JP2015062269A - スピーカ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、従来の音声ビームだけの方式及び仮想音源だけの方式よりも、聴者に音源を知覚させる効果の高いスピーカ装置を提供することを目的とする。【解決手段】定位付加部は、音声ビームによって聴者が音源を知覚した位置又はその近くの位置に、仮想音源を定位させるようにフィルタ処理を行う。また、本発明のスピーカ装置は、音声ビームを形成する音よりも仮想音源を知覚させる音を遅らせて出力する、又は仮想音源を知覚させる音よりも音声ビームを形成する音を遅らせて出力する。【選択図】図2

Description

本発明は、指向性を有する音声ビームを出力するスピーカ装置に関する。
従来、サラウンド音場を生成するために、オーディオ信号をそれぞれ遅延させて複数のスピーカユニットに分配するアレイスピーカ装置が知られている(特許文献1を参照。)。
遅延されて分配されたオーディオ信号がそれぞれのスピーカユニットから音として出力されると、指向性を有するサウンドビーム(音声ビーム)が形成される。すると、聴者は、音声ビームの焦点に音源が存在すると知覚する。音声ビームが例えば壁に反射して聴者に届くと、聴者は、壁の方向に音源が存在すると知覚する。
また、特許文献1に示すアレイスピーカ装置は、音声ビームのチャンネルと別のチャンネルのオーディオ信号を仮想的に定位させている。仮想的に定位する仮想音源は、聴者の頭部形状に対応する頭部伝達関数をオーディオ信号に畳み込むことにより聴者に知覚される。
特開2008−227803
しかし、特許文献1に示す音声ビームは、環境によっては、聴者の所望通りにサラウンド音場を生成できないことがある。例えば、音声ビームは、壁までの距離が遠い環境又は音声ビームを反射させにくい壁からなる環境では、聴者に届きにくくなる。すると、聴者は、音源を知覚しにくくなる。
一方、仮想音源による方式は、音声ビームによる方式に比べて、定位感を十分に与えることができない場合がある。例えば、仮想音源による方式は、聴取位置がずれると、定位感が弱まりやすい。また、仮想音源による方式は、聴者の頭部の形状に基づいているため、定位感に個人差がある。
そこで、本発明は、従来の音声ビームだけの方式及び仮想音源だけの方式よりも、聴者に音源を知覚させる効果の高いスピーカ装置を提供することを目的とする。
本発明のスピーカ装置は、オーディオ信号が入力される入力部と、複数のスピーカと、前記入力部に入力されたオーディオ信号をそれぞれ遅延して前記複数のスピーカに分配する指向性制御部と、前記入力部に入力されたオーディオ信号に頭部伝達関数に基づくフィルタ処理を行って前記複数のスピーカに入力する定位付加部と、を備える。
複数のスピーカは、指向性制御部により遅延されて分配されたオーディオ信号に基づいて放音する。指向性制御部は、複数のスピーカユニットから出力される音の位相が所定位置でそろうように、オーディオ信号を遅延制御する。その結果、複数のスピーカユニットからそれぞれ出力された音は、所定位置で強め合い、指向性を有する音声ビームとなる。聴者は、音声ビームを聞くことにより、音源を知覚する。
定位付加部は、音声ビームによって聴者が音源を知覚した位置又はその近くの位置に、仮想音源を定位させるようにフィルタ処理を行う。その結果、本発明のスピーカ装置は、音声ビームだけを用いた場合又は仮想音源だけを用いた場合に比べて、定位感を向上させることができる。
本発明のスピーカ装置は、音声ビームによる音源の定位感を損なうことなく、仮想音源による定位感を加えることにより、定位感を向上させることができる。
また、本発明のスピーカ装置は、前記定位付加部又は前記指向性制御部の前段又は後段に、前記オーディオ信号を遅延させて出力する遅延処理部、を備えている。
仮想音源を知覚させる音が音声ビームを形成すべき音と同時に出力されてしまうと、音声ビームを形成すべき音は、仮想音源を知覚させる音によって位相がずれてしまう場合がある。すなわち、仮想音源を知覚させる音が音声ビームを形成すべき音と同時に出力されてしまうと、音声ビームの形成は、仮想音源を知覚させる音によって阻害されてしまう場合がある。そこで、本発明のスピーカ装置は、音声ビームを形成する音よりも仮想音源を知覚させる音を遅らせて出力する。その結果、仮想音源を知覚させる音は、音声ビームの形成を阻害しにくくなる。特に、遅延処理部は、前記定位付加部の前段又は後段に設けられ、前記指向性制御部が遅延させる遅延量の最大値よりも大きい遅延量で前記オーディオ信号を遅延させて出力する態様とすることが好ましい。
一方、聴取位置と壁との距離が遠い環境、音響反射率の低い壁素材からなる環境、あるいはスピーカの個数が少ない場合、壁からの音声ビームの反射が弱く、音声ビームによる定位感が弱い場合がある。この場合、音声ビームを形成する音が仮想音源を知覚させる音を阻害する場合もある。この場合、遅延処理部は、指向性制御部の前段又は後段に設けられ、指向性制御部から複数のスピーカに入力されるオーディオ信号が、定位付加部から複数のスピーカに入力されるオーディオ信号よりも遅れるように、オーディオ信号を遅延させて出力する態様とすることが好ましい。これにより、仮想音源を知覚させる音を阻害しないように、音声ビームを形成する音に遅延を与え、仮想音源を知覚させる音よりも遅らせて再生することができる。
また、スピーカ装置は、前記指向性制御部のオーディオ信号と、前記定位付加部のオーディオ信号とのレベル比率を調整するレベル調整部を備えてもよい。
仮想音源は、聴者に直接届く音で知覚されるため、環境に依存しにくい。一方、音声ビームは、壁での反射を利用するため環境に依存するが、仮想音源よりも定位感を与えることができる。この構成では、音声ビームのレベルと仮想音源を知覚させる音のレベルとの比率を調整して環境に依存することなく定位感を与えることができる。例えば、スピーカ装置は、音声ビームが反射しにくい環境に置かれた場合、仮想音源を知覚させる音のレベルを上げるとよい。また、スピーカ装置は、音声ビームが反射しやすい環境に置かれた場合、音声ビームのレベルを上げるとよい。
また、前記オーディオ信号は、マルチチャンネルサラウンドサウンドのオーディオ信号であっても構わない。
音声ビームは、チャンネルによっては壁での反射を利用して音源を聴者に知覚させるが、反射により音像がぼやけることがある。特に、リアチャンネルのオーディオ信号は、音声ビームでは2度の壁反射を利用するため、フロントチャンネルに比べて、定位しにくい。しかし、スピーカ装置は、聴者に直接届く音で仮想音源も知覚させるため、フロントチャンネルと同程度にリアチャンネルの定位感を与えることができる。
また、前記複数のスピーカは、前記指向性制御部のオーディオ信号が入力されるスピーカアレイと、前記定位付加部のオーディオ信号が入力されるステレオスピーカとからなり、前記入力部に入力されたオーディオ信号の帯域を高域と低域とに分割してそれぞれ出力する帯域分割部、を備え、前記指向性制御部は、前記帯域分割部から出力された高域のオーディオ信号が入力され、前記ステレオスピーカは、前記帯域分割部から出力された低域のオーディオ信号が入力される、態様であっても構わない。
この態様では、ステレオスピーカは、仮想音源を知覚させる音の出力と、音声ビームの帯域より低域の音の出力とで、兼用される。換言すれば、音声ビームを形成し難い低域は、ステレオスピーカによって補われる。
本発明によれば、スピーカ装置は、音声ビームと仮想音源との両方で定位感を与えるため、従来の音声ビームだけの方式及び仮想音源だけの方式に比べて、定位感が強くなる。
本実施形態に係るアレイスピーカ装置2を備えたAVシステム1を説明するための図である。 本実施形態に係るアレイスピーカ装置2及びサブウーファ3のブロック図の一部である。 定位付加部42及び補正部51のブロック図である。 本実施形態に係るアレイスピーカ装置2が出力するサウンドビームの経路及びサウンドビームによる音源の定位位置を示す図である。 本実施形態に係るアレイスピーカ装置2が出力するサウンドビームの経路及びサウンドビームによる音源の定位位置を示す図である。 指向性制御部20によるオーディオ信号の遅延量の計算を説明するための図である。 本実施形態に係るアレイスピーカ装置2の変形例に係るアレイスピーカ装置2A及びスピーカセット2Bを示す図である。 変形例に係るアレイスピーカ装置2Cの構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るアレイスピーカ装置2について、図1乃至図6を用いて説明する。図1は、アレイスピーカ装置2を備えたAVシステム1を説明するための図である。図2は、アレイスピーカ装置2及びサブウーファ3のブロック図の一部である。図3(A)は、定位付加部42のブロック図であり、図3(B)は、補正部51のブロック図である。図4及び図5は、それぞれアレイスピーカ装置2が出力する音声ビームの経路及び音声ビームによる音源の定位位置を示す図である。図6は、指向性制御部20によるオーディオ信号の遅延量の計算を説明するための図である。
AVシステム1は、アレイスピーカ装置2、サブウーファ3、及びテレビ4を備える。アレイスピーカ装置2は、サブウーファ3及びテレビ4に接続される。アレイスピーカ装置2は、テレビ4で再生される映像に応じたオーディオ信号や不図示のコンテンツプレーヤからのオーディオ信号が入力される。アレイスピーカ装置2は、入力されたオーディオ信号に基づいて音声ビームを出力し、かつ聴者に仮想音源を定位させるものである。
まず、音声ビームの出力について説明する。
アレイスピーカ装置2は、図1に示すように、例えば、直方体形状の筐体を備える。アレイスピーカ装置2の筐体は、聴者に対向する面に、例えば16個のスピーカユニット21A〜21Pと、ウーファ33L,33Rとを備える。ただし、スピーカユニットは、16個に限らず、例えば8個等であってもよい。この例では、スピーカユニット21A〜21P、ウーファ33L、およびウーファ33Rが本発明の「複数のスピーカ」に相当する。
スピーカユニット21A〜21Pは、それぞれ一列に配置されている。スピーカユニット21A〜21Pは、聴者からアレイスピーカ装置2を視て左側から順に配置されている。ウーファ33Lは、スピーカユニット21Aからさらに左側に配置されている。ウーファ33Rは、スピーカユニット21Pのさらに右側に配置されている。
アレイスピーカ装置2は、図2に示すように、デコーダ10、及び指向性制御部20を備える。
デコーダ10は、DIR(;Digital audio I/F Receiver)11、ADC(;Analog to Digital Converter)12、HDMI(登録商標;High Definition Multimedia Interface)レシーバ13に接続されている。
DIR11は、光ケーブル又は同軸ケーブルで送信されたデジタルオーディオ信号が入力される。ADC12は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。HDMIレシーバ13は、HDMI規格に適合したHDMI信号が入力される。
デコーダ10は、AAC(登録商標)、Dolby Digital(登録商標)、DTS(登録商標)、MPEG−1/2、MPEG−2マルチチャンネル、MP3等多様なデータフォーマットをサポートしている。デコーダ10は、DIR11及びADC12から出力されたデジタルオーディオ信号を、マルチチャンネルオーディオ信号(FLチャンネル、FRチャンネル、Cチャンネル、SLチャンネル、及びSRチャンネルのデジタルオーディオ信号。以下、単にオーディオ信号と称す場合は、デジタルオーディオ信号を示すものとする。)に変換して出力する。デコーダ10は、HDMIレシーバ13が出力したHDMI信号(HDMI規格に適合する信号。)からオーディオデータを抽出して、オーディオ信号に復号して出力する。ただし、デコーダ10は、5チャンネルのオーディオ信号に限らず、7チャンネルのオーディオ信号等、様々なチャンネル数のオーディオ信号に変換することもできる。
アレイスピーカ装置2は、デコーダ10から出力されたオーディオ信号の帯域を分割して、高域(例えば200Hz以上)をスピーカユニット21A〜21Pに出力し、低域(例えば200Hz未満)をウーファ33L,33R及びサブウーファユニット72に出力するために、HPF14(14FL,14FR,14C,14SR,14SL)とLPF15(15FL,15FR,15C,15SR,15SL)とを備える。HPF14及びLPF15のカットオフ周波数は、スピーカユニット21A〜21Pの再生周波数の下限(200Hz)に合うように、それぞれ設定されている。
デコーダ10から出力された各チャンネルのオーディオ信号は、それぞれHPF14及びLPF15に入力される。HPF14は、入力されたオーディオ信号の高域成分(200Hz以上)を抽出して出力する。LPF15は、入力されたオーディオ信号の低域成分(200Hz未満)を抽出して出力する。
HPF14から出力された各オーディオ信号は、レベル調整部18(18FL,18FR,18C,18SR,18SL)に入力される。レベル調整部18は、チャンネル毎に音声ビームのレベルを調整するために備えられる。レベル調整部18は、各オーディオ信号のレベルを調整して出力する。
指向性制御部20は、レベル調整部18から出力された各オーディオ信号が入力される。指向性制御部20は、入力された各チャンネルのオーディオ信号をスピーカユニット21A〜21Pの数だけ分配し、それぞれ所定の遅延時間で遅延させる。遅延された各チャンネルのオーディオ信号は、不図示のDAC(;Digital to Analog Converter)でアナログオーディオ信号に変換された後、スピーカユニット21A〜21Pに入力される。スピーカユニット21A〜21Pは、入力された各チャンネルのオーディオ信号に基づいて放音する。
スピーカユニット21A〜21Pのうち隣り合うスピーカユニットに入力されるオーディオ信号に与えられる遅延量の差が一定となるように指向性制御部20が遅延制御すると、スピーカユニット21A〜21Pから出力された各音は、それぞれ当該遅延量の差に応じた方向で位相を強めあう。その結果、音声ビームは、スピーカユニット21A〜21Pから所定方向に進む平行波として形成される。
指向性制御部20は、スピーカユニット21A〜21Pから出力される各音の位相が所定位置でそろうような遅延制御も可能である。この場合、スピーカユニット21A〜21Pから出力された各音は、当該所定位置を焦点とする音声ビームとなる。
なお、アレイスピーカ装置2は、指向性制御部20の前段又は後段に、チャンネル毎にイコライザを備え、各オーディオ信号の周波数特性を調整してもよい。
LPF15から出力されたオーディオ信号は、ウーファ33L又は33R及びサブウーファユニット72に入力される。
アレイスピーカ装置2は、音声ビームの帯域以外のオーディオ信号(200Hz未満)を、さらにウーファ33L,33R用の帯域(例えば100Hz以上)とサブウーファユニット72用の帯域(例えば100Hz未満)とに分割するために、HPF30(30LL,30R)とLPF31(31L,31R)とを備える。HPF30及びLPF31のカットオフ周波数は、サブウーファユニット72の再生周波数の上限(100Hz)に合うように、それぞれ設定される。
LPF15(15FL,15C,15SL)から出力されたオーディオ信号(200Hz未満)は、加算部16によって加算される。加算部16によって加算されたオーディオ信号は、HPF30L及びLPF31Lに入力される。HPF30Lは、入力されたオーディオ信号の高域成分(100Hz以上)を抽出して出力する。LPF31Lは、入力されたオーディオ信号の低域成分(100Hz未満)を抽出して出力する。HPF30Lから出力されたオーディオ信号は、レベル調整部34L、加算部32L及び不図示のDACを介してウーファ33Lに入力される。LPF31Lから出力されたオーディオ信号は、レベル調整部70F、加算部71及び不図示のDACを介してサブウーファ3のサブウーファユニット72に入力される。レベル調整部34L及びレベル調整部70Fは、音声ビームと、ウーファ33Lから出力される音と、サブウーファユニット72から出力される音とのレベル比を調整するために、入力されたオーディオ信号のレベルを調整して出力する。
LPF15(15FR,15C,15SR)から出力されたオーディオ信号は、加算部17によって加算される。加算部17によって加算されたオーディオ信号は、HPF30R及びLPF31Rに入力される。HPF30Rは、入力されたオーディオ信号の高域成分(100Hz以上)を抽出して出力する。LPF31Rは、入力されたオーディオ信号の低域成分(100Hz未満)を抽出して出力する。HPF30Rから出力されたオーディオ信号は、レベル調整部34R、加算部32R、及び不図示のDACを介してウーファ33Rに入力される。LPF31Rから出力されたオーディオ信号は、レベル調整部70G、加算部71及び不図示のDACを介してサブウーファユニット72に入力される。レベル調整部34R及びレベル調整部70Gは、音声ビームと、ウーファ33Rから出力される音と、サブウーファユニット72から出力される音とのレベル比を調整するために、入力されたオーディオ信号のレベルを調整して出力する。
以上のように、アレイスピーカ装置2は、スピーカユニット21A〜21Pからチャンネル毎の音声ビームを出力しつつ、音声ビームの帯域以外の音(200Hz未満)をウーファ33L,33R及びサブウーファユニット72から出力する。
次に、仮想音源の定位について説明する。
アレイスピーカ装置2は、定位付加部42、クロストークキャンセル処理部50、及び遅延処理部60L,60Rを備える。
アレイスピーカ装置2は、デコーダ10から出力されたオーディオ信号の帯域を分割して、高域(例えば100Hz以上)をウーファ33L,33Rに出力し、低域(例えば100Hz未満)をサブウーファユニット72に出力するために、HPF40(40FL,40FR,40C,40SR,40SL)とLPF41(41FL,41FR,41C,41SR,41SL)とを備える。HPF40及びLPF41のカットオフ周波数は、サブウーファユニット72の再生周波数の上限(100Hz)に合うように、それぞれ設定されている。
デコーダ10から出力された各チャンネルのオーディオ信号は、それぞれHPF40及びLPF41に入力される。HPF40は、入力されたオーディオ信号の高域成分(100Hz以上)を抽出して出力する。LPF41は、入力されたオーディオ信号の低域成分(100Hz未満)を抽出して出力する。
アレイスピーカ装置2は、ウーファ33L,33Rから出力される音とサブウーファユニット72から出力される音とのレベル比を調整するために、レベル調整部70A〜70Eを備える。
LPF41から出力された各オーディオ信号は、レベル調整部70A〜70Eによってレベルが調整される。レベル調整部70A〜70Eによってレベルが調整された各オーディオ信号は、それぞれ加算部71で加算される。加算部71で加算されたオーディオ信号は、不図示のDACを介してサブウーファユニット72に入力される。
アレイスピーカ装置2は、チャンネル毎に仮想音源を知覚させる音のレベルを調整するために、レベル調整部43(43FL,43FR,43C,43SR,43SL)を備える。
HPF40から出力された各オーディオ信号は、レベル調整部43に入力される。レベル調整部43は、入力された各オーディオ信号のレベルを調整して出力する。
レベル調整部43から出力された各オーディオ信号は、定位付加部42に入力される。定位付加部42は、入力された各オーディオ信号を仮想の音源位置に定位させる処理を行う。オーディオ信号を仮想の音源位置に定位させるためには、所定位置と聴者の耳との間の伝達関数を示す頭部伝達関数(以下、HRTFと称す。)を用いる。
HRTFは、ある位置に設置した仮想スピーカからそれぞれ左右の耳に至る音の大きさ、到達時間、及び周波数特性等を表現したインパルス応答である。オーディオ信号にHRTFを付与してウーファ33L(又はウーファ33R)から放音することにより、聴者は、仮想スピーカから放音されたように知覚する。
定位付加部42は、図3(A)に示すように、チャンネル毎にHRTFのインパルス応答を畳み込むためのフィルタ421L〜425L及びフィルタ421R〜425Rを備える。
FLチャンネルのオーディオ信号(HPF40FLから出力されたオーディオ信号)は、フィルタ421Lと、421Rとに入力される。フィルタ421Lは、FLチャンネルのオーディオ信号に、聴者の左前方の仮想音源VSFL(図4を参照。)の位置から左耳に至る経路のHRTFを付与する。フィルタ421Rは、FLチャンネルのオーディオ信号に、仮想音源VSFLの位置から右耳に至る経路のHRTFを付与する。
フィルタ422Lは、聴者の右前方の仮想音源VSFRの位置から聴者の左耳に至る経路のHRTFをFRチャンネルのオーディオ信号に付与する。フィルタ422Rは、仮想音源VSFRの位置から右耳に至る経路のHRTFをFRチャンネルのオーディオ信号に付与する。
フィルタ423L〜425Lは、C,SL,SRチャンネルに応じた仮想音源VSC,VSSL,VSSRの位置から聴者の左耳に至る経路のHRTFをC,SL,SRチャンネルのオーディオ信号に付与する。フィルタ423R〜425Rは、C,SL,SRチャンネルに応じた仮想音源VSC,VSSL,VSSRの位置から聴者の右耳に至る経路のHRTFをC,SL,SRチャンネルのオーディオ信号に付与する。
そして、加算部426Lは、フィルタ421L〜425Lを出力したオーディオ信号を合成して、オーディオ信号VLとしてクロストークキャンセル処理部50に出力する。加算部426Rは、フィルタ421R〜425Rを出力したオーディオ信号を合成して、オーディオ信号VRとしてクロストークキャンセル処理部50に出力する。
クロストークキャンセル処理部50は、ウーファ33Lから放音され、右耳に至るクロストークの逆位相の成分をウーファ33Rから放音して右耳の位置で音圧を打ち消すことにより、ウーファ33Lの音が右耳に聞こえるのを抑制する。逆に、クロストークキャンセル処理部50は、ウーファ33Rから放音され、左耳に至るクロストークの逆位相の成分をウーファ33Lから放音して左耳の位置で音圧を打ち消すことにより、ウーファ33Rの音が左耳に聞こえるのを抑制する。
より具体的には、クロストークキャンセル処理部50は、補正部51及び合成部52L,52Rを用いて処理を行う。
補正部51は、図3(B)に示すように、ダイレクト補正部511L,511R及びクロス補正部512L,512Rを備えている。オーディオ信号VLは、ダイレクト補正部511L及びクロス補正部512Lに入力される。オーディオ信号VRは、ダイレクト補正部511R及びクロス補正部512Rに入力される。
ダイレクト補正部511Lは、ウーファ33Lから放音される音が左耳付近で放音されたように聴者に知覚させる処理を行う。ダイレクト補正部511Lは、ウーファ33Lから出力された音が左耳の位置でフラットに聞こえるようなフィルタ係数が設定されている。ダイレクト補正部511Lは、入力されたオーディオ信号VLを補正して、オーディオ信号VLDを出力する。
クロス補正部512Rは、合成部52Lとの組で、ウーファ33Rから左耳に回り込む音の逆相の音をウーファ33Lから出力して左耳の位置で音圧を打ち消すことにより、ウーファ33Rの音が左耳に聞こえるのを抑制する。また、クロス補正部512Rは、ウーファ33Lから放音される音が左耳付近で放音されたように聴者に知覚させる処理を行う。クロス補正部512Rは、ウーファ33Rから出力された音が左耳の位置で聞こえなくなるようなフィルタ係数が設定されている。クロス補正部512Rは、入力されたオーディオ信号VRを補正して、オーディオ信号VRCを出力する。
合成部52Lは、オーディオ信号VRCを逆相にして、オーディオ信号VLDに合成する。
ダイレクト補正部511Rは、ウーファ33Rから放音される音が右耳付近で放音されたように聴者に知覚させる処理を行う。ダイレクト補正部511Rは、ウーファ33Rから出力された音が右耳の位置でフラットに聞こえるようなフィルタ係数が設定されている。ダイレクト補正部511Rは、入力されたオーディオ信号VRを補正して、オーディオ信号VRDを出力する。
クロス補正部512Lは、合成部52Rとの組で、ウーファ33Lから右耳に回り込む音の逆相の音をウーファ33Rから出力して右耳の位置で音圧を打ち消すことにより、ウーファ33Lの音が右耳に聞こえるのを抑制する。また、クロス補正部512Lは、ウーファ33Rから放音される音が右耳付近で放音されたように聴者に知覚させる処理を行う。クロス補正部512Lは、ウーファ33Lから出力された音が右耳の位置で聞こえなくなるようなフィルタ係数が設定されている。クロス補正部512Lは、入力されたオーディオ信号VLを補正して、オーディオ信号VLCを出力する。
合成部52Rは、オーディオ信号VLCを逆相にして、オーディオ信号VRDに合成する。
合成部52Lから出力されたオーディオ信号は、遅延処理部60Lに入力される。オーディオ信号は、遅延処理部60Lによって所定時間遅延されてレベル調整部61Lに入力される。合成部52Rから出力されたオーディオ信号は、遅延処理部60Rに入力される。遅延処理部60Rは、遅延処理部60Lと同じ遅延時間でオーディオ信号を遅延させる。
遅延処理部60L,60Rによる遅延時間は、音声ビームを形成するべきオーディオ信号に与えられる遅延時間のうち、最長の遅延時間よりも長く設定される。この遅延時間の詳細は、後述する。
レベル調整部61L,61Rは、全チャンネルの仮想音源を知覚させる音のレベルをまとめて調整するために備えられる。レベル調整部61L,61Rは、遅延処理部60L,60Rで遅延された各オーディオ信号のレベルを調整する。レベル調整部61L,61Rによってレベルが調整された各オーディオ信号は、加算部32L,32Rを介して、ウーファ33L,33Rに入力される。
加算部32L,32Rにはスピーカユニット21A〜21Pで出力される音声ビームの帯域外(200Hz未満)のオーディオ信号が入力されるため、音声ビームの帯域外の音と、仮想音源を定位させる音とは、ウーファ33L,33Rで出力される。
以上のように、アレイスピーカ装置2は、各チャンネルのオーディオ信号を仮想の音源位置に定位させる。
次に、アレイスピーカ装置2が生成する音場について図4を用いて説明する。図4において、矢印は、アレイスピーカ装置2から出力される音声ビームの経路を示す。図4において、星印は、音声ビームが生成する音源の位置及び仮想音源の位置を示す。
アレイスピーカ装置2は、図4に示すように、入力されたオーディオ信号のチャンネル数に従って、音声ビームを5本出力する。Cチャンネルのオーディオ信号は、例えば、焦点位置が聴者の前方の壁に設定されるようにディレイ制御される。すると、聴者は、Cチャンネルのオーディオ信号の音源SCが聴者の前方の壁にあると知覚する。
FL,FRチャンネルのオーディオ信号は、例えば、音声ビームが聴者の左前方の壁及び聴者の右前方の壁で焦点を結ぶようにそれぞれディレイ制御される。FL,FRチャンネルのオーディオ信号に基づく各音声ビームは、部屋Rの壁で一度反射して聴者の位置に到達する。すると、聴者は、FL,FRチャンネルのオーディオ信号の音源SFL,SFRが聴者の左前方の壁及び右前方の壁にあると知覚する。
SL,SRチャンネルのオーディオ信号は、例えば、音声ビームが聴者の左横の壁及び右横の壁に向かうようにそれぞれディレイ制御される。SL,SRチャンネルのオーディオ信号に基づく各音声ビームは、部屋Rの壁に反射して聴者の左後方の壁及び聴者の右後方の壁に到達する。各音声ビームは、聴者の左後方の壁及び聴者の右後方の壁で再度反射して、それぞれ聴者の位置に到達する。すると、聴者は、SL,SRチャンネルのオーディオ信号の音源VSSL,VSSRが聴者の左後方の壁及び聴者の右後方の壁にあると知覚する。
定位付加部42のフィルタ421L〜425L及びフィルタ421R〜425Rは、仮想スピーカの位置がそれぞれ音源SFL,SFR,SC,SSL,SSRの位置と略同じ位置になるように、それぞれ設定されている。すると、聴者は、図4に示すように、仮想音源VSC,VSFL,VSFR,VSSL,VSSRを音源SFL,SFR,SC,SSL,SSRの位置と略同じ位置に知覚する。
音声ビームは、壁によっては、反射すると拡散してしまうことがある。しかし、アレイスピーカ装置2は、音声ビームによる定位感を、仮想音源によって定位感を補うことができる。したがって、アレイスピーカ装置2は、音声ビームだけを用いた場合又は仮想音源だけを用いた場合に比べて、定位感を向上させることができる。
上述の通り、SL,SRチャンネルのオーディオ信号の音源SSL,SSRは、各音声ビームが壁に2度反射することにより生成される。したがって、SL,SRチャンネルの音源は、FL,C,FRチャンネルの音源に比べて、知覚されにくい。しかし、アレイスピーカ装置2は、音声ビームによるSL,SRチャンネルの定位感を、聴者の耳に直接届く音で生成される仮想音源VSSL,VSSRで補うことができ、SL,SRチャンネルの定位感を損なうことがない。
また、アレイスピーカ装置2は、図5に示すように、例えば部屋Rの壁の吸音性が高く、音声ビームが反射しにくい場合であっても、聴者の耳に直接届く音で仮想音源を知覚させるため、聴者に定位感を与えることができる。
さらに、アレイスピーカ装置2は、音声ビームが反射しやすい環境の場合、レベル調整部61L,61Rのゲインを下げて、又は、レベル調整部18のゲインを上げて、仮想音源を知覚させる音のレベルに比べて音声ビームのレベルを大きくする。一方で、アレイスピーカ装置2は、音声ビームが反射しにくい環境の場合、レベル調整部61L,61Rのゲインを上げて、又は、レベル調整部18のゲインを下げて、仮想音源を知覚させる音のレベルに比べて音声ビームのレベルを小さくする。このように、アレイスピーカ装置2は、環境に応じて、音声ビームのレベルと仮想音源を知覚させる音のレベルとの比率を調整することができる。無論、アレイスピーカ装置2は、音声ビーム又は仮想音源を知覚させる音のどちらか一方のレベルだけを変更するのではなく、音声ビームと、仮想音源を知覚させる音との両方のレベルの変更を同時に行ってもよい。
また、アレイスピーカ装置2は、上述のとおり、チャンネル毎に音声ビームのレベルを調整するレベル調整部18と、チャンネル毎に仮想音源を知覚させる音のレベルを調整するレベル調整部43とを備える。アレイスピーカ装置2は、チャンネル毎にレベル調整部18とレベル調整部43との組を備えることにより、例えば、FLチャンネルだけ音声ビームのレベルと仮想音源を知覚させる音のレベルとの比率を変更することができる。これにより、アレイスピーカ装置2は、例えば、音声ビームによって音源SFLを定位させにくい環境であっても仮想音源VSFLを知覚させる音を大きくして定位感を与えることができる。
ただし、音声ビームは、仮想音源を知覚させる音によって、形成が阻害されることがある。そこで、遅延処理部60L,60Rは、仮想音源を知覚させる音が音声ビームの形成を阻害しないように、仮想音源を知覚させる音を遅延させる。
次に、遅延処理部60L,60Rがオーディオ信号を遅延させる時間について図6を用いて説明する。
遅延処理部60L,60Rがオーディオ信号を遅延させる時間(以下、時間DT)は、指向性制御部20がオーディオ信号を遅延させる時間に基づいて算出される。遅延時間DTの算出は、指向性制御部20によって行われるが、他の機能部が算出する態様であってもかまわない。
遅延時間DTは、以下のようにして算出される。図6に示す例では、音源SFRを生成する音声ビームで説明する。
まず、指向性制御部20は、スピーカユニット21Pから音声ビームの焦点Fまでの距離DPを算出する。距離DPは、三角関数によって算出される。すなわち、以下の式によって求められる。
DP = Sqrt((XF−XP)2+(YF−YP)2+(ZF−ZP)2)
ただし、Sqrtは、平方根をとる関数であり、座標(XF、YF、ZF)は、焦点Fの位置を示す。座標(XP、YP、ZP)は、スピーカユニット21Pの位置を示し、予めアレイスピーカ装置2に設定されている。座標(XF、YF、ZF)は、例えばアレイスピーカ装置2に備えられるユーザインターフェースを介して、設定されている。
指向性制御部20は、距離DPを計算すると、以下の式で参照距離Drefとの差分距離DDPを求める。
DDP = DP − Dref
ただし、参照距離Drefは、アレイスピーカ装置2の基準位置Sから焦点Fまでの距離である。基準位置Sの座標は、予めアレイスピーカ装置2に設定されている。
そして、指向性制御部20は、残りのスピーカユニット21A〜21Oについても、差分距離DDA〜DDOを算出する。すなわち、指向性制御部20は、全てのスピーカユニット21A〜21Pについて、差分距離DDA〜DDPを算出する。
次に、指向性制御部20は、差分距離DDA〜DDPから最長の差分距離DDMAXと、最短の差分距離DDMINとを選択する。差分距離DDMAXと差分距離DDMINとの距離差DDDIFに対応する遅延時間Tは、距離差DDDIFを音速で除算することにより、算出される。
以上のように、音源SFRを生成する音声ビームについて、遅延時間Tは算出される。
ここで、最も出力角度の大きい音声ビームは、全音声ビームの中で最も遅く出力される音から形成される。ただし、音声ビームの出力角度とは、図6に示す例では、X軸と、基準位置Sから焦点Fまで結ぶ線とが成す角度θとする。そこで、指向性制御部20は、最も出力角度が大きい音声ビームを特定し、該音声ビームに対応する遅延時間T(以下、遅延時間TMAXと称す。)を求める。
指向性制御部20は、遅延時間DTを遅延時間TMAXよりも長く設定して遅延処理部60L,60Rに与える。これにより、仮想音源を知覚させる音は、各音声ビームを形成する音よりも、遅れて出力される。すなわち、ウーファ33L,33Rは、スピーカユニット21A〜21Pからなるスピーカアレイの一部となって音を出力することがない。その結果、仮想音源を知覚させる音は、音声ビームの形成を阻害しにくくなる。アレイスピーカ装置2は、音声ビームによる音源の定位感を損なうことなく、定位感を向上させることができる。
なお、遅延処理部60L,60Rは、定位付加部42の前段、又は定位付加部42とクロストークキャンセル処理部50との間に設けられてもよい。
また、指向性制御部20は、遅延処理部60L,60Rに対して、遅延時間DTを与えるのではなく、遅延させるべきサンプル数を与える態様であっても構わない。この場合、遅延させるべきサンプル数は、遅延時間DTにサンプリング周波数を乗じて算出される。
次に、図7(A)は、本実施形態に係るアレイスピーカ装置2の変形例1に係るアレイスピーカ装置2Aを示す図である。図7(B)は、アレイスピーカ装置2の変形例2に係るスピーカセット2Bを示す図である。アレイスピーカ装置2と重複する構成の説明は省略する。
アレイスピーカ装置2Aは、ウーファ33L及びウーファ33Rから出力する音をそれぞれスピーカユニット21A及びスピーカユニット21Pから出力する点において、アレイスピーカ装置2と相違する。
すなわち、アレイスピーカ装置2Aは、仮想音源を知覚させる音及び音声ビームの帯域外(100Hz以上200Hz未満)の音をスピーカユニット21A〜21Pのうち、両端のスピーカユニット21A及びスピーカユニット21Pから出力するものである。
スピーカユニット21A及びスピーカユニット21Pは、スピーカユニット21A〜21Pのうち最も離れて配置されている。したがって、アレイスピーカ装置2Aは、仮想音源を知覚させることができる。
また、アレイスピーカ装置2は、一つの筐体にスピーカユニット21A〜21P及びウーファ33L,33Rを備えなくてもよい。
例えば、図7(B)に示すスピーカセット2Bのように、各スピーカユニットが個別の筐体に備えられ、それら筐体が一列状に配置される態様であっても構わない。
いずれにしても、入力された複数チャンネルのオーディオ信号をそれぞれ遅延させて複数のスピーカに分配し、かつ、入力された複数チャンネルのオーディオ信号のいずれかに頭部伝達関数に基づくフィルタ処理を行って複数のスピーカに入力する態様であれば、本発明の技術的範囲に属するものである。
次に、図8は、変形例に係るアレイスピーカ装置2Cの構成を示すブロック図である。アレイスピーカ装置2と共通する構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
アレイスピーカ装置2Cは、遅延処理部60L及び遅延処理部60Rに変えて、指向性制御部20の後段に遅延処理部62A〜遅延処理部62Pを備えた点でアレイスピーカ装置2と異なる。
遅延処理部62A〜遅延処理部62Pは、それぞれスピーカユニット21A〜スピーカユニット21Pに供給するオーディオ信号を遅延させる。すなわち、遅延処理部62A〜遅延処理部62Pは、指向性制御部20からスピーカユニット21A〜スピーカユニット21Pに入力されるオーディオ信号が、定位付加部42からウーファ33Lおよびウーファ33Rに入力されるオーディオ信号よりも遅れるように、オーディオ信号を遅延させる。
アレイスピーカ装置2では、仮想音源を知覚させる音が音声ビームの形成を阻害しないように、遅延処理部60Lおよび遅延処理部60Rが仮想音源を知覚させる音を遅延させる態様であったが、アレイスピーカ装置2Cは、音声ビームを形成する音が仮想音源を知覚させる音を阻害しないように、遅延処理部62A〜遅延処理部62Pが音声ビームを形成する音を遅延させる態様である。例えば、聴取位置と壁との距離が遠い環境、音響反射率の低い壁素材からなる環境、あるいはスピーカの個数が少ない場合、壁からの音声ビームの反射が弱く、音声ビームによる定位感が弱い場合がある。この場合、音声ビームを形成する音が仮想音源を知覚させる音を阻害する場合もある。したがって、アレイスピーカ装置2Cでは、仮想音源を知覚させる音を阻害しないように、音声ビームを形成する音に遅延を与え、仮想音源を知覚させる音よりも遅らせて再生する。
なお、図8の例では、指向性制御部20の後段に遅延処理部62A〜遅延処理部62Pを設ける例を示したが、指向性制御部20の前段に各チャンネルのオーディオ信号を遅延させる遅延処理部を設ける態様としてもよい。
また、遅延処理部60Lおよび遅延処理部60Rと、遅延処理部62A〜遅延処理部62Pと、を備えたアレイスピーカ装置とする態様も考えられる。この場合、聴取環境に応じて、仮想音源を知覚させる音を遅延させるか、音声ビームを形成する音を遅延させるか、を選択できるようにしてもよい。例えば壁から音声ビームの反射が弱い場合は、音声ビームを形成する音を遅延させ、壁から音声ビームの反射が強い場合は、仮想音源を知覚させる音を遅延させる。
なお、壁面からの反射の強弱は、例えばホワイトノイズ等のテスト音の音声ビームを旋回させ、聴取位置に設置したマイクを用いて測定することができる。テスト音の音声ビームを旋回させると、当該テスト音の音声ビームは、部屋の壁に反射して、所定の角度でマイクに収音される。アレイスピーカ装置は、収音されたテスト音の音声ビームのレベルを検出することで、壁からの音声ビームの反射の強弱を測定することができる。アレイスピーカ装置は、収音された音声ビームのレベルが所定の閾値以上の場合に壁から音声ビームの反射が強いと判断し、仮想音源を知覚させる音を遅延させる。一方、アレイスピーカ装置は、収音された音声ビームのレベルが所定の閾値未満の場合に壁から音声ビームの反射が弱いと判断し、音声ビームを形成する音を遅延させる。
1…AVシステム
2…アレイスピーカ装置
2,2A…スピーカ装置
2B…スピーカセット
3…サブウーファ
4…テレビ
10…デコーダ
11…DIR
12…ADC
13…HDMIレシーバ
14FL,FR,C,SR,SL…HPF
15FL,FR,C,SR,SL…LPF
16,17…加算部
18…レベル調整部
20…指向性制御部
21A〜21P…スピーカユニット
30L,30R…HPF
31L,31R…LPF
32L,32R…加算部
33L,33R…ウーファ
40FL,FR,C,SR,SL…HPF
41FL,FR,C,SR,SL…LPF
42…定位付加部
43…レベル調整部
50…クロストークキャンセル処理部
51…補正部
52L,52R…合成部
60L,60R…遅延処理部
61L,61R…レベル調整部
70A〜70E、70F,70G…レベル調整部
71…加算部
72…サブウーファユニット

Claims (6)

  1. オーディオ信号が入力される入力部と、
    複数のスピーカと、
    前記入力部に入力されたオーディオ信号をそれぞれ遅延して前記複数のスピーカに分配する指向性制御部と、
    前記入力部に入力されたオーディオ信号に頭部伝達関数に基づくフィルタ処理を行って前記複数のスピーカに入力する定位付加部と、
    を備えたスピーカ装置であって、
    前記定位付加部又は前記指向性制御部の前段又は後段に、前記オーディオ信号を遅延させて出力する遅延処理部、を備えたスピーカ装置。
  2. 前記遅延処理部は、前記定位付加部の前段又は後段に設けられ、前記指向性制御部が遅延させる遅延量の最大値よりも大きい遅延量で前記オーディオ信号を遅延させて出力する、
    請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 前記遅延処理部は、前記指向性制御部の前段又は後段に設けられ、前記指向性制御部から前記複数のスピーカに入力されるオーディオ信号が、前記定位付加部から前記複数のスピーカに入力されるオーディオ信号よりも遅れるように、前記オーディオ信号を遅延させて出力する、
    請求項1に記載のスピーカ装置。
  4. 前記指向性制御部のオーディオ信号と、前記定位付加部のオーディオ信号とのレベル比率を調整するレベル調整部、を備える、
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスピーカ装置。
  5. 前記オーディオ信号は、マルチチャンネルサラウンドサウンドのオーディオ信号である、
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスピーカ装置。
  6. 前記複数のスピーカは、前記指向性制御部のオーディオ信号が入力されるスピーカアレイと、前記定位付加部のオーディオ信号が入力されるステレオスピーカとからなり、
    前記入力部に入力されたオーディオ信号の帯域を高域と低域とに分割してそれぞれ出力する帯域分割部、を備え、
    前記指向性制御部は、前記帯域分割部から出力された高域のオーディオ信号が入力され、
    前記ステレオスピーカは、前記帯域分割部から出力された低域のオーディオ信号が入力される、
    請求項5に記載のスピーカ装置。
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