異なる他の機種に変動入賞装置を流用し難い。このため、新たな機種を開発する度に変動入賞装置を改めて設計しなければならない。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、変動入賞装置の一部を機種に拘らず共通に使用可能な遊技機を提供しようとするものである。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な変動入賞装置を備える遊技機において、
前記変動入賞装置は、
当該変動入賞装置に設けられた変動入賞口を通過して入賞した遊技球が流下可能な入賞球流路を形成した裏ユニットと、
前記裏ユニットの前面側で当該変動入賞装置を装飾する前面装飾ユニットと、
を含み、
前記裏ユニットは、前記変動入賞口を開閉可能な開閉部材を軸支することを特徴とする遊技機である。
請求項2に記載のものは、前記変動入賞装置には、前記変動入賞口とは異なる一般入賞口を備え、
前記入賞球流路は、前記変動入賞口を通過して入賞した遊技球と、前記一般入賞口を通過して入賞した遊技球とが流下可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機である。
請求項3に記載のものは、前記裏ユニットは、
前記変動入賞口を通過した遊技球を入賞球として、一端寄りに設けられた球検出部により検出する変動入賞センサと、
前記一般入賞口を通過した遊技球を入賞球として、一端寄りに設けられた球検出部により検出する一般入賞センサと、
を横に並べて備え、
前記変動入賞センサの前記一端と前記一般入賞センサの他端とを揃えて、前記変動入賞センサの球検出部を前記一般入賞センサの球検出部よりも前記遊技盤の表面から離して配置したことを特徴とする請求項2に記載の遊技機である。
請求項4に記載のものは、前記裏ユニットは、前記開閉部材が閉成状態で当接する閉成ストッパーを備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の遊技機である。
本発明によれば、変動入賞装置の裏ユニットをパチンコ遊技機の機種に拘らず共通に使用することができる。
遊技盤の正面図である。 遊技盤の分解斜視図である。 センター裏面装置の分解斜視図である。 下側演出ユニットの斜視図である。 前側演出機構の正面図である。 前側演出機構の構成を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。 前側演出機構の動作を示す説明図であり、(a)は前側スライドパネルが上死点に到達する直前の状態の説明図、(b)は前側スライドパネルが上死点に到達した状態の説明図である。 上側演出ユニットおよび下側演出ユニットを演出実行状態に変換した状態の説明図である。 後側演出機構の正面図である。 前側演出機構の動作を示す背面図であり、(a)は常態の説明図、(b)は演出実行状態の説明図である。 上側演出ユニットの斜視図である。 上側演出ユニットの動作を示す説明図であり、(a)は常態の説明図、(b)は演出実行状態の説明図である。 上側演出駆動機構の説明図であり、(a)は常態の説明図、(b)は演出実行状態の説明図である。 右側演出ユニットの斜視図である。 右側演出ユニットの正面図である。 装飾可動役物の移動演出実行状態の説明図である。 装飾可動役物および装飾動作役物の移動演出実行状態の説明図である。 第1可動部材の説明図であり、(a)は全体の説明図、(b)は装飾揺動基部の周辺の説明図である。 第2可動部材の断面図であり、(a)は常態の断面図、(b)は回動演出実行状態の断面図である。 第2可動カムフォロワと右側カム突起との動作の説明図であり、(a)は装飾可動役物の常態において前方から見た斜視図、(b)は(a)の後方から見た斜視図、(c)は装飾可動役物の移動演出実行状態において後方から見た斜視図である。 左側演出ユニットの斜視図である。 左側演出ユニットの正面図である。 装飾動作本体の動作機構の説明図であり、(a)は常態の説明図、(b)は演出実行状態の説明図である。 遊技制御装置を中心に示した制御系統のブロック図である。 演出制御装置を中心に示した制御系統のブロック図である。 特図変動表示ゲームの実行中に行われる予告表示の説明図であり、(a)は弱予告表示の説明図、(b)は強予告表示の説明図である。 飾り特図変動表示ゲームの擬似連パターンにおける演出動作の前半の説明図である。 飾り特図変動表示ゲームの擬似連パターンにおける演出動作の後半の説明図である。 飾り特図変動表示ゲームの再変動パターンにおける演出動作の説明図である。 飾り特図変動表示ゲームの識別情報が揺動するパターンにおける演出動作の説明図である。 メイン処理を説明するフローチャートの前半部分である。 メイン処理を説明するフローチャートの後半部分である。 タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。 コマンド送信処理を説明するフローチャートである。 演出制御コマンド送信処理を説明するフローチャートである。 演出制御コマンド出力処理を説明するフローチャートである。 コマンドデータ出力処理を説明するフローチャートである。 特図ゲーム処理を説明するフローチャートである。 始動口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。 特図始動口スイッチ共通処理を説明するフローチャートである。 特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。 特図普段処理を説明するフローチャートである。 特図1変動開始処理を説明するフローチャートである。 特図2変動開始処理を説明するフローチャートである。 小当りフラグ1設定処理を説明するフローチャートである。 小当りフラグ2設定処理を説明するフローチャートである。 1stメイン処理を説明するフローチャートである。 コマンド受信割込み処理を説明するフローチャートである。 2ndメイン処理を説明するフローチャートである。 第2実施形態の前側演出機構における演出可動役物の説明図であり、(a)は常態の説明図、(b)は常態から演出実行状態への変換途中の説明図、(c)は演出実行状態の説明図である。 演出可動役物および上側演出部材の動作により行われる予告表示の説明図であり、(a)は弱予告表示の説明図、(b)は強予告表示の説明図である。 演出可動役物を備えた前側演出機構の変形例であり、(a)は2つの演出可動役物を備えた変形例、(b)は演出実行状態の演出可動役物が変動表示装置の表示画面の対角線上に重なって位置する変形例である。 第3実施形態の右側演出ユニットにおける展開可動役物の説明図であり、(a)は常態の説明図、(b)は装飾移動部材による展開装飾装置の移動中の状態の説明図、(c)は表示画面の前方に移動した展開装飾装置の回動を開始した状態の説明図、(d)は演出実行状態の説明図である。 第3実施形態の展開役物駆動機構の説明図であり、(a)は常態の説明図、(b)は展開装飾装置の移動中の状態の説明図、(c)は展開装飾装置を表示画面の前方に移動した状態の説明図である。 第3実施形態の展開装飾装置の説明図であり、(a)は収縮状態の説明図、(b)は展開状態の説明図である。 展開装飾装置の変形例の説明図であり、(a)は展開装飾ベース部材に装飾表示器を備えた変形例の説明図、(b)は装飾表示器に人体検出センサを備えた変形例の説明図である。 第4実施形態の遊技盤の概略図である。 大当り中先読み報知処理のフローチャートである。 先読み演出表示の説明図である。 (a)は大当り中先読み報知処理のフローチャートの変形例、(b)は大当り中先読み結果を表示する始動記憶数と一般入賞口への入賞球数との関係を示す表である。 装飾可動役物の動作を伴う先読み演出の説明図である。 演出可動役物の動作を伴う先読み演出の説明図である。 展開可動役物の動作を伴う先読み演出の説明図である。 複数の始動記憶に対して先読み結果を表示する例の説明図である。 演出制御装置の装飾制御処理において実行されるST中先読み報知処理のフローチャートである。 先読み結果表示を素早く実行する態様の説明図である。 遊技制御装置の特図普段処理において実行されるST中先読み報知処理のフローチャートである。 第5実施形態におけるST上乗せ演出の説明図である。 第5実施形態の遊技盤の概略図である。 第5実施形態におけるST上乗せ演出の変形例の説明図である。 電サポ回数判定処理のフローチャートである。 表示用電サポ回数決定処理のフローチャートである。 電サポ上乗せ報知処理のフローチャートである。 大当り遊技終了時に一般入賞口への入賞球数を表示した状態の説明図である。 大当り遊技実行中における一般入賞口への入賞球数に応じて演出部材の動作が異なる様子の説明図である。 通常中絆チャッカー入賞処理のフローチャートである。 一般入賞口への入賞に関する情報の表示例である。 大入賞口の両側方に一般入賞口を配置した遊技領域の説明図である。 大入賞口を遊技領域の左右方向の中央部に配置し、該大入賞口の両側方に一般入賞口を配置した遊技領域の説明図である。 大入賞口を遊技領域の左右方向の中央部に配置し、該大入賞口の右側方に一般入賞口を配置した遊技領域の説明図である。 2つの大入賞口が設けられた入賞装置ユニットに一般入賞口を備えた遊技領域の説明図である。 (a)は図柄の内側領域に背景として設定される龍の動画を表示する識別情報の説明図であり、(b)は背景の全体図である。 (a)は図柄の内側領域に背景として設定される花びらの動画を表示する識別情報の説明図であり、(b)は背景の全体図である。 (a)は図柄の内側領域に背景として設定される花火の動画を表示する識別情報の説明図であり、(b)は背景の全体図である。 (a)は図柄の内側領域に背景として設定される花火の動画を表示する識別情報のリーチ状態の説明図であり、(b)は(a)から背景の全体表示に切り替えた状態の説明図である。 遊技役物の前面に有機EL表示器を備えた遊技盤の説明図である。 客待ち状態の所定時間経過後に呼び込み演出を実行する可動役物および変動表示装置の説明図である。 所定時刻の到来時に呼び込み演出を実行する可動役物および変動表示装置の説明図である。 所定日時および所定時刻の到来時に呼び込み演出を実行する可動役物および変動表示装置の説明図である。 照明装置の正面図である。 照明装置の分解斜視図である。 図90における照明装置のA−A線断面図である。 発光基板の正面図である。 導光部材の背面図である。 図94における導光部のB−B線断面図である。 導光部材の導光反射部を説明する断面図である。 導光反射領域の光の反射状態を示す説明図である。 導光反射領域の境界部分を示す導光部材の説明図である。 拡散部材の正面図である。 照明装置の発光態様の説明図である。 変動入賞装置の斜視図である。 変動入賞装置の正面図である。 図102における変動入賞装置のA−A線断面図である。 変動入賞装置を前面装飾ユニットと裏ユニットとに分離した状態の斜視図である。 裏ユニットの内部構造を示す正面図である。 裏ユニットの分解斜視図である。 図102における変動入賞装置のB−B線断面図である。 球流下通路を備えたセンターフレームの正面図である。 球流下通路を備えたセンターフレームの側面図である。 図108における球流下通路のA−A線断面図である。
以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、説明の便宜上、パチンコ遊技機(遊技盤)の遊技者側を「前」または「表」と称し、パチンコ遊技機(遊技盤)の遊技者とは反対側を「後」または「裏」と称す。
パチンコ遊技機の遊技盤1は、図1および図2に示すように、合板やプラスチックなどからなる矩形状の遊技ベースユニット2を備え、該遊技ベースユニット2の前面に枠状のサイドケース(区画部材)3を遊技ベースユニット2の各辺に沿う状態で止着して、遊技球が流下可能な遊技領域4を略円形状に区画形成し、該遊技領域4の側方(図2中、左側方)には縦長円弧状の発射球案内路5を備えている。そして、遊技領域4内の中央部分には枠状のセンターフレーム6を配置し、該センターフレーム6の下部の側方(図1中、右側方)には普図始動ゲート(球通過ゲート)7を配置し、遊技球の普図始動ゲート7への入賞(通過)を始動条件(普図始動条件)として普図変動表示ゲームを実行可能としている。
また、遊技領域4のうちセンターフレーム6の下方には2つの始動入賞口(始動口)、詳しくは上側に位置する第1始動入賞口11と、下側に位置する第2始動入賞口12とを上下に並べた状態で配置し、遊技球の始動入賞口11,12への入賞を始動条件(特図始動条件)として特図変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、第2始動入賞口12には普通電動役物(開閉部材)13を備え、該普通電動役物13を開放(遊技球が第2始動入賞口12に入賞し易い開状態)と閉成(第2始動入賞口12への入賞を阻止する閉状態)とに変換可能としている。そして、2つの始動入賞口11,12の左右両側方には一般入賞口14,15を配置し、普図始動ゲート7側(図1中、右側)に位置する一般入賞口14と始動入賞口11,12との間には、横長な大入賞口16を備え、大入賞口16の入賞開閉部材16aを開放(遊技球が大入賞口16に入賞し易い開状態)と閉成(大入賞口16への入賞を阻止する閉状態)とに変換可能としている。
さらに、第2始動入賞口12の下方に位置する遊技領域4の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口18を開設し、遊技領域4のうちセンターフレーム6、普図始動ゲート7、第1始動入賞口11、第2始動入賞口12、一般入賞口14,15、大入賞口16等の取付部分を除いた箇所には、遊技球が衝接可能な障害釘19を植設している。そして、サイドケース3の一側の下部(図2中、右下部)には一括表示装置20を備え、該一括表示装置20において普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム、遊技状態の表示等を行う。
また、図2に示すように、遊技ベースユニット2の裏面には矩形枠状のセンター裏面装置23を装着し、該センター裏面装置23の裏側には変動表示装置(表示装置)25を装着し、変動表示装置25の表示画面25aをセンター裏面装置23およびセンターフレーム6を通して遊技盤1の前方に臨ませている。そして、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームに対応する演出表示)や、遊技における演出表示を変動表示装置25の表示画面25aで表示可能としている。
次に、センター裏面装置23について説明する。
センター裏面装置23は、図3に示すように、遊技ベースユニット2の裏面側に止着される額縁状の裏面ケース部材30を前側が開放した状態で備え、該裏面ケース部材30の後部には矩形状の表示開口窓30aを遊技ベースユニット2の板厚方向に沿って貫通して開設し、裏面ケース部材30の後方から変動表示装置25を装着して、該変動表示装置25の表側に位置する表示画面25aを表示開口窓30aから前方へ臨ませている。さらに、裏面ケース部材30の内側には、複数の演出ユニットを表示開口窓30aの周縁に沿って配置し、各演出ユニットが変動表示装置25の周縁に位置するように構成されている。具体的には、裏面ケース部材30の内側の下縁には横長な下側演出ユニット31を配置し、上縁には横長な上側演出ユニット32を配置し、右側縁には縦長な右側演出ユニット33を配置し、左側縁には縦長な左側演出ユニット34を配置している。
下側演出ユニット31は、図4に示すように、前側演出機構36と後側演出機構37とを前後に重合して構成されており、前側演出機構36の前方の一側(図4中、左側)には、遊技領域4の発射球案内路5側(図1中、左側)に位置する一般入賞口15の入賞球を流下させる流路部材39を備え、他側(図4中、右側)には、当該下側演出ユニット31に電力や信号を供給するための下側中継基板ユニット40を備えている。
前側演出機構36は、図5から図7に示すように、横長な前側演出ベース42に縦長な前側ガイドシャフト43を備え、該前側ガイドシャフト43には横向き短冊状の前側スライドパネル44を摺動可能な状態で装着し、該前側スライドパネル44が前側ガイドシャフト43に沿って上下動できるように構成されている。また、前側スライドパネル44の中央部には縦長な前側スライドラック45を備え、前側演出ベース42に設けられた前側演出ギア群(第1前側演出ギア46、第2前側演出ギア47、第3前側演出ギア48、第4前側演出ギア49を噛合して構成される駆動伝達機構)により、前側演出駆動モータ50の出力を前側スライドラック45に伝達して、前側スライドパネル44を上昇または下降できるように構成されている。さらに、前側スライドパネル44の上部の左右両側には、「わっしょい」の文字装飾が施された横長な前側演出プレート52をそれぞれ回動可能な状態で軸着し、前側演出プレート52の下部からプレート係合アーム53を前側演出ベース42側へ延設し、プレート係合アーム53の延設端にはアーム係合ピン53aを突設している。そして、前側演出ベース42のうち前側演出プレート52の軸着部よりも側方にずれた位置には、縦長な前側演出係合溝55を開設し、該前側演出係合溝55にアーム係合ピン53aを係合している。
このような構成の前側演出機構36においては、図6に示すように、前側スライドパネル44および前側演出プレート52が下死点に位置する状態を常態(演出不実行状態)とし、前側演出ベース42に装着されたパネル検出スイッチ56が前側スライドパネル44の下部から延設された前側検出片57を検出して、前側演出機構36が常態であることを検知できるように構成されている。また、常態においては、前側演出プレート52が遊技盤1の正面から見てセンターフレーム6の下辺部の後方に隠れるように配置される(図1参照)。そして、常態から演出動作を実行するには、前側演出駆動モータ50を正転駆動して前側スライドパネル44および前側演出プレート52を下死点から上死点へ上昇させる。このとき、前側スライドパネル44が上死点に到達する前にアーム係合ピン53aが前側演出係合溝55の上縁に当接し(図7(a)参照)、引き続き前側スライドパネル44が上昇すると、アーム係合ピン53aおよびプレート係合アーム53の上昇が規制されることにより前側演出プレート52が軸着部を中心に回動し、前側スライドパネル44が上死点に到達すると、前側演出プレート52が前側演出係合溝55側に向かって下り傾斜した姿勢に設定される。この結果、図7(b)に示すように、左右両側の前側演出プレート52がハの字状に傾いて、前側演出機構36が演出実行状態に変換する。この演出実行状態においては、傾斜状態の前側演出プレート52がセンターフレーム6の下辺部から上方へ突出し、変動表示装置25の表示画面25aの下縁部の前方に位置する(図8参照)。そして、演出実行状態から前側演出駆動モータ50を反転駆動すると、前側スライドパネル44および前側演出プレート52が上死点から下死点へ下降し、図6(a)に示すように、左右両側の前側演出プレート52が一直線上に並ぶ状態に戻って、前側演出機構36が常態に戻る。
後側演出機構37は、図9および図10に示すように、横長な後側演出ベース60に縦長な後側ガイドレール61を備え、該後側ガイドレール61には、神輿の中央部の形状を模した後側演出部材62を摺動可能な状態で装着し、後側演出部材62が後側ガイドレール61に沿って上下動できるように構成されている。また、後側演出部材62の側部(図10(a)中、左側部)には縦長な後側スライドラック63を備え、後側演出ベース60に設けられた後側演出ギア群(第1後側演出ギア66、第2後側演出ギア67、第3後側演出ギア68、第4後側演出ギア69、第5後側演出ギア70を噛合して構成される駆動伝達機構)により、後側演出駆動モータ71の出力を後側スライドラック63に伝達して、後側演出部材62を上昇または下降できるように構成されている。
このような構成の後側演出機構37においては、図10(a)に示すように、後側演出部材62が下死点に位置する状態を常態(演出不実行状態)とし、後側演出ベース60に装着された部材検出スイッチ72が後側演出部材62の下部から延設された後側検出片73を検出して、後側演出機構37が常態であることを検知できるように構成されている。また、常態においては、後側演出部材62が遊技盤1の正面から見てセンターフレーム6の下辺部の後方に隠れるように設定されている(図1参照)。そして、常態から演出動作を実行するには、後側演出駆動モータ71を駆動して後側演出部材62を下死点から上死点へ上昇させる。後側演出部材62が上死点に到達すると、後側演出部材62が後側演出ベース60の上辺部よりも上方に位置する状態に設定される(図10(b)参照)。この結果、後側演出機構37が演出実行状態に変換する。この演出実行状態においては、後側演出部材62がセンターフレーム6の下辺部から上方へ突出し、変動表示装置25の表示画面25aの下部の前方に位置し、演出実行状態の前側演出機構36の前側演出プレート52と前後に重なる状態に配置される(図8参照)。そして、演出実行状態から後側演出駆動モータ71を反転駆動すると、後側演出部材62が上死点から下死点へ下降し、図9および図10(a)に示すように、前側演出機構36が常態に戻る。
上側演出ユニット32は、図11および図12に示すように、前側および下側が開放された横長箱状の上側演出収納ケース77に縦長な上側ガイド部材78を備え、該上側ガイド部材78には、神輿の屋根部の形状を模した上側演出部材(前方装飾役物)79を装着し、上側演出部材79が上側ガイド部材78に沿って上下動できるように構成されている。また、上側演出収納ケース77の前縁部には、センターフレーム6の上辺部に沿って配置される横長な上側装飾カバー80を止着し、該上側装飾カバー80の後方で上側演出部材79を移動可能としている。さらに、上側演出部材79の左右両側には横向き円弧状の上側演出カム溝81をそれぞれ開設し、各上側演出カム溝81には、上側演出収納ケース77の左右両側に装着された上側演出駆動機構82をそれぞれ接続している。また、上側演出収納ケース77と上側演出部材79との間には、上側演出部材79を上方へ付勢する上側演出付勢部材(図示せず)を備えている。
上側演出駆動機構82は、図13に示すように、平板状の上側駆動機構ベース85の中央部分に横長な上側演出アーム86の一端を回動可能な状態で軸着し、上側演出アーム86の他端には上側演出カムフォロワ86aを突設して上側演出カム溝81に摺動可能な状態で係合している。また、上側演出アーム86の中間部分にはアーム駆動カム溝86bを上側演出アーム86の延在方向に沿って開設し、上側駆動機構ベース85のうち上側演出アーム86の軸着部よりも上側演出部材79側(図13(a)中、左側)にはアーム駆動片87を回動可能な状態で軸着し、該アーム駆動片87の自由端に突設されたアーム駆動カムフォロワ87aをアーム駆動カム溝86bへ摺動可能な状態で係合している。さらに、アーム駆動片87の回動軸には、複数の駆動ギア(第1上側演出駆動ギア91、第2上側演出駆動ギア92、第3上側演出駆動ギア93、第4上側演出駆動ギア94)を介して上側演出駆動モータ95の出力軸を接続している。
このような構成を備えた上側演出ユニット32においては、図11および図12(a)に示すように、上側演出部材79が上死点に位置して上側装飾カバー80の後方に隠れる状態を常態(演出不実行状態)とし、上側駆動機構ベース85に装着されたアーム検出スイッチ96が上側演出アーム86から突設された上側検出片97を検出して、上側演出部材79が常態であることを検知できるように構成されている(図13(a)参照)。そして、常態から演出動作を実行するには、上側演出駆動モータ95を正転駆動してアーム駆動片87を回動させることにより上側演出アーム86を下方へ回動させ(図13(b)参照)、回動する上側演出アーム86の上側演出カムフォロワ86aにより上側演出部材79を押し下げて上死点から下死点へ下降させる(図12(b)参照)。上側演出部材79が下死点に到達すると、上側演出部材79が上側装飾カバー80から下方にずれて露出する。この結果、上側演出部材79が演出実行状態に変換する。この演出実行状態においては、図8に示すように、上側演出部材79が変動表示装置25の表示画面25aの下部の前方に位置し、演出実行状態の後側演出機構37の後側演出部材62の上部に接続し、後側演出部材62と上側演出部材79とが神輿の形状を模した装飾体を表示画面25aの前方で形成する。そして、演出実行状態から上側演出駆動モータ95を反転駆動すると、アーム駆動片87の回動に伴って上側演出アーム86が上方へ回動し、この上側演出アーム86の回動による押し上げ力と上側演出付勢部材の付勢力とにより上側演出部材79が下死点から上死点へ上昇し、図11および図12(a)に示すように、上側演出部材79が常態に戻る。
右側演出ユニット33は、図14から図16に示すように、縦長な右側演出ベース100に2つの右側演出スライドガイド101(上側スライドガイド101a、下側スライドガイド101b)を変動表示装置25側(図15中、左側)に向かって横向きに下り傾斜した状態で備え、該右側演出スライドガイド101には装飾可動役物103を装着し、該装飾可動役物103の全体が右側演出ベース100から右側演出スライドガイド101に沿って横方向にスライドしたり、装飾可動役物103の一部が前記スライド動作とは異なる動きを行ったりして遊技演出を実行するように構成されている。
装飾可動役物103をスライドさせる機構について説明すると、右側演出ベース100のうち装飾可動役物103の下方に位置する下部には右側スライド駆動機構104を備え、該右側スライド駆動機構104の前方には、右側演出ユニット33に電力や信号を供給するための右側中継基板ユニット105を備えている。右側スライド駆動機構104は、図15および図16に示すように、右側演出ベース100の下部に縦長な右側スライド駆動アーム108の下端を回動可能な状態で軸着し、右側スライド駆動アーム108の上端部が右側演出スライドガイド101の傾斜方向に沿って移動できるように構成されている。また、右側スライド駆動アーム108の上端部を装飾可動役物103の下部に係合し、右側スライド駆動アーム108の回動軸には扇状の右側連結ギア109を共回り状態で接続し、右側演出駆動モータ110の出力軸と共回りする右側駆動ギア111と右側連結ギア109とを噛合している。
このような構成を備えた右側演出ユニット33においては、図14および図15に示すように、装飾可動役物103が右側演出ベース100の前方に重なって位置する状態を常態(移動演出不実行状態)とし、右側演出ベース100に装着された右側役物検出スイッチ113が装飾可動役物103から突設された右側検出片114を検出して、装飾可動役物103が常態であることを検知できるように構成されている。なお、常態においては、装飾可動役物103が変動表示装置25とセンターフレーム6の右辺部との間に位置し、遊技盤1の前方から視認可能な状態に設定される(図1参照)。そして、常態から移動演出動作を実行するには、右側演出駆動モータ110を正転駆動することにより右側スライド駆動アーム108を回動して変動表示装置25側(図15中、左側)に倒す。すると、図16に示すように、装飾可動役物103が右側スライド駆動アーム108の上端部に押圧されて右側演出スライドガイド101に沿って下り傾斜方向へスライドし、右側演出ベース100の前方から変動表示装置25側へずれて移動演出実行状態に変換する。この移動演出実行状態においては、装飾可動役物103は、変動表示装置25の表示画面25aの右側の前方に位置する(図17参照)。そして、移動演出実行状態から右側演出駆動モータ110を反転駆動すると、右側スライド駆動アーム108が回動して起立し、装飾可動役物103が右側演出スライドガイド101に沿って上り傾斜方向へスライドし、右側演出ベース100の前方に位置して常態に戻る(図14および図15参照)。
装飾可動役物103の構成について説明すると、装飾可動役物103は、図14から図16に示すように、下端が前方に突出したL字状の装飾可動ベース120を右側演出スライドガイド101に接続し、該装飾可動ベース120の上側起立部の前面には、人形の上半身を模した形状の第1可動部材121を備え、装飾可動ベース120の下端突出部の上面には、太鼓の形状を模した第2可動部材122を備え、装飾可動ベース120の下端突出部の下面から下方に突出した突出片120aに右側スライド駆動アーム108の上端部を係合している。
第1可動部材121は、図18に示すように、人形の胴体を模した縦長な装飾固定部材124を装飾可動ベース120に止着して備え、該装飾固定部材124の左右両側には、人形の両腕を模した装飾回動部材125を上下方向に回動可能な状態で軸着している。また、装飾可動ベース120のうち装飾固定部材124の上方には、逆T字状の装飾揺動基部126を上端部が左右方向へ移動可能な状態で軸着し、該装飾揺動基部126の前面には、人形の頭を模した装飾揺動部材127を装着している。さらに、装飾揺動基部126と装飾可動ベース120との間には、2つの装飾揺動ソレノイド128をプランジャが下に向いた姿勢で左右に並べ、各装飾揺動ソレノイド128のプランジャと、装飾揺動基部126の下辺部の左右両端部から後方の装飾可動ベース120側へ延設された装飾揺動片126aとをそれぞれ連結している。また、人形の肩に相当する装飾回動部材125の上部のうち回動軸から後方へずれた位置には、装飾揺動片126aが上方から押圧可能な装飾回動突起125aを突設している。
このような構成の第1可動部材121においては、装飾揺動ソレノイド128を駆動することにより装飾揺動部材127と装飾回動部材125とを連動させて、人形が頭を傾げながら腕を交互に上下動させるような演出動作を行う。具体的には、一側の装飾揺動ソレノイド128を励磁するとともに他側の装飾揺動ソレノイド128を消磁すると、一側の装飾揺動ソレノイド128のプランジャが一側の装飾揺動片126aを押し下げ、装飾揺動基部126および装飾揺動部材127を上部が一側寄りに位置する状態で傾く。さらに、一側の装飾回動突起125aが装飾揺動片126aにより押圧され、一側の装飾回動部材125が回動軸を中心に回動して先端部(太鼓の撥を持った手の形状を模した部分)を上昇させる。また、他側の装飾回動部材125においては、一側の装飾回動突起125aが装飾揺動片126aにより押圧されないため、先端部を上昇させない。この状態から一側の装飾揺動ソレノイド128を消磁するとともに他側の装飾揺動ソレノイド128を励磁すると、一側の装飾揺動片126aによる押圧が解除されて、一側の装飾回動部材125が自重で下方へ回動して先端部を下降させる。また、他側の装飾揺動ソレノイド128のプランジャが他側の装飾揺動片126aを押し下げ、装飾揺動基部126および装飾揺動部材127を上部が他側寄りに位置する状態で傾く。さらに、他側の装飾回動突起125aが装飾揺動片126aにより押圧され、他側の装飾回動部材125が回動軸を中心に回動して先端部を上昇させる。そして、2つの装飾揺動ソレノイド128の励磁と消磁とを交互に繰り返すことにより、装飾揺動部材127と装飾回動部材125との連動による演出動作を繰り返して実行可能となる。
第2可動部材122は、図19に示すように、太鼓の形状を模した中空の第2可動本体131と、装飾可動ベース120の下端突出部から立設されて第2可動本体131を支持する第2可動支持アーム132と、第2可動本体131を回動させる第2可動リンク機構133とを備えて構成されており、第2可動本体131が太鼓の膜の形状を模した部分を上方へ向けた状態(常態:図15および図19(a)参照)と、前方へ向けた状態(回動演出実行状態:図16および図19(b)参照)とに変換可能としている。詳しくは、第2可動支持アーム132の上部を前方へ屈曲して第2可動本体131の内部へ挿通し、第2可動支持アーム132の屈曲前端部に第2可動本体131内の中央部の可動本体回動軸131aを軸着し、第2可動本体131が可動本体回動軸131aを中心に回動して、太鼓の膜を模した箇所を上方に向けた姿勢と前方に向けた姿勢とに変換できるように構成されている。また、第2可動本体131には、透光性を有する2つの装飾パネル(太鼓の膜部分の形状を模した上側装飾パネル135、「祭」の文字装飾が施されて前側胴部分に位置する前側装飾パネル136)をそれぞれ装着し、第2可動本体131内の中央部には、フルカラーLED等の発光体を前側に実装した第2可動発光基板137を配置して、第2可動発光基板137からの光が上側装飾パネル135または前側装飾パネル136を透過して第2可動本体131の外方へ出射可能としている。なお、第2可動本体131と第2可動支持アーム132との間には、第2可動本体131を回動演出状態となる方向へ付勢する第2可動付勢部材(図示せず)を備えている。また、上側装飾パネル135には、発光体から照射される光の色に応じて異なる文字や模様が浮かび上がる加工が施されている。
さらに、第2可動リンク機構133を、上部が前方へ屈曲した第1リンクアーム141と、該第1リンクアーム141の下端部に係合された縦長な第2リンクアーム142とで構成し、第1リンクアーム141の屈曲前端部を第2可動本体131の内部のうち可動本体回動軸131aから後方にずれた位置に係合している。また、第1リンクアーム141の屈曲部を第2可動支持アーム132の屈曲部に回動可能な状態で軸着するとともに、第2リンクアーム142の長手方向の中間部分を第2可動支持アーム132の下側起立部に回動可能な状態で軸着している。そして、第2リンクアーム142の下端部を第2可動カムフォロワ142aとし、右側演出ベース100から前方へ突設された右側演出カム突起144のカム面に第2可動カムフォロワ142aを当接させている(図20参照)。なお、右側演出カム突起144のカム面は、装飾可動役物103のスライド方向に沿って延在し、変動表示装置25側(図20(a)中、左下側)に向かうに連れて後方の右側演出ベース100側(図20(a)中、左側)に近づくように設定されている。
このような構成の第2可動部材122においては、装飾可動役物103が変動表示装置25側へスライド(言い換えると、常態から移動演出実行状態へ変換)すると、第2可動本体131が連動して常態から回動演出実行状態へ変換する。具体的に説明すると、装飾可動役物103が常態から移動演出実行状態へ変換すると、第2可動部材122の第2可動カムフォロワ142aが右側演出カム突起144のカム面を摺動して、第2可動カムフォロワ142aの右側演出ベース100側への移動(図20(c)参照)、ひいては第2可動リンク機構133が第2可動本体131の回動演出実行状態への変換を許容する。すると、第2可動本体131と第2可動支持アーム132との間の第2可動付勢部材の付勢力により第2可動本体131が回動して上側装飾パネル135を前方に向けるとともに前側装飾パネル136を下方に向け、変動表示装置25の前方で回動演出実行状態へ変換する(図19(b)参照)。
また、装飾可動役物103が移動演出実行状態から常態へ変換すると、第2可動部材122の第2可動カムフォロワ142aが右側演出カム突起144のカム面により前方へ押圧される(図20(a)および(b)参照)。すると、第2リンクアーム142と第1リンクアーム141とが連動して第1リンクアーム141の前端部を下方へ下げ、第1リンクアーム141の前端部が第2可動付勢部材の付勢力に抗して第2可動本体131を回動させる。この結果、第2可動本体131が上側装飾パネル135を上方に向けるとともに前側装飾パネル136を前方に向け、右側演出ベース100の前方で常態に戻る(図19(a)参照)。
左側演出ユニット34は、図21および図22に示すように、縦長な左側演出ベース146に左側演出スライドガイド147を変動表示装置25側(図21中、右側)に向かって横向きに下り傾斜した状態で備え、該左側演出スライドガイド147には装飾動作役物148を装着し、該装飾動作役物148の全体が左側演出ベース146から左側演出スライドガイド147に沿って横方向にスライドしたり、装飾動作役物148の一部が前記スライドとは異なる動きを行ったりして遊技演出を実行するように構成されている。
装飾動作役物148をスライドさせる機構について説明すると、左側演出ベース146のうち装飾動作役物148の下方に位置する下部には左側スライド駆動機構149を備え(図22参照)、該左側スライド駆動機構149の前方を左側駆動機構カバー150で被覆し、該左側駆動機構カバー150の前面には、左側演出ユニット34に電力や信号を供給するための左側中継基板ユニット151を備えている(図21参照)。左側スライド駆動機構149は、図22に示すように、左側演出ベース146の下部に縦長な左側スライド駆動アーム153の下端を回動可能な状態で軸着し、左側スライド駆動アーム153の上端部が左側演出スライドガイド147の傾斜方向に沿って移動できるように構成されている。また、左側スライド駆動アーム153の上端部を装飾動作役物148の下部に係合し、左側スライド駆動アーム153の回動軸には扇状の左側連結ギア154を共回り状態で接続し、左側演出駆動モータ155の出力軸と共回りする左側駆動ギア156と左側連結ギア154とを噛合している。
このような構成を備えた左側演出ユニット34においては、図21および図22に示すように、装飾動作役物148が左側演出ベース146の前方に重なって位置する状態を常態(移動演出不実行状態)とし、左側演出ベース146に装着された左側役物検出スイッチ157が装飾動作役物148から突設された左側検出片158を検出して、装飾動作役物148が常態であることを検知できるように構成されている。なお、常態においては、装飾動作役物148の左側がセンターフレーム6の左辺部の後方に位置して遊技盤1の前方から視認不能な状態に設定される(図1参照)。そして、常態から移動演出動作を実行するには、左側演出駆動モータ155を正転駆動することにより左側スライド駆動アーム153を回動して変動表示装置25側に倒す。すると、装飾動作役物148が左側スライド駆動アーム153の上端部に押圧されて左側演出スライドガイド147に沿って下り傾斜方向へスライドし、左側演出ベース146の前方から変動表示装置25側へずれて移動演出実行状態に変換する。この移動演出実行状態においては、装飾動作役物148は、変動表示装置25の表示画面25aの左側の前方に位置する(図17参照)。そして、移動演出実行状態から左側演出駆動モータ155を反転駆動すると、左側スライド駆動アーム153が回動して起立し、装飾動作役物148が左側演出スライドガイド147に沿って上り傾斜方向へスライドし、左側演出ベース146の前方に位置して常態に戻る(図21および図22参照)。
装飾動作役物148の構成について説明すると、装飾動作役物148は、遊技盤1の正面から見て平行四辺形状の装飾動作ベース161を左側演出スライドガイド147に接続し、該装飾動作ベース161の上部には装飾動作部材162を備え、装飾動作ベース161の下部に左側スライド駆動アーム153の上端部を係合している。装飾動作部材162は、図22および図23に示すように、下部が側方(図23中、左側方)へ屈曲した縦向きの装飾動作ブラケット163を備え、該装飾動作ブラケット163の屈曲部を装飾動作ベース161の前面に回動可能な状態で軸着し、装飾動作ブラケット163の上部には、人形で構成された装飾動作本体164を止着している。また、該装飾動作本体164のうち左肩に位置する部分には、左右方向に延在する回動軸受165を備え、人の左腕の形状を模した形状の横長な装飾動作回動部166を回動軸受165に回動可能な状態で軸着し、該装飾動作回動部166の先端には、左手に握られた団扇の形状を模した左側装飾体167を回動軸受165よりも前方にずらして備えている。
さらに、装飾動作回動部166の軸着端部(図23(a)中、左端部)には、装飾回動カムフォロワ169を後方の左側演出ベース146側へ向けて突設し、装飾動作回動部166の他端部の後方には、装飾回動カム溝170が開設された装飾動作起立壁171を装飾動作ベース161から立設し、装飾回動カム溝170に装飾回動カムフォロワ169を摺動可能な状態で係合している。なお、装飾回動カム溝170は、装飾回動カムフォロワ169が当接するカム面(上縁部)を変動表示装置25側に向かうにつれて次第に装飾動作ブラケット163の軸着部に近づく下り傾斜状態に設定している。また、装飾動作ブラケット163の下端部にはブラケット動作カムフォロワ173を後方へ向かって突設し、装飾動作ベース161にはブラケット動作カムフォロワ173が遊嵌されるベース遊嵌溝174を装飾動作ブラケット163の軸着部が中心となる円弧状に開設されている。さらに、左側演出ベース146には、ブラケット動作カムフォロワ173が摺動可能なブラケット動作カム溝175を開設し、ブラケット動作カム溝175と左側演出スライドガイド147との離間距離が左側演出スライドガイド147の傾斜下端側に近づくにつれて広くなるように設定されている。
このような構成の装飾動作役物148においては、変動表示装置25側へスライド(言い換えると、常態から移動演出実行状態へ変換)すると、装飾動作本体164が直立姿勢から傾斜姿勢になるとともに装飾動作回動部166を回動して、常態から演出実行状態に変換する。具体的には、装飾可動役物103が常態から移動演出実行状態へ変換すると、ブラケット動作カムフォロワ173がブラケット動作カム溝175に沿って摺動して左側演出スライドガイド147から遠ざかり、これにより装飾動作ブラケット163の軸着部を中心にして装飾動作ブラケット163の上部および装飾動作本体164が直立姿勢から変動表示装置25側へ回動し、頭部分(上端部)を変動表示装置25側に近づけて傾く。また、装飾動作本体164の回動に伴って、装飾動作回動部166の装飾回動カムフォロワ169が装飾回動カム溝170のカム面に沿って摺動して下方に押し下げられ、これにより装飾動作回動部166が団扇形状の左側装飾体167の自重に抗して回動し、左側装飾体167が上方へ移動する。この結果、装飾動作役物148が演出実行状態となる。
また、装飾可動役物103が移動演出実行状態から常態へ変換すると、傾斜姿勢の装飾動作本体164が直立姿勢に戻り、装飾動作回動部166が回動して元に戻る。具体的には、装飾可動役物103が移動演出実行状態から常態へ変換すると、ブラケット動作カムフォロワ173がブラケット動作カム溝175に沿って摺動して左側演出スライドガイド147に近づき、これにより装飾動作ブラケット163の軸着部を中心にして装飾動作ブラケット163の上部および装飾動作本体164が傾斜姿勢から直立姿勢に戻る。また、装飾動作本体164の回動に伴って、装飾動作回動部166の装飾回動カムフォロワ169が装飾回動カム溝170のカム面に沿って摺動して上方への移動を許容され、これにより装飾動作回動部166が団扇形状の左側装飾体167の自重により回動し、左側装飾体167が下方へ移動する。この結果、装飾動作役物148が常態に戻る。
次に、パチンコ遊技機の制御手段、具体的には、遊技進行等の制御を行う遊技制御装置200、および該遊技制御装置200を中心とする制御系統について説明する。
遊技制御装置200は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、図24に示すように、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)211を有するCPU部210と、入力ポートを有する入力部220と、出力ポートやドライバなどを有する出力部230、CPU部210と入力部220と出力部230との間を接続するデータバス240などからなる。
上記CPU部210は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)211と、入力部220内の近接スイッチに接続されたインタフェースチップ(I/F)221からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン211に入力させるインバータなどからなるI/F221と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)213などを有する。遊技制御装置200および該遊技制御装置200によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン211の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置200に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置200と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置200と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤1および遊技制御装置200は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置200の遊技用マイコン211(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン211内のRAM211Cおよび払出制御装置280内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン211が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン211は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)211A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)211Bおよび随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)211C、個別ICレジスタ(図示せず)を備える。
ROM211Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM211Cは、遊技制御時にCPU211Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM211BまたはRAM211Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM211Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU211Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置(変動表示装置)25を有し、該表示装置25が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様(特別表示結果)となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となるパチンコ遊技機において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置25の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置25の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置25に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置25における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、スペシャル4リーチ(SP4リーチ、プレミアリーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<スペシャル4リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU211Aは、ROM211B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置280や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置25の駆動信号を生成して出力してパチンコ遊技機の全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン211は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路213からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU211Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU211Aは、後述する特図ゲーム処理(図38参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM211Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU211Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口12の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。また、遊技用マイコン211は、電源投入時や、大当り時などのイベント発生時、磁石や電波等による不正の検出時に個別IDレジスタ(図示せず)に記憶されたIDを、外部情報端子281から出力する。
払出制御装置280は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置200からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニット(図示せず)の払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置280は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置280は、カードユニット(図示せず)と電気的に接続されていることを条件に発射装置を制御する発射制御装置(図示せず)に遊技球の発射を許可する発射許可信号を出力する。
遊技用マイコン211の入力部220には、第1始動入賞口11内の始動口1スイッチ11a、第2始動入賞口12内の始動口2スイッチ12a、普図始動ゲート7内のゲートスイッチ7a、一般入賞口スイッチ14a,15a、大入賞口16内のカウントスイッチ16bが近接I/F221を介して接続される。近接I/F221は、接続されるスイッチが近接スイッチである場合に、スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップである。近接I/F221は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F221の出力はすべて第2入力ポート222へ供給されデータバス240を介して遊技用マイコン211に読み込まれるとともに、遊技制御装置200から中継基板283を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F221の出力のうち始動口1スイッチ11aと始動口2スイッチ12aの検出信号は、第2入力ポート222の他、I/F221を介して遊技用マイコン211へ入力されるように構成されている。I/F221を設けているのは、遊技用マイコン211の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ11aと始動口2スイッチ12aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、I/F221を設けずに直接遊技用マイコン211へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ11aと始動口2スイッチ12aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン211へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F221は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F221には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部220には、パチンコ遊技機の前面枠(図示せず)等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ284および振動センサスイッチ285からの信号および上記近接I/F221により変換された第1始動入賞口11内の始動口1スイッチ11a、第2始動入賞口12内の始動口2スイッチ12a、ゲートスイッチ7a、一般入賞口スイッチ14a,15a、カウントスイッチ16bからの信号を取り込んでデータバス240を介して遊技用マイコン211に供給する第2入力ポート222が設けられている。第2入力ポート222が保持しているデータは、遊技用マイコン211が第2入力ポート222に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部220には、透明部材保持枠(図示せず)等に設けられた前枠開放検出スイッチ286および前面枠等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ287からの信号および払出制御装置280からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス240を介して遊技用マイコン211に供給する第1入力ポート223が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿ユニット(図示せず)に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部220には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン211等に入力するためのシュミットトリガ回路224が設けられており、シュミットトリガ回路224はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート223に入力され、データバス240を介して遊技用マイコン211に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン211に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路224によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン211に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部230の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部230を介さずに直接中継基板283に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板283のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板283を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部220の各ポート222,223には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン211によって出力部230の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部220の各ポートから遊技用マイコン211が読み込んだデータは、遊技用マイコン211のリセットによって廃棄されるためである。
出力部230は、データバス240に接続され払出制御装置280へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)および演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート231と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート232とを備える。遊技制御装置200から払出制御装置280および演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部230には、演出制御装置300の側から遊技制御装置200へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート231からの上記データストローブ信号SSTBおよび第2出力ポート232からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ233が設けられている。なお、第1出力ポート231から払出制御装置280へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部230には、データバス240に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板283を介して出力するバッファ234が実装可能に構成されている。このバッファ234は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)200には実装されない部品である。なお、前記近接I/F221から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ234を通さずに中継基板283を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ284や振動センサスイッチ285のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン211に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス240からバッファ234、中継基板283を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板283には、上記バッファ234から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板283上のポートには、遊技用マイコン211から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部230には、データバス240に接続され、大入賞口16の入賞開閉部材16aを開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド16c)、第2始動入賞口12の普通電動役物(開閉部材)13を開閉させるソレノイド(普電ソレノイド13a)の開閉データと、一括表示装置20のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート235、一括表示装置20に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート236、大当り情報などパチンコ遊技機に関する情報を外部情報端子281へ出力するための第5出力ポート237が設けられている。外部情報端子281から出力されたパチンコ遊技機に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部230には、第3出力ポート235から出力される大入賞口ソレノイド16cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド13aの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)238a、第3出力ポート235から出力される一括表示装置20の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ238b、第4出力ポート236から出力される一括表示装置20の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ238c、第5出力ポート237から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子281へ出力する第4ドライバ238dが設けられている。
上記第1ドライバ238aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置20のセグメント線を駆動する第3ドライバ238cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ238bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ238cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ238bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子281へ出力する第4ドライバ238dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ234や第3出力ポート235、第1ドライバ238a等は、遊技制御装置200の出力部230、すなわち、主基板(遊技制御装置200)ではなく、中継基板283側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部230には、外部の検査装置288へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ239が設けられている。フォトカプラ239は、遊技用マイコン211が検査装置288との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン211が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート222,223のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、図25に示すように、遊技用マイコン211と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置25への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ(音声出力部)351,352から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン211からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾発光部材の点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置25へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置25の映像と前面枠や遊技盤1に設けられている装飾発光体の点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置25に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置200から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置200から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド、エラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置200の遊技用マイコン211はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤1に設けられている盤装飾装置353を駆動制御する盤装飾LED制御回路332が設けられている。また、前面枠に設けられている枠装飾装置354の発光を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤1に設けられている盤演出装置355(各演出ユニット31〜34等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠に設けられている枠演出装置356を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータおよびソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠に設けられた遊技演出ボタン(図示せず)に内蔵されている演出ボタンスイッチ357や盤演出装置355の初期位置を検出する演出役物スイッチ358(パネル検出スイッチ56や部材検出スイッチ72等)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠に設けられた上スピーカ351を駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠に設けられた下スピーカ352を駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置25を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a,337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置200の遊技用マイコン211のCPU211Aでは、普図始動ゲート7に備えられたゲートスイッチ7aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数値を抽出してROM211Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、一括表示装置20に備えられた普図表示器に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、遊技用マイコン211(遊技制御装置200)が変動入賞装置変換手段として機能して、この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド13aを動作させ、第2始動入賞口12の普通電動役物13を所定時間(本実施形態では、0.5秒間)に亘って前述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、第1始動入賞口11に備えられた始動口1スイッチ11aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM211Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、第2始動入賞口12に備えられた始動口2スイッチ12aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM211Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置200のCPU211Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置20に備えられた特図1表示器や特図2表示器に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置200からの制御信号に基づき、表示装置25で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置200からの制御信号に基づき、各演出ユニット31,32,33,34や変動表示装置25における演出状態(演出モード)の設定や、上スピーカ351、下スピーカ352からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置200のCPU211Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理(大当り遊技を実行する処理)においては、CPU211Aは、例えば、大入賞口ソレノイド16cにより大入賞口16を開放し、大入賞口16内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口16に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口16の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口16を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回や2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置200は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置200は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、特定遊技状態として時短状態(普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームおよび第2始動入賞口12を時短動作状態とする制御を行い、第2始動入賞口12が通常動作状態である場合よりも、単位時間あたりの第2始動入賞口12の開放時間が実質的に多くなって遊技者に有利に実行されるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000ミリ秒が600ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604ミリ秒が704ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって第2始動入賞口12が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、300ミリ秒が800ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、第2始動入賞口12の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態)よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つまたは複数を変化させることで第2始動入賞口12を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。なお、以下の説明や図中では、時短状態を普電サポート状態または電サポ状態と称することがある。
そして、本実施形態におけるパチンコ遊技機の制御系統(遊技制御装置200、演出制御装置300等)では、特図変動表示ゲームの実行中に、特図変動表示ゲームの結果が当りである可能性を示唆する制御を行い得るように設定されており、示唆の強弱を演出の違いで表現している。具体的に説明すると、弱い示唆を行う場合には、図26(a)に示すように、識別情報の変動表示中に、人形の第1可動部材121の動作(詳しくは、装飾揺動部材127と装飾回動部材125とを連動させる演出動作)を行うことで第1遊技予告演出を実行し、さらには、変動表示装置25において第1遊技予告演出に関連する表示(例えば、第1可動部材121の人形が太鼓を叩くときの掛け声としての吹き出し表示)を行う。この第1遊技予告演出と関連表示とを連動して行うことにより、特図変動表示ゲームの結果が当りである可能性を相対的に弱く示唆する弱予告表示を実行する。
また、強い示唆を行う場合には、図26(b)に示すように、装飾可動役物103を変動表示装置25側へスライド(常態から移動演出実行状態へ変換)させ、太鼓形状の第2可動部材122の動作(詳しくは、常態から回動演出実行状態への変換)を行うことで第2遊技予告演出を実行し、さらには、変動表示装置25において第2遊技予告演出に関連する表示(例えば、第2可動部材122の太鼓から「祭りだっ!」の音が出るようなエフェクト表示)を行う。この第2遊技予告演出と関連表示とを連動して行うことにより、特図変動表示ゲームの結果が当りである可能性を弱予告演出より相対的に強く示唆する強予告表示を実行する。なお、強予告表示では、装飾可動役物103の移動演出実行状態への変換に合わせて、識別情報の変動表示を表示画面25aの隅に縮小表示するとともに、表示画面25aの中央で関連表示を行う。また、識別情報の縮小表示においては、変動を仮停止してもよい。
このような制御により、一つの装飾可動役物103で強予告表示および弱予告表示を実行することができる。したがって、各予告表示に対応して演出用の役物を別個に設ける必要がなく、パチンコ遊技機のコストダウンを図ることができる。また、一つの装飾可動役物103に2つの可動部材(第1可動部材121、第2可動部材122)を備え、第1可動部材121を動作することで第1遊技予告演出を実行可能であり、第2可動部材122を動作することで第2遊技予告演出を実行可能であるので、演出動作を複雑にすることができる。さらに、第2可動部材122は、変動表示装置25の表示画面25aの前方へのスライドに伴って動作するので、第2可動部材122により行われる演出動作の迫力を増すことができる。
なお、装飾可動役物103の動作を絡めて当りの可能性を示唆する演出は、飾り特図変動表示ゲームが所謂擬似連変動パターン(1回の始動入賞に対して複数回の特図変動表示ゲームが行われているかのように見せるパターン)や再変動パターン(特別結果態様で仮停止した後、変動表示を再開して遊技者に一層有利な特別結果態様となるパターン)で実行されている最中に行ってもよい。例えば、図27および図28に示す擬似連変動パターンにおいては、装飾可動役物103および第2可動部材122を常態に設定して識別情報の変動表示を開始し(図27(a)参照)、識別情報の変動表示中に装飾可動役物103を移動演出実行状態へ変換するとともに第2可動部材122を回動演出実行状態へ変換する。また、識別情報の変動表示を表示画面25aの隅に縮小表示し、表示画面25aの中央には、第2可動部材122の回動演出実行状態に関連する表示(第2可動部材122の太鼓から「祭りだっ!」の音が出るようなエフェクト表示)を実行する(図27(b)参照)。さらには、第2可動部材122の関連表示の実行に合わせて第1可動部材121の動作を1回実行する。第1可動部材121の動作が終了したならば、第2可動部材122および装飾可動役物103を常態に戻し、表示画面25aには識別情報の変動表示を元の大きさに戻して再開するとともに「1stロング」の文字を表示する(図27(c)参照)。
その後、再開された識別情報の変動表示中に、装飾可動役物103を移動演出実行状態へ再変換するとともに第2可動部材122を回動演出実行状態へ再変換する。また、識別情報の変動表示を表示画面25aの隅に再び縮小表示し、表示画面25aの中央には、第2可動部材122の回動演出実行状態に関連する表示(第2可動部材122の太鼓から「祭りだっ!」の音が出るようなエフェクト表示)を上下に2つ並べた状態で再実行する(図27(d)参照)。さらに、前側に実装した第2可動発光基板137の発光体を所定期間発光させて、前方を向いた上側装飾パネル135の文字や模様を浮かび上がらせる。このとき、発光体から照射される光の色を異ならせることにより、上側装飾パネル135に浮かび上がる文字や模様を設定し、浮かび上がった文字や模様の違いにより当りの期待度を表現してもよい。例えば、上側装飾パネル135に何も浮かび上がらない状態では当りの期待度が最も低く、「強」の文字が浮かび上がる状態では当りの期待度が2番目に高く、「当」の文字が浮かび上がる状態では当りの期待度が最も高いように設定してもよい。
第2可動発光基板137の発光体の発光が終了したならば、第2可動部材122および装飾可動役物103を常態に戻し、表示画面25aには識別情報の変動表示を元の大きさに戻して再開するとともに「2ndロング」の文字を表示する(図28(a)参照)。さらに、再開された識別情報の変動表示中に、装飾可動役物103を移動演出実行状態へ再変換するとともに第2可動部材122を回動演出実行状態へ再変換する。また、識別情報の変動表示を表示画面25aの隅に再び縮小表示し、表示画面25aの中央には、第2可動部材122の回動演出実行状態に関連する表示(第2可動部材122の太鼓から「祭りだっ!」の音が出るようなエフェクト表示)を上下に3つ並べた状態で再実行する(図28(b)参照)。さらには、第2可動部材122の関連表示の実行に合わせて第1可動部材121の動作を2回実行する。第1可動部材121の動作が終了したならば、第2可動部材122および装飾可動役物103を常態に戻し、表示画面25aには識別情報の変動表示を元の大きさに戻して再開するとともに「3rdロング」の文字を表示する(図28(c)参照)。
また、図29に示す再変動パターンにおいては、装飾可動役物103および第2可動部材122を常態に設定して識別情報の変動表示を開始し、識別情報が特別結果態様(例えば「222」)で仮停止したならば(図29(a)参照)、装飾可動役物103を移動演出実行状態へ変換するとともに第2可動部材122を回動演出実行状態へ変換する。また、識別情報の変動表示を表示画面25aの隅に縮小表示し、表示画面25aの中央には、第2可動部材122の回動演出実行状態に関連する表示(第2可動部材122の太鼓から「春夏秋冬」の音が出る様子を表現したエフェクト表示)を実行する(図29(b)参照)。その後、第2可動部材122および装飾可動役物103を常態に戻し、表示画面25aには識別情報の変動表示を元の大きさに戻して再開し、前回仮停止した特別結果態様よりも遊技者に有利な当り状態となる特別結果態様(例えば「777」)で識別情報を停止させる(図29(c)参照)。
また、図30に示す変動パターンでは、3つの識別情報のうち装飾可動役物103側(図30(a)中、左側)の識別情報を左右方向に揺動させながら変動表示するが、この揺動に合わせて装飾可動役物103を左右方向に揺動させてもよい(図30(a)参照)。このとき、右側演出駆動モータ110の正転駆動と逆転駆動とを交互に繰り返し、これに伴い右側役物検出スイッチ113がONとOFFを交互に繰り返す(図30(b)参照)。そして、装飾可動役物103側の識別情報が仮停止してリーチ状態になると、右側演出駆動モータ110が正転駆動して装飾可動役物103が移動演出実行状態に変換する。また、識別情報の変動表示を表示画面25aの隅に再び縮小表示し、表示画面25aの中央部には、第2可動部材122の太鼓から「祭りだっ!」の音が出るようなエフェクト表示が行われる(図30(c)および(d)参照)。
これらのように、飾り特図変動表示ゲームの実行に合わせて装飾可動役物103を動作させれば、特図変動表示ゲームの結果に対する期待感を高めることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
次に、上記遊技制御装置200の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)211によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン211による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図31及び図32参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図33参照)とからなる。
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、パチンコ遊技機の電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図31に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置280のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置200が先に立ち上がって払出制御装置280が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置280へ送ってしまい、払出制御装置280がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン211に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置280や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図32のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図32のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから、一括表示装置20に設けられる高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、まずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン211(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン211内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器213からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU211Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU211Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS25)、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU211A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したかを判定し(ステップS28)、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、チェックサムをセーブし(ステップS33)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行ってから、パチンコ遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU211Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン211においてタイマ割込みが発生すると、図33のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置200の遊技用マイコン211は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ11a、始動口2スイッチ12a、ゲートスイッチ7a、カウントスイッチ16bなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド16c、普電ソレノイド13a)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置280等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ11a、始動口2スイッチ12a、ゲートスイッチ7a、一般入賞口スイッチ14a,15a、カウントスイッチ16bから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠や透明部材保持枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理及び第2始動入賞口12(普通電動役物13)の動作の制御を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、パチンコ遊技機に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ284や振動センサスイッチ285からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
次に、前述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について説明する。図34に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS71)と、払出制御装置280に対する払出コマンド送信処理(ステップS72)とからなる。
次に、前述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS71)の詳細について説明する。図35に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかをチェックする(ステップS81)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS82)。
ステップS82で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS82;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS82で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS82;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS83)。次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS84)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS85)。さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS86)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS87)。そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS88)を行い、演出制御コマンド送信処理を終了する。
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS88)の詳細について説明する。図36に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS91)、コマンドデータ出力処理(ステップS92)を実行する。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS93)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS94)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS95)を実行する。
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS92、S95)の詳細について説明する。図37に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート231のポート状態保持データをロードする(ステップS101)。それから、演出制御コマンドを出力ポート232へ出力(ステップS102)し、出力ポート231へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS103)。そして、次のステップS104で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS104;No)と判定するとステップS102へ戻って上記処理を繰り返す。
一方、ステップS104で、オフ時間が終了した(ステップS104;Yes)と判定するとステップS105へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。続いて、ステップS101でロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート231のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したままストローブ信号をオン状態に設定する(ステップS106)。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS107)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS108)。
そして、次のステップS109で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS109;No)と判定するとステップS107へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS109で、オン時間が終了した(ステップS109;Yes)と判定するとステップS110へ移行して、オフ状態のストローブ信号を設定してから、オフ状態のストローブ信号を出力(ステップS111)して、当該コマンドデータ出力処理を終了する。ステップS107で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS107〜S109のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS104及びステップS109は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ11a及び始動口2スイッチ12aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図38に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ11a及び始動口2スイッチ12aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口11、第2始動入賞口12に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、大入賞口16内に設けられたカウントスイッチ16bのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当り又は小当りであれば、大当りの種類又は小当りに応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り又は小当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての各演出ユニット31,32,33,34を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図39に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置200の遊技用マイコン211は、先ず、第1始動入賞口11(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物13が作動中である、即ち、第2始動入賞口12が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物13が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物13が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、第2始動入賞口12への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。第2始動入賞口12は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、第2始動入賞口12(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ11aや始動口2スイッチ12aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図40に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置200の遊技用マイコン211は、先ず、始動口1スイッチ11a及び始動口2スイッチ12aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ11a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ11a及び始動口2スイッチ12aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ11a等)への入賞の回数に関する情報がパチンコ遊技機の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ11a及び始動口2スイッチ12aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ11a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定した場合は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。続けて、始動口1スイッチ11a及び始動口2スイッチ12aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ11a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA215)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA218)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした(ステップA219)後、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロードし、準備して(ステップA220)、特図保留情報判定処理(ステップA221)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
すなわち、遊技制御装置200が、始動入賞領域(各始動入賞口11,12)への遊技球の入賞を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段をなし、始動記憶と対応して始動記憶情報(大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1から3)を記憶する。また、遊技制御装置200が、第1入賞領域(第1始動入賞口11)への遊技球の入賞を、第1始動記憶として第1上限値まで記憶する第1始動記憶手段をなすとともに、第2入賞領域(第2始動入賞口12)への遊技球の入賞を、第2始動記憶として第2上限値まで記憶する第2始動記憶手段をなす。
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA221)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した始動記憶情報の判定を行う先読み処理である。
図41に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ12aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ12aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、第2始動入賞口12の開放延長機能が作動中、即ち、第2始動入賞口12がサポート中(時短状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。ここで、第2始動入賞口12がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、パチンコ遊技機が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
一方、ステップA233にて、第2始動入賞口12がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合(ステップA234;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ11aの場合は、第2始動入賞口12がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ12aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ12aの場合は、第2始動入賞口12がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
そして、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA236;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA245へ移行する。一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA236;Yes)には、始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ11aの入力であるか否かをチェックする(ステップA238)。
そして、ステップA238におけるチェックの結果、始動口1スイッチ11aの入力である(ステップA239;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備して(ステップA240)、ステップA242へ移行する。また、始動口1スイッチ11aの入力でない(ステップA239;No)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備して(ステップA241)、ステップA242へ移行する。
次いで、ステップA242では、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する(ステップA242)。そして、大当り情報テーブルアドレステーブルを設定した(ステップA243)後、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA244)、ステップA245へ移行する。
続けて、ステップA245では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA246)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(ステップA247)、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA249)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備し(ステップA250)、特図情報設定処理(ステップA251)、後半変動パターン設定処理(ステップA252)、変動パターン設定処理(ステップA253)を行う。そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA254)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備して(ステップA255)、コマンド設定処理(ステップA256)を行う。続けて、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA257)、コマンド設定処理(ステップA258)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置200が、始動記憶手段に始動記憶と対応して記憶される始動記憶情報を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段をなす。なお、ここでは始動記憶の発生時に事前判定を行っているが、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始前であればいつでも良い。
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図42に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。そして、特図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。そして、特図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。一方、ステップA275にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA272にて、特図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特図2変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。また、ステップA274にて、特図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特図1変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図43に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定して大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定して小当りフラグ1にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA302)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA303)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA304)。続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA305)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA306)。
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA307)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA308)。その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA309)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA310)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA311)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA312)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA313)を行って、特図1変動開始処理を終了する。すなわち、遊技制御装置200が、第1始動記憶に基づいて、変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行する第1ゲーム実行手段をなす。
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA281)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図44に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定して大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定して小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA322)を行う。
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA324)。続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA325)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA326)。
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA327)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA328)。その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA329)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA330)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA331)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA332)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA333)を行って、特図2変動開始処理を終了する。すなわち、遊技制御装置200が、第2始動記憶に基づいて、変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する第2ゲーム実行手段をなす。
この特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理により、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定される。特図変動表示ゲームの変動パターンとして設定される内容には、特図変動表示ゲームの実行時間や飾り特図変動表示ゲームでの演出内容、識別情報の変動態様などがある。飾り特図変動表示ゲームでの識別情報の変動態様には、リーチや、1回の始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連変動パターンや、変動表示を行う複数の識別情報列のうち、一部の識別情報列において仮停止した後に再変動表示を行って識別情報を導出する滑り変動表示動作を含む滑り変動パターンが含まれる。
図45には、図43に示す特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理を示した。この小当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域1にはずれ情報をセーブし(ステップA341)、大当りフラグ1が大当りかチェックする処理(ステップA342)で、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA343;Yes)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA343;No)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA344)、特図1判定データを準備する(ステップA345)。
次に、小当り判定処理(ステップA346)を行い、小当りでない場合(ステップA347)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA347;Yes)は、小当りフラグ領域1に小当り情報をセーブし(ステップA348)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
図46には、図44に示す特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理を示した。この小当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ領域2にはずれ情報をセーブし(ステップA351)、大当りフラグ2が大当りかチェックする処理(ステップA352)で、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA353;Yes)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA353;No)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA354)、特図2判定データを準備する(ステップA355)。
次に、小当り判定処理(ステップA356)を行い、小当りでない場合(ステップA357)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA357;Yes)は、小当りフラグ領域2に小当り情報をセーブし(ステップA358)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。
次に、演出制御装置300によって実行される制御処理について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。主制御用マイコンでは主に図47に示す1stメイン処理が行われ、映像制御用マイコンでは主に図49に示す2ndメイン処理が行われる。
まず、1stメイン処理について説明する。図47に示すように、この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(Watchdog Timer)をクリアし(ステップB18)、遊技演出ボタンの操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置200から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後のシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、変動表示装置25や各演出ユニット31,32,33,34等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて変動表示装置25での表示やスピーカからの音声の出力、各演出ユニット31,32,33,34の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードはパチンコ遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップB22)を行う。シーン制御処理では、遊技制御装置200から受信したコマンドに基づき、遊技に関する演出の実行内容や実行タイミングを制御する。例えば、遊技制御装置200で選択された変動パターンに応じて、変動表示装置25に表示する飾り特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する処理を行う。また、普図変動表示ゲームの結果に応じて、変動表示装置25に結果を表示する処理を実行可能である。さらに、変動表示装置25で実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆する表示を行う処理を実行可能である。また、事前判定手段による判定結果(先読み結果)に関する情報を表示する処理を実行可能である。
また、始動記憶数に応じて変動表示装置25に飾り特図始動記憶表示を表示する処理を実行可能である。また、飾り特図始動記憶表示で対応する始動記憶の事前判定結果を報知する処理を実行可能である。すなわち、演出制御装置300が、第1始動記憶の記憶数及び第2始動記憶の記憶数を始動記憶表示として報知する始動記憶報知手段をなす。また、演出制御装置300が、事前判定手段(遊技制御装置200)による判定結果を始動記憶表示において表示可能な事前判定結果表示手段をなす。
次に、パチンコ遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置200から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行うための情報を設定する遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための変動表示装置25での表示やスピーカからの音声の出力、各演出ユニット31,32,33,34の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ351、下スピーカ352)が出力する音声に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置353、枠装飾装置354のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置355、枠演出装置356のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
次に、遊技制御装置200から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理について説明する。このコマンド受信割込み処理では、図48に示すように、先ず、遊技制御装置200から送信されたコマンドのポートの値を取り込む処理(ステップB51)を行う。そして、MODEコマンドの待機中であるか否かの判定(ステップB52)を行う。ここで、MODEコマンドの待機中の場合(ステップB52;Yes)は、さらにデータストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB53)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB53;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB54)する。
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB54;Yes)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB55)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをMODEコマンドとしてセーブする処理(ステップB56)を行う。続いて、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、当該タイマをスタートさせる処理(ステップB57)を行った後、ACTIONコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB58)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB53において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB53;No)、又はステップB54において、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB54;No)は、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB52において、MODEコマンド待機中でない場合、即ち、ACTIONコマンド待機中の場合(ステップB52;No)は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトとなったか否かを判定(ステップB59)する。ここで、タイムアウトとなっていない場合(ステップB59;No)は、データストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB60)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB60;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB61)する。
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB61;Yes)は、ステップB55へ移行し、それ以降の処理を行う。また、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB61;No)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB62)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをACTIONコマンドとしてセーブする処理(ステップB63)を行う。続いて、受信済みコマンド数の値を+1更新する処理(ステップB64)を行った後、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB59において、タイムアウトとなった場合(ステップB59;Yes)、又はステップB60において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB60;No)は、ステップB65へ移行し、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB65)を行い、算出されたアドレスのコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する処理(ステップB66)を行う。そして、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
次に、上記演出制御装置300の2ndCPU312によって実行される2ndメイン処理について説明する。図49に示すように、2ndメイン処理においては、先ず2ndCPUの初期化処理(ステップB71)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB72)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB73)を行い、2ndCPU312からのコマンドやデータに従って変動表示装置25への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)の初期化処理(ステップB74)を行う。その後、各種割込みを許可する処理(ステップB75)を行い、各種制御処理の初期化処理(ステップB76)を行う。
次いで、VDPによる画像描画を許可する処理(ステップB77)を行った後、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB78)を行う。ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(ステップB79;No)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、ステップB79の処理を繰り返し行う。一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(ステップB79;Yes)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB80)を行い、通常ゲーム処理(ステップB81)を行い、ステップB78へ戻る。
通常ゲーム処理(ステップB81)では、図47に示す1stメイン処理におけるシーン制御処理(ステップB22)での設定内容に応じて、演出コマンド編集処理(ステップB24)で主制御用マイコン(1stCPU)311から送信されるコマンドに基づき、変動表示装置25における表示の制御等を行う。これにより、特図変動表示ゲームの変動パターンに応じた飾り特図変動表示ゲーム、第1遊技予告演出や第2遊技予告演出に関連する表示、普図変動表示ゲームの結果に応じた表示、事前判定手段による判定結果(先読み結果)に関する情報の表示が変動表示装置25で実行される。
すなわち、遊技制御装置200及び演出制御装置300が、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき選択した識別情報の変動パターンに従って変動表示装置25の特図演出領域41aで特図変動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム制御手段をなす。また、演出制御装置300が、変動表示装置25に普図変動表示ゲームの結果を表示可能な普図変動表示ゲーム表示手段をなす。また、演出制御装置300が、特図変動表示ゲームの実行中に、当該特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する変動パターン示唆表示を変動表示装置25で表示可能な変動パターン示唆手段をなす。また、演出制御装置300が、事前判定手段による判定結果に関する情報を変動表示装置25に表示可能な事前報知手段をなす。
ところで、上記実施形態では、前側演出機構36が前側演出プレート52を横向き姿勢で上下方向にスライドさせて変動表示装置25の下部の前方を装飾可能としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図50に示す第2実施形態の前側演出機構36′では、「わっしょい」の文字装飾が施された部材を回動させながら変動表示装置25の前方に移動する演出可動役物500を備え、該演出可動役物500により変動表示装置25の下部の前方を装飾できるように構成されている。
第2実施形態の前側演出機構36′は、後側演出機構37の前方に位置する前側演出ベース42を備え、該前側演出ベース42には、第1回動部材501と第2回動部材502とを連結して構成された演出可動役物500を配置している。詳しくは、前側演出ベース42に長尺な第1回動部材501の一端(図50(b)中、右端)を軸着し、該第1回動部材501の他端(図50(b)中、左端)には短冊形状の第2回動部材502の一端(図50(b)中、右端)を軸着し、第1回動部材501および第2回動部材502を表示画面25aの延在方向に沿って回動可能とし、第2回動部材502の前面には「わっしょい」の文字装飾を施している。また、前側演出ベース42のうち第1回動部材501の側方(図50(a)中、右側方)には可動役物駆動モータ504を備え、該可動役物駆動モータ504の出力軸には駆動ギア505を共回り状態で備えている。さらに、第1回動部材501の一端の回動軸には第1回動ギア506を共回り状態で装着し、第1回動ギア506と駆動ギア505との間を、前側演出ベース42に備えられた第1連結ギア群507(可動役物駆動モータ504と第1回動部材501との間に並んだ2つの第1連結ギアを噛合して構成されたギア群)で連結している。そして、第2回動部材502の一端の回動軸には第2回動ギア509を共回り状態で装着し、第2回動ギア509と駆動ギア505との間を、第1回動部材501に備えられた第2連結ギア群510(第1回動部材501の長手方向に沿って並んだ4つの第2連結ギアを噛合して構成されたギア群)で連結している。
このような構成の前側演出機構36においては、図50(a)に示すように、第1回動部材501が横向きになり、第2回動部材502が第1回動部材501の前方に重なって位置する折り畳み状態を演出可動役物500の常態(演出不実行状態)とし、第1回動部材501と第2回動部材502とが遊技盤1の正面から見てセンターフレーム6の下辺部の後方に隠れるように配置される。また、第2回動部材502が文字装飾を上下逆にした姿勢に設定される。そして、常態から可動役物駆動モータ504を正転駆動すると、図50(b)に示すように、可動役物駆動モータ504の回動力が第1連結ギア群507および第2連結ギア群510に伝達し、第1連結ギア群507に伝達された回動力により第1回動ギア506が回動して、第1回動部材501が横向き姿勢から上方へ回動する。また、第2連結ギア群510に伝達された回動力により第2回動ギア509が回動して、第2回動部材502が横向き姿勢から下方へ回動する。そして、第1回動部材501が十分に回動すると、第1回動部材501の他端が表示画面25aの下部の前方に位置して第1回動部材501が一端(回動軸側)に向かって下り傾斜した姿勢となる。また、第2回動部材502が表示画面25aの下縁部に沿って横向きに位置し、文字装飾の上下を正した姿勢に設定される(図50(c)参照)。この結果、演出可動役物500(前側演出機構36)が演出実行状態に変換する。また、演出実行状態から可動役物駆動モータ504を逆転駆動すると、第2回動部材502が下方に回動して第1回動部材501の前方に重なり、さらには第1回動部材501が下方に回動して表示画面25aの下方に移動し、常態に戻る(図50(a)参照)。
このようにして常態と演出実行状態とに変換可能な演出可動役物500は、第1回動部材501が一端を中心に回動することに連動して、第2回動部材502が先端部を第1回動部材501の一端に近づけたり遠ざけたりする状態で回動するので、演出可動役物500の移動範囲を広く設定することができ、演出可動役物500により迫力のある演出を変動表示装置25の前方で実行することができる。なお、演出可動役物500の常態においては、第2回動部材502が第1回動部材501の前方に重なって位置する状態に限定されない。要は、第2回動部材502が先端部を第1回動部材501の一端に近づけたり遠ざけたりする状態で回動して常態や演出実行状態に変換すれば、第1回動部材501および第2回動部材502はどのような姿勢に変換してもよい。
また、特図変動表示ゲームの実行中に演出可動役物500が演出実行状態へ変換することにより、特図変動表示ゲームの結果が当りである可能性を示唆できるように設定してもよい。例えば、図51(a)に示すように、識別情報の変動表示中に演出可動役物500を動作(常態から演出実行状態へ変換)することで、特図変動表示ゲームの結果が当りである可能性を相対的に弱く示唆する弱予告表示を実行するようにしてもよい。さらには、図51(b)に示すように、識別情報の変動表示中に演出可動役物500および上側演出部材(前方装飾役物)79をそれぞれ動作(常態から演出実行状態へ変換)することで、特図変動表示ゲームの結果が当りである可能性を弱予告演出より相対的に強く示唆する強予告表示を実行するようにしてもよい。このようにして、演出可動役物500および上側演出部材79の動作の組み合わせで当りの可能性の示唆の強弱を表現すれば、遊技者が示唆の強弱を把握し易い。
なお、前側演出機構36′は、図52(a)に示す第1変形例のように、2つの演出可動役物500を左右対称となる状態で備え、両方の演出可動役物500を演出実行状態に変換すると、2つの第2回動部材502が左右に並んだ状態で変動表示装置25の表示画面25aの前方に位置し、2つの第2回動部材502の文字装飾が一連のメッセージを意味する文言の装飾を表現するように構成してもよい。また、飾り特図変動表示ゲームのリーチ状態において両方の演出可動役物500を演出実行状態に変換すると、変動している中央の識別情報を停止させて、演出可動役物500が中央の識別情報の動きを止めてゲーム結果が決定したかのように見える演出を行ってもよい。さらに、第1変形例では、第2回動部材502を透光性部材で構成するとともに、照射される光の色に応じて異なる文字や模様が浮かび上がる加工を施しておき、変動表示装置25の表示画面25aの前方に位置した状態では、第2回動部材502における文字装飾の内容が後方の表示画面25a上の発光色に応じて異なるように構成してもよい。
さらに、図52(b)に示す第2変形例のように、演出可動役物500が演出実行状態に変換すると、第1回動部材501および第2回動部材502が表示画面25aの対角線上に延在する姿勢で位置し、遊技盤1の正面から見て表示画面25aを2分割するように構成してもよい。そして、変動中の識別情報を2つの分割画面にそれぞれ分割前の表示よりも縮小して表示してもよい。
ところで、上記各実施形態では、右側演出ユニット33に太鼓と人の形状を模した装飾可動役物103を備えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図53に示す第3実施形態の右側演出ユニット33′では、装飾可動役物103の代わりに、第2実施形態の演出可動役物500と似た動作を実行可能な展開可動役物520を備えている。
具体的に説明すると、第3実施形態の右側演出ユニット33′は、図53および図54に示すように、変動表示装置25の側方(図53(a)中、右側)に位置する右側演出ベース100を備え、該右側演出ベース100には、展開役物駆動機構521と展開装飾装置522とを備えて構成された展開可動役物520を配置している。展開役物駆動機構521は、図54に示すように、右側演出ベース100に長尺な装置移動部材525の一端(図54(a)中、下端)を軸着し、該装置移動部材525の他端(図54(a)中、上端)には、展開装飾装置522の基部となる矩形状の展開装飾ベース部材526の一端(図53中、上端)を軸着し、装置移動部材525および展開装飾装置522(展開装飾ベース部材526)を表示画面25aの延在方向に沿って回動可能としている。また、右側演出ベース100のうち装置移動部材525の下方には、装置移動部材525を回動させるための装置移動駆動モータ(移動駆動源)527を備え、該装置移動駆動モータ527の出力軸には装置移動駆動アーム528を共回り状態で装着し、装置移動駆動アーム528の先端に設けられた装置移動係合軸528aを、装置移動部材525に設けられた装置移動係合溝252aへ摺動可能な状態で係合している。
さらに、右側演出ベース100のうち装置移動部材525の側方(図54(a)中、右側方)には、展開装飾ベース部材526(展開装飾装置522)を装置移動部材525に対して回転させるためのベース回動駆動モータ(ベース回動駆動源)530を備え、該ベース回動駆動モータ530の回動力が装置移動部材525を介して展開装飾ベース部材526へ伝達できるように構成されている。詳しくは、図54に示すように、ベース回動駆動モータ530の出力軸に駆動ギア(図示せず)を共回り状態で備え、展開装飾ベース部材526の回動軸には装飾ベース回動ギア532を共回り状態で装着し、該装飾ベース回動ギア532と駆動ギアとの間を、装置移動部材525に備えられた移動連結ギア群533(装置移動部材525の長手方向に沿って並んだ4つの移動連結ギアを噛合して構成されたギア群)で連結している。
展開装飾装置522は、図55に示すように、前面に装飾が施された矩形状の展開装飾ベース部材526を備え、該展開装飾ベース部材526の長手方向の一端(図55(b)中、右端)を装置移動部材525へ軸着している。また、展開装飾ベース部材526には、複数の連動する部品で構成されて展開したり収縮したりする展開装飾部材535を係合している。具体的に説明すると、展開装飾ベース部材526の長手方向の両端部には、連動アーム536を展開装飾ベース部材526の延在方向に沿って回動可能な状態で軸着し、該連動アーム536の先端には、前面に文字装飾(図56参照)が施された短冊状の連動装飾パネル537を備えている。さらに、2つの連動アーム536のうち回動軸を挟んで連動装飾パネル537と反対側の端部を展開リンクアーム538で係合し、2つの連動アーム536を連動して回動可能としている。そして、展開装飾ベース部材526のうち連動アーム536の回動軸より中央寄りの位置にはアーム接続基部539を備え、該アーム接続基部539には、互いに平行な2つの接続アーム540の一端を回動可能な状態で軸着し、各接続アーム540の他端を展開リンクアーム538へ回動可能な状態で軸着し、各接続アーム540が回動により姿勢を変えることで、展開リンクアーム538がアーム接続基部539に対して近づいたり遠ざかったりするように構成されている。さらに、展開リンクアーム538の中央部には重り541を装着し、該重り541で連動アーム536および連動装飾パネル537を回動できるように構成されている。具体的には、連動アーム536の回動軸周りに作用する回転モーメントについて、重り541による回転モーメントが連動装飾パネル537による回転モーメントよりも大きくなるように設定されている。
このような構成を備えた展開可動役物520においては、図53(a)および図54(a)に示すように、装置移動部材525と装置移動駆動アーム528とが表示画面25aの側縁に沿って縦向きになり、展開装飾装置522が装置移動部材525の前方に縦向き姿勢で重なって位置する折り畳み状態を常態(演出不実行状態)としている。このとき、展開装飾装置522は、図55(a)に示すように、2つの接続アーム540を横向きに延在する姿勢にして、展開リンクアーム538を連動アーム536の回動軸よりも変動表示装置25側(図55(a)中、左側)に位置させ、連動アーム536を横向きにするとともに連動装飾パネル537を展開装飾ベース部材526に重ねることにより、展開装飾部材535が収縮状態に設定される。
そして、常態から装置移動駆動モータ527を正転駆動すると、図53(b)および図54(b)に示すように、装置移動駆動アーム528が装置移動係合軸528aを表示画面25a側に移動して装置移動部材525を引き出し、装置移動部材525が展開装飾装置522を折り畳み状態で共回りさせて変動表示装置25側(図53(b)中、左側)へ移動させる。さらに、装置移動係合軸528aが装置移動係合溝252aの端部に当接すると(図54(c)参照)、折り畳み状態の装置移動部材525と展開装飾装置522とが表示画面25aの前方に位置する。展開装飾装置522が表示画面25aの前方に到達したならば、装置移動駆動モータ527の正転駆動を停止するとともにベース回動駆動モータ530を正転駆動する。すると、ベース回動駆動モータ530の回動力が移動連結ギア群533に伝達し、移動連結ギア群533に伝達された回動力により装飾ベース回動ギア532が回動して、展開装飾装置522が下方へ回動する(図53(c)参照)。そして、展開装飾装置522を十分に回動させると、この展開装飾装置522が装置移動部材525よりも表示画面25aの中央寄りに位置して横向き姿勢となり、展開可動役物520が演出実行状態に変換する(図53(d)参照)。このとき、回動して姿勢が変わる展開装飾装置522においては、図55(b)に示すように、重り541の自重(重量)により展開リンクアーム538が2つの接続アーム540を倒しながらアーム接続基部539に上方から近づいて当接する。すると、展開リンクアーム538の下降により連動アーム536が展開装飾ベース部材526の側方へ広がるようにして回動し、2つの連動装飾パネル537が展開装飾ベース部材526の左右両端部で逆ハ字状に位置する。この結果、展開可動役物520の演出実行状態においては、展開装飾部材535が展開状態に変換する。
また、展開可動役物520の演出実行状態からベース回動駆動モータ530を逆転駆動すると、展開装飾装置522が下方へ回動し、装置移動部材525の前方に重なって折り畳まれる。展開装飾装置522を装置移動部材525側へ折り畳んだならば、ベース回動駆動モータ530の逆転駆動を停止するとともに装置移動駆動モータ527を逆転駆動する。すると、装置移動駆動アーム528により装置移動部材525が押し上げられて展開装飾装置522とともに表示画面25aの前方から外れ、常態に戻る(図53(a)参照)。このとき、展開装飾装置522においては、図55(a)に示すように、縦向き姿勢に戻り、重り541の自重(重量)により展開リンクアーム538が2つの接続アーム540を倒しながらアーム接続基部539から離れて側方へ遠ざかる。すると、展開リンクアーム538の移動により展開状態の連動アーム536が展開装飾ベース部材526の中央側へ戻るように回動し、2つの連動装飾パネル537が展開装飾ベース部材526に重なる。この結果、展開装飾部材535が収縮状態に戻る(図55(a))。
このようにして、展開装飾部材535が変動表示装置25の前方まで移動した際には重り541の重量により展開し、変動表示装置25の周縁に移動した際には、変動表示装置25の前方での姿勢とは異なる姿勢に変換して重り541の重量により収縮するので、展開可動役物520による演出動作を複雑に設定することができ、演出効果を高めることができる。また、展開装飾装置522の展開動作および収縮動作に電気的駆動源を必要とせず、節電効果を期待することができる。さらに、ベース回動駆動モータ530から装置移動部材525を介して展開装飾ベース部材526に伝達される回動力により展開装飾装置522を回動させるので、展開可動役物520による演出動作を一層複雑に設定することができる。なお、展開可動役物520においては、展開装飾装置522が拡張して展開することに限らず、拡張を伴わずに状態が変わることで演出の表現が展開するように設定してもよい。
そして、展開装飾装置522においては、図56(a)に示すように、展開装飾ベース部材526の前面に液晶パネル等の装飾表示器545を備え、展開装飾部材535の収納状態時に連動装飾パネル537が装飾表示器545を前方から被覆すれば、装飾表示器545を連動装飾パネル537により保護することができて好適である。また、図56(b)に示すように、装飾表示器545に赤外線センサなどの非接触検出センサ546を内蔵してもよい。そして、展開可動役物520が演出実行状態に変換して展開装飾装置522が変動表示装置25の表示画面25aの前方に位置した場合に、装飾表示器545に「タッチ!」の文字を表示するとともに、非接触検出センサ546の検出動作を有効にし、非接触検出センサ546によって遊技者の手などを検出した場合に所定の遊技演出を実行するように構成してもよい。
ところで、上記各実施形態では、遊技領域4に一般入賞口を備え、該一般入賞口に遊技球が入賞すると賞球が払い出されるように構成されているが、一般入賞口への遊技球の入賞により、賞球の払い出しとは別個の動作が行われるように設定してもよい。例えば、図57に示す第4実施形態においては、遊技球の一般入賞口への入賞に基づいて前述の先読み処理(すなわち、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した始動記憶情報の判定を行う処理)を実行するように設定されている。
具体的に説明すると、図57に示す第4実施形態の遊技盤1は、基本的には第1実施形態と同じであるが、普図始動ゲート7側(図1中、右側)に位置する一般入賞口14′の設定が異なる。詳しくは、一般入賞口14を「絆チャッカー」と称し、この一般入賞口14′を大入賞口16の上端よりも下方に備えている。また、演出制御装置300は、所定報知実行手段および始動記憶内大当り報知手段として機能して、特別遊技状態の発生中(大当り遊技中)に一般入賞口14′に入賞したことに基づいて、始動記憶手段として記憶した始動記憶の中に大当り遊技が実行可能なものがあることを報知できるように構成されている。
そして、図21に示す1stメイン処理の装飾制御処理(ステップB26)では大当り中先読み報知処理が実行される。この大当り中先読み報知処理では、図58に示すように、先ず、大当り遊技中であるか否かを判定し(ステップC1)、大当り中であれば、一般入賞口(絆チャッカー)14′に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップC2)。そして、一般入賞口14′に遊技球が入賞していれば、先読み結果表示を表示する等して始動記憶に関する情報を報知して(ステップC3)、大当り中先読み報知処理を終了する。また、ステップC1において大当り遊技中でないと判定された場合、ステップC2において遊技球が一般入賞口14′に入賞していないと判定された場合には、大当り中先読み報知処理を直ちに終了する。なお、ステップC3においては、先読みされる始動記憶の数はいくつでも構わない。例えば、1つの始動記憶に対して先読み報知を実行してもよいし、全ての始動記憶に対して先読み報知を実行してもよい。
このようなフローチャートに基づく制御を行うことにより、変動表示装置25にて先読み演出が表示されて始動記憶に関する情報が報知される。例えば、図59に示すように、大当り中に一般入賞口14′へ遊技球が入賞すると、表示画面25aの下部に表示された始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)550の1つが卵の形状を模した図に変化する。そして、表示画面25aの上部には、移動砲台の形状を模した図が表示され、移動砲台から撃った弾が卵に当たって卵が割れる様子を表現した動画が実行される。さらに、割れた卵から「当」または「×」の先読み結果表示が出てくる動画を実行し、卵に変化した始動記憶表示550に対応する特図変動表示ゲームが「当り」であるか「はずれ」であるかを報知する。
このようにして、大当り遊技中における一般入賞口14′への入賞に基づいて先読み報知が実行されるように設定すれば、遊技球の一般入賞口14′への入賞に基づいて賞球払い出しとは別個の動作が実行可能となり、遊技の興趣を高めることができる。また、遊技球の一般入賞口14′への入賞に基づいて大当り遊技の実行予定を遊技者に知ることができ、遊技の興趣を一層高めることができる。さらに、大当り遊技中における遊技球の一般入賞口14′への入賞に対して遊技者が興味を持ち易くなり、遊技の興趣の向上を図ることができる。さらに、一般入賞口14′を大入賞口16の上端部よりも下方に配置しているので、遊技球が大入賞口16に入賞しなかったとしても、一般入賞口14′に入賞するチャンス、ひいては一般入賞口14′への入賞に基づいて賞球払い出しとは別個の動作が行われるチャンスを遊技者に与え易くすることができる。
なお、始動記憶内大当り報知手段として機能する演出制御装置300は、大当り遊技中に一般入賞口14′に入賞した球数に基づいて、始動記憶手段として記憶した始動記憶の中に大当り遊技を実行可能なものがあることを報知可能としてもよい。このとき、大当り中先読み報知処理では、図60(a)に示すように、先ず、大当り遊技中であるか否かを判定し(ステップC11)、大当り中であれば、一般入賞口(絆チャッカー)14′に所定個数の遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップC12)。そして、一般入賞口14′に所定個数の遊技球が入賞していれば、先読み結果表示を表示する等して始動記憶に関する情報を報知する(ステップC13)。このとき、図60(b)に示すように、一般入賞口14′への入賞球数に応じて先読みする始動記憶の数を異ならせてもよい。また、ステップC11において大当り遊技中でないと判定された場合、ステップC12において一般入賞口14′への入賞球数が所定個数に達していないと判定された場合、ステップC13にて情報を報知した後には、大当り中先読み報知処理を直ちに終了する。このようにして、一般入賞口14′に入賞した球数に基づいて、始動記憶の中に大当り遊技が実行可能なものが有るかを報知すれば、遊技者が一般入賞口14′への入賞球数に興味を持ちながら遊技を行うことができ、遊技の興趣を一層高めることができる。
そして、一般入賞口14′への遊技球の入賞に基づいて行われる先読み演出は、変動表示装置25の周縁に設けられた演出ユニットの動作を伴って実行されるように設定してもよい。例えば、右側演出ユニット33の装飾可動役物103の動作を伴って先読み演出を実行する場合について説明すると、図61に示すように、まず、大当り遊技の実行中に装飾可動役物103を常態にしておく。そして、一般入賞口(絆チャッカー)14′への入賞があったならば、装飾可動部材を変動表示装置25の表示画面25aの前方へ移動して常態から演出実行状態に変換するとともに第2可動部材122を回動して回動演出実行状態へ変換する。また、第2可動部材122の回動演出実行状態に関連する表示(第2可動部材122の太鼓から「春夏秋冬」の音が出る様子を表現したエフェクト表示)を表示画面25aにて実行する。その後、第2可動部材122および装飾可動役物103を常態に戻し、表示画面25aにおいては、第2可動部材122に関連する表示を消去して元に戻すとともに、先読み報知対象となる始動記憶表示550を先読み結果表示に変更(例えば、当りとなる可能性が高いことを示唆する星印の表示に変更)して先読み演出を終了する。
また、上記第2実施形態の演出可動役物500の動作を伴って先読み演出を実行する場合について説明すると、図62に示すように、まず、大当り遊技の実行中に演出可動役物500を常態にしておき、複数の始動記憶表示550を変動表示装置25の表示画面25aの下縁に沿って並ぶ状態で表示しておく。そして、一般入賞口(絆チャッカー)14′への入賞があったならば、演出可動役物500を常態から動作させて第2回動部材502を回動して始動記憶表示550の下方に配置し、遊技盤1の正面から見て第2回動部材502の上に始動記憶表示550が載置されているかのように見せる。さらに、動作を続けて演出可動役物500を演出実行状態に変換し、第2回動部材502を表示画面25aの下縁から上方の位置に配置する。このとき、表示画面25aにおいては、第2回動部材502の上昇に伴って始動記憶表示550のうち先読み報知の対象となる始動記憶表示550(図62においては2番の始動記憶表示550)を第2回動部材502の上昇に合わせて上方へ移動表示し、遊技盤1の正面から見て第2回動部材502が先読み報知対象の始動記憶表示550を持ち上げているかのような演出を行う。そして、演出実行状態における演出可動役物500の第2回動部材502の上方で、先読み報知対象の始動記憶表示550を先読み結果表示に変更(例えば、当りとなる可能性が高いことを示唆する「当」の文字が内側に記載された表示に変更)する。先読み報知対象の始動記憶表示550を先読み結果表示に変更したならば、演出可動役物500を演出実行状態から常態へ戻すとともに、先読み報知対象の始動記憶表示550を変更後の先読み結果表示のまま元の位置に戻して、先読み演出を終了する。
さらに、上記第3実施形態の展開可動役物520の動作を伴って先読み演出を実行する場合について説明する。なお、展開可動役物520の展開装飾ベース部材526は、透明部材で構成しておく。図63に示すように、まず、大当り遊技の実行中に展開可動役物520を常態にしておき、複数の始動記憶表示550を変動表示装置25の表示画面25aの上縁に沿って並ぶ状態で表示しておく。この状態で一般入賞口(絆チャッカー)14′への入賞があったならば、展開可動役物520を常態から演出実行状態に変換し、展開装飾装置522を表示画面25aの前方のうち始動記憶表示550の下方に配置する。展開可動役物520の演出実行状態への変換後、表示画面25aにおいては、複数の始動記憶表示550が下方へ移動して展開装飾装置522の後方に向かう表示を実行する。そして、先読み報知の対象となる始動記憶表示550(図63においては2番の始動記憶表示550)を展開装飾装置522の後方で停滞させて、遊技盤1の前方から透明の展開装飾ベース部材526を通して視認可能とし、さらに、先読み報知対象の始動記憶表示550を先読み結果表示に変更(例えば、当りとなる可能性が高いことを示唆する表示に変更)する。また、先読み報知の対象外の始動記憶表示550については展開装飾装置522の後方から下方へ移動する表示を行う。先読み報知対象の始動記憶表示550を変更したならば、展開可動役物520を演出実行状態から常態へ戻すとともに、先読み報知対象の始動記憶表示550を変更後の先読み結果表示のまま下方へ移動し、他の始動記憶表示550とともに表示画面25aの下縁に沿って並ぶ状態に表示して、先読み演出を終了する。なお、展開装飾ベース部材526を透明部材で構成する代わりに、展開装飾ベース部材526に前面に有機EL表示器や液晶パネル等の画像表示器を配置し、展開装飾ベース部材526の後方に移動してきた始動記憶表示550を画像表示器に表示して遊技盤1の前方から視認できるようにしてもよい。
これらのように、変動表示装置25の周縁に設けられた演出ユニットの動作に連動して先読み報知を実行すれば、先読み報知に伴う演出を複雑な態様で実行することができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。なお、演出ユニットの動作に連動して先読みされる始動記憶の数はいくつでも構わない。例えば、図64に示すように、全体の半数の始動記憶に対して先読み報知を実行してもよいし、あるいは全ての始動記憶に対して先読み報知を実行してもよい。
ところで、上記第4実施形態では、大当り遊技の実行中(特別遊技状態の発生中)に一般入賞口14′への入賞があったことに基づいて始動記憶の先読み報知を実行したが、本発明はこれに限定されない。例えば、大当り遊技実行後の遊技者に有利な特定遊技状態の実行中に、遊技球が一般入賞口14′へ入賞したことに基づいて先読み報知を実行するように設定してもよい。
遊技者に有利な特定遊技状態としては、電サポ状態(普電サポート状態)やST状態が挙げられる。ここで、電サポ状態とは、特図変動表示ゲームが所定回数消化されるまで、普図変動表示ゲームにおける当り(普図当り)の当選確率を高くするとともに、普図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮することにより、普通電動役物13の開閉動作を頻発させて第2始動入賞口12に遊技球を入賞し易くした状態(時短)や、特図変動表示ゲームが所定回数消化されるまで、普図変動表示ゲームにおける普図当たりの当選確率は変わらないが、普図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮し、尚かつ普通電動役物13の開放時間を長くすることにより、普通電動役物13の開閉動作を頻発させて第2始動入賞口12に遊技球を入賞し易くした状態である。なお、特図変動表示ゲームの大当たり確率が通常状態で電サポ状態でない場合は、普図変動表示ゲームの当選確率は0でもよい。また、ST(Special Time)状態とは、規定された上限ゲーム数だけ高確率状態(特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態に比べて高い状態)に滞在すること(所謂高確率状態の回数切り)である。そして、ST状態中では、「電サポあり」として電サポ状態を伴っていてもよいし、「電サポなし」として電サポ状態を伴わなくてもよい。
ST状態中に、一般入賞口14′への入賞に基づいて先読み報知を実行する場合には、装飾制御処理(図21に示す1stメイン処理のステップB26)において演出制御装置300が始動記憶内大当り報知手段として機能してST中先読み報知処理を実行する。ST中先読み報知処理では、図65に示すように、先ず、ST状態中であるか否かを判定し(ステップD1)、ST状態中であれば、一般入賞口(絆チャッカー)14′に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップD2)。そして、一般入賞口14′に遊技球が入賞していれば、先読み結果表示を表示する等して始動記憶に関する情報を報知して(ステップD3)、ST中先読み報知処理を終了する。また、ステップD1においてST状態中でないと判定された場合、ステップD2において遊技球が一般入賞口14′に入賞していないと判定された場合には、ST中先読み報知処理を直ちに終了する。なお、ステップD3においては、先読みされる始動記憶の数はいくつでも構わない。例えば、1つの始動記憶に対して先読み報知を実行してもよいし、全ての始動記憶に対して先読み報知を実行してもよい。
なお、ST状態中は特図変動表示ゲームの実行時間(識別情報の変動時間)が非ST状態よりも短いため、始動記憶に関する情報の報知(始動記憶表示550を先読み結果表示へ変更する動作)を、前述した大当り遊技実行中における報知よりも素早く実行することが好適である。例えば、図66に示すように、人を模した表示が始動記憶表示550の前方を通過するタイミングで始動記憶表示550が先読み結果表示に変更するという演出で先読み報知を行う場合には、人を模した表示の移動速度を大当たり実行中における先読み報知時の移動速度よりも速く設定することが好ましい。
また、先読み報知の実行を早める代わりに、先読み報知が行われる場面である特図変動表示ゲームの実行時間を通常よりも長く設定してもよい。例えば、前述の図42に示す特図普段処理において、遊技制御装置200が始動記憶内大当り報知手段として機能してST中先読み報知処理を実行し、このST中先読み報知処理において特図変動表示ゲームの実行時間を長くするように設定してもよい。このとき、ST中先読み報知処理では、図67に示すように、先ず、ST状態中であるか否かを判定し(ステップD11)、ST状態中であれば、一般入賞口(絆チャッカー)14′に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップD12)。そして、一般入賞口14′に遊技球が入賞していれば、次の特図変動表示ゲームの実行時間(変動時間)を通常よりも長く設定する(ステップD13)とともに、先読み結果表示を表示する等して始動記憶に関する情報を報知して(ステップD14)、ST中先読み報知処理を終了する。また、ステップD1においてST状態中でないと判定された場合、ステップD2において遊技球が一般入賞口14′に入賞していないと判定された場合には、ST中先読み報知処理を直ちに終了する。
これらのように、大当り遊技実行後の遊技者に有利な特定遊技状態の実行中に、遊技球が一般入賞口14′へ入賞したことに基づいて先読み報知を実行するように設定すれば、大当り遊技後であっても遊技球の一般入賞口14′への入賞に対して遊技者が興味を持ち易くなり、遊技の興趣の向上を図ることができる。
ところで、上記第4実施形態では、遊技球の一般入賞口14′への入賞に基づいて先読み報知を行うように設定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図68および図69に示す第5実施形態では、遊技球の一般入賞口14′への入賞に基づいて、ST状態における高確率状態の残りゲーム数を上乗せするかのような演出を実行し得るように設定されている。具体的に説明すると、まず、図68(a)に示すように、ST状態(電サポ状態)における見かけ上の上限ゲーム回数(表示ゲーム回数)を表示する。ここで、表示ゲーム回数は、ST状態において実際に設定される上限ゲーム回数(リアルゲーム回数)よりも少ない回数で設定される。図69においては、リアルゲーム回数は30回に設定されており、表示ゲーム回数はリアルゲーム回数よりも10回少ない「20回」で表示されている。
そして、ST状態中には、図69に示すように、遊技領域4およびセンターフレーム6に設けられた矢印形状の表示ランプ560を発光するとともに、表示画面25aには表示ランプで表現される矢印に繋がるように短冊状の図形を表示して、矢印により一般入賞口14′を指し示すような装飾演出を実行する。また、表示画面25aには、ST状態の残りのゲーム回数と、「ここに入るといいことあるかも!?」というメッセージとを表示し、遊技者に遊技球の一般入賞口14′への入賞を促す演出を実行する。そして、図68(b)に示すように、ST状態中に遊技球が一般入賞口14′へ入賞すると、表示画面25aには、リアルゲーム回数と表示ゲーム回数との差を示した上乗せ表示(「+10回」の表示)が見え隠れしてあおり表示を実行し(図68(c)参照)、上乗せ表示を表示しないか、あるいは上乗せ表示を表示画面25aの中央に表示する(図68(e)参照)。上乗せ表示が表示されない場合には、表示ゲーム回数の表示を維持して遊技が進行し(図68(d)参照)、上乗せ表示が表示された場合(図68(e)参照)には、上乗せ表示で表示された回数を表示ゲーム回数に加算して表示し、ST状態が加算されたゲーム回数まで延長したかのように見せる(図68(f)参照)。なお、遊技者に遊技球の一般入賞口14′への入賞を促す演出は、一般入賞口14′の前面に有機EL表示器を設け、この表示器に「今入賞するとST+10回」と表示することで行ってもよい。
このように、ST状態において遊技球の一般入賞口14′への入賞に基づいてST状態が延長されたかのような報知を行うように設定すれば、大当り遊技後であっても遊技球の一般入賞口14′への入賞に対して遊技者が興味を持ち易くなり、遊技の興趣の向上を図ることができる。
なお、上記したST状態の上乗せ表示は、一般入賞口14′への入賞に基づいて行われなくてもよい。例えば、図70に示す変形例のように、前面枠に設けられた遊技演出ボタン(図示せず)の操作に基づいて行われたり、あるいは、遊技演出ボタンの操作に拘らずに行われたりしてもよい。具体的に説明すると、まず、図70(a)に示すように、特図変動表示ゲームにおいて、電サポありのST状態の発生を伴う大当りに当選すると、変動表示装置25の表示画面25aには、「大当り/ST20回」のように、実行予定のST状態の見かけ上の上限ゲーム回数である表示ゲーム回数を表示する。
そして、電サポありのST状態の遊技が進行し、表示ゲーム回数の最後の特図変動表示ゲームが実行されているときには、遊技者に操作を促す表示が何もなされないか(図70(b)参照)、遊技者に遊技演出ボタンの操作を促す表示を実行する(図70(c)参照)。遊技者に操作を促す表示が何もなされない場合、または、遊技演出ボタンの操作を促す表示がなされて遊技者が遊技演出ボタンを操作した場合には、図70(d)に示すように、識別情報の変動表示中に識別情報が縮小表示されるとともに、リアルゲーム回数と表示ゲーム回数との差を示した上乗せ表示が「+10回」のように表示され、ST状態が延長されたかのような演出が行われる。その後、特図変動表示ゲームがリアルゲーム回数まで実行される(図70(e)参照)。また、遊技者に遊技演出ボタンの操作を促す表示がなされたが、遊技者が遊技演出ボタンを操作しなかった場合には、図70(f)に示すように、実行中の特図変動表示ゲームが一旦終了するが、その後、リアルゲーム回数と表示ゲーム回数との差を示した上乗せ表示が「+10回」のように表示され(図70(g)参照)、特図変動表示ゲームがリアルゲーム回数まで実行される。
また、上記上乗せ表示を実現する制御としては、演出制御装置300で実行される1stメイン処理の装飾制御処理(ステップB26)において複数の処理が実行される。まず、識別情報の変動表示の開始時には、図71に示す電サポ回数判定処理が実行される。電サポ回数判定処理では、当りが発生したか否かを判定し(ステップE1)、当りが発生した場合には、この当りの種類に対応してリアル電サポ残カウンタに値(リアルゲーム回数)を設定する(ステップE2)。そして、ステップE2における値の設定後、あるいはステップE1にて当りが発生していないと判定された場合に、電サポ回数判定処理を終了する。さらに、大当り終了時には、図72に示す表示用電サポ回数決定処理が実行される。表示用電サポ回数決定処理では、電サポ回数報知乱数を抽出し(ステップE11)、抽出された電サポ回数報知乱数に対応して表示電サポ残カウンタに値を設定する(ステップE12)。その後、表示電サポ残カウンタに対応した電サポ回数(ST状態の見かけ上の上限ゲーム回数である表示ゲーム回数)を変動表示装置25に表示して、表示用電サポ回数決定処理を終了する。
そして、電サポ中(ST状態中)には、図73に示す電サポ上乗せ報知処理が実行される。電サポ上乗せ報知処理では、まず、上乗せ表示を実行する条件(一般入賞口14′への入賞や、表示電サポカウンタが0になる等)が成立したか否かを判定し(ステップE21)、成立していれば、リアル電サポ残カウンタ値と表示電サポ残カウンタ値との差(カウンタ差数)が正であるか否かを判定する(ステップE22)。そして、カウンタ差数が正であれば、カウンタ差数以下の値を任意に選択して上乗せ分として上乗せ表示を実行し(ステップE23)、この上乗せ表示で表示された値をリアル電サポカウンタ値から減算して(ステップE24)、電サポ上乗せ報知処理を終了する。また、ステップE21において条件が成立していない場合、あるいはステップE22においてカウンタ差数が正ではないと判定された場合には、直ちに電サポ上乗せ報知処理を終了する。
ところで、大当り遊技中に一般入賞口14′へ入賞した遊技球数については、図74に示すように、大当り遊技終了時に表示画面25aに表示して遊技者に報知してもよい。また、図75に示すように、大当り遊技中に一般入賞口14′へ入賞した遊技球数に応じて、センターフレーム6に設けられた演出部材570の演出状態を異ならせ、一般入賞口14′への入賞球数が多いほど演出部材570が表示画面25aの中央に近づいてくるようにしてもよい。また、所定の入賞球数(例えば、5個)が達成した場合には、演出部材570の後方で演出部材570に関連するエフェクト表示が実行されるように設定してもよい。このような演出を実行すれば、一般入賞口14′に入賞し易い遊技球発射操作が行われたか否か、または、一般入賞口14′に入賞し易いパチンコ遊技機であるか否かを遊技者に把握させ易い。
ところで、大入賞口16が遊技領域4の右寄りに位置するタイプのパチンコ遊技機(図57参照)では、大入賞口16が開放していない通常遊技中に遊技者が所謂右打ちすることは、遊技者にとって不利な行為である。そこで、大入賞口16の近傍に位置する一般入賞口14′への入賞に基づいて、通常遊技中において遊技者に遊技球の打ち方を変更するように促す報知を行ってもよい。例えば、通常遊技中の演出制御装置300で実行される1stメイン処理の装飾制御処理(ステップB26)において、図76に示す通常中絆チャッカー入賞処理を実行する。通常中絆チャッカー入賞処理では、まず、通常遊技中において所定時間以内に遊技球が一般入賞口(絆チャッカー)14′へ2個以上入賞したか否かを判定し(ステップF1)、2個以上入賞していない場合には通常中絆チャッカー入賞処理を直ちに終了する。一方、2個以上入賞している場合には、異常報知(遊技球の発射傾向が現在の通常遊技に適していない旨の報知)を行って、遊技者に遊技球の打ち方を変更するように促し(ステップF2)、通常中絆チャッカー入賞処理を終了する。なお、一般入賞口14′への入賞があった旨をパチンコ遊技機の外部(例えば、遊技店に設置された遊技場内部管理装置)へ出力してもよい。
さらに、待機中(客待ち中)のパチンコ遊技機において、一般入賞口14′への入賞に関する情報を表示画面25aに表示するように設定し、遊技者にパチンコ遊技機の選択(どのパチンコ遊技機で遊技を行うか)の目安を提供できるようにしてもよい。例えば、図77に示すように、過去に発生した大当り毎に、該大当りにより発生した大当り遊技の実行中における1ラウンドあたりの一般入賞口14′への入賞個数や、前記大当りにより発生した電サポ状態中において電サポ状態10回転あたりの一般入賞口14′への入賞個数を記載した表のデータを演出制御装置300内で保持しておき、遊技者が待機状態のパチンコ遊技機の遊技演出ボタンを操作すると、一般入賞口14′への入賞に関する情報の表が変動表示装置25の表示画面25aに表示されるようにしてもよい。
ところで、上記第4実施形態および第5実施形態においては、大入賞口16の一側方(図57および図69中、右側方)に絆チャッカーと称される一般入賞口14′を配置したが、本発明はこれに限定されない。要は、遊技球の一般入賞口への入賞に基づいて所定の報知を実行可能であれば、一般入賞口の配置箇所はどのように設定してもよい。例えば、図56において、遊技盤1の左右方向の中央部を挟んで大入賞口16とは反対側の遊技領域4に配置された一般入賞口15を「絆チャッカー」に設定してもよい。また、図78に示すように、大入賞口16の左右両側方に一般入賞口(絆チャッカー)14′をそれぞれ配置し、該一般入賞口14′に遊技球が入賞したことに基づいて先読み報知やST上乗せ報知等の所定の報知を実行するように構成してもよい。また、大入賞口16を遊技領域4の左右方向の中央部に配置し、一般入賞口(絆チャッカー)14′を大入賞口16の左右両側方に配置してもよい(図79参照)。さらに、図80に示すように、遊技領域4の右寄りに普通電動役物13が設けられた第2始動入賞口12を配置し、遊技者が所謂右打ちをすることがあるタイプのパチンコ遊技機においては、一般入賞口(絆チャッカー)14′を大入賞口16の右側方に配置すれば、右打ち時に遊技球が一般入賞口14′へ入賞し易くなる。これにより、一般入賞口14′への入賞に基づく報知(先読み報知や上乗せ報知など)が行われ易くなって、遊技の興趣の向上を図ることができる。なお、図81に示すように、遊技領域4に2つの大入賞口16が設けられた入賞装置ユニット590を備えた場合には、該入賞装置ユニット590に一般入賞口(絆チャッカー)14′を備えてもよい。このとき、一般入賞口(絆チャッカー)14′は、いずれかの大入賞口16の上端部よりも下方に位置していれば、遊技球が大入賞口16に入賞しなかったとしても、一般入賞口14′に入賞するチャンス、ひいては一般入賞口14′への入賞に基づく報知(先読み報知や上乗せ報知など)が行われるチャンスを遊技者に与え易くなって好適である。
ところで、上記各実施形態においては、変動表示装置25に表示される複数の識別情報が、図柄Aの内側領域から該図柄Aの背景Bとして設定される動画を臨ませる態様で表示されるように設定してもよい。背景Bは、例えば、龍の動画(図82参照)であったり、桜の花びらが散る様子の動画(図83参照)であったり、打ち上げ花火の動画(図84参照)であったりしてもよい。そして、図85(a)および(b)に示すように、飾り特図変動表示ゲームがリーチ状態になった場合には、表示画面25aの全体に背景Bの動画を表示し、識別情報を縮小して表示画面25aの隅で変動表示するようにしてもよい。このように識別情報の内側に背景Bの動画を表示すれば、識別情報を認識しながら動画を観て楽しむことができる。
また、各実施形態においては、図86に示すように、遊技領域4に配置された大入賞口16や各始動入賞口11,12等の遊技役物の前面に表示器、例えば、有機EL表示器600を備えてもよい。遊技役物に有機EL表示器600を備えれば、遊技役物にて様々な演出表示を行うことができる。例えば、有機EL表示器600にて、識別情報の変動パターンに対する予告表示DSP1、遊技者に対して遊技球の入賞を狙うように矢印や文字のスクロールで指示する表示DSP2,DSP3、大当りの確定を報知する表示DSP4などを実行することができる。なお、有機EL表示器600に限らず、装飾表示が可能であれば、どのような形式の表示器であってもよい。
ところで、図77に示す変形例では、パチンコ遊技機の待機中(客待ち状態)において、一般入賞口14′への入賞に関する情報を表示画面25aに表示するように設定し、遊技者にパチンコ遊技機の選択(どのパチンコ遊技機で遊技を行うか)の目安を提供して遊技者の呼び込みを行えるようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図87に示すように、表示装置(変動表示装置25)の表示だけではなく、可動役物(装飾可動役物103および装飾動作役物148)の動作をも実行して遊技者の呼び込みを行ってもよい。
具体的に説明すると、図87における実施形態では、遊技者が遊技を行っていない客待ち状態(例えば、変動表示ゲームが終了してから一定期間(例えば30秒)が経過して移行する客待ち状態)において、客待ち状態の開始時では、客待ち状態時に表示される客待ち標準画像(例えば「ABCD」の文字)が変動表示装置25に表示され、装飾可動役物103および装飾動作役物148が表示画面25aの側方に位置する常態に設定されている(図87(a)参照)。
そして、客待ち状態で所定時間(例えば、変動表示ゲームが開始されない状態で3分)が経過すると、図87(b)に示すように、制御手段である遊技制御装置200および演出制御装置300がデモ動作手段として機能して、装飾可動役物103を常態から移動演出実行状態へ変換してデモンストレーション動作を実行させ、表示画面25aと前後方向に重ね合わせる。また、遊技制御装置200および演出制御装置300がデモ映像表示手段として機能して、装飾可動役物103のデモンストレーション動作に合わせて表示画面25aに吹き出し(文字等の情報が記載される情報記載領域)をデモンストレーション映像として表示し、装飾可動役物103が吹き出し内に記載のメッセージを遊技者へ伝えるかのような演出(呼び込み演出)を実行する。
さらに、装飾可動役物103による呼び込み演出の実行から所定時間(例えば5秒)が経過すると、図87(c)に示すように、制御手段である遊技制御装置200および演出制御装置300がデモ動作手段として機能して、装飾動作役物148を常態から移動演出実行状態へ変換してデモンストレーション動作を実行させ、表示画面25aと前後方向に重ね合わせる。また、遊技制御装置200および演出制御装置300がデモ映像表示手段として機能して、装飾動作役物148のデモンストレーション動作に合わせて表示画面25aに吹き出し(文字等の情報が記載される情報記載領域)をデモンストレーション映像として表示し、装飾動作役物148が吹き出し内に記載の情報(パチンコ遊技機の動作に関する情報であり、例えば、図88中の「高確率」の文字)を遊技者へ伝えるかのような演出(呼び込み演出)を実行する。
このようにして、変動表示装置25の表示だけではなく、可動役物(装飾可動役物103および装飾動作役物148)の動作をも実行して遊技者の呼び込みを行えば、呼び込み効果を十分に期待することができる。また、デモンストレーション動作を実行した状態の可動役物(装飾可動役物103および装飾動作役物148)が変動表示装置25と前後方向に重なり合って位置するので、変動表示装置25におけるデモンストレーション映像と可動役物におけるデモンストレーション動作との相乗効果を得ることができ、集客力の向上を図ることができる。さらに、変動表示装置25に吹き出しをデモンストレーション映像として表示するので、可動役物自体が遊技者を呼び込んでいるかのような呼び込み演出を実行することができ、遊技者を惹きつけ易い呼び込みを実行することができる。
ところで、客待ち状態においてパチンコ遊技機が呼び込み演出を実行するタイミングは、客待ち状態で所定時間が経過したときに限定されない。例えば、パチンコ遊技機の電源投入時に変動表示装置25および可動役物による呼び込み演出を実行してもよいし、あるいは、RTC(リアルタイムクロック)において予め設定された所定時刻(呼び込み実行時刻)になったタイミングで変動表示装置25および可動役物による呼び込み演出を実行してもよい。また、デモンストレーション映像として表示される吹き出しの中の情報は、遊技者を惹きつけると思われる情報であればどのような情報でもよい。さらに、デモンストレーション映像は、吹き出しで表示されるものに限らず、どのような態様で表示されていてもよい。例えば、可動役物の動きと関連する擬音などであってもよい。
例えば、図88に示す実施形態においては、2つの可動役物がパチンコ遊技機についての問答を行うようなデモンストレーション映像が表示されて、遊技者に潜伏確変状態(高確率状態(特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態に比べて高い状態)であるにも拘らずその報知が行われていない状態)であることを報知するように設定されている。具体的には、客待ち中における常態(図88(a)参照)から第1の呼び込み実行時刻が到来すると、制御手段である遊技制御装置200および演出制御装置300がデモ動作手段として機能して、装飾可動役物103にデモンストレーション動作を実行させ、さらにはデモ映像表示手段として機能して、装飾可動役物103のデモンストレーション動作に合わせて表示画面25aに「高確率?」の文字が記載された吹き出しをデモンストレーション映像として表示する(図88(b)参照)。
さらに、第1の呼び込み実行時刻から所定の時間(例えば5秒)が経過した第2の呼び込み実行時刻が到来すると、図88(c)に示すように、制御手段である遊技制御装置200および演出制御装置300がデモ動作手段として機能して、装飾動作役物148にデモンストレーション動作を実行させ、さらにはデモ映像表示手段として機能して、装飾動作役物148のデモンストレーション動作に合わせて表示画面25aに「当然 高確率」の文字が記載された吹き出しをデモンストレーション映像として表示する。このようにして可動役物同士が問答を行ってパチンコ遊技機の情報を知らせるような呼び込み演出を行えば、遊技者を惹きつけ易くなり、効果的な呼び込みを行うことができる。
なお、可動役物の動きを異ならせることにより潜伏確変状態の程度を示唆するように設定してもよい。例えば、装飾可動役物103または装飾動作役物148のいずれか一方が呼び込み演出を実行すれば、高確率状態が50%の割合で発生し得ることを示唆し、装飾可動役物103および装飾動作役物148の両方が呼び込み演出を実行すれば、高確率状態が100%の割合で発生し得ることを示唆するように設定してもよい。また、吹き出し内に表示される情報としては、日付や曜日に関連する情報であってもよい。例えば、図89に示すように、RTC(リアルタイムクロック)により把握される日付や曜日に基づき、当日のイベントや後日のイベントを情報として吹き出し内に記載して、遊技者を呼び込んでもよい。
ところで、図87〜図89に示す実施形態では、可動役物(装飾可動役物103および装飾動作役物148)は、デモンストレーション動作を行わない常態においては、変動表示装置25の前方から外れて位置するが、本発明はこれに限定されない。要は、可動役物が少なくともデモンストレーション動作を実行した状態において変動表示装置25と前後方向に重なり合って位置すればよく、例えば、常態においても可動役物が変動表示装置25の前方に位置していてもよい。また、可動役物の配置箇所は、変動表示装置25の側方に限らず、上寄りの位置でもよいし、下寄りの位置でもよい。さらに、デモンストレーション動作を行う可動役物は2つに限定されず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。そして、デモ映像表示手段およびデモ動作手段として機能する構成は、遊技制御装置200および演出制御装置300であることに限らず、演出制御装置300のみであってもよい。
ところで、上記第1実施形態における上側装飾カバー80(図11参照)は、光による装飾を実行可能な照明装置700であってもよい。例えば、上側装飾カバー80に代わる装飾部材として図90〜図92に示す照明装置700は、横長な平板形状を呈する装置であり、当該照明装置700の後側に位置する照明ベース部材701と、該照明ベース部材701の前面側に重なって位置する発光基板702と、該発光基板702を前方から覆う平板状の導光部材703と、該導光部材703を前方から覆うシート状の拡散部材704と、該拡散部材704を前方から覆う装飾カバー部材705とを備えて構成されている。そして、図91および図93に示すように、発光基板702のうち導光部材703側を向いた実装面(前面)には発光部材708(第1発光部材708a、第2発光部材708b)を実装し、該発光部材708から発生した光が導光部材703、拡散部材704、装飾カバー部材705を透過して遊技盤1の前方へ出射されるように構成されている。
発光基板702は、図93に示すように、複数(本実施形態では4つ)の第1発光実装領域711を横に並んだ状態で設定し、隣り合う第1発光実装領域711の間に第2発光実装領域712を設定している。そして、第1発光実装領域711には複数(本実施形態では6個)の第1発光部材(フルカラーLED)708aを互いに離間した状態で実装し、第2発光実装領域712には複数(本実施形態では2個または3個)の第2発光部材(フルカラーLED)708bを互いに離間した状態で配置している。
導光部材703は、発光部材708から受けた光を拡散部材704側へ誘導する透明な板状部材であり、図94に示すように、第1発光部材708aの光を誘導する第1導光部716と、第2発光部材708bの光を誘導する第2導光部717とを備えて構成されており、導光部材703の左右両側には、装飾カバー部材705の一部を係合する係合受部718をそれぞれ備えている。第1導光部716は、図95および図96に示すように、発光基板702側を向いた裏面のうち第1発光部材708aに対向する箇所を前方へ円筒状に凹ませて第1発光収納凹部721を形成し、導光部材703の裏面に発光基板702を重ねた状態では第1発光収納凹部721内に第1発光部材708aが臨むように構成されている。そして、第1発光収納凹部721のうち拡散部材704側(前側)を区画する球面状の前側区画壁には、光を反射可能な表面処理(本実施形態では白色塗装)を施して凹部内反射面722を形成し、第1発光部材708aから凹部内反射面722に到達した光の一部は透過して拡散部材704側へ進行するが、大半が凹部内反射面722を透過せずに拡散部材704側とは異なる方向へ反射されるように構成されている(図96参照)。
また、第1導光部716には、第1発光部材708aから光を受け入れる入光面723を第1発光部材708a毎に対向して複数備えている。具体的には、各第1発光収納凹部721の外周を区画する円筒状の外周区画壁を光が透過可能な状態(本実施形態では、塗装などの表面処理を施さずに透明にしておく状態)に設定して入光面723とし、第1発光部材708aから直接到達した光や、凹部内反射面722に反射されて到達した光を入光面723から第1導光部716内へ受け入れ可能としている。
さらに、第1導光部716のうち入光面723を挟んで第1発光部材708aとは反対の位置(図94の背面図において第1発光収納凹部721から外れた位置)には、入光面723を通過して第1導光部716内を進行する光を前方の拡散部材704側へ反射可能な導光反射領域725を備えている。詳しく説明すると、第1導光部716の裏面のうち各第1発光収納凹部721の周りには、複数の円環突起726を各第1発光収納凹部721が中心となる同心円状態でそれぞれ形成し、第1発光収納凹部721から遠い円環突起726を第1発光収納凹部721に近い円環突起726よりも前方の拡散部材704側へ近づけて設定している(図96参照)。そして、円環突起726が形成された第1導光部716の裏面部分(第1発光収納凹部721から外れた裏面部分)には、第1導光部716内を進行する光を反射可能な表面処理(本実施形態では白色塗装)を施し、各円環突起726のうち外周縁側に位置する円環部分(入光面723側に近づくにつれて拡散部材704から次第に離れる傾斜状態に設定された円環部分)を導光反射部727として入光面723側にそれぞれ臨ませ、各導光反射部727を導光反射領域725内で同心円状に配置している。
さらに、同心円状態で隣り合う導光反射部727同士のうち外側の導光反射部727(入光面723から遠い導光反射部727)を内側の導光反射部727(入光面723に近い導光反射部727)よりも前方の拡散部材704側にずらして配置して、導光反射部727が入光面723側に近づくにつれて拡散部材704から次第に離れる状態に設定し、これにより内側の導光反射部727が外側の導光反射部727への光の到達を遮らないように構成されている。また、隣り合う導光反射部727の間には、入光面723側とは異なる方向に向いた非導光反射部728を形成し、非導光反射部728には入光面723を通過した光が到達し難いように構成されている。したがって、光が到達した導光反射領域725を拡散部材704側から見ると、図97に示すように、光の輪が同心円状に広がる様子を視認することができる。したがって、単一の第1発光部材708aから発生した光を十分に広げることができる。なお、導光反射領域725においては、外側に位置する光の輪が内側に位置する光の輪よりも弱く発光するように見えることになる。
そして、図96および図98に示すように、隣り合う入光面723の間に位置する導光反射領域725同士の境界部分BP(図98において太線で示す部分)は、いずれの入光面723にも臨む状態に設定されており、このため、一方の入光面723を通過した光と他方の入光面723を通過した光とが互いに干渉可能となるように構成されている。
第2導光部717は、発光基板702側を向いた裏面のうち第2発光部材708bに対向する箇所を前方へ凹ませて第2発光収納凹部730を形成し、導光部材703の裏面に発光基板702を重ねた状態では第2発光収納凹部730内に第2発光部材708bが臨むように構成されている(図92参照)。さらに、拡散部材704側を向いた表面には第2導光レンズ部731を突設し、第2導光部717を透過する光が第2導光レンズ部731から出射されるように構成されている。
拡散部材704は、図99に示すように、遊技盤1の前方を向いた表面(出光面)の全体に亘って微細な凹凸形状の拡散レンズ部733を形成し、導光部703の第1導光部716から誘導されてきた光が拡散レンズ部733を透過することにより拡散され、この拡散状態で前方の装飾カバー部材705へ照射されるように構成されている。また、第2導光部717に対向する箇所には、第2導光レンズ部731が嵌通可能なレンズ嵌通孔734を開設し、当該拡散部材704の左右両側には、装飾カバー部材705の一部が係合する係合嵌通孔735を開設している。
装飾カバー部材705は、図90および図92に示すように、照明装置700の出光面を構成する前面部705aを備え、該前面部705aの外周縁から後方の照明ベース部材701側に向かって側壁705bを延設し、該側壁705bにより拡散部材704、導光部材703、発光基板702の外周を囲むように構成されている。また、装飾カバー部材705の前面部705aのうち第1導光部716と前後に並ぶ箇所には、拡散部材704により拡散された光を透過可能な透光領域738を区画形成し、該透光領域738から外れた箇所を非透光領域739に設定して光を透過不能としている。さらに、透光領域738の形状を文字形状(本実施形態では、「ABCD」の文字形状)に設定している。なお、本実施形態においては、透明樹脂で構成された装飾カバー部材705に金属メッキなどの不透明な表面処理を施して非透光領域739を形成し、不透明な表面処理を施していない箇所(透明樹脂が露出した箇所)を透光領域738となるように構成されているが、光を透過可能な透光領域738と透過不能な非透光領域739とが形成されれば、どのような構成であってもよい。また、前面部705aの裏側(拡散部材704側)には、拡散部材704の係合嵌通孔735および導光部材703の係合受部718に係合されるカバー係合ピン(図示せず)を突設し、前面部705aのうち導光部材703の第2導光部717に対向する箇所には、第2導光レンズ部731が露出可能なレンズ露出孔740を開設している。
このような構成を備えた照明装置700において第1発光部材708aを発光すると、第1発光部材708aから発生した光が第1導光部716内で同心円状に反射され、さらには拡散部材704により拡散されて明暗が目立ち難い状態で広がり、この状態で装飾カバー部材705の透光領域738を透過して照明装置700の前方へ出射される。したがって、第1発光部材708aを互いに離間した状態で発光基板702に実装したとしても、第1発光部材708aから発生した光を十分に広げて透光領域738の全体から光を出射することができる。これにより、装飾効果が高い照明装置700を実現することができる。さらに、透光領域738の形状を文字形状としているので、照明装置700により文字情報の伝達を行うことができ、装飾効果を一層高めることができる。また、第2発光部材708bを発光すると、第2発光部材708bから発生した光が第2導光部717を透過し、照明装置700の前面に露出した第2導光レンズ部731から照明装置700の前方へ出射される。したがって、透光領域738から外れた箇所であっても光を出射することができる。
さらに、第1発光部材708aの発光色を異ならせれば、図100に示すように、透光領域738の上部と下部とで発光色の濃淡を異ならせたり(図100(a)参照)、文字形状の並びに沿って発光色の濃淡を繰り返したり(図100(b)参照)する発光態様を設定することができる。このとき、導光部材703の導光反射領域725同士の境界部分においては、一方の入光面723を通過した光と他方の入光面723を通過した光とが互いに干渉可能としているので、異なる発光色の境目をぼかして発光色のグラデーション(段階的変化)を容易に実現することができる。したがって、照明装置700において優れた装飾演出を実行することができる。
なお、本発明の照明装置700は、構成部材(発光部材708、導光部材703、拡散部材704、装飾カバー部材705)を遊技盤1の前後方向に沿って並べることに限定されない。要は、発光部材708からの光が導光部材703、拡散部材704、装飾カバー部材705を通って照明装置700の出光面から光を出射できれば、各構成部材の位置関係や形状、照明装置700から出射される光の向きをどのように設定してもよい。また、第1導光部716に形成される導光反射領域725は、円環状の導光反射部727を同心円状に複数配置して構成されることに限定されない。要は、導光部材703内を進行する光を広い範囲に亘って広げた状態で拡散部材704側へ反射できれば、どのような構成の導光反射領域725であってもよい。例えば、非導光反射部728を設けず、入光面723側に近づくにつれて拡散部材704から次第に離れる傾斜状態で設定された連続面のみで導光反射領域を構成して、導光反射領域の全体で光を反射するように設定してもよい。
ところで、上記第1実施形態における大入賞口16および一般入賞口14を一つの装置に備えてもよい。例えば、図101および図102に示す変動入賞装置745は、大入賞口(変動入賞口)746と、該大入賞口746とは異なる一般入賞口747とを備えた装置であり、遊技盤1の表面側に位置する前面装飾ユニット751と、該前面装飾ユニット751の裏面側に位置する裏ユニット752とを備えて構成されている。そして、図103に示すように、遊技ベースユニット2に開設されたユニット収納空間部754内に裏ユニット752を収納し、ユニット収納空間部754の前側開口縁に前面装飾ユニット751を止着している。
前面装飾ユニット751は、図103および図104に示すように、遊技盤1(遊技ベースユニット2)の表面に止着される前面装飾パネル757を備え、該前面装飾パネル757の上側に横長矩形状の大入賞露出開口758を開設し、該大入賞露出開口758の側方(図104中、右側方)には、遊技球を上方から受け入れて後方の裏ユニット752側へ誘導可能な一般入賞受部759を備えている。また、前面装飾ユニット751のうち一般入賞受部759を挟んで大入賞露出開口758とは反対側(図104中、右側)には、一般入賞受部759側へ向かって下り傾斜した球転動棚760を遊技盤1の左右方向に沿って延在する状態で備え、該球転動棚760を転動する遊技球を一般入賞受部759の上方へ誘導可能としている。さらに、大入賞露出開口758の下方には、大入賞露出開口758を挟んで一般入賞受部759とは反対側(図104中、左側)へ向けて下り傾斜した球転動流路761を遊技盤1の左右方向に沿って延在する状態で備え、該球転動流路761を転動する遊技球を第2始動入賞口12(図1参照)の上方へ誘導可能としている。なお、球転動流路761の前縁部には、遊技球の球転動流路761からの落下を阻止する落下阻止壁762を立設している。
裏ユニット752は、図105および図106に示すように、当該裏ユニット752の基部となるユニットベース765を備え、該ユニットベース765のうち大入賞露出開口758の後方に位置する箇所には、複数の遊技球が同時に流入可能となる横長矩形状の大入賞口746を前後方向に貫通する状態で開設して大入賞露出開口758へ連通可能とし、大入賞口746の底部には、大入賞口746内における遊技球の流れを整える整流突起767を突設している(図107参照)。また、ユニットベース765のうち一般入賞受部759の後方に位置する箇所には、遊技球が1個ずつ通過可能な一般入賞口747を前後方向に貫通する状態で開設して一般入賞受部759の内部に連通するように構成されている。そして、ユニットベース765のうち大入賞口746および一般入賞口747の下部には、大入賞口746または一般入賞口747を通過して変動入賞装置745に入賞した遊技球が流下可能な入賞球流路768を一般入賞口747側から大入賞口746側(図105中、右側から左側)へ下り傾斜した姿勢で備え、該入賞球流路768の前面を前面パネル769により閉成している(図103および図105参照)。さらに、入賞球流路768の傾斜下端部を後方へ屈曲して入賞球流路768の出口768aを遊技ベースユニット2(遊技盤1)の裏面側へ開放し、入賞球流路768を流下した遊技球が遊技ベースユニット2の後方へ排出されるように構成されている(図103参照)。
また、ユニットベース765の裏側には誘導路形成部材771を止着し、該誘導路形成部材771のうち大入賞口746の後方には、大入賞口746の後端部と入賞球流路768の上部とを連通する大入賞球誘導路772を形成し、一般入賞口747の後方には、一般入賞口747と入賞球流路768の傾斜上端部とを連通する一般入賞球誘導路773を形成している。そして、大入賞球誘導路772を遊技ベースユニット2の裏面よりも後方(言い換えると、ユニット収納空間部754よりも後方)に配置し、一般入賞球誘導路773をユニット収納空間部754内に配置している。さらに、ユニットベース765には複数(本実施形態では2つ)のカウントスイッチ(変動入賞センサ)774と単一の一般入賞口スイッチ(一般入賞センサ)775とを備え、一般入賞球誘導路773においては一般入賞口スイッチ775の球検出部775aを臨ませて、一般入賞口747を通過した遊技球を入賞球(一般入賞球)として球検出部775aにより検出可能とし、大入賞球誘導路772においては各カウントスイッチ774の球検出部774aを臨ませて、大入賞口746を通過した遊技球を入賞球(大入賞球)として球検出部774aにより検出可能としている。
なお、カウントスイッチ774および一般入賞口スイッチ775は、図106に示すように、いずれも一端寄りに遊技球が通過可能な球検出部774a,775aを備えて構成されている。そして、裏ユニット752内においては、図107に示すように、カウントスイッチ774のうち球検出部774a側に位置する一端と、一般入賞口スイッチ775のうち球検出部775aから離れた他端とが揃えられた状態で遊技盤1の左右方向に沿って並べられており、カウントスイッチ774の球検出部774aを一般入賞口スイッチ775の球検出部775aよりも遊技盤1(遊技ベースユニット2)の表面から離して配置している。この結果、変動入賞装置745は、一般入賞口747を通過した遊技球に対しては、当該変動入賞装置745に受け入れてから速やかに入賞球として検出し、大入賞口746を通過した遊技球に対しては、変動入賞装置745に受け入れて大入賞口746の整流突起767により流れを整えてから入賞球として検出する。そして、カウントスイッチ774と一般入賞口スイッチ775とを揃えて並べた状態で、遊技盤1(遊技ベースユニット2)の表面から各検出部774a,775aまでの距離を異ならせることができるため、各スイッチ774,775をコンパクトに配置することができ、限られた裏ユニット752の配置空間、ひいては限られたパチンコ遊技機の内部空間を有効に活用することができる。
さらに、裏ユニット752の前面パネル769の上縁部には、図103および図104に示すように、大入賞口746を開閉する入賞開閉部材(開閉部材)777を軸支して大入賞露出開口758に臨ませている。また、該入賞開閉部材777を大入賞口ソレノイド778(図106参照)により駆動して、大入賞口746を閉成する閉成状態と、大入賞口746を開放する開放状態とに変換できるように構成されている。そして、閉成状態(図103中に実線で示す状態)においては入賞開閉部材777を起立した姿勢に設定し、大入賞口746の上側開口縁に備えられた閉成ストッパー779に入賞開閉部材777の上部を当接して閉成状態を維持し、入賞開閉部材777が大入賞口746内に倒れ込む不都合を阻止するように構成されている。また、開放状態(図103中に二点鎖線で示す状態)においては、入賞開閉部材777を大入賞口746の下縁部に向かって下り傾斜する姿勢に設定し、入賞開閉部材777に設けられた開放ストッパー777aを大入賞露出開口758の開口縁へ係合して開放状態を維持し、入賞開閉部材777が下方へ回動し過ぎてしまう不都合(詳しくは入賞開閉部材777が大入賞口746から前方に向かって下り傾斜した姿勢となる不都合)を阻止するように構成されている。なお、裏ユニット752のうち大入賞口ソレノイド778のプランジャの後方には駆動ガイド部材781を備え、大入賞口ソレノイド778のプランジャと入賞開閉部材777とを連結するリンク部材782の移動を駆動ガイド部材781により案内するように構成されている。
このような構成の変動入賞装置745においては、大入賞口746を通過して入賞した遊技球が大入賞球誘導路772から入賞球流路768へ流下し、一般入賞口747を通過して入賞した遊技球が一般入賞球誘導路773から入賞球流路768へ流下する。したがって、大入賞球を変動入賞装置745の外方へ排出する流路の下流部と、一般入賞球を変動入賞装置745の外方へ排出する流路の下流部とを別個に備える必要がなく、変動入賞装置745の構成が複雑になること、ひいては変動入賞装置745の製造に手間やコストが掛かりすぎる不都合を抑制することができる。さらに、大入賞球と一般入賞球とを同じ箇所から排出することができ、各入賞球を回収するためにパチンコ遊技機の裏面側に設けられる球回収路の簡素化を図ることができる。
また、前面装飾ユニット751と裏ユニット752とで変動入賞装置745を構成し、裏ユニット752に入賞開閉部材777を備えたので、パチンコ遊技機の機種毎に対応する変動入賞装置745を製造する場合には、前面装飾ユニット751のみを機種のテーマに合わせたデザインで設計し、裏ユニット752においては機種に拘らず共通に使用することができる。したがって、新たな機種を開発する度に変動入賞装置745の全体を改めて設計する必要がなくなり、パチンコ遊技機(遊技盤1)の開発コストの低減を図ることができる。さらに、裏ユニット752には、入賞開閉部材777が閉成状態で当接する閉成ストッパー779を備えたので、裏ユニット752を単独で取り扱う際に入賞開閉部材777が露出して押圧され易い状態であったとしても、入賞開閉部材777が不用意に大入賞口746内に押し込まれる不都合、ひいては入賞開閉部材777が破損する不都合を抑えることができる。
なお、変動入賞装置745に開閉可能な状態で設けられる入賞口は、大当り状態の発生時に開放される大入賞口であることに限らない。要は、遊技の進行に応じて開放状態と閉成状態とに変換可能であれば、どのような入賞口(変動入賞口)であってもよい。
ところで、上記第1実施形態におけるセンターフレーム6の右側(変動表示装置25を挟んで発射球案内路5とは反対側)には、所謂右打ちで発射された遊技球が流下可能な通路を形成してもよい。具体的に説明すると、図108〜図110に示す変形例において、センターフレーム6の右側辺部には、遊技球が流下可能な縦長円弧状の球流下通路785を側縁部(図110中、右側縁部)がサイドケース3で閉成される状態で備え、球流下通路785の上部入口785aをサイドケース3の緩衝部材786(詳しくはサイドケース3の上辺部の右側から遊技領域4へ臨ませた緩衝部材786)の下方に開放し、球流下通路785の下部出口785bを普図始動ゲート7の上方に開放している。また、球流下通路785の前方には、球流下通路785内の遊技球を透視可能とする通路装飾部材788を配置し、該通路装飾部材788にシールや塗装などで装飾処理を部分的に施し、装飾処理を施した箇所では遊技球を視認可能であるが、装飾処理を施していない箇所では遊技球を視認不能となるように構成されている。さらに、球流下通路785のうち変動表示装置25側に位置する側壁には複数の流路内突起789を球流下通路785の延在方向に沿って並ぶ状態で突設している(図109参照)。
このような構成の球流下通路785を備えた遊技盤1においては、右打ちされた遊技球が緩衝部材786に衝突した後に下方へ弾かれて球流下通路785へ進入し、該球流下通路785を通過してセンターフレーム6の下方の遊技領域4へ放出される。そして、球流下通路785内においては、流下中の遊技球が遊技盤1の前方から通路装飾部材788を通して視認可能となるので、センターフレーム6の一部を装飾する通路装飾部材788の後方で遊技球が挙動する様子を遊技者に見せることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。また、遊技球が流路内突起789に衝突しながら流下するので、遊技球の流下勢を弱めることができ、遊技球が球流下通路785内を移動する時間、ひいては球流下通路785内における遊技球の挙動の観賞時間を長引かせて遊技者を楽しませることができる。
また、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な変動入賞装置を備える遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
1 遊技盤
4 遊技領域
6 センターフレーム
11 第1始動入賞口
12 第2始動入賞口
14,14′ 一般入賞口
15 一般入賞口
16 大入賞口
23 センター裏面装置
25 変動表示装置
25a 表示画面
31 下側演出ユニット
32 上側演出ユニット
33,33′ 右側演出ユニット
34 左側演出ユニット
36,36′ 前側演出機構
37 後側演出機構
42 前側演出ベース
50 前側演出駆動モータ
52 前側演出プレート
62 後側演出部材
71 後側演出駆動モータ
79 上側演出部材
82 上側演出駆動機構
95 上側演出駆動モータ
103 装飾可動役物
110 右側演出駆動モータ
121 第1可動部材
122 第2可動部材
124 装飾固定部材
125 装飾回動部材
127 装飾揺動部材
128 装飾揺動ソレノイド
131 第2可動本体
132 第2可動支持アーム
133 第2可動リンク機構
148 装飾動作役物
149 左側スライド駆動機構
155 左側演出駆動モータ
162 装飾動作部材
164 装飾動作本体
166 装飾動作回動部
200 遊技制御装置
300 演出制御装置
500 演出可動役物
501 第1回動部材
502 第2回動部材
504 可動役物駆動モータ
520 展開可動役物
521 展開役物駆動機構
522 展開装飾装置
525 装置移動部材
526 展開装飾ベース部材
527 装置移動駆動モータ
530 ベース回動駆動モータ
535 展開装飾部材
537 連動装飾パネル
541 重り
600 有機EL表示器
700 照明装置
702 発光基板
703 導光部材
704 拡散部材
705 装飾カバー部材
708 発光部材
708a 第1発光部材
708b 第2発光部材
723 入光面
725 導光反射領域
738 透光領域
739 非透光領域
745 変動入賞装置
746 大入賞口
747 一般入賞口
751 前面装飾ユニット
752 裏ユニット
768 入賞球流路
774 カウントスイッチ
774a 球検出部
775 一般入賞口スイッチ
775a 球検出部
777 入賞開閉部材
779 閉成ストッパー

Claims (4)

  1. 遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な変動入賞装置を備える遊技機において、
    前記変動入賞装置は、
    当該変動入賞装置に設けられた変動入賞口を通過して入賞した遊技球が流下可能な入賞球流路を形成した裏ユニットと、
    前記裏ユニットの前面側で当該変動入賞装置を装飾する前面装飾ユニットと、
    を含み、
    前記裏ユニットは、前記変動入賞口を開閉可能な開閉部材を軸支することを特徴とする遊技機。
  2. 前記変動入賞装置には、前記変動入賞口とは異なる一般入賞口を備え、
    前記入賞球流路は、前記変動入賞口を通過して入賞した遊技球と、前記一般入賞口を通過して入賞した遊技球とが流下可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記裏ユニットは、
    前記変動入賞口を通過した遊技球を入賞球として、一端寄りに設けられた球検出部により検出する変動入賞センサと、
    前記一般入賞口を通過した遊技球を入賞球として、一端寄りに設けられた球検出部により検出する一般入賞センサと、
    を横に並べて備え、
    前記変動入賞センサの前記一端と前記一般入賞センサの他端とを揃えて、前記変動入賞センサの球検出部を前記一般入賞センサの球検出部よりも前記遊技盤の表面から離して配置したことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記裏ユニットは、前記開閉部材が閉成状態で当接する閉成ストッパーを備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の遊技機。
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