JP2015063519A - 有機化合物、発光素子、発光装置、電子機器、及び照明装置 - Google Patents

有機化合物、発光素子、発光装置、電子機器、及び照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発光層の発光物質を分散させるホスト材料として用いることのできる新規有機化合物を提供する。【解決手段】一般式(G1−1)で表される有機化合物である。式中、Aは、置換もしくは無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリン−イル基を表す。また、Ar1は、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、nは、2または3を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、物、方法、または、製造方法に関する。または、本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、照明装置、それらの駆動方法、及び、それらの製造方法に関する。特に、本発明の一態様は、新規な有機化合物に関する。また、該有機化合物を用いる発光素子に関する。例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)を利用した発光素子に関する。また、該発光素子を有する発光装置、電子機器、及び照明装置に関する。
近年、エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子の研究開発が盛んに行われている。これら発光素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光物質を含む発光層を挟んだものである。この素子に電圧を印加することにより、発光物質からの発光を得ることができる。
このような発光素子は自発光型であるため、液晶ディスプレイに比べ画素の視認性が高く、バックライトが不要である等の利点があり、フラットパネルディスプレイ素子として好適であると考えられている。また、このような発光素子は、薄型軽量に作製できることも大きな利点である。さらに非常に応答速度が速いことも特徴の一つである。
これらの発光素子は膜状に形成することが可能であるため、面状に発光を得ることができる。よって、面状の発光を利用した大面積の素子を容易に形成することができる。このことは、白熱電球やLEDに代表される点光源、あるいは蛍光灯に代表される線光源では得難い特色であるため、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。
エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子は、発光物質が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって大別できる。発光物質に有機化合物を用い、一対の電極間に該有機化合物を含む層を設けた有機EL素子の場合、発光素子に電圧を印加することにより、陰極から電子が、陽極から正孔(ホール)がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、注入した電子及び正孔が有機化合物を励起状態に至らしめ、励起された有機化合物から発光を得るものである。
有機化合物が形成する励起状態の種類としては、一重項励起状態と三重項励起状態が可能であり、一重項励起状態(S)からの発光が蛍光、三重項励起状態(T)からの発光が燐光と呼ばれている。また、発光素子におけるその統計的な生成比率は、S:T=1:3であると考えられている。
一般的に、一重項励起状態を発光に変換する化合物(以下、蛍光性化合物と称す)では室温において、三重項励起状態からの発光(燐光)は観測されず、一重項励起状態からの発光(蛍光)のみが観測される。したがって、蛍光性化合物を用いた発光素子における内部量子効率(注入したキャリアに対して発生するフォトンの割合)の理論的限界は、S:T=1:3であることを根拠に25%とされている。
一方、三重項励起状態を発光に変換する化合物(以下、燐光性化合物と称す)を用いれば、三重項励起状態からの発光(燐光)が観測される。また、燐光性化合物は項間交差(一重項励起状態から三重項励起状態へ移ること)が起こりやすいため、内部量子効率は100%まで理論上は可能となる。つまり、蛍光性化合物に比べて高い発光効率を得ることが可能となる。このような理由から、高効率な発光素子を実現するために、燐光性化合物を用いた発光素子の開発が近年盛んに行われている。
上述した燐光性化合物を用いて発光素子の発光層を形成する場合、燐光性化合物の濃度消光や三重項−三重項消滅による消光を抑制するために、他の化合物からなるマトリクス中に該燐光性化合物が分散するようにして形成することが多い。この時、マトリクスとなる化合物はホスト材料、燐光性化合物のようにマトリクス中に分散される化合物はゲスト材料と呼ばれる。
燐光性化合物をゲスト材料とする場合、ホスト材料に必要とされる性質は、該燐光性化合物よりも大きな三重項励起エネルギー準位(基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差、T1準位ともいう)を有することである。
また、一重項励起エネルギー準位(基底状態と一重項励起状態とのエネルギー差、S1準位ともいう)はT1準位よりも大きいため、大きなT1準位を有する物質は大きなS1準位をも有する。したがって、上述したような大きなT1準位を有する物質は、蛍光性化合物を発光物質として用いた発光素子においても有益である。
例えば、燐光性化合物をゲスト材料とする場合のホスト材料の一例として、ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格を有する化合物の研究がなされている(特許文献1〜2参照)。また、キノキサリン系化合物を発光層、電子輸送層、または電子注入層に用いる研究もなされている(例えば、特許文献3参照)。
国際公開第03/058667号 特開2007−189001号公報 特開平9−188874号公報
特許文献1または特許文献2において報告されているように、燐光性化合物のホスト材料の開発は進んではきてはいるものの、発光効率、信頼性、発光特性、合成効率、またはコストといった面で改善の余地が残されており、より優れた燐光性化合物のホスト材料の開発が望まれている。
また、特許文献3では、ビフェニルジイル基にキノキサリンユニットを2つ有する化合物の研究がなされている。ここでは、p−フェニレン基にジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格を2つ有する化合物が合成されているが、該化合物を用いた発光素子特性または信頼性等について言及されていない。また、このようなキノキサリン系化合物の場合、物質の耐熱性が低い、または薄膜の結晶化が起こりやすいといった課題がある。
上記課題に鑑み、本発明の一態様は、新規な有機化合物を提供することを目的の1つとする。または、本発明の一態様は、発光素子において、発光層の発光物質を分散させるホスト材料として用いることのできる新規有機化合物を提供することを目的の1つとする。特に、燐光性化合物を発光物質に用いる場合のホスト材料として好適に用いることのできる新規有機化合物を提供することを目的の1つとする。また、本発明の一態様は、発光素子において、高い電子輸送性を有し、電子輸送層に好適に用いることのできる新規有機化合物を提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様は、新規な発光素子を提供することを目的の1つとする。または、本発明の一態様は、駆動電圧が低く、電流効率が高い発光素子を提供することを目的の1つとする。または、本発明の一態様は、長寿命な発光素子を提供することを目的の1つとする。または、本発明の一態様は、発光素子を用いることにより、消費電力の低減された発光装置、電子機器、及び照明装置を提供することを目的の1つとする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、一般式(G1−1)で表される有機化合物である。
一般式(G1−1)中において、Aは、置換もしくは無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリン−イル基を表す。また、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、nは、2または3を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G2−1)で表される有機化合物である。
一般式(G2−1)中において、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、R〜Rは、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G3−1)で表される有機化合物である。
一般式(G3−1)中において、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、R11〜R18及びR20は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G4−1)で表される有機化合物である。
一般式(G4−1)中において、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、R11〜R17、R19及びR20は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G1−2)で表される有機化合物である。
一般式(G1−2)中において、Aは、置換もしくは無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリン−イル基を表す。また、Arは、置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G2−2)で表される有機化合物である。
一般式(G2−2)中において、Arは、置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基を表す。また、R〜Rは、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G3−2)で表される有機化合物である。
一般式(G3−2)中において、Arは、置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基を表す。また、R11〜R18及びR20は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、本発明の他の一態様は、一般式(G4−2)で表される有機化合物である。
一般式(G4−2)中において、Arは、置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基を表す。また、R11〜R17、R19及びR20は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、上記各構成において、ベンゼン環の置換位置がメタ位またはオルト位であると好ましい。
また、本発明の他の一態様は、構造式(101)、(102)、(103)、(105)、または(106)のいずれか一つで表される有機化合物である。
また、本発明の他の一態様は、上述の有機化合物を用いた発光素子である。また、該発光素子を用いた発光装置である。また、該発光装置を用いた電子機器及び照明装置である。
本発明の一態様は、発光層の発光物質を分散させるホスト材料として用いることのできる新規有機化合物を提供できる。特に、燐光性化合物を発光物質に用いる場合のホスト材料として好適に用いることのできる新規有機化合物を提供できる。また、本発明の一態様は、高い電子輸送性を有し、電子輸送層に好適に用いることのできる新規有機化合物を提供できる。なお、本発明の一態様はこれらの効果に限定されるものではない。例えば、本発明の一態様は、場合によっては、または、状況に応じて、これらの効果以外の効果を有する場合もある。
本発明の一態様の発光素子を説明する図。 本発明の一態様の発光素子を説明する図。 本発明の一態様の発光装置を説明する図。 本発明の一態様の発光装置を説明する図。 本発明の一態様の電子機器を説明する図。 本発明の一態様の照明装置を説明する図。 2,2’−(1,1’−ビフェニル−3,3’−ジイル)ジ(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(mDBq2BP)のH NMRチャートを示す図。 mDBq2BPのトルエン溶液の発光スペクトル及び吸収スペクトルを示す図。 mDBq2BPの薄膜の発光スペクトル及び吸収スペクトルを示す図。 2,2’,2’’−[(1,3,5−ベンゼン−トリイル)トリ(3,1−フェニレン)]トリ(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(mDBqP3P)のH NMRチャートを示す図。 2,2’−(1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クアテルフェニレン−3,3’’’−ジイル)ジ(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(mDBqP2BP)のH NMRチャートを示す図。 2,2’−[(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ジ(3,1−フェニレン)]ジ(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(mDBqP2F)のH NMRチャートを示す図。 mDBqP2Fのジメチルホルムアミド溶液の発光スペクトル及び吸収スペクトルを示す図。 mDBqP2Fの薄膜の発光スペクトル及び吸収スペクトルを示す図。 2,2’−(1,1’:3’,1’’−テルフェニレン−3,3’’−ジイル)ジ(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(mDBqP2P)のH NMRチャートを示す図。 mDBqP2Pのジメチルホルムアミド溶液の発光スペクトル及び吸収スペクトルを示す図。 mDBqP2Pの薄膜の発光スペクトル及び吸収スペクトルを示す図。 DBt−mDBqP2PのH NMRチャートを示す図。 実施例の発光素子を説明する図。 実施例の発光素子1の電流密度−輝度特性を示す図。 実施例の発光素子1の電圧−輝度特性を示す図。 実施例の発光素子1の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例の発光素子1の電圧−電流特性を示す図。 実施例の発光素子1の発光スペクトルを示す図。 実施例の発光素子2の電流密度−輝度特性を示す図。 実施例の発光素子2の電圧−輝度特性を示す図。 実施例の発光素子2の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例の発光素子2の電圧−電流特性を示す図。 実施例の発光素子2の発光スペクトルを示す図。 実施例の発光素子3の電流密度−輝度特性を示す図。 実施例の発光素子3の電圧−輝度特性を示す図。 実施例の発光素子3の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例の発光素子3の電圧−電流特性を示す図。 実施例の発光素子3の発光スペクトルを示す図。 実施例の発光素子4の電流密度−輝度特性を示す図。 実施例の発光素子4の電圧−輝度特性を示す図。 実施例の発光素子4の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例の発光素子4の電圧−電流特性を示す図。 実施例の発光素子4の発光スペクトルを示す図。 実施例の発光素子1の信頼性試験結果を示す図。 実施例の発光素子2の信頼性試験結果を示す図。 mDBqP2BPのトルエン溶液の発光スペクトル及び吸収スペクトルを示す図。 mDBqP2BPの薄膜の発光スペクトル及び吸収スペクトルを示す図。
以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、本明細書中における発光装置とは、発光素子を用いた画像表示デバイスを含む。また、発光素子にコネクター、異方導電性フィルム、またはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、又は発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。さらに、照明器具等に用いられる発光装置も含むものとする。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の有機化合物について説明する。
本発明の一態様は、一般式(G1−1)で表される有機化合物である。
一般式(G1−1)中、Aは、置換もしくは無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリン−イル基を表す。また、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、nは、2または3を表す。
また、本発明の一態様は、一般式(G2−1)で表される有機化合物である。
一般式(G2−1)中、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、R〜Rは、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、本発明の一態様は、一般式(G3−1)で表される有機化合物である。
一般式(G3−1)中において、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、R11〜R18及びR20は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、本発明の一態様は、一般式(G4−1)で表される有機化合物である。
一般式(G4−1)中において、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、R11〜R17、R19及びR20は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、本発明の一態様は、一般式(G1−2)で表される有機化合物である。
一般式(G1−2)中において、Aは、置換もしくは無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリン−イル基を表す。また、Arは、置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、本発明の一態様は、一般式(G2−2)で表される有機化合物である。
一般式(G2−2)中において、Arは、置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基を表す。また、R〜Rは、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、一般式(G2−2)中において、Rがアリール基であると、RとArが光環化し、T1準位が著しく低下する場合がある。また、T1準位が著しく低下した場合、発光素子の駆動寿命が低下する場合がある。したがって、一般式(G2−2)中において、Rはアルキル基又は水素であることが好ましい。また、合成の簡便さを考慮するとRは水素であることが好ましい。
また、本発明の一態様は、一般式(G3−2)で表される有機化合物である。
一般式(G3−2)中において、Arは、置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基を表す。また、R11〜R18及びR20は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、一般式(G3−1)、(G3−2)中において、R11及びR12がいずれもアリール基であると、R11とR12が光環化し、、物質のT1準位が著しく低下する場合がある。また、T1準位が著しく低下した場合、発光素子の駆動寿命が低下する場合がある。したがって、一般式(G3−1)、(G3−2)中において、R11とR12は同時にアリール基で無い方が好ましい。別言するとR11またはR12のいずれか一方または双方が、水素であることが好ましい。とくに、合成の簡便さを考慮するとR11とR12は、それぞれ水素であることが好ましい。
また、本発明の一態様は、一般式(G4−2)で表される有機化合物である。
一般式(G4−2)中において、Arは、置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基を表す。また、R11〜R17、R19及びR20は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。
また、一般式(G1−2)、(G2−2)、(G3−2)、または(G4−2)中において、Arを置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基とすることで、有機化合物の耐熱性が向上するため好ましい。また、該有機化合物からなる薄膜の膜質の安定性が向上するため好ましい。
また、一般式(G1−1)、(G2−1)、(G3−1)、(G4−1)、(G1−2)、(G2−2)、(G3−2)または(G4−2)中において、ベンゼン環の置換位置が、メタ位またはオルト位であると好ましい。ベンゼン環の置換位置をメタ位またはオルト位とすることで、有機化合物の結晶化が起こりにくく耐熱性が向上するため好ましい。また、該有機化合物を含む薄膜の膜質の安定性が向上するため好ましい。さらに、ベンゼン環の置換位置をメタ位またはオルト位とした有機化合物は、パラ位で置換した有機化合物と比較して高いT1準位を有するため好ましい。また、該有機化合物を用いることで、高い発光効率の燐光素子を実現できる。また、該有機化合物は高いT1準位を有するため、より短波長で発光する燐光素子に好適に用いることが出来る。
また、一般式(G1−1)、(G2−1)、(G3−1)、(G4−1)、(G1−2)、(G2−2)、(G3−2)または(G4−2)中において、Ar及びArが、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環である。各環が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜13のアリール基、カルバゾリル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基等が挙げられる。また、上記置換基はこれらに限られるものではなく、該置換基は更に置換基を有していてもよい。例えば、上記炭素数6〜13のアリール基はカルバゾリル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基等を有していてもよい。
また、上述のカルバゾリル基としては、9H−カルバゾール−9−イル基、9H−カルバゾール−3−イル基、9H−カルバゾール−2−イル基、9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル基、9−フェニル−9H−カルバゾール−2−イル基、2,8−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル基等が挙げられる。また、上述のジベンゾチオフェニル基としては、1−ジベンゾチオフェニル基、2−ジベンゾチオフェニル基、3−ジベンゾチオフェニル基、4−ジベンゾチオフェニル基、2,8−ジフェニル−4−ジベンゾチオフェニル基、2,6,8−トリフェニル−4−ジベンゾチオフェニル基等が挙げられる。また、上述のジベンゾフラニル基としては、1−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、2,8−ジフェニル−4−ジベンゾフラニル基、2,6,8−トリフェニル−4−ジベンゾフラニル基等が挙げられる。
上述の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、シクロヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基等が挙げられる。
上述の置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、オルト−トリル基、メタ−トリル基、パラ−トリル基、オルト−ビフェニル基、メタ−ビフェニル基、パラ−ビフェニル基、9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル基、9,9−ジフェニル−9H−フルオレン−2−イル基、9H−フルオレン−2−イル基、パラ−tert−ブチルフェニル基、メシチル基、2−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル基、3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル基、4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル基、2−(4−ジベンゾチオフェニル)フェニル基、3−(4−ジベンゾチオフェニル)フェニル基、4−(4−ジベンゾチオフェニル)フェニル基、2−(2−ジベンゾチオフェニル)フェニル基、3−(2−ジベンゾチオフェニル)フェニル基、4−(2−ジベンゾチオフェニル)フェニル基、2−(4−ジベンゾフラニル)フェニル基、3−(4−ジベンゾフラニル)フェニル基、4−(4−ジベンゾフラニル)フェニル基、2−(2−ジベンゾフラニル)フェニル基、3−(2−ジベンゾフラニル)フェニル基、4−(2−ジベンゾフラニル)フェニル基等が挙げられる。
また、上記置換基はこれらに限られるものではなく、該置換基は更に置換基を有していてもよい。
また、本発明の他の一態様は、構造式(101)、(102)、(103)、(105)、または(106)のいずれか一つで表される有機化合物である。
また、一般式(G1−1)、(G1−2)、(G1−3)、(G1−4)、(G2−1)、(G2−2)、(G2−3)、または(G2−4)で表される有機化合物の具体例としては、構造式(100)〜構造式(150)で表される有機化合物を挙げることができる。但し、本発明の一態様はこれらに限定されない。
次に、一般式(G1−1)で表される有機化合物の合成方法の一例について説明する。一般式(G1−1)で表される有機化合物の合成方法としては種々の反応を適用することができ、例えば、以下に示す合成反応が挙げられる。なお、該有機化合物の合成方法は、以下の合成方法に限定されない。
≪一般式(G1−1)で表される有機化合物の合成方法≫
一般式(G1)で表される有機化合物は、下記合成スキーム(A−1)のように合成することができる。すなわち、ベンゼン環、フルオレン環の中から選ばれた環で構成された化合物(化合物1)と、ジベンゾ[f,h]キノキサリン化合物(化合物2)をカップリングすることにより、一般式(G1−1)で表される化合物を得ることが出来る。
合成スキーム(A−1)において、Aは、置換もしくは無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリン−イル基を表す。また、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、XおよびXのうちいずれかはハロゲン、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基であり、他方はボロン酸、ボロン酸エステル、ハロゲン化マグネシウム基、又は有機錫基等を表す。また、nは、2または3を表す。
また、合成スキーム(A−1)において、パラジウム触媒を用いた鈴木・宮浦カップリング反応を行う場合、XおよびXの一方はハロゲン又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表し、XおよびXの他方はボロン酸、又はボロン酸エステルを表す。ハロゲンとしては、ヨウ素、臭素又は塩素が好ましい。当該反応では、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)等のパラジウム化合物と、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリ(n−ヘキシル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、トリ(オルト−トリル)ホスフィン等の配位子を用いる事ができる。当該反応では、ナトリウム tert−ブトキシド等の有機塩基や、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基等を用いることができる。当該反応では、溶媒として、トルエン、キシレン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エタノール、メタノール、水等を用いることができる。当該反応で用いることができる試薬類は、上述の試薬類に限られるものではない。
また、合成スキーム(A−1)において行う反応は、鈴木・宮浦カップリング反応に限られるものではなく、有機錫化合物を用いた右田・小杉・スティルカップリング反応、グリニヤール試薬を用いた熊田・玉尾・コリューカップリング反応、有機亜鉛化合物を用いた根岸カップリング反応、銅又は銅化合物を用いた反応等を用いることが出来る。
また、一般式(G2−1)で表される有機化合物の合成方法としては、上記合成スキーム(A−1)の化合物1をベンゼン環で構成された化合物とすることで、一般式(G2−1)で表される化合物を得ることができる。
以上によって、本実施の形態の有機化合物を合成することができる。
本発明の一態様の有機化合物は、高いS1準位や高いT1準位、HOMO準位とLUMO準位間の広いエネルギーギャップ(Eg)を有するため、発光素子において、発光層の発光物質を分散させるホスト材料に用いることで、高い電流効率を得ることができる。特に、燐光性化合物を分散させるホスト材料として好適である。また、本発明の一態様の有機化合物は、電子輸送性の高い物質であるため、発光素子における電子輸送層の材料として好適に用いることができる。本発明の一態様の有機化合物を用いることにより、低駆動電圧、及び高電流効率の発光素子を実現することができる。さらに、この発光素子を用いることで、消費電力の低減された発光装置、電子機器及び照明装置を得ることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができるものとする。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の有機化合物を発光層に用いた発光素子について図1を用いて説明する。
本実施の形態の発光素子は、一対の電極間に少なくとも発光層を有するEL層を挟持して形成される。EL層は発光層の他に複数の層を有してもよい。当該複数の層は、電極から離れたところに発光領域が形成されるように、つまり電極から離れた部位でキャリアの再結合が行われるように、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層を組み合わせて積層されたものである。本明細書では、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層をキャリアの注入、輸送などの機能を有する、機能層ともよぶ。機能層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などを用いることができる。
図1(A)に示す本実施の形態の発光素子において、基板100上に第1の電極101及び第2の電極103の一対の電極間にEL層102が設けられている。EL層102は、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115を有している。なお、本実施の形態に示す発光素子において、第1の電極101は陽極として機能し、第2の電極103は陰極として機能する。
基板100は発光素子の支持体として用いられる。基板100としては、例えばガラス、石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォンからなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル等からなる)、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。
第1の電極101および第2の電極103には、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、シリコンまたは酸化シリコンを含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)の他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金、その他、マグネシウム(Mg)、グラフェン等を用いることができる。なお、第1の電極101および第2の電極103は、例えばスパッタリング法や蒸着法(真空蒸着法を含む)等により形成することができる。
第1の電極101上に形成されるEL層102は、少なくとも発光層113を有しており、またEL層102の一部には、本発明の一態様である有機化合物を含んで形成される。また、EL層102には様々な物質を用いることもでき、低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもできる。なお、EL層102を形成する物質には、有機化合物のみから成るものだけでなく、無機化合物を一部に含む構成も含めるものとする。
正孔注入層111、及び正孔輸送層112に用いる正孔輸送性の高い物質としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体やインドール誘導体)、または芳香族アミン化合物を用いることができる。例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4、4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)などの芳香族アミン骨格を有する化合物や、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)などのカルバゾール骨格を有する化合物や、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)などのチオフェン骨格を有する化合物や、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)などのフラン骨格を有する化合物が挙げられる。
上述した中でも、カルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。
さらに、正孔注入層111、及び正孔輸送層112に用いることのできる材料としては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物を用いることもできる。
また、正孔注入層111、及び正孔輸送層112は、上記正孔輸送性の高い物質と、アクセプター性を有する物質との混合層を用いてもよい。この場合、キャリア注入性が良好となり好ましい。用いるアクセプター性物質としては、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化モリブデンが特に好ましい。
発光層113は、例えば、電子輸送性材料をホスト材料(第1の有機化合物)として含み、燐光性化合物をゲスト材料(第2の有機化合物)として含み、正孔輸送性材料をアシスト材料(第3の有機化合物)として含んで形成される層であると好ましい。なお、ホスト材料とアシスト材料のキャリア輸送性の関係は、上記構成に限定されず、電子輸送性材料をアシスト材料として用い、正孔輸送性材料をホスト材料としても良い。また、ホスト材料は電子輸送性材料のみ、又は正孔輸送性材料のみから構成されていても良い。
なお、実施の形態1に示す本発明の一態様の有機化合物は、発光層113におけるホスト材料として用いることができる。
なお、本発明の一態様の有機化合物は、高いT1準位を有しているため、高いS1準位も有している。したがって、蛍光発光材料のホスト材料としても用いることができる。
また、ゲスト材料としては、例えば、燐光性化合物や熱活性化遅延蛍光(TADF:Thermally Activated Delayed Fluorescence)材料が挙げられる。
例えば440nm〜520nmに発光のピークを有する燐光性化合物としては、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz−dmp))、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz)])、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrptz−3b))のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz1−mp)])、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Prptz1−Me))のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi))、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(dmpimpt−Me))のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。上述した中でも、4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも優れるため、特に好ましい。
また、例えば520nm〜600nmに発光のピークを有する燐光性化合物としては、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)])、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)])、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(endo−,exo−混合物)(略称:Ir(nbppm)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(mpmppm)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)(acac)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr−Me)(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr−iPr)(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppy)])、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(ppy)(acac)])、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bzq)(acac)])、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(bzq)])、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(pq)])、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(pq)(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:[Tb(acac)(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
また、例えば600nm〜700nmに発光のピークを有する燐光性化合物としては、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)(dibm)])、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)(dpm)])、ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(d1npm)(dpm)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)(acac)])、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)(dpm)])、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdpq)(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(piq)])、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(piq)(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(DBM)(Phen)])、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(TTA)(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。
また、アシスト材料としては、正孔注入層111、及び正孔輸送層112に用いることのできる正孔輸送性の高い物質を用いればよい。
とくに、アシスト材料としては、カルバゾール骨格を含む化合物が好ましい。カルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。
なお、これらのホスト材料およびアシスト材料(は、青色の領域に吸収を有さないことが好ましい。具体的には、吸収端が440nm以下であることが好ましい。
電子輸送層114は、電子輸送性の高い物質を含む層である。本発明の一態様の有機化合物は電子輸送性が高いため、電子輸送層114に用いることができる。また、本発明の一態様の有機化合物の他、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などの金属錯体を用いることができる。また、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4’−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4’’−ビフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層114として用いてもよい。
また、電子輸送層114は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が2層以上積層したものとしてもよい。
電子注入層115は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層115には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層115にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を添加した物質等が挙げられる。また、上述した電子輸送層114を構成する物質を用いてもよい。
あるいは、電子注入層115に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層114を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、上述した正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、及び電子注入層115は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
また、上述した発光素子は、第1の電極101および第2の電極103との間に与えられる電位差により電流が流れ、EL層102において正孔と電子とが再結合することにより発光する。そして、この発光は、第1の電極101および第2の電極103のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極101および第2の電極103のいずれか一方、または両方が透光性を有する電極となる。
なお、第1の電極101と第2の電極103との間に設けられる層の構成は、上記のものに限定されない。発光領域と金属とが近接することによって生じる消光を防ぐように、第1の電極101及び第2の電極103から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設けた構成であれば上記以外のものでもよい。
つまり、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性の物質(電子及び正孔の輸送性の高い物質)、または正孔ブロック材料等から成る層を、本発明の一態様の有機化合物を含む発光層と自由に組み合わせて構成すればよい。
また、発光層(特に発光層のホスト材料)および電子輸送層の双方に、本発明の一態様の有機化合物を適用することで、極めて低い駆動電圧が実現できる。
次に、図1(B)及び図1(C)に示す発光素子について、以下説明を行う。
図1(B)に示す発光素子は、第1の電極301と、第2の電極303の間に、複数の発光層(第1の発光層311、第2の発光層312)を有するタンデム型の発光素子である。
第1の電極301は、陽極として機能する電極であり、第2の電極303は陰極として機能する電極である。なお、第1の電極301及び第2の電極303は、第1の電極101及び第2の電極103と同様な構成を用いることができる。
また、第1の発光層311と第2の発光層312は、発光層113と同様の構成を用いることができる。なお、第1の発光層311と第2の発光層312は、同じ構成であっても異なる構成であってもよく、いずれか一方に発光層113と同様の構成を用いればよい。また、第1の発光層311、第2の発光層312以外に、先に説明した、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層114、及び電子注入層115を適宜設けてもよい。
また、第1の発光層311と第2の発光層312の間には、電荷発生層313が設けられている。電荷発生層313は、第1の電極301と第2の電極303に電圧を印加したときに、一方の発光層に電子を注入し、他方の発光層に正孔を注入する機能を有する。本実施の形態の場合には、第1の電極301に第2の電極303よりも電位が高くなるように電圧を印加すると、電荷発生層313から第1の発光層311に電子が注入され、第2の発光層312に正孔が注入される。
なお、電荷発生層313は、光の取り出し効率の点から、可視光に対して透光性を有する(具体的には、電荷発生層313に対する可視光の透過率が、40%以上)ことが好ましい。また、電荷発生層313は、第1の電極301や第2の電極303よりも低い導電率であっても機能する。
電荷発生層313は、正孔輸送性の高い有機化合物に電子受容体(アクセプター)が添加された構成であっても、電子輸送性の高い有機化合物に電子供与体が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
正孔輸送性の高い有機化合物に電子受容体が添加された構成とする場合において、正孔輸送性の高い有機化合物としては、例えば、NPBやTPD、TDATA、MTDATA、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い有機化合物であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
また、電子受容体としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。また、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
一方、電子輸送性の高い有機化合物に電子供与体が添加された構成とする場合において、電子輸送性の高い有機化合物としては、例えば、Alq、Almq、BeBq、BAlqなど、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等を用いることができる。また、この他、Zn(BOX)、Zn(BTZ)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、PBDやOXD−7、TAZ、BPhen、BCPなども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い有機化合物であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
また、電子供与体としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属または元素周期表における第13族に属する金属およびその酸化物、炭酸塩を用いることができる。具体的には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、イッテルビウム(Yb)、インジウム(In)、酸化リチウム、炭酸セシウムなどを用いることが好ましい。また、テトラチアナフタセンのような有機化合物を電子供与体として用いてもよい。
図1(B)においては、発光層を2層有する発光素子について説明したが、図1(C)に示すように、n層(ただし、nは、3以上)の発光層を積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光層を有する場合、発光層と発光層との間に電荷発生層313を配置することで、電流密度を低く保ったまま高輝度領域での発光が可能である。電流密度を低く保てるため、長寿命素子を実現できる。また、低電圧駆動が可能で消費電力が低い発光装置を実現することができる。
また、それぞれの発光層の発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つの発光層を有する発光素子において、第1の発光層の発光色と第2の発光層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光素子全体として白色発光する発光素子を得ることも可能である。なお、補色とは、混合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色を発光する物質から得られた光と混合すると、白色発光を得ることができる。
また、3つの発光層を有する発光素子の場合でも同様であり、例えば、第1の発光層の発光色が赤色であり、第2の発光層の発光色が緑色であり、第3の発光層の発光色が青色である場合、発光素子全体としては、白色発光を得ることができる。
以上のように、本実施の形態に示す発光素子は、発光層に本発明の一態様の有機化合物を有する。本発明の一態様の有機化合物は、広いエネルギーギャップを有するため、発光素子において、発光層の発光物質を分散させるホスト材料に用いることで、高い電流効率を得ることができる。特に、燐光性化合物を分散させるホスト材料として好適である。
また、上記有機化合物を発光層に含む発光素子とすることで、駆動電圧の低い発光素子を実現することができる。また、長寿命の発光素子を実現することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができるものとする。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の有機化合物を発光層に用いた発光素子について図2を用いて説明する。なお、本実施の形態では、一対の電極間にEL層を有し、EL層における発光層が、本発明の一態様の有機化合物と、他の2種類以上の有機化合物を含む発光素子について説明する。
本実施の形態に示す発光素子は、図2に示すように一対の電極(第1の電極201及び第2の電極202)間にEL層203を有する構造である。EL層203には、少なくとも発光層204を有し、その他、第1の電極201と発光層204の間の領域、及び第2の電極202と発光層204の間の領域に正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層などが含まれていても良い。正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層には、実施の形態2に示した物質を用いることができる。なお、本実施の形態においては、第1の電極201を陽極として用い、第2の電極202を陰極として用いる。
本実施の形態に示す発光層204は、第1の有機化合物206として実施の形態1に示した本発明の一態様の有機化合物、および第2の有機化合物207と燐光性化合物205とが含まれている。燐光性化合物205はゲスト材料であり、第1の有機化合物206、および第2の有機化合物207のうち発光層204に含まれる割合の多い方が、ホスト材料である。ここでは、第1の有機化合物206をホスト材料として用いる構成について以下説明を行う。
発光層204において、上記ゲスト材料をホスト材料に分散させた構成とすることにより、発光層の結晶化を抑制することができる。また、ゲスト材料の濃度が高いことによる濃度消光を抑制し、発光素子の発光効率を高くすることができる。
なお、第1の有機化合物206、及び第2の有機化合物207のそれぞれのT1準位は、燐光性化合物205のT1準位よりも高いことが好ましい。第1の有機化合物206(又は第2の有機化合物207)のT1準位が燐光性化合物205のT1準位よりも低いと、発光に寄与する燐光性化合物205の三重項励起エネルギーを第1の有機化合物206(又は第2の有機化合物207)が消光(クエンチ)してしまい、発光効率の低下を招くためである。
ここで、ホスト材料からゲスト材料へのエネルギー移動効率を高めるためには、ホスト材料の発光スペクトル(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光スペクトル、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光スペクトル)とゲスト材料の吸収スペクトル(より詳細には、最も長波長側の吸収帯)との重なりが大きくなることが好ましい。しかしながら通常の燐光性のゲスト材料の場合、ホスト材料の蛍光スペクトルを、ゲスト材料の最も長波長側の吸収帯と重ねることは困難である。なぜならば、そのようにしてしまうと、ホスト材料の燐光スペクトルは蛍光スペクトルよりも長波長側に位置するため、ホスト材料のT1準位が燐光性化合物のT1準位を下回ってしまい、クエンチが生じてしまうからである。一方、クエンチを回避するため、ホスト材料のT1準位が燐光性化合物のT1準位を上回るように設計すると、今度はホスト材料の蛍光スペクトルが短波長側にシフトするため、その蛍光スペクトルはゲスト材料の最も長波長側の吸収帯と重ならなくなる。したがって、ホスト材料の蛍光スペクトルをゲスト材料の最も長波長側の吸収帯と重ね、ホスト材料の一重項励起状態からのエネルギー移動を最大限に高めることは、通常困難である。
そこで本実施形態においては、第1の有機化合物206、及び第2の有機化合物207は、励起錯体(エキサイプレックスとも言う)を形成する組み合わせであることが好ましい。この場合、発光層204におけるキャリアの再結合の際に第1の有機化合物206と第2の有機化合物207は、励起錯体を形成する。これにより、発光層204において、第1の有機化合物206の蛍光スペクトルおよび第2の有機化合物207の蛍光スペクトルよりも長波長側に位置する励起錯体の発光スペクトルが得られる。そして、励起錯体の発光スペクトルとゲスト材料の吸収スペクトルとの重なりが大きくなるように、第1の有機化合物と第2の有機化合物を選択すれば、一重項励起状態からのエネルギー移動を最大限に高めることができる。なお、三重項励起状態に関しても、第1の有機化合物206あるいは第2の有機化合物207の励起状態からではなく、励起錯体からのエネルギー移動が生じると考えられる。
燐光性化合物205としては、例えば、実施の形態2に示す燐光性化合物を用いることができるが、燐光性化合物の変わりに熱活性化遅延蛍光材料を用いることも可能である。また、第1の有機化合物206としては、例えば、本発明の一態様の有機化合物を用いることができる。本発明の一態様の有機化合物は、電子を受け取りやすい化合物(電子トラップ性化合物)である。また、第2の有機化合物207としては、例えば、ホールを受け取りやすい化合物(正孔トラップ性化合物)を用いることができる。
ホールを受け取りやすい化合物としては、例えば、PCBA1BP、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N−(9,9−ジメチル−2−N’,N’−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、4−フェニルジフェニル−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミン(略称:PCA1BP)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、N,N−ジ(ビフェニル−4−イル)−N−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミン(略称:PCzBBA1)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)、TPD、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)が挙げられる。
上述した第1の有機化合物206及び第2の有機化合物207は、励起錯体を形成できる組み合わせの一例であり、励起錯体の発光スペクトルが、燐光性化合物205の吸収スペクトルと重なり、励起錯体の発光スペクトルのピークが、燐光性化合物205の吸収スペクトルのピークよりも長波長であればよい。
なお、電子を受け取りやすい化合物とホールを受け取りやすい化合物で第1の有機化合物206と第2の有機化合物207を構成する場合、その混合比によってキャリアバランスを制御することができる。具体的には、第1の有機化合物:第2の有機化合物=1:9〜9:1(重量比)の範囲が好ましい。
本実施の形態で示した発光素子は、励起錯体の発光スペクトルと燐光性化合物の吸収スペクトルとの重なりを利用したエネルギー移動により、エネルギー移動効率を高めることができるため、外部量子効率の高い発光素子を実現することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができるものとする。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を適用した発光装置について図3を用いて説明する。なお、図3(A)は発光装置を示す上面図、図3(B)は図3(A)をA−B及びC−Dで切断した断面図である。
本実施の形態の発光装置は、駆動回路部であるソース側駆動回路401及びゲート側駆動回路403、画素部402、封止基板404、シール材405、FPC(フレキシブルプリントサーキット)409、並びに素子基板410を有する。シール材405で囲まれた内側は、空間407になっている。
なお、引き回し配線408はソース側駆動回路401及びゲート側駆動回路403に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC409からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPC又はPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
図3(A)に示す素子基板410上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、図3(B)では、駆動回路部であるソース側駆動回路401と、画素部402中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路401は、FET423とFET424とを組み合わせた構成について例示している。FET423とFET424とを有するソース側駆動回路401は、単極性(N型またはP型のいずれか一方のみ)のトランジスタを含む回路で形成されても良いし、N型のトランジスタとP型のトランジスタを含むCMOS回路で形成されても良い。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部402はスイッチング用のFET411と、電流制御用のFET412と電流制御用のFET412の配線(ソース電極又はドレイン電極)に電気的に接続された第1の電極413とを含む複数の画素により形成される。また、本実施の形態においては、画素部402はスイッチング用のFET411と、電流制御用のFET412との2つのFETにより画素部402を構成する例について示したが、これに限定されない。例えば、3つ以上のFETと、容量素子とを組み合わせた画素部402としてもよい。
FET411、412、423、424としては、例えば、スタガ型や逆スタガ型のトランジスタを適用することができる。FET411、412、423、424に用いることのできる半導体材料としては、例えば、IV族(シリコン、ガリウム等)半導体、化合物半導体、酸化物半導体、有機半導体材料を用いることができる。また、該半導体材料の結晶性については、特に限定されず、例えば、非晶質半導体、または結晶性半導体を用いることができる。とくに、FET411、412、423、424としては、酸化物半導体を用いると好ましい。該酸化物半導体としては、例えば、In−Ga酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、Al、Ga、Y、Zr、La、Ce、またはNd)等が挙げられる。FET411、412、423、424として、例えば、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、さらに好ましくは3eV以上の酸化物半導体材料を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
また、第1の電極413の端部を覆って絶縁物414が形成されている。ここでは、絶縁物414として、ポジ型の感光性アクリル樹脂を用いることにより形成する。また、本実施の形態においては、第1の電極413を陽極として用いる。
また、絶縁物414の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにするのが好ましい。絶縁物414の形状を上記のように形成することで、絶縁物414の上層に形成される膜の被覆性を良好なものとすることができる。例えば、絶縁物414の材料として、ネガ型の感光性樹脂、或いはポジ型の感光性樹脂のいずれかを使用することができ、有機化合物に限らず無機化合物、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン等を使用することができる。
第1の電極413上には、EL層416及び第2の電極417が積層形成されている。EL層416は、少なくとも発光層が設けられている。また、EL層416には、発光層の他に正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層等を適宜設けることができる。また、本実施の形態においては、第2の電極417を陰極として用いる。
なお、第1の電極413、EL層416及び第2の電極417との積層構造で、発光素子418が形成されている。第1の電極413、EL層416及び第2の電極417に用いる材料としては、先の実施の形態に示す材料を用いることができる。また、ここでは図示しないが、第2の電極417は外部入力端子であるFPC409に電気的に接続されている。
また、図3(B)に示す断面図では発光素子418を1つのみ図示しているが、画素部402において、複数の発光素子がマトリクス状に配置されているものとする。画素部402には、3種類(R、G、B)の発光が得られる発光素子をそれぞれ選択的に形成し、フルカラー表示可能な発光装置を形成することができる。また、3種類(R、G、B)の発光が得られる発光素子の他に、例えば、ホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)等の発光が得られる発光素子を形成してもよい。例えば、3種類(R、G、B)の発光が得られる発光素子に上述の数種類の発光が得られる発光素子を追加することにより、色純度の向上、消費電力の低減等の効果が得ることができる。また、カラーフィルタと組み合わせることによってフルカラー表示可能な発光装置としてもよい。
さらに、シール材405で封止基板404を素子基板410と貼り合わせることにより、素子基板410、封止基板404、およびシール材405で囲まれた空間407に発光素子418が備えられた構造になっている。なお、空間407には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材405で充填される構成も含むものとする。
なお、シール材405にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板404に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光素子を有するアクティブマトリクス型の発光装置を得ることができる。
また、本発明の一態様の発光素子は、上述したアクティブマトリクス型の発光装置のみならずパッシブマトリクス型の発光装置に用いることもできる。図4に本発明の一態様の発光素子を用いたパッシブマトリクス型の発光装置の斜視図及び断面図を示す。図4(B)の断面図は図4(A)をX−Yで切断したものである。
図4において、基板501上の第1の電極502と第2の電極503との間にはEL層504が設けられている。第1の電極502の端部は絶縁層505で覆われている。そして、絶縁層505上には隔壁層506が設けられている。隔壁層506の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなるような傾斜を有する。つまり、隔壁層506の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層505と接する辺)の方が上辺(絶縁層505と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層506を設けることで、クロストーク等に起因した発光素子の不良を防ぐことができる。
以上により、本発明の一態様の発光素子を適用した発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態で示した発光装置は、いずれも本発明の一態様の発光素子を用いて形成されることから、消費電力の低い発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置を用いて完成させた様々な電子機器および照明器具の一例について、図5及び図6を用いて説明する。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
本発明の一態様の有機化合物を含む発光素子を、可撓性を有する基板上に作製することで、曲面を有する発光部を有する電子機器、照明装置を実現することができる。
また、本発明の一態様の有機化合物を含む発光素子が備える一対の電極を可視光に対する透光性を有する材料を用いて形成することで、シースルーの発光部を有する電子機器、照明装置を実現することができる。
また、本発明の一態様を適用した発光装置は、自動車の照明にも適用することができ、例えば、ダッシュボードや、フロントガラス、天井等に照明を設置することもできる。
図5(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7103が組み込まれている。表示部7103により、映像を表示することが可能であり、発光装置を表示部7103に用いることができる。また、ここでは、スタンド7105により筐体7101を支持した構成を示している。
テレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7110により行うことができる。リモコン操作機7110が備える操作キー7109により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7103に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機7110に、当該リモコン操作機7110から出力する情報を表示する表示部7107を設ける構成としてもよい。
なお、テレビジョン装置7100は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図5(B)はコンピュータであり、本体7201、筐体7202、表示部7203、キーボード7204、外部接続ポート7205、ポインティングデバイス7206等を含む。なお、コンピュータは、発光装置をその表示部7203に用いることにより作製される。
図5(C)は携帯型遊技機であり、筐体7301と筐体7302の2つの筐体で構成されており、連結部7303により、開閉可能に連結されている。筐体7301には表示部7304が組み込まれ、筐体7302には表示部7305が組み込まれている。また、図5(C)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部7306、記録媒体挿入部7307、LEDランプ7308、入力手段(操作キー7309、接続端子7310、センサ7311(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定あるいは検知する機能を含むもの)、マイクロフォン7312)等を備えている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも表示部7304および表示部7305の両方、又は一方に発光装置を用いていればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。図5(C)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図5(C)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図5(D)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、発光装置を表示部7402に用いることにより作製される。
図5(D)に示す携帯電話機7400は、表示部7402を指などで触れることで、情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いはメールを作成するなどの操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
表示部7402の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部7402を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面上で文字の入力操作を行えばよい。この場合、表示部7402の画面のほとんどにキーボード又は番号ボタンを表示させることが好ましい。
また、携帯電話機7400内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、携帯電話機7400の向き(縦か横か)を判断して、表示部7402の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
また、画面モードの切り替えは、表示部7402を触れること、又は筐体7401の操作ボタン7403の操作により行われる。また、表示部7402に表示される画像の種類によって切り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
また、入力モードにおいて、表示部7402の光センサによって、表示部7402のタッチ操作による入力が一定期間ないと判断された場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
表示部7402は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部7402に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
図5(E)は卓上照明器具であり、照明部7501、傘7502、可変アーム7503、支柱7504、台7505、電源7506を含む。なお、卓上照明器具は、発光装置を照明部7501に用いることにより作製される。なお、照明器具には天井固定型の照明器具又は壁掛け型の照明器具なども含まれる。
図6(A)は、発光装置を、室内の照明装置601として用いた例である。発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。その他、ロール型の照明装置602として用いることもできる。なお、図6(A)に示すように、室内の照明装置601を備えた部屋で、図5(E)で説明した卓上照明器具603を併用してもよい。
図6(B)に別の照明装置の例を示す。図6(B)に示す卓上照明装置は、照明部9501、支柱9503、支持台9505等を含む。照明部9501は、本発明の一態様の有機化合物を含む。このように、可撓性を有する基板上に発光素子を作製することで、曲面を有する照明装置、又はフレキシブルに曲がる照明部を有する照明装置とすることができる。このように、フレキシブルな発光装置を照明装置として用いることで、照明装置のデザインの自由度が向上するのみでなく、例えば、自動車の天井、ダッシュボード等の曲面を有する場所にも照明装置を設置することが可能となる。
以上のようにして、発光装置を適用して電子機器や照明器具を得ることができる。発光装置の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成を適宜組み合わせて用いることができる。
≪合成例1≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(101)で表される2,2’−(1,1’−ビフェニル−3,3’−ジイル)ジ(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(略称:mDBq2BP)の合成方法について具体的に説明する。mDBq2BPの構造を以下に示す。
mDBq2BPの合成スキームを以下に示す。
<ステップ1:2−[3−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成>
200mLの三口フラスコへ、1.9g(4.8mmol)の2−(3−ブロモフェニル)ジベンゾ[f,h]キノキサリンと、2.0g(7.7mmol)のビス(ピナコラト)ジボロンと、0.12g(0.14mmol)の[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(略称:Pd(dppf)Cl)と、2.0g(20mmol)の酢酸カリウム(略称:AcOK)を入れ、系内を窒素置換した後、この混合物へ、17mLの1,4−ジオキサンを加えた。この混合物を90℃で8時間加熱撹拌した。撹拌後、この混合物へ50mLの水と、50mLのトルエンを加えた後、水層をトルエンで抽出し、抽出溶液と有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムを加えた。得られた混合物を自然ろ過し、得られたろ液を濃縮したところ、黒色固体を得た。ステップ1の合成スキームを下記(a−1)に示す。
<ステップ2:2,2’−(1,1’−ビフェニル−3,3’−ジイル)ジ(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(略称:mDBq2BP)の合成>
300mL三口フラスコに上記合成スキーム(a−1)により得られた2−[3−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと、1.7g(4.4mmol)の2−(3−ブロモフェニル)ジベンゾ[f,h]キノキサリンと、0.16g(0.53mmol)のトリス(2−メチルフェニル)ホスフィン(略称:P(o−tolyl))と、22mLのトルエンと、24mLのエタノールと、6.6mLの炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)を加えた。この混合物を、減圧下で撹拌することで脱気し、脱気後フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、30mg(0.13mmol)の酢酸パラジウム(II)(略称:Pd(OAc))を加えた。この混合物を窒素気流下、80℃で4時間撹拌した。所定時間経過後、系内に析出した固体を吸引ろ過により回収した。得られた固体を水、エタノール、トルエンの順に洗浄し、洗浄後吸引ろ過にて回収したところ、褐色固体を2.6g、収率90%で得た。ステップ2の合成スキームを下記(a−2)に示す。なお、上記の収率は、合成スキーム(a−1)と合成スキーム(a−2)との2段階のステップでの収率である。
次に、得られた褐色個体2.5gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.6Pa、アルゴン流量5.0mL/minの流速で流しながら、褐色固体を340℃で46時間加熱して行った。加熱後、目的物の淡褐色固体を2.1g、回収率84%で得た。
核磁気共鳴法(H NMR)によって、この化合物が目的物であるmDBq2BPであることを確認した。
得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。
H NMR(CDCl,500MHz):δ=7.75−7.85(m、10H)、7.96(d、J=4.8Hz、2H)、8.41(d、J=4.2Hz、2H)、8.68(d、J=5.1Hz、4H)、8.75(s、2H)、9.30(d、J=4.8Hz、2H)、9.47(d、J=4.5Hz、2H)、9.53(s、2H)。
また、H NMRチャートを図7に示す。なお、図7(B)は、図7(A)における7.5ppm〜10.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、mDBq2BPのトルエン溶液の発光スペクトルを図8(A)に、吸収スペクトルを図8(B)にそれぞれ示す。また、mDBq2BPの薄膜の発光スペクトルを図9(A)に、吸収スペクトルを図9(B)にそれぞれ示す。なお、図8(A)及び図9(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表し、図8(B)及び図9(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では、387及び405nm(励起波長365nm)に発光ピークがみられ、303、366及び375nmに吸収ピークがみられた。また、薄膜の場合では、406、440、456、及び492nm(励起波長369nm)に発光ピークがみられ、311、369、及び384nmに吸収ピークがみられた。
なお、吸収スペクトルの測定装置としては、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。また、発光スペクトル及び吸収スペクトルの測定方法としては、溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製して測定を行った。なお、吸収スペクトルとしては、溶液については石英セルにトルエンまたはジメチルホルムアミドのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いたスペクトルであり、薄膜については石英基板の吸収スペクトルを差し引いたスペクトルである。
また、合成例1で作製した、mDBq2BPの熱重量測定−示差熱分析を行った。測定には高真空差動型示差熱天秤(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、TG−DTA2410SA)を用いた。常圧、昇温速度10℃/min、窒素気流下(流速:200mL/min)条件で測定したところ、重量と温度の関係(熱重量測定)から、mDBq2BPの5%重量減少温度は460℃であることが明らかとなった。
≪合成例2≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(106)で表される2,2’,2’’−[(1,3,5−ベンゼン−トリイル)トリ(3,1−フェニレン)]トリ(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(略称:mDBqP3P)の合成方法について具体的に説明する。mDBqP3Pの構造を以下に示す。
mDBqP3Pの合成スキームを以下に示す。
<ステップ1:mDBqP3Pの合成>
200mL三つ口フラスコに、実施例1ステップ1、スキーム(a−1)と同様の方法で合成した2.2g(5.0mmol)の2−[3−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと、0.50g(1.6mmol)の1,3,5−トリブロモベンゼンと、3.2g(10mmol)の炭酸セシウムを入れ、系内を窒素置換した。この混合物へ100mLのメシチレンを加えてから、フラスコ内を減圧しながら混合物を撹拌して、この混合物を脱気した。脱気後、系内を窒素気流下としてから、この混合物へテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.11g(0.10mmol)を加えてから、この混合物を150℃で7.5時間撹拌した。析出物を吸引濾過により回収し、水、エタノール、トルエンを用いて洗浄した。洗浄後、得られた固体を吸引ろ過により回収したところ、目的物の褐色固体を1.3g、収率82%で得た。ステップ1の合成スキームを下記(b−1)に示す。
H NMRによって、この化合物が目的物であるmDBqP3Pであることを確認した。
得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。
H NMR(CDCl,500MHz):δ=7.71−7.83(m、15H)、8.03(d、J=4.5Hz、3H)、8.22(s、3H)、8.43(d、J=4.8Hz、3H)、8.61(d、J=4.8Hz、3H)、8.65(d、J=4.8Hz、3H)、8.82(s、3H)、9.29(d、J=4.8Hz、3H)、9.45(d、J=4.2Hz、3H)、9.55(s、3H)。
また、H NMRチャートを図10に示す。なお、図10(B)は、図10(A)における7.5ppm〜10.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
≪合成例3≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(103)で表される2,2’−(1,1’:3’,1’’:3’’,1’’’−クアテルフェニレン−3,3’’’−ジイル)ジ(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(略称:mDBqP2BP)の合成方法について具体的に説明する。mDBqP2BPの構造を以下に示す。
mDBqP2BPの合成スキームを以下に示す。
<ステップ1:2−(3’−ブロモ−1,1’−ビフェニル−3−イル)ジベンゾ[f,h]キノキサリンの合成>
300mL三口フラスコへ、10.0g(23mmol)の2−[3−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと、6.5g(23mmol)の1−ブロモ−3−ヨードベンゼンと、0.38g(1.3mmol)のP(o−tolyl)と、115mLのトルエンと、10mLのエタノールと、35mLの炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)を入れ、系内を減圧しながらこの混合物を撹拌して脱気した。脱気後、系内を窒素気流下としてから、80℃に加熱し、同温度で70mg(0.31mmol)のPd(OAc)を加えた後、この混合物を80℃で2時間撹拌した。撹拌後、混合物を室温まで放冷後減圧脱気し、再び系内を窒素気流下としてから80℃に加熱し、同温度で60mg(0.27mmol)のPd(OAc)を加え、8時間加熱した。その後、析出物を吸引濾過により回収した。得られたろ物を、トルエンに懸濁し、この混合物を熱濾過した。得られたろ液を、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)とアルミナを通して吸引濾過した。得られたろ液を濃縮することにより白色固体を得た。得られた固体をトルエンとヘキサンを用いて再結晶したところ、目的物の白色粉末を5.1g、収率48%で得た。ステップ1の合成スキームを下記(c−1)に示す。
<ステップ2:2−[3’−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)ビフェニル−3−イル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成>
100mL三つ口フラスコへ、合成スキーム(c−1)で得られた5.1g(11mmol)の2−(3’−ブロモ−1,1’−ビフェニル−3−イル)ジベンゾ[f,h]キノキサリンと、2.8g(11mmol)のビス(ピナコラト)ジボロンと、3.2g(33mmol)のAcKOを入れ、系内を窒素置換した。この混合物へ、30mLの1,4−ジオキサンを加えた後、100℃に加熱した。その後、同温度にて90mg(110μmol)のPd(dppf)Clを加えた。この混合物を100℃にて2時間撹拌した。撹拌後、さらに90mg(110μmol)のPd(dppf)Clを加え、100℃で更に7時間半撹拌した。撹拌後、得られた混合物を吸引濾過して、ろ物を水とエタノールを用いて洗浄した。得られたろ物はヘキサンとトルエンを用いて再結晶したところ、固体を得た。得られた固体にヘキサンとトルエンを加えて超音波を照射し、吸引濾過することにより、目的物の褐色粉末4.4g、粗収率79%で得た。ステップ2の合成スキームを下記(c−2)に示す。
<ステップ3:mDBqP2BPの合成>
200mLの三口フラスコへ、1.5g(3.2mmol)の2−(3’−ブロモ−1,1’−ビフェニル−3−イル)ジベンゾ[f,h]キノキサリンと、1.6g(3.2mmol)の2−[3’−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと、40mg(131μmol)のP(o−tolyl)と、16mLのトルエンと、2mLのエタノールと、5mLの炭酸カリウム水溶液(2mol/L)を入れ、系内を減圧しながらこの混合物を撹拌して脱気した。脱気後、系内を窒素置換してから、この混合物を80℃に加熱した。その後、同温度でこの混合物へ10mg(45μmol)のPd(OAc)を加えた。この混合物を80℃で6時間撹拌した。撹拌後、得られた混合物を吸引濾過して、ろ物を得た。得られたろ物を、水、エタノール、メシチレンを用いて洗浄し、目的物の粉末を1.6g、収率73%で得た。ステップ3の合成スキームを下記(c−3)に示す。
次に、得られた固体1.5gを、トレインサブリメーション法により昇華精製を行った。昇華精製は、圧力5.0Pa、アルゴン流量15mL/minの条件で、固体を400℃で16時間加熱して行なった。昇華精製後、粉末を1.3g、回収率87%で得た。さらに昇華精製で得られた固体1.3gを、トレインサブリメーション法により昇華精製を行った。昇華精製は、圧力5.0Pa、アルゴン流量15mL/minの条件で、固体を400℃で17時間半加熱して行なった。昇華精製後、粉末を1.1g、回収率85%で得た。
次に、H NMRによって、この化合物が目的物であるmDBqP2BPであることを確認した。
得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。
H NMR(1,1,2,2−テトラクロロエタン−d、500MHz):δ=7.71−7.85(m、16H)、7.93(d、J=7.5Hz、2H)、8.18(s、2H)、8.38(d、J=7.5Hz、2H)、8.62(d、J=7.0Hz、4H)、8.76(s、2H)、9.25(d、J=7.0Hz、2H)、9.42(d、J=8.0Hz、2H)、9.49(br、2H)。
また、H NMRチャートを図11に示す。なお、図11(B)は、図11(A)における7.5ppm〜10.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、mDBqP2BPのトルエン溶液の発光スペクトルを図42(A)に、吸収スペクトルを図42(B)にそれぞれ示す。また、mDBqP2BPの薄膜の発光スペクトルを図43(A)に、吸収スペクトルを図43(B)にそれぞれ示す。なお、図42(A)及び図43(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表し、図42(B)及び図43(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では、393、406nm(励起波長377nm)に発光ピークがみられ、359及び375nmに吸収ピークがみられた。また、薄膜の場合では、427nm(励起波長382nm)に発光ピークがみられ、262、313、368、及び384nmに吸収ピークがみられた。
なお、吸収スペクトルの測定装置、並びに発光スペクトル及び吸収スペクトルの測定方法としては、実施例1に示す測定装置、及び測定方法と同様である。
また、合成例3で作製した、mDBqP2BPの熱重量測定−示差熱分析を行った。重量と温度の関係(熱重量測定)から、mDBqP2BPの5%重量減少温度は500℃以上であることが明らかとなった。なお、熱重量測定−示差熱分析については、実施例1に示す測定装置及び測定方法と同様である。
また、合成例3で作製した、mDBqP2BPの示差走査熱量測定を行った。測定には示差走査熱量測定装置(株式会社パーキンエルマージャパン製、Pyris1)を用いた。測定は、30℃から500℃まで速度50℃/minで昇温後、500℃で1分間保持し、その後500℃から30℃まで速度50℃/minで降温して、1サイクルとした。本測定では、2サイクル測定し、2サイクル目の昇温時の結果から融点(Tm)を求めたところ、Tmは364℃であることが明らかとなった。この事からmDBqP2BPは高耐熱性の材料であることが確認された。
≪合成例4≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(105)で表される2,2’−[(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ジ(3,1−フェニレン)]ジ(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(略称:mDBqP2F)の合成方法について具体的に説明する。mDBqP2Fの構造を以下に示す。
mDBqP2Fの合成スキームを以下に示す。
<ステップ1:mDBqP2Fの合成>
まず、200mL三つ口フラスコへ、4.7g(11mmol)の2−[3−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと、1.8g(5.0mmol)の2,7−ジブロモ−9,9−ジメチル−9H−フルオレンと、0.15g(0.49mmol)のP(o−tolyl)と、25mLのトルエンと、2mLのエタノールと、16mLの炭酸カリウム水溶液(2mol/L)を入れ、系内を減圧しながらこの混合物を撹拌し、この混合物を脱気した。脱気後、系内を窒素気流下としてから、この混合物を80℃に加熱した。系内の温度が80℃になってから、この混合物へ、20mg(90μmol)のPd(OAc)を加え、同温度で3時間半撹拌した。撹拌後、析出物を吸引濾過により回収し、得られた固体を水、エタノール、およびジメチルホルムアミドにより洗浄し、目的物の淡褐色固体2.4g、収率59%で得た。ステップ1の合成スキームを下記(d−1)に示す。
次に、得られた固体0.70gをトレインサブリメーション法により昇華精製を行った。昇華精製は、圧力2.5×10−2Paの条件で、固体0.70gを395℃で15時間加熱して行った。加熱後、目的物の淡黄色の粉末を0.40g、回収率58%で得た。
H NMRによって、この化合物が目的物であるmDBqP2Fであることを確認した。
得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。
H NMR(1,1,2,2,−テトラクロロエタン−d2、500MHz):δ=1.72(s、6H)、7.77(t、J=7.8Hz、2H)、7.80−7.88(m、12H)、7.92(d、J=7.5Hz、2H)、7.97(d、J=8.0Hz、2H)、8.38(d、J=8.0Hz、2H)、8.68(s、2H)、8.71(d、J=8.0Hz、4H)、9.28(d、J=8.0Hz、2H)、9.47(d、J=1.5Hz、2H)、9.54(s、2H)。
また、H NMRチャートを図12に示す。なお、図12(B)は、図12(A)における7.5ppm〜10.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、mDBqP2Fのジメチルホルムアミド溶液の発光スペクトルを図13(A)に、吸収スペクトルを図13(B)にそれぞれ示す。また、mDBqP2Fの薄膜の発光スペクトルを図14(A)に、吸収スペクトルを図14(B)にそれぞれ示す。なお、図13(A)及び図14(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表し、図13(B)及び図14(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。ジメチルホルムアミド溶液の場合では、497nm(励起波長375nm)に発光ピークがみられ、305、328、359及び374nmに吸収ピークがみられた。また、薄膜の場合では、460及び487nm(励起波長370nm)に発光ピークがみられ、312、329、366、及び382nmに吸収ピークがみられた。
なお、吸収スペクトルの測定装置、並びに発光スペクトル及び吸収スペクトルの測定方法としては、実施例1に示す測定装置、及び測定方法と同様である。
また、合成例4で作製した、mDBqP2Fの熱重量測定−示差熱分析を行った。重量と温度の関係(熱重量測定)から、mDBqP2Fの5%重量減少温度は500℃以上であることが明らかとなった。なお、熱重量測定−示差熱分析については、実施例1に示す測定装置及び測定方法と同様である。
また、合成例4で作製した、mDBqP2Fの示差走査熱量測定を行った。測定は、−10℃から365℃まで速度50℃/minで昇温後、365℃で1分間保持し、その後365℃から−10℃まで速度50℃/minで降温して、1サイクルとした。本測定では、2サイクル測定し、2サイクル目の昇温時の結果からガラス転移温度(Tg)を、求めたところ、Tgは166℃であることが明らかとなった。この事からmDBqP2Fは高耐熱性の材料であることが確認された。なお、示差走査熱量測定装置は、実施例3に示す測定装置と同様である。
≪合成例5≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(102)で表される2,2’−(1,1’:3’,1’’−テルフェニレン−3,3’’−ジイル)ジ(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(略称:mDBqP2P)の合成方法について具体的に説明する。mDBqP2Pの構造を以下に示す。
mDBqP2Pの合成スキームを以下に示す。
<ステップ1:2−(3’−ブロモ−1,1’−ビフェニル−3−イル)ジベンゾ[f,h]キノキサリンの合成>
200mL三口フラスコへ、3.1g(7.2mmol)の2−[3−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと、4.0g(14mmol)の1−ブロモ−3−ヨードベンゼンと、0.22g(0.70mmol)のP(o−tolyl)と、70mLのトルエンと、8mLのエタノールと、20mLの炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)を入れ、系内を減圧しながらこの混合物を撹拌して脱気をした。脱気後、系内を窒素気流下としてから、30mg(0.13mmol)のPd(OAc)を加えた後、この混合物を80℃で1時間撹拌した。撹拌後、析出物を吸引濾過により回収し、ろ物を水とエタノールを用いて洗浄した。得られたろ物を、トルエンに懸濁し、この混合物を熱濾過した。得られたろ液を、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)とアルミナを通して吸引濾過した。得られたろ液を濃縮することにより白色固体を得た。得られた固体をトルエンで再結晶したところ、目的物の白色粉末を1.8g、収率54%で得た。ステップ1の合成スキームを下記(e−1)に示す。
<ステップ2:mDBqP2Pの合成>
200mL三つ口フラスコへ、1.0g(2.6mmol)の2−(3’−ブロモ−1,1’−ビフェニル−3−イル)ジベンゾ[f,h]キノキサリンと、1.0g(2.4mmol)の2−[3−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと、34mg(0.11mmol)のP(o−tolyl)と、10mLのトルエンと、1mLのエタノールと、4mLの炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)を入れ、系内を減圧しながら混合物を撹拌して脱気した。脱気後、系内を窒素気流下としてから、この混合物を80℃に加熱した。加熱後、この混合物へ5.0mg(22μmol)のPd(OAc)を加え、この混合物を80℃で5時間撹拌した。撹拌後、得られた混合物を吸引濾過して得たろ物を、水、エタノール、およびメシチレンを用いて洗浄し、目的物の固体を1.1g、収率67%で得た。ステップ2の合成スキームを下記(e−2)に示す。
次に、得られた固体0.76gを、トレインサブリメーション法により昇華精製を行った。昇華精製は、圧力2.7Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、固体を345℃で1時間加熱して行なった。昇華精製後、粉末を0.63g、回収率83%で得た。
H NMRによって、この化合物が目的物であるmDBqP2Pであることを確認した。
得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。
H NMR(1,1,2,2,−テトラクロロエタン−d2、500MHz):δ=7.73−7.89(m、13H)、7.95(d、J=7.5Hz、2H)、8.18(s、1H)、8.42(d、J=8.0Hz、2H)、8.68(t、J=7.8Hz、4H)、8.74(s、2H)、9.33(d、J=8.0Hz、2H)、9.48(d、J=7.5Hz、2H)、9.55(s、2H)。
また、H NMRチャートを図15に示す。なお、図15(B)は、図15(A)における7.5ppm〜10.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
また、mDBqP2Pのジメチルホルムアミド溶液の発光スペクトルを図16(A)に、吸収スペクトルを図16(B)にそれぞれ示す。また、mDBqP2Pの薄膜の発光スペクトルを図17(A)に、吸収スペクトルを図17(B)にそれぞれ示す。なお、図16(A)及び図17(A)において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表し、図16(B)及び図17(B)において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。ジメチルホルムアミド溶液の場合では、408nm(励起波長377nm)に発光ピークがみられ、300nm、361nm、及び375nmに吸収ピークがみられた。また、薄膜の場合では、439nm(励起波長370nm)に発光ピークがみられ、311nm、369nm、384nmに吸収ピークがみられた。
なお、吸収スペクトルの測定装置、並びに発光スペクトル及び吸収スペクトルの測定方法としては、実施例1に示す測定装置、及び測定方法と同様である。
また、合成例5で作製した、mDBqP2Pの熱重量測定−示差熱分析を行った。重量と温度の関係(熱重量測定)から、mDBqP2Pの5%重量減少温度は482℃であることが明らかとなった。なお、熱重量測定−示差熱分析については、実施例1に示す測定装置及び測定方法と同様である。
また、合成例5で作製した、mDBqP2Pの示差走査熱量測定を行った。測定は、30℃から330℃まで速度50℃/minで昇温後、330℃で1分間保持し、その後330℃から30℃まで速度50℃/minで降温して、1サイクルとした。本測定では、1サイクル測定し、1サイクル目の昇温時の結果からガラス転移温度(Tg)と、融点(Tm)とをそれぞれ求めたところ、Tgは138℃、Tmは302℃であることが明らかとなった。この事からmDBqP2Pは高耐熱性の材料であることが確認された。なお、示差走査熱量測定装置は、実施例3に示す測定装置と同様である。
≪合成例6≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(120)で表される2,2’−[5’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−1,1’:3’,1’’−テルフェニレン−3,3’’−ジイル]ジ(ジベンゾ[f,h]キノキサリン)(略称:DBt−mDBqP2P)の合成方法について具体的に説明する。DBt−mDBqP2Pの構造を以下に示す。
DBt−mDBqP2Pの合成スキームを以下に示す。
<ステップ1:5−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−1,3−ジヒドロキシベンゼンの合成>
200mL三つ口フラスコに、2.3g(12mmol)の5−ブロモレソルシノールと、3.0g(13mmol)のジベンゾチオフェン−4−ボロン酸と、0.19g(0.62mmol)のP(o−tolyl)と、60mLのトルエンと、6mLのエタノールと、40mLの炭酸カリウム水溶液(2mol/L)を入れた。系内を減圧しながらこの混合物を撹拌して脱気した。脱気後、系内を窒素気流下としてから、この混合物を80℃に加熱した。その後、同温度にてこの混合物へ30mg(0.13mmol)のPd(OAc)を加えてから、この混合物を同温度にて7時間撹拌した。その後、混合物を室温まで放冷してから再び脱気し、系内を窒素気流下としてから80℃に加熱した。同温度にてこの混合物へ30mg(0.13mmol)のPd(OAc)を加えてから、この混合物を同温度にて1時間撹拌した。得られた混合物に酢酸エチルと水を加え有機層と水層を分離し、水層を、酢酸エチルを用いて3回抽出した。抽出液と有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えた。この混合物を自然ろ過した後、得られたろ液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製した。得られたフラクションを濃縮したところ、黒色油状物を得た。この油状物にクロロホルムを加え、超音波を照射して得た混合物を吸引濾過することにより、目的物の白色粉末を1.3g、収率36%で得た。ステップ1の合成スキームを下記(f−1)に示す。
<ステップ2:5−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル−1,3−ビストリフルオロメタンスルホン酸の合成>
100mL三口フラスコへ、1.3g(4.3mmol)の5−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−1,3−ジヒドロキシベンゼンを入れ、フラスコ内を減圧しながら撹拌し、系内を窒素置換した。その後、窒素下で20mLの脱水ジクロロメタンを加え、この溶液を−20℃にした。その後、同温度にて2.5mL(18mmol)のトリエチルアミンと、2.0mL(12mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を加え、この混合物を1.5時間撹拌した。その後、0℃まで昇温し、5時間撹拌した。さらに、室温まで昇温し、15時間撹拌した。得られた混合物へ水と炭酸ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、pH8になったことを確認した。この混合物の水層を、ジクロロメタンを用いて3回抽出した。抽出液と有機層と合わせて飽和食塩水を用いて洗浄した後に、硫酸マグネシウムを加えた。この混合物を自然濾過して得られたろ液を濃縮したところ、黒色油状物を得た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製したところ、目的物の黄色油状物を2.2g、収率91%で得た。ステップ2の合成スキームを下記(f−2)に示す。
<ステップ3:3−[3−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)フェニル]−5−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニルトリフルオロメタンスルホン酸の合成>
200mL三口フラスコに、2.2g(4.0mmol)の5−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル−1,3−ビストリフルオロメタンスルホン酸と、3.8g(8.9mmol)の2−[3−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと、0.12g(0.39mmol)のP(o−tolyl)と、20mLのトルエンと、2mLのエタノールと、13mLの炭酸カリウム水溶液(2mol/L)を入れた。系内を減圧しながらこの混合物を撹拌して脱気した。脱気後、系内を窒素気流下としてから、この混合物を80℃に加熱した。その後、同温度にてこの混合物へ20mg(0.09mmol)のPd(OAc)を加えてから、この混合物を同温度にて4.5時間撹拌した。析出物を吸引濾過により回収し、ろ液とろ物を得た。得られたろ液は、有機層と水層に分離し、水層はトルエンを用いて抽出した。吸引濾過によって得られた有機層と抽出液は合わせて飽和食塩水で洗浄し、この溶液へ無水硫酸マグネシウムを加えた。この混合物を自然濾過してろ液Aを得た。また、撹拌後に行った吸引濾過によって得られたろ物を、水とエタノールを用いて洗浄した。洗浄後、得られた固体にトルエンを加えて加熱し、熱濾過することで黒色粉末を除去した。その後、熱濾過で得られたろ液を濃縮し、クロロホルムを加え、この溶液を濾過することによりろ液Bを得た。ろ液Aとろ液Bを合わせて濃縮したところ、褐色固体を得た。得られた固体を、高速液体クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)を用いて精製したところ、目的物の黄色油状物を1.3g、収率44%で得た。ステップ3の合成スキームを下記(f−3)に示す。
<ステップ4:DBt−mDBqP2Pの合成>
200mL三口フラスコに、1.3g(1.8mmol)の3−[3−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)フェニル]−5−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル トリフルオロメタンスルホン酸と、0.83g(1.9mmol)の2−[3−(ジベンゾ[f,h]キノキサリン−2−イル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと、30mg(0.07mmol)の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(略称:SPhos)と、9mLのトルエンと、1mLのエタノールと、3mLの炭酸カリウム水溶液(2mol/L)を入れた。系内を減圧しながらこの混合物を撹拌して脱気した。脱気後、系内を窒素気流下としてから、この混合物を80℃に加熱した。その後、同温度にてこの混合物へ8.0mg(36μmol)のPd(OAc)を加えてから、この混合物を同温度にて8時間撹拌した。析出物を吸引濾過により回収しろ物を得た。得られたろ物を水、エタノール、およびメシチレンを用いて洗浄し、淡黒色粉末を1.1g、収率72%で得た。ステップ4の合成スキームを下記(f−4)に示す。
次に、得られた固体0.87gをトレインサブリメーション法により昇華精製を行った。昇華精製は、圧力3.2Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、固体を420℃で20時間加熱して行った。昇華精製後、目的物の粉末を90mg、回収率10.1%で得た。
H NMRによって、この化合物が目的物であるDBt−mDBqP2Pであることを確認した。
得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。
H NMR(テトラクロロエタン−d,500MHz):δ=7.50−7.58(m、2H)、7.70−7.90(m、13H)、8.05(d、J=8.0Hz、2H)、8.27−8.30(m、5H)、8.45(d、J=8.5Hz、2H)、8.68(t、J=8.5Hz、4H)、8.86(s、2H)、9.32(d、J=8.0Hz、2H)、9.49(d、J=8.0Hz、2H)、9.57(s、2H)。
また、H NMRチャートを図18に示す。なお、図18(B)は、図18(A)における7.5ppm〜10.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子(発光素子1乃至発光素子4)について、図19を用いて説明する。本実施例で用いる材料の化学式を以下に示す。
以下に、本実施例の発光素子1乃至発光素子4の作製方法を示す。
(発光素子1)
まず、基板1100上に、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ(ITO−SiO、以下ITSOと略記する。)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極1101を形成した。なお、用いたターゲットの組成は、In:SnO:SiO=85:10:5[重量%]とした。また、第1の電極1101の膜厚は、110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。ここで、第1の電極1101は、発光素子の陽極として機能する電極である。
次に、基板1100上に発光素子を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板1100を30分程度放冷した。
次に、第1の電極1101が形成された面が下方となるように、第1の電極1101が形成された基板1100を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極1101上に、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)と酸化モリブデンを共蒸着することで、正孔注入層1111を形成した。その膜厚は、20nmとし、DBT3P−IIと酸化モリブデンの比率は、重量比で2:1(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で、複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、正孔注入層1111上に、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層1112を形成した。
合成したmDBq2BPと、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−9,9−ジメチル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)と、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)(acac))とを共蒸着し、正孔輸送層1112上に第1の発光層1113aを形成した。ここで、mDBq2BP、PCBBiF、及びIr(tBuppm)(acac)の重量比は、0.7:0.3:0.05(=mDBq2BP:PCBBiF:Ir(tBuppm)(acac))となるように調節した。また、第1の発光層1113aの膜厚は20nmとした。
次に、第1の発光層1113a上にmDBq2BPと、PCBBiFと、Ir(tBuppm)(acac)とを共蒸着し、第2の発光層1113bを形成した。ここで、mDBq2BP、PCBBiF、及びIr(tBuppm)(acac)の重量比は、0.8:0.2:0.05(=mDBq2BP:PCBBiF:Ir(tBuppm)(acac))となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は20nmとした。
なお、第1の発光層1113a及び第2の発光層1113bにおいて、mDBq2BPは、電子輸送性材料であり、ホスト材料として機能する。また、PCBBiFは、正孔輸送性材料であり、アシスト材料として機能する。また、Ir(tBuppm)(acac)は、三重項励起エネルギーを発光に変える発光物質であり、ゲスト材料として機能する。
次に、第2の発光層1113b上にmDBq2BPを膜厚15nmとなるように蒸着し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
次に、第1の電子輸送層1114a上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を膜厚10nmとなるように蒸着し、第2の電子輸送層1114bを形成した。
次に、第2の電子輸送層1114b上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚で蒸着し、電子注入層1115を形成した。
最後に、電子注入層1115上に、アルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着し、陰極として機能する第2の電極1103を形成し、本実施例の発光素子1を作製した。
なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
(発光素子2)
発光素子2は、発光素子1と比較し第1の発光層1113a、第2の発光層1113b及び第1の電子輸送層1114aに用いる材料が異なる。発光素子1と異なる構成について、以下記載する。
正孔輸送層1112上に実施例4にて合成したmDBqP2Fと、PCBBiFと、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)(acac))とを共蒸着し、第1の発光層1113aを形成した。ここで、mDBqP2F、PCBBiF、及びIr(dppm)(acac)の重量比は、0.7:0.3:0.05(=mDBqP2F:PCBBiF:Ir(dppm)(acac))となるように調節した。また、第1の発光層1113aの膜厚は20nmとした。
次に、第1の発光層1113a上にmDBqP2Fと、PCBBiFと、Ir(dppm)(acac)とを共蒸着し、第2の発光層1113bを形成した。ここで、mDBqP2F、PCBBiF、及びIr(dppm)(acac)の重量比は、0.8:0.2:0.05(=mDBqP2F:PCBBiF:Ir(dppm)(acac))となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は20nmとした。
なお、第1の発光層1113a及び第2の発光層1113bにおいて、mDBqP2Fは、電子輸送性材料であり、ホスト材料として機能する。また、PCBBiFは、正孔輸送性材料であり、アシスト材料として機能する。また、Ir(dppm)(acac)は、三重項励起エネルギーを発光に変える発光物質であり、ゲスト材料として機能する。
次に、第2の発光層1113b上にmDBqP2Fを膜厚20nmとなるように蒸着し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
(発光素子3)
発光素子3は、発光素子1と比較し第1の発光層1113a、第2の発光層1113b及び第1の電子輸送層1114aに用いる材料が異なる。発光素子1と異なる構成について、以下記載する。
正孔輸送層1112上に実施例5にて合成したmDBqP2Pと、PCBBiFと、Ir(tBuppm)(acac)とを共蒸着し、第1の発光層1113aを形成した。ここで、mDBqP2P、PCBBiF、及びIr(tBuppm)(acac)の重量比は、0.7:0.3:0.05(=mDBqP2P:PCBBiF:Ir(tBuppm)(acac))となるように調節した。また、第1の発光層1113aの膜厚は20nmとした。
次に、第1の発光層1113a上にmDBqP2Pと、PCBBiFと、Ir(tBuppm)(acac)とを共蒸着し、第2の発光層1113bを形成した。ここで、mDBqP2P、PCBBiF、及びIr(tBuppm)(acac)の重量比は、0.8:0.2:0.05(=mDBqP2P:PCBBiF:Ir(tBuppm)(acac))となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は20nmとした。
なお、第1の発光層1113a及び第2の発光層1113bにおいて、mDBqP2Pは、電子輸送性材料であり、ホスト材料として機能する。また、PCBBiFは、正孔輸送性材料であり、アシスト材料として機能する。また、Ir(tBuppm)(acac)は、三重項励起エネルギーを発光に変える発光物質であり、ゲスト材料として機能する。
次に、第2の発光層1113b上にmDBqP2Pを膜厚20nmとなるように蒸着し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
(発光素子4)
発光素子4は、発光素子1と比較し第1の発光層1113a、第2の発光層1113b及び第1の電子輸送層1114aに用いる材料が異なる。発光素子1と異なる構成について、以下記載する。
正孔輸送層1112上に2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)と、PCBBiFと、Ir(tBuppm)(acac))とを共蒸着し、第1の発光層1113aを形成した。ここで、2mDBTBPDBq−II、PCBBiF、及びIr(tBuppm)(acac)の重量比は、0.7:0.3:0.05(=2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:Ir(tBuppm)(acac))となるように調節した。また、第1の発光層1113aの膜厚は20nmとした。
次に、第1の発光層1113a上に2mDBTBPDBq−IIと、PCBBiFと、Ir(tBuppm)(acac)とを共蒸着し、第2の発光層1113bを形成した。ここで、2mDBTBPDBq−II、PCBBiF、及びIr(tBuppm)(acac)の重量比は、0.8:0.2:0.05(=2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:Ir(tBuppm)(acac))となるように調節した。また、第2の発光層1113bの膜厚は20nmとした。
なお、第1の発光層1113a及び第2の発光層1113bにおいて、2mDBTBPDBq−IIは、電子輸送性材料であり、ホスト材料として機能する。また、PCBBiFは、正孔輸送性材料であり、アシスト材料として機能する。また、Ir(tBuppm)(acac)は、三重項励起エネルギーを発光に変える発光物質であり、ゲスト材料として機能する。
次に、第2の発光層1113b上に実施例5にて合成したmDBqP2Pを膜厚20nmとなるように蒸着し、第1の電子輸送層1114aを形成した。
このように、本発明の一態様の有機化合物は、発光素子の電子輸送層のみに適用することも可能である。
以上により得られた発光素子1乃至発光素子4の素子構造を表1に示す。
次に、発光素子1乃至発光素子4を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、各発光素子が大気に曝されないようにガラス基板により封止する作業(シール材を素子の周囲に塗布し、封止時に80℃にて1時間熱処理)を行った。その後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子1乃至発光素子4の電流密度−輝度特性を図20、図25、図30及び図35にそれぞれ示す。図20、図25、図30及び図35において、横軸は電流密度(mA/cm)を、縦軸は輝度(cd/m)を表す。また、発光素子1乃至発光素子4の電圧−輝度特性を図21、図26、図31及び図36にそれぞれ示す。図21、図26、図31及び図36において、横軸は電圧(V)を、縦軸は輝度(cd/m)を表す。また、発光素子1乃至発光素子4の輝度−電流効率特性を図22、図27、図32及び図37にそれぞれ示す。図22、図27、図32及び図37において、横軸は輝度(cd/m)、縦軸は電流効率(cd/A)を表す。また、発光素子1乃至発光素子4の電圧−電流特性を図23、図28、図33及び図38にそれぞれ示す。図23、図28、図33及び図38において、横軸は電圧(V)を、縦軸は電流(mA)を表す。
また、各発光素子における輝度1000cd/m付近のときの電圧(V)、電流密度(mA/cm)、CIE色度座標(x、y)、電流効率(cd/A)、外部量子効率(%)を表2に示す。
また、発光素子1乃至発光素子4の電流密度を、2.5mA/cmとした際の発光スペクトルを図24、図29、図34及び図39にそれぞれ示す。図24に示す通り、発光素子1は、547nmに発光スペクトルのピークを有する。また、図29に示す通り、発光素子2の発光スペクトルは、579nmにピークを有する。また、図34に示す通り、発光素子3の発光スペクトルは、546nmにピークを有する。また、図39に示す通り、発光素子4の発光スペクトルは、546nmにピークを有する。
次に、発光素子1及び発光素子2について、信頼性試験の評価を行った。信頼性試験の結果を図40及び図41にそれぞれ示す。
図40及び図41において、信頼性試験の測定方法は、初期輝度を5000cd/mに設定し、電流密度一定の条件で発光素子1及び発光素子2を駆動させた。横軸は素子の駆動時間(h)を、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)をそれぞれ表す。図40から発光素子1の335時間経過後の規格化輝度は、82%であった。また、図41から発光素子2の390時間経過後の規格化輝度は、65%であった。
図20乃至図39の結果より、本発明の一態様の発光素子1乃至発光素子4は、良好な素子特性(電圧−輝度特性、輝度−電流効率特性、及び電圧−電流特性)であることがわかった。とくに、発光素子1乃至発光素子3は、本発明の一態様の有機化合物を第1の発光層1113a及び第2の発光層1113bのホスト材料として用い、且つ本発明の一態様の有機化合物を第1の電子輸送層1114aにも用いている。したがって、本発明の一態様の有機化合物を第1の電子輸送層1114aのみに適用した発光素子4と比較すると、非常に低電圧で駆動することが明らかとなった。この低電圧駆動は、発光層内(第1の発光層1113a及び第2の発光層1113b内)のホスト材料がジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格を1分子内に2つ以上有することによる効果であると考えられる。さらに、発光素子1乃至発光素子3においては、本発明の一態様の有機化合物を適用したホスト材料として機能する電子輸送性材料(mDBq2BP、mDBqP2F、またはmDBqP2P)と、アシスト材料として機能するホール輸送性材料(PCBBiF)とは、励起錯体(エキサイプレックス)を形成し、該励起錯体から発光物質(Ir(tBuppm)(acac)またはIr(dppm)(acac))に効率良くエネルギー移動するため、高効率な発光素子を実現できた。したがって、本発明の一態様の有機化合物は、発光層と、電子輸送層の両方に適用した方が、より顕著な効果を奏する。ただし、発光素子4のように本発明の一態様の有機化合物を電子輸送層のみに適用する構成とすることも可能である。
また、図40及び図41の結果より、本発明の一態様の発光素子1及び発光素子2は、長寿命な発光素子であることがわかった。発光素子1及び発光素子2に用いた有機化合物において、2つのジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格を連結する基は、少なくとも2つのメタフェニレン基を有する。上記構造の連結基を有する有機化合物とすることで、安定な膜質が得られ、該有機化合物を用いた発光素子においては、長寿命とすることができた。とくに、発光素子1及び発光素子2に用いた有機化合物としては、ジベンゾ[f,h]キノキサリンの3位にフェニル基(アリール基)を有さないため、非常に長寿命な発光素子の提供が可能となった。
なお、本実施例に示す構成は、他の実施の形態に示す構成、または他の実施例に示す構成と適宜組み合わせて用いることができるものとする。
本実施例では、下記構造式(101)で表される本発明の一態様の有機化合物と、下記構造式(200)及び構造式(201)で表される比較用の有機化合物について、T1準位の計算を行った。本実施例で用いる材料の化学式を以下に示す。
計算方法に関しては以下の通りである。量子化学計算プログラムとしては、Gaussian09を使用した。計算は、ハイパフォーマンスコンピュータ(SGI社製、Altix4700)を用いて行った。
まず、一重項基底状態における最安定構造を密度汎関数法で計算した。基底関数として、6−311G(それぞれの原子価軌道に三つの短縮関数を用いたtriple split valence基底系の基底関数)を全ての原子に適用した。上述の基底関数により、例えば、水素原子であれば、1s〜3sの軌道が考慮され、また、炭素原子であれば、1s〜4s、2p〜4pの軌道が考慮されることになる。さらに、計算精度向上のため、分極基底系として、水素原子にはp関数を、水素原子以外にはd関数を加えた。汎関数はB3LYPを用いた。
続けて、最低励起三重項状態における最安定構造を計算した。さらに、一重項基底状態と最低励起三重項状態における最安定構造において振動解析をおこない、零点補正したエネルギー差から、T1準位のエネルギーを計算した。基底関数は、6−311G(d,p)を用いた。汎関数はB3LYPである。
以上の方法を用いて計算を行った結果を表3に示す。
表3に示す結果のように、構造式(101)に示す本発明の一態様の有機化合物は、比較用の構造式(200)及び構造式(201)で表される有機化合物よりもT1準位が高い。このT1準位の違いとしては、ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格に結合する連結基の構造に起因する。具体的には、構造式(101)に示す本発明の一態様の有機化合物は、ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格に、連結基としてメタ位で置換したフェニレン基を有する。一方、比較用の構造式(200)及び構造式(201)で表される有機化合物は、ジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格に、連結基としてパラ位で置換したフェニレン基を有する。このようにジベンゾ[f,h]キノキサリン骨格に結合する連結基としては、パラ置換よりもメタ位置換のアリーレン基を有することが好ましい。
なお、本実施例に示す構成は、他の実施の形態に示す構成、または他の実施例に示す構成と適宜組み合わせて用いることができるものとする。
100 基板
101 電極
102 EL層
103 電極
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 発光層
114 電子輸送層
115 電子注入層
201 電極
202 電極
203 EL層
204 発光層
205 燐光性化合物
206 有機化合物
207 有機化合物
301 電極
303 電極
311 発光層
312 発光層
313 電荷発生層
401 ソース側駆動回路
402 画素部
403 ゲート側駆動回路
404 封止基板
405 シール材
407 空間
408 配線
409 FPC
410 素子基板
411 FET
412 FET
413 電極
414 絶縁物
416 EL層
417 電極
418 発光素子
423 FET
424 FET
501 基板
502 電極
503 電極
504 EL層
505 絶縁層
506 隔壁層
601 照明装置
602 照明装置
603 卓上照明器具
1100 基板
1101 電極
1103 電極
1111 正孔注入層
1112 正孔輸送層
1113a 発光層
1113b 発光層
1114a 電子輸送層
1114b 電子輸送層
1115 電子注入層
7100 テレビジョン装置
7101 筐体
7103 表示部
7105 スタンド
7107 表示部
7109 操作キー
7110 リモコン操作機
7201 本体
7202 筐体
7203 表示部
7204 キーボード
7205 外部接続ポート
7206 ポインティングデバイス
7301 筐体
7302 筐体
7303 連結部
7304 表示部
7305 表示部
7306 スピーカ部
7307 記録媒体挿入部
7308 LEDランプ
7309 操作キー
7310 接続端子
7311 センサ
7312 マイクロフォン
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク
7501 照明部
7502 傘
7503 可変アーム
7504 支柱
7505 台
7506 電源
9501 照明部
9503 支柱
9505 支持台

Claims (14)

  1. 一般式(G1−1)で表される有機化合物。

    (式中、Aは、置換もしくは無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリン−イル基を表す。また、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、前記環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、nは、2または3を表す。)
  2. 一般式(G2−1)で表される有機化合物。

    (式中、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、前記環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、R〜Rは、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。)
  3. 一般式(G3−1)で表される有機化合物。

    (式中、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、前記環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、R11〜R18及びR20は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。)
  4. 一般式(G4−1)で表される有機化合物。

    (式中、Arは、1〜4個の環が結合して構成された置換基を表し、前記環は、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフルオレン環の中から選ばれる。また、R11〜R17、R19及びR20は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。)
  5. 一般式(G1−2)で表される有機化合物。

    (式中、Aは、置換もしくは無置換のジベンゾ[f,h]キノキサリン−イル基を表す。また、Arは、置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基を表す。また、nは、2または3を表す。)
  6. 一般式(G2−2)で表される有機化合物。

    (式中、Arは、置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基を表す。また、R〜Rは、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。)
  7. 一般式(G3−2)で表される有機化合物。

    (式中、Arは、置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基を表す。また、R11〜R18及びR20は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。)
  8. 一般式(G4−2)で表される有機化合物。

    (式中、Arは、置換もしくは無置換のベンゼン環が3個または4個結合して構成された置換基を表す。また、R11〜R17、R19及びR20は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、nは、2または3を表す。)
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一つにおいて、
    前記ベンゼン環の置換位置は、メタ位またはオルト位である、
    有機化合物。
  10. 構造式(101)、(102)、(103)、(105)、または(106)のいずれか一つで表される有機化合物。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載の有機化合物を用いた発光素子。
  12. 請求項11に記載の発光素子を用いた発光装置。
  13. 請求項12に記載の発光装置を用いた電子機器。
  14. 請求項12に記載の発光装置を用いた照明装置。
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