JP2015070426A - 画像処理装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】より高精度に被写体を検出することができるようにする。【解決手段】複数の各被写体検出部は、供給された画像から被写体領域を検出する被写体検出処理を行う。被写体領域決定部は、複数回の被写体検出処理のそれぞれで検出された被写体領域に基づく多数決処理によって、最終的な被写体領域を決定する。例えば、複数回の被写体検処理として、互いに異なる解像度の画像に対する同じ処理内容の被写体検出処理や、同じ解像度の画像に対する互いに異なる処理内容の被写体検出処理が行われる。本技術は、デジタルスチルカメラに適用することができる。【選択図】図2

Description

本技術は画像処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、より高精度に被写体を検出することができるようにした画像処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
近年のカメラでは、各種認識技術により撮影者にとっての主要な被写体を把握し、その被写体を中心とした各種撮影サポートを行う機能が実現されている。例えば、撮影サポートとして、フォーカス制御や、明るさ調整、色の調整などが行われている。
また、撮影された画像から被写体を検出する技術として、複数フレームから被写体を検出し、それらの検出結果の安定度を用いて画像上の主要被写体を特定する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−120949号公報
ところで、上述した撮影サポート機能では、被写体の領域を正確に検出することが性能向上に直接つながることになる。
しかしながら、上述した技術では、様々なシチュエーションにわたって正確に被写体の領域を抽出することは困難であり、オート性能はもちろん、付加価値向上につながる表示ユーザインターフェースにとっても表現の幅を狭める大きな制約となっていた。そのため、被写体の検出精度の向上が望まれている。
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より高精度に被写体を検出することができるようにするものである。
本技術の一側面の画像処理装置は、被写体検出処理を行って入力画像から被写体領域を検出する被写体検出部と、複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域に基づく多数決処理によって、最終的な前記被写体領域を決定する被写体領域決定部とを備える。
前記被写体領域決定部には、前記複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域のそれぞれについて、2つの前記被写体領域同士の重複度を算出する重複判定部と、前記重複度に基づいて前記多数決処理により前記最終的な前記被写体領域を決定する多数決判定部とを設けることができる。
前記重複判定部には、前記重複度に基づいて前記被写体領域同士が重複しているか否かを判定させ、前記多数決判定部には、前記重複判定部による判定によって得られる、前記被写体検出処理で得られた前記被写体領域の他の被写体検出処理で得られた前記被写体領域との重複数に基づいて前記多数決処理を行わせるようにすることができる。
前記多数決判定部には、前記重複数が最も大きい前記被写体領域を、前記最終的な前記被写体領域とさせることができる。
前記多数決判定部には、前記重複数に基づいて信頼度の低い前記被写体領域を除外させ、除外されずに残った前記被写体領域に基づいて、前記最終的な前記被写体領域を求めさせるようにすることができる。
前記複数回の前記被写体検出処理として、互いに異なる複数の解像度の前記入力画像に対する同じ前記被写体検出処理が行われるようにすることができる。
前記複数回の前記被写体検出処理として、同じ前記入力画像に対する互いに異なる前記被写体検出処理が行われるようにすることができる。
画像処理装置には、前記多数決処理により前記最終的な前記被写体領域が得られない場合、前記複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域の信頼度に基づいて、複数の前記被写体領域から前記最終的な前記被写体領域を決定する信頼度判定部をさらに設けることができる。
本技術の一側面の画像処理方法またはプログラムは、被写体検出処理を行って入力画像から被写体領域を検出し、複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域に基づく多数決処理によって、最終的な前記被写体領域を決定するステップを含む。
本技術の一側面においては、被写体検出処理を行って入力画像から被写体領域が検出され、複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域に基づく多数決処理によって、最終的な前記被写体領域が決定される。
本技術の一側面によれば、より高精度に被写体を検出することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載された何れかの効果であってもよい。
撮像装置の構成例を示す図である。 カメラ信号処理部の構成例を示す図である。 被写体情報出力処理を説明するフローチャートである。 重複度の算出について説明する図である。 被写体情報出力処理を説明するフローチャートである。 カメラ信号処理部の構成例を示す図である。 被写体情報出力処理を説明するフローチャートである。 コンピュータの構成例を示す図である。
以下、図面を参照して、本技術を適用した実施の形態について説明する。
〈第1の実施の形態〉
〈撮像装置の構成例〉
まず、本技術の概要について説明する。
本技術では、被写体の検出対象となる画像に対して、画像から被写体を検出する被写体検出処理が複数回行われる。例えば、複数回の被写体検出処理として、解像度の異なる複数の画像のそれぞれに対する同じ被写体検出処理が行われる。
ここで、各解像度の画像に対する被写体検出処理による被写体の検出結果は、処理が同じであるため、本来であれば全ての解像度の画像で同じ検出結果が得られることが期待される。しかしながら、実際には被写体や被写体周囲の状況によって、所定の解像度の画像では誤検出が生じることもある。一般的には、1つの被写体検出結果について、その検出結果が正しいか否かを判別することは困難である。
そこで、本技術では、各解像度で全て同じ被写体検出処理を行い、その検出結果の多数決を取ることで間違った検出結果、つまり誤検出を検出してそれを除外し、通常の被写体検出処理を行う場合よりも高精度に被写体を検出できるようになされている。
次に、本技術を適用した具体的な実施の形態について説明する。図1は、本技術を適用した撮像装置の構成例を示す図である。例えば撮像装置は、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどからなる。
図1に示す撮像装置11は、光学系21、撮像素子22、AFE(Analog Front End)部23、カメラDSP(Digital Signal Processor)部24、メモリ装置25、モニタ26、記録メディア27、制御部28、操作部29、フラッシュ30、およびドライバ31を有している。撮像装置11では、光学系21を介して入力される画像がデジタル処理されて記録されるようになされている。
光学系21は、被写体から入射した光を撮像素子22の撮像面に集光するためのレンズ、レンズを移動させてフォーカス合わせやズーミングを行なうための駆動機構、開閉操作により被写体からの光を所定時間だけ撮像素子22に入射させるシャッタ機構、被写体からの光線束の方向並びに範囲を限定するアイリス(絞り)機構などから構成される。
ドライバ31は、制御部28からの制御信号に基づいて、光学系21内の各機構の駆動、例えば被写体へのフォーカス合わせやアイリス駆動を制御する。
撮像素子22は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子からなり、光学系21を介して被写体から入射した光を受光して光電変換し、その結果得られた電気信号をAFE部23に供給する。
AFE部23は、CDS/AGC/ADCブロック41、タイミングジェネレータ42、およびVドライバ43を備えており、例えば1つのIC(Integrated Circuit)チップとして構成される。
CDS/AGC/ADCブロック41は、撮像素子22から供給された電気信号に対して、相関二重サンプリングやサンプルホールド、自動利得制御、AD(Analog/Digital)変換などの処理を施して、その結果得られたデジタル画像信号を出力する。このようにして得られたデジタル画像信号が、撮像装置11により撮影された撮影画像の画像データである。
タイミングジェネレータ42は、撮像素子22を駆動するためのタイミングパルス信号を生成する。そして、Vドライバ43は、このタイミングパルス信号に従って、撮像素子22の各画素の電荷を垂直方向にライン単位で出力するための駆動信号を出力する。
カメラDSP部24は、カメラ信号処理部44、解像度変換部45、画像コーデック処理部46、メモリ制御部47、表示制御部48、メディア制御部49、およびバス・インターフェース・ユニット(BIU)50を備えている。
カメラ信号処理部44は、AFE部23から供給された画像データに対して、欠陥画素補正やデジタル・クランプ、デジタル・ゲイン制御などの前処理を施した後、ホワイトバランス調整や明るさの調整、コントラスト調整などを施す。
解像度変換部45は、撮影画像をモニタ26にスルー画像として表示出力するか、または動画像若しくは静止画像として記録メディア27に保存するか等に応じて、画像のサイズの変更を行なう。
画像コーデック処理部46は、撮影画像の画像データに対して所定の符号化方式で符号化圧縮処理を行う。メモリ制御部47は、撮影画像などのデータを、フレーム・バッファとして使用するメモリ装置25に対して書き込んだり、メモリ装置25からデータを読み出したりするためのアクセス動作を制御する。
メディア制御部49は、記録メディア27へのデータの書き込みや読み出し、具体的には動画像データや静止画像データの記録および再生を行なう。
モニタ26は、例えば液晶表示パネルなどから構成される。表示制御部48は、モニタ26の駆動を制御し、カメラ信号処理部44から出力された画像データ(スルー画像)や、メモリ装置25に保持されている画像データを、モニタ26に表示するための信号に変換して、モニタ26に出力する。
カメラDSP部24は、バス・インターフェース・ユニット50を介して制御部28に接続されている。制御部28は、CPU(Central Processing Unit)51、主記憶メモリであるRAM(Random Access Memory)52、および各種の情報を不揮発的に保持するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM(Read Only Memory))53から構成される。
CPU51は、ユーザ操作に応じて撮像装置11全体の動作を統括的に制御する。例えば、CPU51はフラッシュ30を制御して発光させ、被写体に光を照射させたり、ドライバ31を制御してフォーカス制御をさせたりする。また、CPU51には、ユーザが指示入力を行なうための操作機能や、スピーカやLED(Light Emitting Diode)ランプなどの出力機能を備えた操作部29が接続されている。
〈カメラ信号処理部の構成例〉
また、カメラ信号処理部44では、撮影により得られた撮影画像から被写体を検出し、その検出結果を出力する処理が行われる。このような被写体検出を行うカメラ信号処理部44の機能の構成は、例えば図2に示す構成とされる。
図2は、カメラ信号処理部44の機能的な構成を示す図である。図2では、カメラ信号処理部44は、被写体検出部81−1乃至被写体検出部81−3、被写体領域決定部82、信頼度判定部83、および出力部84を有している。
被写体検出部81−1乃至被写体検出部81−3には、それぞれ解像度、すなわち大きさの異なる撮影画像が入力画像として供給される。
例えば、被写体検出部81−1には、AFE部23から撮影により得られた撮影画像(以下、高解像度画像とも称する)が供給される。また、被写体検出部81−2には、解像度変換部45が撮影画像に対する解像度変換を行うことにより得られた、もとの撮像画像である高解像度画像よりも解像度の低い画像(以下、中解像度画像とも称する)が供給される。
さらに、被写体検出部81−3には、解像度変換部45が撮影画像に対する解像度変換を行うことにより得られた、中解像度画像よりも解像度の低い画像(以下、低解像度画像とも称する)が供給される。
被写体検出部81−1乃至被写体検出部81−3は、供給された高解像度画像、中解像度画像、および低解像度画像に対して被写体検出処理を行って、それらの画像から被写体を検出し、その検出結果を被写体領域決定部82および信頼度判定部83に供給する。
なお、以下、被写体検出部81−1乃至被写体検出部81−3を特に区別する必要のない場合、単に被写体検出部81とも称することとする。ここで、各被写体検出部81では、同じアルゴリズムで被写体検出が行われる。換言すれば、各被写体検出部81では、処理対象となる画像の解像度のみが異なるだけで、同じ被写体検出処理が行われる。
被写体領域決定部82は、被写体検出部81から供給された各解像度の画像についての被写体の検出結果に基づいて、多数決処理により撮影画像上の最終的な被写体の領域を決定し、出力部84に供給する。なお、以下、画像上の被写体の領域を被写体領域とも称することとする。
被写体領域決定部82は、重複判定部91および多数決判定部92を備えている。
重複判定部91は、被写体検出部81から供給された被写体の検出結果に基づいて、重複判定処理を行う。
例えば重複判定部91は、各解像度の画像のうちの任意の2つの画像について、それらの画像から検出された被写体領域同士が重なっている度合いを重複度合いとして算出し、2つの画像上の被写体領域が重複しているか否か、つまり重なっているかを判定する重複判定処理を行う。重複判定部91は、2つの異なる解像度の画像の組み合わせとして取り得る全ての組について、重複判定処理を行い、その判定結果と、各解像度の画像の被写体検出結果とを多数決判定部92に供給する。
したがって、N個の異なる解像度の画像がある場合には、重複判定処理は回だけ行われる。ここでは、高解像度画像、中解像度画像、および低解像度画像という3つの異なる解像度の画像が処理されるのでN=3であり、=3回の重複判定処理が行われることになる。
多数決判定部92は、重複判定部91から供給された重複判定の結果と、被写体検出の結果とに基づいて多数決判定を行って、最終的な被写体領域を求めて出力部84に供給する。また、多数決判定部92は、多数決判定によって最終的な被写体領域を得ることができない場合には、被写体検出の信頼度に基づいて被写体領域を決定する処理の実行を信頼度判定部83に指示する。
信頼度判定部83は、多数決判定部92の指示に応じて、被写体検出部81における被写体の検出結果の信頼度に基づいて最終的な被写体領域を決定し、その決定結果を出力部84に供給する。信頼度判定部83は、低解像度判定部93、中解像度判定部94、および高解像度判定部95を備えている。
低解像度判定部93は、多数決判定部92の指示に従って、被写体検出部81−3から供給された低解像度画像からの被写体の検出結果に基づいて、その検出結果の信頼度判定を行う。低解像度判定部93は、信頼度判定の結果、低解像度画像の被写体検出の結果が十分信頼できるものである場合、つまり十分に大きい信頼度である場合、低解像度画像の被写体検出の結果を最終的な被写体領域として出力部84に供給する。また、低解像度判定部93は、信頼度判定の結果、低解像度画像の被写体検出の結果が十分信頼できるものでない場合、中解像度判定部94に信頼度判定の実行を指示する。
中解像度判定部94は、低解像度判定部93の指示に従って、被写体検出部81−2から供給された中解像度画像からの被写体の検出結果に基づいて信頼度判定を行い、その結果が十分信頼できるものである場合、中解像度画像の被写体検出の結果を最終的な被写体領域として出力部84に供給する。また、中解像度判定部94は、信頼度判定の結果、中解像度画像の被写体検出の結果が十分信頼できるものでない場合、高解像度判定部95に信頼度判定の実行を指示する。
高解像度判定部95は、中解像度判定部94の指示に従って、被写体検出部81−1から供給された高解像度画像からの被写体の検出結果に基づいて信頼度判定を行い、その結果が十分信頼できるものである場合、高解像度画像の被写体検出の結果を最終的な被写体領域として出力部84に供給する。また、高解像度判定部95は、信頼度判定の結果、高解像度画像の被写体検出の結果が十分信頼できるものでない場合、撮影画像から被写体が十分な信頼度で検出されなかった旨を示す情報を出力部84に供給する。
出力部84は、多数決判定部92または信頼度判定部83から供給された被写体領域を示す情報を、最終的な被写体領域を示す被写体情報として出力する。
〈被写体情報出力処理の説明〉
続いて、撮像装置11の動作について説明する。
例えば撮像装置11は、ユーザにより被写体の撮影が指示されると、被写体を撮影して撮影画像を得る。すなわち、光学系21は、被写体から入射した光を集光して撮像素子22に入射させ、撮像素子22は光学系21から入射した光を受光して光電変換し、その結果得られた信号をCDS/AGC/ADCブロック41に供給する。
CDS/AGC/ADCブロック41は、撮像素子22から供給された信号に対して、相関二重サンプリングなどの処理を施した後、各処理が施された信号をデジタル信号である画像データに変換してカメラ信号処理部44に供給する。また、カメラ信号処理部44は、CDS/AGC/ADCブロック41から供給された撮影画像の画像データに対して、適宜、前処理を施した後、撮影画像を被写体検出部81−1に供給するとともに、解像度変換部45に供給する。
このようにして撮影画像が得られると、撮像装置11は、撮影画像から被写体領域を検出して、その検出結果を示す被写体情報を出力する被写体情報出力処理を開始する。以下、図3のフローチャートを参照して、撮像装置11による被写体情報出力処理について説明する。
ステップS11において、解像度変換部45は、カメラ信号処理部44から供給された撮影画像に対する解像度変換を行う。
例えば解像度変換部45は、高解像度画像である撮影画像をダウンサンプリングして、高解像度画像よりも解像度の低い、つまりサイズの小さい中解像度画像を生成し、被写体検出部81−2に供給する。また、解像度変換部45は、高解像度画像である撮影画像をダウンサンプリングして、中解像度画像よりも解像度の低い低解像度画像を生成し、被写体検出部81−3に供給する。
ステップS12において、被写体検出部81−1乃至被写体検出部81−3は、供給された高解像度画像、中解像度画像、および低解像度画像に対して被写体検出処理を行って、その検出結果を重複判定部91および信頼度判定部83に供給する。
例えば、各解像度の画像に対する被写体検出処理では、各解像度の画像の各領域から特徴量が抽出されて、各領域における被写体らしさを示す被写体マップが生成される。また、被写体マップにおける被写体らしさの変化の度合いを示すグラディエントマップが生成されて、そのグラディエントマップに対して異なる2つの閾値により閾値処理が行われて得られたマップから被写体領域が検出される。このように被写体マップを利用して被写体を検出する手法は、例えば特開2010−266982号公報に詳細に記載されている。
なお、各解像度の画像からの被写体の検出方法は、被写体マップを利用する方法に限らず、他のどのような方法とされてもよい。例えば各解像度の画像が、低明度領域における彩度が変調された色空間である変形HSV空間の画像に変換され、この変形HSV空間における色距離等に基づいて、被写体が検出されるようにしてもよい。また、顔検出や識別器などにより被写体検出が行われてもよい。
被写体検出部81−1は、高解像度画像に対する被写体検出の結果を重複判定部91および高解像度判定部95に供給する。例えば被写体の検出結果として、高解像度画像上における被写体の領域を囲む矩形領域を示す情報、つまり被写体領域を示す情報が出力される。また、被写体検出部81−1は、被写体を検出するために高解像度画像の各領域から抽出された特徴量など、各領域における被写体らしさを示す値も高解像度判定部95に供給する。高解像度画像の各領域の被写体らしさを示す値は、信頼度判定に用いられる。
同様に、被写体検出部81−2は、中解像度画像に対する被写体検出の結果を重複判定部91および中解像度判定部94に供給するとともに、中解像度画像の各領域の被写体らしさを示す値を中解像度判定部94に供給する。また、被写体検出部81−3は、低解像度画像に対する被写体検出の結果を重複判定部91および低解像度判定部93に供給するとともに、低解像度画像の各領域の被写体らしさを示す値を低解像度判定部93に供給する。
ステップS13において、重複判定部91は、被写体検出部81から供給された被写体の検出結果に基づいて重複判定処理を行う。
具体的には、重複判定部91は、高解像度画像、中解像度画像、および低解像度画像の3つの異なる解像度の画像について、それらのうちの任意の2つの画像同士の重複度を計算する。このとき、重複度の計算は、2つの異なる解像度の画像の組み合わせとして取り得る全ての組について行われる。
例えば、同じ被写体が重なるように2つの異なる解像度の画像を並べたときに、図4に示すように被写体領域の一部分が重なっているとする。
ここで、被写体領域HR11は、処理対象となっている2つの異なる解像度の画像のうちの一方の画像についての被写体の検出結果として得られた被写体の領域を示している。また、被写体領域HR12は、処理対象の2つの異なる解像度の画像のうちの他方の画像についての被写体の検出結果として得られた被写体の領域を示している。
なお、2つの画像を重ね合わせるときには、それらの画像のサイズ(解像度)が同じ大きさとなるように画像に対する拡大処理が行われる。例えば、各画像が高解像度画像と同じサイズとなるように、中解像度画像や低解像度画像に対してアップサンプリングが行われる。
図4では、被写体領域HR11と被写体領域HR12の一部の領域が重なっている。この例では、被写体領域HR11のうち、被写体領域HR12と重なっていない(重複していない)領域が領域R1であり、被写体領域HR12と重なっている重複領域が領域R3である。また、被写体領域HR12のうち、被写体領域HR11と重なっていない領域が領域R2である。
重複判定部91は、被写体領域HR11や被写体領域HR12の面積に対して、重複領域である領域R3の面積がどの程度の大きさであるか、すなわち、被写体領域HR11と被写体領域HR12とがどの程度重なっているかを示す重複度F‐measureを算出する。
より具体的には、重複判定部91は、領域R1乃至領域R3の各領域の面積に基づいて、次式(1)を計算することにより、重複度F‐measureを算出する。
Figure 2015070426
なお、式(1)において、R1、R2、およびR3は、それぞれ図4における領域R1の面積、領域R2の面積、および領域R3の面積を示している。
重複判定部91は、全ての解像度の組み合わせについて重複度の計算を行う。この例では、高解像度画像と中解像度画像の組、高解像度画像と低解像度画像の組、および中解像度画像と低解像度画像の組について、重複度の計算が行われる。
そして、重複判定部91は求めた重複度が予め定めた閾値以上である場合、その重複度の算出対象となった2つの画像、より詳細には画像の被写体領域は重複していると判定する。重複判定部91は、各解像度の画像について、その画像と重複しているとされた他の解像度の画像の数を示す重複個数情報を、それらの解像度の画像についての重複判定の結果として、多数決判定部92に供給する。
例えば高解像度画像に注目すると、高解像度画像と中解像度画像が重複しており、高解像度画像と低解像度画像が重複していない場合には、高解像度画像の重複個数情報は「1」を示す情報となる。
重複判定部91は、各解像度の画像の重複個数情報と、被写体の検出結果、すなわち被写体領域を示す情報とを多数決判定部92に供給する。
ステップS14において、多数決判定部92は、重複判定部91から供給された重複個数情報に基づいて、互いに異なる解像度の画像上の被写体領域同士の重複があったか否かを判定する。
例えば、各解像度の画像の重複個数情報が全て「0」である場合、各解像度の画像上の被写体領域同士は重なっていないので、重複がないと判定される。
ステップS14において、重複があったと判定された場合、ステップS15において、多数決判定部92は、重複判定部91から供給された重複個数情報と被写体の検出結果とに基づいて、多数決判定処理を行う。
具体的には、多数決判定部92は各解像度の画像の重複個数情報のうち、最も大きい数を示す重複個数情報が得られた解像度の画像の被写体領域を、撮影画像(高解像度画像)から検出された最終的な被写体の領域であるとする。
そして、多数決判定部92は、その最終的な被写体領域を示す情報を出力部84に供給する。例えば、被写体領域を示す情報として、被写体領域の位置および大きさを示す情報が出力される。具体的には、画像上の被写体領域を表す矩形の一点の座標と、被写体領域を表す矩形の各辺の長さを示す情報とが被写体領域を示す情報などとされる。
各解像度の画像のうちの、被写体領域の重複がある他の解像度の画像の数が最も多い画像から検出された被写体領域は、各解像度の画像から検出された被写体領域のなかで、最も確からしいものであるということができる。そこで、多数決判定処理では、重複個数情報が最も大きい画像の被写体領域が、最終的な被写体領域として採用される。換言すれば、重複個数情報に基づく多数決によって被写体領域が決定される。
なお、重複個数情報が最も大きい画像が複数ある場合には、多数決判定部92は、それらの最も大きい重複個数情報を有する画像のうち、解像度が最も低い画像の被写体領域を、最終的な被写体領域として採用する。例えば、各解像度の画像のうち、高解像度画像と中解像度画像の重複個数情報が最大となるときには、中解像度画像の被写体領域が最終的な被写体領域として採用される。
これは解像度変換を行うと、解像度の低い画像ほどノイズが少なくなるので、被写体領域の検出精度がより高くなるためである。より解像度の大きい画像では小さい被写体の検出精度は高いが、大きい被写体の検出は不得手であり、より解像度の低い画像では、被写体の領域の大きさによらず、安定してある程度高い精度で被写体領域を検出できることが知られている。また、同様の理由から後述する信頼度判定においても、より解像度の低い画像から順番に処理が行われる。
多数決判定処理が行われると、その後、処理はステップS22へと進む。
また、ステップS14において、重複がないと判定された場合、多数決判定処理では被写体領域を決定することができないので、多数決判定部92は、被写体検出の信頼度に基づいて被写体領域を決定する処理の実行を低解像度判定部93に指示し、処理はステップS16へと進む。なお、全ての重複個数情報が所定の閾値以下である場合に、多数決判定処理では被写体領域を決定できないとされるようにしてもよい。
ステップS16において、低解像度判定部93は、低解像度画像の信頼度が閾値以上であるか否かを判定する。
具体的には、低解像度判定部93は、被写体検出部81−3から供給された低解像度画像の各領域における被写体らしさを示す値に基づいて、低解像度画像についての被写体領域検出の信頼度を算出する。例えば、低解像度画像から検出された被写体領域内の各領域の被写体らしさを示す値と、被写体領域外にある被写体領域近傍の各領域の被写体らしさを示す値との差が大きい程、信頼度は大きくなるように信頼度が求められる。
そして、このようにして求めた信頼度が閾値以上である場合、低解像度画像についての被写体の検出結果は、十分信頼できるものであるとされる。
ステップS16において、信頼度が閾値以上であると判定された場合、ステップS17において、低解像度判定部93は、低解像度画像の被写体検出の結果を最終的な被写体領域として出力部84に供給する。すなわち、被写体領域を示す情報が出力部84に供給される。被写体領域が出力されると、その後、処理はステップS22へと進む。
一方、ステップS16において信頼度が閾値以上でないと判定された場合、低解像度画像についての被写体の検出結果は十分信頼できるものではないので、低解像度判定部93は中解像度判定部94に信頼度判定の実行を指示し、処理はステップS18へと進む。
ステップS18において、中解像度判定部94は、中解像度画像の信頼度が閾値以上であるか否かを判定する。
具体的には、中解像度判定部94は、被写体検出部81−2から供給された中解像度画像の各領域における被写体らしさを示す値に基づいて、低解像度画像における場合と同様の計算により信頼度を算出し、予め定めた閾値と比較する。
ステップS18において、信頼度が閾値以上であると判定された場合、ステップS19において、中解像度判定部94は、中解像度画像の被写体検出の結果を最終的な被写体領域として出力部84に供給する。被写体領域が出力されると、その後、処理はステップS22へと進む。
これに対して、ステップS18において信頼度が閾値以上でないと判定された場合、中解像度画像についての被写体の検出結果は十分信頼できるものではないので、中解像度判定部94は高解像度判定部95に信頼度判定の実行を指示し、処理はステップS20へと進む。
ステップS20において、高解像度判定部95は、高解像度画像の信頼度が閾値以上であるか否かを判定する。
具体的には、高解像度判定部95は、被写体検出部81−1から供給された高解像度画像の各領域における被写体らしさを示す値に基づいて、低解像度画像における場合と同様の計算により信頼度を算出し、予め定めた閾値と比較する。
ステップS20において、信頼度が閾値以上であると判定された場合、ステップS21において、高解像度判定部95は、高解像度画像の被写体検出の結果を最終的な被写体領域として出力部84に供給する。被写体領域が出力されると、その後、処理はステップS22へと進む。
一方、ステップS20において信頼度が閾値以上でないと判定された場合、全ての解像度の画像についての被写体の検出結果は十分信頼できるものではないので、高解像度判定部95は、撮影画像から十分な信頼度で被写体が検出されなかった旨の情報を出力部84に供給する。そして、その後、処理はステップS22へと進む。
ステップS15、ステップS17、ステップS19、若しくはステップS21において被写体領域が出力されたか、またはステップS20において信頼度が閾値以上でないと判定され、十分な信頼度で被写体が検出されなかった旨の情報が出力されると、ステップS22の処理が行われる。
すなわち、ステップS22において、出力部84は、多数決判定部92、低解像度判定部93、中解像度判定部94、または高解像度判定部95から供給された被写体領域を示す情報を、最終的な被写体領域を示す被写体情報として出力し、被写体情報出力処理は終了する。なお、十分な信頼度で被写体が検出されなかった旨の情報が供給された場合、出力部84は、被写体が検出されなかった旨の情報を出力する。
出力部84から出力された被写体情報は、撮像装置11の各部において利用される。
例えば、CPU51は出力部84から供給された被写体情報に基づいてドライバ31を制御し、撮影画像上の被写体にピントが合うようにフォーカス制御を行わせる。また、例えばカメラ信号処理部44は、出力部84から出力された被写体情報に基づいて、撮影画像上の被写体の領域内の明るさやホワイトバランスが一定になるように、撮影画像に対する明るさ調整やホワイトバランス調整を行って、それらの調整が行われた撮影画像を表示制御部48やメディア制御部49に出力する。その他、被写体情報は、被写体領域内の色味の調整など、どのようなものに利用されてもよい。
以上のようにして、撮像装置11は、解像度の異なる複数の画像に対して被写体検出処理を行い、その検出結果の重複度合いを求めるとともに、得られた重複度合いに基づいて多数決判定を行い、最終的な被写体領域を決定する。また、撮像装置11は、多数決判定で被写体領域を決定することができない場合には、各解像度の画像の信頼度に基づいて、最終的な被写体領域を決定する。
このように多数決判定を行うことで、多数決により他の解像度の画像との重複が少ない検出結果、すなわち誤検出を排除し、より高精度に被写体を検出することができる。また、多数決判定で被写体領域を決定できないときにも、各解像度の信頼度に基づいて被写体領域を決定することで、十分な精度で被写体を検出することができる。
したがって、被写体を検出することが困難なシーン、例えば前景と背景の色が類似しているシーンや、いくつかの被写体が重なっているようなシーンなどにおいても、高精度に被写体を検出することができるようになる。
また、高精度に被写体を検出できるようになることで、これまでフォーカスを合わせにくかったシーンにおいても、高精度の自動合焦を実現することができ、また色味を合わせることが困難であったシーンでも自動色補正の実現が可能となる。そのため、ユーザは、より簡単に見栄えの良い画像を撮影することができるようになる。
さらに、高精度に被写体を検出できるようになることで、その検出結果を積極的に表示ユーザインターフェースに利用することができ、ユーザに対してインテリジェントなインターフェースを提供することができるようになる。
〈第2の実施の形態〉
〈被写体情報出力処理の説明〉
なお、以上においては、多数決判定部92における多数決判定により、各解像度の画像の被写体検出の結果のなかから、尤もらしい結果を選択する例について説明したが、いくつかの検出結果に基づいて、被写体領域を算出するようにしてもよい。すなわち、多数決判定により、信頼度の低い検出結果を除外し、残った検出結果が用いられて最終的な被写体領域が求められるようにしてもよい。
そのような場合、撮像装置11は、例えば図5に示す被写体情報出力処理を行う。以下、図5のフローチャートを参照して、撮像装置11による被写体情報出力処理について説明する。なお、ステップS51乃至ステップS54の処理は、図3のステップS11乃至ステップS14の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS54において、重複があったと判定されると、ステップS55において、多数決判定部92は、多数決判定により重複のない検出結果を除外する。
すなわち、多数決判定部92は、重複判定部91から供給された重複個数情報に基づいて、各解像度の画像の被写体の検出結果のうち、重複個数情報が「0」である検出結果を除外する。ここで、重複個数情報が「0」である解像度の画像から検出された被写体領域は、他のどの解像度の画像から検出された被写体領域とも重なっていないので、その被写体領域の検出結果は誤検出である可能性が高い。
逆に、他の解像度の画像から検出された被写体領域との重複のある被写体検出結果は、誤検出である可能性は低い。そこで、多数決判定部92では、重複個数情報に基づく多数決判定により信頼度の低い被写体検出結果が除外され、除外されずに残った、他の解像度の画像から検出された被写体領域との重複のある被写体検出結果に基づいて、最終的な被写体領域が求められる。
ステップS56において、多数決判定部92は、除外されずに残った被写体検出結果に基づいて、検出結果の加重平均を求めることで、最終的な被写体領域を求める。すなわち、除外されていない各被写体領域を加重平均することで得られた新たな1つの矩形領域が、最終的な被写体領域とされる。加重平均の計算では、各被写体領域の対応する辺の位置の重みつき平均値が求められ、得られた位置が最終的な被写体領域の対応する辺の位置とされる。ここで、各被写体領域に対する重みは、例えば重複個数情報により示される値(数)が大きい被写体領域ほど大きくなるようにされる。
このようにして最終的な被写体領域が求められると、多数決判定部92は、その最終的な被写体領域を示す情報を出力部84に供給し、処理はステップS63に進む。
ステップS56において加重平均により被写体領域が求められると、その後、ステップS57乃至ステップS63の処理が行われて被写体情報出力処理は終了するが、これらの処理は図3のステップS16乃至ステップS22の処理と同様であるので、その説明は省略する。
以上のようにして、撮像装置11は、解像度の異なる複数の画像に対して被写体検出処理を行い、その検出結果の重複度合いを求めるとともに、多数決判定により得られた重複度合いに基づいて被写体の検出結果の加重平均を求め、最終的な被写体領域とする。また、撮像装置11は、多数決判定で被写体領域を決定することができない場合には、各解像度の画像の信頼度に基づいて、最終的な被写体領域を決定する。
このように加重平均により最終的な被写体領域を求めることでも、確からしい検出結果のみを用いて、より高精度に被写体を検出することができる。また、多数決判定で被写体領域を決定できないときにも、各解像度の信頼度に基づいて被写体領域を決定することで、十分な精度で被写体を検出することができる。
なお、ここではいくつかの被写体検出結果を用いて最終的な被写体領域を求める例として、加重平均を求める場合について説明したが、その他、どのような方法により最終的な被写体領域を求めてもよい。
例えば、除外されずに残った複数の検出結果から、それらの検出結果としての被写体領域全てを含む1つの矩形領域が、最終的な被写体領域とされてもよい。また、例えば除外されずに残った全ての被写体領域が重なっている領域、つまり全ての解像度の画像において被写体の領域であるとされた領域のみが最終的な被写体領域とされるようにしてもよい。
さらに、重複個数情報が所定の数以上である解像度の画像から検出された被写体領域のみが用いられて、最終的な被写体領域が求められるようにしてもよい。また、重複個数情報が大きい順に所定数の被写体領域を選択し、それらの被写体領域から最終的な被写体領域が求められるようにしてもよい。
〈第3の実施の形態〉
〈カメラ信号処理部の構成例〉
さらに、以上においては、被写体の検出対象となる画像に対して行われる複数回の被写体検出処理として、解像度の異なる画像のそれぞれに対する同じ処理内容の被写体検出処理が行われる例について説明した。しかし、複数回の被写体検出処理として、同じ解像度の画像に対して、互いに異なる処理内容の複数の被写体検出処理が行われるようにしてもよい。
そのような場合、カメラ信号処理部44は、例えば図6に示すように構成される。なお、図6において、図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図6に示すカメラ信号処理部44は、被写体検出部121−1乃至被写体検出部121−3、被写体領域決定部82、信頼度判定部83、および出力部84を有している。
被写体検出部121−1乃至被写体検出部121−3には、同じ解像度の撮影画像、すなわち同じ高解像度画像が供給される。
被写体検出部121−1乃至被写体検出部121−3は、供給された撮影画像に対して被写体検出処理を行って撮影画像から被写体領域を検出し、その検出結果を被写体領域決定部82および信頼度判定部83に供給する。
なお、以下、被写体検出部121−1乃至被写体検出部121−3を特に区別する必要のない場合、単に被写体検出部121とも称することとする。
ここで、各被写体検出部121では、同じ撮影画像に対して、それぞれ異なるアルゴリズムで被写体検出が行われる。換言すれば、各被写体検出部121では、処理対象となる撮影画像は同じであるが、それぞれ異なる処理内容の被写体検出処理が行われる。これらの複数の被写体検出処理は、被写体の検出結果として同一の結果が期待される処理とされる。
以下では、各被写体検出部121により行われる被写体検出処理を区別するため、被写体検出部121−1、被写体検出部121−2、および被写体検出部121−3により行われる被写体検出処理を被写体検出処理D1、被写体検出処理D2、および被写体検出処理D3とも称することとする。
また、図6に示す信頼度判定部83は、検出処理判定部122、検出処理判定部123、および検出処理判定部124を備えている。
検出処理判定部122は、多数決判定部92の指示に従って、被写体検出部121−3から供給された被写体検出処理D3による被写体の検出結果に基づいて、その検出結果の信頼度判定を行う。検出処理判定部122は、信頼度判定の結果、被写体検出処理D3による被写体検出の結果が十分信頼できるものである場合、被写体検出処理D3による被写体検出の結果を最終的な被写体領域として出力部84に供給する。また、検出処理判定部122は、信頼度判定の結果、被写体検出処理D3による被写体検出の結果が十分信頼できるものでない場合、検出処理判定部123に信頼度判定の実行を指示する。
検出処理判定部123は、検出処理判定部122の指示に従って、被写体検出部121−2から供給された被写体検出処理D2による被写体の検出結果に基づいて、その検出結果の信頼度判定を行う。検出処理判定部123は、信頼度判定の結果、被写体検出処理D2による被写体検出の結果が十分信頼できるものである場合、被写体検出処理D2による被写体検出の結果を最終的な被写体領域として出力部84に供給する。また、検出処理判定部123は、信頼度判定の結果、被写体検出処理D2による被写体検出の結果が十分信頼できるものでない場合、検出処理判定部124に信頼度判定の実行を指示する。
検出処理判定部124は、検出処理判定部123の指示に従って、被写体検出部121−1から供給された被写体検出処理D1による被写体の検出結果に基づいて、その検出結果の信頼度判定を行う。検出処理判定部124は、信頼度判定の結果、被写体検出処理D1による被写体検出の結果が十分信頼できるものである場合、被写体検出処理D1による被写体検出の結果を最終的な被写体領域として出力部84に供給する。また、検出処理判定部124は、信頼度判定の結果、被写体検出処理D1による被写体検出の結果が十分信頼できるものでない場合、撮影画像から被写体が十分な信頼度で検出されなかった旨の情報を出力部84に供給する。
〈被写体情報出力処理の説明〉
続いて、カメラ信号処理部44が図6に示す構成とされる場合における撮像装置11の動作について説明する。この場合、撮像装置11は、図7に示す被写体情報出力処理を行う。以下、図7のフローチャートを参照して、撮像装置11による被写体情報出力処理について説明する。
ステップS91において、被写体検出部121−1乃至被写体検出部121−3は、供給された撮影画像(高解像度画像)に対して被写体検出処理を行って、その検出結果を重複判定部91および信頼度判定部83に供給する。
具体的には、被写体検出部121−1は被写体検出処理D1を行って撮影画像から被写体を検出し、被写体検出部121−2は被写体検出処理D2を行って撮影画像から被写体を検出する。また、被写体検出部121−3は被写体検出処理D3を行って撮影画像から被写体を検出する。
例えば、被写体検出処理D1は被写体マップを利用して被写体を検出する処理などとされ、被写体検出処理D2は変形HSV空間における色距離に基づいて被写体を検出する処理などとされ、被写体検出処理D3は識別器を用いる処理などとされる。なお、被写体検出処理D1乃至被写体検出処理D3は、予め適宜定めておけば、どのような処理であってもよい。
また、被写体検出部121−1乃至被写体検出部121−3は、被写体を検出するために撮影画像の各領域から抽出された特徴量など、各領域における被写体らしさを示す値を検出処理判定部122乃至検出処理判定部124に供給する。
ステップS91で被写体が検出されると、その後、ステップS92乃至ステップS94の処理が行われるが、これらの処理は図3のステップS13乃至ステップS15の処理と同様であるので、その説明は省略する。
但し、ステップS94の多数決判定では、重複個数情報が最も大きい画像が複数ある場合には、多数決判定部92は、それらの最も大きい重複個数情報を有する画像のうち、予め定められた順番により定まる被写体検出処理が行われた画像の被写体領域を、最終的な被写体領域として採用する。ここで、予め定められた順番とは、被写体検出処理D3、被写体検出処理D2、および被写体検出処理D1の順番である。したがって、被写体検出処理D3乃至被写体検出処理D1の順番で、被写体の検出結果が最終的な被写体領域として選択される。なお、被写体検出処理の順番は、被写体の検出精度や用途に応じて予め定めておけばよい。
ステップS94の処理が行われると、その後、処理はステップS101へと進む。
また、ステップS93において、重複がないと判定された場合、多数決判定部92は、被写体検出の信頼度に基づいて被写体領域を決定する処理の実行を検出処理判定部122に指示し、処理はステップS95へと進む。
ステップS95において、検出処理判定部122は、被写体検出処理D3による被写体検出の信頼度が閾値以上であるか否かを判定する。
具体的には、検出処理判定部122は、被写体検出部121−3から供給された撮影画像の各領域における被写体らしさを示す値に基づいて、被写体検出処理D3による被写体領域検出の信頼度を算出する。例えば、図3のステップS16における場合と同様の計算により、信頼度が求められる。
ステップS95において、信頼度が閾値以上であると判定された場合、ステップS96において、検出処理判定部122は、被写体検出処理D3による被写体検出の結果を最終的な被写体領域として出力部84に供給する。すなわち、被写体領域を示す情報が出力部84に供給される。被写体領域が出力されると、その後、処理はステップS101へと進む。
一方、ステップS95において信頼度が閾値以上でないと判定された場合、検出処理判定部122は検出処理判定部123に信頼度判定の実行を指示し、処理はステップS97へと進む。
ステップS97において、検出処理判定部123は、被写体検出処理D2による被写体検出の信頼度が閾値以上であるか否かを判定する。
具体的には、検出処理判定部123は、被写体検出部121−2から供給された各領域における被写体らしさを示す値に基づいて、被写体検出処理D3の信頼度算出における場合と同様の計算により信頼度を算出し、予め定めた閾値と比較する。
ステップS97において、信頼度が閾値以上であると判定された場合、ステップS98において、検出処理判定部123は、被写体検出処理D2による被写体検出の結果を最終的な被写体領域として出力部84に供給する。被写体領域が出力されると、その後、処理はステップS101へと進む。
これに対して、ステップS97において信頼度が閾値以上でないと判定された場合、被写体検出処理D2による被写体の検出結果は十分信頼できるものではないので、検出処理判定部123は検出処理判定部124に信頼度判定の実行を指示し、処理はステップS99へと進む。
ステップS99において、検出処理判定部124は、被写体検出処理D1による被写体検出の信頼度が閾値以上であるか否かを判定する。
具体的には、検出処理判定部124は、被写体検出部121−1から供給された各領域における被写体らしさを示す値に基づいて、被写体検出処理D3の信頼度算出における場合と同様の計算により信頼度を算出し、予め定めた閾値と比較する。
ステップS99において、信頼度が閾値以上であると判定された場合、ステップS100において、検出処理判定部124は、被写体検出処理D1による被写体検出の結果を最終的な被写体領域として出力部84に供給する。被写体領域が出力されると、その後、処理はステップS101へと進む。
一方、ステップS99において信頼度が閾値以上でないと判定された場合、全ての被写体検出処理による検出結果は十分信頼できるものではないので、検出処理判定部124は、撮影画像から十分な信頼度で被写体が検出されなかった旨の情報を出力部84に供給する。そして、その後、処理はステップS101へと進む。
ステップS94、ステップS96、ステップS98、若しくはステップS100において被写体領域が出力されたか、またはステップS99において信頼度が閾値以上でないと判定され、十分な信頼度で被写体が検出されなかった旨の情報が出力されると、ステップS101の処理が行われる。
すなわち、ステップS101において、出力部84は、多数決判定部92、検出処理判定部122、検出処理判定部123、または検出処理判定部124から供給された被写体領域を示す情報を、最終的な被写体領域を示す被写体情報として出力し、被写体情報出力処理は終了する。なお、十分な信頼度で被写体が検出されなかった旨の情報が供給された場合、出力部84は、被写体が検出されなかった旨の情報を出力する。
以上のようにして、撮像装置11は、撮影画像に対して互いに異なる複数の被写体検出処理を行い、その検出結果の重複度合いを求めるとともに、得られた重複度合いに基づいて多数決判定を行い、最終的な被写体領域を決定する。また、撮像装置11は、多数決判定で被写体領域を決定することができない場合には、各被写体検出処理の信頼度に基づいて、最終的な被写体領域を決定する。
このように多数決判定を行うことで、多数決により他の解像度の画像との重複が少ない検出結果、すなわち誤検出を排除し、より高精度に被写体を検出することができる。また、多数決判定で被写体領域を決定できないときにも、各被写体検出処理の信頼度に基づいて被写体領域を決定することで、十分な精度で被写体を検出することができる。
なお、カメラ信号処理部44が図6に示す構成とされる場合においても、第2の実施の形態で説明した多数決判定により、最終的な被写体領域が決定されるようにしてもよい。
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のコンピュータなどが含まれる。
図8は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、CPU501,ROM502,RAM503は、バス504により相互に接続されている。
バス504には、さらに、入出力インターフェース505が接続されている。入出力インターフェース505には、入力部506、出力部507、記録部508、通信部509、及びドライブ510が接続されている。
入力部506は、キーボード、マウス、マイクロホン、撮像素子などよりなる。出力部507は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部508は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部509は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ510は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア511を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU501が、例えば、記録部508に記録されているプログラムを、入出力インターフェース505及びバス504を介して、RAM503にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU501)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア511に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア511をドライブ510に装着することにより、入出力インターフェース505を介して、記録部508にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部509で受信し、記録部508にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM502や記録部508に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
また、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
さらに、本技術は、以下の構成とすることも可能である。
(1)
被写体検出処理を行って入力画像から被写体領域を検出する被写体検出部と、
複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域に基づく多数決処理によって、最終的な前記被写体領域を決定する被写体領域決定部と
を備える画像処理装置。
(2)
前記被写体領域決定部は、
前記複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域のそれぞれについて、2つの前記被写体領域同士の重複度を算出する重複判定部と、
前記重複度に基づいて前記多数決処理により前記最終的な前記被写体領域を決定する多数決判定部と
を備える(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記重複判定部は、前記重複度に基づいて前記被写体領域同士が重複しているか否かを判定し、
前記多数決判定部は、前記重複判定部による判定によって得られる、前記被写体検出処理で得られた前記被写体領域の他の被写体検出処理で得られた前記被写体領域との重複数に基づいて前記多数決処理を行う
(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記多数決判定部は、前記重複数が最も大きい前記被写体領域を、前記最終的な前記被写体領域とする
(3)に記載の画像処理装置。
(5)
前記多数決判定部は、前記重複数に基づいて信頼度の低い前記被写体領域を除外し、除外されずに残った前記被写体領域に基づいて、前記最終的な前記被写体領域を求める
(3)に記載の画像処理装置。
(6)
前記複数回の前記被写体検出処理として、互いに異なる複数の解像度の前記入力画像に対する同じ前記被写体検出処理が行われる
(1)乃至(5)の何れか一項に記載の画像処理装置。
(7)
前記複数回の前記被写体検出処理として、同じ前記入力画像に対する互いに異なる前記被写体検出処理が行われる
(1)乃至(5)の何れか一項に記載の画像処理装置。
(8)
前記多数決処理により前記最終的な前記被写体領域が得られない場合、前記複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域の信頼度に基づいて、複数の前記被写体領域から前記最終的な前記被写体領域を決定する信頼度判定部をさらに備える
(1)乃至(7)の何れか一項に記載の画像処理装置。
(9)
被写体検出処理を行って入力画像から被写体領域を検出し、
複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域に基づく多数決処理によって、最終的な前記被写体領域を決定する
ステップを含む画像処理方法。
(10)
被写体検出処理を行って入力画像から被写体領域を検出し、
複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域に基づく多数決処理によって、最終的な前記被写体領域を決定する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
11 撮像装置, 44 カメラ信号処理部, 45 解像度変換部, 81−1乃至81−3,81 被写体検出部, 82 被写体領域決定部, 83 信頼度判定部, 91 重複判定部, 92 多数決判定部, 121−1乃至121−3,121 被写体検出部

Claims (10)

  1. 被写体検出処理を行って入力画像から被写体領域を検出する被写体検出部と、
    複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域に基づく多数決処理によって、最終的な前記被写体領域を決定する被写体領域決定部と
    を備える画像処理装置。
  2. 前記被写体領域決定部は、
    前記複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域のそれぞれについて、2つの前記被写体領域同士の重複度を算出する重複判定部と、
    前記重複度に基づいて前記多数決処理により前記最終的な前記被写体領域を決定する多数決判定部と
    を備える請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記重複判定部は、前記重複度に基づいて前記被写体領域同士が重複しているか否かを判定し、
    前記多数決判定部は、前記重複判定部による判定によって得られる、前記被写体検出処理で得られた前記被写体領域の他の被写体検出処理で得られた前記被写体領域との重複数に基づいて前記多数決処理を行う
    請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記多数決判定部は、前記重複数が最も大きい前記被写体領域を、前記最終的な前記被写体領域とする
    請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記多数決判定部は、前記重複数に基づいて信頼度の低い前記被写体領域を除外し、除外されずに残った前記被写体領域に基づいて、前記最終的な前記被写体領域を求める
    請求項3に記載の画像処理装置。
  6. 前記複数回の前記被写体検出処理として、互いに異なる複数の解像度の前記入力画像に対する同じ前記被写体検出処理が行われる
    請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記複数回の前記被写体検出処理として、同じ前記入力画像に対する互いに異なる前記被写体検出処理が行われる
    請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記多数決処理により前記最終的な前記被写体領域が得られない場合、前記複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域の信頼度に基づいて、複数の前記被写体領域から前記最終的な前記被写体領域を決定する信頼度判定部をさらに備える
    請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 被写体検出処理を行って入力画像から被写体領域を検出し、
    複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域に基づく多数決処理によって、最終的な前記被写体領域を決定する
    ステップを含む画像処理方法。
  10. 被写体検出処理を行って入力画像から被写体領域を検出し、
    複数回の前記被写体検出処理のそれぞれで検出された前記被写体領域に基づく多数決処理によって、最終的な前記被写体領域を決定する
    ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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