JP2015062344A - 端子台 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アッパーベース10Uをロアーベース10Dに嵌合したとき、アッパーベース10Uとロアーベース10Dとの間に介在する防水兼弾性部材60を備え、防水兼弾性部材60は、アッパーベース10Uをロアーベース10Dに嵌合する方向に交差する方向に延びる、該アッパーベース10Uと該ロアーベース10Dによって挟まれる天井部を有する。
【選択図】図1
Description
バッテリに蓄えられた電力はインバータ装置等のインバータで変換されてモータに供給され、モータを回転し、モータの回転は車輪に伝達され、車輪を駆動する。
従来、インバータとモータは自動車の別々の場所に搭載され、インバータの端子とモータの端子はワイヤーハーネスを用いて接続していた。
これに対して、最近、バッテリから車輪までの電動駆動システムの小型化、低コスト化を目的に、インバータとモータとを一体化する構造が提案されている(特許文献1または2)。
図4は、特許文献1または2に記載のインバータとモータとを一体化する発明の概念図で、三相交流電動機(誘導電動機または同期機)を収納しているモータケース100に受電ボックス100Cが載置され、そこに三相交流電力を受電する3端子100Tが取り付けられており、一方、自動車の他部に載置されている直流電源から直流を受電して三相交流に変換するインバータケース200に出力端子200Tが取り付けられている。そして、インバータの三相交流電力を出力端子200Tからモータケース100側の受電ボックス100Cの3端子100Tへ供給するために本発明が対象としている振動に強い端子台が用いられる。
モータケース100とインバータケース200を別々に組み立てた後に、インバータケース200をモータケース100の近傍に設置するとともに、インバータケース200の出力端子200Tとモータケース100の3端子100Tを端子台によって接続することにより、インバータケース200とモータケース100は別々のモジュールとして組み立て製造することができ、一体化時に端子台によって接続すればよいだけなので、製造が容易で、低コスト化が可能となる。
ところがこのような構成において、運転時の車体の振動やモータ自体の振動によるインバータとモータの振動の位相差がコネクタに加わり、コネクタに破損等が生じる恐れがあった。したがって、このような振動に耐えうるコネクタの開発が必要であった。
そして、そのような振動に耐えうるコネクタとして、特許文献3記載のコネクタが開示されている。
特許文献3記載の端子台は、インバータ端子とモータ端子を接続するためのもので、インバータ筐体とインバータ端子と、モータ筐体とモータ端子とからなり、モータ端子はモータ筐体に固定して取り付けられているのに対して、インバータ端子は振動吸収部材を介してインバータ筐体に取り付けられるようにしたことを特徴とするものである。
このように一方の機器の端子がその筐体に振動吸収部材を介して取り付けられているので、一方の機器と他方の機器に位相差による振動が加わっても、その振動は振動吸収部材によって吸収されるので、コネクタ接続部に余分な負荷が加わることなく、破損等の悪影響を防ぐことができるというものである。
しかしながら、特許文献3記載の端子台は、導通性能を確保するため、バスバー等の金属材料を多様に使用している。ところが、バスバー部材や端子は、剛性が高いため、動きがある部位へ組み付けるとその後の長時間の使用によって折れや曲がり等が発生して変形し、シール性能が低下するという課題を有している。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、モータ側接続端子とインバータ側端子との間に生じる振動に強く、かつ、モータとインバータの組み付け誤差によるバラつきが大きくても、振動に対して充分にシール効果を発揮できる防水・防油性の良い端子台を提供することを目的としている。
モータケースと前記モータケースに載置されるインバータケースとの間に介在する端子台であって、
前記インバータケースの出力端子に接続されるインバータ側接続端子と、
モータの受電端子に接続されるモータ側接続端子と、
前記インバータケース側に位置する、前記インバータ側接続端子が固定されるアッパーベースと、
前記モータケース側に位置する、前記モータ側接続端子が収納されるロアーベースと、
前記アッパーベースを前記ロアーベースに嵌合したとき、前記アッパーベースと前記ロアーベースとの間に介在する防水兼弾性部材と、
を備え、
前記防水兼弾性部材は、前記アッパーベースを前記ロアーベースに嵌合する方向に交差する方向に延びる、該アッパーベースと該ロアーベースによって挟まれる天井部を有する、
ことを特徴とする。
前記防水兼弾性部材は、前記アッパーベースを前記ロアーベースに嵌合する方向に延びる、該アッパーベースと該ロアーベースによって挟まれる側面部をさらに有する、
ことを特徴とする。
本発明に係る端子台の縦断面を示した図1とそれを分解して示した図2において、100はモータケース、200はモータケース100に載置されるインバータケースである。10はモータケース100とインバータケース200との間に介在する本発明に係る端子台である。端子台10は樹脂成形されて成る容器で、インバータ側で作られた交流三相電流をモータ側へ給電する3系統の電気伝導体20(インバータ側接続端子20T+編組線20H+モータ側接続端子20M)を収容するためのものである。本発明により、端子台10はアッパーベース10Uとロアーベース10Dとを別体で構成し、アッパーベース10Uにはインバータ側接続端子20Tを収納し、ロアーベース10Dにはモータ側接続端子20Mを収納し、インバータ側接続端子20Tとモータ側接続端子20Mを編組線20Hで接続している。
電気伝導体20は、上記インバータ側接続端子20Tと、上記モータ側接続端子20Mと、一方がインバータ側接続端子20Tに接続され他方がカシメ部20S(図2)によってモータ側接続端子20Mに接続された編組線20Hとから構成されている。編組線20Hはアッパーベース10U内で一端がインバータ側接続端子20Tと水平状態で接続され、他端がロアーベース10D側に向かうため水平状態から垂直に下方へ曲折して延び、先端でカシメ部20Sによってモータ側接続端子20Mに接続されている。各インバータ側接続端子20Tおよび各モータ側接続端子20Mにはそれぞれボルト貫通孔20B(図3)、20C(図2)があけられており、ボルト貫通孔20Bはインバータケース200(図4)の出力端子200T(図4)に通されてナットで締結される。また、ボルト貫通孔20Cにはボルトが通されてモータケース100(図4)側の受電ボックス100C(図4)の3端子100T(図4)へ締結される。モータ側接続端子20Mにはモータからの油漏れ防止のため等のパッキン30が取り付けられている。
なお、ここでは編組線20Hを用いているが、バスバーに屈曲部を設けることで可撓性をもたせることができるので、このような屈曲部付きバスバーを用いたり、あるいは導電性ゴムを用いたりすることも可能である。
アッパーベース10U側には、3本のインバータ側接続端子20Tがそれぞれ樹脂の隔壁を介して水平並置状態に配設されており、インバータ側接続端子20Tの各端部にそれぞれ編組線20Hが接続されている。編組線20Hの他端は水平状態から下方のロアーベース10Dに向かうため垂直状態になる。垂直状態の編組線20Hの3本はアッパーベース10Uの下部に形成された長円筒部10Eの中を通過する。
ロアーベース10Dは全体が長円筒部で形成され、この中に3本の編組線20Hと、これら編組線20Hとそれぞれかしめ接続されるモータ側接続端子20Mが、それぞれ樹脂の隔壁を介して垂直並置状態に配設されている。ロアーベース10Dの頂部10C(図2)はアッパーベース10Uの下部に形成された長円筒部10Eの中に防水兼弾性部材60(後述)を介して嵌合している。
また、本発明によって、アッパーベース10Uとロアーベース10Dとの間に防水兼弾性部材60を介在させている。防水兼弾性部材60は、天井付き長円筒状をしており、天井部にはモータ側接続端子20Mとカシメ部20Sとが挿入できる開口が形成されており、長円筒の側面部には断面で見て山と谷から成る波形状が形成されている。長円筒部の内部開口にロアーベース10Dの頂部10Cが挿入され、これをアッパーベース10Uの下部の長円筒部10Eに挿入することで防水兼弾性部材60の波形状の山が潰れて、アッパーベース10Uとロアーベース10Dとの間に振動吸収と防水とが確保される。
防水兼弾性部材60の材料としては、耐油性に優れたゴム部材を用いることができ、具体的には、例えばアクリルゴムが挙げられる。
モータ側の振動でロアーベース10Dが図の矢印方向(図1)に動いても、このような防水兼弾性部材60をここに使用することで、防水兼弾性部材60の弾性部材が振動を吸収し、別体のアッパーベース10Uのインバータ側に振動が伝わり難くなる。
しかも、アッパーベース10Uとロアーベース10Dの間を従来のバスバーではなくて、可撓性の編組線20Hで接続したのでインバータ側に振動がさらに伝わり難くなる。
また、アッパーベース10Uとロアーベース10Dとを分離してかつ嵌合させた箇所に配設した防水兼弾性部材60に防水機能を持たせているので、車が仮に水没してモータケース100とインバータケース200との間に水が浸入したとしても、アッパーベース10Uとロアーベース10Dの嵌合部から端子台10の内部に水が浸入することが防水兼弾性部材60により防止できる。
さらに、ロアーベース10Dとモータケース100との間に防水用ゴム栓40を介在させ、また、アッパーベース10Uとインバータケース200との間に防水用ゴム栓50を介在させている。このようにすることで、端子台10の内部に水が浸入する恐れが一層防止できる。
従来インバータ側接続端子とモータ側接続端子を一体の端子台で構成していたのを、本発明によって、インバータ側接続端子を収納するアッパーベースとモータ側接続端子を収納するロアーベースとに分離し、かつアッパーベースとロアーベースとの間に弾性部材を介在させたので、モータ側の振動がインバータ側に伝わり難くなる。
しかも、モータ側接続端子とインバータ側接続端子とを編組線で接続したことで、振動に強い端子台が得られる。さらに、アッパーベースとロアーベースとの間に介在させる弾性部材に防水性をもたせたので、車が仮に水没してモータケースとインバータケースとの間に水が浸入したとしても、アッパーベースとロアーベースの嵌合部から端子台の内部に水が浸入することが防水用弾性部材により防止できる。
10U アッパーベース
10E 長円筒部
10D ロアーベース
10C ロアーベースの頂部
20 電気伝導体
20M モータ側接続端子
20H 編組線
20S カシメ部
20T インバータ側接続端子
20B、20C ボルト貫通孔
30 パッキン
40 防水用ゴム栓
50 防水用ゴム栓
60 防水兼弾性部材
100 モータケース
100C 受電ボックス
100T 3端子
200 インバータケース
200T インバータ出力端子
Claims (2)
- モータケースと前記モータケースに載置されるインバータケースとの間に介在する端子台であって、
前記インバータケースの出力端子に接続されるインバータ側接続端子と、
モータの受電端子に接続されるモータ側接続端子と、
前記インバータケース側に位置する、前記インバータ側接続端子が固定されるアッパーベースと、
前記モータケース側に位置する、前記モータ側接続端子が収納されるロアーベースと、
前記アッパーベースを前記ロアーベースに嵌合したとき、前記アッパーベースと前記ロアーベースとの間に介在する防水兼弾性部材と、
を備え、
前記防水兼弾性部材は、前記アッパーベースを前記ロアーベースに嵌合する方向に交差する方向に延びる、該アッパーベースと該ロアーベースによって挟まれる天井部を有する、
ことを特徴とする端子台。 - 前記防水兼弾性部材は、前記アッパーベースを前記ロアーベースに嵌合する方向に延びる、該アッパーベースと該ロアーベースによって挟まれる側面部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の端子台。
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