JP2015067604A - うがい薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】水で希釈して使用するタイプのうがい薬組成物において、殺菌効果及び抗炎症効果に加えて、うがい実効感を有しつつ、喉への保湿(うるおい)効果を有するうがい薬組成物の提供。
【解決手段】使用時に水で希釈して喉に適用する濃縮タイプのうがい薬であって、(A)第4級アンモニウム塩型殺菌剤、(B)グリチルリチン酸ジカリウム、(C)有機酸、及び(D)水を含有してなり、前記(A)成分と前記(B)成分との質量比(A/B)が、0.5〜2であり、前記(A)成分の含有量が、0.002g/100mL〜0.015g/100mLであり、前記(B)成分の含有量が、0.002g/100mL〜0.015g/100mLであり、25℃におけるpHが2.5〜3.4となるように水で希釈して使用するうがい薬組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、うがい薬組成物に関する。
水で希釈して使用するタイプのうがい薬などの口腔内や喉をケアする製剤は、口腔内や喉の殺菌、消毒や各種炎症の治療、風邪等の感染症予防などを目的としており、殺菌剤や抗炎症剤が配合されている。
一般的に口腔内や喉への殺菌作用や抗炎症作用を付与する目的で塩化セチルピリジニウム等の第4級アンモニウム塩型殺菌剤や、グリチルリチン酸ジカリウム等の消炎剤が用いられている。
しかし、界面活性能を有する第4級アンモニウム塩型殺菌剤や、抗炎症剤であるグリチルリチン酸ジカリウムの量によっては、口腔内で製剤を移動させたり、うがいをしたりすると泡立つ性質を有しており、泡立ちすぎると、うがいができないという弊害がある。
また、口腔内においては、主に大唾液腺(耳下腺、顎下線、舌下腺)から分泌される唾液により湿潤されており、この口腔内の湿潤状態が保持されることによって口腔内の健康が保たれているが、この口腔内の湿潤状態が保持されない場合には口腔乾燥症(ドライマウス)をはじめとする口腔乾燥状態を生じる。口腔乾燥状態の原因としては様々なものが挙げられ、例えば、冬季の低湿度環境時、ストレス、薬物、疾患(糖尿病、シェーグレーン症候群など)、廃用症候群等による唾液分泌量の減少、食生活の変化による唾液分泌量の減少などが挙げられる。
したがって、殺菌作用や抗炎症作用と、保湿作用とを兼ね備えた口腔用組成物が求められているのが現状である。
そのため、殺菌剤や抗炎症剤に加え、保湿目的に油剤(特許文献1参照)やトレハロースやプルランなどの多糖類(特許文献2及び特許文献3参照)などを配合したものがあるが、喉に対する保湿効果は不十分であった。
そこで、水で希釈して使用するタイプのうがい薬組成物において、殺菌効果及び抗炎症効果に加えて、うがい実効感を有しつつ、喉への保湿(うるおい)効果を有する組成のものが望まれている。
ここで、前記うがい実効感とは、ブクブクしなくても喉に有効成分を長く滞留させることができるため、適度な泡立ちを形成でき、うがい直後のすっきり感、及び爽快感を確保して、うがいをしたという満足感が得られることを意味する。
特開2008−239563号公報 国際公開第2008/026310号パンフレット 特開平8−3074号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、水で希釈して使用するタイプのうがい薬組成物において、殺菌効果及び抗炎症効果に加えて、うがい実効感を有しつつ、喉への保湿(うるおい)効果を有するうがい薬組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のうがい薬組成物は、使用時に水で希釈して喉に適用する濃縮タイプのうがい薬であって、
(A)第4級アンモニウム塩型殺菌剤、
(B)グリチルリチン酸ジカリウム、
(C)有機酸、及び
(D)水を含有してなり、
前記(A)成分と前記(B)成分との質量比(A/B)が、0.5〜2であり、
前記(A)成分の含有量が0.002g/100mL〜0.015g/100mL、前記(B)成分の含有量が0.002g/100mL〜0.015g/100mL、及び25℃におけるpHが2.5〜3.4となるように水で希釈して使用する。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、水で希釈して使用するタイプのうがい薬組成物において、殺菌効果及び抗炎症効果に加えて、うがい実効感を有しつつ、喉への保湿(うるおい)効果を有するうがい薬組成物を提供することができる。
(うがい薬組成物)
本発明のうがい薬組成物は、(A)第4級アンモニウム塩型殺菌剤、(B)グリチルリチン酸ジカリウム、(C)有機酸、及び(D)水を含有してなり、(E)多価アルコールを含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記うがい薬組成物は、使用時に原液を水で希釈して使用される。
殺菌及び消毒の目的のためのうがい薬には、(A)第4級アンモニウム塩型殺菌剤として塩化セチルピリジニウムと、(B)グリチルリチン酸ジカリウムとが配合されているが、うがい後のうるおい感やうがい実効感が劣っていた。また、殺菌効果及び消毒効果に加えて、喉の保湿を目的として、油剤、糖類等を配合しているが、保湿(うるおい)効果の点では不十分であった。そこで、(A)塩化セチルピリジニウムと、(B)グリチルリチン酸ジカリウムと、(C)有機酸と、(D)水とを含有するうがい薬(原液)を、所定の含有量とpHが2.5〜3.4となるように水で希釈して使用することによって、殺菌効果、消毒効果、及び保湿効果を兼ね備え、適度な泡立ち、うがい実効感、うがい直後の喉のうるおい感、及びうがい直後のすっきり感を達成できることを知見した。
好ましくは、前記原液中に、更に(E)多価アルコールを添加することで、うがい薬組成物(原液)の低温安定性、及びうがい30分間後の喉のうるおい感の持続性が達成できることを知見した。
<(A)第4級アンモニウム塩型殺菌剤>
前記(A)成分の第4級アンモニウム塩型殺菌剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A1)で表される化合物、下記一般式(A2)で表される化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2015067604
Figure 2015067604
前記一般式(A1)及び前記一般式(A2)において、R及びRは、それぞれ、炭素数8〜18の炭化水素基、又はエーテル結合を有する炭素数8〜18の炭化水素基を表す。
1−及びZ2−は、それぞれ、ハロゲン原子、アミノ酸、及び脂肪族脂肪酸のいずれかを表す。これらの中でも、ハロゲン原子が好ましい。前記ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子などが挙げられる。
前記(A)成分の第4級アンモニウム塩型殺菌剤としては、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。こられの中でも、うがい実効感の点から、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウムが好ましく、塩化セチルピリジニウムが特に好ましい。
前記(A)成分の第4級アンモニウム塩型殺菌剤の含有量(原液中)は、うがい実効感の点から、うがい薬組成物全量に対して、0.02g/100mL〜1g/100mLが好ましく、0.1g/100mL〜0.7g/100mLがより好ましい。
前記含有量が、0.02g/100mL未満であると、うがい実効感が十分でなく、1g/100mLを超えると、うがい実効感が十分でなくなったり、うがい直後のすっきり感が十分でなく、えぐみがでることがある。
<(B)グリチルリチン酸ジカリウム>
前記(B)成分のグリチルリチン酸ジカリウムは、C426016で表される抗炎症作用を有する化合物である。
前記グリチルリチン酸ジカリウムを入手する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成する方法、植物より抽出する方法、市販品を用いる方法などが挙げられる。
前記グリチルリチン酸ジカリウムの含有量(原液中)は、うがい実効感の点、及びうがい薬組成物(原液)の低温安定性の点から、うがい薬組成物全量に対して、0.02g/100mL〜1g/100mLが好ましく、0.1g/100mL〜0.7g/100mLがより好ましい。前記含有量が、0.02g/100mL未満であると、うがい実効感、及びうがい直後のすっきり感が十分でないことがあり、1g/100mLを超えると、うがい直後のすっきり感がよくなく、苦味を感じることがある。
<(C)有機酸>
前記(C)成分の有機酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、うがい直後の喉のうるおい感、及びうがい直後のすっきり感の点から、クエン酸、リンゴ酸が好ましい。
前記(C)成分の有機酸の含有量(原液中)は、うがい直後の喉のうるおい感、うがい直後のすっきり感、うがい実効感、及びうがい薬組成物(原液)の水への溶解性の点から、うがい薬組成物全量に対して、0.5g/100mL〜30g/100mLが好ましく、0.5g/100mL〜25g/100mLがより好ましく、5g/100mL〜15g/100mLが更に好ましい。前記含有量が、0.5g/100mL未満であると、うがい直後の喉のうるおい感、うがい直後のすっきり感が得られないことがあり、30g/100mLを超えると、原液の水への溶解性が十分でない場合があることや、希釈時に泡がたちすぎて、うがい実効感がなくなる上に、うがい直後のすっきり感が得られない場合がある。
<(D)水>
前記(D)成分の水としては、原液を調製時の水は精製水を用い、原液を希釈時の水は水道水を用いることが好ましい。
前記(D)成分の水の含有量(原液中)は、うがい実効感、うがい直後の喉のうるおい感、うがい直後のすっきり感の点から、うがい薬組成物全量に対して、6g/100mL〜100g/100mLが好ましく、6g/100mL〜56g/100mLがより好ましい。前記含有量が、6g/100mL未満であると、(C)成分の溶解性が十分でない場合があり、100g/100mLを超えると、うがい実効感、うがい直後の喉のうるおい感、及びうがい直後のすっきり感が十分に得られないことがある。
なお、溶質(クエン酸等)が多い場合、総量100mLにした時、水の量が溶質の比重によって計算値よりも多くなることがある。
<(E)多価アルコール>
前記(E)成分の多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール(1,3−BG)、ソルビット、ポリエチレングリコール(PEG)、ジグリセリン、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、喉のうるおい感の持続性、うがい薬組成物(原液)の低温安定性の点から、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール(1,3−BG)が好ましい。
前記(E)成分の多価アルコールの含有量(原液中)は、喉のうるおい感の持続性の点から、うがい薬組成物全量に対して、40g/100mL〜80g/100mLが好ましく、50g/100mL〜70g/100mLがより好ましい。
前記含有量が、40g/100mL未満であると、喉のうるおい感の持続性の点で十分な効果が得られないことがあり、80g/100mLを超えると、うがい直後のすっきり感が得られないことがある。
<質量比(A/B)>
前記(A)成分と前記(B)成分との質量比(A/B)は、うがい実効感、うがい直後のすっきり感、及びうがい薬組成物(原液)の低温安定性の点から、0.5〜2であり、0.7〜1.5が好ましい。前記質量比(A/B)が、0.5未満であると、うがい実効感が満足に得られないことがあり、2を超えると、うがい時に泡が立ちすぎてうがいできなくなり、満足できるうがい実効感が得られないことがある。
<質量比〔C/(A+B)〕>
前記(A)成分及び前記(B)成分に対する前記(C)成分の質量比〔C/(A+B)〕は、うがい直後の喉のうるおい感、うがい直後のすっきり感の点から、5〜100が好ましく、5〜50がより好ましい。前記質量比〔C/(A+B)〕が、5未満であると、うがい直後の喉のうるおい感や、うがい直後のすっきり感が得られないことがあり、100を超えると、うがい時に泡が立ちすぎてうがいできないといった弊害が生じたり、満足できるうがい実効感が得られないことがあり、更にうがい直後のすっきり感が得られないことがある。
本発明のうがい薬組成物は、使用時に水で希釈して使用する濃縮タイプの製剤であり、水道水、精製水等の水で希釈して得られる希釈液を喉に適用するものであるが、この場合、うがい薬組成物の水による希釈倍率は、使用性、溶解性の点から、うがい薬組成物の10倍〜100倍が好ましく、30倍〜100倍がより好ましい。
本発明のうがい薬組成物においては、前記希釈倍率で希釈した希釈液をうがい液として使用することができ、この場合、希釈液中の各成分の含有量が下記範囲となるように希釈して使用する。
希釈液中の(A)成分の含有量が、0.002g/100mL〜0.015g/100mL、(B)成分の含有量が、0.002g/100mL〜0.015g/100mL、及びpHが2.5〜3.4となるように、前記原液を水で希釈して使用することが、適度な泡立ち、うがい実効感、うがい直後の喉のうるおい感、うがい直後のすっきり感を発揮させるために必要であり、うがい30分間後のうるおい感が得られる点から、更に(E)成分を含有することが好ましい。
使用時の各成分の含有量について、以下に詳細に説明する。
(A)第4級アンモニウム塩型殺菌剤
(A)成分の第4級アンモニウム塩型殺菌剤の使用時(希釈後)の希釈液中の含有量は、うがい実効感の点から、希釈液全量の0.002g/100mL〜0.015g/100mLであり、0.003g/100mL〜0.006g/100mLが好ましい。前記含有量が、0.002g/100mL未満であると、うがい実効感が十分に発揮されないことがあり、0.015g/100mLを超えると、うがい時に泡がたちすぎて、満足できるうがい実効感が得られないことがあり、うがい直後のすっきり感が十分でなく、えぐみがでることがある。
(B)グリチルリチン酸ジカリウム
前記(B)成分のグリチルリチン酸ジカリウムの使用時(希釈後)の希釈液中の含有量は、うがい実効感の点から、希釈液全量の0.002g/100mL〜0.015g/100mLであり、0.003g/100mL〜0.006g/100mLが好ましい。前記含有量が、0.002g/100nL未満であると、うがい実効感、うがい直後のすっきり感が十分に得られないことがあり、0.015g/100mLを超えると、うがい直後のすっきり感が十分に得られず、苦味を感じるようになる。
(C)有機酸
前記(C)成分の有機酸の使用時(希釈後)の希釈液中の含有量は、うがい直後の喉のうるおい感、うがい直後のすっきり感の点から、0.05g/100mL〜0.5g/100mLが好ましく、0.1g/100mL〜0.5g/100mLがより好ましく、0.1g/100mL〜0.3g/100mLが更に好ましい。
前記含有量が、0.5g/100mLを超えると、泡が立ちすぎて、うがい実効感が十分に得られないことがあり、うがい直後のすっきり感が得られないことがある。0.05g/100mL未満であると、うがい直後の喉のうるおい感が十分に得られないことがある。
(E)多価アルコール
前記(E)成分の多価アルコールの使用時(希釈後)の希釈液中の含有量は、喉のうるおい感の持続性の点から、0.8g/100mL〜1.6g/100mg/100mLが好ましく、1.0g/100mL〜1.6g/100mLがより好ましい。前記含有量が、0.8g/100mL未満であると、喉のうるおい感の持続性の効果が十分に得られず、1.6g/100mLを超えると、うがい直後のすっきり感が得られないことがある。
(5)pH
喉のうるおい感の点から、希釈液のpHは2.5〜3.4であり、2.5〜3.2が好ましい。前記pHが、2.5未満であると、すっぱすぎてうがいができないことがあり、3.4を超えると、うがい直後の喉のうるおい感がないことがある。
前記希釈液のpHは、pHメーター(HM−30G、東亜電波工業株式会社製)を用い、25℃で測定することができる。
前記pHは、pH調整剤を用いて調整することができる。前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸、リンゴ酸などが挙げられる。
<製造方法>
本発明のうがい薬組成物の製造方法としては、まず、(B)グリチルリチン酸ジカリウムを精製水に溶解した後、(C)有機酸を入れ、更にこれら以外の成分を添加し、混合することにより、うがい薬(原液)を調製する。得られたうがい薬(原液)を、所望の希釈倍率となるように水道水で希釈し、うがい薬組成物(希釈液)を製造することができる。
<その他の成分>
本発明のうがい薬組成物には、必要に応じてその他の成分を添加することができる。前記その他の成分としては、前記(A)成分を除く殺菌剤、アズレンスルホン酸ナトリウム等の消炎剤、香料組成物、メントール、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油等の清涼剤、アネトールを主成分とする精油でウイキョウ油、スターアニス油、フェンネル油、クエン酸ナトリウム等のpH調整剤、溶剤、水溶性色素などが挙げられ、これらは本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
前記(A)成分を除く殺菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、トリクロロカルバリニド、塩酸クロルヘキシジン、アルキルジアミノエチルグリシン、オクトピロックスなどが挙げられる。
前記香料組成物とは、香料成分、香料用溶剤、及び香料安定化剤からなる混合物である。
前記香料組成物の含有量は、前記うがい薬組成物全量に対して、0.005質量%〜5質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記香料成分として使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994);「合成香料化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996);「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994);「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989);「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996);「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)などが挙げられる。これらの文献に記載された香料原料の中から、前記香料成分を適宜選択することができる。これらの中でも、ユーカリ油、カンフル、ボルネオール、レモン油、オレンジ油、ライム油、グレープフルーツエキス、ラベンダー油、ラベンダーエキス、ローズマリー油、ローズマリーエキスなどが好適に挙げられる。
前記香料用溶剤としては、多価アルコ−ルを除き、例えば、エタノール、ベンジルベンゾエート、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート)、エチレングリコールジブチレート、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、安息香酸ベンジル、フタル酸ジエチル、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA−2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA−4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)などが挙げられる。
前記水溶性色素とは、実質的に常温で水に可溶な色素で、安全性の高いものから任意に選択することができる。前記水溶性色素としては、例えば、青色1号、青色2号、青色201号、青色403号、緑色3号、黄色4号、黄色5号、黄色103号、赤色2号、赤色3号、赤色104号、赤色106号等の合成色素;クチナシ色素、カロチン色素、ベニバナ色素、アントシアニン色素、ベニコウジ色素等の天然性色素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、品質の均一性から、合成色素が好ましい。
前記色素の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.00005質量%〜0.01質量%が好ましい。
前記水溶性色素を添加することにより、製品内容液を容器に取り分けて希釈する時に識別性を高めて計量がしやすい、誤飲の防止になるなど使用性向上の観点で有用である。
本発明のうがい薬組成物は、水で希釈して使用するタイプであって、殺菌効果及び抗炎症効果に加えて、うがい実効感を有しつつ、喉への保湿(うるおい)効果を有しているので、うがい薬などとして好適に使用され、口腔内や喉の殺菌、消毒や各種炎症の治療、風邪等の感染症予防などに幅広く適用される。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
表1、表3、及び表5に示す組成について、(B)グリチルリチン酸ジカリウムを精製水に溶解した後、(C)有機酸を添加し、更にこれら以外の成分を添加し、混合することにより、うがい薬(原液)を調製した。
次に、得られたうがい薬(原液)を、表2、表4、及び表6に記載の希釈倍率にとなるように水道水で希釈し、うがい薬組成物(希釈液)を作製した。前記希釈液のpHは、pHメーター(HM−30G、東亜電波工業株式会社製)を用い、25℃で測定した。
なお、(C)有機酸や(E)多価アルコールを多く含有した場合、合計が100質量%を超える場合があるが、総量100mLとなるように調整した。
次に、表2、表4、及び表6に記載の各うがい薬組成物(希釈液)について、「泡立ち」、「うがい実効感」、「うがい直後の喉のうるおい感」、「うがい直後のすっきり感」、及び「喉のうるおい感の持続性」について評価した。結果を表2、表4、及び表6に示した。
また、表5に示す、うがい薬(原液)について、以下のようにして、「原液の低温安定性」及び「配合時の水への溶解性」を評価した。結果を表5に示した。
<泡立ち>
表1、表3、及び表5のうがい薬を、各表2、表4、及び表6に記載の希釈倍率にするため、水道水で希釈した。この希釈溶液を、遠沈管に25mmの高さまで入れ、振とう機(SA300、ヤマト科学株式会社製)を用い、垂直往復振とう数(300rpm)で30秒間振とうした。停止直後の液面から泡立ちの高さを計測した。
<うがい実効感>
表1、表3、及び表5のうがい薬を各表2、表4、及び表6に記載の希釈倍率にするため、水道水で希釈した。この希釈溶液10gで10秒間うがいしたときのうがい実効感について専門パネル10名により下記評価基準に従い、官能評価を行った。結果は、専門パネル10名の評価の平均値を算出し、下記判定基準に基づき判定を行った。
〔評価基準〕
4点:うがい実効感がある
3点:うがい実効感がややある
2点:うがい実効感がややない
1点:うがい実効感がない
〔評点平均値の判定基準〕
◎:3.5以上
○:3.0以上3.5未満
△:2.0以上3.0未満
×:2.0未満
<うがい直後の喉のうるおい感>
表1、表3、及び表5のうがい薬を各表2、表4、及び表6に記載の希釈倍率にするため、水道水で希釈した。この希釈溶液10gで10秒間うがいし、吐き出した直後の喉のうるおい感について、専門パネル10名により下記評価基準に従い、官能評価を行った。専門パネル10名の評価の平均値を算出し、下記判定基準に基づき判定を行った。
〔評価基準〕
5点:非常にある
4点:ある
3点:ややある
2点:わずかにある
1点:全くない
〔評点平均値の判定基準〕
◎:4.0以上
○:3.0以上4.0未満
△:2.0以上3.0未満
×:2.0未満
<うがい直後のすっきり感>
表1、表3、及び表5のうがい薬を各表2、表4、及び表6に記載の希釈倍率にするため、水道水で希釈した。この希釈溶液10gで10秒間うがいし、吐き出した直後の口腔内のすっきり感について、専門パネル10名により下記評価基準に従い、官能評価を行った。専門パネル10名の評価の平均値を算出し、下記判定基準に基づき判定を行った。
〔評価基準〕
5点:非常にある
4点:ある
3点:ややある
2点:わずかにある
1点:全くない
〔評点平均値の判定基準〕
◎:4.0以上
○:3.0以上4.0未満
△:2.0以上3.0未満
×:2.0未満
<喉のうるおい感の持続性>
表5のうがい薬を表6に記載の希釈倍率にするため、水道水で希釈した。この希釈溶液10gで10秒間うがいをし、吐き出して30分間後の喉のうるおい感について、専門パネル10名により下記評価基準に従い、官能評価を行った。専門パネル10名の評価の平均値を算出し、下記判定基準に基づき判定を行った。
〔評価基準〕
5点:非常にある
4点:ある
3点:ややある
2点:わずかにある
1点:全くない
〔評点平均値の判定基準〕
◎:4.0以上
○:3.0以上4.0未満
△:2.0以上3.0未満
×:2.0未満
<原液の低温安定性>
表5に示すうがい薬(原液)約50gを透明ガラス容器(SV−50、日電理化硝子株式会社製)に充填し、ポリプロピレン(PP)製キャップにて封をし、低温(−10℃)条件下で1ヶ月間保存し、それぞれについて外観変化(沈殿、濁り)を下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:透明(変化なし)
○:ごく僅かに濁りが認められた
△:白浮き、やや濁りも認められた
×:沈殿と濁りも認められた
<配合時の原液の水への溶解性>
表5に示す量の(A)成分と(B)成分に水(水量は総量100gから表5に示す(A)成分と(B)成分と(C)成分と(E)成分とを差し引いた分)を加え、スターラーで十分攪拌し、(C)成分を加え、再びスターラーで攪拌し、外観を観察して、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:透明溶液
○:ごくわずかに溶け残り有り
△:やや溶け残り有り
×:溶け残り有り
<原液>
Figure 2015067604
<原液>
Figure 2015067604
<原液>
Figure 2015067604
<原液>
Figure 2015067604
<希釈液>
Figure 2015067604
<希釈液>
Figure 2015067604
<希釈液>
Figure 2015067604
<希釈液>
Figure 2015067604
<原液>
Figure 2015067604
<原液>
Figure 2015067604
<原液>
Figure 2015067604
<希釈液>
Figure 2015067604
<希釈液>
Figure 2015067604
<希釈液>
Figure 2015067604
<原液>
Figure 2015067604
<希釈液>
Figure 2015067604
実施例1〜30及び比較例1〜18で用いた各成分の詳細は、下記表7に示すとおりである。
Figure 2015067604
本発明の態様としては、例えば、以下のものが挙げられる。
<1> 使用時に水で希釈して喉に適用する濃縮タイプのうがい薬であって、
(A)第4級アンモニウム塩型殺菌剤、
(B)グリチルリチン酸ジカリウム、
(C)有機酸、及び
(D)水を含有してなり、
前記(A)成分と前記(B)成分との質量比(A/B)が、0.5〜2であり、
前記(A)成分の含有量が、0.002g/100mL〜0.015g/100mL、前記(B)成分の含有量が、0.002g/100mL〜0.015g/100mL、及び25℃におけるpHが2.5〜3.4となるように水で希釈して使用することを特徴とするうがい薬組成物である。
<2> (A)成分及び(B)成分に対する(C)成分の質量比〔C/(A+B)〕が、5〜100である前記<1>に記載のうがい薬組成物である。
<3> (C)成分の有機酸が、クエン酸及びリンゴ酸の少なくともいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載のうがい薬組成物である。
<4> 更に、(E)多価アルコールを含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載のうがい薬組成物である。
<5> 原液中に、(A)成分の含有量が0.02g/100mL〜1g/100mL、(B)成分の含有量が0.02g/100mL〜1g/100mL、(C)成分の含有量が0.5g/100mL〜30g/100mL、及び(D)水を含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載のうがい薬組成物である。
本発明のうがい薬組成物は、水で希釈して使用するタイプであって、殺菌効果及び抗炎症効果に加えて、うがい実効感を有しつつ、喉への保湿(うるおい)効果を有しているので、うがい薬などとして好適に使用され、口腔内や喉の殺菌、消毒や各種炎症の治療、風邪等の感染症予防などに幅広く適用することができる。

Claims (5)

  1. 使用時に水で希釈して喉に適用する濃縮タイプのうがい薬であって、
    (A)第4級アンモニウム塩型殺菌剤、
    (B)グリチルリチン酸ジカリウム、
    (C)有機酸、及び
    (D)水を含有してなり、
    前記(A)成分と前記(B)成分との質量比(A/B)が、0.5〜2であり、
    前記(A)成分の含有量が、0.002g/100mL〜0.015g/100mL、前記(B)成分の含有量が、0.002g/100mL〜0.015g/100mL、及び25℃におけるpHが2.5〜3.4となるように水で希釈して使用することを特徴とするうがい薬組成物。
  2. (A)成分及び(B)成分に対する(C)成分の質量比〔C/(A+B)〕が、5〜100である請求項1に記載のうがい薬組成物。
  3. (C)成分の有機酸が、クエン酸及びリンゴ酸の少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載のうがい薬組成物。
  4. 更に、(E)多価アルコールを含有する請求項1から3のいずれかに記載のうがい薬組成物。
  5. 原液中に、(A)成分の含有量が0.02g/100mL〜1g/100mL、(B)成分の含有量が0.02g/100mL〜1g/100mL、(C)成分の含有量が0.5g/100mL〜30g/100mL、及び(D)水を含有する請求項1から4のいずれかに記載のうがい薬組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016222582A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 ライオン株式会社 口腔用組成物

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