JP2015072735A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質膜の保護を図る。【解決手段】燃料電池システム100は、加湿器26より上流に設けられてコンプレッサ24から吐出されたカソードガスの圧力を検出する圧力検出手段43を備え、加湿器26の圧力損失を所定値として圧力検出手段43の検出値に応じて燃料電池1内のカソード側の圧力推定値を算出し、燃料電池1内のアノード側の圧力検出値と圧力推定値との差圧が所定の許容膜間差圧を超えたときにその差圧を小さくし、燃料電池1の要求に応じてコンプレッサ24の供給流量を設定し、加湿器26の圧力損失が所定値となるコンプレッサ24の供給流量を上限流量として設定し、設定されたコンプレッサ24の供給流量と設定された上限流量との小さいほうに基づいてコンプレッサ24を制御する。【選択図】図4

Description

本発明は燃料電池システムに関する。
従来の燃料電池システムとして、燃料電池に供給するカソードガスを加湿する加湿器を備えるものがある(特許文献1参照)。
特開2005−038823号公報
現在開発中の燃料電池システムでは、燃料電池内のアノード側の圧力が、カソード側の圧力よりも高くなるように設定している。そのため、燃料電池内のアノード側とカソード側との膜電極接合体間の差圧(以下「膜間差圧」という。)を適切に管理しないと、膜電極接合体に想定外の応力が加わり、燃料電池を劣化させる要因となる。
また、現在開発中の燃料電池システムでは、カソードガスの圧力を検出する圧力センサを、凍結防止のためにカソードガスの加湿器の上流に配置している。その関係上、燃料電池内のカソード側の圧力に関しては、加湿器の圧力損失を考慮して、圧力センサの検出値に基づき推定することを考えている。そして、センサ等によって検出した燃料電池内のアノード側の圧力検出値と、この燃料電池内のカソード側の圧力推定値と、の差圧(以下「推定差圧」という。)が所定の許容膜間差圧を超えたときは、アノードガスの圧力の上限を制限するなどして差圧を小さくする差圧過大防止制御を実施している。
ここで、加湿器の圧力損失を、考え得る最大値に設定しておけば、燃料電池内のカソード側の圧力推定値は実際値よりも低くなるので、推定差圧が実際の膜間差圧より大きくなることがない。そのため、推定差圧が許容膜間差圧を越えたときに差圧がそれ以上大きくならないように制限しておけば、実際の膜間差圧が許容膜間差圧を越えることもない。したがって、膜間差圧が過大になるのを抑制するという観点からは、加湿器の圧力損失を最大値に設定してカソード側の圧力推定値を算出することが最も安全と言える。
しかしながら、加湿器の圧力損失を最大値に設定してしまうと、推定差圧が実際の膜間差圧よりも大きくなってしまうので、不要に差圧過大防止制御が実施され、出力の低下を招くおそれがある。
したがって、加湿器の圧力損失としては、できるだけ実際の圧力損失を考慮して、最大値よりも低い所定値に設定したいが、そうすると、コンプレッサの供給流量が増加して加湿器での圧力損失が増大したときに、実際の圧力損失が設定した所定値よりも大きくなるおそれがある。その結果、カソード側の圧力推定値が実際値よりも高くなってしまい、推定差圧が実際の膜間差圧よりも小さくなるおそれがある。そのため、実際の膜間差圧が許容膜間差圧を超えているにもかかわらず、差圧過大防止制御が実施されない場合があり、燃料電池を劣化させるおそれがある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、推定差圧に基づいて差圧過大防止制御を実施するものにおいて、実際の膜間差圧が許容膜間差圧を超えてしまうのを抑制することを目的とする。
本発明のある態様による燃料電池システムは、燃料電池に供給するカソードガスの流量を調節するコンプレッサと、コンプレッサから吐出されたカソードガスを加湿する加湿器と、加湿器より上流に設けられてコンプレッサから吐出されたカソードガスの圧力を検出する圧力検出手段を備え、加湿器の圧力損失を所定値として圧力検出手段の検出値と所定値とに応じて燃料電池内のカソード側の圧力推定値を算出し、燃料電池内のアノード側の圧力検出値と圧力推定値との差圧が所定の許容膜間差圧を超えたときに、その差圧を小さくする。そして、燃料電池の要求に応じてコンプレッサの供給流量を設定し、加湿器の圧力損失が所定値となるコンプレッサの供給流量を上限流量として設定し、運転状態に応じて設定されたコンプレッサの供給流量と、上限流量と、の小さいほうに基づいて、コンプレッサを制御する。
この態様によれば、加湿器の圧力損失が所定値となるコンプレッサの供給流量を上限流量として設定し、この上限流量を超えることがないようにコンプレッサの流量を制御することにした。そのため、加湿器の圧力損失が所定値以上になるのを抑制でき、実際の圧力損失が設定した所定値よりも大きくなるのを抑制できる。
したがって、燃料電池内のカソード側の圧力推定値が、実際値よりも高くなってしまうのを抑制できるので、燃料電池内のアノード側の圧力検出値とカソード側の圧力推定値との差圧が実際の膜間差圧よりも小さくなってしまうのを抑制できる。よって、燃料電池内のアノード側の圧力検出値とカソード側の圧力推定値との差圧が所定の許容膜間差圧を超えたときに、その差圧がそれ以上大きくならないように制限することで、実際の膜間差圧が許容膜間差圧を越えてしまうのを抑制できる。
本発明の第1実施形態による燃料電池システムの概略図である。 本発明の第1実施形態によるアノードガス供給制御について説明するフローチャートである。 目標出力電流に基づいて、脈動運転を実施する際のアノード圧力の脈動幅を算出するテーブルである。 本発明の第1実施形態によるカソードガス供給制御について説明するブロック図である。 本発明の第2実施形態によるカソードガス供給制御について説明するブロック図である。 本発明の第2実施形態による上限流量算出部について説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
燃料電池は電解質膜をアノード電極(燃料極)とカソード電極(酸化剤極)とによって挟み、アノード電極に水素を含有するアノードガス(燃料ガス)、カソード電極に酸素を含有するカソードガス(酸化剤ガス)を供給することによって発電する。アノード電極及びカソード電極の両電極において進行する電極反応は以下の通りである。
アノード電極 : 2H2 →4H+ +4e- …(1)
カソード電極 : 4H+ +4e- +O2 →2H2O …(2)
この(1)(2)の電極反応によって燃料電池は1ボルト程度の起電力を生じる。
燃料電池を自動車用動力源として使用する場合には、要求される電力が大きいため、数百枚の燃料電池を積層した燃料電池スタックとして使用する。そして、燃料電池スタックにアノードガス及びカソードガスを供給する燃料電池システムを構成して、車両駆動用の電力を取り出す。
図1は、本発明の第1実施形態による燃料電池システム100の概略図である。
燃料電池システム100は、燃料電池スタック1と、カソードガス給排装置2と、アノードガス給排装置3と、コントローラ4と、を備える。
燃料電池スタック1は、数百枚の燃料電池を積層したものであり、アノードガス及びカソードガスの供給を受けて、車両の駆動に必要な電力を発電する。
カソードガス給排装置2は、燃料電池スタック1にカソードガス(空気)を供給するとともに、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスを外気に排出する。カソードガス給排装置2は、カソードガス供給通路21と、カソードガス排出通路22と、フィルタ23と、カソードコンプレッサ24と、インタークーラ25と、水分回収装置(Water Recovery Device;以下「WRD」という。)26と、カソード調圧弁27と、バイパス通路28と、バイパス弁29と、第1エアフローセンサ41と、第2エアフローセンサ42と、カソード圧力センサ43と、温度センサ44と、を備える。
カソードガス供給通路21は、燃料電池スタック1に供給するカソードガスが流れる通路である。カソードガス供給通路21は、一端がフィルタ23に接続され、他端が燃料電池スタック1のカソードガス入口孔に接続される。
カソードガス排出通路22は、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスが流れる通路である。カソードガス排出通路22は、一端が燃料電池スタック1のカソードガス出口孔に接続され、他端が開口端となっている。カソードオフガスは、電極反応で使用されなかった酸素やカソードガス中に含まれる窒素、そして電極反応によって生じた水蒸気等の混合ガスである。
フィルタ23は、カソードガス供給通路21に取り込むカソードガス中の異物を取り除く。
カソードコンプレッサ24は、カソードガス供給通路21に設けられる。カソードコンプレッサ24は、フィルタ23を介してカソードガスとしての空気をカソードガス供給通路21に取り込み、燃料電池スタック1に供給する。
インタークーラ25は、カソードコンプレッサ24よりも下流のカソードガス供給通路21に設けられる。インタークーラ25は、カソードコンプレッサ24から吐出されたカソードガスを冷却する。
WRD26は、カソードガス供給通路21及びカソードガス排出通路22のそれぞれに接続されて、カソードガス排出通路22を流れるカソードオフガス中の水分を回収し、その回収した水分でカソードガス供給通路21を流れるカソードガスを加湿する。
カソード調圧弁27は、WRD26よりも下流のカソードガス排出通路22に設けられる。カソード調圧弁27は、コントローラ4によって開閉制御されて、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの圧力を所望の圧力に調節する。
バイパス通路28は、カソードコンプレッサ24から吐出されたカソードガスの一部を、必要に応じて燃料電池スタック1を経由させずに直接カソードガス排出通路22に排出することができるように設けられた通路である。バイパス通路28は、一端がカソードコンプレッサ24とインタークーラ25との間のカソードガス供給通路21に接続され、他端がカソード調圧弁27よりも下流のカソードガス排出通路22に接続される。
バイパス弁29は、バイパス通路28に設けられる。バイパス弁29は、コントローラ4によって開閉制御されて、バイパス通路28を流れるカソードガスの流量(以下「バイパス流量」という。)を調節する。
第1エアフローセンサ41は、カソードコンプレッサ24よりも上流のカソードガス供給通路21に設けられる。第1エアフローセンサ41は、カソードコンプレッサ24に供給されるカソードガスの流量(以下「コンプレッサ供給流量」という。)を検出する。以下では、この第1エアフローセンサ41の検出値を「検出コンプレッサ供給流量」という。
第2エアフローセンサ42は、バイパス通路28との接続部より下流のカソードガス供給通路に設けられる。第2エアフローセンサ42は、カソードコンプレッサ24から吐出されたカソードガスのうち、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの流量(以下「スタック供給流量」という。)を検出する。スタック供給流量は、コンプレッサ供給流量からバイパス流量を引いた流量である。以下では、この第2エアフローセンサ42の検出値を「検出スタック供給流量」という。
カソード圧力センサ43は、WRD26のカソードガス入口側近傍のカソードガス供給通路21に設けられる。カソード圧力センサ43は、WRD26のカソードガス入口側近傍のカソードガスの圧力を検出する。以下では、このカソード圧力センサ43の検出値を「検出カソード圧力」という。
温度センサ44は、インタークーラ25とWRD26との間のカソードガス供給通路21に設けられる。温度センサ44は、WRD26のカソードガス入口側の温度(以下「WRD入口温度」という。)を検出する。
アノードガス給排装置3は、燃料電池スタック1にアノードガスを供給するとともに、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスを、カソードガス排出通路22に排出する。アノードガス給排装置3は、高圧タンク31と、アノードガス供給通路32と、アノード調圧弁33と、アノードガス排出通路34と、パージ弁35と、アノード圧力センサ45と、を備える。
高圧タンク31は、燃料電池スタック1に供給するアノードガス(水素)を高圧状態に保って貯蔵する。
アノードガス供給通路32は、高圧タンク31から排出されるアノードガスを燃料電池スタック1に供給するための通路である。アノードガス供給通路32は、一端が高圧タンク31に接続され、他端が燃料電池スタック1のアノードガス入口孔に接続される。
アノード調圧弁33は、アノードガス供給通路32に設けられる。アノード調圧弁33は、コントローラ4によって開閉制御されて、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスの圧力を所望の圧力に調節する。
アノードガス排出通路34は、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスが流れる通路である。アノードガス排出通路34は、一端が燃料電池スタック1のアノードガス出口孔に接続され、他端がカソードガス排出通路22に接続される。
アノードガス排出通路34を介してカソードガス排出通路22に排出されたアノードオフガスは、カソードガス排出通路22内でカソードオフガスと混合されて燃料電池システム100の外部に排出される。アノードオフガスには、電極反応に使用されなかった余剰のアノードガスが含まれているので、カソードオフガスと混合させて燃料電池システム100の外部に排出することで、その排出ガス中の水素濃度が予め定められた所定濃度以下となるようにしている。
パージ弁35は、アノードガス排出通路34に設けられる。パージ弁35は、コントローラ4によって開閉制御され、アノードガス排出通路34からカソードガス排出通路22に排出するアノードオフガスの流量を調節する。
アノード圧力センサ45は、アノード調圧弁33よりも下流のアノードガス供給通路32に設けられ、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスの圧力(以下「アノード圧力」という。)を検出する。以下では、このアノード圧力センサ45の検出値を「検出アノード圧力」という。
コントローラ4は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。
コントローラ4には、前述した第1エアフローセンサ41等の他にも、燃料電池スタック1から取り出される電流(出力電流)を検出する電流センサ46や、燃料電池スタック1の出力電圧を検出する電圧センサ47、アクセルペダルの踏込み量(以下「アクセル操作量」という。)を検出するアクセルストロークセンサ48、バッテリ充電量を検出するSOCセンサ49などの各種センサからの信号が入力される。
コントローラ4は、これら各種センサからの信号に基づいて燃料電池システム100の運転状態を検出し、燃料電池スタック1に供給するアノードガス及びカソードガスの流量及び圧力を制御する。
具体的には、燃料電池スタック1内のアノード側の圧力が、カソード側の圧力以上となるように、カソードコンプレッサ24やアノード調圧弁33等を制御している。そのため、膜間差圧が所定の許容膜間差圧を超えないように適切に管理しないと、膜電極接合体に想定外の応力が加わり、燃料電池スタック1を劣化させる要因となる。特に本実施形態では、燃料電池スタック1内のアノード側の排水性能等を確保するため、アノード圧力を周期的に昇降圧させる脈動運転を実施するので、昇圧時に膜間差圧が過大になりやすく、膜間差圧の適切な管理がより必要とされる。
そのため、膜間差圧が所定の許容膜間差圧を超えた場合には、燃料電池スタック1内のアノード側の圧力の上限を制限するなどして膜間差圧を小さくする差圧過大防止制御を実施したい。
ここで、燃料電池スタック1内のアノード側の圧力としては、燃料電池スタック1のアノードガス入口孔近傍のアノードガス供給通路に設けられたアノード圧力センサ45の検出値(検出アノード圧力)を用いることができる。
一方で、カソード圧力センサ43を燃料電池スタック1のカソードガス入口孔近傍のカソードガス供給通路21に設けると、WRD26によって加湿されたカソードガス中の水分によってカソード圧力センサ43が凍結するおそれがある。そのため本実施形態では、カソード圧力センサ43をWRD26よりも上流のカソードガス供給通路21に設けている。したがって、燃料電池スタック1内のカソード側の圧力に関しては、WRD26の圧力損失を考慮して、カソード圧力センサ43の検出値(検出カソード圧力)に基づいて推定するのが望ましい。
そして本実施形態では、検出アノード圧力と、この燃料電池スタック1内のカソード側の圧力推定値(以下「推定カソード圧力」という。)と、の差圧(以下「推定膜間差圧」という。)が所定の許容膜間差圧を超えたときに差圧過大防止制御を実施することを考えている。
ここで、カソードコンプレッサ24自体の部品保護のほか、システム全体の耐圧・耐熱保護等の観点から、コンプレッサ供給流量はカソードコンプレッサ24の最大定格流量よりも低い値に設定される。そのため、推定カソード圧力を算出するにあたって、例えばWRD26の圧力損失を、WRD26にカソードコンプレッサ24の最大定格流量を流したときの圧力損失値に設定しておけば、推定カソード圧力は必ず燃料電池スタック1内のカソード側の実際の圧力(以下「スタック内カソード圧力」という。)よりも低くなる。そのため、推定膜間差圧が実際の膜間差圧よりも大きくなることはない。したがって、推定膜間差圧が許容膜間差圧を超えたときに、膜間差圧がそれ以大きくならないようにすれば、実際の膜間差圧が許容膜間差圧を超えることはない。よって、膜間差圧が過大となるのを抑制するという観点からは、WRD26の圧力損失をカソードコンプレッサ24の最大定格流量に設定して推定カソード圧力を算出することが最も安全と言える。
しかしながら、WRD26の圧力損失を、WRD26にカソードコンプレッサ24の最大定格流量を流したときの圧力損失値に設定して推定カソード圧力を算出すると、基本的に推定膜間差圧は実際の膜間差圧以上となる。そのため、特にWRD26の圧力損失が小さくなる低負荷域では、推定膜間差圧と実際の膜間差圧との誤差が大きくなって、不要に差圧過大防止制御が実施されるおそれがある。差圧過大防止制御が実施されて、例えばアノード側の圧力の上限が制限されると、排水性能の低下、ひいては出力の低下につながる。
したがって、WRD26の圧力損失としては、燃料電池システム100の運転中に実際に取り得る範囲内の所定圧力損失値に設定したいが、そうすると、高負荷域でコンプレッサ供給流量が増加してWRD26の圧力損失が大きくなったときに、実際の圧力損失が設定した所定圧力損失値よりも大きくなるおそれがある。その結果、推定カソード圧力がスタック内カソード圧力よりも高くなってしまい、推定膜間差圧が実際の膜間差圧よりも小さくなるおそれがある。そうすると、実際の膜間差圧が許容膜間差圧を超えているにもかかわらず、差圧過大防止制御が実施されない場合があり、燃料電池スタック1を劣化させるおそれがある。
そこで本実施形態では、WRD26の圧力損失が予め設定した所定圧力損失値となるコンプレッサ供給流量を上限流量として設定し、この上限流量を超えることがないようにカソードコンプレッサ24を制御することとした。
以下、この本実施形態によるアノードガス供給制御及びカソードガス供給制御について説明する。
図2は、アノードガス供給制御について説明するフローチャートである。コントローラ4は、このルーチンを所定の演算周期で繰り返し実行する。
ステップS1において、コントローラ4は、燃料電池システム100の運転状態に基づいて、燃料電池スタック1の目標出力電流を算出する。具体的には、車両の駆動力を発生する駆動モータ(図示せず)及びカソードコンプレッサ24等の補機の要求電力や、バッテリの充放電要求に基づいて、燃料電池スタック1の目標出力電力を算出し、目標出力電力に基づいて、燃料電池スタック1のIV特性から目標出力電流を算出する。
ステップS2において、コントローラ4は、図3のテーブルを参照し、目標出力電流に基づいて、脈動運転を実施する際のアノード圧力の脈動幅を算出する。図3のテーブルに示すように、脈動幅は、目標出力電流が低いときと比べて高いときのほうが大きくなる。これは、目標出力電流が高くなるほどカソード側からアノード側に透過してくる水分量が多くなるので、アノード圧力を高めて排水性能を確保する必要があるためである。
ステップS3において、コントローラ4は、脈動時上限目標圧力及び脈動時下限目標圧力を設定する。具体的には、検出カソード圧力を脈動時下限目標圧力として設定し、脈動時下限目標圧力に脈動幅を加えた圧力を脈動時上限目標圧力として設定する。
このように、本実施形態では燃料電池スタック1内のアノード側の圧力が、常にカソード側の圧力以上となるようにしている。これは、例えば脈動時下限目標圧力を検出アノード圧力よりも低い値に設定してしまうと、脈動時上限目標圧力が検出アノード圧力よりも高くなることがある。そのため、脈動運転を実施することによって、燃料電池スタック1内においてアノード側の圧力がカソード側の圧力よりも高くなる状態と低くなる状態とが周期的に訪れることになる。そうすると、アノード側とカソード側との圧力差によって膜電極接合体が周期的に波打つ等して膜電極接合体を劣化させるおそれがあるためである。
ステップS4において、コントローラ4は、推定カソード圧力を算出する。具体的には、コントローラ4は、検出カソード圧力から予め定めた所定圧力損失値を引いたものを推定カソード圧力として算出する。この所定圧力損失値は、燃料電池システム100の運転中に実際に取り得る範囲内の値に設定される。所定圧力損失値は、膜間差圧が許容膜間差圧を超えないようにするという安全の観点からは大きくしたほうが良いが、不要に差圧過大防止制御が実施されないようにするという出力低下防止の観点からは小さくしたほうが良い。そのため、これらのバランスを考えて適宜設定すれば良い。本実施形態では、燃料電池システム100の運転中に実際に取り得る範囲内の最大値(<最大定格流量時の圧力損失)に設定される。
ステップS5において、コントローラ4は、推定膜間差圧を算出する。具体的には、コントローラ4は、検出アノード圧力から推定カソード圧力を引いたものを推定膜間差圧として算出する。
ステップS6において、コントローラ4は、推定膜間差圧が許容膜間差圧よりも大きいか否かを判定する。コントローラ4は、推定膜間差圧が許容膜間差圧以下であれば、ステップS8の処理を行い、そうでなければステップS7の処理を行う。
ステップS7において、コントローラ4は、推定膜間差圧を許容膜間差圧以下にするための差圧過大防止制御を実施し、ステップS3で設定した脈動時上限目標圧力を低くする補正を施す。具体的には、ステップS3で設定した脈動時上限目標圧力から、推定膜間差圧と許容膜間差圧との差分を引いたものを、脈動時上限目標圧力として再設定する。なお、差圧過大防止制御の具体的な方法としてはこれに限らず、推定膜間差圧を許容膜間差圧以下となるようにカソード圧力を高くしても良いし、アノード圧力及びカソード圧力のそれぞれを制御しても良い。
ステップS8において、コントローラ4は、アノード圧力が脈動時上限目標圧力よりも高いか否かを判定する。コントローラ4は、アノード圧力が脈動時上限目標圧力以上であれば、アノード圧を降圧させるためにステップS9の処理を行う。一方で、アノード圧力が脈動時上限目標圧力未満であれば、ステップS10の処理を行う。
ステップS9において、コントローラ4は、目標アノード圧力を脈動時下限目標圧力に設定する。これにより、アノード圧力が脈動時下限目標圧力となるように、アノード調圧弁33の開度がフィードバック制御される。このフィードバック制御の結果、通常はアノード調圧弁33の開度は全閉となり、高圧タンク31から燃料電池スタック1へのアノードガスの供給が停止される。その結果、発電による燃料電池スタック1内でのアノードガスの消費によって、アノード圧力が低下していく。
ステップS10において、コントローラ4は、アノード圧力が脈動時下限目標圧力以下か否かを判定する。コントローラ4は、アノード圧力が脈動時下限目標圧力以下であれば、アノード圧を昇圧させるためにステップS11の処理を行う。一方で、アノード圧力が脈動時下限目標圧力よりも高ければ、ステップS12の処理を行う。
ステップS11において、コントローラ4は、目標アノード圧力を脈動時上限目標圧力に設定する。これにより、アノード圧力が脈動時上限目標圧力となるように、アノード調圧弁33の開度がフィードバック制御される。このフィードバック制御の結果、アノード調圧弁33が所望の開度まで開かれて、高圧タンク31から燃料電池スタック1へアノードガスが供給され、アノード圧力が上昇する。
ステップS12において、コントローラ4は、目標アノード圧力を前回と同じ目標アノード圧力に設定する。
図4は、本実施形態によるカソードガス供給制御について説明するブロック図である。
酸素分圧確保要求スタック供給流量算出部101には、目標出力電流が入力される。酸素分圧確保要求スタック供給流量算出部101は、目標出力電流に基づいて、酸素分圧確保要求スタック供給流量を算出する。この酸素分圧確保要求スタック供給流量は、燃料電池スタック1から目標出力電流を取り出したときに、各燃料電池のカソード電極内において電極反応に必要な酸素分圧を確保するために必要なスタック供給流量の目標値である。酸素分圧確保要求スタック供給流量は、目標出力電流が小さいときと比べて、大きいときのほうが多くなる。
湿潤度制御要求スタック供給流量算出部102には、例えば交流インピーダンス法によって算出された燃料電池スタック1のインピーダンスと、燃料電池スタック1の目標出力電流に応じて予め定められた目標インピーダンスと、が入力される。湿潤度制御要求スタック供給流量算出部102は、インピーダンスと目標インピーダンスとの偏差に基づいて、インピーダンスを目標インピーダンスにするためのスタック供給流量の目標値を、湿潤度制御要求スタック供給流量として算出する。この湿潤度制御要求スタック供給流量は、換言すれば、電解質膜の湿潤度(含水率)を、燃料電池スタック1の目標出力電流に応じた最適な湿潤度に制御するために必要なスタック供給流量である。
最大値選択部103には、酸素分圧確保要求スタック供給流量と、湿潤度制御要求スタック供給流量と、が入力される。最大値選択部103は、これらの2つのうち、大きい方を選択して出力する。
目標スタック供給流量算出部104には、最大値選択部103の出力値と、上限流量と、が入力される。目標スタック供給流量算出部104は、これら2つの入力値のうち、小さい方を目標スタック供給流量として算出する。なお、上限流量は、カソードガスの温度等の環境条件が最悪の条件でも、WRD26の圧力損失が予め設定した所定圧力損失値となる流量である。したがって、WRD26に供給するカソードガスの流量、つまりスタック供給流量が上限流量以下であれば、WRD26の圧力損失は必ず所定圧力損失値以下となる。
このように、最大値選択部103の出力値及び上限流量のうち、小さい方を目標スタック供給流量として算出することで、目標スタック供給流量が上限流量よりも大きくなることがないので、WRD26の圧力損失を所定圧力損失以下に抑えることができる。したがって、推定膜間差圧が実際の膜間差圧よりも小さくなるのを抑制できる。
スタック要求コンプレッサ供給流量算出部105には、検出スタック供給流量及び目標スタック供給流量が入力される。スタック要求コンプレッサ供給流量算出部105は、検出スタック供給流量と目標スタック供給流量との偏差に基づいて、検出スタック供給流量を目標スタック供給流量にするためのコンプレッサ供給流量の目標値を、スタック要求コンプレッサ供給流量として算出する。なお、スタック要求コンプレッサ供給流量は、目標スタック供給流量算出部104において最大値選択部103の出力値が目標スタック供給流量として算出されているときは、酸素分圧確保要求や湿潤度制御要求などの燃料電池スタック1の要求を満たすために必要なコンプレッサ供給流量となる。また、目標スタック供給流量算出部104において上限流量が目標スタック供給流量として算出されているときは、WRD26の圧力損失を所定圧力損失値以下にするために必要なコンプレッサ供給流量の上限値となる。
目標コンプレッサ供給流量算出部106には、スタック要求コンプレッサ供給流量と、燃料電池スタック1の目標出力電流に応じて定められる希釈要求コンプレッサ供給流量と、が入力される。目標コンプレッサ供給流量は、これら2つの入力値のうち、大きい方を目標コンプレッサ供給流量として算出する。なお、希釈要求コンプレッサ供給流量は、燃料電池システム100の外部に排出される排出ガスの水素濃度を、所定濃度以下にするために必要なコンプレッサ供給流量である。本実施形態では、目標出力電流が小さいときと比べて、大きいときのほうが希釈要求コンプレッサ供給流量を多くしているが、目標出力電流にかかわらず一定値としても構わない。
カソードコンプレッサ制御部107には、コンプレッサ供給流量と、目標コンプレッサ供給流量と、が入力される。カソードコンプレッサ制御部107は、コンプレッサ供給流量と目標コンプレッサ供給流量との偏差に基づいてカソードコンプレッサ24に対するトルク指令値を算出し、このトルク指令値に応じてカソードコンプレッサ24を制御する。
目標バイパス弁開度算出部108には、スタック供給流量と、目標スタック供給流量と、が入力される。目標バイパス弁開度算出部108は、スタック供給流量と目標スタック供給流量との偏差に基づいて、スタック供給流量を目標スタック供給流量にするためのバイパス弁29の開度を、目標バイパス弁開度として算出する。
なお、目標バイパス弁開度は、目標コンプレッサ供給流量算出部106において、スタック要求コンプレッサ供給流量が目標コンプレッサ供給流量として算出されているときは、ゼロとなる。一方で、目標コンプレッサ供給流量算出部106において、希釈要求コンプレッサ供給流量が目標コンプレッサ供給流量として算出されているときは、スタック要求コンプレッサ供給流量よりも多いカソードガスをカソードコンプレッサ24によって供給する必要があるので、燃料電池スタック1にとって不要な流量分(=希釈要求コンプレッサ供給流量−スタック要求コンプレッサ供給流量)をバイパス通路28に流す必要がある。そのため、目標バイパス弁開度はゼロよりも大きい値となる。
バイパス弁制御部109には、目標バイパス開度が入力される。バイパス弁制御部109は、バイパス弁29の開度を目標バイパス弁開度に制御する。
以上説明した本実施形態によれば、WRD26の圧力損失を、燃料電池システム100の運転中に実際に取り得る範囲内の所定圧力損失値に設定し、検出カソード圧力に基づいて燃料電池スタック1内のカソード側の圧力推定値(推定カソード圧力)を算出する。そして、検出アノード圧力と推定カソード圧力との差圧が所定の許容膜間差圧を超えたときに、その差圧が許容膜間差圧よりも大きくならないように差圧過大防止制御を実施する。
一方で、燃料電池スタック1の要求に応じて設定されたコンプレッサ供給流量と、WRD26の圧力損失が所定圧力損失値以下となるコンプレッサ供給流量の上限流量と、の小さいほうに基づいて、カソードコンプレッサ24を制御する。換言すれば、目標スタック供給流量算出部104において最大値選択部103の出力値が目標スタック供給流量として算出されたときのスタック要求コンプレッサ供給流量と、目標スタック供給流量算出部104において上限流量が目標スタック供給流量として算出されたときのスタック要求コンプレッサ供給流量と、の小さいほうに基づいて、カソードコンプレッサ24を制御する。
このように、WRD26の圧力損失が所定圧力損失値以下となるコンプレッサ供給流量を上限流量として設定し、この上限流量を超えることがないようにカソードコンプレッサ24を制御することにした。そのため、WRD26の圧力損失が所定圧力損失値よりも大きくなるのを抑制でき、実際の圧力損失が設定した所定圧力損失値よりも大きくなるのを抑制できる。
したがって、推定カソード圧力が、スタック内カソード圧力よりも高くなってしまうのを抑制できるので、検出アノード圧力と推定カソード圧力との差圧が実際の膜間差圧よりも小さくなってしまうのを抑制できる。よって、検出アノード圧力と推定カソード圧力との差圧が所定の許容膜間差圧を超えたときに、その差圧がそれ以上大きくならないように制限することで、実際の膜間差圧が許容膜間差圧を越えてしまうのを抑制できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態は、バイパス弁全閉時に、第2エアフローセンサ42の検出値が第1エアフローセンサ41の検出値よりも大きくなっている場合は、上限流量を小さくする補正をする点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。なお、以下に示す各実施形態では前述した実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を用いて重複する説明を適宜省略する。
図5は、本実施形態によるカソードガス供給制御について説明するブロック図である。
図5に示すように、本実施形態によるカソードガス供給制御は、上限流量算出部110を備える。上限流量算出部110の詳細については、図6のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態のように、カソードコンプレッサ24から吐出されるカソードガスの一部を、燃料電池スタック1をバイパスさせて排出することが可能な燃料電池システム100は、コンプレッサ供給流量を検出する第1エアフローセンサ41と、スタック供給流量を検出する第2エアフローセンサ42と、の2つのエアフローセンサを備えている。
そして、図5に示すように、カソードコンプレッサ24については、そのうちの一方の第1エアフローセンサ41の検出値(検出コンプレッサ供給流量)と目標コンプレッサ供給流量とに基づいて制御している。
ここで、バイパス弁全閉時は、第1エアフローセンサ41及び第2エアフローセンサ42の検出値、つまり検出コンプレッサ供給流量と検出スタック供給流量とは同一となるはずであるが、例えばセンサの故障等によって検出コンプレッサ供給流量と検出スタック供給流量とにズレが生じる場合がある。
バイパス弁全閉時においてこのようなズレが生じ、検出スタック供給流量が検出コンプレッサ供給流量よりも大きくなってしまうと、目標スタック供給流量として上限流量が選択されたときに、以下のような問題点が生じる。
目標スタック供給流量として上限流量が選択された場合に、検出スタック供給流量が上限流量に一致したときは、バイパス弁全閉時であれば目標コンプレッサ供給流量も上限流量となる。このとき、検出スタック供給流量が検出コンプレッサ供給流量よりも大きくなっていると、検出コンプレッサ供給流量は上限流量よりも低い値となっている。
そうすると、本実施形態ではカソードコンプレッサ24を検出コンプレッサ供給流量と目標コンプレッサ供給流量とに基づいて制御しているため、コンプレッサ供給流量を増量させてしまう。その結果、スタック供給流量が上限流量よりも多くなって、WRD26の圧力損失が所定圧力損失値よりも大きくなるおそれがある。
そこで本実施形態では、バイパス弁全閉時に検出スタック供給流量が検出コンプレッサ供給流量よりも大きくなっているときは、上限流量が小さくなるように補正する。
これにより、検出スタック供給流量が、補正した上限流量となるように目標コンプレッサ供給流量が算出されるので、目標コンプレッサ供給流量を下げることができる。そのため、検出スタック供給流量が検出コンプレッサ供給流量よりも大きくなっていたとしても、その低下させた目標コンプレッサ供給流量と検出コンプレッサ供給流量とに基づいてカソードコンプレッサ24を制御することができるので、コンプレッサ供給流量の増量を抑えることができる。以下、図6を参照してこの上限流量の補正方法を説明する。
図6は、上限流量算出部110の詳細について説明するフローチャートである。
ステップS21において、コントローラ4は、バイパス弁29が全閉か否かを判定する。コントローラ4は、バイパス弁29が全閉であればステップS22の処理を行い、バイパス弁が開かれていればステップS23の処理を行う。
ステップS22において、コントローラ4は、第2エアフローセンサ42の検出値(検出スタック供給流量)が、第1エアフローセンサ41の検出値(検出コンプレッサ供給流量)よりも大きいか否かを判定する。コントローラ4は、検出スタック供給流量が検出コンプレッサ供給流量よりも大きければステップS24の処理を行う。一方でコントローラ4は、検出スタック供給流量が検出コンプレッサ供給流量以下であればステップS23の処理を行う。
ステップS23において、コントローラ4は、第1実施形態と同様に、WRD26の圧力損失が所定圧力損失値となるコンプレッサ供給流量を上限流量として設定する。以下では区別のために、この上限流量を「通常上限流量」という。
ステップS24において、コントローラ4は、通常上限流量から検出スタック供給流量と検出コンプレッサ供給流量との差分を引いた流量を上限流量として設定する。以下では、この上限流量を「補正上限流量」という。
以上説明した本実施形態によれば、バイパス弁全閉時の第2エアフローセンサ42の検出値(検出スタック供給流量)が、第1エアフローセンサ41の検出値(検出コンプレッサ供給流量)よりも大きくなっている場合は、コンプレッサ供給流量を上限流量に制限するときに、予め設定された上限流量(通常上限流量)から検出スタック供給流量と検出コンプレッサ供給流量との差分を引いた補正上限流量と、第1エアフローセンサ41の検出値と、に基づいてカソードコンプレッサ24を制御することとした。
つまり、検出スタック供給流量が補正上限流量となるように目標コンプレッサ供給流量を設定し、この目標コンプレッサ供給流量と検出コンプレッサ供給流量とに基づいて、カソードコンプレッサ24を制御することとした。
これにより、コンプレッサ供給流量を検出する第1エアフローセンサ41と、スタック供給流量を検出する第2エアフローセンサ42と、の2つのエアフローセンサを備え、カソードコンプレッサ24を検出コンプレッサ供給流量と目標コンプレッサ供給流量とに基づいて制御する燃料電池システム100において、検出スタック供給流量が検出コンプレッサ供給流量よりも大きくなっていたとしても、スタック供給流量が通常上限流量よりも多くなるのを抑制でき、WRD26の圧力損失が所定圧力損失値よりも大きくなるのを抑制できる。
なお、カソードコンプレッサ24を制御するにあたって、検出スタック供給流量が検出コンプレッサ供給流量よりも大きくなっていた場合に、制御に使用するセンサを第1エアフローセンサ41から第2エアフローセンサ42に切り替える等の措置も可能であるが、制御の信頼性の観点からはできるだけこのような使用するセンサを切り替えるといった措置を取りたくない。したがって、本実施形態によれば、このような措置を取ることなく、スタック供給流量が通常上限流量よりも多くなるのを抑制できるので、制御の信頼性も確保できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記第1実施形態では、目標スタック供給流量算出部104において、最大値選択部103の出力値と、上限流量とのうち、小さい方を選択して目標スタック供給流量としていた。しかしながら、このような方法に限らず、最大値選択部103の出力値と上限流量との大小を比較して、最大値選択部103の出力値が上限流量よりも大きいときは、最大値選択部103の出力値が上限流量となるような補正を施す形にしても良い。
1 燃料電池スタック(燃料電池)
4 コントローラ(圧力推定値算出手段、差圧過大防止手段、供給流量設定手段、上限流量設定手段、コンプレッサ制御手段)
24 カソードコンプレッサ(コンプレッサ)
26 加湿器(WRD)
29 バイパス弁
41 第1エアフローセンサ(第1流量センサ)
42 第2エアフローセンサ(第2流量センサ)
43 カソード圧力センサ(圧力検出手段)
100 燃料電池システム

Claims (3)

  1. アノードガス及びカソードガスを燃料電池に供給して発電する燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に供給するカソードガスの流量を調節するコンプレッサと、
    前記コンプレッサから吐出されたカソードガスを加湿する加湿器と、
    前記加湿器より上流に設けられ、前記コンプレッサから吐出されたカソードガスの圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記加湿器の圧力損失を所定値として、前記圧力検出手段の検出値と前記所定値とに基づいて前記燃料電池内のカソード側の圧力推定値を算出する圧力推定値算出手段と、
    前記燃料電池内のアノード側の圧力検出値と、前記圧力推定値と、の差圧が所定の許容膜間差圧を超えたときに、その差圧を小さくする差圧過大防止手段と、
    前記燃料電池の要求に応じて、前記コンプレッサの供給流量を設定する供給流量設定手段と、
    前記加湿器の圧力損失が前記所定値となる前記コンプレッサの供給流量を上限流量として設定する上限流量設定手段と、
    前記供給流量設定手段によって設定された前記コンプレッサの供給流量と、前記上限流量設定手段によって設定された前記上限流量と、の小さいほうに基づいて、前記コンプレッサを制御するコンプレッサ制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. カソードガス供給通路に設けられた前記コンプレッサから吐出されるカソードガスの一部を、バイパス通路を介して前記燃料電池をバイパスさせて排出するカソードガスバイパス式のカソードガス供給系と、
    前記バイパス通路よりも上流の前記カソードガス供給通路に設けられ、前記コンプレッサが供給するカソードガスの流量を検出する第1流量センサと、
    前記バイパス通路と分岐した後の前記カソードガス供給通路に設けられ、前記燃料電池に供給されるカソードガスの流量を検出する第2流量センサと、
    前記バイパス通路に設けられて前記バイパス通路を流れるカソードガスの流量を調節するバイパス弁と、
    を備え、
    前記コンプレッサ制御手段は、
    前記バイパス弁全閉時の前記第2流量センサの検出値が前記第1流量センサの検出値よりも大きくなっている場合は、前記コンプレッサの流量を前記上限流量に制御するときに、前記上限流量を小さくする補正をした上で、その補正上限流量と前記第1流量センサの検出値とに基づいて前記コンプレッサを制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記補正上限流量は、前記上限流量から前記第2流量センサの検出値と前記第1流量センサの検出値と差分を引いた流量である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
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