JP2015072126A - 温度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】検知を行う対象物の形状に添わせることができ、かつ検知対象物における発熱源の極小的な異常温度及びその発生箇所を正確に特定する温度センサを提供する。
【解決手段】温度センサ1は、可撓性及び絶縁性を有する平面状の基材2と、基材2の一方の面に形成され、横方向に並設された複数のPTC抵抗膜31と、基材2の他方の面に形成され、複数のPTC抵抗膜31と交差するように、縦方向に並設された複数のPTC抵抗膜32とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】温度センサ1は、可撓性及び絶縁性を有する平面状の基材2と、基材2の一方の面に形成され、横方向に並設された複数のPTC抵抗膜31と、基材2の他方の面に形成され、複数のPTC抵抗膜31と交差するように、縦方向に並設された複数のPTC抵抗膜32とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、温度センサに関し、より詳しくは、PTC組成物を用いた温度センサに関する。
従来、PTC組成物を用いた温度センサに関するものとしては、例えば、特許文献1〜特許文献3に開示されたものが存在している。
特開平09−184771号公報(特許文献1)には、可撓性の樹脂材である基板に印刷法や蒸着法により形成された厚膜のPTC抵抗体であって、このPTC抵抗体が基板上に細幅で蛇行し、全体として基板を面状に覆うように形成された過熱検知用センサが開示されている。
特表2002−528874号公報(特許文献2)には、PTC挙動を示す導電性ポリマー組成物を含んでなる層状シートであって、この層状シートに複数の検知エレメントが取り付けられ、各検知エレメントは一組の電極対を有しており、第1の電極はシートの第1の表面へ取り付けられ、第2の電極はシートの第2の表面へ取り付けられている層状センサが開示されている。
特開2010−121979号公報(特許文献3)には、互いに並設された複数の第1温度検知線と、互いに並設された複数の第2温度検知線とを備え、第1温度検知線と第2温度検知線とは、互いに離間して交差し、第1温度検知線及び第2温度検知線のそれぞれにおいて、少なくとも第1温度検知線と第2温度検知線とが交差する部分が、温度により抵抗値が変化する感熱部を備え、感熱部は、樹脂と、樹脂に分散された導電性粒子とを含有するPTC組成物により構成され、第1温度検知線及び第2温度検知線の全体が感熱部で構成されている温度センサが開示されている。
特許文献1の過熱検知用センサは、基板が可撓性の樹脂材であるため、凹凸のある熱交換器表面にも貼着することができる。しかしながら、基板に形成されたPTC抵抗体は、全体として面状を形成するように蛇行配置されていることから、面状のどの箇所が過熱してもPTC抵抗体全体の抵抗が急激に上昇して過熱を検出することになってしまうため、検知対象物における発熱源の極小的な異常温度及びその発生箇所を正確に特定することができない。
特許文献2の温度センサは、PTC挙動を示す導電性ポリマー組成物からなる層状シートの表面に対して、ニッケル箔、銅箔又はニッケル−銅箔等からなる第1の電極及び第2の電極が積層されたものとなっている。この態様では、第1の電極及び第2の電極に熱が加わった場合、その熱が層状シートに伝わることによって、層状シートの厚みの中を電流が流れることになり、層状シート全体として、検知エレメントが熱を検知した箇所と検知していない箇所とで熱伝導率の差が殆ど無いため、熱を検知した箇所だけでなく、熱を検知しなかった箇所にも、層状シート全体に熱が伝導してしまう。このため、特許文献2の温度センサでは、検知対象物の発熱源から生じた熱量の略全てを特定することができず、検知対象物における発熱源の極小的な異常温度及びその発生箇所を正確に特定することができない。
特許文献3の温度センサは、第1温度検知線及び第2温度検知線がPTC組成物からなる。この第1温度検知線及び第2温度検知線は、それぞれが断面視略円形状であって、長尺の単独部材として形成されたものであるが、シート部材に積層されたものではない。このため、特許文献3の温度センサでは、複雑な形状をなす検知対象物に対して、第1温度検知線及び第2温度検知線自体を添わせることができず、正確な熱検知を行うことができない。
本発明の目的は、検知を行う対象物の形状に添わせることができ、かつ検知対象物における発熱源の極小的な異常温度及びその発生箇所を正確に特定する温度センサを提供することである。
本発明の一実施形態による温度センサは、基材と、複数の第1のPTC抵抗膜と、複数の第2のPTC抵抗膜とを備える。基材は、可撓性及び絶縁性を有するものであって、平面状の形状を有する。複数の第1のPTC抵抗膜は、基材の一方の面に形成され、横方向に並設される。複数の第2のPTC抵抗膜は、基材の他方の面に形成され、複数の第1のPTC抵抗膜と交差するように、縦方向に並設される。
この実施の形態によれば、温度センサを検知対象物の形状に添わせることができ、かつ検知対象物における発熱源の極小的な異常温度及びその発生箇所を正確に特定することができる。
本発明の一実施形態による温度センサでは、第1のPTC抵抗膜の各々は、基材の縦方向に長く形成された長方形の形状を有し、第2のPTC抵抗膜の各々は、基材の横方向に長く形成された長方形の形状を有するものが好ましい。
このような第1及び第2のPTC抵抗膜であれば、より精密な温度検知を実施することができる。
本発明の一実施形態による温度センサでは、複数の第1のPTC抵抗膜を覆う第1の保護材と、複数の第2のPTC抵抗膜を覆う第2の保護材とを含むものが好ましい。
このような第1及び第2の保護材を含むことにより、温度センサ1の使用の際に生じ得るPTC抵抗膜の剥がれ等といった経年劣化を防止することができる。
本発明の一実施形態による温度センサでは、複数の第1のPTC抵抗膜及び複数の第2のPTC抵抗膜は、1kΩ〜1GΩの範囲における抵抗値を有するものが好ましい。
PTC抵抗膜31及び32の抵抗値を比較的大きくすることにより、PTC抵抗膜31及び32から生じる発熱を抑えることができる。
本発明によれば、検知を行う対象物の形状に添わせることができ、かつ検知対象物における発熱源の極小的な異常温度及びその発生箇所を正確に特定する温度センサを提供できる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
図1を参照して、本発明の実施の形態による温度センサ1は、主に、基材2と、複数のPTC抵抗膜31と、複数のPTC抵抗膜32とを備える。
より具体的には、温度センサ1は、図1及び図2に示すように、可撓性及び絶縁性を有する基材2を介して、横方向に並設された複数のPTC抵抗膜31を含むX座標回路7と、複数のPTC抵抗膜31と交差するように、縦方向に並設された複数のPTC抵抗膜32を含むY座標回路8とを備えるものである。
[基材]
基材2は、可撓性及び絶縁性を有するものであって、平面状の形状を有するフィルム21及び22からなる。
基材2は、可撓性及び絶縁性を有するものであって、平面状の形状を有するフィルム21及び22からなる。
フィルム21及び22は、薄くて透明である平面状の形状を有するものであり、例えば、ポリエステル系フィルム、ポリイミド系フィルム、フッ素系フィルム、ポリオレフィン系フィルム等の可撓性、絶縁性、熱伝導性、及び耐熱性を有する材質が適している。本発明の実施の形態において、フィルム21及び22は、50〜200μmの厚さであることが好ましい。
フィルム21は、図3に示すように、略正方形の形状を有しており、右端における上下方向の中央位置に略台形状の突出部21aを備えている。この突出部21aは、図5に示すように、X座標回路7の出力部7aを形成する。
フィルム22は、フィルム21と同一の形状のものであり、実際の温度センサ1の使用の際は、フィルム21を左に90°回転させたものである。フィルム22は、図6に示すように、突出部22aが下側に位置する態様で使用される。
なお、本発明の実施の形態では、フィルム21及び22の形状として、略正方形の形状を有するものとしたが、特にこの形状に限定されるものではない。すなわち、フィルム21及び22の形状としては、長方形、円形、楕円形その他様々な形状を採用することができる。
[PTC抵抗膜]
PTC抵抗膜31及びPTC抵抗膜32は、PTC(Positive Temperature Coefficient)抵抗特性を有するPTCペーストをスクリーン印刷法により基材2に形成し、所定の時間を要して乾燥させた薄膜状の抵抗体である。本発明の実施の形態において、PTC抵抗膜31及び32の膜厚は5〜100μmが好ましい。
PTC抵抗膜31及びPTC抵抗膜32は、PTC(Positive Temperature Coefficient)抵抗特性を有するPTCペーストをスクリーン印刷法により基材2に形成し、所定の時間を要して乾燥させた薄膜状の抵抗体である。本発明の実施の形態において、PTC抵抗膜31及び32の膜厚は5〜100μmが好ましい。
PTCペーストは、樹脂の種類に応じてキュリー温度がそれぞれ異なっており、PTC抵抗膜31及びPTC抵抗膜32の使用目的に適したPTCペーストが用いられる。
図4は、3種類のPTCペーストを用いた場合におけるPTC抵抗膜31及びPTC抵抗膜32の各温度による抵抗変化率を示したものである。なお、図4では、20℃におけるPTC抵抗膜31及びPTC抵抗膜32の抵抗値を基準値(0Ω)としている。
3種類のPTCペーストは、図4に示すように、各々のキュリー温度点にて抵抗変化率が大きく増加しており、具体的には、70〜80℃、90〜100℃、120〜130℃のキュリー温度点をそれぞれ示している。
このように、温度センサ1は、各PTCペーストが有するキュリー温度の抵抗変化の性質を利用したものであり、PTC抵抗膜31及び32に用いるPTCペースト固有のキュリー温度点を閾値として、検知対象物における異常温度の検知を行うものである。
ところで、温度センサ1では、PTC抵抗膜31及び32の抵抗値が大きいほど、温度センサ1の回路に流れる電流値は小さくなる。すなわち、PTC抵抗膜31及び32の抵抗値が比較的大きいものであれば、検知対象物における異常温度の検知を行う際、温度センサ1の回路に発生する電力が抑えられ、その結果として、PTC抵抗膜31及び32に生じる発熱を抑えることができる。このため、PTC抵抗膜31及び32の抵抗値は、1kΩ〜1GΩの範囲であることが好ましい。
[電極膜]
本発明の実施の形態による温度センサ1では、図5及び6に示すように、複数のPTC抵抗膜31にそれぞれ接続される複数の電極膜41と、複数のPTC抵抗膜32にそれぞれ接続される複数の電極膜42とを含むものである。
本発明の実施の形態による温度センサ1では、図5及び6に示すように、複数のPTC抵抗膜31にそれぞれ接続される複数の電極膜41と、複数のPTC抵抗膜32にそれぞれ接続される複数の電極膜42とを含むものである。
複数の電極膜41及び複数の電極膜42は、例えば、ポリエステル系銀ペーストのような導電性を有する素材からなるものであって、スクリーン印刷法により、基材2における上下面に対して、厚み15μm程度の薄膜が印刷されるものである。
[保護材]
本発明の実施の形態による温度センサ1は、保護材61と、保護材62とを含むものである。
本発明の実施の形態による温度センサ1は、保護材61と、保護材62とを含むものである。
図2を参照して、保護材61は、複数のPTC抵抗膜31と複数の電極膜41とを覆うものである。保護材62は、複数のPTC抵抗膜32と複数の電極膜42とを覆うものである。
保護材61及び62は、フィルム21及び22と同じ特性を有する材質、すなわち、可撓性、絶縁性、熱伝導性、及び耐熱性を有する材質であることが好ましい。なお、本発明の実施の形態において、保護材61及び62は、フィルム21及び22と同じ材質を使用している。
[X座標回路]
X座標回路7は、図2に示すように、基材2の上方の面に形成された複数のPTC抵抗膜31及び複数の電極膜41により構成されたものである。
X座標回路7は、図2に示すように、基材2の上方の面に形成された複数のPTC抵抗膜31及び複数の電極膜41により構成されたものである。
複数のPTC抵抗膜31は、基材2の一方の面に形成され、横方向に並設されている。
より具体的には、PTC抵抗膜31は、図5に示すように、フィルム21の縦方向(図5のy方向)に長く形成された長方形の形状を有している。このような形状を有する複数のPTC抵抗膜31は、フィルム21の横方向(図5のx方向)に所定の間隔を空けて並設された態様になるように、基材2の上方の面となるフィルム21の面上に印刷される。
PTC抵抗膜31は、縦方向(y方向)に長く形成された細長の長方形状であって、より多くのPTC抵抗膜31が横方向(x方向)に並設された形態が好ましい。このような形態であれば、より精密な温度検知を実施することができる。
電極膜41は、図5に示すように、その一端側である接続部41aが複数のPTC抵抗膜31の端部に接続され、他端側がフィルム21の突出部21aに収束して、X座標回路7の出力部7aを形成するように、フィルム21の面上に印刷される。
複数の電極膜41は、複数のPTC抵抗膜31にそれぞれ接続される。すなわち、複数のPTC抵抗膜31は、複数の電極膜41によって並列的に電気接続される。このため、複数のPTC抵抗膜31は、個別に検知対象物の温度に相当する抵抗値を測定することができる。
[Y座標回路]
Y座標回路8は、図2に示すように、基材2の下方の面に形成された複数のPTC抵抗膜32及び複数の電極膜42により構成されたものである。
Y座標回路8は、図2に示すように、基材2の下方の面に形成された複数のPTC抵抗膜32及び複数の電極膜42により構成されたものである。
複数のPTC抵抗膜32は、基材2の他方の面に形成され、縦方向に並設されている。
より具体的には、PTC抵抗膜32は、図6に示すように、フィルム22の横方向(図6のx方向)に長く形成された長方形の形状を有している。このような形状を有する複数のPTC抵抗膜32は、フィルム22の縦方向(図6のy方向)に所定の間隔を空けて並設された態様になるように、基材2の下方の面となるフィルム22の面上に印刷される。
PTC抵抗膜32は、横方向(x方向)に長く形成された細長の長方形状であって、より多くのPTC抵抗膜32が縦方向(y方向)に並設された形態が好ましい。このような形態であれば、より精密な温度検知を実施することができる。
複数の電極膜42は、図6に示すように、その一端側である接続部42aが複数のPTC抵抗膜32の端部に接続され、他端側がフィルム22の突出部22aに収束して、Y座標回路8の出力部8aを形成するように、フィルム22の面上に印刷される。
複数の電極膜42は、複数のPTC抵抗膜32にそれぞれ接続される。すなわち、複数のPTC抵抗膜32は、複数の電極膜42によって並列的に電気接続される。このため、複数のPTC抵抗膜32は、個別に検知対象物の温度に相当する抵抗値を測定することができる。
温度センサ1は、図2に示すように、フィルム21及びフィルム22の裏面同士を貼り合せたものである。複数のPTC抵抗膜32は、フィルム21とフィルム22とを貼り合せたとき、図1に示すように、複数のPTC抵抗膜31と交差するように形成される。
より具体的には、図1に示すように、複数のPTC抵抗膜31における縦幅の長さは、最上段に位置する複数のPTC抵抗膜32の上端から最下段に位置する複数のPTC抵抗膜32の下端までの距離と同じ長さとなるようになっている。
また、複数のPTC抵抗膜32における横幅の長さは、図1に示すように、左側に位置する複数のPTC抵抗膜32の左端から右側に位置する複数のPTC抵抗膜32の右端までの距離と同じ長さとなるようになっている。
このように、絶縁フィルム21に形成された複数のPTC抵抗膜31における横幅及び縦幅と、絶縁フィルム22に形成された複数のPTC抵抗膜32における横幅及び縦幅とは、それぞれ互いに同じ大きさに形成されている。つまり、複数のPTC抵抗膜31を含むX座標回路7と、複数のPTC抵抗膜32を含むY座標回路8とは、それぞれ同じ大きさの領域を有していることになる。
そして、フィルム21及びフィルム22の裏面同士を貼り合せた温度センサ1では、図1及び図2に示すように、基材2を介して、複数のPTC抵抗膜31と交差するように複数のPTC抵抗膜32が形成される。これにより、温度センサ1は、X座標回路7及びY座標回路8の領域が上下において互いに重なり合い、全体として網目状の形態を備えることになる。
[作用効果]
以下に、本発明の実施の形態による温度センサ1の作用効果を説明する。
以下に、本発明の実施の形態による温度センサ1の作用効果を説明する。
基材2は可撓性を有する。すなわち、基材2が薄いフィルム状のものであって、その面上に薄膜状のPTC抵抗膜及び電極膜が形成されたものであれば、複雑な形状を有する検知対象物の形状に添わせて、温度センサ1自体を容易に設置することができる。
基材2は絶縁性を有する。網目状に形成された複数のPTC抵抗膜31及び32は、基材2を介して、互いに絶縁された状態となっている。温度センサ1は、X座標回路7とY座標回路8とが絶縁された状態において、X座標回路7及びY座標回路8のそれぞれにより、横方向及び縦方向の温度検知を個別に行うことができる。
基材2は、熱伝導性を有する。温度センサ1は、X座標回路7とY座標回路8とを絶縁すべく、基板2により複数のPTC抵抗膜31と複数のPTC抵抗膜32とを隔てた構成としているが、基材2の熱伝導性が高いものであれば、熱損失を極力抑えつつ、検知対象物の熱が複数のPTC抵抗膜31及び32に伝わるため、各回路で検知対象物の異常温度に相当する正確な抵抗値を別々に測定することができる。
温度センサ1は、基材2を介して、複数のPTC抵抗膜31と交差するように複数のPTC抵抗膜32を形成したことにより、X座標回路7の領域とY座標回路8の領域とが上下に重なり合い、全体として網目状の形態を備える。このため、温度センサ1は、X座標回路7によるPTC抵抗値分布の測定結果とY座標回路8によるPTC抵抗値分布の測定結果とを合わせて解析し、その解析結果に基づき、X−Y平面座標での検知対象物における発熱源の極小的な異常温度及びその発生箇所を正確に特定することができる。
基材2は耐熱性を有するものであることが好ましい。基材2が有する耐熱性の程度については、検知対象物が発する温度に相当する耐熱性があることが望ましいが、少なくとも、PTC抵抗膜31及び32を形成する際に要するPTCペーストの乾燥温度よりも高い温度域の耐熱性を有する材質であれば良い。
保護材61及び62は、PTC抵抗膜及び電極膜を覆うものである。このため、温度センサ1の使用の際に生じ得るPTC抵抗膜及び電極膜の剥がれ等による経年劣化を防止することができる。さらに、基材2と同様に、保護材61及び62が可撓性を有するものであれば、温度センサ1そのものが可撓性を有し、複雑な形状を有する検知対象物の形状に添わせて、温度センサ1自体を容易に設置することが可能となる。
[使用方法]
車両、工場設備、家電機器等に関し、種々の要因によって熱の発生が予見される箇所に本発明の実施の形態による温度センサを組み入れることにより、故障や経年劣化等による異常加熱の発生を早期に発見することができる。
車両、工場設備、家電機器等に関し、種々の要因によって熱の発生が予見される箇所に本発明の実施の形態による温度センサを組み入れることにより、故障や経年劣化等による異常加熱の発生を早期に発見することができる。
[製造方法]
本発明の実施の形態による温度センサ1は、以下の製造工程を経て得られる。
本発明の実施の形態による温度センサ1は、以下の製造工程を経て得られる。
スクリーン印刷法により、フィルム21の表面に複数の電極膜41を印刷する。その後、フィルム21に複数のPTC抵抗膜31を印刷する。この際、複数の電極膜41に形成される接続部41aに重なる位置までPTC抵抗膜31を印刷する。これにより、フィルム21の表面にX座標回路7が形成される。
フィルム21にX座標回路7を作製した後、フィルム21の表面、すなわち、フィルム21における複数のPTC抵抗膜31及び複数の電極膜41が印刷された面に保護材61を覆い被せて、接着剤などにより、フィルム21と保護材61とを貼り合せる。
同様に、フィルム22の表面に複数の電極膜42を印刷する。その後、フィルム22に複数のPTC抵抗膜32を印刷する。この際、複数の電極膜42に形成される接続部42aに重なる位置までPTC抵抗膜32を印刷する。これにより、フィルム22の表面にY座標回路8が形成される。
フィルム22にY座標回路8を作製した後、フィルム22の表面、すなわち、フィルム22における複数のPTC抵抗膜32及び複数の電極膜42が印刷された面に保護材62を覆い被せて、接着剤などにより、フィルム22と保護材62とを貼り合せる。
最後に、接着剤などにより、フィルム21及びフィルム22の裏面同士を貼り合せる。これにより、図1に示すような、X座標回路7とY座標回路8とを上下に重ね合わせた温度センサ1を得ることができる。
ところで、フィルム22に形成されたY座標回路8は、フィルム21に形成されたX座標回路7を左に90°回転させたものと同じものであるため、フィルム21に形成されたX座標回路7を2つ作製することによって、フィルム22に形成されたY座標回路8を作製することができる。
なお、スクリーン印刷法を用いる場合では、上記製造方法のように、先に電極膜を印刷し、その後にPTC抵抗膜を印刷するという工程を実施するのが好ましい。このような工程であれば、先に印刷された電極膜の接続部の位置を確認した上で、PTC抵抗膜を重ねて印刷するため、電極膜とPTC抵抗膜との接触状態を安定させることができる。
本実施例は、スクリーン印刷法により、基材にPTC抵抗膜及び電極膜を印刷したものを用いた。
基材は、125μm厚の二軸延伸ポリエステルフィルムを2枚用いた。PTC抵抗膜は、厚みが20μmであって、キュリー温度が90〜100℃のポリエチレン−酢酸ビニル系PTCペーストを用いた。電極膜は、厚み15μmのポリエステル系銀ペーストを用いた。保護材は、基材と同様、125μm厚の二軸延伸ポリエステルフィルムを2枚用いた。
X座標回路は、左から順番に併設した試験番号X1〜X10までの10個のPTC抵抗膜を1枚目の二軸延伸ポリエステルフィルムに印刷したものを用いた。Y座標回路は、上からから順番に併設した試験番号Y1〜Y10までのPTC抵抗膜を2枚目の二軸延伸ポリエステルフィルムに印刷したものを用いた。
実験方法としては、温度センサの中心部に100℃に加熱した金属塊を載せた時のX座標回路及びY座標回路における抵抗変化を測定したものである。X座標回路及びY座標回路における抵抗値の結果については、表1のとおりであった。
表1から、X座標回路においては、試験番号X4の抵抗値(10.11MΩ)が最も高く、それに次いで、試験番号X6の抵抗値(9.43MΩ)、試験番号X5の抵抗値(9.17MΩ)、試験番号X7の抵抗値(3.18MΩ)という順に比較的高い抵抗値が表れた。また、Y座標回路においては、試験番号Y5の抵抗値(10.11MΩ)が最も高く、それに次いで、試験番号Y4及びY6の抵抗値(9.68MΩ)、試験番号X7の抵抗値(2.37MΩ)という順に比較的高い抵抗値が表れた。
以上の実験結果により、X4〜X7及びY4〜Y7の領域において、PTC抵抗値が高くなったことが分かった。とりわけ、X4−Y5での位置が最も抵抗値が高く表示されたことから、この実験において、X−Y平面座標での検知対象物(金属塊)における発熱源の極小的な異常温度及びその発生箇所を正確に特定することができた。
[その他の実施の形態]
上記第1の実施形態による温度センサ1では、基材2に関し、フィルム21及び22の2枚を用いて形成したものとしているが、他の実施の形態として、図7に示すように、基材2をフィルム23の1枚のみで形成した温度センサ10であってもよい。
上記第1の実施形態による温度センサ1では、基材2に関し、フィルム21及び22の2枚を用いて形成したものとしているが、他の実施の形態として、図7に示すように、基材2をフィルム23の1枚のみで形成した温度センサ10であってもよい。
温度センサ10は、例えば、スクリーン印刷により、フィルム23の上方の面に複数のPTC抵抗膜31及び複数の電極膜41を印刷し、フィルム23の下方の面に複数のPTC抵抗膜32及び複数の電極膜42を印刷したものとしてもよい。このような形態であれば、温度センサ10全体の厚みを薄く形成することができる。
また、温度センサ10では、フィルム23に代えて、スクリーン印刷法により印刷された絶縁層を基材2とする形態であってもよい。このような形態であれば、温度センサ10全体の厚みをさらに薄く形成することができる。
上記第1の実施形態による温度センサ1において、X座標回路7は、基材2の上方の面に形成された複数のPTC抵抗膜31及び複数の電極膜41により構成されるものであるが、他の実施の形態として、基材2の上方の面に対向する保護材61の面に複数のPTC抵抗膜31及び複数の電極膜41が印刷された形態であってもよい。
上記第1の実施形態による温度センサ1において、Y座標回路8は、基材2の下方の面に形成された複数のPTC抵抗膜32及び複数の電極膜42により構成されるものであるが、他の実施の形態として、基材2の下方の面に対向する保護材62の面に複数のPTC抵抗膜32及び複数の電極膜42が印刷された形態であってもよい。
上記実施の形態による温度センサ1において、保護材61及び62は、フィルム21及び22と同じ材質及び形状を用いたものであるが、この保護材61及び/又は62に代えて、スクリーン印刷法により、基材2の上面及び/又は下面に絶縁層を印刷した形態であってもよい。このような形態であれば、X座標回路7及び/又はY座標回路8を絶縁層で保護するとともに、温度センサ1全体の厚みをより薄く形成することができる。
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。
本発明は、検知を行う対象物の形状に添わせることができ、かつ検知対象物における発熱源の極小的な異常温度及びその発生箇所を正確に特定できる温度センサとして産業上の利用が可能である。
1、10 温度センサ
2 基材
21、22、23 フィルム
21a、22a 突出部
31、32 PTC抵抗膜
41、42 電極膜
41a、42a 接続部
61、62 保護材
7 X座標回路
8 Y座標回路
7a、8a 出力部
2 基材
21、22、23 フィルム
21a、22a 突出部
31、32 PTC抵抗膜
41、42 電極膜
41a、42a 接続部
61、62 保護材
7 X座標回路
8 Y座標回路
7a、8a 出力部
Claims (4)
- 可撓性及び絶縁性を有する平面状の基材と、
前記基材の一方の面に形成され、横方向に並設された複数の第1のPTC抵抗膜と、
前記基材の他方の面に形成され、前記複数の第1のPTC抵抗膜と交差するように、縦方向に並設された複数の第2のPTC抵抗膜と、
を備える、温度センサ。 - 請求項1に記載の温度センサであって、
前記第1のPTC抵抗膜の各々は、前記基材の縦方向に長く形成された長方形の形状を有し、
前記第2のPTC抵抗膜の各々は、前記基材の横方向に長く形成された長方形の形状を有する、温度センサ。 - 請求項1又は2に記載の温度センサであって、さらに、
前記複数の第1のPTC抵抗膜を覆う第1の保護材と、
前記複数の第2のPTC抵抗膜を覆う第2の保護材と、
を含む、温度センサ。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の温度センサであって、
前記複数の第1のPTC抵抗膜及び前記複数の第2のPTC抵抗膜は、1kΩ〜1GΩの範囲における抵抗値を有する、温度センサ。
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Citations (4)
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---|---|---|---|---|
JPH09184771A (ja) * | 1995-12-28 | 1997-07-15 | Mikuni Corp | 給湯器の過熱検知用センサ |
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JP2003033262A (ja) * | 2001-07-23 | 2003-02-04 | Naoto Kobayashi | センサーシーツ |
WO2013114289A1 (en) * | 2012-01-30 | 2013-08-08 | Pst Sensors (Proprietary) Limited | Flexible temperature and strain sensors |
-
2013
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