JP2015073911A - 回分式排水処理方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】速やかに下水道へ直接放流することが可能な回分式排水処理方法を提供する。
【解決手段】 微生物固定化担体を用いた回分式排水処理方法であって、前記担体を存在させた処理槽に排水を供給する供給工程、曝気により処理槽内の排水を生物処理する生物処理工程、処理槽内の前記担体を沈降させる沈殿工程、および処理槽内の処理水を下水道に直接放流する放流工程を有することを特徴とする回分式排水処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、微生物固定化担体を用いた回分式排水処理方法および装置に関する。
従来、下水処理、産業排水処理、農業・水産・食品関係の排水処理、生活排水処理、し尿処理には、好気性微生物を用いた標準活性汚泥法が用いられている。しかし、標準活性汚泥法は、処理工程が長く、設備自体も大がかりとなり、経済性および維持管理の点から、中小規模の排水処理には不向きである。従って、中小規模の排水処理には回分式活性汚泥法が検討されている。
現在、検討されている回分式活性汚泥法を用いた回分式排水処理は排水の供給、生物処理(曝気)工程、沈殿工程、放流工程を1サイクルとし、そのすべての操作は一つの処理槽で連続的に繰り返される。供給工程では、処理槽下部に残った活性汚泥混合液に排水を供給する。生物処理(曝気)工程では、供給工程と同時もしくは供給工程終了後に、曝気を行うことによって有機物の分解反応を進行させる。沈殿工程では、曝気を停止した後に、静置状態で活性汚泥を沈降させる。放流工程では、上澄水を処理水としてタンク等に排出する。
一般に、回分式活性汚泥法を用いた回分式排水処理は、
(1)汚泥のバルキングが起こりにくい。
(2)曝気の動力費を節減できる。
(3)装置構成が単純であるため設備費、運転管理費ともに安価である。
(4)処理槽容積を連続式より小さくできる。
等の特長により、中小規模の排水でも、より良好、かつ安定した処理水質を得やすい排水処理方法として検討されている。
しかし、回分式活性汚泥法を用いた回分式排水処理には次のような問題があった。
(1)活性汚泥と処理水の固液分離が容易でない。
(2)活性汚泥の沈降に時間を要するため、処理槽内の汚泥を高濃度にすることができない。
(3)高負荷の排水処理を行うには限界がある。
これらの課題を解決するために、本発明者等は、回分式排水処理に微生物固定化担体を用いることにより、汚泥濃度を上げた状態で沈降時間を短縮することができ、これらの問題を解決する方法を提案した(特許文献1)。しかしながら、この提案における微生物固定化担体は、結晶化により原料のポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)を不溶化する方法で製造されるため、架橋強度が非常に弱い。また、本発明者等は、回分式排水処理方法に、PVA水溶液を凍結させた後にアルデヒドを含む水溶液と接触させて架橋して製造した含水ゲル状成形物を使用することも提案した(特許文献2)。しかしながら、この提案で製造した担体は、微生物の棲息性及び連続使用に対する耐久性は未だ十分でなかった。
特開平3−242292号 特開平9−164391号
さらに、近年の排水処理においては、高負荷の排水を短時間で処理することが求められている。処理時間の短縮には、微生物固定化担体を短時間で沈降させることが有効であるが、先行技術文献における微生物固定化担体は強度が低く、連続使用中に破損して微粉化してしまうため、沈降に時間がかかるという問題があった。また、処理時間の短縮には、排水処理により得られた処理水を下水道に直接放流することも有効であるが、下水道への直接放流を可能にするには、微生物固定化担体を用いる回分式排水処理において、高負荷の排水を良好に処理することが求められるが、これまでの微生物固定化担体を使用した方法では十分ではなかった。
上記の課題を解決する本発明の回分式排水処理方法は、平均粒径が2〜6mm、平均孔径が0.1〜50μmであり、破損率が1%以下である多孔性ポリビニルアルコール系微生物固定化担体を用いた回分式排水処理方法であって、前記担体を存在させた処理槽に排水を供給する供給工程、曝気により処理槽内の排水を生物処理する生物処理工程、処理槽内の前記担体を沈降させる沈殿工程、および処理槽内の処理水を下水道に直接放流する放流工程を有することを特徴とする回分式排水処理方法である。
本発明によれば、回分式排水処理において平均粒径が2〜6mm、平均孔径が0.1〜50μmであり、破損率が1%以下である多孔性ポリビニルアルコール系微生物固定化担体を用いることにより、沈殿工程における担体の沈降時間を短縮することができる。また、担体自身が微生物を高濃度に保持できるため、高負荷運転が可能となり、さらに活性汚泥と比較し、汚泥発生量が少ないことから、担体を沈降させた後、速やかに下水道へ直接放流することが可能である。なお、下水道に直接放流することが可能であるとは、処理水の汚泥濃度が下水道放流規制値以下となっていることによる。さらに、本発明の微生物固定化担体は破損率が低いため、連続した排水処理が可能である。
本発明の実施形態に係る回分式排水処理装置の概略構成を示す図である。
以下、本発明の、回分式排水処理方法および装置について詳細に説明する。
本発明に用いるポリビニルアルコール(以下、PVAと記載する)系微生物固定化担体としては、特に制限は無いが、微生物棲息性および保水性に優れた含水ゲル状担体が好ましい。該含水ゲル状担体の含水率は、50〜99重量%であることが好ましく、70〜98重量%であることがより好ましい。
また、本発明に用いる微生物固定化担体の平均粒径は2〜6mmであることが好ましく、3.5〜5mmであることがより好ましい。
PVA系含水ゲル状担体について詳細に説明する。
本発明に用いるPVAの平均重合度は1000以上が好ましく、1500以上がより好ましい。また、ケン化度は、95モル%以上が好ましく、98モル%以上がより好ましい。
また、PVA系含水ゲル状担体はアセタール化されていることが好ましい。PVAのアセタール化度としては1〜15モル%が好ましく、1〜10モル%がより好ましい。アセタール化度が15モル%より大きいと、収縮が著しく微生物の生息領域が少なくなる可能性がある。PVAのアセタール化にはアルデヒド化合物を用いるが、そのアルデヒド化合物としては、例えば、グリオキザール、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、スクシンアルデヒド、マロンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ノナンジアールなどが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明の方法に使用するPVA系含水ゲル状担体は、微生物の棲息性の観点から、担体内部に平均孔径(円径換算)0.1〜50μmの網目構造を有しており、0.5〜20μmの網目構造を有していることが好ましい。このような網目構造は、例えば、PVAを含む水溶液をゲル化して得られる成形物を、酸および金属塩を含むアセタール化反応液に接触させることにより得られる。すなわち、ゲル化成形物がアセタール化反応液に接触し、アセタール化反応が進行するにつれて、親水性であったPVAが疎水性になり相分離が誘起され、その結果、網目構造が形成される。アセタール化したPVA系含水ゲル状担体は、この網目構造をもっているため微生物が棲息しやすく、排水処理能力も高いため好ましい。
網目構造を得る方法として、PVA水溶液を凍結させる方法もあるが、凍結により形成される網目構造は、物理的な結晶化によるものであるため、水中へのPVAの溶出が大きく、長期間使用しているとゲルが劣化することがある。これに対し、上記のアセタール化反応液に接触させる方法で得られた担体は、マクロな三次元網目構造が得られる点、および成形物の収縮がほとんどない点で優れている。本形成方法で得られた担体は、弾力があり、長期間にわたって変形、損壊しない強度を有し、水や各種溶液に対しても侵されにくく、連続使用が可能である。
本発明の方法に使用するPVA含水ゲル状担体は、連続使用耐久性の観点から、破損率が1%以下である。ここで破損率とは、PVA系含水ゲル状担体の初期投入量と、連続使用後のPVA系含水ゲル状担体における破損していないPVA系含水ゲル状担体の量から算出する。なお、破損していないPVA系含水ゲル状担体とは、外観で割れや欠損のないPVA系含水ゲル状担体のことを指す。
上記のPVA水溶液には微生物を混合してもよいが、微生物はゲルを成形した後に付着させる方が好ましい。固定化する微生物の種類は特に限定されるものではなく、細菌、放線菌、カビ、酵母などのいずれでもよく、純粋培養で得られたものでも混合培養で得られたものでも、活性汚泥のようなものでもよい。微生物としては、たとえば、ムコール(Muccor)属、フザリウム(Fusarium)属、クラドツリックス(Cladothrix)属、スフェロチルス(sphaerotilus)属、ズーグレア(Zooglea) 属、レプトミッス(Leptomitus)属、アスペルギルス(Aspergillus) 属、リゾプス(Rhizopus)属、シュードモナス(Pseudomonas) 属、アセトバクター(Acetobacter) 属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、エシエリシア(Escherichia) 属、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、キャンディダ(candida) 属などの微生物が挙げられ、イオウ細菌、メタン菌、酪酸菌、乳酸菌、枯草菌、変形菌、不全菌、硝酸菌、亜硝酸菌なども例示される。
本発明に使用する微生物固定化担体の形状は特に限定されるものではなく、球状、繊維状、サイコロ状、フィルム状、円筒状などの任意の形状を適宜適択することができるが、操作性および耐久性の観点からは球状が好ましい。
本発明に使用する微生物固定化担体は、微生物棲息性が高いため、処理槽内の微生物濃度を高めることができ、高負荷運転が可能であるという特徴、および処理水と微生物(微生物の棲息する担体)の分離が容易であるという特徴を生かして、曝気による生物処理工程および沈殿工程に要する時間を短縮することができる。
特に沈殿工程では、活性汚泥法は汚泥発生量が多く浮遊菌も多いため沈降に数時間(3〜5時間程度)を要するのに対し、本発明の方法は微生物固定化担体のみを沈降させればよいため、沈降にかかる時間を大幅に短縮できる。具体的には1時間もしくは0.5時間以内での沈降が可能である。また、本発明の微生物固定化担体は破損率が低いため、回分式処理を繰り返し実施しても、担体の沈降性が低下することがない。この点からも、沈降にかかる時間を短縮することができる。
本発明の微生物固定化担体の回分式排水処理への利用方法は、従来の回分式排水処理槽に、好ましくは最小水量の50分の1以上、2分の1以下の微生物固定化担体を投入し、従来の活性汚泥法と同様の方法で運転することができる。
本発明によると、回分式排水処理に有用な微生物が微生物固定化担体で増殖し、回分式排水処理効果は半永久的に持続する。
本発明では、活性汚泥法と比較し、汚泥発生量が少ないことから、浮遊菌を含むSS(浮遊物質)量およびBOD(Biochemical oxygen demand:生物化学的酸素要求量)濃度などを下水道放流規制値以下とすることができるため、微生物固定化担体を沈降させた後、速やかに下水道へ直接放流することが可能となる。
また、本発明では、処理槽内の処理水を一度に大量に放流することができる。すなわち、本発明では、処理水に存在する浮遊菌が少ないため、処理槽内の処理水の60%以上を一度に放流することができる。
なお、河川に直接放流する場合には、本発明の回分式処理槽の後段に活性汚泥槽を設けることで、SS量およびBOD濃度などを河川放流規制値以下とすることができる。
被処理水(排水)は、食品系排水や化学系排水などの排水種により、BOD汚泥転換率が異なる。そのため、例えば、処理槽に排水を流入させる供給工程の前に、固液分離を実施するもしくは水を添加して希釈するなどの前処理工程で、排水の濃度を調整するのが好ましい。この前処理工程の方法は、適宜実施されればよく、なんら限定されるものではない。
本発明の微生物固定化担体を用いた回分式排水処理方法は、排水を処理する際に初めから適用してもよいし、回分式活性汚泥法を実施している処理槽内の微生物濃度を高める場合または高負荷運転に変更する場合に該処理槽に対して適用してもよい。具体的には、回分式活性汚泥法を用いた回分式排水処理方法を実施している処理槽の負荷を高くする場合に、該処理槽に微生物固定化担体を添加し、担体に微生物を担持させる猶予期間を経ることで、曝気による生物処理工程および沈殿工程に要する時間を短縮することができ、効率的な高負荷運転が可能となる。
以下、担体の製造方法について説明する。
<担体Iの製造方法>
PVA濃度が7.0重量%となるように、PVA(株式会社クラレ製、平均重合度1700、ケン化度99.8mol%)に水を加え、熱水中で60分間処理しPVAを溶解した。このPVA水溶液に、1重量%となるようにアルギン酸ナトリウムを加え、30分間撹拌溶解を行った。さらに、この水溶液にグルタルアルデヒドをPVA中の全単量体単位のmol数に対して3.1mol%となるように添加した後、十分に混合し混合水溶液を調製した。この混合水溶液100gを先端に内径1.5mmのノズルをとりつけた内径3.2mmのシリコンチューブを装着したローラーポンプにより8mL/分の速度で送液し、スターラーで撹拌した濃度0.1mol/Lの塩化カルシウム水溶液からなる凝固液1Lに滴下した。滴下した液滴は塩化カルシウム水溶液中で球状化して沈降した。
この球状成形物(A)を塩化カルシウム水溶液から分離し、40℃のアセタール化反応液(B)1Lに60分間浸漬した。ここで、アセタール化反応液(B)は、硫酸を10g/Lおよび硫酸ナトリウムを0.5mol/L(金属カチオンの濃度に価数を乗じた値が1.0mol/L)を含み、pHが0.7である水溶液である。その後、成形物をアセタール化反応液(B)から分離し水洗した。その結果、球相当径が約4.1mmの柔軟性に富んだ球状の含水ゲル状担体(C)(担体I)が得られた。この担体Iを凍結乾燥した後、金を蒸着させてから電子顕微鏡で担体Iの表面を観察したところ、0.5〜4μm程度の孔が多数存在することがわかった。
また、この担体Iの含水率は93重量%であり、PVAのアセタール化度は4mol%であった。この含水ゲル状担体(C)(担体I)の製品物性を確認するため、下記に示す方法により、平均孔径、体積保持率、PVA溶出量、微生物分布、及び生物処理試験時の微生物量をそれぞれ測定した。結果を表1にまとめて示す。また、上記アセタール化反応後のアセタール化反応液(B)を1μmのフィルターでろ過し、105℃、1時間乾燥させた後の固形分の重量を、反応液異物発生量(g−SS/kg−PVA)として測定したところ、固形分は確認されず、良好に反応が進行していることが分かった。
[平均孔径]
含水ゲル状担体(C)を液体窒素で凍結した後、−50℃で乾燥した。そして水銀ポロシメーターを使用して水銀圧入法により平均孔径(孔径分布のピーク値)を測定した。具体的には、70℃で乾燥した試料を、Quantachrome社製の水銀ポロシメーター「ポアマスター60GT」を用いて水銀圧入法にて測定した。
[体積保持率]
下記式(1)で示される値を体積保持率と定義した。下記式(1)において、上記球状
成形物(A)100個の体積をa立方センチメートルとし、含水ゲル状担体(C)、100個の体積をc立方センチメートルとした。
体積保持率(%)=(c/a)×100 (1)
担体Iの体積保持率は104%であった。
[PVA溶出量(g−PVA/kg−ゲル)]
含水ゲル状担体(C)約2gに対して、9倍の重量の水を加えたものをホモジナイザーにて粉砕した後、121℃で15分オートクレーブ処理した。この上清を採取しPVAの重量(g)を測定した。PVA溶出量は担体I、1kgあたりの量として表現した。担体IのPVA溶出量は0.01(g−PVA/kg−ゲル)であった。
[微生物分布(生物処理試験時の微生物の分布)]
生物処理に供した含水ゲル状担体(C)をDAPI(4',6-DiAmidino-2-PhenylIndole)染色して、蛍光顕微鏡により染色された微生物の分布を観察した。そして得られた写真から微生物が含水ゲル状担体(C)のどこに分布しているかを以下の評価基準に基づいて確認した。
評価基準
A:微生物が含水ゲル状担体(C)の外側だけではなく内側にも分布している。
B:微生物が含水ゲル状担体(C)の内側には分布していない。
担体Iは評価はAであった。
[微生物量(生物処理試験時の微生物量)]
生物処理に供した含水ゲル状担体(C)をDAPI染色して蛍光顕微鏡により観察した後、Media Cybernetics社製の画像解析装置「Image−Pro plus」で明度分布を解析した。明度分布のレンジは0−255で、数値が高いほど画像上明るく、微生物量が多い。
評価基準
A:明度分布が200−255にあり、微生物が多量に存在することが確認される。
B:明度分布が100−150にあり、微生物の存在が少量しか認められない。
担体Iの評価はAであった。
<担体IIの製造方法>
PVA濃度が6.0重量%となるように、PVA(株式会社クラレ製、平均重合度1700、ケン化度99.8mol%)に水を加え、オートクレーブで121℃、30分間処理しPVAを溶解した。このPVA水溶液に1.0%となるようにアルギン酸ナトリウムを加え、30分間撹拌溶解を行い、グルタルアルデヒドを加えずに混合水溶液を得た。この混合水溶液100gを先端に内径2mmのノズルをとりつけた内径3.2mmのシリコンチューブを装着したローラーポンプにより5mL/分の速度で送液し、スターラーで撹拌した濃度0.1mol/Lの塩化カルシウム水溶液1Lに滴下した。滴下した液滴は塩化カルシウム水溶液中で球状化して沈降した。
この球状成形物(A)を塩化カルシウム水溶液から分離し、2次凝固液(40℃、ホルムアルデヒド30g/L、硫酸200g/L、硫酸ナトリウム80g/Lの混合水溶液)1リットルに60分間浸漬した。その後、成形物を2次凝固液から分離し水洗した。その結果、球相当径約4mmの柔軟性に富んだ球状の含水ゲル状担体(C)(担体II)が得られた。得られた担体IIについても担体Iと同様に種々測定した。結果を表1に示す。
<担体IIIの製造方法>
前記担体IIの製造方法における球状成形物(A)を塩化カルシウム水溶液から分離した後、−27±3℃で20時間凍結させた後、常温で解凍させた。その後、成形物をアセタール化反応液(B)(40℃、硫酸10g/L、グルタルアルデヒド3g/L)1Lに60分間浸漬し、成形物をアセタール化反応液(B)から分離し水洗した。その結果、球相当径が約2.8mmの球状の担体IIIが得られた。得られた担体IIIについても担体Iと同様に種々測定した。結果を表1に示す。
Figure 2015073911
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
反応槽に充填する微生物固定化担体は、含水ゲル状担体I(平均粒径が4.1mm、孔径が2μm、アセタール化度が4.0モル%)を用い、図1に示す装置で回分式排水処理を行った。この含水ゲル状担体I、3.5kgを25リットルの回分式処理槽に入れ、供給工程+生物処理(曝気)工程2時間、沈殿工程15分、放流工程15分を1サイクルとし、1日7〜8サイクルで運転した。なお、放流工程では、処理槽内の処理水の65%が下水道に直接放流された。処理槽における最大水量は20リットル、最小水量は12.5リットルとした。供給工程における流入排水は、株式会社クラレ岡山工場(岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号)の排水処理槽へ流入する排水を適宜希釈して用いた。流入排水のBOD容積負荷は0.1kg/m3 ・日から始め、処理水のCOD−Mn(Chemical Oxygen Demand−Mn:過マンガン酸カリウムによる化学的酸素要求量)を見ながら、随時、流入排水の負荷を上げていった。2カ月間運転を続け、BOD容積負荷10kg/m3 ・日に対し、処理水のCOD−Mnを500mg/l以下にすることができた。その間の処理水のSS濃度は、280mg/L未満、BOD濃度は、230mg/L未満で下水道放流規制値以下とすることができ、良好な水質を維持できた。また、PVA系含水ゲル状担体Iの破損率(%)を下記に示す方法により測定した結果、0.1%未満であり、連続使用耐久性に優れることがわかった。
[連続使用耐久性(破損率)]
PVA系含水ゲル状担体100gと水道水900gを2.5L円筒型水槽に投入し、プロペラ型攪拌機を700rpmで回転させて2ヶ月経過後の含水ゲル成形物の破損率を評価した。破損率は下記式(1)で示される値と定義した。下記式(1)において、上記PVA系含水ゲル状担体の初期投入量をa(g)とし、上記2ヶ月経過後のPVA系含水ゲル状担体における破損していないPVA系含水ゲル状担体を目視により抽出し、その量をc(g)とした。なお、破損していないPVA系含水ゲル状担体とは、外観で割れや欠損のないPVA系含水ゲル状担体のことを指す。
破損率(%)=((a−c)/a)×100 (1)
実施例2
反応槽に充填する微生物固定化担体は、含水ゲル状担体II(平均粒径が4mm、孔径が10μm、アセタール化度が50モル%)を用い、実施例1と同様の運転方法で回分式排水処理を行った。
2カ月間運転を続け、BOD容積負荷10kg/m3 ・日に対し、処理水のCOD−Mnを500mg/l以下にすることができた。その間の処理水のSS濃度は、280mg/L未満、BOD濃度は、240mg/L未満で下水道放流規制値以下とすることができ、良好な水質を維持できた。また、PVA系含水ゲル状担体IIの破損率(%)は0.1%未満であり、連続使用耐久性に優れることがわかった。
比較例1
株式会社クラレ岡山工場(岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号)の排水処理槽より採取した活性汚泥を調整し、MLSS1000mg/lとして、12.5リットルを25リットルの回分式処理槽に入れ、供給工程+生物処理(曝気)工程2時間、沈殿工程15分、放流工程15分を1サイクルとし、1日7〜8サイクルで運転した。処理槽における最大水量は20リットル、最小水量は12.5リットルとした。流入排水は実施例1と同一の排水を適宜希釈して用いた。BOD容積負荷は0.1kg/m3 ・日から始め、処理水のCOD−Mnを見ながら、随時、流入排水の負荷を上げていった。ところが、運転直後より、汚泥が処理水中へ流出するため、槽内の汚泥濃度が上がらず、BOD容積負荷0.6kg/m3 ・日程度しか上げることができなかった。さらに処理水のSS濃度は、800mg/L程度、BOD濃度は、1000mg/L程度で下水道放流規制値を達成することができなかった。
比較例2
含水ゲル状担体IIIを用いた以外は実施例1と同様の方法で排水処理を実施した。その結果、処理能力は、BOD容積負荷10kg/m3 ・日に対し、処理水のCOD−Mnを500mg/l以下にすることができ、その間の処理水のBOD濃度は、250mg/Lとなったが、PVA系含水ゲル状担体IIIの破損率(%)は99%以上となり、破損したゲルが度々流出した。結果、SS濃度は、300mg/L〜500mg/Lの範囲となり、下水道放流規制値を継続して達成することができなかった。
上記の実施例からも明らかなとおり、本発明の微生物固定化担体を用いた回分式排水処理方法を実施した場合には、下水道放流規制値以下の処理水となるため、下水道に直接放流することが可能であった。また長期間にわたって使用する場合においても、安定した運転が可能であり、工業的価値が高い。
1・・・ 処理槽
2・・・ 供給ポンプ
3・・・ ブロワー
4・・・ 曝気装置
5・・・ 電磁弁
6・・・ 供給用配管
7・・・ 曝気用配管
8・・・ 放流用配管

Claims (4)

  1. 平均粒径が2〜6mm、平均孔径が0.1〜50μmであり、破損率が1%以下である多孔性ポリビニルアルコール系微生物固定化担体を用いた回分式排水処理方法であって、
    前記担体を存在させた処理槽に排水を供給する供給工程、
    曝気により処理槽内の排水を生物処理する生物処理工程、
    処理槽内の前記担体を沈降させる沈殿工程、
    および処理槽内の処理水を下水道に直接放流する放流工程を有することを特徴とする回分式排水処理方法。
  2. 前記多孔性ポリビニルアルコール系微生物固定化担体が含水ゲル状担体である、請求項1に記載の回分式排水処理方法。
  3. 前記放流工程において、処理槽内の処理水の60%以上を放流することを特徴とする請求項1に記載の回分式排水処理方法。
  4. 平均粒径が2〜6mm、平均孔径が0.1〜50μmであり、破損率が1%以下である多孔性ポリビニルアルコール系微生物固定化担体を用いた回分式排水処理装置であって、
    前記担体を存在させた処理槽、
    排水を処理槽に供給するための供給用配管、
    処理槽内で曝気を行うための曝気用配管、
    および処理槽内の処理水を下水道に直接放流するための放流用配管を有することを特徴とする回分式排水処理装置。
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