JP2015068214A - 内燃機関のカム軸受給油構造 - Google Patents

内燃機関のカム軸受給油構造 Download PDF

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Abstract

【課題】オイル通路のスペースが大きくなることを防ぎシリンダヘッドの小型化を図り、吸排気カム軸の軸受へのオイル通路を短縮しつつ加工が容易で製造コストを低減させるカム軸受給油構造を供する。
【解決手段】カム軸受部位38を有するシリンダヘッド4と、点火プラグ26を収納するプラグ孔24と、プラグ孔24に液密にして挿嵌されるプラグ筒25を備え、プラグ筒25の外周面に沿って迂回する外周油路63と、プラグ孔24を貫通し外周油路63で接続されるように形成された主潤滑油通路62と、外周油路63からカム軸受部位38の摺動面を接続するようにカム軸受部位38を貫通して形成され軸受部位38とカム軸31、32との摺動面に潤滑油を供給する案内通路64を備える内燃機関のカム軸受給油構造。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の動弁機構のカム軸への給油構造に関するものである。
内燃機関の動弁機構における吸排気弁を開閉させるための吸排気カムが設けられたカム軸への潤滑油の供給経路として、シリンダヘッドに吸気カム軸と排気カム軸に平行にこれらのカム軸の間に位置して、オイルポンプから潤滑油が供給される主潤滑油通路が形成されたものがあった。主潤滑油通路は吸気カム軸と排気カム軸の間に配設されるので、吸気カム軸と排気カム軸の間にはそれぞれの気筒ごとに点火プラグが嵌装されるプラグ孔が形成されており主潤滑油通路と交差して主潤滑油通路を分断してしまう。そこでプラグ孔に環状筒部材を挿入して、この主潤滑油通路の上下で前記プラグ孔との間で液密に装着することで、該プラグ筒の外周に迂回するオイル通路を形成して該主潤滑油通路を接続している。
さらに、この主潤滑油通路は下流側に連絡通路および延長通路を介し、カム軸の軸端に位置する軸受部位に向けて上下方向に延びる案内通路を形成して該軸受部位を潤滑するようにしている。ところで、このようなカム軸の軸受部位は少なくとも複数個所設けられているが、各軸受部位にこのような独立形成された連絡通路や延長通路、案内通路といったオイル通路を設けるとなると、オイル通路の配置スペースの確保や、シリンダヘッドへの加工性を考慮する必要から、シリンダヘッドの大型化を招く恐れがあり、各部位へのオイル通路を短縮しながら加工が容易な内燃機関のカム軸受給油構造が望まれていた(先行技術文献1参照)。
特許第3198689号公報
本発明は、このような従来技術の課題を解決するものであり、その目的は、オイル通路のスペースが大きくなることを防ぎシリンダヘッドを小型化し、ひいては内燃機関の小型化を図り、吸排気カム軸の軸受へのオイル通路を短縮しつつ加工が容易で、製造コストを低減させるカム軸受給油構造を提供するものである。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、カム軸を摺動自在に軸支する軸受部位を有するシリンダヘッドと、先端を燃焼室に臨ませるようにして前記シリンダヘッドに支持される点火プラグを収納するプラグ孔と、円筒形状をなして、前記プラグ孔に上・下端部にて液密にして挿嵌されることにより、シリンダヘッドの内部と前記プラグ孔とを隔壁するプラグ筒を備えたカム軸受給油構造において、前記プラグ孔と前記プラグ筒の上下端部にて液密にされ、前記プラグ筒の外周面に沿って迂回する外周油路と、前記シリンダヘッドに前記プラグ孔を貫通するようにし、前記外周油路で接続されるように形成された主潤滑油通路と、前記外周油路から前記カム軸受部位の摺動面を接続するように前記カム軸受部位を貫通して形成され、前記軸受部位と前記カム軸との摺動面に至り潤滑油を供給する案内通路を備えたことを特徴とする内燃機関のカム軸受給油構造である。
請求項2に記載の発明は、前記案内通路のカム軸受部への流出口を、前記カム軸回転中心に対して前記プラグ孔側の半円周面に設けたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のカム軸受給油構造である。
請求項3に記載の発明は、前記カム軸受部が複数の分割半体で構成されて、これらを結合する締結部材に用いるものであって、カム軸とプラグ孔との間に設けられたねじ孔を、前記案内通路が貫通するように形成され、前記締結部材にねじ孔が封止されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関のカム軸受給油構造である。
請求項4に記載の発明は、前記カム軸受部が上・下半体に分割され、前記案内通路が前記上・下半体の接合面に対して傾斜させてプラグ孔に向かうように加工形成されることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のカム軸受給油構造である。
請求項5に記載の発明は、前記シリンダヘッドは複数のカム軸がプラグ孔を挟んで設けられて、各カム軸受部にそれぞれ前記案内通路を一対形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関のカム軸受給油構造である。
請求項6に記載の発明は、前記プラグ筒の上端部から下方位置にあって前記案内通路の流入口位置との間には、プラグ筒の外周から環状に隆起する隆起部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の内燃機関のカム軸受給油構造である。
請求項7に記載の発明は、前記プラグ筒の上端部の上端面には、これと密接するようにして環状シール部材を介在させて、上方から抜け止め固定するホルダ部を配設したことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の内燃機関のカム軸受給油構造である。
請求項8に記載の発明は、前記カム軸受部は上下に分割された上・下半体で構成され、前記ホルダ部が上半体と一体構成されることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関のカム軸受給油構造である。
請求項1に記載の内燃機関のカム軸受給油構造においては、プラグ筒の上下端部を液密にプラグ孔に嵌装させて外周油路を形成し、この外周油路からカム軸受部を接続するように案内通路を形成するようにしたことで、外周油路から案内通路を介してカム軸受部へ直接にオイルを供給するようにしたので、カム軸受部へのオイル通路を短縮することができて、シリンダヘッドの小型化を図ることができ、内燃機関を小型化することが可能となる。
請求項2に記載の内燃機関のカム軸受給油構造においては、外周油路から案内通路の流出口をカム軸受部におけるプラグ孔側の半円周面に設けたので、案内通路の長さを極力短くするとともに、始動後にカム軸受部へのオイル供給の時間を短縮することができる。
請求項3に記載の内燃機関のカム軸受給油構造においては、カム軸とプラグ孔との間のねじ孔を貫通するように案内通路を形成し、該案内通路を締結部材にて封止したので、ねじ孔を迂回させて案内通路を形成する場合に比べて、案内通路を最短で接続することが可能となり、製造コストを低減させつことができる。
請求項4に記載の内燃機関のカム軸受給油構造においては、カム軸受が上・下半体に分割されており、案内通路を上下二分割に形成されたカム軸受から加工形成する場合には、カム軸受部に斜めに加工を入れることにより、加工手順を容易に行うことができる。
請求項5記載の内燃機関のカム軸受給油構造においては、プラグ孔を挟んで両側のカム軸受部へのオイル供給を、共通のプラグ孔の外周油路から行うことができて、オイル供給油路を簡素化することができる。
請求項6記載の内燃機関のカム軸受給油構造においては、案内通路の流入口の上方位置でプラグ筒の外周に設けた環状の隆起部を設けることにより、外周油路を下方から流入して上がってきたオイルの案内通路の流入口への流れを促進させて、案内通路内へのオイル供給を容易にすることができる。
請求項7記載の内燃機関のカム軸受の給油構造おいては、外周油路の一部を構成するプラグ筒の上端面を、環状シール部材を介して、上方からホルダ部により抜け止め固定しているので、油圧を受けて抜け出しやすくなるプラグ筒を確実に抑えることができる。
請求項8記載の内燃機関のカム軸受給油構造においては、カム軸受部が上下に分割された上・下半体で構成されており、ホルダ部を設ける場合に、ホルダ部をカム軸受部の上半体に一体形成することで部品点数の削減を図ることができ、製造コストの低減を図ることができる。
本発明の一実施例の内燃機関のカム軸受給油構造を具備した内燃機関の左側面図である。 吸気弁の中心線および排気弁の中心線を通る平面で切断した内燃機関の縦断面図である。 燃焼プラグ筒の中心線を通る平面で切断した内燃機関の従断面図である。 ヘッドカバーを取り外した内燃機関の斜視図である。 図3のV−V線矢視図である。 図3の要部拡大断面図である。 図6のVII−VII線矢視図である。 図3の要部拡大断面図である。 図3の要部拡大断面図である。
以下、第1図ないし第9に示された本発明の実施例に係る内燃機関のカム軸受給油構造について説明する。本実施例では、前後、上下、左右方向とは、内燃機関が搭載された図示されない車体の前後、上下、左右を意味している。
図1は、本発明の一実施例のカム軸受の給油機構60を具備した内燃機関1を左方から見た側面図である。内燃機関1は、クランクケース2に、シリンダブロック3、シリンダヘッド4、ヘッドカバー5が順次重ねられ、図示されないボルトで一体に締結され、クランクケース2の下面にオイルパン6が図示されないボルトで締結されたものである。内燃機関1は、シリンダブロック3内には左右方向に4つのシリンダ11が形成された4気筒直列型内燃機関であり、図2ないし図4に示されるように、吸気弁18および排気弁19を開閉駆動するDOHC型式の4バルブシステムの動弁機構30が、シリンダヘッド4とヘッドカバー5とで構成される動弁室31内に収容されている。
図1に示されるように、クランクケース2とシリンダブロック3の間には、クランク軸10が左右方向に指向して回転自在に支承されている。図2に示されるように、シリンダブロック3に形成されたシリンダ11内には、上下に摺動するピストン12が嵌装されており、該ピストン12は、図示されないコンロッドを介して、クランク軸10に連結されている。シリンダヘッド4には、シリンダ軸線方向でシリンダ11のシリンダ孔11aと対向する位置に凹部からなる燃焼室13が形成されており、燃焼室13内で燃焼される燃料の爆発により、ピストン12はリンダ16内を上下方向に摺動され、ピストン12の上下動によりクランク軸10は回転駆動されるようになっている。
各燃焼室13には、吸気口14および排気口15が二つずつ形成され、燃焼室13内に吸気を導入する吸気ポート16および燃焼室13内で発生した排気を排出するための排気ポート17が連通されている。吸気口14、排気口15を開閉する吸気弁18、排気弁19は、バルブガイド20により摺動自在に支持され、弁軸18a、19aの上端に固着された上部リテーナ21と、シリンダヘッド4に固定された下部リテーナ22の間に嵌装されたスプリング23により、常に閉弁方向に付勢されている。
また図3および図5ないし図7に示されるように、シリンダヘッド4の1つの気筒における吸気口14および排気口15の略中央に位置して、点火プラグ筒25が挿嵌され、該点火プラグ筒25内に挿入される点火プラグが取り付けられる点火プラグ孔24が形成されている。
点火プラグ孔24は、図6に示されるように、同心の内径が異なる複数の円孔が連なったものであって、シリンダヘッド4の上面とカムシャフトホルダ50との接合面59から下方に向かって主プラグ孔24aが形成され、主プラグ孔24aの下部に連なって、内径が若干小さく点火プラグ筒25の先端部25aが嵌入されるプラグ筒嵌入部24bが形成され、プラグ筒嵌入部24bの下部に連通してさらに内径が小さい点火プラグ当接部24cが形成され、点火プラグ当接部24cの下部に連通して点火プラグ26のネジ部26aが螺合するネジ部24dが形成されており、該ネジ部36aの先端は燃焼室13と連通されている。
前記点火プラグ孔24には、点火プラグ筒25が挿入されるようになっている。該点火プラグ筒25は円筒形状であって、点火プラグ筒25のほとんどを占める筒状の中間部25cの外径は、前記点火プラグ孔24の主プラグ孔24aの内径よりも小さくなっている。点火プラグ筒25の上端部25aには、点火プラグ孔24の主プラグ孔24aの内径よりも大きい径に形成されたフランジ部25dが設けられている。点火プラグ筒25の下端部25bは、点火プラグ孔24のプラグ筒嵌入部24bに嵌入されるようになっており、該下端部25bには環状シール部材27が嵌装される溝部25fが形成されている。
点火プラグ筒25は、後述するカムシャフトホルダ50により上方から抜け止め固定されるようになっている。カムシャフトホルダ50には、点火プラグ筒25のフランジ部に当接される当接部50aが形成されており、該当接部50aには、環状シール部材28が嵌装される溝部50bが形成されている。さらにカムシャフトホルダ50には、点火プラグ筒25の内部と連通し点火プラグを挿入するプラグ孔50cが形成されている。
点火プラグ筒25は、下端部25bの溝部25dに環状シール部材27が嵌装された状態で点火プラグ孔24に挿入され、溝部50bに環状シール部材28が嵌装されたカムシャフトホルダ50により上方から抜け止め固定されると、点火プラグ孔24の内周面と点火プラグ筒25の外周面とで構成される空間(後述するプラグ筒外周油路63)は、環状シール部材27、28により、点火プラグ筒25の上端部25aおよび下端部25bにおいて液密にされ、シリンダヘッド4の内部と点火プラグ孔24とは、点火プラグ筒25により隔壁される。
シリンダヘッド4にカムシャフトホルダ50により点火プラグ筒25内が抜け止め固定された後に、点火プラグ26が、カムシャフトホルダ50のプラグ孔50cより点火プラグ筒25内に挿入され、点火プラグ26の先端に形成されたネジ部26aを、点火プラグ孔24のねじ孔24aに螺合し、点火プラグ26の電極部26bが燃焼室13に臨むように取り付けられる。
動弁室31内には、図2ないし図4に示されるように、吸気カム軸32と排気カム軸33が、内燃機関1の左右方向に指向して、点火プラグ孔24を挟むように前後方向に平行に配設されており、シリンダヘッド4に形成された軸受半体としての下軸受部38bとカムシャフトホルダ50に形成された軸受半体としての上軸受部38aとで構成されるカム軸受38により、回転自在に支承されている。
図3および図4に示されるように、シリンダヘッド4にはそれぞれの点火プラグ孔24に対して、前後2つずつのボルトねじ孔53、54が配設されており、さらにボルトねじ孔53とボルトねじ孔54は下軸受部38bを挟んだ位置にそれぞれ形成されている。カムシャフトホルダ50には、シリンダヘッドに形成されたボルトねじ孔53、54に対応して、点火プラグ孔24に対して、前後2つずつのボルト挿通孔51、52が配設されており、ボルト挿通孔51とボルト挿通孔52は、上軸受部38aを挟んだ位置にそれぞれ形成されている。
図8に示されるように、吸気カム軸32側のボルト挿通孔51の下部およびボルトねじ孔53の上部には、それぞれの内径よりも少し大きい内径の筒状部材挿入孔51a、53aが形成されており、該筒状部材挿入孔51a、53aに、フランジボルト55を挿通するように形成された筒状部材58が嵌装されるようになっている。
シリンダヘッド4に形成されたプラグ孔にプラグ筒を挿入して、シリンダヘッドに形成された下軸受部38bに吸気カム軸および排気カム軸を所定位置に載置したのち、吸気カム軸および排気カム軸を挟むようにカムシャフトホルダ50を被せて、フランジボルト55、56を、環状シール部材57およびカムシャフトホルダ50のボルト挿通孔51、52に挿通し、シリンダヘッド4のボルトねじ孔53、54に螺合して、カムシャフトホルダ50はシリンダヘッド4に一体に締結され、吸気カム軸32と排気カム軸33はカム軸受38に回転自在に支承される。フランジボルト55、56とカムシャフトホルダ50との間には、環状シール部材57が介装されているので、ボルト孔51、52内およびボルトねじ孔53、54内は液密にされている。
図4に示されるように、吸気カム軸32の右方端部には、従動スプロケット41が一体に取り付けられており、該従動スプロケット41と、クランク軸10に設けられた駆動スプロケット40には、無端タイミングチェーン42が架け渡され、クランク軸10の回転駆動力により吸気カム軸32が回転されるようになっている。
吸気カム軸32の右方向の略中央に、吸気カムギヤ36が吸気カム軸32と一体に回転するように取り付けられており、該吸気カムギヤ36に噛み合うように、排気カム軸33に排気カムギヤ37が一体に取り付けられている。吸気カムギヤ36と排気カムギヤ37とは、同数の歯が形成されており、クランク軸10により回転駆動される吸気カム軸32の回転駆動力が、吸気カム34および排気カム37を介して排気カム軸33に伝達され、排気カム軸33は、吸気カム軸34と同一回転速度で逆方向に回転駆動される。
図2に示されるように、シリンダヘッド4には吸気ロッカアーム43および排気ロッカアーム44が、吸・排気カム軸32、33に平行なロッカアーム軸45により搖動自在に支持されている。吸・排気ロッカアーム43、44の腕部43a、44aの先端上面のカム当接部43b、44bが吸・排気カム33、34のカム面33a、34aに当接され、腕部43a、44aの先端下面の弁軸側当接部43c、44cがクリアランス調整部材29を介して吸・排気弁18、19の弁軸18a、19aを押圧するようになっている。
内燃機関1が始動開始して、クランク軸10から伝達された回転駆動力により、吸排気カム軸32、33が回転されると、吸・排気カム34、35が回転され、吸・排気カム34、35のカム面34a、35aの形状に伴い、吸・排気ロッカアーム43、44のカム当接部43b、44bが押圧され、吸・排気ロッカアーム34、35が搖動されて、弁軸側当接部43c、44cがクリアランス調整部材29を介して吸・排気弁18、19の弁軸18a、19aを押圧し、所定のタイミングおよびリフト量で吸気弁18および排気弁19は開閉作動される。
次に、カム軸受38に潤滑油を供給するカム軸受給油機構60について説明する。図1に示されるように、クランクケース2内には、クランク軸10の動力により駆動されるオイルポンプ7が設けられており、該オイルポンプ7にはオイルパン6内に配設されたストレーナ8が接続されており、クランク軸10によりオイルポンプ7が駆動されると、オイルパン6内に貯留された潤滑油が、ストレーナ8から吸入されて、オイルポンプ7から供給油路9を通じて、内燃機関1の各所に送られるようになっている。
オイルポンプ7から圧送される潤滑油は、クランク軸10に向かって上方へクランクケース2とシリンダブロック3の接合面に延びた供給油路9aを通過し、クランクケース2とシリンダブロック3との接合面沿ってにシリンダブロック3の前方へ向かって形成された供給油路9bを通り、供給油路9bの前端部から斜め上方に向かってシリンダブロック3からシリンダヘッド4に形成された供給油路9cを通過し、図5に示されるように、シリンダヘッド4の左右方向に指向して形成された主潤滑通路62に送られるようになっている。主潤滑油通路62の右端62aは供給油路9cに連結されており、主潤滑油通路62の左端62bはプラグ70により閉じられている。図3および図5に示されるように、主潤滑油通路62は、シリンダヘッド4に形成された4つの各点火プラグ孔24を貫通するように形成されている。
図6および図7に示されるように、プラグ孔24内にはプラグ筒25が挿入されており、点火プラグ孔24の内周面と点火プラグ筒25の外周面とで構成される空間としてのプラグ筒外周油路63は、環状シール部材27、28により、点火プラグ筒25の上端部25aおよび下端部25bにおいて液密にされ、シリンダヘッド4の内部と点火プラグ孔24とは点火プラグ筒25により隔壁されている。図7に示されるように、点火プラグ孔24は主潤滑油通路62と連通しているので、上流側の主潤滑油通路62を流れる潤滑油は、プラグ筒外周油路63の流入口63aよりプラグ筒外周油路63内に流入して点火プラグ筒25の外周面に沿って迂回し、プラグ筒外周油路63の流出口63bより下流側の主潤滑油通路62に流出するようになっている。
図3、図8および図9に示されるように、プラグ筒外周油路63から、シリンダヘッド4に形成された下軸受部38bを貫通して、カムシャフトホルダ50とシリンダヘッド4との接合面59に対して傾斜して点火プラグ孔24に向かうように、吸気カム軸32と軸受38、排気カム軸33と軸受38のそれぞれの摺動面に接続する案内通路64が形成されている。該案内通路64の流入口64aはプラグ筒外周油路63と連通しており、カム軸受部38への流出口64bは、吸排気カム軸32、33の回転中心に対して点火プラグ孔24側の半円周面38cに設けられている。
図6に示されるように、点火プラグ筒25には、プラグ筒外周油路63と連通している案内通路64の流入口64aより上方で、点火プラグ筒25の上端部25aの下方に位置して、中間部25cの外周面から環状に隆起した隆起部25gが形成されている。隆起部25gにより、プラグ筒外周油路25内に下方から流入して上がってきた潤滑油を案内通路64の流入口64aに流れを促進させるようになっている。
図8および図9に示されるように、該案内通路64は、点火プラグ孔24と吸気カム軸32または排気カム軸32の間に設けられたネジ孔53を貫通するように形成されており、該ネジ孔53に螺着されるフランジボルト55、56および環状シール部材57により、案内通路64から潤滑油が漏れないように封止されている。
本実施例のカム軸受給油構造60では、オイルポンプ7から送られてきた潤滑油は、図1に示されるように、供給油路9を通過し、図5に示されるように、供給油路9から主潤滑油通路62の右端62aに送られ、右端62aから順次各気筒に設けられたプラグ筒外周油路63に送られる。さらに、図8および図9に示されるように、プラグ筒外周油路63から案内通路64へと流入し、ボルト孔53を通り、軸受38のプラグ側半円周面38cに形成された流出口64bより、カム軸受38と吸・排気カム軸32、33との摺動面に流出し潤滑油を供給するようになっている。図8に示されるように、吸気カム軸32側の上軸受部38aと下軸受部38bとの接合面、すなわちシリンダヘッド4とカムシャフトホルダ50との接合面59は、点火プラグ孔24側へ傾いており、流出口64bカム軸受38に流入した潤滑油が接合面59を介して下方に向かうが、ボルト挿通孔51およびボルトねじ孔53に嵌合された筒状部材58により、ボルト挿通孔51およびボルトねじ孔53に潤滑油が流入することを阻止し、カム軸受38に十分な潤滑油を送ることができる。
本発明の一実施例の内燃機関1のカム軸受給油構造60は前記したように構成されているので、点火プラグ筒25の上下端部25a、25bを液密に点火プラグ孔54に嵌装させてプラグ筒外周油路63を形成し、このプラグ筒外周油路63からカム軸受部38を接続するよう案内通路64を形成したことで、プラグ筒外周油路63から案内通路64を介してカム軸受部38へ直接に潤滑油を供給するようにしたので、カム軸受部38への潤滑油通路を短縮することができ、ひいてはシリンダヘッド4を小さくして、内燃機関1の小型化を図ることができる。
さらに、プラグ筒外周油路63から案内通路64の流出口63aをカム軸受部38における点火プラグ孔24側の半円周面38cに設けたので、案内通路64の長さを極力短くするとともに、内燃機関1の始動後にカム軸受部38へのオイル供給の時間を短縮することができる。
また、吸・排気カム軸32、33と点火プラグ孔34との間のボルトねじ孔53を貫通するように案内通路64を形成し、該案内通路64をフランジボルト55にて封止するようにしたので、ボルトねじ孔53を迂回させて案内通路64を形成する場合に比べて、案内通路64を最短で接続することが可能となり、省スペース化を図りさらに加工コストを低減することができる。
さらに、カム軸受38が上軸受部38a、下軸受部38bの上・下半体に分割され、案内通路64が上軸受部38a、下軸受部38bの接合面に59対して傾斜させて点火プラグ孔24に向かうように加工形成されているので、案内通路64を上下二分割に形成された上・下カム軸受38a、38bを加工形成する場合に、上・下カム軸受部38a、38bに斜めに加工を入れることで、加工手順を容易に行うことができる。
また、シリンダヘッド4は複数のカム軸32、33が、点火プラグ孔24を挟んで設けられて、各カム軸受38にそれぞれ案内通路64を一対形成しているので、点火プラグ孔24を挟んで両側のカム軸受38への潤滑油の供給を共通の点火プラグ孔24の点火プラグ筒外周油路63から行うことが可能となり、オイル供給を簡素化することができる。
点火プラグ筒25の上端部25aから下方位置にあって案内通路64の流入口64aの位置との間には、点火プラグ筒25の外周から環状に隆起する隆起部25gを設けたので、プラグ筒外周油路63を下方から流入して上がってきた潤滑油の案内通路64の流入口64aへの流れを促進させて、案内通路内64への潤滑油の供給を容易にすることができる。
外周油路63の一部を構成する点火プラグ筒25の上端面25eを、環状シール部材28を介して押さえるようにしてカムシャフトホルダ50を取り付けているので、油圧を受けて抜け出しやすくなる点火プラグ筒25を確実に抑えることができる。
前記カム軸受部は上下に分割された上・下半体で構成され、前記ホルダ部が上半体と一体構成される、ホルダ部を設ける場合に、カム軸受部の上半体に一体形成することで部品点数の削減を図ることができる。
1…内燃機関、4…シリンダヘッド、13…燃焼室、24…点火プラグ孔、25…点火プラグ筒、25e…上端部、25g…隆起部、26…点火プラグ、28…環状シール部材、32…吸気カム軸、33…排気カム軸、38…カム軸受、38a…上軸受部、38b…下軸受部、50…カムシャフトホルダ、55…フランジボルト、53…ボルトねじ孔、63…主潤滑油通路、63…外周油路、64…案内通路、64a…流入口、64b…流出口。

Claims (8)

  1. カム軸(31,32)を回転自在に軸支するカム軸受部位(38)を有するシリンダヘッド(4)と、
    先端を燃焼室(13)に臨ませるようにして前記シリンダヘッド(4)に支持される点火プラグ(26)を収納するプラグ孔(24)と、
    円筒形状をなして、前記プラグ孔(24)に上・下端部(25a、25b)にて液密にして挿嵌されることにより、シリンダヘッド(4)の内部と前記プラグ孔(24)とを隔壁するプラグ筒(25)を備えた内燃機関のカム軸受給油構造において、
    前記プラグ孔(24)と前記プラグ筒(25)の上下端部(25a、25b)にて液密にされ、前記プラグ筒(25)の外周面に沿って迂回する外周油路(63)と、
    前記シリンダヘッド(4)に前記プラグ孔(24)を貫通するようにし、前記外周油路(63)で接続されるように形成された主潤滑油通路(62)と、
    前記外周油路(63)から前記カム軸受部位(38)の摺動面を接続するように前記カム軸受部位(38)を貫通して形成され、前記軸受部位(38)と前記カム軸(31、32)との摺動面に至り潤滑油を供給する案内通路(64)を備えたことを特徴とする内燃機関のカム軸受給油構造。
  2. 前記案内通路(64)の前記カム軸受部位(38)への流出口(64b)を、前記カム軸(31、32)の回転中心に対して前記プラグ孔(24)側の半円周面(38c)に設けたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のカム軸受給油構造。
  3. 前記カム軸受部(38)が複数の分割半体(38a、38b)で構成されて、これらを結合する締結部材(55)に用いるものであって、前記カム軸(32,33)と前記プラグ孔(24)との間に設けられたねじ孔(53)を、前記案内通路(64)が貫通するように形成され、前記締結部材(55)により前記ねじ孔(53)が封止されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のカム軸受給油構造。
  4. 前記カム軸受部(38)が上・下半体(38a,38b)に分割され、前記案内通路(64)が前記上・下半体(38a、38b)の接合面(59)に対して傾斜させてプラグ孔(24)に向かうように加工形成されることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のカム軸受給油構造。
  5. 前記シリンダヘッド(4)は複数のカム軸(31、32)が前記プラグ孔(24)を挟んで設けられて、各カム軸受部(38)にそれぞれ前記案内通路(64)を一対形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関のカム軸受給油構造。
  6. 前記プラグ筒(25)の上端部(25e)から下方位置にあって前記案内通路(64)の前記流入口(64a)位置との間には、前記プラグ筒(25)の外周から環状に隆起する隆起部(25g)を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のカム軸受給油構造。
  7. 前記プラグ筒(25)の前記上端部(25a)の上端面(25e)には、これと密接するようにして環状シール部材(28)を介在させて、上方から抜け止め固定するホルダ部(50)を配設したことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の内燃機関のカム軸受給油構造。
  8. 前記カム軸受部(38)は上下に分割された上・下半体(38a,38b)で構成され、前記ホルダ部(50)が前記上半体(38a)と一体構成されることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関のカム軸受給油構造。
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