JP2015066901A - 繊維板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バガス繊維と、接着剤と、有効成分の耐熱温度が180℃以上の防かび剤と、を含有してなる繊維板。
【選択図】なし
Description
このようなリグノセルロース繊維板は、例えば、台所等の水回りに用いられる。リグノセルロース繊維板が水回りに用いられる場合、防かび性を付与するために、防かび剤が添加される。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
また、バガス繊維は、サトウキビから糖液を搾り取った後の搾り粕からなるが、繊維重量当たり0.001〜20重量%の糖分を含んでいる。
バガス繊維の平均密度は、0.68〜0.95g/cm3であり、0.70〜0.85g/cm3であることが好ましい。
バガス繊維の平均密度が上記の範囲内であることが好ましい理由は、平均密度が0.68g/cm3未満では、繊維板を形成したとき、繊維間の絡み力が発生しないため、十分な木ねじの保持力が得られないからである。一方、平均密度が0.95g/cm3を超えると、繊維板内部の空隙がほぼなくなるため、吸水時に繊維板が大きく膨張してしまうからである。
すなわち、バガス繊維の平均密度が上記の範囲内であれば、繊維板に十分な木ねじの保持力が得られるとともに、吸水時の繊維板の膨張量も少なくすることができる。
バガス繊維の粒度が上記の範囲内であることが好ましい理由は、バガス繊維の粒度が500μmメッシュ以上に残るものが40%未満では、繊維板を形成したとき、繊維間の絡み力が発生しないため、十分な木ねじ保持力が得られないからである。すなわち、バガス繊維の粒度が上記の範囲内であれば、繊維板に十分な木ねじ保持力が得られる。
バガス繊維の幅に対する長さの比(寸法比)が上記の範囲内であることが好ましい理由は、寸法比が10未満では、繊維板を形成したとき、繊維間の絡み力が発生しないため、十分な木ねじの保持力が得られないからである。一方、寸法比が1000を超えると、バガス繊維と、接着剤等の添加剤とを混練する際、繊維同士が絡まり合い、添加剤が十分に分散しなくなるため、繊維板の機械的強度が低下するからである。
すなわち、バガス繊維の寸法比が上記の範囲内であれば、繊維板に十分な木ねじの保持力が得られるとともに、繊維板に十分な機械的強度が得られる。
これらの接着剤の中でも、最上位規格F☆☆☆☆(Fフォースター)を満たすものが好ましい。
接着剤の含有量が上記の範囲内であることが好ましい理由は、接着剤の含有量が2重量%未満では、バガス繊維と接着剤との結合点が少ないため、繊維間の接着強度が上がらないので、十分な木ねじの保持力が得られないからである。一方、接着剤の含有量が30重量%を超えると、繊維板が硬くなり過ぎて、繊維板に釘や木ねじを刺し込むことが難しくなるからである。
すなわち、接着剤の含有量が上記の範囲内であれば、繊維板に十分な木ねじの保持力が得られるとともに、繊維板に釘や木ねじを容易に刺し込むことができる。
有機ヨード系化合物としては、例えば、ジヨードメチル−p−トリルスルホン等が挙げられる。
ベンゾチアゾール系化合物としては、例えば、2−(チオシアノメチルチオベン)ベンゾチアゾール等が挙げられる。
後述するように、通常、バガス繊維、接着剤および防かび剤を含む混練体を、加熱加圧して繊維板を作製する際の温度は170〜230℃であるので、有効成分の耐熱温度が180℃以上(特に、180〜500℃が好ましい)の防かび剤を用いることにより、繊維板を作製する際の熱により、防かび剤の有効成分が熱分解することを抑制できる。
なお、防かび剤の有効成分とは、防かび作用を示す成分(化合物)のことである。
防かび剤の含有量が上記の範囲内であることが好ましい理由は、防かび剤の含有量が1.0×10−6重量%未満では、繊維板に十分な防かび性を付与することができないからである。一方、防かび剤の含有量が5重量%を超えると、接着剤の硬化を阻害するからである。
すなわち、防かび剤の含有量が上記の範囲内であれば、繊維板に十分な防かび性が得られるとともに、接着剤が十分に硬化して、繊維板に十分な機械的強度が得られる。
防かび剤の含有量が上記の範囲内であることが好ましい理由は、防かび剤の含有量が1.0×10−6重量%未満では、繊維板に十分な防かび性を付与することができないからである。一方、防かび剤の含有量が8重量%を超えると、接着剤の硬化を阻害するからである。
すなわち、防かび剤の含有量が上記の範囲内であれば、繊維板に十分な防かび性が得られるとともに、接着剤が十分に硬化して、繊維板に十分な機械的強度が得られる。
また、本実施形態の繊維板は、バガス繊維のみでなく、中密度繊維板(medium density fiberboard、MDF)や木片などの繊維が含まれていてもよい。
バガス繊維と、接着剤と、防かび剤とを混練する方法としては、例えば、ブレンダー、ミキサー、混合機、撹拌機、混練機等を用いる方法が挙げられる。
バガス繊維の含水率が上記の範囲内であることが好ましい理由は、バガス繊維の含水率が30重量%を超えると、混練体を加熱加圧して得られる繊維板の含水率が高くなり、繊維板の機械的強度が低下するからである。
本実施形態では、加熱加圧の初期に所定時間にわたって成形圧を高くし、その後、定常の成形圧とする。
加熱加圧の初期における成形圧をP1、定常の成形圧をP2とした場合、P1>P2とし、P1−P2は7〜90MPaであることが好ましい。
なお、フォーミングマットを加熱する温度は、フォーミングマットを加熱加圧する工程の全体を通じて一定であってもよく、上記の範囲内で変化させてもよい。
なお、フォーミングマットを加圧する際の圧力は、フォーミングマットを加熱加圧する工程の全体を通じて一定であってもよく、上記の範囲内で変化させてもよい。
サトウキビの絞り粕であるバガス繊維(500μm以上のメッシュで篩にかけたものが70%含まれる)を、200℃にて、含水率が5%になるように乾燥させた。
接着剤として、ユリアメラミン系樹脂を水に分散させた分散液(固形分濃度60重量%)を、乾燥繊維板重量に対する接着剤の添加量が、固形分重量比で10重量%となるように、エアースプレーガンにより添加した。
また、防かび剤として、耐熱性が200℃以上の有機ヨード系化合物を有効成分として含むものを水に分散させた分散液(固形分濃度10重量%)を、乾燥繊維板重量に対する防かび剤の乾燥重量比が1.5×10−2重量%となるように、エアースプレーガンにより添加した。
さらに、硬化剤として、塩化アンモニウム系硬化剤を水に分散させた分散液(固形分濃度20重量%)を、接着剤100重量部に対し2.5重量部添加した。
その後、バガス繊維、接着剤、防かび剤および硬化剤を混練して、接着剤、防かび剤および硬化剤をバガス繊維全体に均一に分散さて、バガス繊維、接着剤、防かび剤および硬化剤からなる混練体を得た。
次いで、混練体を、フォーミング工程に供給し、敷きならしてフォーミングマットを形成した後、予備プレス工程にて、そのフォーミングマットを仮圧締めした。
次いで、仮圧締めしたフォーミングマット(300mm×300mm×80mm)を、上下両面側から熱プレス盤で加熱加圧して、実施例の繊維板を得た。
繊維板を加熱加圧する工程において、フォーミングマットを加熱する温度を180℃、フォーミングマットを加圧する圧力を1.5MPa、フォーミングマットを加熱加圧する時間を250秒とした。
得られた繊維板について、日本工業規格:JIS Z2911「かび抵抗性試験方法」に準拠して、かび抵抗性試験を実施した。
実施例における防かび剤の有効成分、防かび剤の耐熱温度、防かび剤の添加量(含有量)を表1に示す。
かび抵抗性試験開始から1週間後、2週間後、3週間後、4週間後において、繊維板の表面積全体に占めるかびの面積(かびの発育面積)を表2に示す。
防かび剤として、耐熱性が約100℃のイソチアゾリン系化合物を有効成分として含むものを用い、乾燥繊維板重量に対する防かび剤の乾燥重量比が1.5×10−2重量%となるようにした以外は実施例と同様にして、比較例の繊維板を得た。
得られた繊維板について、実施例と同様にして、かび抵抗性試験を実施した。
比較例における防かび剤の有効成分、防かび剤の耐熱温度、防かび剤の添加量(含有量)を表1に示す。
かび抵抗性試験開始から1週間後、2週間後、3週間後、4週間後において、繊維板の表面積全体に占めるかびの面積(かびの発育面積)を表2に示す。
Claims (3)
- バガス繊維と、接着剤と、有効成分の耐熱温度が180℃以上の防かび剤と、を含有してなることを特徴とする繊維板。
- 前記防かび剤の含有量は、乾燥繊維板重量に対する乾燥重量比で1.0×10−6〜5重量%であることを特徴とする請求項1に記載された繊維板。
- 前記防かび剤の含有量は、乾燥繊維重量に対する乾燥重量比で1.0×10−6〜8重量%であることを特徴とする請求項1に記載された繊維板。
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