JP2015076253A - 小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構 - Google Patents

小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2015076253A
JP2015076253A JP2013211478A JP2013211478A JP2015076253A JP 2015076253 A JP2015076253 A JP 2015076253A JP 2013211478 A JP2013211478 A JP 2013211478A JP 2013211478 A JP2013211478 A JP 2013211478A JP 2015076253 A JP2015076253 A JP 2015076253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coaxial line
dielectric
dielectric protection
microwave
antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013211478A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6281934B2 (ja
Inventor
宏之 小泉
Hiroyuki Koizumi
宏之 小泉
直井 太郎
Taro Naoi
太郎 直井
順一 青山
Junichi Aoyama
順一 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEXT GENERATION SPACE SYSTEM TECHNOLOGY RESEARCH ASSOCIATION
University of Tokyo NUC
Original Assignee
NEXT GENERATION SPACE SYSTEM TECHNOLOGY RESEARCH ASSOCIATION
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEXT GENERATION SPACE SYSTEM TECHNOLOGY RESEARCH ASSOCIATION, University of Tokyo NUC filed Critical NEXT GENERATION SPACE SYSTEM TECHNOLOGY RESEARCH ASSOCIATION
Priority to JP2013211478A priority Critical patent/JP6281934B2/ja
Publication of JP2015076253A publication Critical patent/JP2015076253A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6281934B2 publication Critical patent/JP6281934B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)

Abstract

【課題】マイクロ波を導入するための同軸線路に使用されている誘電体の金属コンタミからの保護を限られたサイズの空間内で実現することが可能な小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構を提供する。【解決手段】誘電体保護機構1は、第一の同軸線路A、プラズマ生成室内に配置されたアンテナ部D、第一の同軸線路Aを介してマイクロ波電源から伝送されてくるマイクロ波をアンテナ部Dへ伝送する誘電体を有しない第二の同軸線路C、第一の同軸線路Aと第二の同軸線路Cとの間に設けられ、プラズマ生成室から直接的に誘電体25が見えないように遮蔽する遮蔽部材21を備えた誘電体保護部Bを備えて構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構に関し、さらに詳しくは、極めて厳しい小型・軽量化が求められる小型衛星等でミッション遂行のために必要な軌道制御を遂行するためのマイクロ波放電式イオンスラスタにおいて、マイクロ波を導入するための同軸線路に使用されている誘電体を金属コンタミからの保護とマイクロ波の高伝送効率化を限られたサイズの空間内で実現することが可能な小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構に関する。
イオンスラスタ(Ion Thruster)は、推進剤、例えば、キセノンガスを直流放電やマイクロ波放電によってプラズマ化し、プラズマ化した陽イオン(キセノンイオン)に電圧をかけて放出することにより推力を得る電気推進システムであり、人工衛星等の軌道制御や姿勢制御に利用されている。イオンスラスタの方式の1つであるマイクロ波放電式イオンスラスタについて以下に説明する。
マイクロ波放電式イオンスラスタ100の概略構成を図3に示す。推進剤貯蔵タンク7にはキセノンガス等の推進剤が高圧で貯蔵されており、推進剤は配管9を介して一旦低圧タンク10に送られ、さらに低圧タンク10からスラスタバルブ12を介してイオン源3のプラズマ生成室3a及び中和器5のプラズマ生成室5aへ送られるようになっている。推進剤貯蔵タンク7と低圧タンク10との間の配管9には圧力調整用の調圧バルブ8が配置され、また、スラスタバルブ12の上流側には推進剤の流量を制御する流量制限器11が配置されている。そして、配管9はイオン源3及び中和器5にそれぞれ連通されている。
一方、イオン源3のプラズマ生成室3a及び中和器5のプラズマ生成室5aには同軸線路14によってそれぞれマイクロ波電源13と接続されており、マイクロ波電源13で発生させたマイクロ波が同軸線路14を介してプラズマ生成室3a,5aへそれぞれ供給されて推進剤がプラズマ化される。
イオン源3には、プラズマ生成室3aで生成されたイオンを加速するイオン加速部4が設けられており、このイオン加速部4はスクリーングリッド4aと、アクセルグリッド4bを備えている。スクリーングリッド4aはプラズマ生成室3a側に面して配置されており、このスクリーングリッド4aは直径約0.5程度の開口(ホール)は多数穿設されたメッシュ状の部材である。また、スクリーングリッド4aと隣接して配置された外側のアクセルグリッド4bは、スクリーングリッド4aのホール径の半分程の孔径(直径0.25mm程の開口(ホール))が多数穿設されたメッシュ状の部材である。そして、このスクリーングリッド4aとアクセルグリッド4bのホール中心が合致するように相互に位置決めされて配置されている。スクリーングリッド4aのホールサイズはアクセルグリッド4bのホールサイズよりも大きく形成されているが、これは開口面積比率を高めて多数のイオンを抽出し外部に加速・放出するためである。尚、アクセルグリッド4bの後方にもう1枚のグリッド(ディセルグリッド)を設ける場合もある。
そして、スクリーングリッド4aには電源ユニット6からプラスの電圧を印加し、アクセルグリッド4bには電源ユニット6からマイナスの電圧を印加することにより、プラズマ化されたプラスのイオンがアクセルグリッド4bの静電力によって引き寄せられて加速され、イオンビームとして外部へ放出される。
一方、プラスのイオンだけを放出していると人工衛星側がマイナスに帯電し、せっかく放出したプラスのイオンが人工衛星側に戻ってきてしまって推力にならなくなってしまうことから放出されるイオンビームと同量の電子によってイオンビームを電気的に中和し、イオンスラスタの帯電を防止するために中和器5が設けられている。そのため、中和器5にも推進剤を供給して電源ユニット6によってマイナスの電圧が印加されるようになっている。中和器5のプラズマ生成室5aで生成されたプラスのイオンの一部は電子と一緒に放出されるが、残りのプラスのイオンはイオン源3のプラズマ生成室3aから運ばれた電子と結合して再び中性のキセノンに戻り、さらにマイクロ波電源13から供給されるマイクロ波によって再びプラズマ化されてリサイクルされる。
近年では、衛星について極めて厳しい小型・軽量化が求められており、特に小型衛星等でミッション遂行のために必要な軌道制御を遂行するためのイオンスラスタでは、例えば、特許文献1に示すように、各コンポーネントのさらなる小型化が要求されている。
特開2009−162178号公報
マイクロ波放電式イオンスラスタは、プラズマ生成室に推進剤(例えば、キセノンガス)とマイクロ波を供給することによってプラズマを生成する。このマイクロ波はマイクロ波電源から同軸線路によりプラズマ生成室に導入されるが、マイクロ波によってプラズマ化されたキセノンイオンが金属製のプラズマ生成室の内壁に衝突する。この衝撃によって僅かに飛散した微細な金属粒が同軸線路で使用されている誘電体に付着することにより誘電体が金属コンタミ(contamination)を受けるとマイクロ波導入効率が低下するおそれがある。金属コンタミが進行すると、プラズマ生成に十分なマイクロ波を供給することができなくなり、スラスタの寿命を縮める要因となる。また、従来の大型サイズのマイクロ波放電式イオンスラスタにおいては、放電室のサイズが十分に大きく、同軸線路をプラズマ生成部から離して設計することができるので誘電体の金属コンタミの影響を十分に小さくすることが可能であった。しかし、極めて厳しい小型・軽量化が求められる小型のマイクロ波放電式イオンスラスタにおいては、極度な小型化のために同軸線路をプラズマ生成部から離して設計することは不可能であった。
同軸線路における誘電体の金属コンタミを防ぐ1つの方法としては、金属コンタミの発生箇所であるプラズマ生成部と誘電体の間に金属製の保護機構(例えば、金属コンタミを遮る板など)を設けることである。十分な空間があれば保護機構があってもマイクロ波伝搬効率を低下させることのない線路の設計も可能であるが、極めて限られた空間内にこのような保護機構を設置しようとするとマイクロ波の伝搬が阻害され、プラズマの生成性能、及び、イオンスラスタの性能が低下する要因となることから小型イオンスラスタにおいてはそのような機構を採用することは難しい。
一方で、小型衛星においては、極めて厳しい小型・軽量化が求められることから、一つの機器に複数の機能を持たせることによって機器の削減が図られている。そして、マイクロ波電源からマイクロ波の伝送効率を高めることができれば小型衛星における省電力化のみならず、さらなる小型・軽量化に資することになる。
そこで、本発明は、かかる従来の技術における問題点に鑑みなされたもので、極めて厳しい小型・軽量化が求められる小型衛星等でミッション遂行のために必要な軌道制御を遂行するためのマイクロ波放電式イオンスラスタにおいて、マイクロ波を導入するための同軸線路に使用されている誘電体の金属コンタミからの保護を限られたサイズの空間内で実現することが可能な小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構を提供することを目的とする。
また、本発明は、限られたサイズの空間内において小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構にさらにマイクロ波の高伝送効率化の機能を持たせることにより小型・軽量化に反することのない高性能な小型イオンスラスタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、内部導体と外部導体の間に誘電体が配置された同軸線路を介して伝送されるマイクロ波をアンテナ部から放射することによって前記プラズマ生成室内に供給された推進剤をプラズマ化するに際して、前記誘電体を金属コンタミから保護する小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構において、前記同軸線路によって形成された第一の同軸線路と、前記プラズマ生成室内に配置されたアンテナ部と、前記第一の同軸線路を介して伝送されてくるマイクロ波を前記アンテナへ部伝送する誘電体を有しない第二の同軸線路と、前記第一の同軸線路と前記第二の同軸線路との間に設けられ、前記プラズマ生成室から直接的に前記誘電体が見えないように遮蔽する遮蔽部材を備えた誘電体保護部とを備えていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の誘電体保護機構において、前記誘電体保護部及び前記アンテナ部の特性インピーダンスを前記第一の同軸線路及び前記第二の同軸線路の特性インピーダンスと異ならせると共に、前記第二の同軸線路の長さを調整することにより、前記第一の同軸線路を介して伝送されて前記誘電体保護部によって反射されるマイクロ波と、前記誘電体保護部を透過して前記アンテナ部によって反射されてさらに前記誘電体保護部を透過するマイクロ波によって前記誘電体保護部を共振させることにより前記アンテナ部に強い電場を生じさせることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構を備えたことを特徴とするイオンスラスタを提供する。
本発明に係る小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構によれば、同軸線路内に誘電体保護部を設けることにより、限られたサイズの空間内で誘電体を金属コンタミから保護することができるので、長期にわたりプラズマ生成に十分なマイクロ波を供給することができると共に、イオンスラスタの寿命をこれまでよりも伸ばすことができるという効果がある。
また、本発明に係る小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構によれば、第二の同軸線路の長さを適宜に調整することにより誘電体保護部を共振させてアンテナ部に強い電場を生じさせることができるのでマイクロ波電源が低出力であってもプラズマ化に必要なマイクロ波を供給することができるという効果がある。従って、イオンスラスタの小型化、ひいては衛星等の小型化に貢献することができるという効果がある。
本発明に係る誘電体保護機構を示す構成図である。 同軸線路部Bの長さを変化させたときの電場変化を示す特性図である。 従来のイオンスラスタの基本的構成を示す構成図である。
以下、本発明に係る小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る誘電体保護機構を示す構成図である。尚、従来のイオンスラスタと同様の構造部分については図3と同じ符号で示しその説明は省略する。
小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構(以下、単に「誘電体保護機構」という。)1は、先端側がプラズマ生成室3a,5a内に位置するようにして配置されたアンテナ20と、アンテナ20の後端(図1の左端)に同軸に接続された導電性に優れた導体22aと、導体22aと同軸にして導体22aの後端に接続された遮蔽部材21と、さらに、遮蔽部材21と同軸にして遮蔽部材21に接続された導電性に優れた導体22bと、導体22a、22b及び遮蔽部材21の周囲に配置され外被導体24と、導体22bと外被導体24との間に充填された誘電体25を備えて構成されている。
アンテナ20は、イオン源3のプラズマ生成室3a及び中和器5のプラズマ生成室5a内に供給された推進剤をマイクロ波電源13によって発生させたマイクロ波を放射して推進剤をプラズマ化する。アンテナ20は、筒状又は柱状のチタンやステンレス等の金属材料によって形成されている。一方、プラズマ生成室3a,5aは、モリブデン、チタン等の金属材料によって形成されている。尚、アンテナ20はアンテナ部Dを構成する。
遮蔽部材21と同軸に接続された導体22bは、誘電体25を挟んで周囲に外被導体24が配置されており、導体22b、誘電体25及び外被導体24によって第一の同軸線路Aを形成している。誘電体25は、例えば、テフロン(登録商標)等のフッ化樹脂や合成樹脂によって形成されている。
アンテナ20の後端に接続された導体22aは、所定の空間23aを隔てて周囲に外被導体24が配置されており、導体22a、空間23a及び外被導体24によって第二の同軸線路Cを形成している。
遮蔽部材21は、外被導体24の内部に形成された空間23b内に配置され、導体22a,22bとそれぞれ同軸に接続されている。そして、遮蔽部材21は、プラズマ生成室3a,5aから直接的に第二の同軸線路Bの誘電体25が見えないような大きさ及び形状に形成され、プラズマ生成室3a,5aにおけるプラズマ化の際に発生する微細な金属粒が第二の同軸線路Bの誘電体25に至らないように遮蔽する。そのため、空間23bは、空間23aよりも相対的に大きな径を備えて形成されている。尚、遮蔽部材21は、例えば、銅などの金属材料によって形成されている。
上述したように、誘電体保護機構1は、導体22b、誘電体25及び外被導体24によって構成される第一の同軸線路Aと、空間23b、遮蔽部材21及び外被導体24によって構成される誘電体保護部Bと、導体22a、空間23a及び外被導体24によって構成される第二の同軸線路Cと、アンテナ20によって構成されるアンテナ部Dとにより区分されている。尚、第一の同軸線路Aは、図3に示した同軸線路14の一部または全部に相当する。そして、空間23b内に配設された遮蔽部材21によって、プラズマ生成室3a,5a内へのマイクロ波の放射に伴って発生した微細な金属粒が空間23a,23bを通じて第一の同軸線路Aの誘電体25に付着することを防止する。この結果、誘電体25の金属コンタミが防止されるのでマイクロ波導入効率を低下させることがない。
一方、発明者らは、上述した誘電体保護機構1において、第二の同軸線路Cの長さを適宜調整することにより、第一の同軸線路Aを介して伝送されて誘電体保護部Bによって反射されるマイクロ波と、誘電体保護部Bを透過してアンテナ部Dによって反射されてさらに誘電体保護部Bを透過するマイクロ波によって誘電体保護部Bを共振させることによりアンテナ20に強い電場を生じさせることを見出した。すなわち、銅などの金属材料によって形成された遮蔽部材21で囲まれた誘電体保護部Bをいわゆる共振器として利用するように構成することにより、アンテナ20に強い電場を生じさせることができるのでマイクロ波の伝送効率を高めることができることを見出した。以下に説明する。
図3に示す構成において、マイクロ波電源13によって発生させた、例えば4.25GHzのマイクロ波は、同軸線路14を介して図1に示す第一の同軸線路Aの導体22bに印加される。印加されたマイクロ波は、第一の同軸線路Aから誘電体保護部Bへ進行するが、第一の同軸線路Aの特性インピーダンスと誘電体保護部Bの特性インピーダンスを異ならせることにより、その一部は透過して下流(アンテナ20側)へ進む透過波となり、他の一部は反射して上流(マイクロ波電源13側)に返戻されて反射波となる。尚、特性インピーダンスの差が大きいほど反射は大きくなる。
イオン源3にプラズマが生成されていない状況においては、第二の同軸線路Cの特性インピーダンスとアンテナ部Dの特性インピーダンスを異ならせることにより透過波はアンテナ部Dで反射して逆方向、即ち上流方向へ進行する。この上流方向に進行したマイクロ波は第二の同軸線路Cから誘電体保護部Bへ進む際、第二の同軸線路Cの特性インピーダンスと誘電体保護部Bの特性インピーダンスが異なっていることにより一部が再度透過(透過波)し、他の一部は反射(反射波)する。この場合、反射波と透過波の振動位相が近ければ近いほど振幅が大きくなりアンテナ20に強い電場が生じることとなる。つまり、誘電体保護部Bにおいて共振が発生する。そして、強い電場(共振)を生じさせるほどプラズマが効率的に生成されることとなる。この強い電場(共振)を生させるためには、第二の同軸線路Cの長さを調整することによって得ることができる。従って、任意の構造の誘電体保護部Bに対して、共振が得られるように第二の同軸線路Cの長さ(l)を定めればマイクロ波の伝送効率をより高めることが可能となる。
ここで、図2は第二の同軸線路Cの長さを変化させたときの電場変化を電磁波数値計算により計算した特性図である。横軸は第二の同軸線路Cの長さ(l;単位はmm)、左側の縦軸は電流モード(A)、右側の縦軸は電場の強さ(E ave)である。尚、第一の同軸線路Aと第二の同軸線路の特性インピーダンスはそれぞれ50Ωであり、誘電体保護部の特性インピーダンスは非50Ωである。図3から明らかなように、第二の同軸線路部Cの長さ(l)を変化させていくと、2.0mmと37.5mmの2カ所で共振点A1,A2が得られている。この二つの共振点のうち、共振点A1は短すぎるので共振点A2が実用値となる。尚、プラズマ負荷状態ではマイクロ波の反射状態が異なるため適宜微調整が必要となる。
[実施形態の効果]
本実施形態に係る本発明に係る小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構によれば、マイクロ波の供給経路を第一の同軸線路A、誘電体保護部B、第二の同軸線路C及びアンテナ部Dの4つの区分によって構成し、誘電体保護部Bによって金属コンタミから誘電体25を保護することとしたので、限られたサイズの空間内で誘電体25を金属コンタミから保護することが可能になり、長期にわたってプラズマ生成に十分なマイクロ波を供給することができ、しかもイオンスラスタの寿命をこれまでよりも伸ばすことができるという効果がある。
また、本実施形態に係る小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構によれば、第二の同軸線路Cの長さを適宜に調整することにより誘電体保護部Bを共振させてアンテナ部Dに強い電場を生じさせることができるので、マイクロ波電源の出力が低い場合であってもプラズマ化に必要なマイクロ波を供給することが可能となるという効果がある。この結果、イオンスラスタの小型化、ひいては衛星等の小型化に貢献することができるという効果がある。
1 誘電体保護機構
3 イオン源
3a,5a プラズマ生成室
4 イオン加速部
4a スクリーングリッド
4b アクセルグリッド
5 中和器
6 電源ユニット
7 推進剤貯蔵タンク
8 調圧バルブ
9 配管
10 低圧タンク
11 流量制限器
12 スラスタバルブ
13 マイクロ波電源
20 アンテナ
21 遮蔽部材
22a,22b 導体
23a,23b 空間
24 外被導体
25 誘電体
A 第一の同軸線路
B 誘電体保護部
C 第二の同軸線路
D アンテナ部

Claims (3)

  1. 内部導体と外部導体の間に誘電体が配置された同軸線路を介して伝送されるマイクロ波をアンテナ部から放射することによって前記プラズマ生成室内に供給された推進剤をプラズマ化するに際して、前記誘電体を金属コンタミから保護する小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構において、
    前記同軸線路によって形成された第一の同軸線路と、
    前記プラズマ生成室内に配置されたアンテナ部と、
    前記第一の同軸線路を介して伝送されてくるマイクロ波を前記アンテナ部へ伝送する誘電体を有しない第二の同軸線路と、
    前記第一の同軸線路と前記第二の同軸線路との間に設けられ、前記プラズマ生成室から直接的に前記誘電体が見えないように遮蔽する遮蔽部材を備えた誘電体保護部と、
    を備えていることを特徴とする小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構。
  2. 請求項1に記載の誘電体保護機構において、
    前記誘電体保護部及び前記アンテナ部の特性インピーダンスを前記第一の同軸線路及び前記第二の同軸線路の特性インピーダンスと異ならせると共に、前記第二の同軸線路の長さを調整することにより、前記第一の同軸線路を介して伝送されて前記誘電体保護部によって反射されるマイクロ波と、前記誘電体保護部を透過して前記アンテナ部によって反射されてさらに前記誘電体保護部を透過するマイクロ波によって前記誘電体保護部を共振させることにより前記アンテナ部に強い電場を生じさせることを特徴とする小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構。
  3. 請求項1又は2に記載の小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構を備えたことを特徴とするイオンスラスタ。
JP2013211478A 2013-10-08 2013-10-08 小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構 Active JP6281934B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013211478A JP6281934B2 (ja) 2013-10-08 2013-10-08 小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013211478A JP6281934B2 (ja) 2013-10-08 2013-10-08 小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015076253A true JP2015076253A (ja) 2015-04-20
JP6281934B2 JP6281934B2 (ja) 2018-02-21

Family

ID=53000956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013211478A Active JP6281934B2 (ja) 2013-10-08 2013-10-08 小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6281934B2 (ja)

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6417399A (en) * 1987-07-10 1989-01-20 Tel Sagami Ltd Plasma processing equipment
JPH06325896A (ja) * 1993-05-11 1994-11-25 Uchu Kagaku Kenkyusho マイクロ波放電式プラズマ・コンタクター
JPH09245997A (ja) * 1996-03-05 1997-09-19 Nissin Electric Co Ltd カバーで覆われた内壁とアンテナを持つプラズマ室
JPH10247598A (ja) * 1997-03-04 1998-09-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマ源及びこれを用いたイオン源並びにプラズマ処理装置
JP2000192244A (ja) * 1998-10-16 2000-07-11 Canon Inc 堆積膜の形成装置及び形成方法
US20060081565A1 (en) * 2004-09-01 2006-04-20 Lee Sang H Portable microwave plasma systems including a supply line for gas and microwaves
JP2006147449A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Japan Aerospace Exploration Agency 高周波放電プラズマ生成型二段式ホール効果プラズマ加速器
JP2007265829A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Noritsu Koki Co Ltd プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP2009162178A (ja) * 2008-01-09 2009-07-23 Japan Aerospace Exploration Agency イオン噴射装置、推進装置及び人工衛星
WO2009119593A1 (ja) * 2008-03-26 2009-10-01 ノーリツ鋼機株式会社 滅菌装置および滅菌処理方法
WO2011016569A1 (ja) * 2009-08-06 2011-02-10 イマジニアリング株式会社 混合器、整合器、点火ユニット、及びプラズマ生成器

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6417399A (en) * 1987-07-10 1989-01-20 Tel Sagami Ltd Plasma processing equipment
JPH06325896A (ja) * 1993-05-11 1994-11-25 Uchu Kagaku Kenkyusho マイクロ波放電式プラズマ・コンタクター
JPH09245997A (ja) * 1996-03-05 1997-09-19 Nissin Electric Co Ltd カバーで覆われた内壁とアンテナを持つプラズマ室
JPH10247598A (ja) * 1997-03-04 1998-09-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマ源及びこれを用いたイオン源並びにプラズマ処理装置
JP2000192244A (ja) * 1998-10-16 2000-07-11 Canon Inc 堆積膜の形成装置及び形成方法
US20060081565A1 (en) * 2004-09-01 2006-04-20 Lee Sang H Portable microwave plasma systems including a supply line for gas and microwaves
JP2006147449A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Japan Aerospace Exploration Agency 高周波放電プラズマ生成型二段式ホール効果プラズマ加速器
JP2007265829A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Noritsu Koki Co Ltd プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP2009162178A (ja) * 2008-01-09 2009-07-23 Japan Aerospace Exploration Agency イオン噴射装置、推進装置及び人工衛星
WO2009119593A1 (ja) * 2008-03-26 2009-10-01 ノーリツ鋼機株式会社 滅菌装置および滅菌処理方法
WO2011016569A1 (ja) * 2009-08-06 2011-02-10 イマジニアリング株式会社 混合器、整合器、点火ユニット、及びプラズマ生成器

Also Published As

Publication number Publication date
JP6281934B2 (ja) 2018-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2610162C2 (ru) Плазменный двигатель и способ генерирования движущей плазменной тяги
US7624566B1 (en) Magnetic circuit for hall effect plasma accelerator
US4345220A (en) High power microwave generator using relativistic electron beam in waveguide drift tube
JP2019511816A (ja) 加速荷電粒子または放射線ビームを供給するハイブリッド定在波/進行波線形加速器
Jarrige et al. Characterization of a coaxial ECR plasma thruster
CN110145446B (zh) 一种脉冲电励磁微牛推进装置
Jarrige et al. Performance comparison of an ECR plasma thruster using argon and xenon as propellant gas
US6870321B2 (en) High-frequency electron source
JP6281934B2 (ja) 小型マイクロ波プラズマ源における誘電体保護機構
CN104411084A (zh) 等离子体级联激光离子加速装置
Li et al. Prediction and optimization of thrust performance from plasma diagnostics in the inductively coupled plasma of an RF ion thruster
Nakayama et al. Sub-milli-newton class miniature microwave ion thruster
US6396211B1 (en) Microwave discharge type electrostatic accelerator having upstream and downstream acceleration electrodes
US8115392B1 (en) Device for generation of microwaves
US7994966B1 (en) Device for generation of microwaves
RU2246035C1 (ru) Ионный двигатель кошкина
CN110821770B (zh) 基于星载应用系统微波源的电推进系统
Nishiyama et al. 30mn-class microwave discharge ion thruster
WO2016131569A1 (en) Improved beam pipe
Zeng et al. Magnetic confinement less microwave discharge gridded ion thruster
CN204259270U (zh) 等离子体级联激光离子加速装置
JP2005085473A (ja) 複数ビーム同時加速空洞
Ivanov et al. Optimization of Electrothermal Microwave Plasma Thruster for Nanosatellites
US10184459B2 (en) Discharge chamber of an ion drive, ion drive having a discharge chamber, and a diaphragm for being affixed in a discharge chamber of an ion drive
Nishiyama Microwave frequency tuning of an ECR ion thruster for impedance Matching

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161128

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20161128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20161128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170808

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6281934

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250