JP2015070485A - 画像処理装置、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストアップを招くことなく、機差ばらつきを抑制する。
【解決手段】画像形成装置100は、読取部70で読み取られた画像情報を領域分離基準調整値と照合して画像種別に応じた領域を示す領域分離信号を生成する領域分離処理部2400と、読取部70の調整時に取得した読取部70固有のMTF値及びノイズ量である光学特徴値であって領域分離基準調整値を補正するための光学的特徴値を得て記憶部4000に格納する領域分離補正部2600とを備える。領域分離補正部2600は、調整時に読取部70から入力された調整用チャートCHの画像情報から光学特徴値を算出するスキャナ特徴値算出部2620を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、光学的な画像入力装置から入力される画像を画像種別の領域毎に分離し、分離領域に対応した画像処理を行う技術に関する。
従来、スキャナ等の画像入力装置で読み取られた原稿を画像データとして処理する画像処理装置が知られている。画像処理装置が適用される一例として、デジタル複合機が挙げられる。デジタル複合機は、原稿から光学的に読み取った画像データを、記録用紙上に画像として形成する(印刷する)ことによりコピー機能を実現したり、他のコンピュータ等の端末に転送することにより、スキャン機能(PUSHコピー機能)を実現したりすることが可能である。
このとき、読み取られる原稿には、文字や写真、図形等の様々な種類(領域)が含まれている。特に写真や図形は、印刷時に細かい点(網点)で構成されており、画像処理装置において網点領域として判定される。
ところで、網点領域については、原稿の網点間隔と画像読取装置での読み取り状態との関係がモアレの発生原因となり得る。また、画像データと、出力する画像形成部の状態との関係がモアレの発生原因となる場合もある。モアレの発生を抑制するためには平滑化処理を施すのが望ましい。そこで、画像処理装置(デジタル複合機)において、「写真モード」等を選択することに応答して画像データに平滑化処理を施すことにより、モアレの発生を抑制するものが知られている。また、写真同士でも、網点で構成された網点写真と、銀塩写真等の印画紙写真とに区別され、網点写真は前述のモアレの発生抑制のため平滑化処理を施す必要があるが、印画紙写真はモアレの発生はなく、平滑化もしくは先鋭化処理を施すことができる。
他方、文字が記憶されている領域については、鮮鋭に印刷あるいは表示するためには鮮鋭化処理を施すのが望ましい。従って、画像処理装置(デジタル複合機)において、「文字モード」等を選択することに応答して画像データに鮮鋭化処理を施すことにより、文字の再現性を高めるものが知られている。
かかる文字領域や写真領域の判別を行う処理を領域分離処理といい、閾値との比較によって画像の各画素に対して領域判定を行う。この領域分離に用いる閾値は、製品の開発段階でスキャナの特性に合わせ調整され、共通の固定値として予め装置内に記憶されて、原稿をスキャンする度に用いられて領域分離処理に供される。
特許文献1には、画像データのエッジ検出で用いられる閾値を補正するための、基準値と、予め画像形成域を図形的に縦横方向の複数に分割した各分割領域のMTF(Modulation Transfer Function)値との差分に応じた補正量を、前記複数の分割領域のそれぞれについて記憶するメモリと、メモリに記憶された補正量によって補正された閾値を用いて、スキャナで読み取られた画像データの各分割領域に対してエッジ検出を行う技術が記載されている。
特開2011−166777号公報
ところで、スキャナの光学的な特性として、主にMTF値とノイズ量とがある。MTF値は、主にレンズに依存し、そのばらつきは画像の解像力の低下やコントラストの低下を招く。一方、ばらつきを抑えるためには製造コストのアップや調整作業量の増加を招いてしまう。また、ノイズ量は、スキャナの光源の明るさに依存し、光源が暗くなると画像におけるノイズ量は増加し、明るくなると減少する。そのため、できるだけ明るく、かつ、ばらつきの少ない光源が望ましいが、コストが増加してしまう。
前記した特許文献1には、MTF値によってエッジ検出に用いる閾値を補正することは記載されているものの、スキャナの光源の明るさばらつきは考慮されていない。また、一般的な領域分離においては、文字や線のエッジ検出の他、網点写真部分と印画紙写真部分や塗り潰し部分(べた部分)との分離も行うが、特許文献1では、網点領域判定は考慮されておらず、従って光源の明るさによっては塗り潰し部分が網点部分であると誤判定され得ることへの対応も記載されていない。
本発明は、上記課題を解決するものであって、光学的な画像入力装置毎に調整時に得られたMTF値とノイズ量とを用いて、領域分離の閾値を補正することによって画像入力装置の機差ばらつきによる領域分離の誤判定を抑制することのできる画像処理装置、画像形成装置及び画像形成方法を提供するものである。
本発明に係る画像処理装置は、光学的な画像入力装置から入力された画像情報を領域分離基準調整値と照合して画像種別に応じた領域を示す領域分離信号を生成する領域分離手段と、前記画像入力装置の調整時に取得した当該画像入力装置固有のMTF(Modulation Transfer Function)値及びノイズ量である光学特徴値であって前記領域分離基準調整値を補正するための光学的特徴値を得て記憶部に格納する補正値取得手段とを備え、前記補正値取得手段は、前記調整時に前記画像入力装置から入力された調整用チャートの画像情報から前記光学特徴値を算出する光学特徴値算出手段を備えることを特徴とするものである。
スキャナの光学的な特性としてのMTF値とノイズ量とにおいて、MTF値は、主にレンズに依存し、そのばらつきは画像の解像力の低下やコントラストの低下を招く。領域分離における文字領域検出は、このコントラストに影響を受けるため、MTF値は一定が望ましいが、ばらつきを抑えるためには製造コストのアップや調整作業量の増加を招いてしまう。また、ノイズ量は、スキャナの光源の明るさに依存し、光源が暗くなると画像におけるノイズ量は増加し、明るくなると減少する。ノイズは、主に印画紙写真等のように、網点がなく、ある程度の濃度を持つ部分にランダムな画素値のばらつきとして現れる。領域分離における網点検出は、画素の凹凸を数値化し判定を行うが、ノイズが多くなると網点写真領域と印画紙写真領域の判別が難しくなる。そのため、できるだけ明るく、かつ、ばらつきの少ない光源が望ましいが、コストが増加してしまう。
本発明によれば、光学的な画像入力装置から画像情報が入力されると、領域分離手段によって領域分離基準調整値と照合され、画像種別に応じた領域を示す領域分離信号が生成される。一方、補正値取得手段によって、画像入力装置の調整時に予め当該画像入力装置固有のMTF値及びノイズ量である光学特徴値であって前記領域分離基準調整値を補正するための光学的特徴値が取得され、記憶部に格納される。この補正値取得手段は、光学特徴値算出手段を備えており、前記調整時に前記画像入力装置から入力された調整用チャートの画像情報から前記光学特徴値の算出を行う。従って、同種の画像入力装置に対して、領域分離基準調整値が一律の固定値として格納されている一方で、各画像入力装置の調整時に、MTF値及びノイズ値の両方を取得可能な調整用チャートを用いてMTF値及びノイズ値である光学特徴値を効果的に取得し、この光学特徴値で、固定値である領域分離基準調整値を補正するようにしたので、画像入力装置に合った閾値で領域分離が実行されることになる。この結果、コストアップを招くことなく、機差ばらつきが抑制される。また、領域分離が精度良く行われる結果、画像形成が行われる場合、各領域に対する適正化処理が好適に行われて、画質の良好な形成画像(プリント画像)が得られる。
また、前記領域分離手段は、前記ノイズ量で補正された閾値を用いて注目画素が網点領域に属する画素か否かを判定する網点判定手段と、網点領域に対して網点上文字が存在する可能性があるか否かを判定する網点上文字領域判定手段と、前記MTF値で補正された閾値を用いて文字エッジか否かを判定し、文字エッジか否か、網点領域か否か、及び網点上文字が存在する可能性があるか否かの情報から網点領域か文字領域かを判定する網点・文字判定手段とを含むことを特徴とする。この構成によれば、TMF値及びノイズ量で補正された閾値を用いて、文字領域、網点領域、網点上文字領域の分離が可能となる。
また、前記調整用チャートは、MTF値を求めるためのパターンと、ノイズ量を求めるためのグレーパッチを含む。この構成によれば、調整用チャートでMTF値とノイズ値との両方が効果的に取得できる。
また、前記光学特徴値は、前記調整用チャート上に複数作成された、それぞれ同一のチャート部のそれぞれから得られるMTF値及びノイズ量の平均値である。この構成によれば、MTF値及びノイズ量の精度を高めることが可能となる。
また、前記記憶部に格納された前記光学特徴値を用いて、前記領域分離基準調整値を補正する補正手段を備えたことを特徴とする。この構成によれば、補正手段で補正された結果と画像情報とを画像形成機能部を備えた外部機器に送信し、外部機器側で画像形成(プリント)する態様にも適用可能となる。従って、画像処理装置としては、例えばスキャナのような画像入力の機能部のみの態様であってもよい。
また、本発明に係る画像形成装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置と、入力画像を記録紙に出力する画像出力部と、前記記憶部に格納された前記光学特徴値を用いて前記領域分離基準調整値を補正する補正手段と、前記補正手段で得られた領域分離補正後調整値を前記領域分離手段による領域分離に用いることによって分離された各領域の画像に対して適正化処理を施して出力部に導く適正化処理手段を備えたことを特徴とする。本発明によれば、画像形成装置として、領域分離補正後調整値での領域分離結果に基づいて領域毎に適正な処理が施されて画像形成が施される。
また、本発明に係る画像形成方法は、光学的な画像入力装置から入力された画像情報に領域分離基準調整値を照合して画像種別に応じた領域を示す領域分離信号を生成し、前記領域分離信号を用いて領域毎に適正化処理を施して記録用紙に画像を出力する画像形成方法において、前記画像入力装置の調整時に当該画像入力装置から入力された調整用チャートの画像情報から固有のMTF値及びノイズ量である光学特徴値であって前記領域分離基準調整値を補正するための光学特徴値を得て記憶部に格納する補正値取得行程と、前記記憶部に格納された前記光学特徴値を用いて前記領域分離基準調整値を補正する補正行程と、前記補正行程で得られた領域分離補正後調整値を前記領域分離の処理に用いることによって分離された各領域の画像に対して適正化処理を施して出力部に導く適正化処理行程とを備えたものである。この発明によれば、領域分離補正後調整値での領域分離結果に基づいて領域毎に適正な処理が施されて画像形成が施される。
本発明によれば、コストアップを招くことなく、機差ばらつきを抑制できる。
第1の実施形態における画像形成装置(デジタル複合機)の正面断面図である。 読取部の構成図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。 画像形成装置の機能構成図である。 画像処理部の機能構成図である。 領域分離処理部の機能構成図である。 領域分離処理部の動作を説明するために用いられる図である。 領域分離処理部の動作を説明するために用いられる図である。 領域分離処理部の動作を説明するために用いられる図である。 領域分離処理部の動作を説明するために用いられる図である。 低周波エッジ検出フィルタの図で、(a)は、主走査方向のフィルタ係数を示す図、(b)は、副走査方向のフィルタ係数を示す図である。 有彩無彩判定部の機能構成図である。 出力される文字エッジ信号の状態を説明するために用いられる図である。 出力される領域分離信号の状態を説明するために用いられる図である。 領域分離補正用チャートの一例を示す図である。 MTF補正を説明するために用いられる図である。 MTF補正を説明するために用いられる部分拡大図である。 ノイズ量補正を説明するために用いられる図である。 領域分離補正の状態を説明するために用いられる図で、(a)は、Gの平均MTFに対応するエッジ判定部の閾値THedgeに対する補正量を示すテーブルで、(b)は、Rの高濃度平均ノイズ量NHRに対応する網点判定部のRの高濃度用閾値TRHRに対する補正量を示すテーブルである。 第2の実施形態における画像処理部の機能構成図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態では、一例として、本発明における画像形成装置を、デジタル複合機に適用した場合について説明する。
〔1.装置構成〕
図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成部10、中間転写部20、二次転写部30、定着部40、給紙部50、用紙搬送路60及び読取部70を備えると共に、装置本体の上部に自動原稿搬送装置80が搭載されている。画像形成装置100は、原稿から読み取った画像データあるいは図外の外部装置から入力された画像データを用紙に多色又は単色の画像形成処理を行う。
画像形成部10は、光ビーム走査ユニット1及びそれぞれ同様な構造を有する各色の画像形成部10A〜10Dを備えている。光ビーム走査ユニット1は、筐体を有し、その内部に色毎に必要な光学部品が配置されている。光ビーム走査ユニット1は、読取部70で読み取られた、原稿に対応するR、G、B色の画像データをブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色情報に変換し、変換後の各色の画像データによって変調されたレーザ光で画像形成部10A〜10Dの感光体ドラム2A〜2Dの表面を軸方向(主走査方向)に沿って露光走査して、それぞれの静電潜像を形成する。代表して説明する画像形成部10Aは、感光体ドラム2Aを備え、その周囲に回転方向(副走査方向)に沿って帯電器3A、現像器4A及びクリーナ部5Aを備えている。
中間転写部20は、中間転写ベルト21、駆動ローラ22、従動ローラ23、一次転写ローラ24A〜24Dを備えて、感光体ドラム2A〜2Dの周面に形成されたトナー像を中間転写ベルト21の表面に一次転写する。二次転写部30は、中間転写ベルト21の表面のトナー像を記録用紙へ二次転写する。定着部40は、記録用紙に転写されたトナー像を加熱して定着し、排紙トレイに排出する。給紙部50は、給紙カセットや手差しトレイを備えており、選択された記録用紙を、対応する給紙カセットから用紙搬送路60に給紙する。
読取部70は、光学的な画像入力部で、図2に示すように、装置本体110の上面に設けられた原稿を載置するためのプラテンガラス7A(図1参照)を備え、その下部に、第1走査ユニット71、第2走査ユニット72及び撮像部73を備える。撮像部73は、結像レンズ731、及びCCD(Charge Coupled Device)732等を備える。
第1走査ユニット71は、主走査方向X(図2(a)参照)に長尺形状を有する照明装置711及び第1反射ミラー712を備えており、原稿サイズに応じた距離だけ一定速度Vで副走査方向Y(図2(b)参照)に移動しながら、プラテンガラス7A上の原稿を照明装置711によって照明し、その反射光を第1反射ミラー712で反射して第2走査ユニット72へ導き、これにより原稿表面の画像を副走査方向Yに走査する。
第2走査ユニット72は、第2及び第3反射ミラー721,722を備えており、第1走査ユニット71に追従して速度V/2で移動しつつ、原稿からの反射光を第2及び第3反射ミラー721,722で反射して結像レンズ731へ導く。結像レンズ731は、原稿からの反射光をCCD732に集光して、原稿表面の画像をCCD732上に結像させる。CCD732は、原稿の画像を繰り返し主走査方向Xに走査し、その度に、1主走査ラインのアナログ画像信号を出力する。
なお、第1及び第2走査ユニット71,72のY方向への同期駆動は、公知のように、2個のプーリーに係止用のワイヤを架け渡し、このワイヤをステッピングモータ等の駆動部により駆動することで行われる。
[2.機能構成]
[2.1 全体構成]
画像形成装置100は、図3の機能構成図に示すように、各部の動作を制御する制御部1000を備え、この制御部1000に、画像処理部2000、読取部70、画像形成部10、定着部40、記憶部4000、表示部5000、入力部6000、インタフェース部7000、周辺装置制御部8000、及びその他が接続されている。
記憶部4000は、画像形成装置100が動作するのに必要な各種プログラム及びデータ等が記憶されている機能部であり、例えば画像形成装置100の上面に配置される操作パネル(表示部5000、入力部6000)を介する印刷命令、画像形成装置100の内部の各所に配置される図示しない各種センサ等からの検知情報、外部機器からインタフェース部7000を介して入力される画像情報等が記憶されている。また、記憶部4000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリや、ハードディスクドライブ(HDD)といった磁気ディスク等からなる。
制御部1000は、画像形成装置100の全体を制御するための機能部である。制御部1000は、例えばCPU(Central Process Unit)等により構成され、記憶部4000に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現する。
画像形成装置100は、例えば読取部70とプリンタ(画像形成部10、定着部40等)と周辺機器とを備えた複合機であり、複合機に関する機能を有している。画像処理は、具体的には画像処理部2000が制御する。画像処理部2000は、読取部70で読み取られた原稿画像を電気信号に変換してRGBの画像データを生成すると共に、後述するように各種の画像処理を実行する。
読取部70は、原稿表面をCCD732(図2参照)で走査して画像データを生成する機能部であり、例えばスキャナ等により構成されている。画像形成部10は、生成された画像データをトナーを用いて顕像化する機能部である。定着部40は、画像形成部10で顕像化されたトナー像を記録用紙に加熱定着して固定する機能部である。このように、画像処理部2000が、これらの読取部70、画像形成部10及び定着部40を駆動することで画像が形成される。
表示部5000は、利用者に対して各種情報を報知したり、画像形成装置100の状態を表示したりするための機能部である。表示部5000は、例えばLCDや有機ELディスプレイ等により構成されている。入力部6000は、利用者からの各種操作等が入力される機能部であり、例えば、操作ボタンや操作パネル等により構成されている。また、表示部5000と入力部6000とをタッチパネルを利用し、積層して一体的に構成してもよい。
インタフェース部7000は、画像形成装置100をネットワークに接続するためのネットワークインタフェースや、外部機器に接続するためのUSBインタフェース等を提供するための機能部である。ここで、インタフェース部7000に接続される外部機器としては、画像情報の形成または取得が可能であり、画像形成装置100と情報通信可能に接続された電気・電子機器、例えばコンピュータ、デジタルカメラ、メモリカード等が挙げられる。また、スキャン機能、すなわちPUSHコピー機能を実行する態様では、プリンタを含む上述の外部機器と接続される。周辺装置制御部8000は、画像形成装置100に接続される周辺装置、例えば後処理装置であるフィニッシャやソータ等を制御する機能部である。
[2.2 画像処理部の構成]
画像処理部2000は、図4に示すように、A/D変換部2100と、シェーディング補正部2200と、入力階調補正部2300と、領域分離処理部2400と、印刷処理部2500とを備える。印刷処理部2500は、色補正部2510と、黒生成下色除去部2520と、空間フィルタ処理部2530と、出力階調補正部2540と、(中間調生成)階調再現処理部2550とを備える。
まず、入力部6000(図3参照)を介して利用者が設定した内容に応じて、画像入力部(例えば読取部70)で読取られたRGBアナログ画像信号は、CMYKのデジタル信号に変換され、このデジタル信号が画像出力部(例えば画像形成部10)に出力される。
A/D変換部2100は、読取部70からRGBアナログ信号が入力されると、デジタルのRGB信号に変換する。シェーディング補正部2200は、A/D変換部2100から出力されたデジタルのRGB信号に対して、読取部70の照明装置711を含む証明系、結像系及び撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を実行する。
入力階調補正部2300は、シェーディング補正部2200から入力されたRGB信号に対して、カラーバランスを整えると同時に、必要に応じて、濃度信号等を、カラーの画像形成装置に採用されている画像処理システムにとって扱いやすい信号に変換する処理を行う。
次に、入力階調補正部2300から出力されたRGB信号は、領域分離処理部2400に入力され、また、予め設定され(記憶部4000に格納され)ている領域分離基準調整値に対して、領域分離補正部2600で補正された領域分離補正後調整値が領域分離処理部2400に入力される。ここで、領域分離処理部2400は、入力されたRGB信号から、原稿の画像を、例えば、文字エッジ領域、網点領域、高濃度写真領域、及び低濃度写真領域に分離する。以後、原稿の画像を、例えば、文字エッジ領域、網点領域、網点上文字、高濃度写真領域及び低濃度写真領域の各領域に分離することを、「領域分離」と呼ぶ。領域分離処理部2400は、上記領域分離を行う際に、領域分離基準調整値に対して領域分離補正部2600で補正された領域分離補正後調整値を用いる。
そして、領域分離された画像信号は、印刷をする場合には印刷処理部2500に出力される。なお、第1の実施形態においては、領域分離処理部2400からはRGBの色空間の信号が出力される。
[2.2 印刷処理部]
ここで、印刷処理部2500の処理について説明する。なお、後述するように、印刷処理部2500のうち、領域分離信号が入力されて画像処理を実行する各機能部は、領域分離された各領域の画像に対して適正な画像処理を施す適正化処理手段(適正化処理行程を実行する手段)として機能する。
まず、領域分離処理部2400から出力されたRGB信号は、色補正部2510に入力される。色補正部2510は、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行って、色補正後のCMYの3色信号を出力する。すなわち、RGBから、CMY(K)への色空間の変更を行う。
続いて、黒作成下色除去部2520は、色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成処理と、元のCMY信号から黒生成処理で得た黒信号を差引いて新たなCMY信号を出力する処理とを実行する。これにより、CMYK信号が出力される。
黒作成下色除去部2520から出力されたCMYK信号は、空間フィルタ処理部2530に入力される。空間フィルタ処理部2530は、色空間としてのCMYK信号の画像データに対して、領域分離処理部2400による領域分離結果を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけ及び粒状性劣化を防ぐように処理する。
続いて、空間フィルタ処理部2530から出力されたCMYK信号は、出力階調補正部2540に入力される。出力階調補正部2540は、画像形成部10にとっての特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を実行する。
そして、出力階調補正部2540から出力されたCMYK信号は、階調再現処理部2550に入力される。階調再現処理部2550は、入力されたCMYK信号を画素に分離して、各階調を再現できるように処理する階調再現処理を実行する。そして、階調再現処理部2550から出力されたCMYK信号は、画像出力部(例えば画像形成部10)に導かれ、画像形成に供される。
ここで、黒生成下色除去部2520で実行される黒生成処理の一般的な方法として、スケルトンブラックによる黒生成を行なう方法がある。その方法を以下に示す。ここで、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)とし、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とし、色補正部2510から黒生成下色除去部2520に入力されるデータをC、M、Yとし、黒生成下色除去部2520によって出力されるデータをC’、M’、Y’、K’とする。そうすると、C’、M’、Y’、K’は、下記の数1で出力される。
空間フィルタ処理部2530は、特に、黒文字又は色文字、網点上文字の再現性を高めるために、領域分離処理部2400において領域分離された文字エッジ領域において、空間フィルタ処理における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量を大きくする。また、空間フィルタ処理部2530は、網点領域として判定された領域に対して、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理を施す。
また、その他の領域に対しては、適応化混合フィルタ、すなわち高周波成分に対してはある程度の平滑化を行いつつ、低周波成分に対してはある程度の鮮鋭化を行うフィルタをかけることによって、網点とも文字とも判定しにくい領域(写真領域または原稿の下地領域を含む)についても最適な処理を行うことができる。
階調再現処理部2550は、各領域分離結果に応じた最適なスクリーンにて階調を再現できるようにする中間調処理を施す。
[2.3.1 領域分離処理部]
領域分離処理部2400は、図5に示すように、網点判定部2410と、網点上文字領域判定部2420と、文字エッジ判定部2430と、有彩無彩判定部2440と、網点・文字判定部2450とを備える。ここで、領域分離処理部2400は、画像データとしてのRGB信号と領域分離信号とを出力する。
本実施形態では、基準とする基準平均MTF値及び基準平均標準偏差値が一律設定されているスキャナである読取部70を用いて、後述する領域分離処理における閾値を調整し、領域分離処理における閾値である領域分離基準調整値を記憶部4000に記憶しておく。そして、その領域分離基準調整値に対し、スキャナ調整時に、後述する領域分離調整値補正部2630で、当該スキャナである読取部70の平均MTF値及び平均標準偏差値を用いて、領域分離基準調整値の補正を行う。そして、領域分離処理部2400は、補正後の値である領域分離補正後調整値を用いて、すなわち機差ばらつきのない状態で、当該スキャナである読取部70でスキャンした原稿画像に対し領域分離処理を行う。
まず、入力されたRGB信号は、網点判定部2410と、文字エッジ判定部2430とに入力される。網点判定部2410は、RGB信号から注目画素が網点領域であるか否かの判定を行う。
網点判定部2410は、網点領域の有する「小領域における濃度の変動が大きい」又は「背景に比べて網点の濃度が高い」との特徴を利用して網点領域を判定する処理を実行する。注目画素を中心としたM×N(M、Nは自然数)画素のブロック内で、以下の処理1〜処理3が行われ、注目画素が網点領域に属する画素か否かが判定される。この処理はRGB色毎に個別に行われ、そのいずれかにおいて注目画素が「網点画素」と判定された場合に、網点信号として「1」が出力され、そうでない場合には「0」が出力される。
処理1:ブロック内の中央の9画素に対して平均濃度値Daveを求め、その平均値を用いてブロック内の各画素を2値化する。また、最大値Dmax、最小値Dminも同時に求める。
処理2:2値化されたデータに対して、「0」から「1」への変化点数、「1」から「0」への変化点数を、主走査方向(例えば図6)、副走査方向(例えば図7)でそれぞれ求め、それぞれK、Kとする。なお、本実施形態においては、図6,7の中央に示す斜線が施された画素を注目画素としたときに対象となる9画素分について説明する。
処理3:最大値Dmaxから平均濃度値Daveを減じた値が閾値B1より大きく(Dmax−Dave>B1)、かつ、平均濃度値Daveから最小値Dminを減じた値が閾値B2よりも大きく(Dave−Dmin>B2)、かつ、変化点数Kが閾値Tよりも大きく(K>T)、かつ、変化点数Kが閾値Tよりも大きい(K>T)ならば、「網点画素」と判定され、前記条件を満たさなければ、「非網点画素」と判定される。なお、網点領域ではないと判断され、更に後述する文字エッジ判定部2430で文字エッジ領域ではないと判断された画素は、その他領域に分離される。このとき、閾値B1、B2、T、Tは、平均濃度値Daveの値によって、高濃度用閾値・中濃度用閾値・低濃度用閾値の3種類の内のどれかが用いられる。高濃度用閾値・中濃度用閾値・低濃度用閾値をそれぞれ、B1・B1・B1、B2・B2・B2、TRH・TRM・TRL、TVH・TVM・TVLとする。これらは、さらにRGB毎に異なる閾値を持ち、例えば、Rであれば、TRHR・TRMR・TRLRと表記する。
網点上文字領域判定部2420には、網点判定部2410から、RGB信号と併せて、K及びKと、網点信号とが入力される。網点上文字領域判定部2420は、網点信号が「1」である場合に、網点上文字が存在する可能性がある領域かどうかの判定を行い、網点上文字領域信号を網点・文字判定部2450に出力する。
ここで、網点上文字領域判定は、網点判定部2410から入力されるK及びK、次の処理1〜処理3によって得られるK45及びK135を用いて行う。
処理1:ブロック内の中央の9画素に対して平均濃度値Daveを求め、その平均値を用いてブロック内の各画素を2値化する。また、最大値Dmax、最小値Dminも同時に求める。
処理2:2値化されたデータに対して、0から1への変化点数、1から0への変化点数を、例えば、図8及び図9のように45°方向、135°方向でそれぞれ求め、それぞれK45、K135とする。
処理3:網点領域のブロック内に文字領域が含まれる場合に、直交する二方向の変化点数の差が生じることを利用して、下記の数2で注目網点上文字領域であるかの判定を行う。
ここで、HT_TEXTが、1であれば、網点上文字領域であるとして網点上文字領域信号「1」を出力し、0であれば、網点上文字領域でないとして網点上文字領域信号「0」を出力する。網点判定部2410からの網点信号が「0」の場合は、上記の処理1〜処理3を行わず、網点上文字領域信号「0」を網点・文字判定部2450に出力する。
他方、文字エッジ判定部2430は、RGBデータから注目画素が文字エッジであるか否かを判定する。具体的には、図10(a)及び(b)に示す低周波エッジ検出フィルタ等により、注目画素が文字エッジであるかどうかの判定を行い、文字エッジあれば、エッジ信号として「1」を有彩無彩判定部2440に出力し、文字エッジでなければ、エッジ信号として「0」を有彩無彩判定部2440に出力する。
ここで、図10(a)は、主走査方向のエッジ量EdgeXを算出するためのフィルタ係数Filaを示す。フィルタ係数Filaは、7×7行列である。また、図10(b)は、副走査方向のエッジ量EdgeYを算出するためのフィルタ係数Filbを示す。フィルタ係数Filbは、7×7行列である。
文字エッジ判定部2430は、Gデータについて判定を行う対象の注目画素(i,j)をフィルタ係数Fila,Filbでそれぞれ畳み込み処理して、主走査方向及び副走査方向のエッジ量EdgeX(i,j),EdgeY(i,j)を算出する。
EdgeX(i,j)=Mask(i,j)*Fila
EdgeY(i,j)=Mask(i,j)*Filb
ただし、Mask(i,j)={G(i+x,j+y)},
−3≦x≦3、−3≦y≦3,{}は集合を表し、G(i,j)は画素(i,j)におけるG値である。
次に、文字エッジ判定部2430は、数3のように、エッジ量EdgeX(i,j)及びEdgeY(i,j)の平均2乗和と閾値との大小を比較することによって低周波エッジであるか否かを判断する。
すなわち、平均2乗和が、閾値THedge(例えば、「450」)以上である場合、文字エッジ判定部2430は、Edge(i,j)を1としてエッジであると判断し、「1」を出力する。他方、平均2乗和が閾値THedgeより小さい場合、文字エッジ判定部2430は、Edge(i,j)を0としてエッジでないと判断し、「0」を出力する。すなわち、
と表される。
有彩無彩判定部2440には、文字エッジ判定部2430からRGB信号と共にエッジ信号が入力される。有彩無彩判定部2440は、エッジ信号を受けて、注目画素が有彩色であるか無彩色であるかを判定し、当該判定結果に基づいて文字エッジ信号を網点文字・判定部2450に出力する。
網点・文字判定部2450は、網点判定部から入力される網点信号と、網点上文字領域判定部2420から入力される網点上文字領域信号と、有彩無彩判定部2440から入力される文字エッジ信号とを用いて、網点か通常文字か網点上文字かその他の領域かを示す領域分離信号を出力する。なお、詳細は後述する。
[2.3.2 有彩無彩判定部]
ここで、上述した有彩無彩判定部2440の詳細について、図11を用いて説明する。有彩無彩判定部2440は、図11の機能構成図に示すように、最大値算出部2441と、最小値算出部2443と、差分器2445と、比較器2447と、有彩無彩文字エッジ判定部2449とを備える。
有彩無彩判定部2440は、注目画素が有彩色であるか無彩色であるかの判定を行い、文字エッジ判定部2430からのエッジ信号が「1」であり、かつ、無彩判定であれば無彩文字を示す「0」を、有彩判定であれば有彩文字を示す「1」を出力する。また、文字エッジ判定部2430からのエッジ信号が「0」であれば、その他の領域であることを示す信号として「2」を出力する。
具体的には、RGB信号が最大値算出部2441及び最小値算出部2443に入力される。そして、最大値算出部2441及び最小値算出部2443において、注目画素のRGB信号の最大値と最小値がそれぞれ算出(検出)される。
次に、検出された最大値及び最小値が差分器2445に入力され、差分器2445において最大値と最小値の差分値が求められる。差分値は、差分器2445から比較器2447に出力される。比較器2447は、入力された差分値が閾値THと比較され、差分値が閾値TH以下の場合には無彩と判定され、そうでない場合には有彩と判定される。すなわち、注目画素におけるR・G・Bの差異が小さい場合には無彩色であると判定される。逆に、注目画素におけるR・G・Bの差異が大きい場合には有彩色であると判定される。比較結果は比較器2447から有彩無彩文字エッジ判定部2449に出力される。
有彩無彩文字エッジ判定部2449は、文字エッジ判定部2430から入力されたエッジ信号と、比較器2447から入力された有彩無彩比較結果から、図12のような文字エッジ信号を出力する。
ここで、図12について説明する。図12は、「エッジ信号」と「有彩無彩判定」とから、「文字エッジ信号」が判定可能なテーブルで、記憶部4000に格納されている。具体的には、
エッジ信号が「1」、有彩無彩判定が「0」の場合は、「0」(無彩文字)が、
エッジ信号が「1」、有彩無彩判定が「1」の場合は、「1」(有彩文字)が、
エッジ信号が「0」、有彩無彩判定が「0」の場合は、「2」(その他)が、
エッジ信号が「0」、有彩無彩判定が「1」の場合は、「2」(その他)が、
出力される。
[2.3.3 網点・文字判定部]
続いて、網点・文字判定部2450について説明する。網点・文字判定部2450は、網点判定部2410からの網点信号と、網点上文字領域判定部2420からの網点上文字領域信号と、有彩無彩判定部2440からの文字エッジ信号とを用いて、通常文字(有彩・無彩)、網点上文字(有彩・無彩)、網点上文字(有彩・無彩)2、網点、及びその他の領域分離信号の生成を行う。
この場合の判定に用いられるテーブルは、記憶部4000に格納されている。このテーブルは、図13に示すように、網点信号(例えば、「0」)と、網点上文字領域信号(例えば、「0」)と、文字エッジ信号(例えば、「0」)と、領域分離判定(例えば、「無彩通常文字」)とに対応づけて、領域分離信号(例えば、「0」、「1」、…)が記憶されているものである。
そして、このテーブルに基づいて、領域分離信号が、下流側にある黒生成下色除去部2520、空間フィルタ処理部2530、階調再現処理部2550に入力されることにより、各機能部は領域の種類に応じた適切な処理(適正化処理)を実行することができる。
[2.4 領域分離補正部]
続いて、領域分離補正部2600について説明する。領域分離補正部2600は、原則として、製造段階もしくは製造後のメンテナンス時等(調整時)に、図14に示すような領域分離補正用チャート(原稿)CHを読み取ることによって、予め基準値として設定されている領域分離基準調整値に対して補正を行う。すなわち、予め製造前に基準となる基準MTF値・基準標準偏差量を定め、その基準状態にて領域分離パラメータを調整し、領域分離基準調整値を定めておく必要がある。そして、領域分離補正部2600では、スキャナである読取部70毎に算出されたMTF値・ノイズ量により、あるいは好ましくはそれらの平均値により、領域分離基準調整値に対する補正を行う。
図14に示す領域分離補正用チャートCHには、先端、中央、後端にMTF値を算出するための黒線と白線とが等間隔で繰り返されるパターンが形成されており、かつ、それぞれ主走査方向と副走査方向の2方向のパターン対として配置されている。また、先端側と後側には、ノイズ量算出のための高濃度・中濃度・低濃度の3種類からなるグレーパッチが形成されており、このグレーパッチは読取部70の画像読取領域の左右、中央の3箇所に配置されている。このグレーパッチは、ノイズ量を正確に算出するために中間調処理の入っていない塗り潰し「べた」状態であることが望ましい。また、領域分離補正用チャートCHのサイズは、読取部70の最大読取サイズに対応したものである。
まず、領域分離補正用チャートCHを読取部70で読み取り、RGBアナログ画像信号を出力する。
読取部70からRGBアナログ信号が入力されると、A/D変換部2100によりデジタルのRGB信号に変換される。そして、A/D変換部2100から出力されたデジタルのRGB信号に対して、読取部70の照明系、結像系及び撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理をシェーディング補正部2200により実行する。
次に、入力階調補正部2300は、シェーディング補正部2200から入力されたRGB信号に対して、カラーバランスを整えると同時に、必要に応じて、濃度信号等を、カラーの画像処理装置に採用されている画像処理システムにとって扱いやすい信号に変換する処理を行う。
次に、入力階調補正部2300から出力されたRGB信号は、スキャナ特徴値算出部2620に入力される。スキャナ特徴値算出部2620は、まず、図15に示す5箇所[1]〜[5]のそれぞれでのMTF値を、主走査方向と副走査方向のそれぞれに対して下記の数4で算出する。
ここで、MAXiは、パターンの一部を拡大した図16に示すように、i番目のラインにおける画素値の最大値、MINiは、i番目のラインにおける画素値の最小値を表し、N-1番目までライン毎に、MAXi、MINiを求め、MTFの平均を算出する。Nは任意の値である。このMTF値を主走査方向・副走査方向それぞれに対し、図15の5箇所において、RGB毎に算出する。次に5箇所のMTF値の平均値をRGB毎に算出し、RGB毎の平均MTF値を出力する。RGB毎の平均MTF値をMTF、MTF、MTFとする。
同じくスキャナ特徴値算出部2620は、図17に示すように、高濃度・中濃度・低濃度グレーパッチ6箇所において、RGBそれぞれに対して標準偏差を求める。標準偏差は下記の数5で算出する。
ここで、Nは任意の画素数、xiは各画素値、mはN画素の画素値平均値を表している。そして、高濃度・中濃度・低濃度それぞれに対し、RGB毎に6箇所の標準偏差の平均値を算出し、これをノイズ量とし、高濃度・中濃度・低濃度のRGB毎の平均ノイズ量を出力する。高濃度・中濃度・低濃度のRGB毎の平均ノイズ量をそれぞれ、NHR、NHG、NHB、NMR、NMG、NMB、NLR、NLG、NLBとする。
次に、スキャナ特徴値算出部2620から出力された平均MTF値と平均ノイズ量は、領域分離調整値補正部2630に入力される。図18(a)(b)のテーブルに示すように予め平均MTF値と平均ノイズ量の値に応じた各領域分離基準調整値への補正値を定めておき、記憶部4000に記憶されている。図18(a)は、Gの平均MTFに対応するエッジ判定部の閾値THedgeに対する補正量を示すテーブルで、図18(b)は、Rの高濃度平均ノイズ量NHRに対応する網点判定部のRの高濃度用閾値TRHR,TVHRに対する補正量を示すテーブルである。なお、図18は一例であり、区分の数や値はこれに限らず、また、図18(b)以外の閾値に対しても同様のテーブルを用意する。
領域分離調整値補正部2630は、これらのテーブルによって領域分離基準調整値への補正量を求め、求めた補正量を領域分離基準調整値へ加算し、領域分離補正後調整値として出力する。補正処理後、領域分離補正後調整値を用いて領域分離処理部2400で領域分離を行うことによって、スキャナである読取部70に固有のMTF値・ノイズ量による領域分離結果のばらつきを低減することができる。
また、以上の実施形態では画像形成装置への適用例で説明したが、画像処理装置及び画像出力装置を備えた電子機器(例えば、スキャナ装置とプリンタ装置とが接続されたコンピュータ)等にも適用可能である。
次に、本発明の第2の実施形態について図19を用いて説明する。図19に示す画像形成装置は、印刷のための印刷処理部2500及び画像出力部(印刷)を備える一方、PUSHスキャンのためのPUSH処理部2700を備える。なお、第2の実施形態では、印刷のための印刷処理部2500及び画像出力部(印刷)は必須ではなく、すなわち画像読取部を備えた画像処理装置であってもよい。
PUSHスキャンは、画像データとしてそのまま保存する場合、あるいは他の部材、例えば外部のプリンタやプリンタを備える外部機器、端末に画像データを転送する場合を想定したもので、画像データはPUSH処理部2700に出力される。
まず、PUSH処理部2700について説明する。第1の実施形態の場合と同様に、調整時にスキャナ特徴値算出部2620及び領域分離調整値補正部2630によって領域分離補正後調整値が得られて記憶され、その後の原稿読み取り時に、領域分離処理部2400が、領域分離補正後調整値を用いて領域分離を適正に行う。次いで、領域分離処理部2400から出力されたRGB信号は、色補正部2710に入力される。色補正部2710は、色再現の忠実化実現のために、色補正を行う処理を実行し、色空間を変更せずにRGB信号を出力する。
さらに、色補正部2710から出力されたRGB信号は、空間フィルタ処理部2720に入力される。空間フィルタ処理部2720は、入力されたRGB信号の画像データに対し、領域分離処理部2400による領域分離結果を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけやモアレを低減させる処理を実行する。かかる処理の施されたRGB信号(画像データ)は、外部に出力する場合、画像出力部(PUSH)に送信される。第2の実施形態によれば、画像形成機能部を一体で備えている必要はなく、画像形成部を外部機器とした別体態様にも適用可能となる。
また、第1の実施形態では、光学的な画像入力装置として、スキャナであるカラー画像の読取部70を例示したが、第3の実施形態として、電子スチルカメラ等の撮像装置であってもよい。これによれば、電子スチルカメラの光学的特性に関する機差ばらつきを考慮して適正化された領域分離処理を行うことで、撮像被写体である原稿に複数の種別の画像が混在していても、それぞれに応じた適正な処理が可能となる。
また、領域分離補正用チャートCHは、図14の形態に限定されず、パターン、グレーパッチ共に、それらの配置位置、個数、形状は適宜の形態が採用可能である。
また、本実施形態においては、各機能部をソフトウェア(プログラム)で実現してもよい。この場合、同一の処理をプログラムで実現し、記憶部に記憶する。そして、制御部がプログラムを読み出して実行することにより、プログラムと各機能部(ハードウェア)とが協働して具体的に処理を実現することとなる。
また、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
70 読取部
1000 制御部
2000 画像処理部
2400 領域分離処理部(領域分離手段)
2410 網点判定部
2420 網点上文字領域判定部
2430 文字エッジ判定部
2440 有彩無彩判定部
2450 網点・文字判定部
2500 印刷処理部(適正化処理手段)
2600 領域分離補正部
2620 スキャナ特徴値算出部(補正値取得手段、光学特徴値算出手段)
2630 領域分離基準調整値補正部(補正値取得手段)
2700 PUSH処理部
4000 記憶部(記憶部)
CH 領域分離補正用チャート(調整用チャート)

Claims (7)

  1. 光学的な画像入力装置から入力された画像情報を領域分離基準調整値と照合して画像種別に応じた領域を示す領域分離信号を生成する領域分離手段と、前記画像入力装置の調整時に取得した当該画像入力装置固有のMTF(Modulation Transfer Function)値及びノイズ量である光学特徴値であって前記領域分離基準調整値を補正するための光学的特徴値を得て記憶部に格納する補正値取得手段とを備え、
    前記補正値取得手段は、前記調整時に前記画像入力装置から入力された調整用チャートの画像情報から前記光学特徴値を算出する光学特徴値算出手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記領域分離手段は、前記ノイズ量で補正された閾値を用いて注目画素が網点領域に属する画素か否かを判定する網点判定手段と、網点領域に対して網点上文字が存在する可能性があるか否かを判定する網点上文字領域判定手段と、前記MTF値で補正された閾値を用いて文字エッジか否かを判定し、文字エッジか否か、網点領域か否か、及び網点上文字が存在する可能性があるか否かの情報から網点領域か文字領域かを判定する網点・文字判定手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記調整用チャートは、MTF値を求めるためのパターンと、ノイズ量を求めるためのグレーパッチを含む請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記光学特徴値は、前記調整用チャート上に複数作成された、それぞれ同一のチャート部のそれぞれから得られるMTF値及びノイズ量の平均値である請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 前記記憶部に格納された前記光学特徴値を用いて、前記領域分離基準調整値を補正する補正手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置と、入力画像を記録紙に出力する画像出力部と、前記記憶部に格納された前記光学特徴値を用いて前記領域分離基準調整値を補正する補正手段と、前記補正手段で得られた領域分離補正後調整値を前記領域分離手段による領域分離に用いることによって分離された各領域の画像に対して適正化処理を施して出力部に導く適正化処理手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 光学的な画像入力装置から入力された画像情報に領域分離基準調整値を照合して画像種別に応じた領域を示す領域分離信号を生成し、前記領域分離信号を用いて領域毎に適正化処理を施して記録用紙に画像を出力する画像形成方法において、
    前記画像入力装置の調整時に当該画像入力装置から入力された調整用チャートの画像情報から固有のMTF値及びノイズ量である光学特徴値であって前記領域分離基準調整値を補正するための光学特徴値を得て記憶部に格納する補正値取得行程と、
    前記記憶部に格納された前記光学特徴値を用いて前記領域分離基準調整値を補正する補正行程と、
    前記補正行程で得られた領域分離補正後調整値を前記領域分離の処理に用いることによって分離された各領域の画像に対して適正化処理を施して出力部に導く適正化処理行程とを備えた画像形成方法。
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