JP2015062409A - 水耕栽培装置及び水耕栽培方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】育苗時の植物を培養液を用いて水耕栽培する水耕栽培装置1であって、前記培養液の水温を測定する水温測定部5と、前記培養液の水温を調整する水温調整部6と、前記水温測定部5の測定した測定温度が、予め定めた徒長抑制水温となるように前記水温調整部6を制御し、育苗時の前記植物の徒長を抑制する制御部7とを備える水耕栽培装置1。
【選択図】図1
Description
また、育苗時における気温が多少ばらついていても、培養液の水温を管理するだけで徒長現象を防ぐことができるので、室内の気温を確実に制御する場合と比べて、簡便に育苗時における植物の徒長を抑制することができる。
例えば、室内で行われる水耕栽培は、熱が室内にこもりやすく、人工光(LED)から発せられる熱によって室温が上昇することと、植物の生育に伴い栽培空間が狭まることによって植物周囲の空気対流が阻害され、植物周囲の気温が上昇することとにより、十分に植物を生育し難い気温にまで上昇してしまうことがある。しかしながら、上述したように構成することによって、十分に植物が生育し難い気温であっても、徒長を抑制しながら植物を生育することができる。
特に、培養液の水温を22℃以上23℃以下とすると、十分に植物を生育し難い気温であっても、徒長を抑制しながら品質のよい植物を生育することができる。
加えて、培養液の水温を28℃以上にすると、液中の溶存酸素濃度が著しく低下して、病原菌の増殖等を促すおそれがあるが、徒長抑制水温を28℃以下とすることで、溶存酸素濃度の低下を防止することもできる。
また、制御部7は、加熱冷却機器6bで水温調整された培養液を配管6aから栽培槽2内に戻すようにポンプ6cを制御する。
<実験準備>
実験に供する植物を、図3に示すように生長した。
・発芽ステップ
リーフレタス“グリーンウェーブ”をウレタンスポンジの上に播種して昼白色蛍光灯の下で、7日間発芽生長させる。
・育苗ステップ
発芽ステップを経た苗を、本発明に係る水耕栽培装置1に移し、その根部が培養液に浸漬するように栽培槽2に植え付けて、昼白色の光強度125μmol/m2/sのLEDを光源に用いて、水耕栽培装置1内の気温及び培養液の水温を以下の表1に示すように設定したサンプル群1〜9を12日間育苗する。
・栽培ステップ
育苗ステップを経たサンプル群1〜9を栽培床に定植し、気温24℃〜26℃、水温24℃〜26℃の一定環境下で14日間栽培を行い収穫する。
栽培ステップを経て収穫されたサンプル群1〜9について、収穫時の生体重(g)を計測してそれぞれのサンプル群の平均値を求め、そのうち、最も値が大きかったもの(サンプル群1)を100%としたときの相対値で表した結果を表2に示す。また、収穫時の茎長(mm)を計測してそれぞれのサンプル群の平均値を求め、そのうち、最も値が大きかったもの(サンプル群6)を100%としたときの相対値で表した結果を表3に示す。さらに、定植時の生体重(g)と茎長(mm)を計測してこれらの結果を基に茎長1mmあたりの生体重を算出し、その結果を表4に示す。
上記実験結果から、育苗時の生育環境のパラメータである気温及び水温が、植物に与える影響について以下に述べる。
気温が育苗時の植物に与える影響について調べるため、表2の結果をもとに、気温を横軸、生体重を縦軸にプロットした折れ線グラフを図4に示す。
水温が育苗時の植物に与える影響について調べるため、表2の結果をもとに、水温を横軸、生体重を縦軸にプロットした折れ線グラフを図5に示す。
次に育苗時において、育苗時の培養液の水温において、どの範囲が徒長抑制に最も効果的であるかを以下に述べる。
ここで、図6において、定植時の生体重/茎長が大きくなっていることからも、茎長は徒長しておらず、収穫時において茎長が伸びたのは徒長によるものではなく、栽培ステップで植物の生育が促進され、その結果、収穫時の茎長が伸びるとともに生体重が大きくなったと考えられる。そのため、育苗時の水温が22℃〜23℃の範囲では、徒長を抑制することができるとともに、植物の生育を促進させることが出来ると考えられる。
このことから、育苗時の水温が27℃〜28℃の範囲では、徒長を抑制することができるとともに、生育不良を発生させることなく植物を生育することが出来ると考えられる。
ここで、図6において、定植時の生体重/茎長が小さくなっていることからも、育苗時に徒長が発生して栽培ステップにおいて植物に生育不良が起こり、収穫時の茎長が長くなるとともに収穫時の生体重が小さくなったと考えられる。そのため、育苗時の水温が32℃〜33℃の範囲では、育苗時において徒長が発生し、栽培ステップにおいて植物に生育不良が起こると考えられる。
以上の結果から、育苗時においては、水温が植物に与える影響は気温よりも大きく、育苗時の培養液の水温を管理することで、高品質な植物を生育することができる。また、育苗時における最適な培養液の水温範囲としては、徒長発生を抑制しつつ生育が促進される22℃〜23℃が最も好ましく、32℃〜33℃の範囲では、徒長が発生する。
次に、グリーンウェーブ以外の品種についても水温管理が植物に与える影響を調べるとともに、さらに好ましい水温範囲を調べるために以下の実験を行った。
<実験準備>
実験に供する植物を、図3に示すように生長した。
・発芽ステップ
リーフレタス“グリーンウェーブ”及び“フリルレタス”をウレタンスポンジの上に播種して昼白色蛍光灯の下で、7日間発芽生長させる。
・育苗ステップ
発芽ステップを経た“グリーンウェーブ”及び“フリルレタス”の苗を、本発明に係る水耕栽培装置1に移し、その根部が培養液に浸漬するように栽培槽2に植え付けて、昼白色の光強度200μmol/m2/sのLEDを光源に用いて、水耕栽培装置1内の気温及び培養液の水温を以下の表5に示すように設定したサンプル群10〜24を12日間育苗する。
各サンプル群は、同一気温及び同一水温で育苗した12株のサンプルで構成されており、サンプル群として以下に示す値は、12株のサンプルの平均値を表している。
育苗ステップを経た“グリーンウェーブ”及び“フリルレタス”それぞれのサンプル群10〜24について、生体重(g)、茎長(mm)を計測し、生体重/茎長(g/mm)を算出した。なお、生体重については、サンプル群10〜24のうち、最も値が大きいものを100%としたときの相対値を記載している。
グリーンウェーブ及びフリルアイスの生体重の結果を示す表6及び表7、又は図8及び図9を以下に比較する。
上述した生体重の結果が、徒長抑制効果によるものか否かを調べるために、グリーンウェーブ及びフリルアイスのそれぞれについて、生体重/茎長を算出した。この生体重/茎長は、茎長1mm辺りの生体重の重さを表すので、この値が大きいほど生育が促進され、徒長を抑制できることが分かる。
以上の結果から、グリーンウェーブ以外のフリルアイスにおいても、実験1の結果と同様に、育苗時の培養液の水温を管理することによって、徒長を抑えながら生育を促進することができる。このことから、葉菜類においても、育苗時の水温を管理することによって、徒長を抑制した品質のよい植物を生育できると考えられる。
また、育苗時の徒長を抑えながら植物の生育を促進することができる水温領域(徒長抑制水温)は、15℃以上30℃以下の範囲、好ましくは20℃以上28℃以下の範囲であり、さらに22℃以上23℃以下の範囲とすることで、徒長を防ぐとともに、植物の生育を促進することができる。
また、育苗時における気温が多少ばらついていても、培養液の水温を管理するだけで徒長現象を防ぐことができるので、室内の気温を確実に制御する場合と比べて、簡便に育苗時における植物の徒長を抑制することができる。
特に、培養液の水温を22℃以上23℃以下とすると、十分に植物を生育し難い気温であっても、徒長を抑制しながら品質のよい植物を生育することができる。
さらに、培養液の水温を28℃以上にすると、液中の溶存酸素濃度が著しく低下して、病原菌の増殖等を促すおそれがあるが、徒長抑制水温を28℃以下とすることで、溶存酸素濃度の低下を防止することもできる。
次に、本発明に係る水耕栽培装置1の第2実施形態について説明する。
このように構成することで、光源部の光強度を植物に合わせて変化させることにより植物の育苗を促進するとともに、青色波長領域の光で徒長を抑制して、さらに高品質の植物を生育することができる。
5・・・水温測定部
6・・・水温調整部
7・・・制御部
Claims (5)
- 育苗時の植物を培養液を用いて水耕栽培する水耕栽培装置であって、
前記培養液の水温を測定する水温測定部と、
前記培養液の水温を調整する水温調整部と、
前記水温測定部の測定した測定温度が、予め定めた徒長抑制水温となるように前記水温調整部を制御し、育苗時の前記植物の徒長を抑制する制御部とを備える水耕栽培装置。 - 前記徒長抑制水温が、前記水耕栽培装置内の気温よりも低いものであることを特徴とする請求項1記載の水耕栽培装置。
- 前記徒長抑制水温は、15℃以上30℃以下、好ましくは20℃以上28℃以下、さらに好ましくは22℃以上23℃以下である請求項1又は2記載の水耕栽培装置。
- 前記水温測定部は、前記植物の根部に近接するように配置される請求項1乃至3のいずれかに記載の水耕栽培装置。
- 育苗時の植物を培養液を用いて水耕栽培する水耕栽培方法であって、
前記培養液の水温を調整することにより、育苗時の前記植物の徒長を抑制する水耕栽培方法。
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