JP2015063934A - オイルポンプ装置およびリリーフ弁 - Google Patents

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宏仁 寺島
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Abstract

【課題】複雑な加工形状を有することなく製造することが可能で、かつ、オイルのリリーフ性能を向上させることが可能なオイルポンプ装置およびリリーフ弁を提供する。
【解決手段】このオイルポンプ装置100は、オイル1を吸い込むとともに吐出するオイルポンプ本体10と、オイルポンプ本体10の吐出経路6に設けられ、吐出経路6の圧力に応じてリリーフ経路7の開閉を行うリリーフ弁20とを備える。リリーフ弁20は、リリーフ経路7の開閉を行う弁体21と、弁体21を閉位置と開位置とに移動可能に収容する弁体収容部22と、弁体21を閉位置側に付勢するスプリング23と、スプリング23により付勢された弁体21を閉位置に着座させるピン30とを含む。そして、弁体収容部22は、吐出経路6側の端部に設けられ、弁体21の胴部21bの外径D1よりも微小量だけ大きい内径D2を有する油圧導入穴部22bを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、オイルポンプ装置およびリリーフ弁に関し、特に、オイルポンプ本体とリリーフ経路の開閉を行うリリーフ弁とを備えたオイルポンプ装置およびリリーフ弁に関する。
従来、オイルポンプ本体とリリーフ経路の開閉を行うリリーフ弁とを備えたオイルポンプ装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、円筒状に形成されたケーシング(弁体収容部)と、ケーシング内に摺動可能に組み込まれたプランジャ(弁体)と、プランジャを吐出経路側に付勢するスプリング(付勢部材)とを含む潤滑油の圧力調整装置(リリーフ弁)を備えた潤滑油ポンプ(オイルポンプ装置)が開示されている。この特許文献1に記載の潤滑油ポンプには、吐出経路側となるケーシング内部と潤滑油ポンプの吸入側とを連通させるリリーフ経路が設けられており、潤滑油の吐出圧力とスプリングの付勢力との差に応じてプランジャがケーシング内を移動することによりリリーフ経路の開閉が行われる。なお、吐出圧力が所定値に満たない場合、プランジャはスプリングの付勢力によってケーシング内におけるリリーフ経路を閉じるように構成されている。この場合、ケーシングは、吐出経路に開口する端部が縮径された着座部を有しており、この縮径された着座部の内壁にプランジャの先端部(外周縁部)が当接することによって、プランジャが吐出経路に飛び出すことなくケーシング内に着座(保持)されるように構成されている。
実用新案登録第1965810号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された潤滑油ポンプにおける圧力調整装置では、ケーシング(弁体収容部)の吐出経路に開口する端部が縮径されて着座部が形成されているため、オイル(潤滑油)のリリーフ時に、吐出経路からケーシング内部へ圧送されるオイルが、縮径された着座部を通過する際に絞られる。このため、流路断面積を狭める着座部がオイルの流動抵抗となる分、リリーフ弁のリリーフ性能を悪化させてしまうという問題点がある。また、吐出経路側の端部を縮径してケーシング(弁体収容部)に着座部を設けるとともに、着座部の形状に合わせてプランジャ(弁体)の先端形状を加工する必要があるため、リリーフ弁の形状が複雑になるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複雑な加工形状を有することなく製造することが可能で、かつ、オイルのリリーフ性能を向上させることが可能なオイルポンプ装置およびリリーフ弁を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるオイルポンプ装置は、オイルを吸い込むとともに吐出するオイルポンプ本体と、オイルポンプ本体の吐出経路に設けられ、吐出経路の圧力に応じてリリーフ経路の開閉を行うリリーフ弁と、を備え、リリーフ弁は、リリーフ経路の開閉を行う弁体と、弁体を閉位置と開位置とに移動可能に収容する弁体収容部と、弁体を閉位置側に付勢する付勢部材と、付勢部材により付勢された弁体を閉位置に着座させる着座部と、を含み、弁体収容部は、吐出経路側の端部に設けられ、弁体の胴部の外径以上の内径を有する油圧導入穴部を有する。
この発明の第1の局面によるオイルポンプ装置では、上記のように、リリーフ弁が弁体と、弁体収容部と、弁体を閉位置に着座させる着座部とを含み、弁体収容部を、吐出経路側の端部に設けられ弁体の胴部の外径以上の内径を有する油圧導入穴部を有するように構成することによって、吐出経路と弁体収容部との接続部分となる油圧導入穴部を弁体の胴部の外径よりも小さく形成する場合と異なり、油圧導入穴部の内径が弁体の胴部の外径以上であることによって流路断面積は縮小されないので、リリーフ時に油圧導入穴部を通過するオイルの流動に絞りが生じない。すなわち、油圧導入穴部における流路の絞りに起因したオイルの流動抵抗が発生しない。また、流路断面積が縮小されないので、弁体収容部自体も簡素な構成となる。その結果、複雑な加工形状を有することなくリリーフ弁の弁体収容部を製造することができるとともに、オイルポンプ装置におけるオイルのリリーフ性能を向上させることができる。
また、上記第1の局面によるオイルポンプ装置では、オイルのリリーフ性能を向上させることができるので、効率よくオイルを吸入側に戻すことができる。すなわち、オイルポンプ本体を駆動する駆動源の負荷(損失)を低減することができる。さらには、リリーフ性能が向上される分、弁体のサイズをより小型化することも可能となり、オイルポンプ本体に占めるリリーフ弁の小型化を図ることができる。
上記第1の局面によるオイルポンプ装置において、好ましくは、弁体収容部は、少なくとも油圧導入穴部からリリーフ経路のリリーフ穴までの部分で同一の内径を有する。このように構成すれば、少なくとも吐出経路と弁体収容部との接続部分となる油圧導入穴部からリリーフ経路へオイルが流れ込む弁体収容部のリリーフ穴までの区間において、弁体収容部の内径が一定となり流路断面積は縮小されないので、絞りに起因した流体(オイル)の流動抵抗が発生しない。これにより、リリーフ弁を作動させた際のオイルのリリーフ性能をより向上させることができる。
上記第1の局面によるオイルポンプ装置において、好ましくは、弁体の先端面は、平坦面からなるとともに吐出経路側から見て円形状の外形形状を有する。このように構成すれば、弁体の先端面や先端面の外周縁部に複雑な凹凸形状(溝形状など)を形成する必要がないので、リリーフ弁の弁体を複雑な加工形状を有することなく製造することができる。
上記第1の局面によるオイルポンプ装置において、好ましくは、着座部は、弁体収容部の外側に設けられている。このように構成すれば、弁体収容部の外側に設けられた着座部によってリリーフ時にオイルが流れ込む弁体収容部の内部の流路断面積が着座部の配置の影響を受けて縮小されることがない。したがって、リリーフ弁に着座部を設けていても着座部に起因して流体(オイル)の流動抵抗が発生しない分、リリーフ性能の向上を確実に達成することができる。
この場合、好ましくは、着座部は、弁体収容部の外側の吐出経路に設けられている。このように構成すれば、着座部を油圧導入穴部に設けることなく吐出経路のうち弁体収容部により近い領域に配置することができるので、リリーフ時に着座部が油圧導入穴部における流体(オイル)の流れに顕著な影響を与えるのを抑制することができる。
上記第1の局面によるオイルポンプ装置において、好ましくは、着座部は、少なくとも弁体の先端面のうちの外周縁部よりも内側の部分に当接するように構成されている。このように構成すれば、付勢部材により付勢された弁体が閉位置に移動された際に、弁体の先端面のうちの外周縁部よりも内側の部分にまでせり出した着座部によって弁体を先端面の中央部近傍領域で確実に受け止めることができるので、弁体を確実に閉位置に着座させることができる。
この場合、好ましくは、着座部は、弁体の先端面の外周縁部に交差するように延びるとともに、弁体の閉位置において弁体の先端面のうちの外周縁部よりも内側の部分に当接するように配置されたピンまたは第1凸部を含む。このように構成すれば、弁体の先端面の外周縁部に交差しかつ外周縁部よりも内側の部分に当接するピンまたは第1凸部を用いて、移動する弁体の先端面の外周縁部と内側の部分との両方を介して弁体を安定的に受け止めることができる。これにより、弁体を容易にかつ確実に閉位置に着座させることができる。
上記着座部がピンまたは第1凸部を含む構成において、好ましくは、着座部は、ピンであり、ピンは、着座部としての機能に加えて、オイルポンプ本体を構成する第1ハウジングと第2ハウジングとの相対的な位置決め機能も有する。このように構成すれば、ピンが着座部としての機能と位置決め機能とを兼ねるので、着座部用のピンに加えて位置決め用のピンを別途設ける場合と比較して、オイルポンプ装置の部品点数が増加するのを抑制することができる。
上記着座部がピンまたは第1凸部を含む構成において、好ましくは、着座部は、第1凸部であり、第1凸部は、オイルポンプ本体を構成する第1ハウジングと第2ハウジングとのいずれか一方に一体的に設けられている。このように構成すれば、第1凸部を第1ハウジングまたは第2ハウジングとは別部材として構成する場合と異なり、第1ハウジングまたは第2ハウジングの一部が弁体の着座部の機能を兼ねるので、オイルポンプ本体の部品点数が増加するのを抑制することができる。
上記第1の局面によるオイルポンプ装置において、好ましくは、着座部は、弁体の先端面から吐出経路側に突出するように弁体に一体的に設けられ、弁体の閉位置において、オイルポンプ本体を構成する第1ハウジングまたは第2ハウジングの内壁面に当接する第2凸部を含む。このように構成すれば、弁体に一体的に設けられた第2凸部によって、付勢部材により付勢された弁体が閉位置に移動された際の弁体自身の着座を容易に行うことができる。また、第2凸部を含む弁体を弁体収容部に組み込むだけでリリーフ弁に弁体の着座機能が兼ね備わるので、第2凸部を別部材として構成して弁体に組み込むような場合と異なり、部品点数の増加を抑制しつつリリーフ弁を容易に製造することができる。
この発明の第2の局面におけるリリーフ弁は、オイルを吐出する吐出経路に設けられ、吐出経路の圧力に応じてリリーフ経路の開閉を行う弁体と、弁体を閉位置と開位置とに移動可能に収容する弁体収容部と、弁体を閉位置側に付勢する付勢部材と、付勢部材により付勢された弁体を閉位置に着座させる着座部と、を備え、弁体収容部は、吐出経路側の端部に設けられ、弁体の胴部の外径以上の内径を有する油圧導入穴部を含む。
この発明の第2の局面によるリリーフ弁では、上記のように、リリーフ弁が弁体と、弁体収容部と、弁体を閉位置に着座させる着座部とを備え、弁体収容部を、吐出経路側の端部に設けられ弁体の胴部の外径以上の内径を有する油圧導入穴部を含むように構成することによって、吐出経路と弁体収容部との接続部分となる油圧導入穴部を弁体の胴部の外径よりも小さく形成する場合と異なり、油圧導入穴部の内径が弁体の胴部の外径以上であることによって流路断面積は縮小されないので、リリーフ時に油圧導入穴部を通過するオイルの流動に絞りが生じない。すなわち、油圧導入穴部における流路の絞りに起因したオイルの流動抵抗が発生しない。また、流路断面積が縮小されないので、弁体収容部自体も簡素な構成となる。その結果、複雑な加工形状を有することなくリリーフ弁の弁体収容部を製造することができるとともに、オイルポンプ装置におけるオイルのリリーフ性能を向上させることができる。
また、上記第2の局面によるリリーフ弁では、オイルのリリーフ性能を向上させることができるので、効率よくオイルを吸入側に戻すことができる。すなわち、このリリーフ弁を備えたオイルポンプ本体を駆動する駆動源の負荷(損失)を低減することができる。さらには、リリーフ性能が向上される分、弁体のサイズをより小型化することも可能となり、オイルポンプ本体に占めるリリーフ弁の小型化を図ることができる。
なお、本出願では、上記第1の局面によるオイルポンプ装置において、以下のような構成も考えられる。
(付記項)
すなわち、上記第1の局面によるオイルポンプ装置において、着座部は、弁体収容部の外側に設けられており、弁体の閉位置において弁体の先端面が着座部に当接した状態で、弁体の先端面が吐出経路の油圧導入穴部側の内壁面の近傍に配置されるように構成されている。このように構成すれば、弁体の吐出経路側の先端面を油圧導入穴部の端部(油圧導入穴部が吐出経路に開口する開口端部)の近傍に配置した状態で状態で弁体を閉位置に着座させることができる。これにより、弁体の着座時に吐出経路に弁体の先端面が大きく突出するような大きな凸形状の内壁面が形成されるのが抑制されるので、吐出経路におけるオイルの流動抵抗が増加するのを抑制することができる。
本発明によれば、上記のように、複雑な加工形状を有することなく製造することが可能で、かつ、オイルのリリーフ性能を向上させることが可能なオイルポンプ装置およびリリーフ弁を提供することができる。
本発明の第1実施形態によるオイルポンプ装置の全体構成を示した図である。 本発明の第1実施形態によるオイルポンプ装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第1実施形態によるオイルポンプ装置におけるリリーフ弁周辺の構成を示した拡大断面図である。 本発明の第1実施形態によるオイルポンプ装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第1実施形態によるオイルポンプ装置におけるリリーフ弁の性能および実施形態に対する比較例としてのオイルポンプ装置におけるリリーフ弁の性能を示した図である。 本発明の第1実施形態の変形例によるオイルポンプ装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第2実施形態によるオイルポンプ装置の全体構成を示した図である。 本発明の第2実施形態によるオイルポンプ装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第2実施形態によるオイルポンプ装置におけるリリーフ弁周辺の構成を示した拡大断面図である。 本発明の第2実施形態によるオイルポンプ装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第3実施形態によるオイルポンプ装置におけるリリーフ弁周辺の構成を示した拡大断面図である。 本発明の第3実施形態によるオイルポンプ装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第4実施形態によるオイルポンプ装置の全体構成を示した図である。 本発明の第5実施形態によるオイルポンプ装置におけるリリーフ弁周辺の構成を示した拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態によるオイルポンプ装置100の構成について説明する。なお、図1では、オイルポンプ装置100を構成する主な構成要素に対して符号を付しており、図2〜図4において、リリーフ弁20まわりの詳細な構成(構造)に対して符号を付している。
本発明の第1実施形態によるオイルポンプ装置100は、図2に示すように、エンジン(内燃機関)90を備えた自動車(図示せず)に搭載されており、オイルパン91内のオイル(エンジンオイル)1をピストン92まわりやクランクシャフト93などの可動部に供給する機能を有している。具体的には、オイルポンプ装置100は、オイル1を吸い込むとともに吐出するオイルポンプ本体10を備えている。
オイルポンプ本体10は、図1に示すように、内接ギアタイプであるトロコイド式のオイルポンプとして構成されており、アルミニウム合金製のケーシング2と、ケーシング2内に回転可能に設けられたインナロータ11およびアウタロータ12と、ケーシング2を覆うアルミニウム合金製のカバー3(図3参照)とを含んでいる。インナロータ11には、エンジン90(図2参照)の駆動力が伝達されるように構成されており、インナロータ11が矢印P方向に回転すると、アウタロータ12も同じ方向に回転される。この際、両ロータの歯11a(山)と歯12a(谷)の間にできる空間Sの容積が両ロータの回転に伴って増減される。したがって、空間Sの極小値から極大値への容積変化に伴い空間Sの圧力が低下するのに合わせてオイル1がオイルポンプ本体10に吸引され、空間Sの極大値から極小値への容積変化に伴い空間Sの圧力が増加するのに合わせて吸引されたオイル1がオイルポンプ本体10外に吐出される。なお、ケーシング2およびカバー3は、それぞれ、本発明の「第1ハウジング」および「第2ハウジング」の一例である。
また、図1および図2に示すように、オイルポンプ本体10内には、オイル1が吸入される吸入ポート4と、オイル1を吐出する吐出ポート5と、吐出ポート5に接続される吐出経路6と、吐出経路6と吸入ポート4とを連通可能に構成されたリリーフ経路7とが設けられている。したがって、オイルポンプ本体10は、オイル1をオイルパン91(図2参照)から吸入ポート4を介して吸引するとともに所定の油圧を発生させた状態で吐出ポート5から吐出する機能を有している。そして、オイル1は、吐出経路6を介してオイルフィルタ(図示せず)に向けて圧送される。また、オイルフィルタを通過して異物が除去されたオイル1は、エンジン90内の可動部(摺動部)に給油される。
なお、オイルポンプ本体10における吸入ポート4、吐出ポート5、吐出経路6およびリリーフ経路7を含むオイル1の流路は、ケーシング2(図1参照)にカバー3(図3参照)が取り付けられた状態で各々が所定の流路形状を有して形成されている。
また、オイルポンプ本体10には、吐出ポート5から吐出されるオイル1の圧力が規定値以上になると作動するリリーフ弁20が設けられている。リリーフ弁20は、吐出経路6とリリーフ経路7とを接続する部分に配置されており、リリーフ弁20は、吐出経路6の圧力(オイル1の圧力)に応じてリリーフ経路7の開閉を行う機能を有している。
具体的には、図4に示すように、オイル1の圧力が規定値以上になるとリリーフ弁20が作動することにより、リリーフ経路7が開かれる。そして、規定値以上の圧力をもたらす余分なオイル1がリリーフ経路7を介してオイルポンプ本体10の吸入ポート4に戻される。これにより、オイル1の吐出圧力が調整される。リリーフ弁20が設けられる理由としては、オイルポンプ本体10により圧送されるオイル1の搬送量がエンジン90の回転速度(回転数)に比例して多くなるため、リリーフ弁20は、高回転時に油圧が必要以上に上昇して潤滑経路にオイル漏れや破損が生じるのを防ぐためである。また、エンジン90の低温始動時においては、オイル1の粘度の上昇とともに油圧が非常に増大するとともにオイルポンプ本体10の抵抗が増加して破損する虞がある。リリーフ弁20は、このような場合にも作動して油圧を規定値以内に維持することによりオイルポンプ本体10の破損を防止する目的も有している。
また、オイルポンプ装置100は、リリーフ時にリリーフ経路7を介してオイル1が吸入ポート4に戻される「内リリーフ構造」を有している。なお、動作説明を後述するが、エンジン90の回転数が下がってオイル1の圧力が規定値未満になった場合には、図2に示すように、リリーフ弁20が閉じられることによってオイルポンプ本体10から吐出される全てのオイル1が吐出経路6を流通してオイルフィルタ(図示せず)へと圧送される。以下に、リリーフ弁20の構造をより詳細に説明する。
リリーフ弁20は、図2に示すように、弁体21と、弁体21を収容する弁体収容部22と、弁体21を閉位置側(吐出経路6側)に付勢するコイル状のスプリング23とを含んでいる。弁体収容部22は、ケーシング2に中心線150に沿って軸穴状に形成されており、弁体21が内部で軸方向に移動可能となるように構成されている。なお、弁体収容部22の内径D2は、弁体21の外径D1よりも微小量だけ大きく形成されており、弁体21の外側面(胴部21b)が弁体収容部22の内側面に対して滑らかに摺動するように構成されている。これにより、弁体21は、弁体収容部22内において後述するリリーフ経路7を閉じる閉位置(図2参照)とリリーフ経路7を開ける開位置(図4参照)との間で中心線150に沿って移動可能に収容されている。なお、スプリング23は、本発明の「付勢部材」の一例である。
また、弁体収容部22は、吐出経路6とリリーフ経路7とを接続している。これにより、弁体収容部22の一部がリリーフ時(図4参照)にオイル1の流路となるように構成されている。また、弁体収容部22は、中心線150に沿って長手方向(軸穴方向)に延びる内側面22aと、内側面22aの一方端が吐出経路6側に開口する部分に設けられた油圧導入穴部22bと、内側面22aの他方端を塞ぐ平坦面からなる底部22cと、内側面22aの所定位置に形成されたリリーフ穴22dとを有している。ここで、リリーフ穴22dは所定の内径を有して内側面22aに1箇所だけ設けられている。したがって、吐出経路6は、油圧導入穴部22bを介して弁体収容部22に接続されるとともに、リリーフ経路7は、リリーフ穴22dを介して弁体収容部22の内側面22aに接続されている。
また、弁体21は、図2に示すように、吐出経路6に面する一方側に形成された先端面21aと、先端面21aの外周縁部21eから後方に向かって直線状でかつ円周状に延びる胴部21bと、胴部21bの内側に凹部21cとを有している。すなわち、弁体21は、先端面21aおよび円周状の胴部21bを残して内部がくり抜かれた簡素な形状を有している。この場合、受圧面となる弁体21の先端面21aと平行な面に沿った断面形状は、円環状(リング状)に形成されている。
また、リリーフ弁20は、弁体収容部22の底部22cと弁体21の凹部21cとの間にスプリング23が嵌め込まれた状態で弁体21の先端面21aを手前側(吐出経路6に面する側)にして弁体収容部22に挿入されている。そして、弁体21の胴部21bが弁体収容部22の内側面22aに対して中心線150に沿って摺動することにより、弁体21は、リリーフ穴22dを閉じる閉位置(図2参照)と、リリーフ穴22dを開ける開位置(図4参照)との間を移動される。ここで、弁体21は、図2に示す非動作時にはスプリング23によりオイル1の圧力に抗する矢印Q1方向に付勢されている。また、オイル1の圧力が規定値以上になりスプリング23の付勢力を超えた場合、図4に示すように、弁体21は、先端面21aを介してオイル1の圧力を受けることにより矢印Q2方向に移動される。
ここで、第1実施形態では、図1および図2に示すように、弁体収容部22の油圧導入穴部22bは、弁体21の胴部21bの外径D1よりも微小量だけ大きい内径D2を有している。すなわち、弁体収容部22の内側面22aは、少なくとも油圧導入穴部22bからリリーフ経路7のリリーフ穴22dまでの区間において同一の内径D2を有している。言い換えると、弁体収容部22は、吐出経路6と弁体収容部22との接続部分となる油圧導入穴部22bの先端部(開口端部)において矢印Q1方向に沿って内径D2が縮径されないように内側面22aが形成されている。これにより、吐出経路6と弁体収容部22との接続部分となる油圧導入穴部22bからリリーフ経路7へオイル1が流れ込む弁体収容部22のリリーフ穴22dまでの区間においては弁体収容部22の流路断面積は縮小されていない。
また、第1実施形態では、弁体21の先端面21aは平坦面からなるとともに、先端面21aは、吐出経路6側(油圧導入穴部22b側)から矢印Q2方向(図4参照)に見て円形状の外形形状を有している。したがって、弁体21は、中心線150まわりの回転角度には何ら制限が設けられることなく弁体収容部22に収容されるように構成されている。
また、オイルポンプ本体10においては、図3に示すように、ケーシング2にインナロータ11およびアウタロータ12(図1参照)が配置された状態でカバー3が被せられる。また、ケーシング2およびカバー3の外周部にはそれぞれボルト穴2aおよび3aが形成されており、カバー3は図示しない複数のボルトを用いてケーシング2に取り付けられている。なお、図2においては、ボルト穴3aを除いてケーシング2の紙面手前側に配置されるカバー3の図示を省略している。
また、カバー3をケーシング2に固定する際、ケーシング2に対してカバー3が適正な位置に配置されるように、ケーシング2とカバー3との間に位置決め用のピン30が挟み込まれるように構成されている。ピン30は、断面が円形状を有し、かつ、直線状(棒状)に延びたステンレス製または鉄製の部材であり、ピン30がケーシング2およびカバー3の所定位置に形成された穴部2bおよび3b(図3参照)に挿入されることによりケーシング2に対するカバー3の位置決めが図られる。なお、ピン30は、本発明の「着座部」の一例である。
ここで、第1実施形態では、このケーシング2とカバー3との相対的な位置決め機能を有するピン30を利用して、リリーフ弁20の非作動時(非リリーフ時)に弁体21を所定位置に着座させるように構成されている。
すなわち、ピン30は、図1および図3に示すように、ケーシング2(カバー3)における軸穴状の弁体収容部22よりも外側でかつ吐出経路6が形成されている領域に配置されている。また、ピン30は、図3に示すように、弁体21の先端面21aの外周縁部21eに対して交差(直交)するようにY1方向(Y2方向)に沿って延びている。したがって、スプリング23によりオイル1の圧力に抗する矢印Q1方向に付勢された弁体21は、弁体21の閉位置においては、先端面21aの最大直径方向(Y方向)の全領域に渡ってピン30の中心軸まわりの側面30aが当接する。これにより、リリーフ弁20の非動作時には、弁体21が安定的に閉位置に着座(保持)されるように構成されている。
また、第1実施形態では、弁体21の閉位置において弁体21の先端面21aがピン30の側面30aに当接した状態で、弁体21の先端面21aが吐出経路6の油圧導入穴部22b側の内壁面6aの近傍に配置される。この場合、先端面21aと内壁面6aとは連続性を有して同一面内に配置されている。したがって、弁体21の着座時には、吐出経路6に弁体21の先端面21aが吐出経路6中に突出するような凸形状の内壁面6aが形成されないように構成されている。これにより、内壁面6aの形状に起因して吐出経路6におけるオイル1の流動抵抗が増加するのが抑制されている。
また、上記のように構成されることにより、オイルポンプ装置100は、以下のような動作特性(リリーフ特性)を有している。
オイルポンプ装置100の動作特性の一例として、エンジン90の回転数(横軸)に対するオイルポンプ本体10から吐出されるオイル1の吐出圧力(縦軸)の特性を図5に示す。なお、図5には、オイルポンプ装置100の動作特性に加えて、比較例としての従来のオイルポンプ装置の動作特性(リリーフ特性)を示す。なお、比較例(従来例)としてのオイルポンプ装置では、弁体収容部の吐出経路6側の先端部(開口端部)が弁体収容部の内部に対して縮径されており、リリーフ弁の非動作時には、この縮径された先端部(開口端部)に弁体の先端部が当接して着座(保持)される構造を有している。
図5に示すように、エンジン90(図2参照)の低回転域においては、回転数の増加とともにオイル1(図2参照)の吐出圧力も増加する。すなわち、約500回転/分〜約2200回転/分までの区間では、オイル1はリリーフされない。したがって、オイル1は、図2に示した吐出経路6のみを流れる。そして、この例では、エンジン90の回転数が約2200回転/分に達した際に、オイルポンプ装置100の吸込み側へのリリーフが開始される。そして、エンジン90の回転数が約2200回転/分以上の区間では、オイル1の吐出圧力(吐出経路6の油圧)が大きくなり、スプリング力に打ち勝つためリリーフ弁20は矢印Q2方向に徐々に移動される。したがって、オイル1は、図4に示すように吐出経路6のみならず、その一部が油圧導入穴部22bを介して弁体収容部22へと導かれリリーフ穴22dからリリーフ経路7を介してオイルポンプ本体10の吸入ポート4に戻される。
ここで、図5に示すように、比較例のオイルポンプ装置においても、約2200回転/分を境としてリリーフ弁が閉状態から開状態に切り替えられる。そして、リリーフ後のオイル1の吐出圧力は、破線を用いて記載したグラフBで示す特性を有する。これに対して、第1実施形態におけるオイルポンプ装置100の場合には、リリーフ弁20の作動後のオイル1の吐出圧力は、実線を用いて記載したグラフAで示す特性を有する。ここに、グラフAは、グラフBよりもグラフの傾きが小さい。すなわち、オイルポンプ装置100におけるリリーフ弁20作動後のオイル1の吐出圧力は、比較例におけるオイルポンプ装置のリリーフ後のオイル1の吐出圧力よりも低減されている。
オイルポンプ装置100がグラフAに示されるリリーフ特性を有する理由を説明する。すなわち、リリーフ弁20では、油圧導入穴部22bの内径D2が弁体21の胴部21bの外径D1よりも微小量だけ大きいことによって流路断面積は縮小されないので、リリーフ時に油圧導入穴部22bを通過するオイル1の流動に絞りが生じない。言い換えると、油圧導入穴部22bにおける流路の絞りに起因したオイル1の流動抵抗が発生しない。これとは反対に、比較例におけるリリーフ弁では、弁体収容部の吐出経路6側の先端部(開口端部)が弁体収容部の内部に対して縮径されており、この部分で流路断面積が縮小されるので、リリーフ時に弁体収容部の吐出経路6側の端部を通過するオイル1の流動に絞りが生じる。したがって、比較例(グラフB)では、絞りに起因したオイル1の流動抵抗の分、リリーフ時のリリーフ性能が悪化する(吐出圧力を低減させる効果の度合いが小さい)結果を示している。このように、オイルポンプ装置100(グラフA)では、油圧導入穴部22bを通過するオイル1の流動に絞りが生じず流動抵抗が比較例よりも減少される分、リリーフ性能が向上されている(吐出圧力を低減させる効果の度合いが大きい)結果を示している。
また、グラフB(比較例)を基準とした場合にグラフAのリリーフ特性を有するようにオイルポンプ装置100のリリーフ性能が改善(向上)されることは、より少ないポンプ動力でオイルポンプ本体10を駆動することができる。オイルポンプ本体10におけるインナロータ11(図1参照)はエンジン90の駆動力が伝達されるので、ポンプ動力の低減はエンジン90の負荷(損失)の低減にも寄与し、燃料消費率の向上につながる。
また、オイルポンプ装置100のリリーフ性能が改善(向上)されることは、以下の点でも効果的である。すなわち、エンジン90を低温条件で始動させた際、オイル1の粘度が大きいことに起因して、吐出されるオイル1の油圧が非常に増大する。低温始動時においてもオイルポンプ装置100が優れたリリーフ性能を有することによって、吐出圧力を低減させる効果が大きい分、オイルポンプ本体10始動後のオイル1の油圧の急激な上昇を効果的に抑制することができる。また、リリーフ性能が向上されることによって、弁体21のサイズ(胴部21bの外径D1)をより小型化することも可能となり、オイルポンプ本体10に占めるリリーフ弁20の小型化にも寄与する。第1実施形態におけるオイルポンプ装置100は、上記のように構成されている。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、第1実施形態では、上記のように、リリーフ弁20が弁体21と、弁体収容部22と、弁体21を閉位置に着座させるピン30とを含み、弁体収容部22を、吐出経路6側の端部に設けられ弁体21の胴部21bの外径D1よりも微小量だけ大きい内径D2を有する油圧導入穴部22bを有するように構成することによって、吐出経路6と弁体収容部22との接続部分となる油圧導入穴部22bを弁体21の胴部21bの外径D1よりも小さく形成する場合と異なり、油圧導入穴部22bの内径D2が弁体21の胴部21bの外径D1よりも微小量だけ大きいことによって流路断面積は縮小されないので、リリーフ時に油圧導入穴部22bを通過するオイル1の流動に絞りが生じない。すなわち、油圧導入穴部22bにおける流路の絞りに起因したオイル1の流動抵抗が発生しない。また、流路断面積が縮小されないので、弁体収容部22自体も簡素な構成となる。その結果、複雑な加工形状を有することなくリリーフ弁20の弁体収容部22を製造することができるとともに、オイルポンプ装置100におけるオイル1のリリーフ性能を向上させることができる。
また、第1実施形態では、オイルポンプ装置100のリリーフ性能が向上される(吐出圧力を低減させる効果の度合いが大きい)ことによって、効率よくオイル1を吸入側に戻すことができる。すなわち、インナロータ11を回転させるエンジン90の負荷(損失)を低減することができるので、エンジン90の燃料消費率の向上を図ることができる。
また、第1実施形態では、油圧導入穴部22bからリリーフ経路7のリリーフ穴22dまでの部分で同一の内径D2を有するように弁体収容部22を構成する。これにより、少なくとも吐出経路6と弁体収容部22との接続部分となる油圧導入穴部22bからリリーフ経路7へオイル1が流れ込む弁体収容部22のリリーフ穴22dまでの区間において、弁体収容部22の内径D2が一定となり流路断面積は縮小されないので、絞りに起因したオイル1の流動抵抗が発生しない。したがって、リリーフ弁20を作動させた際のオイル1のリリーフ性能をより向上させることができる。また、リリーフ性能がより向上される分、弁体21のサイズ(胴部21bの外径D1)をより小型化することも可能となり、オイルポンプ本体10に占めるリリーフ弁20の小型化を図ることができる。
また、第1実施形態では、平坦面からなるとともに吐出経路6側から見て円形状の外形形状を有するように弁体21の先端面21aを構成する。これにより、弁体21の先端面21aや先端面21aの外周縁部21eに溝形状などの複雑な凹凸形状を形成する必要がないので、リリーフ弁20の弁体21を複雑な加工形状を有することなく製造することができる。
また、第1実施形態では、ピン30に弁体21を着座させる機能を持たせている。そして、ピン30は弁体21の着座機能に加えて、オイルポンプ本体10を構成するケーシング2とカバー3との相対的な位置決め機能も有する。これにより、ピン30が着座部としての機能と位置決め機能とを兼ねるので、着座部用のピン30に加えて位置決め用のピンを別途設ける場合と比較して、オイルポンプ装置100の部品点数が増加するのを抑制することができる。また、弁体21の着座部として使用するリリーフ弁20の一構成要素であるピン30を、ケーシング2とカバー3との相対的な位置決め用の部材としてもオイルポンプ本体10の組み立て時に有効に利用することができる。
また、第1実施形態では、ピン30を弁体収容部22の外側に設ける。これにより、弁体収容部22の外側に設けられたピン30によってリリーフ時にオイル1が流れ込む弁体収容部22の内部の流路断面積がピン30の配置の影響を受けて縮小されることがない。したがって、リリーフ弁20にピン30を設けていてもピン30に起因してオイル1の流動抵抗が発生しない分、リリーフ性能の向上を確実に達成することができる。
また、第1実施形態では、ピン30を弁体収容部22の外側の吐出経路6に設ける。これにより、ピン30を油圧導入穴部22bに設けることなく吐出経路6のうち弁体収容部22により近い領域に配置することができるので、リリーフ時にピン30が油圧導入穴部22bにおけるオイル1の流れに顕著な影響を与えるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、ピン30は、弁体21の先端面21aの外周縁部21eに交差するように延びており、弁体21の閉位置において弁体21の先端面21aの全体に渡って側面30aが当接するようにピン30を配置する。これにより、スプリング23により付勢された弁体21が閉位置に移動された際に、弁体21の先端面21aのうちの外周縁部21eよりも内側の部分にまでせり出したピン30(側面30a)によって弁体21を先端面21aの中央部近傍領域を介して確実に受け止めることができるので、弁体21が先端面21aの外周縁部21eのみによってピン30に受け止められるような場合と異なり、移動する弁体21を確実かつ安定的に受け止めることができる。また、この際、側面30aが弁体21の先端面21aの外周縁部21eに交差しかつ外周縁部21eよりも内側の部分に当接するピン30を用いて、移動する弁体21の先端面21aの外周縁部21eと内側の部分との両方を介して弁体21を安定的に受け止めることができる。これにより、弁体21を容易にかつ確実に閉位置に着座させることができる。
また、第1実施形態では、弁体21の閉位置において弁体21の先端面21aがピン30の側面30aに当接した状態で、弁体21の先端面21aが吐出経路6の油圧導入穴部22b側の内壁面6aの近傍に配置されるように構成する。また、この場合、先端面21aと内壁面6aとは連続性を有して同一面内に配置される。これにより、弁体21の吐出経路6側の先端面21aを油圧導入穴部22bの端部(油圧導入穴部22bが吐出経路6に開口する開口端部)に揃えた状態で弁体21を閉位置に着座させることができる。すなわち、弁体21の着座時に吐出経路6に弁体21の先端面21aが大きく突出するような大きな凸形状の内壁面6aが形成されるのが抑制されるので、吐出経路6におけるオイル1の流動抵抗が増加するのを抑制することができる。また、ピン30を吐出経路6における弁体収容部22(油圧導入穴部22b)の近傍領域に配置することができるので、弁体収容部22の内部を移動する弁体21を閉位置に容易に着座させることができる。
(第1実施形態の変形例)
次に、図2および図6を参照して、第1実施形態の変形例について説明する。この第1実施形態の変形例では、リリーフ経路7がオイルポンプ本体10の吸入ポート4に接続された上記第1実施形態におけるオイルポンプ装置100(図2参照)とは異なり、リリーフ経路7aがオイルパン91に対して接続されるようにオイルポンプ装置110を構成した例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
すなわち、第1実施形態の変形例におけるオイルポンプ装置110では、図6に示すように、オイルポンプ本体110におけるリリーフ経路7aは、一方端がリリーフ穴22dを介して弁体収容部22に接続されるとともに、他方端(戻し口)がオイルパン91に連通している。したがって、オイルポンプ装置110は、オイル1の圧力が規定値以上になった場合にリリーフ経路7aを流通するオイル1がオイルパン91に戻される「外リリーフ構造」を有している。なお、オイル1の戻し先がオイルパン91である点を除いて、リリーフ弁20まわりの構造を含めたオイルポンプ装置110は、上記第1実施形態のオイルポンプ装置100(図2参照)と同様に構成されている。
第1実施形態の変形例では、上記のように、オイルポンプ装置110は、リリーフ経路7aの他方端(戻し口)がオイルパン91に連通した外リリーフ構造を有している。この場合においても、油圧導入穴部22bの内径D2が弁体21の胴部21bの外径D1以上に形成されているので、リリーフ時に油圧導入穴部22bを通過するオイル1の流動に絞りが生じず、リリーフ経路7aを用いたオイル1のリリーフ性能を向上させることができる。なお、第1実施形態の変形例のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態)
次に、図1および図7〜図10を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、位置決め用のピン30を用いて弁体21を着座させた上記第1実施形態におけるオイルポンプ装置100(図1参照)とは異なり、ピン30を設けない代わりに弁体221に着座用の凸部221dを一体的に設けてオイルポンプ装置200を構成した例について説明する。なお、凸部221dは、本発明の「第2凸部」および「着座部」の一例である。また、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第2実施形態によるオイルポンプ装置200は、図7に示すように、オイルポンプ本体210には、オイル1の吐出圧力が規定値以上になると作動するリリーフ弁220が設けられている。また、リリーフ弁220は、図8および図9に示すように、弁体221と、弁体221を収容する弁体収容部22と、弁体221を閉位置側(吐出経路6側)に付勢するスプリング23とを含んでいる。
ここで、第2実施形態では、弁体221には着座用の凸部221dが設けられている。凸部221dは、断面が円形状を有し、かつ、弁体221の先端面221aの中心部(中心線150の近傍領域)から吐出経路6側に棒状(ピン状)に突出するように弁体221に一体的に設けられている。そして、凸部221dは、弁体221の閉位置(図8参照)において、ケーシング2における吐出経路6の内壁面6bに当接するように構成されている。なお、弁体221の凸部221dを除く先端面221aは平坦面からなるとともに、先端面221aは、吐出経路6側(油圧導入穴部22b側)から矢印Q2方向(図10参照)に見て円形状の外形形状を有している。また、凸部221dの丸みを帯びた先端部が内壁面6bに当接した状態で、弁体221の先端面221aが吐出経路6の油圧導入穴部22b側の内壁面6aから飛び出すことなく内壁面6aと同じ位置(同一面内)に保持されるように構成されている。
これにより、オイルポンプ本体210では、図8に示すように、弁体221の胴部21bが弁体収容部22の内側面22aに対して中心線150に沿って摺動することにより、弁体221は、スプリング23により矢印Q1方向に付勢されてリリーフ穴22dを閉じる閉位置に移動される。この際、弁体221の凸部221dが内壁面6bに当接することによって着座される。また、弁体221は、図10に示すように、凸部221dを含む先端面221aを介して矢印Q2方向にオイル1の圧力を受けることによりリリーフ穴22dを開ける開位置に移動される。この場合も、リリーフ弁220では、油圧導入穴部22bの内径D2が弁体21の胴部21bの外径D1よりも微小量だけ大きいことによって流路断面積は縮小されないので、リリーフ時に油圧導入穴部22bを通過するオイル1の流動に絞りが生じない。なお、油圧導入穴部22bには弁体221の移動とともに凸部221dも矢印Q2方向に引き込まれるが、凸部221dはピン状に形成されているので、油圧導入穴部22bからリリーフ穴22dまでの区間におけるオイル1の流動抵抗は、油圧導入穴部22bにおいて弁体収容部22の内径D2が縮径されるような場合と比較しても非常に軽微である。なお、第2実施形態によるオイルポンプ装置200のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、弁体221の先端面221aから吐出経路6側に突出するように弁体221に一体的に設けられ、弁体221の閉位置において、ケーシング2における吐出経路6の内壁面6bに当接するように凸部221dを構成する。これにより、弁体221に一体的に設けられた凸部221dによって、スプリング23により付勢された弁体221が閉位置に移動された際の弁体221自身の着座を容易に行うことができる。また、凸部221dを含む弁体221を弁体収容部22に組み込むだけでリリーフ弁220に弁体221の着座機能が兼ね備わるので、凸部221dを別部材として構成し弁体221に組み込むような場合と異なり、部品点数の増加を抑制しつつリリーフ弁220を容易に製造することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図11および図12を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1実施形態と異なり、ケーシング2に着座用の凸部302cを一体的に設ける例について説明する。なお、凸部302cは、本発明の「第1凸部」および「着座部」の一例である。また、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第3実施形態によるオイルポンプ装置300は、図11に示すように、オイルポンプ本体310と、オイル1の吐出圧力が規定値以上になると作動するリリーフ弁320とを備えている。また、リリーフ弁320は、弁体21と、弁体21を閉位置と開位置とに移動可能に収容する弁体収容部22と、弁体21を閉位置側に付勢するスプリング23とを含んでいる。
ここで、第3実施形態では、オイルポンプ本体310を構成するケーシング302には着座用の凸部302cが設けられている。また、凸部302cは、図11に示すように、弁体収容部22の外側でかつ吐出経路6に設けられている。また、凸部302cは、断面が矩形形状(正方形状)を有し、かつ、ケーシング302から弁体21の先端面21aの外周縁部21eに対して交差(直交)するようにY2方向に沿って延びている。したがって、スプリング23によりオイル1の圧力に抗する矢印Q1方向に付勢された弁体21は、弁体21の閉位置においては、先端面21aの最大直径方向(Y方向)の約半分の領域に渡って凸部302cの平坦な上面302dが当接する。これにより、リリーフ弁320の非動作時には、弁体21が安定的に閉位置に着座(保持)されるように構成されている。また、弁体21の先端面21aが凸部302cの平坦な上面302dに当接した状態で、先端面21aが吐出経路6の油圧導入穴部22b側の内壁面6aから飛び出すことなく内壁面6aと同じ位置(同一面内)に保持されるように構成されている。なお、ケーシング302は、本発明の「第1ハウジング」の一例である。
これにより、オイルポンプ本体310では、図11に示すように、弁体21が弁体収容部22に対して摺動することにより、弁体21は、リリーフ穴22dを閉じる閉位置に移動される。この際、弁体21の先端面21aが凸部302c(上面302d)に当接することによって着座される。また、弁体21は、図12に示すように、凸部302cが当接した部分を除く先端面21aを介してオイル1の圧力を受けることによりリリーフ穴22dを開ける開位置に移動される。この場合も、リリーフ弁320では、油圧導入穴部22bの内径D2が弁体21の胴部21bの外径D1よりも微小量だけ大きいことによって流路断面積は縮小されないので、リリーフ時に油圧導入穴部22bを通過するオイル1の流動に絞りが生じない。なお、第3実施形態によるオイルポンプ装置300のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、オイルポンプ本体310を構成するケーシング302に一体的に凸部302cを設ける。これにより、凸部302cをケーシング302とは別部材として構成する場合と異なり、ケーシング302の一部が弁体21の着座部の機能を兼ねるので、オイルポンプ本体310の部品点数が増加するのを抑制することができる。
また、第3実施形態では、弁体21の先端面21aの外周縁部21eに交差するように延びるとともに、弁体21の閉位置において弁体21の先端面21aのうちの外周縁部21eよりも内側の部分に当接するように凸部302cを配置する。これにより、凸部302cを用いて、移動する弁体21の先端面21aの外周縁部21eと内側の部分との両方を介して弁体21を安定的に受け止めることができる。これにより、弁体21を容易にかつ確実に閉位置に着座させることができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
次に、図3および図13を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、上記第1実施形態と異なり、先端面421aに内側に窪む凹部421fが形成された弁体421を用いてリリーフ弁420を構成する例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第4実施形態によるオイルポンプ装置400は、図13に示すように、オイルポンプ本体410には、オイル1の吐出圧力が規定値以上になると作動するリリーフ弁420が設けられている。また、リリーフ弁420は、弁体421と、弁体421を収容する弁体収容部22と、弁体421を閉位置側に付勢するスプリング23とを含んでいる。また、オイルポンプ本体410には、ケーシング2とカバー3との位置決めを行うピン30が挟み込まれており、上記第1実施形態と同様にピン30を利用して、リリーフ弁420の非作動時に弁体421を所定位置(閉位置)に着座させるように構成されている。
ここで、第4実施形態では、弁体421の先端面421aは、内側に窪む凹部421fを有している。すなわち、凹部421fを含む先端面421aの表面積は、上記第1実施形態の弁体21の先端面21a(図3参照)よりも凹部421fの分だけ大きい。また、凹部421fの反対側(矢印Q2側)には、スプリング23が嵌め込まれる凹部21cが形成されている。また、弁体421の先端面421aは、凹部421fを除いた外周縁部421eのみが平坦でかつ円環状(リング状)に形成されている。
また、ピン30は、弁体421の先端面421aの外周縁部421eに対して交差(直交)するようにY1方向(Y2方向)に沿って延びている。この場合、ピン30は、先端面421aのY1側の外周縁部421eから凹部421fを跨いでY2側の外周縁部421eまで延びている。したがって、スプリング23によりオイル1の圧力に抗する矢印Q1方向に付勢された弁体421は、弁体421の閉位置においては、Y1側の外周縁部421eとY2側の外周縁部421eとの両方においてピン30の中心軸まわりの側面30aが当接する。これにより、リリーフ弁420の非動作時には、弁体421が安定的に閉位置に着座(保持)されるように構成されている。なお、第4実施形態によるオイルポンプ装置400のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態では、上記のように、弁体421の先端面421aに内側に窪む凹部421fを形成するとともに、弁体421の先端面421aを、凹部421fを除いた外周縁部421eのみが平坦でかつ円環状(リング状)に形成する。そして、弁体421の閉位置においては、Y1側の外周縁部421eとY2側の外周縁部421eとの両方においてピン30の中心軸まわりの側面30aが当接するように構成する。これにより、先端面421aに凹部421fを設けたとしても、リリーフ弁420の非動作時に、弁体421を安定的に閉位置に着座(保持)させることができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第5実施形態)
次に、図3および図14を参照して、第5実施形態について説明する。この第5実施形態では、上記第1実施形態と異なり、ピン530が弁体収容部22の油圧導入穴部22bに設けられる例について説明する。なお、ピン530は、本発明の「着座部」の一例である。また、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第5実施形態によるオイルポンプ装置500は、図14に示すように、オイルポンプ本体510には、オイル1の吐出圧力が規定値以上になると作動するリリーフ弁20が設けられている。また、オイルポンプ本体510には、ケーシング2とカバー3との位置決めを行うピン530が挟み込まれており、ピン530を利用して、リリーフ弁20の非作動時に弁体21を所定位置に着座させるように構成されている。
ここで、第5実施形態では、ケーシング2の穴部2b(図3参照)およびカバー3の穴部3b(図3参照)は、吐出経路6中ではなく吐出経路6から弁体収容部22側に若干入り込んだ位置(油圧導入穴部22bの近傍)に形成されている。これにより、弁体21を着座させるピン530は、軸穴状の弁体収容部22における油圧導入穴部22bに若干入り込んだ位置に配置されるように構成されている。したがって、リリーフ弁20の非作動時には、吐出経路6を流通するオイル1の流れの中にピン530は配置されていない。
なお、ピン530は、ピン30(図3参照)よりも外径が小さい。したがって、油圧導入穴部22bには弁体21の移動とともに吐出経路6中のオイル1が矢印Q2方向に引き込まれるが、ピン530は細長い棒状に形成されているので、ピン530が配置されていた場合であっても油圧導入穴部22bからリリーフ穴22dまでの区間におけるオイル1の流動抵抗は、油圧導入穴部22bにおいて弁体収容部22の内径D2が縮径されるような場合と比較しても非常に軽微である。なお、第5実施形態によるオイルポンプ装置500のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第5実施形態では、上記のように、ピン530を弁体収容部22の内側に設ける。この場合、吐出経路6から弁体収容部22側に若干入り込んだ位置(油圧導入穴部22bの近傍)に細い棒状のピン530を配置する。これにより、油圧導入穴部22bの近傍にピン530が配置されていた場合であっても弁体収容部22の内径D2が縮径されていないので、油圧導入穴部22bからリリーフ穴22dまでの区間におけるオイル1の流動抵抗に影響しない。また、リリーフ弁20の非作動時には、吐出経路6を流通するオイル1の流れの中にピン530が配置されないので、吐出経路6を流通するオイル1の流動状態がピン530の配置に起因して妨げられるのを容易に防止することができる。なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態および第1実施形態の変形例では、ピン30を弁体収容部22の外側(吐出経路6中)に設ける例について示すとともに、上記第5実施形態では、ピン530を弁体収容部22の油圧導入穴部22bに設ける例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、オイルポンプ装置の構成によっては、設計上、リリーフ弁20が吐出経路6からさらに奥まった位置に設けられる場合もあり得る。すなわち、吐出経路6と弁体収容部22(油圧導入穴部22b)との間にオイル1を引き込む所定長さの流路(管路)がオイルポンプ本体内部に別途設けられる場合も想定される。このような場合においても、本発明の「ピン」または「着座部」を弁体収容部22の外側でかつ吐出経路6と弁体収容部22との間の上記流路中に配置するように、オイルポンプ装置を構成してもよい。
また、上記第2実施形態では、凸部221dを弁体221に一体的に設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、凸部221dに準ずる形状を有する凸状部品を別部材として形成しておき、この凸状部品を弁体221の先端面221aに取り付けるようにして弁体を形成してリリーフ弁全体を構成してもよい。
また、上記第2実施形態では、弁体221の閉位置において凸部221dをケーシング2における吐出経路6の内壁面6bに当接させた例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ケーシング2に対してカバー3が取り付けられた状態で吐出経路6の一部がカバー3側が担うようにオイルポンプ本体が構成される場合もあり得る。このようなオイルポンプ本体の構成においては、弁体221の凸部221d(第2凸部)が、カバー3における吐出経路6の内壁面6bに当接してもよい。
また、上記第2実施形態では、凸部221dを弁体221に一体的に設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、上記第1実施形態における弁体21を備え、吐出経路6の内壁面6b(図8参照)から平坦な先端面21aを有する弁体21に向かって矢印Q2方向に突出する凸部(突起部)を設けてもよい。そして、弁体21の閉位置においては、内壁面6bから弁体21に向かって突出する凸部(突起部)に、弁体21の先端面21aが当接して着座するようにオイルポンプ装置を構成してもよい。
また、上記第3実施形態では、オイルポンプ本体310を構成するケーシング302に一体的に凸部302cを設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ケーシング302に凸部302cを設ける代わりに、オイルポンプ本体310を構成するカバー3に本発明の「第1凸部」を一体的に設けてもよい。
また、上記第3実施形態では、オイルポンプ本体310を構成するケーシング302に一体的に凸部302cを設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ケーシング302側の凸部302cに加えて、オイルポンプ本体310を構成するカバー3に本発明の「第1凸部」を一体的に設けてもよい。すなわち、弁体21に対してY方向に沿って互いに反対側から弁体21(先端面21a)の中央部に向かって延びるような一対の「第1凸部」によって弁体21を着座させるようにオイルポンプ装置を構成してもよい。
また、上記第1実施形態および第1実施形態の変形例では、ピン30を弁体収容部22の外側(吐出経路6中)に設ける例について示すとともに、上記第5実施形態では、ピン530を弁体収容部22の油圧導入穴部22bに設ける例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明の「ピン」または「着座部」を油圧導入穴部22bと吐出経路6との両方に跨る境界領域に配置するように、オイルポンプ装置を構成してもよい。
また、上記第2および第5実施形態では、油圧導入穴部22bからリリーフ経路7のリリーフ穴22dまでの区間において同一の内径D2を有するようにケーシング2を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、吐出経路6に開口する油圧導入穴部22bにおいては、吐出経路6側に向かって内径D2が徐々に拡径するようにケーシング2を構成してもよい。この変形例のように構成すれば、弁体221に凸部221dを形成していても、あるいは、ピン530を油圧導入穴部22bに入り込んだ位置に配置していても、油圧導入穴部22bにおけるオイル1の流路(流路断面積)を適切に確保することができる。これにより、油圧導入穴部22bからリリーフ穴22dまでの区間におけるオイル1の流動抵抗をより低減することができる。
また、上記第3実施形態では、矩形形状(正方形状)を有する凸部302cを用いて弁体21を着座させた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、断面が楕円形状または長孔形状を有する凸部を用いて本発明の「着座部」を構成してもよい。この場合、凸部の断面における長軸方向がリリーフ時にオイル1が弁体収容部22を流動する方向(矢印Q2方向)に沿うように凸部を形成するのが好ましい。これにより、凸部(着座部)が弁体収容部22よりも外側に配置されていても、油圧導入穴部22bに引き込まれる際のオイル1の流動抵抗をさらに低減することができる。
また、上記第2〜第5実施形態では、リリーフ経路7を流通するオイル1が吸入ポート4に戻される内リリーフ構造を有するようにオイルポンプ装置200〜500を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、図6に示す上記第1実施形態の変形例におけるオイルポンプ装置150の場合と同様に、リリーフ経路7aの他方端(戻し口)がオイルパン91上に配置された外リリーフ構造を有するように各々の実施形態におけるオイルポンプ装置を構成してもよい。
また、上記第1実施形態〜第5実施形態および第1実施形態の変形例では、先端面21a(221a)と平行な断面が円形状(円環状)を有するように弁体21(221)を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、断面が円形状以外の多角形状を有するような弁体を用いてリリーフ弁を構成してもよい。
また、上記第1実施形態〜第5実施形態および第1実施形態の変形例では、所定の内径を有するリリーフ穴22dを弁体収容部22の内側面22aに1箇所だけ設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。複数のリリーフ穴を弁体収容部22の内側面22aに放射状に設けておき、複数のリリーフ穴から延びる流路が1本または複数本のリリーフ経路7となって吸入ポート4またはオイルパン91に接続されるようにオイルポンプ装置を構成してもよい。また、1つのリリーフ穴22dを内側面22aに沿って連続的な環状または部分円弧状を有して設けてもよい。この変形例のように構成すれば、リリーフ時にオイル1の流動が弁体収容部22の内側面22aまわりに万遍なく形成されるので、弁体21のリリーフ動作をより円滑に行うことができる。
また、上記第1実施形態〜第5実施形態および第1実施形態の変形例では、弁体収容部22を1つの内径D2を有して軸穴状に形成した例について示したが、本発明はこれに限られない。弁体収容部は、少なくとも油圧導入穴部からリリーフ経路のリリーフ穴までの区間において同一の内径D2を有していればよく、たとえば、弁体収容部における弁体21の可動域以外となるスプリング23が挿入されている部分は、油圧導入穴部の内径と異なる内径を有していてもよい。このように、弁体21の可動域以外においては、弁体収容部に段付き加工などが施されていてもよい。
また、上記第1実施形態〜第5実施形態および第1実施形態の変形例では、オイルポンプ本体10を内接ギアタイプであるトロコイド式のオイルポンプとして構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。内接ギアタイプでは、内接式インボリュート歯型を適用してオイルポンプ本体を構成してもよい。また、内接ギアタイプのみならず、たとえば、外接式インボリュート歯型を有する外接ギアタイプのオイルポンプやベーン型のオイルポンプとしてオイルポンプ本体を構成してもよい。また、インナロータに対するアウタロータの偏心量に応じてオイル吐出量が可変となるように構成された可変容量型のオイルポンプ装置に対して、本発明を適用してもよい。
また、上記第1実施形態〜第5実施形態および第1実施形態の変形例では、約2200回転/分以上の所定回転数においてリリーフ弁20(220、320、420、520)が作動した際のオイル1のリリーフ量が一定となるようにオイルポンプ装置100〜500を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。同一回転数であってもリリーフ弁の移動位置によってオイル1のリリーフ量が可変となるような容量可変タイプのリリーフ弁を備えたオイルポンプ装置に対して、本発明を適用してもよい。
また、上記第1実施形態〜第5実施形態および第1実施形態の変形例では、エンジン90にオイル(エンジンオイル)1を供給するオイルポンプ装置100〜500に本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、内燃機関の回転数に応じて変速比を自動的に切り替えるオートマチックトランスミッション(AT)にATフルード(ATオイル)を供給するためのオイルポンプ装置に本発明を適用してもよい。また、ギアの組み合わせを替えて変速する上記AT(多段変速機)とは異なり連続的に無段階で変速比を変更可能な無段変速機(CVT)内の摺動部に潤滑油を供給するためのオイルポンプ装置に本発明を適用してもよい。また、車両におけるステアリング(操舵装置)を駆動するパワーステアリング装置にパワーステアリングオイルを供給するためのオイルポンプ装置に本発明を適用してもよい。車両(自動車)において油圧駆動を必要とする機能部品が増加する昨今、油圧系統の複雑化・長大化とともにオイルポンプ本体も大型化せざるを得ない場合が多々ある。内燃機関によって駆動されるオイルポンプ本体の大型化は、低温始動時を含めてオイルの吐出圧力の増加を招きやすいが、本発明を適用することによってリリーフ性能が改善(向上)されるので、オイルポンプ本体の大型化に伴う潜在的なデメリットを解消することが可能である。したがって、オイルポンプ本体の大型化も許容され得る。
また、上記第1実施形態〜第5実施形態および第1実施形態の変形例では、エンジン90を備えた自動車などの車両にオイルポンプ装置100〜500を搭載した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、内燃機関(エンジン)を備えた車両以外の設備機器に搭載されたオイルポンプ装置に対して本発明を適用してもよい。また、内燃機関としては、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンおよびガスエンジンなどが適用可能である。
1 オイル
2、302 ケーシング(第1ハウジング)
3 カバー(第2ハウジング)
4 吸入ポート
5 吐出ポート
6 吐出経路
6a、6b 内壁面
7、7a リリーフ経路
10、110、210、310、410、510 オイルポンプ本体
11 インナロータ
12 アウタロータ
20、220、320、420 リリーフ弁
21、221、421 弁体
21a、221a、421a 先端面
21b 胴部
21c 凹部
21e、421e 外周縁部
22 弁体収容部
22a 内側面
22b 油圧導入穴部
22d リリーフ穴
23 スプリング(付勢部材)
30、530 ピン(着座部)
100、150、200、300、400、500 オイルポンプ装置
221d 凸部(第2凸部、着座部)
302c 凸部(第1凸部、着座部)
421f 凹部

Claims (11)

  1. オイルを吸い込むとともに吐出するオイルポンプ本体と、
    前記オイルポンプ本体の吐出経路に設けられ、前記吐出経路の圧力に応じてリリーフ経路の開閉を行うリリーフ弁と、を備え、
    前記リリーフ弁は、
    リリーフ経路の開閉を行う弁体と、
    前記弁体を閉位置と開位置とに移動可能に収容する弁体収容部と、
    前記弁体を閉位置側に付勢する付勢部材と、
    前記付勢部材により付勢された前記弁体を閉位置に着座させる着座部と、を含み、
    前記弁体収容部は、前記吐出経路側の端部に設けられ、前記弁体の胴部の外径以上の内径を有する油圧導入穴部を有する、オイルポンプ装置。
  2. 前記弁体収容部は、少なくとも前記油圧導入穴部から前記リリーフ経路のリリーフ穴までの部分で同一の内径を有する、請求項1に記載のオイルポンプ装置。
  3. 前記弁体の先端面は、平坦面からなるとともに前記吐出経路側から見て円形状の外形形状を有する、請求項1または2に記載のオイルポンプ装置。
  4. 前記着座部は、前記弁体収容部の外側に設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のオイルポンプ装置。
  5. 前記着座部は、前記弁体収容部の外側の前記吐出経路に設けられている、請求項4に記載のオイルポンプ装置。
  6. 前記着座部は、少なくとも前記弁体の先端面のうちの外周縁部よりも内側の部分に当接するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のオイルポンプ装置。
  7. 前記着座部は、前記弁体の先端面の外周縁部に交差するように延びるとともに、前記弁体の閉位置において前記弁体の先端面のうちの外周縁部よりも内側の部分に当接するように配置されたピンまたは第1凸部を含む、請求項6に記載のオイルポンプ装置。
  8. 前記着座部は、前記ピンであり、
    前記ピンは、前記着座部としての機能に加えて、前記オイルポンプ本体を構成する第1ハウジングと第2ハウジングとの相対的な位置決め機能も有する、請求項7に記載のオイルポンプ装置。
  9. 前記着座部は、前記第1凸部であり、
    前記第1凸部は、前記オイルポンプ本体を構成する第1ハウジングと第2ハウジングとのいずれか一方に一体的に設けられている、請求項7に記載のオイルポンプ装置。
  10. 前記着座部は、前記弁体の先端面から前記吐出経路側に突出するように前記弁体に一体的に設けられ、前記弁体の閉位置において、前記オイルポンプ本体を構成する第1ハウジングまたは第2ハウジングの内壁面に当接する第2凸部を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のオイルポンプ装置。
  11. オイルを吐出する吐出経路に設けられ、前記吐出経路の圧力に応じてリリーフ経路の開閉を行う弁体と、
    前記弁体を閉位置と開位置とに移動可能に収容する弁体収容部と、
    前記弁体を閉位置側に付勢する付勢部材と、
    前記付勢部材により付勢された前記弁体を閉位置に着座させる着座部と、を備え、
    前記弁体収容部は、前記吐出経路側の端部に設けられ、前記弁体の胴部の外径以上の内径を有する油圧導入穴部を含む、リリーフ弁。
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