JP2015068461A - 制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動体において問題となる振動に応じて共振周波数や減衰性能を容易に変更設定可能とされた、改良された構造の制振装置を提供すること。【解決手段】長手状とされたばね部材14の一方側が振動体12に取り付けられるようになっている一方、ばね部材14の他方側にはマス部材16が取り付けられていると共に、ばね部材14の他方側およびマス部材16の少なくとも一方と振動体12との間に減衰体18が配設されている制振装置10において、ばね部材14における振動体12への取付位置とマス部材16との距離を調節するマス位置調節手段34,40と、ばね部材14における振動体12への取付位置と減衰体18との距離を調節する減衰体位置調節手段28,42との少なくとも一方を設けた。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば建築物の床などに取り付けられて衝撃音を低減するために用いられる制振装置に関するものである。
従来から、住宅などの建築物において、床の衝撃音などが問題になる場合がある。特に、複数階建ての集合住宅などでは、上階の振動による衝撃音が階下に伝搬され易く、階下の住人に不快感を与えるおそれがあった。
そこで、床の衝撃音を低減するための手段として、例えば、床の裏面に制振装置を取り付けることが提案されている。この制振装置は、例えば特開2010−230031号公報(特許文献1)に記載されているように、長手状とされたばね部材の一端が床などの振動体に取り付けられる一方、ばね部材の他端にマス部材が取り付けられた構造とされている。そして、床に飛び跳ねなどによる衝撃力が及ぼされると、床の振動エネルギーを制振装置の振動エネルギーに変換して吸収することにより、衝撃音が低減されるようになっている。
ところで、床の振動(制振対象振動)を制振装置によって効率的に低減するためには、制振装置の共振周波数を床の振動の周波数に合わせることが望ましい。そこで、一般的に、ばね部材のばね定数とマス部材の質量とを予め適切に設定することで、制振装置の共振周波数が制振対象振動の周波数に調節されている。
しかしながら、床の振動の周波数は、建築物の構造や建材によって異なることから、特定周波数にチューニングされた制振装置では、大幅な設計変更なしに構造の異なる種々の建築物に対応することが難しかった。なお、特許文献1では、ばね部材の他端と振動体との間にゴムなどの減衰体を介装することによって、制振作用を得られる周波数域が拡張されているが、建築物の構造が大きく異なる場合等には未だ充分には対応し得ないおそれもあった。
特開2010−230031号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、振動体において問題となる振動に応じて共振周波数や減衰性能を容易に変更設定可能とされた、改良された構造の制振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、長手状とされたばね部材の一方側が振動体に取り付けられるようになっている一方、該ばね部材の他方側にはマス部材が取り付けられていると共に、該ばね部材の他方側および該マス部材の少なくとも一方と該振動体との間に減衰体が配設されている制振装置において、前記ばね部材における前記振動体への取付位置と前記マス部材との距離を調節するマス位置調節手段と、該ばね部材における該振動体への取付位置と前記減衰体との距離を調節する減衰体位置調節手段との少なくとも一方を備えることを、特徴とする。
このような第一の態様に従う構造とされた制振装置によれば、マス位置調節手段を設けることにより、ばね部材に対する振動体の取付位置とマス部材の取付位置との距離を変更設定して、制振装置のマス−バネ共振系の共振周波数を簡単に調節することができる。従って、制振対象振動の周波数が異なる複数種類の振動体に対して、同一構造の制振装置で有効な制振効果を得ることができる。
一方、減衰体位置調節手段を設けることにより、ばね部材に対する振動体の取付位置と減衰体の取付位置との距離を変更設定して、制振装置のマス−バネ共振系の共振周波数や制振装置の制振効果が発揮される周波数の範囲などを簡単に調節することも可能となる。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された制振装置において、前記ばね部材の他方側と前記マス部材との少なくとも一方には該ばね部材の長手方向に長尺のマス取付用孔が形成されており、該マス取付用孔に挿通されるマス固定部材によって該ばね部材と該マス部材が相互に固定されていると共に、該マス取付用孔に対する該マス固定部材の挿通位置を該マス取付用孔の長尺方向で変更設定することによって前記マス位置調節手段が構成されるものである。
第二の態様によれば、長尺のマス取付用孔に対するマス固定部材の挿通位置を適宜に変更設定することで、ばね部材に対するマス部材の取付位置をばね部材の長手方向で連続的に或いは段階的に変更可能とされて、制振装置の共振周波数を容易にチューニングすることができる。
本発明の第三の態様は、第一の態様に記載された制振装置において、前記ばね部材の他方側と前記マス部材との少なくとも一方には複数のマス取付用孔が該ばね部材の長手方向に並んで形成されており、選択された該マス取付用孔に挿通されるマス固定部材によって該ばね部材と該マス部材が相互に固定されていると共に、該マス固定部材が挿通される該マス取付用孔を変更設定することによって前記マス位置調節手段が構成されるものである。
第三の態様によれば、複数から適宜に選択されたマス取付用孔にマス固定部材を挿通することによって、ばね部材に対するマス部材の取付位置をばね部材の長手方向で段階的に変更可能とされており、制振装置の共振周波数を容易にチューニングすることができる。しかも、各マス取付用孔が互いに独立した孔として形成されることから、マス部材のばね部材への取付位置がずれることがなく、目的とする制振性能をより安定して得ることができる。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか一つの態様に記載された制振装置において、前記ばね部材の他方側と前記マス部材との何れか一方には該ばね部材の長手方向に長尺の減衰体取付用孔が形成されていると共に、前記減衰体には取付突部が形成されており、該減衰体取付用孔に挿通される該取付突部によって該減衰体が該ばね部材と該マス部材の何れか一方に取り付けられていると共に、該減衰体取付用孔に対する該取付突部の挿通位置を該減衰体取付用孔の長尺方向で変更設定することによって前記減衰体位置調節手段が構成されるものである。
第四の態様によれば、長尺の減衰体取付用孔に対する取付突部の挿通位置を適宜に変更設定することで、ばね部材又はマス部材に対する減衰体の取付位置をばね部材の長手方向で連続的に或いは段階的に変更可能とされており、制振装置の共振周波数や制振特性を容易にチューニングすることができる。
本発明の第五の態様は、第一〜第三の何れか一つの態様に記載された制振装置において、前記ばね部材の他方側と前記マス部材との何れか一方には複数の減衰体取付用孔が該ばね部材の長手方向に並んで形成されていると共に、前記減衰体には取付突部が形成されており、選択された該減衰体取付用孔に挿通される該取付突部によって該減衰体が該ばね部材と該マス部材の何れか一方に取り付けられていると共に、該取付突部が挿通される該減衰体取付用孔を変更設定することによって前記減衰体位置調節手段が構成されるものである。
第五の態様によれば、複数から適宜に選択された減衰体取付用孔に取付突部を挿通することによって、ばね部材又はマス部材に対する減衰体の取付位置をばね部材の長手方向で段階的に変更可能とされており、制振装置の共振周波数を容易にチューニングすることができる。しかも、各減衰体取付用孔が互いに独立した孔として形成されることから、減衰体のばね部材又はマス部材への取付位置がずれることがなく、目的とする制振性能をより安定して得ることができる。
本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか一つの態様に記載された制振装置において、前記ばね部材の一方側には該ばね部材の長手方向に長尺の振動体取付用孔が形成されており、該振動体取付用孔に挿通される振動体固定部材によって該ばね部材が該振動体に取り付けられるようになっていると共に、該振動体取付用孔に対する該振動体固定部材の挿通位置を該振動体取付用孔の長尺方向で変更設定することによって前記マス位置調節手段および前記減衰体位置調節手段が構成されるものである。
第六の態様によれば、長尺の振動体取付用孔に対する振動体固定部材の挿通位置を適宜に変更設定することで、振動体に対するばね部材の取付位置をばね部材の長手方向で連続的に或いは段階的に変更可能とされている。これにより、ばね部材における振動体への取付位置からマス部材および減衰体までの距離が同時に変更設定されるようになっており、制振装置の共振周波数や制振特性を容易にチューニングすることが可能とされている。
本発明の第七の態様は、第一〜第五の何れか一つの態様に記載された制振装置において、前記ばね部材の一方側には複数の振動体取付用孔が該ばね部材の長手方向に並んで形成されており、選択された該振動体取付用孔に挿通される振動体固定部材によって該ばね部材が該振動体に取り付けられるようになっていると共に、該振動体固定部材が挿通される該振動体取付用孔を変更設定することによって前記マス位置調節手段および前記減衰体位置調節手段が構成されるものである。
第七の態様によれば、複数から適宜に選択された振動体取付用孔に振動体固定部材を挿通することによって、振動体に対するばね部材の取付位置をばね部材の長手方向で段階的に変更可能とされている。これにより、ばね部材における振動体への取付位置からマス部材および減衰体までの距離を同時に変更設定して、制振装置の共振周波数を容易にチューニングすることができる。しかも、各振動体取付用孔が互いに独立した孔として形成されることから、ばね部材の振動体への取付位置がずれることがなく、目的とする制振性能をより安定して得ることができる。
本発明の第八の態様は、第一〜第七の何れか一つの態様に記載された制振装置において、前記ばね部材の長手方向中間部分には一方側から他方側に行くに従って次第に前記振動体から離隔するテーパ部が設けられて、該ばね部材における該テーパ部よりも一方側には該振動体に取り付けられる振動体取付板部が設けられていると共に、該ばね部材における該テーパ部よりも他方側には前記マス部材が取り付けられるマス取付板部と前記減衰体が取り付けられる減衰体取付板部とが設けられており、更に該テーパ部と該振動体取付板部の幅方向両端にはリブ状立壁部が立設されているものである。
第八の態様によれば、振動体取付板部とマス取付板部および減衰体取付板部とが、テーパ部を挟んだ各一方側に設けられて、振動体取付板部が振動体に取り付けられた状態でマス取付板部および減衰体取付板部が振動体から離れて位置せしめられることから、減衰体がばね部材と振動体の間に配設可能とされると共に、ばね部材の弾性変形によるマス部材の変位が許容される。更に、テーパ部を備えて厚さ方向に屈曲乃至は湾曲する形状とされるばね部材が、リブ状立壁部によって補強されていることから、質量の大きなマス部材が共振状態で振動しても、ばね部材が塑性変形することなく弾性領域で変形して、耐久性が確保される。
本発明によれば、ばね部材における振動体への取付位置からマス部材までの距離を変更設定可能とするマス位置調節手段と、ばね部材における振動体への取付位置から減衰体までの距離を変更設定可能とする減衰体位置調節手段との少なくとも一方が設けられることによって、制振装置のマス−バネ共振系の共振周波数や制振対象振動の周波数の範囲などを、大幅な設計変更を要することなく簡単に調節することができる。
本発明の第一の実施形態としてのダイナミックダンパの正面図。 図1に示すダイナミックダンパの平面図。 図2に示すダイナミックダンパの底面図。 図2のIV−IV断面図。 図4のV−V断面図。 本発明の一実施例の測定結果を示す表。 本発明の第二の実施形態としてのダイナミックダンパの平面図。 図7に示すダイナミックダンパの正面図。 本発明の第三の実施形態としてのダイナミックダンパの平面図。 図9に示すダイナミックダンパの正面図。 本発明の別の一実施形態としてのダイナミックダンパの平面図。 本発明の第四の実施形態としてのダイナミックダンパの底面図。 図12に示すダイナミックダンパの左側面図。 図13のXIV−XIV断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明に従う構造とされた制振装置の第一の実施形態としての建築用のダイナミックダンパ10が、振動体である建築物の床12の裏面に取り付けられた状態で示されている。ダイナミックダンパ10は、図1〜5に示すように、ばね部材としての板ばね14と、板ばね14に取り付けられるマス部材16および減衰体としての当接ゴム18とを、備えている。なお、以下の説明において、上下方向とは、特に説明がない限り、床12の裏面への装着状態で略鉛直上下方向となる図1中の上下方向を言う。
より詳細には、板ばね14は、鉄やアルミニウム合金等の金属で形成されており、長手板形状を呈して、厚さ方向の弾性変形を許容されている。なお、板ばね14は、例えば、金属平板に打抜き加工とプレス加工を施すことによって、容易に得ることができる。
また、板ばね14は、長さ方向中間部分に一方から他方に向かって下傾するテーパ部20を備えている。更に、テーパ部20よりも長さ方向一方(図2中、左方)側には、略水平に広がる振動体取付板部としての床取付板部22が一体形成されており、床取付板部22には、厚さ方向に貫通する振動体取付用孔としての床取付用孔26が、相互に離隔して4つ形成されている。
更にまた、テーパ部20よりも長さ方向他方(図2中、右方)側には、床取付板部22よりも下方で略水平に広がる減衰体取付板部としてのゴム取付板部24が一体形成されている。このゴム取付板部24には、厚さ方向に貫通する減衰体取付用孔としてのゴム取付用孔28が形成されている。ゴム取付用孔28は、板ばね14の長さ方向に長尺とされたスリット状とされており、幅広の挿入部分と狭幅の括れ部分を長さ方向で交互に繰り返し有する構造とされている。
さらに、板ばね14には、一対のリブ状立壁部30,30が設けられている。リブ状立壁部30は、一体形成されたテーパ部20と床取付板部22とゴム取付板部24の幅方向両端部から下方に向かって突出するように立設されている。本実施形態では、リブ状立壁部30が下方に向かって幅方向外側に広がるように傾斜している。
更にまた、各リブ状立壁部30の下端には、それぞれマス取付板部32が一体形成されている。マス取付板部32は、テーパ部20よりも長さ方向一方側においてリブ状立壁部30の下端から幅方向外側に突出するフランジ状とされており、長さ方向で長尺のマス取付用孔34が形成されている。更に、マス取付板部32におけるマス取付用孔34の幅方向両側には、目盛36が長さ方向で所定距離ごとに刻まれている。なお、本実施形態では、リブ状立壁部30の下端から幅方向外側に突出するフランジ部が、マス取付板部32から長さ方向他方側に延び出して一体形成されている。
また、板ばね14のマス取付板部32には、マス部材16が取り付けられている。マス部材16は、略円柱形状乃至は円板形状を呈する鉄塊であって、一対のねじ穴38,38が幅方向両端部分において上面に開口している。そして、マス部材16は板ばね14のマス取付板部32の下面に重ね合わされており、板ばね14の一対のマス取付用孔34,34に挿通されたマス固定部材としてのマス取付ボルト40,40が、マス部材16の一対のねじ穴38,38の各一方に螺着されることによって、板ばね14の長さ方向他方側の端部にマス部材16が取り付けられている。なお、マス部材16は、質量を効率的に大きく確保するために、鉄等の比重の大きい材料で形成されることが望ましいが、形成材料は特に限定されない。更に、マス部材16の形状も特に限定されるものではなく、例えば多角柱形状等であっても良い。
また、板ばね14のゴム取付板部24には、当接ゴム18が取り付けられている。当接ゴム18は、略円錐台形状を呈するゴム弾性体であって、特に内部摩擦等によるエネルギー減衰作用に優れた材料が好適に採用される。更に、当接ゴム18には、取付突部42が一体形成されている。取付突部42は、当接ゴム18の大径側端部から突出しており、先端部分が基端部分よりも大径とされた略段付き円柱形状とされている。そして、当接ゴム18は、取付突部42がゴム取付板部24のゴム取付用孔28に差し入れられて、大径とされた先端部分がゴム取付用孔28の開口周縁部に係止されることにより、ゴム取付板部24に取り付けられている。かかる取付け状態において、当接ゴム18は板ばね14のゴム取付板部24から上方に突出しており、当接ゴム18の突出先端面が板ばね14の床取付板部22よりも上方に位置している。
かくの如き構造とされたダイナミックダンパ10は、床12の裏面に取り付けられる。即ち、板ばね14の一方側の端部である床取付板部22が床12の裏面に重ね合わされると共に、床取付板部22に貫通形成された複数の床取付用孔26にそれぞれ床取付ボルト44が挿通されて、それら床取付ボルト44が床12に螺着されることにより、板ばね14の床取付板部22が床12に固定されるようになっている。なお、板ばね14のテーパ部20が長さ方向一方から他方に行くに従って次第に床12の裏面から離隔するように傾斜しており、ゴム取付板部24とマス取付板部32が床12の裏面から離れて下方に位置している。また、ダイナミックダンパ10は、上階の振動による音が階下に伝わるのを抑える目的で採用されることが望ましく、好適には二階以上の床12の裏面に取り付けられる。
これにより、マス部材16が板ばね14を介して床12に弾性支持されており、板ばね14の弾性変形によってマス部材16が床12に対して上下に相対変位可能とされている。そして、板ばね14と当接ゴム18をばね成分とすると共に、マス部材16の質量をマス成分とするマス−バネ共振系がダイナミックダンパ10によって構成されて、床12に付加されている。
また、当接ゴム18が板ばね14と床12の間に配設されて、床12の裏面に当接されており、本実施形態では板ばね14と床12の間で軸方向に圧縮されている。なお、当接ゴム18は、軸方向に圧縮されることなく床12の裏面に接触(0タッチ)していても良いし、床12の裏面に対して下方に離隔していても良い。
そして、上階で人が飛び跳ねる等して、床12に上下方向の振動が入力されると、床12の振動エネルギーがダイナミックダンパ10の振動エネルギーに変換されて吸収される。これにより、床12の振動が低減されて、階下への振動エネルギーの伝搬が低減されることから、階下に伝搬される音が低減されるようになっている。なお、図中には示されていないが、一般的に、床12に対して複数のダイナミックダンパ10が分散して取り付けられる。好適には、それら複数のダイナミックダンパ10におけるマス部材16の質量の総和が、床12の質量に対して、5%〜20%程度とされることで、制振効果を有効に得ることができる。
ここにおいて、板ばね14に形成されたマス取付用孔34は、板ばね14の長さ方向に長尺のスリット構造とされている。そして、マス部材16の板ばね14に対する取付位置は、マス取付ボルト40のマス取付用孔34に対する挿通位置を板ばね14の長さ方向に変更設定することで、簡単に調節可能とされている。これにより、ダイナミックダンパ10は、板ばね14の床12に対する取付位置からマス部材16の取付位置までの距離(L1 )が、連続的に変更設定可能とされており、もって本実施形態におけるマス位置調節手段が構成されている。
かかるマス位置調節手段によって、L1 が短くなると、板ばね14の実質的な長さが短くなって、ばね定数が大きくなることから、ダイナミックダンパ10の共振周波数が高くなる。一方、L1 が長くなると、板ばね14の実質的な長さが長くなって、ばね定数が小さくなることから、ダイナミックダンパ10の共振周波数が低くなる。従って、L1 の長さを適宜に調節して設定することにより、ダイナミックダンパ10の共振周波数を調節することができる。
本実施形態では、マス取付板部32におけるマス取付用孔34の幅方向両側に目盛36が刻まれており、目盛36に対してマス部材16の位置を定めることにより、マス部材16の板ばね14に対する取付位置を容易に設定可能とされている。なお、板ばね14とマス部材16の取付位置に対する制振特性(共振周波数や減衰特性)との関係を、目盛36によって容易に把握できるようにしても良い。
また、板ばね14に形成されたゴム取付用孔28は、板ばね14の長さ方向に長尺のスリット構造とされている。そして、当接ゴム18の板ばね14に対する取付位置は、取付突部42のゴム取付用孔28に対する挿通位置を板ばね14の長さ方向に変更設定することで、簡単に調節可能とされている。これにより、ダイナミックダンパ10は、板ばね14の床12に対する取付位置から当接ゴム18の取付位置までの距離(L2 )が、容易に変更設定可能とされており、もって本実施形態における減衰体位置調節手段が構成されている。なお、図1では、L1 とL2 が同じ長さで示されているが、L1 とL2 は互いに異なっていても良い。
かかるゴム位置調節手段によって、L2 が短くなると、振動入力時に当接ゴム18の変形量が小さくなって、当接ゴム18によって発揮される減衰作用が小さくなることから、優れた振動低減効果がより狭い周波数域において発揮される。一方、L2 が長くなると、振動入力時に当接ゴム18の変形量が大きくなって、当接ゴム18によって発揮される減衰作用が大きくなることから、有効な振動低減効果がより広い周波数域において発揮される。従って、L2 の長さを適宜に調節して設定することにより、ダイナミックダンパ10の制振特性を調節することができる。
本実施形態では、ゴム取付用孔28が、幅広の挿入部分と狭幅の括れ部分とを交互に繰り返し設けられた孔断面形状とされている。そして、挿入部分に挿通された取付突部42の基端部分が、括れ部分によってゴム取付用孔28の長尺方向に位置決めされると共に、括れ部分を乗り越えてゴム取付用孔28の長尺方向に移動することで、板ばね14に対する当接ゴム18の取付位置を長さ方向で段階的に変更設定可能とされている。
なお、本実施形態では、減衰体がばね成分を有する当接ゴム18とされていることから、L2 の長さがダイナミックダンパ10の共振周波数にも影響する。即ち、L2 が短くなると、ダイナミックダンパ10のばね成分に対する当接ゴム18の影響が小さくなって、ダイナミックダンパ10の共振周波数が低くなる。一方、L2 が長くなると、ダイナミックダンパ10のばね成分に対する当接ゴム18の影響が大きくなって、ダイナミックダンパ10の共振周波数が高くなる。
このように、マス位置調節手段と減衰体位置調節手段によってL1 とL2 を変更設定することで、制振特性のチューニングが可能であることは、図6に示す実測結果からも明らかである。なお、この実測では、第一の実施形態に示された構造のダイナミックダンパ10を用いており、マス部材16の質量は3kgとされている。また、板ばね14の他、マス部材16や当接ゴム18は同一のものを用いて、それらマス部材16および当接ゴム18の板ばね14に対する取付位置だけを変更した。
すなわち、図6において、L2 が185mmで且つL1 が320mm(マス部材16の取付位置がマス取付用孔34の長尺方向他端)と、290mm(マス部材16の取付位置がマス取付用孔34の長尺方向中央)と、260mm(マス部材16の取付位置がマス取付用孔34の長尺方向一端)とに、それぞれ設定された場合を比較すると、L1 が小さくなるに従って共振周波数が高くなっている。このように、L1 を調節することによって、制振装置の共振周波数を調節可能であることが、実測結果からも確認された。
また、図6において、L1 が320mmで且つL2 が320mm(当接ゴム18の取付位置がゴム取付用孔28の長尺方向他端)と、252.5mm(当接ゴム18の取付位置がゴム取付用孔28の長尺方向中央)と、185mm(当接ゴム18の取付位置がゴム取付用孔28の長尺方向一端)とに、それぞれ設定された場合を比較すると、L2 が小さくなるに従って損失係数が小さくなっている。このことから、L2 が大きくなるに従って減衰作用による制振特性のブロード化がより効果的に図られることが、実測結果からも確認された。
なお、図6の表の最下段には、当接ゴム18を取り外した状態での実測結果が示されている。マス部材16の取付位置が同じ320mmで当接ゴム18が取り付けられた本発明構造と比較すると、共振周波数が低くなっていると共に、損失係数が小さくなっている。このことから、当接ゴム18が取り付けられた本発明構造では、当接ゴム18のばね成分と減衰成分が有効に作用していることも確認された。
図7,8には、本発明に従う構造とされた制振装置の第二の実施形態としてのダイナミックダンパ50が示されている。ダイナミックダンパ50は、ばね部材としての板ばね52にマス部材16と当接ゴム18が取り付けられた構造とされている。なお、以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本実施形態の板ばね52では、マス取付板部32に複数のマス取付用孔54が形成されている。より詳細には、マス取付用孔54は、マス取付板部32を厚さ方向に貫通する円形孔であって、板ばね52の長さ方向に所定の間隔で並ぶ複数(本実施形態では四つ)が、各マス取付板部32に対して形成されている。
そして、板ばね52におけるマス取付板部32の下面にマス部材16を重ね合わせて、板ばね52の長さ方向に並ぶマス取付用孔54の四対から選択された一対にマス取付ボルト40をそれぞれ挿通すると共に、一対のマス取付用孔54,54に挿通されたマス取付ボルト40をマス部材16の一対のねじ穴38,38の各一方に螺着させることにより、マス部材16が板ばね52に取り付けられている。
また、本実施形態の板ばね52では、ゴム取付板部24に減衰体取付用孔としてのゴム取付用孔56が形成されている。より詳細には、ゴム取付用孔56は、ゴム取付板部24を厚さ方向に貫通する円形孔であって、板ばね52の長さ方向に所定の間隔で並ぶ複数(本実施形態では四つ)が形成されている。
そして、板ばね52のゴム取付板部24に形成された四つのゴム取付用孔56,56,56,56から選択された一つに、当接ゴム18の取付突部42を差し入れて、取付突部42の先端部分をゴム取付用孔56の周縁部に係止させることにより、当接ゴム18が板ばね52に取り付けられている。
ここにおいて、本実施形態のダイナミックダンパ50では、マス取付ボルト40が挿通されるマス取付用孔54を適宜に選択して変更設定することによって、マス部材16の板ばね52に対する取付位置が、板ばね52の長さ方向に段階的に変更可能とされている。これにより、板ばね52の床12に対する取付位置からマス部材16の取付位置までの距離を変更設定可能とするマス位置調節手段が構成されている。
また、本実施形態のダイナミックダンパ50では、当接ゴム18の取付突部42が挿通されるゴム取付用孔56を適宜に選択して変更設定することによって、当接ゴム18の板ばね52に対する取付位置が、板ばね52の長さ方向に段階的に変更可能とされている。これにより、板ばね52の床12に対する取付位置から当接ゴム18の取付位置までの距離を変更設定可能とする減衰体位置調節手段が構成されている。
このようなマス位置調節手段と減衰体位置調節手段を備えるダイナミックダンパ50によれば、ダイナミックダンパ50の制振特性を、段階的に調節して容易に変更設定可能とされている。
しかも、互いに独立する複数対のマス取付用孔54が形成されており、それら複数対のマス取付用孔54から選択された一対に挿通されるマス取付ボルト40がねじ穴38に螺着されることによって、マス部材16が板ばね52に固定される。それ故、マス部材16の板ばね52に対する取付位置が板ばね52の長さ方向にずれるのを、より有利に防ぐことができる。
同様に、互いに独立する複数のゴム取付用孔56が形成されており、取付突部42が選択されたゴム取付用孔56に挿通されて係止されることによって、当接ゴム18が板ばね52に取り付けられる。それ故、当接ゴム18の板ばね52に対する取付位置が板ばね52の長さ方向にずれるのを、より有利に防ぐことができる。
なお、複数のマス取付用孔54は、例えば、ダイナミックダンパ50の共振周波数が所定値ずつ変化するように、板ばね52の長さ方向の間隔を設定されていることが望ましい。同様に、複数のゴム取付用孔56は、ダイナミックダンパ50の共振周波数や振動エネルギーの損失係数が所定値ずつ変化するように、板ばね52の長さ方向の間隔を設定され得る。マス取付用孔54やゴム取付用孔56の間隔は、必ずしも一定である必要はなく、異なる間隔をもって形成されていても良い。
図9,10には、本発明に従う構造とされた制振装置の第三の実施形態としてのダイナミックダンパ60が示されている。ダイナミックダンパ60は、ばね部材としての板ばね62にマス部材16と当接ゴム18が取り付けられた構造とされている。
本実施形態の板ばね62では、床取付板部22に振動体取付用孔としての床取付用孔64,64が形成されている。より詳細には、床取付用孔64は、板ばね62の長さ方向に延びる長尺の孔であって、床取付板部22を厚さ方向上下に貫通している。更に、床取付用孔64は、一対が板ばね62の幅方向で相互に離れて並列に配置されている。そして、一対の床取付用孔64,64に挿通される床取付ボルト44がそれぞれ床12に螺着されることにより、板ばね62の床取付板部22が床12の裏面に取り付けられる。
ここにおいて、本実施形態のダイナミックダンパ60では、床取付ボルト44の床取付用孔64への挿通位置を板ばね62の長さ方向で適宜に変更設定することによって、板ばね62に対する床12の取付位置からマス部材16の取付位置までの距離と、板ばね62に対する床12の取付位置から当接ゴム18の取付位置までの距離とが、同時に変更設定されるようになっている。このように、本実施形態では、マス位置調節手段と減衰体位置調節手段が、床取付用孔64に対する床取付ボルト44の挿通位置の変更設定によって構成されている。
このようなマス位置調節手段と減衰体位置調節手段を備えるダイナミックダンパ60によれば、ダイナミックダンパ60の共振周波数および制振特性が同時に調節されることから、より容易に変更設定可能とされている。
なお、本実施形態において、第一の実施形態の目盛36を床取付用孔64の幅方向外側に設けて、板ばね62の床12に対する取付位置と制振特性との関係を容易に把握できるようにすることも可能である。
また、図11に示す制振装置としてのダイナミックダンパ66のように、ばね部材である板ばね67の床取付板部22に対して、振動体取付用孔である床取付用孔68,68の複数対を、板ばね67の長さ方向に所定の間隔で並ぶように形成しても良い。そして、それら複数対から選択された一対の床取付用孔68,68に床取付ボルト44をそれぞれ挿通して、それら床取付ボルト44,44を床12に螺着させることにより、板ばね67が床12に取り付けられる。このような構造とされたダイナミックダンパ66では、床取付ボルト44を挿通する床取付用孔68が変更設定されることにより、マス位置調節手段と減衰体位置調節手段が構成される。
図12〜14には、本発明に従う構造とされた制振装置の第四の実施形態としてのダイナミックダンパ70が示されている。ダイナミックダンパ70は、ばね部材としての板ばね72にマス部材74と当接ゴム18が取り付けられた構造を有している。
より詳細には、板ばね72は、ばね鋼などの金属で形成された平板形状の部材であって、長さ方向一方側には長さ方向で長尺とされたスリット76が形成されている一方、長さ方向他方側にはマス取付用孔78と減衰体取付用孔としてのゴム取付用孔80が形成されている。
また、板ばね72には、マス取付用孔78を利用してマス部材74が取り付けられている。マス部材74は、鉄などで形成された略四角柱形状とされており、中央部分を上下に貫通する円形のボルト孔82が形成されている。更に、上面の幅方向中央部分には長さ方向に延びる凹溝84が形成されている。そして、マス部材74が板ばね72の長さ方向他方側の端部に下方から重ね合わされて、板ばね72が凹溝84に嵌め合わされると共に、マス部材74のボルト孔82に挿通されるマス取付ボルト40が、板ばね72のマス取付用孔78に螺着されることにより、マス部材74が板ばね72に取り付けられている。
また、板ばね72には、ゴム取付用孔80を利用して当接ゴム18が取り付けられている。即ち、ゴム取付用孔80は、大径の挿入部分と、小径の係止部分と、それらの間の括れ部分とを備えた全体として略瓢箪型の孔断面形状を有している。更に、ゴム取付用孔80は、大径の挿入部分が、当接ゴム18よりも小径且つ取付突部42の先端部分よりも大径とされていると共に、小径の係止部分が、取付突部42の先端部分よりも小径且つ取付突部42の基端部分と略同径とされている。そして、当接ゴム18の取付突部42をゴム取付用孔80の挿入部分に挿通させた後、取付突部42をゴム取付用孔80の係止部分にスライドさせて、取付突部42の先端部分をゴム取付用孔80の係止部分に係止させることにより、当接ゴム18が板ばね72に取り付けられている。
また、板ばね72は、図13に示すように、スライド部材86を介して床12の裏面に取り付けられている。スライド部材86は、鉄などで形成された高剛性の部材であって、図12〜14に示すように、板ばね72の長さ方向に延びる凹溝状の溝部88を備えていると共に、溝部88の開口部から溝幅方向外側に広がる一対の床取付板部90,90を一体で備えている。更に、溝部88の底壁には、幅方向中央部分を貫通する二つのボルト孔92,92が長さ方向で相互に離隔して形成されている。更にまた、各床取付板部90には、二つの床取付用孔94,94が円形断面で形成されている。
そして、スライド部材86の溝部88に板ばね72が嵌め合わされて、溝部88のボルト孔92および板ばね72のスリット76に挿通された連結ボルト96にナット98が螺着されることによって、板ばね72とスライド部材86が相互に連結されている。また、スライド部材86の床取付板部90,90が床12の裏面に重ね合わされて、床取付用孔94に挿通された床取付ボルト44が床12に螺着されることにより、スライド部材86が床12の裏面に固定される。これらにより、板ばね72がスライド部材86を介して床12に取り付けられるようになっている。なお、本実施形態では、板ばね72とナット98の間に矩形板状の座金100が挟み込まれており、ナット98の締結力が板ばね72の広い範囲に分散して作用するようになっている。
ここにおいて、連結ボルト96とナット98の締込みを緩めることにより、板ばね72をスライド部材86に対して長さ方向に相対変位させることが可能とされている。これにより、板ばね72に対する床12の取付位置からマス部材74の取付位置までの距離と、板ばね72に対する床12の取付位置から当接ゴム18の取付位置までの距離とが、同時に変更設定されるようになっている。このように、本実施形態では、マス位置調節手段と減衰体位置調節手段が、板ばね72がスライド部材86に対して長さ方向で相対的にスライド変位することにより構成されている。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態では、ばね部材として板ばねが例示されているが、ばね部材は棒状やパイプ状等でも良い。
また、前記実施形態では、マス位置調節手段と減衰体位置調節手段の両方を備える制振装置が例示されているが、マス位置調節手段と減衰体位置調節手段は何れか一方だけが設けられていても良い。
また、前記実施形態で示すマス位置調節手段と減衰体位置調節手段の具体的な構造は、あくまでも例示であって、他の構造も採用される。具体的には、例えば、ばね部材が長さ方向中間部分で先端部と基端部に分割されていると共に、それら先端部と基端部が長さ方向の相対変位を許容され得る構造で相互に連結されて、ばね部材が長さ方向に伸縮可能とされることによっても、マス位置調節手段と減衰体位置調節手段が構成され得る。
さらに、例えば、ばね部材に対して複数のかしめ片を長さ方向で相互に離隔するように設けて、それら複数から選択されたかしめ片でマス部材をばね部材にかしめ固定することによって、マス位置調節手段を構成することもできる。なお、マス位置調節手段と減衰体位置調節手段は、前記実施形態に示すように、ばね部材に取り付けられたマス部材や減衰体、振動体を適宜に取り外して位置を調節した後で再び取り付けることにより、取付け後の位置調節が可能とされていても良いが、マス部材や減衰体、振動体がばね部材に取外し不能に固定されて、取付け後の位置調節が不可能とされていても良い。
また、第一の実施形態に示されたマス取付用孔34の如き長孔を、板ばね14とマス部材16の両方に形成することによって、板ばね14に対するマス部材16の取付位置の設定自由度をより大きく得ることもできる。同様に、第三の実施形態に示された床取付用孔64の如き長孔を、板ばね14と床12の両方に形成することによって、床12に対する板ばね14の取付位置の設定自由度をより大きく得ることも可能である。
また、前記実施形態ではマス固定部材および振動体固定部材が何れも別体のボルトとされているが、マス固定部材および振動体固定部材はこのような構造に限定されない。具体的には、例えば、固定部材として別体のピンを採用して、該ピンを挿通してかしめ固定することでマス部材や振動体をばね部材に取り付けることも可能である。更に、例えば、固定部材は、マス部材や振動体に一体的に固設されていても良い。
また、マス取付用孔や減衰体取付用孔、振動体取付用孔は、必ずしも貫通不要であり、かかる取付用孔に挿通される固定部材や取付突部も、ばね部材などを貫通して取り付けられる必要はない。具体的には、例えば、有底のねじ穴に対して螺合状態で挿通される固定ボルトなどによって、マス部材や振動体、減衰体をばね部材に取り付けることもできる。
また、減衰体取付用孔において、前記実施形態のゴム取付用孔28の如き幅広の挿入部分と狭幅の括れ部分を交互に繰り返す形状は必須ではなく、例えば、一定の幅で延びる長孔であっても良い。その場合には、例えば、当接ゴム18の取付突部42が減衰体取付用孔に嵌め入れられて幅方向に挟持されることにより、当接ゴム18が所定の位置に保持される。
また、前記実施形態では、減衰体がばね部材に取り付けられた構造が例示されているが、減衰体は振動体に取り付けられることによって、振動体とばね部材の間に配設されていても良い。なお、ばね部材に固定されるマス部材と振動体との間に減衰体を配設することによって、振動体とばね部材の間に減衰体を間接的に配することもできる。
また、前記実施形態では、減衰体がゴム弾性体で形成された当接ゴム18とされており、減衰成分だけでなくばね成分をもっているが、減衰体としては、ばね成分が制振装置の共振周波数に影響しないほどに小さいものも採用できる。その場合には、減衰体位置調節手段によってL2 を変化させることにより、制振装置の共振周波数の変化を抑えながら、制振対象となる振動周波数の範囲だけを変更設定することが可能となる。なお、ばね成分が著しく小さい減衰体としては、例えば、可撓性を有する薄肉のゴム膜で形成された袋体に粘性流体が封入されたものであって、振動入力による変形時に粘性流体の流動抵抗による減衰作用が発揮されるようにしたもの等が採用され得る。
また、本発明の制振装置は、必ずしも建築物の上階の床の制振にのみ用いられるものではなく、例えば、建築物の一階の床の制振や壁面の制振などにも用いることができる。
10,50,60,66,70:ダイナミックダンパ(制振装置)、12:床(振動体)、14,52,62,67,72:板ばね(ばね部材)、16,74:マス部材、18:当接ゴム(減衰体)、20:テーパ部、22:床取付板部(振動体取付板部)、24:ゴム取付板部(減衰体取付板部)、28:ゴム取付用孔(長尺の減衰体取付用孔)、30:リブ状立壁部、32:マス取付板部、34:マス取付用孔(長尺のマス取付用孔)、40:マス取付ボルト(マス固定部材)、42:取付突部、44:床取付ボルト(振動体固定部材)、54:マス取付用孔(複数のマス取付用孔)、56:ゴム取付用孔(複数のマス取付用孔)、64:床取付用孔(長尺の振動体取付用孔)、68:床取付用孔(複数の振動体取付用孔)、76:スリット(マス位置調節手段,減衰体位置調節手段)、92:ボルト孔(マス位置調節手段,減衰体位置調節手段)、96:連結ボルト(マス位置調節手段,減衰体位置調節手段)、98:ナット(マス位置調節手段,減衰体位置調節手段)

Claims (8)

  1. 長手状とされたばね部材の一方側が振動体に取り付けられるようになっている一方、該ばね部材の他方側にはマス部材が取り付けられていると共に、該ばね部材の他方側および該マス部材の少なくとも一方と該振動体との間に減衰体が配設されている制振装置において、
    前記ばね部材における前記振動体への取付位置と前記マス部材との距離を調節するマス位置調節手段と、該ばね部材における該振動体への取付位置と前記減衰体との距離を調節する減衰体位置調節手段との少なくとも一方を備えることを特徴とする制振装置。
  2. 前記ばね部材の他方側と前記マス部材との少なくとも一方には該ばね部材の長手方向に長尺のマス取付用孔が形成されており、該マス取付用孔に挿通されるマス固定部材によって該ばね部材と該マス部材が相互に固定されていると共に、該マス取付用孔に対する該マス固定部材の挿通位置を該マス取付用孔の長尺方向で変更設定することによって前記マス位置調節手段が構成される請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記ばね部材の他方側と前記マス部材との少なくとも一方には複数のマス取付用孔が該ばね部材の長手方向に並んで形成されており、選択された該マス取付用孔に挿通されるマス固定部材によって該ばね部材と該マス部材が相互に固定されていると共に、該マス固定部材が挿通される該マス取付用孔を変更設定することによって前記マス位置調節手段が構成される請求項1に記載の制振装置。
  4. 前記ばね部材の他方側と前記マス部材との何れか一方には該ばね部材の長手方向に長尺の減衰体取付用孔が形成されていると共に、前記減衰体には取付突部が形成されており、該減衰体取付用孔に挿通される該取付突部によって該減衰体が該ばね部材と該マス部材の何れか一方に取り付けられていると共に、該減衰体取付用孔に対する該取付突部の挿通位置を該減衰体取付用孔の長尺方向で変更設定することによって前記減衰体位置調節手段が構成される請求項1〜3の何れか1項に記載の制振装置。
  5. 前記ばね部材の他方側と前記マス部材との何れか一方には複数の減衰体取付用孔が該ばね部材の長手方向に並んで形成されていると共に、前記減衰体には取付突部が形成されており、選択された該減衰体取付用孔に挿通される該取付突部によって該減衰体が該ばね部材と該マス部材の何れか一方に取り付けられていると共に、該取付突部が挿通される該減衰体取付用孔を変更設定することによって前記減衰体位置調節手段が構成される請求項1〜3の何れか1項に記載の制振装置。
  6. 前記ばね部材の一方側には該ばね部材の長手方向に長尺の振動体取付用孔が形成されており、該振動体取付用孔に挿通される振動体固定部材によって該ばね部材が該振動体に取り付けられるようになっていると共に、該振動体取付用孔に対する該振動体固定部材の挿通位置を該振動体取付用孔の長尺方向で変更設定することによって前記マス位置調節手段および前記減衰体位置調節手段が構成される請求項1〜5の何れか1項に記載の制振装置。
  7. 前記ばね部材の一方側には複数の振動体取付用孔が該ばね部材の長手方向に並んで形成されており、選択された該振動体取付用孔に挿通される振動体固定部材によって該ばね部材が該振動体に取り付けられるようになっていると共に、該振動体固定部材が挿通される該振動体取付用孔を変更設定することによって前記マス位置調節手段および前記減衰体位置調節手段が構成される請求項1〜5の何れか1項に記載の制振装置。
  8. 前記ばね部材の長手方向中間部分には一方側から他方側に行くに従って次第に前記振動体から離隔するテーパ部が設けられて、該ばね部材における該テーパ部よりも一方側には該振動体に取り付けられる振動体取付板部が設けられていると共に、該ばね部材における該テーパ部よりも他方側には前記マス部材が取り付けられるマス取付板部と前記減衰体が取り付けられる減衰体取付板部とが設けられており、更に該テーパ部と該振動体取付板部の幅方向両端にはリブ状立壁部が立設されている請求項1〜7の何れか1項に記載の制振装置。
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