JP2015075729A - 現像装置、およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像ローラーおよび磁気ローラーに対して単一のトランスから現像バイアスを印加するとともに、リーク検知動作が実行可能な現像装置、およびこれを備えた画像形成装置を提供する。【解決手段】現像装置122は、磁気ローラー82と、現像ローラー83と、現像バイアス印加部88と、を備える。現像動作時には、トナーが磁気ローラー82から現像ローラー83に移動されるように、現像ローラー83と磁気ローラー82との間に直流電圧の電位差が設定されるとともに、互いに逆位相の交流電圧が印加される。感光体ドラム121と現像ローラー83との間でリークが発生する交流電圧の値を検出するリーク検知動作では、現像ローラー83および磁気ローラー82に同位相の交流電圧が印加される。【選択図】図5
Description
本発明は、プリンター等に用いられ、キャリアおよびトナーを含む2成分現像剤を採用した現像装置、およびそれを備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置は、像担持体(例えば、感光体ドラムや転写ベルト)上に形成された静電潜像にトナーを供給して該静電潜像を現像することにより、像担持体上にトナー像を形成する。前記現像を行う方式の一つとして、非磁性体のトナーおよび磁性体のキャリアを含む二成分現像剤を用いたタッチダウン現像方式が知られている。この場合、磁気ローラー上に二成分現像剤層(いわゆる磁気ブラシ層)が担持され、現像ローラー上に前記二成分現像剤層からトナーが移動され、トナー層が担持される。更に、該トナー層から像担持体にトナーが供給されることで前記静電潜像が可視化される。
近年、タッチダウン現像方式が採用された現像装置の高速化が進み、現像性能の向上が求められている。現像性能を高めるには、現像ローラーに印加する交流電圧のピーク間電圧(ピークトゥピーク)を大きくすればよいが、ピーク間電圧が所定の値を超えると、感光体ドラムと現像ローラーとの間でリークが発生する。このようなリークが発生すると感光体ドラム上の静電潜像が乱れ、トナー画像に画像欠陥が発生する。特許文献1には、交流電圧のピーク間電圧が変化され、リークが発生するリーク電圧を検出するリーク検知動作に関する技術が開示されている。
特許文献1に記載の技術では、画像形成動作およびリーク検知動作のために、磁気ローラーおよび現像ローラーのそれぞれに専用のトランス(変圧器)が備えられている。このため、現像装置およびこれを備える画像形成装置のコストが増大されるという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、現像ローラーおよび磁気ローラーに対して単一のトランスから現像バイアスを印加するとともに、リーク検知動作が実行可能な現像装置、およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る現像装置は、所定の極性に帯電するトナーおよびキャリアを含む現像剤を貯留する現像ハウジングと、回転され、前記現像ハウジング内の現像剤を受け取って、現像剤層を担持する現像剤担持体と、前記現像剤層に接触した状態で回転され、前記現像剤層からトナーを受け取ってトナー層を担持し、表面に静電潜像が形成され前記トナーによって顕在化されるトナー像を担持する像担持体に、前記トナーを供給するトナー担持体と、一つのトランスを含み、前記現像剤担持体及び前記トナー担持体に、直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを印加するバイアス印加部と、前記像担持体と前記トナー担持体との間に発生するリークを検知するリーク検知部と、前記現像剤担持体から前記トナー担持体にトナーが供給される現像動作時に、前記バイアス印加部を制御して、前記トナーが前記現像剤担持体から前記トナー担持体に移動されるように前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間に直流電圧の電位差を設けるとともに、前記現像剤担持体および前記トナー担持体に互いに逆位相の交流電圧を印加するバイアス制御部と、前記トナー担持体に印加される前記現像バイアスのうち、前記像担持体と前記トナー担持体との間でリークが発生する交流電圧の値を検出するリーク検知動作において、前記バイアス印加部を制御して、前記現像剤担持体および前記トナー担持体に同位相の交流電圧を印加するリーク検知制御部と、を有することを特徴とする。
本構成によれば、現像動作時には、トナーが現像剤担持体からトナー担持体に移動されるように現像剤担持体とトナー担持体との間に直流電圧の電位差が設けられる。また、現像剤担持体およびトナー担持体に逆位相の交流電圧が印加される。この結果、現像剤担持体からトナー担持体にトナーが供給されるとともに、像担持体上の静電潜像がトナー像に顕在化される。一方、リーク検知動作時には、現像剤担持体およびトナー担持体に同位相の交流電圧が印加される。このため、現像剤担持体とトナー担持体との間には、交流電圧による大きな電位差が生じることがない。この結果、現像剤担持体からトナー担持体へのトナー供給を抑制し、トナー担持体の表面にトナーが可及的に付着していない状態で、リーク検知動作を実行することができる。また、前記交流電圧の電位差によって、リーク検知にノイズがもたらされることが抑止される。更に、現像動作およびリーク検知動作が、一つのトランスによって実現される。この結果、現像装置のコストダウンが実現される。
上記の構成において、前記バイアス印可部から前記現像剤担持体に前記現像バイアスが印加される経路を、前記現像動作時に対応する第1経路と、前記リーク検知動作時に対応する第2経路との間で切り替える切替部と、前記第2経路に配置され、前記トナーが前記トナー担持体から前記現像剤担持体に移動されるように前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間に電位差を設ける整流素子と、を更に有することが望ましい。
本構成によれば、リーク検知動作において、トナーがトナー担持体から現像剤担持体に移動されるように、現像剤担持体とトナー担持体との間に電位差が設定される。このため、トナー担持体の表面にトナーが一層付着していない状態で、リーク検知動作を実行することができる。
上記の構成において、前記リーク検知部は、前記トナー担持体に流れる電流値の変動によって前記リークを検知し、前記リーク検知制御部は、前記現像バイアスの交流電圧のピーク間電圧を増大させながら、前記像担持体と前記トナー担持体との間に前記リークを発生させることが望ましい。
本構成によれば、像担持体とトナー担持体との間にリークが発生する交流電圧のピーク間電圧を、リーク検知部によって検出することができる。
上記の構成において、前記リーク検知制御部は、前記リーク検知動作時において、前記バイアス印加部を制御して、前記現像剤担持体および前記トナー担持体に同電位の直流電圧を印加し、前記リーク検知動作時に前記トナー担持体に印加される前記現像バイアスの直流電圧と前記像担持体の前記静電潜像の背景部との電位差は、前記現像動作時に前記トナー担持体に印加される前記現像バイアスの直流電圧と前記背景部との電位差よりも大きいことが望ましい。
本構成によれば、リーク検知動作時に、僅かなトナーがトナー担持体の表面に付着している場合であっても、前記トナーが像担持体の周面に移動することを防止することができる。
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記静電潜像及び前記トナー像を担持する前記像担持体と、上記の何れか1に記載の現像装置と、を有することを特徴とする。
本構成によれば、トナー担持体の表面にトナーが可及的に付着していない状態で、リーク検知動作を実行することができる。また、現像動作およびリーク検知動作が、一つのトランスによって実現される。この結果、現像装置および画像形成装置のコストダウンが実現されるとともに、リークの発生を防止することができる。
本発明によれば、現像ローラーおよび磁気ローラーに対して単一のトランスから現像バイアスを印加するとともに、リーク検知動作が実行可能な現像装置、およびこれを備えた画像形成装置が提供される。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。なお、本発明は、電子写真方式を採用した画像形成装置、例えばコピー機、プリンター、ファクシミリ、これらの機能を備える複合機等に適用することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の構造を示す正面断面図である。画像形成装置1は、装置本体11に、画像形成部12、定着装置13、給紙部14、用紙排出部15、および原稿読取部16等を備えて構成されている。
装置本体11は、下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に介設された連結部113とを備えている。連結部113は、下部本体111と上部本体112との間に用紙排出部15を形成させた状態で両者を互いに連結するための構造物であり、下部本体111の左部および後部から立設され、平面視でL字状を呈している。上部本体112は、連結部113の上端部に支持されている。
下部本体111には、画像形成部12、定着装置13および給紙部14が内装されているとともに、上部本体112には原稿読取部16とが装着されている。
画像形成部12は、給紙部14から給紙された用紙Pにトナー像を形成する画像形成動作を実行する。画像形成部12は、上流側から下流側へ向けて水平に順次配設された、マゼンタ色のトナーを用いるマゼンタ用ユニット12M、シアン色のトナーを用いるシアン用ユニット12C、イエロー色のトナーを用いるイエロー用ユニット12Yおよびブラック色のトナーを用いるブラック用ユニット12Bkと、駆動ローラー125A等の複数のローラー間に画像形成における副走査方向へ無端走行可能に張架された中間転写ベルト125と、中間転写ベルト125の外周面に当接する二次転写ローラー196と、ベルトクリーニング装置198と、を備えている。
画像形成部12の各色のユニットは、感光体ドラム121と、感光体ドラム121へトナーを供給する現像装置122と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置123と、ドラムクリーニング装置127と、をそれぞれ一体的に備えている。また、隣接する現像装置122の下方には、それぞれの感光体ドラム121を露光するための露光装置124が水平に配置されている。
感光体ドラム121は、その周面に静電潜像が形成されるとともに、前記静電潜像がトナーによって顕在化されるトナー像を担持する。
現像装置122は、矢印の方向へ回転する感光体ドラム121の周面の静電潜像にトナーを供給して当該トナーを積層させ、感光体ドラム121の周面に前記画像データに応じたトナー像を形成する。各現像装置122には、前記トナーカートリッジからトナーが適宜補給される。
帯電装置123は、各感光体ドラム121の直下位置にそれぞれ設けられている。帯電装置123は、各感光体ドラム121の周面を一様に帯電させる。
露光装置124は、各帯電装置123の下方位置に設けられている。露光装置124は、コンピューター等から入力された画像データや原稿読取部16が取得した画像データに基づく各色に対応したレーザー光を、帯電後の感光体ドラム121の周面に照射し、各感光体ドラム121の周面に静電潜像を形成する。なお、露光装置124は、感光体ドラム121上に、所定の潜像電位を形成するため、予め設定された露光光量に応じて、前記レーザー光を照射する。ドラムクリーニング装置127は、各感光体ドラム121の左方位置に設けられ、感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去してクリーニングする。
中間転写ベルト125は、無端のベルトであって、基層、弾性層、及びコート層から成る積層構造を有する導電性の軟質ベルトである。中間転写ベルト125は、画像形成部12の上方において、略水平方向に配置された複数の張架ローラーに掛け回されている。張架ローラーは、定着装置13の近傍に配置され中間転写ベルト125を回転駆動する駆動ローラー125Aと、駆動ローラー125Aに対して水平方向に所定間隔を置いて配設され従動回転する従動ローラー125Eと、を含む。中間転写ベルト125は、駆動ローラー125Aに回転駆動力が与えられることにより、図1において時計方向に周回駆動される。
二次転写ローラー196には、二次転写バイアス印加部(不図示)が電気的に接続されている。二次転写ローラー196と駆動ローラー125Aとの間に印加される転写バイアスによって、中間転写ベルト125上に形成されたトナー画像は、下方の搬送ローラー対192から搬送された用紙Pに転写される。従動ローラー125Eの外側には、中間転写ベルト125を介して、対向配置されるベルトクリーニング装置198が配設されている。
定着装置13は、内部に加熱源であるハロゲンランプなどの通電発熱体を備えた加熱ローラー132と、加熱ローラー132に対向配置された加圧ローラー134と、を備えている。定着装置13は、画像形成部12で転写された用紙P上のトナー像に対し、用紙Pが加熱ローラー132と加圧ローラー134との間の定着ニップ部を通過する間に加熱ローラー132から熱を与えて定着処理を施す。定着処理の完了したカラー印刷済みの用紙Pは、定着装置13の上部から延設された排紙搬送路194を通って装置本体11の頂部に設けられた排紙トレイ151へ向けて排出される。
給紙部14は、装置本体11の図1における右側壁に開閉自在に設けられた手差しトレイ141と、装置本体11内における露光装置124より下方位置に挿脱可能に装着された給紙カセット142とを備えている。給紙カセット142は、複数枚の用紙Pが積層されてなる用紙束P1を収容する。給紙カセット142の上方には、ピックアップローラー143が設けられ、ピックアップローラー143は、給紙カセット142に収容された用紙束P1の最上位の用紙Pを用紙搬送路190へ向けて繰り出す。手差しトレイ141は、下部本体111の右面の下方位置に設けられた、用紙Pを1枚ずつ手差し操作で画像形成部12へ向けて給紙するためのトレイである。
画像形成部12の左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路190が形成されている。用紙搬送路190には、適所に搬送ローラー対192が設けられ、搬送ローラー対192は、給紙部14から繰り出された用紙Pを、二次転写ローラー196を有する二次転写ニップ部へ向けて搬送する。
用紙排出部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成されている。用紙排出部15は、下部本体111の上面に形成された排紙トレイ151を備える。排紙トレイ151は、画像形成部12でトナー像が形成された用紙Pが、定着装置13で定着処理が施された後に排出されるトレイである。
原稿読取部16は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を走査して読み取る走査機構163とを備えている。走査機構163は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを用いて原稿の画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。また、装置本体11は、この画像データから作像画像を生成する画像処理部(不図示)を有する。
<現像装置の構成>
続いて、現像装置122について詳細に説明する。図2は、現像装置122の内部構造を概略的に示す上下および左右方向の断面図、図3は、現像装置122の内部構造を示した平面図である。現像装置122は、該現像装置122の内部空間を画定する現像ハウジング80を含む。この現像ハウジング80には、所定の極性に帯電する非磁性体のトナーおよび磁性体のキャリアを含む現像剤を貯留する現像剤貯留部81が備えられている。前記トナーの平均粒径は、6.8μmである。また、現像ハウジング80の内部には、現像剤貯留部81の上方に配置された磁気ローラー82(現像剤担持体)と、磁気ローラー82の斜め上方位置で磁気ローラー82に対向配置された現像ローラー83(トナー担持体)と、磁気ローラー82に対向配置された現像剤規制ブレード84とが配設されている。
続いて、現像装置122について詳細に説明する。図2は、現像装置122の内部構造を概略的に示す上下および左右方向の断面図、図3は、現像装置122の内部構造を示した平面図である。現像装置122は、該現像装置122の内部空間を画定する現像ハウジング80を含む。この現像ハウジング80には、所定の極性に帯電する非磁性体のトナーおよび磁性体のキャリアを含む現像剤を貯留する現像剤貯留部81が備えられている。前記トナーの平均粒径は、6.8μmである。また、現像ハウジング80の内部には、現像剤貯留部81の上方に配置された磁気ローラー82(現像剤担持体)と、磁気ローラー82の斜め上方位置で磁気ローラー82に対向配置された現像ローラー83(トナー担持体)と、磁気ローラー82に対向配置された現像剤規制ブレード84とが配設されている。
現像剤貯留部81は、現像装置122の長手方向に延びる2つの隣り合う現像剤貯留室81a、81bを含む。現像剤貯留室81a、81bは、現像ハウジング80に一体に形成され長手方向に延びる仕切り板801によって互いに仕切られているが、図3に示すように、長手方向における両端部において連通路803、804によって互いに連通されている。各現像剤貯留室81a、81bには、軸回りに回転することにより現像剤を攪拌及び搬送するスクリューフィーダー85、86が収容されている。スクリューフィーダー85、86は、図略の駆動機構により回転駆動されるが、その回転方向が互いに逆方向に設定されている。これにより現像剤は、図3に矢印で示すように、現像剤貯留室81aおよび現像剤貯留室81b間を攪拌されつつ循環搬送される。この攪拌により、トナーとキャリアとが混合され、トナーが例えばプラスに帯電される。
磁気ローラー82は、現像装置122の長手方向に沿って配設されており、図2では時計方向に回転駆動される。磁気ローラー82の内部には、固定式の所謂磁石ロール(図示せず)が配置されている。磁石ロールは複数の磁極を有しており、本実施形態では汲上極821、規制極822及び主極823を有する。汲上極821は現像剤貯留部81に対向し、規制極822は現像剤規制ブレード84に対向し、主極823は現像ローラー83に対向している。また、磁気ローラー82は、現像ローラー83に対して周速比1.5の速度で、対向位置において現像ローラー83と逆方向(カウンター回転)に回転される。
磁気ローラー82は、汲上極821の磁力によって現像剤貯留部81から現像剤をその周面82A上に磁気的に汲み上げる(受け取る)。磁気ローラー82は、周面82A上に、汲み上げられた現像剤を磁気的に現像剤層(磁気ブラシ層)として担持する。磁気ローラー82の回転に伴って、前記現像剤は現像剤規制ブレード84に向けて搬送される。
現像剤規制ブレード84は、磁気ローラー82の回転方向から見て現像ローラー83よりも上流側に配置され、磁気ローラー82の周面82Aに磁気的に付着した現像剤層の層厚を規制する。現像剤規制ブレード84は、磁気ローラー82の長手方向に沿って延びる磁性材料からなる板部材であり、現像ハウジング80の適所に固定された所定の支持部材841によって支持されている。また、現像剤規制ブレード84は、磁気ローラー82の周面82Aとの間で所定の寸法の規制ギャップGを形成する規制面842(つまり現像剤規制ブレード84の先端面)を有する。
磁性材料から形成された現像剤規制ブレード84は、磁気ローラー82の規制極822によって磁化される。これにより、現像剤規制ブレード84の規制面842と規制極822との間には、すなわち規制ギャップGには、磁路が形成される。汲上極821によって磁気ローラー82の周面82A上に付着した現像剤層が、磁気ローラー82の回転に伴って規制ギャップG内に搬送されると、現像剤層の層厚は規制ギャップGにおいて規制される。これにより、周面82A上には所定厚さの均一な現像剤層が形成される。
現像ローラー83は、現像装置122の長手方向に沿って、且つ、磁気ローラー82に対して平行に延びるように配設されており、図2では時計方向に回転駆動される。現像ローラー83は、磁気ローラー82の周面82A上に保持された現像剤層に接触した状態で回転しつつ、前記現像剤層からトナーを受け取ってトナー層を担持する周面83Aを有する。現像動作が行なわれる現像時には、現像ローラー83は、前記トナー層のトナーを感光体ドラム121の周面に供給する。本実施形態では、現像ローラー83は、アルマイトの表面に樹脂コート(ウレタンコート)が施されたローラーである。また、現像ローラー83は、感光体ドラム121に対して周速比1.3の速度で、対向位置において感光体ドラム121と同方向(ウィズ回転)に回転される。
現像ローラー83および磁気ローラー82は、後記の駆動部962によって回転駆動される。現像ローラー83の周面83Aと磁気ローラー82の周面82Aとの間には、所定の寸法の隙間Sが形成されている。隙間Sは例えば0.3mmに設定されている。現像ローラー83は、現像ハウジング80に形成された開口を通して感光体ドラム121に臨むように配置され、周面83Aと感光体ドラム121の周面との間にも所定の寸法の隙間が形成されている。本実施形態では、前記隙間は0.12mmに設定されている。
<電気的構成、ブロック図>
続いて、画像形成装置1の主要な電気的構成について説明する。画像形成装置1(現像装置122)は、当該画像形成装置1の各部の動作を統括的に制御する制御部90を備える。図4は、制御部90の機能ブロック図である。また、図5は、本実施形態に係る現像装置122の現像動作を示した模式図である。制御部90は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。また、制御部90には、現像装置122の各部材に加え、現像バイアス印加部88、リーク検知部89、スイッチ95、駆動部962、画像メモリー963、I/F964などが電気的に接続されている。更に、現像装置122は、ツェナーダイオード94(整流素子)(図5)を備える。
続いて、画像形成装置1の主要な電気的構成について説明する。画像形成装置1(現像装置122)は、当該画像形成装置1の各部の動作を統括的に制御する制御部90を備える。図4は、制御部90の機能ブロック図である。また、図5は、本実施形態に係る現像装置122の現像動作を示した模式図である。制御部90は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。また、制御部90には、現像装置122の各部材に加え、現像バイアス印加部88、リーク検知部89、スイッチ95、駆動部962、画像メモリー963、I/F964などが電気的に接続されている。更に、現像装置122は、ツェナーダイオード94(整流素子)(図5)を備える。
図5を参照して、現像バイアス印加部88は、直流電源と交流電源とから構成され、バイアス制御部92またはリーク検知制御部93からの制御信号に基づき、現像装置122内の磁気ローラー82および現像ローラー83に、直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを印加する。本実施形態では、現像バイアス印加部88は、一つのトランスから構成される。換言すれば、共通の現像バイアス印加部88から磁気ローラー82および現像ローラー83に現像バイアスが印加され、磁気ローラー82および現像ローラー83にそれぞれ固有のバイアス印可部(トランス)が配置されていない。このため、現像装置122が安価に構成される。
なお、図5を参照して、現像バイアス印加部88から現像バイアスが出力される端子は2つ配置されている。一方は第1端子K1であり、他方は第2端子K2である。現像動作時には、磁気ローラー82に対して第1端子K1を介して現像バイアスが印加され、現像ローラー83に対して第2端子K2を介して現像バイアスが印加される。一方、後記のリーク検知動作時には、第2端子K2を介して、磁気ローラー82および現像ローラー83に現像バイアスが印加される。なお、現像バイアス印加部88の第1端子K1から出力される交流電圧の位相と、第2端子K2から出力される交流電圧の位相とは、同位相で予め反転されている。
リーク検知部89は、現像バイアス印加部88に電気的に接続されている。リーク検知部は、感光体ドラム121と現像ローラー83との間に発生するリークを検知する。詳しくは、リーク検知部89は、現像ローラー83に流れる電流値の変動(過電流)によってリークを検知する。
スイッチ95は、バイアス制御部92またはリーク検知制御部93からの指示に基づいて、磁気ローラー82への現像バイアスの印加経路を切り替える。詳しくは、スイッチ95は、現像バイアス印加部88から磁気ローラー82に現像バイアスが印加される経路を、現像動作時に対応する第1経路95Aと、リーク検知動作時に対応する第2経路95Bとの間で切り替える。スイッチ95が第1接点951に接続されると、現像バイアス印加部88から磁気ローラー82に現像バイアスが印加される経路が第1経路95Aに設定される。一方、スイッチ95が第2接点952に接続されると、現像バイアス印加部88から磁気ローラー82に現像バイアスが印加される経路が第2経路95Bに設定される。
ツェナーダイオード94は、第2経路95Bに配置される。ツェナーダイオード94は、リーク検知動作時に、トナーが現像ローラー83から磁気ローラー82に移動されるように、現像ローラー83と磁気ローラー82との間に電位差を設ける。
駆動部962(図4)は、モーター及びそのトルクを伝達するギア機構からなり、制御部90からの制御信号に応じて、現像動作及びリーク検知動作時に、感光体ドラム121に加え、現像装置122内の現像ローラー83、磁気ローラー82およびスクリューフィーダー85、86などを回転駆動させる。本実施形態では、現像ローラー83、磁気ローラー82およびスクリューフィーダー85、86は、駆動部962によって同期して回転駆動される。
画像メモリー963は、当該画像形成装置1がプリンターとして機能する場合に、例えばパーソナルコンピューターなどの外部機器から与えられる印刷用画像データを一時的に記憶する。また、画像メモリー963は、画像形成装置1が複写機として機能する場合には、ADF20により光学的に読み取られた画像データを一時的に記憶する。
I/F964は、外部機器とのデータ通信を実現させるためのインターフェイス回路であり、例えば画像形成装置1と外部機器とを接続するネットワークの通信プロトコルに従った通信信号を作成すると共に、ネットワーク側からの通信信号を画像形成装置1が処理可能な形式のデータに変換する。パーソナルコンピューター等から送信される印刷指示信号はI/F964を介して制御部90に与えられ、また画像データは、I/F964を介して画像メモリー963に記憶される。
制御部90は、前記CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、駆動制御部91、バイアス制御部92およびリーク検知制御部93を備えるように機能する。
駆動制御部91は、駆動部962を制御して、現像ローラー83、磁気ローラー82およびスクリューフィーダー85、86を回転駆動させる。また、駆動制御部91は、不図示の駆動手段を制御して、感光体ドラム121を回転駆動させる。本実施形態では、駆動制御部91は、現像動作およびリーク検知動作において、上記の各部材を回転駆動させる。
バイアス制御部92は、磁気ローラー82から現像ローラー83に、更に、現像ローラー83から感光体ドラム121にトナーが供給される現像動作時に、現像バイアス印加部88を制御して、磁気ローラー82と現像ローラー83との間に直流電圧の電位差を設ける。前記電位差によって、トナーが磁気ローラー82から現像ローラー83に移動される。また、バイアス制御部92は、現像動作時に、磁気ローラー82および現像ローラー83に互いに逆位相の交流電圧を印加する。該交流電圧によって、磁気ローラー82から現像ローラー83へのトナーの移動が促進される。更に、現像ローラー83に印加される上記の現像バイアスによって、現像ローラー83から感光体ドラム121にトナーが移動される。現像動作時の現像バイアスの詳細については後記で詳述する。
リーク検知制御部93は、リーク検知動作において、現像バイアス印加部88を制御して、磁気ローラー82および現像ローラー83に、直流電圧および同位相の交流電圧を印加する。リーク検知動作では、現像ローラー83に印加される現像バイアスのうち、感光体ドラム121と現像ローラー83との間でリークが発生する交流電圧のピーク間電圧が検出される。この際、リーク検知制御部93は、現像バイアスの交流電圧のピーク間電圧を増大させながら、感光体ドラム121と現像ローラー83との間にリークを発生させる。現像動作に先だって予めリーク検知動作が実行され、感光体ドラム121と現像ローラー83との間にリークが生じるピーク間電圧(リーク発生電圧)が検出される。この結果、現像動作時には、リーク発生電圧に至らない範囲で交流電圧のピーク間電圧が設定され、リークの発生が防止される。なお、リーク検知動作時の現像バイアスの詳細については後記で詳述する。
<現像動作について>
次に、図5および図6を参照して、現像動作における感光体ドラム121上の静電潜像の現像メカニズムについて説明する。図6は、本実施形態に係る現像装置122の現像動作時に磁気ローラー82および現像ローラー83に印加される現像バイアスの波形を示した模式図である。図6(A)は現像ローラー83に印加される現像バイアスの交流電圧の1周期分の波形を示し、図6(B)は磁気ローラー82に印加される現像バイアスの交流電圧の1周期分の波形を示している。本実施形態に係る画像形成装置1は、毎分25枚のプリントスピードを備える。そして、感光体ドラム121の周速は、120mm/secに設定されている。また、本実施形態では、現像剤中のキャリアには、体積固有抵抗が、1010Ω・cmであり、飽和磁化が、65emu/gであり、平均粒径が35μmのコーティングフェライトキャリアが使用されている。前述のように、画像形成装置1の画像形成動作に際して、現像装置122の現像動作が実行される場合、バイアス制御部92がスイッチ95を第1接点951に接続する。
次に、図5および図6を参照して、現像動作における感光体ドラム121上の静電潜像の現像メカニズムについて説明する。図6は、本実施形態に係る現像装置122の現像動作時に磁気ローラー82および現像ローラー83に印加される現像バイアスの波形を示した模式図である。図6(A)は現像ローラー83に印加される現像バイアスの交流電圧の1周期分の波形を示し、図6(B)は磁気ローラー82に印加される現像バイアスの交流電圧の1周期分の波形を示している。本実施形態に係る画像形成装置1は、毎分25枚のプリントスピードを備える。そして、感光体ドラム121の周速は、120mm/secに設定されている。また、本実施形態では、現像剤中のキャリアには、体積固有抵抗が、1010Ω・cmであり、飽和磁化が、65emu/gであり、平均粒径が35μmのコーティングフェライトキャリアが使用されている。前述のように、画像形成装置1の画像形成動作に際して、現像装置122の現像動作が実行される場合、バイアス制御部92がスイッチ95を第1接点951に接続する。
磁気ローラー82の周面82A上の磁気ブラシ層は、現像剤規制ブレード84によって層厚が均一に規制された後、磁気ローラー82の回転に伴って現像ローラー83に向けて搬送される。その後、磁気ローラー82および現像ローラー83が対向する領域において、磁気ブラシ層中の多数の磁気ブラシDBが、回転中の現像ローラー83の周面83Aに接触する。
このとき、バイアス制御部92は、現像バイアス印加部88を制御して、後記のように直流電圧および交流電圧からなる現像バイアスを磁気ローラー82および現像ローラー83に印加する。これにより、磁気ローラー82の周面82Aと現像ローラー83の周面83Aとの間に所定の電位差(図6の現像用電位差ΔV)が生じる。現像用電位差ΔVは、環境などに応じて100Vから350Vの範囲に設定される。この電位差により、周面82Aと周面83Aとの対向位置において(主極823(図2)と周面83Aとの対向位置において)、磁気ブラシDBからトナーTのみが周面83Aに移動し、磁気ブラシDBのキャリアCと残留する一部のトナーとは周面82A上に残る。これにより、現像ローラー83の周面83A上に所定厚さのトナー層TLが担持される。
周面83A上のトナー層TLは、現像ローラー83の回転に伴って感光体ドラム121の周面に向けて搬送される。現像ローラー83には、直流電圧と交流電圧との重畳電圧が印加されている。したがって、静電潜像に応じて表面に電位を有している感光体ドラム121の周面と該現像ローラー83の周面83Aとの間には所定の電位差が生じている。この電位差により、トナー層TLのトナーTが感光体ドラム121の周面に移動する。これにより、感光体ドラム121の周面上の静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
なお、バイアス制御部92が、現像動作時において現像バイアス印加部88を制御して、磁気ローラー82及び現像ローラー83に印加する現像バイアスの一例は次の通りである。
磁気ローラー82の直流電圧Vmag_dc;450V
現像ローラー83の直流電圧Vslv_dc;250V
磁気ローラー82の交流電圧(Vpp)Vmag_ac;1918V(3.7kHz)
現像ローラー83の交流電圧(Vpp)Vslv_ac;700V(3.7kHz)
現像ローラー83の交流電圧のDuty比(Duty1);27%
磁気ローラー82の交流電圧のDuty比(Duty2);73%
感光体ドラム121の画像部電位VL:+50V
感光体ドラム121の背景部電位Vo:+650V
磁気ローラー82の直流電圧Vmag_dc;450V
現像ローラー83の直流電圧Vslv_dc;250V
磁気ローラー82の交流電圧(Vpp)Vmag_ac;1918V(3.7kHz)
現像ローラー83の交流電圧(Vpp)Vslv_ac;700V(3.7kHz)
現像ローラー83の交流電圧のDuty比(Duty1);27%
磁気ローラー82の交流電圧のDuty比(Duty2);73%
感光体ドラム121の画像部電位VL:+50V
感光体ドラム121の背景部電位Vo:+650V
図6に示すように、現像動作時には、磁気ローラー82および現像ローラー83に印加される現像バイアスのうち交流電圧の位相は逆位相に設定されている。このため、磁気ローラー82と現像ローラー83との間には、前述の直流電圧からなる現像用電位差ΔVに加え、交流電圧に基づく周期的な電位差が設定される。この結果、磁気ローラー82から現像ローラー83へのトナーの移動が促進される。したがって、単一のトランスを備える現像バイアス印加部88によって、磁気ローラー82および現像ローラー83に安定して現像バイアスを印加することができる。
一方、図11は、本実施形態に係る現像装置122と比較参照される他の現像装置122Zの現像動作を同様に示す模式図である。現像装置122Zは、本実施形態に係る現像装置122と比較して、2つのトランスを備えている。すなわち、現像装置122Zは、第1バイアス印可部881と、第2バイアス印加部882とを備える。第1バイアス印可部881は、現像ローラー83Zに電気的に接続され、第2バイアス印可部882は、磁気ローラー82Zに電気的に接続されている。
このような現像装置122Zにおいては、現像動作に際して、不図示の制御部によって磁気ローラー82Zおよび現像ローラー83Zには、それぞれ固有の現像バイアスを印加することができる。更に、感光体ドラム121Zと現像ローラー83Zとの間でリークが生じるリーク発生電圧がリーク検知部89Zによって検出される際にも、磁気ローラー82Zおよび現像ローラー83Zに固有の現像バイアスを印加することができる。したがって、リーク検知動作時に、磁気ローラー82Zから現像ローラー83Zにトナーが移動することを抑制し、可及的に現像ローラー83Zの表面が露出した状態でリーク検知動作を行うことが可能となる。また、磁気ローラー82Zと現像ローラー83Zとの間で、交流電圧の電位差が生じることを抑止することが可能となるため、磁気ローラー82Zと現像ローラー83Zとの間で生じるリークが防止された状態で、感光体ドラム121Zと現像ローラー83Zとの間で生じるリークを検出することができる。一方、現像装置122Zのように、磁気ローラー82Zおよび現像ローラー83Zにそれぞれ固有のバイアス印可部(トランス)を備える場合、現像装置122Zのコストが大きく増大されてしまう。
本実施形態では、1つのトランスからなる現像バイアス印加部88を利用して、安定して現像装置122のリーク検知動作を行うことが可能とされる。図7は、本実施形態に係る現像装置122のリーク検知動作時に磁気ローラー82および現像ローラー83に印加される現像バイアスの波形を示した模式図である。図7(A)は現像ローラー83に印加される現像バイアスの交流電圧の1周期分の波形を示し、図7(B)は磁気ローラー82に印加される現像バイアスの交流電圧の1周期分の波形を示している。図8は、図7のリーク検知動作時の現像ローラー83と磁気ローラー82との間の電位差を模式的に表した図である。図9は、現像装置122の現像動作時の現像ローラー83および感光体ドラム121の電位関係を示した模式図である。図10は、現像装置122のリーク検知動作時の現像ローラー83および感光体ドラム121の電位関係を示した模式図である。
リーク検知制御部93(図4)は、画像形成装置1の出荷時や現像装置122、感光体ドラム121の交換時、および画像形成装置1の周囲の環境(温度、湿度)が変動した場合、あるいは、所定の枚数の印刷動作が実行された場合に、リーク検知動作を実行する。リーク検知動作では、リーク検知制御部93は、駆動制御部91を制御して、感光体ドラム121および現像装置122の各部材を回転駆動させる。また、リーク検知制御部93は、帯電装置123および露光装置124を制御して、感光体ドラム121上に静電潜像を形成する。そして、リーク検知制御部93は現像ローラー83に印加される交流電圧のピーク間電圧を増大させながら、リーク検知部89によって過電流を検出することによって、リークが発生するピーク間電圧を検出する。
なお、リーク検知動作において、リーク検知制御部93は、スイッチ95を第2接点952に接続させる。このため、図5を参照して、現像ローラー83には現像バイアス印加部88の第2端子K2を介して現像バイアスが印加される。また、磁気ローラー82には、第2端子K2および第2経路95Bを介して現像バイアスが印加される。この結果、図7に示すように、磁気ローラー82および現像ローラー83には、同位相の交流電圧が印加される。
リーク検知制御部93が、リーク検知動作時において現像バイアス印加部88を制御して、磁気ローラー82及び現像ローラー83に印加する現像バイアスの一例は次の通りである。
磁気ローラー82の直流電圧Vmag_dc;150V
現像ローラー83の直流電圧Vslv_dc;150V
磁気ローラー82の交流電圧(Vpp)Vmag_ac;可変(2.05kHz)
現像ローラー83の交流電圧(Vpp)Vslv_ac;可変(2.05kHz)
現像ローラー83の交流電圧のDuty比(Duty3);15%
磁気ローラー82の交流電圧のDuty比(Duty3);15%
感光体ドラム121の画像部電位VL:+50V
感光体ドラム121の背景部電位Vo:+650V
磁気ローラー82の直流電圧Vmag_dc;150V
現像ローラー83の直流電圧Vslv_dc;150V
磁気ローラー82の交流電圧(Vpp)Vmag_ac;可変(2.05kHz)
現像ローラー83の交流電圧(Vpp)Vslv_ac;可変(2.05kHz)
現像ローラー83の交流電圧のDuty比(Duty3);15%
磁気ローラー82の交流電圧のDuty比(Duty3);15%
感光体ドラム121の画像部電位VL:+50V
感光体ドラム121の背景部電位Vo:+650V
図7に示すように、本実施形態では、リーク検知動作において、磁気ローラー82の直流電圧Vmag_dcおよび現像ローラー83の直流電圧Vslv_dcは、同じ値に設定されている。更に、磁気ローラー82に印加される交流電圧および現像ローラー83に印加される交流電圧が同位相に設定される。この結果、磁気ローラー82および現像ローラー83が略同電位に設定されるため、磁気ローラー82と現像ローラー83との間でリークが生じることが防止される。更に、磁気ローラー82から現像ローラー83にトナーが移動することが防止され、現像ローラー83の表面に可及的にトナーが付着せず、現像ローラー83の表面が露出した状態で、感光体ドラム121と現像ローラー83との間で生じるリークを検出することができる。また、現像動作およびリーク検知動作が、一つのトランス(現像バイアス印加部88)によって実現される。この結果、現像装置122のコストダウンが実現される。
更に、前述のように本実施形態では、現像装置122がツェナーダイオード94を備えている(図5)。ツェナーダイオード94は、現像バイアスの交流電圧のうちプラス方向の波形において、磁気ローラー82と現像ローラー83との間に電位差を生じさせる。詳しくは、図7に示すように、現像ローラー83に印加される交流電圧のプラス方向のピークV(1)と、磁気ローラー82に印加される交流電圧のプラス方向のピークV(2)との間には、ツェナーダイオード94によって電位差ΔVmが設定される。電位差ΔVmは、図8に示すように、リーク検知時の交流電圧の周期に応じて、磁気ローラー82と現像ローラー83との間に周期的に形成される。そして、電位差ΔVmによって、トナーが現像ローラー83から磁気ローラー82に移動されるような電界が、磁気ローラー82と現像ローラー83との間に形成される。この結果、現像ローラー83の表面に付着したトナーが、磁気ローラー82側に移動されるため、現像ローラー83の表面が一層露出した状態で、感光体ドラム121と現像ローラー83との間で生じるリークを検出することができる。
更に、図9および図10を参照して、現像動作時およびリーク検知動作時において、現像ローラー83に印加される現像バイアスの違いについて説明する。前述のように、現像動作時には、現像ローラー83の直流電圧Vslv_dcが250Vに設定され、リーク検知動作時には、現像ローラー83の直流電圧Vslv_dcが150Vに設定される。そして、感光体ドラム121の背景部電位Voは、いずれも650Vに設定されている。この結果、リーク検知動作時に現像ローラー83に印加される現像バイアスの直流電圧と感光体ドラム121の静電潜像の背景部との電位差は、現像動作時に現像ローラー83に印加される現像バイアスの直流電圧と前記背景部との電位差よりも大きく設定される。これらの電位差は、感光体ドラム121から現像ローラー83側にトナーが移動する電界を形成する。この結果、リーク検知動作時に、僅かなトナーが現像ローラー83の表面に付着している場合であっても、前記トナーが感光体ドラム121の周面に移動することを防止することができる。
更に、本実施形態では、現像動作時に現像ローラー83に印加される交流電圧のプラス方向の印加時間(図9のΔT1)と、リーク検知動作時に現像ローラー83に印加される交流電圧のプラス方向の印加時間(図10のΔT2)とを揃えるために、リーク検知動作時における現像バイアスのDuty比(Duty3)および周波数が、現像動作時とは異なる値に設定されている。詳しくは、リーク検知動作時のDuty3(15%)が、現像動作時のDuty1(27%)よりも小さく設定されるとともに、リーク検知動作時の周波数f(2.05kHz)が、現像動作時の周波数f(3.7kHz)よりも小さく設定されている。印加時間ΔT1とΔT2とが同じ時間に設定されることで、実際の現像動作時に生じるリークを想定して精度良くリーク発生電圧(ピーク間電圧)を検出することができる。
また、図10に示すように、リーク検知動作時におけるDuty3および周波数fが上記のように設定されることで、現像動作時と比較して、交流電圧のマイナス方向のピーク電圧が高く設定される(図10では、−114V)。交流電圧のマイナス方向のピーク電圧が低く、すなわちマイナス側に大きく設定されると、感光体ドラム121の表面にピンホール(膜破損)が生じる場合がある。このため、リーク検知動作では、交流電圧のプラス方向のピーク電圧(図10では、1650V)と、感光体ドラム121の画像部電位VL(図10では、50V)との間の電位差によって、感光体ドラム121と現像ローラー83との間でリークが生じるように、予めリーク検知動作時の現像バイアスの波形が設定されている。
以上、本発明の実施形態に係る現像装置122およびこれを備えた画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記の実施形態では、現像装置122がツェナーダイオード94を備え、図7に示すように、現像ローラー83に印加される交流電圧のプラス方向のピークV(1)と、磁気ローラー82に印加される交流電圧のプラス方向のピークV(2)との間に電位差ΔVmが設定される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。現像装置122は、ツェナーダイオード94を備えない態様でもよい。この場合であっても、リーク検知動作において、磁気ローラー82および現像ローラー83に同位相の交流電圧が印加されることによって、安定したリーク検知動作が実現される。
(2)また、上記の実施形態では、トナーがプラスの極性に帯電する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。トナーがマイナスの極性に帯電する場合であっても、上記と同様の制御を行うことによって、現像ローラー83および磁気ローラー82に対して単一のトランスから現像バイアスを印加するとともに、リーク検知動作が実行可能とされる。この場合、トナーの極性に対応して、感光体ドラム121の表面電位、磁気ローラー82および現像ローラー83に印加される現像バイアスの極性が調整されればよい。
1 画像形成装置
11 装置本体
12 画像形成部
121 感光体ドラム
122 現像装置
80 現像ハウジング
81 現像剤貯留部
82 磁気ローラー(現像剤担持体)
821 汲上極
822 規制極
823 主極
83 現像ローラー(トナー担持体)
84 現像剤規制ブレード
88 現像バイアス印加部(バイアス印加部)
89 リーク検知部
90 制御部
91 駆動制御部
92 バイアス制御部
93 リーク検知制御部
94 ツェナーダイオード(整流素子)
95 スイッチ(切替部)
11 装置本体
12 画像形成部
121 感光体ドラム
122 現像装置
80 現像ハウジング
81 現像剤貯留部
82 磁気ローラー(現像剤担持体)
821 汲上極
822 規制極
823 主極
83 現像ローラー(トナー担持体)
84 現像剤規制ブレード
88 現像バイアス印加部(バイアス印加部)
89 リーク検知部
90 制御部
91 駆動制御部
92 バイアス制御部
93 リーク検知制御部
94 ツェナーダイオード(整流素子)
95 スイッチ(切替部)
Claims (5)
- 所定の極性に帯電するトナーおよびキャリアを含む現像剤を貯留する現像ハウジングと、
回転され、前記現像ハウジング内の現像剤を受け取って、現像剤層を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤層に接触した状態で回転され、前記現像剤層からトナーを受け取ってトナー層を担持し、表面に静電潜像が形成され前記トナーによって顕在化されるトナー像を担持する像担持体に、前記トナーを供給するトナー担持体と、
一つのトランスを含み、前記現像剤担持体及び前記トナー担持体に、直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを印加するバイアス印加部と、
前記像担持体と前記トナー担持体との間に発生するリークを検知するリーク検知部と、
前記現像剤担持体から前記トナー担持体にトナーが供給される現像動作時に、前記バイアス印加部を制御して、前記トナーが前記現像剤担持体から前記トナー担持体に移動されるように前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間に直流電圧の電位差を設けるとともに、前記現像剤担持体および前記トナー担持体に互いに逆位相の交流電圧を印加するバイアス制御部と、
前記トナー担持体に印加される前記現像バイアスのうち、前記像担持体と前記トナー担持体との間でリークが発生する交流電圧の値を検出するリーク検知動作において、前記バイアス印加部を制御して、前記現像剤担持体および前記トナー担持体に同位相の交流電圧を印加するリーク検知制御部と、
を有することを特徴とする現像装置 - 前記バイアス印可部から前記現像剤担持体に前記現像バイアスが印加される経路を、前記現像動作時に対応する第1経路と、前記リーク検知動作時に対応する第2経路との間で切り替える切替部と、
前記第2経路に配置され、前記トナーが前記トナー担持体から前記現像剤担持体に移動されるように前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間に電位差を設ける整流素子と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 前記リーク検知部は、前記トナー担持体に流れる電流値の変動によって前記リークを検知し、
前記リーク検知制御部は、前記現像バイアスの交流電圧のピーク間電圧を増大させながら、前記像担持体と前記トナー担持体との間に前記リークを発生させることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。 - 前記リーク検知制御部は、前記リーク検知動作時において、前記バイアス印加部を制御して、前記現像剤担持体および前記トナー担持体に同電位の直流電圧を印加し、
前記リーク検知動作時に前記トナー担持体に印加される前記現像バイアスの直流電圧と前記像担持体の前記静電潜像の背景部との電位差は、前記現像動作時に前記トナー担持体に印加される前記現像バイアスの直流電圧と前記背景部との電位差よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の現像装置。 - 前記静電潜像及び前記トナー像を担持する前記像担持体と、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の現像装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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JP2013213628A JP2015075729A (ja) | 2013-10-11 | 2013-10-11 | 現像装置、およびこれを備えた画像形成装置 |
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US11275321B2 (en) | 2020-03-03 | 2022-03-15 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus comprising leakage detection |
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2013
- 2013-10-11 JP JP2013213628A patent/JP2015075729A/ja active Pending
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