JP2015063847A - 作業車両 - Google Patents

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市原 隆信
Takanobu Ichihara
隆信 市原
誠司 石田
Seiji Ishida
誠司 石田
守田 雄一朗
Yuichiro Morita
雄一朗 守田
柴田 浩一
Koichi Shibata
浩一 柴田
竹内 健
Takeshi Takeuchi
健 竹内
宇田川 勉
Tsutomu Udagawa
勉 宇田川
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Abstract

【課題】回生に伴うバッテリの劣化を防止できる作業機械の提供。
【解決手段】本発明は、エンジン22と、発電モータ23と、油圧ポンプ41と、油圧アクチュエータ13,14,32,34,36と、旋回機構26を駆動する旋回モータ25と、発電モータ23および旋回モータ25へ電力を供給し、旋回モータ25の制動時に生じる回生電力が供給されるバッテリ24と、回生電力または油圧ポンプ41の動力を消費させる絞り弁64と、旋回モータ25の制動時に、旋回モータ25の回生電力またはバッテリ24への供給電力から、バッテリ24へ供給可能な電流制限値に応じた電力制限値を引いた余剰電力を、発電モータ23に供給するとともに、余剰電力に応じて絞り弁64での動力消費量を変化させる動力制御部86と、を備えた構成にしてある。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば油圧ショベル等の可動部を有する作業機械に関する。
近年、油圧ショベル等の作業機械においては、上部旋回体の旋回駆動を電動機にて行う構成が、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された油圧駆動装置は、上部旋回体を制動させる際に生じる運動エネルギにて発電機を駆動させて電気エネルギに変換しバッテリ(蓄電装置)に蓄電する構成とされている。
特許第3647319号公報
上記の油圧ショベル等の作業機械においては、作業性等の観点から、大きな慣性を有する上部旋回体を短時間に制動させることが要求されるため、上部旋回体を制動させる際に発生する電気エネルギ(回生エネルギ)が非常に大きく、蓄電装置へ供給される電力が、蓄電装置の上限値を超えてしまうおそれがある。特に、リチウムイオン電池等は、負荷変動、すなわち高い電流値の電力が供給される等する頻度が大きくなることによって、蓄電性能が劣化してしまう特性を有している。
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、回生に伴う蓄電装置の劣化を防止できる作業機械を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明は、可動部を有する作業機械であって、動力源と、この動力源にて駆動される第1電動機と、この第1電動機にて駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される作動油にて駆動する油圧アクチュエータと、前記可動部を駆動する第2電動機と、前記第1および第2電動機へ電力を供給し、この第2電動機の制動時に生じる回生電力が供給される蓄電装置と、前記回生電力、または前記油圧ポンプの動力を消費させる動力消費部と、前記第2電動機の制動時に、この第2電動機の回生電力または前記蓄電装置への供給電力から、前記蓄電装置へ供給可能な電流制限値に応じた電力制限値を引いた余剰電力を、前記第1電動機に供給するとともに、前記余剰電力に応じて前記動力消費部での電力または動力消費量を変化させる動力制御部と、を備えたことを特徴としている。
このように構成した本発明は、作業機械の可動部を駆動する第2電動機の制動時に、この第2電動機の回生電力または蓄電装置への供給電力から、蓄電装置へ供給可能な電流制限値に応じた電力制限値を引いた余剰電力を、第1電動機に供給する。また同時に、この余剰電力に応じ電力制御部にて電力消費部での電力または動力消費量を変化させる。この結果、第2電動機の回生電力の一部を第1電動機に供給して回生できるとともに、電流制限値を超えた電力が蓄電装置へ供給されることを無くすことができるから、回生に伴う蓄電装置の劣化を防止することができる。
また本発明は、上記発明において、作動油が供給される作動油タンクを備え、前記動力消費部は、前記油圧ポンプと前記作動油タンクとの間に設けられ、開度の調整によって動力消費量が変更可能な絞り弁であることを特徴としている。
このように構成した本発明は、絞り弁の開度を調整することによって、油圧ポンプの動力消費量を変化させることができる。よって、動力消費部での動力消費量の変化を簡単な構成で確実に行うことができる。
また本発明は、上記発明において、前記動力源は、エンジンであり、前記動力制御部は、前記エンジンの回転速度に応じて前記動力消費部での電力または動力消費量を変化させることを特徴としている。
このように構成した本発明は、エンジンの回転速度に応じて動力制御部にて動力消費部での電力または動力消費量を変化させることにより、第2電動機の回生電力の一部を第1電動機に供給して回生させる際に伴う、エンジンの負荷変動を抑制することができる。
また本発明は、上記発明において、前記動力源は、エンジンであり、前記動力制御部は、前記第1電動機への供給電力、前記第2電動機の回生電力、前記エンジンの回転速度うちの少なくともいずれかの増減に応じて前記動力消費部での電力または動力消費量を変化させることを特徴としている。
このように構成した本発明は、第1電動機への供給電力、第2電動機の回生電力、エンジンの回転速度うちの少なくともいずれかの増減に応じて動力制御部にて動力消費部での電力または動力消費量を変化させることにより、第1電動機への供給電力の増減に伴うエンジンの負荷変動を防止できると同時に、電流制限値に応じた電力制限値を超えた電力が蓄電装置へ供給されることを無くすことができ、蓄電装置の劣化を防止することができる。
また本発明は、上記発明において、前記第1電動機は、回転磁界による位相差の制御にて出力電力または消費電力が調整可能な発電モータであり、前記電力制御部は、前記第1電動機の位相差を制御して、この第1電動機による電力消費量を変化させることを特徴としている。
このように構成した本発明は、動力制御部にて第1電動機の位相差を制御することによって、第1電動機による動力消費量を変化させることができるから、動力消費部での動力消費量の変化を簡単な構成で確実に行うことができる。
また本発明は、上記発明において、作動油が供給される作動油タンクを備え、前記動力消費部は、前記油圧ポンプと前記油圧アクチュエータとの間に設けられ前記油圧アクチュエータへ供給される作動油の供給方向および流量を制御するためのバルブ装置と、このバルブ装置と前記油圧ポンプとの間に設けられたバイパス油路とを有し、前記動力制御部は、前記油圧ポンプからの作動油の吐出量を増減させ、前記バルブ装置を介して前記バイパス油路へ通過させる際の、動力消費量を調整することを特徴としている。
このように構成した本発明は、油圧ポンプからの作動油の吐出量を動力制御部にて増減させることにより、バルブ装置を介してバイパス油路へ通過させる際の、動力消費量を調整でき、動力消費部での動力消費量を変化させることができる。よって、例えば作動油タンクと油圧ポンプとの間に絞り弁等を設け、絞り弁の開度調整により油圧ポンプの動力消費量を変化させる場合に比べ、作動油を供給する油路を加えるだけの構成で、動力消費部での動力消費量を変化できるから、動力消費部をより簡単な構成とすることができる。
本発明は、作業機械の可動部を駆動する第2電動機の制動時に、この第2電動機の回生電力または蓄電装置への供給電力から、蓄電装置へ供給可能な電流制限値に応じた電力制限値を引いた余剰電力を、第1電動機に供給するとともに、この余剰電力に応じ電力制御部にて電力消費部での電力または動力消費量を変化させる構成にしてある。この構成により本発明は、第2電動機の回生電力の一部を第1電動機に供給して回生でき、電流制限値を超えた電力の蓄電装置への供給を無くすことができるから、回生に伴う蓄電装置の劣化を防止することができる。そして、前述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明より明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係る作業機械の一例である油圧ショベルを示す側面図である。 上記油圧ショベルの油圧駆動装置の一部を示す概略構成図である。 上記油圧ショベルの油圧駆動装置を示すシステム構成図である。 上記油圧駆動装置の一部を示す構成図である。 上記油圧駆動装置の動力制御方法を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータへの供給電力、(b)はバッテリへの供給電力、(c)は発電モータの出力、(d)は動力消費量の目標値、(e)は絞り弁の開度、(f)はエンジン回転速度である。 上記油圧駆動装置の動力制御方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る作業機械の油圧駆動装置を示すシステム構成図である。 本発明の第3実施形態に係る作業機械の油圧駆動装置の動力制御方法を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータへの供給電力、(b)はバッテリへの供給電力、(c)は発電モータへの供給電力、(d)動力消費量の目標値、(e)絞り弁の開度、(f)はエンジン回転速度である。 本発明の第4実施形態に係る作業機械の油圧駆動装置の動力制御方法を示すフローチャートである。 上記油圧駆動装置の動力制御方法を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータへの供給電力、(b)はバッテリへの供給電力、(c)は燃料噴射量、(d)はエンジンの回転速度、(e)は動力消費量の目標値、(f)は絞り弁の開度である。 本発明の第5実施形態に係る作業機械の第1電動機を示す概略構成図である。 上記第1電動機の回転磁界の位相と駆動効率との関係を示すグラフである。 上記第1電動機を動力消費部とした場合のタイムチャートで、(a)は旋回モータへの供給電力、(b)はバッテリへの供給電力、(c)は発電モータへの供給電力、(d)は動力消費量の目標値、(e)は発電モータの位相差、(f)は発電モータの出力である。 本発明の第6実施形態に係る作業機械の油圧駆動装置を示すシステム構成図である。 上記油圧駆動装置のバイパス油路を動力消費部とした場合のタイムチャートで、(a)は旋回モータへの供給電力、(b)はバッテリへの供給電力、(c)は発電モータへの供給電力、(d)は動力消費量の目標値、(e)は油圧ポンプの吐出流量、(f)はエンジン回転速度である。 本発明の第7実施形態に係る作業機械の油圧駆動装置の動力制御方法を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータへの供給電力、(b)はバッテリへの供給電力、(c)は発電モータへの供給電力、(d)は動力消費量の目標値、(e)は絞り弁の開度、(f)は燃料噴射量、(g)はエンジンの回転速度である。 上記油圧駆動装置の動力制御方法を示すフローチャートである。 上記油圧駆動装置の旋回モータからの回生電力のうちのバッテリの電力制限値を超える余剰電力を発電モータへ供給する場合のNO排出量を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータへの供給電力、(b)はバッテリへの供給電力、(c)は発電モータへの供給電力、(d)はエンジンの回転速度、(e)は燃料噴射量、(f)はNO排出量である。 油圧ショベルの旋回モータの回生時に発電モータに回生させる場合の負荷変動を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータへの供給電力、(b)はバッテリへの供給電力、(c)は発電モータの出力、(d)はエンジン負荷、(e)はエンジン回転速度である。 油圧ショベルの旋回モータの回生時に発電モータに回生する場合の排気への影響を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータへの供給電力、(b)はバッテリへの供給電力、(c)は発電モータへの供給出力、(d)はエンジン負荷である。 エンジンの負荷変動による排気への影響を示すタイムチャートで、(a)は燃料噴射量、(b)はスロットル開度、(c)はEGR弁開度、(d)は排気圧、(e)は吸気圧、(f)は吸気流量、(g)はEGRガス流量、(h)はEGR率、(i)はNO排出量である。
[第1実施形態]
以下、本発明に係る作業機械の第1実施形態として、ハイブリッド式の油圧ショベルを例に挙げて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る作業機械の一例である油圧ショベルを示す側面図である。図2は、油圧ショベルの油圧駆動装置の一部を示す概略構成図である。図3は、油圧ショベルの油圧駆動装置を示すシステム構成図である。図4は、油圧駆動装置の一部を示す構成図である。
<構成>
本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1は、クローラ式の油圧ショベルであって、図1に示すように、下部走行体10上に上部旋回体20が旋回可能に取り付けられている。下部旋回体20は、走行装置である一対のクローラ11と、これら一対のクローラ11を支持するクローラフレーム12と、各クローラ11を独立して駆動制御するための一対の走行用油圧モータ13,14とを備えている。各走行用油圧モータ13,14は、供給される作動油にて駆動される油圧アクチュエータである。
上部旋回体20は、本体である旋回フレーム21と、旋回フレーム21上に設けられた動力源としての原動機であるエンジン22と、エンジン22の出力軸に取り付けられエンジン22にて駆動される力行可能な第1電動機としての発電モータ(MG)23と、第2電動機である旋回モータ(MS)25と、発電モータ23および旋回モータ25に接続された蓄電装置としてのバッテリ(BAT)24と、旋回モータ25の駆動力にて下部走行体10に対して上部旋回体20を旋回駆動させる可動部としての旋回機構26とを備えている。
エンジン22には、図2に示すように、空気をエンジン22の燃焼室22aへ導く給気ライン22bと、燃焼室22aから排気される排気ガスを導く排気ライン22cと、一端が給気ライン22bに接続され他端が排気ライン22cに接続され、排気ライン22cに導かれる排気ガスの一部を燃焼室22aへ導くバイパスライン22dとが設けられている。給気ライン22cには、給気ライン22cを流れる空気量を検出する空気量センサ22eと、コンプレッサ22fと、インタークーラ(I/C)22gと、給気ライン22bを流れる空気、すなわち給気量を制御するスロットル22hとが取り付けられている。また、給気ライン22bのバイパスライン22dとの接続位置より下流側には、圧力センサ22iが設けられている。
バイパスライン22dには、バイパスライン22dを流れる排気ガスの流量を制御するEGR弁22jと、排気ガスを冷却するEGRクーラ22kとが設けられている。排気ライン22cには、タービン22mが取り付けられている。エンジン22は、ターボ式の過給機(図示せず)にて過給を行う構成とされ、エンジン22の回転速度を検出する回転速度センサ(図示せず)が取り付けられている。スロットル22hおよびEGR弁22jには、これらスロットル22hおよびEGR弁22jの開度を調整するための電動機であるモータ22n,22pが取り付けられている。これらモータ22n,22pは、後述するエンジンコントローラ81にて駆動制御され、このエンジンコントローラ81には、空気量センサ22eおよび圧力センサ22iにて検出された各検出値が出力される。
上部旋回体20には、その稼働部位として、基端側が上部旋回体20上に回動可能に軸支されたブーム31と、ブーム31の先端部近傍に回動可能に軸支されたアーム33と、アーム33の先端側に回移動可能に軸支されたバケット35とを備えたフロント作業機としてのショベル機構30が取り付けられている。ショベル機構30を構成するブーム31、アーム33およびバケット15は、油圧アクチュエータであるブームシリンダ32、アームシリンダ34およびバケットシリンダ36によってそれぞれ駆動される。
油圧駆動装置40は、図3に示すように、エンジン22および発電モータ23にて駆動される油圧ポンプ41と、油圧ポンプ41と各走行油圧モータ13,14、ブームシリンダ32、アームシリンダ34およびバケットシリンダ36との間に接続されたバルブ装置としてのコントロール弁モジュール43と備えている。コントロール弁モジュール43は、油圧ポンプ41から吐出され各走行油圧モータ13,14、ブームシリンダ32、アームシリンダ34およびバケットシリンダ36へ供給される作動油の供給方向および流量を制御して、これら走行油圧モータ13,14、ブームシリンダ32、アームシリンダ34およびバケットシリンダ36の駆動を制御する。
コントロール弁モジュール43は、駆動制御する油圧アクチュエータ13,14,32,34,36の個数に対応させて設けられたコントロール弁45,46,・・・,49にて構成されている。コントロール弁45は、ブーム用コントロール弁であって、ブームシリンダ32へ供給される作動油の供給方向および流量を制御する。コントロール弁46は、アーム用コントロール弁であって、アームシリンダ34へ供給される作動油の供給方向および流量を制御する。コントロール弁47は、バケット用コントロール弁であって、バケットシリンダ36へ供給される作動油の供給方向および流量を制御する。コントロール弁48,49は、走行用コントロール弁であって、走行用油圧モータ13,14へ供給される作動油の吐出方向および吐出流量を制御する。
各コントロール弁45,46,・・・,49は、操作レバー42a,42bの操作量に応じて出力されるパイロット圧(操作圧)に基づいて駆動され、対応する各油圧アクチュエータ13,14,32,34,36への作動油の吐出方向および吐出流量を制御する。操作レバー42a,42bには、圧力センサ70a,70bがそれぞれ取り付けられ、各操作レバー42a,42bの操作量が圧力センサ70a,70bにて電気信号に変換され、車体コントローラ80に入力される。車体コントローラ80は、操作レバー70a,70bの操作量や、回転速度センサにて検出されるエンジン22の回転速度の計測値等に応じて、油圧ポンプ41の吐出油量を制御する。
油圧ポンプ41は、各油圧アクチュエータ13,14,32,34,36へ作動油を供給する油圧源であって、エンジン22と発電モータ23とにより駆動される。油圧ポンプ41は、作動油タンク62内の作動油を圧送して吐出させ、油圧ポンプ41から吐出された作動油は、この油圧ポンプ41から各油圧アクチュエータ13,14,32,34,36へ作動油を供給するための供給油路60を介して各コントロール弁45,46,・・・,49へ供給され、これらコントロール弁45,46,・・・,49の制御により各油圧アクチュエータ13,14,32,34,36を駆動させる。供給油路60と作動油タンク62との間には、リリーフ弁63が設けられ、供給油路60内の作動油圧が予め定めた所定値以上となった場合に、リリーフ弁63が開動作し、供給油路60内の作動油を作動油タンク62へ排出させる。
各油圧アクチュエータ13,14,32,34,36から排出された作動油が通過する戻り油路61には、動力消費部としての絞り弁64が接続されている。この構成では、絞り弁64に掛かる作動油圧が低いため、絞り弁64が故障しにくいという利点がある。戻り油路61は、各コントロール弁45,46,・・・,49と作動油タンク62とを接続し、各油圧アクチュエータ13,14,32,34,36から排出される作動油を作動油タンク62に戻すための油路である。
絞り弁64は、例えば電磁比例弁等の開度、すなわち絞り量が調整可能とされ、この絞り量の調整に応じて作動油に対する動力消費量が変更可能とされている。絞り弁64の開度は、車体コントローラ80にて制御され、この車体コントローラ80による絞り量の調整によって、戻り油路61を通過する作動油に対する流路抵抗を増減させ、油圧ポンプ41の動力の一部を熱エネルギに変換して外気へ放出させるエネルギ吸収量が調整可能な動力吸収部とされている。絞り弁64は、例えば、絞り量を大きくする(開口面積を小さくする)に伴い、上記エネルギ吸収量を大きくする。
バッテリ24は、旋回モータ25および発電モータ23へ電力を供給し、旋回モータ25の制動時に生じる回生電力が供給されて蓄電される。具体的に、バッテリ24は、直流母線50を介して、旋回モータ25を駆動するためのインバータ(INV)52と、発電モータ23を駆動するためのインバータ(INV)53とに接続されている。バッテリ24から出力される直流電力は、直流母線50を介して各インバータ52,53に供給され、発電モータ23または旋回モータ25が駆動されて力行される場合にバッテリ24に蓄えられた電力が放電されて利用され、発電モータ23または旋回モータ25の駆動が制動され回生している場合に発電モータ23または旋回モータ25の制動時に生じる回生電力(回生エネルギ)がバッテリ24へ出力され充電される。インバータ52,53は、操作レバー42bの操作量に応じて車体コントローラ80から出力される制御信号が入力され、この制御信号に基づいて旋回モータ25または発電モータ23の駆動力を制御する。
直流母線50には、バッテリ24への供給電流および出力電流を検出する電流センサ54と、バッテリ24のバッテリ電圧を検出する電圧センサ55とが接続されている。電流センサ54および電圧センサ55は、バッテリコントローラ(BCU)83に接続され、これら電流センサ54および電圧センサ55にて検出された検出信号(電流値信号、電圧値信号)がバッテリコントローラ83へ出力され、このバッテリコントローラ83から通信線82を介して車体コントローラ80およびエンジンコントローラ81へ出力される。
エンジンコントローラ81は、車体コントローラ80から通信線82を介して送受信される目標回転速度の指令に基づいたエンジン回転速度となるように、エンジン22の燃焼室22a内の燃料噴射量を制御するエンジン制御部である。エンジンコントローラ81は、エンジン22の出力調整や、このエンジン22から排気される排気ガス低減のために、このエンジン22へ吸入される空気量や、EGR(排気再循環)率、過給機からエンジン22へ供給される圧縮空気圧(過給圧、ブースト圧)等を制御する。
車体コントローラ80は、図4に示すように、バッテリ24の電流制限値を設定するバッテリ電流制限値設定部85と、旋回モータ25、発電モータ23および絞り弁64を制御する動力制御部86とを備えている。動力制御部86は、旋回モータ25からインバータ52を介して回生電力が出力されてくる場合に、インバータ52,53を制御して、この回生電力またはバッテリ24への供給電力から、バッテリ電流制限値設定部85にて設定した電流制限値を差し引いた余剰電力を発電モータ23へ供給させるとともに、この余剰電力が大きくなるに従い、またはエンジン33の回転速度が所定の閾値より高くなった場合に、絞り弁64の開度を制御して戻り油路61を通過する作動油のエネルギの消費量(前述のエネルギ吸収量と同じ)を増加させる。すなわち、動力制御部86は、発電モータ23への供給電力、旋回モータ25から出力される回生電力、エンジン22の回転速度のうちのいずれかの増加に応じて、この増加が大きい場合に、絞り弁64の開度をより小さくなるように制御してエネルギの消費量を大きくさせる。
<動作>
次に、上記第1実施形態の油圧駆動装置40の動作について、図5を参照して説明する。図5は、油圧駆動装置40の動力制御方法を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータ25への供給電力、(b)はバッテリ24への供給電力、(c)は発電モータ23の出力、(d)は動力消費量の目標値、(e)は絞り弁64の開度、(f)はエンジン回転速度である。
まず、旋回モータ25が最大回転速度近傍で旋回している状態から、この旋回モータ25を制動させる回生状態となった場合には、バッテリ24のバッテリ容量の制約により、バッテリ24の容量あたりの供給電流値が増加することが考えられる。ところが、バッテリ24は、供給電力の電流値の積算値が多くなるのに伴い、蓄電性能の劣化が進むとともに、供給される電流値が高い条件で使用する頻度が多くなることによっても、蓄電性能が劣化する。そこで、油圧ショベル1の使用条件を考慮して、バッテリ24の劣化が許容範囲となるように、バッテリ24に供給される電流値に制限値を設けるようにする。
すなわち、図5(a)に示すように、旋回モータ25が回生状態となった場合に、この旋回モータ25から出力される回生電力(実線)のすべてを、バッテリ24へ供給させると、図5(b)に示すように、この回生電力がバッテリ24に供給可能な電力制限値を超えているため、バッテリ24の劣化が促進してしまう。そこで、バッテリ24に供給可能な電力制限値(点線)を予め定めておき、バッテリ24へ供給される供給電力が電力制限値以内となるように制御する。電力制限値は、(バッテリ24から出力可能な電流制限値)と(バッテリ電圧)との積にて求められる。
図5(b)に示すように、電流制限値を超える回生電力を余剰電力とし、この余剰電力を発電モータ23に供給する。発電モータ23への供給電力は、発電モータ23の出力を調整することによって制御される。なお、発電モータ23の出力を大きくすることによりバッテリ24への供給電力が低下するため、バッテリ24への供給電力を抑制できる。したがって、発電モータ23への供給電力が余剰電力に一致するように、発電モータ23の出力を調整することにより、バッテリ24の電力制限値を超えた余剰電力(回生エネルギ)が発電モータ23に供給されるため、バッテリ24への供給電力を電力制限値以内にできる。
余剰電力にて発電モータ23を駆動させることにより、エンジン22の回転方向にトルクを発生させるものの、油圧アクチュエータ13,14,32,34,36を駆動するために必要な油圧ポンプ41の消費動力Pa、およびエンジン22にて吸収できる最大動力Pemaxは、エンジン22の回転とは逆方向のトルクとなる。消費動力Paは、操作レバー42a,42bの操作量や、各油圧アクチュエータ13,14,32,34,36を駆動する際の作動油の負荷圧および流量の推定値等から求めることができる。
エンジンコントローラ81は、エンジン22の回転速度を規定の回転速度になるようにエンジン22の燃焼室22a内の燃料噴射量を制御しており、エンジン負荷の減少に従って燃料噴射量が小さくなる制御を行う。このため、エンジン22にて吸収できる最大動力Pemaxは、燃料噴射量が最小の状態(通常は燃料が噴射されない燃料カット状態)におけるエンジン22のフリクションや補機負荷による負荷トルクに、エンジン22の回転速度を掛けたものとなる。
図5(c)に示すように、油圧アクチュエータ13,14,32,34,36が作動していない場合や、油圧アクチュエータ13,14,32,34,36の負荷が小さい場合に、発電モータ23の出力が(Pa+Pemax)を越えた際には、このPa+Pemaxを越えた動力が余剰動力となり、エンジン22の回転速度を上昇させてしまう。エンジン22の回転速度の変動は、油圧ポンプ41から吐出される作動油量を変動させてしまうため、油圧アクチュエータ13,14,32,34,36を操作する際の操作フィーリングが低下したり、特に、エンジン22の回転速度の上昇が大きい場合には、オーバーレブの要因になるおそれがある。
そこで、上述した本発明の第1実施形態に係る油圧駆動装置40においては、エンジン22の負荷変動を抑制する観点から、発電モータ23の出力が(Pa+Pemax)を越え余剰動力が発生した場合に、図5(e)に示すように、車体コントローラ80にて絞り弁64の開度を減少させる制御を行い、絞り弁64の開口面積を減少させ、絞り弁64を通過する際の作動油の動力消費量(絞り損失)が余剰動力に一致するように制御する。すなわち、絞り弁64の開口面積を余剰動力に対応させて減少させることにより、油圧ポンプ41から吐出される作動油圧が上昇するため、油圧ポンプ41を駆動するエンジン22の負荷を増加でき、回生時のエンジン22の負荷変動を抑制できる。
絞り弁64を通過する作動油量をQ、絞り弁64での差圧をΔP、絞り弁64の開口面積をAとすると、絞り損失Pは、P=(Q×ΔP)=(Q/k)となる。kは、作動油の粘性等から求まる絞り弁64の流路係数である。余剰動力をPssとすると、絞り損失PがPssに一致するように制御するためには、Pss=P=(Q/k)の関係を満たせば良いため、開口面積Aは、A=√Q/(k×Pss)となる。よって、絞り弁64を通過する作動油量Qは、油圧ポンプ41の総行程容積と、エンジン回転速度から求めることができる。
したがって、図5(e)に示すように、絞り弁64の開口面積Aを余剰動力Pssに応じて制御することにより、図5(f)に示すように、絞り弁64が無い場合(点線)に比べ、絞り弁64の開度を制御した場合(実線)には、エンジン22の負荷変動を減少でき、旋回モータ25の回生時のエンジン22の回転速度の変動を抑制できる。また、絞り弁64の開口面積Aを減少させた場合には、この絞り弁64での発熱量が増加するものの、絞り弁64を通過していく作動油の流れによる放熱によって、絞り弁64での発熱による作動油の温度上昇は軽減される。
次に、本発明の第1実施形態に係る車体コントローラ80の動作について、図6を参照して説明する。図6は、油圧駆動装置40の動力制御方法を示すフローチャートである。
電流センサ54および電圧センサ55の検出値であるバッテリ電流およびバッテリ電圧を、バッテリコントローラ83から通信線83を介して車体コントローラ80に読み込み(S100)、車体コントローラ80のバッテリ電流制限値設定部85にてバッテリ電流制限値を設定する(S110)。この後、S110にて設定したバッテリ電流制限値と、上記S100にて読み込んだバッテリ電圧との積から、バッテリ24の電力制限値を計算する(S120)。そして、上記S100にて読み込んだバッテリ電流とバッテリ電圧との積から、現在のバッテリ24への供給電力を求める(S130)。
次いで、旋回モータ25が回生中か否かを判定する(S140)。S140では、旋回モータ25の回転方向とトルクの方向とが逆方向の場合に回生中(Y)と判定し、旋回モータ25の回転方向とトルクの方向とが同方向の場合に力行中(N)と判定する。S140にて旋回モータ25が力行中(N)と判定した場合は、車体コントローラ80にて絞り弁64の開度が全開となるよう制御し、絞り弁64による作動油からの動力消費量をゼロ(0)とする(S150)。
これに対し、上記S140にて旋回モータ25が回生中(Y)と判定した場合は、旋回モータ25から出力される回生電力から、上記S120にて求めたバッテリ24の電力制限値を差し引いた残りの電力を、余剰電力として計算する(S160)。旋回モータ25から出力される回生電力は、旋回モータ25の回転速度と、旋回モータ25から出力されるモータ電流に基づくモータトルクとの積で求められ、インバータ52から通信線82を介して車体コントローラ80に送信される。
次いで、上記S160にて求めた余剰電力を、発電モータ23へ供給する供給電力Pmgiとし(S170)、この余剰電力に発電モータ23への供給電力が一致するように、この発電モータ23へのトルク指令値を計算する(S180)。トルク指令値は、余剰電力とエンジン22の回転速度との差分(余剰電力/エンジン回転速度)から求められる。そして、算出したトルク指令値と一致するように、発電モータ23のモータトルクをインバータ53にて制御する。この結果、バッテリ24の電力制限値を超えた分の余剰電力(回生エネルギ)が発電モータ23に供給されるため、バッテリ24へ供給される供給電力を電力制限値以内にでき、バッテリ24の劣化を抑制することができる。
この後、発電モータ23の出力Pmgoを、発電モータ23への供給電力Pmgiと、発電モータ23の効率ηmとの積、すなわちPmgo=Pmgi×ηmの式から求める(S190)。また、エンジン33の消費動力Pemaxを計算する(S200)。消費電力Pemaxは、所定の条件での最小燃料噴射量(通常は、燃料カット状態での最小燃料噴射量はゼロ)におけるエンジン33のフリクションや補機負荷による負荷トルクの合計と、エンジン33の回転速度との積から求められる。
次いで、所定の油圧アクチュエータ13,14,32,34,36の駆動に必要な油圧ポンプ41の動力Paを計算する(S210)。動力Paは、油圧ポンプ41の他の油圧系での圧力損失を含んだ値であり、この油圧ポンプ41に入力される動力に相当する。なお、動力Paは、簡易的に操作レバー42a,42bの操作量に基づく所定の関数として求めても良いし、これら操作レバー42a,42bの操作量等から所定の油圧アクチュエータ13,14,32,34,36を駆動する際の作動油の流量推定値を求め、この流量推定値と油圧アクチュエータ13,14,32,34,36の負荷圧との積から油圧アクチュエータ13,14,32,34,36の出力を求めたり、この油圧アクチュエータ13,14,32,34,36の出力に圧力損失推定値等を加算するなどしたりして求めても良い。
この後、発電モータ23の出力Pmgoと、油圧ポンプ41の動力Paと、エンジン22の消費動力Pemaxとに基づいて、余剰動力Pssを、Pss=Pmgo−(Pa+Pemax)の式から計算する(S220)。次いで、この余剰動力に応じた動力消費量の目標値Pを求める(S230)。S230において、上記S220で求めた余剰動力Pssが負またはゼロ(0)の場合は、余剰動力が発生しないため、動力消費量の目標値Pをゼロ(0)とする。これに対し、上記S220で求めた余剰動力Pssが正の場合は、余剰動力が発生することから、動力消費量の目標値Pが余剰動力Pss、すなわちP=Pssとなるように設定する。
そして、絞り弁64を通過する際の作動油から吸収する動力の消費量(消費動力)が、上記S230にて求めた動力消費量の目標値Pに一致するように、この絞り弁64の開度制御のための所定のパルス幅のパルス信号(制御信号)を出力する(S240)。すなわち、絞り弁64の開口面積Aを、上述したA=√Q/(k×Pss)となるように車体コントローラ80にて絞り弁64の開度を制御することによって、この絞り弁64を通過する際の消費動力と余剰動力とを一致でき、旋回モータ25回生時におけるエンジン22の負荷をほぼ一定に保つことが可能となる。
次に、旋回モータ25の回生時に、バッテリ24の劣化を防止するために旋回モータ25の回生電力の一部を発電モータ23に回生したときのエンジン22の負荷変動について説明する。
旋回している状態から上部旋回体20を制動するときは、旋回モータ25から出力される電力の回生を行うものの、上部旋回体20は質量が大きく大きな慣性を有し、かつ作業性等の観点から上部旋回体20を短時間で制動させることが要求される油圧ショベル1においては、制動時に旋回モータ25から出力される電力が非常に大きなものとなる。
リチウムイオン電池やニッケル水素電池などのバッテリ24は、充放電時の電流積算値が大きくなった場合や、高電流状態での使用頻度が高い場合に、蓄電性能が劣化してしまうおそれがある。ところが、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等は非常に高価であって、油圧ショベル1における搭載スペースの制約などの点から、バッテリ24の容量が制限されることが多い。
上部旋回体20の制動時に発生する回生電力が大きな油圧ショベル1においては、制動時に生じる回生電力のすべてをバッテリ24に供給してしまうと、バッテリ24の容量あたりに対する供給電流値や電流積算値が大きくなってしまい、バッテリ24の寿命が短くなったり、長期間の使用に基づく蓄電性能の低下によって、燃費が低下するおそれがある。
これに対し、バッテリ24へ供給される電流を抑制するために、制動時に旋回モータ25から発生する回生電力に対し、バッテリ24への供給電力を制限して、発電モータ23に供給して回生電力の割合を増加させる動力制御方法が考えられる。図19は、油圧ショベル1の旋回モータ25の回生時に発電モータ23に回生させる場合の負荷変動を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータ25への供給電力、(b)はバッテリ24への供給電力、(c)は発電モータ23の出力、(d)はエンジン負荷、(e)はエンジン回転速度である。
図19中の期間(i)は、旋回モータ25を最大速度近くまで力行させている状態を示し、図19中の期間(ii)は、上部旋回体20を制動させるために旋回モータ25を回生させている状態で、この旋回モータ25への供給電力がマイナス側(発電状態)となり回生電力が出力される。上部旋回体20の旋回動作は、作業性等の観点から短時間で停止させることが求められるため、旋回モータ25から出力される回生電力は、力行させる場合の力行電力に対して大きい傾向にある。
旋回モータ25から出力された回生電力を供給するためのバッテリ24は、上述のように容量の制約があるため、回生電力を供給した場合に容量あたりの供給電流値が大きくなり、蓄電性能が低下して劣化しまうおそれがある。バッテリ24の劣化を抑制するためには、バッテリ24へ供給される供給電流が所定の制限値を超えないようにバッテリ24への供給電力を制限し、この制限値を超える回生電力を、発電モータ23に供給することが考えられる。
旋回モータ25からの回生電力をPrs、バッテリ24への供給電力の電力制限値をPcmaxとすると、余剰電力(Prs−Pcmax)が発電モータ23に供給される。発電モータ23の出力Pmgoが、油圧アクチュエータ13,14,32,34,36の駆動に必要な動力Paと、エンジン22の最大消費動力Pemaxとの合計(Pa+Pemax)より大きい場合は、{Pmgo−(Pa+Pemax)}が余剰動力Psとなり、この余剰動力Psは、図19(e)に示すように、エンジン22の回転速度を上昇させる。油圧ポンプ41の吐出流量が変動して操作性が低下したり、エンジン22の回転速度がエンジンの規定回転速度Nmaxを越えるおそれがある。
次に、旋回モータ25の回生時に発電モータ23に回生する場合のエンジン22の負荷変動に基づく排気への影響について説明する。図20は、油圧ショベル1の旋回モータ25の回生時に発電モータ23に回生する場合の排気への影響を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータ25への供給電力、(b)はバッテリ24への供給電力、(c)は発電モータ23のへの供給出力、(d)はエンジン負荷である。
図20に示すように、旋回モータ25を力行した直後に制動させる動作においては、旋回モータ25の力行時には、バッテリ24からの供給電力に加え、発電モータ23の駆動にて生じる発電電力が旋回モータ25に供給される。発電電力は、図20(c)に示すように、発電モータ23への供給電力がマイナス値となる。旋回モータ25の力行時は、発電モータ23の発電によってエンジン22の負荷が大きくなる。
旋回モータ25を力行状態から制動させて回生させたときには、バッテリ24の劣化を防止する観点から、バッテリ24への供給電力を制限して発電モータ23に供給する回生電力を増加させると、図20(c)および図20(d)に示すように、発電モータ23が発電状態から力行状態に切り換わった際に、エンジン負荷が急速に減少する。このエンジン負荷の変動に伴い、エンジン22においては、EGR弁22jの差圧変動や、バイパスライン22dへ供給されるEGRガスの温度変動、EGR弁22jの応答遅れ、EGR弁22jの吸気圧変動等の要因によって、エンジン22のEGR率や吸入空気量の制御性が低下してしまい、NO排出量が増加してしまうおそれがある。
次いで、エンジン22の負荷変動時のEGR弁22jの差圧変動による排気への影響について、図21を参照して説明する。図21は、エンジン22の負荷変動による排気への影響を示すタイムチャートで、(a)は燃料噴射量、(b)はスロットル22h開度、(c)はEGR弁22j開度、(d)は排気圧、(e)は吸気圧、(f)は吸気流量、(g)はEGRガス流量、(h)はEGR率、(i)はNO排出量である。すなわち、図21は、エンジン22の負荷減少時のEGR率を示している。
エンジン負荷(燃料噴射量)が減少すると、NO排出量を低減させる観点から、この燃料噴射量の減少に伴い、図21(b)および図21(c)に示すように、スロットル22hの開度が小さくなり、かつEGR弁22jの開度が大きくなる。図21(d)に示すように、エンジン22の排気圧は、燃料噴射量の減少に伴って低下する。そして、ターボ式の過給機の慣性によって、コンプレッサ22gの回転が燃料噴射量の減少に対して遅れて低下していくため、図21(e)に示すように、エンジン22の吸気圧の低下にも遅れが生じる。
排気圧と吸気圧との差であるEGR弁22jの差圧は、定常値より小さくなる。この結果、図21(g)に示すように、EGRガスの流量が減少していくとともに、図21(f)に示すように、吸気流量の減少にも遅れが生じるため、図21(h)に示すように、エンジン負荷減少直後のEGR率(実線)は、最適値(点線)に対して低下してしまう。EGR率は、定常、最適値になるよう制御される。
図21(i)に示すように、エンジン負荷減少時においては、定常時に対しNO排出量が増加する。よって、旋回モータ25の回生時に、バッテリ24の劣化を抑制するために回生電力の一部を発電モータ23に回生させた場合は、エンジン負荷が急激に減少するため、このエンジン22の負荷減少後に燃料カットに至らない場合においては、EGR率の変動によってNO排出量が増加してしまう。
上記第1実施形態に係る油圧駆動装置40においては、バッテリ24の劣化を防止する観点から、バッテリ24への供給電力を制限し、発電モータ23へ供給する供給電力を増加させた場合においても、絞り弁64による動力消費量を制御することによって、エンジン22の負荷変動を抑制できる。したがって、バッテリ24の劣化を抑制しつつ、エンジン22の回転変動を抑制でき、油圧ショベル1の操作性の低下や、エンジン22の過回転を防止できる。
また、バッテリ24の劣化を防止するために旋回モータ25からの回生電力を発電モータ23に回生させる際に、このエンジン22を停止させるまでに至らない程度にエンジン22の負荷を減少させた場合においては、このエンジン22の負荷変動に応じてNOの排出量が増加するおそれが考えられるが、上述のように絞り弁64の開度を制御して、この絞り弁64を通過する作動油の動力消費量を制御することによって、エンジン22の負荷変動を抑制できるため、旋回モータ25を制動させて回生動力を出力させる際における、NOの排出量の増加を抑制することもできる。
[第2実施形態]
図7は、本発明の第2実施形態に係る作業機械の油圧駆動装置を示すシステム構成図である。本第2実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、各油圧アクチュエータ13,14,32,34,36から排出された作動油が通過する戻り油路61に絞り弁64が接続されているのに対し、第2実施形態は、油圧ポンプ41からコントロール弁モジュール43までの供給油路60に絞り弁64が接続されている。なお、本第2実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
本第2実施形態に係る油圧駆動装置40においては、絞り弁64の開度を制御することによって、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができるとともに、絞り弁64が油圧ポンプ41に近い位置に接続されていることから、絞り弁64の開度制御にて負荷変動を抑制する際の応答性を向上できる。
[第3実施形態]
図8は、本発明の第3実施形態に係る作業機械の油圧駆動装置の動力制御方法を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータ25への供給電力、(b)はバッテリ24への供給電力、(c)は発電モータ23への供給電力、(d)動力消費量の目標値、(e)絞り弁64の開度、(f)はエンジン回転速度である。本第3実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、燃費低減を目的として、旋回モータ25から出力される回生電力がエンジン22の負荷を越えている場合に、この負荷に相当する電力を発電モータ23に優先的に供給する点である。なお、本第3実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
本第3実施形態においては、上述した第1実施形態におけるS220において、燃費低減の点から、図8に示す期間(iii)中の、図8(c)に示す余剰動力が負の場合であって、旋回モータ25から出力される回生電力Psが、エンジン22の負荷(最大消費動力Pemax+油圧アクチュエータ13,14,32,34,36の駆動に必要な動力Pa)を越えている期間に、エンジン22の負荷に相当する電力(Pemax+Pa)を発電モータ23に優先的に供給し、残りの回生電力(Ps−(Pemax+Pa))をバッテリ24に供給させる。この結果、旋回モータ25から出力される回生電力を、バッテリ24へ供給して充電させて利用する場合に比べ、直接発電モータ234へ供給して回生させるため、エネルギ損失が少なく、旋回モータ25から出力される回生電力、すなわち回生動力をより効率良く利用できる。
[第4実施形態]
図9は、本発明の第4実施形態に係る作業機械の油圧駆動装置の動力制御方法を示すフローチャートである。本第4実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、発電モータ23の出力からエンジン22の吸収動力と油圧アクチュエータ13,14,32,34,36の必要動力とを差し引いた動力を余剰電力として絞り弁64での動力消費量の目標値を求めたが、第4実施形態は、エンジン回転速度に基づいて絞り弁64での動力消費量を制御する。なお、本第4実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
本第4実施形態においては、発電モータ23の出力と、実際のエンジン22にて吸収できる最大動力と、油圧アクチュエータ13,14,32,34,36の必要動力とのバランスで決まるエンジン回転速度を計測し、回生時に実際の余剰動力に応じた動力消費量が得られるように絞り弁64の開度を制御する。油圧駆動装置40の車体コントローラ80の動作としては、図9に示すように、S100からS180までは、上述した第1実施形態と同様である。
上記S180の後、エンジン22の燃焼室22a内の燃料噴射量が所定の閾値LVF以下か否かを判定する(S300)。閾値LVFは、エンジン22の燃焼室22a内への燃料噴射量が最小である最小噴射量(通常は燃料カット状態に相当する燃料噴射量)程度に設定されている。本S300にて、エンジン22の燃料噴射量が閾値LVFを超えている(N)と判定された場合は、S150へ進み、エンジン22の回転を燃料噴射量で制御できる状態の場合には、極力燃料噴射量を少なくして燃費向上を図る点から、エンジンコントローラ81にて燃料噴射量を減量してエンジン回転速度を制御し、絞り弁62による動力消費量をゼロ(0)にする。
上記S300にて、エンジン22の燃料噴射量が閾値LVF以内(Y)と判定された場合は、燃料噴射量にてエンジン回転速度の制御ができない状態であるため、エンジン回転速度が所定の閾値LVN以上か否かを判定する(S310)。閾値LVNは、エンジン22の回転変動によって油圧ショベル1の操作性への影響が少なく、かつエンジン22の回転上昇によってエンジン22の信頼性に影響を及ぼさない程度の範囲に設定されている。本S310にて、エンジン回転速度が閾値LVN以上(Y)と判定された場合は、絞り弁64での動力消費量の目標値Pを増加方向に補正する(S320)。この後、絞り弁64での消費動力が、上記S320にて求めた動力消費量の目標値Pに一致するように、絞り弁64の開度制御のための所定のパルス幅のパルス信号(制御信号)を出力する(S340)。
上記S310にて、エンジン回転速度が閾値LVN未満(N)と判定された場合は、絞り弁64での動力消費量の目標値Pを減少方向に補正(S330)してから、上記S340へ進む。S320およびS330においては、エンジン回転速度と閾値LVNとの偏差に応じたPID制御等によって、絞り弁64での動力消費量の目標値Pを求める。
次に、旋回モータ25回生時のエンジン回転速度に対する動力消費量の目標値P、および絞り弁64の開度について、図10を参照して説明する。図10は、油圧駆動装置40の動力制御方法を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータ25への供給電力、(b)はバッテリ24への供給電力、(c)は燃料噴射量、(d)はエンジン回転速度、(e)は動力消費量の目標値、(f)は絞り弁64の開度である。
閾値LVNは、図10(d)に示すように、エンジンコントローラ81にてエンジン回転速度を制御する際の目標回転速度よりも少し高い値に設定されている。すなわち、閾値LVNは、目標回転速度に近い値であると、燃料噴射量によるエンジン22の回転制御と、絞り弁64によるエンジン22の回転制御とが頻繁に切り換わり、エンジン22の回転を不安定にさせてしまう。図9に示すS340においては、上述した第1実施形態と同様に、絞り弁64による動力消費量の目標値Pに一致するように、絞り弁64の開度を制御するパルス信号を出力させる。
上記第4実施形態に係る油圧駆動装置40においては、上述した第1実施形態に係る油圧駆動装置40と同様に、油圧ショベル1の大きな回生電力によるバッテリ24の劣化を防止しつつ、この回生動力の一部を発電モータ23に回生させて、エンジン22の負荷変動を抑制できるため、油圧ショベル1の操作性の低下や、エンジン22の負荷変動に伴うNO排出量の増加を防止できる。
また、発電モータ23の出力と、実際のエンジン22の吸収動力と、油圧アクチュエータ13,14,32,34,36を駆動するために必要な動力とのバランスで定まるエンジン回転速度を計測し、このエンジン回転速度に基づいて、旋回モータ25の回生時に実際の余剰動力に応じた動力消費量となるように絞り弁64の開度を制御することが可能となる。したがって、これら発電モータ23、エンジン22、油圧アクチュエータ13,14,32,34,36等の種々の負荷条件においても、エンジン22の回転を安定して制御することができる。
[第5実施形態]
図11は、本発明の第5実施形態に係る作業機械の第1電動機を示す概略構成図である。図12は、発電モータ23の回転磁界の位相と駆動効率との関係を示すグラフである。本第5実施形態が前述した第4実施形態と異なるのは、第4実施形態は、戻り油路61に接続された絞り弁64での圧力欠損により余剰電力を消費させているのに対し、第5実施形態は、発電モータ23を用いて余剰電力を消費させている。なお、本第5実施形態において、第4実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
本第5実施形態に係る発電モータ23は、余剰電力を吸収して消費させる動力消費部とされている。発電モータ23は、図11に示すように、例えば永久磁石モータであって、一対の固定子巻線23b間に、永久磁石にて構成された回転子23aが回転自在に取り付けられ、この発電モータ23のモータ効率が最大となるように回転子23aと固定子巻線23bとで形成される回転磁界による位相差が制御される。
発電モータ23は、図12に示すように、モータ効率が最大値ηmaxの場合の位相差をθmaxとすると、インバータ53にて固定子巻線2bによる回転磁界の位相が調整され、位相差をθmaxからずらすことにより、発生する熱損失が増加しモータ効率が低下する特性を有している。よって、発電モータ23は、位相差を制御することによって、モータ効率、すなわち旋回モータ25から出力される回生電力のうちの発電モータ23へ供給される供給電力に対する発電モータ23の出力を調整でき、この発電モータ23の出力電力または消費電力を調整できるため、回生時のエンジン22の負荷変動を抑制することができる。
次に、上記第5実施形態の油圧駆動装置40の動作について、図13を参照して説明する。図13は、第1電動機を動力消費部とした場合のタイムチャートで、(a)は旋回モータ25への供給電力、(b)はバッテリ24への供給電力、(c)は発電モータ23への供給電力、(d)は動力消費量の目標値、(e)は発電モータ23の位相差、(f)は発電モータ23の出力である。
旋回モータ25が回生状態とされ、旋回モータ25から出力される回生電力に対し、バッテリ24への供給電力の電力制限値を超えた分の余剰電力が発電モータ23に供給される。そして、上述した第3実施形態と同様に、エンジン回転速度と閾値LVNとの偏差に基づいて、図13(d)に示す動力消費量の目標値Pを求める。この動力消費量の目標値Pとなるように、インバータ53にて固定子巻線23bによる回転磁界の位相を調節し、位相差を効率最大となる位相差θmaxからずらす。動力消費量の目標値Pと位相差との関係は、テーブル化されて車体コントローラ80に予め記憶されている。
図13(f)中の点線は、効率最大となる位相差での発電モータ23の出力であり、図13(f)中の実線は、位相差をずらす制御をしたときの発電モータ23の出力である。図13(f)中の斜線部が、動力消費量に相当する。以上により、インバータ53よる発電モータ23の位相差制御によって、旋回モータ25から回生電力が出力される回生時の発電モータ23の出力を減少できるから、上述した第1ないし第3実施形態における絞り弁64の開度を制御する場合と同様に、エンジン22の負荷変動を抑制できる。さらに、発電モータ23の位相差制御にて動力消費量を制御できるため、絞り弁64等の構成を別途追加しなくてもエンジン22の負荷変動を抑制できるとともに、比較的高応答にエンジン22の回転速度を制御することができる。
[第6実施形態]
図14は、本発明の第6実施形態に係る作業機械の油圧駆動装置を示すシステム構成図である。本第6実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、絞り弁64での圧力損失により余剰電力を消費させるのに対し、第6実施形態は、各油圧アクチュエータ13,14,32,34,36をバイパスするバイパス油路65での圧力損失により余剰電力を消費させる。なお、本第6実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
図14に示すように、油圧ポンプ41から吐出された作動油は、各コントロール弁45,46,・・・,49の駆動制御によって、対応する油圧アクチュエータ13,14,32,34,36に供給されるものと、これら油圧アクチュエータ13,14,32,34,36をバイパスするバイパス油路65に供給されるものとに分配される。バイパス油路65は、各コントロール弁45,46,・・・,49と供給油路60との間、すなわち油圧ポンプ41と各油圧アクチュエータ13,14,32,34,36との間に設けられ、コントロール弁45,46,・・・,49に供給されてくる作動油を、各油圧アクチュエータ13,14,32,34,36を経由させずに油路61へ戻す。
各コントロール弁45,46,・・・,49には、絞り部としての絞り機構44がそれぞれ設けられている。絞り機構44は、バイパス油路65と供給油路60との間に取り付けられ、供給油路60からパイパス油路65へ供給される作動油に圧力損失を生じさせ、この作動油の吐出圧を圧力から熱に変換して消費させる動力消費部である。油圧ポンプ41からの作動油の吐出流量を増加させることによって、バイパス油路65での絞り損失が増加する。よって、油圧ポンプ41からの作動油の吐出流量を調節することによって、バイパス油路65での動力消費量を制御することができる。
次に、上記第6実施形態の油圧駆動装置40の動作について、図15を参照して説明する。図15は、油圧駆動装置40のバイパス油路65を動力消費部とした場合のタイムチャートで、(a)は旋回モータ25への供給電力、(b)はバッテリ24への供給電力、(c)は発電モータ23への供給電力、(d)は動力消費量の目標値、(e)は油圧ポンプ41の吐出流量、(f)はエンジン回転速度である。
図15に示すように、旋回モータ25が回生状態とされバッテリ24の電力制限値を超えた余剰電力を発電モータ23に回生させた場合には、上述した第3実施形態の絞り弁64の場合と同様に、エンジン回転速度と閾値LVNとの偏差に基づいて、図15(d)に示す動力消費量の目標値Pの補正を行う。ここで、図15(e)に示すように、動力消費量の目標値Pの増大に伴い油圧ポンプ41の容量を増大させ、この油圧ポンプ41からの作動油の吐出油量を増加させる。この結果、バイパス油路65を通過する際の作動油の圧力損失が増加し、油圧ポンプ41の負荷トルクを増加できるため、余剰電力を発電モータ23に供給した場合の出力の増加分をバイパス油路65にて吸収できる。
上記第3実施形態での絞り弁64の開度を制御する場合と同様に、エンジン22の負荷変動を減少でき、図15(f)中の実線のように、エンジン回転速度の上昇を抑制できる。各コントロール弁45,46,・・・,49の絞り機構44を用いて動力消費量を制御しているため、絞り弁64等の構成を別途追加しなくてもエンジン22の負荷変動を抑制できるとともに、各絞り機構44を通過しながら動力が消費されるため、作動油の圧力損失の増加に伴う発熱の影響が小さい。
[第7実施形態]
図16は、本発明の第7実施形態に係る作業機械の油圧駆動装置の動力制御方法を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータ25への供給電力、(b)はバッテリ24への供給電力、(c)は発電モータ23への供給電力、(d)は動力消費量の目標値、(e)は絞り弁64の開度、(f)は燃料噴射量、(g)はエンジン回転速度である。本第7実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、バッテリ24の劣化を防止するために旋回モータ25による回生電力のうちのバッテリ24の電力制限値を超える余剰電力を発電モータ23に回生させるに留まり、第7実施形態は、発電モータ23の出力変化に応じて絞り弁64での動力消費量を制御して簡易的にエンジン22の負荷変動を抑制する。なお、本第7実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
本第7実施形態においては、図16に示すように、上述した第1実施形態と同様に、旋回モータ25の回生時にバッテリ24の電力制限値を超える余剰電力を発電モータ23に供給する。具体的には、図16(c)中の実線にて示す発電モータ23への供給電力Pmgiに対して一次遅れのローパスフィルタ処理を行い、発電モータ23への供給電力のフィルタ値PFmgiを求める。
絞り弁64による動力消費量の目標値Pは、発電モータ23への供給電力Pmgiから、この供給電力のフィルタ値PFmgiを差し引いた、P=Pmgi−PFmgiの式から求める。目標値Pは、ラプラス演算子s、およびローパスフィルタ処理の時定数Tを用いることにより、P=Pmgi−{1/(1+sT)}・Pmgi={sT/(1+ST)}・Pmgaiの式から求める。よって、目標値Pは、発電モータ23への供給電力Pmgiの変化率、および変化量に応じた値である。
次いで、上述した第1実施形態と同様に、絞り弁64にて作動油から吸収して消費する動力(消費動力)が、動力消費量の目標値Pに一致するように、この絞り弁64の開度を車体コントローラ80にて制御する。絞り弁64の制御により、発電モータ23への供給電力Pmgiの変化率および変化量に応じて、絞り弁64による消費動力が制御されるため、図16(f)中の実線で示すように、エンジン22での燃料噴射量、すなわちエンジン負荷の変動を抑制することができる。
次に、本発明の第7実施形態に係る車体コントローラ80の動作について、図17を参照して説明する。図17は、油圧駆動装置40の動力制御方法を示すフローチャートである。本第7実施形態に係る車体コントローラ80の動作としては、図17に示すように、S100からS180までは、上述した第1実施形態と同様である。
上記S180の後、発電モータ23への供給電力に対し、一次遅れのローパスフィルタ処理を行い、発電モータ23への供給電力のフィルタ値を求める(S400)。S400においては、発電モータ23への供給電力と、発電モータ23への供給電力のフィルタ値との差分を計算する。S400にて算出した差分を、動力消費量の目標値Pとして設定する(S410)。絞り弁64での消費動力が、S410にて求めた動力消費量の目標値Pに一致するように、この絞り弁64の開度制御のための指令値に応じた所定のパルス幅のパルス信号(制御信号)を計算する(S420)。
図18は、油圧駆動装置40の旋回モータ25からの回生電力のうちのバッテリ24の電力制限値を超える余剰電力を発電モータ23へ供給する場合のNO排出量を示すタイムチャートで、(a)は旋回モータ25への供給電力、(b)はバッテリ24への供給電力、(c)は発電モータ23への供給電力、(d)はエンジン回転速度、(e)は燃料噴射量、(f)はNO排出量である。図18に示すように、バッテリ24の劣化を防止するために旋回モータ25から出力される回生電力のうちのバッテリ24の電力制限値を超える余剰電力を、発電モータ23に回生させる場合には、エンジン22の負荷が急激に減少するものの、燃料噴射量が低下し燃料カットに至らない程度にまでエンジン22の負荷が減少した場合には、旋回モータ25の回生時に発電モータ23の出力が急激に増加することに基づくエンジン22の負荷変動によって、図18(f)に示すように、NO排出量が増加するおそれがある。
上記第7実施形態に係る油圧駆動装置40においては、発電モータ23への供給電力と、発電モータ23への供給電力に対し一次遅れのローパスフィルタ処理を行ったフィルタ値との差分に基づいて、絞り弁64による動力消費量を制御する。この結果、旋回モータ25から出力される回生電力の一部を発電モータ23に回生させてバッテリ24の劣化を防止しつつ、発電モータ23に回生させることに伴う、エンジン22の急激な負荷変動や回転変動を抑制できる。特に、発電モータ23への供給電力の変化率および変化量に応じた制御で足りるため、上述した第1および第2実施形態の場合に比べ、より簡易的な制御で、油圧ショベル2の操作性の低下や、エンジン22の負荷変動に伴うNO排出量の増加を防止できる。
[その他]
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形態様が含まれる。例えば、前述した実施形態は、本発明を分りやすく説明するために説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
さらに、上記各実施形態においては、可動部のうちの旋回機構26を電動化したハイブリッド式の油圧ショベル1を例とし、その態様を説明した。本発明はこれに限定されず、例えば、ホイールローダや、ホイール式の油圧ショベル、クレーン、その他の一部または全部の可動部を電動化した種々の作業機械においても用いることができる。
また、上記各実施形態においては、油圧ポンプ41の動力を消費させる動力消費部として、絞り弁64、発電モータ23、コントロール弁45,46,・・・,49を複合的に用いて行うこともできる。
特に、上記第1実施形態においては、旋回モータ25から出力される回生電力からバッテリ24の電力制限値を差し引いた残りの電力を余剰電力として求めたが、バッテリ電流とバッテリ電圧との積で求まるバッテリ24への供給電力からバッテリ24の電力制限値を引いた残りの電力を余剰電力として求めてもよい。この場合には、バッテリ24への供給電力を常時検出でき、旋回モータ25以外の他の電動機が直流母線50に接続される場合であっても、常にバッテリ電力を電力制限値以内にできる。
また、上記第7実施形態においては、発電モータ23への供給電力と、発電モータ23への供給電力に対し一次遅れのローパスフィルタ処理を行ったフィルタ値との差分に基づいて、絞り弁64による動力消費量を制御する構成としたが、エンジン22の負荷変動に関係するパラメータとして発電モータ23への供給電力の代わりに、旋回モータ25から出力される回生電力、エンジン22の回転速度のいずれかのパラメータを用い、これらパラメータとこれらパラメータのフィルタ値の差分を算出し、この差分に基づいて絞り弁64による動力消費量を制御してもよい。また、これらパラメータの変化率を直接求め、この変化率に基づいて絞り弁64による動力消費量を制御してもよい。
1 油圧ショベル(作業機械)
10 下部走行体
11 クローラ
12 クローラフレーム
13,14 走行用油圧モータ(油圧アクチュエータ)
20 上部旋回体
21 旋回フレーム
22 エンジン(動力源)
22a 燃焼室
22b 給気ライン
22c 排気ライン
22d バイパスライン
22e 空気量センサ
22f コンプレッサ
22g インタークーラ
22h スロットル
22i 圧力センサ
22j EGR弁
22k EGRクーラ
22m タービン
22n,22p モータ
23 発電モータ(第1電動機)
23a 回転子
23b 固定子巻線
24 バッテリ(蓄電装置)
25 旋回モータ(第2電動機)
26 旋回機構(可動部)
30 ショベル機構
31 ブーム
32 ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
33 アーム
34 アームシリンダ(油圧アクチュエータ)
35 バケット
36 バケットシリンダ(油圧アクチュエータ)
40 油圧駆動装置
41 油圧ポンプ
42a,42b 操作レバー
43 コントロール弁モジュール(バルブ装置)
44 絞り機構(動力消費部)
45,46,47,48,49 コントロール弁
50 直流母線
52,53 インバータ
54 電流センサ
55 電圧センサ
60 供給油路
61 戻り油路
62 作動油タンク
63 リリーフ弁
64 絞り弁(動力消費部)
65 バイパス油路
70a,70b 圧力センサ
80 車体コントローラ
81 エンジンコントローラ
82 通信線
83 バッテリコントローラ
85 バッテリ電流制限値設定部
86 動力制限部

Claims (6)

  1. 可動部を有する作業機械であって、
    動力源と、
    この動力源にて駆動される第1電動機と、
    この第1電動機にて駆動される油圧ポンプと、
    この油圧ポンプから吐出される作動油にて駆動する油圧アクチュエータと、
    前記可動部を駆動する第2電動機と、
    前記第1および第2電動機へ電力を供給し、この第2電動機の制動時に生じる回生電力が供給される蓄電装置と、
    前記回生電力、または前記油圧ポンプの動力を消費させる動力消費部と、
    前記第2電動機の制動時に、この第2電動機の回生電力または前記蓄電装置への供給電力から、前記蓄電装置へ供給可能な電流制限値に応じた電力制限値を引いた余剰電力を、前記第1電動機に供給するとともに、前記余剰電力に応じて前記動力消費部での電力または動力消費量を変化させる動力制御部と、を備えた
    ことを特徴とする作業機械。
  2. 請求項1に記載の作業機械において、
    作動油が供給される作動油タンクを備え、
    前記動力消費部は、前記油圧ポンプと前記作動油タンクとの間に設けられ、開度の調整によって動力消費量が変更可能な絞り弁である
    ことを特徴とする作業機械。
  3. 請求項1または2に記載の作業機械において、
    前記動力源は、エンジンであり、
    前記動力制御部は、前記エンジンの回転速度に応じて前記動力消費部での電力または動力消費量を変化させる
    ことを特徴とする作業機械。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項に記載の作業機械において、
    前記動力源は、エンジンであり、
    前記動力制御部は、前記第1電動機への供給電力、前記第2電動機の回生電力、前記エンジンの回転速度うちの少なくともいずれかの増減に応じて前記動力消費部での電力または動力消費量を変化させる
    ことを特徴とする作業機械。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の作業機械において、
    前記第1電動機は、回転磁界による位相差の制御にて出力電力または消費電力が調整可能な発電モータであり、
    前記電力制御部は、前記第1電動機の位相差を制御して、この第1電動機による電力消費量を変化させる
    ことを特徴とする作業機械。
  6. 請求項1に記載の作業機械において、
    作動油が供給される作動油タンクを備え、
    前記動力消費部は、前記油圧ポンプと前記油圧アクチュエータとの間に設けられ前記油圧アクチュエータへ供給される作動油の供給方向および流量を制御するためのバルブ装置と、このバルブ装置と前記油圧ポンプとの間に設けられたバイパス油路とを有し、
    前記動力制御部は、前記油圧ポンプからの作動油の吐出量を増減させ、前記バルブ装置を介して前記バイパス油路へ通過させる際の、動力消費量を調整する
    ことを特徴とする作業機械。
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