JP2015062572A - 肌状態測定方法および肌状態測定装置 - Google Patents

肌状態測定方法および肌状態測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】精度良く肌内蛍光物質の蓄積量を測定する。【解決手段】肌状態測定方法は、3種類以上の、生体の皮膚の色合いを特定するための参照光を測定部位(50)に照射することによって生体から放射される放射光の測定結果を用いて、影響物質の影響度を算出する影響度算出工程(S5)と、算出された影響度を用いて蛍光強度を補正する蛍光強度補正工程(S6)と、を含んでいる。【選択図】図2

Description

本発明は、励起光を生体の測定部位に照射することによって生じる、測定対象物質の蛍光の強度に基づいて肌状態を測定する肌状態測定方法および肌状態測定装置に関する。
従来、抗糖化(抗加齢)化粧品として、肌に蓄積したAGEs(Advanced Glycation Endproducts;後期糖化反応生成物)の低減を目的としたものが商品化されている。このAGEsは、タンパク質と、糖質や脂質との非酵素的糖付加反応(メイラード反応)により形成される最終生成物であり、黄褐色を呈し、その一部は蛍光を発する物質である。また、AGEsは、近くに存在する構造蛋白質と結合して架橋を形成する性質を有している。特にAGEsと真皮を構成しているコラーゲンとの架橋は、皮膚の弾力性を低下させるとともに、くすみの原因となることで問題となっている。
このようなAGEsをモニタリングすることで、肌の健康状態、老化を評価することができる。生体を侵襲することなく手軽にAGEsのデータを取得する方法として、皮膚コラーゲンに結合したAGEsからの蛍光スペクトルを測定し、測定した蛍光強度から肌に蓄積したAGEsの量を求める方法が知られている。
この方法では、メラニンなど皮膚中に存在する吸光物質が検出結果に影響を及ぼすことが知られている。つまり、メラニンなどの吸光物質が、入射する励起光の一部を吸収する、あるいは発生する蛍光の一部を吸収することで、AGEsを正確に測定することを阻害するという問題点がある。
上記課題の対策として、特許文献1には、励起光スペクトルと発光スペクトルとから励起−発光マップを作成し、当該マップから反射率測定値を得て、当該反射率測定値を用いて蛍光測定値(蛍光強度)を補正する技術が開示されている。
また、特許文献2には、肌に励起光を照射することで発生する蛍光を測定するとともに、上記蛍光の波長を含む検査光を肌に照射し、その反射光を測定した結果を示す反射光データにより蛍光データを補正する技術が開示されている。
特許第5053699号(2012年8月3日登録) 特開2004−290234号公報(2004年10月21日公開)
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、AGEsに対する吸収物質の影響を排除するために、皮膚の色合い(肌の色味)の影響を加味して、蛍光強度の補正を行うことについては考慮されていない。また、特許文献2に開示された技術では、1波長の光の反射光強度を用いて蛍光強度を補正しているので、補正の精度が低いという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、蛍光強度の補正の精度を向上させることにより、AGEsを始めとする肌内蛍光物質の蓄積量を精度良く測定することが可能な肌状態測定方法および肌状態測定装置を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る肌状態測定方法は、
280nm以上、410nm以下の波長範囲にピークを有する励起光を生体の測定部位に照射することによって生じる、測定対象物質の蛍光の強度に基づいて肌状態を測定する肌状態測定方法であって、
380nm以上、800nm以下の波長範囲の3種類以上の、上記生体の皮膚の色合いを特定するための参照光を上記測定部位に照射することによって上記生体から放射される放射光の測定結果を用いて、上記測定部位に含まれると推定される影響物質の、上記蛍光の強度に及ぼす影響を示す影響度を算出する影響度算出工程と、
上記影響度算出工程において算出した影響度を用いて、上記蛍光の強度を補正する蛍光強度補正工程と、を含んでいる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る肌状態測定装置は、
280nm以上、410nm以下の波長範囲にピークを有する励起光を生体の測定部位に照射することによって生じる、測定対象物質の蛍光の強度に基づいて肌状態を測定する肌状態測定装置であって、
380nm以上、800nm以下の波長範囲の3種類以上の、上記生体の皮膚の色合いを特定するための参照光を上記測定部位に照射することによって上記生体から放射される放射光の測定結果を用いて、上記測定部位に含まれると推定される影響物質の、上記蛍光の強度に及ぼす影響を示す影響度を算出する影響度算出部と、
上記影響度算出部によって算出された影響度を用いて、上記蛍光の強度を補正する蛍光強度補正部と、を備えている。
本発明の一態様によれば、測定対象物質から発せられた蛍光の強度を精度良く補正することができるので、測定対象である生体内に蓄積された測定対象物質の量を精度よく測定することができるという効果を奏する。
本発明に係る肌状態測定装置の要部構成を示すブロック図である。 肌状態測定装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明に係る実験例にて調製した皮膚ファントムモデルの一例を示す図である。 AGE−BSAに直接(表皮層モデルを介さずに)励起光を照射して得られた蛍光スペクトルを示すグラフである。 皮膚ファントムモデルに使用した表皮層モデルの肌色値と、表皮層モデルに含まれる影響物質の濃度との関係を示すグラフである。 表皮モデルに含まれる影響物質の量と、測定対象物質(AGEs)の蛍光強度比との関係を示すグラフである。 頬における年齢と補正前後の蛍光強度との関係を示すグラフである。 手の甲における年齢と補正前後の蛍光強度との関係を示すグラフである。
本発明の各実施形態について、図1〜8を用いて説明する。まず、各実施形態にかかる肌状態測定装置100の構成を図1に基づいて説明する。図1は、肌状態測定装置100の要部構成を示すブロック図である。
肌状態測定装置100は、図示の通り、測定装置10および判定装置20を備えている。なお、測定装置10および判定装置20は別個の装置であり、例えば有線または無線により互いに通信可能に接続されているものとして説明するが、測定装置10および判定装置20は一体であってもよい。
肌状態測定装置100では、測定装置10において測定対象物質である肌内蛍光物質を検出するための励起光が出射される。また、測定装置10において、測定部位50の皮膚の色合いを特定するための3種類以上の参照光が出射される。また、測定装置10は、励起光の出射によって発生した蛍光を検出および測定し、測定結果(蛍光スペクトルなど)を判定装置20へと送信する。さらに、測定装置10は、参照光の出射によって発生した放射光を検出および測定し、測定結果(反射率など)を判定装置20へと送信する。
判定装置20は、測定装置10から受信した放射光の測定結果から、測定部位50の皮膚の色合い(肌の色味)を示す肌色値(測色値)を算出し、肌色値から、測定対象物質から生じる蛍光の強度(蛍光強度)に影響を及ぼす可能性のある物質(影響物質)の濃度を算出する。続いて、当該影響物質が、測定対象物質の蛍光強度に与える影響の度合い(影響度)を算出する。そして、判定装置20は、上記蛍光の測定結果と上記影響度とを用いることにより得られた補正後の蛍光強度から、測定部位50の肌状態を判定する。
なお、肌状態測定装置100は、上記3種類以上の参照光が測定部位50に照射されたときの放射光の測定結果を用いて、上記影響度を算出し、その影響度を用いて測定対象物質の蛍光強度を補正可能な構成であればよい。より具体的には、判定装置20において少なくとも皮膚の色合いを算出し、その皮膚の色合いに基づいて上記蛍光強度を補正可能な構成であればよい。
また、測定装置10の測定対象となる測定部位50は、例えば、腕、手首、指、手のひら、頬、耳等であり、これらの測定部位50に対して励起光および参照光が照射される。
また、上記影響物質とは、測定部位50に含まれると推定される物質である。例えば、上記影響物質とは、上記励起光を吸収する物質、または励起光の照射によって生じる蛍光を吸収する物質である。生体の肌内に含まれる影響物質としては、例えば、メラニンおよびヘモグロビンが挙げられる。
〔実施の形態1:測定装置〕
≪測定装置10の概要≫
測定装置10は、測定対象の個体(生体)の肌(皮膚)における測定部位50に対して励起光を照射し、当該照射によって生じる、測定対象物質の蛍光スペクトルを示す蛍光データを測定する。また、測定装置10は、上記蛍光データに基づく蛍光強度を補正するための3種類以上の参照光を測定部位50に照射し、当該照射によって生体から放射される放射光から放射光データを測定する。
すなわち、蛍光データとは、励起光を測定部位50に照射することにより発生する蛍光(肌に含まれる物質に由来する蛍光)の蛍光スペクトルを示すデータである。
また、放射光データとは、各種参照光を測定部位50に照射することにより発生する放射光の測定結果、または当該測定結果から得られた放射光の反射率を示すデータである。
なお、放射光データは、放射光の反射率を示す、または算出するためのデータであればよく、具体的には、測定部位50に照射された参照光の強度に対する放射光の強度の割合を示す反射率、参照光の吸光度、参照光の強度に対する、当該参照光が肌を透過するときの光(透過光)の強度の割合を示す透過率、または、上記参照光、反射光あるいは透過光の強度そのものを示すデータなどを含んでいてよい。
しかしながら、測定装置10が取得するデータは、このような蛍光や放射光のデータのみに限られず、その他の物性情報(または物理量)を取得するようにしてもよい。すなわち、測定装置10は、各実施形態において示す光の強度の他、例えば、その半値幅、検出された光の波長、肌の透過率などといった、肌の一部に含まれる物質などに由来する物性情報(または物理量)のいずれかを特定するものであればよい。
なお、測定装置10は、据え置き型の装置であっても、ユーザが保持するタイプの装置であってもよい。
≪測定装置10の構成≫
測定装置10は、さらに詳しくは、励起光源(励起光照射部)11と、検出器12と、第1参照光源(参照光照射部)13と、第2参照光源14(参照光照射部)と、第3参照光源(参照光照射部)15とを備えている。
<励起光源11>
励起光源11は、測定部位50に励起光を照射するための光源である。上記励起光としては、例えば280nm以上、410nm以下の波長範囲にピークを有する波長光を用いることができる。
なお、励起光の波長範囲は、測定対象物質の種類に応じて設定すればよい。例えば、励起光の波長範囲を、後期糖化反応生成物(AGEs(Advanced Glycation Endproducts))を検出することが可能な波長範囲に設定してもよい。
AGEsには、現在構造が明らかになったものだけでも20ほどの種類があり、その中で励起光を照射すると蛍光を発するものがいくつかある。例えば、ペントシジンおよびベスパーリジンはAGEsの代表的な例である。
ペントシジンはペントースと等モルのリジンとアルギニンとが架橋した構造を有し、酸加水分解後に安定な蛍光性物質である。このペントシジンは、特に糖尿病の発症や末期の腎症において増加することが報告されている。ペントシジンは、328〜335nmの波長の励起光を受けて378〜385nmの蛍光を発する。
また、ベスパーリジンはAGE化ウシ血清アルブミン(BSA)を酸加水分解した後、主要な蛍光性物質として単離され、2分子のリジンを架橋した構造を有している。ベスパーリジンは、370nmの波長の励起光を受けて440nmの蛍光を発する。
これらのAGEsを検出するための励起光の波長としては、370nmまたはその近傍の波長(280〜410nm)が適している。AGEsの種類によって適応する励起光の幅としては、近紫外領域である280〜400nmから可視光領域である400〜600nmのものが適している。すなわち、AGEsを検出するための励起光の波長範囲として280nm以上、600nm以下の範囲を設定することができる。
このような波長の光を測定部位50の特定部位(例えば、真皮など)に照射することにより、照射位置の真皮に蓄積している測定対象物質(例えば、AGEs)からの蛍光が得られる。
なお、励起光源11は、上記波長範囲の励起光を測定部位50に照射できれば、その光源の種類及び構造は特に限定されない。例えば、励起光源11として、ハロゲンやキセノン光源のような管球タイプの光源や、LED、LD等を使用することができる。
励起光源11から出射される励起光は、直接、測定部位50に照射されてもよく、入射用光ファイバーや光学ロッド等の導光部材(プローブ)によって測定部位50まで導光されてもよい。このような導光部材も励起光照射部に含めることができる。
励起光の照射および蛍光の受光のために光ファイバーを用いる場合には、励起光出射用ファイバーと蛍光受光用ファイバーとが束ねられたバンドルファイバーを用いてもよい。励起光出射用ファイバーおよび励起光源11、ならびに、蛍光受光用ファイバーおよび検出器12はSMA(Sma[Sab Miniature Type A])コネクタを通して結合されればよい。プローブとして光ファイバーを用いることにより、励起光をできるだけロス無く測定部位50まで導くことができる。
<第1参照光源13・第2参照光源14・第3参照光源15>
第1参照光源13、第2参照光源14および第3参照光源15は、生体の皮膚の色合いを特定するための、互いに異なる波長範囲にピークを有する参照光を、それぞれ測定部位50に照射するための光源である。上記参照光としては、例えば380nm以上、800nm以下の波長範囲にピークを有する波長光を用いることができる。以降、第1参照光源13が出射する参照光を第1参照光、第2参照光源14が出射する参照光を第2参照光、第3参照光源15が出射する参照光を第3参照光と記述することもある。
第1参照光源13は、380nm以上、500nm未満(青色領域)の波長範囲にピークを有する第1参照光を、測定部位50に照射するための光源である。より望ましくは、第1参照光源13は、430nm以上、500nm未満の波長範囲にピークを有する青色光を第1参照光として発する光源である。
第2参照光源14は、500nm以上、600nm未満(緑色領域)の波長範囲にピークを有する第2参照光を、測定部位50に照射するための光源である。より望ましくは、第2参照光源14は、500nm以上、580nm以下の波長範囲にピークを有する緑色光を第2参照光として発する光源である。
第3参照光源15は、600nm以上、800nm以下(赤色領域)の波長範囲にピークを有する第3参照光を、測定部位50に照射するための光源である。より望ましくは、第3参照光源15は、610nm以上、720nm以下の赤色光を第3参照光として発する光源である。
以上のような第1〜第3の参照光が測定部位50に照射されると、例えば、その一部が放射光として測定部位50において反射する。
なお、上記参照光を出射可能な参照光源は、互いに波長範囲が異なる少なくとも3種類以上の参照光を出射可能であればよい。例えば、測定装置10は、当該参照光源として、第1〜第3参照光源13〜15以外に、上記第1〜第3参照光とは異なる波長範囲にピークを有する参照光を出射可能な光源を備えていてもよい。
また、第1参照光源13、第2参照光源14、および第3参照光源15が別体として構成されている必要は必ずしもなく、例えば白色LEDなどの白色光源のように、第1参照光源13、第2参照光源14、および第3参照光源15のそれぞれから出射される参照光に相当する波長光を出射可能な単一の光源として参照光源が構成されていてもよい。
なお、第1参照光源13、第2参照光源14、および第3参照光源15は、上記波長範囲の参照光を測定部位50に照射できれば、その光源の種類及び構造は特に限定されない。例えば、第1参照光源13、第2参照光源14、および第3参照光源15として、ハロゲンやキセノン光源のような管球タイプのものや、LED、LD等が利用可能である。また、単一の光源として参照光源が構成される場合には、当該参照光源として、太陽の北側昼光に相当する波長光を出射可能な光源、標準光源(A光源、C光源、D65光源等)、または人工光源である常用光源(D55光源、D50光源等)などが使用できる。特に、常用光源としてハロゲンランプ、キセノンランプ等の白色光源、ならびに白色LEDなどを使用することが望ましい。
第1参照光源13、第2参照光源14および第3参照光源15から出射される参照光は、直接、測定部位50に照射されてもよく、光ファイバー等の導光部材によって測定部位50まで導光されてもよい。このような導光部材も参照光照射部に含めることができる。
参照光の照射および放射光の受光のために光ファイバーを用いる場合には、参照光出射用ファイバーと放射光受光用ファイバーとが束ねられているバンドルファイバーを用いてもよい。第1参照光出射用ファイバーと第1参照光源13、第2参照光出射用ファイバーと第2参照光源14、および、第3参照光出射用ファイバーと第3参照光源15とはSMAコネクタを通して結合されればよい。蛍光を検出する検出器と放射光を検出する検出器とが同一である場合には、放射光受光用ファイバーを、蛍光受光用ファイバーと兼用してもよい。
プローブとして光ファイバーを用いることにより、放射光をできるだけロス無く検出器12まで導くことができる。
励起光と参照光とは、測定部位50における概ね同一の位置に照射されることが好ましい。そのため、励起光出射用ファイバーの励起光出射端部と、参照光出射用ファイバーの参照光出射端部とは、近接した位置に配置されていることが好ましい。受光用ファイバーを蛍光受光用と放射光受光用とで兼用する場合には、励起光出射用ファイバー、参照光出射用ファイバーおよび受光用ファイバーをバンドルファイバーとして形成してもよい。
蛍光を検出する場合、蛍光収率を高めるために、受光用ファイバーを測定対象に対して垂直に配置することが望ましい。
一方、反射光を検出する場合は、参照光出射用ファイバーから出射される参照光の入射角と受光用ファイバーが受ける反射光の反射角とが等しい位置に各ファイバーを配置することが望ましい。この場合に、反射光の収率が高くなる。
したがって、蛍光と反射光とを同一の受光ファイバーで受ける場合は、全てのファイバーが測定対象に対して垂直に配置されていることが望ましい。
<検出器12>
検出器12は、上記励起光が測定部位50の表面(肌)に照射されることによって発生した蛍光を、反射用光ファイバー等の光学部材を通して受光し、その蛍光の波長ごとの強度を測定する。すなわち、検出器12は、どの波長の蛍光がどの程度の強さで検出されたのかを測定する。
なお、反射用光ファイバーを用いることは必須ではなく、検出器12が上記蛍光を直接受光してもよい。
検出器12としてはCCD(charge-coupled device)アレイやCMOS(c metal-oxide semiconductor)イメージセンサといった半導体検出器、光電子倍増管(PMT)、チャンネルトロン検出器、PD(フォトダイオード)、または、所定の波長範囲の光を選択的に検出できるフィルタとPDとを組み合わせた検出器等が利用可能である。ただし、測定装置10の可搬性を高める上では、半導体検出器を用いるほうが有利である。
一方で、検出器12は、参照光を測定部位50に照射することによって生体から放射される放射光(反射光、蛍光など)を、反射用光ファイバー等の光学部材を通して受光し、その強度を測定する。すなわち、検出器12は、蛍光測定部と放射光測定部との2つの測定部の機能を兼ね備えている。
放射光測定部としての検出器12は、第1〜第3参照光源13〜15から発せられる参照光の波長範囲と同範囲の波長を検出できるものであればよい。例えば、280〜900nmの範囲が検出できるような検出器であれば利用可能である。
蛍光は励起光よりも波長が長いため、蛍光測定部としての検出器12は、320〜500nmの範囲の光が検出できるものであればよいが、蛍光についても、AGEsの種類によって検出される波長に幅があるため、320〜900nmの範囲が検出できるような検出器であれば利用可能である。
また、励起光源11と検出器12との組を測定対象物質測定部16として捉え、第1参照光源13、第2参照光源14、および第3参照光源15と、検出器12との組を影響物質測定部17として捉えることもできる。また、蛍光測定部としての検出器12と、放射光測定部としての検出器12とを別々に設けてもよい。
励起光源11と検出器12、および参照光源13と検出器12とは、同期しており、検出器12が受光した光が、どの光源からの光を照射することによって得られたものであるかが判別可能になっている。
測定装置10の各光源から励起光または参照光を出射するタイミングは、ユーザが決定してもよいが、利便性を考慮して、測定装置10が備える制御部(不図示)によって制御されることが好ましい。励起光を出射するタイミングと、参照光を出射するタイミングとの間に大きな時間差があった場合には、その間にプローブの先端と測定部位50との位置関係がずれる可能性がある。そのため、励起光を出射するタイミングと、参照光を出射するタイミングとの時間間隔は短い方が好ましい。また、励起光と参照光とを出射する順序は特に限定されない。
検出器12は、励起光源11から励起光が出射された後に蛍光を受光すると、当該蛍光の波長ごとの蛍光強度を測定し、その測定結果を示す蛍光データを判定装置20のデータ取得部31へ出力する。
また、検出器12は、第1参照光源13から第1参照光が出射された後に、当該第1参照光の照射によって発生した第1放射光の強度を測定し、その第1放射光の強度と、第1参照光源13から出射された第1参照光そのものの強度(反射率100%のときの強度)とから第1参照光の反射率を算出する。そして、第1参照光の反射率を示す第1放射光データをデータ取得部31へ出力する。
反射率100%の参照光の強度は、予め測定されており、記憶部22に記憶されていることが好ましい。ただし、この測定のタイミングは、放射光の強度を測定した後でもよく、肌色値算出部32において肌色値が算出される前に行われればよい。
なお、放射光および参照光の強度以外のデータ(参照光の吸光度、参照光の透過率、透過光の強度など)を測定した場合は、当該データから放射光の反射率を算出し、算出した反射率を放射光データとして後述の判定装置20へと送信してもよい。また、上記測定した各種データそのものを放射光データとしてデータ取得部31へと出力してもよい。
検出器12は、第2参照光および第3参照光についても同様の処理を行い、第2参照光の反射率を示す第2放射光データ、および、第3参照光の反射率を示す第3放射光データをデータ取得部31へ出力する。
なお、第1〜第3参照光は、測定部位50に順次照射されてもよいし、同時に照射されてもよい。
蛍光データ、第1〜第3放射光データ(放射光データ)は、互いに対応付けられてデータ取得部31へ出力される。
また、検出器12にて放射光データの測定を行うときは、例えば、色彩色差計または分光測色計を用いることができる。
〔実施の形態2:判定装置〕
≪判定装置20の構成≫
判定装置20は、測定装置10が測定した波長ごとの蛍光強度(蛍光スペクトル)を示す蛍光データと、参照光の照射により得られた放射光データとを用いて、上記蛍光強度を補正し、補正した蛍光強度を用いて、測定対象の個体の肌の状態を判定する。すなわち、判定装置20は、補正された蛍光強度から測定部位50の肌状態を診断し、当該診断結果を被験者に提示するものである。さらに詳しくは、判定装置20は、放射光データから肌色値を算出し、当該肌色値に応じて、肌内蛍光物質の蛍光強度を補正することにより、測定部位50の肌状態を正確に診断する装置である。判定装置20は、さらに詳しくは、表示部21と、記憶部22と、制御部30とを含む。なお、判定装置20は、パーソナルコンピュータであってもよい。
<表示部21>
表示部21は、制御部30の制御に従って画像を表示するものであり、例えば判定部36の判別結果を表示する表示装置である。表示部21は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)などを使用することができる。
<記憶部22>
記憶部22は、判定装置20にて使用する各種データを記憶するものである。記憶部22は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置であり、測定部位50の肌状態の診断結果を示す測定データ、各種データを算出するための検量線を示す計算式、参照蛍光強度、およびユーザ設定情報などの各種情報を記憶する。なお、上記検量線および参照蛍光強度については後述する。
<制御部30>
制御部30は、判定装置20を統括的に制御するものである。制御部30は、データ取得部31と、肌色値算出部32と、影響物質濃度算出部33と、影響度算出部34と、蛍光強度補正部35と、判定部36とを含む。
<データ取得部31>
データ取得部31は、測定装置10の検出器12から、放射光データおよび蛍光データを取得するものである。加えて、データ取得部31は、上記蛍光データが示す蛍光スペクトルに対してピークの分離・抽出などの解析を行い、特定のピーク波長における肌内蛍光物質(好ましくはAGEs)の蛍光強度を抽出する。取得された放射光データは肌色値算出部32へ、抽出された蛍光強度を示す抽出蛍光データ(図1に示す蛍光データ)は蛍光強度補正部35へと送信される。
<肌色値算出部32>
肌色値算出部32は、放射光データから、皮膚の色の濃淡の度合い(皮膚の色合い)を示す肌色値(濃淡値)を算出するものである。肌色値算出部32は、データ取得部31から放射光データを受信すると、当該放射光データに含まれる反射率から、以下の方法により測定部位50の肌色値を算出する。
(肌色値の算出)
肌の色味を数値で表現する方法としては、CIE(国際照明委員会)で1931年に採択された三色表色系(XYZ表色系)、および、1976年に制定されたL表色系を用いるものなどが挙げられる。
肌色値算出部32は、例えば、後述の三刺激値直読法または分光測色法を用いて三刺激値X、Y、Zを算出し、三刺激値X、Y、Zから、L値、a値、b値を算出する。そして、L値、a値、b値からITA°(Individual Typology Angle)を求め、これを肌色値とする。
三色表色系とは、ヒトの目の網膜細胞にある3種類の錐体{L錐体(R(赤色)錐体)、M錐体(G(緑色)錐体)、S錐体(B(青色)錐体)}の刺激に基づいて、三刺激値X、Y、Zを算出することにより、色を数値化する方法である。三刺激値X、Y、Zは、上記3種類の錐体の知覚感度を指し、三刺激値直読法または分光測色法を用いて算出することができる。以下、三刺激値直読法および分光測色法について詳細に説明する。
(三刺激値直読法)
まず、三刺激値直読法について説明する。三刺激値直読法とは、ヒトの目に対応する分光感度とほぼ同一の感度を有するセンサを用いて、測定対象(試料)から放射された光を当該分光感度にあわせて分光し、当該分光された光のスペクトル(分光値)を元に積分計算を行うことにより、三刺激値X、Y、Zを算出する方法である。ヒトの目に対応する分光感度は、CIE(国際照明委員会)で標準観察者の分光感度として規定されており、以下の式(1)のような感度曲線(人目の標準的な分光感度を示す等色関数)で表される。
Figure 2015062572
上述の通り、各実施形態では、第1〜第3参照光源13〜15は、それぞれ青色(B)、緑色(G)、赤色(R)の3原色の光を発する1組の光源であり、上記3原色の光が測定部位50に対して照射される。また、検出器12にて、第1〜第3参照光を照射し得られた放射光の光強度から放射光の反射率が算出され、放射光データとして肌色値算出部32に送信される。この放射光データ(反射率)から上記三刺激値 X、Y、Zを求めることが可能である。
(分光測色法)
次に、分光測色法について説明する。分光測色法とは、三刺激値直読法において用いられるセンサよりも分光精度の高いセンサを用いて、測定対象から放射された光を当該センサの分解能にあわせて分光し、当該分光された各波長範囲の光のスペクトル(分光値)を元に積分計算を行うことにより、三刺激値 X、Y、Zを算出する方法である。上記分光精度の高いセンサとしては、例えば、数十nm程度の分解能を有するセンサを組み合わせることにより実現される。
ここで、三刺激値 X、Y、Zは、下記の式(2)〜(4)から求めることができる。
Figure 2015062572
Figure 2015062572
Figure 2015062572
なお、式(2)〜(4)中のKは定数、P(λ)は第1〜第3参照光源13〜15から照射される参照光の波長範囲の分光分布、R(λ)は測定対象における前記参照光の反射率である。すなわち、三刺激値X、Y、Zは、上記反射率と、X、Y、およびZそれぞれに対応する等色関数(式(1))とを用いて算出される。
また、上記の式(2)〜(4)中のKは、次のように定義される。
Figure 2015062572
また、検出器12としては、三刺激値直読法による肌色値算出が行われる場合には色彩色差計が用いられ、分光測色法による肌色値算出が行われる場合には分光測色計が用いられることが好ましい。検出器12として色彩色差計および分光測色計が用いられる場合には、測定装置10の制御部(不図示)に肌色値算出部32が備えられていてもよい。この場合、データ取得部31は、放射光データの代わりに、肌色値算出部32の算出結果(肌色値を示す肌色値データ)を測定装置10から取得し、当該肌色値データを影響物質濃度算出部33に送信する。
さらに、肌色値算出部32において、上記の方法により肌色値が算出される場合には、三刺激値X、Y、Zを算出するため、測定部位50に照射される参照光として可視光が用いられることが好ましい。より具体的には、参照光の波長範囲(上記各数式のλ)は、400nm以上700nm以下であればよいが、可視光の波長範囲の中で、できるだけ広い波長範囲の光を参照光として照射することにより、上述の分光測色法にてより広い波長範囲のスペクトルに基づき、より精度よく上記三刺激値X、Y、Zを算出することができる。この点を考慮すれば、参照光の波長範囲は、より好ましくは380nm以上、800nm以下であればよい。また、三刺激値直読法を用いて三刺激値X、Y、Zが算出される場合には、青色光、緑色光、赤色光をそれぞれ出射可能な第1〜第3参照光源13〜15が参照光源として用いられることが好ましい。
(三刺激値からのL値、a値、b値の算出)
続いて、三刺激値X、Y、ZからL値、a値、b値を算出する方法について説明する。L値、a値、b値は、三刺激値X、Y、ZがそれぞれX/Xn>0.008856、Y/Yn>0.008856、Z/Zn>0.008856であるとき、それぞれ以下の式(5)〜(7)、
=116×(Y/Yn)1/3−16・・・(5)
=500×{(X/Xn)1/3−(Y/Yn)1/3}・・・(6)
=200×{(Y/Yn)1/3−(Z/Zn)1/3}・・・(7)
により算出できる。なお、上記Xn、Yn、Znは完全拡散表面の三刺激値である。
なお、上記XnがX/Xn≦0.008856であるときは、立方根の項、すなわち(X/Xn)1/3の項を以下の式(8)、
7.787×(X/Xn)+16/116・・・(8)
に置き換えて計算すればよい。また、YnがY/Yn≦0.008856であるときは、(Y/Yn)1/3の項を以下の式(9)、
7.787×(Y/Yn)+16/116・・・(9)
に置き換えて計算すればよい。また、ZnがZ/Zn≦0.008856であるときは、(Z/Zn)1/3の項を以下の式(10)
7.787×(Z/Zn)+16/116・・・(10)
に置き換えて計算すればよい。
(L値およびb値からのITA°の算出)
最後に、L値およびb値から肌色値としてITA°を算出する方法について説明する。ITA°は、例えば、以下の式(11)、
ITA°
=[ArcTan{(L−50)/b}]×180/3.1416・・・(11)
により算出できる。
以上の処理により、肌色値算出部32は、データ取得部31から受信した放射光データから、三刺激値X、Y、Zを算出し、三刺激値X、Y、Zから、L値、a値、b値を算出し、L値およびb値から肌色値(ITA°)を算出する。
ところで、L表色系においてL値は、色の明るさ(白黒)を示す明度値であり、b値は、黄色の色合いを示す数値である。換言すれば、L値は、放射光の明度を示す明度値であり、b値は、放射光に含まれる光のうち黄色光の度合いを示す黄色度値である。したがって、算出された肌色値(ITA°)は、肌色の明るさ(白さ)や黄色の強さ(濃さ)など、ヒトの皮膚の色を特定する上で重要な色の濃淡を示す有効な値であるといえる。
算出された肌色値は、肌色値データとして影響物質濃度算出部33へと送信される。
なお、肌色値算出部32は、ITA°の代わりに、L値、a値、b値を肌色値としてもよい。この場合、L値、a値、b値を肌色値データとして影響物質濃度算出部33へ送信してもよい。
また、測定装置10から放射光データとして参照光の吸光度、放射光の強度、または参照光の透過率など反射率以外のデータを受信した場合、肌色値算出部32は、上記データから反射率を算出し、当該反射率を用いて三刺激値 X、Y、Zを算出すればよい。
例えば、参照光の吸光度は、以下の式(12)、
(吸光度)=log10(l/l)・・・(12)
にて示される。上記式(12)において、lは、反射率100%の場合の参照光の光強度であり、lは、参照光を測定部位50に照射することで発生した放射光(反射光)の光強度である。つまり、l/lは、反射率の逆数であるので、上記式(12)に吸光度を代入することで、放射光の反射率を求めることができる。
<影響物質濃度算出部33>
影響物質濃度算出部33は、肌色値から、生体に含まれる影響物質の濃度を算出するものである。影響物質濃度算出部33は、肌色値算出部32から受信した肌色値データが示す肌色値を、検量線を示す数式に代入することにより、影響物質の濃度を算出する。ここで、検量線を示す数式とは、肌色値から影響物質の濃度を算出するための数式であり、肌色値と、影響物質の濃度との関係を示す数式である。算出された影響物質の濃度は、濃度データとして影響度算出部34へと送信される。
なお、上記検量線を示す数式は、予め記憶部22に格納されており、影響物質濃度算出部33は記憶部22から上記検量線の数式を取得する。
(検量線の算出)
種々の肌内影響物質の濃度の算出方法として、当該影響物質の濃度を算出する方法がある。その一例として、濃度既知の影響物質を用いた実験において、重回帰分析の一種である最小二乗法を用いて検量線を示す数式を算出する方法を挙げる。
具体的には、互いに異なる濃度の影響物質を含む、複数種類の生体組織モデル(皮膚ファントムモデル)に対して、参照光を照射した時に得られる放射光データから算出する肌色値と、化学分析により算出する各生体組織モデルに含有される影響物質の濃度との関係を示す検量線を予め作成しておく。
例えば、生体組織モデルに含まれるメラニン量を変化させたときのメラニン濃度と、当該生体組織モデルに参照光を照射したときに得られる放射光データに基づいて算出される肌色値(ITA°)との関係を示す検量線は、以下の式(13)、
M=c×ITA°+d・・・(13)
で示すことができる。すなわち、式(13)によると、ITA°に応じて、メラニン濃度の補正係数を得ることができる。なお、ここでは一例として、線形近似で近似曲線を引き、近似曲線の傾きcおよび切片dの値を用いて補正(メラニン濃度を算出)する例を示している。式(13)において、Mはメラニン濃度(μg/mm)である。なお、以下の式(14)〜(16)においても同様である。
なお、上記の近似方法以外に、指数近似、対数近似、多項式近似などを用いてもよい。例えば、以下の式(14)、
M=c×exp{d×ITA°}・・・(14)
に示すように、自然対数eを底とする近似曲線を引き、係数cおよびdの値を用いて補正してもよい。
また、メラニン以外の影響物質(例えばヘモグロビン)の濃度も、上述した方法と同様の方法で算出することができる。
一方、肌色値として肌色値算出部32からL値、a値、b値を受信した場合、影響物質濃度算出部33は、L値、a値、b値を用いて影響物質の濃度を多変量解析により近似しても良い。この場合は、以下の式(15)、
M=e×L+f×a+g×b+h・・・(15)
に示すように、線形近似で近似曲線を引き、近似曲線の係数e、f、g、hの値を用いて補正してもよい。
また、上記数式の代わりに、以下の式(16)、
M=i×exp{e×Ln(L
+f×Ln(a)+g×Ln(b)+h}・・・(16)
に示すように、指数近似で、自然対数eを底とする近似曲線を引き、係数e、f、g、h、iの値を用いて補正してもよい。式(16)において、Lnは自然対数である。
ところで、L表色系において、a値は、赤色の色合いを示す数値である。換言すれば、a値は、放射光に含まれる光のうち赤色光の度合いを示す赤色度値である。したがって、上記の数式が示す検量線を用いて影響物質の濃度を算出する場合は、L値(明度値)、b値(黄色の強さ)に加え、赤色の強さも肌色値に加味することができる。ヒトの皮膚にはヘモグロビンなどの赤色色素も含まれているので、L値、b値に加えa値も肌色値に含むことにより、ヒトの皮膚の色合いをさらに精度よく特定することができる。
なお、上記の方法に限らず、例えば多変量解析によって上記濃度を算出してもよい。
<影響度算出部34>
影響度算出部34は、影響物質の濃度から、影響物質の影響度を算出するものである。換言すれば、影響度算出部34は、放射光の測定結果(当該測定結果に基づいて算出された肌色値)を用いて、上記影響度を算出するものである。
影響度算出部34は、影響物質濃度算出部33から受信した濃度データが示す影響物質の濃度を、検量線を示す数式に代入することにより、影響度を算出する。ここで、影響度とは、影響物質の存在下での、測定対象物質の蛍光強度の減衰量を示す値(どれだけ蛍光強度が減衰したかを示す値)である。
例えば、影響度は、影響物質が存在しない(影響物質の影響を受けない)場合における測定対象物質の蛍光強度に対する、影響物質が存在する(影響物質の影響を受ける)場合の測定対象物質の蛍光強度の割合を示す強度比(0<蛍光強度比<1)で示すことができる。以降、当該強度比を、「蛍光強度比」と称する。
また、ここで、検量線を示す数式は、影響物質の濃度から影響度を算出するための式であり、影響物質の濃度と、影響度(蛍光強度比)との関係を示す数式である。算出された影響度は、影響度データとして蛍光強度補正部35へと送信される。
なお、上記検量線を示す数式は、予め記憶部22に格納されており、影響物質濃度算出部33は記憶部22から上記検量線の数式を取得する。
(検量線の算出)
影響物質による影響度の算出方法として、当該影響物質による影響度を算出する方法が考えられる。その一例として、濃度既知の影響物質を用いた実験において、重回帰分析の一種である最小二乗法を用いた検量線の数式を算出する方法を挙げる。
具体的には、影響物質による影響度を算出するための数式として、互いに異なる影響物質を含む、複数種類の生体組織モデル(皮膚ファントムモデル)に対して、化学分析により算出される各生体組織モデルに含有される影響物質の濃度と、生体組織モデルに励起光を照射した時に得られる測定対象物質からの蛍光強度比(影響物質による影響がない場合の蛍光強度を基準とする)との関係を示す検量線を予め作成しておく。
例えば、生体組織モデルに含まれるメラニン量を変化させたときのメラニン濃度と、当該生体組織モデルに励起光を照射した時に得られる影響度(蛍光強度比)との間で検量線を引くと、メラニン濃度に応じた補正係数を得ることができる。
ここでは一例として、以下の式(17)、
C=a×exp(b×M×S)・・・(17)
に示すように、指数近似で、自然対数eを底とする近似曲線を引き、係数aおよびbの値を用いて補正(蛍光強度比を算出)する方法を挙げる。式(17)において、Cは蛍光強度比、Mはメラニン濃度(μg/mm)、Sは測定範囲(mm)である。なお、以下の式(18)においても同様である。
なお、上記の近似方法以外に、線形近似、対数近似、多項式近似などを用いてもよい。例えば、以下の式(18)、
C=a×M×S+b・・・(18)
に示すように、線形近似で近似曲線を引き、係数aおよびbの値を用いて補正してもよい。
また、測定対象物質の蛍光の強度の減衰量と、各生体組織モデルに含まれる影響物質の濃度との関係を示す検量線から影響度を算出してもよい。また、メラニン以外の影響物質(例えばヘモグロビン)による影響度も、上述した方法と同様の方法で算出することができる。
なお、上記の方法に限らず、例えば多変量解析によって上記蛍光強度を算出してもよい。
<蛍光強度補正部35>
蛍光強度補正部35は、影響物質の影響度を用いて、抽出蛍光データが示す測定対象物質の蛍光強度を補正するものである。
蛍光強度の補正方法としては、各影響物質の濃度に応じて、影響度をそれぞれ規格化(特定の値を基準とした相対値として表現)し、蛍光の強度と規格化したこれらの影響度との和や差をとる、あるいは積や商をとることが挙げられる。
蛍光強度の補正の一例として、以下の式(19)、
Y=X/(メラニン由来の蛍光強度比)/(ヘモグロビン由来の蛍光強度比)/
…/(第n影響物質の蛍光強度比) ・・・(19)
に示すように、実際に測定した蛍光の強度(実測値)を、各影響物質の濃度に対応する蛍光強度比(影響度)で除算することで、測定値を真値に近づける方法が挙げられる。なお、式(19)において、Yは補正強度、Xは実測値であり、nは3以上の自然数である。
蛍光強度補正部35は、補正した蛍光強度(補正後蛍光強度と称する)と、肌状態を判定することを命じる判定命令とを判定部36へと送信する。また、蛍光強度補正部35は、補正した補正強度を示す補正後蛍光データを記憶部22へと格納する。
<判定部36>
判定部36は、補正後蛍光強度と、所定の参照値(参照蛍光強度と称する)とを比較した結果から、測定部位50の肌状態を判定するものである。
なお、参照蛍光強度は、補正後蛍光強度を評価するための基準となる値である。例えば、参照蛍光強度は、予め年齢層ごとに算出された、健常者の補正後蛍光強度の統計値(例えば、平均値)に基づいて算出された、少なくとも1段階の値である。また、参照蛍光強度は、健常者の補正後蛍光強度の範囲であってよい。
判定部36は、補正後蛍光強度が参照蛍光強度よりも高い場合に、肌の状態が正常状態から外れていると判定する。さらに、参照蛍光強度を複数段階設けることにより、正常、やや悪化、著しく悪化など、判定結果を複数段階出力してもよい。上述のような判定結果は表示部21に表示される。
〔実施の形態3:肌状態測定装置における処理〕
≪肌状態測定装置100における処理の流れ≫
次に、肌状態測定装置100における処理の流れの一例を説明する。図2は、肌状態測定装置100(特に、判定装置20)における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず初めに、ユーザ(測定対象者)は、出射用光ファイバーおよび受光用光ファイバーで構成されるプローブの先端を、測定を所望する肌の箇所(測定部位50)にあてる。測定装置10の第1参照光源13、第2参照光源14、および第3参照光源15は、影響物質の測定に適した参照光(第1〜第3参照光)を測定部位50に対し出射する。測定部位50に参照光が照射されると、測定部位50で当該参照光が反射されることにより放射光が生じる。この放射光は、受光用光ファイバーの先端から入射し、検出器12へと導かれる。検出器12は、放射光を受光すると、例えば各放射光の波長に応じた反射率を算出し、当該反射率を放射光データとして判定装置20のデータ取得部31へ送信する。
なお、上記3種類の参照光に限らず、4種類以上の参照光が出射されてもよい。
また一方、上記プローブの先端が測定部位50にあてられた状態で、測定装置10の励起光源11は、測定対象物質(例えばAGEs)の蛍光測定に適した波長の励起光を測定部位50に対し出射する。測定部位50に励起光が照射されると、測定部位50で蛍光が生じる。この蛍光は、受光用光ファイバーの先端から入射し、検出器12へと導かれる。検出器12は、蛍光を受光すると、当該蛍光の波長ごとの蛍光強度を測定し、その測定結果を示す蛍光データ(蛍光スペクトル)をデータ取得部31へ送信する。なお、参照光の照射による放射光データの送信工程と励起光の照射による蛍光データの送信工程とは順不同であり、同時に行われてもよい。
データ取得部31は、検出器12から放射光データおよび蛍光データを取得すると(S1)、蛍光データが示す蛍光スペクトルに対してピークの分離・抽出などの解析を行い、特定のピーク波長における肌内蛍光物質の蛍光強度を抽出する(S2)。そして、データ取得部31は、抽出した蛍光強度を示す抽出蛍光データ(図1に示す蛍光データ)を蛍光強度補正部35へと送信する。また、データ取得部31は、放射光データを肌色値算出部32へと送信する。
次に、肌色値算出部32は、データ取得部31から放射光データを受信すると、当該放射光データから肌色値を算出する(S3:濃淡値算出工程)。具体的には、放射光データ(放射光の反射率)から三刺激値X、Y、Zを算出し、三刺激値X、Y、ZからL値、a値、b値を算出する。そしてL値およびb値からITA°を算出する。肌色値算出部32は、算出したITA°(または、L値、a値、b値)を示す肌色値データを、影響物質濃度算出部33へと送信する。
影響物質濃度算出部33は、肌色値算出部32から肌色値データを受信すると、記憶部22から、肌色値と影響物質の濃度との関係を示す数式(検量線)を読み出し、当該数式に受信した肌色値データの値を代入することにより、影響物質の濃度を算出する(S4:影響物質濃度算出工程)。影響物質濃度算出部33は、算出した影響物質の濃度値を示す濃度データを、影響度算出部34へと送信する。
影響度算出部34は、影響物質濃度算出部33から濃度データを受信すると、記憶部22から、影響物質の濃度と影響度との関係を示す数式(検量線)を読み出し、当該数式に濃度データが示す影響物質の濃度を代入することにより、影響度を算出する(S5:影響度算出工程)。影響度算出部34は、算出した影響度を示す影響度データを、蛍光強度補正部35へと送信する。
蛍光強度補正部35は、影響度算出部34から影響度データを受信すると、影響度データが示す影響度を用いて、データ取得部31から受信した抽出蛍光データが示す蛍光強度を補正する(S6:蛍光強度補正工程)。蛍光強度補正部35は、補正した補正強度を示す補正後蛍光データを、判定部36へと送信する。
蛍光強度補正部35は、補正した蛍光強度を示す補正後蛍光データを記憶部22に格納するとともに、肌状態を判定することを命じる判定命令を判定部36に出力する。
判定部36は、記憶部22に格納された補正後蛍光データから肌内蛍光物質(好ましくはAGEs)の補正後蛍光強度を抽出する。
そして、判定部36は、抽出した補正後蛍光強度と、記憶部22に予め格納されている参照蛍光強度とを比較することにより肌状態の悪化の程度を判定する(S7)。
参照蛍光強度として、例えば、10代、20代といった年齢層ごとに、肌内蛍光物質(好ましくはAGEs)の補正蛍光強度の平均値が求められ、予め記憶部22に格納されている。測定対象のユーザの年齢は、予め記憶部22に格納されているか、または、測定時にユーザによって操作部(不図示)を介して入力される。
判定部36は、測定対象のユーザの年齢に対応する参照蛍光強度を記憶部22から読み出し、実測蛍光強度と比較する。例えば、判定部36は、実測蛍光強度が参照蛍光強度よりも高い場合、ユーザの肌の状態は悪いと判定する。
肌状態の判定を終えると、判定部36は、判定結果を表示部21へ出力し、表示部21にて表示させる(S8)。
以上のように、本実施形態における肌状態測定方法(上記の処理工程の一部)によれば、上記3種類以上の放射光の測定結果(放射光の反射率)を用いて影響度の算出を行い、当該影響度を用いて蛍光の強度を補正する。これにより、測定装置10にて検出した肌内蛍光物質の蛍光強度を、皮膚の色合いに応じて補正することができる。したがって、皮膚の色合いを加味した上で影響物質の影響を排することできるので、肌内蛍光物質の蛍光強度を、より精度良く測定することができる。
なお、S2の処理と、S3〜S5の処理との順序は逆になってもよい。また、S2の処理とS3〜S5の処理とを同時に行ってもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
判定装置20の制御ブロック(制御部30)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、判定装置20は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る肌状態測定方法(肌状態測定装置100における処理)は、
280nm以上、410nm以下の波長範囲にピークを有する励起光を生体の測定部位(50)に照射することによって生じる、測定対象物質(例えばAGEs等の肌内蛍光物質)の蛍光の強度に基づいて肌状態を測定する肌状態測定方法であって、
380nm以上、800nm以下の波長範囲の3種類以上の、上記生体の皮膚の色合いを特定するための参照光を上記測定部位に照射することによって上記生体から放射される放射光の測定結果(放射光データ)を用いて、上記測定部位に含まれると推定される影響物質(例えばメラニンやヘモグロビン等)の、上記蛍光の強度に及ぼす影響を示す影響度を算出する影響度算出工程(S5)と、
上記影響度算出工程において算出した影響度を用いて、上記蛍光の強度を補正する蛍光強度補正工程(S6)と、を含んでいる。
さらに、本発明の態様8に係る肌状態測定装置(100)は、
280nm以上、410nm以下の波長範囲にピークを有する励起光を生体の測定部位(50)に照射することによって生じる、測定対象物質(例えばAGEs等の肌内蛍光物質)の蛍光の強度に基づいて肌状態を測定する肌状態測定装置であって、
380nm以上、800nm以下の波長範囲の3種類以上の、上記生体の皮膚の色合いを特定するための参照光を上記測定部位に照射することによって上記生体から放射される放射光の測定結果(放射光データ)を用いて、上記測定部位に含まれると推定される影響物質(例えばメラニンやヘモグロビン等)の、上記蛍光の強度に及ぼす影響を示す影響度を算出する影響度算出部(34)と、
上記影響度算出部によって算出された影響度を用いて、上記蛍光の強度を補正する蛍光強度補正部(35)と、を備えている。
上記の構成によれば、280nm以上410nm以下の波長範囲にピークを有する励起光を生体の測定部位に照射することにより、当該励起光を受けて蛍光を発する測定物質の蛍光が発生し、その蛍光の強度を測定することにより、当該測定対象物質の蓄積量を測定することができる。
このようにして得られた蛍光の強度は、測定部位に含まれる影響物質の影響により、真の値よりも低い値となっている可能性が高い。
そこで、影響度算出工程(影響度算出部)において、380nm以上800nm以下の波長範囲の3種類以上の参照光を測定部位に照射することによって生じる放射光の強度を示す測定結果を用いて、影響物質の、蛍光の強度に及ぼす影響を示す影響度を算出する。この少なくとも3種類の参照光は、生体の皮膚の色合いを特定するために、生体の測定部位に照射されるものであり、影響度算出工程(影響度算出部)では、その参照光が測定部位に照射されることにより、その測定部位から放射光が放射されたときの放射光の測定結果を用いて、上記影響度を算出する。これにより、上記参照光を測定部位に照射することにより、皮膚の色合いを加味した影響度を算出することができる。
そして、蛍光強度補正工程(蛍光強度補正部)において、算出した影響度を用いて測定対象物質の蛍光の強度を補正することにより、測定される蛍光の強度に与える影響物質の影響を、皮膚の色合いを加味した上で排することができる。
これにより、測定対象物質から発せられた蛍光の強度を精度良く補正し、当該蛍光の強度を真値に近づけることができるので、測定対象である生体内に蓄積された測定対象物質の量を精度よく測定することができる。
さらに、本発明の態様2に係る肌状態測定方法は、態様1において、
上記放射光の測定結果に基づいて、上記皮膚の色の濃淡の度合いを示す濃淡値(肌色値)を算出する濃淡値算出工程(S3)をさらに含み、
上記影響度算出工程では、上記濃淡値算出工程において算出された上記濃淡値を用いて、上記影響度を算出することが好ましい。
上記の方法によれば、濃淡値算出工程では、皮膚の色の濃淡の度合いを示す濃淡値を、上述した参照光が測定部位に照射されることにより得られる放射光の測定結果に基づいて算出する。そして、影響度算出工程では、その濃淡値を用いて上記影響度を算出する。それゆえ、皮膚の色合いを加味した影響度を算出することができる。
さらに、本発明の態様3に係る肌状態測定方法は、態様2において、
上記濃淡値算出工程では、上記測定部位に照射された上記参照光に対する上記放射光の割合(放射光の反射率)としての上記放射光の測定結果と、人目の標準的な分光感度を示す等色関数とを用いて、三刺激値(X、Y、Z)を算出し、
上記三刺激値を用いて、上記濃淡値を算出することが好ましい。
上記の方法によれば、濃淡値算出工程では、上記三刺激値を用いて上記濃淡値を算出する。上記三刺激値は、上記放射光の測定結果として得られた上記割合の分光特性を示すものであって、一般に色合いを判断するときに用いられる三色表色系(XYZ表色系)における当該色合いを示す値である。したがって、三刺激値は、物質(本願では皮膚)の色合いを特定する値として有効な値といえる。
その三刺激値を用いて上記濃淡値を算出するので、皮膚の色合いを精度よく特定することができる。それゆえ、皮膚の色合いを加味した影響度を用いた蛍光の強度の補正を、さらに精度よく行うことができる。
さらに、本発明の態様4に係る肌状態測定方法は、態様2または3において、
上記濃淡値算出工程では、上記放射光の明度を示す明度値と、上記放射光に含まれる光のうちの黄色光の度合いを示す黄色度値とを用いて、上記濃淡値を算出することが好ましい。
上記の方法によれば、濃淡値算出工程では、上記明度値および黄色度値を用いて上記濃淡値を算出する。上記明度値および黄色度値は、一般に色合いを判断するときに用いられる表色系における当該色合いの値を示すものであり、物質(本願では皮膚)の色合いを特定する値として有効な値である。
その明度値および黄色度値を用いて、上記濃淡値を算出するので、皮膚の色合いを精度よく特定することができる。それゆえ、皮膚の色合いを加味した影響度を用いた蛍光の強度の補正を、さらに精度よく行うことができる。
なお、上記表色系としては、例えばL表色系が挙げられる。この場合、明度値はL値、黄色度値はb値を指す。
さらに、本発明の態様5に係る肌状態測定方法は、態様4において、
上記濃淡値算出工程では、上記放射光に含まれる光のうちの赤色光の度合いを示す赤色度値をさらに用いて、上記濃淡値を算出することが好ましい。
上記の方法によれば、濃淡値算出工程では、上記明度値、黄色度値および赤色度値を用いて上記濃淡値を算出する。上記赤色度値は、上記照度値等と同様、一般に色合いを判断するときに用いられる表色系における当該色合いの値を示すものであり、物質の色合いを特定する値として有効な値である。それゆえ、明度値および黄色度値に加えてその赤色度値を用いて、上記濃淡値を算出するので、皮膚の色合いをさらに精度よく特定することができる。
なお、上記表色系がL表色系である場合、赤色度値はa値を指す。
さらに、本発明の態様6に係る肌状態測定方法は、態様2から5のいずれかにおいて、
上記濃淡値算出工程において算出した上記濃淡値を用いて、上記影響物質の濃度を算出する影響物質濃度算出工程(S4)をさらに含み、
上記影響度算出工程では、上記影響物質濃度算出工程において算出された上記影響物質の濃度を用いて、上記影響度を算出することが好ましい。
上記の方法によれば、影響物質濃度算出工程では、上記濃淡値を用いて、測定部位に含まれると推定される影響物質の濃度を算出するので、皮膚の色合いを加味した当該濃度の算出を行うことができる。
また、影響物質の濃度を用いることにより、測定部位に含まれる影響物質の量を正確に推定することができる。
さらに、測定対象物質の蓄積量の測定時に、皮膚を剥離して化学分析を行う必要がないので、生体を侵襲することなく、影響物質の濃度を算出することができる。
さらに、本発明の態様7に係る肌状態測定方法は、態様1から6のいずれかにおいて、
上記参照光は、
青色領域の波長範囲の第1参照光と、
緑色領域の波長範囲の第2参照光と、
赤色領域の波長範囲の第3参照光と、
を含むことが好ましい。
上記の方法によれば、上記波長範囲の第1参照光、第2参照光および第3参照光を用いることにより、皮膚の色合いを精度よく特定することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
〔補正式の構築〕
次に、肌内蛍光物質(特に肌内AGEs)の蛍光測定において、影響度を用いて肌内蛍光物質の蛍光強度を補正するための数式を構築した例を示すことにより、肌状態測定装置100で用いられる補正式(影響度を算出するための数式)が高精度に機能することについて説明する。本実験例では、生体を近似した皮膚ファントムモデルを作製し、皮膚ファントムモデルにおける肌内蛍光物質(AGEs)の蛍光強度を測定することにより、肌色値とAGEsの蛍光強度との関係を調べた。
≪皮膚ファントムモデルの調製≫
まず、皮膚ファントムモデルの調製について説明する。図3は、本実験例にて調製した皮膚ファントムモデルの一例を示す図である。
(真皮層モデルの調製)
皮膚ファントムモデルの真皮層モデルとして、本実験例では、濃度固定(濃度既知)のAGE−BSAを用いた。AGE化ウシ血清アルブミン(AGE−BSA)は、BSA(ウシ血清アルブミン)とグルコースとを混合し、40℃に設定したインキュベータ内で14日間反応させることにより生成した。加えて、生成したAGE−BSAを寒天溶液(2.0g/100ml)に添加し、AGE−BSAの濃度を40mg/mlになるように調製した。
(表皮層モデルの調製)
皮膚ファントムモデルの表皮層モデルとして、本実験例では、3次元培養表皮を用いた。3次元培養表皮は、形態的にヒトの皮膚に類似した構造をしており、基底層・有棘層・顆粒層・角質層を有している。3次元培養表皮は、37℃でCO濃度5%に設定したインキュベータ内で、3次元培養表皮からなる表皮層モデルを14日間培養することにより調製した。上記3次元培養表皮のサンプルは12枚作成され、上記培養時にそれぞれ4枚ずつ、3種類の濃度(0%、0.25%、0.5%)のコウジ酸(美白剤)で処理された。これにより、影響物質の濃度(肌色)が互いに異なる3種類の表皮モデルを、それぞれ4枚ずつ調製することができた。なお、3次元培養表皮モデルは、クラボウ株式会社製のMEL−300−Aを用いた。
(皮膚ファントムモデルの調製)
図3に示した通り、調製したAGE−BSAをカップ内に入れ、その上から、複数種類の、調製した3次元培養表皮を載せた。これにより、ヒトの皮膚のように、真皮層の外側(カップの上側)に表皮層が存在するような構成とした。
≪各種データの測定≫
上記手順で調製した皮膚ファントムモデルに対し、以下の測定1〜4を行い、各種データを得た。
(測定1:基準とする蛍光強度の測定)
まず、真皮層モデルに対し、励起光を直接(表皮層モデルを介さずに)照射することにより蛍光データ(すなわち、AGEsの蛍光強度)を測定した。なお、AGEs蛍光測定用の励起光源として365nmのLED光源を用い、検出器としての分光器は市販の小型の分光器を用いた。
(測定2:蛍光強度の測定)
次に、皮膚ファントムモデルに対し、AGEsの蛍光強度の測定を行った。図3に示すように、皮膚ファントムモデルの入ったカップの上面から励起光を照射することにより、蛍光データ(すなわち、AGEsの蛍光強度)を測定した。なお、測定1と同様に、AGEs蛍光測定用の励起光源として365nmのLED光源を用い、検出器としての分光器は市販の小型の分光器を用いた。
(測定3:肌色値の算出)
続いて、上記表皮層モデルそれぞれに対し、肌色測定を行った。すなわち、上記表皮層モデルに対し参照光を照射し、得られた放射光データを解析することにより、肌色値(ITA°)を算出した。なお、測色装置としては、JISZ8722[物体色―測定方法]の規格に準拠して作製された市販の分光測色計を用いた。
(測定4:影響物質の濃度測定)
最後に、化学分析により表皮層モデルにおける影響物質の濃度を測定した。調製した表皮層モデル(3次元培養表皮)それぞれに対し、5%トリクロロ酢酸、エタノール/ジエチルエーテル溶液、100%ジエチルエーテル溶液で洗浄後、水酸化ナトリウム水溶液(1M)を添加し、100℃で10分間加熱溶解した。そして、マイクロプレートリーダーを用いて、溶解した溶液の405nmにおける吸光度測定を行い、影響物質の濃度を測定した。
≪測定結果≫
(基準蛍光強度の算出)
まず、測定1の結果から、AGEsの蛍光強度の基準となる値について説明する。図4は、測定1にて得られた蛍光スペクトルを示している。同図では、横軸に蛍光の波長(nm)、縦軸に蛍光の強度(a.u.)を示した。図示の通り、波長450nm付近において、蛍光強度が4181a.u.を示した。この蛍光強度(4181a.u.)を、影響物質による影響がない場合のAGEsの蛍光強度であるとした。以降、上記蛍光強度を、「基準蛍光強度」と記述する。
(肌色値と影響物質の濃度との関係)
次に、測定2〜4の結果から、肌色値と影響物質の濃度との関係について説明する。図5は、図3に示した皮膚ファントムモデルを用いた算出した表皮層モデルの肌色値(ITA°)と、表皮層モデルに含まれる影響物質の濃度との関係を示すグラフである。肌色値は上記測定2にて測定した値を用いた。また、影響物質の濃度は上記測定3にて化学分析により定量した値を用いた。
同図では、横軸に表皮層モデルのITA°、縦軸に表皮層モデルに含まれる影響物質の濃度(μg/mm)を示している。
図5に示すように、表皮層モデルのITA°と、表皮層モデルに含まれる影響物質の濃度とは、以下の回帰式(20)、
M=c×ITA°+d・・・(20)
に示すように、線形近似できることがわかった。式(20)において、Mは影響物質の濃度(μg/mm)、cおよびdは係数である。
また、本実施例で得られた表皮層モデルのITA°と、表皮層モデルに含まれる影響物質の濃度とは高い相関関係を示した。このことから、ITA°と影響物質の濃度との関係を示す回帰式を用いることで、肌色測定にて得られた肌色値から、高い精度で影響物質の濃度を算出することができることがわかった。
なお、線形近似に限らず、指数近似などを用いても上記式(20)と同様の回帰式を得ることができる。また、肌色値として、L値、a値、b値を用いて、影響物質の濃度を多変量解析により近似しても同様の効果が得られた。
(影響物質の量と影響度(蛍光強度比)との関係)
最後に、測定1〜4の結果から、影響物質の濃度(影響物質の量)と、影響度(AGEsの蛍光強度比)との関係について説明する。
図6は、表皮モデルに含まれる影響物質の量と、測定2および測定3にて得られたAGEsの蛍光強度との関係を示すグラフである。
同図では、横軸に測定面積における影響物質の量を示し、縦軸に、測定1にて得られた基準蛍光強度(影響物質非存在下での蛍光強度)と、測定2にて得られた蛍光強度(影響物質存在下での蛍光強度)との強度比を示した。
図示の通り、影響物質の量と上記強度比とは、以下の回帰式(21)、
C=exp(b×N)・・・(21)
で示されるように、自然対数eを底とする指数関数で近似できることがわかった。式(21)において、Cは蛍光強度比、Nは影響物質の量(μg)、bは係数である。また、影響物質の量Nは、M(測定2にて得た影響物質の濃度:μg/mm)と、S(測定範囲:mm)とを乗じることにより求められる。
上述のように、本実施例で得られた影響物質の影響度(蛍光強度比)と、影響物質の量とは、高い相関関係を示す。このことから、影響物質の影響度と、影響物質の量との関係を示す回帰式を用いることで、高い精度で影響度を算出できることがわかった。それゆえ、算出した影響度を用いて蛍光の実測値を補正することにより、肌内蛍光物質(AGEs)の蛍光強度を精度よく補正することができる。なお、指数近似に限らず、線形近似などを用いても上記式(21)のような補正式を得ることができる。
以上の実験結果から、肌色(皮膚の色合い)を測定することで、精度良く肌中に含まれる影響物質の濃度を算出でき、さらに算出された影響物質の濃度から、精度良く影響度を算出することができた。したがって、上記補正式を用いて、肌内蛍光物質(好ましくはAGEs)の蛍光強度を精度よく補正できることがわかった。
〔補正式の有用性確認試験〕
上記皮膚ファントムモデルを用いた試験で得られた補正式の有用性を確認するために、健常な日本人男性115名(23〜60歳)を対象に、測定部位としての露光部である手の甲と頬部とのそれぞれについて蛍光測定試験および肌色測定試験を実施し、実年齢と補正前後の蛍光データとの関係を検討した。
蛍光測定試験では、励起光源として365nmのLED光源を用いた。そして、当該LED光源からの励起光が肌に照射されることにより、450〜475nm付近にピークを有する蛍光を検出し、その蛍光の強度(蛍光の実測値)を測定した。肌色測定試験では、JISZ8722[物体色―測定方法]の規格に準拠して作製された市販の分光測色計を用いて、L値、a値、b値を測定し、ITA°を得た。
上記2つの測定試験で得られた蛍光の実測値およびITA°を、以下の式(22)、
Y=X/exp{b×(c×ITA°+d)×S}・・・(22)
に代入することで、蛍光強度を補正した。式(22)において、Yは補正強度、Xは実測値、Sは測定範囲(mm)である。また、b、c、dは係数である。
図7は、頬における年齢と補正前後の蛍光強度との関係を示すグラフである。同図では、横軸に被験者の年齢(歳)を示し、縦軸にAGEsの蛍光強度(a.u.)を示している。なお、図7では、補正前の測定値を三角印で示し、補正後の測定値を丸印で示す。
ところで、肌内蛍光物質(好ましくは肌内AGEs)の蛍光強度は、加齢とともに増加することが知られている。図7に示す通り、補正前データの回帰式においては、年齢が増加しても蛍光強度はほぼ一定となるのに対し、補正後データの回帰式においては、年齢の増加とともに蛍光強度も増加する傾向が現れた。
また、上記肌内蛍光物質の蛍光強度は、影響物質の影響を受けて真値よりも低く検出されることも知られている。図7によると、補正後データの回帰式は、補正前データの回帰式と比べると、蛍光強度自体が全体的に増加していた。
さらに、上記肌内蛍光物質の量には個人差があることが知られている。図7において、プロットされた各データ(各被験者)に着目すると、補正前データ間よりも、補正後データ間(被験者間)での蛍光強度の差の方が、より大きくなっていた。換言すると、補正後データにおいては、被験者間で、蛍光強度の個人差が大きくなっていた。
以上のことから、本実施例に係る上記補正式を用いることにより、肌内蛍光物質の蛍光強度を、より精度良く(影響物質の影響を排除し、より真の値に近い値として)求めることができることが確認された。したがって、本実施例の補正式が有用であることが確認された。
次に、図8は、手の甲における年齢と補正前後の蛍光強度との関係を示すグラフである。なお、図8では、補正前の測定値を三角印で示し、補正後の測定値を丸印で示す。
図8においても、補正後データについて、年齢とともに蛍光強度が増加する傾向が見られた。また、補正前データの蛍光強度と比べ、補正後データの蛍光強度が増加していた。さらに、プロットされた各データについて、補正後の各データの蛍光強度のばらつき(個人差)が大きくなった。これは、図7と同じ結果であるといえる。したがって、本実施例の補正式が、測定部位に関わらず有用であることもわかった。
以上のように、本実施例における測定方法および補正式を用いることで、肌内に含まれる影響物質の影響を排除し、測定対象物質(好ましくは肌内AGEs)の蛍光強度をより精度よく測定することができることが確認された。
本発明は、肌状態に適した抗老化や抗糖化効果等の化粧品・医薬品の選択、肌のカウンセリング、あるいは化粧品・医薬品の有効性評価・モニタリング等、多方面に利用できる。
10 測定装置
11 励起光源
12 検出器
13 第1参照光源
14 第2参照光源
15 第3参照光源
16 測定対象物質測定部
17 影響物質測定部
20 判定装置
21 表示部
22 記憶部
30 制御部
31 データ取得部
32 肌色値算出部
33 影響物質濃度算出部
34 影響度算出部
35 蛍光強度補正部
36 判定部
100 肌状態測定装置

Claims (8)

  1. 280nm以上、410nm以下の波長範囲にピークを有する励起光を生体の測定部位に照射することによって生じる、測定対象物質の蛍光の強度に基づいて肌状態を測定する肌状態測定方法であって、
    380nm以上、800nm以下の波長範囲の3種類以上の、上記生体の皮膚の色合いを特定するための参照光を上記測定部位に照射することによって上記生体から放射される放射光の測定結果を用いて、上記測定部位に含まれると推定される影響物質の、上記蛍光の強度に及ぼす影響を示す影響度を算出する影響度算出工程と、
    上記影響度算出工程において算出した影響度を用いて、上記蛍光の強度を補正する蛍光強度補正工程と、を含むことを特徴とする肌状態測定方法。
  2. 上記放射光の測定結果に基づいて、上記皮膚の色の濃淡の度合いを示す濃淡値を算出する濃淡値算出工程をさらに含み、
    上記影響度算出工程では、上記濃淡値算出工程において算出された上記濃淡値を用いて、上記影響度を算出することを特徴とする請求項1に記載の肌状態測定方法。
  3. 上記濃淡値算出工程では、上記測定部位に照射された上記参照光の強度に対する上記放射光の強度の割合としての上記放射光の測定結果と、人目の標準的な分光感度を示す等色関数とを用いて、三刺激値を算出し、
    上記三刺激値を用いて、上記濃淡値を算出することを特徴とする請求項2に記載の肌状態測定方法。
  4. 上記濃淡値算出工程では、上記放射光の明度を示す明度値と、上記放射光に含まれる光のうちの黄色光の度合いを示す黄色度値とを用いて、上記濃淡値を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の肌状態測定方法。
  5. 上記濃淡値算出工程では、上記放射光に含まれる光のうちの赤色光の度合いを示す赤色度値をさらに用いて、上記濃淡値を算出することを特徴とする請求項4に記載の肌状態測定方法。
  6. 上記濃淡値算出工程において算出した上記濃淡値を用いて、上記影響物質の濃度を算出する影響物質濃度算出工程をさらに含み、
    上記影響度算出工程では、上記影響物質濃度算出工程において算出された上記影響物質の濃度を用いて、上記影響度を算出することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の肌状態測定方法。
  7. 上記参照光は、
    青色領域の波長範囲の第1参照光と、
    緑色領域の波長範囲の第2参照光と、
    赤色領域の波長範囲の第3参照光と、
    を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の肌状態測定方法。
  8. 280nm以上、410nm以下の波長範囲にピークを有する励起光を生体の測定部位に照射することによって生じる、測定対象物質の蛍光の強度を示す蛍光データに基づいて肌状態を測定する肌状態測定装置であって、
    380nm以上、800nm以下の波長範囲の3種類以上の、上記生体の皮膚の色合いを特定するための参照光を上記測定部位に照射することによって上記生体から放射される放射光の測定結果を用いて、上記測定部位に含まれると推定される影響物質の、上記蛍光の強度に及ぼす影響を示す影響度を算出する影響度算出部と、
    上記影響度算出部によって算出された影響度を用いて、上記蛍光データを補正する蛍光強度補正部と、を備えていることを特徴とする肌状態測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017181319A (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 ポーラ化成工業株式会社 肌色改善成分のスクリーニング方法
CN109793501A (zh) * 2019-03-08 2019-05-24 合肥中科易康达生物医学有限公司 一种人体代谢健康指数无创检测设备

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