JP2015065015A - 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板11上に絶縁層を設け、トランジスタ部でこの絶縁層をゲート絶縁層13bとして使用し、この上に、チャネル層13c、オーミックコンタクト層13e、ソース・ドレイン電極13f,13gから成るトランジスタを配置し、発光画素部に有機EL素子を配置すると、オーミックコンタクト層をドライエッチングしてパターニングする工程で、発光画素部の絶縁層12aが膜減りし、発光色度が変化する。そこで、ゲート絶縁層の膜厚を変えることなく、発光画素部の絶縁層の膜減りを防ぎ、発光の色度変化を防止する。【解決手段】ドライエッチングに先立って、発光画素部に有機EL素子の画素電極12cを形成する。画素電極を形成した後ドライエッチングするので、この画素電極で保護された絶縁層12aは膜減りすることなく、したがって、発光の色度変化を防止することができる。【選択図】図11

Description

本発明は、情報表示端末などのディスプレイへの用途が期待される有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下、有機ELディスプレイと略称)とその製造方法に関する。
有機ELディスプレイは、基板上に、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略称)から成る複数の発光画素が配置されると共に、これら有機EL素子の駆動を制御する薄膜トランジスタが配置されて構成されるディスプレイである。
有機EL素子は、基板上に少なくともアノード電極と有機発光層とカソード電極とを含み、電極間に電界をかけることにより前記有機発光層に電子と正孔を注入し発光させるもので、この有機EL素子は自発光型素子であることから、液晶ディスプレイのようにバックライトを用いなくても表示が可能である。また、素子構造が単純であるため、薄く、軽量な素子を作製することができ、現在活発に研究が行われている。一般的な有機EL素子は、アノード電極、カソード電極間に有機発光層だけでなく、発光補助層を備えている場合もある。発光補助層としては、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等がある。
また、有機ELディスプレイにおいては、表示のための光の取り出し方から2種類に大別され、発光した光を基板と反対側から取り出すトップエミッション方式と、発光した光を基板側から取り出すボトムエミッション方式がある。
薄膜トランジスタ等の画素回路で画素発光を制御する有機ELディスプレイの場合、トップエミッション方式では画素回路上に画素電極を形成することができるので、複雑な画素回路が形成されている有機EL素子でも開口率を下げることなく画素電極を形成することができる。しかしながら、画素回路上に画素電極を形成する場合は、画素回路による凹凸を緩和するための平坦化層が必要なため、有機EL素子を製造するための工程数が多くなる欠点がある。
一方、ボトムエミッション方式では、画素回路上に画素電極を形成することができないが、平坦化層を形成する必要が無いため、トップエミッション方式と比べ有機EL素子を製造するための工程数が少なくすることができる。
特許文献1に示す先行技術文献では、ボトムエミッション方式を採用した有機ELディスプレイ構造を採用しているが、ボトムエミッション方式の構造により発光の色度変化が生じる可能性がある。具体的には画素電極の下に存在する絶縁膜の膜厚にばらつきが生じると、色度変化が生じてしまう。
そこで、ボトムエミッション方式の有機ELディスプレイの構造及びその製造工程を説明した後、この有機ELディスプレイで発光の色度変化が生じる理由を説明する。
ボトムエミッション方式の有機ELディスプレイは、一般に、前記薄膜トランジスタと、複数の有機EL素子とを、一部の共通工程を除き、それぞれ、別個に形成する。この共通工程が存在するため、前記薄膜トランジスタを先に形成することが通常である。
すなわち、まず、基板をガラス基板として、このガラス基板の上に、薄膜トランジスタ
のゲート電極を形成する。このゲート電極はパターニングして設けられている。次に、このゲート電極を含め、基板の略全面を被覆して絶縁層(窒化シリコン)を形成する。この絶縁層は、薄膜トランジスタのゲート絶縁層となる層である。また、この絶縁層は、後述するように、有機EL素子を形成する部位(発光画素部)では、有機EL素子の下地となる層である。そして、この絶縁層形成工程が、薄膜トランジスタの形成と有機EL素子の形成とに共通する前記共通工程である。
次に、この絶縁層の一部に、薄膜トランジスタを形成する。
すなわち、薄膜トランジスタの形成工程は、まず、この絶縁層を被覆してチャネル層(シリコン薄膜)を形成し、続いて、チャネル保護層(窒化シリコン)を形成して、このチャネル保護層をパターニングする工程である。いうまでもなく、チャネル保護層は、薄膜トランジスタの位置(トランジスタ部)に残存するようにパターニングされる。次に、これらチャネル層とチャネル保護層を含め、略全面を被覆してオーミックコンタクト層(シリコン薄膜成膜時にリンをドーピングした導電性薄膜)を形成する。そして、このオーミックコンタクト層のトランジスタ部に、ソース電極(Cr)及びドレイン電極(Cr)を形成する。
次に、前記オーミックコンタクト層をパターニングすることにより、発光画素部のオーミックコンタクト層を除去することにより、薄膜トランジスタを形成することができる。こうして薄膜トランジスタを形成した状態の中間製品の断面を図2(a)に示す。
オーミックコンタクト層のパターニングは、一般に、ドライエッチングにより行われる。そして、このドライエッチングによって、オーミックコンタクト層(シリコン薄膜成膜時にリンをドーピングした導電性薄膜)と共に、このオーミックコンタクト層の下のチャネル層(シリコン薄膜)もエッチングして除去される。このため、オーミックコンタクト層のエッチッグによって、絶縁層(窒化シリコン)が表面に露出する。この状態の中間製品の断面を図2(b)に示す。
次に、この絶縁層の上に、有機EL素子を形成する。有機EL素子の形成工程は、絶縁層が表面に露出した発光画素部に、順次、アノード電極、有機発光媒体層、カソード電極を形成する工程である。なお、カソード電極、有機発光媒体層、アノード電極の順であってもよい。いずれの場合も、層間絶縁層を形成した後、トランジスタ部に、発光画素部同士を区画する隔壁を設けた後、これら有機EL素子を形成することが通常である。
ところで、オーミックコンタクト層(シリコン薄膜成膜時にリンをドーピングした導電性薄膜)のドライエッチング時に用いるガスは六フッ化硫黄ガス(SF6)、水素、塩素ガスなどであり、これらのガスによってドライエッチングを行うとチャネル層(シリコン薄膜)や、オーミックコンタクト層(シリコン薄膜成膜時にリンをドーピングした導電性薄膜)は発生したガスプラズマと反応を起こし、選択的にエッチングされる。よって、ソース・ドレイン電極の下に位置していないチャネル層、オーミックコンタクト層は全てドライエッチングにより取り除かれる。このガスプラズマは、絶縁層(窒化シリコン)に対して反応しにくい条件を導入しているが、まったく反応が起きないわけではなくプラズマに対する反応時間に応じて、絶縁層はエッチングされて膜減りし、想定膜厚より発光画素部の絶縁層が30〜50nm薄くなる。
このように、発光画素部の絶縁層が膜減りして、想定膜厚より薄くなることにより、発光の色度変化が生じる理由を、図1を参照して説明する。この図1は、ボトムエミッション型有機EL素子の発光を示した模式図である。ガラス基板(屈折率約1.5)上に絶縁層となる窒化シリコン薄膜(屈折率約1.9)が形成されている。窒化シリコン膜上には
透明アノード電極、有機発光層、カソード電極が形成されている。なお透明アノード電極の材料として本図では一例としてインジウムスズ複合酸化物(以下ITO屈折率約2.0)を用いている。またカソード電極は可視光に対する反射性を有する金属膜を用いている。
アノード電極−カソード電極間に電圧を印加し、有機発光層に電流を流すことにより、有機発光層から可視光が放射する。基板側への放射光はそのまま基板側に向かい、基板と反対側への放射光はカソード電極で反射して基板側に向かうので、有機発光層から生じる光は全てガラス基板に向かう。
ほとんどの放射光は透明アノード電極、窒化シリコン膜、ガラス基板を通り、有機ELディスプレイの外に透過するが、窒化シリコン膜とガラス基板は屈折率の差が大きいので一部の光は窒化シリコン膜−ガラス基板界面で反射し、基板の反対側に向かう。基板の反対側に向かった光はカソード電極で反射され、再び基板側に向かい、大半の光は有機ELディスプレイの外に透過する。
界面で反射することなく有機ELディスプレイの外に透過した光と、窒化シリコン膜−ガラス基板界面とカソード電極で反射し、有機ELディスプレイの外に放射した光は光路差によっては干渉を起こし、色度が変化する。例えば、図1に示す構造を有するボトムエミッション方式の青色有機ELを発光させた時の絶縁層の膜厚に対する色度(Cy)は、ゲート絶縁膜の膜厚の厚みが、それぞれ、350、400、420nmの場合、それぞれ、0.166、0.152、0.143と変化する。これは絶縁膜の窒化シリコン膜の膜厚が異なることによって界面で反射されない放射光と界面で反射された放射光との間の光路差も異なるので、光干渉の仕方も異なる結果である。
ところで、ドライエッチングによる膜減りを見越して絶縁層の膜厚を最初から厚く成膜すると、薄膜トランジスタのゲート絶縁層も厚くなってしまう。薄膜トランジスタが流す電流はゲート絶縁層の膜厚に反比例するので、ゲート絶縁層の膜厚が厚くなることで薄膜トランジスタの特性が低下し、有機EL素子の駆動に悪影響を及ぼす結果となる。
特開2004−363034号公報
本発明は、上記問題を解決するため提案されるものであり、本発明が解決しようとする課題は、オーミックコンタクト層のドライエッチングによる有機EL素子の下の絶縁層の膜減りを防ぎ、発光の色度変化を防止することである。
以上の課題を解決するため、本発明は、前記ドライエッチングに先立って、発光画素部のチャネル層の上に画素電極を形成することとした。このようにチャネル層の上に画素電極を形成した後、オーミックコンタクト層をドライエッチングするので、この画素電極で保護された部位のチャネル層はエッチングされることなく残存する。このため、有機EL素子の下のチャネル層と絶縁層とは、いずれも、膜減りすることなく、形成したままの厚みを維持する。そして、このため、発光の色度変化を防止することができるのである。なお、こうして得られる有機ELディスプレイは、発光画素部において、基板と画素電極との間に、絶縁層と共に、同時に形成された半導体層を備える点で、従来の有機ELディスプレイと相違している。
そこで、請求項1に記載の発明は、基板上に、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子が配置されると共に、これら有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動を制御する薄膜トランジスタが配置されて構成される有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、画素電極、有機発光層、対向電極をこの順に備えて構成される有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにおいて、
有機エレクトロルミネッセンス素子の位置を発光画素部として、この発光画素部において、基板と画素電極との間に、絶縁層と半導体層とを、この順に備えることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにおいて、
前記薄膜トランジスタが、前記基板上に設けられたゲート電極と、このゲート電極を被覆して設けられた絶縁層と、この絶縁層の上に設けられたチャネル層と、チャネル層の上に設けられたチャネル保護層と、このチャネル保護層の上に配置されたソース電極及びドレイン電極とを備えて構成されており、
ゲート電極を被覆して設けられた前記絶縁層と、発光画素部において画素電極と有機発光層との間に設けられた前記絶縁層とが、同時に形成された単一の層であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにおいて、
薄膜トランジスタの前記チャネル層と、有機エレクトロルミネッセンス素子の位置において画素電極と有機発光層との間に設けられた前記半導体層とが、同時に形成された単一の層であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにおいて、前記絶縁層は窒化シリコン薄膜もしくは酸化シリコン薄膜であることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、基板上に、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子が配置されると共に、これら有機EL素子の駆動を制御する薄膜トランジスタが配置されて構成される有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法において、
有機エレクトロルミネッセンス素子の位置を発光画素部、薄膜トランジスタの位置をトランジスタ部として、工程(a)〜(d)をこの順に行い、次に、工程(e)〜(h)を任意の順序で、かつ、矛盾を生じない順序で行うことにより、発光画素部において、画素電極と有機発光層との間に、絶縁層と半導体層とを、この順に備えることを特徴とするものである。
(a)絶縁層形成工程‥トランジスタ部と発光画素部の両者を被覆して絶縁層を形成する工程。
(b)チャネル層・半導体層形成工程‥トランジスタ部と発光画素部の両者を半導体で被覆することにより、トランジスタ部にチャネル層を形成すると共に、発光画素部に半導体層を形成する工程。
(c)画素電極形成工程‥発光画素部の半導体層の上に画素電極を形成する工程。
(d)オーミックコンタクト層形成工程‥チャネル層及び画素電極の上にこれらを被覆してオーミックコンタクト層を形成する工程。
(e)ソース・ドレイン電極形成工程‥オーミックコンタクト層の上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程。
(f)オーミックコンタクト層パターニング工程‥発光画素部の半導体層のうち、画素電極で保護された部位を残存させたまま、発光画素部のオーミックコンタクト層を除去する
工程。
(g)有機発光層形成工程‥画素電極の上に有機発光層を形成する工程。
(h)対向電極形成工程‥有機発光層上に対向電極を形成する工程。
ここで、工程(e)〜(h)の順序は、例えば、(e)ソース・ドレイン電極形成工程、(f)オーミックコンタクト層パターニング工程、(g)有機発光層形成工程、(h)対向電極形成工程の順に行うことができる。
また、(f)オーミックコンタクト層パターニング工程と(e)ソース・ドレイン電極形成工程の順序を逆にして、(f)オーミックコンタクト層パターニング工程、(e)ソース・ドレイン電極形成工程、(g)有機発光層形成工程、(h)対向電極形成工程の順で行うこともできる。
また、(e)ソース・ドレイン電極形成工程を最後にして、(f)オーミックコンタクト層パターニング工程、(g)有機発光層形成工程、(h)対向電極形成工程、(e)ソース・ドレイン電極形成工程の順で行うこともできる。
また、(e)ソース・ドレイン電極形成工程を、(g)有機発光層形成工程と(h)対向電極形成工程の間に行うこともできる。すなわち、(f)オーミックコンタクト層パターニング工程、(g)有機発光層形成工程、(e)ソース・ドレイン電極形成工程、(i)対向電極形成工程の順である。
なお、(f)オーミックコンタクト層パターニング工程は、(g)有機発光層形成工程と(h)対向電極形成工程の両工程に先立って行う必要がある。また、(g)有機発光層形成工程を(h)対向電極形成工程に先立って行う必要もある。
また、これら工程(a)〜(h)の間に別の工程があってもよい。例えば、(a)絶縁層形成工程の前に、ゲート電極や信号線を形成する工程があってよい。
また、(b)チャネル層・半導体層形成工程と(d)オーミックコンタクト層形成工程との間には、チャネル保護層を形成する工程を行うことも可能である。
また、(f)オーミックコンタクト層パターニング工程と(h)有機発光層形成工程との間に、あるいは、(h)有機発光層形成工程と(i)対向電極形成工程の間に、発光補助層を形成する工程があってもよい。
このように、本発明によれば、有機EL素子の下のチャネル層と絶縁層とは、いずれも、膜減りすることなく、形成したままの厚みを維持する。そして、このため、発光の色度変化を防止することができるのである。
ボトムエミッション方式の有機ELディスプレイにおいて光干渉が発生する要因を説明するための模式図。 従来例の有機ELディスプレイにおいてドライエッチングによる有機EL素子の下のゲート絶縁層の膜減りを説明するための断面模式図。 本発明の有機ELディスプレイの概略構造を説明するための模式図。 本発明の有機ELディスプレイの概略構造および実施の形態を説明するための断面模式図。 本発明の有機ELディスプレイの製造工程を説明するための断面模式図。 本発明の有機ELディスプレイの製造工程を説明するための断面模式図。 本発明の有機ELディスプレイの製造工程を説明するための断面模式図。 本発明の有機ELディスプレイの製造工程を説明するための断面模式図。 本発明の有機ELディスプレイの製造工程を説明するための断面模式図。 本発明の有機ELディスプレイの製造工程を説明するための断面模式図。 本発明の有機ELディスプレイの製造工程を説明するための断面模式図。 本発明の有機ELディスプレイの製造工程を説明するための断面模式図。 本発明の有機ELディスプレイの製造工程を説明するための断面模式図。 本発明の有機ELディスプレイを作製するための凸版印刷機の概念図。 比較例1における有機ELディスプレイの概略構造を説明するための模式図。 比較例1の製造工程を説明するための断面模式図。 比較例1の製造工程を説明するための断面模式図。 比較例1の製造工程を説明するための断面模式図。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明はこれに限るものではない。
図3は、本発明の有機ELディスプレイ10の概略構造の一例を説明するための模式図である。
本発明の有機ELディスプレイは、複数の有機EL素子が配置されると共に、これら有機EL素子の駆動を制御する薄膜トランジスタが配置されて構成されるものである。図3に示す有機ELディスプレイでは、絶縁性の透明基板11上に、有機EL素子12が図面上下左右方向にマトリックス状に配列されている。それぞれの有機EL素子には、図3では省略したが、画素電極(例えばアノード電極)と画素容量が形成されている。また有機EL素子周辺には画素容量に電圧を書き込むための選択トランジスタ13と、画素容量に書き込まれた電圧に従い有機EL素子に電流を供給し、発光させるための駆動トランジスタ14がそれぞれ設けられている。これら選択トランジスタ13と駆動トランジスタ14とが、有機EL素子の駆動を制御する薄膜トランジスタである。
有機EL素子の配列に沿って列方向(すなわち図面上下方向)に選択トランジスタ13を経由して有機EL素子の画素容量に電圧を書き込むための信号線15が配設され、また、当該信号線15に直交して行方向(すなわち図面左右方向)に選択トランジスタ13を選択状態にするための走査線16及び、駆動トランジスタ14に発光のための電流を流す電力供給線17が配設されている。絶縁性基板11上に2次元配列された複数の有機EL素子12の画素電極に対して共通に単一の平面電極(べた電極)からなる対向電極(例えばカソード電極)19が形成されている。
図3の実施形態では、選択トランジスタと駆動トランジスタの二個のトランジスタを配置して一有機EL素子の駆動を行う方式を示したが、一有機EL素子につき三個以上のトランジスタを配置して駆動させる方式でも良い。
図4は、本発明の有機ELディスプレイの断面構造の一例を説明するため模式図である。基板11上に、有機EL素子12、駆動トランジスタ13、信号線15が設けられている。また、これら電気素子上には前記電気素子を保護するための層間絶縁層18が設けられている。
有機EL素子12はガラス基板上の絶縁層12a上に形成され、半導体層12b、画素電極12c、有機発光層12dを備えて構成されている。また、画素電極12cに対して
対向電極19が形成されている。
一方、駆動トランジスタ13はゲート電極13a、ゲート絶縁層13b、チャネル層13c、チャネル保護層13d、オーミックコンタクト層13e、ソース電極13f、ドレイン電極13gをそれぞれ備える。
本実施例では有機EL素子12の絶縁層12aとゲート絶縁層13bを同時に成膜している。また、半導体層12bとチャネル層13cも同時に成膜し、パターニングを行っている。これら有機EL素子12の絶縁層12aとゲート絶縁層13bの膜厚は青色光の波長とほぼ同一でよいが、半導体層12bとチャネル層13cの膜厚は青色光の波長より十分薄いことが望ましい。半導体層12bの膜厚が青色光の波長より十分薄いとき、この半導体層12bの存在による発光色度に対する影響を防ぐことができる。例えば、50nm以下である。望ましくは30nm以下である。
また、本発明の有機ELディスプレイにおいては、画素電極12cと対向電極19の間には有機発光層12dの他に発光補助層を備える構造でもよい。発光補助層としては、正孔輸送層の他に、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、等を挙げることができる。これらの発光補助層は適宜選択され、複数選択してもよい。正孔注入層はアノード電極と有機発光層との間に設けられる。電子注入層、電子輸送層は有機発光層とカソード電極との間に設けられる。また、本発明の有機ELディスプレイにあっては、アノード電極、カソード電極、有機発光層、正孔輸送層は単層構造ではなく、多層構造としてもよい。
図4では、薄膜トランジスタの実施形態としてゲート電極がチャネル層の下層に位置するボトムゲート構造の薄膜トランジスタを示したが、本発明は前記方式に限定されるものではなく、ゲート電極がチャネル層の上層に位置するトップゲート型の薄膜トランジスタでも良い。
なお、本発明の有機ELディスプレイにおいては、図4とは逆に、基板11上に、カソード電極となる画素電極12c、有機発光層12d、アノード電極となる対向電極19の順に設けてもよい。有機発光層12dと発光補助層とを総称して有機発光媒体層と呼べば、いずれの場合も、基板11上に、画素電極12c、有機発光媒体層、対向電極19の順に断面構成される。
次に、図3、図4の有機ELディスプレイを例として、本発明の有機ELディスプレイの製造方法について説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(基板)
本発明にかかる基板11としては、絶縁性と透明性を有する基板、例えばガラス基板や石英基板が使用できる。また、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシートであっても良い。これら、プラスチックフィルムやシートに、金属酸化物薄膜、金属弗化物薄膜、金属窒化物薄膜、金属酸窒化物薄膜、あるいは高分子樹脂膜を積層したものを基板として利用することにより、水分やガスの透過を小さくして、素子の特性を安定化することができる。
前記金属酸化物薄膜としては、酸化珪素、酸化アルミニウム等が例示できる。前記金属弗化物薄膜としては、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等が例示できる。前記金属窒化物薄膜としては、窒化珪素、窒化アルミニウム等が例示できる。また、前記高分子樹脂膜としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等が例示
できる。
なお、上記各種の基板は、あらかじめ加熱処理を行うことにより、基板内部や表面に吸着した水分を極力低減することがより好ましい。また、基板上に積層される材料に応じて、密着性を向上させるために、超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施してから使用することが好ましい。
(ゲート電極・信号線形成工程)
基板11への表面処理後、図5に示すように基板11上にゲート電極13a及び、信号線15を形成する。ゲート電極13aは、薄膜トランジスタの位置(トランジスタ部)にパターン状に形成する。
前記ゲート電極及び信号線の材料は例えば、Mo膜、Cr膜、Al膜、Cu膜等の単一金属や、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなるが、本発明はこれら材料に限定するものではない。上述の材料膜の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などのドライコーティング法を用いることができる。真空成膜された金属膜にフォトレジストを塗布して露光・現像し、ウェットエッチング又はドライエッチングして、パターン状に加工する。
(絶縁層形成工程,チャネル層・半導体層形成工程,チャネル保護層形成工程)
ゲート電極13a及び、信号線15を形成後は図6に示すようにゲート絶縁層13b、チャネル層13c、チャネル保護層13dの三層を真空成膜する。なお、このうち、ゲート絶縁層13bの一部は発光画素部の絶縁層12aとなるものであり、チャネル層13cの一部は発光画素部の半導体層12bとなるものである。これら各層は、いずれも、発光画素部とトランジスタ部の両者を被覆して、略全面に形成する。
この三層成膜はCVD(Chemical Vapor Deposition)装置等の真空成膜装置を用いて成膜される。三層の成膜は基板を真空装置から取り出さずに連続して行うのが望ましい。
ゲート絶縁層13b及びチャネル保護層13dは、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。
また、チャネル層13cはシリコン薄膜からなる。前記シリコン薄膜は、非晶質シリコン薄膜でも良いし、多結晶シリコン薄膜でも良いし、非晶質シリコン薄膜の中に微結晶状態のシリコンが含まれている微結晶シリコン薄膜でも良い。もしくは、それらの層を組み合わせた多層構造にすることも可能である。チャネル層13cの材料に非晶質シリコン薄膜もしくは微結晶シリコン薄膜を用いる場合はCVDにより直接成膜することが可能であるが、多結晶シリコン薄膜を用いる場合はCVDで非晶質シリコン薄膜を成膜後、レーザー等でアニール処理を行い、非晶質シリコンを多結晶化させる必要がある。
三層成膜を行った後、図7に示すようにチャネル保護層13dにフォトレジストを塗布して露光・現像し、ウェットエッチング又はドライエッチングによりパターン加工する。その残存位置はトランジスタ部である。
(画素電極形成工程)
次に、図8に示すようにアノード電極となる画素電極12cを、発光画素部のチャネル層13c(すなわち、半導体層12b)の上に形成する。この画素電極12cを透して発光した光を放射するため、画素電極12cは透明な材料から構成されている必要がある。
また、ドライエッチングの際に、この画素電極12cの下の部位のチャネル層13c(すなわち、半導体層12b)を保護する機能を有することから、ドライエッチングに耐えるものである必要がある。
このような画素電極12cの形成材料として、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物が利用できる。
被膜形成方法としてはドライコーティング法が利用できる。例えば、抵抗加熱真空蒸着法、電子ビーム加熱真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等である。
そして、真空成膜された金属酸化物被膜にフォトレジストを塗布して露光・現像し、ウェットエッチング又はドライエッチングして、パターン状に加工することができる。パッシブマトリックス方式の有機ELディスプレイの場合には、画素電極12cはストライプ状に形成される。アクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイの場合には、画素電極12cはドット状にパターン形成される。
(オーミックコンタクト層形成工程)
画素電極12c形成後、図9に示すように、この画素電極12c、チャネル層13c及びチャネル保護層13dの上に、これらを被覆して、オーミックコンタクト層13eを成膜する。
前記オーミックコンタクト層13eはチャネル層13cと同様CVDにより成膜するが、アルシン、ホスフィン等のドナー型不純物を含むシランガスをプロセスガスとして用いる。前記ドナー型不純物を含むプロセスガスを用いた場合、オーミックコンタクト層13eはドナー型の不純物を含むシリコン薄膜で形成され、最終的に得られる薄膜トランジスタ13はn型薄膜トランジスタとなる。しかしながら薄膜トランジスタ13の用途に応じ、例えばジボラン等のアクセプター型不純物を含むシランガスを用いることで最終的にp型薄膜トランジスタを得ることもできる。
なお、図3、図4では省略したが、チャネル保護層13dのパターン加工後もしくは、オーミックコンタクト層13e成膜後、ソース・ドレイン電極膜を形成する前に必要に応じてコンタクトホール形成を行う。例えば図3に示す、選択トランジスタ14のゲート電極と走査線16は電気的に接続する必要があるが、これらは同じ層に無いため、電気的に接続するためにはあらかじめコンタクトホールを形成しておく必要がある。同様に選択トランジスタ14のソース電極と信号線15の電気的接続や、駆動トランジスタ13のソース電極13fと電力供給線17の電気的接続はコンタクトホールを介して行う。コンタクトホールはチャネル保護層13dもしくは、オーミックコンタクト層13eにフォトレジストを塗布して露光・現像し、ウェットエッチング又はドライエッチングをすることで形成する。
(ソース・ドレイン電極形成工程)
オーミックコンタクト層形成工程に続いて、オーミックコンタクト層13e上にソース電極13f及び、ドレイン電極13gとなる金属材料膜を成膜する。
オーミックコンタクト層13eは不純物を含むシリコン薄膜で形成されているので、大気中で表面が容易に酸化皮膜で覆われる。そのためオーミックコンタクト層13eに表面処理を施さずにソース電極13f及び、ドレイン電極13gを形成するとオーミックコンタクト層13e表面の酸化皮膜が絶縁層となり、オーミックコンタクト層13eとソース
電極13f及び、オーミックコンタクト層13eとドレイン電極13gとの間で電気的導通をとることが困難になる。よってオーミックコンタクト層13e成膜後、ソース・ドレイン電極膜の成膜直前に表面処理を行い、酸化皮膜を除去する必要がある。表面処理は、例えば、フッ化アンモニウム溶液で基板表面をシャワー処理する等の方法で行う。
ソース電極13f及びドレイン電極13gの材料は例えば、Mo膜、Cr膜、Al膜、Cu膜等の単一金属や、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなるが、本発明はこれら材料に限定するものではない。上述の材料膜の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などのドライコーティング法を用いることができる。
そして、図10に示すように真空成膜された金属膜にフォトレジストを塗布して露光・現像し、ウェットエッチング又はドライエッチングして、パターン状に加工する。駆動トランジスタ13のドレイン電極13gは各有機EL素子12の画素電極12cと電気的接続をとる必要がある。また、前記ソース・ドレイン電極と同時に、図示していない走査線16及び電力供給線17を一括して形成する。
(オーミックコンタクト層パターニング工程)
ソース電極13f及び、ドレイン電極13gのパターン加工後、図11に示すように、オーミックコンタクト層13eをパターニングする。
このパターニングは、発光画素部のオーミックコンタクト層13eを除去して、トランジスタ部のオーミックコンタクト層13eを残存させるものである。このとき、発光画素部において、画素電極12cで保護された部位のチャネル層13c(すなわち、半導体層12b)を残存させる必要がある。
オーミックコンタクト層13eのパターニングは、基板11全面をドライエッチングすることで行う。このとき、オーミックコンタクト層13eと共にチャネル層13c(すなわち、半導体層12b)もエッチング除去されるが、その一部はエッチングされずに残存する。
まず、発光画素部のオーミックコンタクト層13eはエッチング除去されるが、この部位の半導体層12bは画素電極12cに覆われて保護されているため、エッチングされずに残存する。
また、ソース・ドレイン電極のパターン及びチャネル保護層13dのパターンで覆われたオーミックコンタクト層13eとチャネル層13cも、エッチング除去されることなく、残存する。
なお、オーミックコンタクト層13eとチャネル層13cの両者がエッチング除去された部位では、ゲート絶縁層13b(発光画素部の絶縁層12a)が表面に露出する。
そして、このオーミックコンタクト層パターニング工程によって、薄膜トランジスタが形成できる。すなわち、駆動トランジスタ13および選択トランジスタ14である。
(層間絶縁層形成工程)
トランジスタを形成した後、層間絶縁層18を成膜する。
前記層間絶縁層18は、例えばシリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。また、層間絶縁層18は、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティ
ング法、スパッタリング法などのドライコーティング法を用いて形成することができる。
層間絶縁層18成膜後、図12に示すように、パターン加工を行う。パターン加工の内容は画素電極12c上に有機発光層12dを形成するために、画素電極12c上に矩形状のコンタクトホールを形成する加工と、有機EL素子形成後、該有機EL素子を駆動させるために、駆動用ドライバーやFPCを信号線15、走査線16、電力供給線17等と電気的に接続するためのコンタクトホール形成加工である。コンタクトホールは層間絶縁層18にフォトレジストを塗布して露光・現像し、ウェットエッチング又はドライエッチングをすることで形成する。
(隔壁形成工程)
層間絶縁層を形成した後、図13に示すように、トランジスタ部に隔壁20を形成して、発光画素部同士を区画する。隔壁を設けることによって、発光画素部の正確な区分けと隣接発光画素間における混色の防止、リーク電流の防止、TFT回路や電極線等の凹凸を軽減するなどの効果があり、また、基板回路上に設けられた薄膜トランジスタなどの駆動素子に対する保護効果も期待できる。
隔壁20は、例えば、感光性樹脂をスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の公知の塗布方法を用いて塗布し、次に、パターン露光し、現像することによりを形成することができる。感光性樹脂としてはポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらも可能であり、市販の材料を使用できる。感光性樹脂として、具体的にはポリイミド系感光性樹脂、アクリル樹脂系感光性樹脂、ノボラック樹脂系感光性樹脂、フルオレン系感光性樹脂といったものが挙げられるがこれに限定するものではない。この中でもポリイミド系感光性樹脂は耐熱性、耐溶剤性、低アウトガスなどの特性から最も好適である。また、有機ELディスプレイパネルの表示品位向上、および薄膜トランジスタの誤作動防止のため、光遮光性の材料を感光性材料に含有させても良い。
隔壁20を形成する材料として、非感光性樹脂を用いることも可能である。その場合は、パターニングを行うために、樹脂を塗布後にレジストを続けて塗布し、フォトリソグラフィー法にてレジストをパターニングし、次に、ドライエッチング等の方法でレジストにより保護されていない非感光性樹脂を除去する工程が必要となる。非感光性樹脂としてはエポキシ系樹脂や、アクリル系樹脂が挙げられる。
(有機発光層などの形成工程)
隔壁20形成後、有機発光層12dを形成する。また、これと共に、発光補助層を形成してもよい。発光補助層としては、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等がある。これら発光補助層は、その種類に応じ、有機発光層12d形成前、あるいは、有機発光層12d形成後に形成することができる。いずれの場合にも、これら発光補助層と有機発光層12dとが互いに接触するように、互いに隣接して形成することが望ましい。なお、これら有機発光層12dと発光補助層とを総称して、有機発光媒体層と呼ぶことがある。
有機発光層12dは電流を通すことにより発光する層であり、その材料(有機発光材料)としては、大きく分けて低分子系有機発光材料と高分子系有機発光材料が存在する。低分子有機発光材料を使用する場合には、真空蒸着法などのドライコーティング法により有機発光層を形成することが通常である。また、高分子材料を使用する場合には、印刷法により形成することが通常である。本発明では有機発光層の材料は低分子系有機発光材料でも、高分子系有機発光材料でもよく、形成方法も真空蒸着法や印刷法に限定されない。
高分子系有機発光材料として、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロ
ン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’―ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系、ポリフェニレンビニレン系やポリフルオレン系が挙げられる。
なお、発光補助層を構成する材料としてはいずれも公知の材料を使用することができる。正孔輸送層を例とすると、その材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物(PEDOT/PSS)などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料等を挙げることができる。これら材料は、印刷法によって正孔輸送層を形成する場合に使用することができる。
これら有機発光層12dや発光補助層の形成に用いる場合の印刷機としては、図14に示すような凸版印刷機が使用できる。この凸版印刷機は、インキチャンバー108とアニロックスロール101と、クッションテープ103を介して樹脂凸版104を取り付けした版胴105を有している。インキチャンバー108には、形成する層に適するインキが収容されている。アニロックスロール101は、インキチャンバー108のインキ供給部及び版胴105に接して回転するようになっている。そして、アニロックスロール101の回転にともない、インキチャンバー108から供給されたインキは、ドクターブレード102によってアニロックスロール101表面に均一に保持された後、版胴に取り付けた樹脂凸版104の凸部に均一な膜厚で転移する。
ところで、基板11に各層を形成した中間製品を被印刷基板107とすると、この被印刷基板107は基板固定台(ステージ)106上に固定されている。この基板固定台(ステージ)106は摺動可能に構成されている。
そして、位置調整機構(図示せず)により、位置調整しながら、基板固定台(ステージ)106を印刷開始位置まで移動させる。次に、版胴105に取り付けられた樹脂凸版104の凸部を被印刷基板107に接触させ、版胴105を回転させると共に、この回転に合わせて基板固定台(ステージ)106を移動させることにより、この被印刷基板107にインキを転移させて、有機発光層12d又は発光補助層をパターン状に形成する。
(対向電極形成工程)
次に、有機発光媒体層の上にカソード電極となる対向電極19を形成する。
カソード電極の材料としては、有機発光層12dへの電子注入効率の高い物質を用いることが望ましい。具体的には、Mg、Al、Yb等の金属単体を用いてもよいし、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または、電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属元素と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。例えば、MgAg、AlLi、CuLi等の合金が使用できる。
対向電極19の成膜方法としては、上述の材料に応じて、抵抗加熱真空蒸着法、電子ビーム加熱真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などのドライコーティング法を用いることができる。なお、この成膜時に所望のパターンで作製されたマスクを用いることでパターン加工ができる。
カソード電極の厚さに特に制限はないが、10nm〜1000nm程度が望ましい。カ
ソード電極の膜厚が10nm未満であると膜のピンホールが十分に埋められずショートの原因となる。また1000nmより大きいと成膜時間が長くなり生産性が悪くなる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例)
(基板)
基板11として、無アルカリガラス板を使用した。
(ゲート電極・信号線形成工程)
次に、この基板11上に、膜厚100nmのCr膜をスパッタリング法により成膜した。その後、前記Cr膜上にフォトレジストを塗布して露光・現像し、ウェットエッチングでパターン加工することでゲート電極13a及び信号線15を形成した。ゲート電極13aは、薄膜トランジスタを設ける位置(トランジスタ部)で、基板11上の複数箇所に配列して形成した。
(絶縁層形成工程,チャネル層・半導体層形成工程,チャネル保護層形成工程)
次に、CVD装置により、窒化シリコン膜/非晶質シリコン膜/窒化シリコン膜の順で三層の薄膜を、前記ゲート電極13a及び信号線15とを被覆する略全面に連続成膜した。三層の膜厚はそれぞれ、395nm/25nm/120nmとした。
なお、最初に成膜した窒化シリコン膜はゲート絶縁層13b(すなわち、発光画素部の絶縁層12a)を構成するものである。非晶質シリコン膜はチャネル層13c(すなわち、発光画素部の半導体層12b)を構成するものである。また、最後に成膜した窒化シリコン膜はチャネル保護層13dを構成するものである。したがって、この3層のうち、もっとも厚い層はゲート絶縁層13b及び絶縁層12aであり、その膜厚は青色光の波長とほぼ同一の395nmである。他方、チャネル層13c及び半導体層12bの膜厚は青色光の波長に比較して十分に小さい25nmである。
次に、この三層の上にフォトレジストを塗布して露光・現像し、ドライエッチングを行い最表層の窒化シリコン膜をパターン加工することでチャネル保護層13dを形成した。
(画素電極形成工程)
チャネル保護層13d形成後、スパッタリング法により、ITO薄膜50nmを成膜した後、フォトリソグラフィー法によりウェットエッチングを行い、次に、アノード電極となる画素電極12cを形成した。この画素電極12cは、有機EL素子を形成する位置(発光画素部)で、基板11上の複数箇所に配列して形成した。
(オーミックコンタクト層形成工程)
続いて、CVDによりシランガスとホスフィンの混合ガスをプロセスガスとして用いて、チャネル層13c及びチャネル保護層13dを被覆して略全面にオーミックコンタクト層13eを成膜した。
その後、オーミックコンタクト層13eにフォトレジストを塗布して露光・現像し、前記オーミックコンタクト層13eとチャネル層13cとチャネル保護層13dをドライエッチングすることでコンタクトホールを形成した。
(ソース・ドレイン電極形成工程)
続いて、基板をフッ化アンモニウム溶液で処理した後、膜厚400nmのAlTiNd
合金膜をスパッタリングにより成膜し、次に、フォトリソグラフィー法によりウェットエッチングでパターン加工し、トランジスタ部のオーミックコンタクト層13eの上に、ソース電極13f及びドレイン電極13gを形成した。
(オーミックコンタクト層パターニング工程)
ソース・ドレイン電極形成後、フォトレジストを剥離せずに、基板をドライエッチングすることで、オーミックコンタクト層13eとチャネル層13c及び半導体層12bをパターン加工した。
このパターニング工程において、発光画素部の半導体層12bは上層の画素電極12cで保護されているため、そのまま残存した。また、この半導体層12bの下の絶縁層12aもそのまま残存し、膜厚は成膜当初の395nmより変化しなかった。
また、トランジスタ部では、ソース電極13fとドレイン電極13gで保護されている部位のオーミックコンタクト層13eが残存し、その他の部位のオーミックコンタクト層13eがエッチング除去された。また、このトランジスタ部では、ソース電極13f、ドレイン電極13g及びチャネル保護層13dによってチャネル層13cが保護されているため、チャネル層13cはエッチングされることなく、そのままの膜厚(25nm)で残存し、このチャネル層13cで保護されたゲート絶縁層13bもエッチングされることなく、そのままの膜厚(395nm)で残存した。そして、このパターニング工程によって、トランジスタ部に駆動トランジスタ13と選択トランジスタ14とが形成された。
(層間絶縁層形成工程)
次に、CVD装置により窒化シリコン膜を全面に200nmの厚みで成膜して層間絶縁層18を形成し、フォトリソグラフィー法によりドライエッチングを行い、パターン加工することで、コンタクトホールを形成した。
(隔壁形成工程)
層間絶縁層18を形成した後、発光画素部同士を区画する隔壁20を、トランジスタ部の層間絶縁層18の上に形成した。
すなわち、まず、基板にポジ型感光性ポリイミドを全面スピンコートした。スピンコートの条件は、300rpmで5秒間回転させた後、800rpmで20秒間回転とし、スピンコート後の感光性材料の高さを3.3μmとした。スピンコート後フォトリソグラフィー法により露光後、現像処理を行った。こうして形成された隔壁20の膜厚は2.5μmとなった。
(正孔輸送層形成工程)
次に、正孔輸送インキとしてPEDOT/PSS水分散液であるバイトロンCH−8000を60%、超純水を20%、1−プロパノールを20%混合し、インキとした。上記インキを用いてスリットコート法にて基板上に正孔輸送層を形成し、膜厚を50nmとした。なお、正孔輸送インキ塗布前の基板に前処理として、UV/O3洗浄装置にて3分間紫外線照射を行った。
(有機発光層形成工程)
次に、以上の工程で得られた中間製品を被印刷基板107として、図14に示す凸版印刷機を使用して、有機発光層を形成した。
まず、赤色、緑色、青色(R、G、B)の3色からなる以下の高分子有機発光インキを、キシレンに溶解して調製した。赤色発光インキ(R)は、ポリフルオレン系誘導体のキシレン1wt%溶液(住友化学社製赤色発光材料、商品名Red1100)である。緑色発光インキ(G)は、ポリフルオレン系誘導体のキシレン1wt%溶液(住友化学社製緑色発光材料、商品名Green1300)である。青色発光インキ(B)は、ポリフルオレン系誘導体のキシレン1wt%溶液(住友化学社製青色発光材料、商品名Blue1100)である。
また、厚さ250μmの42ニッケル材を樹脂凸版104の基材として、この基材の上に黒色顔料を混錬したアクリルバインダー樹脂溶液を乾燥膜厚が10μmになるように塗布して乾燥し、反射防止層を形成した。
次に、水溶性ポリアミドを主成分とし、ラジカル重合性モノマーとしてとしてジペンタエリスリトールヘキサキスアクリレート、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)を混錬した感光性樹脂組成物を、版材の総厚が310μmとなるように、前記基材の表面に溶融塗工して感光性樹脂層とした。そして、この感光性樹脂層の上に、ポリビニルアルコール溶液を乾燥膜厚1μmになるように塗布したポリエチレンテレフタレートフィルム(フィルム厚み125μm:帝人デュポンフィルム社製)をラミネートした。これにより、感光性樹脂凸版104を作製した。
合成石英基材のクロムマスクを樹脂凸版104のパターンの原版とし、このマスクをプロキシミティ露光装置にセットして感光性樹脂凸版を露光することで、所望のパターンが形成された樹脂凸版104を作製した。
図14に示す枚葉式印刷装置の版胴105にクッションテープ103を介して、前記樹脂凸版104を固定した。次に、前記高分子有機発光インキをインキチャンバー108に供給し、アニロックスロール101を回転させることで全面にインキングした。アニロックスロール101は600ライン/インチ、容積11ccのアニロックスロールを使用した。その後、アニロックスロール101上の余剰インキをドクターブレード102でかき取り、樹脂凸版104の凸パターン部にインキングした。
そして、被印刷基板107を基板固定台(ステージ)106に取り付け、印刷開始位置まで移動させた後、版胴105に取り付けられた樹脂凸版104の凸部を被印刷基板107に接触させ、版胴105を回転させると共に、この回転に合わせて基板固定台(ステージ)106を移動させることにより、この被印刷基板107に高分子有機発光インキを転移して、3色の有機発光層12dを印刷した。有機発光層12dのパターンは発光画素部の長辺方向に延びるライン状で、高分子有機発光インキが発光画素部を埋めるように印刷した。なお、印刷後、オーブン内にて130℃で1時間乾燥を行った結果、有機発光層12dの膜厚は平均で120nmとなった。
(対向電極形成工程)
有機発光層12dの上にCa、Alからなるカソード電極材料を、発光画素部のみに蒸着されるようにマスク蒸着し、膜厚500nmのカソード電極層を形成した。最後にこれらの有機EL素子を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップとエポキシ系の接着剤を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイを作製した。
(発光試験)
そして、得られた有機ELディスプレイの表示部の周辺部には各画素電極に接続されているアノード電極側の取り出し電極と、カソード電極側の取り出し電極があり、これらを電源に接続して、有機EL素子を発光させた。その青色発光の色度Cyは0.143であり、その発光輝度も十分であった。
(比較例1)
比較例1においては有機EL素子に半導体層12bを設けない構造の有機ELディスプレイの製造例を示す。図15は、比較例1の有機ELディスプレイの断面構造の一例を説明するため模式図である。この例では、発光画素部において、絶縁層12aの上に、半導体層12bを介することなく、画素電極12cが設けられている。
比較例1の有機ELディスプレイの製造方法は、オーミックコンタクト層パターニング工程の後に画素電極12cを形成した点で、実施例と異なっている。その他の点では、実施例と同様である。
すなわち、比較例1の製造工程は、基板11上にゲート電極13a及び、信号線15を形成後、ゲート絶縁層13b、チャネル層13c、チャネル保護層13dの三層を真空成膜する工程までは実施例1と同様である(図6参照)。また、チャネル保護層13dのパターン加工を行った点も実施例1と同様である(図7参照)。
比較例1では、次に、画素電極12cを形成することなく、図16に示すように、オーミックコンタクト層13e及びソース電極13f、ドレイン電極13gを成膜した。そして、ソース電極13f、ドレイン電極13gをパターン加工した後、オーミックコンタクト層13eをドライエッチングしてパターニングした。このとき、オーミックコンタクト層13eと共に、チャネル層13cもエッチング除去される。すなわち、図17に示すように、トランジスタ部のチャネル層13cは、チャネル保護層13d、ソース電極13f及びドレイン電極13gによって保護されているため、これらによって保護された部位のチャネル層13cは、エッチング除去されることなく、残存される。これに対して、発光画素部においては、画素電極12cが設けられていないため、チャネル層13c(半導体層12b)はエッチングされて除去された。なお、発光画素部において、絶縁層12aにも、ドライエッチングにより膜減りして、成膜当初の膜厚395nmから350nmになった。
そして、オーミックコンタクト層のパターニング工程の後、図18に示すように、画素電極12cを成膜、パターニング加工した。
なお、画素電極12c形成工程の後、有機ELディスプレイの作成までの工程は実施例1と同じである。
そして、比較例1の有機ELディスプレイを発光させると、発光画素下部の第一の絶縁層12aの膜厚が350nmであるため、青色発光の色度Cyは0.166であった。
(比較例2)
比較例2の有機ELディスプレイは、比較例1有機ELディスプレイとほぼ同じ構造であるが、パネルの青色発光の色度Cyが高くなるのを避けるため、ゲート絶縁層13bの膜厚を450nmにした。
チャネル層13c、オーミックコンタクト層13eのドライエッチングによる加工時に、発光画素部に画素電極12cが設けられていないため、発光画素部の半導体層12bがエッチングされて無くなり、さらに発光画素部の絶縁層12aはドライエッチングにより成膜当初の膜厚450nmから400nmに膜減りした。
そして、比較例2の有機ELディスプレイを発光させると、発光画素部の絶縁層12aの膜厚が350nmであるため、パネルの青色発光の色度Cyは0.152であった。し
かしながら、ゲート絶縁層13bの膜厚を50nm厚くしたため、同じ電圧を印加した時の薄膜トランジスタの電流が13%低下し、発光輝度が下がってしまった。
(考察)
以上の結果から明らかなように、発光画素部に画素電極12cを設けることなく、オーミックコンタクト層をドライエッチングすると、オーミックコンタクト層と共に発光画素部の半導体層12bがエッチングされて無くなり、その下の絶縁層12aは膜減りする。この膜減りの結果、青色発光の色度Cyが変動する(比較例1)。一方、絶縁層12aの膜減りを考慮して、ゲート絶縁層13bを厚く成膜すると、薄膜トランジスタの電流が低下し、発光輝度が低下する(比較例1)。
これに対して、発光画素部に画素電極12cを設けてオーミックコンタクト層をドライエッチングすると、この画素電極12cによって保護された半導体層12bとその下の絶縁層12aは、いずれもエッチングされることなく残存する。このため、青色発光の色度Cyの変動を防止することができる。また、絶縁層12aの膜減りを考慮して薄膜トランジスタのゲート絶縁層13bの膜厚を厚くする必要がないため、薄膜トランジスタの電流が低下することもなく、従ってパネル輝度が下がることもないことが確認できた。
10 有機EL素子
11 絶縁性基板
12 発光画素
12a 絶縁層
12b 半導体層
12c 画素電極
12d 有機発光層
12e 発光補助層
13 駆動トランジスタ
13a ゲート電極
13b ゲート絶縁層
13c チャネル層
13d チャネル保護層
13e オーミックコンタクト層
13f ソース電極
13g ドレイン電極
14 選択トランジスタ
15 信号線
16 走査線
17 電力供給線
18 層間絶縁層
19 対向電極
20 隔壁
101 アニロックスロール
102 ドクターブレード
103 クッションテープ
104 樹脂凸版
105 版胴
106 基板固定台
107 被印刷基板
108 インキチャンバー

Claims (5)

  1. 基板上に、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子が配置されると共に、これら有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動を制御する薄膜トランジスタが配置されて構成される有機エレクトロルミネッセンスディスプレイであって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、画素電極、有機発光層、対向電極をこの順に備えて構成される有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにおいて、
    有機エレクトロルミネッセンス素子の位置を発光画素部として、この発光画素部において、基板と画素電極との間に、絶縁層と半導体層とを、この順に備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  2. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにおいて、
    前記薄膜トランジスタが、前記基板上に設けられたゲート電極と、このゲート電極を被覆して設けられた絶縁層と、この絶縁層の上に設けられたチャネル層と、チャネル層の上に設けられたチャネル保護層と、このチャネル保護層の上に配置されたソース電極及びドレイン電極とを備えて構成されており、
    ゲート電極を被覆して設けられた前記絶縁層と、発光画素部において画素電極と有機発光層との間に設けられた前記絶縁層とが、同時に形成された単一の層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  3. 請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにおいて、
    薄膜トランジスタの前記チャネル層と、有機エレクトロルミネッセンス素子の位置において画素電極と有機発光層との間に設けられた前記半導体層とが、同時に形成された単一の層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにおいて、前記絶縁層は窒化シリコン薄膜もしくは酸化シリコン薄膜であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
  5. 基板上に、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子が配置されると共に、これら有機EL素子の駆動を制御する薄膜トランジスタが配置されて構成される有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの製造方法において、
    有機エレクトロルミネッセンス素子の位置を発光画素部、薄膜トランジスタの位置をトランジスタ部として、工程(a)〜(d)をこの順に行い、次に、工程(e)〜(h)を任意の順序で、かつ、矛盾を生じない順序で行うことにより、発光画素部において、画素電極と有機発光層との間に、絶縁層と半導体層とを、この順に備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを製造する方法。
    (a)絶縁層形成工程‥トランジスタ部と発光画素部の両者を被覆して絶縁層を形成する工程。
    (b)チャネル層・半導体層形成工程‥トランジスタ部と発光画素部の両者を半導体で被覆することにより、トランジスタ部にチャネル層を形成すると共に、発光画素部に半導体層を形成する工程。
    (c)画素電極形成工程‥発光画素部の半導体層の上に画素電極を形成する工程。
    (d)オーミックコンタクト層形成工程‥チャネル層及び画素電極の上にこれらを被覆してオーミックコンタクト層を形成する工程。
    (e)ソース・ドレイン電極形成工程‥オーミックコンタクト層の上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程。
    (f)オーミックコンタクト層パターニング工程‥発光画素部の半導体層のうち、画素電極で保護された部位を残存させたまま、発光画素部のオーミックコンタクト層を除去する工程。
    (g)有機発光層形成工程‥画素電極の上に有機発光層を形成する工程。
    (h)対向電極形成工程‥有機発光層上に対向電極を形成する工程。
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