JP2015060656A - 非水電解質電池及び電池パック - Google Patents

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Abstract

【課題】入力特性に優れた非水電解質電池及び電池パックを提供する。【解決手段】 実施形態によれば、正極6と、負極7とを含む非水電解質電池及び電池パックが提供される。正極6は、Li1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1cO2を含む。正極6は、水銀圧入法による細孔体積が0.03〜0.15ml/g、細孔表面積が2.8〜4.8m2/g、水銀圧入法による気孔率が16〜28%の範囲内である。負極7は、Tiを含有する化合物を含む。負極7は、水銀圧入法による細孔体積が0.08〜0.2ml/g、細孔表面積が5.5〜7.5m2/g、水銀圧入法による気孔率が18〜30%の範囲内である。細孔体積、細孔表面積および気孔率は、正極6が負極7よりも小さい。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、非水電解質電池及び電池パックに関する。
優れた電池特性を得るために、正極および負極の気孔率とそのバランスを適正化することが知られている。例えばオリビン構造を有する正極を用いた電池において、正極および負極の気孔率をそれぞれ30〜50%および20〜30%とすることが行われている。しかしながら、正極および負極の気孔率の範囲と、正極の気孔率と負極の気孔率のバランスは電池材料および電池構造により適正値が異なるため、電池特性が十分に改善されないという課題を有する。
特開2010−225366号公報
本発明が解決しようとする課題は、入力特性に優れた非水電解質電池と、この非水電解質電池を有する電池パックとを提供することを目的とする。
実施形態によると、正極と、負極と、外装部材とを含む非水電解質電池が提供される。正極は、Li1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1c2(M1はMg,Al,Si,Ti,Zn,Zr,Ca,W,Nb及びSnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属、−0.2≦x≦0.5,0<a≦0.5、0<b≦0.5,0≦c≦0.1)を含む活物質を含有する。正極は、水銀圧入法による細孔体積が0.03〜0.15ml/g、水銀圧入法による細孔表面積が2.8〜4.8m2/g、水銀圧入法による気孔率が16〜28%の範囲内である。負極は、Tiを含有する化合物を含む。負極は、水銀圧入法による細孔体積が0.08〜0.2ml/g、水銀圧入法による細孔表面積が5.5〜7.5m2/g、水銀圧入法による気孔率が18〜30%の範囲内である。外装部材は、少なくとも正極及び負極が収納される。細孔体積、細孔表面積及び気孔率は、正極が負極よりも小さい。
実施形態に係る非水電解質電池の分解斜視図である。 図1の非水電解質電池に用いられる電極群の部分展開斜視図である。 実施形態に係る電池パックの電気回路を示すブロック図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態によれば、正極と、負極と、非水電解質と、少なくとも正極、負極及び非水電解質が収納される外装部材とを含む非水電解質電池が提供される。正極は、Li1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1c2(M1はMg,Al,Si,Ti,Zn,Zr,Ca,W,Nb及びSnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属、−0.2≦x≦0.5,0<a≦0.5、0<b≦0.5,0≦c≦0.1)を含む活物質を含有する。正極は、水銀圧入法による細孔体積が0.03〜0.15ml/g、水銀圧入法による細孔表面積が2.8〜4.8m2/g、水銀圧入法による気孔率が16〜28%の範囲内である。負極は、Tiを含有する化合物を含む。負極は、水銀圧入法による細孔体積が0.08〜0.2ml/g、水銀圧入法による細孔表面積が5.5〜7.5m2/g、水銀圧入法による気孔率が18〜30%の範囲内である。正極の細孔体積、細孔表面積及び気孔率は、負極の細孔体積、細孔表面積及び気孔率よりも小さい。
Li1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1c2の一例であるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を正極活物質に用い、かつTiを含有する化合物の一例であるリチウムチタン複合酸化物を負極活物質に用いる非水電解質電池は、負極に炭素系材料を用いる電池に比べて負極の電気伝導性が低いために良好な入力特性を発現しにくいという課題を有する。発明者らはこの課題を解決するために正極と負極の気孔率に着目して鋭意検討を行った結果、正極及び負極それぞれの水銀圧入法による細孔体積、細孔表面積、気孔率とを特定すると共に、細孔体積、細孔表面積及び気孔率については、正極を負極よりも小さくすることによって、優れた入出力特性が得られることを見出した。
リチウムチタン複合酸化物のようなTiを含有する化合物を用いる負極は、電気伝導性が低いので、気孔率を低くして活物質含有層中の粒子同士の接触を良くすることが肝要であり、気孔率を18〜30%の範囲にすることが好ましい。30%を超える場合、活物質含有層中の粒子同士の接触が不十分となるため、良好な入力特性が得られにくい。一方、18%未満の場合、活物質含有層中の非水電解質量が不足し、入力時の活物質表面のLi+が不足しやすいため、良好な出力特性が得られにくい。負極気孔率のより好ましい範囲は20〜26%の範囲内である。一方、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物のようなLi1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1c2を用いる正極も負極と同様に電気伝導性が低いので気孔率を低くして活物質含有層中の粒子同士の接触を良くすることが肝要である。正極の気孔率は、16〜28%の範囲とすることが好ましい。28%を超える場合、活物質含有層中の粒子同士の接触が不十分となるため、良好な入力特性が得られにくい。一方、16%未満の場合、活物質含有層中の非水電解質量が不足し、入力時の活物質表面のLi+が不足しやすいため、良好な出力特性が得られにくい。正極気孔率のより好ましい範囲は18〜24%の範囲内である。なお、ここでいう気孔率とは初期圧に対応する直径約60μmの細孔にまで水銀が圧入された時の細孔体積量を試料体積量により除することで得られる値である。
入出力性能は、負極活物質含有層の電気伝導性だけでなく非水電解質量にも支配される性能である。正極にリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物のようなLi1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1c2、負極にリチウムチタン複合酸化物のようなTiを含有する化合物を用いた電池の場合、入出力特性は負極律速となることから、電池全体の非水電解質量をみたときに正極よりも負極に多くの非水電解質が保持されていることが好ましい。そこで、正極において、水銀圧入法による細孔体積を0.03〜0.15ml/g、水銀圧入法による細孔表面積を2.8〜4.8m2/g、かつ負極において、水銀圧入法による細孔体積を0.08〜0.2ml/g、水銀圧入法による細孔表面積を5.5〜7.5m2/gの範囲内にする。また、細孔体積、細孔表面積および気孔率は、正極の方を負極よりも小さくする。これにより、正極よりも負極に多くの非水電解質を保持することが可能となる。
ここで、正極活物質にコバルト酸リチウムのみを用いた場合、負極の非水電解質量が正極のそれより大きくなると充放電サイクル時における正極の放電深度が深くなるために抵抗上昇が大きくなることが懸念される。また、正極活物質にスピネル型マンガン酸リチウムのみを用いた場合、正極の細孔表面積が2.8〜4.8m2/gの範囲内のときに充放電サイクル時におけるMnの溶出が顕著となるため、抵抗上昇が大きくなることが懸念される。したがって、Li1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1c2を含む正極と、Tiを含有する化合物を含む負極とを備えると共に、正極と負極の細孔分布を規定することにより、入出力性能に優れた非水電解質電池を実現することができる。
また、電池の外装部材として金属缶のような電極群の拘束力のあるものを用いる場合よりも、外装部材が5〜1000μmの厚さの金属箔を含み、かつその内面が樹脂層からなるような電極群の拘束力に欠けるものを用いた場合の方が、入出力性能の改善が顕著である。ここで、金属箔の厚さが5〜1000μmの範囲が好ましいのは、5μm未満であると強度の点から外装部材としての機能が不十分である可能性があり、また、1000μmを超えると、樹脂層での接着では接合強度が不足し外装部材としての機能が不十分である可能性があるからである。
正極活物質の一次粒子径は0.1〜1μmの範囲内とすることが好ましい。正極活物質の一次粒子径が小さいと、活物質表面と非水電解質の副反応による抵抗増加が大きいため、入出力性能の改善が見られない虞がある。一方、正極活物質の一次粒子径が大きいと、正極活物質中のリチウムイオンの固体内拡散が反応律速となるため、入出力性能の改善が見られない虞がある。正極活物質の一次粒子径を0.1〜1μmの範囲内にすると、副反応による抵抗増加が抑えられると共に、正極活物質中のリチウムイオンの固体内拡散の入出力性能に対する影響が小さくなることから、優れた入出力性能が得られやすい。より好ましい範囲は0.2〜0.8μmの範囲内である。
水銀圧入法による細孔体積、水銀圧入法による細孔表面積、水銀圧入法による気孔率の測定方法を以下に記載する。
測定装置には、島津オートポア9520(Autopore 9520 model manufactured by Shimadzu Corporation)を用いる。試料は、電極を約25×25mm2サイズに切断し、これを折りたたんで測定セルに採り、初期圧20kPa(初期圧20kPaは約3psiaに相当し、また、細孔直径が約60μmの試料に加わる圧力に相当する)及び最高圧414Mpa(最高圧414Mpaは約59986psiaに相当し、また、細孔直径が約0.003μmの試料に加わる圧力に相当する)の条件で測定する。3試料の平均値を測定結果として用いる。データ整理に当り、細孔比表面積は、細孔の形状を円筒形として計算する。
なお、水銀圧入法の解析原理はWashburnの式(B)に基づく。
D=−4γcosθ/P (B)式
ここで、Pは加える圧力、Dは細孔直径、γは水銀の表面張力(480dyne・cm-1)、θは水銀と細孔壁面の接触角で140°である。γ、θは定数であるからWashburnの式より、加えた圧力Pと細孔直径Dの関係が求められ、そのときの水銀侵入体積を測定することにより、細孔直径とその体積分布を導くことができる。測定法・原理等の詳細は、神保元ニら:「微粒子ハンドブック」朝倉書店、(1991)、早川宗八郎編:「粉体物性測定法」朝倉書店(1978)などを参照されたい。
なお、電池から正極及び負極を取り出し、エチルメチルカーボネートに浸漬してLi塩を除去した後に乾燥したものを測定サンプルとする。
以下、実施形態の非水電解質電池について部材ごとに詳細に説明する。
1)負極
負極は、集電体と、この集電体の片面もしくは両面に担持され、負極活物質、導電剤および結着剤を含む負極材料層(負極活物質含有層)とを有する。この負極は、例えば、粉末状の負極活物質に導電剤および結着剤を添加し、これらを適当な溶媒に懸濁させ、この懸濁物(スラリー)を集電体に塗布、乾燥、プレスして帯状電極にすることにより作製される。負極の細孔分布及び気孔率は、スラリーの攪拌条件(例えば、攪拌方式、回転数、ビーズ径)を調整することにより制御することができる。たとえば、薄膜旋回型高速ミキサー(プライミクス製フィルミックス40-40型)を用いる場合、周速を上げるまたは滞留時間を長くすることで粒子サイズは小さくなり分布もシャープとなるので、細孔分布としては細孔径は小さくなり気孔率は電極プレスにより潰れにくくなるので大きくなる傾向となる。また、たとえば横型ビーズミル(アイメックス社製RMH−03)を用いる場合でビーズ径が小さいときは、ディスク回転数を上げるまたは流速を下げると粒子サイズは小さくなり分布もシャープとなるので、細孔分布としては細孔径は小さくなり気孔率は電極プレスにより潰れにくくなるので大きくなる傾向となる。一方、ビーズ径が大きいときは、ディスク回転数を上げるまたは流速を下げると粒子サイズは小さくなり分布はブロードとなるので、細孔分布としては細孔径は小さくなり気孔率は電極プレスにより潰れやすくなるので小さくなる傾向となる。また、例えば湿式微粒子化装置(スギノマシン製スターバーストラボ)を用いる場合、圧力を大きくするまたは処理量を小さくすると粒子サイズは小さくなり分布もシャープとなるので、細孔分布としては細孔径は小さくなり気孔率は電極プレスにより潰れにくくなるので大きくなる傾向となる。
集電体には、金属箔または合金箔が用いられる。特にアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔が好ましい。アルミニウム箔、アルミニウム合金箔は、50μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは5μm以下の平均結晶粒径を有することが望ましい。アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の平均結晶粒径を50μm以下にすることによって、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の強度を飛躍的に増大させることができる。このため、プレス時の圧力を高めて負極材料層を高密度化して負極容量を増大させることが可能になる。また、高温環境下(40℃以上)における過放電サイクルでの集電体の溶解・腐食劣化を防ぐことができる。このため、負極インピーダンスの上昇を抑制することができる。さらに、出力性能、急速充電、充放電サイクル性能も向上させることができる。
平均結晶粒径は次のようにして求められる。集電体表面の組織を光学顕微鏡で組織観察し、1mm×1mm内に存在する結晶粒の数nを求める。このnを用いてS=1x106/n(μm2)から平均結晶粒子面積Sを求める。得られたSの値から下記(A)式により平均結晶粒子径d(μm)を算出する。
d=2(S/π)1/2 (A)
アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の平均結晶粒径は、材料組織、不純物、加工条件、熱処理履歴、ならびに焼鈍条件など複数の因子から複雑な影響を受けて変化する。結晶粒径は、集電体の製造工程の中で、前述の諸因子を組合せて調整することが可能である。
集電体の厚さは、20μm以下、より好ましくは15μm以下であることが望ましい。アルミニウム箔は99質量%以上の純度を有することが好ましい。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛、ケイ素などの元素を含む合金であることが好ましい。合金成分として含まれる鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属は1質量%以下にすることが好ましい。
負極活物質には、Tiを含有する化合物が含まれる。Ti含有化合物の例には、スピネル型リチウムチタン複合酸化物(例えば、Li4+yTi5-dM2d12(M2はMg,Al,Si,Ti,Zn,Zr,Ca,W,Nb及びSnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属、−1≦y≦3,0≦d≦0.1)、ラムスデライト型リチウムチタン複合酸化物(例えば、Li2+xTi37(xは充放電反応により−1≦x≦3の範囲で変化する)、TiとP、V、Sn、Cu、NiおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物などが挙げられる。TiとP、V、Sn、Cu、NiおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物の例には、TiO2−P25、TiO2−V25、TiO2−P25−SnO2、TiO2−P25−MeO(MeはCu、NiおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1つの元素)を挙げることができる。この金属複合酸化物は、結晶性が低く、結晶相とアモルファス相が共存もしくはアモルファス相単独で存在したミクロ構造であることが好ましい。このようなミクロ構造の金属複合酸化物は、サイクル性能を大幅に向上させることができる。これらの金属複合酸化物は、充電によりリチウムが挿入されることでリチウムチタン複合酸化物に変化する。
また、このほかの活物質として金属化合物は、金属硫化物、金属窒化物を用いることができる。金属硫化物は、例えばTiS2のような硫化チタン、例えばMoS2のような硫化モリブデン、例えばFeS、FeS2、LixFeS2のような硫化鉄を用いることができる。金属窒化物は、例えばリチウムコバルト窒化物(例えばLisCotN、0<s<4,0<t<0.5)を用いることができる。
負極活物質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
結着剤は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリル酸、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴムなどが挙げられる。
導電剤には、例えばカーボンブラック、黒鉛(グラファイト)、グラフェン、フラーレン類、コークス等を挙げることができる。中でもカーボンブラック、黒鉛が好ましく、カーボンブラックとしてはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等が挙げられる。
負極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、負極活物質73〜96重量%、導電剤2〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
2)正極
正極は、正極集電体と、集電体の片面もしくは両面に担持され、活物質、導電剤および結着剤を含む正極材料層(正極活物質含有層)とを有する。
この正極は、例えば、正極活物質に導電剤および結着剤を添加し、これらを適当な溶媒に懸濁させ、この懸濁物をアルミニウム箔などの集電体に塗布、乾燥、プレスして帯状電極にすることにより作製される。正極の細孔分布及び気孔率は、スラリーの攪拌条件(例えば、攪拌方式、回転数、ビーズ径)を調整することにより制御することができる。制御方法は、負極で説明したのと同様なものを挙げることができる。
正極活物質には、Li1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1c2が含まれる。正極活物質は、この酸化物のみであっても、他の種類の活物質を含んでいても良い。
この他の正極活物質として、種々の酸化物、硫化物などが挙げられる。例えば、二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LixMn24またはLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物{例えば、LixNi1-y-zCoyz2(MはAl,CrおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)、0≦y≦0.5、0≦z≦0.1}、リチウムマンガンコバルト複合酸化物{例えば、LixMn1-y-zCoyz2(MはAl,CrおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素)、0≦y≦0.5、0≦z≦0.1}、リチウムマンガンニッケル複合化合物(例えば、LixMn1/2Ni1/22)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えば、LixMn2-yNiy4)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えば、LixFePO4、LixFe1-yMnyPO4、LixCoPO4など)、硫酸鉄(例えば、Fe2(SO43)、バナジウム酸化物(例えば、V25)などが挙げられる。また、ポリアニリンやポリピロールなどの導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料、イオウ(S)、フッ化カーボンなどの有機材料および無機材料も挙げられる。なお、上記に好ましい範囲の記載がないx、y、zについては0以上1以下の範囲であることが好ましい。
正極活物質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
導電剤としては、例えばカーボンブラック、黒鉛(グラファイト)、グラフェン、フラーレン類、コークス等を挙げることができる。中でもカーボンブラック、黒鉛が好ましく、カーボンブラックとしてはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等が挙げられる。
結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリル酸、フッ素系ゴムなどが挙げられる。
正極活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、正極活物質80〜95重量%、導電剤3〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
正極集電体は、アルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔から形成されることが望ましい。アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔の平均結晶粒径は50μm以下であることが好ましい。より好ましくは、30μm以下である。更に好ましくは5μm以下である。平均結晶粒径が50μm以下であることにより、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の強度を飛躍的に増大させることができ、正極を高いプレス圧で高密度化することが可能になり、電池容量を増大させることができる。
集電体の厚さは、20μm以下、より好ましくは15μm以下である。アルミニウム箔の純度は99質量%以上が好ましい。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素などの元素を含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は1質量%以下にすることが好ましい。
3)非水電解質
この非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質塩を含む。また、非水溶媒中にはポリマーを含んでもよい。ただし、Bを有するLi塩が電解質塩として含まれることが好ましい。
電解質塩の例には、LiPF6、LiBF4、Li(CF3SO22N(ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム;通称LiTFSI)、LiCF3SO3(通称LiTFS)、Li(C25SO22N(ビスペンタフルオロエタンスルホニルアミドリチウム;通称LiBETI)、LiClO4、LiAsF6、LiSbF6、ビスオキサラトホウ酸リチウム(LiB(C242(通称LiBOB))、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiF2BC24)、ジフルオロ(トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0)ホウ酸リチウム(LiBF2(OCOOC(CF32)(通称LiBF2(HHIB)))等のリチウム塩が挙げられる。これらの電解質塩は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。特にLiPF6、LiBF4、ビスオキサラトホウ酸リチウム(LiB(C242(通称LiBOB))、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiF2BC24)、ジフルオロ(トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0)ホウ酸リチウム(LiBF2(OCOOC(CF32)(通称LiBF2(HHIB)))が好ましい。
電解質塩濃度は、1M以上、3M以下の範囲内とすることが好ましい。これにより、高負荷電流を流した場合の性能を向上することができる。
非水溶媒としては、特に限定されるものではないが、その例には、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、γ−ブチロラクトン(GBL)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeHF)、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル(AN)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネイト(DMC)、メチルエチルカーボネイト(MEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等が挙げられる。これらの溶媒は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。また、溶媒を二種類以上組み合わせる場合、すべての溶媒に誘電率が20以上のものの中から選ぶことが好ましい。
非水電解質は添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、特に限定されるものではないが、その例には、ビニレンカーボネイト(VC)、フルオロビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、フルオロメチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、プロピルビニレンカーボネート、ブチルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ジプロピルビニレンカーボネート、ビニレンアセテート(VA)、ビニレンブチレート、ビニレンヘキサネート、ビニレンクロトネート、カテコールカーボネート、プロパンスルトン、ブタンスルトン等が挙げられる。添加剤の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
4)セパレータ
セパレータは、絶縁性を有するものであれば特に限定されないが、ポリオレフィン、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、及びビニロンのようなポリマーで作られた多孔質フィルム又は不織布を用いることができる。この多孔質フィルム又は不織布中に無機粒子が含まれてもよい。セパレータの材料は1種類であってもよく、或いは、2種類以上を組合せて用いてもよい。
5)外装部材
外装部材は、厚さ0.5mm以下のラミネートフィルム又は厚さ3mm以下の金属製容器が用いられる。金属製容器は、厚さ0.5mm以下であることがより好ましい。またポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレン系樹脂、フッ素系樹脂等からなる樹脂製容器を用いてもよい。
外装部材の形状すなわち電池形状は、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、ボタン型等が挙げられる。また、電池は、例えば、携帯用電子機器等に積載される小型用途、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型用途のいずれにも適用することができる。
ラミネートフィルムの例には、樹脂層と、樹脂層間に介在された金属層とを含む多層フィルムが挙げられる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔が好ましい。樹脂層は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子材料を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行って外装部材の形状に成形することができる。
金属製容器は、アルミニウム又はアルミニウム合金等から作られる。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等の元素を含む合金が好ましい。合金中に鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属が含む場合、その量は100ppm以下にすることが好ましい。
実施形態の非水電解質電池の一例を図1に示す。図1に示す電池は、密閉型の角型非水電解質電池である。非水電解質電池は、外装缶1と、蓋2と、正極外部端子3と、負極外部端子4と、電極群5とを備える。外装缶1と蓋2とから外装部材が構成されている。
外装缶1は、有底角筒形状をなし、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄あるいはステンレスなどの金属から形成される。
図2に示すように、偏平型の電極群5は、正極6と負極7がその間にセパレータ8を介して偏平形状に捲回されたものである。正極6は、例えば金属箔からなる帯状の正極集電体と、正極集電体の長辺に平行な一端部からなる正極集電タブ6aと、少なくとも正極集電タブ6aの部分を除いて正極集電体に形成された正極材料層(正極活物質含有層)6bとを含む。一方、負極7は、例えば金属箔からなる帯状の負極集電体と、負極集電体の長辺に平行な一端部からなる負極集電タブ7aと、少なくとも負極集電タブ7aの部分を除いて負極集電体に形成された負極材料層(負極活物質含有層)7bとを含む。
このような正極6、セパレータ8及び負極7は、正極集電タブ6aが電極群の捲回軸方向にセパレータ8から突出し、かつ負極集電タブ7aがこれとは反対方向にセパレータ8から突出するよう、正極6及び負極7の位置をずらして捲回されている。このような捲回により、電極群5は、図2に示すように、一方の端面から渦巻状に捲回された正極集電タブ6aが突出し、かつ他方の端面から渦巻状に捲回された負極集電タブ7aが突出している。電解液(図示しない)は、電極群5に含浸されている。
図1に示すように、正極集電タブ6a及び負極集電タブ7aは、それぞれ、電極群の捲回中心付近を境にして二つの束に分けられている。導電性の挟持部材9は、略コの字状をした第1,第2の挟持部9a,9bと、第1の挟持部9aと第2の挟持部9bとを電気的に接続する連結部9cとを有する。正負極集電タブ6a,7aは、それぞれ、一方の束が第1の挟持部9aによって挟持され、かつ他方の束が第2の挟持部9bによって挟持される。
正極リード10は、略長方形状の支持板10aと、支持板10aに開口された貫通孔10bと、支持板10aから二股に分岐し、下方に延出した短冊状の集電部10c、10dとを有する。一方、負極リード11は、略長方形状の支持板11aと、支持板11aに開口された貫通孔11bと、支持板11aから二股に分岐し、下方に延出した短冊状の集電部11c、11dとを有する。
正極リード10は、集電部10c、10dの間に挟持部材9を挟む。集電部10cは、挟持部材9の第1の挟持部9aに配置されている。集電部10dは、第2の挟持部9bに配置されている。集電部10c、10dと、第1,第2の挟持部9a,9bと、正極集電タブ6aとは、例えば超音波溶接によって接合される。これにより、電極群5の正極6と正極リード10が正極集電タブ6aを介して電気的に接続される。
負極リード11は、集電部11c、11dの間に挟持部材9を挟んでいる。集電部11cは、挟持部材9の第1の挟持部9aに配置されている。一方、集電部11dは、第2の挟持部9bに配置される。集電部11c、11dと、第1,第2の挟持部9a,9bと、負極集電タブ7aとは、例えば超音波溶接によって接合される。これにより、電極群5の負極7と負極リード11が負極集電タブ7aを介して電気的に接続される。
正負極リード10,11および挟持部材9の材質は、特に指定しないが、正負極外部端子3,4と同じ材質にすることが望ましい。正極外部端子3には、例えば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が使用され、負極外部端子4には、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ニッケル、ニッケルメッキされた鉄などが使用される。例えば、外部端子の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金の場合は、リードの材質をアルミニウム、アルミニウム合金にすることが好ましい。また、外部端子が銅の場合は、リードの材質を銅などにすることが望ましい。
矩形板状の蓋2は、外装缶1の開口部に例えばレーザでシーム溶接される。蓋2は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄あるいはステンレスなどの金属から形成される。蓋2と外装缶1は、同じ種類の金属から形成されることが望ましい。正極外部端子3は、正極リード10の支持板10aと電気的に接続され、負極外部端子4は、負極リード11の支持板11aと電気的に接続されている。絶縁ガスケット12は、正負極外部端子3,4と蓋2との間に配置され、正負極外部端子3,4と蓋2とを電気的に絶縁している。絶縁ガスケット12は、樹脂成形品であることが望ましい。
以上説明した第1の実施形態の非水電解質電池によれば、Li1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1c2を含む正極と、Tiを含有する化合物を含む負極とを備え、正極及び負極の水銀圧入法による細孔体積、細孔表面積及び気孔率を特定すると共に、細孔体積、細孔表面積及び気孔率を、正極を負極よりも小さくするものである。このような非水電解質電池によれば、入出力性能を向上することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態によれば、非水電解質電池を含む電池パックが提供される。非水電解質電池には、第1の実施形態に係る非水電解質電池が使用される。電池パックに含まれる非水電解質電池(単電池)の数は、1個または複数にすることができる。複数の単電池を備える場合、各単電池は電気的に直列もしくは並列に接続されている。
このような電池パックを図3を参照して詳細に説明する。複数の単電池21は、互いに電気的に直列に接続され、組電池22を構成している。正極側リード23は、組電池22の正極端子に接続され、その先端は正極側コネクタ24に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード25は、組電池22の負極端子に接続され、その先端は負極側コネクタ26に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ24,26は、配線27,28を通して保護回路29に接続されている。
サーミスタ30は、単電池21の温度を検出し、その検出信号は保護回路29に送信される。保護回路29は、所定の条件で保護回路29と外部機器への通電用端子31との間のプラス側配線32aおよびマイナス側配線32bを遮断できる。所定の条件とは、例えばサーミスタ30の検出温度が所定温度以上になったときである。また、所定の条件とは単電池21の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。この過充電等の検出は、個々の単電池21もしくは単電池21全体について行われる。個々の単電池21を検出する場合、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図3の場合、単電池21それぞれに電圧検出のための配線33を接続し、これら配線33を通して検出信号が保護回路29に送信される。
図3では単電池21を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには並列に接続してもよい。組み上がった電池パックを直列、並列に接続することもできる。
また、電池パックの態様は用途により適宜変更される。電池パックの用途としては、大電流特性でのサイクル特性が望まれるものが好ましい。具体的には、デジタルカメラの電源用や、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車等の車載用が挙げられる。特に、車載用が好適である。
以上詳述した第2の実施形態の電池パックによれば、第1の実施形態の非水電解質電池を含むため、入出力性能に優れた電池パックを提供することができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
(実施例A−1)
<正極の作製>
正極活物質にLiNi0.5Co0.2Mn0.32(一次粒子径:0.6μm、中心粒径:6μm)を用い、これに導電剤として正極全体に対して2.5重量%の割合になるようにグラファイトと正極全体に対して2.5重量%の割合になるようにアセチレンブラック、結着剤として正極全体に対して5重量%となるようにPVdFをそれぞれ配合した。これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散してスラリーを調製した。分散には横型ビーズミル(アイメックス社製RMH−03)を使用し、ビーズにはジルコニアビーズ0.5mmφを用い、ディスク回転数は1200rpmとした。得られたスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔に塗布、乾燥、プレス工程を経て細孔体積0.07mL/g、細孔表面積3.4m2/g、気孔率22%の正極を作製した。
<負極の作製>
負極活物質にLi4Ti512(中心粒径1μm)を用い、導電剤としてグラファイトを負極全体に対して5重量%になるように、結着剤としてPVdFを負極全体に対して5重量%となるように、N−メチルピロリドン(NMP)溶液中で混合することによりスラリーを調製した。分散には横型ビーズミル(アイメックス社製RMH−03)を使用し、ビーズにはジルコニアビーズ0.2mmφを用いディスク回転数は1800rpmとした。得られたスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体に塗布し、乾燥し、プレスすることにより細孔体積0.13mL/g、細孔表面積6.8m2/g、気孔率が24%の負極を作製した。
<非水電解質の調製>
33体積%のPC及び67体積%のDECからなる非水溶媒に、1.5MのLiPF6を混合し、非水電解質とした。
<電池の組み立て>
非水電解質をセルロース製不織布からなる厚さ20μmのセパレータに含浸した後、このセパレータで正極を覆い、負極をセパレータを介して正極と対向するように重ねて渦巻状に捲回し、渦巻状の電極群を作製した。この電極群にプレスを施すことにより、扁平状に成形した。20μm厚さのアルミニウム板からなる金属缶を外装部材として用意した。外装部材に、扁平状に成形した電極群を挿入し、扁平型非水電解質電池を作製した。
(実施例A−2〜A−3、比較例A−1)
分散条件を変更し正極および負極の物性が表1となるように調整した以外は実施例A−1と同様の電池を作製した。
(実施例B−1、比較例B−1)
0.2mm(200μm)厚さのアルミニウム箔と、アルミニウム箔の両面を被覆する樹脂層とを含むラミネートフィルムからなり、内面がポリプロピレン層で形成された外装部材を用意した。この外装部材を用いる以外は、実施例A−1または比較例A−1と同様の電池を作製した。
(比較例C−1,2、D−1,2)
正極活物質と分散条件を変更し正極および負極の物性が表1となるように調整した以外は実施例A−1と同様の電池を作製した。
得られた電池の正極及び負極の、活物質の種類、細孔体積、細孔表面積及び気孔率と、外装部材の種類とを下記表1に示す。
得られた電池の入力値測定は以下の方法で実施した。電池の充電状態をSOC50%として25℃環境において10C電流値で60秒充電をおこなった。充電前電圧をV0sec、充電後電圧をV60secとして(V60sec−V0sec)の値を10C電流値で除することで抵抗を算出し、その抵抗値から電池電圧が2.8Vとなるときの電流値を算出した。算出された電流値と電池電圧2.8Vを乗ずることでサイクル前入力値とした。
サイクル前入力値を測定した電池を電池電圧45℃環境において1.2V〜2.8Vの範囲内で充放電電流値を1Cのサイクルを1000回繰り返した。サイクル後電池について前記同様の入力値測定を実施し、サイクル後入力値を測定した。サイクル前入力値及びサイクル後入力値を下記表2に示す。
Figure 2015060656
Figure 2015060656
表1及び表2における、実施例A−1〜A−3と、比較例A−1,C−1,C−2,D−1及びD−2との比較から明らかなように、実施例A−1〜A−3の電池によると、入力値のサイクル後の低下が、比較例A−1,C−1,C−2,D−1及びD−2の電池に比して小さい。また、実施例B−1と、比較例B−1との比較から明らかなように、実施例B−1の電池によると、入力値のサイクル後の低下が、比較例B−1の電池に比して小さい。また、比較例C−1とC−2の比較、比較例D−1とD−2の比較から明らかなように、正極活物質にLi1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1c2が含まれていない場合には、細孔体積、細孔表面積及び気孔率を特定しても、入力特性が改善されないことがわかる。以上のことから、正極及び負極の活物質の種類並びに細孔分布を特定することにより、外装部材の種類に拘らず、入力特性が改善されることがわかる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態及び実施例の非水電解質電池によれば、Li1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1c2を含む正極と、Tiを含有する化合物を含む負極とを備え、正極の細孔体積、細孔表面積及び気孔率が、負極の細孔体積、細孔表面積及び気孔率よりも小さいため、入出力性能を向上することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…外装缶、2…蓋、3…正極外部端子、4…負極外部端子、5…電極群、6…正極、6a…正極集電タブ、6b…正極材料層、7…負極、7a…負極集電タブ、7b…負極材料層、8…セパレータ、9…挟持部材、10…正極リード、11…負極リード、12…絶縁ガスケット、21…単電池、22…組電池、29…保護回路、30…サーミスタ。

Claims (5)

  1. Li1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1c2(M1はMg,Al,Si,Ti,Zn,Zr,Ca,W,Nb及びSnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属、−0.2≦x≦0.5,0<a≦0.5、0<b≦0.5,0≦c≦0.1)を含む活物質を含有し、水銀圧入法による細孔体積が0.03〜0.15ml/g、水銀圧入法による細孔表面積が2.8〜4.8m2/g、水銀圧入法による気孔率が16〜28%の範囲内の正極と、
    Tiを含有する化合物を含み、水銀圧入法による細孔体積が0.08〜0.2ml/g、水銀圧入法による細孔表面積が5.5〜7.5m2/g、水銀圧入法による気孔率が18〜30%の範囲内の負極と、
    少なくとも前記正極及び前記負極が収納される外装部材と
    を含み、
    前記細孔体積、前記細孔表面積及び前記気孔率は、前記正極が前記負極よりも小さいことを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記外装部材は、内面の少なくとも一部を形成する樹脂層と、5〜1000μm厚さの金属箔とを含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
  3. 前記正極の前記活物質は、一次粒子径が0.1〜1μmの範囲のものを含むことを特徴とする請求項2に記載の非水電解質電池。
  4. 前記負極活物質はチタン酸リチウムであることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質電池を含むことを特徴とする電池パック。
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