JP2015068392A - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

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直隆 西田
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Yukio Hiramatsu
幸男 平松
浩顕 佐藤
Hiroaki Sato
浩顕 佐藤
敬悟 野口
Keigo Noguchi
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Abstract

【課題】 シュークリアランスの過調整を応答性良く適切に抑制することができるドラムブレーキを提供すること。
【解決手段】 ドラムブレーキ10においては、間隔調整部材としてのストラット20に対して調整制限部材としてのバイメタル板24が設けられている。又、ドラムブレーキ10は、ドラム11及びバッキングプレート13の嵌合部を形成するラビリンス部26とバイメタル板24とに対して接する伝熱部材としてのヒートパイプ25を備えている。これにより、ヒートパイプ25は、ラビリンス部26からバイメタル板24に対して応答性良くかつ効率良く熱を伝えることができる。従って、バイメタル板24は、良好な熱追従性を有して温度上昇に伴って変形し、ドラム11等の熱膨張時にストラット20がシュークリアランスを調整することを制限することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載されるドラムブレーキ装置に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に示されたドラムブレーキにおけるオーバアジャスト防止装置は知られている。この従来のオーバアジャスト防止装置は、ストラットを伸長させることによって一対のシュー間のシュークリアランスを調整するようになっている。これにより、例えば、ライニングの摩耗等によってシュークリアランスを増大させる場合であっても、ストラットが伸長することによってシュークリアランス、言い換えれば、ドラムとシュー(ライニング)との間のクリアランスを適切に維持することができるようになっている。
更に、この従来のオーバアジャスト防止装置においては、ストラットに対してバイメタルが設けられている。そして、この従来のオーバアジャスト防止装置においては、ドラムとライニングとの間の摩擦により発生する摩擦熱に起因する温度上昇によってバイメタルが変形することにより、ストラットによるシュークリアランスの調整を停止させるようになっている。これにより、制動に伴うドラム等の熱膨張に対しては、バイメタルの変形によってシュークリアランスが調整されて、ストラットによるシュークリアランスの過度の調整(過調整)を抑制するようになっている。
実開昭59−133842号公報
ところで、上記従来のオーバアジャスト防止装置では、ドラムとライニングとの間の摩擦部分(摺動部分)と、ストラット(より具体的には、バイメタル)とが互いに離間して設けられている。このため、摩擦部分(摺動部分)にて発生する摩擦熱は、空気を介してストラットに設けられたバイメタルに伝達(伝熱)される。従って、摩擦部分(摺動部分)にて摩擦熱が発生してから雰囲気の温度が上昇してバイメタルが加熱されて変形するまでに時間を要する場合がある。この場合には、ドラム等の熱膨張の発生に対してバイメタルの変形が遅れるため、バイメタルの変形までにストラットがシュークリアランスを調整してしまい、ストラットによるシュークリアランスの過調整を防止することができない可能性がある。或いは、摩擦熱によって加熱された空気を介してバイメタルを十分に加熱する(温度上昇させる)ことができず、バイメタルの変形量が不足することによっても、ストラットによるシュークリアランスの過調整を防止することができない可能性がある。
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的の一つは、シュークリアランスの過調整を応答性良く適切に抑制することができるドラムブレーキを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によるドラムブレーキは、車輪と一体的に回転するドラムと、前記車輪の回転に対して回転不能に設けられたバッキングプレートに組み付けられた少なくとも一対のシューと、前記一対のシューを非制動時における中立位置から拡開させるアクチュエータと、前記一対のシューの制動時における拡開量に応じて前記非制動時における中立位置での前記一対のシューの間隔を調整する間隔調整部材と、前記ドラムと前記一対のシューとの摩擦係合に伴う摩擦熱による温度上昇に応じて前記間隔調整部材による前記一対のシューの間隔の調整を制限する調整制限部材と、前記ドラムと前記バッキングプレートとの嵌合部及び前記調整制限部材に対して接するように設けられた伝熱部材とを有する。
これによれば、伝熱部材(具体的には、ヒートパイプ等の伝熱素子)を介して、ドラムとバッキングプレートとの嵌合部(具体的には、バッキングプレートに形成されたラビリンス部)と調整制限部材とを互いに熱的に直接的に接続することができる。具体的に、制動時においてドラムと一対のシュー(より詳しくは、一対のシューに設けられた摩擦部材(ライニング))とが摩擦係合することにより発生する摩擦熱は、互いに近接するドラムとバッキングプレートとの嵌合部であるラビリンス部に籠り易い(蓄熱し易い)。このため、伝熱部材は、嵌合部(ラビリンス部)に籠った熱を効率よく吸熱して調整制限部材まで熱輸送(熱伝導)することができる。この場合、伝熱部材は、例えば、ヒートパイプであれば摩擦熱の発生に伴って嵌合部(ラビリンス部)に籠った熱を速やかに吸熱するとともに調整制限部材まで熱輸送(熱伝導)することができる。ここで、調整制限部材としては、具体的に、バイメタル等の温度上昇に伴って変形を生じる部材、或いは、温度上昇に伴って物性(例えば、硬度等)が変化する部材を採用することができる。
そして、伝熱部材によって熱が十分にかつ速やかに熱輸送(熱伝導)されることにより、調整制限部材は、例えば、バイメタルであれば速やかな温度上昇に伴って十分に変形して、間隔調整部材(具体的には、ストラット)が一対のシューの間隔を過度に調整することを防止することができる。すなわち、調整制限部材は、伝熱部材によって十分な熱量が速やかに伝えられる。これにより、調整制限部材は、摩擦熱の発生とともに速やかに加熱されて間隔調整部材による調整作動を抑制することができる。従って、例えば、制動に伴う摩擦熱の発生によってドラム等が熱膨張した場合、間隔調整部材がこの熱膨張したドラム等に合わせて一対のシューの間隔を調整することがない。
従って、ドラム等が冷却された状態(すなわち、熱膨張が解消した状態)において、間隔調整部材により一対のシューの間隔が過度に調整(具体的に、一対のシューの間隔が過度に大きく調整、言い換えれば、ドラムとライニングの間隔が過度に小さく調整)されることがなく、ドラムとライニングとの間の間隔(クリアランス)を適切に維持することができる。これにより、間隔調整部材による過度な調整を考慮してドラムとライニングとの間のクリアランスを大きめに確保しておく必要がなく、運転者によるブレーキペダル操作時における無用なストローク、より詳しくは無用なシューストロークを適切に低減することができる。更に、非制動時において、車輪と一体的に回転するドラムとライニングとが接触する現象(所謂、ブレーキの引きずり現象)が生じることも確実に防止することができる。
ここで、例えば、調整制限部材としてバイメタルを採用した場合には、バイメタルが温度上昇に伴って変形することによって一対のシューをそれぞれドラムに向けて押圧することができる。これにより、制動に伴ってドラム等が熱膨張している場合には、高温時においてのみ調整制限部材(バイメタル)が間隔調整部材に代わって一対のシューの間隔を一時的に調整して維持することができる。従って、ドラム等が熱膨張している場合であっても、運転者によるブレーキペダル操作時において、無用なストロークが生じることを確実に防止することができる。
この場合、前記伝熱部材は、前記バッキングプレートにおける前記ドラムとの非嵌合側を介して、前記嵌合部及び前記調整制限部材に対して接するように設けられるとよい。このように、伝熱部材の一部が、バッキングプレートにおける非嵌合側(具体的には、バッキングプレートにおける嵌合部の形成面に対する裏面側、すなわち、ドラムに対向する表面側に対して裏面側)を経由するように配置されることにより、例えば、ドラムとシューとの摩擦摺動部分に対して干渉することを確実に低減することができる。尚、この場合、前記伝熱部材を、前記調整制限部材に対して接する第1伝熱部材と前記嵌合部に対して接する第2伝熱部材とが構成し、前記第1伝熱部材と前記第2伝熱部材とを熱伝導可能に接続するように構成されるとよい。これによれば、バッキングプレートに伝熱部材を組み付ける際の作業性を大幅に向上させることができる。
本発明の実施形態に係るドラムブレーキの構成を概略的に示す概略構成図である。 図1のバイメタル板を説明するための概略図である。 図1のバイメタル板及びヒートパイプを含む断面を示す断面図である。 図3のラビリンス部近傍を拡大した拡大図である。 図1のコネクタを説明するための概略図である。 バイメタル板及びストラットの作動を説明するための概略図である。 本発明の実施形態の変形例を説明するための拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るドラムブレーキについて、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るドラムブレーキ10を概略的に示している。このドラムブレーキ10は、ドラム11と、ドラム11と摩擦係合する2個一対のシュー12とを備えている。ドラム11は、図示しない車両のサスペンション装置を構成するナックルに設けられたハブに対してナットにより組み付けられて車輪と一体的に回転するものである。
一対のシュー12は、円弧状に形成されてドラム11内に収容されており、車体側に回転不能に固定されるバッキングプレート13に対して互いに拡開可能に設けられている。シュー12は、バッキングプレート13の板面(一面側)と略平行に位置するシューウェブ14と、シューウェブ14の外周側端面に固着されたシューリム15と、シューリム15の外周面に固着されてドラム11の内周面に摩擦係合するライニング16とを備えてそれぞれ構成されている。
シュー12(より詳しくは、シューウェブ14)の一端部は、バッキングプレート13上に固定されたアクチュエータとしてのホイールシリンダ17の両端部とそれぞれ係合するようになっている。そして、シュー12(より詳しくは、シューウェブ14)は、ホイールシリンダ17の近傍であってバッキングプレート13の内周側の位置において一対のシュー12間に架け渡されたリターンスプリング18により、互いに近接する方向に付勢されている。又、シュー12(より詳しくは、シューウェブ14)の他端部は、バッキングプレート13上に固定されたアンカ19にそれぞれ当接するようになっている。
一対のシュー12を形成する一対のシューウェブ14間には、図1に示すように、一対のシュー12の間の間隔であるシューストロークを調整する間隔調整部材を構成するストラット20が架け渡されており、一対のシュー12は、ストラット20により内側から支持されている。ストラット20は、一方のシューウェブ14に係合する第1係合部材20a、他方のシューウェブ14に係合する第2係合部材20b、及び、第1係合部材20aと第2係合部材20bとを互いに離間する方向に変位可能に連結する連結部材20cとから構成されている。この連結部材20cには、間隔調整部材を構成するスターホイール21が一体的に設けられている。スターホイール21は周面に外周歯を備えた円板状に形成されており、スターホイール21の一方向への回転に伴って連結部材20cも回転するようになっている。そして、この回転に伴って第1係合部材20a及び第2係合部材20bが互いに離間する方向に変位することにより、ストラット20が伸長するように構成されている。
このため、スターホイール21には、制動時における一対のシュー12の拡開量に応じてストラット20を伸長させるために、間隔調整部材を構成するレバー22が連結されている。レバー22は、その一端側がシューウェブ14にピンにより回動可能に連結され、他端側がスターホイール21の外周歯に歯合するようになっている。そして、レバー22は、シューウェブ14との間に張設された間隔調整部材を構成するリターンスプリング23の付勢力により、ストラット20を伸長させる方向となるようにスターホイール21を回転させる。
又、ストラット20には、調整制限部材としてのバイメタル板24が設けられている。バイメタル板24は、図2に示すように、その表面が断熱材によって覆われており、温度上昇に伴って両端部が離間して拡開するようにコの字状に形成されている。そして、バイメタル板24は、図1に示すように、ストラット20の連結部材20cに対して、一端部がスターホイール21(第1係合部材20a)を押圧し、他端部が第2係合部材20bを押圧するように組み付けられている。
バイメタル板24には、図2に示すように、伝熱部材としての銅製のヒートパイプ25が伝熱可能に接続されている。ヒートパイプ25は、伝熱素子であり、図3に示すように、バイメタル板24に接続される第1ヒートパイプ25aと、ドラム11及びバッキングプレート13の嵌合部を形成するバッキングプレート13側に形成されたラビリンス部26に接続される第2ヒートパイプ25bとから構成されている。ここで、第2ヒートパイプ25bには、図4に示すように、ラビリンス部26に接続される側の端部に銅製のクリップが組み付けられており、このクリップがラビリンス形状を形成する立壁を挟み込むことによって第2ヒートパイプ25bがラビリンス部26内に固定されるようになっている。更に、これらの第1ヒートパイプ25aと第2ヒートパイプ25bとは、図5に示すように、断熱効果を有するコネクタ27によって熱的に接続されるようになっている。
これにより、ヒートパイプ25においては、第2ヒートパイプ25bがラビリンス部26の熱をコネクタ27に向けて熱輸送(熱伝導)し、第1ヒートパイプ25aがコネクタ27を介して熱輸送(熱伝導)された熱をバイメタル板24に供給することができる。そして、ヒートパイプ25は、極めて高い伝熱特性を有する伝熱素子であるため、ラビリンス部26の熱を効率良くバイメタル板24まで伝熱することができる。尚、本実施形態においては、伝熱部材としてヒートパイプを用いて実施するが、他の伝熱素子を用いて実施可能であることは言うまでもない。
ここで、第1ヒートパイプ25a及び第2ヒートパイプ25bの一端側は、図3に示すように、バッキングプレート13を貫通してバイメタル板24及びラビリンス部26に接触するようになっている。そして、第1ヒートパイプ25a及び第2ヒートパイプ25bの他端側は、図3に示すように、バッキングプレート13におけるラビリンス部26の形成面に対する裏面側(非嵌合側)に固定されたコネクタ27によって熱的に接続されて、ラビリンス部26からバイメタル板24に熱を伝熱するようになっている。
このように、ヒートパイプ25の一部がバッキングプレート13の裏面側を経由するように配置することにより、例えば、ドラム11とシュー12(より詳しくは、ライニング16)との摩擦摺動部分に対して干渉することを確実に低減することができる。又、バッキングプレート13の裏面側に固定したコネクタ27に第1ヒートパイプ25a及び第2ヒートパイプ25bを接続することにより、ヒートパイプ25の組み付け作業性を向上させることもできる。
次に、上記のように構成した本実施形態に係るドラムブレーキ10の作動を説明する。車両走行中において、運転者によって図示を省略するブレーキペダルがブレーキ操作されると、ホイールシリンダ17にブレーキ液圧が供給される。これにより、それぞれのシュー12は、供給されるブレーキ液圧の増圧に伴ってライニング16をドラム11の摩擦摺動面(内周面)に対して圧着させて摩擦係合させる。そして、車輪と一体的に回転するドラム11に対してライニング16を摩擦係合させることによって摩擦力が発生し、この摩擦力が車輪の回転を制動する制動力として付与される。
又、車輪の回転に対して制動力すなわち摩擦力を付与することに伴い、ドラム11及びライニング16に摩擦熱が発生する。このように発生した摩擦熱は、摩擦係合部分に近接したドラム11とバッキングプレート13との嵌合部すなわちラビリンス部26に伝わる。これにより、ラビリンス部26は、制動時に熱が籠り易くなって速やかに高温になる。
このため、ヒートパイプ25においては、ラビリンス部26に接続された第2ヒートパイプ25bが高温側のラビリンス部26から低温側のコネクタ27に向けて応答性良くかつ効率良く伝熱する。そして、バイメタル板24に接続された第1ヒートパイプ25aは、高温側のコネクタ27から低温側のバイメタル板24に向けて応答性良くかつ効率良く伝熱する。ここで、熱伝導率として、空気が0.386W/mKであるのに対して、銅は386W/mKであるため、ヒートパイプ25は空気に比して、極めて効率良く熱を伝えることができる。従って、第1ヒートパイプ25aに接続されたバイメタル板24は、効率良く伝えられる熱によって加熱されて速やかにかつ十分に温度上昇し、図6に示すように、拡開して変形する。これにより、バイメタル板24は、制動時、言い換えれば、ドラム11等の熱膨張時におけるストラット20によるシューストロークの調整機能を制限する。以下、この調整機能の制限を詳細に説明する。
摩擦熱が発生する状況においては、ドラム11が熱膨張することにより、その内径及び外径が大きくなる。言い換えれば、制動に伴って摩擦熱が発生する状況下では、シュー12を構成するライニング16とドラム11の内周面との間の隙間(クリアランス)が増大する。尚、制動時におけるクリアランスの増大は、非制動時すなわちドラム11等が冷却されることによって解消される。従って、ライニング16と熱膨張時におけるドラム11との間のクリアランスに対応して、レバー22によってスターホイール21が回転されてストラット20が一対のシュー12の間隔(シュークリアランス)を増大させて調整すると、非制動時すなわちドラム11等が冷却されたときのシュークリアランスが過大となる、言い換えれば、ライニング16とドラム11の内周面との間の隙間(クリアランス)が過小となる可能性がある。
そして、このようにシュークリアランスが過大に調整される(過調整される)と、ライニング16とドラム11の内周面との間のクリアランスが確保できずに、所謂、引き摺り現象が生じる可能性がある。このため、一般に、ライニング16とドラム11の内周面との間のクリアランスについては大きめに設定されるようになっており、従って、ブレーキ操作に対するシュー12のシューストロークが大きくなる。
これに対して、本実施形態に係るドラムブレーキ10においては、伝熱部材であるヒートパイプ25(より詳しくは、第1ヒートパイプ25a、コネクタ27及び第2ヒートパイプ25b)が、制動時に発生する摩擦熱により速やかに高温となるラビリンス部26から調整制限部材であるバイメタル板24に応答性良くかつ効率良く伝熱することができる。これにより、バイメタル板24が摩擦熱の発生に伴って、より詳しくは、良好な熱追従性を有して変形することにより、レバー22によるスターホイール21の回転を抑制、言い換えれば、ストラット20によるシュークリアランスの調整を制限することができる。すなわち、制動に伴ってドラム11等が熱膨張している場合には、速やかにバイメタル板24が変形してストラット20によるシュークリアランスの調整を制限することができるため、非制動時におけるシュークリアランスが過大となること、言い換えれば、ライニング16とドラム11の内周面との間のクリアランスが過小となることを確実に防止することができる。
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、摩擦熱が発生する状況では、ヒートパイプ25によってラビリンス部26から効率良く熱をバイメタル板24に伝えることができ、バイメタル板24を良好な熱追従性により温度上昇に伴って変形させて、ストラット20によるシュークリアランスの調整を制限することができる。これにより、ストラット20によるシュークリアランスの過調整を防止することができる。又、ヒートパイプ25がバイメタル板24の変形に必要な熱量をラビリンス部26から速やかに熱輸送(熱伝導)することができるため、バイメタル板24を確実に変形させることができる。これにより、バイメタル板24が熱膨張時におけるシュークリアランスを適切に調整することができ、これによってもストラット20の調整に伴う作動を制限することができる。そして、本実施形態に係るドラムブレーキ10においては、制動時及び非制動時を問わず、シュークリアランスを適切に維持することができるため、予めシューストロークを大きめに設定する必要がなく、運転者によるブレーキ操作に対して無用なシューストロークが生じることを確実に防止することができる。
又、バイメタル板24が拡開することにより、第1係合部材20a及び第2係合部剤20bが互いに離間する方向に付勢されるため、熱膨張時におけるライニング16とドラム11の内周面との間のクリアランスが適切に調整される。これにより、熱膨張時においてブレーキ操作がなされた場合であっても、適切なシューストロークを維持することができる。
<変形例>
上記実施形態においては、ヒートパイプ25を構成する第2ヒートパイプ25bの一端側をバッキングプレート13に形成されるラビリンス部26内に組み付けられるクリップを用いて固定するように実施した。この場合、図7に示すように、バッキングプレート13におけるラビリンス部26の内周部分に対して、第2ヒートパイプ25bの一端側を、例えば、銅箔を用いて固定するように実施することも可能である。この場合には、上記実施形態に比してより簡便に第2ヒートパイプ25bの一端側(高温側)を嵌合部であって摩擦熱の籠り易いラビリンス部26の近傍に固定することができる。その他の効果については、上記実施形態と同一の効果が得られる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態及び変形例においては、調整制限部材として、温度上昇に伴って変形するバイメタルからなるバイメタル板24を採用し、このバイメタル板24が変形することによって間隔調整部材としてのストラット20によるシュークリアランスの調整を制限する、言い換えれば、高温時におけるストラット20の調整に伴う作動を制限するように実施した。この場合、高温時においてストラット20によるシュークリアランスの調整を制限することができるものであれば、調整制限部材として如何なるものであっても採用して実施することが可能である。
具体的には、温度変化に応じて物性が変化する材料、例えば、温度上昇に伴って硬度が軟化するような材料を用いて調整制限部材を形成することが可能である。このような材料から調整制限部材を形成した場合には、温度上昇に伴って調整制限部材が軟化することによってストラット20におけるスターホイール21の回転(言い換えれば、ストラット20の伸長)に抵抗を与えることができ、その結果、高温時においてストラット20によるシュークリアランスの調整を制限することができる。従って、この場合においても、上記実施形態及び変形例と同様の効果が期待できる。
10…ドラムブレーキ、11…ドラム、12…シュー、13…バッキングプレート、16…ライニング、17…ホイールシリンダ(アクチュエータ)、20…ストラット(間隔調整部材)、21…スターホイール(間隔調整部材)、22…レバー(間隔調整部材)、23…リターンスプリング(間隔調整部材)、24…バイメタル板(調整制限部材)、25…ヒートパイプ(伝熱部材)、26…ラビリンス部、27…コネクタ

Claims (1)

  1. 車輪と一体的に回転するドラムと、前記車輪の回転に対して回転不能に設けられたバッキングプレートに組み付けられた少なくとも一対のシューと、前記一対のシューを非制動時における中立位置から拡開させるアクチュエータと、前記一対のシューの制動時における拡開量に応じて前記非制動時における中立位置での前記一対のシューの間隔を調整する間隔調整部材と、前記ドラムと前記一対のシューとの摩擦係合に伴う摩擦熱による温度上昇に応じて前記間隔調整部材による前記一対のシューの間隔の調整を制限する調整制限部材と、前記ドラムと前記バッキングプレートとの嵌合部及び前記調整制限部材に対して接するように設けられた伝熱部材と、を有するドラムブレーキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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