JP2015068098A - 局部洗浄装置 - Google Patents

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博 橋本
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勇哉 音羽
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Abstract


【課題】 旋回流により生成された大気泡を間欠的に加速噴流に供給することで大型ポンプを用いることなく吐水に十分大きな流速変動を与えることができる構成であっても、局部洗浄装置の水路に残留する水を低減させつつ、安定して間欠的に大気泡を加速噴流に供給することが可能な局部洗浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 水溜室に生じさせた旋回流によって生成された大気泡を間欠的に加速噴流に供給することで、吐水に十分大きな流速変動を与えることができる局部洗浄装置において、局部洗浄後に給水路からの水抜きは行いつつも、旋回流を生じさせるために水溜室に副水流を供給する水路からは水が抜けないよう水抜け防止手段を設けた。
【選択図】 図17

Description

本発明は、人体局部を洗浄する局部洗浄装置に関する。
人体局部を洗浄するための局部洗浄装置は、洗浄感を高めることが求められている。洗浄感は、局部洗浄装置から吐出された水が人体に当たった場合の刺激感と量感とによって左右される感覚である。刺激感と量感とを吐出される水の性状に当てはめると、刺激感とは水の流速に代表される物理量であり、量感とは人体に当たった水の面積(人体に当たる直前の水の断面積にも相当する)に代表される物理量である。換言すれば、刺激感は水の流速に応じて使用者が感じる水の刺激の強さであって、水の流速が速くなれば刺激感が強くなり、水の流速が遅くなれば刺激感が弱くなるものである。また、量感は人体に当たった水の面積に応じて使用者が感じる水の量の多少であって、水の面積が広くなれば量感が強くなり、水の面積が狭くなれば量感が弱くなるものである。
一方で局部洗浄装置には、より節水性能を高めることも求められている。節水性能を高めるには、局部洗浄装置から吐出される水の量を減らすことが必要であるものの、単純に吐出される水の量を減らせば量感が低減されることになり、洗浄感に不満を抱く使用者が増えるおそれがある。
そこで、吐水の流速を変動させることにより流速差を生じさせ、流速の速い水流を流速の遅い水流に追いつかせることによって、連続的な線状の吐水を間欠的な水塊による吐水に変換することで、低水量でありながら、人体に当たる水の面積を確保し、量感を損ねない技術が提案されている。
特許文献1に記載の技術では、このような速度差を形成するために、局部洗浄装置への給水圧よりも高い圧力を間欠的に加えて、吐水圧を大きく変動させることが利用されている。このように吐水圧を大きく変動させることで、吐水に間欠的な流速変動が起きることから、上述したような間欠的な水塊による吐水が実現される。
特許文献1に記載の技術は、間欠的な水塊による吐水を確実に実現するためには優れた技術であるけれども、給水圧よりも高い圧力を加えるために比較的大型のポンプが必要となる。このような比較的大型のポンプが必須のものとされれば、局部洗浄装置全体が高価なものとなり、装置の大型化にも繋がるおそれがある。
ポンプを用いずに吐水の流速を周期的に変動させる技術としては、下記特許文献2に記載のものが提案されている。特許文献2に記載の技術は、ノズルの吐出口よりも上流で噴射させた加速噴流が通過する経路に、水の流れによって導入および成長させた気泡(大気泡)を間欠的に供給することによって、大気泡の中を加速噴流が貫通する第一通水状態と、大気泡ではなく溜水の中を加速噴流が通過する第二通水状態とを交互に繰り返す状態を作り出し、加速噴流に対する通水抵抗に変動を与え、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
特開2001−90151号公報 特許第5024576号公報
特許文献2に記載の技術においては、大気泡を作り出すために、気泡を外部より導入すると共にその気泡を成長させる水溜室に、加速噴流とは別途に、水溜室に旋回流を生じさせるよう、所定の流量で水を供給し続けるよう構成されている。この旋回流によって、外部から気泡を水溜室に導入すると共に、気泡を成長させることができる。なお、最適な流量で水溜室に水を供給しなければ、大気泡を作り出すことは難しく、水溜室に供給する水の流量は予め最適な流量となるよう設計しなければならない。流量調整弁を追加するなど、構成を複雑化することなく、最適な流量で水を水溜室に供給する構成としては、給水源からノズルの吐出口に至る水路(給水路)を分岐させ、この分岐した水路(分岐水路)の圧損を調整することで水溜室に所定の流量の水を供給することが好ましい。
ここで、局部洗浄装置においては、長期間の水の滞留によって生じ得る菌の繁殖を防止するため、使用者の局部洗浄後に、局部洗浄装置内の水路に残留する水の量を低減させることが好ましい。そのために、使用者の局部洗浄後に、局部洗浄装置内の水路を大気と連通させ、水路から水抜きを行うことが考えられる。しかし、特許文献2に記載された構成の場合、水溜室に所定の流量で水を供給する水路(副水流用水路)の水抜きを行ってしまうと、水抜き後に、その水路内壁に残留した水の蒸発により副水流用水路内壁にスケールが付着し、副水流用水路の圧損が変化してしまう恐れがある。このように圧損の変化が生じてしまうと、水溜室に最適な流量で水が供給されず、所望の大気泡を作り出せなくなり、加速噴流に間欠的に大気泡を供給できなくなってしまうため、結果的に、間欠的な水塊による吐水を行えなくなってしまう。したがって、副水流用水路から水を抜くことは好ましくない。
しかし、上述したような分岐水路を設けた構成においては、分岐水路を大気と連通させずとも、給水路を大気と連通させてしまうと、給水路に連通する分岐水路からも水が抜けてしまうため、上述したように、間欠的な水塊による吐水を行えなくなってしまい、そもそも狙いとしている洗浄感を得られなくなるという大きな問題が生じる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、旋回流により生成された大気泡を間欠的に加速噴流に供給することで大型ポンプを用いることなく吐水に十分大きな流速変動を与えることができる構成であっても、局部洗浄装置の水路に残留する水を低減させつつ、安定して間欠的に大気泡を加速噴流に供給することが可能な局部洗浄装置を提供することを目的とする。
本発明に係る局部洗浄装置は、人体局部に向けて水を吐出する、大便器に取付けられる局部洗浄装置であって、 人体局部に水を吐出する吐出口を有するノズルと、前記ノズルに給水源からの水を供給する給水路と、前記給水路から供給された水を下流側に向けて加速させ、加速噴流として噴射する噴射口と、前記噴射口の下流側に設けられ、前記加速噴流を前記吐出口に導く吐出流路と、前記噴射口と前記吐出流路との間に設けられ、前記噴射口から前記吐出流路に至る前記加速噴流が通過する経路である第一通水経路部及び前記第一通水経路部の一側に隣接するとともに前記第一通水経路部と同一空間として構成された溜水を形成するための水溜部を有する水溜室と、前記水溜部で少なくとも一つの大気泡を生成するとともに、この大気泡を前記第一通水経路部に供給する気泡供給手段と、前記給水路を大気と連通させる大気開放部と、を備え、前記気泡供給手段は、前記水溜部に空気を導入する空気導入口と、前記空気導入口から空気を導入すると共に、導入した空気を泡状に大きく成長させるために、前記水溜部の溜水に旋回流を生じさせる副水流を導入する副水流導入口と、前記副水流導入口に前記給水路から所定の流量を供給するために前記給水路から分岐して設けられた副水流用分岐水路からなり、前記旋回流によって大きく成長させた気泡を間欠的に前記第一通水経路部に供給するよう構成されるものであって、さらに、給水源から前記給水路への水の供給を停止し、前記大気開放部によって前記給水路を大気と連通させた状態において、前記副水流用分岐水路から水が抜けないようにする水抜け防止手段を設けたことを特徴とする。
このように構成された本発明においては、給水路および副水流用分岐水路に通水して使用者が局部洗浄を行った後、副水流用分岐水路と連通する給水路から水を抜くために大気開放部によって給水路を大気と連通させたとしても、副水流用分岐水路から水が抜けないようにする水抜け防止手段を設けているため、給水路からは水が抜ける一方で、副水流用分岐水路からは水が抜けないようにすることができる。
したがって、使用者が局部洗浄を行わない待機状態、すなわち、給水源より給水路に水を供給していない状態において、副水流用分岐水路を水で満たした状態を維持することができる。これにより、副水流用分岐水路内を空気が流動することを抑制でき、副水流用分岐水路内の水が空気と接触する機会を低減させることができるため、副水流用分岐水路の内壁にスケールが付着することを防止することができる。したがって、スケール付着によって副水流用分岐水路の圧損が変化することを防止でき、安定的に所定の流量で副水流を水溜室10に供給することができ、安定的に大気泡を作り出すことができる。
このように、本発明では、局部洗浄装置の水路に残留する水を低減させつつも、安定して間欠的に大気泡を加速噴流に供給することができる。
本発明は、好ましくは、前記水抜け防止手段は、前記副水流用分岐水路の上流から供給された水を流入させる流入口と、前記流入口より流入した水を前記副水流用分岐水路の下流側へ流出させる流出口と、前記流入口から前記流出口へ至る前記流入口から流入した水が通過する経路である第二通水経路部と、前記第二通水経路部を進行しようとする水に進行を妨げる抵抗を与えるよう前記第二通水経路部の側方に水を滞留する滞留部と、を有し、前記滞留部が、前記第二通水経路部と同一空間として構成された、前記第二通水経路部に沿って前記流入口および前記流出口よりも大きな断面積を有するよう前記副水流用分岐水路に設けられた滞留室からなることを特徴とする。
滞留室における第二通水経路部を進行しようとする水が、第二通水経路部の側方に滞留された滞留部の水からその進行を妨げる抵抗を与えられるため、第二通水経路部の水の進行が生じづらくなり、これにより副水流用分岐水路全体における水の流動を防止できるため、副水流用分岐水路から水が抜けることを防止することができる。
ここで、副水流用分岐水路からの水抜けを生じさせないようにする方法としては、副水流用分岐水路を非常に細く設ける(言い換えると、副水流用分岐水路の断面を、上流から下流に亘って非常に小さく設ける)ことも考えられる。しかし、副水流用分岐水路から水が抜けないようにしていたとしても、長期間局部洗浄装置が使用されない場合には、副水流用分岐水路内の水が蒸発してしまい、副水流用分岐水路の内壁にスケールが生じる恐れがあるため、副水流用分岐水路を細く設けてしまうと、このようなスケールの付着が生じた部分の副水流用分岐水路の断面が非常に小さくなってしまい、この部分で非常に大きな圧損を生じる恐れがある。一方、本発明では、副水流用分岐水路から水が抜けないようにするために、第二通水経路部に沿って滞留室の流入口および流出口よりも大きな断面積を有するよう滞留室を副水流用分岐水路に設けているため、副水流用分岐水路を細く設ける必要がなく、副水流用分岐水路内壁へのスケール付着を防止できると共に、より大気泡を間欠的に安定して加速噴流に供給することができる。
本発明は、好ましくは、前記滞留室は、前記副水流用分岐水路に複数設けられていることを特徴とする。
このように構成された本発明では、副水流用分岐水路に滞留室を複数設けることによって、副水流用分岐水路内の水全体に、より進行を妨げるようとする抵抗を与えることができるため、より確実に副水流用分岐水路からの水抜けを防止することができる。
本発明は、好ましくは、前記滞留室には、前記流入口の軸心方向に前記流入口から流入しようとする水の進行を妨げるよう作用する壁部を設けたことを特徴とする。
滞留室の流入口から滞留室へ流入しようとする水は、流入口の軸心方向に進行しようとする。本発明では、流入口の軸心方向に、流入口から流入した水の進行を妨げるよう作用する壁部を設けているため、より第二通水経路部を進行しようとする水の進行を妨げるよう抵抗を与えることができ、より確実に水抜けを防止することができる。
本発明は、好ましくは、前記複数の滞留室における前記流入口および前記流出口はそれぞれ、上流側に隣接する前記滞留室の前記流出口および下流側に隣接する前記滞留室の前記流入口と直接接続されていることを特徴とする
このように構成された本発明では、複数の滞留室における流入口および流出口をそれぞれ、上流側に隣接する滞留室の流出口および下流側に隣接する滞留室の流入口と直接接続するため、滞留室間の距離が短くなり、副水流用分岐水路が短い場合であっても、より多くの滞留室を設けることができるため、より確実に副水流用分岐水路からの水抜けを防止することができる。
本発明の局部洗浄装置によれば、旋回流により生成された大気泡を間欠的に加速噴流に供給することで大型ポンプを用いることなく吐水に十分大きな流速変動を与えることができる構成であっても、局部洗浄装置の水路に残留する水を低減させつつ、安定して間欠的に大気泡を加速噴流に供給することが可能になる。
本発明の実施形態に係る局部洗浄装置を示す概略斜視図である。 図1に示す局部洗浄装置における吐水初速の変動を示す図である。 図1に示す局部洗浄装置の吐水状態を模式的に示す図である。 図1に示す局部洗浄装置が有する水溜室の概略構成を模式的に示す図である。 図4のA―A断面を示す図である。 図4のB―B断面を示す図である。 図4に示す水溜室で噴流に気泡を供給する態様を説明するための図である。 図7のC―C断面を示す図である。 図7のD領域を拡大して示す図である。 図4に示す水溜室で噴流に気泡を供給する態様を説明するための図である。 図4に示す水溜室で噴流に気泡を供給する態様を説明するための図である。 図11のF領域を拡大して示す図である。 図11のE―E断面を示す図である。 図4に示す水溜室で噴流に気泡を供給する態様を説明するための図である。 図4に示す水溜室で噴流に気泡を供給する態様を説明するための図である。 図15のG―G断面を示す図である。 本実施形態における局部洗浄装置内の水の経路の概略構成を模式的に示す図である。 第二給水管路の変形例の中空体周辺のみを示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本発明の実施形態である局部洗浄装置について説明する。本発明に係る局部洗浄装置は、人体に向けて水を吐出するものであって、大型のポンプを用いることなく、吐水に充分大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することが可能なものである。 図1に示すように、本発明の実施形態に係る局部洗浄装置WAは、大便器CBに載せて使用されるものである。局部洗浄装置WAは、本体部WAaと、便座WAbと、便蓋WAcと、リモコンWAdとを備えている。本体部WAaは、ノズルNZを有しており、ノズルNZを進退自在に保持している。本体部WAaは、便座WAb及び便蓋WAcを回動自在に保持している。
使用者は使用時に、便蓋WAcを図1に示すように便蓋WAcを上方に回動させ、便座WAbを露出させる。使用者は便座WAbに着座して用便をした後、リモコンWAdを操作してノズルNZに形成された吐出口NZaから吐水させ、自身の局部を洗浄する。使用者は局部洗浄後、リモコンWAdを操作して吐出口NZaからの吐水を停止する。その後使用者は、リモコンWAdを操作して大便器CBに洗浄水を流す。本実施形態では、図1に示すように、吐水JWの進行方向に沿ったJ軸と、鉛直方向に沿ったV軸とを設定し、このJ軸及びV軸を用いながら局部洗浄装置WAの吐水態様について説明する。
本実施形態における吐水初速の変動態様の一例を図2に示す。
図2に示すように、吐水初速を周期的に変動させることで、吐水初速が低い状態(図2のFW)から高い状態(図2のAW)に至るまでは、後続の吐水を先行する吐水に追い付かせる追い付き期間を形成している。周期的に発生する追い付き期間の間は、水塊の形成に寄与せず吐水する期間なので、本実施形態では便宜的に無駄水期間と呼称する。
図3に、図1に示す局部洗浄装置WAの吐水状態を模式的に示す。本実施形態では、大型のポンプを使用することなく、吐水される水の流速を周期的に変動させて、大きな水塊を吐水対象部位に衝突させるように構成されている。
このように吐水される水の流速の変動が起こると、図3の(A)に示すように、吐水JWは、部位Wp1,部位Wp2,部位Wp3,部位Wp4,部位Wp5を含むものとなる。この各部位のそれぞれの流速を、V1,V2,V3,V4,V5とすると、V1(≒V5)<V2(≒V4)<V3となる。
よって、吐水直後から図3の(A)〜(C)へと移行するにつれて、部位Wp3は部位Wp2より速度が大きいから、部位Wp3は部位Wp2と合体し、さらに部位Wp1と合体して大きな水塊となる。
このように最大流速の部位Wp3がその前の部位Wp2,部位Wp1と順次合体することにより、大きな塊となって、人体局部に着水することになる。この洗浄水は、人体局部に当たるときには、衝突エネルギ(洗浄強度)が大きい水塊状態となっている。この部位Wp3の流速V3は、最大流速であることから、脈動流で吐水された洗浄水は、合体した水塊の状態が脈動周期ごとに現れるような吐水形態で、吐出口NZaから吐水されていることになる。しかも、脈動周期でこのような現象が起きることから、上記のように最大流速の部位Wp3の合体を経た水塊は繰り返し現れ、ある吐水タイミングでの水塊とその次の吐水タイミングでの部位Wp3の合体を経た水塊とはほぼ同じ速度で吐水されることになる。しかも、このそれぞれの水塊は、最大流速での部位Wp3に遅れて吐水された部位Wp4、部位Wp5で繋がれたような状態となる。
本実施形態に係る局部洗浄装置WAは、大型のポンプを用いずに吐水の流速変化をつけ、上述したような繰り返し周期的に現れる水塊による吐水を行うものである。局部洗浄装置WAは、図1に示したノズルNZの吐出口NZaの上流側に、水溜室10を有している。本実施形態に係る局部洗浄装置WAは、水溜室10によって気泡を供給することで吐水の流速変化をつけている。この水溜室10の構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、水溜室10の概略構成を模式的に示す図である。
図4に示すように水溜室10は、空気管路101と、第一給水管路102(給水路)と、吐出管路103と、第二給水管路104とを備えている。空気管路101、第一給水管路102、吐出管路103、及び第二給水管路104は、水溜室10の内部に連通するように設けられた管路である。
水溜室10は、全体としては略直方体状の箱形状を成している。水溜室10は、一側端側に設けられた壁10eと、壁10f(第2側面)と、壁10g(第3側面)と、他側端側に設けられた壁10h(第1側面)と、壁10iと、壁10jとを有している。図4には、壁10e,壁10f,壁10g,壁10hのみが矩形を成すように描かれている。壁10iと壁10jとは互いに対向する位置に配置される壁であって、壁10eと、壁10fと、壁10gと、壁10hとを繋ぐように配置される壁である。
空気管路101は、水溜室10に形成された空気導入口10aを介して、水溜室10内部と連通している。空気導入口101は、壁10gと壁10hとが突き合わされる角部近傍であって、壁10gの上流側端に形成されている。第一給水管路102は、噴射口10bを介して、水溜室10内部と連通している。噴射口10bは、壁10hと壁10eとが突き合わされる角部近傍であって、壁10hに形成されている。吐出管路103は、水溜室側開口10cを介して、水溜室10内部と連通している。水溜室側開口10cは、壁10fと壁10eとが突き合わされる角部近傍であって、壁10fに形成されている。第二給水管路104は、副水流導入口10dを介して、水溜室10内部と連通している。副水流導入口10dは、壁10fと壁10gとが突き合わされる角部近傍であって、壁10fに形成されている。
空気管路101は、空気導入口10aと大気開放された開口とを繋ぐ管路である。空気管路101から導入される空気は、空気導入口10aから水溜室10の内部に引き込まれる。水溜室10の内部に引きこまれた空気は、気泡BAを形成している。第一給水管路102は、噴射口10bと給水源とを繋ぐ管路である。第一給水管路102は、その管路の途上若しくは噴射口10bにおいて縮径されている。従って、第一給水管路102から供給される水は、その速度が高められ噴流WSmとして水溜室10内に噴射される。
吐出管路103は、水溜室側開口10cとノズルNZ(図1参照)に形成された吐出口NZaとを繋ぐ管路である。本実施形態の場合、噴射口10bと水溜室側開口10cとは対向配置されている。従って、噴射口10bから水溜室10内に噴射される噴流WSmは、水溜室10内をJ軸に沿って進行し、水溜室側開口10cから吐出管路103に入る。吐出管路103に入った水は、J軸に沿って吐出管路103内を進行し、吐出口NZaから外部へと吐出される。
第二給水管路104は、第一給水管路102から分岐して設けられており、第一給水管路102と副水流導入口10dとを繋ぐ管路である。第二給水管路104は、副水流導入口10dを介して、水溜室10内部と連通している。第二給水管路104から供給される水の少なくとも一部は、水溜室10内において旋回流である副水流WSsを形成する。
上述したように、噴射口10bから水溜室10内に噴射される噴流WSmは、水溜室10内をJ軸に沿って進行し、水溜室側開口10cから吐出管路103に入る。従って、噴射口10bから吐出口NZaに至る噴流WSmが通過する経路である第一通水経路部105が形成される。本実施形態の場合、第一通水経路部105は、噴射口10bと水溜室側開口10cとを繋ぐ経路である。
水溜室10内の第一通水経路部105を除いた残余の領域は、水溜部106となっている。水溜部106は、第一通水経路部105に隣接させて溜水PWを形成するための部分である。本実施形態の場合、水溜部106は、第一通水経路部105を囲むように形成されている。本実施形態の場合、噴射口10b及び水溜室側開口10cは、矩形となっている水溜室10の一辺側に近接させて配置されている。一方、空気導入口10a及び副水流導入口10dは、矩形となっている水溜室10の他辺側に近接配置されている。従って、噴射口10b及び水溜室側開口10cと、空気導入口10a及び副水流導入口10dとは、離隔配置されている。
図4のA―A断面を図5に示し、図4のB―B断面を図6に示す。図4に示す状態では、噴流WSmは、溜水PWの中を進行しており、図5に示すように溜水PWからの抵抗を受けながら水溜室側開口10cに向かっている。水溜室側開口10cに至った噴流WSmは、吐出管路103内に入り、図6に示すように吐出管路103の内壁面と接触した状態で進行している。図4に示す状態では、気泡BAは小さい。図4に示す状態から更に時間が進行すると、図7に示すように細長形状に気泡BAが成長する。気泡BAは、噴流WSmにその下端が近づくまで成長している。従って、副水流WSsが旋回可能な領域は、図4に示す状態よりは狭まっている。副水流WSsは、旋回流速が速くなり、且つ噴流WSmの流れを阻害しない方向に旋回している。図7のC―C断面を図8に、図7のD領域を図9にそれぞれ示す。
図8に示すように、細長形状の気泡BAは、水溜室10の空気導入口10aから噴射口10bに向かって伸びる4つの壁10h,10i,10j,10fの内の3つの壁10h,10i,10jに接触して成長している。従って、副水流WSsに接触する面は、副水流導入口10dに向かう面のみとなっている。
図9に示すように、細長形状に成長した気泡BAは、鉛直方向であるV軸方向に浮力が作用する。副水流WSsは、この浮力に抗するように気泡BAに作用している。従って、気泡BAは、水溜室10の空気導入口10aから噴射口10bに向かって伸びる4つの壁10h,10i,10j,10fの内の3つの壁10h,10i,10jに接触した状態を保つことができる。
細長形状の気泡BAの成長という観点からは、壁10h,10i,10jは、気泡BAを空気導入口10aから第一通水経路部105に導くガイド面として機能している。副水流WSsは、気泡BAがガイド面である壁10h,10i,10jから離隔しないように、壁10h,10i,10jに向けて気泡BAを押し付ける力を発生させ、細長形状に気泡を成長させる押圧力付与手段として機能している。本実施形態では、空気導入口10a側から第一通水経路部105側に至るガイド面の長さは、噴射口10bから吐出口10cに至る通水経路部105の長さよりも長くなるように構成されていることも好ましい。
図7に示す状態から更に時間が進行すると、図10に示すように細長形状の気泡BAが噴流WSmに近づき干渉し始める。気泡BAは、噴流WSmに引っ張られ、通水経路部105に入り込む。従って、気泡BAが入り込んだ分の水が押し退けられることになり、副水流WSsの旋回流速が速くなる。旋回流速が高まった副水流WSsは、気泡BAを引きちぎることになる。
図10に示す状態から更に時間が進行すると、図11に示すように気泡BAが噴流WSmに完全に引き込まれ、気泡BAは第一通水経路部105の略全域に渡って存在する。図11のF領域を図12に、図11のE―E断面を図13にそれぞれ示す。
図12の(A)に示すように、気泡BAは第一通水経路部105の略全域に渡って存在するので、噴射口10bの近傍まで存在する。従って、噴射口10bの近傍に存在する水の量が減り、噴射口10bの近傍における渦流の発生が抑制される。気泡BAが噴射口10bから離れた位置に形成される場合には、図12の(B)に示すような状態になる。図12の(B)に示す状態では、噴射口10bの近傍に水が多く存在し、渦流が多く発生している。渦流の発生は噴流WSmの進行に抵抗となるので、図12の(A)に示すように渦流を抑制することで、噴流WSmの速度を低下させずに吐出口NZaに向かわせることができる。
図13に示すように、噴流WSmは気泡BAを貫通している。このように噴流WSmが気泡BAを貫通することで、噴流WSm周りの抵抗が低下し、噴流WSmは速度を低下させずに吐出口NZaに向かうことができる。もっとも、図13に例示するような、噴流WSmが気泡BAを完全に貫通する状態が必須なものではなく、噴流WSmの周囲の多くの部分を気泡BAによって囲むことができればよく、一部において溜水PWと接触する状態であっても構わないものである。
図11に示す状態から更に時間が進行すると、図14に示すように気泡BAが噴流WSmに引き込まれるように吐出管路103に向かう。気泡BAは、第一通水経路部105よりも広い流路断面積となるように形成されているので、水溜室側開口10cの外周に引っかかりながら吐出管路103に向かう。このように水溜室側開口10cの外周に引っかかった気泡BAは、噴流WSmによって後方から押し込まれたり、溜水PWからの圧力を受けて押し込まれたりしながら、吐出管路103に入っていくことになる。
図14に示す状態から更に時間が進行すると、図15に示すように気泡BAが吐出管路103に入り込む。図16に、図15のG―G断面を示す。図16に示すように、気泡BAが吐出管路103内に入り込むと、吐出管路103の内壁に沿って空気の膜を形成し、噴流WSmはその膜の中を進行する。従って、噴流WSmが吐出管路103の内壁から受ける抵抗が減少し、噴流WSmは減速されずに吐出口NZaに向かう。もっとも、図11に例示するような、噴流WSmを気泡BAが完全に包むような状態が必須なものではなく、噴流WSmの周囲の多くの部分を気泡BAによって囲むことができればよく、一部にお
いて吐出管路103と接触する状態であっても構わないものである。
図15に示す状態から気泡BAが更に吐出管路103の下流側に進行すると、次の気泡BAが空気管路101から取り込まれ、図4の状態に戻る。本実施形態では、図4〜図16を参照しながらした説明による気泡BAの動きが周期的に繰り返される。
また本実施形態では、先に生成した大気泡BAが第一通水経路部105に到達する時点から、その到達した大気泡BAの全体が第一通水経路部105から排出される時点までの第一時間よりも、先に生成した大気泡BAが第一通水経路部105に到達する時点から、次に生成した大気泡BAが第一通水経路部105に到達する時点までの第二時間が長くなるように構成されている。
このように、第一時間よりも第二時間が長くなるように構成しているので、先に生成した大気泡BAが第一通水経路部105に到達する時点を基準として、次に生成した大気泡BAが第一通水経路部105に到達する時点では、必ず先に生成した大気泡BAが通水経路部105から排出されるものとすることができる。従って、第一通水経路部105が水で満たされた第二通水状態を確実に生じさせることができる。
また本実施形態ではでは、副水流WSsによって、大気泡BAを第一通水経路部105に導くものであって、水溜室10内に空気を導入する空気導入口10aと、副水流WSsによって空気導入口10aから第一通水経路部105へと導かれる大気泡BAの移動の抵抗となる抵抗手段としてのガイド面である、壁10h,10i,10jを設けており、気泡BAを空気導入口10aから第一通水経路部105に導くガイド面として機能している。
上述した第二時間を長く確保するためには、空気導入口10aから導入した空気を極力ゆっくりと第一通水経路部105に供給する必要がある。しかしながら、水溜室10内は噴流WSmの影響を受けて副水流WSsが発生するので、副水流WSsによって大気泡BAは第一通水経路部105に導かれる。そのため、大気泡BAが意図したタイミングよりも早く通水経路部105に導かれる場合あり、第二通水状態を完全に実現できない場合も想定される。そこでこの好ましい態様では、副水流によって第一通水経路部105に導かれる大気泡BAの抵抗となる抵抗手段としてのガイド面を設けることで、大気泡BAの移動速度を適度なものに調整し、第一通水経路部105が水で満たされる第二通水状態を確実に生じさせるものとしている。
また本実施形態ではガイド面である壁10h,10i,10jに大気泡BAを押し付けながら大気泡BAを第一通水経路部105に導くので、ガイド面と大気泡BAとの間に生じる摩擦力を利用し、空気導入口10a側から第一通水経路部105にかけて継続的に大気泡BAの移動速度を調整することができる。
また本実施形態では、ガイド面である壁10h,10i,10jに大気泡BAを押し付けるものとして副水流WSsを利用しているので、別途ガイド面に対して大気泡BAを押し付ける手段を設けることなく、大気泡BAの移動速度を確実に調整することができる。
また本実施形態では、空気導入口10aの近傍と噴射口10bの近傍とを滑らかな連続面で繋いでいるので、大気泡BAがガイド面に接触した状態をより確実に維持し続けることができる。
また本実施形態では、大気泡BAが空気導入口10aと連通された状態を維持するので、大気泡BAと副水流WSsとはその連通された部分以外の部分において接触することになり、大気泡BAと副水流WSsとの接触面積が小さくなる。よって、大気泡BAが通水経路部105に移動する速度を遅くすることができるので、第一通水経路部105が水で満たされた第二通水状態を確実に生じさせることができる。
上述したように本実施形態に係る局部洗浄装置WAは、人体に向けて水を吐出するものであり、水を供給する給水路である第一給水管路102と、第一給水管路102から供給された水を下流側に向けて噴流WSmとして噴射する噴射口10bと、噴射口10bの下流側に設けられ、噴流WSmを外部に吐出する吐出口NZaと、噴射口10bと吐出口NZaとの間に設けられ、噴射口10bから吐出口NZaに至る噴流WSmが通過する経路である第一通水経路部105及び第一通水経路部105に隣接させて溜水PWを形成するための水溜部106を有する水溜室10と、第一通水経路部105に空気を泡状にした気泡BAを供給する気泡供給手段の少なくとも一部の機能を発揮する空気導入口10aと、を備える。
気泡供給手段は、噴射口10bから水溜室10内を見たときに、噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを生成するものであって(図13参照)、この大気泡BAを間欠的に形成することで、大気泡BAの中を噴流WSmが貫通する第一通水状態(図11参照)と、水の中を噴流WSmが通過する第二通水状態(図4,図7等参照)とを交互に繰り返し発生させ、第一通水経路部105における噴流WSmの通水抵抗を変動させる。
本実施形態では、噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを間欠的に形成するので、大気泡BAの中を噴流WSmが貫通する第一通水状態と、水の中を噴流WSmが通過する第二通水状態とを交互に繰り返し発生させることができる。第一通水状態では、大気泡BAの中を噴流WSmが貫通するので、噴流WSmの周囲は空気が多く存在し、噴流WSmを減速させる抵抗が弱く、噴流WSmの速度は保たれたまま吐出口NZaに向かう。
一方、第二通水状態では、水の中を噴流WSmが通過するので、噴流WSmの周囲は水が取り囲み、噴流WSmを減速させる抵抗が強く、噴流WSmの速度が落ちながら吐出口NZaに向かう。従って、第一通水状態と第二通水状態とを交互に繰り返し発生させることで、吐出口NZaに向かう噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
また本実施形態では、噴流WSmの断面積が大気泡BAの断面積よりも小さくなるように、噴流WSmが縮流されて噴射口10bから噴出される。このように、噴流WSmが縮流されて噴射口10bから噴出されるので、噴流WSmの拡散が抑制され確実にその断面積をコントロールすることができる。従って、噴流WSmの断面積が大気泡BAの断面積よりも小さくなる状態を確実に形成することができ、第一通水状態を確実に実現することができるため、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
また本実施形態では、気泡供給手段は、第一通水経路部105の噴射口10b寄りに大気泡BAを供給する。このように、第一通水経路部105の噴射口10b寄りに大気泡BAを供給するので、その大気泡BAは貫通する噴流WSmによって吐出口NZa側に引き伸ばされる。従って、噴射口10b寄りに大気泡BAを供給するという簡便な方法で、大気泡BAを噴射口10b側から吐出口NZa側までの長い範囲に存在させることができる。その結果、大気泡BAを貫通する噴流の長さが長くなり、第一通水状態における噴流WSmの減速をより確実に回避することができ、第一通水状態を確実に実現することができるため、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
また本実施形態では、気泡供給手段は、噴射口10bを覆うように大気泡BAを供給する(図12参照)。このように、噴射口10bを覆うように大気泡BAを供給することで、噴射口10bの近傍を空気で覆うことができる。従って、第一通水状態においては、噴射口10bの周囲における渦の発生が抑制され、渦の発生に伴う噴流WSmの乱れを抑制することができる。その結果、噴流WSmの進行が安定し、第一通水状態を確実に実現することができるため、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
また本実施形態では、外部から水溜室10に空気を取り込むために空気導入口10aが設けられると共に、空気導入口10aの近傍に、空気導入口10a側から通水経路部105側に向けて延び、気泡BAの成長を促進させるガイド面としての水溜室10の内壁面が設けられている(図8参照)。
空気導入口10aから水溜室10内に取り込まれた空気は、大気泡BAとなる前に水溜室10内の水流によって空気導入口10aから引き離され、ちぎれてしまう傾向がある。そこで、空気導入口10aから取り込まれた泡状の空気を、近傍に設けられたガイド面としての内壁面によって支持するため、水勢を受けても安定的に成長が促進され、確実に大気泡BAに成長させることができる。従って、第一通水状態を確実に実現することができるため、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
また、本実施形態の気泡供給手段は、吐出管路103内に噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを生成するものであって、この大気泡BAを間欠的に形成することで、大気泡BAによって吐出管路103の内壁面に沿って形成される空気層の中を噴流WSmが通過する第一通水状態(図16参照)と、水溜室10から吐出管路103に供給される水の中を噴流WSmが通過する第二通水状態(図6参照)とを交互に繰り返し発生させ、吐出管路103内を流れる水と吐出管路103の内壁面との接触面積を変動させる。
この観点によれば、気泡供給手段が噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを間欠的に生成して吐出管路103に供給するので、吐出管路103の内壁面に沿って形成される空気層の中を噴流WSmが通過する第一通水状態と、水溜室10から吐出管路103に供給される水の中を噴流WSmが通過する第二通水状態とを交互に繰り返し発生させることができる。第一通水状態では、吐出管路103内に形成される空気層の中を噴流WSmが通過するので、吐出管路103の内壁面と噴流WSmとの接触面積が小さくなり、吐出管路103内を進行する噴流WSmが受ける摩擦抵抗が小さくなる。一方、第二通水状態では、水溜室10から供給される水の中を噴流WSmが通過するので、吐出管路103の内壁面と噴流WSmを含む水との接触面積が大きくなり、吐出管路103内を進行する噴流WSmが受ける摩擦抵抗が大きくなる。従って、第一通水状態と第二通水状態とを交互に繰り返し発生させることで、吐出管路103内を流れる水と吐出管路103の内壁面との接触面積を変動させる。その摩擦抵抗の変動によって、吐出口NZaに向かう噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
更に、第一通水状態において、吐出管路103内に形成される空気層の中を噴流WSmが通過するので、吐出管路103内の水全体の流れに着目すれば、第二通水状態よりも実質的な流路断面積が減少する。従って、第一通水状態において吐出管路103を通過する噴流WSmの速度が、第二通水状態において吐出管路103を通過する水の速度よりも高くなる要因の一つとなる。前述したような摩擦抵抗の変動による吐水の流速変動に、流路断面積の変動による吐水の流速変動効果も加わって、吐水により大きな流速変動を与えることができる。
また本実施形態では、気泡供給手段は、大気泡BAを生成することで、吐出管路103内を通過する噴流WSmを、その進行方向に沿って囲むように内壁面に沿った管状の空気層を形成している。このように、噴流WSmをその進行方向に沿って囲むように内壁面に沿った管状の空気層が形成されるので、噴流WSmと吐出管路103の内壁面との接触面積をより低減させることができる。従って、第一通水状態における噴流WSmの速度を、第二通類状態における水の速度よりも充分に高めることができ、吐水により大きな流速変動を与えることができる。
また本実施形態では、気泡供給手段は、第一通水経路部105から吐出管路103に大気泡BAを供給するものであって、吐出管路103が水溜室10に臨む開口である水溜室側開口10cの外周を覆うように大気泡BAを供給する。
このように、吐出管路103が水溜室10に臨む開口である水溜室側開口10cの外周を覆うように第一通水経路部105側から大気泡BAを供給するので、吐出管路103の内壁面に沿わせるように大気泡BAを送り込むことができる。従って、吐出管路103の内壁面に沿った管状の空気層が形成しやすくなり、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
また本実施形態では、気泡供給手段は、第一通水経路部105から吐出管路103に大気泡BAを供給するものであって、吐出管路103側から第一通水経路部105側を見た場合に、吐出管路103の流路断面積よりも大きな断面積となるように大気泡BAを供給する。
このように、吐出管路103の流路断面積よりも大きな断面積となるように大気泡BAを供給するので、吐出管路103の内壁面に大気泡BAを確実に沿わせながら送り込むことができる。従って、吐出管路103の内壁面に沿った管状の空気層をより確実に形成しやすくなり、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
また本実施形態では、気泡供給手段は、第一通水経路部105から吐出管路103に大気泡BAを供給する際に、一時的に滞留させて供給する。このように、第一通水経路部105から吐出管路103に大気泡BAを供給する際に、一時的に滞留させて供給するので、吐出管路103の内壁面に大気泡BAを添わせやすくなる。従って、吐出管路103の内壁面に沿った管状の空気層をより確実且つ容易に形成しやすくなり、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
また本実施形態では、気泡供給手段は、吐出管路103の噴流WSmの進行方向に沿った長さと略同等の長さに空気層が形成されるように、大気泡BAを生成して供給することも好ましいものである。この好ましい態様では、吐出管路103の全長に渡って空気層が形成されるように大気泡BAを供給するので、水溜室10から吐出口NZaに至るまで管状の空気層を形成することができる。従って、第一通水状態において、水溜室10から吐出口NZaに至るまでに噴流WSmが受ける摩擦抵抗を極めて小さくすることができ、吐水に大きな流速変動を与えることができる。
また本実施形態では、噴射口10bから噴射される噴流WSmの中心軸が、吐出管路103の中心軸と略同一直線上に位置するように、噴射口10b及び吐出管路103が配置されており、噴射口10bの流路断面積よりも吐出管路103の流路断面積が大きくなるように形成されている。
このように、噴射口10bから噴射される噴流WSmの中心軸が、吐出管路103の中心軸と略同一直線上に位置するように配置されているので、吐出管路103の中心と吐出管路103に突入する噴流WSmの中心とを揃えることができる。更に、噴射口10bの流路断面積よりも吐出管路103の流路断面積が大きくなるように形成されているので、噴流WSmと吐出管路103の内壁面との間の隙間を確実に保つことができる。従って、その隙間に管状の空気層を形成することができ、管状の空気層の中に確実に噴流WSmを通すことができる。
また、本実施形態の気泡供給手段は、空気導入口10aから水溜室10内に導入した空気を、時間経過と共に泡状に大きく成長させ、その気泡BAが所定の大きさになった段階で大気泡BAとして第一通水経路部105に供給するものであって、更に、空気導入口10aから導入した空気が大気泡BAとなって第一通水経路部105に供給されるまでは、空気導入口10aと気泡BAとが連通した状態を維持することが可能な比較的低い流速の副水流WSsを水溜室10内に形成する第一水流状態(図4,図7参照)と、空気導入口10aから導入した空気が大気泡BAとなって第一通水経路部105に供給されるように、空気導入口10aから気泡BAを切り離すことが可能な比較的高い流速の副水流WSsを水溜室10内に形成する第二水流状態(図10参照)と、を交互に繰り返し発生させる。
この観点によれば、第一水流状態では、空気導入口10aと気泡BAとが連通した状態を維持することが可能な比較的低い流速の副水流WSsを水溜室10内に形成するので、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAを引きちぎることなく成長させることができる。一方、第二水流状態では、空気導入口10aから導入した空気が大気泡BAとなって第一通水経路部105に供給されるように、空気導入口10aから気泡BAを切り離すことが可能な比較的高い流速の副水流WSsを水溜室10内に形成するので、第一水流状態で成長した気泡BAを切り離して大気泡BAとして第一通水経路部105に供給することができる。このような第一水流状態と第二水流状態とを交互に繰り返し発生させることで、大気泡BAが噴流WSmに供給されない期間と、大気泡BAが噴流WSmに供給される期間とを交互に繰り返し発生させることができる。大気泡BAが噴流WSmに供給される期間においては、噴流WSmの速度は保たれたまま吐出口NZaに向かう。一方、大気泡BAが噴流WSmに供給されない期間においては、噴流WSmの速度が落ちながら吐出口NZaに向かう。従って、第一水流状態と第二水流状態とを交互に繰り返し発生させることで、吐出口NZaに向かう噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
また本実施形態では、水溜室10に、空気導入口10a側から第一通水経路部105側に向けて延び、気泡BAの成長を促進させるガイド面として機能する水溜室10の内壁が設けられ、気泡供給手段は、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAをガイド面としての内壁に接触させた状態を保ちながら第一通水経路部105近傍まで導いている(図7及び図8参照)。
空気と水の境界である気液界面は、空気と水それぞれが互いに作用させる力のバランスによって形成されるため変形しやすく、力のバランスが崩れると気液界面も崩れる。従って、気泡BAを成長させる期間である第一水流状態においては、空気と水とが接触する気液界面の面積を極力小さく保つことが、安定して気泡BAを成長させるために必要である。そこで、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAをガイド面としての内壁に接触させた状態を保つことで、空気導入口10a側から第一通水経路部105側にかけて気液界面の面積を減少させ、空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
また本実施形態では、気泡供給手段は、第一水流状態における副水流WSsによって、空気導入口から導入した空気が形成する気泡BAをガイド面としての内壁に向けて押し付けながら第一通水経路部105近傍まで導いている(図7及び図9参照)。
水溜室10内においては、噴流WSmが噴射口10bから吐出口NZaに向けて噴射されているため負圧が発生している。この負圧は水溜室10内に形成される気泡BAに作用するため、気泡BAはガイド面である壁面から引き離される力を受ける可能性がある。そこで、第一水流状態における副水流WSsによって気泡BAをガイド面としての壁面に向けて押し付けるので、負圧が作用しても気泡BAがガイド面としての壁面から引き離されることがなく、空気導入口10a側から第一通水経路部105側にかけて気液界面の面積を減少させ、空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
また本実施形態では、気泡供給手段は、第一水流状態における副水流WSsによって、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAをその気泡BAに作用する浮力に抗する方向に押し付けながら第一通水経路部105近傍まで導いている(図9参照)。
このように、成長中の気泡BAに作用する浮力と、その浮力に抗する方向に気泡BAを押し付けるように形成する副水流WSsとをバランスさせるので、安定して気泡BAを成長させることができる。例えば、第一水流状態における副水流WSsの流速がやや高めになったとしても、副水流WSsが気泡BAをガイド面としての壁面に押し付ける力の余剰分を気泡BAの浮力によって減じることができるので、副水流WSsによる過度の影響を排除することが可能になり、空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
また本実施形態では、ガイド面は、気泡が押し付けられる第一面と、第一面を挟んで対向配置された第二面及び第三面を有するものである(図8参照)。このように、ガイド面を第一面と第二面と第三面とで構成するので、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAを、第一面に押し付けながら第二面及び第三面にも接触させることができる。従って、副水流WSsと気泡BAとが接触する気液界面の面積を減じることができ、空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
また本実施形態では、副水流は、噴射口10bとは別個独立して形成されてなる副水流導入口10dから水溜室10内に導入されている。このように、噴射口10bとは別個独立して形成されてなる副水流導入口10dから副水流WSsを導入するので、噴射口10bから導入される水を分離して副水流WSsとする場合に比較して、副水流WSsの流速をより低速に制御することが容易になる。従って、空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
また本実施形態では、副水流WSsは、噴流WSmと干渉しない状態で、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAをガイド面に押し付ける。このように、副水流WSsを噴流WSmと干渉しない状態で気泡BAに作用させるため、噴流WSmの作用によって副水流WSsが加速されることがない。従って、第一水流状態において副水流WSsが過度に加速され気泡BAを引きちぎることがなくなり、空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、安定した気泡成長を促進することが可能となる。
また本実施形態では、空気導入口10aの大きさは、空気導入口10aから導入した空気が形成する気泡BAが、第一水流状態における副水流WSsによっては空気導入口10aとの連通状態が断たれないような大きさとなるように設定されている。
第一水流状態において気泡を成長する際に、気泡BAと副水流WSsとが接触すると、気泡BAは変形する。そこで、第一水流状態における副水流WSsによっては空気導入口10aとの連通状態が断たれないような大きさとなるように、空気導入口10aの大きさを設定しているので、副水流WSsの作用によって気泡BAが変形したとしても空気導入口10aと成長中の気泡BAとの連通状態を維持し、大気泡BAを供給することができる。
また、本実施形態の気泡供給手段は、噴射口10bから水溜室10内を見たときに、噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを生成するものであって、この大気泡BAを間欠的に形成して第一通水経路部105に供給することで、噴流WSmを加圧して加速させる第一状態と、噴流WSmを加速させない第二状態とを交互に繰り返し発生させる。
この観点によれば、気泡供給手段が噴射口10bの流路断面積よりも大きな断面積となる大気泡BAを間欠的に形成するので、噴流WSmを加圧して加速させる第一状態と、噴流を加速させない第二状態とを交互に繰り返し発生させることができる。第一状態では、噴流WSmを加圧して加速させるので、噴流WSmの速度は増加しながら吐出口NZaに向かう。一方、第二状態では、噴流WSmを加速させないので、噴流WSmの速度は増加せずに吐出口NZaに向かう。従って、第一状態と第二状態とを交互に繰り返し発生させることで、吐出口NZaに向かう噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができ、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
また本実施形態では、第一状態において、第一通水経路部105に供給された大気泡BAよりも上流側から噴流WSmによって大気泡BAを加圧し、この加圧された大気泡BAがその下流側の噴流WSmを加圧して加速させている(図14参照)。このように、噴流WSmによって加圧された大気泡BAが更に下流側の噴流WSmを加圧するので、第一状態において噴流WSmがより加速され、噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができる。
また本実施形態では、第一状態において、第一通水経路部105に供給された大気泡BAが吐出口NZaから排出される際に、吐出口NZaから吐出される噴流WSmを加圧して加速させている。このように、第一通水経路部105に供給された大気泡BAが吐出口NZaから排出される際に大気開放されて吹き出す力を利用し、吐出口NZaから吐出される噴流WSmを加圧して加速するので、第一状態において噴流WSmがより加速され、噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができる。
また本実施形態では、第一状態において、第一通水経路部105に供給された大気泡BAが吐出口NZaに向かって排出される際に、水溜室10から吐出口NZaに向かう吐出管路103の水溜室側開口10cを覆う大きさとなるように大気泡BAを供給する。
このように、水溜室10から吐出口NZaに向けて排出される際に水溜室側開口10cを覆う大きさとなるように大気泡BAが供給されるので、大気泡BAは抵抗なく排出されずに一時的に水溜室側開口10cから抵抗を受けながら排出される。従って、その過程において噴流WSmから大気泡BAが圧力を受け、大気泡BAの内部圧力が高まる。結果として、第一状態において噴流WSmが大気泡BAからより大きな圧力を受けて加圧され加速することになり、噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができる。
また本実施形態では、第一状態において、通水経路部の水溜室側開口10c寄りに大気泡BAを供給することも好ましい。この好ましい態様では、大気泡BAを水溜室側開口10c寄りに供給するので、気泡BAが分裂することなく確実に大きな気泡のまま水溜室側開口10cに至る。従って、大気泡BAの内部圧力を確実に高め、第一状態において噴流WSmが大気泡BAからより大きな圧力を受けて加圧され加速することになり、噴流WSmの速度を大きく変動させて吐水に大きな流速変動を与えることができる。
また、本実施形態における気泡供給手段は、空気導入口10aから導入した空気によって形成され水溜部106に一時的に留まる気泡である停留気泡としての気泡BAの大きさを変更するものであって、停留気泡としての気泡BAを大きくすることで水溜部106の水の容量を相対的に減少させる第一状態(図7参照)と、停留気泡としての気泡BAを小さくすることで水溜部106の水の容量を相対的に増加させる第二状態(図4参照)とを交互に繰り返し発生させることで、水溜室10内の圧力を変動させる。
この観点によれば、気泡供給手段が水溜部106に一時的に留まる気泡である停留気泡としての気泡BAの大きさを変更するので、停留気泡としての気泡BAを大きくすることで水溜部106の水の容量を相対的に減少させる第一状態と、停留気泡としての気泡BAを小さくすることで水溜部106の水の容量を相対的に増加させる第二状態とを交互に繰り返し発生させることができる。このように、第一状態と第二状態とを交互に繰り返し発生させることで、水溜室10内の水圧を変動させ、吐出口NZaに向かう噴流WSmの速度を大きく変動させることが可能となり、吐水に大きな流速変動を与えることができる。従って、吐水から着水までの距離が短い場合であっても充分に大きな水塊を形成することができる。
また本実施形態では、水溜部106内において旋回する副水流WSsを生成する旋回流生成手段を備え、旋回流生成手段は、水溜部106内の水の容量を変動させることで、旋回する副水流WSsの旋回径を変動させ、吐出口NZaからの吐出される噴流WSmの速度を変更する。このように、旋回流である副水流WSsの旋回径を変動させるので、副水流WSsが噴流WSmに影響を及ぼす態様が変動し、吐出口NZaからの吐出される噴流WSmの速度を変更することができる。
また本実施形態では、停留気泡としての気泡BAが形成される形成位置である空気導入口10a及びその下方領域と、水溜部106に副水流WSsが入り込む流入位置である副水流導入口10dとが離隔配置されている。このように、停留気泡としての気泡BAが形成される形成位置である空気導入口10a及びその下方領域と、水溜部106に副水流WSsが入り込む流入位置である副水流導入口10dとが離隔配置されているので、停留気泡としての気泡BAの大きさや位置が急激に変動しても、旋回流である副水流WSsの軌道に与える直接的な影響を低減することができる。従って、噴流WSmの速度変動に与える影響も低減することができ、安定した変動態様の噴流WSmを吐出することができる。
以上、水溜室10の構成および吐水に変動を与える構成について説明したが、ここからは、本実施形態における、局部洗浄装置WA内を流れる水の経路の概略構成について説明する。図17は、本実施形態における局部洗浄装置WA内の水路の概略構成について模式的に示すものである。また、図17(a)および(b)はそれぞれ、局部洗浄中および局部洗浄後の水路内の水の状態を示している。
図17に示すように、本実施形態における局部洗浄装置WAは、前述した通り、噴射口10bと給水源とを繋ぐ管路である第一給水管路102と、水溜室10側開口10cとノズルNZに形成された吐出口NZaとを繋ぐ管路である吐出管路103と、第一給水管路102から分岐して設けられ、副水流導入口10dに繋がる第二給水管路104を有している。なお、この第二給水管路104は、水溜室10において大気泡を加速噴流に間欠的に供給するのに最適な流量の副水流を第一給水管路102から供給できるよう管路が予め設計されている。
ここで、第一給水管路102には、第二給水管路104へ分岐する分岐部22よりも上流に、給水源から第一給水管路102への水の供給を制御する給水バルブ20が設けられており、さらにこの給水バルブ20と分岐部22との間には、局部洗浄後に水路内の水抜きを行うために第一給水管路102を大気とを連通させる大気開放部24が設けられている。大気開放部24は、第一給水管路102と外部を連通する大気連通路26と、大気連通路26に設けられた大気開放弁28を有している。この大気開放弁28の開閉を行うことで、第一給水管路102と大気との連通と遮断を切換えることができる。大気開放弁28には、図示しないバネが設けられており、この大気開放弁28に給水圧が作用していないときには、バネの付勢力によって大気開放弁28は弁を開いた状態になるが、給水圧が作用すると大気開放弁28が回動し、弁が閉じた状態となる。つまり、給水源より第一給水管路102に水を供給していない場合のみ、第一給水管路102を大気と連通するよう構成されている。
第二給水管路104は、略直方体状の箱形状を成している複数の滞留室30と、これら滞留室30の間、上流側の滞留室30と第一給水管路102との間、下流側の滞留室30と水溜室10の副水流導入口10dとの間を繋ぐ連結水路32からなる。滞留室30の相対する側壁(42、44)にはそれぞれ流入口34と流出口36が設けられており、それぞれの滞留室30における流入口34と流出口36は異なる位置となるように配置され、複数の滞留室30の間を繋ぐ連結水路32は、滞留室30の側壁に設けられた流入口34と流出口36とを連結している。
滞留室30には、図17(a)に示すように、第二給水管路104に水が通水されている状態である局部洗浄中において、流入口34から流入した水が流出口36に至るまでの経路である第二通水経路部38(図17の滞留室30内の破線で囲まれる領域)が形成される。この第二通水経路部38の側方には、第二給水管路104に供給された水の一部を滞留している滞留部40が設けられている。
第二通水経路部38に存在する水は、滞留部40に滞留している水と接触している。第二通水経路部38を水が進行する場合には、進行に伴って滞留部40に滞留する水を、図17(a)の滞留部40に示すように旋回流動させる必要があるため、第二通水経路部38を進行しようとする水が持つ流動エネルギーは、滞留部40に滞留する水に奪われてしまう。言い換えると、第二通水経路部38を進行する水は、滞留部40から進行を妨げるような抵抗を受ける。これにより、第二通水経路部38の水は下流側へ流れづらくなるため、第一給水管路102から第二給水管路104へ水が流入しにくくなる。なお、滞留部40の大きさ等を調節することにより、滞留部40内部の水量が変化し、滞留部40が第二通水経路部38を進行する水に与える抵抗を変化させることができるため、これにより、第一給水管路102から第二給水管路104への水の流入しにくさを変化させることができる。したがって、水溜室10へ供給する副水流の流量が、大気泡を作り出すために適した流量になるよう、予め滞留部40の大きさを調節することで、水溜室10に最適な流量の副水流を供給できるようにすることができる。
また、このように構成された第二給水管路104は、局部洗浄装置内の水路の水抜きを行うため、局部洗浄後に大気開放弁28が開き、第一給水管路102と大気が連通した状態になったとしても、第二給水管路104内に水を満たした状態を維持することができる。この過程を、図17(a)、(b)に基づき説明する。
ノズルの吐出口からの吐水により使用者が局部洗浄を行っているときには、図17(a)に斜線で示しているように、第一給水管路102、第二給水管路104、および水溜室10が水で満たされ、かつ、図17(a)に矢印で示しているように、下流側に向かって水が進行する状態となっている。
そして、使用者が局部洗浄後に、リモコンWAdを操作すると、これまで開いていた給水バルブ20が閉じ、給水源からの第一給水管路102への水の供給が停止する。これにより給水源からの給水圧が作用しなくなった大気開放弁28が図示しないバネの付勢力により、大気連通路26と第一給水管路102を連通するように回動し、第一給水管路102へ空気が進入し始める。これにより、図17(b)示すように、大気開放弁28よりも下流の水が、水の自重等により外部へと排水される。
しかし、本実施形態においては、第二給水管路104が複数の滞留室30を有しているため、第二給水管路104内の水の自重等によって、第二通水経路部38に存在する水が、第一給水管路102や水溜室10へ進行しようとする流動エネルギーを有していたとしても、滞留部40に滞留している水は、滞留部40に流れのない安定な状態を維持しようとして、第二通水経路部38に存在する水に対してその進行を妨げるよう力(抵抗)を作用させるため、第二通水経路部38から水が抜けることを防止することができる。特に、本実施形態においては、滞留部40を複数設けているため、このような力が第二通水経路部38内の水全体により強く作用する。したがって、滞留室30を1つだけ設けた場合に比べて、より確実に水抜けを防止することができる。
このように、局部洗浄後に、第二給水管路104から水が抜けないようにすることで、局部洗浄を行わない待機状態において、第二給水管路104内を空気が流動することを抑制することができ、第二給水管路104内の水と空気の接触機会を低減させることができるため、第二給水管路104内壁にスケールが付着することを抑制できる。したがって、スケール付着により第二給水管路104の圧損が変化して水溜室10に所望の流量で副水流を供給できなくなるといった事態を回避することができるため、より安定して加速噴流に大気泡を間欠的に供給することができる。
また、本実施形態においては、第二給水管路104の下流側に設けられた中空部30(30a、30b)のように、流入口34の軸心線CL上に流入口34が設けられた側壁42と対向する側壁44が存在するよう構成しているため、流入口34から流入しようとする水は、この側壁によりその進行が妨げられる。したがって、より第二通水経路部38を進行しようとする水の進行を妨げるようにできるため、より確実に水抜けを防止することができる。また、大便器洗浄時や使用者が便座に着座した際に生じる大きな振動により、第二給水管路104内の水に流動が生じたとしても、同様にこの流動を妨げるよう側壁が作用するため、より一層確実に水抜けを防止することができる。
次に、第二給水管路104の変形例である第二給水管路110について図18に基づいて説明する。第二給水管路110は、図17の滞留室30とは異なる滞留室31を有しており、図18には第二給水管路110の滞留室31の周辺のみを示している。
滞留室31は、図17に示した滞留室30と同様、箱状の形態を有しており、第二給水管路110には2つの滞留室31(31a、31b)が設けられている。一方の滞留室31(31a)は、図17に示した滞留室30と同様、流入口35と流出口37のそれぞれが対向する側壁に設けられているのに対し、他方の滞留室31(31b)には、流入口35と流出口37のそれぞれが、隣接する側壁に設けられている。また、流入口35と流出口37はそれぞれ滞留室31の長手方向における相対する端部に設けられており、さらに、それぞれの第二通水経路部38が直交するよう構成され、その上、滞留室31aの流出口35と滞留室31bの流入口37が同一の開口を成す形で接続している。なお、第一給水管路102から分岐した連結水路33は、滞留室31aの流入口35に繋がっており、滞留室31bの流出口37は連結水路33によって、副水流導入口10dに繋がっている。
このように構成された第二給水管路110では、図18に示すように、少ない数の滞留室31で、滞留室31のより多くの側壁により第二通水経路部38内部を進行しようとする水に抵抗を与えることができる。また、連結流路を設けずに2つの滞留室31を直接接続しているため、滞留室31間に距離がなく、第二給水管路110が短い場合でも、より多くの滞留室31を設けることができる。
WA:局部洗浄装置
WAa:本体部
WAb:便座
WAc:便蓋
WAd:リモコン
NZ:ノズル
NAa:吐出口
CB:大便器
JW:吐水
10:水溜室
10a:空気導入口
10b:噴射口
10c:水溜室側開口
10d:副水流導入口
101:空気管路
102:第一給水管路
103:吐出管路
104、110:第二給水管路
105:第一通水経路部
106:水溜部
20:給水バルブ
22:分岐部
24:大気開放部
26:大気連通路
28:大気開放弁
30(30a、30b)、31(31a、31b):滞留室
32、33:連結水路
34、35:流入口
36,37:流出口
38:第二通水経路部
40:滞留部
PW:溜水
BA:気泡
WSm:噴流
WSs:副水流

Claims (5)

  1. 人体局部に向けて水を吐出する、大便器に取付けられる局部洗浄装置であって、
    人体局部に水を吐出する吐出口を有するノズルと、
    前記ノズルに給水源からの水を供給する給水路と、
    前記給水路から供給された水を下流側に向けて加速させ、加速噴流として噴射する噴射口と、
    前記噴射口の下流側に設けられ、前記加速噴流を前記吐出口に導く吐出流路と、
    前記噴射口と前記吐出流路との間に設けられ、前記噴射口から前記吐出流路に至る前記加速噴流が通過する経路である第一通水経路部及び前記第一通水経路部の一側に隣接するとともに前記第一通水経路部と同一空間として構成された溜水を形成するための水溜部を有する水溜室と、
    前記水溜部で少なくとも一つの大気泡を生成するとともに、この大気泡を前記第一通水経路部に供給する気泡供給手段と、
    前記給水路を大気と連通させる大気開放部と、を備え、
    前記気泡供給手段は、
    前記水溜部に空気を導入する空気導入口と、
    前記空気導入口から空気を導入すると共に、導入した空気を泡状に大きく成長させるために、前記水溜部の溜水に旋回流を生じさせる副水流を導入する副水流導入口と、
    前記副水流導入口に前記給水路から所定の流量を供給するために前記給水路から分岐して設けられた副水流用分岐水路からなり、
    前記旋回流によって大きく成長させた気泡を間欠的に前記第一通水経路部に供給するよう構成されるものであって、
    さらに、給水源から前記給水路への水の供給を停止し、前記大気開放部によって前記給水路を大気と連通させた状態において、前記副水流用分岐水路から水が抜けないようにする水抜け防止手段を設けたことを特徴とする局部洗浄装置。
  2. 前記水抜け防止手段は、
    前記副水流用分岐水路の上流から供給された水を流入させる流入口と、
    前記流入口より流入した水を前記副水流用分岐水路の下流側へ流出させる流出口と、前記流入口から前記流出口へ至る前記流入口から流入した水が通過する経路である第二通水経路部と、
    前記第二通水経路部を進行しようとする水に進行を妨げる抵抗を与えるよう前記第二通水経路部の側方に水を滞留する滞留部と、を有し、
    前記滞留部が、前記第二通水経路部と同一空間として構成された、前記第二通水経路部に沿って前記流入口および前記流出口よりも大きな断面積を有するよう前記副水流用分岐水路に設けられた滞留室からなることを特徴とする請求項1に記載の局部洗浄装置。
  3. 前記滞留室は、前記副水流用分岐水路に複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載の局部洗浄装置。
  4. 前記滞留室には、前記流入口の軸心方向に前記流入口から流入しようとする水の進行を妨げるよう作用する壁部を設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の局部洗浄装置。
  5. 前記複数の滞留室における前記流入口および前記流出口はそれぞれ、上流側に隣接する前記滞留室の前記流出口および下流側に隣接する前記滞留室の前記流入口と直接接続されていることを特徴とする請求項3または4に記載の局部洗浄装置。
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