JP2015071555A - ヒアルロン酸産生促進剤及びそれを含有する香粧品 - Google Patents

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周司 赤井
貴詞 井川
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貴詞 井川
正浩 江木
Masahiro Egi
正浩 江木
駒木 亮一
Ryoichi Komaki
亮一 駒木
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Abstract

【課題】皮膚の老化防止あるいはヒアルロン酸の異常分解を伴う疾病の治療に使用でき、しかも人体に対する影響の少ない、安全なヒアルロン酸産生促進剤の提供。
【解決手段】4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセノン(化合物(1))及び/又は4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒド(化合物(2))を有効成分とするヒアルロン酸産生促進剤。前記化合物(1)及び/又は(2)を0.0001〜10質量%含有する香粧品。前記化合物(1)及び(2)はそれぞれ光学活性体((S)−体又は(R)−体)であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は培養細胞や組織内のヒアルロン酸産生を促進するヒアルロン酸産生促進剤に関し、また化粧料、医薬品等に配合し、皮膚等の組織内のヒアルロン酸産生能を高めることのできるヒアルロン酸産生促進剤に関する。
ヒアルロン酸は、細胞間隙への水分の保持、組織内にジェリー状のマトリックスを形成することに基づく細胞の保持、組織の潤滑性と柔軟性の保持、機械的障害などの外力への抵抗、及び、細菌感染の防止など多くの機能を有している(非特許文献1参照)。例えば、皮膚のヒアルロン酸は、齢をとるにつれて減少し、その結果、小ジワや、かさつきなどの老化をもたらすといわれている。
このような老化した皮膚の改善剤として、コラーゲンやヒアルロン酸を配合した化粧料が数多く提案されているが、表面の保湿効果が改善されるだけであり、本質的に老化肌を改善するものではない。その他、皮膚細胞賦活剤としてビタミン類や生薬類が使用されているが、やはり、老化肌の治療にまでは至っていないのが現状である。
また、関節液中のヒアルロン酸は、関節軟骨の表面を覆い、関節機能の円滑な作動に役立っている。正常人関節液中のヒアルロン酸濃度は約2.3mg/mLであるが、慢性関節リウマチの場合、関節液中のヒアルロン酸濃度は約1.2mg/mLへと低下し、同時に関節液の粘度も著しく低下する(非特許文献2参照)。また、化膿性関節炎や痛風性関節炎などでも慢性関節リウマチの場合と同様、ヒアルロン酸含量の低下が起こることが知られている(非特許文献3参照)。
上記疾患において、潤滑機能の改善、関節軟骨の被覆・保護、疼痛抑制及び病的関節液の性状改善をするために、関節液中のヒアルロン酸量を増加させることが考えられる。例えば、慢性関節リウマチ患者にヒアルロン酸ナトリウムの関節注入療法を行うと、上記の改善が認められている(非特許文献4参照)。同様に、外傷性関節症、骨関節炎や変形性関節症においても、ヒアルロン酸の関節注入療法により上記の改善効果が報告されている(非特許文献5参照)。
しかし、上記疾患の治療は長期にわたり、しかも医師の処方を必要とする。したがって、日常の生活の中で手軽に治療できるヒアルロン酸産生促進剤を含有する軟膏あるいはゲルが望まれていた。
また、熱傷受傷後の治癒過程で、壊死組織の下方から増生してくる肉芽組織の初期から組織全体が肉芽組織に置き換えられるまでの期間では、肉芽中にヒアルロン酸が著しく増加することが知られており(非特許文献6参照)、熱傷の初期の治療薬としても、ヒアルロン酸産生促進剤が期待されている。
ヒト細胞のヒアルロン酸を産生促進する薬剤としてはインシュリン様成長因子−1や上皮成長因子(非特許文献7参照)及びインターロイキン−1(非特許文献8参照)などのサイトカイン、あるいはフォルボールエステル(非特許文献9参照)などが知られているが、いずれも化粧品、入浴剤や医薬品として安心して使用できるものではない。
また、サフランから得られる抽出物又は精油が、細胞によるヒアルロン酸の産生を促進させることが知られている(特許文献1、2)。
特開2005−206510号公報 特開2005−343882号公報
「BIOINDUSTRY」、1991年、第8巻、p.346 「Arthritis Rheumatism」、1967年、第10巻、p.357 「結合組織」、1984年、金原出版、p.481 「炎症」、1991年、第11巻、p.16 「結合組織と疾患」、1980年、講談社、p.246 「結合組織と疾患」、1980年、講談社、p.153 「Biochimica Biophysica Acta」、1989年、第1014巻、p.305 「日本産科婦人科学会雑誌」、1989年、第41巻、p.1943 「Experimental Cell Research」、1983年、第148巻、p.377
本発明の課題は、細胞によるヒアルロン酸産生能を促進させることにより、皮膚の老化防止あるいはヒアルロン酸の異常分解を伴う疾病の治療に使用でき、しかも人体に対する影響の少ない、安全なヒアルロン酸産生促進剤を提供するにある。
そこで本発明者は、種々の植物由来の成分のヒアルロン酸産生促進能を検討してきたところ、全く意外にも、サフラン抽出物中に2.0%未満と極めて微量しか含まれていない下記化合物が、強力なヒアルロン酸産生促進効果を有し、これを配合すれば皮膚のヒアルロン酸量を増大させる香粧品が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を有効成分とするヒアルロン酸産生促進剤を提供するものである。
Figure 2015071555
また、本発明は、上記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を0.0001〜10質量%含有する香粧品を提供するものである。
本発明のヒアルロン酸産生促進剤をヒト皮膚線維芽細胞の培養系に添加すると、ヒアルロン酸産生が促進される。したがって、本発明のヒアルロン酸産生促進剤は、線維芽細胞に作用し、病的あるいは生理的に低下した、皮膚などの結合組織のヒアルロン酸産生を促進することができる。
以下、本発明の構成について詳説する。
本発明において用いられる上記一般式(1)の化合物(4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロへキセノン(化合物(1)))は、公知の化合物である(ANDO KIYOSHI 、 KUNO YASUSHI、 HARA YOSHIRO、 Koryo, Terupen oyobi Seiyu Kagaku ni kansuru Toronkai Koen Yoshishu;VOL.45th;NO.;PAGE.249-251(2001) )。また、この化合物(1)には光学活性体として(R)−4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロへキセノン及び(S)−4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロへキセノンが存在している。これらのうち、ヒアルロン酸産生促進効果の点から、(R)−4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセノンを用いることが好ましい。
本発明において用いられる(R)−及び(S)−4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセノンの製造方法は特に限定されるものではない。サフラン等の天然物から単離してもよく、合成又は光学活性体分割方法などによって得ることができる。しかしながら、前記化合物はサフラン抽出物中に多くても1.4%未満しか含有されていない(Wolfgang R,Marion P, J.High Resoluton Chromatography, 771:774,V14,11,1991)ため、合成又は光学活性体分割方法などによって得ることが好ましい。
例えば、次のようにして製造できる。
(R)−4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセノンの製造方法
Figure 2015071555
すなわち、イソプロパノール中で、3,5,5−トリメチル−シクロヘキセン−2,4−ジオンに、(1R),(2R)−1,2−ジフェニル−2−アミノエタノール(2mol%)、ジフェニルルテニウムジクロリド(0.5mol%)及び水酸化ナトリウム(5mol%)を、室温下で1時間反応させることにより、化合物(1)の(R)体が得られる。
(S)−4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセノンの製造方法
Figure 2015071555
すなわち、イソプロパノール中で、3,5,5−トリメチル−シクロヘキセン−2,4−ジオンに、(1S),(2S)−1,2−ジフェニル−2−アミノエタノール(2mol%)、ジフェニルルテニウムジクロリド(0.5mol%)及び水酸化ナトリウム(5mol%)を、室温下で1時間反応させることにより、化合物(1)の(S)体が得られる。
本発明において用いられる上記一般式(2)の化合物(4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒド(化合物(2)))は、公知の化合物である(Kanakis CD, Daferera DJ, Tarantilis PA, Polissiou MG.、J Agric Food Chem. 2004 Jul 14;52(14):4515-21.;Jalali-Heravi M, Parastar H, Ebrahimi-Najafabadi H.、Anal Chim Acta. 2010 Mar 10;662(2):143-54. )。
また、この化合物(2)には光学活性体として(R)−4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒド及び(S)−4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒドが存在している。これらのうち、ヒアルロン酸産生促進効果の点から、(S)−4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒドを用いるのが好ましい。
本発明において用いられる(R)及び(S)−4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒドの製造方法は特に限定されるものではない。サフラン等の天然物から単離してもよく、合成又は光学活性体分割方法などによって得ることができる。しかしながら、前記化合物はサフラン抽出物中に多くても2%未満しか含有されていない(Wolfgang R,Marion P, J.High Resoluton Chromatography, 771:774,V14,11,1991)ため、合成又は光学活性体分割方法などによって得ることが好ましい。
例えば、次のようにして製造できる。
(R)−4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒドの製造方法
Figure 2015071555
すなわち、エタノール中でサフラナールに水素化ホウ素ナトリウムを室温下で1時間反応させて化合物(3)を得、次いでこれに塩化メチレン中、p−トルエンスルホン酸ピリジニウムの存在下でイソプロペニルメチルエーテルを0℃で0.5時間反応させて化合物(4)を得る。化合物(4)にテトラヒドロフラン中、(+)−ジイソピノカンフェイルボランを−25℃〜0℃で18時間反応させ、次いでメタノール中過酸化水素及び水酸化ナトリウムを0℃〜55℃で1時間反応させて化合物(5)を得る。この化合物(5)にアセトン中p−トルエンスルホン酸ピリジニウムを室温で2時間反応させて化合物(6)を得る。この化合物(6)に塩化メチレン−ジオキサン中二クロム酸ピリジニウム、モレキュラーシーブス3A及び酢酸を、0℃〜室温で2時間反応させることにより化合物(2)の(R)体が得られる。
(S)−4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒドの製造方法
Figure 2015071555
前記の化合物(2)の(R)体の製造法と同様にして、化合物(4)を得、この化合物(4)にテトラヒドロフラン中、(−)−ジイソピノカンフェイルボランを−25℃〜0℃で18時間反応させ、次いでメタノール中過酸化水素及び水酸化ナトリウムを0℃〜55℃で1時間反応させて化合物(5)の(S)体を得る。この化合物(5)の(S)体にアセトン中p−トルエンスルホン酸ピリジニウムを室温で2時間反応させて化合物(6)の(S)を得る。この化合物(6)の(S)体に塩化メチレン−ジオキサン中二クロム酸ピリジニウム、モレキュラーシーブス3A及び酢酸を、0℃〜室温で2時間反応させることにより化合物(2)の(S)体を得る。
後記実施例に示すように、化合物(1)及び化合物(2)は、ヒト皮膚線維芽細胞のヒアルロン酸産生を促進する効果を有し、その効果は極めて強力である。
これらの化合物(1)及び化合物(2)は、低分子であるため、皮膚に塗布した場合、表皮層及び基底膜を通過し、線維芽細胞の存在する真皮層(結合組織)にまで到達することができ、線維芽細胞のヒアルロン酸産生能を促進させるのに有利である。
本発明のヒアルロン酸産生促進剤中の化合物(1)及び/又は化合物(2)の含有量は、その下限は好ましくは0.00001質量%以上であり、その上限は100質量%が好ましい。具体的な含有量の範囲としては、好ましくは0.00001〜100質量%である。
特に本発明のヒアルロン酸産生促進剤中の化合物(1)の含有量は、好ましくは0.00001質量%以上、より好ましくは0.0001質量%以上、さらに好ましくは0.001質量%、さらに好ましくは0.01質量%以上であり、その上限は100質量%が好ましい。具体的な含有量の範囲としては、好ましくは0.00001〜100質量%、より好ましくは0.0001〜100質量%、さらに好ましくは0.001〜100質量%、さらに好ましくは0.01〜100質量%である。
また、本発明のヒアルロン酸産生促進剤中の化合物(2)の含有量は、その下限は好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、その上限は100質量%が好ましい。具体的な含有量の範囲としては、好ましくは0.001〜100質量%、より好ましくは0.01〜100質量%、さらに好ましくは0.1〜100質量%、さらに好ましくは1〜100質量%である。当該範囲内であれば、優れたヒアルロン酸産生促進効果が得られ、好ましい。
尚、本発明のヒアルロン酸産生促進剤には上記の他に、タール系色素、酸化鉄等の着色顔料、パラベン、フェノキシエタノール等の防腐剤、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン等のシリコーン油、パラフィン、ワセリン等の炭化水素類、オリーブスクワラン、米スクワラン、米胚芽油、ホホバ油、ヒマシ油、紅花油、オリーブ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油等の植物油、ミツロウ、モクロウ、カルナバロウ等のロウ類、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、イソステアリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油、エタノール等の低級アルコール類、セタノール、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、長鎖分岐脂肪族アルコール等の高級アルコール類、コレステロール、フィトステロール、分岐脂肪酸コレステロールエステル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルエステル等のステロール類及び誘導体、硬化油等の加工油類、ステアリン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、イソ型長鎖脂肪酸、アンテイソ型長鎖脂肪酸等の高級脂肪酸、リモネン、水素添加ビサボロール等のテルペン類、トリカプリル・カプリン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソ型長鎖脂肪酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル等のトリグリセリド、セチル硫酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、変性シリコン、蔗糖エステル等の非イオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、ベタイン型、スルホベタイン型、スルホアミノ酸型等の両性界面活性剤、レシチン、リゾフォスファチジルコリン、セラミド、セレブロシド等の天然系界面活性剤、酸化チタン、酸化亜鉛等の顔料、ジブチルヒドロキシトルエン等の抗酸化剤、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、塩化カルシウム等の無機塩類、クエン酸ナトリウム、酢酸カリウム、琥珀酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ジクロロ酢酸、メバロン酸、グリチルリチン酸等の有機酸及びその塩、塩酸エタノールアミン、硝酸アンモニウム、塩酸アルギニン、ジイソプロピルアミン塩、尿素、デカルボキシカルノシン等の有機アミン類及びその塩、エデト酸等のキレート剤、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、ペクチン、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、寒天等の増粘剤、水酸化カリウム、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の中和剤、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルフォン酸塩等の紫外線吸収剤、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ジグリセリン、ラフィノース等の多価アルコール、各種アミノ酸、アスコルビン酸、ビオチン、トコフェロール等のビタミン類及びアスコルビン酸硫酸エステル塩、アスコルビン酸燐酸エステル塩、ニコチン酸トコフェロール等のビタミン誘導体等を本発明の目的を達成する範囲内で適宜配合することができる。
また更にはN−メチル−L−セリン、酵母エキス等の真皮ヒアルロン酸産生促進剤、ケショウシメジエキス、クリタケエキス、クロカワエキス、モッキンエキス、アセンヤクエキス、チョウジエキス等のヒアルロン酸分解抑制剤、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸、ナイアシン、メバロン酸、温泉水、メタケイ酸ナトリウム等の角化促進剤、β−ヒドロキシ−γ−アミノ酪酸、メバロン酸等のバリアー増強剤、ヒアルロン酸、グルコサミン、グルクロン酸、グリセロール、尿素、多価アルコール等の保湿剤等を配合することにより、荒れ肌、シワ予防効果をいっそう高めることができる。
本発明のヒアルロン酸産生促進剤は、それ自身で、培養細胞又は生体細胞に適用して、ヒアルロン酸産生を促進することができるが、皮膚の柔軟性を保つ目的、皮膚の柔軟性を保つ目的、肌にはりを与える目的、乾燥による小ジワを目立たなくする目的で香粧品に配合することができる。また、香粧品以外であっても、医薬品や飲食品への応用も期待できる。
本発明のヒアルロン酸産生促進剤、及びそれを含有する香粧品の形態は、液剤、固形剤あるいは半固形剤のいずれでもよく、好ましくは軟膏、ゲル、クリーム、スプレー剤、貼付剤、ローション、パック類、乳液、パウダー、トワレ、香水及び入浴剤等が挙げられる。
特に本発明の香粧品中の一般式(1)又は(2)の化合物の含有量は、ヒアルロン酸産生促進効果、香りのバランスの良さの点から、0.0001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。また、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。具体的な範囲としては、好ましくは0.0001〜10質量%、より好ましくは0.001〜5質量%、さらに好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.01〜3質量%、さらに好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。当該範囲内であれば、優れたヒアルロン酸産生促進効果が得られ、皮膚刺激性もなく、好ましい。なお、前記含有量は希釈せずに用いる場合であり、入浴剤のように希釈して用いられるものであれば、希釈後の一般式(1)又は(2)の化合物の含有量が、当該範囲内となるようにするのが好ましい。
その他、培養細胞にてヒアルロン酸を産生させる場合は、一般式(1)及び/又は(2)の化合物を細胞の培養液中に、0.0000001〜1%(W/W)の範囲で含有させることが好ましく、より好ましくは0.0001〜0.1%(W/W)であり、さらに好ましくは0.0005〜0.01%(W/W)である。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の実施態様を開示する。
<1>下記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を有効成分とするヒアルロン酸産生促進剤。
Figure 2015071555
<2>上記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を0.0001〜10質量%含有する香粧品。
<3>一般式(1)で表される化合物が、(S)−4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセノンである<1>又は<2>に記載のヒアルロン酸産生促進剤又は香粧品。
<4>一般式(1)で表される化合物が、(R)−4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセノンである<1>又は<2>に記載のヒアルロン酸産生促進剤又は香粧品。
<5>一般式(2)で表される化合物が、(S)−4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒドである<1>又は<2>に記載のヒアルロン酸産生促進剤又は香粧品。
<6>一般式(2)で表される化合物が、(R)−4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒドである<1>又は<2>に記載のヒアルロン酸産生促進剤又は香粧品。
<7>一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される化合物の含有量が、ヒアルロン酸産生促進剤中、好ましくは0.00001質量%以上、その上限は100質量%である<1>〜<6>のいずれかに記載のヒアルロン酸産生促進剤。
<8>一般式(1)で表される化合物の含有量が、ヒアルロン酸産生促進剤中、好ましくは0.00001〜100質量%、より好ましくは0.0001〜100質量%、さらに好ましくは0.001〜100質量%、さらに好ましくは0.01〜100質量%である<1>〜<7>のいずれかに記載のヒアルロン酸産生促進剤。
<9>一般式(2)で表される化合物の含有量が、ヒアルロン酸産生促進剤中、好ましくは0.001〜100質量%、より好ましくは0.01〜100質量%、さらに好ましくは0.1〜100質量%、さらに好ましくは1〜100質量%である<1>〜<7>のいずれかに記載のヒアルロン酸産生促進剤。
<10>一般式(1)又は(2)の化合物の含有量が、香粧品中、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である<2>〜<6>のいずれかに記載の香粧品。
<11>一般式(1)又は(2)の化合物の含有量が、香粧品中、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.001〜5質量%、さらに好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.01〜3質量%、さらに好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である<2>〜<6>及び<10>のいずれかに記載の香粧品。
実施例に先立って、本発明の効果を示す試験例を記載する。尚、各試験に用いる試薬の調製法及び測定法は次の通りである。
(a)試薬調製
各被験物質5〜15mgを秤量して1.5mlチューブに入れ、10〜30μLのDMSOとよく混合し、50%濃度のストック溶液とした。各ストック溶液をDMSOを用いて、所定の濃度となるように試験培地に添加した。溶媒であるDMSO濃度は各試験濃度で統一し、終濃度0,2%となるように調整した。
(b)ヒアルロン酸産生促進試験
ヒト正常線維芽細胞を増殖培地(10%FBs/1%抗生物質/DMEM試験培地)を用いて2×104cells/200μL/ウェルで48穴プレートに播種する。翌日、各被験物質を添加した試験(1%FBS/1%抗生物質/DMEM試験培地)に交換し、72時間培養後、培養上清中のヒアルロン酸量を吸光度を測定し濃度を算出した。n=5で試行した。陰性対照として0.2%DMSOを使用した。
〔ヒアルロン酸産生促進作用試験化合物〕
1.試験化合物:
・(S)−4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセノン
・(R)−4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセノン
・(S)−4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒド
・(R)−4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒド
・サフラン抽出物[ C r o c u s s a t i v u sから得られたサフランパウダーを99 % エタノールに浸漬後、不溶物をろ過し、その後エタノールを除去したもの( 収率18.9 % ) ]
3.試験結果:
Figure 2015071555
以下に本発明の処方例を挙げる。尚、表中の値は質量%を示す。
Figure 2015071555
Figure 2015071555
Figure 2015071555
Figure 2015071555
Figure 2015071555
Figure 2015071555
得られる香粧品は、優れたヒアルロン酸産生促進効果とともに、香りのバランスが良く、従来のフローラル系調合香料を用いた香粧品と同様に優れた匂い特性を有していることが期待される。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を有効成分とするヒアルロン酸産生促進剤。
    Figure 2015071555
  2. 一般式(1)で表される化合物が、(S)−4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセノンである請求項1に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
  3. 一般式(1)で表される化合物が、(R)−4−ヒドロキシ−3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセノンである請求項1に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
  4. 一般式(2)で表される化合物が、(S)−4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒドである請求項1に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
  5. 一般式(2)で表される化合物が、(R)−4−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキセン−1−カルバルデヒドである請求項1に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
  6. 下記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を0.0001〜10質量%含有する香粧品。
    Figure 2015071555
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