JP2015061560A - 穿刺装置および穿刺方法 - Google Patents

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侑右 高橋
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Abstract

【課題】患者の負担が少なく、患者の安全性が高く、また、生体組織支持用留置物を容易に生体内に埋設することができる穿刺装置および穿刺方法を提供すること。【解決手段】穿刺装置1は、回動可能に設けられ、湾曲した穿刺針71と、回動可能に設けられ、湾曲した穿刺針81と、穿刺針71と穿刺針81とを連動させて異なる方向に回動させる回動操作部とを有している。また、回動操作部は、ハンドル251と、ハンドル251の回動を穿刺針71の回動と穿刺針81の回動とに変換する変換部とを有している。【選択図】図2

Description

本発明は、穿刺装置および穿刺方法に関するものである。
尿失禁、特に、腹圧性尿失禁になると、通常の運動中や、笑い、咳、くしゃみ等により腹圧がかかることで、尿漏れが生じる。この原因は、例えば、出産等により、尿道を支える筋肉である骨盤底筋が緩むこと等が挙げられる。
尿失禁の治療には、外科的療法が有効であり、例えば、「スリング」と呼ばれる帯状の生体組織支持用留置物を用い、スリングを体内に留置し、そのスリングで尿道を支持する(例えば、特許文献1参照)。スリングを体内に留置するには、術者がメスで膣を切開し、尿道と膣の間を剥離し、穿刺針等を用いて、その剥離した部位と外部とを閉鎖孔を介し連通させる。そして、このような状態で、スリングを体内に留置する。
しかしながら、膣を切開してしまうと、その切開により生じた傷口からスリングが膣内に露出してしまう虞や、前記傷口から感染してしまう等の合併症が生じる虞がある。また、膣を切開するので、侵襲が大きく、患者への負担が大きいという欠点がある。また、術者による手技の最中に尿道等を損傷する虞があり、また、術者自身も指先を損傷する虞がある。
特開2010−99499号公報
本発明の目的は、患者の負担が少なく、患者の安全性が高く、また、生体組織支持用留置物を容易に生体内に埋設することができる穿刺装置および穿刺方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) 回動可能に設けられ、湾曲した第1穿刺針と、
回動可能に設けられ、湾曲した第2穿刺針と、
前記第1穿刺針と前記第2穿刺針とを連動させて異なる方向に回動させる回動操作部と、を有することを特徴とする穿刺装置。
(2) 前記回動操作部は、前記第1穿刺針の回動と前記第2穿刺針の回動とに変換する変換部を有している上記(1)に記載の穿刺装置。
(3) 前記変換部は、少なくとも1つの歯車を有している上記(2)に記載の穿刺装置。
(4) 前記回動操作部は、所定以上の負荷を受けたときに、前記第1穿刺針および前記第2穿刺針の少なくとも一方に対して空回りすることができる上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の穿刺装置。
(5) 前記第1穿刺針と前記第2穿刺針は、ほぼ同じ回動角で回動する上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の穿刺装置。
(6) 前記第1穿刺針および前記第2穿刺針の一方が他方よりも大きい回動角で回動する上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の穿刺装置。
(7) 尿道内に挿入される長手形状の尿道挿入部と、
前記第1穿刺針および前記第2穿刺針を先端側へ回動させたとき、前記第1穿刺針および前記第2穿刺針の少なくも一方の先端が前記尿道挿入部よりも前記第1穿刺針および前記第2穿刺針の回動中心から遠位側を通過するように、前記第1穿刺針および前記第2穿刺針と前記尿道挿入部との位置関係を規制する規制部と、を有する上記(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の穿刺装置。
(8) 第1穿刺針と第2穿刺針とを連動させて異なる方向に回動させて、前記第1穿刺針を生体の第1部位から穿刺するとともに、第2穿刺針を前記生体の前記第1部位とは異なる第2部位から穿刺し、
前記生体内にて前記第1穿刺針の先端部と前記第2穿刺針の先端部とを所定位置にて係合させることを特徴とする穿刺方法。
本発明によれば、第1穿刺針と第2穿刺針とを用いて、生体に穿通孔を形成することができるため、第1穿刺針および第2穿刺針の長さを短くすることができ、第1穿刺針および第2穿刺針の穿刺時の変形(撓み、捩じれ等)を抑制することがでる。そのため、穿刺針の正確な穿刺を行うことができる。さらに、患者の負担が少なく、患者の安全性が高く、また、生体組織支持用留置物を容易に生体内に埋設することができる。特に、回動操作部を有しているため、第1、第2穿刺針の操作を簡単に行うことができる。
インプラントの一例を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る穿刺装置を示す斜視図である。 図2に示す穿刺装置の側面図である。 図2に示す穿刺装置が有する穿刺部材を示す平面図である。 図4に示す穿刺部材に被せされた2つの分割片の接続方法を説明する平面図である。 図5(a)中のB−B線断面図である。 図2に示す穿刺装置が有するシースを示す図であり、(a)が斜視図、(b)が(a)中のA−A線断面図である。 図2に示す穿刺装置が備えるフレームの固定部を示す平面図である。 図2に示す穿刺装置が備えるフレームに設けられた回動操作部を示す断面図である。 図2に示す穿刺装置が有する挿入具の側面図である。 穿刺部材と閉鎖孔(骨盤)との位置関係を示す図であり、(a)が側面図、(b)が正面図である。 図10に示す挿入具が有する膣挿入具の部分拡大図である。 (a)が膣壁の形状の一例を示す断面図、(b)が(a)に示す膣内に膣挿入部を挿入した状態を示す断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、図2に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 (a)および(b)は、それぞれ、図2に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図15(a)に示す状態の時の穿刺装置と骨盤との関係を示す側面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、図2に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図17(a)に示す状態の時の穿刺装置と骨盤との関係を示す側面図である。 図17(b)に示す状態の時の尿道に対するシースの姿勢を示す断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、図2に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る穿刺装置が有する第1、第2穿刺針を示す断面図であり、第1、第2穿刺針が係合した状態を示している。 本発明の第3実施形態に係る穿刺装置を示す斜視図である。 図22に示す穿刺装置が有する第1、第2穿刺針を示す断面図であり、第1、第2穿刺針が係合した状態を示している。 (a)および(b)は、それぞれ、図22に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図22に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 本発明の第4実施形態に係る穿刺装置を示す斜視図である。 (a)が第1穿刺針の先端部を示す斜視図であり、(b)が第2穿刺針の先端部を示す斜視図である。 (a)および(b)は、それぞれ、第1穿刺針から第2穿刺針へのインプラントの受け渡しを説明するための断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、図26に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 (a)が本発明の第5実施形態に係る穿刺装置が有する第1、第2穿刺針を示す断面図、(b)および(c)が、それぞれ、第1穿刺針から第2穿刺針へのインプラントの受け渡しを説明するための断面図である。 本発明の第6実施形態に係る穿刺装置を示す斜視図である。 図31に示す穿刺装置が有する穿刺部材を示す斜視図である。 図32に示す穿刺部材の上面図である。 図32に示す穿刺部材の回動を説明する平面図であり、(a)が初期状態を示し、(b)が穿刺状態を示している。 本発明の第7実施形態に係る穿刺装置が有する穿刺部材を示す上面図である。 本発明の第8実施形態に係る穿刺装置が有する穿刺部材を示す斜視図である。 本発明の第8実施形態に係る穿刺装置が有する回動操作部を示す断面図である。 本発明の第9実施形態に係る穿刺装置が有する穿刺部材を示す平面図であり、(a)が初期状態を示し、(b)が穿刺状態を示している。 図38に示す穿刺部材の上面図である。 本発明の第10実施形態に係る穿刺装置が有する穿刺部材を示す平面図であり、(a)が初期状態を示し、(b)が穿刺状態を示している。 (a)および(b)は、それぞれ、図40に示す穿刺部材の変形例を示す平面図である。 本発明の第11実施形態に係る穿刺装置が有する穿刺部材を示す平面図であり、(a)が初期状態を示し、(b)が穿刺状態を示している。 本発明の第12実施形態に係る穿刺装置が有する穿刺部材を示す平面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、図43に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 本発明の第13実施形態に係る穿刺装置の初期状態を示す図であり、(a)が正面図、(b)が上面図、(c)が下面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、図45に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 本発明の第14実施形態に係る穿刺装置を示す斜視図である。 図47に示す穿刺装置が有する回動操作部の構成を示す平面図である。 本発明の第15実施形態に係る穿刺装置の初期状態を示す図であり、(a)が前面側からみた断面図、(b)が背面図である。 本発明の第16実施形態に係る穿刺装置を示す斜視図である。 図50に示す穿刺装置が有する回動操作部の構成を示す図であり、(a)が上面図、(b)が正面図である。 本発明の第17実施形態に係る穿刺装置の初期状態を示す図であり、(a)が前面側からみた断面図、(b)が背面図である。
以下、本発明の穿刺装置および穿刺方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、インプラントの一例を示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る穿刺装置を示す斜視図である。図3は、図2に示す穿刺装置の側面図である。図4は、図2に示す穿刺装置が有する穿刺部材を示す平面図である。図5は、図4に示す穿刺部材に被せされた2つの分割片の接続方法を説明する平面図である。図6は、図5(a)中のB−B線断面図である。図7は、図2に示す穿刺装置が有するシースを示す図であり、(a)が斜視図、(b)が(a)中のA−A線断面図である。図8は、図2に示す穿刺装置が備えるフレームの固定部を示す平面図である。図9は、図2に示す穿刺装置が備えるフレームに設けられた回動操作部を示す断面図である。図10は、図2に示す穿刺装置が有する挿入具の側面図である。図11は、穿刺部材と閉鎖孔(骨盤)との位置関係を示す図であり、(a)が側面図、(b)が正面図である。図12は、図10に示す挿入具が有する膣挿入具の部分拡大図である。図13は、(a)が膣壁の形状の一例を示す断面図、(b)が(a)に示す膣内に膣挿入部を挿入した状態を示す断面図である。図14(a)および(b)は、それぞれ、図2に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図15(a)および(b)は、それぞれ、図2に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図16は、図15(a)に示す状態の時の穿刺装置と骨盤との関係を示す側面図である。図17(a)および(b)は、それぞれ、図2に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図18は、図17(a)に示す状態の時の穿刺装置と骨盤との関係を示す側面図である。図19は、図17(b)に示す状態の時の尿道に対するシースの姿勢を示す断面図である。図20(a)および(b)は、それぞれ、図2に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図3中の左側を「先端」、右側を「基端」、上側を「上」、下側を「下」とも言う。また、図2ないし図4は、それぞれ、まだ使用されていない状態を示し、以下では、説明の便宜上、この状態を「初期状態」とも言う。また、説明の便宜上、図3に示す穿刺装置(挿入具)が患者に装着された状態を「装着状態」とも言う。
1.インプラント
まず、穿刺装置によって生体内に埋設されるインプラント(生体組織支持用留置物)9の一例について説明する。
図1に示すインプラント9は、女性の尿失禁の治療のための生体内に埋設可能な器具である。より具体的には、インプラント9は、尿道を支持する器具、例えば、尿道が膣壁側に移動しようとしたときに、その尿道を膣壁から離間する方向への移動を規制するように支持する器具である。このようなインプラント9としては、例えば、可撓性を有する長尺物を用いることができる。
図1に示すように、インプラント9は、インプラント本体91と、インプラント本体91の片端に連結された帯(連結部)92とを有している。なお、帯92に替えて、例えば、ガイドワイヤ、紐、糸等を用いてもよい。インプラント本体91は、網状をなし、その全体形状は、帯状である。インプラント本体91は、例えば、線状体を交差させて網状に編んだもの、すなわち、網状の編組体で構成することができる。線状体としては、例えば、その横断面形状が円形のものや、横断面形状が扁平形状のもの、すなわち帯状のもの等が挙げられる。
このような構成のインプラント9は、未使用状態で滅菌された包材90に収容されている。これにより、インプラント9の汚染を防止することができる。
インプラント本体91、帯92および包材90の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等のような生体適合性を有する各種樹脂材料、繊維等を用いることができる。
以上、インプラント9について説明したが、インプラント9としては、同様の効果を発揮することができれば、前記網状のものに限定されない。
2.穿刺装置
図2に示す穿刺装置1は、前述したインプラント9を生体内に埋設するのに用いる装置である。
図2に示すように、穿刺装置1は、フレーム(規制部)2と、挿入具6と、2本の穿刺部材7、8と、シース(医療用チューブ)3とを備え、フレーム2に、挿入具6と、穿刺部材7、8とが支持され、穿刺部材7、8にシース3が支持されている。また、挿入具6は、尿道挿入具4と、膣挿入具5とを有している。
以下、これら各部について順に説明する。
2−1.穿刺部材
穿刺部材7、8は、生体を穿刺するための部材である。これら穿刺部材7、8は、フレーム2の中心に対してほぼ左右対称に設けられている。
図2ないし図5に示すように、穿刺部材(第1穿刺部材)7は、穿刺針(第1穿刺針)71と、軸部(第1軸部)73と、穿刺針71と軸部73とを連結する連結部72とを有している。穿刺針71は、生体を穿刺する部位であり、中実で、略円弧状に湾曲しているとともに、その先端(針先)に刃面711を有している。また、軸部73は、穿刺針71の中心と交わり、穿刺針71の延在軸を含む平面f1と直交する軸J1上に延在している。また、連結部72は、穿刺針71の基端部と軸部73の先端部とを連結し、途中でほぼ直角に屈曲した略L字状をなしている。なお、これら穿刺針71、連結部72および軸部73は、一体的に形成されていてもよいし、少なくとも1つの部位が他の部位に対して別体として形成されていてもよい。
同様に、穿刺部材(第2穿刺部材)8は、穿刺針(第2穿刺針)81と、軸部83と、穿刺針81と軸部(第2軸部)83とを連結する連結部82とを有している。穿刺針81は、生体を穿刺する部位であり、中実で、略円弧状に湾曲しているとともに、その先端に刃面811を有している。また、穿刺針81は、穿刺針71とほぼ等しい曲率半径と中心角を有している。また、穿刺針81の延在軸は、穿刺針71と同じ平面f1内に位置している。また、軸部83は、穿刺針81の中心と交わり、平面f1と直交する軸J2上に延在している。また、連結部82は、穿刺針81の基端部と軸部83の先端部とを連結し、途中でほぼ直角に屈曲した略L字状をなしている。なお、これら穿刺針81、連結部82および軸部83は、一体的に形成されていてもよいし、少なくとも1つの部位が他の部位に対して別体として形成されていてもよい。
図2および図4に示すように、穿刺針71、81は、中央で基端同士を突き合わせるようにして配置され、先端同士が反対側を向いている。そのため、穿刺針71は、初期状態から図4中時計回り(第1方向)に回動することで生体に穿刺され、穿刺針81は、初期状態から図4中反時計回り(第2方向)に回動することで生体に穿刺される。そして、最終的に、穿刺針71、81の先端部同士が当接し、刃面711、811が対面して重なり合う。反対に、穿刺針71は、穿刺状態から図4中反時計回りに回動することで生体から抜去され、穿刺針81は、穿刺状態から図4中時計回りに回動することで生体から抜去される。特に、穿刺針71、81が共に円弧状に湾曲しているため、上述のような生体への穿刺および抜去をよりスムーズに行うことができる。
また、軸J1、J2は、互いに略平行にかつ近接して設けられている。これにより、穿刺部材7、8の先端を実質的に同じ円の円周に沿って移動させることができる。そのため、穿刺針71、81の穿刺をよりスムーズに行うことができ、また、穿刺針71、81の穿刺経路をより短くすることができる。また、穿刺針71、81が共に平面f1内を移動するため、この点からも、穿刺針71、81の穿刺をよりスムーズに行うことができ、さらには、刃面711、811が重なり易くもなる。
なお、軸J1、J2の離間距離としては、穿刺部材7、8の回動を阻害しない限り、短い程好ましく、具体的には、例えば10mm以下程度であるのが好ましく、5mm以下程度であるのがより好ましい。
また、穿刺針71、81の中心角θ6としては、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、穿刺針71の先端が、患者の一方の鼠蹊部から体内に入り、一方の閉鎖孔を通過して尿道と膣の間に到達でき、穿刺針81の先端が、患者の他方の鼠蹊部から体内に入り、他方の閉鎖孔を通過して尿道と膣の間に到達できるように設定される。具体的には、穿刺針71、81の中心角θ6は、それぞれ、例えば、80°〜180°程度であることが好ましく、100°〜160°程度であることがより好ましい。これにより、上記の効果を発揮することができるとともに、穿刺針71、81が過度に長くなってしまうのを防止することができる。
後述するように、穿刺針71には分割片31が被せられ、穿刺針81には分割片32が被せられている。そのため、穿刺針71、81の形状は、分割片31、32の内部空間の形状に合わせて設計されている。より具体的には、穿刺針71、81は、その横断面形状が分割片31、32の内部空間の横断面形状とほぼ等しくまたは若干小さくなるように設計されている。これにより、穿刺針71、81が、分割片31、32を補強するスタイレットとして機能し、分割片31、32の変形を抑制することができる。ただし、穿刺針71、81の形状は、分割片31、32に挿入することができれば、分割片31、32の内部空間に合わせて設計されていなくてもよく、例えば、円形、楕円形、四角形等の横断面形状を有していてもよい。
このような構成の穿刺部材7、8の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料等を用いることができる。
2−2.シース
シース3は、チューブ状をなし、その内部空間を利用して、生体内にインプラント9を留置するのに用いられる部材である。
図4に示す初期状態では、シース3は、接続可能な2つのチューブ状の分割片31、32に分かれている。分割片(第1医療用チューブ)31は、穿刺針71に抜去可能に被せられ、分割片(第2医療用チューブ)32は、穿刺針81に抜去可能に被せられている。また、分割片32の先端部は、分割片31の先端部よりも細く構成されており、分割片32の先端部を分割片31の先端部内に挿入することにより、分割片31、32を接続することができるようになっている。
また、図4に示す初期状態では、分割片31の先端開口から穿刺針71の先端部が突出しているとともに、分割片31の基端が連結部72に当接している。これにより、分割片31は、穿刺針71の生体への穿刺を阻害することなく、また、穿刺時に穿刺針71の延在方向にずれることもない。同様に、分割片32の先端開口から穿刺針81の先端部が露出しているとともに、分割片32の基端が連結部82に当接している。これにより、分割片32は、穿刺針81の生体への穿刺を阻害することなく、また、穿刺時に穿刺針81の延在方向にずれることもない。そのため、穿刺針71、81の生体への穿刺および分割片31、32の生体への導入をスムーズに行うことができる。
なお、図5(a)に示すように、穿刺針71、81を生体へ穿刺し、生体内にて互いの刃面711、811を対面させて重ね合わせただけでは分割片31、32を接続することができず、そこから更に、図5(b)に示すように、分割片31、32(少なくとも分割片31)を先端側(相手側)へ押し込むことで、分割片31、32を接続することができる。このような方法によれば、簡単に分割片31、32を接続することができる。また、術者は、手から得られる感覚で分割片31、32が接続されたか否かを判断することができる。
なお、本実施形態では、穿刺針71、81の先端部に略平坦面で構成されている刃面711、811を設け、これら刃面711、811が対面して重なり合うように構成されているため、穿刺針71、81の境界部に不要な隙間や段差が形成され難い。そのため、前述したような分割片31、32の接続をスムーズに行うことができる。
同図に示すように、分割片31、32を接続した状態では、分割片31、32の基端部がそれぞれ体外へ露出している。これにより、後述する手技の説明で述べるように、シース3へのインプラント9の挿入を容易に行うことができる。特に、図6に示すように、分割片32の横断面形状と穿刺針71の横断面形状とがほぼ等しくなっているため、分割片32と穿刺針71との間に引っ掛かりが生じ難く、分割片31、32の接続をスムーズに行うことができる。
分割片31、32が接続された状態のシース3の中心角θ4(図5(b)参照)は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、尿道と膣の間を通過して、両鼠蹊部から体外に突出することができるように設定される。具体的には、中心角θ4は、150°〜270°程度であることが好ましく、170°〜250°程度であることがより好ましく、190°〜230°程度であることがさらに好ましい。
本実施形態では、分割片31、32がほぼ同じ長さとなっており、分割片31、32を接続した状態では、これらの境界部(シース3の中央部)が尿道と膣の間に位置することとなる。
ここで、前述したように、本実施形態では、穿刺針71の形状が分割片31の内部空間の形状に合わせて設計され、穿刺針81の形状が分割片32の内部空間の形状に合わせて設計されている。そのため、穿刺針71、81に対する分割片31、32の回転を防止することができ、分割片31、32を所定の姿勢で生体内に配置することができる。また、穿刺針71が分割片31の先端側開口を塞いでいるため、穿刺針71の穿刺時に分割片31の先端側開口から内部空間内への生体組織の侵入を抑制することができ、同様に、穿刺針81が分割片32の先端側開口を塞いでいるため、穿刺針81の穿刺時に分割片32の先端側開口から内部空間内への生体組織の侵入を抑制することができる。そのため、シース3の内部空間が生体組織で汚れてしまったり、詰まったりしてしまうのを抑制でき、インプラント9の留置をスムーズに行うことができる。
以上のような分割片31、32は、それぞれ、光透過性を有し、外部から内部の様子が視認可能になっているのが好ましい。これにより、内部に挿入されている穿刺針71、81の状態(例えば、破損の有無)を確認することができ穿刺装置1の安全性がより向上する。
次に、分割片31、32を接続した状態のシース3の形状を詳細に説明する。
図7(a)に示すように、シース3は、円弧状に湾曲した湾曲形状をなしている。また、図7(b)に示すように、シース3は、短軸J31と長軸J32とを有する扁平な横断面形状となっている。シース3を扁平形状とすることで、シース3内でインプラント本体91を所望の姿勢に制御することができる。
なお、シース3の扁平形状としては、特に限定されず、例えば、楕円形、断面凸レンズ形状、角部が丸みを帯びたひし形、角部が丸みを帯びた長方形(平ら形状)、中央部が両端部よりも拡大した(拡径した)紡錘形等とすることができる。
また、シース3の内部空間の幅(長軸J32方向の長さ)は、インプラント本体91の幅とほぼ同じに設計されている。これにより、インプラント9とシース3との摩擦抵抗が低くなり、インプラント9に不要な力が掛からず、インプラント本体91を十分に展開した状態でシース3内に配置することができる。ただし、シース3の内部空間の幅は、インプラント本体91の幅よりも短くてもよい。この場合は、シース3の幅を抑えられるため、より低侵襲となる。
なお、以下では、説明の便宜上、図7(b)に示すように、シース3の長軸J32方向の内側に位置する端部を「内周部A1」とも言い、長軸J32方向の外側に位置する端部を「外周部A2」とも言い、上側に向く面を「表面A3」とも言い、下側に向く面を「裏面A4」とも言う。
図7(b)に示すように、シース3の中央部S4の円弧の中心点とシース3の長手方向に対する横断面形状の中心点の両方を含む面(シース3の中心軸を含む面)を平面f9とし、平面f9と中央部S4での短軸J31とのなす角を傾斜角θ1としたとき、傾斜角θ1は、鋭角であるのが好ましい。傾斜角θ1を鋭角とすることで、後述するように、インプラント本体91を尿道とほぼ平行に配置することができる。そのため、尿道をより効果的に支持することができる。
傾斜角θ1としては、鋭角であれば特に限定されないが、例えば、20°〜60°程度であるのが好ましく、30°〜45°であるのがより好ましく、35°〜40°程度であるのがさらに好ましい。これにより、上述の効果がより一層向上する。傾斜角θ1は、シース3の延在方向全域で上記数値範囲を満足しているのが好ましいが、少なくとも中央部S4にて上記数値範囲を満足していれば良い。ここで、「中央部S4」とは、少なくとも、シース3を生体内に配置した状態で、尿道と膣との間に位置する部位を含む領域を言う。
シース3の構成は、次のように言い換えることもできる。すなわち、図7(b)に示すように、シース3は、円弧の中心軸J5に対して長軸J32が傾斜するように形成されており、中心軸J5と長軸J32の延長線J32’が交点Pを有するように構成されているとも言える。この場合、中心軸J5と延長線J32’とのなす角θ5が傾斜角θ1と等しくなる。
また、シース3の構成は、次のように言い換えることもできる。図7(b)に示すように、シース3は、シース3の中心軸J5方向から見た平面視にて、その内周縁に位置し最少曲率半径r1を有する内周部A1と、外周縁に位置し最大曲率半径r2を有する外周部A2とを備え、内周部A1および外周部A2が中心軸J5方向にずれて位置するように構成されているとも言える。
以上のようなシース3の構成材料としては、体内に挿入された状態で形状や内部空間を維持するような硬質材料が好ましい。このような硬質材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステルエラストマー、ポリプロピレン等の各種樹脂材料やステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料等を用いることができる。
なお、シース3の構成として硬質材料を採用する他に、硬質材料以外の材料を採用する場合は、壁を補強部材で補強することでも達成される。例えば、高強度の編組体を壁内に埋め込むことで、体内に挿入された状態で形状や内部空間を維持することができる。補強部材の他の例としては、シース3の壁に螺旋状物を埋め込むことにより挿入物の摺動可能な程度に内部空間を保持しつつ可撓性を備えることが可能となる。
また、シース3の両端部には、中央部S4から等しい位置であって、シース3が生体に配置された状態で生体外へ突出する部分にマーカーが設けられていてもよい。これにより、両マーカーの位置を比べることによって、中央部S4の生体内での位置を確認することができる。
2−3.フレーム
フレーム2は、フレーム本体(支持部)20と、フレーム本体20に内蔵された回動操作部25とを有している。
フレーム本体20は、分割片31、32が装着された穿刺部材7、8を回動可能に保持し、また、挿入具6を着脱自在に固定する。
フレーム本体20は、穿刺部材7、8が生体組織を穿刺する際に、穿刺針71、81の穿刺経路を定める機能を有している。具体的には、フレーム本体20は、穿刺針71、81を、尿道挿入具4と膣挿入具5との間で、これらに衝突せずに当接させるように、穿刺部材7、8、尿道挿入具4および膣挿入具5の位置関係を定めている。すなわち、フレーム本体20は、穿刺針71、81が先端側へ回動したとき、穿刺針71、81の少なくとも一方の先端(穿刺針71、81の穿刺方向の延長線)が尿道挿入具4よりも軸J1、J2から遠位側を通過して、穿刺針71、81の先端部同士が係合するように、穿刺部材7、8と尿道挿入具4との位置関係を規制している。
図2および図3に示すように、フレーム本体20は、穿刺部材7、8の軸部73、83を軸受する軸受部21と、穿刺部材7、8を案内する案内部22と、軸受部21と案内部22とを連結する連結部23と、挿入具6を固定する固定部24とを有している。
軸受部21は、穿刺装置1の基端側に位置し、軸J1、J2に対してほぼ直交する方向に延在している。軸受部21の軸J1上には貫通孔が形成されており、この貫通孔に軸部73が回動自在に挿入されている。また、軸受部21の軸J2上にも貫通孔が形成されており、この貫通孔に軸部83が回動自在に挿入されている。これにより、フレーム本体20に穿刺部材7、8が軸J1、J2まわりに回動可能な状態で支持される。
案内部22は、穿刺装置1の先端側に位置し、軸受部21と対向配置されている。案内部22は、穿刺部材7、8の内側に位置し、穿刺部材7、8に沿って延びる円弧状をなし、穿刺部材7、8を内側から支えるような構成となっている。分割片31、32は、それぞれ、裏面A4が先端側に位置し、表面A3が基端側に位置するように案内部22に配置されている。
連結部23は、軸受部21と案内部22とを連結している。また、連結部23は、軸J1、J2とほぼ平行に延在する棒状をなしている。連結部23は、把持部としても機能する。術者は、連結部23を把持することで、穿刺装置1を安定した状態で使用することができる。
固定部24は、軸J1、J2を介して連結部23と対向配置されている。図8に示すように、固定部24は、挿入具6が有する後述する支持部40、50を嵌め込む凹部243と、雄ネジ244とを有している。このような固定部24では、支持部40、50を凹部243へ嵌め込み、さらに、雄ネジ244を支持部40に締め込むことで、挿入具6を固定部24に固定することができる。
以上のようなフレーム本体20には回動操作部25が内蔵されている。回動操作部25は、穿刺針71、81を連動させて、同時に、反対方向(異なる方向)へ、等しい回動角で回動させるための機構である。このような回動操作部25を備えることで、穿刺針71、81を連動させて、同時に生体へ穿刺することができるため、穿刺装置1の操作を簡単に行うことができるとともに、手技にかかる時間を短くすることができる。また、穿刺針71、81の動きを一定に制御することができるため、穿刺装置1を正しく安全に用いることができる。
回動操作部25の構成としては、上記の機能を発揮することができれば、特に限定されないが、図9に示すように、本実施形態の回動操作部25は、軸受部21の後側に設けられたハンドル251を有し、このハンドル251には穿刺部材7の軸部73が固定されている。また、回動操作部25は、軸受部21に内蔵された変換部252を有しており、この変換部252によって、ハンドル251の回動が、穿刺針71の回動と穿刺針81の回動とに変換される。変換部252は、2つの歯車252a、252bを有し、歯車252aが軸部73に固定され、歯車252bが歯車252aと噛合した状態で軸部83に固定されている。また、歯車252a、252bのギア比は略1:1となっており、歯車252a、252bの回動角が等しくなっている。このように、歯車を用いた構成とすることで、回動操作部25が簡単な構成となる。
ハンドル251を時計回りに回せば、穿刺針71が時計回りに回動するとともに、穿刺針81が反時計回りに穿刺針71と同じ角度だけ回動し、反対に、ハンドル251を反時計回りに回せば、穿刺針71が反時計回りに回動するとともに、穿刺針81が時計回りに穿刺針71と同じ角度だけ回動する。このように、回動操作部25によれば、ハンドル251を回すだけで穿刺針71、81の同時穿刺が可能となるため、穿刺装置1の使用が簡単となる。特に、穿刺針71、81が同じ回動角で回動するため、穿刺針71、81の動きを予想し易く、より安全に穿刺装置1を使用することができる。また、穿刺針71、81が同じ回動角で回動するため、穿刺針71、81の長さを比較的短く揃えることができ、穿刺針71、81の剛性の低下を抑えることもできる。
なお、本実施形態では穿刺部材7、8を手動で操作するためにハンドル251を設けているが、例えばモーター等の駆動源を用いてハンドル251を操作する場合にはハンドル251を省略することもできる。この場合、例えば連結部23に、モーターの駆動を制御するボタン(順回転ボタン、逆回転ボタン等)を配置すればよい。
2−4.挿入具
図10に示すように、挿入具6は、尿道挿入具4と、膣挿入具5とを有している。
−尿道挿入具−
尿道挿入具4は、その途中まで尿道内に挿入される長尺状の尿道挿入部41と、尿道挿入部41を支持する支持部40とを有している。尿道挿入部41および支持部40の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料、各種樹脂材料を用いることができる。
また、尿道挿入部41(支持部40より先端側の部分)の長さとしては特に限定されず、患者の尿道の長さおよび膀胱の形状等によって適宜設定されるが、一般的な女性の尿道の長さが30mm〜50mm程度であるため、それに合わせて50mm〜100mm程度とするのが好ましい。
尿道挿入部41は、真っ直ぐな管状をなしている。このような尿道挿入部41の先端部には、伸展性を有し、拡張/収縮自在な拡張体であるバルーン42と、尿排出部47とが設けられている。
バルーン42は、尿道挿入部41を尿道に挿入したときに、膀胱内に位置するように配置されている。また、バルーン42は、尿道挿入部41内を通ってその基端部に設けられたバルーンポート431に接続されている。バルーンポート431にはシリンジ等のバルーン拡張器具を接続することができ、バルーン拡張器具からバルーン42に作動流体(生理食塩水等のような液体、気体等)を供給するとバルーン42が拡張し、反対に、バルーン拡張器具によってバルーン42から作動流体を抜き取るとバルーン42が収縮する。なお、図10では、バルーン42が収縮した状態を二点鎖線で示し、バルーン42が拡張した状態を実線で示している。
尿排出部47は、尿道挿入部41を尿道に挿入した状態で、膀胱内の尿を排出するために用いられる。この尿排出部47には尿排出部47の内外を連通する尿排孔471が設けられている。また、尿排孔471は、尿道挿入部41内を通ってその基端部に設けられた尿排出ポート432に接続されている。そのため、尿排孔471から導入した尿を尿排出ポート432から排出することができる。
これらバルーン42および尿排出部47は、例えば、ダブルルーメンによって構成することができる。
また、尿道挿入部41の途中には、尿道挿入部41の尿道への挿入深さを確認するためのマーカー46が設けられている。マーカー46は、尿道挿入部41を尿道内に挿入し、バルーン42が膀胱内に位置するとき尿道口に位置する。これにより、簡単に、尿道挿入部41の尿道への挿入深さを確認することができる。なお、マーカー46としては、外部から視認できれば良く、例えば、着色部、凹凸部等により構成することができる。また、マーカー46に替えて、尿道挿入部41の先端からの距離が記された目盛を設けてもよい。
また、尿道挿入部41の途中(マーカー46より先端側)には複数の吸引孔44が形成されている。複数の吸引孔44は、尿道挿入部41の周方向の全域にわたって配置されている。各吸引孔44は、尿道挿入部41内を通って支持部40に設けられた吸引ポート433に接続されている。吸引ポート433にはポンプ等の吸引装置を接続することができ、尿道挿入部41を尿道に挿入した状態で吸引装置を作動させると、吸引孔44に尿道壁を吸着固定することができる。特に、本実施形態のように、複数の吸引孔44を尿道挿入部41の周方向の全域にわたって設けることで、尿道挿入部41に尿道壁の広い範囲を吸着固定することができる。
尿道挿入部41に尿道壁を吸着・固定した状態で、尿道挿入部41を体内側(尿道挿入部41の先端側)へ押し込むと、これとともに尿道および膀胱が体内側へ押し込まれ、膀胱を穿刺針71、81の穿刺経路と重ならない位置にずらすことができる。そのため、穿刺針71、81の穿刺経路をより大きく確保することができ、穿刺針71、81の穿刺を正確かつ安全に行うことができる。
なお、吸引孔44の数は、特に限定されず、例えば、1つであってもよい。また、吸引孔44の配置は、特に限定されず、例えば、尿道挿入部41の周方向の一部にのみ形成されていてもよい。
次に、尿道挿入部41と穿刺針71、81との傾きについて説明する。図3に示すように、刺部材71、81の回動軸J1、J2は、尿道挿入部41の軸J3との間の離間距離が先端側に向かって増大するように、尿道挿入部41の軸線に対して傾斜している。軸J1、J2と軸J3のなす角、言い換えると尿道挿入部41の軸J3に直交する平面f2に対する平面f9(平面f1)の傾斜角θ2としては、特に限定されないが、20°〜60°程度であるの好ましく、30°〜45°程度であるのがより好ましく、35°〜40°程度であるのがさらに好ましい。これにより、穿刺針71、81の穿刺を容易に行うことができ、また、穿刺針71、81による穿刺距離をより短くすることができる。
具体的に説明すると、傾斜角θ2を上記範囲内とすることによって、図11(a)に示すように、穿刺針71が骨盤1100の一方の閉鎖孔1101を平面的に広く捉えることができ、穿刺針71の穿刺スペースを広く確保することができる。同様に、穿刺針81が骨盤1100の他方の閉鎖孔1102を平面的に広く捉えることができ、穿刺針81の穿刺スペースを広く確保することができる。すなわち、患者を所定の体位(砕石位)にした状態で、閉鎖孔1101、1102に対して穿刺針71、81を比較的垂直方向に穿刺することができる。そのため、穿刺針71、81の穿刺を容易に行うことができる。
閉鎖孔1101、1102に対して穿刺針71、81を比較的垂直方向に穿刺することで、穿刺針71、81が組織の浅い部分を通過するため、穿刺針71、81の先端が閉鎖孔1101、1102の間をより短い距離で通過する。そのため、図11(b)に示すように、穿刺針71、81を閉鎖孔1101、1102の恥骨結合1200寄り、好ましくは、セーフティゾーンS5を通過させることができる。セーフティゾーンS5は、損傷を避けたい神経や血管が少ない部位であるため、セーフティゾーンS5を通過させることで、穿刺針71、81を安全に穿刺することができる。そのため、より低侵襲となり、患者の負担を小さく抑えることができる。
このように、傾斜角θ2を上記範囲とすることによって、患者への穿刺針71、81の穿刺をより適切に行うことができる。また、上述の角度にて穿刺することにより、尿道の長さ方向における中位部を指す中部尿道と膣の間の組織を目標にし易くなる。ここで、中部尿道と膣の間は、インプラント9を埋設して尿失禁の治療を行う部位として適した位置であるため、中部尿道と膣の間の組織を目標とすることで、より効果的な治療を行うことができる。
なお、傾斜角θ2が上記下限値未満の場合または上記上限値を超える場合は、患者の個体差、手技中の姿勢等によっては、穿刺針71、81が閉鎖孔1101、1102を平面的に広く捉えることができなかったり、穿刺針71、81の穿刺経路を十分に短くすることができなかったりする場合がある。
また、穿刺装置1では、傾斜角θ2が一定となるように尿道挿入具4がフレーム2に固定されているが、これに限定されず、傾斜角θ2が可変となっていてもよい。これにより、患者に合わせて傾斜角θ2を調節することができるため、より使い勝手のよい穿刺装置1となる。また、刺部材71、81の回動軸J1、J2が、尿道挿入部41の軸J3との間の離間距離が先端側に向かって減少するように、尿道挿入部41の軸線に対して傾斜していてもよい。
−膣挿入具−
図10に示すように、膣挿入具5は、途中まで膣内に挿入される長尺状の膣挿入部51と、膣挿入部51を支持する支持部50とを有している。また、膣挿入部51は、先端側に位置する先端部52と、先端部52の基端部に接続された軸部53とを有し、軸部53が支持部50に支持されている。
また、支持部50には雄ネジ501が設けられており、この雄ネジ501を支持部40の雌ネジ(図示せず)に締め込むことにより、膣挿入具5を尿道挿入具4に固定することができる。
膣挿入部51および支持部50の構成材料としては、特に限定されず、例えば、尿道挿入具4(尿道挿入部41および支持部40)と同様に、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料、各種樹脂材料を用いることができる。
先端部52は、長尺状をなしている。また、先端部52は、先端に向かう程、尿道挿入部41から離間するように、上面(尿道挿入部41側の面)52aが尿道挿入部41に対して傾斜している。これにより、尿道挿入部41および先端部52の位置関係を実際の尿道と膣の位置関係に近づけることができる。そのため、装着状態にて、穿刺装置1がより安定して患者に保持されるとともに、患者への負担が軽減される。また、先端部52と尿道挿入部41との間に、穿刺針71、81を穿刺するためのスペースを広く確保することができるため、穿刺針71、81の安全な穿刺を行うことができる。
上面52aの尿道挿入部41に対する傾斜角θ3としては特に限定されないが、例えば、0°〜45°程度であるのが好ましく、0°〜30°程度であるのがより好ましい。これにより、上記効果をより顕著に発揮することができる。これに対して、傾斜角θ3が上記下限値未満の場合や上記上限値を超えた場合は、患者の個体差、手技中の姿勢等によっては、装着状態にて膣や尿道が不自然に変形し、穿刺装置1が安定して保持されない場合がある。
先端部52は、穿刺装置1の上下方向(尿道と膣の配列方向)に潰れた扁平形状をなしている。また、図12に示すように、先端部52は、その幅がほぼ一定な中央部と、丸みを帯びた先端部とを有している。先端部52の長さL2としては、特に限定されないが、20〜100mm程度であるのが好ましく、30〜60mm程度であるのがより好ましい。また、先端部52の幅W1としては、特限定されないが、10〜50mm程度であるのが好ましく、20〜40mm程度であるのがより好ましい。また、先端部52の厚みとしては、特限定されないが、5〜25mm程度であるのが好ましく、10〜20mm程度であるのがより好ましい。このような長さ×幅×厚みとすることで、先端部52が一般的な膣に適した形状、大きさとなる。そのため、装着状態における穿刺装置1の安定性が増すとともに、患者への負担が低減される。
また、図12に示すように、先端部52の上面52aには複数の有底の凹部55が形成されている。各凹部55の底面には吸引孔59が設けられており、各吸引孔59は、先端部52内を通ってその基端部に設けられた吸引ポート54に接続されている。吸引ポート54は、装着状態において生体外に位置するように設けられている。吸引ポート54にはポンプ等の吸引装置を接続することができ、先端部52を膣内に挿入した状態で吸引装置を作動させると、先端部52に膣前壁が吸着固定される。膣前壁を先端部52に吸着固定させた状態で、膣挿入部51を体内側(膣挿入部51の先端側)へ押し込むと、これとともに膣を押し込むことができる。そのため、膣の配置や形状を整えることができ、穿刺針71、81の穿刺経路を十分に確保することができる。その結果、穿刺針71、81の穿刺を正確かつ安全に行うことができる。
なお、凹部55の数としては特に限定されず、1つであってもよい。
図10に示すように、凹部55が形成されている領域S2は、吸引孔44が形成されている領域S1と対向している。そして、穿刺装置1は、これら領域S1、S2の間を穿刺針71、81の先端が通過するように構成されている。前述したように、領域S1では尿道壁が尿道挿入部41に吸着され、領域S2では膣壁が先端部52に吸着されているため、領域S1、S2の間では尿道壁と膣壁とがより広く且つより確実に離間している。このような領域に穿刺針71、81を通過させることにより、穿刺針71、81をより安全に穿刺することができる。
なお、図12に示すように、領域S2は、上面52aの幅方向のほぼ全域にわたっているのが好ましい。領域S2の幅W2としては、特に限定されないが、9〜49mm程度であるのが好ましく、19〜39mm程度であるのがより好ましい。これにより、各患者の膣壁の形状にあまり影響を受けずに、膣壁をより確実に先端部52に吸着させることができる。
特に、患者によっては、図13(a)に示すように、膣前壁の中央部1401が膣内へ垂れ下がり、その両側に窪んだ部分(「ボタンホール」とも呼ばれる部位)1402が存在した膣1400を有している場合がある。このような場合でも、図13(b)に示すように、中央部1401のみならず、窪んだ部分1402もより確実に吸着することができる。このように、窪んだ部分1402を先端部52により確実に吸着することで、窪んだ部分1402を尿道1300から遠ざけることができ、窪んだ部分1402に穿刺針71、81が穿刺されてしまうことを効果的に防止することができる。
また、先端部52には、穿刺針71、81の穿刺経路を確認することのできるマーカー57が設けられている。マーカー57は、その上方に位置する膣壁と尿道壁の間を穿刺針71、81が穿刺するように設けられているため、マーカー57の位置を確認することで、穿刺針71、81の穿刺経路を容易に確認でき、穿刺装置1の操作性および安全性が向上する。マーカー57は、少なくとも、先端部52の下面に設けられていることが好ましい。下面は、挿入状態にて、膣口側を向き、膣口を介して術者が視認できる面であるため、下面にマーカー57を設けることで、より確実に、穿刺針71、81の穿刺経路を確認することができる。マーカー57としては、外部から視認できれば良く、例えば、着色部、凹凸部等により構成することができる。
以上のような先端部52と尿道挿入部41との離間距離Dとしては、特に限定されないが、一般的な女性における尿道口と膣口との離間距離に対応させて、5〜40mm程度であるのが好ましい。
軸部53は、尿道挿入部41とほぼ平行に延在する細い棒状をなしている。軸部53の長さ(先端部52と支持部50の離間距離)としては、特に限定されないが、100mm以下程度であるのが好ましく、20〜50mm程度であるのがより好ましい。これにより、軸部53を適切な長さとすることができ、穿刺装置1の操作性が向上する。仮に、軸部53の長さが上記上限値を超えると、フレーム2の構成等によっては、穿刺装置1の重心が患者から大きく離れてしまい、装着状態での穿刺装置1の安定性が低下する場合がある。
以上、挿入具6について説明した。なお、本実施形態の挿入具6では、尿道挿入具4と膣挿入具5とが着脱自在に構成されていたが、これに限定されず、尿道挿入具4と膣挿入具5が着脱不可となっていてもよい。また、尿道挿入部41が支持部40に対して固定されているが、これに限定されず、尿道挿入部41が支持部40に対してその軸方向にスライド可能となっていてもよい。この場合、例えば、支持部40に設けられた所定の雄ネジを緩めれば、尿道挿入部41が支持部40に対してスライド可能な状態となり、ネジを締め込めば、尿道挿入部41が支持部40に固定された状態となる構成となっていてもよい。この構成によれば、尿道挿入部41の長さ(支持部40より先端側の長さ)を調節することができるため、より使い勝手のよい挿入具6となる。このことは、膣挿入部51についても同様である。
3.穿刺装置1の使用方法(穿刺方法)
次に、穿刺装置1の使用方法、すなわち、穿刺装置1を用いてインプラント9を生体内に埋設する方法について説明する。
まず、患者を手術台上で砕石位とし、図14(a)に示すように、挿入具6を患者に装着する。
具体的には、まず、尿道挿入具4の尿道挿入部41を尿道1300内に挿入する。この際、マーカー46で挿入深さを確認し、バルーン42を膀胱1310内に配置する。尿道1300は、尿道挿入部41によりその所定形状(直線状)に矯正される。次に、バルーン42を拡張させるとともに、必要に応じて尿排孔471を介して膀胱1310内から尿を排出する。一方で、膣挿入具5の膣挿入部51を膣1400内に挿入する。そして、マーカー57を用いて穿刺針71、81の穿刺経路を確認した後、支持部50を支持部40に固定する。これにより、患者への挿入具6の装着が完了する。
次に、吸引ポート433、54に吸引装置を接続し、吸引装置を作動させ、尿道壁を尿道挿入部41に吸着させるとともに、膣前壁を膣挿入部51に吸着させる。例えば、尿道壁が尿道挿入部41にきちんと吸着されれば、吸引孔44が尿道壁によって塞がれるため、吸引ポート433からの吸引が停止または弱まる。同様に、膣前壁が膣挿入部51にきちんと吸着されれば、吸引孔59が膣壁によって塞がれるため、吸引ポート54からの吸引が停止または弱まる。そのため、術者は、吸引ポート433、54からの吸引具合(例えば、吸引により発生する音の大小)から、尿道壁、膣前壁が尿道挿入部41、膣挿入部51にきちんと吸着されているか否かを確認することができる。
なお、挿入具6は、機械的に吸着状態を確認する確認機構を有していてもよい。確認機構としては、吸着状態を確認することができれば、特に限定されないが、例えば、吸引ポート433、54からの流量を測定する流量測定部(負圧計)と、この流量測定部からの測定結果に基づいて吸着がきちんと行われているか否かを判断する判断部とを有する構成とすることができる。
次に、必要に応じて、液性剥離を行う。具体的には、図14(b)に示すように、尿道挿入部41と膣挿入部51との間から注射器2000の穿刺針を膣前壁に穿刺し、尿道1300と膣1400との間(領域S1、S2の間)の生体組織へ、生理食塩水、局所麻酔薬等の液体を注入する。これにより、領域S1、S2の間の生体組織が膨張し、それによって、尿道壁が尿道挿入部41に押し付けられるとともに、膣前壁が膣挿入部51へ押し付けられる。
ここで、液性剥離中も吸引孔44、59からの吸引を継続して行うのが好ましい。液性剥離によって尿道壁が尿道挿入部41に押し付けられると、吸引ポート433からの吸引が停止または弱まる。同様に、膣前壁が膣挿入部51に押し付けられると、吸引ポート45からの吸引が停止または弱まる。したがって、術者は、吸引ポート433、54からの吸引具合から、きちんと液性剥離が行われたか否かを確認することができる。
液性剥離を行い、尿道壁と膣前壁とが十分に離間した状態とした後、図15(a)に示すように、挿入具6にフレーム2を固定する。これにより、穿刺装置1が患者に装着された状態となる。この状態では、骨盤1100と穿刺装置1との位置関係が、図16に示すような状態となる。
そして、図15(b)に示すように、穿刺装置1を体内側へ押し込む。前述したように、尿道挿入部41には尿道壁が吸着されており、膣挿入部51には膣壁が吸着されているため、穿刺装置1を体内へ押し込むと、それと共に尿道1300および膣1400が押し込まれ、これらの間の組織が延ばされる。そのため、当該組織のたるみが減り、当該組織への穿刺針71、81の穿刺がより容易となる。
次に、穿刺装置1を体内側へ押し込んだ状態で、穿刺針71、81の穿刺経路が骨盤の左右の閉鎖孔1101、1102のセーフティゾーンS5を通過するように穿刺装置1を位置決めし、この状態を維持しつつ、ハンドル251を回転操作する。
これにより、図17(a)に示すように、穿刺針71が、患者の右側の鼠蹊部またはその近傍の部位の体表面H(第1部位)を穿刺して体内に入り、閉鎖孔1101を通過して尿道1300と膣1400との間に到達し、これととともに、穿刺針81が、患者の左側の鼠蹊部またはその近傍の部位の体表面H(第2部位)を穿刺して体内に入り、閉鎖孔1102を通過して尿道1300と膣1400との間に到達する。そして、尿道1300と膣1400との間付近の所定位置で穿刺針71、81の先端部同士が当接し、刃面711、811が対面して重なり合う。この際、前述したように、穿刺針71、81を閉鎖孔1101、1102に対して略垂直に穿刺することにより、インプラント9の留置に適した位置に通路を形成することができる。この状態では骨盤1100と穿刺装置1との位置関係が図18に示すような状態となる。
次に、分割片31、32を共に生体内へ押し込み、これらを接続する。これにより、生体内にシース3が配置される。次に、ハンドル251を操作して、穿刺針71、81を穿刺時とは反対回りに回転させ、シース3を生体内に配置したまま、穿刺針71、81のみを生体内から抜去する。次に、挿入具6からフレーム2を取り外す。これにより、図17(b)に示すように、シース3のみが生体内に配置された状態となる。シース3は、両端開口が共に生体外に露出した状態で生体内に配置される。
次に、必要に応じて、シース3の位置を整える。具体的には、シース3の左右の突出長さを揃えて、シース3の中央部S4を尿道1300と膣1400との間に位置させる。この状態では、図19に示すように、シース3の中央部S4は、その幅方向(長軸J32方向)Wが尿道1300とほぼ平行に配置されている。すなわち、尿道挿入部41が挿入されて矯正された尿道1300とシース3の中央部S4の幅方向Wとが実質的に平行となっている。
次に、インプラント9を包材90から取り出しつつシース3内に挿入し、図20(a)に示すように、インプラント本体91をシース3の両端開口から突出させた状態とする。このように、シース3内に配設する直前まで、インプラント9を包材90に収容することで、インプラント9の汚染を防止することができる。なお、前述したように、シース3が扁平形状なしているため、この扁平形状にインプラント本体91の姿勢が倣い、インプラント本体91は、その幅方向がシース3の幅方向と一致するように、シース3内に配置される。尿道1300との関係からは、インプラント本体91は、矯正された尿道1300と平行に配置されている。
次に、分割片31、32を共に基端側へ引っ張って、分割片31、32の接続を解除するとともに、分割片31、32を生体から引き抜く。この際、分割片31、32を反対方向にほぼ同時に移動させ、分割片31、32をそれぞれその形状に沿うように円弧状に移動させる。これにより、シース3を生体からスムーズに取り除くことができる。
分割片31、32を前述のようにして生体から取り除いていくと、シース3により押し広げられていた周囲の組織が元の位置に戻り、インプラント本体91の中央部から両端部に向けて徐々に組織がインプラント本体91に接触していく。前述したように、分割片31、32をその形状に沿った方向に移動させていることと、シース3がインプラント本体91を十分に低摩擦で移動可能な内部空間を備えることにより、インプラント本体91に不要な引張力が掛からずそのままの状態で留置することができる。これにより、インプラント本体91のテンションの調節が不要になる。以上によって、図20(b)に示すように、インプラント本体91が生体に埋設された状態となる。
インプラント9が生体に埋設された状態では、インプラント本体91は、尿道1300と膣1400の間の領域にて、尿道1300とほぼ平行に配置される。そのため、インプラント本体91によって、尿道1300をより広域で支持することができる。
このように、シース3を分割して生体から取り除くことによって、シース3の生体からの抜去を容易に行うことができる。また、抜去中の分割片31、32が、尿道1300と膣1400の間の領域でのインプラント本体91の姿勢にほとんど影響を及ぼさないため、インプラント本体91を所望の姿勢で埋設することができる。
また、尿道挿入部41が尿道1300に挿入された状態で分割片31、32を生体内から抜去するため、生体内に留置するインプラント本体91により、過度のテンションが尿道1300にかかることを防ぐことが出来る。
次に、挿入具6を生体から抜去する。すなわち、尿道挿入部41を尿道1300から抜去し、膣挿入部51を膣1400から抜去する。尿道挿入具4を抜去した後、尿道1300は、自然状態の形状に戻るが、インプラント本体91が生体組織に埋め込まれているため、自然状態の尿道1300とインプラント本体91とが平行な状態を維持することができる。
その後、インプラント本体91の不要な部分を切除し、手技を終了する。
以上説明したように、穿刺装置1によれば、インプラント9を留置する際、その穿刺針71、81の穿刺等の低侵襲の手技のみで対応することができ、侵襲の大きい切開等を行わなくてよいので、患者の負担が少なく、また、患者の安全性も高い。特に、2本の穿刺針71、81を用いて生体の両側から穿刺することで、例えば、1本の穿刺針を用いて片側から穿刺する場合と比較して、穿刺針71、81の長さを短くすることができる。そのため、その分、穿刺時に受ける抵抗による穿刺針71、81の撓みや捩じれを抑制することができる。したがって、穿刺針71、81をより正確に穿刺することができ、より安全性が高くなる。
また、インプラント本体91を尿道1300と平行に埋設することができるため、尿道1300をより広域で支持することができる。また、穿刺針71、81が尿道1300および膣1400を避けて生体を穿刺することができるので、穿刺針71、81が尿道1300、膣1400を穿刺してしまうことを防止することができ、安全である。また、従来の膣を切開する場合のようにその切開により生じた傷口からインプラント9が膣内に露出してしまうことや、前記傷口から感染してしまう等の合併症が生じることを防止することができ、非常に安全であり、確実にインプラント9を埋設することができる。
<第2実施形態>
図21は、本発明の第2実施形態に係る穿刺装置が有する第1、第2穿刺針を示す断面図であり、第1、第2穿刺針が係合した状態を示している。なお、図21は、前述した第1実施形態の図6に対応する断面図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1穿刺針の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図21に示すように、本実施形態の穿刺針71は、管状をなしており、先端(刃面711)と基端とに開放する貫通孔713を有している。そして、穿刺針71、81を共に先端側へ回動させると、同図に示すように、穿刺針81の先端部が穿刺針71の先端側開口から貫通孔713内に挿入される。このように、穿刺針81の先端部を穿刺針71の先端部内に挿入することで、穿刺針71、81を、よりズレのない安定した状態で係合させることがきる。そのため、分割片31、32の接続作業をよりスムーズに行うことができる。
特に、本実施形態では、穿刺針71、81の刃面711、811が共に同じ方向(図21中上側)を向いている。そのため、穿刺針81がその先端から徐々に穿刺針71内に挿入されていくため、例えば、前述した第1実施形態のように刃面711、811が向き合っている場合と比較して、穿刺針81が穿刺針71内へ挿入され易い。そのため、より操作性の良い穿刺装置1となる。
なお、本実施形態では、穿刺針71が管状をなしているが、穿刺針71の構成としては、その先端部に穿刺針81を挿入可能に構成されていればこれに限定されず、例えば、先端部だけが管状になっており、基端部が中実となっていてもよい。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
図22は、本発明の第3実施形態に係る穿刺装置を示す斜視図である。図23は、図22に示す穿刺装置が有する第1、第2穿刺針を示す断面図であり、第1、第2穿刺針が係合した状態を示している。図24(a)および(b)は、それぞれ、図22に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図25は、図22に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。なお、図23は、前述した第1実施形態の図6に対応する断面図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1、第2穿刺針の構成が異なることおよびシースが省略されていること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図22に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、シース3すなわち分割片31、32が省略されている。
また、図23に示すように、穿刺針71、81は、それぞれ、管状をなしている。そのため、穿刺針71内には先端(刃面711)と基端とに開放する貫通孔(内部空間)713が形成されており、穿刺針81内には先端(刃面811)と基端とに開放する貫通孔(内部空間)813が形成されている。そして、穿刺針71、81を互いに先端側に回動させると、穿刺針81の先端部が穿刺針71の先端側開口から貫通孔713内に挿入されるようになっている。このように、穿刺針81の先端部を穿刺針71内に挿入することで、穿刺針71、81をよりずれのない安定した状態で係合させることがきる。
特に、本実施形態では、穿刺針71、81の刃面711、811が共に同じ方向(図23中上側)を向いている。そのため、穿刺針81がその先端から徐々に穿刺針71内に挿入されていき、例えば、前述した第1実施形態のように刃面711、811が向き合っている場合と比較して、穿刺針81が穿刺針71内へ挿入され易い。そのため、より操作性の良い穿刺装置1となる。
上述のようにして穿刺針71、81が係合すると、貫通孔713、813が連通し、インプラント9を挿入する空間が形成される。すなわち、本実施形態では、穿刺針71、81が前述した第1、第2実施形態のシース3を兼ねている。このように、穿刺針71、81がシース3を兼ねていることで、インプラント9の生体内への埋設をより円滑に行うことができる。
次に、本実施形態の穿刺装置1を用いたインプラント9の埋設方法を説明する。
まず、前述した第1実施形態と同様の工程を経て穿刺針71、81を生体へ穿刺し、図24(a)に示すように、穿刺針81の先端部を穿刺針71の先端部内へ挿入して穿刺針71、81を係合させる。これにより、貫通孔713、813が連通する。次に、インプラント9を穿刺針71、81内に挿入し、図24(b)に示すように、インプラント本体91を穿刺針71、81の両端開口から突出させた状態とする。次に、インプラント本体91を残したまま、穿刺針71、81を基端側へ回動させて、穿刺針71、81を共に生体から抜去する。以上によって、図25に示すように、インプラント本体91が生体に埋設された状態となる。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
図26は、本発明の第4実施形態に係る穿刺装置を示す斜視図である。図27は、(a)が第1穿刺針の先端部を示す斜視図であり、(b)が第2穿刺針の先端部を示す斜視図である。図28(a)および(b)は、それぞれ、第1穿刺針から第2穿刺針へのインプラントの受け渡しを説明するための断面図である。図29(a)および(b)は、それぞれ、図26に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1、第2穿刺針の構成が異なることおよびシースが省略されていること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図26に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、シース3すなわち分割片31、32が省略されている。
また、図27(a)、(b)に示すように、穿刺針71、81は、それぞれ、管状をなしている。そのため、穿刺針71内には先端(刃面711)と基端とに開放する貫通孔713が形成されており、穿刺針81内には先端(刃面811)と基端とに開放する貫通孔813が形成されている。そして、穿刺針71、81を互いに先端側に回動させると、穿刺針81の先端部が穿刺針71の先端側開口から貫通孔713内に挿入されるようになっている。このように、穿刺針81の先端部を穿刺針71内に挿入するで、穿刺針71、81を、よりズレのない状態で係合させることがきる。
特に、本実施形態では、穿刺針71、81の刃面711、811が共に同じ方向を向いている。そのため、穿刺針81がその先端から徐々に穿刺針71内に挿入されていき、例えば、前述した第1実施形態のように刃面711、811が向き合っている場合と比較して、穿刺針81が穿刺針71内へ挿入され易い。
また、図27(a)に示すように、穿刺針71の先端部には、インプラント9を保持するインプラント保持部76が設けられている。インプラント保持部76は、貫通孔713の先端側開口713aを横切る溝763を有している。そして、この溝763にインプラント9の帯92を引っ掛けることで、穿刺針71にインプラント9を保持させることができる。この場合、帯92を結んで輪っか921を形成し、この輪っか921を溝763に引っ掛けるのが良い。このようにすれば、穿刺針71からインプラント9が外れ難くなる。また、輪っか921が先端側開口713aを横切って配置されるため、後述する穿刺針81へのインプラント9の受け渡しをより確実に行うことができる。
一方、図27(b)に示すように、穿刺針81の先端部には穿刺針71に保持されたインプラント9を受け取るインプラント受取部86が設けられている。インプラント受取部86は、貫通孔813の先端側開口813aを横切る溝863と、溝863内に突出する爪部862とを有している。爪部862は、基端側に傾斜して突出しており、所謂「かえし」のようになっている。また、爪部862は、刃面811の一部として形成されている。
穿刺針81の先端部が穿刺針71内に挿入されると、図28(a)に示すように、爪部862が輪っか921を通り過ぎ、輪っか921が溝863内に入り込む。その後、穿刺針81を穿刺針71から引き抜くと、図28(b)に示すように、爪部862に輪っか921が引っ掛かり、インプラント9が穿刺針81に受け渡される。すなわち、穿刺針71、81の先端部同士が係合し(接続され)、当該係合によって、インプラント受取部86がインプラント9と接続され、インプラント保持部76とインプラント受取部86が離間した際には、インプラント保持部76からインプラント9が離脱されている。このような構成によれば、穿刺針71、81の穿刺・抜去を行う工程で、穿刺針71から穿刺針81へのインプラント9の受け渡しが自動的に行われるため、穿刺装置1を用いた手技をより簡単かつスムーズに行うことができる。
次に、本実施形態の穿刺装置1を用いたインプラント9の埋設方法を説明する。
まず、前述した第1実施形態と同様の工程を経て穿刺針71、81を生体へ穿刺する前の状態とする。次に、穿刺針71の溝763にインプラント9を引っ掛けた後、図29(a)に示すように、穿刺針71、81をそれぞれ先端側へ回動させて生体へ穿刺し、穿刺針81の先端部を穿刺針71の先端部へ挿入する。その際、インプラント9は、先端側から穿刺針71と共に生体内へ導かれて穿刺針81に受け渡される。次に、穿刺針71、81をそれぞれ基端側に回動させて生体から抜去する。この際、インプラント9は、先端側から穿刺針81と共に生体外へ排出される。そのため、以上によって、図29(b)に示すように、インプラント本体91が生体に埋設された状態となる。このような方法によれば、例えば、前述した第1実施形態のようなシースを用いる方法と比較して、少ない手順でインプラント9を生体内に埋設することができる。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、本実施形態の穿刺針71、81の外形形状を前述した第1〜第3実施形態と同様の外形形状としてもよい。これにより、インプラント9を広げた状態で、より正しい姿勢で生体内へ埋設することができる。また、インプラント9は、穿刺針71に保持された状態で、穿刺針71の貫通孔713内に配置されていてもよい。また、本実施形態では、穿刺針71がインプラント保持部76を有し、穿刺針81がインプラント受取部86を有しているが、反対に、穿刺針71がインプラント受取部86を有し、穿刺針81がインプラント保持部76を有していてもよい。
<第5実施形態>
図30は、(a)が本発明の第5実施形態に係る穿刺装置が有する第1、第2穿刺針を示す断面図、(b)および(c)が、それぞれ、第1穿刺針から第2穿刺針へのインプラントの受け渡しを説明するための断面図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1、第2穿刺針の構成が異なること以外は、前述した第4実施形態と同様である。
図30(a)に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、インプラント保持部76が穿刺針71の先端部に離脱可能に設けられている。また、インプラント保持部76の内周面には凸部761が設けられている。一方、インプラント受取部86が穿刺針81の先端部に設けられており、このインプラント受取部86は、穿刺針81の外周に設けられた凹部861を備えている。
図30(b)に示すように、凸部761と凹部861は、穿刺針81の先端部(インプラント受取部86)が穿刺針71の先端部(インプラント保持部76)内に挿入されることで係合する。凸部761と凹部861が係合すると、インプラント保持部76がインプラント受取部86に固定され、インプラント9がインプラント保持部76と共に穿刺針81に受け渡される。
そして、図30(c)に示すように、穿刺針81を穿刺針71から引き抜くと、インプラント9の先端部が穿刺針81と共に生体外へ排出される。このような構成によれば、穿刺針71、81の穿刺・抜去を行う工程で、穿刺針71から穿刺針81へのインプラント9の受け渡しが自動的に行われるため、穿刺装置1を用いた手技をより簡単かつスムーズに行うことができる。
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、本実施形態では、インプラント保持部76とインプラント受取部86が凹凸嵌合により固定される構成であるが、これらの固定方法は、これに限定されず、例えば、圧入、接着等の手段を用いてもよい。
<第6実施形態>
図31は、本発明の第6実施形態に係る穿刺装置を示す斜視図である。図32は、図31に示す穿刺装置が有する穿刺部材を示す斜視図である。図33は、図32に示す穿刺部材の上面図である。図34は、図32に示す穿刺部材の回動を説明する平面図であり、(a)が初期状態を示し、(b)が穿刺状態を示している。
以下、この図を参照して穿刺装置の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1、第2穿刺針の構成が異なること以外は、前述した第4実施形態と同様である。
図31、図32および図33は、それぞれ、本実施形態の穿刺装置1の初期状態を示す図である。これらの図に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、初期状態にて、穿刺針71の基端部79と穿刺針81の基端部89とが軸J1、J2方向(平面f1の法線方向)に重なって設けられている。また、第1穿刺針71、81は、各々の回動を干渉しないように配置されている。
そして、図34(a)に示す初期状態から、穿刺針71、81を共に先端側へ回動させることで、図34(b)に示すように、穿刺針71の先端部に穿刺針81の先端部が挿入され、穿刺針71、81が係合する。なお、本実施形態の穿刺装置1では、このような動きの最中に、穿刺部材7、8を交差させる必要があるため、穿刺部材8が、穿刺部材7の内側を潜るようにして動くようになっている。
このように、穿刺針71、81の基端部79、89を軸J1、J2方向に重ねて配置することで、初期状態での穿刺針71、81の突出量を抑えつつ、穿刺針71、81の中心角θ6を大きくすることができる。そのため、穿刺針71、81を生体内へより深く穿刺することができ、図34(b)に示すように、穿刺装置1を例えば皮下脂肪の厚い太った患者に対しても十分に適用することができる。
また、本実施形態では、穿刺針71の基端部79が穿刺針81の基端部89よりも前方側に位置している。これにより、第1穿刺針71、81は、各々の回動を干渉しないように配置されることとなる。
また、図33に示すように、穿刺針71は、軸J1の後方側に向かう螺旋状をなしており、反対に、穿刺針81は、軸J2の前方に向かう螺旋状をなしている。また、穿刺針81は、穿刺針71と略平行に設けられている。そして、穿刺針71の先端と穿刺針81の先端とが共に平面f1内に位置し、この平面f1内を回動するようになっている。このように、穿刺針71、81の先端が共に平面f1内を移動することで、穿刺針71、81の穿刺をスムーズに行うことができるとともに、穿刺針71、81の先端同士をより確実に係合させることができる。特に、穿刺針71、81を螺旋状とすることで、より低い抵抗で穿刺針71、81を穿刺することができる。
なお、穿刺針71、81の中心角θ6としては、特に限定されないが、それぞれ、例えば、90°〜170°程度であることが好ましく、120°〜150°程度であることがより好ましい。これにより、上述したように、穿刺針71、81を生体内へより深く穿刺することができる。また、穿刺針71、81が過度に長くなることを防止でき、変形(捩じれ変形、撓み変形)し難い穿刺針71、81とすることができる。そのため、穿刺針71、81の正確な穿刺を行うことができる。
このような第6実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第7実施形態>
図35は、本発明の第7実施形態に係る穿刺装置が有する穿刺部材を示す上面図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第7実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1、第2穿刺針の構成が異なること以外は、前述した第6実施形態と同様である。
図35に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、初期状態にて、穿刺針71の基端部79と穿刺針81の基端部89とが軸J1、J2方向(平面f1の法線方向)に重なって設けられている。また、穿刺針71の基端部79の後面には先端部78に対して凹んだ窪み(凹部)791が形成されており、穿刺針81の基端部89の前面には先端部88に対して凹んだ窪み(凹部)891が形成されている。そして、初期状態では、穿刺針71の窪み791内に穿刺針81の基端部89が位置し、穿刺針81の窪み891内に穿刺針71の基端部79が位置している。すなわち、窪み791は、穿刺針81との干渉を防ぐ逃げ部として機能しており、窪み891は、穿刺針71との干渉を防ぐ逃げ部として機能している。このような構成とすることで、簡単な構成で穿刺針71、81を重ねて配置することができる。また、穿刺針71、81の全体を平面f1内に位置させ、平面f1内で回動させることができる。このため、穿刺針71、81をよりスムーズに穿刺することができる。
このような第7実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第8実施形態>
図36は、本発明の第8実施形態に係る穿刺装置が有する穿刺部材を示す斜視図である。図37は、本発明の第8実施形態に係る穿刺装置が有する回動操作部を示す断面図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第8実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1、第2穿刺針の構成が異なること以外は、前述した第6実施形態と同様である。
図36に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、穿刺部材7の軸部73が管状をなしており、この軸部73の内側に穿刺部材8の軸部83が挿入されている。そのため、穿刺部材7の回動軸J1と、穿刺部材8の回動軸J2とが一致している。これにより、穿刺部材7、8を同心的に回動させることができるため、穿刺針71、81の生体への穿刺をよりスムーズに行うことができる。また、穿刺針71、81の先端部同士をより確実に係合させることができる。
また、図37に示すように、本実施形態の回動操作部25は、軸受部21の後側に設けられたハンドル251を有し、このハンドル251には穿刺部材8の軸部83が固定されている。また、回動操作部25は、軸受部21に内蔵された変換部252を有しており、この変換部252によって、ハンドル251の回動が、穿刺針71の回動と穿刺針81の回動とに変換される。変換部252は、4つの歯車252c、252d、252e、252fと、ベルト253とを有している。歯車252cは、軸部83に固定されており、歯車252dは、軸部83と並設して設けられた軸256に固定されている。そして、これら歯車252c、252dがベルト253で連結されている。また、歯車252eは、軸256に固定されており、歯車252fは、歯車252eと噛合した状態で軸部73に固定されている。これら4つの歯車252c〜252fは、軸部73、83が等しい回動角で回動するようにギア比が設定されている。
このような構成とすれば、ハンドル251を時計回りに回せば、穿刺針81が時計回りに回動するとともに、穿刺針71が反時計回りに穿刺針81と同じ角度だけ回動し、反対に、ハンドル251を反時計回りに回せば、穿刺針81が反時計回りに回動するとともに、穿刺針71が時計回りに穿刺針81と同じ角度だけ回動する。このような構成の回動操作部25によれば、ハンドル251を回すだけで穿刺針71、81の同時穿刺が可能となるため、穿刺装置1の使用が簡単となる。特に、穿刺針71、81が同じ回動角で回動するため、穿刺針71、81の動きを判断(予想)し易く、より安全に、穿刺装置1を使用することができる。
このような第8実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、本実施形態に代えて、歯車252c、252dをプーリーとし、ベルト253を平ベルトとしてもよい。これにより、軸部83(ハンドル251)が軸部73に対して空回りすることができる。そのため、例えば、穿刺針71が骨盤に当接し、それ以上の穿刺ができない状態にあるにもかかわらず、ハンドル251が操作され、過度(所定以上)の負荷を受けたときに、ハンドル251が軸部73に対して空回りし、穿刺針71のそれ以上の穿刺を防止することができる。そのため、誤穿刺を防止でき、穿刺装置1をより安全に使用することができる。
<第9実施形態>
図38は、本発明の第9実施形態に係る穿刺装置が有する穿刺部材を示す平面図であり、(a)が初期状態を示し、(b)が穿刺状態を示している。図39は、図38に示す穿刺部材の上面図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第9実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1、第2穿刺針の構成が異なること以外は、前述した第6実施形態と同様である。
図38(a)に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、初期状態にて、穿刺針71の基端部79と穿刺針81の基端部89とが軸J1、J2に直交する方向(平面f1の面内方向)に重なって設けられている。そして、図38(a)に示す初期状態から、穿刺針71、81を互いに先端側へ回動させることで、図38(b)に示すように、穿刺針71の先端部に穿刺針81の先端部が挿入されるようになっている。このように、基端部79、89を重ねて配置することで、初期状態での穿刺針71、81の突出量を抑えつつ、穿刺針71、81の中心角を大きくすることができる。そのため、穿刺針71、81を生体内へより深く穿刺することができ、穿刺装置1を例えば皮下脂肪の厚い太った患者に対しても十分に適用することができる。
また、穿刺装置1では、穿刺針71の基端部79の内周側に、先端側に対して凹んだ窪み(凹部)791が形成されており、穿刺針81の基端部89の外周側に、先端側に対して凹んだ窪み(凹部)891が形成されている。そして、初期状態では、穿刺針71の窪み791内に穿刺針81の基端部89が位置し、穿刺針81の窪み891内に穿刺針71の基端部79が位置している。すなわち、窪み791は、穿刺針81との干渉を防ぐ逃げ部として機能しており、窪み891は、穿刺針71との干渉を防ぐ逃げ部として機能している。このような構成とすることによって、簡単な構成で穿刺針71、81を重ねて配置することができる。
また、図39に示すように、穿刺針71、81は、共に平面f1内に位置し、平面f1内で回動する。このため、穿刺針71、81をよりスムーズに穿刺することができるとともに、穿刺針71、81の先端部同士をより確実に係合させることができる。
なお、本実施形態では、基端部79が基端部89の外側に位置しているが、これとは反対に、基端部89が基端部79の外側に位置していてもよい。
このような第9実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第10実施形態>
図40は、本発明の第10実施形態に係る穿刺装置が有する穿刺部材を示す平面図であり、(a)が初期状態を示し、(b)が穿刺状態を示している。図41(a)および(b)は、それぞれ、図40に示す穿刺部材の変形例を示す平面図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第10実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1、第2穿刺針の構成が異なること以外は、前述した第9実施形態と同様である。
図40(a)に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、初期状態にて、穿刺針71の基端部79と穿刺針81の基端部89とが軸J1、J2に直交する方向(平面f1の面内方向)に重なって設けられている。そして、図40(a)に示す初期状態から、穿刺針71、81を互いに先端側へ回動させることで、図40(b)に示すように、穿刺針71の先端部に穿刺針81の先端部が挿入されるようになっている。このように、基端部79、89を重ねて配置することで、初期状態での穿刺針71、81の突出量を抑えつつ、穿刺針71、81の中心角を大きくすることができる。そのため、穿刺針71、81を生体内へより深く穿刺することができ、穿刺装置1を例えば皮下脂肪の厚い太った患者に対しても十分に適用することができる。
また、穿刺針71、81は、共に、平面f1内に配置されており、この平面f1内で回動する。
また、穿刺針71は、円弧状をなしており、その延在方向の全域にわたってほぼ一定の曲率半径を有している。これに対して、穿刺針81は、全体的に見て円弧状に湾曲しているが、基端部89と先端部88とで曲率半径が異なっている。具体的には、穿刺針81は、円弧状をなし、穿刺針71とほぼ等しい曲率半径を有する先端部88と、円弧状をなし、穿刺針71よりも小さい曲率半径を有する基端部89とを有し、これらが、なだらかに湾曲(傾斜)した連結部で連結された構成をなしている。そして、初期状態では、穿刺針81の基端部89が穿刺針71の基端部79の内側に位置している。すなわち、基端部89が先端部88よりも内側にずれてできる空間が、穿刺針71、81の干渉を防ぐ逃げ部として機能している。このような構成とすることで、簡単な構成で穿刺針71、81を重ねて配置することができる。
このような第10実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、本実施形態の変形例として、図41(a)および(b)に示す構成としてもよい。
図41(a)に示す変形例では、穿刺針81は、円弧状をなし、その延在方向の全域にわたってほぼ一定の曲率半径を有している。これに対して、穿刺針71は、円弧状をなし、穿刺針81とほぼ等しい曲率半径を有する先端部78と、円弧状をなし、穿刺針81よりも大きい曲率半径を有する基端部79とを有し、これらが、なだらかに湾曲(傾斜)した連結部で連結された構成となっている。そして、初期状態では、穿刺針71の基端部79が穿刺針81の基端部89の外側に位置している。
図41(b)に示す変形例では、穿刺針71は、円弧状をなし、所定の曲率半径を有する先端部78と、円弧状をなし、先端部78よりも曲率半径が大きい基端部79とを有し、これらがなだらかに湾曲(傾斜)した連結部で連結された構成となっている。一方、穿刺針81は、円弧状をなし、穿刺針71の先端部78とほぼ同じ曲率半径を有する先端部88と、円弧状をなし、先端部88よりも曲率半径の小さい基端部89とを有し、これらがなだらかに湾曲(傾斜)した連結部で連結された構成となっている。また、基端部79よりも基端部89の曲率半径が大きく、先端部78と基端部79の曲率半径の差と、先端部88と基端部89の曲率半径の差とがほぼ等しくなっている。そして、初期状態では、穿刺針71の基端部79が穿刺針81の基端部89の外側に位置している。
<第11実施形態>
図42は、本発明の第11実施形態に係る穿刺装置が有する穿刺部材を示す平面図であり、(a)が初期状態を示し、(b)が穿刺状態を示している。
以下、この図を参照して穿刺装置の第11実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1、第2穿刺針の構成が異なること以外は、前述した第9実施形態と同様である。
図42(a)に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、穿刺針71の方が穿刺針81よりも中心角θ6が大きく設計されている。また、回動操作部25は、ハンドル251の回動操作に伴って、穿刺針81よりも穿刺針71の方が大きい回動角で回動するようになっている。なお、穿刺針71、81の回動角は、歯車252a、252bのギア比を調節することで適宜変更することができる。
そのため、図42(a)に示す初期状態から、穿刺針71、81を互いに先端側へ回動させると、図42(b)に示すように、尿道1300と膣1400との間からずれた位置で穿刺針71、81が係合する。このように、尿道1300および膣1400から離れた位置で穿刺針71、81を係合させることで、尿道1300、膣1400への誤穿刺をより効果的に防止でき、より安全に手技を行うことができる。
特に、本実施形態では、穿刺針81よりも太く剛性の高い穿刺針71を長くすることで、もともと剛性の低い穿刺針81のさらなる剛性の低下を防止している。そのため、穿刺針71、81の剛性を共に十分に保つことができ、穿刺針71、81の穿刺をより正確に行うことができる。なお、本実施形態とは反対に、穿刺針81を長くし、穿刺針71を短くしてもよい。この場合には、穿刺針71よりも細い穿刺針81を長くする分、より低侵襲となる。
なお、穿刺針71の中心角θ6としては、尿道1300と膣1400との間を通過することができれば、特に限定されないが、例えば、120°〜200°程度であることが好ましく、140°〜170°程度であることがより好ましい。一方、穿刺針81の中心角θ6としては、特に限定されないが、例えば、50°〜100°程度であるのが好ましく、60°〜80°程度であるのがより好ましい。
このような第11実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第12実施形態>
図43は、本発明の第12実施形態に係る穿刺装置が有する穿刺部材を示す平面図である。図44(a)および(b)は、それぞれ、図43に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第12実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1、第2穿刺針の構成が異なること以外は、前述した第4実施形態と同様である。
図43に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、穿刺針71にインプラント保持部76が設けられておらず、穿刺針81にインプラント受取部86が設けられていない。そのため、本実施形態の穿刺装置1では、穿刺針71から穿刺針81へインプラント9を受け渡すことができない。すなわち、穿刺針71、81は、本来の機能である生体を穿刺する機能だけを発揮する。このように、インプラント保持部76、インプラント受取部86を省略している関係で、穿刺針71、81は、中実となっており、貫通孔713、813を有していない。
次に、本実施形態の穿刺装置1を用いたインプラント9の埋設方法を説明する。
まず、図44(a)に示すように、前述した第1実施形態と同様の工程を経て穿刺針71、81を生体へ穿刺し、生体内にて穿刺針71、81の先端を当接させる。次に、図44(b)に示すように、穿刺針71、81を互いに基端側へ回動させて抜去する。これにより、生体内にインプラント9を埋設するための刺通孔1500が形成される。その後、この刺通孔1500にインプラント9を配置することで、インプラント9を生体内へ埋設することができる。なお、インプラント9を刺通孔1500に配置する方法としては特に限定されないが、例えば、まず、両端部が露出するように、ガイドワイヤを刺通孔1500に導入し、このガイドワイヤの一端にインプラント9を連結し、ガイドワイヤの他端を引っ張ることで、インプラントを刺通孔1500内に配置することができる。
このような第12実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第13実施形態>
図45は、本発明の第13実施形態に係る穿刺装置の初期状態を示す図であり、(a)が正面図、(b)が上面図、(c)が下面図である。図46(a)および(b)は、それぞれ、図45に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第13実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図45(a)に示すように、本実施形態の穿刺装置1は、フレーム本体20と回動操作部25とを有するフレーム2と、穿刺針71、81とを有している。また、フレーム本体20は、穿刺針71、81を回動可能に支持・収容する支持部26で構成されている。支持部26は、穿刺針71、81の形状に沿った略U字状をなしており、その下面が、穿刺装置1を使用する際に生体組織に当接される当接部となっている。また、回動操作部25は、穿刺針71の基端部に連結されているツマミ259aと、穿刺針81の基端部に連結されているツマミ259bとを有し、このツマミ259a、259bを手動で操作することで、簡単に、穿刺針71、81を操作できるようになっている。
また、図45(c)に示すように、支持部26内には、穿刺針71の回動を案内する案内孔(案内部)261と、穿刺針81の回動を案内する案内孔(案内部)262とが形成されている。また、案内孔261の両端が支持部26の下面に開口しており、この開口を介して穿刺針71の支持部26外へ突出・支持部26内への退避が可能となっている。同様に、案内孔262の両端が支持部26の下面に開口しており、この開口を介して、穿刺針81の支持部26外へ突出・支持部26内への退避が可能となっている。このような案内孔261、262を設けることで、穿刺針71、81の回動操作をよりスムーズに行うことができる。
また、図45(b)に示すように、支持部26の外周面には案内孔261と連通する長孔263が形成され、長孔263からツマミ259aが突出している。また、支持部26の外周面には案内孔262と連通する長孔264が形成され、長孔264からツマミ259bが突出している。長孔263は、有端の孔となっており、その先端部にツマミ259aが当接することで、それ以上の穿刺針71の回動を防止できるようになっている。同様に、長孔264は、有端の孔となっており、その先端部にツマミ259bが当接することで、それ以上の穿刺針81の回動を防止できるようになっている。すなわち、長孔263、264は、穿刺針71、81の回動範囲(特に穿刺針71、81の突出量)を制限する制限部としても機能している。このような制限部を設けることで、穿刺針71、81の過度な突出を防止でき、穿刺針71、81の先端部同士を安全に係合させることができる。
以上のような構成の支持部26に収容されている穿刺針71、81は、共に、略螺旋状に湾曲している。また、穿刺針71、81は、互いに先端を反対側に向けて、かつ、共に回動軸J7まわりに回動可能な状態で支持部26に支持・収容されている。このように、穿刺針71、81の回動軸を一致させることで、穿刺針71、81を同心的に回動させることができるため、穿刺針71、81の生体への穿刺をよりスムーズに行うことができる。なお、回動軸J7は、穿刺針71、81の中心軸と一致している。
また、穿刺針71、81は、ほぼ同じ中心角を有し、かつ、ほぼ同じ曲率半径を有している。また、穿刺針71、81は、互いの基端部同士が干渉しないように、回動軸J7方向に重なるようにして、略平行に配置されている。このように穿刺針71、81を回動軸J7方向に重ねて設けることで、初期状態での穿刺針71、81の突出量を抑えつつ、穿刺針71、81の中心角を大きくすることができる。そのため、穿刺針71、81を生体内へより深く穿刺することができ、穿刺装置1を例えば皮下脂肪の厚い太った患者に対しても十分に適用することができる。
なお、穿刺針71、81の中心角としては、特に限定されないが、それぞれ、例えば、90°〜180°程度であることが好ましく、120°〜150°程度であることがより好ましい。これにより、穿刺針71、81を生体内へ十分に穿刺することができ、さらに、生体内にて穿刺針71、81の先端部同士を係合させることができる。また、穿刺針71、81が過度に長くなることを防止でき、変形(捩じれ変形、撓み変形)し難い穿刺針71、81とすることができる。そのため、穿刺針71、81の正確な穿刺を行うことができる。
また、穿刺針71と穿刺針81の先端が共に同一螺旋軌道上を移動するようになっている。これにより、穿刺針71、81の穿刺をスムーズに行うことができるとともに、穿刺針71、81の先端部同士をより確実に係合させることができる。特に、穿刺針71、81を略螺旋状とすることで、低い抵抗で穿刺針71、81を穿刺することができる。
また、穿刺針71は、管状をなし、その先端部にはインプラント保持部76(溝763)が設けられている。一方、穿刺針81は、穿刺針71よりも細い管状をなし、その先端部が穿刺針71内に挿入可能となっている。また、穿刺針81の先端部にはインプラント受取部86(溝863および爪部862)が設けられている。そのため、穿刺針71、81を互いに先端側へ回動させて先端同士を係合させることで、インプラント9を穿刺針71から穿刺針81へ受け渡すことができる。
次に、本実施形態の穿刺装置1を用いたインプラント9の埋設方法を説明する。
まず、図46(a)に示すように、穿刺針71の先端が閉鎖孔1101上に位置し、穿刺針81の先端が閉鎖孔1102上に位置するように穿刺装置1を位置決めする。位置決めした状態では、支持部26の下面が生体組織に当接している。次に、穿刺針71の溝763にインプラント9を引っ掛けた後、図46(b)に示すように、ツマミ259a、259bを操作して、穿刺針71、81を反対まわり(異なる方向)に回動させて生体へ穿刺し、穿刺針81の先端部を穿刺針71の先端部へ挿入する。その際、インプラント9は、先端側から穿刺針71と共に生体内へ導かれて穿刺針81に受け渡される。なお、穿刺針71、81の穿刺順は、特に限定されず、穿刺針71を先に穿刺した後に穿刺針81を穿刺してもよいし、反対に、穿刺針81を先に穿刺した後に穿刺針81を穿刺してもよい。また、穿刺針71、81を同時に穿刺してもよい。ただし、上記3つの場合の中では、穿刺針71を先に穿刺した後に穿刺針81を穿刺するのが好ましい。このように、先に太い方の穿刺針を穿刺することで、生体内にて穿刺針71、81を係合させ易くなる。
次に、ツマミ259a、259bを操作して穿刺針71、81を生体から抜去する。この際、インプラント9は、その先端側から穿刺針81と共に生体外へ排出される。以上によって、インプラント本体91が生体に埋設された状態となる。
以上説明したように、穿刺装置1によれば、インプラント9を留置する際、その穿刺針71、81の穿刺等の低侵襲の手技のみで対応することができ、侵襲の大きい切開等を行わなくてよいので、患者の負担が少なく、また、患者の安全性も高い。特に、2本の穿刺針71、81を用いて生体の両側から穿刺することで、例えば、1本の穿刺針を用いて片側から穿刺する場合と比較して、穿刺針71、81の長さを短くすることができる。そのため、その分、穿刺時に受ける抵抗による穿刺針71、81の撓みや捩じれを抑制することができる。したがって、穿刺針71、81をより正確に穿刺することができ、より安全性が高くなる。
このような第13実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、本実施形態では、初期状態にて穿刺針71、81の先端が支持部26から突出しているが、これに限定されず、初期状態にて穿刺針71、81が支持部26内に退避していてもよい。また、図示ししていないが、生体に挿入具6を装着した状態、すなわち、尿道挿入部41を尿道1300に挿入し、膣挿入部51を膣1400に挿入した状態で、上記手技を行うことがより好ましい。これにより、より安全に穿刺針71、81の穿刺を行うことができる。
<第14実施形態>
図47は、本発明の第14実施形態に係る穿刺装置を示す斜視図である。図48は、図47に示す穿刺装置が有する回動操作部の構成を示す平面図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第14実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、フレームおよび回動操作部の構成が異なること以外は、前述した第13実施形態と同様である。
図47に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、フレーム本体20は、支持部26と、挿入具6を固定する固定部24と、支持部26と固定部24とを連結する連結部23とを有している。また、このフレーム本体20には、挿入具6(尿道挿入具4および膣挿入具5)が固定されている。
フレーム本体20は、穿刺針71、81を、尿道挿入具4と膣挿入具5との間で、これらに衝突せずに当接させるように、穿刺針71、81、尿道挿入具4および膣挿入具5の位置関係を定めている。すなわち、フレーム本体20は、穿刺針71、81が先端側へ回動したとき、穿刺針71、81の少なくとも一方の先端(穿刺針71、81の穿刺方向の延長線)が尿道挿入具4よりも回動軸J7から遠位側を通過して、穿刺針71、81の先端部同士が係合するように、穿刺針71、81と尿道挿入具4および膣挿入具5との位置関係を規制している。
また、フレーム本体20には、穿刺針71、81を連動させて、同時に、反対方向へ、等しい角度で回動させるための回動操作部25が設けられている。このような回動操作部25を備えることで、例えば、前述した第13実施形態のように穿刺針71、81をそれぞれ手動で操作する場合と比較して、穿刺装置1の操作を簡単に行うことができるとともに、手技にかかる時間を短くすることができる。また、穿刺針71、81の動きを一定に制御することができるため、穿刺装置1を正しく安全に用いることができる。
図48に示すように、回動操作部25は、連結部23の後側に設けられ、連結部23に回動可能に軸受されたハンドル251と、ハンドル251の回動を穿刺針71の回動と穿刺針81の回動とに変換する変換部252とを有している。また、変換部252は、ハンドル251の軸に固定された傘歯車254aと、傘歯車254aに噛合する傘歯車254bと、傘歯車254bの軸に固定された略円柱状の回転体254cとを有している。ハンドル251の回動は、傘歯車254a、254bによって90°傾けられ、ハンドル251が回動すると回転体254cが軸J8まわりに回動する。
回転体254cは、例えばゴム材料のような比較的摩擦抵抗の高い材料で構成されており、穿刺針71、81の間に配置され、穿刺針71、81の両方と当接している。そのため、ハンドル251の操作によって回転体254cが回動すると、その回動に伴って、穿刺針71、81が連動して、同時に反対方向へほぼ等しい回動角で回動する。このように、歯車を用いた構成とすることで、回動操作部25が簡単な構成となる。
特に、本実施形態では、回転体254cが穿刺針71、81に対して空回りすることができる。そのため、例えば、穿刺針71、81が骨盤に当接し、それ以上の穿刺ができない状態にあるにもかかわらず、ハンドル251が操作され、過度(所定以上)の負荷を受けたときに、回転体254cが穿刺針71、81に対して空回りし、穿刺針71、81のそれ以上の穿刺を防止することができる。そのため、誤穿刺を防止でき、穿刺装置1をより安全に使用することができる。
このような第14実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、本実施形態では、フレーム本体20が連結部23および固定部24を有しているが、これらは省略してもよい。この場合は、例えば、ハンドル251を支持部26の背面側や上面側に配置すればよい。また、挿入具6も省略してもよい。
<第15実施形態>
図49は、本発明の第15実施形態に係る穿刺装置の初期状態を示す図であり、(a)が前面側からみた断面図、(b)が背面図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第15実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、穿刺針の構成が異なること以外は、前述した第13実施形態と同様である。
図49に示すように、本実施形態の穿刺装置1は、支持部26と、穿刺針71、81と、ツマミ259a、259bとを有し、ツマミ259a、259bを手動で操作することで、穿刺針71、81の操作が可能となる。
図49に示すように、穿刺針71、81は、互いに先端を反対側に向けて、かつ、共に回動軸J7まわりに回動可能な状態で支持部26に支持・収容されている。また、穿刺針71、81は、ほぼ同じ中心角を有している。また、穿刺針71、81は、共に回動軸J7を法線とする同一平面内に設けられており、当該平面内で回動する。また、穿刺針71、81は、その基端部79、89同士が前記平面の面内方向(回動軸J7に直交する方向)に重なるようにして配置されている。
また、穿刺針71は、円弧状に湾曲しており、その延在方向の全域にわたってほぼ一定の曲率半径を有している。これに対して、穿刺針81は、円弧状に湾曲し、穿刺針71とほぼ等しい曲率半径を有する先端部88と、円弧状に湾曲し、穿刺針71よりも小さい曲率半径を有する基端部89とを有し、これらがなだらかに湾曲(傾斜)した連結部で連結された構成となっている。そして、初期状態では、穿刺針81の基端部89が穿刺針71の基端部79の内側に位置している。
支持部26は、穿刺針71、81の形状に沿った略U字状をなしている。また、支持部26内には、穿刺針71、81の回動を案内する案内孔261が設けられており、この案内孔261の内側には、さらに、穿刺針71、81を個別に案内するための衝立261aが設けられている。
また、支持部26の背面には、案内孔261と連通する長孔263、264が形成されており、長孔263からツマミ259aが突出し、長孔264からツマミ259bが突出している。長孔263、264は、有端の孔となっており、その先端部にツマミ259a、259bが当接することで、それ以上の穿刺針71、81の回動を防止できるようになっている。
このような第15実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第16実施形態>
図50は、本発明の第16実施形態に係る穿刺装置を示す斜視図である。図51は、図50に示す穿刺装置が有する回動操作部の構成を示す図であり、(a)が上面図、(b)が正面図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第16実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、回動操作部の構成が異なること以外は、前述した第15実施形態と同様である。
図50に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、フレーム本体20が支持部26と収容部の後方に接続された把持部27とを有している。そして、このようなフレーム本体20には、穿刺針71、81を連動させて、同時に、反対方向へ、等しい回動角で回動させるための回動操作部25が設けられている。このような回動操作部25を備えることで、例えば、前述した第15実施形態のように穿刺針71、81をそれぞれ手動で操作する場合と比較して、穿刺装置1の操作を簡単に行うことができるとともに、手技にかかる時間を短くすることができる。また、穿刺針71、81の動きを一定に制御することができるため、穿刺装置1を正しく安全に用いることができる。
図51(a)、(b)に示すように、回動操作部25は、把持部27の後側に設けられ、把持部27に回動可能に軸受されたハンドル251と、ハンドル251の回動を穿刺針71の回動と穿刺針81の回動とに変換する変換部252とを有している。また、変換部252は、ハンドル251の軸に固定された傘歯車255aと、傘歯車255aに噛合する傘歯車255bと、傘歯車255bの軸に連結された一対の回転ベルト255c、255dとを有している。
回転ベルト255c、255dは、それぞれ、一対のプーリーと、このプーリーに懸架されたベルトとを有しており、一方のプーリーが傘歯車255bの軸に固定されている。また、回転ベルト255c、255dは、傘歯車255bの回転に伴って同じ方向に同じ速度で回転するようになっている。そして、回転ベルト255cは、穿刺針71と当接して設けられており、回転ベルト255dは、穿刺針81と当接して設けられている。そのため、ハンドル251の操作によって回転ベルト255c、255dが回転すると、その回転に伴って、穿刺針71、81が同時に反対方向へ等しい角度で回動する。このように、歯車を用いことで、回動操作部25が簡単な構成となる。
このような第16実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、本実施形態では、フレーム2が把持部27を有しているが、把持部27は省略してもよい。この場合は、例えば、ハンドル251を支持部26の背面側や上面側に配置すればよい。
<第17実施形態>
図52は、本発明の第17実施形態に係る穿刺装置の初期状態を示す図であり、(a)が前面側からみた断面図、(b)が背面図である。
以下、この図を参照して穿刺装置の第17実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、穿刺針の構成が異なること以外は、前述した第13実施形態と同様である。
図52(a)、(b)に示すように、本実施形態の穿刺装置1は、支持部26と、穿刺針71、81と、ツマミ259a、259bとを有し、ツマミ259a、259bを手動で操作することで、穿刺針71、81の操作が可能となる。
また、穿刺針71、81は、先端を反対側に向けて、かつ、共に回動軸J7まわりに回動可能な状態で支持部26に支持・収容されている。また、穿刺針71、81は、ほぼ同じ中心角を有している。また、穿刺針71、81は、回動軸J7を法線とする平面内に設けられており、当該平面内で回動する。
また、穿刺針71、81は、共に管状をなしており、穿刺針81の基端部89が穿刺針71の基端部79内に挿入されている。また、穿刺針71には、穿刺針81に連結されているツマミ259bをスライドさせるためのスリット77が形成されている。
支持部26は、穿刺針71、81の形状に沿った略U字状をなしている。また、支持部26内には穿刺針71、81の回動を案内する案内孔261が設けられている。また、支持部26の外周面には、案内孔261と連通する長孔264が形成されており、長孔264からツマミ259bが突出している。長孔264は、有端の孔となっており、その先端部にツマミ259bが当接することで、それ以上の穿刺針81の回動を防止できるようになっている。また、支持部26の背面には、案内孔261と連通する長孔263が形成されており、長孔263からツマミ259aが突出している。長孔263は、有端の孔となっており、その先端部にツマミ259aが当接することで、それ以上の穿刺針71の回動を防止できるようになっている。
このような第17実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明の穿刺装置および穿刺方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した第1〜12実施形態では、回動操作部のハンドルを回すことで、穿刺針71、81が反対側に回動するように構成されているが、回動操作部を省略して、穿刺針71、81を手動で動かしてもよい。この場合、穿刺針71の軸部73に固定されたハンドルと、穿刺針81の軸部83に固定されたハンドルとを設け、これらハンドルをそれぞれ独立して操作することによって、穿刺針71、81を操作することができる。また、連結部72、83を把持して穿刺針71、81を操作することができる。このように、手動で穿刺針71、81を操作する場合、穿刺針71を穿刺した後に穿刺針81を穿刺してもよいし、反対に、穿刺針81を穿刺した後に穿刺針71を穿刺してもよい。また、穿刺針71、81を同時に穿刺してもよい。これの場合の中でも、穿刺針71を穿刺した後に穿刺針81を穿刺するのが好ましい。先に、太い方の穿刺針71を穿刺することで、生体内にて穿刺針71、81の先端部同士をより確実に係合させることができる。
また、前述した実施形態では、穿刺装置を女性の尿失禁の治療のための埋設可能なインプラントを生体内に埋設する際に用いる装置に適用した場合について説明したが、穿刺装置の用途は、それに限定されるものではない。
例えば、本発明は、骨盤底筋群の弱体化にともなう、排泄障害(尿意切迫感、頻尿、尿失禁、便失禁、尿閉、排尿困難など)、骨盤臓器脱、膀胱膣婁、尿道膣婁、骨盤痛などを含む骨盤底疾患が適用対象に含まれる。骨盤臓器脱には、膀胱瘤、小腸瘤、直腸瘤、子宮脱、などの疾患が含まれる。あるいは、脱している膣壁部位によって分類される呼び方である前方膣壁脱、後方膣壁脱、膣断端脱、膣円蓋部脱、などの疾患が含まれる。
また、過可動組織には、膀胱、膣、子宮、腸などが含まれる。微可動組織には、骨、筋肉、筋膜、靭帯などが含まれる。特に骨盤底疾患においては、閉鎖筋膜、尾骨筋膜、基靭帯、仙骨子宮靭帯、仙棘(せんきょく)靭帯、などが含まれる。
骨盤底疾患における、過可動組織を微可動組織に連結する手技には、恥骨後式スリング手術、経閉鎖孔スリング手術(transobturator sling surgery, transobturator tape; TOT)、経膣メッシュ手術(Tension-free Vaginal Mesh; TVM)、仙骨子宮靭帯を利用した挙上術(Uterosacral Ligament Suspension; USLS)、仙棘靭帯を利用した固定術(Sacrospinous Ligament Fixation; SSLF)、腸骨尾骨筋膜を利用した固定術、尾骨筋膜を利用した固定術、などが含まれる。
1 穿刺装置
2 フレーム
20 フレーム本体
21 軸受部
22 案内部
23 連結部
24 固定部
243 凹部
244 雄ネジ
25 回動操作部
251 ハンドル
252 変換部
252a 歯車
252b 歯車
252c 歯車
252d 歯車
252e 歯車
252f 歯車
253 ベルト
254a 傘歯車
254b 傘歯車
254c 回転体
255a 傘歯車
255b 傘歯車
255c 回転ベルト
255d 回転ベルト
256 軸
259a ツマミ
259b ツマミ
26 支持部
261 案内孔
261a 衝立
262 案内孔
263 長孔
264 長孔
27 把持部
3 シース
31 分割片
32 分割片
4 尿道挿入具
40 支持部
41 尿道挿入部
42 バルーン
431 バルーンポート
432 尿排出ポート
433 吸引ポート
44 吸引孔
45 吸引ポート
46 マーカー
47 尿排出部
471 尿排孔
5 膣挿入具
50 支持部
501 雄ネジ
51 膣挿入部
52 先端部
52a 上面
53 軸部
54 吸引ポート
55 凹部
57 マーカー
59 吸引孔
6 挿入具
7 穿刺部材
71 穿刺針
711 刃面
713 貫通孔
713a 先端側開口
72 連結部
73 軸部
76 インプラント保持部
761 凸部
763 溝
77 スリット
78 先端部
79 基端部
791 窪み
8 穿刺部材
81 穿刺針
811 刃面
813 貫通孔
813a 先端側開口
82 連結部
83 軸部
86 インプラント受取部
861 凹部
862 爪部
863 溝
88 先端部
88 先端側
89 基端部
891 窪み
9 インプラント
90 包材
91 インプラント本体
92 帯(連結部)
1100 骨盤
1101 閉鎖孔
1102 閉鎖孔
1200 恥骨結合
1300 尿道
1310 膀胱
1400 膣
1401 中央部
1402 部分
1500 刺通孔
2000 注射器
A1 内周部
A2 外周部
A3 表面
A4 裏面
D 離間距離
H 体表面
J1 軸(回動軸)
J2 軸(回動軸)
J31 短軸
J32 長軸
J32’ 延長線
J5 中心軸
J7 回動軸
J8 軸
P 交点
S1 領域
S2 領域
S4 中央部
S5 セーフティゾーン
W 幅方向
f1 平面
f2 平面
f9 平面
r1 最少曲率半径
r2 最大曲率半径
θ1 傾斜角
θ2 傾斜角
θ3 傾斜角
θ4 中心角
θ5 角
θ6 中心角

Claims (8)

  1. 回動可能に設けられ、湾曲した第1穿刺針と、
    回動可能に設けられ、湾曲した第2穿刺針と、
    前記第1穿刺針と前記第2穿刺針とを連動させて異なる方向に回動させる回動操作部と、を有することを特徴とする穿刺装置。
  2. 前記回動操作部は、前記第1穿刺針の回動と前記第2穿刺針の回動とに変換する変換部を有している請求項1に記載の穿刺装置。
  3. 前記変換部は、少なくとも1つの歯車を有している請求項2に記載の穿刺装置。
  4. 前記回動操作部は、所定以上の負荷を受けたときに、前記第1穿刺針および前記第2穿刺針の少なくとも一方に対して空回りすることができる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の穿刺装置。
  5. 前記第1穿刺針と前記第2穿刺針は、ほぼ同じ回動角で回動する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の穿刺装置。
  6. 前記第1穿刺針および前記第2穿刺針の一方が他方よりも大きい回動角で回動する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の穿刺装置。
  7. 尿道内に挿入される長手形状の尿道挿入部と、
    前記第1穿刺針および前記第2穿刺針を先端側へ回動させたとき、前記第1穿刺針および前記第2穿刺針の少なくも一方の先端が前記尿道挿入部よりも前記第1穿刺針および前記第2穿刺針の回動中心から遠位側を通過するように、前記第1穿刺針および前記第2穿刺針と前記尿道挿入部との位置関係を規制する規制部と、を有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の穿刺装置。
  8. 第1穿刺針と第2穿刺針とを連動させて異なる方向に回動させて、前記第1穿刺針を生体の第1部位から穿刺するとともに、第2穿刺針を前記生体の前記第1部位とは異なる第2部位から穿刺し、
    前記生体内にて前記第1穿刺針の先端部と前記第2穿刺針の先端部とを所定位置にて係合させることを特徴とする穿刺方法。
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