JP2015063246A - 追従走行制御装置、追従走行制御方法 - Google Patents

追従走行制御装置、追従走行制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】周囲の状況に応じた、より適切な追従走行を実現する。
【解決手段】先行車両Caに追従するための目標車間距離Dtを設定し、目標車間距離Dtを実現するために自車両Coの走行を制御する。そして、隣接車線を走行している側方車両Csを検出したときに、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置しているか否かを判定する。そして、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していると判定したときに、側方車両Csが隣接車線から自車線へと車線変更してきても、側方車両Csの接近から自車両Coが退避できるか否かを判定する。そして、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していると判定したときには、退避判定部の判定結果に応じて目標車間距離Dtを設定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、追従走行制御装置、及び追従走行制御方法に関するものである。
先行車両に追従走行している際に、自車両が隣接車線を走行する側方車両の死角に入ると、この側方車両が自車両に気付かずに車線変更してくる可能性がある。そこで、特許文献1に記載された従来技術では、先行車両に追従走行している際に、隣接車線の側方車両を検出したら、この側方車両の死角に自車両が入らないように、先行車両との車間距離を拡げることを提案している。
特開2013−18298号公報
しかしながら、側方車両を検出する度に、先行車両との車間距離を一様に拡げることが好ましいとは限らない。例えば、自車両の後方に後続車両が存在する場合、先行車両との車間距離を拡げると、この後続車両に接近することになるため、後続車両との相対関係によっては、先行車両との車間距離を拡げにくい場合がある。
本発明の課題は、周囲の状況に応じた、より適切な追従走行を実現することにある。
本発明の一態様に係る追従走行制御装置は、先行車両に追従するための目標車間距離を設定し、目標車間距離を実現するために自車両の走行を制御する。そして、隣接車線を走行している側方車両を検出したときに、自車両が側方車両の死角に位置しているか否かを判定する。そして、自車両が側方車両の死角に位置していると判定したときには、側方車両が隣接車線から自車線へと車線変更してきても、側方車両の接近に対して自車両が退避できるか否かを判定し、この判定結果に応じて目標車間距離を設定する。
本発明によれば、自車両が側方車両の死角にあるときは、側方車両の車線変更があっても自車両が退避できるか否かを判定しておき、この判定結果に応じて目標車間距離を設定するので、周囲の状況に応じた目標車間距離を設定することができる。したがって、側方車両を検出する度に、先行車両との車間距離を一様に拡げる構成と比べて、より適切な追従走行を実現することができる。
追従走行制御装置を示す概略構成図である。 各レーダ装置の配置を示す図である。 電子制御スロットルのシステム構成図である。 ブレーキアクチュエータの概略構成図である。 第1実施形態の追従走行制御処理を示すフローチャートである。 自車両、先行車両、側方車両、後続車両、後側方車両を示した図である。 退避判定処理を示すフローチャートである。 目標車間距離Dtを増加補正した状態を示す図である。 目標車間距離Dtを減少補正した状態を示す図である。 横移動のみで退避できる状況の一例を示す図である。 減速及び横移動で退避できる状況の一例を示す図である。 第2実施形態の追従走行制御処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の追従走行制御処理を示すフローチャートである。 第4実施形態の追従走行制御処理を示すフローチャートである。 側方後続車両を示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
《構成》
本実施形態は、同一車線上を走行する先行車両との相対関係に応じて自車両の車速を制御し、先行車両に追従走行するものであり、ここではACC(Adaptive Cruise Control)を利用した追従走行によって運転支援を行う。
図1は、追従走行制御装置を示す概略構成図である。
本実施形態における追従走行制御装置は、CACCスイッチ11と、車輪速センサ12と、操舵角センサ13と、加速度センサ14と、カメラ15と、レーダ装置16と、ナビゲーションシステム17と、コントローラ21と、を備える。
ACCスイッチ11は、メインスイッチ、キャンセルスイッチ、リジューム/アクセラレートスイッチ、セット/コーストスイッチ、車間時間設定スイッチ等のスイッチ群からなり、運転者が操作可能となるように、例えばステアリングホイールのスポーク部に設けてある。メインスイッチは、ACCのON/OFFを切り替え、キャンセルスイッチは、ACCの設定を一時的に解除する。リジューム/アクセラレートスイッチは、一時的に解除されたACCを復帰させる、又は設定車速を例えば5km/h刻みで増加させる。セット/コーストスイッチは、現在の車速を設定車速としてセットする、又は設定車速を例えば5km/h刻みで減少させる。車間時間設定スイッチは、スイッチを押すごとに目標車間時間Ttを例えば長・中・短の三段階に切り替える。これらACCスイッチ11は、各種操作状況に応じた電圧信号をコントローラ21に出力する。コントローラ21は、入力された電圧信号から各種操作状況を判断する。
車輪速センサ12は、各車輪の車輪速度VwFL〜VwRRを検出する。この車輪速センサ12は、例えば車輪と共に回転し円周に突起部(ギヤパルサ)が形成されたセンサロータと、このセンサロータの突起部に対向して設けられたピックアップコイルを有する検出回路と、を備える。そして、センサロータの回転に伴う磁束密度の変化を、ピックアップコイルによって電圧信号に変換してコントローラ21に出力する。コントローラ21は、入力された電圧信号から車輪速度VwFL〜VwRRを判断し、例えば非駆動輪(従動輪)の車輪速平均値や全輪の車輪速平均値を車速として演算する。
操舵角センサ13は、ロータリエンコーダからなり、ステアリングシャフトの操舵角θsを検出する。この操舵角センサ13は、ステアリングシャフトと共に円板状のスケールが回転するときに、スケールのスリットを透過する光を二つのフォトトランジスタで検出し、ステアリングシャフトの回転に伴うパルス信号をコントローラ21に出力する。コントローラ21は、入力されたパルス信号からステアリングシャフトの操舵角θsを判断する。なお、操舵角センサ13は、右旋回を正の値として処理し、左旋回を負の値として処理する。
加速度センサ14は、車両前後方向の加減速度を検出する。この加速度センサ14は、例えば固定電極に対する可動電極の位置変位を静電容量の変化として検出しており、加減速度と方向に比例した電圧信号に変換してコントローラ21に出力する。コントローラ21は、入力された電圧信号から加減速度を判断する。なお、コントローラ21は、加速を正の値として処理し、減速を負の値として処理する。
前方カメラ15は、車体の前方を撮像する。この前方カメラ15は、車室内のフロントウィンドウ上部に設けられた例えばCCDの広角カメラからなり、撮像した車体前方の画像データをコントローラ21に出力する。
レーダ装置16は、車体におけるフロント、リア、左サイド、及び右サイドの計4箇所に設けられており、夫々、LRF(Laser Range Finder)からなる。レーダ装置16は、二次元走査用ミラーを有する投光ユニット、及び受光ユニットを備え、自車両周囲に存在する物体までの距離、相対速度、及び方位を検出し、検出した各データをコントローラ21に出力する。
なお、4つのレーダ装置16を区別する際には、車体のフロントに設けたレーダ装置をフロントレーダ装置16Fとし、車体のリアに設けたレーダ装置をリアレーダ装置16Rとし、車体の左サイドに設けたレーダ装置を左サイドレーダ装置16SLとし、車体の右サイドに設けたレーダ装置を右サイドレーダ装置16SRとする。
図2は、各レーダ装置の配置を示す図である。
フロントレーダ装置16Fは、例えばフロントグリルに設けられ、主に車体前方に存在する前方物体までの距離、相対速度、及び方位を検出する。リアレーダ装置16Rは、例えばリアバンパに設けられ、主に車体後方に存在する後方物体までの距離、相対速度、及び方位を検出する。左サイドレーダ装置16SLは、左側の例えばフェンダに設けられ、主に車体左方に存在する側方物体までの距離、相対速度、及び方位を検出する。右サイドレーダ装置16SRは、右側の例えばフェンダに設けられ、主に車体右方に存在する側方物体までの距離、相対速度、及び方位を検出する。検出角度は、水平方向に例えば150度程度であり、検出距離は例えば100m程度である。
ナビゲーションシステム17は、自車両の現在位置と、その現在位置における道路地図情報を認識する。このナビゲーションシステム17は、GPS受信機を有し、四つ以上のGPS衛星から到着する電波の時間差に基づいて自車両の位置(緯度、経度、高度)と進行方向とを認識する。そして、DVD‐ROMドライブやハードディスクドライブに記憶された道路種別、道路線形、車線幅員、車両の通行方向等を含めた道路地図情報を参照し、自車両の現在位置における道路地図情報を認識しコントローラ21に出力する。なお、安全運転支援システム(DSSS:Driving Safety Support Systems)として、双方向無線通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)を利用し、各種データをインフラストラクチャから受信してもよい。
コントローラ21は、例えばマイクロコンピュータからなり、各センサからの検出信号に基づいて後述する追従走行制御処理を実行し、駆動力制御装置30と、ブレーキ制御装置50と、を駆動制御する。
駆動力制御装置30は、回転駆動源の駆動力を制御する。例えば、回転駆動源がエンジンであれば、スロットルバルブの開度、燃料噴射量、点火時期などを調整することで、エンジン出力(回転数やエンジントルク)を制御する。回転駆動源がモータであれば、インバータを介してモータ出力(回転数やモータトルク)を制御する。
駆動力制御装置30の一例として、スロットルバルブの開度を制御する電子制御スロットルの構成について説明する。
図3は、電子制御スロットルのシステム構成図である。
吸気管路31(例えばインテークマニホールド)内には、径方向に延びるスロットルシャフト32を軸支してあり、このスロットルシャフト32に、吸気管路31の内径未満の直径を有する円盤状のスロットルバルブ33を固定してある。また、スロットルシャフト32には、減速機34を介してスロットルモータ35が連結してある。
したがって、スロットルモータ35を回転させてスロットルシャフト32の回転角を変化させるときに、スロットルバルブ33が吸気管路31内を閉じたり開いたりする。すなわち、スロットルバルブ33の面方向が吸気管路31の軸直角方向に沿うときに、スロットル開度が全閉位置となり、スロットルバルブ33の面方向が吸気管路31の軸方向に沿うときに、スロットル開度が全開位置となる。なお、スロットルモータ35、モータ駆動系、アクセルセンサ36系統、スロットルセンサ39系統等に異常が発生した場合に、スロットルバルブ33が全閉位置から所定量だけ開くように、スロットルシャフト32を開方向に機械的に付勢してある。
アクセルセンサ36は、二系統としてあり、アクセルペダル37の踏込み量(操作量)であるペダル開度PPOを検出する。アクセルセンサ36は、例えばポテンショメータであり、アクセルペダル37のペダル開度を電圧信号に変換してエンジンコントローラ38へ出力する。エンジンコントローラ38は、入力した電圧信号からアクセルペダル37のペダル開度PPOを判断する。なお、アクセルペダル37が非操作位置にあるときに、ペダル開度PPOが0%となり、アクセルペダル37が最大操作位置(ストロークエンド)にあるときに、ペダル開度PPOが100%となる。
スロットルセンサ39は、二系統としてあり、スロットルバルブ33のスロットル開度SPOを検出する。このスロットルセンサ39は、例えばポテンショメータであり、スロットルバルブ33のスロットル開度を電圧信号に変換してエンジンコントローラ38へ出力する。エンジンコントローラ38は、入力した電圧信号からスロットルバルブ33のスロットル開度SPOを判断する。なお、スロットルバルブ33が全閉位置にあるときに、スロットル開度SPOが0%となり、スロットルバルブ33が全開位置にあるときに、スロットル開度SPOが100%となる。
エンジンコントローラ38は、通常は、ペダル開度PPOに応じて目標スロットル開度SPOを設定し、この目標スロットル開度SPOと実際のスロットル開度SPOとの偏差ΔPOに応じてモータ制御量を設定する。そして、このモータ制御量をデューティ比に変換し、パルス状の電流値によってスロットルモータ35を駆動制御する。また、エンジンコントローラ38は、コントローラ31からの駆動指令を受けるときに、その駆動指令を優先してスロットルモータ35を駆動制御する。例えば、駆動力を低下させる駆動指令を受けたときに、ペダル開度PPOに応じた目標スロットル開度SPOを減少補正してスロットルモータ35を駆動制御する。
上記が、駆動力制御装置30の説明である。
次に、ブレーキ制御装置50について説明する。
ブレーキ制御装置50は、各車輪の制動力を制御する。例えば、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)、スタビリティ制御(VDC:Vehicle Dynamics Control)等に用いられるブレーキアクチュエータにより、各車輪に設けられたホイールシリンダの液圧を制御する。
ブレーキ制御装置50の一例として、ブレーキアクチュエータの構成について説明する。
図4は、ブレーキアクチュエータの概略構成図である。
ブレーキアクチュエータ51は、マスターシリンダ52と各ホイールシリンダ53FL〜53RRとの間に介装してある。
マスターシリンダ52は、運転者のペダル踏力に応じて2系統の液圧を作るタンデム式のもので、プライマリ側をフロント左・リア右のホイールシリンダ53FL・53RRに伝達し、セカンダリ側を右前輪・左後輪のホイールシリンダ53FR・53RLに伝達するダイアゴナルスプリット方式を採用している。
各ホイールシリンダ53FL〜53RRは、ディスクロータをブレーキパッドで挟圧して制動力を発生させるディスクブレーキや、ブレーキドラムの内周面にブレーキシューを押圧して制動力を発生させるドラムブレーキに内蔵してある。
プライマリ側は、第1ゲートバルブ61Aと、インレットバルブ62FL(62RR)と、アキュムレータ63と、アウトレットバルブ64FL(64RR)と、第2ゲートバルブ65Aと、ポンプ66と、ダンパー室67と、を備える。
第1ゲートバルブ61Aは、マスターシリンダ52及びホイールシリンダ53FL(53RR)間の流路を閉鎖可能なノーマルオープン型のバルブである。インレットバルブ62FL(62RR)は、第1ゲートバルブ61A及びホイールシリンダ53FL(53RR)間の流路を閉鎖可能なノーマルオープン型のバルブである。アキュムレータ63は、ホイールシリンダ53FL(53RR)及びインレットバルブ62FL(62RR)間に連通してある。アウトレットバルブ64FL(64RR)は、ホイールシリンダ53FL(53RR)及びアキュムレータ63間の流路を開放可能なノーマルクローズ型のバルブである。第2ゲートバルブ65Aは、マスターシリンダ52及び第1ゲートバルブ61A間とアキュムレータ63及びアウトレットバルブ64FL(64RR)間とを連通した流路を開放可能なノーマルクローズ型のバルブである。ポンプ66は、アキュムレータ63及びアウトレットバルブ64FL(64RR)間に吸入側を連通し、且つ第1ゲートバルブ61A及びインレットバルブ62FL(62RR)間に吐出側を連通してある。ダンパー室67は、ポンプ66の吐出側に設けてあり、吐出されたブレーキ液の脈動を抑制し、ペダル振動を弱める。
また、セカンダリ側も、プライマリ側と同様に、第1ゲートバルブ61Bと、インレットバルブ62FR(62RL)と、アキュムレータ63と、アウトレットバルブ64FR(64RL)と、第2ゲートバルブ65Bと、ポンプ66と、ダンパー室67と、を備えている。
第1ゲートバルブ61A・61Bと、インレットバルブ62FL〜62RRと、アウトレットバルブ64FL〜64RRと、第2ゲートバルブ65A・65Bとは、夫々、2ポート2ポジション切換・シングルソレノイド・スプリングオフセット式の電磁操作弁である。また、第1ゲートバルブ61A・61B及びインレットバルブ62FL〜62RRは、非励磁のノーマル位置で流路を開放し、アウトレットバルブ64FL〜64RR及び第2ゲートバルブ65A・65Bは、非励磁のノーマル位置で流路を閉鎖するように構成してある。
また、アキュムレータ63は、シリンダのピストンに圧縮バネを対向させたバネ形のアキュムレータで構成してある。
また、ポンプ66は、負荷圧力に係りなく略一定の吐出量を確保できる歯車ポンプ、ピストンポンプ等、容積形のポンプで構成してある。
上記の構成により、プライマリ側を例に説明すると、第1ゲートバルブ61A、インレットバルブ62FL(62RR)、アウトレットバルブ64FL(64RR)、及び第2ゲートバルブ65Aが全て非励磁のノーマル位置にあるときに、マスターシリンダ52からの液圧がそのままホイールシリンダ53FL(53RR)に伝達され、通常ブレーキとなる。
また、ブレーキペダルが非操作状態であっても、インレットバルブ62FL(62RR)、及びアウトレットバルブ64FL(64RR)を非励磁のノーマル位置にしたまま、第1ゲートバルブ61Aを励磁して閉鎖すると共に、第2ゲートバルブ65Aを励磁して開放し、更にポンプ66を駆動することで、マスターシリンダ52の液圧を第2ゲートバルブ65Aを介して吸入し、吐出される液圧をインレットバルブ62FL(62RR)を介してホイールシリンダ53FL(53RR)に伝達し、増圧させることができる。
また、第1ゲートバルブ61A、アウトレットバルブ64FL(64RR)、及び第2ゲートバルブ65Aが非励磁のノーマル位置にあるときに、インレットバルブ62FL(62RR)を励磁して閉鎖すると、ホイールシリンダ53FL(53RR)からマスターシリンダ52及びアキュムレータ63への夫々の流路が遮断され、ホイールシリンダ53FL(53RR)の液圧が保持される。
さらに、第1ゲートバルブ61A及び第2ゲートバルブ65Aが非励磁のノーマル位置にあるときに、インレットバルブ62FL(62RR)を励磁して閉鎖すると共に、アウトレットバルブ64FL(64RR)を励磁して開放すると、ホイールシリンダ53FL(53RR)の液圧がアキュムレータ63に流入して減圧される。アキュムレータ63に流入した液圧は、ポンプ66によって吸入され、マスターシリンダ52に戻される。
セカンダリ側に関しても、通常ブレーキ・増圧・保持・減圧の動作は、上記プライマリ側の動作と同様であるため、その詳細説明は省略する。
ブレーキコントローラ54は、第1ゲートバルブ61A・61Bと、インレットバルブ62FL〜62RRと、アウトレットバルブ64FL〜64RRと、第2ゲートバルブ65A・65Bと、ポンプ66とを駆動制御することによって、各ホイールシリンダ53FL〜53RRの液圧を増圧・保持・減圧する。
なお、本実施形態では、ブレーキ系統をフロント左・リア右とフロント右・リア左とで分割するダイアゴナルスプリット方式を採用しているが、これに限定されるものではなく、フロント左右とリア左右とで分割する前後スプリット方式を採用してもよい。
また、本実施形態では、バネ形のアキュムレータ63を採用しているが、これに限定されるものではなく、各ホイールシリンダ53FL〜53RRから抜いたブレーキ液を一時的に貯え、減圧を効率よく行うことができればよいので、重錘形、ガス圧縮直圧形、ピストン形、金属ベローズ形、ダイヤフラム形、ブラダ形、インライン形など、任意のタイプでよい。
また、本実施形態では、第1ゲートバルブ61A・61B及びインレットバルブ62FL〜62RRが、非励磁のノーマル位置で流路を開放し、アウトレットバルブ64FL〜64RR及び第2ゲートバルブ65A・65Bが、非励磁のノーマル位置で流路を閉鎖するように構成しているが、これに限定されるものではない。要は、各バルブの開閉を行うことができればよいので、第1ゲートバルブ61A・61B及びインレットバルブ62FL〜62RRが、励磁したオフセット位置で流路を開放し、アウトレットバルブ64FL〜64RR及び第2ゲートバルブ65A・65Bが、励磁したオフセット位置で流路を閉鎖するようにしてもよい。
ブレーキコントローラ54は、通常は、アンチスキッド制御、トラクション制御、スタビリティ制御に従って、ブレーキアクチュエータ51を駆動制御することにより、各ホイールシリンダ53FL〜53RRの液圧を制御する。また、ブレーキコントローラ54は、コントローラ21からの駆動指令を受けたときに、その駆動指令を優先してブレーキアクチュエータ51を駆動制御する。例えば、4輪のうち、所定のホイールシリンダを増圧させる駆動指令を受けたときに、通常の目標液圧を増加補正してブレーキアクチュエータ51を駆動制御する。
上記が、ブレーキ制御装置50の説明である。
次に、コントローラ21で所定時間(例えば10msec)毎に実行する追従走行制御処理について説明する。
図5は、第1実施形態の追従走行制御処理を示すフローチャートである。
ここでは、ACCスイッチ11(メインスイッチ)がONであることを前提とする。
先ずステップS101では、各種データを読み込む。
続くステップS102では、自車両周囲に存在する他車両を検出する。すなわち、レーダ装置16により、移動している立体物を他車両として検出し、自車両に対する相対的な位置を検出する。そして、カメラ15により、走行車線を検出し、他車両の走行車線を検出する。このようにして、同一車線で自車両の前方を先行している先行車両、隣接車線を走行している側方車両、自車両の後方を走行している後続車両、側方車両とは反対側の隣接車線で自車両よりも後方を走行する後側方車両等を検出する。ここでは、トラッキングしながら他車両を検出する。
図6は、自車両、先行車両、側方車両、後続車両、後側方車両を示した図である。
ここでは、自車両をCO、先行車両をCA、側方車両をCS、後続車両をCB、後側方車両をCPとする。そして、片側三車線となる車線変更可能な道路で、中央車線を先行車両CAが走行しており、この先行車両CAに追従して自車両COが走行し、自車両COに追従して後続車両CBが走行している。そして、右車線における自車両COのやや前方を側方車両CSが走行し、左車線における自車両COのやや後方を後側方車両CPが走行している。また、先行車両CAを中心とする予め定めた領域をAAとし、側方車両CSを中心とする予め定めた領域をASとし、後続車両CBを中心とする予め定めた領域をABとし、後側方車両CPを中心とする予め定めた領域をAPとする。各領域は、例えば車体から例えば1.0〜2.0M程度の範囲とする。さらに、側方車両CSにとって、自車両COが存在する側の死角領域(以下、単に死角と称す)をADとする。側方車両CSにとっての死角BSとは、側方車両CSの運転者が、サイドミラー(ドアミラー)及びバックミラー(ルームミラー)で確認できない平面上の領域である。
続くステップS103では、先行車両Caに対して通常の追従走行を行うための目標車間距離Dtを設定する。例えば、自車両Coが先行車両Caの現在位置に到達するまでの車間時間THW(Time Head Way)や、自車両Coと先行車両Caとが接触するまでの余裕時間TTC(Time To Collision)に応じて、目標車間距離Dtを設定する。車間時間THWとは、先行車両Caまでの車間距離Daoを自車両Coの車速Voで除算した値(=Dao/Vo)である。また、余裕時間TTCとは、自車両Coの車速Voから先行車両Caの車速Vaを減算した値を相対車速Vr(=Vo−Va)とし、先行車両Caまでの車間距離Daoを相対車速Vrで除算した値(=Dao/Vr)である。ここでは、車間時間THWを、ACCスイッチ11(車間時間設定スイッチ)によって設定された目標車間時間Ttと一致させるための目標車間距離Dtを設定する。また、余裕時間TTCが予め定めた閾値T1未満となるようなときには、閾値T1以上の余裕時間TTCを実現するための目標車間距離Dtを設定する。最終的には、先行車両Caの車速Vaが目標車間距離Dtとなるが、運転者の感覚に合うように、応答差とオーバーシュートを持たせながら過渡的な目標車間距離Dtを設定する。
続くステップS104では、隣接車線を走行する側方車両Csが存在するか否かを判定する。ここで、側方車両Csが存在しないときには、自車線への割り込みが発生することはないと判断してステップS105に移行する。一方、側方車両がCsが存在するときには、この側方車両Csが隣接車線から自車線へと車線変更してくる可能性があると判断してステップS106に移行する。
ステップS105では、目標車間距離Dtを実現するために自車両Coの走行制御を実行してから所定のメインプログラムに復帰する。
ここでは、先ず目標車間距離Dtを実現するための目標加減速度Gtを、予め定めた応答特性に従い、実際の車間距離Do、及び目標車間距離Dtに応じて算出する。なお、実際の車間距離Doが目標車間距離Dtよりも短いときは、目標加減速度Gtが減速を表す負値となり、実際の車間距離Doが目標車間距離Dtよりも長いときは、目標加減速度Gtが加速を表す正値となる。
そして、目標加減速度Gtに対してレートリミッタ処理を行う。すなわち、目標加減速度Gtの単位時間当たりの変化量、ここでは前回値Gt(n−1)からの変化量ΔGtが、予め定めた上限値ΔG1以下であるときは、目標加減速度Gtをそのまま維持する。一方、前回値Gt(n−1)からの変化量ΔGtが、上限値ΔG1よりも大きいときには、前回値Gt(n−1)からの変化量ΔGtが上限値ΔG1となるように、目標加減速度Gtを補正し、その変化率を制限する。
そして、目標加減速度Gtに応じて、制御指令値としてのエンジントルク指令値及びブレーキ液圧指令値を設定する。減速度指令値Gcが加速指令であるときには、エンジントルク指令値を増加させ、ブレーキ液圧指令値を0にする。また、減速度指令値Gcが減速指令であるときには、エンジントルク指令値を0にして、ブレーキ液圧指令値を増加させる。
そして、エンジントルク指令値に応じて駆動力制御装置20を駆動制御すると共に、ブレーキ液圧指令値に応じてブレーキ制御装置50を駆動制御する。
一方、ステップS106では、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置しているか否かを判定する。ここで、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していないときには、側方車両Csの運転者は自車両Coの存在を認識しやすいため、この側方車両Csが隣接車線から自車線に車線変更してくる可能性は低いと判断してステップS105に移行する。一方、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置しているときには、側方車両Csの運転者は自車両Coの存在を認識しにくいため、この側方車両Csが隣接車線から自車線に車線変更してくる可能性があると判断してステップS107に移行する。なお、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置しているか否かだけを判定するのではなく、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置している状態で、予め定めた時間以上が経過したときに、ステップS107に移行するようにしてもよい。
ステップS107では、後述する退避判定処理を実行し、側方車両Csが隣接車線から自車線へと車線変更してくることを想定し、予め側方車両Csとの接近に対して自車両Coが退避できるか否かを判定する。この判定結果は、退避フラグfsの設定によって表され、自車両Coが退避できるときには退避フラグをfs=1にセットし、自車両Coが退避できないときには退避フラグをfs=0にリセットする。
ステップS108では、退避フラグがfs=1にセットされているか否かを判定する。ここで、判定結果がfs=1であるときには、側方車両Csの車線変更に対して自車両Coが退避できると判断してステップS109に移行する。一方、判定結果がfs=0であるときには、側方車両Csの車線変更に対して自車両Coが退避できないと判断してステップS110に移行する。
ステップS109では、目標車間距離Dtを増加補正してからステップS105に移行する。この増加補正量ΔDは、増加補正後に自車両Coが側方車両Csの死角Bsから抜け出せる値とする。これは車体の全体が死角Bsから抜け出すことに限定されるものではなく、車体の何%かが抜け出せればよい(例えば50%)。勿論、自車両Coの後方に後続車両Cbが存在するときには、増加補正後に自車両Coが後続車両Cbの予め定めた領域Abに達することがない範囲で設定される。
ステップS110では、目標車間距離Dtを減少補正してからステップS105に移行する。この減少補正は、予め定めた設定時間Tsだけ行う。したがって、退避フラグをfs=1にセットしてから設定時間Tsが経過したら、以降は目標車間距離Dtに対する減少補正を中止し、ステップS103の処理で設定した目標車間距離Dtを、そのまま最終的な目標車間距離Dtとする。また、減少補正量ΔDは、減少補正後に自車両Coが側方車両Csの死角Bsから抜け出せる値とする。これは車体の全体が死角Bsから抜け出すことに限定されるものではなく、車体の何%かが抜け出せればよい(例えば50%)。勿論、減少補正後に自車両Coが先行車両Caの予め定めた領域Aaに達することがなく、且つ制動によって先行車両Caとの接近を回避できる範囲とする。
上記が本実施形態の追従走行制御処理である。
次に、退避判定処理について説明する。
図7は、退避判定処理を示すフローチャートである。
ステップS121では、自車両Coの後方を走行する後続車両Cbが存在するか否かを判定する。ここで、後続車両Cbが存在しないときには、側方車両Csが隣接車線から自車線へと車線変更してきても、この側方車両Csとの接近に対して自車両が後方に退避できると判断してステップS122に移行する。一方、後続車両Cbが存在するときには、ステップS123に移行する。
ステップS122では、退避フラグをfs=1にセットしてから所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS123では、自車両Coが予め定めた減速度Gx(負の加減速度)で減速したときに、自車両Coが後続車両Cbの予め定めた領域Abに達するまでの到達時間Tr1を算出する。具体的には、自車両Coの車速Vo、減速度Gx、及び後続車両Cbの車速Vbに応じて、自車両Coと後続車両Cbとの相対速度ΔVbを算出し、自車両Coから領域Abまでの距離Dbを相対速度ΔVbで除算することにより、到達時間Tr1を算出する。減速度Gxは、運転者に違和感を与えない程度の範囲で設定される。
ステップS124では、到達時間Tr1が予め定めた第一の閾値th1よりも大きいか否かを判定する。この第一の閾値th1とは、後続車両Cbが自車両Coの減速を認識してから自らも減速を開始し、実際の車両挙動として後続車両Cbが減速できる程度の時間とする。ここで、判定結果がTr1>th1であるときには、自車両Coが後方に退避できる余地があると判断してステップS122に移行する。一方、判定結果がTr1≦th1であるときには、自車両Coが後方に退避するのは難しいと判断しステップS125に移行する。
ステップS125では、側方車両Csとは反対側に隣接車線があるか否かを判定する。ここで、側方車両Csとは反対側に隣接車線がないときには、側方車両Csとは反対側の側方へ退避することは難しいと判断してステップS126に移行する。一方、側方車両Csとは反対側に隣接車線があるときには、この反対側の隣接車線へ自車両Coが退避できる可能性があると判断してステップS127に移行する。
ステップS126では、退避フラグをfs=0にリセットしてから所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS127では、側方車両Csとは反対側の隣接車線で自車両Coよりも後方を走行している後側方車両Cpが存在するか否かを判定する。ここで、自車両Coよりも後方とは、自車両Coの先端よりも後側方車両Cpの先端が後方に位置することを意味しており、自車両Coと後側方車両Cpとが略並走しているような位置関係をも含むものである。そして、後側方車両Cpが存在しないときには、自車両Coが側方車両Csとは反対側の隣接車線に退避できると判断してステップS122に移行する。一方、後側方車両Cpが存在するときには、ステップS128に移行する。
ステップS128では、自車両Coが現在の車速Voを維持したまま、予め定めた横移動速度Vyで、側方車両Csとは反対側の隣接車線に横移動したときに、自車両Coが後側方車両Cpの予め定めた領域Apに達するまでの到達時間Tr2を算出する。具体的には、自車両Coから領域Apまでの略車幅方向の距離Dpを横移動速度Vyで除算することにより、到達時間Tr2を算出する。なお、自車両Coの車体が横移動する領域と、後側方車両Cpの領域Apとが重ならないときには、到達時間Tr2を予め定めた閾値th2よりも大きな値として設定する。また、横移動速度Vyは、運転者に違和感を与えない程度の範囲で設定される。
ステップS129では、到達時間Tr2が予め定めた第二の閾値th2よりも大きいか否かを判定する。この第二の閾値th2とは、後側方車両Cpが自車両Coの横移動を認識してから自ら減速を開始し、実際の車両挙動として後側方車両Cpが減速できる程度の時間とする。ここで、判定結果がTr2>th2であるときには、自車両Coが側方車両Csとは反対側の側方に横移動だけで退避できる余地があると判断してステップS122に移行する。一方、判定結果がTr2≦th2であるときには、自車両Coが側方車両Csとは反対側の側方に横移動だけで退避するのは難しいと判断しステップS130に移行する。
ステップS130では、自車両Coが予め定めた減速度Gx(負の加減速度)で減速しながら、予め定めた横移動速度Vyで側方車両Csとは反対側の隣接車線に横移動したときに、自車両Coが後側方車両Cpの予め定めた領域Apに達するまでの到達時間Tr2を算出する。具体的には、先ず自車両Coの車速Vo、減速度Gx、及び後側方車両Cpの車速Vpに応じて、自車両Coと後側方車両Cpとの相対速度ΔVpを算出する。そして、自車両Coから領域Apまでの略斜め方向の距離Dpを、縦方向成分の相対速度ΔVp及び横方向成分の横移動速度Vyの合成速度Vvで除算することにより、到達時間Tr3を算出する。減速度Gx及び横移動速度Vyは、夫々、運転者に違和感を与えない程度の範囲で設定され、減速度Gx及び横移動速度Vyのどちらを優先するかは、重み付けによって設定される。
ステップS131では、到達時間Tr3が予め定めた第三の閾値th3よりも大きいか否かを判定する。この第三の閾値th3とは、後側方車両Cpが自車両Coの減速及び横移動を認識してから自ら減速を開始し、実際の車両挙動として後側方車両Cpが減速できる程度の時間とする。ここで、判定結果がTr3>th3であるときには、自車両Coが側方車両Csとは反対側の側方に減速及び横移動によって退避できる余地があると判断してステップS122に移行する。一方、判定結果がTr3≦th3であるときには、自車両Coが減速及び横移動をしても、側方車両Csとは反対側の側方に退避するのは難しいと判断しステップS126に移行する。
上記が本実施形態の退避判定処理である。
《作用》
次に、第1実施形態の作用について説明する。
本実施形態では、同一車線上の先行車両Caに追従走行するために、自車両Coの走行制御を行う。先ず、先行車両Caに対する車間時間THWや余裕時間TTCに応じて、目標車間距離Dtを設定し(ステップS103)、この目標車間距離Dtを実現ために車速制御を実行する(ステップS105)。このように、同一車線上の先行車両Caに追従走行している際に、自車両Coが隣接車線を走行する側方車両Csの死角Bsに入ると、この側方車両Csが自車両Coに気付かずに車線変更してくる可能性がある。
このとき、側方車両Csの死角Bsに入らないように、先行車両Caとの車間距離を拡げることも考えられるが、側方車両Csを検出する度に、先行車両Caとの車間距離を一様に拡げることが好ましいとは限らない。例えば、自車両Coの後方に後続車両Cbが存在する場合、先行車両Caとの車間距離を拡げると、この後続車両Cbに接近することになるため、後続車両Cbとの相対関係によっては、先行車両Caとの車間距離を拡げにくい場合がある。
そこで、本実施形態では、隣接車線を走行している側方車両Csを検出したときに(ステップS104の判定が“No”)、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置しているか否かを判定する。そして、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していると判定したときには(ステップS106の判定が“Yes”)、側方車両Csが隣接車線から自車線へと車線変更してきても、側方車両Csの接近に対して自車両Coが退避できるか否かを判定し(ステップS107)、この判定結果に応じて目標車間距離Dtを設定する。
先ず、自車両Coが退避できると判定したときには(ステップS108の判定が“Yes”)、目標車間距離Dtを増加補正する(ステップS109)。すなわち、自車両Coが側方車両Csの死角Bsから後方に抜け出せる位置まで、先行車両Caに対する車間距離を拡げる。
図8は、目標車間距離Dtを増加補正した状態を示す図である。
また、自車両Coが退避できないと判定したときには(ステップS108の判定が“No”)、設定時間Tsが経過するまでは、目標車間距離Dtを減少補正する(ステップS110)。すなわち、自車両Coが側方車両Csの死角Bsから前方に抜け出せる位置まで、先行車両Caに対する車間距離を縮める。
図9は、目標車間距離Dtを減少補正した状態を示す図である。
このように、自車両Coが側方車両Csの死角Bsにあるときは、側方車両Csの車線変更があっても自車両Coが退避できるか否かを判定しておき、この判定結果に応じて目標車間距離Dtを設定するので、周囲の状況に応じた目標車間距離Dtを設定することができる。したがって、側方車両Csを検出する度に、先行車両Caとの車間距離を一様に拡げる構成と比べて、より適切な追従走行を実現することができる。
自車両Coが退避できるか否かは、自車両Coよりも後方で、且つ側方車両Csとは反対側の側方に、退避可能な領域があるか否かによって判定する。
先ず、自車両Coの後方を走行している後続車両Cbが存在するか否かを判定し、後続車両Cbが存在しないときには(ステップS121の判定が“Yes”)、自車両Coが後方に退避できると判定する(ステップS122)。一方、後続車両Cbが存在するときには(ステップS121の判定が“No”)、自車両Coが予め定めた減速度Gxで減速したと仮定し、自車両Coが後続車両Cbの領域Abに達するまでの到達時間Tr1を算出する(ステップS123)。そして、この到達時間Tr1が予め定めた閾値th1よりも大きいときには(ステップS124の判定が“Yes”)、自車両Coが後方に退避できる余地があると判定する(ステップS122)。
このように、後続車両Cbとの相対関係に応じて判定することにより、側方車両Csが車線変更してきたときの接近に対して、自車両Coが後方に退避できるか否かを、容易に且つ正確に判定することができる。
また、到達時間Tr1が予め定めた閾値th1以下であるときには(ステップS124の判定が“No”)、今度は側方車両Csとは反対側の側方に注目する。
先ず、側方車両Csとは反対側に隣接車線があるか否かを判定し、反対側に隣接車線がないときには(ステップS125の判定が“No”)、自車両Coが側方車両Csとは反対側の側方に退避できないと判定する(ステップS126)。一方、反対側に隣接車線があるときには(ステップS125の判定が“Yes”)、その反対側の隣接車線で自車両Coよりも後方を走行している後側方車両Cpが存在するか否かを判定する。そして、後側方車両Cpが存在しないときには(ステップS127の判定が“Yes”)、自車両Coが側方車両Csとは反対側の側方に退避できると判定する(ステップS122)。
また、後側方車両Cpが存在するときには(ステップS127の判定が“No”)、自車両Coが予め定めた横移動速度Vyで横移動したと仮定し、自車両Coが後側方車両Cpの領域Apに達するまでの到達時間Tr2を算出する(ステップS128)。そして、この到達時間Tr2が予め定めた閾値th2よりも大きいときには(ステップS129の判定が“Yes”)、自車両Coが横移動のみで側方車両Csとは反対側の側方に退避できる余地があると判定する(ステップS122)。
図10は、横移動のみで退避できる状況の一例を示す図である。
また、到達時間Tr2が予め定めた閾値th2以下であるときには(ステップS129の判定が“No”)、自車両Coが予め定めた減速度Gxで減速しながら、予め定めた横移動速度Vyで横移動したと仮定し、自車両Coが後側方車両Cpの領域Apに達するまでの到達時間Tr3を算出する(ステップS130)。そして、この到達時間Tr3が予め定めた閾値th3よりも大きいときには(ステップS131の判定が“Yes”)、自車両Coが減速及び横移動で側方車両Csとは反対側の側方に退避できる余地があると判定する(ステップS122)。
図11は、減速及び横移動で退避できる状況の一例を示す図である。
一方、到達時間Tr3が予め定めた閾値th3以下であるときには(ステップS131の判定が“No”)、自車両Coが側方車両Csとは反対側の側方に退避できないと判定する(ステップS126)。
このように、後側方車両Cpとの相対関係に応じて判定することにより、側方車両Csが車線変更してきたときの接近に対して、自車両Coが側方車両Csとは反対側の側方に退避できるか否かを、容易に且つ正確に判定することができる。
《対応関係》
本実施形態では、ステップS103、S105、S108〜S110の処理が「走行制御部」に対応し、ステップS104の処理が「側方車両検出部」に対応する。また、ステップS106の処理が「死角判定部」に対応し、ステップS107の処理、つまりステップS122〜S124、S126、S128〜S131の処理が「退避判定部」に対応する。また、ステップS121の処理が「後続車両検出部」に対応し、ステップS125の処理が「後側方車両検出部」に対応する。
《効果》
次に、第1実施形態における主要部の効果を記す。
(1)本実施形態に係る追従走行制御装置は、先行車両Caに追従するための目標車間距離Dtを設定し、目標車間距離Dtを実現するために自車両Coの走行を制御する。そして、隣接車線を走行している側方車両Csを検出したときに、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置しているか否かを判定する。そして、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していると判定したときに、側方車両Csが隣接車線から自車線へと車線変更してきても、側方車両Csの接近から自車両Coが退避できるか否かを判定する。そして、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していると判定したときには、退避判定部の判定結果に応じて目標車間距離Dtを設定する。
このように、自車両Coが側方車両Csの死角Bsにあるときは、側方車両Csの車線変更があっても自車両Coが退避できるか否かを判定しておき、この判定結果に応じて目標車間距離Dtを設定するので、周囲の状況に応じた目標車間距離Dtを設定することができる。したがって、側方車両Csを検出する度に、先行車両Caとの車間距離を一様に拡げる構成と比べて、より適切な追従走行を実現することができる。
(2)本実施形態に係る追従走行制御装置は、自車両Coが退避できないと判定したときには、側方車両Csを検出していないとき、及び自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していないときよりも、目標車間距離Dtを減少補正する。この減少補正は、予め定めた設定時間Tsが経過するまで行う。
このように、側方車両Csの接近から自車両Coが退避できないと予想されるときに、先行車両Caとの車間距離を縮めることにより、側方車両Csの死角Bsから抜け出し、自車両Coの存在を側方車両Csに認識させることができる。
(3)本実施形態に係る追従走行制御装置は、自車両Coが退避できると判定したときには、側方車両Csを検出していないとき、及び自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していないときよりも、目標車間距離Dtを増加補正する。
このように、側方車両Csの接近から自車両Coが退避できると予想されるときに、先行車両Caとの車間距離を拡げることにより、側方車両Csの死角Bsから抜け出し、自車両Coの存在を側方車両Csに認識させることができる。また、先行車両Caとの車間距離を縮める場合よりも、自車両Coの運転者に安心感を与えることができる。
(4)本実施形態に係る追従走行制御装置は、後続車両Cbを検出した場合、自車両Coが予め定めた減速度Gxで減速したと仮定する。そして、自車両Coが後続車両Cbの予め定めた領域Abに達するまでの到達時間Tr1を算出する。そして、この到達時間Tr1が予め定めた閾値th1よりも大きいときには、自車両Coが後方に退避できると判定する。
このように、後続車両Cbとの相対関係に応じて判定することにより、側方車両Csが車線変更してきたときの接近に対して、自車両Coが後方に退避できるか否かを、容易に且つ正確に判定することができる。
(5)本実施形態に係る追従走行制御装置は、後側方車両Cpを検出した場合、自車両Coが予め定めた横移動速度Gyで側方車両Csとは反対側の隣接車線に横移動したと仮定する。そして、自車両Coが後側方車両Cpの予め定めた領域Apに達するまでの到達時間Tr2を算出する。そして、この到達時間Tr2が予め定めた閾値th2よりも大きいときには、自車両Coが側方車両Csとは反対側の側方に退避できると判定する。
このように、後側方車両Cpとの相対関係に応じて判定することにより、側方車両Csが車線変更してきたときの接近に対して、自車両Coが側方車両Csとは反対側の側方に退避できるか否かを、容易に且つ正確に判定することができる。
(6)本実施形態に係る追従走行制御装置は、後側方車両Cpを検出した場合、自車両Coが予め定めた減速度Gxで減速し、且つ予め定めた横移動速度Gyで側方車両Csとは反対側の隣接車線に横移動したと仮定する。そして、自車両Coが後側方車両Cpの予め定めた領域に達するまでの到達時間Tr3を算出する。そして、この到達時間Tr3が予め定めた閾値th3よりも大きいときには、自車両Coが側方車両Csとは反対側の側方に退避できると判定する。
このように、後側方車両Cpとの相対関係に応じて判定することにより、側方車両Csが車線変更してきたときの接近に対して、自車両Coが側方車両Csとは反対側の側方に退避できるか否かを、容易に且つ正確に判定することができる。
(7)本実施形態に係る追従走行制御方法は、先行車両Caに追従するための目標車間距離Dtを設定する。そして、目標車間距離を実現するために自車両の走行を制御している際に、隣接車線を走行している側方車両Csを検出したら、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置しているか否かを判定する。そして、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していたら、側方車両Csが隣接車線から自車線へと車線変更してきても、側方車両Csの接近に対して自車両Coが退避できるか否かを判定する。そして、自車両Coが退避できるか否かの判定結果に応じて目標車間距離Dtを設定する。
このように、自車両Coが側方車両Csの死角Bsにあるときは、側方車両Csの車線変更があっても自車両Coが退避できるか否かを判定しておき、この判定結果に応じて目標車間距離Dtを設定するので、周囲の状況に応じた目標車間距離Dtを設定することができる。したがって、側方車両Csを検出する度に、先行車両Caとの車間距離を一様に拡げる方法と比べて、より適切な追従走行を実現することができる。
《第2実施形態》
《構成》
本実施形態は、道路情報に応じて目標車間距離Dtを補正するものである。ここで、道路情報とは、自車線上における自車両Coよりも予め定めた距離だけ前方の地点がカーブ路であるか否か、及び自車両Coの走行位置が車線変更禁止領域であるか否かを含む。
装置構成は、前述した第1実施形態と同様である。
次に、本実施形態の追従走行制御処理について説明する。
図12は、第2実施形態の追従走行制御処理を示すフローチャートである。
ここでは、前述した第1実施形態におけるステップS110の処理の後に、新たなステップS201の処理を追加している。なお、他のステップS101〜S110の処理については、前述した第1実施形態と同様であるため、共通部分については詳細な説明を省略する。
ステップS201では、自車線上における自車両Coよりも予め定めた距離だけ前方の地点がカーブ路であるか否か、及び自車両Coの走行位置が車線変更禁止領域であるか否かを含む道路情報を検出し、この道路情報に応じて目標車間距離Dtを補正する。自車両Coよりも予め定めた距離だけ前方とは、先行車両Caよりも前方の地点である。
道路情報については、ナビゲーションシステム17から取得してもよいし、カメラ15で撮像した画像データに基づいて判定してもよい。車線変更禁止領域であるか否かについては、画像データに基づいて判定する場合、通行区分線が波線ではなく実線であったり、通行区分線が白線ではなく黄線であったりする場合に、車線変更禁止領域であると判定すればよい。
そして、この道路情報を参照し、自車両Coよりも前方の地点がカーブ路であるときには、カーブ路でないときよりも、目標車間距離Dtの減少補正量を小さくする。つまり、自車両Coよりも前方の地点がカーブ路であるときには、カーブ路でないときよりも、目標車間距離Dtを大きくする。
さらに、自車両Coの走行位置が車線変更禁止領域であるときには、車線変更禁止領域でないときよりも、目標車間距離Dtの減少補正量を小さくする。つまり、自車両Coの走行位置が車線変更禁止領域であるときには、車線変更禁止領域でないときよりも、目標車間距離Dtを大きくする。
上記が本実施形態の追従走行制御処理である。
《作用》
次に、第2実施形態の作用について説明する。
先ず、カーブ路に差し掛かると各車両は減速すると考えられる。そのため、自車両Coよいも前方の地点がカーブ路であるときには、カーブ路に差し掛かった先行車両Caが減速する可能性が高いので、目標車間距離Dtの減少補正に加えて、先行車両Caとの車間距離がさらに縮まることが予想される。そこで、自車両Coよりも予め定めた距離だけ前方の地点がカーブ路であるときには、目標車間距離Dtの減少補正量を小さくする(ステップS201)。これにより、カーブ路に差し掛かった先行車両Caが減速しても、先行車両Caとの車間距離が縮まり過ぎることを抑制できる。
また、自車両Coの走行位置が車線変更禁止領域であるときには、側方車両Csが車線変更してくる可能性も低い。したがって、自車両Coが側方車両Csの死角Bsから抜け出す必要性も低い。そこで、自車両Coの走行位置が車線変更禁止領域であるときには、目標車間距離Dtの減少補正量を小さくする(ステップS201)。これにより、側方車両Csが車線変更してくる可能性が低い状態で、不必要に先行車両Caとの車間距離を縮めることを抑制できる。
本実施形態において、その他、前述した第1実施形態と共通する部分については、同様の作用効果が得られるものとし、詳細な説明は省略する。
《対応関係》
本実施形態では、ステップS201の処理が「走行制御部」に含まれる。
《効果》
次に、第2実施形態における主要部の効果を記す。
(1)本実施形態に係る追従走行制御装置は、自車両Coが退避できないと判定した場合、道路情報を参照し、自車両Coよりも予め定めた距離だけ前方の地点がカーブ路であるときには、カーブ路でないときよりも、目標車間距離Dtを長く設定する。
このように、自車両Coの前方の地点がカーブ路であるときは、目標車間距離Dtの減少補正を抑制するので、カーブ路に差し掛かった先行車両Caが減速しても、先行車両Caとの車間距離が縮まり過ぎることを抑制できる。
(2)本実施形態に係る追従走行制御装置は、自車両Coが退避できないと判定した場合、道路情報を参照し、自車両Coの走行位置が車線変更禁止領域であるときには、車線変更禁止領域でないときよりも、目標車間距離Dtを長く設定する。
このように、走行位置が車線変更禁止領域であるときには、目標車間距離Dtの減少補正を抑制するので、側方車両Csが車線変更してくる可能性が低い状態で、不必要に先行車両Caとの車間距離を縮めることを抑制できる。
《第3実施形態》
《構成》
本実施形態は、自車両Coが側方車両Csの死角Bsから外れており、その後、側方車両Csの死角Bsに入った場合には、目標車間距離Dtの補正を抑制するものである。
装置構成は、前述した第1実施形態と同様である。
次に、本実施形態の追従走行制御処理について説明する。
図13は、第3実施形態の追従走行制御処理を示すフローチャートである。
ここでは、前述した第1実施形態において、新たなステップS301〜S304の処理を追加している。なお、他のステップS101〜S110の処理については、前述した第1実施形態と同様であるため、共通部分については詳細な説明を省略する。
先ずステップS104では、隣接車線を走行する側方車両Csが存在するか否かを判定する。ここで、側方車両Csが存在しないときには、自車線への割り込みが発生することはないと判断してステップS301に移行する。一方、側方車両がCsが存在するときには、この側方車両Csが隣接車線から自車線へと車線変更してくる可能性があると判断してステップS106に移行する。
ステップS301では、マスクフラグをfm=0にリセットしてからステップS105に移行する。マスクフラグfmは、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置しているときでも、側方車両Csの死角Bsに位置していないと判定するためのフラグである。具体的には、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置しているときに、そのまま判定するときには、マスクフラグをfm=0にリセットする。一方、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置しているときに、側方車両Csの死角Bsに位置していないと判定するときには、マスクラグをfm=1にセットする。
一方、ステップS106では、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置しているか否かを判定する。ここで、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していないときには、側方車両Csの運転者は自車両Coの存在を認識しやすいため、この側方車両Csが隣接車線から自車線に車線変更してくる可能性は低いと判断してステップS302に移行する。一方、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置しているときには、側方車両Csの運転者は自車両Coの存在を認識しにくいため、この側方車両Csが隣接車線から自車線に車線変更してくる可能性があると判断してステップS304に移行する。
ステップS302では、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していない状態で予め定めた時間Td以上が経過しているか否かを判定する。ここで、予め定めた時間Td以上が経過していないときには、側方車両Csの運転者が自車両Coの存在を充分に認識しているとは限らないと判断してステップS301に移行する。一方、予め定めた時間Td以上が経過しているときには、側方車両Csの運転者が自車両Coの存在を充分に認識している可能性が高いと判断してステップS303に移行する。
ステップS303では、マスクフラグをfm=1にセットしてからステップS105に移行する。
一方、ステップS304では、マスクラグがfm=0にリセットされているか否かを判定する。ここで、マスクフラグがfm=1にセットされているときには、目標車間距離Dtの補正を抑制(中止)するためにステップS105に移行する。一方、マスクフラグがfm=0にリセットされているときには、目標車間距離Dtの補正を実行するためにステップS107に移行する。
上記が本実施形態の追従走行制御処理である。
《作用》
次に、第3実施形態の作用について説明する。
自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していない状態で、予め定めた時間Td以上が経過していれば、その後、自車両Coが死角Bsに位置する状態へと移行したとしても、側方車両Csの運転者は自車両Coの存在を十分に認識できていると考えられる。この場合には、側方車両Csが隣接車線から自車線に車線変更してくる可能性は低い。
そこで、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していない状態で、予め定めた時間Td以上が経過したときに(ステップS302の判定が“Yes”)、マスクフラグをfm=1にセットする(ステップS303)。したがって、その後、自車両Coが死角Bsに位置する状態へと移行したとしても(ステップS106の判定が“Yes”)、マスクフラグがfm=1にセットされていることにより(ステップS304の判定が“Yes”)、目標車間距離Dtの補正が中止される。これにより、側方車両Csが車線変更してくる可能性が低い状態で、不必要に目標車間距離Dtを補正することを抑制できる。
本実施形態において、その他、前述した第1実施形態と共通する部分については、同様の作用効果が得られるものとし、詳細な説明は省略する。
《対応関係》
本実施形態では、ステップS301〜S304の処理が「走行制御部」に含まれる。
《効果》
次に、第3実施形態における主要部の効果を記す。
(1)本実施形態に係る追従走行制御装置は、自車両Coが側方車両Csの死角Bsに位置していない状態で、予め定めた時間Td以上が経過し、その後、自車両Coが死角Bsに位置する状態へと移行したときには、目標車間距離Dtの補正を抑制する。
このように、自車両Coが死角Bsに位置していない状態から、死角Bsに位置する状態へと移行したときに、目標車間距離Dtの補正を抑制することで、側方車両Csが車線変更してくる可能性が低い状態で、不必要に目標車間距離Dtを補正することを抑制できる。
《第4実施形態》
《構成》
本実施形態は、目標車間距離Dtを増加補正した際に、隣接車線で側方車両Csの後方を走行している側方後続車両Ckを検出したら、この側方後続車両Ckとの相対関係に応じて、目標車間距離Dtを再補正(再設定)するものである。
装置構成は、前述した第1実施形態と同様である。
次に、本実施形態の追従走行制御処理について説明する。
図14は、第4実施形態の追従走行制御処理を示すフローチャートである。
ここでは、前述した第1実施形態におけるステップS109の処理の後に、新たなステップS401、S402の処理を追加している。なお、他のステップS101〜S110の処理については、前述した第1実施形態と同様であるため、共通部分については詳細な説明を省略する。
先ずステップS401では、隣接車線で側方車両Csの後方を走行している側方後続車両Ckが存在するか否かを判定する。ここで、側方後続車両Ckが存在しないときには、そのままステップS105に移行する。一方、側方後続車両Ckが存在するときには、この後側方車両Cpとの相対関係に応じて目標車間距離Dtを再補正するためにステップS402に移行する。
図15は、側方後続車両を示した図である。
ここでは、右車線における側方車両Csの後方を側方後続車両Ckが走行しており、この側方後続車両Ckを中心とする予め定めた領域をAkとする。さらに、側方後続車両Ckにとって、自車両Coが存在する側の死角をBkとする。
ステップS402では、自車両Coが側方後続車両Ckの死角Bkに位置することのない範囲で、目標車間距離Dtを再補正する。すなわち、ステップS109の処理で、目標車間距離Dtを増加補正しているため、増加補正後の目標車間距離Dtにより、自車両Coが側方後続車両Ckの死角Bkに位置していることがある。この場合には、自車両Coが側方後続車両Ckの死角Bkに位置することのない範囲まで目標車間距離Dtを増加補正する。
上記が本実施形態の追従走行制御処理である。
《作用》
次に、第4実施形態の作用について説明する。
側方車両Csの死角Bsを抜け出すために、目標車間距離Dtを増加補正すると、今度は、側方車両Csの後方に存在する側方後続車両Ckの死角Bkに入ってしまう可能性がある。そこで、側方車両Csの後方に側方後続車両Ckが存在するときには(ステップS401の判定が“Yes”)、この側方後続車両Ckの死角Bkまで自車両Coが退避することがないように、目標車間距離Dtを再補正する(ステップS402)。これにより、側方後続車両Ckに自車両Coの存在を気付かせ、側方後続車両Ckが隣接車線から自車線へと車線変更してくることを抑制できる。
本実施形態において、その他、前述した第1実施形態と共通する部分については、同様の作用効果が得られるものとし、詳細な説明は省略する。
《対応関係》
本実施形態では、ステップS401の処理が「側方後続車両検出部」に対応し、ステップS402の処理が「走行制御部」に含まれる。
《効果》
次に、第4実施形態における主要部の効果を記す。
(1)本実施形態に係る追従走行制御装置は、自車両Coが後方に退避できると判定している状態で、隣接車線で側方車両Csの後方を走行している側方後続車両Ckを検出したとする。この場合には、自車両Coが側方後続車両Ckの死角Bkに位置することのない範囲で、目標車間距離Dtを設定する。
このように、側方後続車両Ckの死角Bkに位置することがないように目標車間距離Dtを設定することで、側方後続車両Ckに自車両Coの存在を気付かせ、側方後続車両Ckが隣接車線から自車線へと車線変更してくることを抑制できる。
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。また、各実施形態は、任意に組み合わせて採用することができる。
11 ACCスイッチ
12 車輪速センサ
13 操舵角センサ
14 加速度センサ
15 カメラ
16 レーダ装置
17 ナビゲーションシステム
21 コントローラ
30 駆動力制御装置
50 ブレーキ制御装置

Claims (11)

  1. 先行車両に追従するための目標車間距離を設定し、前記目標車間距離を実現するために自車両の走行を制御する走行制御部と、
    隣接車線を走行している側方車両を検出する側方車両検出部と、
    前記側方車両検出部で側方車両を検出したときに、自車両が前記側方車両の死角に位置しているか否かを判定する死角判定部と、
    前記死角判定部で自車両が前記側方車両の死角に位置していると判定したときに、前記側方車両が隣接車線から自車線へと車線変更してきても、前記側方車両の接近から自車両が退避できるか否かを判定する退避判定部と、
    前記走行制御部は、
    前記死角判定部で自車両が前記側方車両の死角に位置していると判定したときには、前記退避判定部の判定結果に応じて前記目標車間距離を設定することを特徴とする追従走行制御装置。
  2. 前記走行制御部は、
    前記退避判定部で自車両が退避できないと判定したときには、予め定めた設定時間が経過するまでは、前記側方車両を検出していないとき、及び自車両が前記側方車両の死角に位置していないときよりも、前記目標車間距離を短く設定することを特徴とする請求項1に記載の追従走行制御装置。
  3. 前記走行制御部は、
    前記退避判定部で自車両が退避できると判定したときには、前記側方車両を検出していないとき、及び自車両が前記側方車両の死角に位置していないときよりも、前記目標車間距離を長く設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の追従走行制御装置。
  4. 自車両の後方を走行している後続車両を検出する後続車両検出部を備え、
    前記退避判定部は、
    前記後続車両検出部で後続車両を検出した場合、
    自車両が予め定めた減速度で減速したと仮定し、自車両が前記後続車両の予め定めた領域に達するまでの第一の到達時間が予め定めた第一の閾値よりも大きいときには、自車両が後方に退避できると判定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の追従走行制御装置。
  5. 前記側方車両とは反対側の隣接車線で自車両よりも後方を走行している後側方車両を検出する後側方車両検出部を備え、
    前記退避判定部は、
    前記後側方車両検出部で後側方車両を検出した場合、
    自車両が予め定めた横移動速度で前記側方車両とは反対側の隣接車線に横移動したと仮定し、自車両が前記後側方車両の予め定めた領域に達するまでの第二の到達時間が予め定めた第二の閾値よりも大きいときには、自車両が前記側方車両とは反対側の側方に退避できると判定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の追従走行制御装置。
  6. 前記側方車両とは反対側の隣接車線で自車両よりも後方を走行している後側方車両を検出する後側方車両検出部を備え、
    前記退避判定部は、
    前記後側方車両検出部で後側方車両を検出した場合、
    自車両が予め定めた減速度で減速し、且つ予め定めた横移動速度で前記側方車両とは反対側の隣接車線に横移動したと仮定し、自車両が前記後側方車両の予め定めた領域に達するまでの第三の到達時間が予め定めた第三の閾値よりも大きいときには、自車両が前記側方車両とは反対側の側方に退避できると判定することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の追従走行制御装置。
  7. 自車線上における自車両よりも予め定めた距離だけ前方の地点がカーブ路であるか否かを含む道路情報を検出する道路情報検出部を備え、
    前記走行制御部は、
    前記退避判定部で自車両が退避できないと判定した場合、
    前記道路情報検出部で検出した道路情報を参照し、自車両よりも予め定めた距離だけ前方の地点がカーブ路であるときには、カーブ路でないときよりも、前記目標車間距離を長く設定することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の追従走行制御装置。
  8. 自車両の走行位置が車線変更禁止領域であるか否かを含む道路情報を検出する道路情報検出部を備え、
    前記走行制御部は、
    前記退避判定部で自車両が退避できないと判定した場合、
    前記道路情報検出部で検出した道路情報を参照し、自車両の走行位置が車線変更禁止領域であるときには、車線変更禁止領域でないときよりも、前記目標車間距離を長く設定することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の追従走行制御装置。
  9. 前記走行制御部は、
    自車両が前記側方車両の死角に位置していない状態で、予め定めた時間以上が経過し、その後、自車両が前記側方車両の死角に位置する状態へと移行した場合には、前記退避判定部の判定結果に応じた前記目標車間距離の設定を抑制することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の追従走行制御装置。
  10. 隣接車線で前記側方車両の後方を走行している側方後続車両を検出する側方後続車両検出部を備え、
    前記走行制御部は、
    前記退避判定部で自車両が後方に退避できると判定し、且つ前記側方後続車両検出部で側方後続車両を検出したときには、自車両が前記側方後続車両の死角に位置することのない範囲で、前記目標車間距離を設定することを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の追従走行制御装置。
  11. 先行車両に追従するための目標車間距離を設定し、前記目標車間距離を実現するために自車両の走行を制御している際に、
    隣接車線を走行している側方車両を検出したら、自車両が前記側方車両の死角に位置しているか否かを判定し、
    自車両が前記側方車両の死角に位置していたら、前記側方車両が隣接車線から自車線へと車線変更してきても、前記側方車両の接近に対して自車両が退避できるか否かを判定し、
    自車両が退避できるか否かの判定結果に応じて前記目標車間距離を設定することを特徴とする追従走行制御方法。
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