JP2015068142A - 積込機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】坑内採掘において、生産性を向上させること。
【解決手段】積込機械は、鉱脈の下方に設置された採掘場所に形成された鉱石の地山から前記鉱石を積み込んで、前記地山から離れる方向に搬送して排出する搬送装置と、前記搬送装置が取り付けられた車体を走行させる走行装置と、所定の軸線の周りを回転する回転部材及び前記回転部材の外周部に設けられて前記鉱石と接触して掘削する接触部材を有し、前記搬送装置の積み込み側で回転しながら前記鉱石を前記搬送装置に送り込む回転ローラーと、前記車体に取り付けられ、かつ前記車体に対して揺動可能な第1部材と、前記回転ローラーを支持し、かつ前記第1部材と連結されて、前記第1部材に対して揺動可能な第2部材と、を含む。
【選択図】図13
【解決手段】積込機械は、鉱脈の下方に設置された採掘場所に形成された鉱石の地山から前記鉱石を積み込んで、前記地山から離れる方向に搬送して排出する搬送装置と、前記搬送装置が取り付けられた車体を走行させる走行装置と、所定の軸線の周りを回転する回転部材及び前記回転部材の外周部に設けられて前記鉱石と接触して掘削する接触部材を有し、前記搬送装置の積み込み側で回転しながら前記鉱石を前記搬送装置に送り込む回転ローラーと、前記車体に取り付けられ、かつ前記車体に対して揺動可能な第1部材と、前記回転ローラーを支持し、かつ前記第1部材と連結されて、前記第1部材に対して揺動可能な第2部材と、を含む。
【選択図】図13
Description
本発明は、坑内採掘に用いられる作業機械である積込機械に関する。
鉱山における採掘方法として、地表から採掘する露天採掘と、地下から採掘する坑内採掘とが知られている。環境に対する負荷の低減及び鉱石の存在部位の深部化等により、近年においては、坑内採掘が採用されるケースが増えている。例えば、特許文献1には、鉱石をバケットで掘削する車両が坑道内に進入して鉱石を掘削した後、掘削した鉱石をバケットに保持した状態で坑道を移動する作業機械が記載されている。
一般に、鉱山においては、生産性を高くすることが要求される。これは、坑内採掘においても同様である。特許文献1に記載された技術は、鉱石を掘削する車両が鉱石を保持した状態で鉱石を運搬しているため、生産性を十分に向上させることができない。
本発明は、坑内採掘において、生産性を向上させることを目的とする。
本発明は、鉱体の内部に設置された採掘場所に形成された鉱石の地山から前記鉱石を積み込んで、前記地山から離れる方向に搬送して排出する搬送装置と、前記搬送装置が取り付けられた車体を走行させる走行装置と、所定の軸線の周りを回転する回転部材及び前記回転部材の外周部に設けられて前記鉱石と接触して掘削する接触部材を有し、前記搬送装置の積み込み側で回転しながら前記鉱石を前記搬送装置に送り込む回転ローラーと、前記車体に、起伏方向に揺動可能に設けられて、前記回転ローラーを支持する支持機構と、を含む、積込機械である。
前記支持機構は、前記車体に取り付けられ、かつ前記車体に対して揺動可能な第1部材と、前記回転ローラーを支持し、かつ前記第1部材と連結されて、前記第1部材に対して揺動可能な第2部材と、を含むことが好ましい。
前記接触部材は、前記回転部材から径方向外側に突出し、かつ前記回転部材の周方向に沿って所定の間隔で設けられた複数の板状部材であることが好ましい。
前記第1部材は、前記車体の両側に設けられた一対の第1棒状部材であり、前記第2部材は、それぞれの前記第1棒状部材に連結された一対の第2棒状部材であり、前記第2部材は、一対の前記第2棒状部材の間に前記回転ローラーを支持することが好ましい。
前記回転ローラーは、前記搬送装置の幅方向に移動することが好ましい。
前記第1部材は、前記車体に対して第1の軸線の周りを揺動し、前記第2部材は、前記第1の軸線と平行な軸線及び前記第1の軸線と直交する第2の軸線と平行な軸線の両方の周りを揺動することが好ましい。
前記回転ローラーは、異なる駆動装置によって回転する第1回転ローラーと第2回転ローラーとを有し、前記第2部材は、一対の棒状部材であって、それぞれの前記棒状部材が、前記第1の軸線と平行な軸線及び前記第2の軸線と平行な軸線の両方の周りを揺動し、さらに、一対の前記棒状部材は、一方が前記第1回転ローラーを支持し、他方が前記第2回転ローラーを支持することが好ましい。
前記回転ローラーが前記鉱石を掘削する際には、搬送装置の積込側に前記回転ローラーが配置され、前記走行装置が前記車体を走行させる際には、前記鉱石の掘削時よりも前記搬送装置の排出側に前記回転ローラーが配置されることが好ましい。
前記搬送装置に前記鉱石が積み込まれる部分と、前記搬送装置から前記鉱石が排出される部分との間には、前記鉱石の排出と排出の停止とを切り替える切替機構が設けられることが好ましい。
前記車体は、前記車体の外側に向かって伸びて、前記採掘場所につながる坑道の壁面に押し付けられる固定装置を有することが好ましい。
本発明は、鉱脈の下方に設置された採掘場所に形成された鉱石の地山から前記鉱石を積み込んで、前記地山から離れる方向に搬送して排出する搬送装置と、前記搬送装置の積込側に設けられて、前記地山に貫入する貫入部材と、前記搬送装置が取り付けられた車体を走行させる走行装置と、所定の軸線の周りを回転する回転部材及び前記回転部材の外周部に設けられて前記鉱石と接触して掘削する接触部材を有し、前記搬送装置の積み込み側で回転しながら前記鉱石を前記搬送装置に送り込む回転ローラーと、前記車体に、起伏方向に揺動可能に設けられて、前記回転ローラーを支持する支持機構と、前記搬送装置に前記鉱石が積み込まれる部分と、前記搬送装置から前記鉱石が排出される部分との間に設けられて、前記鉱石の排出と排出の停止とを切り替える切替機構と、を含む、積込機械である。
本発明は、坑内採掘において、生産性を向上させることができる。
本発明を実施するための形態(実施形態)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下においては、所定面内の一方向をX軸方向、所定面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向をZ軸方向として、各部の位置関係を説明する。また、重力の作用方向を下方、重力の作用方向とは反対方向を上方という。鉱山の生産性は、単位時間あたりの採掘量(t/h)と単位時間量あたりのコスト($/h)との両方を含む。鉱山の生産性は、式(1)に示すように、両者の商を指標とすることができる。式(1)中の$/tは生産性を表す指標、tは採掘量、hは時間、$はコストである。式(1)で表される指標$/tが小さいほど、鉱山の生産性は高いことになる。
$/t=($/h)/(t/h)・・(1)
$/t=($/h)/(t/h)・・(1)
<採掘現場の概要>
図1は、本実施形態に係る運搬機械10及び積込機械30が稼働する現場の一例を示す模式図である。運搬機械10及び積込機械30は、地下から鉱石を採掘する坑内採掘に使用される。運搬機械10は、坑道Rにおいて積荷を運搬する作業機械の一種であり、積込機械30は、運搬機械10に積荷を積み込む作業機械の一種である。本実施形態においては、ブロックケービング工法により鉱石が採掘される。
図1は、本実施形態に係る運搬機械10及び積込機械30が稼働する現場の一例を示す模式図である。運搬機械10及び積込機械30は、地下から鉱石を採掘する坑内採掘に使用される。運搬機械10は、坑道Rにおいて積荷を運搬する作業機械の一種であり、積込機械30は、運搬機械10に積荷を積み込む作業機械の一種である。本実施形態においては、ブロックケービング工法により鉱石が採掘される。
ブロックケービング工法とは、鉱山Mの鉱体(鉱脈)MGに鉱石MRの採掘場所(以下、適宜ドローポイントという)DPと、採掘された鉱石を搬送するための坑道Rとを設置し、そのドローポイントDPの上部をアンダーカットして発破し、鉱石MRを自然崩落させることによって、そのドローポイントDPから鉱石MRを採掘する工法をいう。ドローポイントDPは、鉱体MGの内部又は鉱体MGの下方Dに設置される。ブロックケービング工法は、岩盤又は鉱体の下部をアンダーカットすると、脆弱な岩が自然崩壊を始める性質を利用した工法である。鉱体MGの内部又は下方Dから鉱石MRが採掘されると、崩落が上部まで伝播する。このため、ブロックケービング工法を用いると、鉱体MGの鉱石MRを効率よく採掘することができる。ブロックケービング工法において、通常、ドローポイントDPは複数設けられる。
本実施形態においては、地上に管理装置3が配置される。管理装置3は、地上又は坑内の管理施設内に設置される。このように、管理装置3は、原則として移動を考慮していないものである。管理装置3は、採掘現場を管理する。管理装置3は、無線通信装置4及びアンテナ4Aを備える通信システムを介して、運搬機械10及び積込機械30を含む坑内の作業機械と通信可能である。本実施形態において、運搬機械10及び積込機械30は、無人で稼働する作業機械であるが、オペレーターの操作により稼働する有人の作業機械であってもよい。
<坑内MIについて>
図2は、坑内MIの一例及び鉱山の管理システムを示す模式図である。図3は、図2の一部を拡大した図である。これらの図に示すように、鉱脈MGの下方Dに設置された坑道Rは、第1坑道DRと、第2坑道CRとを含む。坑道Rは、例えば、鉱体MGの内部又は鉱体MGの下方Dに設置される。本実施形態において、坑内MIには、第1坑道DR及び第2坑道CRは、それぞれ複数存在する。第2坑道CRは、それぞれのドローポイントDPと第1坑道DRとを接続する。積込機械30は、第2坑道CRを通ってドローポイントDPに接近することができる。本実施形態において、坑道Rは第3坑道TRを含む。本実施形態において、複数(この例では2本)の第3坑道TRが、複数の第1坑道DRと接続されている。以下において、第1坑道DRを適宜ドリフトDRといい、第2坑道CRを適宜クロスカットCRといい、第3坑道TRを適宜外周路TRという。
図2は、坑内MIの一例及び鉱山の管理システムを示す模式図である。図3は、図2の一部を拡大した図である。これらの図に示すように、鉱脈MGの下方Dに設置された坑道Rは、第1坑道DRと、第2坑道CRとを含む。坑道Rは、例えば、鉱体MGの内部又は鉱体MGの下方Dに設置される。本実施形態において、坑内MIには、第1坑道DR及び第2坑道CRは、それぞれ複数存在する。第2坑道CRは、それぞれのドローポイントDPと第1坑道DRとを接続する。積込機械30は、第2坑道CRを通ってドローポイントDPに接近することができる。本実施形態において、坑道Rは第3坑道TRを含む。本実施形態において、複数(この例では2本)の第3坑道TRが、複数の第1坑道DRと接続されている。以下において、第1坑道DRを適宜ドリフトDRといい、第2坑道CRを適宜クロスカットCRといい、第3坑道TRを適宜外周路TRという。
図2に示すように、坑内MIには、2本の外周路TRが設置されている。それぞれの外周路TRは、クロスカットCRのようにはドローポイントDPによって分断されていない。1本の外周路TRは、複数のドリフトDRのそれぞれの一端部を接続し、もう1本の外周路TRは、複数のドリフトDRのそれぞれの他端部を接続する。このように、すべてのドリフトDRは、2本の外周路TRと接続されている。本実施形態においては、運搬機械10及び積込機械30は、いずれのドリフトDRであっても一方の外周路TRから進入することができる。図3に示す例において、運搬機械10及び積込機械30は、ドリフトDR内を矢印FCの方向に進行する。
図2及び図3に示すように、運搬機械10に対する積込機械30による積込作業が行われる積込位置LPは、クロスカットCR又はその近傍に定められる。ドローポイントDP及び積込位置LPを含む領域を、積込場所LA、と称してもよい。
図2に示すように、坑内MIには、運搬機械10によって運搬された積荷としての鉱石MRが排出される排土場所(オアパス)DPが設けられる。運搬機械10は、ドローポイントDP近傍の積込場所LAにおいて積込機械30により積荷としての鉱石MRを積み込まれた後、ドリフトDRを走行して、オアパスOPまで移動する。運搬機械10は、到着したオアパスOPに積荷としての鉱石MRを排出する。
本実施形態において、図2及び図3に示す運搬機械10は、走行用の電動機と、この電動機に電力を供給する蓄電器とを有する。外周路TRには、空間SPが接続されている。外周路TRと接続する空間SPには、運搬機械10に搭載された蓄電器を交換する蓄電器交換装置EXが設置される。蓄電器交換装置EXは、蓄電器14を充電する機能も有している。
以下の説明においては、便宜上、運搬機械10が走行する坑道Rの路面とXY平面とが実質的に平行であることとする。なお、実際には、坑道Rの路面は、凹凸を有していたり、上り坂及び下り坂を有していたりする場合が多い。
図2に示す鉱山の管理システム1は、管理装置3と、無線通信用のアンテナ4Aとを含む。管理装置3は、例えば、坑内MIで稼働する運搬機械10及び積込機械30の運行を管理する。運行の管理には、運搬機械10及び積込機械30の配車、運搬機械10及び積込機械30の稼働状態に関する情報(以下、適宜稼働情報という)の収集及びその管理等が含まれる。稼働情報は、例えば、運搬機械10及び積込機械30の稼働時間、走行距離、蓄電器の残量、異常の有無、異常の箇所、積載量等が含まれる。稼働情報は、主として運搬機械10及び積込機械30の運転評価、予防保全及び異常診断等に用いられる。したがって、稼働情報は、鉱山Mの生産性向上又は鉱山Mのオペレーションの改善といったニーズに応えるために有用である。
管理装置3は、後述するように通信装置を備えている。アンテナ4Aを備えた無線通信装置4は、この通信装置と接続されている。管理装置3は、例えば、通信装置、無線通信装置4及びアンテナ4Aを介して、坑内MIで稼働する運搬機械10及び積込機械30との間で情報をやり取りする。鉱山の管理システム1が備える管理装置3は、前述したように運搬機械10及び積込機械30の運行を管理する。
本実施形態において、積込機械30は、走行用の電動機によって走行し、電動機によって掻き込み装置を駆動して鉱石MRを掘削する。図3に示すように、これらの電動機に積込機械30の外部から電力を供給する給電ケーブル5が坑内MIの坑道Rに設けられている。積込機械30は、例えば、積込場所LAに設けられた電力供給装置としての給電用のコネクタ6及び積込機械30からの電力ケーブル7を介して、給電ケーブル5からの電力の供給を受ける。前述した電力供給装置は、ドリフトDR又はクロスカットCRのいずれか一方に設けられていればよい。本実施形態において、積込機械30は、外部から供給される電力によって走行及び掘削の少なくとも一方を行ってもよい。また、積込機械30は、蓄電器を搭載し、この蓄電器から電力の供給を受けて走行及び掘削の少なくとも一方を行ってもよい。また、積込機械30は、蓄電器を搭載し、この蓄電器から電力の供給を受けて走行及び掘削の少なくとも一方を行ってもよい。すなわち、積込機械30は、外部から供給される電力及び蓄電器から供給される電力の少なくとも一方によって、走行及び掘削の少なくとも一方を行う。例えば、積込機械30は、外部から供給される電力によって掘削を行い、蓄電器から供給される電力によって走行することができる。また、積込機械30は、クロスカットCR内を走行する場合は、外部から供給される電力により走行してもよい。本実施形態において、積込機械30は、電動機によって油圧ポンプを駆動して油圧を発生させ、この油圧によって油圧モータを駆動することにより、鉱石MRを掘削してもよい。また、積込機械30は、蓄電器を備え、この蓄電器から供給される電力により走行し、掘削してもよい。
給電ケーブル5と積込機械30からの電力ケーブル7との接続は、コネクタ6に限定されるものではない。例えば、坑道R側に設けられ、かつ給電ケーブル5と接続された電極と、積込機械30側からの電力ケーブル7に接続された電極とを電力供給装置として用い、両方の電極を接触させて、給電ケーブル5から積込機械30に電力を供給してもよい。このようにすると、両方の電極の位置決め精度が低くても両者を接触させて電力を積込機械30に供給することができる。本実施形態では、積込機械30は電力で動作するものとしたが、このようなものには限定されない。積込機械30は、例えば、内燃機関によって走行したり鉱石MRを掘削したりするものであってもよい。この場合、積込機械30は、内燃機関によって油圧ポンプを駆動し、油圧ポンプから吐出される作動油によって、例えば、油圧モータ又は油圧シリンダ等を駆動することにより走行したり、鉱石MRを掘削したりしてもよい。
<鉱石MRの掘削及び運搬>
図4及び図5は、積込機械30による地山RMの鉱石MRの掘削及び運搬機械10への鉱石MRの積込を示す図である。積込場所LAは、ドローポイントDPに鉱石MRの地山RMが形成される。図4及び図5に示すように、積込機械30は、積込場所LAのクロスカットCR内に設置されて、先端部が鉱石MRの地山RMに貫入してこれを掘削する。積込機械30は、掘削した鉱石MRを、地山RMとは反対側であって、ドリフトDR内に待機している運搬機械10に積載する。ドリフトDR内には、積込機械30に電力を供給する給電ケーブル5が設けられている。
図4及び図5は、積込機械30による地山RMの鉱石MRの掘削及び運搬機械10への鉱石MRの積込を示す図である。積込場所LAは、ドローポイントDPに鉱石MRの地山RMが形成される。図4及び図5に示すように、積込機械30は、積込場所LAのクロスカットCR内に設置されて、先端部が鉱石MRの地山RMに貫入してこれを掘削する。積込機械30は、掘削した鉱石MRを、地山RMとは反対側であって、ドリフトDR内に待機している運搬機械10に積載する。ドリフトDR内には、積込機械30に電力を供給する給電ケーブル5が設けられている。
図4及び図5に示すように、積込機械30は、車体30BDと、搬送装置としてのフィーダー31と、掘削装置としての回転ローラー33と、回転ローラー33を支持する支持機構32と、走行装置34とを含む。回転ローラー33と支持機構32とは、鉱石MRを掘削してフィーダー31に送り込む掻き込み装置として機能する。
支持機構32は、車体30BDに対して、起伏方向に揺動可能に設けられている。起伏方向は、車体30BDの上下方向である。支持機構32は、車体30BDに取り付けられる第1部材としてのブーム32aと、これに連結されて揺動し、かつ回転ローラー33を回転可能に支持する第2部材としてのアーム32bとを有する。積込機械30の車体30BDは、鉱石MRの地山RMに貫入する貫入部材35と、回転体36と、岩石ガード37とを備える。貫入部材35は、鉱石MRの掘削時に地山RMに貫入する。回転体36は、積込機械30の貫入部材35が地山RMに貫入するときに回転して、貫入を補助する。
運搬機械10は、車体10Bと、ベッセル11とを含む。ベッセル11は、車体10Bに搭載される。ベッセル11は、鉱石MRを積荷として積載する。本実施形態において、ベッセル11は、図4及び図5に示すように、車体10Bの幅方向W、すなわち車軸と平行な方向に移動する。ベッセル11は、運搬機械10の走行時には車体10Bの幅方向中央に設置される。また、ベッセル11は、鉱石MRの積載時において、車体10Bの幅方向外側に移動する。その結果、運搬機械10は、ベッセル11を積込機械30のフィーダー31の下方Dに接近させることができるので、フィーダー31によって搬送された鉱石MRがベッセル11外に落下する可能性を低減し、鉱石MRをベッセル11内に確実に落下させることができる。
本実施形態では、図4及び図5に示すように、積込機械30は鉱石MRの掘削及び掘削した鉱石MRを運搬機械10に搬送しこれに積載する。運搬機械10は、積載された鉱石MRを、図2に示すオアパスOPまで搬送し、ここに排出する。このとき、積込機械30は、運搬機械10が走行する空間をドリフトDR内に残した状態でクロスカットCRに留まって、ドローポイントDPで鉱石MRを掘削する。そして、積込機械30は、掘削した鉱石MRをドローポイントDPから離れる方向に搬送して、運搬機械10に積み込む。積込機械30は、掘削した鉱石MRを積載した状態では移動しない。運搬機械10は、ドローポイントDPで採掘された鉱石MRを積載し、ドリフトDRを走行して図2に示すオアパスOPまで運搬する。
このように、本実施形態において、鉱山の管理システム1は、積込機械30には鉱石MRの掘削及び積込のみを行わせ、運搬機械10には鉱石MRの運搬のみを行わせるようにして、両者の機能を分離している。このため、積込機械30は掘削作業及び搬送作業に専念でき、運搬機械10は運搬作業に専念できる。すなわち、積込機械30は鉱石MRを運搬する機能を有していなくてもよく、運搬機械10は鉱石MRの掘削及び搬送する機能を有していなくてもよい。積込機械30は、掘削及び搬送の機能に特化でき、運搬機械10は鉱石MRの運搬の機能に特化できるので、それぞれの機能を最大限発揮させることができる。結果として、鉱山の管理システム1は、鉱山Mの生産性を向上させることができる。
<鉱山の管理システム1の管理装置3>
図6は、鉱山の管理システム1が備える管理装置3の機能ブロック図の一例である。管理装置3は、処理装置3Cと、記憶装置3Mと、入出力部(I/O)3IOとを含む。さらに、管理装置3は、入出力部3IOに、出力装置としての表示装置8と、入力装置9と、通信装置3Rとが接続されている。管理装置3は、例えば、コンピュータである。処理装置3Cは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。記憶装置3Mは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ若しくはハードディスクドライブ等又はこれらを組み合わせたものである。入出力部3IOは、処理装置3Cと、処理装置3Cの外部に接続する表示装置8、入力装置9及び通信装置3Rとの情報の入出力(インターフェース)に用いられる。
図6は、鉱山の管理システム1が備える管理装置3の機能ブロック図の一例である。管理装置3は、処理装置3Cと、記憶装置3Mと、入出力部(I/O)3IOとを含む。さらに、管理装置3は、入出力部3IOに、出力装置としての表示装置8と、入力装置9と、通信装置3Rとが接続されている。管理装置3は、例えば、コンピュータである。処理装置3Cは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。記憶装置3Mは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ若しくはハードディスクドライブ等又はこれらを組み合わせたものである。入出力部3IOは、処理装置3Cと、処理装置3Cの外部に接続する表示装置8、入力装置9及び通信装置3Rとの情報の入出力(インターフェース)に用いられる。
処理装置3Cは、運搬機械10及び積込機械30の配車並びにこれらの稼働情報の収集等といった管理装置3の処理を実行する。配車及び稼働情報の収集等の処理は、処理装置3Cがそれぞれに対応するコンピュータプログラムを記憶装置3Mから読み込んで実行することにより実現される。
記憶装置3Mは、処理装置3Cに各種の処理を実行させるための各種のコンピュータプログラムを記憶している。本実施形態において、記憶装置3Mが記憶しているコンピュータプログラムは、例えば、運搬機械10及び積込機械30の配車をするためのコンピュータプログラム、運搬機械10及び積込機械30の稼働情報を収集するためのコンピュータプログラム、稼働情報等に基づいて各種解析を実現するコンピュータプログラム等である。
表示装置8は、例えば、液晶ディスプレイ等であり、運搬機械10及び積込機械30の配車をしたり、稼働情報を収集したりする際に必要な情報を表示する。入力装置9は、例えば、キーボード、タッチパネル又はマウス等であり、運搬機械10及び積込機械30の配車をしたり、これらの稼働情報を収集したりする際に必要な情報を入力する。通信装置3Rは、アンテナ4Aを備えた無線通信装置4と接続されている。前述したように、無線通信装置4及びアンテナ4Aは坑内MIに設置される。通信装置3Rと無線通信装置4とは有線で接続される。通信装置3Rと坑内MIの運搬機械10及び積込機械30とは、例えば、無線LAN(Local Aria Network)によって通信することができる。次に、運搬機械10について、より詳細に説明する。
<運搬機械10>
図7は、本実施形態に係る運搬機械10の斜視図である。図8は、本実施形態に係る運搬機械10の側面図である。運搬機械10は、車体10Bと、ベッセル11と、車輪12A、12Bとを含む。さらに、運搬機械10は、蓄電器としての蓄電器14と、アンテナ15と、撮像装置16A、16Bと、非接触センサ17A、17Bとを有している。車輪12A、12Bは、車体10Bの前後にそれぞれ取り付けられる。本実施形態において、車輪12A、12Bは、図8に示す、車体10B内に搭載された電動機13A、13Bによって駆動される。このように、運搬機械10は、すべての車輪12A、12Bが駆動輪となる。また、本実施形態において、車輪12A、12Bは、それぞれ操舵輪となる。本実施形態において、車輪12A、12Bは、例えば、ソリッドタイヤである。このようにすることで、車輪12A、12Bが小径となるので、運搬機械10の高さが抑制される。運搬機械10は、車輪12Aから車輪12Bの方向及び車輪12Bから車輪12Aの方向のいずれにも走行することができる。車輪12A、12Bは、ソリッドタイヤに限定されるものではなく、例えば、空気入りタイヤ等であってもよい。また、車輪12A、12Bのうち、一方のみが駆動輪であってもよい。
図7は、本実施形態に係る運搬機械10の斜視図である。図8は、本実施形態に係る運搬機械10の側面図である。運搬機械10は、車体10Bと、ベッセル11と、車輪12A、12Bとを含む。さらに、運搬機械10は、蓄電器としての蓄電器14と、アンテナ15と、撮像装置16A、16Bと、非接触センサ17A、17Bとを有している。車輪12A、12Bは、車体10Bの前後にそれぞれ取り付けられる。本実施形態において、車輪12A、12Bは、図8に示す、車体10B内に搭載された電動機13A、13Bによって駆動される。このように、運搬機械10は、すべての車輪12A、12Bが駆動輪となる。また、本実施形態において、車輪12A、12Bは、それぞれ操舵輪となる。本実施形態において、車輪12A、12Bは、例えば、ソリッドタイヤである。このようにすることで、車輪12A、12Bが小径となるので、運搬機械10の高さが抑制される。運搬機械10は、車輪12Aから車輪12Bの方向及び車輪12Bから車輪12Aの方向のいずれにも走行することができる。車輪12A、12Bは、ソリッドタイヤに限定されるものではなく、例えば、空気入りタイヤ等であってもよい。また、車輪12A、12Bのうち、一方のみが駆動輪であってもよい。
ベッセル11は、車体10Bの上方に搭載されて、車体10Bに支持される。車体10Bには、電動機13A、13Bに電力を供給するための蓄電器14が搭載される。本実施形態において、蓄電器14の外形は、直方体状である。蓄電器14は、車体10Bの前後にそれぞれ1個ずつ搭載される。このようにすることで、運搬機械10は、前後の質量のバランスが均等に近くなるので、安定して走行することができる。蓄電器14は、車体10Bに対して着脱可能に搭載される。蓄電器14から供給される電力によって、運搬機械10が有する電動機13A、13B及び電子機器が作動する。本実施形態においては、運搬機械10は電動としているが、内燃機関が動力源であってもよい。
車体10Bには、アンテナ15と、撮像装置16A、16Bと、非接触センサ17A、17Bとが取り付けられる。アンテナ15は、図6に示すアンテナ4A及び通信装置3Rを介して、管理装置3と無線通信する。撮像装置16A、16Bは、ベッセル11に積載された積荷、本実施形態では図3及び図4等に示す鉱石MRの状態(荷姿)を撮影する。撮像装置16A、16Bは、例えば、可視光を撮像するカメラであってもよいし、赤外線を撮像する赤外線カメラであってもよい。撮像装置16A、16Bは、それぞれ車体10Bの上面に取り付けられた支持柱16AS、16BSの先端に取り付けられる。このような構造により、それぞれの撮像装置16A、16Bは、ベッセル11の全体を上方から撮像することができるので、ベッセル11に積載された鉱石MRの状態を確実に撮像することができる。
非接触センサ17A、17Bは、車体10Bの前後にそれぞれ取り付けられる。非接触センサ17A、17Bは、運搬機械10の周囲、特に進行方向側に存在する物体を非接触で検出する。非接触センサ17A、17Bは、例えば、レーダー装置が用いられる。非接触センサ17A、17Bは、電波又は超音波等を発射して、物体で反射した電波を受信して、物体との相対的な距離及び方位を検出可能である。非接触センサ17A、17Bは、レーダー装置に限定されるものではない。非接触センサ17A、17Bは、例えば、レーザスキャナ、及び3次元距離センサの少なくとも1つを含んでもよい。
運搬機械10は、車体10Bの前後に、それぞれ撮像装置としての周辺監視カメラ17CA、17CBを備えている。周辺監視カメラ17CA、17CBは、車体10Bの周囲、特に前方を撮像して、車体10Bの周囲に存在する物体の形状を検出する。
車体10Bは、前後の間に凹部10BUを有している。凹部10BUは、車輪12Aと車輪12Bとの間に配置される。ベッセル11は、積込機械30によって積荷としての鉱石MRが積み込まれる部材である。ベッセル11の少なくとも一部は、凹部10BUに配置される。
本実施形態において、車体10Bの前後方向において車体10Bの中心部AXの一方側に配置される車体10Bの一部分と他方側に配置される車体10Bの一部分とは対称(前後対称)である。また、車体10Bの前後方向において車体10Bの中心部AXの一方側に配置されるベッセル11の一部分と他方側に配置されるベッセル11の一部分とは対称(前後対象)である。また、車体10B及びベッセル11は、平面視において、車体10Bの前後方向の中心軸に対して対称(左右対称)である。
ベッセル11は、底面11Bと、底面11Bと接続する4個の側面11SF、11SR、11SA、11SBとを含む。側面11SA、11SBは、底面11Bから垂直に立ち上がっている。側面11SF、11SRは、底面11Bに対してそれぞれ車輪12A、12B側に傾斜している。底面11Bと、4個の側面11SF、11SR、11SA、11SBとによって凹部11Uが形成される。凹部11Uには、積荷としての鉱石MRが積載される。車体10Bの凹部10BUは、ベッセル11の外形に沿った形状を有する。次に、ベッセル11の支持構造について説明する。
図9は、本実施形態に係る運搬機械10が備えるベッセル11の支持構造を示す図である。図10は、本実施形態に係る運搬機械10の上面図である。図11は、本実施形態に係る運搬機械10がベッセルを傾斜させた状態を示す図である。ベッセル11は、テーブル11Tの上面に、ベッセル11を昇降させるアクチュエータとしての油圧シリンダ(ホイストシリンダ)11Cbを介して載置されている。
テーブル11Tは、車体10Bの凹部10BUの上面に設けられた一対の支持体11R、11Rを介して車体10Bに支持されている。支持体11Rは、車体10Bの幅方向Wに延在する棒状の部材である。それぞれの支持体11R、11Rは、テーブル11Tの車体10Bと対向する部分に設けられた一対の溝11TU、11TUに嵌め合わされている。溝11TU、11TUは、支持体11Rが延在する方向、すなわち、車体10Bの幅方向Wに向かって設けられている。このような構造により、テーブル11Tは、支持体11R、11Rに沿って移動する。すなわち、テーブル11Tは、運搬機械10の車体10Bの幅方向Wに向かって移動することができる。
テーブル11Tと車体10Bとの間には、テーブル11Tを車体10Bの幅方向Wに移動させるためのアクチュエータとして、油圧シリンダ(スライド用シリンダ)11Caが取り付けられている。油圧シリンダ11Caが伸縮することにより、テーブル11Tは、車体10Bの幅方向Wの両側に移動する。テーブル11Tにはベッセル11が取り付けられているので、図10に示すように、ベッセル11も、テーブル11Tとともに車体10Bの幅方向Wの両側に移動することができる。
積込機械30から鉱石MRがベッセル11に積載されるときには、図5に示すように、ベッセル11が積込機械30側に移動する。このようにすることで、運搬機械10は、鉱石MRを確実にベッセル11に積載することができる。また、ベッセル11の一方に鉱石MRが偏って積載された場合、運搬機械10は、ベッセル11を車体10Bの幅方向Wに往復運動させることにより、鉱石MRをベッセル11の全体に分散させ、鉱石MRの偏りを抑制することができる。
ベッセル11は、油圧シリンダ11Cbが伸縮することにより昇降する。図11は、油圧シリンダ11Cbが伸びてベッセル11が傾いた状態を示している。ベッセル11は、図11に示すように、車体10Bの幅方向Wの一方側の軸線Zbを中心として揺動する。軸線Zbは、テーブル11Tに含まれており、かつ車体10Bの前後方向と平行である。油圧シリンダ11Cbが伸びると、ベッセル11は、軸線Zbとは反対側が高くなり、車体10Bの凹部10BUから突出する。その結果、ベッセル11が傾斜し、軸線Zb側の蓋11CVが開いて、軸線Zb側から鉱石MRが排出される。油圧シリンダ11Cbが縮むと、ベッセル11は車体10Bの凹部10BUに収まる。蓋11CVは、図示しないリンク機構により、ベッセル11が昇降する動作に連動する。
本実施形態では、ベッセル11は車体10Bの幅方向Wの一方側に存在する軸線Zbのみを中心として揺動するが、これに限定されない。例えば、ベッセル11は、車体10Bの一方側の軸線Zbに加え、他方側に存在し、かつ車体10Bの前後方向と平行なもう1つの軸線を中心として揺動してもよい。このようにすれば、運搬機械10は、車体10Bの幅方向Wの両側から鉱石MRを排出することができる。
図12は、運搬機械10が備える制御装置70を示すブロック図の一例である。運搬機械10が備える制御装置70は、運搬機械10の走行及びベッセル11の幅方向における移動及び昇降を制御する。制御装置70は、処理装置71と記憶装置72とを備える。処理装置71には、撮像装置16A、16B、非接触センサ17A、17B、周辺監視カメラ17CA、17CB、質量センサ18、読取装置19、測域センサ20、ジャイロセンサ21、速度センサ22、加速度センサ23、駆動制御装置24、通信装置25及び記憶装置72等が接続されている。
撮像装置16A、16B及び周辺監視カメラ17CA、17CBは、CCD又はCMOSのような撮像素子を含み、物体の光学像を取得して、その物体の外形を検出可能である。本実施形態において、撮像装置16A、16B及び周辺監視カメラ17CA、17CBの少なくとも一方は、ステレオカメラを含み、物体の3次元の外形データを取得可能である。撮像装置16A、16B及び周辺監視カメラ17CA、17CBは、撮像した結果を処理装置71に出力する。処理装置71は、撮像装置16A、16Bの検出結果を取得し、これに基づいて、ベッセル11における鉱石MRの状態に関する情報を取得する。本実施形態において、ベッセル11に積載された鉱石MRの外形は、レーザスキャナー及び3次元距離センサの少なくとも1つを用いて検出されてもよい。
非接触センサ17A、17Bは、処理装置71と接続され、検出結果を処理装置71に出力する。非接触センサ17A、17Bは、取得した結果を処理装置71に出力する。質量センサ18は、ベッセル11及びベッセル11に積載された鉱石MRの質量を検出する。ベッセル11の質量は予め分かっているので、質量センサ18の検出結果からベッセル11の質量を減算すれば、ベッセル11に積載された鉱石MRの質量が得られる。質量センサ18は、処理装置71と接続されており、検出結果を処理装置71に出力する。処理装置71は、質量センサ18の検出結果に基づいて、ベッセル11に積み込まれた鉱石MRの質量及びベッセル11に鉱石MRが積載されているか否かに関する情報を求める。質量センサ18は、例えば、ベッセル11とテーブル11Tとの間に設けられるひずみゲージ式ロードセルでもよいし、油圧シリンダ11Cbの油圧を検出する圧力センサであってもよい。
読取装置19は、ドリフトDRに設けられたマークの識別情報(固有情報)を検出する。マークは、ドリフトDRに沿って複数配置されている。マークは、バーコード及び2次元コードのような識別子(コード)でもよいし、ICタグ又はRFIDのような識別子(タグ)でもよい。読取装置19は、処理装置71と接続され、検出結果を処理装置71に出力する。
測域センサ20は、運搬機械10の車体10Bの外側、例えば、前方及び後方に取り付けられて、運搬機械10の周囲における空間の物理的な形状データを取得して出力する。ジャイロセンサ21は、運搬機械10の方位(方位変化量)を検出し、検出結果を処理装置71に出力する。速度センサ22は、運搬機械10の走行速度を検出し、検出結果を処理装置71に出力する。加速度センサ23は、運搬機械10の加速度を検出し、検出結果を処理装置71に出力する。駆動制御装置24は、例えば、マイクロコンピュータである。駆動制御装置24は、処理装置71からの指令に基づき、走行用の電動機13A、13B、制動システム13BS、操舵システム13SS及び油圧ポンプ13Pを駆動する電動機13Cの動作を制御する。油圧ポンプ13Pは、油圧シリンダ11Ca、11Cbに作動油を供給する装置である。本実施形態において、運搬機械10は、走行用の電動機13A、13Bによって走行するが、これに限定されない。例えば、運搬機械10は、油圧ポンプ13Pから吐出される作動油によって駆動する油圧モータによって走行してもよい。制動システム13BS及び操舵システム13SSも、電動であってもよいし、油圧を利用して動作するものであってもよい。
本実施形態において、ドリフトDRにおいてマークが配置されている位置(絶対位置)に関する情報は、事前に測定された既知な情報である。マークの絶対位置に関する情報は、記憶装置72に記憶されている。処理装置71は、運搬機械10に設けられている読取装置19で検出したマークの検出結果(マークの識別情報)と、記憶装置72の記憶情報とに基づいて、ドリフトDRにおける運搬機械10の絶対位置を求めることができる。
測域センサ20は、空間の物理的な形状データを出力可能な走査型の光波距離計を含む。測域センサ20は、例えば、レーザスキャナー及び3次元距離センサの少なくとも1つを含み、2次元又は3次元の空間データを取得し、出力することができる。測域センサ20は、積込機械30及びドリフトDRの壁面の少なくとも一方を検出する。本実施形態において、測域センサ20は、積込機械30の形状データ、ドリフトDRの壁面の形状データ及びベッセル11の積荷の形状データの少なくとも1つを取得可能である。また、測域センサ20は、積込機械30との相対位置(相対的な距離及び方位)及びドリフトDRの壁面との相対位置の少なくとも一方を検出可能である。測域センサ20は、検出した情報を処理装置71に出力する。
本実施形態において、ドリフトDRの壁面に関する情報が予め求められており、記憶装置72に記憶されている。すなわち、ドリフトDRの壁面に関する情報は、事前に測定された既知の情報である。ドリフトDRの壁面に関する情報は、壁面の複数の部分におけるそれぞれの形状に関する情報及びそれら壁面の部分それぞれの絶対位置に関する情報を含む。記憶装置72には、壁面の複数の部分の形状と、その形状を有する壁面の部分におけるそれぞれの絶対位置との関係が記憶されている。処理装置71は、運搬機械10に設けられている測域センサ20が検出したドリフトDRの壁面の検出結果(壁面の形状データ)と、記憶装置72の記憶情報とに基づいて、ドリフトDRにおける運搬機械10の絶対位置及び方位を求めることができる。
処理装置71は、読取装置19及び測域センサ20の少なくとも一方を用いて導出された運搬機械10の現在位置(絶対位置)に基づいて、坑内MIの決められた経路(目標経路)にしたがって運搬機械10が走行するように、ドリフトDRを走行する運搬機械10を制御する。
処理装置71は、例えば、CPUを含むマイクロコンピュータである。処理装置71は、非接触センサ17A、17B、読取装置19及び測域センサ20等の検出結果に基づいて、駆動制御装置24を介して走行用の電動機13A、13B、制動システム13BS及び車輪12A、12Bの操舵システム13SSを制御する。そして、処理装置71は、所定の走行速度及び加速度で、前述した目標経路にしたがって運搬機械10を走行させる。
記憶装置72は、RAM、ROM、フラッシュメモリ及びハードディスクドライブの少なくとも1つを含み、処理装置71と接続される。記憶装置72は、処理装置71が運搬機械10を自律走行させるために必要なコンピュータプログラム及び各種の情報を記憶している。通信装置25は、処理装置71と接続され、積込機械30に搭載された通信装置及び管理装置3の少なくとも一方との間でデータ通信する。
本実施形態において、運搬機械10は、無人車両であり、自律走行が可能である。通信装置25は、管理装置3及び積込機械30の少なくとも一方から送信された情報(指令信号を含む)を受信可能である。また、通信装置25は、撮像装置16A、16B、周辺監視カメラ17CA、17CB、速度センサ22及び加速度センサ23等が検出した情報を管理装置3及び積込機械30の少なくとも一方に送信可能である。運搬機械10は、周辺監視カメラ17CA、17CB及び非接触センサ17A、17Bの少なくとも一方が取得した運搬機械10の周辺の情報を管理装置3に送信し、この周辺の情報を基に、オペレーターが運搬機械10を遠隔操作することもできる。このように、運搬機械10は、自律走行のみならず、オペレーターの操作によっても走行し、ベッセル11をスライド及び昇降させることができる。
例えば、速度センサ22及び加速度センサ23等が検出した情報を取得した管理装置3は、この情報を運搬機械10の稼働情報として、例えば、記憶装置3Mに蓄積する。また、周辺監視カメラ17CA、17CBが撮像した情報を管理装置3が取得した場合、オペレーターは、周辺監視カメラ17CA、17CBが撮像した運搬機械10の周辺の画像を視認しながら、運搬機械10を操作することもできる。さらに、質量センサ18が検出したベッセル11の鉱石MRの質量に関する情報を取得した積込機械30は、この情報に基づいて、ベッセル11への鉱石MRの積載量を制御することもできる。次に、積込機械30について説明する。
<積込機械30>
図13は、本実施形態に係る積込機械30の側面図である。図14は、本実施形態に係る積込機械30の上面図である。図15は、本実施形態に係る積込機械30の正面図である。図16は、本実施形態に係る積込機械30が備える回転ローラー33を示す斜視図である。図17は、本実施形態に係る積込機械30が備える貫入部材35を示す斜視図である。図18−1及び図18−2は、変形例に係る貫入部材35a、35bを示す斜視図である。
図13は、本実施形態に係る積込機械30の側面図である。図14は、本実施形態に係る積込機械30の上面図である。図15は、本実施形態に係る積込機械30の正面図である。図16は、本実施形態に係る積込機械30が備える回転ローラー33を示す斜視図である。図17は、本実施形態に係る積込機械30が備える貫入部材35を示す斜視図である。図18−1及び図18−2は、変形例に係る貫入部材35a、35bを示す斜視図である。
図13は、積込機械30が地山RMの鉱石MRを掘削し、掘削した鉱石MRを搬送する状態を示している。積込機械30は、クロスカットCR内で鉱石MRの地山RMを掘削し、掘削した鉱石MRを図7及び図8等に示す運搬機械10のベッセル11に積載する。積込機械30の車体30BDには、フィーダー31と、支持機構32と、走行装置34と、貫入部材35と、回転体36と、岩石ガード37とが取り付けられる。貫入部材35が設けられている側が積込機械30の前方であり、貫入部材35が設けられている側とは反対側が積込機械30の後方である。なお、積込機械30は、回転体36及び岩石ガード37を備えていなくてもよい。
フィーダー31は、地山RMから鉱石MRを積み込んで、ドローポイントDPの地山RMから離れる方向に搬送した後、排出する。すなわち、フィーダー31は、積込機械30の前方で積み込まれた鉱石MRを後方に向かって搬送し、後方から排出する。フィーダー31は、例えば、無端の搬送体として搬送ベルトを用い、これを一対のローラーに掛け回して回転させることにより、積込側31Fから排出側31Eに鉱石MRを搬送する。積込側31Fは、地山RM側であり、排出側31Eは積込側31Fとは反対側である。図14に示すように、フィーダー31は、幅方向Wの両側に、一対のガイド31G、31Gが設けられている。一対のガイド31G、31Gは、フィーダー31から搬送途中の鉱石MRが脱落することを抑制する。幅方向Wは、フィーダー31が鉱石MRを搬送する方向Fと直交する方向であり、フィーダー31が備える一対のローラーの回転中心軸と平行な方向である。フィーダー31の幅方向Wは、車体30BDの幅方向でもある。フィーダー31は、排出側31Eに、鉱石MRを運搬機械10のベッセル11内に導くためのガイド39を備えている。フィーダー31は、車体30BDの前方、すなわちフィーダー31の積込側31Fの軸線を中心として揺動する。フィーダー31は、地面Gに対する角度αを変更することができる。角度αは、フィーダー31が備える一対のローラーの回転中心軸を結ぶ直線LCと、地面Gとのなす角度である。
フィーダー31に鉱石MRを積み込むのは、回転ローラー33である。回転ローラー33は、フィーダー31の積込側31F、すなわちフィーダー31の前方で回転しながら鉱石MRをフィーダー31に送り込む。このため、鉱石MRの掘削時において、回転ローラー33は、ブーム32aとアーム32bとを備える支持機構32によってフィーダー31の積込側31Fに設置される。回転ローラー33は、所定の軸線Zrの周りを回転する回転部材33D及び回転部材33Dの外周部に設けられて鉱石MRと接触して掘削する接触部材33Sとを有する。
本実施形態において、接触部材33Sは、図16に示すように、回転部材33Dからその径方向外側に突出し、かつ回転部材33Dの周方向に沿って所定の間隔で設けられた複数の板状部材である。接触部材33Sの板面と平行な平面は、軸線Zrとは直交しない。本実施形態において、接触部材33Sの板面と平行な平面は、軸線Zrと平行になっている。接触部材33Sは、先端部、すなわち回転部材33D側とは反対側の端部に、板状の部材33BBが設けられている。板状の部材33BBは、掘削時における回転ローラー33の回転方向(図16の矢印で示す方向)に向かって、接触部材33Sの先端から延びている。このような構造により、掘削時において、回転ローラー33の板状の部材33BBは、掘削対象である地山RMに食い込む。その結果、地山RMから鉱石MRを効率よく掘削することができる。
接触部材33Sは、板状の部材33BBを有していなくてもよい。本実施形態において、接触部材33Sの数は4個であるが、これに限定されるものではなく、2個、3個又は5個以上であってもよい。接触部材33Sの数は、積込機械30が掘削する鉱石MRの大きさ及び種類の少なくとも1つによって、適宜変更することができる。
回転ローラー33が回転することにより、接触部材33Sは、上方Uに位置する場合にフィーダー31から遠ざかり、下方Dに位置する場合にフィーダー31に近づく。この動きによって、複数の接触部材33Sは、地山RMから鉱石MRを掘削してフィーダー31に送り込む。複数の接触部材33Sは、回転部材33Dとともに回転しているので、連続して鉱石MRを掘削して、フィーダー31に送り込むことができる。
回転ローラー33を回転可能に支持する支持機構32は、車体30BDに取り付けられるブーム32aと、ブーム32aに連結されるアーム32bとを有する。ブーム32aは、例えば、ピンとしてのシャフト38Aを介して積込機械30の車体30BDに取り付けられて、シャフト38Aを中心として車体30BDに対して揺動する。アーム32bは、例えば、ピンとしてのシャフト38Bを介してブーム32aの車体30BDとは反対側の端部と連結されて、ブーム32aに対してシャフト38Bを中心として揺動する。アーム32bは、ブーム32aと連結されている端部とは反対側の端部で、回転ローラー33を回転可能に支持する。ブーム32a及びアーム32bは、例えば、アクチュエータとしての油圧シリンダによって駆動されて揺動してもよいし、電動機又は油圧モータによって駆動されて揺動してもよい。
ブーム32aは、車体30BDに対して第1の軸線Zaの周りを揺動し、アーム32bは、第1の軸線Zaと平行な軸線Za’の周りを揺動する。第1の軸線Zaは、ブーム32aと車体30BDとを連結するシャフト38Aの中心軸であり、第1の軸線Zaと平行な軸線Za’は、ブーム32aとアーム32bとを連結するシャフト38Bの中心軸である。本実施形態において、アーム32bは、さらに、第1の軸線Zaと直交する第2の軸線と平行な軸線の周りを揺動してもよい。このようにすると、回転ローラー33が移動できる範囲が大きくなるので、掘削作業の自由度が向上する。
ブーム32aは、車体30BDの幅方向Wの両側、本実施形態においてはフィーダー31の幅方向Wの両側に設けられた一対の棒状部材(第1棒状部材)である。アーム32bは、それぞれのブーム32aに連結された一対の棒状部材(第2棒状部材)である。図14に示すように、一対のアーム32bは、両者の間に回転ローラー33を支持している。本実施形態において、一対のブーム32aは、梁32Jによって連結されている。このような構造により、支持機構32の剛性が向上するので、鉱石MRの掘削時には、支持機構32が回転ローラー33を確実に地山RMに押し付けることができるので、鉱石MRの掘削効率の低下が抑制される。また、一対のアーム32bを棒状又は板状の部材で連結してもよい。このようにすれば、支持機構32の剛性がさらに向上するのでより好ましい。
支持機構32は、ブーム32aが車体30BDに対して揺動し、アーム32bがブーム32aに対して揺動することにより、回転ローラー33が移動する。支持機構32は、回転ローラー33を移動させることにより、回転ローラー33とフィーダー31及び車体30BDとの相対的な位置関係を変更することができる。また、支持機構32は、回転ローラー33を移動させることによって、地山RMの異なる位置を掘削したり、回転ローラー33を地山RMからフィーダー31に向かって移動させることにより地山RMから鉱石MRをフィーダー31側に掻き込んだりすることができる。また、例えば、積込機械30の走行中、前方に物体が存在して走行の妨げとなっている場合において、支持機構32は、回転ローラー33を用いて物体をフィーダー31に向かって掻き込んでからフィーダー31に送り込むことにより、積込機械30の進行方向前方の物体を取り除くこともできる。
本実施形態において、回転ローラー33は、図14に示すように、アーム32bの先端部に取り付けられた電動機33Mによって回転する。回転ローラー33を駆動させる装置は電動機33Mに限定されるものではなく、例えば、油圧モータであってもよい。また、電動機33Mが取り付けられる箇所はアーム32bの先端部に限定されるものではない。
車体30BDには、これを走行させる走行装置34が取り付けられている。走行装置34は、車体30BDの幅方向両側に設けられた一対の履帯34Cと、車体30BDの幅方向両側に設けられた一対の駆動輪34Dと、車体30BDの幅方向両側に設けられた一対の従動輪34Sとを含む。駆動輪34Dと従動輪34Sとに履帯34Cが掛け回されている。それぞれの駆動輪34Dは、別個に独立して駆動される。本実施形態において、積込機械30は、それぞれの駆動輪34Dに走行用の電動機を備えている。このような構造により、一対の履帯34C、34Cは、別個独立に駆動される。
フィーダー31の積込側31Fには、貫入部材35が設けられる。貫入部材35は、フィーダー31の積込側31Fに取り付けられてもよいし、フィーダー31の積込側31Fに取り付けられてもよい。貫入部材35は、図17に示すように、錐体の形状をした部材であり、本実施形態では四角錐の形状である。貫入部材35は、長方形(正方形を含む)の底面35Bと、底面35Bにつながる4個の側面35Sを有している。4個の側面35Sのうちの1つが、地面Gと対向する。本例では、符号35Uで示す側面35Sが地面Gと対向する。側面35Sは、いずれも三角形である。底面35Bが、図13に示す車体30BDの前方に取り付けられる。すなわち、貫入部材35は、錐体の頂部35Pが車体30BDの前方になるように、車体30BDに取り付けられる。このようにすることで、積込機械30が地山RMに貫入するときには、貫入部材35が頂部35Pから地山RMに貫入する。
貫入部材35の形状は、四角錐の形状に限定されるものではなく、例えば、図18−1に示す、変形例に係る貫入部材35aのように、三角錐の形状であってもよい。この貫入部材35aは、三角形の底面35Baと、底面35Baにつながる3個の側面35Saを有している。側面35Saは、いずれも三角形である。3個の側面35Saのうちの1つが、地面Gと対向する。本例では、符号35Uaで示す側面35Saが地面Gと対向する。底面35Baが、図13に示す車体30BDの前方に取り付けられることにより、錐体の頂部35Paが車体30BDの前方になる。
図18−2に示す貫入部材35bは、地山RMに貫入する第1の板状部材35Tと、第1の板状部材35Tの板面と交差(本実施形態では直交するが、これに限定されない)して第1の板状部材35Tに取り付けられ、かつフィーダー31の積込側31Fに設けられる第2の板状部材35Fと、を含む。この貫入部材35bは、形状が錐体ではなく、2枚の板状部材を組み合わせた断面がL字形状の部材なので、製造が比較的容易である。貫入部材35、35a、35bは、例えば、複数の鋼板を溶接したり、鋳鋼を用いて鋳造されたりすることによって製造される。貫入部材35、35a、35bの材料及び製法は、このようなものに限定されない。
貫入部材35は、積込機械30の掘削時において、錐体の頂部から地山RMに貫入して、地山RMを突き崩す。貫入部材35が地山RMに貫入する場合、走行装置34は、フィーダー31及び貫入部材35が取り付けられた車体30BDを前方に走行させ、かつフィーダー31を動作させながら貫入部材35を地山RMに貫入させる。このとき、フィーダー31は、上方の搬送ベルトが積込側31Fから排出側31Eに向かって移動する。すなわち、貫入部材35の貫入時において、フィーダー31の上方の搬送ベルトは、鉱石MRの搬送方向と同一の方向に動作する。積込機械30は、貫入時において、このようにフィーダー31を動作させることで、フィーダー31の駆動力を貫入に利用できるので、地山RMにより深く貫入することができる。
車体30BDの幅方向両側、すなわち、フィーダー31の搬送方向と直交する方向における両側には、一対の回転体36が設けられる。一対の回転体36は、走行装置34の前方であってフィーダー31の積込側31Fに配置される。回転体36は、所定の軸線周りを回転するドラム36Dの周囲に複数の羽根36Bが所定の間隔で設けられた構造体である。回転体36は、例えば、電動機によって駆動される。回転体36は、フィーダー31を駆動する電動機によって駆動されてもよい。この場合、フィーダー31の駆動と回転体36の駆動とをクラッチ等で切り替えられるようにしてもよい。例えば、クラッチを係合させた場合にはフィーダー31と回転体36とが同時に回転し、クラッチを開放するとフィーダー31のみが回転するようにすることができる。
回転体36は、貫入部材35が地山RMに貫入するときには、積込機械30の車体30BDを地面Gに押し付ける方向に回転する。具体的には、回転体36は、地山RM側の羽根36Bが下方Dから上方Uに向かうように、また、走行装置34側の羽根36Bが上方Uから下方Dに向かうように回転する。このようにすることで、回転体36は、地山RM側の羽根36Bが地山RMに接触すると、車体30BDの前方を下方Dに向かって押し下げるので、走行装置34の履帯34Cが地面Gに対してより強く押し付けられる。その結果、履帯34Cと地面Gとの間の摩擦力が増加するので、走行装置34は、貫入部材35を地山RMに貫入させやすくなる。積込機械30の地山RMへの貫入が終了し、回転ローラー33による掘削及びフィーダー31による積み込みが開始されるときには、回転体36の回転は停止する。
回転体36と走行装置34の履帯34Cとの間には、岩石ガード37が設けられる。本実施形態において、岩石ガード37は、車体30BDに取り付けられている。岩石ガード37は、例えば、掘削中に回転ローラー33から飛来する鉱石MRから走行装置34を保護したり、積込機械30の走行時において坑道内に存在する岩石等から走行装置34を保護したりする。岩石ガード37によって、走行装置34の耐久性低下が抑制される。
本実施形態において、車体30BDは、車体30BDの幅方向外側に向かって伸びて、ドローポイントDPにつながるクロスカットCRの壁面CRWに押し付けられる固定装置30Fを有する。本実施形態では、固定装置30Fを車体30BDの幅方向両側にそれぞれ1個ずつ、対向するように設けてあるが、固定装置30Fの数及び設置箇所はこれに限定されるものではない。例えば、固定装置30Fは、車体30BDの上方に設けられていてもよい。本実施形態において、固定装置30Fは、例えば、油圧シリンダ30FCと、油圧シリンダ30FCのピストンの先端に設けられた押付部材30FPとを有する。積込機械30の掘削時及び鉱石MRの搬送時において、固定装置30Fは、積込機械30をクロスカットCR内に固定する。具体的には、固定装置30Fは、油圧シリンダ30FCを伸ばして押付部材30FPを壁面CRWに押し付けることにより、これらを介してクロスカットCR内に積込機械30の車体30BDを固定する。このようにすることで、積込機械30が地山RMを掘削するときに発生する反力は、固定装置30Fを介してクロスカットCRが受けることができる。その結果、積込機械30は、姿勢が安定するので、安定して地山RMを掘削することができる。固定装置30Fと車体30Bとの間に油圧シリンダを設け、固定装置30FをクロスカットCRの壁面CRWに固定した後に、油圧シリンダの駆動力を利用して車体を貫入させてもよい。
車体30BDの幅方向両側又は上方に固定装置30Fを設ける場合、積込機械30の貫入時には、固定装置30Fによる固定は解除される。本実施形態では、油圧シリンダ30FCが縮んだ状態となり、押付部材30FPが壁面CRWを押さないようになる。積込機械30の掘削時において、固定装置30Fが動作して、積込機械30をクロスカットCR内に固定する。掘削中、積込機械30が地山RMに対してさらに貫入したり、地山RMから遠ざかったりする場合には、固定装置30Fによる固定が解除された後に、走行装置34が積込機械30を移動させる。
図13に示すように、固定装置30Fを車体30BDの後方、すなわち、フィーダー31の排出側31Eに設け、クロスカットCR内の地面Gから突出させた反力受けTGと車体30BDとの間に固定装置30Fを介在させて、前述した反力を受けてもよい。掘削時においては、積込機械30の前後方向の反力が大きいが、このような構造にすることにより、より効果的に掘削時の反力を受けることができる。また、積込機械30は、固定装置30Fを伸ばすことにより、掘削時における積込機械30の位置の調整をすることもできる。なお、積込機械30は、固定装置30Fを備えていなくてもよい。
本実施形態において、積込機械30は、フィーダー31に鉱石MRが積み込まれる部分(積込側31F)と、フィーダー31から鉱石MRが排出される部分(排出側31E)との間に、鉱石MRの排出と排出の停止とを切り替える切替機構80が設けられる。切替機構80は、支持体81と、蓋82と、蓋82を開閉するアクチュエータとしての油圧シリンダ83とを含む。支持体81は、図15に示すように、一端部が車体30BDの幅方向両側、具体的にはフィーダー31の幅方向両側に取り付けられる2本の脚部81Rと、2本の脚部81Rの他端部でこれらを連結する連結部81Cとを含む、門型の部材である。2本の脚部81Rと連結部81Cとで囲まれる部分を、鉱石MRが通過する。
蓋82は、板状の部材であり、2本の脚部81Rと連結部81Cとで囲まれる部分に設けられる。蓋82は、支持体81の連結部81C側に存在する所定の軸線Zg周りを回動する。蓋82と支持体81の連結部81Cとの間には、油圧シリンダ83が設けられる。油圧シリンダ83が伸縮することにより、蓋82は、2本の脚部81Rと連結部81Cとで囲まれる部分を開閉する。蓋82が開くことによって、2本の脚部81Rと連結部81Cとで囲まれる部分を鉱石MRが通過する。蓋82が閉じることによって、鉱石MRは、2本の脚部81Rと連結部81Cとで囲まれる部分を通過しない。このようにすることで、積込機械30は、フィーダー31からの鉱石MRの排出量を調整することができる。
本実施形態において、積込機械30は、情報収集装置40を備える。情報収集装置40は、車体30BDの積込側31F、すなわち前方に取り付けられる。より具体的には、情報収集装置40が情報を収集する部分が、車体30BDの積込側31F、すなわち前方を向いて取り付けられる。情報収集装置40は、3次元の空間データを取得し、出力する装置である。情報収集装置40は、地山RMの鉱石MRの状態に関する情報としての鉱石情報を取得する。鉱石情報は、地山RMの3次元の空間データである。本実施形態において、鉱石情報は、地山RMの鉱石MRの状態に関する情報の他、車体30BDの積込側31F、すなわち前方の情報も含んでもよい。すなわち、本実施形態において、鉱石情報は、車体30BDの積込側31F、すなわち前方の状態を示す情報である。
情報収集装置40は、例えばカメラ、ステレオカメラ、レーザスキャナー又は3次元距離センサ等である。情報収集装置40が情報を収集する部分は、カメラ又はステレオカメラの場合はレンズ、レーザスキャナー及び3次元距離センサの場合は受光部である。本実施形態において、情報収集装置40としては、ステレオカメラが用いられる。本実施形態において、積込機械30は、3個の情報収集装置40を支持機構32の梁32Jに取り付けている。すなわち、複数の情報収集装置40は、車体30Bの幅方向において複数箇所に設置される。このようにすることで、積込機械30は、1つの情報収集装置40の撮像対象がアーム32bに隠れる場合でも、他の情報収集装置40によって撮像対象の鉱石情報を得ることができる。
本実施形態において、積込機械30が備える制御装置は、情報収集装置40が収集した鉱石情報を用いて積込機械30の動作を制御する。例えば、前述した制御装置は、情報収集装置40が取得した鉱石情報に基づいて、フィーダー31、回転ローラー33、支持機構32及び走行装置34の少なくとも1つを制御する。このようにすることで、積込機械30は、地山RM及び鉱石MRの状態に応じて柔軟に動作することができるので、例えば、鉱山Mの生産効率が向上する。
本実施形態において、積込機械30は、車体30BDの排出側31E、すなわち後方に情報収集装置41を備える。より具体的には情報収集装置41が情報を収集する部分が、車体30BDの排出側31E、すなわち後方を向いて取り付けられる。情報収集装置41は、前述した情報収集装置40と同様に、3次元の空間データを取得し、出力する装置である。情報収集装置41は、図4及び図5に示す運搬機械10のベッセル11に積載された鉱石MRの状態に関する情報としての積荷情報を取得する。積荷情報は、、鉱石MRの3次元の空間データである。
情報収集装置41は、前述した情報収集装置40と同様に、例えばカメラ、ステレオカメラ、レーザスキャナー又は3次元距離センサ等である。情報収集装置41が情報を収集する部分は、カメラ又はステレオカメラの場合はレンズ、レーザスキャナー及び3次元距離センサの場合は受光部である。本実施形態において、情報収集装置41としては、ステレオカメラが用いられる。本実施形態において、積込機械30は、2個の情報収集装置41をフィーダー31の幅方向両側に取り付けている。すなわち、複数の情報収集装置41は、車体30Bの幅方向において複数箇所に設置される。このようにすることで、積込機械30は、1つの情報収集装置41の撮像対象が坑道の影等に隠れる場合でも、他の情報収集装置41によって撮像対象の鉱石情報を得ることができる。
本実施形態において、積込機械30が備える制御装置は、情報収集装置41が収集した積荷情報を用いて積込機械30及び運搬機械10の少なくとも一方を制御する。例えば、前述した制御装置は、情報収集装置41が取得した積荷情報に基づいて、回転ローラー33、フィーダー31又は切替機構80等の動作を制御したり、運搬機械10が備えるベッセル11の位置又はベッセル11の運動を制御したりする。このようにすることで、積込機械30は、運搬機械10のベッセル11に積載された鉱石MRの状態に応じて、鉱石MRの搬送量を変更したり、ベッセル11の位置を調整したりすることができるので、例えば、鉱山Mの生産効率が向上する。
図19は、本実施形態に係る積込機械30が走行するときの姿勢を示す図である。積込機械30が走行する場合、フィーダー31が地面Gに対する角度αは、積込機械30が鉱石MRを掘削及び搬送する場合(図13参照)と比較して小さくなる。すなわち、フィーダー31が備える一対のローラーの回転中心軸を結ぶ直線LCは、地面Gに対してより平行に近くなる。このようにすると、積込機械30の前方、すなわち進行方向側に配置されるフィーダー31の積込側31Fが地面Gと離れるので、積込機械30の走行時にフィーダー31と地面Gとが干渉する可能性が低減される。本実施形態においては、貫入部材35も、フィーダー31に連動して移動する。すなわち、積込機械30が走行する場合、フィーダー31の積込側31Fが地面Gから離れると、貫入部材35も地面から離れる。その結果、積込機械30の走行時に貫入部材35と地面Gとが干渉する可能性が低減される。
図19に示すように、積込機械30が走行する場合、支持機構32は折り畳まれる。そして、回転ローラー33は、積込機械30が鉱石MRを掘削及び搬送する場合(図13参照)と比較して、よりフィーダー31に近い位置に移動する。図19に示す例において、例えば、実線で示す回転ローラー33の位置が走行時の位置であり、例えば、2点鎖線で示す回転ローラー33の位置が積込機械30の掘削時の位置である。このように、本実施形態においては、積込機械30の走行装置34がフィーダー31等を含む車体30BDを走行させる際には、鉱石MRの掘削時よりフィーダー31の排出側31Eに回転ローラー33が配置される。すなわち、回転ローラー33は、積込機械30の移動時において、より車体30BD側に配置される。このため、積込機械30は、重心から車体30BDの前後方向に離れた位置に存在していた回転ローラー33が、より重心に近い位置に移動することになるので、前後の質量のバランスが向上する。その結果、積込機械30は、安定して走行することができる。回転ローラー33の走行時における位置及び掘削時における位置は、この例に限定されるものではない。
図20は、本実施形態に係る積込機械30が備える制御装置75を示すブロック図の一例である。積込機械30が備える制御装置75は、フィーダー31、支持機構32、回転ローラー33、走行装置34、回転体36及び切替機構80を制御する。制御装置75は、処理装置76と記憶装置77とを備える。処理装置76には、情報収集装置40に対応する前方撮像装置40C、情報収集装置41に対応する後方撮像装置41C、非接触センサ42、読取装置43、測域センサ44、ジャイロセンサ45、速度センサ46、加速度センサ47、駆動制御装置48、通信装置52及び記憶装置77等が接続されている。非接触センサ42、読取装置43、測域センサ44は、積込機械30の車体30BDの外部に取り付けられる。
前方撮像装置40C及び後方撮像装置41Cは、CCD又はCMOSのような撮像素子を含み、物体の光学像を取得して、その物体の外形を検出可能である。本実施形態において、前方撮像装置40C及び後方撮像装置41Cは、ステレオカメラを含み、物体の3次元の外形データを取得可能である。前方撮像装置40C及び後方撮像装置41Cは、撮像した結果を処理装置76に出力する。処理装置76は、前方撮像装置40Cの検出結果を取得し、これに基づいて前述した鉱石情報を得る。また、処理装置76は、後方撮像装置41Cの検出結果を取得し、これに基づいて前述した積荷情報を得る。本実施形態において、地山RMの鉱石MRの外形及びベッセル11に積載された鉱石MRの外形は、レーザスキャナー及び3次元距離センサの少なくとも1つを用いて検出されてもよい。
非接触センサ42は、積込機械30の周囲に存在する物体を検出する。非接触センサ42は、処理装置76と接続され、検出結果を処理装置76に出力する。読取装置43は、ドリフトDR又はクロスカットCRに設けられたマークの識別情報(固有情報)を検出する。マークは、ドリフトDR又はクロスカットCRに沿って複数配置されている。読取装置43は、処理装置76と接続され、検出結果を処理装置76に出力する。マークは、バーコード及び2次元コードのような識別子(コード)でもよいし、ICタグ又はRFIDのような識別子(タグ)でもよい。
本実施形態において、ドリフトDR又はクロスカットCRにおいてマークが配置されている位置(絶対位置)に関する情報は、事前に測定された既知な情報である。マークの絶対位置に関する情報は、記憶装置77に記憶されている。処理装置76は、積込機械30に設けられている読取装置43で検出したマークの検出結果(マークの識別情報)と、記憶装置77の記憶情報とに基づいて、ドリフトDR又はクロスカットCRにおける積込機械30の絶対位置を求めることができる。
測域センサ44は、空間の物理的な形状データを取得して出力する。ジャイロセンサ45は、積込機械30の方位(方位変化量)を検出し、検出結果を処理装置76に出力する。速度センサ46は、積込機械30の走行速度を検出し、検出結果を処理装置76に出力する。加速度センサ47は、積込機械30の加速度を検出し、検出結果を処理装置76に出力する。駆動制御装置48は、例えば、マイクロコンピュータである。駆動制御装置48は、処理装置76からの指令に基づき、図13に示す回転ローラー33を駆動する電動機33M、走行装置34が備える電動機48L、48R、支持機構32のブーム32aを揺動させる電動機49、アーム32bを揺動させる電動機50、フィーダー31を駆動する電動機51F、回転体36を回転させる電動機51R、油圧ポンプ85を駆動する電動機86の動作を制御する。油圧ポンプ85は、切替機構80が備える油圧シリンダ83、フィーダー31の姿勢を変更するアクチュエータとしての油圧シリンダ87及び固定装置30Fの油圧シリンダ30FCに作動油を供給する装置である。ブーム32a及びアーム32bは、油圧シリンダによって揺動させられてもよい。この場合、ブーム32aを揺動させるブームシリンダ及びアーム32bを揺動させるアームシリンダには、油圧ポンプ85から作動油が供給される。電動機48Lは、図13に示す一方の履帯34Cを駆動し、電動機48Rは、他方の履帯34Cを駆動する。
本実施形態において、積込機械30は、走行装置34が備える電動機48L、48Rによって走行するが、これに限定されない。例えば、積込機械30は、油圧ポンプ85から吐出される作動油によって駆動する油圧モータによって走行してもよい。また、支持機構32のブーム32a及びアーム32b、回転ローラー33及び回転体36並びにフィーダー31も、油圧ポンプ85から吐出される作動油によって駆動する油圧シリンダ又は油圧モータによって駆動されてもよい。
測域センサ44は、空間の物理的な形状データを出力可能な走査型の光波距離計を含む。測域センサ44は、例えば、レーザスキャナー及び3次元距離センサの少なくとも1つを含み、3次元の空間データを取得し、出力することができる。測域センサ44は、運搬機械10、ドリフトDR及びクロスカットCRの壁面の少なくとも1つを検出する。本実施形態において、測域センサ44は、運搬機械10の形状データ、ドリフトDR又はクロスカットCRの壁面の形状データ及び運搬機械10が備えるベッセル11の積荷の形状データの少なくとも1つを取得可能である。また、測域センサ44は、運搬機械10との相対位置(相対的な距離及び方位)及びドリフトDR又はクロスカットCRの壁面との相対位置の少なくとも一方を検出可能である。測域センサ44は、検出した情報を処理装置76に出力する。
本実施形態において、ドリフトDR及びクロスカットCRの壁面に関する情報が予め求められており、記憶装置77に記憶されている。すなわち、ドリフトDRの壁面に関する情報は、事前に測定された既知の情報である。ドリフトDRの壁面に関する情報は、壁面の複数の部分におけるそれぞれの形状に関する情報及びそれら壁面の部分それぞれの絶対位置に関する情報を含む。記憶装置77には、壁面の複数の部分の形状と、その形状を有する壁面の部分におけるそれぞれの絶対位置との関係が記憶されている。処理装置76は、積込機械30に設けられている測域センサ44が検出したドリフトDRの壁面の検出結果(壁面の形状データ)と、記憶装置77の記憶情報とに基づいて、ドリフトDRにおける積込機械30の絶対位置及び方位を求めることができる。
処理装置76は、読取装置43及び測域センサ44の少なくとも一方を用いて導出された積込機械30の現在位置(絶対位置)に基づいて、坑内MIの決められた経路(目標経路)にしたがって積込機械30が走行するように、ドリフトDR又はクロスカットCRを走行する積込機械30を制御する。このとき、処理装置76は、積込機械30が指定されたドローポイントDPに配置されるように、これを制御する。
処理装置76は、例えば、CPUを含むマイクロコンピュータである。処理装置76は、前方撮像装置40C、後方撮像装置41C、非接触センサ42、読取装置43等の検出結果に基づいて、駆動制御装置48を介して走行装置34が備える電動機48L、48Rを制御する。そして、処理装置76は、所定の走行速度及び加速度で、前述した目標経路にしたがって積込機械30を走行させる。
記憶装置77は、RAM、ROM、フラッシュメモリ及びハードディスクドライブの少なくとも1つを含み、処理装置76と接続される。記憶装置77は、処理装置76が積込機械30を自律走行させるために必要なコンピュータプログラム及び各種の情報を記憶している。通信装置52は、処理装置76と接続され、運搬機械10に搭載された通信装置及び管理装置3の少なくとも一方との間でデータ通信する。
本実施形態において、積込機械30は、無人車両であり、自律走行が可能である。通信装置52は、管理装置3及び運搬機械10の少なくとも一方から送信された情報(指令信号を含む)を、アンテナ53を介して受信可能である。また、通信装置52は、前方撮像装置40C、後方撮像装置41C、非接触センサ42、読取装置43、測域センサ44、ジャイロセンサ45、速度センサ46及び加速度センサ47等が検出した情報を管理装置3及び運搬機械10の少なくとも一方に、アンテナ53を介して送信可能である。積込機械30は、自律走行が可能な無人車両に限定されない。例えば、管理装置3が、前方撮像装置40Cが撮像した画像を取得して図6に示す表示装置8に表示し、オペレーターは、表示された画像を視認しながら積込機械30の掘削、積込及び走行を遠隔操作により制御してもよい。また、管理装置3が、後方撮像装置41Cが撮像した画像を取得して図6に示す表示装置8に表示し、オペレーターは、表示された画像を視認しながら積込機械30の掘削及び積込並びに運搬機械10のベッセル11の動作を遠隔操作により制御してもよい。
例えば、速度センサ46及び加速度センサ47等が検出した情報を取得した管理装置3は、この情報を積込機械30の稼働情報として、例えば、記憶装置3Mに蓄積する。また、前方撮像装置40C又は後方撮像装置41Cが撮像した情報を管理装置3が取得した場合、オペレーターは、前方撮像装置40C又は後方撮像装置41Cが撮像した積込機械30の周辺の画像を視認しながら、積込機械30を操作することもできる。さらに、後方撮像装置41Cが検出したベッセル11の鉱石MRの質量に関する情報を取得した運搬機械10は、この情報に基づいて、ベッセル11への鉱石MRの積載量又はベッセル11の位置を制御することもできる。本実施形態において、積込機械30は、電動であるが、内燃機関が動力源であってもよい。次に、積込機械30の制御例を説明する。
<積込機械30の制御例>
本実施形態において、図6に示す管理装置3が、積込機械30が配置されるドローポイントDPを決定し、積込機械30は、管理装置3の決定したドローポイントDPに移動して、鉱石MRを掘削する。図20に示す制御装置75は、アンテナ53及び通信装置52を介して管理装置3からの指令を受信し、指定されたドローポイントDPに移動する。また、制御装置75は、ドローポイントDPにおける生産量(採掘量)、現在位置及び積込機械30の状態に関する情報等を、積込機械30の稼働情報として、管理装置3に送信する。まず、積込機械30が、管理装置3によって決定されたドローポイントDPに進入し、鉱石MRを掘削して運搬機械10に鉱石MRを積み込み、その後、他のドローポイントDPに向かう一連の動作に関する制御を説明する。
本実施形態において、図6に示す管理装置3が、積込機械30が配置されるドローポイントDPを決定し、積込機械30は、管理装置3の決定したドローポイントDPに移動して、鉱石MRを掘削する。図20に示す制御装置75は、アンテナ53及び通信装置52を介して管理装置3からの指令を受信し、指定されたドローポイントDPに移動する。また、制御装置75は、ドローポイントDPにおける生産量(採掘量)、現在位置及び積込機械30の状態に関する情報等を、積込機械30の稼働情報として、管理装置3に送信する。まず、積込機械30が、管理装置3によって決定されたドローポイントDPに進入し、鉱石MRを掘削して運搬機械10に鉱石MRを積み込み、その後、他のドローポイントDPに向かう一連の動作に関する制御を説明する。
(ドローポイントDPへの進入及び他のドローポイントDPへの移動)
図21から図28は、積込機械30がドローポイントDPに進入し、鉱石を掘削した後、他のドローポイントDPに向かう一連の動作を説明するための図である。積込機械30が備える制御装置75は、図6に示す管理装置3から、鉱石MRの掘削及び積み込みを実行するドローポイントDPの情報を取得する。積込機械30は、図21に示すように、ドリフトDRを矢印FCで示す方向に走行し、目的のドローポイントDPまで移動する。このとき、制御装置75は、積込機械30の姿勢を図19に示す走行時の姿勢とする。積込機械30の走行時において、制御装置75は、フィーダー31、回転ローラー33及び回転体36を停止させている。
図21から図28は、積込機械30がドローポイントDPに進入し、鉱石を掘削した後、他のドローポイントDPに向かう一連の動作を説明するための図である。積込機械30が備える制御装置75は、図6に示す管理装置3から、鉱石MRの掘削及び積み込みを実行するドローポイントDPの情報を取得する。積込機械30は、図21に示すように、ドリフトDRを矢印FCで示す方向に走行し、目的のドローポイントDPまで移動する。このとき、制御装置75は、積込機械30の姿勢を図19に示す走行時の姿勢とする。積込機械30の走行時において、制御装置75は、フィーダー31、回転ローラー33及び回転体36を停止させている。
積込機械30は、目的のドローポイントDPの位置に到着したら、図22に示すように、目的のドローポイントDPが存在するクロスカットCRと現在走行中のドリフトDRとの交差点で方向転換する。このとき、制御装置75は、走行装置34、より具体的には、図20に示す電動機48L、48Rの回転速度を制御して、積込機械30を方向転換させる。このときも、フィーダー31、回転ローラー33及び回転体36は停止している。
次に、積込機械30は、交差点でドローポイントDPの地山RMに貫入する準備をする。制御装置75は、積込機械30の姿勢を走行時の姿勢から貫入時及び掘削時の姿勢に変更する。貫入時及び掘削時の姿勢は、フィーダー31の積込側31F及び貫入部材35を地面Gに近づけた姿勢である。また、制御装置75は、図23に示すように、電力ケーブル7の接続装置を起動させて、ドローポイントDPに設けられている給電用のコネクタ6に電力ケーブル7を接続させる。積込機械30は、走行時には自身に搭載されている蓄電器から供給される電力によって走行するが、貫入時及び掘削時には、外部から供給される電力によって駆動されるからである。
貫入の準備が完了したら、積込機械30は、図24に示すように、クロスカットCRに進入して、クロスカットCRの奥に存在する鉱石MRの地山RMに向かって走行し、貫入部材35及びフィーダー31の積込側31Fを貫入させる。このとき、制御装置75は、回転ローラー33は停止させ、フィーダー31及び回転体36を駆動しながら積込機械30を地山RMに向かって走行させる。フィーダー31は、上部の搬送ベルトが鉱石MRの搬送方向と同一の方向に駆動され、回転体36は、羽根36Bの地山RMと対向する側が上向きになるように回転する。フィーダー31の貫入時における搬送速度は、掘削時よりも低い。
フィーダー31が搬送方向に駆動することにより、貫入時にフィーダー31に鉱石MRが載った場合、この鉱石MRは排出側31Fに搬送されるので、フィーダー31の詰まりが抑制される。また、回転体36が前述した方向に回転することにより、走行装置34の履帯34Cと地面Gとの摩擦力が増加する。その結果、積込機械30は、貫入部材35及びフィーダー31の積込側31Fを、地山RMへ確実に貫入させることができる。また、回転体36は、地山RMの鉱石MRを掻き乱すことで、鉱石MRの崩れを助長して、貫入部材35及びフィーダー31の積込側31Fを地山RMに貫入させやすくすることもできる。
貫入部材35及びフィーダー31の積込側31Fが地山RMに貫入したら、制御装置75は、固定装置30FをクロスカットCRの壁面CRWに向かって伸ばして、積込機械30をクロスカットCR内に固定する。そして、図25に示すように、運搬機械10がドローポイントDPに到着したら、積込機械30は、回転ローラー33を回転させて地山RMから鉱石MRを掘削してフィーダー31に送り込む。フィーダー31は、送り込まれた鉱石MRを排出側31Eに搬送し、排出側31Eで待機している運搬機械10のベッセル11に鉱石MRを積載する。掘削時における回転ローラー33の回転方向は、接触部材33Sの地山RMと対向する側が下向きになるように回転する。制御装置75は、支持機構32を動作させて、回転ローラー33が地山RMを掘削する位置を変更しながら掘削を続ける。このとき、制御装置75は、鉱石MRの流れ方及び鉱石の寸法等といった鉱石MRの状態に応じて、積込機械30を地山RM側に向かって進行させたり、地山RMから離れる方向に移動させたりしてもよい。固定装置30Fと車体30Bの間に油圧シリンダを設け、固定装置30FをクロスカットCRの壁面CRWに固定した後に、油圧シリンダの駆動力を利用して車体30Bを地山RMに貫入させてもよい。
積込機械30は、現在のドローポイントDPでの掘削が終了し、他のドローポイントDPに移動する場合、図26に示すように、クロスカットCRとドリフトDRとの交差点に向かって矢印FBで示す方向に後退する。この場合、制御装置75は、回転ローラー33を停止させ、フィーダー31を搬送方向とは逆方向に駆動する。このようにすることで、フィーダー31が地山RMから抜けやすくなる。回転体36は停止していてもよいが、回転体36は、貫入時とは反対方向に回転してもよい。このようにすれば、フィーダー31及び貫入部材35がより地山RMから抜けやすくなる。
図27に示すように、積込機械30がクロスカットCRとドリフトDRとの交差点に到着したら、制御装置75は、電力ケーブル7の接続装置を起動させて、ドローポイントDPに設けられている給電用のコネクタ6から電力ケーブル7を取り外す。次に、制御装置75は、積込機械30の姿勢を貫入時及び掘削行時の姿勢から走行時の姿勢に変更する。走行時の姿勢は、フィーダー31の積込側31F及び貫入部材35が、貫入時及び掘削時よりも地面Gから遠ざかった姿勢である。
その後、制御装置75は、図28に示すように、走行装置34を制御することにより積込機械30を矢印FTで示す方向に旋回させて、積込機械30の前後軸をドリフトDRが延びる方向と平行にする。この状態になったら、制御装置75は、走行装置34を制御して、ドリフトDR内において積込機械30を矢印FCで示す方向に走行させ、次のドローポイントDPに移動させる。制御装置75は、管理装置3から取得した次のドローポイントDPの位置に関する情報に基づき、積込機械30を走行させる。このような一連の動作により、積込機械30は、ドローポイントDP間を移動して、鉱石MRを掘削することができる。次に、積込機械30の掘削時における制御について説明する。
(掘削時の制御)
図29は、積込機械30の掘削時の制御を説明するための図である。積込機械30の掘削時において、制御装置75は、情報収集装置40、本実施形態では前方撮像装置40Cが取得した鉱石情報に基づいて、フィーダー31、回転ローラー33、支持機構32及び走行装置34の少なくとも1つを制御する。積込機械30が掘削する場合、前方撮像装置40Cは、回転ローラー33が地山RMの鉱石MRを掘削している状況を撮像する。前方撮像装置40Cによって撮像された画像は、鉱石情報である。
図29は、積込機械30の掘削時の制御を説明するための図である。積込機械30の掘削時において、制御装置75は、情報収集装置40、本実施形態では前方撮像装置40Cが取得した鉱石情報に基づいて、フィーダー31、回転ローラー33、支持機構32及び走行装置34の少なくとも1つを制御する。積込機械30が掘削する場合、前方撮像装置40Cは、回転ローラー33が地山RMの鉱石MRを掘削している状況を撮像する。前方撮像装置40Cによって撮像された画像は、鉱石情報である。
積込機械30の掘削時において、制御装置75は、例えば、前方撮像装置40Cによって撮像された画像を画像処理し、鉱石MRを抽出する。そして、制御装置75は、抽出した鉱石MRから、地山RMの形状、鉱石MRの寸法、鉱石MRの移動速度及び鉱石MRの移動方向等を求める。そして、制御装置75は、例えば、地山RMの形状又は形状の変化から、鉱石MRが掘削されていない部分を抽出し、支持機構32を駆動してその部分に回転ローラー33を押し当てて掘削する。また、制御装置75は、抽出した鉱石MRの動きの変化から、ドローポイントDPの上方Uにアーチングと呼ばれる鉱石MRの詰まり(鉱石詰まり)が発生していると判断した場合、支持機構32を駆動してその部分に回転ローラー33を押し当てて鉱石詰まりを解消する。
(制御例1)
鉱石情報が、地山RMからフィーダー31の積込側31Fに向かって移動する鉱石MRの流れ(以下、適宜鉱石流れという)が相対的に少ないという情報である場合、フィーダー31に送り込まれる鉱石MRが少ないことを意味する。したがって、このような場合、制御装置75は、地山RMからより多くの鉱石MRを掘削するように制御する。このため、制御装置75は、回転ローラー33を地山RMに押し付けるように支持機構32を動作させること及び回転ローラー33の回転速度を増加させることの少なくとも一方を実行する。
鉱石情報が、地山RMからフィーダー31の積込側31Fに向かって移動する鉱石MRの流れ(以下、適宜鉱石流れという)が相対的に少ないという情報である場合、フィーダー31に送り込まれる鉱石MRが少ないことを意味する。したがって、このような場合、制御装置75は、地山RMからより多くの鉱石MRを掘削するように制御する。このため、制御装置75は、回転ローラー33を地山RMに押し付けるように支持機構32を動作させること及び回転ローラー33の回転速度を増加させることの少なくとも一方を実行する。
この場合、制御装置75は、前方撮像装置40Cに、時間を異ならせて複数のタイミングで地山RMを撮像させることによって複数の画像を取得する。そして、制御装置75は、取得した複数の画像から、地山RMから積込側31Fに向かう鉱石MRの動きを求めることにより、鉱石流れを求める。制御装置75は、得られた鉱石流れに関する情報を鉱石情報として管理装置3に送信する。管理装置3は、取得した鉱石情報を記憶装置3Mに記憶し、この鉱石情報を鉱山の管理に用いる。
(制御例2)
鉱石情報が、地山RMからフィーダー31に向かう鉱石流れが相対的に多いという情報である場合、フィーダー31に送り込まれる鉱石MRが多いことを意味する。この場合、フィーダー31の搬送能力を超えた鉱石MRがフィーダー31に送り込まれると、フィーダー31にはオーバーフローが発生する可能性がある。このため、制御装置75は、回転ローラー33を地山RMから遠ざけるように支持機構32を動作させること及び回転ローラー33の回転速度を低下させることの少なくとも一方を実行する。このようにすることで、フィーダー31に送り込まれる鉱石MRの量が少なくなるので、フィーダー31にオーバーフローが発生する可能性を低減できる。
鉱石情報が、地山RMからフィーダー31に向かう鉱石流れが相対的に多いという情報である場合、フィーダー31に送り込まれる鉱石MRが多いことを意味する。この場合、フィーダー31の搬送能力を超えた鉱石MRがフィーダー31に送り込まれると、フィーダー31にはオーバーフローが発生する可能性がある。このため、制御装置75は、回転ローラー33を地山RMから遠ざけるように支持機構32を動作させること及び回転ローラー33の回転速度を低下させることの少なくとも一方を実行する。このようにすることで、フィーダー31に送り込まれる鉱石MRの量が少なくなるので、フィーダー31にオーバーフローが発生する可能性を低減できる。
制御装置75は、鉱石流れの大小で回転ローラー33を地山RMに押し付けたり離したりする他に、回転ローラー33の負荷に応じて地山RMに近づけたり離したりしてもよい。制御装置75は、回転ローラー33の負荷が高まり回転速度が低下したりトルクが過大になったりした場合は、回転ローラーを保護するために地山RMから遠ざけてもよい。
(制御例3)
鉱石情報が、ドローポイントDPに、鉱石詰まりが発生しているという情報である場合、そのドローポイントDPからは鉱石MRを採掘することができない。この場合、制御装置75は、鉱石詰まりが発生している箇所に回転ローラー33を押し付けるように支持機構32を動作させる。このようにすることで、積込機械30は、鉱石詰まりを解消して、鉱石の採掘を継続することができる。積込機械30が、鉱石詰まりの発生している箇所に回転ローラー33を押し付けてその部分を掘削しても鉱石詰まりが解消できなかった場合、制御装置75はその旨の情報を管理装置3に送信する。この情報を取得した管理装置3は、この情報を送信した積込機械30を、鉱石詰まりが解消できなかったドローポイントDPとは異なるドローポイントDPに移動させる。
鉱石情報が、ドローポイントDPに、鉱石詰まりが発生しているという情報である場合、そのドローポイントDPからは鉱石MRを採掘することができない。この場合、制御装置75は、鉱石詰まりが発生している箇所に回転ローラー33を押し付けるように支持機構32を動作させる。このようにすることで、積込機械30は、鉱石詰まりを解消して、鉱石の採掘を継続することができる。積込機械30が、鉱石詰まりの発生している箇所に回転ローラー33を押し付けてその部分を掘削しても鉱石詰まりが解消できなかった場合、制御装置75はその旨の情報を管理装置3に送信する。この情報を取得した管理装置3は、この情報を送信した積込機械30を、鉱石詰まりが解消できなかったドローポイントDPとは異なるドローポイントDPに移動させる。
(制御例4)
鉱石情報が、地山RMからフィーダー31に向かう鉱石流れが相対的に少ないという情報である場合、鉱石流れが相対的に多い場合と同様にフィーダー31が駆動されていると、無駄に電力を消費することになる。このため、制御装置75は、フィーダー31の搬送速度を低下させる。このようにすることで、電力消費を抑制することができる。鉱石情報が、地山RMからフィーダー31に向かう鉱石流れが相対的に多いという情報である場合、鉱石流れが相対的に少ない場合と同様にフィーダー31が駆動されていると、フィーダー31にはオーバーフローが発生する可能性がある。このため、制御装置75は、フィーダー31の搬送速度を増加させる。このようにすることで、フィーダー31にオーバーフローが発生する可能性を低減することができる。
鉱石情報が、地山RMからフィーダー31に向かう鉱石流れが相対的に少ないという情報である場合、鉱石流れが相対的に多い場合と同様にフィーダー31が駆動されていると、無駄に電力を消費することになる。このため、制御装置75は、フィーダー31の搬送速度を低下させる。このようにすることで、電力消費を抑制することができる。鉱石情報が、地山RMからフィーダー31に向かう鉱石流れが相対的に多いという情報である場合、鉱石流れが相対的に少ない場合と同様にフィーダー31が駆動されていると、フィーダー31にはオーバーフローが発生する可能性がある。このため、制御装置75は、フィーダー31の搬送速度を増加させる。このようにすることで、フィーダー31にオーバーフローが発生する可能性を低減することができる。
(制御例5)
鉱石情報が、地山RMにフィーダー31が搬送可能な寸法を超える鉱石MRがあるという情報である場合、フィーダー31に鉱石MRの詰まりが発生する可能性がある。このようなドローポイントDPでは、積込機械30はこれ以上鉱石MRを掘削できない。このため、制御装置75は、積込機械30が地山RMから離れる方向に移動するように、走行装置34を制御する。このようにすることで、管理装置3は、積込機械30が移動することで空いたクロスカットCRに、例えば、鉱石MRを破砕する機械を向かわせて鉱石MRを破砕させたり、積込機械30を他のドローポイントDPに移動させたりすることができる。制御装置75は、地山RMにフィーダー31が搬送可能な寸法を超える鉱石MRがあるという情報を、管理装置3に送信する。
鉱石情報が、地山RMにフィーダー31が搬送可能な寸法を超える鉱石MRがあるという情報である場合、フィーダー31に鉱石MRの詰まりが発生する可能性がある。このようなドローポイントDPでは、積込機械30はこれ以上鉱石MRを掘削できない。このため、制御装置75は、積込機械30が地山RMから離れる方向に移動するように、走行装置34を制御する。このようにすることで、管理装置3は、積込機械30が移動することで空いたクロスカットCRに、例えば、鉱石MRを破砕する機械を向かわせて鉱石MRを破砕させたり、積込機械30を他のドローポイントDPに移動させたりすることができる。制御装置75は、地山RMにフィーダー31が搬送可能な寸法を超える鉱石MRがあるという情報を、管理装置3に送信する。
(制御例6)
鉱石情報が、地山RMの鉱石MRはフィーダー31が搬送可能な寸法であるという情報である場合、制御装置75は、搬送可能な鉱石MRに回転ローラー33を押し付けるように、支持機構32を制御する。このようにすることで、積込機械30は、回転ローラー33によって地山RMを掘削し、掘削された鉱石MRをフィーダー31に送り込んで、ドローポイントDPでの鉱石MRの採掘を継続する。制御装置75は、得られた鉱石MRの寸法に関する情報を鉱石情報として管理装置3に送信する。管理装置3は、取得した鉱石情報を記憶装置3Mに記憶し、この鉱石情報を鉱山Mの管理に用いる。
鉱石情報が、地山RMの鉱石MRはフィーダー31が搬送可能な寸法であるという情報である場合、制御装置75は、搬送可能な鉱石MRに回転ローラー33を押し付けるように、支持機構32を制御する。このようにすることで、積込機械30は、回転ローラー33によって地山RMを掘削し、掘削された鉱石MRをフィーダー31に送り込んで、ドローポイントDPでの鉱石MRの採掘を継続する。制御装置75は、得られた鉱石MRの寸法に関する情報を鉱石情報として管理装置3に送信する。管理装置3は、取得した鉱石情報を記憶装置3Mに記憶し、この鉱石情報を鉱山Mの管理に用いる。
また、鉱石情報が、地山RMの鉱石MRはフィーダー31が搬送可能な寸法であるという情報である場合、制御装置75は回転ローラー33を停止させ、搬送可能な鉱石MRを回転ローラー33でフィーダー31に移動させるように、支持機構32を制御してもよい。具体的には、制御装置75は、図29に示す支持機構32のブーム32a及びアーム32bの少なくとも一方を揺動させ、回転ローラー33で鉱石MRをフィーダー31側に掻き込んでフィーダー31に送り込む。制御装置75は、地山RMの状態に応じて、回転ローラー33の回転又は支持機構32の動作のいずれか一方を選択し、鉱石MRをフィーダー31に送り込んでもよい。次に、積込機械30が坑道R、特にドリフトDRを走行するときの制御例を説明する。
(ドリフトDRを走行する際の制御)
積込機械30がドリフトDRを走行しているときにおいて、前方撮像装置40Cが、積込機械30の進行方向側に岩石等の障害物が存在するという情報を取得した場合、制御装置75は、回転ローラー33を障害物に接触させてこれを移動させるように支持機構32を制御する。制御装置75は、障害物に関する情報を管理装置3に送信する。管理装置3は、取得した情報を記憶装置3Mに記憶し、この鉱石情報を鉱山の管理に用いる。障害物に接触させるにあたって、制御装置75は、図29に示す支持機構32のブーム32a及びアーム32bの少なくとも一方を揺動させ、回転ローラー33で障害物を積込機械30の進路から排除する。この場合、制御装置75は、回転ローラー33を回転させてもよいし、回転させなくてもよい。
積込機械30がドリフトDRを走行しているときにおいて、前方撮像装置40Cが、積込機械30の進行方向側に岩石等の障害物が存在するという情報を取得した場合、制御装置75は、回転ローラー33を障害物に接触させてこれを移動させるように支持機構32を制御する。制御装置75は、障害物に関する情報を管理装置3に送信する。管理装置3は、取得した情報を記憶装置3Mに記憶し、この鉱石情報を鉱山の管理に用いる。障害物に接触させるにあたって、制御装置75は、図29に示す支持機構32のブーム32a及びアーム32bの少なくとも一方を揺動させ、回転ローラー33で障害物を積込機械30の進路から排除する。この場合、制御装置75は、回転ローラー33を回転させてもよいし、回転させなくてもよい。
また、制御装置75は、障害物をフィーダー31側に掻き込んでフィーダー31に積載して搬送してもよい。障害物をフィーダー31に積載する場合、制御装置75は、フィーダー31の姿勢を掘削時の姿勢にする。フィーダー31に積載された障害物は、例えば、積込機械30が次に鉱石MRを掘削する際に、運搬機械10に積載される。このように、積込機械30は、支持機構32及び回転ローラー33を有する掻き込み装置30DMを用いて進路に存在する障害物を排除して、ドリフトDR内を通過するスペースを作ることができる。
制御装置75は、例えば、図13から図15に示す切替機構80の動作を制御してもよい。例えば、制御装置75は、地山RMの鉱石MRの寸法がフィーダー31によって搬送可能であるという鉱石情報を得た場合、切替機構80の蓋82を開いて支持体81の間から鉱石MRを通過させる。また、制御装置75は、地山RMの鉱石MRの寸法がフィーダー31によって搬送不可能であるという鉱石情報を得た場合、切替機構80の蓋82を閉じる。このようにすることで、積込機械30は、フィーダー31が鉱石MRを搬送できない場合には、鉱石MRがフィーダー31から排出されることを回避することができる。また、制御装置75は、フィーダー31の動作に連動させて切替機構80を制御してもよい。例えば、制御装置75は、フィーダー31が鉱石MRを搬送する方向に向かって動作している場合に切替機構80の蓋82を開き、フィーダー31が鉱石MRを搬送する方向とは反対方向に向かって動作している場合又は停止している場合に切替機構80の蓋82を閉じる。このようにすることで、積込機械30は、フィーダー31から鉱石MRを確実に排出でき、また、フィーダー31から鉱石MRを排出しない場合には、確実に鉱石MRが排出されないようにすることができる。また、切替機構80は、フィーダー31が鉱石MRを搬送するとき以外は、蓋82が閉じられていてもよい。
本実施形態においては、積込機械30の制御装置75が前方撮像装置40Cによって撮像された画像に基づいて、前述した制御を実行する。この場合、地山RM等の3次元の空間データが必要になるので、前方撮像装置40Cとしては、ステレオカメラ又は3次元スキャナのような3次元の空間データを取得できる装置が用いられる。本実施形態においては、前方撮像装置40Cによって撮像された画像を鉱石情報として管理装置3が取得し、オペレーターが表示装置8に表示された前述の画像を視認しながら、遠隔操作によって前述した制御を実行してもよい。この場合、地山RM等の3次元の空間データは不要なので、前方撮像装置40Cは、通常のカメラのような、3次元の空間データを取得できない装置であってもよい。次に、積込機械30及び掻き込み装置30DMの変形例を説明する。
(第1変形例)
図30は、第1変形例に係る積込機械30A及び掻き込み装置30DMAを示す側面図である。図31は、第1変形例に係る積込機械30A及び掻き込み装置30DMAを示す平面図である。この積込機械30Aが備える掻き込み装置30DMAのアーム32bAは、第1の軸線Zaと平行な軸線Za’と、第1の軸線Zaと直交する第2の軸線と平行な軸線Zbとの両方の周りを揺動することができる。
図30は、第1変形例に係る積込機械30A及び掻き込み装置30DMAを示す側面図である。図31は、第1変形例に係る積込機械30A及び掻き込み装置30DMAを示す平面図である。この積込機械30Aが備える掻き込み装置30DMAのアーム32bAは、第1の軸線Zaと平行な軸線Za’と、第1の軸線Zaと直交する第2の軸線と平行な軸線Zbとの両方の周りを揺動することができる。
掻き込み装置30DMAは、回転ローラー33Aと、支持機構32Aとを有する。支持機構32Aは、車体30BDに取り付けられて、第1の軸線Zaの周りを揺動するブーム32aAと、第1の軸線Zaと平行な軸線Za’の周りを揺動するアーム32bAと、ブーム32aAとアーム32bAとを連結する連結部材32cとを有する。本変形例において、アーム32bAは1本である。連結部材32cは、ブーム32aAに取り付けられる。アーム32bAは、第1アーム32dと第2アーム32eとを有しており、第1アーム32dが連結部材32cに取り付けられる。
本変形例において、ブーム32aAは、2本の第1棒状部材32LB、32LBと、2本の棒状部材32LB、32LBを連結する梁32JAとを有する。2本の第1棒状部材32LB、32LBは、車体10Bの両側に設けられる。梁32JAの下方には、複数の前方撮像装置40Cが積込機械30の幅方向Wに向かって取り付けられる。ブーム32aAが有するそれぞれの第1棒状部材32LB、32LBは、車体30BDに、第1の軸線Zaと平行なピンによりピン結合されている。このため、ブーム32aAは、第1の軸線Zaの周りを揺動する。本変形例において、ブーム32aAは、第1棒状部材32LBと車体30BDとの間に設けられたアクチュエータとしての油圧シリンダ32C1が伸縮することによって揺動する。本変形例において、ブーム32aAが有する第1棒状部材32LBは2本なので、油圧シリンダ32C1も2本である。ブーム32aAを揺動させる装置は、油圧シリンダ32C1に限定されず、例えば、電動機等であってもよい。
連結部材32cとブーム32aAの梁32JAとは、第1の軸線Zaと平行な軸線Za’と平行なピンによりピン結合されている。このため、連結部材32cは、ブーム32aAに対して、第1の軸線Zaと平行な軸線Za’の周りを揺動する。連結部材32cが揺動することにより、これにピン結合された第1アーム32d、第2アーム32e及び第2アーム32eの先端に取り付けられた回転ローラー33Aも揺動する。本変形例において、連結部材32cは、自身とブーム32aAとの間に設けられたアクチュエータとしての油圧シリンダ32C2が伸縮することによって揺動する。連結部材32cを揺動させる装置は、油圧シリンダ32C2に限定されず、例えば、電動機等であってもよい。本変形例において、かき寄せ装置30DMは、2個の回転ローラー33Aを有する。2個の回転ローラー33Aは、アーム32bAの第2アーム32eの先端に、これを挟んで設けられる。
第2アーム32eは、第1アーム32dに差し込まれており、第1アーム32d及び第2アーム32eの長手方向(これらが延びる方向)に対して移動することができる。第2アーム32eは、第1アーム32dの内部に格納されたアクチュエータ(例えば、油圧シリンダ)によって、第1アーム32dに対してその長手方向(図30の矢印Sで示す方向)に伸縮する。このような構造により、アーム32bAは、長さが変化するので、第2アーム32eの先端に取り付けられた回転ローラー33Aと車体10Bとの距離を変更することができる。このため、回転ローラー33Aが掘削できる範囲が大きくなるので、地山RMから鉱石MRをより効率よく掘削することができる。回転ローラー33Aは、アーム32bAが伸縮する方向と平行な軸線の周りを回転してもよい。このようにすれば、回転ローラー33Aが掘削できる範囲がさらに大きくなるので、地山RMから鉱石MRをさらに効率よく掘削することができる。本変形例において、アーム32bAの伸縮及びアーム32bAが伸縮する方向と平行な軸線の周りにおける回転ローラー33Aの回転は必須ではない。
連結部材32cとアーム32bAの第1アーム32dとは、第1の軸線Zaと直交する第2の軸線Zbと平行なピンによりピン結合されている。第1アーム32dの幅方向Wの両側には、それぞれアクチュエータとしての油圧シリンダ32C3が設けられている。油圧シリンダ32C3は、第1アーム32dと連結部材32cとの間に設けられている。一方の油圧シリンダ32C3が伸び、他方の油圧シリンダ32C3が縮むと、第1アーム32dは縮んだ方の油圧シリンダ32C3が取り付けられている側に接近する。このような構造により、第1アーム32dは、ブーム32aA、より具体的にはブーム32aAに連結されている連結部材32cに対して、第2の軸線Zbの周りを揺動する。油圧シリンダ32C3は、1本でもよい。
第1アーム32dが第2の軸線Zbの周りを揺動することにより、アーム32bA及びこれの先端に取り付けられた回転ローラー33Aも、第2の軸線Zbの周りを揺動する(図31の矢印YIで示す方向)。このため、回転ローラー33Aは、図13等に示すフィーダー31の幅方向Wに移動することができる。結果として積込機械30Aは、回転ローラー33Aが掘削できる範囲が大きくなるので、地山RMから鉱石MRをより効率よく掘削することができる。また、アーム32bAが連結部材32cに対して第2の軸線Zbの周りを揺動し、連結部材32cがブーム32aAに対して第1の軸線と平行な軸線Za’の周りを揺動することにより、回転ローラー33Aの可動範囲を大きくすることができる。
本変形例は、前述した実施形態と比較して、回転ローラー33Aが移動できる範囲が大きくなるので、積込装置30Aが地山RMを掘削する際の自由度が向上する。次に、第2変形例について説明する。第1変形例の構成は、以下の変形例においても適宜適用することができる。
(第2変形例)
図32は、第2変形例に係る積込機械30B及び掻き込み装置30DMBを示す平面図である。図33は、第2変形例に係る積込機械30B及び掻き込み装置30DMBを示す側面面図である。図34は、回転ローラー33Bの変形例を示す図である。第2変形例の掻き込み装置30DMBは、第1変形例の掻き込み装置DMAと同様であるが、2個の回転ローラー33Bを2本のアーム32bBによって支持し、それぞれの回転ローラー33Bを独立して移動させる点が異なる。
図32は、第2変形例に係る積込機械30B及び掻き込み装置30DMBを示す平面図である。図33は、第2変形例に係る積込機械30B及び掻き込み装置30DMBを示す側面面図である。図34は、回転ローラー33Bの変形例を示す図である。第2変形例の掻き込み装置30DMBは、第1変形例の掻き込み装置DMAと同様であるが、2個の回転ローラー33Bを2本のアーム32bBによって支持し、それぞれの回転ローラー33Bを独立して移動させる点が異なる。
掻き込み装置30DMBは、2個の回転ローラー(第1回転ローラー及び第2回転ローラー)33B、33Bと、支持機構32Bとを有する。支持機構32Bは、車体30BDに取り付けられて、第1の軸線Zaの周りを揺動するブーム32aBと、第1の軸線Zaと平行な軸線Za’の周りを揺動する2本のアーム32bBと、ブーム32aBとアーム32bBとを連結する2個の連結部材32c、32cとを有する。2個の連結部材32cは、ブーム32aBが有する2本の第1棒状部材32LB、32LBを連結する梁32JBに設けられている。それぞれのアーム32bB、32bBは、第1アーム32dと第2アーム32eとを有しており、それぞれの第1アーム32d、32dが連結部材32c、32cに取り付けられる。
ブーム32aBの構造は、梁32JBに2個の連結部材32c、32cが取り付けられる以外は第1変形例のブーム32aAと同様である。それぞれの第1アーム32dとそれぞれの連結部材32cとは、軸線Za’と平行なピンによりピン結合されている。このため、それぞれの第1アーム32dは、連結部材32cに対して、第1の軸線Zaと平行な軸線Za’の周りを揺動する。第1アーム32dが揺動することにより、アーム32bB及びこれの先端に取り付けられた回転ローラー33Bも揺動する。このため、それぞれの回転ローラー33B、33Bは、独立して第1の軸線Zaと平行な軸線Za’の周りを揺動することができる。それぞれの回転ローラー33B、33Bは、それぞれ別個の電動機33M、33Mによって駆動される。それぞれの回転ローラー33B、33Bは、2本のアーム32bBの間に対向して配置される。図34に示すように、1本の第2アーム32eを挟んで2個の回転ローラー(第1回転ローラー及び第2回転ローラー)33Bs、33Bsが取り付けられていてもよい。それぞれのアーム32bB、32bBの構造は、第1変形例のアーム32bAと同様である。
それぞれの連結部材32c、32cとブーム32aBの梁32JBとは、第1の軸線Zaと直交する第2の軸線Zbと平行なピンによりピン結合されている。それぞれの連結部材32cには、それぞれアクチュエータとしての油圧シリンダ32C3が設けられている。油圧シリンダ32C3は、連結部材32cと梁32JBとの間に設けられている。それぞれの油圧シリンダ32C3が伸縮することにより、それぞれの連結部材32cは、ブーム32aBに対して、第2の軸線Zbの周りを揺動する。
それぞれの連結部材32cが第2の軸線Zbの周りを揺動し、それぞれのアーム32bBが軸線Za’の周りを揺動することにより、それぞれのアーム32bBの先端に取り付けられた回転ローラー33B、33Bは、それぞれが独立して第2の軸線Zbの周りを揺動し(図32の矢印YIで示す方向)、かつ軸線Za’の周りを揺動する。このため、それぞれの回転ローラー33B、33Bは、独立して上下方向及び図14等に示すフィーダー31の幅方向Wに移動することができる。また、それぞれの回転ローラー33B、33Bは、それぞれのアーム32bBの長手方向(図32の矢印Sで示す方向)における伸縮にしたがって独立して移動する。結果として積込機械30Bは、回転ローラー33Bが掘削できる範囲が大きく、かつ動作の自由度が大きくなるので、地山RMから鉱石MRをより効率よく掘削することができる。
本変形例は、前述した実施形態と比較して、回転ローラー33B、33Bが移動できる範囲が大きくなり、かつ動作の自由度が大きくなるので、積込装置30Bが地山RMを掘削する際の自由度が向上する。次に、第3変形例について説明する。第1変形例及び第2変形例の構成は、以下の変形例においても適宜適用することができる。
(第3変形例)
図35は、第3変形例に係る積込機械30D及び掻き込み装置30DMDを示す平面図である。図36は、第3変形例に係る積込機械30D及び掻き込み装置30DMDを示す側面図である。積込機械30Dが備える掻き込み装置30DMDは、2個の回転ローラー(第1回転ローラー及び第2回転ローラー)33Bs、33Bsと、支持機構32Dとを有する。支持機構32Dは、棒状部材である2本のブーム32aDを有する。ブーム32aDの一端部が、それぞれスイングサークル32SC、32SCに取り付けられている。それぞれのスイングサークル32SC、32SCは、車体30BDに設けられており、第1の軸線Zaと直交する第2の軸線Zbを中心として、図35の矢印Ryで示す方向に回動する。
図35は、第3変形例に係る積込機械30D及び掻き込み装置30DMDを示す平面図である。図36は、第3変形例に係る積込機械30D及び掻き込み装置30DMDを示す側面図である。積込機械30Dが備える掻き込み装置30DMDは、2個の回転ローラー(第1回転ローラー及び第2回転ローラー)33Bs、33Bsと、支持機構32Dとを有する。支持機構32Dは、棒状部材である2本のブーム32aDを有する。ブーム32aDの一端部が、それぞれスイングサークル32SC、32SCに取り付けられている。それぞれのスイングサークル32SC、32SCは、車体30BDに設けられており、第1の軸線Zaと直交する第2の軸線Zbを中心として、図35の矢印Ryで示す方向に回動する。
それぞれのブーム32aDは、それぞれスイングサークル32SC、32SCに支持されて、第1の軸線Zaの周りを揺動する。2本のブーム32aDは、スイングサークル32SCに取り付けられている端部とは反対側の端部が、梁32JDと結合されている。このような構造により、それぞれのスイングサークル32SC、32SCが回動すると、それぞれのブーム32aDは、独立して第2の軸線Zbの周りを揺動する。
それぞれのアーム32bD、32bDの第1アーム32d、32dと、ブーム32aDが備えるそれぞれの第1棒状部材32LB、32LBとは、軸線Za’と平行なピンによりピン結合されている。軸線Za’は、第1の軸線Zaと平行である。それぞれのアーム32bD、32bDの第1アーム32d、32dとそれぞれのブーム32aDとの間には、それぞれアクチュエータとしての油圧シリンダ32C2が設けられている。それぞれの油圧シリンダ32C2、32C2が伸縮することにより、それぞれのアーム32bD、32bD及びこれに支持される回転ローラー33Bs、33Bsは、軸線Za’を中心として揺動する。また、それぞれのスイングサークル32SC、32SCが回動すると、梁32JDの移動とともに、それぞれの回転ローラー33Bs、33Bsも第2の軸線Zbを中心として揺動する。
本変形例において、それぞれのアーム32bDの先端に取り付けられた回転ローラー33Bs、33Bsは、それぞれ独立して軸線Za’及び第2の軸線Zbの周りを揺動する。また、それぞれの回転ローラー33Bs、33Bsは、それぞれのアーム32bBの長手方向(図32の矢印Sで示す方向)における伸縮にしたがって独立して移動する。このため、本変形例は、回転ローラー33Bs、33Bsが掘削できる範囲が大きく、かつ動作の自由度が大きくなるので、積込機械30Dが地山RMから鉱石MRをより効率よく掘削することができる。
以上、本実施形態及びその変形例において、鉱山の管理システム1は、積込機械30と運搬機械10との機能を分離している。このため、積込機械30は、掘削及び搬送に特化でき、運搬機械10は鉱石MRの運搬に特化できるので、それぞれの能力を最大限発揮させることができる。結果として、鉱山の管理システム1は、鉱山Mの生産性を向上させることができる。
鉱山の管理システム1は、積込機械30及び運搬機械10を移動可能としているので、掘削現場の状況変化に容易に対応することができる。例えば、ドローポイントDPに鉱石詰まりが発生したり、積込機械30のフィーダー31が搬送できない大塊の鉱石MRがドローポイントDPに現れたりした場合、積込機械30は別のドローポイントDPに移動して、鉱石MRの採掘を継続することができる。このため、鉱山の管理システム1は、鉱石MRが採掘できない時間を最小限に抑えることができるので、鉱山Mの生産性を向上させることができる。
積込機械30は、回転ローラー33及びフィーダー31を備えているので、連続して鉱石MRを掘削して、運搬機械10に積載することができる。このため、積込機械30は、掘削した鉱石MRを迅速に運搬機械10に積載することができるので、積載に要する時間を短縮して、鉱山Mの生産性を向上させることができる。
ドローポイントDPに設置した掘削機械を用いて鉱石MRを採掘する手法があるが、この手法は、ドローポイントDPに掘削機械を固定するため、掘削機械の移動が制限される。このため、ドローポイントDPにアーチングが発生したり、鉱石MRの大塊がドローポイントDPに現れたりした場合には、岩石の破砕機能を有した掘削機械がドローポイントDPに接近することが困難である。また、大塊を破砕するための発破により、掘削機械がダメージを受ける可能性もある。鉱山の管理システム1は、前述したように、積込機械30が自走できるので、積込機械30は、鉱石詰まり等が発生したドローポイントDPとは別のドローポイントDPに移動して、鉱石MRの採掘を継続することができる。結果として、鉱山の管理システム1は、鉱石MRが採掘できない時間を最小限に抑えることができるので、鉱山Mの生産性を向上させることができる。
本実施形態及びその変形例は、回転ローラー33A、33B等を、積込機械30A、30B等の上下方向及び幅方向の両方に移動させることができる。このため、本実施形態及びその変形例は、回転ローラー33A、33B等が掘削できる範囲が大きく、かつ動作の自由度が大きくなるので、積込機械30A、30B等が地山RMから鉱石MRをより効率よく掘削することができる。その結果、本実施形態及びその変形例は、鉱山Mの生産性を向上させることができる。
前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 鉱山の管理システム
3 管理装置
10 運搬機械
11 ベッセル
30、30A、30B、30D 積込機械
30BD 車体
30DM、30DMA、30DMB、30DMD 掻き込み装置
31 フィーダー
32 支持機構
32b、32bA、32bB、32bD アーム
32d 第1アーム
32e 第2アーム
32SC スイングサークル
32a、32aA、32aB、32aD ブーム
32、32A、32B、32D 支持機構
32J、32JA、32JB、32JD 梁
32c 連結部材
33、33A、33B、33Bs 回転ローラー
33D 回転部材
34 走行装置
35、35a、35b 貫入部材
36 回転体
40、41 情報収集装置
40C 前方撮像装置
41C 後方撮像装置
52 通信装置
53 アンテナ
70、75 制御装置
71、76 処理装置
72、77 記憶装置
80 切替機構
3 管理装置
10 運搬機械
11 ベッセル
30、30A、30B、30D 積込機械
30BD 車体
30DM、30DMA、30DMB、30DMD 掻き込み装置
31 フィーダー
32 支持機構
32b、32bA、32bB、32bD アーム
32d 第1アーム
32e 第2アーム
32SC スイングサークル
32a、32aA、32aB、32aD ブーム
32、32A、32B、32D 支持機構
32J、32JA、32JB、32JD 梁
32c 連結部材
33、33A、33B、33Bs 回転ローラー
33D 回転部材
34 走行装置
35、35a、35b 貫入部材
36 回転体
40、41 情報収集装置
40C 前方撮像装置
41C 後方撮像装置
52 通信装置
53 アンテナ
70、75 制御装置
71、76 処理装置
72、77 記憶装置
80 切替機構
Claims (11)
- 鉱体の内部に設置された採掘場所に形成された鉱石の地山から前記鉱石を積み込んで、前記地山から離れる方向に搬送して排出する搬送装置と、
前記搬送装置が取り付けられた車体を走行させる走行装置と、
所定の軸線の周りを回転する回転部材及び前記回転部材の外周部に設けられて前記鉱石と接触して掘削する接触部材を有し、前記搬送装置の積み込み側で回転しながら前記鉱石を前記搬送装置に送り込む回転ローラーと、
前記車体に、起伏方向に揺動可能に設けられて、前記回転ローラーを支持する支持機構と、
を含む、積込機械。 - 前記支持機構は、
前記車体に取り付けられ、かつ前記車体に対して揺動可能な第1部材と、
前記回転ローラーを支持し、かつ前記第1部材と連結されて、前記第1部材に対して揺動可能な第2部材と、
を含む、請求項1に記載の積込機械。 - 前記接触部材は、
前記回転部材から径方向外側に突出し、かつ前記回転部材の周方向に沿って所定の間隔で設けられた複数の板状部材である、請求項2に記載の積込機械。 - 前記第1部材は、前記車体の両側に設けられた一対の第1棒状部材であり、
前記第2部材は、それぞれの前記第1棒状部材に連結された一対の第2棒状部材であり、
前記第2部材は、一対の前記第2棒状部材の間に前記回転ローラーを支持する、請求項2又は請求項3に記載の積込機械。 - 前記回転ローラーは、前記搬送装置の幅方向に移動する、請求項2又は請求項3に記載の積込機械。
- 前記第1部材は、前記車体に対して第1の軸線の周りを揺動し、
前記第2部材は、前記第1の軸線と平行な軸線及び前記第1の軸線と直交する第2の軸線と平行な軸線の両方の周りを揺動する、請求項5に記載の積込機械。 - 前記回転ローラーは、異なる駆動装置によって回転する第1回転ローラーと第2回転ローラーとを有し、
前記第2部材は、一対の棒状部材であって、それぞれの前記棒状部材が、前記第1の軸線と平行な軸線及び前記第2の軸線と平行な軸線の両方の周りを揺動し、さらに、一対の前記棒状部材は、一方が前記第1回転ローラーを支持し、他方が前記第2回転ローラーを支持する、請求項6に記載の積込機械。 - 前記回転ローラーが前記鉱石を掘削する際には、搬送装置の積込側に前記回転ローラーが配置され、
前記走行装置が前記車体を走行させる際には、前記鉱石の掘削時よりも前記搬送装置の排出側に前記回転ローラーが配置される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の積込機械。 - 前記搬送装置に前記鉱石が積み込まれる部分と、前記搬送装置から前記鉱石が排出される部分との間には、前記鉱石の排出と排出の停止とを切り替える切替機構が設けられる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の積込機械。
- 前記車体は、前記車体の外側に向かって伸びて、前記採掘場所につながる坑道の壁面に押し付けられる固定装置を有する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の積込機械。
- 鉱体の内部に設置された採掘場所に形成された鉱石の地山から前記鉱石を積み込んで、前記地山から離れる方向に搬送して排出する搬送装置と、
前記搬送装置の積込側に設けられて、前記地山に貫入する貫入部材と、
前記搬送装置が取り付けられた車体を走行させる走行装置と、
所定の軸線の周りを回転する回転部材及び前記回転部材の外周部に設けられて前記鉱石と接触して掘削する接触部材を有し、前記搬送装置の積み込み側で回転しながら前記鉱石を前記搬送装置に送り込む回転ローラーと、
前記車体に、起伏方向に揺動可能に設けられて、前記回転ローラーを支持する支持機構と、
前記搬送装置に前記鉱石が積み込まれる部分と、前記搬送装置から前記鉱石が排出される部分との間に設けられて、前記鉱石の排出と排出の停止とを切り替える切替機構と、
を含む、積込機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013205971A JP2015068142A (ja) | 2013-09-30 | 2013-09-30 | 積込機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013205971A JP2015068142A (ja) | 2013-09-30 | 2013-09-30 | 積込機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015068142A true JP2015068142A (ja) | 2015-04-13 |
Family
ID=52835100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013205971A Pending JP2015068142A (ja) | 2013-09-30 | 2013-09-30 | 積込機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015068142A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPWO2022249529A1 (ja) * | 2021-05-28 | 2022-12-01 |
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2013
- 2013-09-30 JP JP2013205971A patent/JP2015068142A/ja active Pending
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CN109804120A (zh) * | 2016-10-10 | 2019-05-24 | 韩国生产技术研究院 | 支撑因液压破碎机的打击而发生的反弹力的反力支撑结构及含其的液压打击式小型破碎装备 |
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JPWO2022249529A1 (ja) * | 2021-05-28 | 2022-12-01 | ||
WO2022249529A1 (ja) * | 2021-05-28 | 2022-12-01 | 日本国土開発株式会社 | 建設機械システム |
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