JP2015059958A - 中間転写ベルトの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間転写ベルトの高速駆動に対して搬送安定性が高くかつ長期にわたり搬送安定性を維持することができる中間転写ベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】中間転写ベルトの最内層がウレタン基を含むゴム又は樹脂材料で構成される単層又は二層以上の中間転写ベルトの製造方法において、
(i)前記中間転写ベルトの最内層を形成する最内層形成工程と、
(ii)前記中間転写ベルトの最内層の裏側の表面を裏面としたとき、裏面の表面粗さRaを0.2〜0.4μmに調整する裏面粗面化工程と、
(iii)前記中間転写ベルトの裏面をイソシアネート化合物により含浸処理を施す裏面含浸処理工程とを、少なくとも有することを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、中間転写ベルトの高速駆動に対して、長期にわたり搬送安定性が高い中間転写ベルトの製造方法に関する。
近年、電子写真装置においては様々な用途でシームレスベルトが部材として用いられている。特に近年のフルカラー電子写真装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を一旦中間転写媒体上に色重ねし、その後一括して紙などの転写媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられていて、中間転写ベルトとしてシームレスベルトが採用されている。
このような中間転写ベルト方式は、1つの感光体に対して4色の現像器を用いるシステムで用いられていたがプリント速度が遅いという欠点があった。そのため、高速プリントとしては、感光体を4色分(4本)並べ、各色を連続して紙に転写する4連タンデム方式が用いられている。しかし、この方式では紙などの影響もあり、各色の画像を重ねるにあたり位置精度を合わせることが非常に困難であり、色ずれ画像を引き起こしていた。そこで近年では、4連タンデム方式に中間転写方式を採用することが主流になってきている。
中間転写ベルトに使用される材料としては、ウレタンゴムやウレタン樹脂などが用いられたウレタン基を含む樹脂又ゴム材料で構成された中間転写ベルトが知られており、例えば、以下のような構成が知られている。
特許文献1では、導電性ゴム層と、該導電性ゴム層の表面に形成された表皮層とを具備してなり、かつ前記表皮層が、ガラス転移温度が−20℃〜20℃で体積固有抵抗が1013〜1016Ω・cmであるポリエステル系ポリウレタン樹脂を主材としたものであることを特徴とする中間転写部材が知られている。
特許文献2では、導電層と、その上に保護層を形成した導電性ベルトにおいて、該導電層がウレタン結合および/またはウレア結合を有するエラストマーからなる構成され、該保護層が導電性物質を含有し、該導電性物質の前記保護層における含有量が、導電層側から表面側に向かって高くなるように、前記導電性物質が傾斜分散していることを特徴とする導電性ベルトが知られている。
特許文献3では、導電剤を含む樹脂材料から成形される半導電性のベルト基材と、該ベルト基材の内面に形成される導電層とからなる転写ベルトにおいて、上記ベルト基材における樹脂材料はポリウレア系及び/又はポリウレタン系樹脂からなると共に上記導電剤はポリピロール系導電性ポリマーからなり、また上記導電層はポリピロール系導電性ポリマーからなることを特徴とする転写ベルトが知られている。
特許文献4では、ウレタンゴム弾性層をベルトの表面に有し、かつベルトの表面をイソシアネートで含浸処理が施され、表面硬度が0.01GPa以上であり、20μNの荷重で押し込んだときの変位が50nm以上であることを特徴とする中間転写ベルトが知られている。
近年、カラー画像形成装置は、高速化、高耐久化、安定性に対応するために、大型の装置を高速で駆動させており、中間転写ベルトに対して、ベルト周長が長く高速駆動を行っても、耐久性、安定性の高いベルトであることが要求される。
高速駆動の課題の1つとして、中間転写ベルトの搬送安定性がある。具体的には、高速回転することで中間転写ベルトとベルトを駆動させるローラでスリップが発生して色ずれが発生しやすくなること、ベルト寄りが発生した場合にベルトが損傷しやすいことなどを抑制できることである。
このような課題に対して、ポリイミド樹脂の中間ベルトにおいて、特許文献5では、少なくともポリイミド樹脂から形成され、裏面(内側の面)の表面粗さRaが0.2〜0.4μm、吸湿線膨張係数が22ppm/%RH以下であり、前記ポリイミド樹脂が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンがイミド結合したポリイミド樹脂成分(S成分)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルがイミド結合したポリイミド樹脂成分(A成分)とがブレンドされ、該S成分とA成分の重量比(S/A)が10/90〜40/60であることを特徴とする中間転写ベルトが知られている。
また、フルカラー電子写真を用いてさまざまな用紙に画像を形成することが多くなり、通常の平滑な用紙だけでなく、コート紙のようなスリップ性のある平滑度の高いものからリサイクルペーパーやエンボス紙、和紙、クラフト紙のような表面性の粗いものが使用されることが増えてきている。このような表面性状の異なる用紙への追従性は重要であり、追従性が悪いと、用紙の凹凸状の濃淡むらや色調のむらの発生や、転写率低下が発生してしまう。
この課題を解決するために、弾性を有するゴム材料などの柔らかい材料を弾性層として用いることが知られている。弾性層を設けることで、紙表面の凹凸に対してベルト表面が追随するため、凹凸の大きい紙でも、転写性が悪化しない。
一方、ゴム材料層の表面は、トナー離型性が高くないため、ゴム材料の弾性層の上に、トナー離型性の高い樹脂材料層を、表面層として積層させることが知られている。
例えば、低表面自由エネルギーの表面層を積層させたベルトとしては、特許文献6において、ポリイミド樹脂の基材と、水滴との接触角が90°以上あるフッ素系高分子材料の表面層を有する中間転写ベルトが知られている。
しかしながら、上記のような表面層を積層する場合は、下地の層との接着性が課題となる。特に上記にあるような、高い離型性の材料は、下地層との密着性が特に悪く、表面層の一部に剥がれや割れが発生する。弾性層の上にトナー離型性が高い材料で表面層を積層させたベルト構成では、接着性に大きな課題があり、耐久性の高いベルトの製造が困難であった。また、ベルトの表面にあるウレタンゴム層をイソシアネート処理した場合、処理の効果はあるものの、トナー離型性は十分とは言えず、また経時の転写性も十分ではなかった。
そこで、本発明は上記課題を鑑み、中間転写ベルトの高速駆動に対して搬送安定性が高くかつ長期にわたり搬送安定性を維持することができる中間転写ベルトの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、中間転写ベルトの最内層がウレタン基を含むゴム又は樹脂材料で構成される単層又は二層以上の中間転写ベルトの製造方法において、
(i)前記中間転写ベルトの最内層を形成する最内層形成工程と、
(ii)前記中間転写ベルトの最内層の裏側の表面を裏面としたとき、裏面の表面粗さRaを0.2〜0.4μmに調整する裏面粗面化工程と、
(iii)前記中間転写ベルトの裏面をイソシアネート化合物により含浸処理を施す裏面含浸処理工程とを、少なくとも有することを特徴とする中間転写ベルトの製造方法である。
本発明によれば、中間転写ベルトの高速駆動に対して搬送安定性が高くかつ長期にわたり搬送安定性を維持することができる中間転写ベルトの製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法により作製される中間転写ベルトの層構成の一例を示す図である。 本発明の製造方法で作製された中間転写ベルトを搭載可能な画像形成装置の一例を示す図である。
本発明の中間転写ベルトの製造方法は、中間転写ベルトの最内層がウレタン基を含むゴム又は樹脂材料で構成される単層又は二層以上の中間転写ベルトの製造方法において、
(i)前記中間転写ベルトの最内層を形成する最内層形成工程と、
(ii)前記中間転写ベルトの最内層の裏側の表面を裏面としたとき、裏面の表面粗さRaを0.2〜0.4μmに調整する裏面粗面化工程と、
(iii)前記中間転写ベルトの裏面をイソシアネート化合物により含浸処理を施す裏面含浸処理工程とを、少なくとも有することを特徴としている。
以下、本発明に係る中間転写ベルトの製造方法及び中間転写ベルトについて図面を参照しながら説明する。なお、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明の中間転写ベルトの製造方法により作製される中間転写ベルトは、単層又は2層以上であり、中間転写ベルトの最も内側の層を最内層と称する。そのため、単層の場合は、中間転写ベルトは最内層のみの構成となる。
また、中間転写ベルトの駆動ローラと接触する面をベルトの裏面と称し、すなわち、中間転写ベルトの最内層の裏側の表面を裏面と称する。以下、ベルトと表記した場合には、中間転写ベルトを表す。
図1に2層の場合における中間転写ベルトの層構成の例を模式的に示す。図1では、最内層10上に表面層11が積層されている。なお、2層以上の場合には、最も表面にある層が表面層11となる。
本発明の中間転写ベルトの製造方法は、
(i)前記中間転写ベルトの最内層を形成する最内層形成工程と、
(ii)前記中間転写ベルトの最内層の裏側の表面を裏面としたとき、裏面の表面粗さRaを0.2〜0.4μmに調整する裏面粗面化工程と、
(iii)前記中間転写ベルトの裏面をイソシアネート化合物により含浸処理を施す裏面含浸処理工程とを、少なくとも有している。さらに必要に応じて、
(iv)イソシアネート化合物と、該イソシアネート化合物のイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂材料と、を含む表面層形成用塗工液を前記最内層の厚み方向に塗布した後、加熱することにより前記表面層を形成する表面層形成工程
を前記最内層形成工程後の任意の段階で有していてもよい。
以下、本発明の中間転写ベルトの製造方法の各工程について説明する。
(最内層形成工程)
最内層は、ウレタン基を含む樹脂又はゴム材料で構成され、最内層に用いられる材料としては公知の材料が使用できる。
表面性状の異なる用紙への追従性の観点から、中間転写ベルトの構成として、ゴム材料の層が含まれることが好ましい。本発明において、最内層としてゴム材料を使用することが好ましく、特にウレタンゴムが好ましい。
ここでは、例としてプレポリマー法により作製するウレタンゴムについて説明する。
プレポリマー法では、ポリオールとイソシアネートを反応させて末端がイソシアネート基(以下、NCO基と表記する場合がある)を有するウレタンプレポリマーが合成される。このウレタンプレポリマーに硬化剤を添加し、プレポリマーの伸張及び架橋を行い、ウレタンゴムを作製することができる。なお、硬化剤としては、グリコール、ジアミン、3価以上のアルコールなどが挙げられ、詳細は後述する。
前記ウレタンプレポリマーの原材料のポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール、例えば、エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオールのようなアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール、カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール等が用いられる。
前記ウレタンプレポリマーの原材料のイソシアネートとしては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネートなど公知のイソシアネートが使用できる。
例えば、芳香族イソシアネートの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略称する)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
なお、ウレタンプレポリマーの製造法については、特に制限されないが、その一例として、芳香族イソシアネートとポリオールを、例えば窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で混合し、反応させる方法などが挙げられる。
本発明において、ウレタンプレポリマーは適宜合成したものでも良いが、市販品の樹脂材料も使用できる。例えば、DIC社製のパンデックスやウレハイパー、三井化学ポリウレタン社製のタケネートなどが挙げられる。
ウレタンプレポリマーの伸張させる硬化剤としては、グリコールやジアミンなどの伸張剤、3価以上のアルコールなどの架橋剤等が使用できる。
グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンなどの2価アルコールが挙げられるが、これらのうちエチレングリコール、1、4−ブタンジオールが好ましい。
ジアミンとしては、例えば、3’,3ジクロロ4’,4ジアミノジフェニルメタン、エチレンジアミン、4’,4ジアミノジフェニルメタンなどが好ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、ショ糖などの3〜8価の多価アルコールなどが挙げられるが、トリオールが好ましく、トリメチロールプロパンが好ましい。
上記の硬化剤は、単独で用いても良いし、2種以上を用いてもよい。
上記の硬化剤をウレタンプレポリマーに添加して、スタティックミキサー等の混合機で混合し、数分間真空脱泡を行い、120℃〜160℃の温度で、1〜2時間硬化させて、ウレタンゴムを製造することができる。
上記のウレタンゴムに、必要に応じて、電気特性を調整するための電気抵抗調整剤、難燃性を得るための難燃剤、酸化防止剤、補強剤、充填剤、架橋促進剤などの材料を適宜含有させてもよい。
電気抵抗調整剤としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。また、分散性を良くするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものも挙げられる。
カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。
イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等が挙げられ、これらを併用して用いてもよい。
なお、配合量は種々の条件によって変更することができるが、例えば電気抵抗調整剤としてカーボンブラックを用いた場合、カーボンブラックの配合量は、ウレタンゴム100重量部に対し、5〜40重量部が好ましく、10〜30重量部がより好ましく、10〜25重量部がさらに好ましい。
最内層の形成方法としては特に制限はなく、公知の工法が使用できる。例えば、材料を塗工用の液状にして、金型に塗工を行うことにより最内層を形成する場合には、螺旋塗工、ダイ塗工、ロール塗工、遠心成型などの既存の塗工法が適用できる。
ここでは、例としてウレタンゴムを螺旋塗工する場合について説明する。螺旋塗工では、円筒状の金型を周方向に回転させながら、丸型又は広幅のノズルによりゴム塗料を連続的に供給しながら、ノズルを金型の軸方向に移動させて、金型外面にウレタンゴム材料の塗料を螺旋状に塗工する。金型外面に螺旋状に塗工された塗料は、金型を回転させた状態で、加熱炉に投入し、溶剤の乾燥、ウレタンプレポリマーの伸張、架橋を行う。加熱終了後、徐冷してウレタンゴム層が形成された円筒状の型を取り出す。
上記のように、金型外面に塗工する方法では、金型外面の表面の粗さが、ベルト裏面に転写される。そのため、金型外面の表面の粗さを調整することで、ベルト裏面の表面粗さRaを0.2〜0.4μmに制御することができ、別工程でベルト裏面の粗さを調整する必要がない。
(裏面粗面化工程)
裏面粗面化工程とは、ベルト裏面の表面粗さRaを0.2〜0.4μmに調整するための工程である。
ベルト裏面の表面粗さをこの範囲に設定することで、高速に駆動しても中間転写ベルトのスリップやベルト寄りによるベルトの損傷が発生しにくい。ベルトの裏面の粗さRaが0.4μmより大きい場合には、ベルトと駆動ローラの接触面積が減少するため、高速に駆動すると駆動ローラとベルトの間でスリップが発生しやすい。一方、ベルトの裏面の粗さRaが0.2μmより小さい場合は、駆動ローラとベルトの摩擦力が大きいため、ベルト寄りが発生した場合に、ベルト端部が他の部材と擦れる時に加わる力が大きくなる。そのため、ベルト端部は大きな損傷を受けやすく、搬送安定性も悪くなる。
ベルト裏面の粗さを制御する方法としては、前述したように、最内層を成型する際に、ベルト裏面の粗さを制御する方法がある。金型外面に塗工液の塗布により最内層を形成する方法では、金型表面の粗さが、ベルト裏面の粗さに転写される。そのため、金型外面の表面粗さRaが0.2〜0.4μmの金型を使用して金型外面へ塗工を行うことで、ベルト裏面の粗さを0.2〜0.4μmに制御することができる。このような工法の場合、最内層の形成とベルト裏面の粗面化を同じ工程で処理できる。
また、別な方法としては、最内層形成後に、別途粗面化する処理を施す方法もある。最内層を遠心成型で成型する場合は、ベルト裏面はエアー面となり、ベルト裏面の粗さの制御が困難となる。そこで、サンドブラスト等の粗面化する手段で、ベルト裏面を粗面化する処理を行なっても良い。
(裏面含浸処理工程)
裏面含浸処理工程とは、ベルト裏面をイソシアネート化合物で含浸処理する工程である。ウレタン基を含有する材料にイソシアネート化合物で含浸処理すると、表面が硬化する。そのため、ベルト裏面をイソシアネート化合物で含浸処理することで、ベルト裏面の耐摩耗性が向上する。
ベルト裏面の表面粗さは、前記のとおり、0.2〜0.4μmにすることで安定した搬送性を確保できるが、ベルト裏面は経時で摩耗するため表面粗さが変化する。ベルト裏面をイソシアネートで含浸処理することで、ベルト裏面の表面粗さの変化を抑制し、長期に渡り、安定した搬送性を確保できる。
イソシアネート含浸処理は、ウレタン基を含むゴム又は樹脂材料、ウレタンゴムの表面にイソシアネート化合物の溶液を塗布/浸透させた後、加熱により溶媒の除去と表面の硬化を行うことができる。
含浸処理に使用するイソシアネート化合物としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネートなど公知のイソシアネートが使用できる。例えば、芳香族イソシアネートの具体例としては、前記最内層形成工程で用いられるものを用いることができる。
また、ベルト裏面にイソシアネートを塗布する方法としては、イソシアネート化合物を溶媒に溶かした溶液を、スプレー法や浸漬法などにより塗布することができる。その後加熱処理により硬化する。加熱処理の温度としては120℃〜150℃であることが好ましい。上記好ましい範囲外の場合は硬化十分ではなく、経時や環境により、中間転写ベルトのベルト寄りが発生することがある。
本発明において、ベルトの裏面だけでなく、最内層の表側の表面についても含浸処理することが好ましい。中間転写ベルトが単層の場合、すなわち最内層のみの場合、イソシアネート化合物により、最内層の表側の表面についても含浸処理することで、ゴム表面が改質され、未処理に比べてトナー離型性が向上する。また、中間転写ベルトが二層以上の場合、すなわち最内層及び表面層を有する場合においても、最内層の表側の表面をイソシアネート化合物により含浸処理することが好ましい。このような含浸処理を行うことで、含浸処理を行った表面近傍は硬くなり、厚み方向で硬度の勾配ができると考えられる。そのため、表面層を厚くした場合でも表面層の剥離や割れなどの発生を抑えることができる。
当該含浸処理は、ベルト裏面の含浸処理と同様に行うことができる。また、浸漬法により含浸処理することで、ベルトの裏面だけでなく、最内層の表側の表面についても両方を同時に含浸処理することもできる。
(表面層形成工程)
本発明において、中間転写ベルトが2層以上の場合、本発明の中間転写ベルトの製造方法は、以下に説明する表面層形成工程を有することが好ましい。
表面層形成工程は、イソシアネート化合物と、該イソシアネート化合物のイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂材料とを含む表面層形成用塗工液を、最内層の上に塗布した後、加熱する工程である。
イソシアネート基と反応し得る官能基としては、ヒドロキシ基(以下、OH基と表記する場合もある)やカルボキシ基(以下、COOH基と表記する場合もある)等が挙げられ、これらの官能基を有する樹脂材料が表面層形成用塗工液に含まれることが好ましい。
また、表面層は転写性向上のために、トナー離型性が高い材料からなることが好ましく、ベルト表面は純水に対する接触角が90°以上で、かつ摩擦係数が0.25以下であることが好ましい。純水に対する接触角が90°未満の場合、転写性が悪く、転写率の低下を起こすことや高画質な画像が得られないことがある。
上記のような特性を発現する材料としては、フッ素基、シリコーン基等を含有する樹脂材料が挙げられる。
このような樹脂としては、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂以外にも、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂などの樹脂にフッ素基やシリコーン基を変性した樹脂などが挙げられる。
また、本発明で用いられる樹脂材料としては、イソシアネートを添加により硬化させることができる樹脂材料であるため、樹脂材料中にはOH基やCOOH基などイソシアネートと反応する官能基を含有し、硬化剤としてイソシアネートを添加し反応させることで、架橋させることができる樹脂材料が好ましい。
上記のような樹脂材料は適宜合成したものでも良いが市販品の樹脂材料も使用できる。
上記の樹脂材料の一例としては、市販品のシリコーンアクリル樹脂が使用でき、例えば、東亜合成社製のサイマック、レゼダシリーズ等が挙げられる。
上記のシリコーンアクリル樹脂は、アクリルの主鎖に、シリコーン鎖の枝部を導入したシリコーンアクリル樹脂であり、枝部にシリコーン鎖があるため、表面自由エネルギーが低く、低摩擦の表面が得られる。また、主鎖のアクリルには、OH基や、COOH基の官能基があるため、硬化剤としてイソシアネートを添加して、加熱することで、強靭な膜が得られる。
さらに、表面層を架橋するために添加するイソシアネートは、最内層におけるウレタン基とも加熱により反応するため、表面層の架橋だけででなく、最内層におけるウレタン基とも反応し、最内層と高い密着性が得られる。
また、フッ素系の樹脂としては、フルオロエチレンとビニルエーテルモノマーの共重合体で構成される旭化成社製のルミフロンシリーズや、テトラフルオロエチレンとビニルモノマーの共重合体で構成されるダイキン工業社製のゼッフルGKなどが使用できる。いずれもフッ素系の樹脂であり、かつOH基の官能基を有するため、硬化剤としてイソシアネートの添加させることで、架橋できる樹脂材料である。
表面層の作製にあっては、表面層の樹脂材料を溶剤に溶解させて所望の粘度に調整した塗工液に、樹脂材料の硬化剤であるイソシアネート化合物を添加して、攪拌を行い、表面層用塗工液を調合する。
樹脂材料とイソシアネート化合物の配合は、下記の配合量であることが好ましい。すなわち、イソシアネート化合物のイソシアネート基の総数と、樹脂材料のイソシアネート基と反応し得る官能基の総数は、その比が、
(イソシアネート基の総数/イソシアネート基と反応し得る官能基の総数)≧1.1
であることが好ましい。なお、この比が1の場合は、イソシアネート化合物中のイソシアネート基と、樹脂材料中のイソシアネート基と反応し得る官能基とが化学量論的に等しいことを意味する。
例えば、イソシアネート基と反応し得る官能基として、ヒドロキシ基を有する樹脂材料を用いた場合、(イソシアネート基の総数/イソシアネート基と反応し得る官能基の総数)の算出は下式を用いて計算することができる。
Figure 2015059958
上記によれば、イソシアネート基を過剰に配合することで、最内層との密着性をより高めることができる。
表面層の塗工は従来公知の方法が使用できる。最内層が積層された金型を回転させながら、スプレー塗工方により表面層の塗工を行う。加熱炉に投入、溶剤の乾燥、及び樹脂の熱硬化を行う。この時、熱硬化時の加熱温度は好ましくは100〜150℃、さらに好ましくは120〜150℃である。100℃より低い場合は、表面層の硬化が不十分で、かつ最内層との高い密着性も得られず、150℃より高い温度で加熱する場合についても最内層との高い密着性が得られないことがある。
表面層の硬化剤とし添加するイソシアネート化合物は、樹脂材料の架橋だけでなく、最内層中のウレタン基などとも反応して、最内層との高い密着性が得られていると考えられる。また、150℃より大きい温度で加熱すると、前記イソシアネート化合物と最内層のウレタン基と反応した結合が、解離してしまい、密着性が低下すると考えられる。
表面層の層厚としては5〜20μmが好ましく、8〜20μmがより好ましい。表面層も接触部材との摩擦により削れていくので、長期に渡り表面層の効果を維持するには、表面層が厚くしたほうが良いため、その層厚は5μm以上が好ましい。
ただし、表面層を厚くし過ぎると、最内層と表面層の2層間で、剥離、割れなどの不具合が発生しやすく、特に最内層がゴム材料の場合に発生する場合があるため、表面層の層厚は20μm以下が好ましい。ゴム材料の最内層の上に樹脂材料を積層すると、硬度など特性が大きく異なるため、上記のような不具合が発生すると考えられる。
そこで、最内層材料がゴム材料の場合には、表面層の塗工を行う前に、前述したように、表面層が積層される側の最内層表面をイソシアネート化合物で含浸処理をすることが好ましい。このような含浸処理を行うことで、含浸処理を行った表面近傍は硬くなり、厚み方向で硬度の勾配ができると考えられる。そのため、表面層を厚くして積層させた場合でも、剥離、割れなどの発生を抑えることができる。
なお、ここで言う含浸処理とは、最内層表面にイソシアネート化合物の溶液を塗布/浸透させた後、加熱により溶媒の除去と表面の硬化を行う処理のことである。
また、含浸処理に使用するイソシアネート化合物としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネートなどが使用でき、芳香族イソシアネートの具体例としては、裏面含浸処理工程で用いられるものを用いることができる。
また、ウレタンゴム表面にイソシアネートを塗布する方法としては、イソシアネート化合物を溶媒に溶かした溶液を、スプレー法や浸漬法などにより塗布することができる。その後、加熱処理により硬化し、加熱処理の温度としては120℃〜150℃であることが好ましい。上記好ましい範囲外であると、経時で、表面層の一部が剥がれてしまうことがある。
(画像形成装置)
次に、本発明の製造方法で作製された中間転写ベルトを搭載できる画像形成装置の一例を図2に示す。
画像形成装置は、カラー画像印刷時でも高速印刷ができるように、複数の感光体ドラムをシームレスベルトからなる一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置が望ましい。図2は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21BK、21Y、21M、21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図2において、プリンタ本体10は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部12、画像形成部13、給紙部14、から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部12に送信する。画像書込部12は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部13の各色に設けられた像坦持体(感光体)21BK、21M、21Y、21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部13は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体21BK、21M、21Y、21Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC(Organic Photoconductor)感光体が用いられる。各感光体21BK、21M、21Y、21Cの周囲には、帯電装置、上記書込部12からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置20BK、20M、20Y、20C、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23C、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置20BK、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト22は、各感光体21BK、21M、21Y、21Cと、各1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト50に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、上記中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、この定着装置15により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング部材25によって中間転写ベルト22から除去される。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて説明する。なお、本発明はここに例示される実施例に限定されるものではない。また、以下「部」とあるのは「重量部」を表す。
(最内層塗工液の作製)
DIC社製ウレタンプレポリマー(ウレハイパー:RUP−1627)100部に対して、抵抗調整剤としてカーボンブラック(SpecialBlack4;エボニックデグサ社製)25部、難燃剤として水酸化アルミニウム(ハイジライトH42M(昭和電工株式会社))40部、及び赤リン20部を添加し、粘度調整用の溶媒としてDMF(ジメチルホルムアミド)を20部加え、ボールミルで良く攪拌させて添加剤を均一に分散させた。
次いで、硬化剤CLH−5(アミン硬化剤)10部を添加し攪拌混合し、ウレタンゴム塗工液を作製した。
(最内層の形成)
円筒状の金型1Aを回転させながら、ノズルよりゴム塗料を連続的に吐出しながら支持体の軸方向に移動させ螺旋状に金型外面に塗工した。金型1Aの外面は表面粗さRaが0.23μmであった。外面塗工によると、金型の粗さがベルト裏面に転写されることから、ベルト裏面の粗さRaが0.2〜0.4μmとなるように制御するため、本実施例では、表面粗さRaが0.23μmの金型1Aを使用した。塗布量としては最終的な最内層の層厚が500μmになるように液量を調整した。
次に、金型1Aを回転させた状態で加熱処理を行った。3℃/minで150℃まで昇温を行い、150℃で60分保持して、金型1A上にウレタンゴム層を成膜した。
本実施例では、ウレタンゴム層の上に新たな層は積層せず、冷却後、金型から脱型して、ウレタンゴム単層のベルトを得た。
(ベルト裏面の含浸処理)
脱型したベルトについて、ベルトの裏面をイソシアネート化合物で含浸処理を行った。
含浸に使用したイソシアネート溶液は日本ポリウレタン製のポリメリックMDI(MR−100)15部に対して、溶媒としてMEK(メチルエチルケトン)を85部加えて、均一に混合攪拌を行い、含浸液を作製した。
作製した含浸液を、スプレー塗工により、ベルトの裏面に一様に塗布を行った。次に、150℃で30分間の加熱処理を行い、溶媒の除去およびウレタンゴム表面の硬化を行った。ベルト端部をカットして、周長2200mm、幅長376mm、の中間転写ベルト1Aを得た。
(中間転写ベルトの物性評価)
<ベルト裏面の表面粗さ>
べルトの裏面(金型外面と接していた方の面)の表面粗さをJIS B0601:2001に準じ、SURFCOM 1400D(東京精密社製)で測定を行った。測定条件は測定速度0.6mm/sec、カットオフ値0.8mm、測定長さ2.5mmで行った。ベルト周方向に対して3箇所、ベルト幅方向に3箇所(中央部及び両端部)の合計9箇所(周方向3箇所×幅方向3箇所)で、ベルト裏面の計測を行い、その平均値を用いた。
(実機画像評価)
<実機評価I (転写率/画像評価)>
作製した中間転写ベルト1Aを、図2に示すような画像形成装置に装着して、転写率の測定、通紙ランニング評価を23℃/50%の環境で実施した。なお、この条件は中程度の温度及び湿度であることから、以下、MM環境と称することがある。
評価に使用したトナーは体積平均粒径が5.2μm、円形度0.95の重合法で作製したトナーを使用した。なお、評価紙は普通紙(マイペーパー、リコー社製)を用いた。
−転写率の評価−
画像形成装置で、べた画像の画像を印刷した。2次転写部に紙が通過している作像途中で、画像形成装置の電源を落とし、中間転写ベルトをとり出して、2次転写率の測定を行った。
2次転写前のベルト上トナー(1次転写部通過後、2次転写部通過前のベルト上のトナー)、及び2次転写後の紙上トナー(2次転写部通過後、定着前の紙上トナー)を、ポンプで吸引して捕集し、そのトナー重量を計測した。2次転写前のベルト上トナー、2次転写後の紙上トナーのそれぞれについて、単位面積あたりのトナー量を算出して、下記式で2次転写率を算出した。
2次転写率=(2次転写後、紙上の単位面積当りのトナー量)÷
(2次転写前、中間転写ベルト上の単位面積当りのトナー量)×100
−画像評価−
画像面積率5%のチャートの通紙ランニング評価を2万枚行い、画像評価とベルト状態の確認を行った。
初期と2万枚ランニング後に、全べた画像、ハーフトーン画像、細線画像の出力を行い、画像のランク評価を実施した。べた画像の均一性、ハーフトーンの均一性、細線の再現性など、ランク付けによる画質の評価を行った。最高ランクが5であり、ランク2.5以上が実使用で許容できるレベルである。
<実機評価II (走行安定性評価)>
前記実機評価Iで使用したベルトとは別に、実機評価Iと全く同じ条件で作成した新規の中間転写ベルト1Aを、図2に示すような画像形成装置に装着して、通紙ランニング評価を行った。
はじめに、32℃/80%の環境(この条件は高温度及び高湿度であることから、以下、HH環境と称することがある)で1万枚の通紙試験を行った。その後、10℃/15%の環境(この条件は低温度及び低湿度であることから、以下、LL環境と称することがある)に移して、さらに1万枚の通紙試験を行い、ベルトの走行性、ベルトの損傷、画像の異常を確認した。
(実施例2)
金型外面の表面粗さRaが0.39μmの金型1Bに変えた以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルト1Bを得た。また、実施例1と同様にして、中間転写ベルト1Bについて評価を実施した。
(実施例3)
裏面含浸処理工程において、含浸液であるイソシネート化合物を、ベルト裏面だけでなく、ベルトの表側の表面についてもスプレー塗布を行い、150℃で30分間の加熱処理を行い、溶媒の除去および、ベルト裏面及びベルトの表側の表面の両方について硬化を行った。それ以外は、実施例1と同様にベルトの作製を行い、中間転写ベルト1Cを得た。また、実施例1と同様にして、中間転写ベルト1Cについて評価を実施した。
(実施例4)
ベルト裏面の含浸処理工程の加熱温度を90℃、30分に変えた以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルト1Dを得た。また、実施例1と同様にして、中間転写ベルト1Dについて評価を実施した。
(実施例5)
ベルト裏面の含浸処理工程の加熱温度を160℃、30分に変えた以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルト1Eを得た。また、実施例1と同様にして、中間転写ベルト1Eについて評価を実施した。
(比較例1)
ベルト裏面の含浸処理を実施しなかった以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルト1Fを得た。また、実施例1と同様にして、中間転写ベルト1Fについて評価を実施した。
(比較例2)
金型外面の表面粗さRaが0.44μmの金型1Cに変えた以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルト1Gを得た。また、実施例1と同様にして、中間転写ベルト1Gについて評価を実施した。
(比較例3)
金型外面の表面粗さRaが0.19μmの金型1Dに変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルト1Hを得た。また、実施例1と同様にして、中間転写ベルト1Hについて評価を実施した。
上記得られたベルトの製造条件、物性の測定結果を表1に示す。また、上記の実施例、比較例の評価結果を表2に示す。
Figure 2015059958
Figure 2015059958
表2において、実施例1と比較例2、比較例3を比較する。比較例2はベルト裏面の粗さの下限範囲外、比較例3は上限範囲外のベルトである。比較例2では、走行安定性のランニング評価(実機評価II)のHH環境の稼働確認で、初期からベルトスリップが発生している。また、比較例3では走行安定性のランニング評価(実機評価II)のLL環境の確認で、初期からベルト寄りが発生している。一方、ベルト裏面の粗さが0.2〜0.4μmに調整された実施例1では、ベルトスリップやベルト寄りなどの問題が発生せず、安定したベルト走行性が得られている。
また、表2において実施例1と比較例1を比較する。比較例1では、走行安定性のランニング評価(実機評価II)において、LL環境の稼働確認途中で、ベルト寄りが発生し、ベルト端部が損傷している。一方、実施例1ではそのような問題は発生していない。そのため、ベルト裏面含浸処理により、経時においても安定したベルト走行安定性が得られていることがわかる。
(実施例6)
(最内層の作製)
<最内層塗工液の作製>
DIC社製ウレタンプレポリマー(ウレハイパー:RUP−1627)100部に対して、抵抗調整剤としてカーボンブラック(SpecialBlack4;エボニックデグサ社製)25部、難燃剤として水酸化アルミニウム(ハイジライトH42M(昭和電工株式会社))40部、及び赤リン20部を添加し、粘度調整用の溶媒としてDMF(ジメチルホルムアミド)を20部加え、ボールミルで良く攪拌させて添加剤を均一に分散させた。
次いで、硬化剤CLH−5(アミン硬化剤)10部を添加し攪拌混合し、ウレタンゴム塗工液を作製した。
<最内層の成膜>
円筒状の金型2Aを回転させながら、ノズルよりゴム塗料を連続的に吐出しながら支持体の軸方向に移動させ螺旋状に金型外面に塗工した。金型外面は表面粗さRaが0.23μmの金型2Aを使用した。外面塗工によると、金型の粗さがベルト裏面に転写されることから、ベルト裏面の粗さRaが0.2〜0.4μmとなるように制御するため、本実施例では、表面粗さRaが0.23μmの金型2Aを使用した。塗布量としては最終的な最内層の層厚が500μmになるように液量を調整した。
次に、金型2Aを回転させた状態で加熱処理を行った。3℃/minで150℃まで昇温を行い、150℃で60分保持して、金型2A上にウレタンゴムの最内層を成膜した。
(表面層の作製)
<表面層塗工液の作製>
下記の各成分を混合攪拌することによって表面層用塗工液を作製した。
樹脂材料 : OH基含有アクリル樹脂材料 100部
(アルフロンUH2170、東亜合成製、固形分濃度100wt.%
水酸基価88mgKOH/g樹脂)
硬化剤 : イソシアネート化合物 58部
(デュラネートTSE−100、旭化成ケミカルズ社製、
NCO%:12wt.%)
溶剤 :メチルエチルケトン 100部
<表面層の成膜>
最内層が形成された金型2Aを回転させながら、スプレー塗工法により、ベルト表面に均一に表面層の塗工を行った。塗布量としては、表面層の層厚が5μmになるように液量を調整した。
次に、3℃/minで120℃まで昇温を行い、120℃で3時間保ち、表面層であるアクリル樹脂の硬化を行った。冷却後、金型2Aから脱型した。
(ベルト裏面の含浸処理)
次に、脱型したベルトに対し、ベルトの裏面をイソシアネートで含浸処理を行なった。含浸に使用したイソシアネート溶液は日本ポリウレタン社製ポリメリックMDI(MR−100)15部に対して、溶媒としてMEK(メチルエチルケトン)を85部加えて、均一に混合攪拌を行い、含浸液を作製した。
作製した含浸液をスプレー塗工により、ベルトの裏面に一様に塗布し、150℃で30分間の加熱処理を行い、溶媒の除去およびウレタンゴム表面の硬化を行った。その後、ベルト端部をカットして、周長2200mm、幅長376mm、の中間転写ベルト2Aを得た。
(中間転写ベルトの物性評価)
<ベルト裏面の表面粗さ>
ベルトの裏面(金型外面と接していた方の面)の表面粗さをJIS B0601:2001に準じ、東京精密社製(SURFCOM 1400D)で測定を行った。測定条件は測定速度0.6mm/sec、カットオフ値0.8mm、測定長さ2.5mmで行った。ベルト周方向に対して3箇所、ベルト幅方向に3箇所(中央部及び両端部)の合計9箇所(周方向3箇所×幅方向3箇所)で、ベルト裏面の計測を行い、その平均値を用いた。
<接触角の測定>
上記得られた中間転写ベルトの接触角を協和界面科学株式会社製の接触角計DropMaster100で測定した。測定にあたっては、純水をベルト表面に滴下してから500ms後に測定を行った。付属のソフト(固液海面解析システムDropMaster700)を用い、液滴法(θ/2法を採用、曲率補正はなし)で解析を行い、接触角を算出した。なお、接触角の算出は5箇所測定して平均値を算出した。
(実機画像評価)
<実機評価I (転写率/画像評価)>
作製した中間転写ベルト2Aを、図2に示すような画像形成装置に装着して、転写率の測定、通紙ランニング評価を23℃/50%のMM環境で実施した。評価に使用したトナーは体積平均粒径が5.2μm、円形度0.95の重合法で作製したトナーを使用した。なお、評価紙は普通紙(マイペーパー、リコー社製)を用いた。
−転写率の評価−
画像形成装置で、べた画像の画像を印刷した。2次転写部に紙が通過している作像途中で、画像形成装置の電源を落とした。中間転写ベルトをとり出して、2次転写率の測定を行った。
2次転写前のベルト上トナー(1次転写部通過後、2次転写部通過前のベルト上のトナー)、及び2次転写後の紙上トナー(2次転写部通過後、定着前の紙上トナー)を、ポンプで吸引して捕集し、そのトナー重量を計測した。2次転写前のベルト上トナー、2次転写後の紙上トナーのそれぞれについて、単位面積あたりのトナー量を算出して、下記式で2次転写率を算出した。
2次転写率=(2次転写後、紙上の単位面積当りのトナー量)÷
(2次転写前、中間転写ベルト上の単位面積当りのトナー量)×100
−画像評価−
画像面積率5%のチャートの通紙ランニング評価を2万枚行い、画像評価とベルト状態の確認を行った。
初期と2万枚ランニング後に、全べた画像、ハーフトーン画像、細線画像の出力を行い、画像のランク評価を実施した。べた画像の均一性、ハーフトーンの均一性、細線の再現性など、ランク付けによる画質の評価を行った。最高ランクが5であり、ランク2.5以上が実使用で許容できるレベルである。
<実機評価II (走行安定性評価)>
前記実機評価Iで使用したベルトとは別に、実機評価Iと全く同じ条件で作成した新規の中間転写ベルト2Aを、図2に記すような画像形成装置に装着して、通紙ランニング評価を行った。
はじめに、32℃/80%の環境(HH環境)で1万枚の通紙試験を行い、その後、10℃/15%の環境(LL環境)に移して、さらに1万枚の通紙試験を行い、ベルトの走行性、ベルトの損傷、画像の異常を確認した。
(実施例7)
表面層用塗工液を下記の配合に変更した以外は、実施例6と同様にして中間転写ベルト中間転写ベルト2Bを得た。また、実施例6と同様にして、中間転写ベルト2Bについて評価を実施した。
樹脂材料: COOH基含有シリコーンアクリル樹脂材料 100部
(サイマックUH−352 東亜合成社製、固形分濃度28wt.%、
水酸基価 65mgKOH/g樹脂)
硬化剤 : イソシアネート化合物 12部
(デュラネートTSE−100 旭化成ケミカルズ社製、
NCO%:12wt.%)
溶剤 : メチルエチルケトン 100部
(実施例8)
金型外面の表面粗さRaが0.39μmの金型2Bに変更し、表面層用塗工液を下記の配合に変更し、表面層の加熱硬化温度を3℃/minで140℃まで昇温を行い、140℃で3時間保つことに変更した以外は、実施例6と同様にして中間転写ベルト中間転写ベルト2Cを得た。また、実施例6と同様にして、中間転写ベルト2Cについて評価を実施した。
(表面層塗工液の作成)
樹脂材料 : OH基含有フッ素樹脂 140部
(ルミフロンLF−906N、旭硝子社製、固形分濃度65wt.%)
水酸基価75mgKOH/g樹脂)
硬化剤 : イソシアネート化合物 55部
(TPA−B80E 旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度80wt.%
NCO%:12.5wt.%)
溶剤 : メチルエチルケトン 100部
(実施例9)
表面層の塗工を行う前に、最内層の表側の表面に以下の含浸処理を施し、表面層の層厚が8μmになるように表面層塗工液量を増量した以外は実施例7と同様にして中間転写ベルト中間転写ベルト2Dを得た。また、実施例6と同様にして、中間転写ベルト2Dについて評価を実施した。
<最内層の表側の表面の含浸処理>
金型上に形成されたポリウレタンゴムの最内層表面に下記のイソシアネート溶液からなる含浸液をスプレー塗工により塗布した。次に、150℃で30分間の加熱処理を行い、溶媒の除去およびウレタンゴム表面の硬化を行った。
<含浸液の作製>
下記成分を均一に混合攪拌して含浸液を作製した。
・イソシアネート(日本ポリウレタン製ポリメリックMDI(MR−100)):15部
・溶媒(メチルエチルケトン):85部
上記の含浸処理を行った最内層表面の上に、表面層塗工液を塗工した。
(実施例10)
表面層形成の加熱硬化温度を3℃/minで90℃まで昇温を行い、90℃で3時間保つことに変更した以外は、実施例7と同様にして中間転写ベルト中間転写ベルト2Eを得た。また、実施例6と同様にして、中間転写ベルト2Eについて評価を実施した。
(実施例11)
表面層形成の加熱硬化温度を3℃/minで160℃まで昇温を行い、160℃で3時間保つことに変更した以外は、実施例7と同様にして中間転写ベルト中間転写ベルト2Fを得た。また、実施例6と同様にして、中間転写ベルト2Fについて評価を実施した。
(実施例12)
ベルト裏面の含浸処理工程の加熱温度を90℃で30分間に変更した以外は、実施例7と同様にして中間転写ベルト中間転写ベルト2Gを得た。また、実施例6と同様にして、中間転写ベルト2Gについて評価を実施した。
(実施例13)
ベルト裏面の含浸処理工程の加熱温度を160℃で30分間に変更した以外は、実施例7と同様にして中間転写ベルト中間転写ベルト2Hを得た。また、実施例6と同様にして、中間転写ベルト2Hについて評価を実施した。
(比較例4)
ベルト裏面の含浸処理を実施しなかった以外は、実施例7と同様にして中間転写ベルト中間転写ベルト2Iを得た。また、実施例6と同様にして、中間転写ベルト2Iについて評価を実施した。
(比較例5)
金型外面の表面粗さRaが0.44μmの金型2Cに変えた以外は、実施例7と同様にして中間転写ベルト中間転写ベルト2Jを得た。また、実施例6と同様にして、中間転写ベルト2Jについて評価を実施した。
(比較例6)
金型外面の表面粗さRaが0.19μmの金型2Dに変更した以外は、実施例7と同様にして中間転写ベルト中間転写ベルト2Kを得た。また、実施例6と同様にして、中間転写ベルト2Kについて評価を実施した。
(参考例1)
表面層形成工程を下記のように変更した以外は、実施例7と同様にして中間転写ベルト中間転写ベルト2Lを得た。また、実施例6と同様にして、中間転写ベルト2Lについて評価を実施した。
<表面層の形成>
表面層の塗工液として、ポリカーボネート樹脂(帝人化学製、パンライトTS−2050)10部、溶剤としてテトラヒドロフラン100部を混合して溶解させ攪拌を行い、塗工液を作製してスプレー塗工で金型上のウレタンゴム層表面に塗工した。3℃/minの昇温速度で120℃まで温度を上げ、120℃で1時間保ち、溶媒の除去を行い、ポリカーボネート樹脂の表面層を形成した。
上記得られたベルトの製造条件、物性の測定結果を表3に示す。また、上記の実施例、比較例の評価結果を表4に示す。
Figure 2015059958
Figure 2015059958
表4において、実施例7と比較例5、比較例6を比較する。比較例5はベルト裏面の粗さの下限範囲外、比較例6は上限範囲外のベルトである。比較例5では、走行安定性のランニング評価(実機評価II)のHH環境の稼働確認で、初期からベルトスリップが発生している。また、比較例6では走行安定性のランニング評価(実機評価II)のLL環境の稼働確認で、初期からベルト寄りが発生している。一方、ベルト裏面の粗さが0.2〜0.4μmに調整された実施例7では、ベルトスリップやベルト寄りなどの問題が発生せず、安定したベルト走行性が得られている。
また、表4において実施例7と比較例4を比較する。比較例4では、走行安定性のランニング評価(実機評価II)において、LL環境の稼働確認途中で、ベルト寄りが発生し、ベルト端部が損傷している。一方、実施例7ではそのような問題は発生していない。そのため、ベルト裏面含浸処理により、経時においても安定したベルト走行安定性が得られていることがわかる。
次に、実施例7と参考例1を比較する。参考例1はイソシアネートの硬化剤を使わない樹脂材料で表面層を形成している。画像評価(実機評価I)、走行安定性のランニング評価(実機評価II)のいずれの評価において、ランニングにより表面層の剥がれが発生し、剥がれが生じた部分で画像の乱れが生じている。一方、実施例7では、経時でも表面層の剥がれが発生せず、最内層と表面層の接着性が良い結果となっている。
また、実施例6と実施例7、実施例8を比較する。実施例7は表面層材料として、シリコーン基を含む樹脂材料(シリコーンアクリル樹脂)を表面層材料としているが、ベルト表面の接触角が大きく、転写率が実施例6に比べ良好である。実施例8は、表面層材料として、フッ素基を含む樹脂材料(フッ素樹脂)が用いられ、接触角が大きく、転写率が実施例6に比べ良好である。
10 最内層
11 表面層
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20Y、20M、20C 現像装置
21BK、21Y、21M、21C 感光体ドラム
22 中間転写ベルト
23BK、23Y、23M、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング部材
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
P 転写紙
特許第4232218号公報 特開2000−255817号公報 特開2004−177601号公報 特開2012−2867号公報 特開2012−88650号公報 特開平11−24429号公報

Claims (10)

  1. 中間転写ベルトの最内層がウレタン基を含むゴム又は樹脂材料で構成される単層又は二層以上の中間転写ベルトの製造方法において、
    (i)前記中間転写ベルトの最内層を形成する最内層形成工程と、
    (ii)前記中間転写ベルトの最内層の裏側の表面を裏面としたとき、裏面の表面粗さRaを0.2〜0.4μmに調整する裏面粗面化工程と、
    (iii)前記中間転写ベルトの裏面をイソシアネート化合物により含浸処理を施す裏面含浸処理工程とを、少なくとも有することを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
  2. 前記中間転写ベルトが、前記最内層と、前記最内層上に厚み方向に積層された表面層とを有する二層構成の中間転写ベルトの製造方法であって、
    (iv)イソシアネート化合物と、該イソシアネート化合物のイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂材料と、を含む表面層形成用塗工液を前記最内層の厚み方向に塗布した後、加熱することにより前記表面層を形成する表面層形成工程を前記最内層形成工程後の任意の段階で有することを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルトの製造方法。
  3. 表面粗さRaが0.2〜0.4μmの円筒状の金型の外面に前記最内層を形成することにより、前記中間転写ベルトの裏面の表面粗さRaを0.2〜0.4μmに調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の中間転写ベルトの製造方法。
  4. 前記中間転写ベルトの最内層がウレタンゴムからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中間転写ベルトの製造方法。
  5. 前記裏面含浸処理工程において、イソシアネート化合物により含浸処理した後、120〜150℃で加熱を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中間転写ベルトの製造方法。
  6. 前記最内層を形成した後に、前記最内層の表側の表面をイソシアネート化合物により含浸処理を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中間転写ベルトの製造方法。
  7. 前記表面層形成工程において、前記表面層形成用塗工液に用いられる樹脂材料が、シリコーン基及びフッ素基から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の中間転写ベルトの製造方法。
  8. 前記表面層形成工程において、前記イソシアネート基と反応し得る官能基が、ヒドロキシ基又はカルボキシ基であることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の中間転写ベルトの製造方法。
  9. 前記表面層形成工程において、加熱温度が100〜150℃であることを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の中間転写ベルト製造方法。
  10. 前記表面層形成工程において、前記表面層の層厚が5〜20μmであることを特徴とする請求項6に記載の中間転写ベルトの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020175545A (ja) * 2019-04-16 2020-10-29 コニカミノルタ株式会社 中間転写体、中間転写体の製造方法、画像形成装置

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