JP2015067623A - 熱膨張性マイクロカプセル - Google Patents
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Abstract
Description
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、熱可塑性シェルポリマーの中に、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包されているものが広く知られており、例えば、特許文献1には、低沸点の脂肪族炭化水素等の揮発性膨張剤をモノマーと混合した油性混合液を、油溶性重合触媒とともに分散剤を含有する水系分散媒体中に攪拌しながら添加し懸濁重合を行うことにより、揮発性膨張剤を内包する熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法が開示されている。
しかしながら、重合時点で強固な3次元架橋が形成されることにより、発泡時の膨張が阻害され、発泡倍率については依然として不充分であった。
また、このような熱膨張性マイクロカプセルを用いて得られる成形体は、主に残留モノマーに起因するカルボキシル基を有する低分子量成分が生じ、この低分子量成分が、基材樹脂の酸化劣化を促進するため、成形体が黄褐色に着色するという問題があった。
また、成形時の加熱によって、残留モノマーが揮発し、酸特有の刺激臭が生じることで、作業環境に重大な悪影響を及ぼしていた。
以下、本発明を詳述する。
上記ニトリル系モノマーは特に限定されず、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマルニトリル、又は、これらの混合物等が挙げられる。これらのなかでは、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが特に好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
より好ましい下限は60重量部、より好ましい上限は95重量部である。
上記水酸基含有モノマーを含有することにより、得られる熱膨張性マイクロカプセルは、加熱発泡させる際の熱によって、水酸基と後述する多官能反応性化合物とが結合するため、耐熱性や耐久性を更に向上させることが可能となる。
なかでも、水酸基含有アルキル(メタ)アクリレートが好ましい。また、ラジカル重合性二重結合の数が1の水酸基含有モノマーが好ましい。特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレートが好ましい。
より好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は10重量部である。
上記他のモノマーは特に限定されず、得られる熱膨張性マイクロカプセルに必要とされる特性に応じて適宜選択することができるが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ジシクロペンテニルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、イソボルニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン等のビニルモノマー等が挙げられる。また、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、分子量が200〜600のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、等のジビニルモノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルホルマールトリ(メタ)アクリレート等のトリビニルモノマー、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラビニルモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサビニルモノマー等が挙げられる。
これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記他のモノマーのうち、ジビニルモノマー、トリビニルモノマー、テトラビニルモノマー、ヘキサビニルモノマーの合計は、全モノマー成分100重量部に対する好ましい上限は3重量部である。上記ジビニルモノマー、トリビニルモノマー、テトラビニルモノマー、ヘキサビニルモノマーの合計が3重量部を超えると、熱膨張前のシェルポリマーが硬くなりすぎて、膨張することができなくなり、発泡倍率が低下することがある。より好ましい上限は1.5重量部である。
上記カルボキシル基を有するモノマーを含有することにより、主に、上記カルボキシル基を有するモノマーの残留モノマーが、成形に用いる基材樹脂の酸化劣化を促進するため、成形体を黄褐色に着色させてしまったり、成形時の加熱で残留モノマーが揮発し、酸特有の刺激臭が拡がることで作業環境に悪影響を及ぼしたりすることがある。
上記重合開始剤は特に限定されず、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アゾ化合物等が挙げられる。
上記過酸化ジアルキルは特に限定されず、例えば、メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド等が挙げられる。
上記多官能反応性化合物は、上記モノマー組成物の重合時ではなく、熱膨張性マイクロカプセルの加熱発泡時に硬化するため、発泡時の膨張が阻害されることなく、発泡倍率を高めることができる。
上記水酸基と反応する官能基としては、例えば、エポキシ基、ヒドロキシシリル基、カルボキシル基、イソシアネート基、アミノ基等が挙げられる。なかでも、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基が好ましく、特に好ましくはエポキシ基である。
上記水酸基と反応する官能基としては、同種のものを用いてもよく、2種以上のものを用いてもよい。上記多官能反応性化合物は、ラジカル重合性の二重結合を有しないものである。
上記ラジカル重合性の二重結合を有しないことで、上記ニトリル系モノマー及び水酸基含有モノマーを含有するモノマー組成物を重合させてなる重合体の主鎖とは直接結合せず、シェルの柔軟性を高く保つことができる。
従来の方法(例えば、特許文献2等)では、ラジカル重合性の二重結合を有するモノマーを用いることで、シェルのガスバリア性が低下して、発泡倍率が低下する。上記ラジカル重合性の二重結合を有さず、かつ、水酸基と反応する官能基を1分子中に2個以上有する多官能反応性化合物としては、例えば、エポキシ樹脂、ジアミン、ポリアミン、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、ジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられ、その中でもエポキシ樹脂、ジイソシアネート、ポリイソシアネートが特に好ましい。また、エポキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が特に好ましい。
上記ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネートや、それらのダイマー、トライマー、ポリマー、それらのフェノール、アルコール、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、オキシム、ジメチルピラゾール、メチルエチルケトンオキシム、カプロラクタム等によるブロックイソシアネート等が好ましい。
上記多官能反応性化合物の含有量が0.1重量%未満であると、加熱発泡時に熱硬化特性が現れないことがある。上記多官能反応性化合物の含有量が20重量%を超えると、シェルのガスバリア性が低減し、発泡を阻害することがある。より好ましい下限は0.5重量%、より好ましい上限は10重量%である。なお、上記シェルを構成する重合体全体とは、多官能反応性化合物を除いたシェルを構成する重合体全体のことをいう。
また、上記多官能反応性化合物と上記水酸基含有モノマーとの組み合わせとしては、特に、エポキシ樹脂と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートから選択される化合物との組み合わせが好ましい。
上記yが50%以上であると、膨張した際にシェルが収縮したり、破裂したりすることが少なくなるために、耐熱性、耐久性が良好となり、上記y/xが1.1以上であると、常温から膨張開始温度付近でのシェルが柔軟であるために発泡倍率が高くなり、膨張した後のシェルが高強度であるために、耐熱性、耐久性が良好となる。
なお、上記yは60〜90%であることがより好ましく、上記y/xは1.2〜5.0であることがより好ましい。
本明細書中、揮発性膨張剤とは、上記シェルの軟化点以下の温度で、ガス状になる物質をいう。
また、揮発性膨張剤として、加熱により熱分解してガス状になる熱分解型化合物を用いることとしてもよい。
上記シェルの厚みはコア剤の含有量によって変化するが、コア剤の含有量を減らして、シェルが厚くなり過ぎると発泡性能が低下し、コア剤の含有量を多くすると、シェルの強度が低下する。上記コア剤の含有量を10〜25重量%とした場合、熱膨張性マイクロカプセルのへたり防止と発泡性能向上とを両立させることが可能となる。
なお、本明細書中、上記最大発泡温度は、熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、熱膨張性マイクロカプセルが最大変位量となったときの温度を意味する。
上記水溶性窒素含有化合物は特に限定されず、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート及びポリジメチルアミノエチルアクリレートに代表されるポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミド及びポリジメチルアミノプロピルメタクリルアミドに代表されるポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリカチオン性アクリルアミド、ポリアミンサルフォン、ポリアリルアミン等が挙げられる。これらのなかでは、ポリビニルピロリドンが好ましい。
また、上記補助安定剤として上記縮合生成物又は上記水溶性窒素含有化合物を用いる場合、上記縮合生成物又は水溶性窒素含有化合物の添加量は特に限定されず、目的とする熱膨張性マイクロカプセルの粒子径により適宜決定することができるが、全モノマー成分100重量部に対する好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が2重量部である。
上記無機塩の添加量は特に限定されないが、全モノマー成分100重量部に対する好ましい上限は100重量部である。
この工程では、上記モノマー組成物と多官能反応性化合物と上記揮発性膨張剤とを別々に上記水性分散媒体に添加して、該水性分散媒体中で上記油性混合液を調製してもよいが、通常は、予め両者を混合して油性混合液としてから、上記水性分散媒体に添加する。この際、上記油性混合液と上記水性分散媒体とを予め別々の容器で調製しておき、別の容器で攪拌しながら混合することにより上記油性混合液を上記水性分散媒体に分散させた後、重合反応容器に添加してもよい。
なお、上記モノマー組成物中のモノマーを重合するために重合開始剤が用いられるが、上記重合開始剤は、予め上記油性混合液に添加してもよく、上記水性分散媒体と上記油性混合液とを重合反応容器内で攪拌混合した後に添加してもよい。
上記乳化分散させる方法は特に限定されず、例えば、ホモミキサー(例えば、特殊機化工業社製)等により攪拌する方法、ラインミキサー、エレメント式静止型分散器等の静止型分散装置を通過させる方法等が挙げられる。なお、上記静止型分散装置には上記水性分散媒体と上記油性混合液とを別々に供給してもよく、予め混合、攪拌した分散液を供給してもよい。
このようにして、ニトリル系モノマー及び水酸基含有モノマーを含有するモノマー組成物を重合させてなる重合体と、多官能反応性化合物とを含有するシェルに、コア剤として揮発性膨張剤を内包する熱膨張性マイクロカプセルが得られる。得られた熱膨張性マイクロカプセルは、続いて、脱水する工程、乾燥する工程等を経てもよい。
また、熱可塑性樹脂等のマトリックス樹脂や熱膨張性マイクロカプセル等の原材料をバッチ式の混練機で混練した後、造粒機で造粒することによりペレット形状のマスターバッチペレットを製造してもよい。
上記混練機としては、熱膨張性マイクロカプセルを破壊することなく混練できるものであれば特に限定されず、例えば、加圧ニーダー、バンバリーミキサー等が挙げられる。
重合反応容器に、水250重量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ(旭電化社製20重量%)25重量部及びポリビニルピロリドン(BASF社製)0.8重量部と、1N塩酸1.8重量部とを投入し、水性分散媒体を調製した。
次いで、表1に示した配合比のモノマー、多官能反応性化合物、揮発性膨張剤、及び、重合開始剤(2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル 0.8重量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6重量部)からなる油性混合物を水性分散媒体に添加し、懸濁させて、分散液を調製した。得られた分散液をホモジナイザーで攪拌混合し、窒素置換した加圧重合器内へ仕込み、加圧(0.5MPa)しながら60℃で6時間、80℃で5時間反応させることにより、反応生成物を得た。得られた反応生成物について、ろ過と水洗を繰り返した後、乾燥することにより、熱膨張性マイクロカプセルを得た。
なお、多官能反応性化合物としては、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828US:ジャパンエポキシレジン社製、ラジカル重合性二重結合の数:0、水酸基と反応する官能基の数:2)、
アミノフェノール型エポキシ樹脂(jER630:ジャパンエポキシレジン社製、ラジカル重合性二重結合の数:0、水酸基と反応する官能基の数:3)
ジメチルピラゾールブロックイソシアネート(Aqua BI200:Baxenden社製、ラジカル重合性二重結合の数:0、水酸基と反応する官能基の数:3)
を用い、
水酸基含有モノマーとしては、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(ラジカル重合性二重結合の数:1、水酸基の数:1)
2−ヒドロキシブチルメタクリレート(ラジカル重合性二重結合の数:1、水酸基の数:1)
を用い、
その他のモノマーとしては、
1,4−ブタンジオールジアクリレート(ラジカル重合性二重結合の数:2、水酸基の数:0)、
エチレングリコールジメタクリレート(ラジカル重合性二重結合の数:2、水酸基の数:0)、
グリシジルメタクリレート(ラジカル重合性二重結合の数:1、水酸基の数:0)、
を用いた。
実施例、比較例で得られた熱膨張性マイクロカプセルについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(常温でのゲル分率)
熱膨張性マイクロカプセル0.5g(a[g])とN,N−ジメチルホルムアミド20.0gをガラス試験管に秤取り、70℃で24時間加熱した。加熱後、遠心分離機で10000rpm、15分間遠心分離し、上澄みを廃棄した。沈殿したゲルを70℃の真空乾燥機で48時間真空乾燥を行い、乾燥したゲル分の重量(b[g])を測定した。次いで、下記式から常温でのゲル分率(x)を算出した。
常温でのゲル分率(x)=(b/a)×100(%)
(180℃30分後のゲル分率)
熱膨張性マイクロカプセルを1.0gアルミカップに秤取り、180℃の熱風オーブンで30分加熱した。加熱したサンプルを0.5g(c[g])とN,N−ジメチルホルムアミド20.0gをガラス試験管に秤取り、70℃で24時間加熱した。加熱後、遠心分離機で10000rpm、15分間遠心分離し、上澄みを廃棄した。沈殿したゲルを70℃の真空乾燥機で48時間真空乾燥を行い、乾燥したゲル分の重量(d[g])を測定した。次いで、下記式から180℃30分後のゲル分率(y)を算出した。
180℃30分後のゲル分率(y)=(d/c)×100(%)
加熱発泡顕微装置(ジャパンハイテック社製)を用い、熱膨張性マイクロカプセルをステージに少量散布し、毎分5℃で加熱を行いながら、280℃まで膨張挙動を観察した。観察画像中の任意の熱膨張性マイクロカプセル5個に対し、5℃毎にノギスを用いて直径φTを測り、各温度の平均直径φT(Ave)を得た。各温度での発泡倍率DT=φT(Ave)/φ30とし、ETが最大になる温度でのETを最大発泡倍率DTmaxとした。
ここでφ30とは30℃における熱膨張性マイクロカプセルの直径のことである。
最大発泡時の発泡倍率が3倍未満であった場合を「×」と、3倍以上5倍未満であった場合を「○」と、5倍以上であった場合を「◎」として評価した。
加熱発泡顕微装置(ジャパンハイテック社製)を用い、発泡倍率と同様の条件で膨張挙動を観察し、200℃における発泡倍率D200を測定した。D200が1.5倍未満であった場合を「×」と、1.5倍以上2.0倍未満であった場合を「△」と、2.0倍以上3.0倍未満であった場合を「○」と、3.0倍以上であった場合を「○○」として評価した。
加熱発泡顕微装置(ジャパンハイテック社製)を用いて、発泡倍率と同様の条件で膨張挙動を観察し、最大発泡倍率の1/2以上を保っている温度幅(ΔT)を測定した。
30℃未満であった場合を「×」と、30℃以上40℃未満であった場合を「△」と、40℃以上50℃未満であった場合を「○」と、50℃以上60℃未満であった場合を「○○」と、60℃以上であった場合を「○○○」として評価した。
得られた熱膨張性マイクロカプセル1.0gを、アルミカップに秤取り、なるべく平坦になるようならした後、180℃に熱した熱風オーブン(エスペック社製、ST−110)で1分間加熱した。加熱後、オーブンの扉を開けた際に、酸臭気を感じた場合を「×」、酸臭気が感じられなかった場合を「○」として評価した。
得られた熱膨張性マイクロカプセル1.25gを、軟質塩ビ(PQ92、新第一塩ビ社製)20g、炭酸カルシウム(P−50、白石カルシウム社製)10g、可塑剤(DINP、和光純薬工業社製)20gを遊星式分散装置で攪拌後に得られたペースト状のサンプルを、直径約50mmのアルミカップに5g流し入れ、180℃に熱した熱風オーブンで10分間加熱した。加熱後のサンプルをの外観を目視で観察した。茶褐色になった場合を「×」、黄色になった場合を「△」、薄い黄白色、クリーム色になった場合を「○」、白色になった場合を「○○」、として評価した。
熱膨張性マイクロカプセルを1.25g、軟質塩ビ(PQ92 新第一塩ビ社製)20g、炭酸カルシウム(P−50 白石カルシウム社製)10g、可塑剤(DINP 和光純薬工業社製)20g、顔料(カーボンブラック入りポリエチレンマスターバッチ)0.1gを遊星式分散装置で攪拌後に得られたペースト状のサンプルを、直径約50mmのアルミカップに5g流し入れ、180℃に熱した熱風オーブンで10分加熱した。加熱後のサンプル表面を目視し、白斑点が多数見られた場合を「×」、僅かに見られた、または殆ど見られなかった場合を「○」として評価した。
Claims (7)
- 重合体からなるシェルに、コア剤として揮発性膨張剤が内包されている熱膨張性マイクロカプセルであって、
前記シェルは、ニトリル系モノマー、及び、ラジカル重合性の二重結合及び水酸基を有する水酸基含有モノマーを含有するモノマー組成物を重合させてなる重合体と、
前記水酸基と反応する官能基を1分子中に2個以上有し、かつ、ラジカル重合性の二重結合を有しない多官能反応性化合物とを含有する
ことを特徴とする熱膨張性マイクロカプセル。 - 水酸基と反応する官能基は、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基及びイソシアネート基からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- 多官能反応性化合物の含有量は、シェルを構成する重合体全体に対して0.1〜20重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- 重合体からなるシェルは、常温時のゲル分率をx、180℃、30分加熱時のゲル分率をyとした場合に、yが50%以上であり、かつ、y/xが1.1以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- 請求項1、2、3又は4記載の熱膨張性マイクロカプセル及び熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂マスターバッチ。
- 請求項1、2、3或いは4記載の熱膨張性マイクロカプセル、又は、請求項5記載の発泡性熱可塑性樹脂マスターバッチを用いてなることを特徴とする発泡成形体。
- 請求項1、2、3又は4記載の熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法であって、
水性分散媒体を調製する工程と、
該水性分散媒体中に、ニトリル系モノマー、及び、ラジカル重合性の二重結合及び水酸基を有する水酸基含有モノマーを含有するモノマー組成物と、水酸基と反応する官能基を1分子中に2個以上有し、かつ、ラジカル重合性の二重結合を有しない多官能反応性化合物と、揮発性膨張剤とを含有する油性混合液を分散させる工程と、
上記モノマー組成物を重合させる工程とを有する
ことを特徴とする熱膨張性マイクロカプセルの製造方法。
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