JP2015059952A - 静電荷像現像用トナー、並びに該トナーを用いた現像剤、及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、並びに該トナーを用いた現像剤、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、(1)トナーの低温定着性と耐熱保存性を高いレベルで両立できるシャープメルト性を有し、機械的耐久性不足による現像機内でのトナー同士の凝集発生や、キャリア汚染や機内汚染、外添剤の埋没による帯電性や流動性の悪化を抑え、且つ、定着後にトナーの弾性率が速やかに回復することで画像の硬度が向上し、耐擦性に優れた高品位な画像が提供でき、(2)転写効率にすぐれ、且つ転写残トナーが少なく高品位な画像が得られ、(3)クリーニングにおいて高い信頼性が得られ、(4)帯電安定性と低温定着性を両立させたトナーを提供することを目的とする。【解決手段】少なくとも非晶性セグメント(A)と結晶性セグメント(B)からなるブロック共重合樹脂を含有するトナーであって、該トナーは親油性を有するチキソ性付与剤とアミノ基含有高分子化合物とを含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、並びに該トナーを用いた現像剤、及び画像形成装置に関する。
従来から、電子写真方式の画像形成装置等において、電気的又は磁気的に形成された潜像は、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することもある)によって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成し、次いで、該潜像をトナーにより現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の転写材上に転写され、次いで、紙等の転写材上に定着される。トナー像を転写紙上に定着する定着工程においては、そのエネルギー効率の良さから、加熱ローラ定着方式や加熱ベルト定着方式といった熱定着方式が広く一般に用いられている。
近年では、画像形成装置の高速化、省エネルギー化に対する市場からの要求は益々大きくなり、低温定着性に優れ、高品位な画像を提供できるトナーが求められている。トナーの低温定着性を達成するためには、トナーの結着樹脂の軟化温度を低くする必要があるが、結着樹脂の軟化温度が低いと、定着時にトナー像の一部が定着部材の表面に付着し、これがコピー用紙上に転移する、いわゆるオフセット(以下、ホットオフセットとも呼ぶ)が発生しやすくなる。また、トナーの耐熱保存性が低下し、特に高温環境下においてトナー粒子同士が融着する、いわゆるブロッキングが発生する。その他に、現像器内においてもトナーが現像器内部やキャリアに融着して汚染する問題や、トナーが感光体表面にフィルミングしやすくなる問題があった。
これらの問題を解決できる技術として、トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を用いることが知られている。結晶性樹脂は、結晶化状態から融点で急激に軟化する特性を持つことから、融点以下における耐熱保存性を担保しながら、トナーの定着温度を大きく下げることが可能である。即ち、低温定着性と耐熱保存性を高品質で両立することができる。しかしながら、低温定着性が発現する融点を有する結晶性樹脂は、靱性に優れる一方で軟質であり、塑性変形しやすい。このため、単純に結晶性樹脂を結着樹脂として用いるだけでは、トナーの機械的耐久性が非常に乏しく、画像形成装置内でのトナーの変形や凝集、固着、装置内部材のトナー汚染など、様々な問題が発生する。
このため、結着樹脂に結晶性樹脂を用いたトナーとして、結晶性樹脂と非晶性樹脂を併用したトナーが従来から数多く提案されている(特許文献1〜5参照)。これらは、従来の非晶性樹脂のみからなるトナーに較べて、低温定着性と耐熱保存性の両立性に優れたものであったが、結晶性樹脂がトナー表面に露出すると、現像器内での撹拌ストレスにより、トナー粒子の凝集体が発生して転写抜けの原因となったり、トナーによるキャリア汚染や機内汚染、外添剤の埋没による帯電性や流動性の悪化が生じる問題があった。このため、結晶性樹脂の添加量が制限され、結晶性樹脂の利点を十分に活かせる技術ではなかった。
一方で、結晶性を有するセグメントと、非晶性を有するセグメントを化学的に結合させた樹脂を使用したトナーも数多く提案されている。例えば、結晶性ポリエステルとポリウレタンを結合させた樹脂を結着樹脂に用いたトナー(特許文献6及び7参照)、結晶性ポリエステルと無定形ビニル重合体を結合させた樹脂を用いたトナー(特許文献8参照)、結晶性ポリエステルを非晶性ポリエステルを結合させた樹脂を結着樹脂に用いたトナー(特許文献9〜11参照)などの技術が提案されている。
更に、結晶性樹脂を主成分とする結着樹脂に無機微粒子粉末を添加した技術(特許文献12参照)や、スルホン酸基を含む不飽和結合による架橋構造を有する結晶性樹脂を用いたトナー(特許文献13参照)などの技術が提案されている。
これらはいずれも、低温定着性と耐熱保存性の両立性に優れたものであったが、結晶性セグメントに由来する軟質性が根本的に改善されたものではなく、トナーの機械的耐久性に関わる課題が解決できるものではなかった。
また、結晶性樹脂を使用したトナーの大きな課題として、画像の耐擦性の問題がある。熱定着時に定着媒体上でトナーが溶融すると、トナー中の結晶性樹脂が再び結晶化するまでに時間を要するため、画像表面の硬度が速やかに回復できない。このため、定着後の排紙工程における排紙ローラや搬送部材等との接触、摺擦によって、画像表面に傷跡や光沢度の変化が発生する問題があった。
一方、近年、市場からの高画質化の強い要求から、それに適した電子写真装置、それに使用するトナー現像剤の開発に拍車がかかっている。高画質化に対応したトナーとしては、粒径の揃ったトナーであることが必須である。トナーの粒径が揃い粒径分布がシャープになると、個々のトナー粒子の現像の際の挙動が揃って、微小ドット再現性が著しく向上する。
しかしながら、従来より小粒径で粒子径の揃ったトナーではクリーニング性に関しては困難を生じる。特にブレードクリーニングでは均一かつ小粒径なトナーを安定的にクリーニングすることは無理である。そのような状況下、トナーの工夫によってクリーニング性を改善する方法が様々なかたちで提案されている。その中の一つとしてトナーを球形から異形にかえて対応する方法である。トナー形状を異形化することによって、トナーの粉体流動性を低下させ、ブレードクリーニングによってせき止めやすくするものである。ただし、トナーの異形の度合を大きくすぎると、現像の際などにトナーの挙動が不安定となり微少ドット再現性が悪化することになる。
前述したようにトナーを異形化することで、確かにクリーニングに対するトナーの信頼性は向上するが、一方で定着の面で不具合が生じるようになった。すなわち、トナーの形状を異形化すると、定着前の転写材上のトナー層における、トナーの充填密度が小さくなり、定着の際にトナー層中での熱伝導度が遅くなり、低温定着性が悪化してしまう。特に、定着の際の圧が従来に比べ小さい場合は、更に熱伝導度が悪くなり低温定着が阻害されてしまうことになる。
特許文献14号公報においては、Wadell実用球形度が0.90〜1.00のポリエステルからなるトナーを提案しているが、実質的に球形であるために、前述したトナーのクリーニング性の課題は解決されていない。
重合トナー工法には、懸濁重合の他、異型化が比較的容易な乳化重合法や溶解懸濁法などもあるが、乳化重合工法においてもスチレンモノマーの完全除去や乳化剤、分散剤の除去はむずかしく、昨今特に環境問題がクローズアップされるに至ってはますますトナーに対する課題は大きくなってきている。また、トナーの形状においても、凹凸状にすることにより流動化剤として添加したシリカの凹部での付着が弱いことや、使用中の凹部へのシリカ移動が原因となって、トナーによる感光体汚染の問題や定着ローラへのトナー付着問題が発生しやすくなる。また、溶解懸濁法においては、低温定着が可能なポリエステル樹脂を使用できるメリットはあるが、オイルレス定着を達成するため、離型幅を広げるための高分子制御と生産の中で樹脂や着色剤を溶剤に溶解又は分散する工程において高分子量成分を加えるため、液粘度が上がり生産性上の問題が発生しやすくなる。そして、それらの問題はまだ解消されていない。特に溶解懸濁法においては、特許文献15の中で、トナー表面形状について球形且つ凹凸形状にすることによりクリーニングの改善を図っているが、規則性のない不定形トナーであるため帯電安定性にかけ、さらに基本的な耐久品質や離型性確保するための高分子量設計ができておらず満足すべき品質のトナーは得られていない。
近年特許文献16においては、ブレードクリーニング性に優れた形状で、且つ定着温度幅の広いトナー用樹脂粒子を得ることを提案しているが、実際はクリーニング性と低温定着性の両立が不充分である。
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、
(1)トナーの低温定着性と耐熱保存性を高いレベルで両立できるシャープメルト性を有し、結晶性樹脂を使用するトナーにおける特有の課題である、機械的耐久性不足による現像機内でのトナー同士の凝集発生や、キャリア汚染や機内汚染、外添剤の埋没による帯電性や流動性の悪化を抑え、且つ、定着後にトナーの弾性率が速やかに回復することで画像の硬度が向上し、耐擦性に優れた高品位な画像が提供できるトナー
(2)転写効率にすぐれ、且つ転写残トナーが少なく高品位な画像が得られるトナー
(3)クリーニングにおいて高い信頼性が得られるトナー
(4)帯電安定性と低温定着性を両立させたトナー
(5)前記(1)〜(4)の課題を同等に達成できるトナー
を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
即ち、
少なくとも非晶性セグメント(A)と結晶性セグメント(B)とからなるブロック共重合樹脂を含有するトナーであって、該トナーは親油性を有するチキソ性付与剤とアミノ基含有高分子化合物とを含むことを特徴とする静電荷現像用トナー。
本発明のトナーは、トナーの低温定着性と耐熱保存性を高いレベルで両立できるシャープメルト性を維持したまま、現像機内でのトナー同士の凝集発生を抑え、転写抜けを解消でき、キャリア汚染や機内汚染、外添剤の埋没による帯電性や流動性の悪化を防ぐことができる。また、定着後にトナーの弾性率が速やかに回復することで画像の硬度が向上し、耐擦性に優れた高品位な画像が提供できる。更にクリーニング性に優れた形状を得ることができ、且つ帯電安定性も確保できる。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略説明図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略説明図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略説明図である。 図3に示す画像形成装置の一部拡大概略説明図である。
本発明のトナーは、少なくとも非晶性セグメント(A)と結晶性セグメント(B)からなるブロック共重合樹脂を含有するトナーであって、該トナーは親油性を有するチキソ性付与剤とアミノ基含有高分子化合物とを含む。
結晶性セグメントと非晶性セグメントを化学的に結合させたブロック共重合体樹脂は、各セグメントの構造を制御することで結晶性セグメントの分子運動を拘束することができる。これにより、トナーの低温定着性と耐熱保存性を高いレベルで両立できるシャープメルト性を維持したまま、現像機内でのトナー同士の凝集発生を抑え、転写抜けを解消できる。また、キャリア汚染や機内汚染、外添剤の埋没による帯電性や流動性の悪化を防ぐことができる。更に、定着後にトナーの弾性率が速やかに回復することで画像の硬度が向上し、耐擦性に優れた高品位な画像が提供できる。
塑性変形されやすい結晶性樹脂の性質は、結晶性セグメントにおける高分子鎖の折りたたみ構造に起因すると考える。結晶性セグメントは、分子鎖が折りたたまれて配列しあった結晶部位と、分子鎖の折り返し部位や、結晶部位間に存在する分子鎖からなる非結晶部位から構成され、結晶化度の高い直鎖状ポリエチレン単結晶でさえ、その約3%は非結晶部位を有する。この非結晶部位の分子運動性の高さが、結晶性樹脂の塑性変形に大きく寄与していると考えられ、如何にこの分子運動性を拘束できるかが結晶性樹脂を利用する上では重要な点となる。
本発明では、結晶性セグメントの分子運動性を拘束可能な非晶性セグメントを選択する。
また、親油性を有するチキソ性付与剤とアミノ基含有高分子化合物とを含有させると、アミノ基含有高分子化合物によって、親油性を有するチキソ性付与剤の層間を広げることで、該トナー結着樹脂であるブロック共重合体樹脂の結晶性セグメントと非晶性セグメント中に該親油性を有するチキソ性付与剤が微分散されると推測される。これにより、該トナーはクリーニング性に優れた形状を得ることができ、且つ帯電安定性も確保できる。
(結着樹脂)
本発明においては、トナーのメインバインダーは非晶性セグメントと結晶性セグメントからなるブロック共重合体樹脂であることが必須であり、ミクロ相分離構造に代表される特有の高次構造の活用が本発明における課題解決に好適である。
ブロック共重合体とは、異種高分子鎖を共有結合で結合させたものである。一般に、異種高分子鎖は、お互いに非相溶である系が多く、水と油のように、混ざり合うことはない。単純混合系では、異なる高分子鎖は独立に動けるので、マクロ相分離するが、共重合体の場合、異なる高分子鎖同士が連結されているため、マクロ相分離することができない。しかし、両者は、連結しているとはいえ、同種の高分子鎖同士で凝集して可能な限り離れようとするため、高分子鎖の大きさの程度で交互に、Aが多い部分と、Bが多い部分という様に分かれるしかない。このため、成分Aと成分Bの相混合度、組成、および長さ(分子量および分布)、さらに両者の配合比率などを変えると、相分離する形(構造)が変化し、制御しうる。
さて、本発明では、結晶性セグメントと非晶性セグメントとから成るブロック共重合体樹脂を規定している。ミクロ相分離構造下から結晶化させた場合、相分離する形を制御できれば、融体のミクロ相分離構造をテンプレートとすることにより、結晶相を数十〜数百nmスケールで規則的配置を図ることが出来うる。よって、これら高次構造を活用し、定着等、流動性が必要な場面では結晶部の固−液相転移現象に基づく十分な流動、変形性を持たせ、保存や定着後の機内搬送工程など、流動、変形性が不要な場面では結晶部を構造内に封じ込めることで運動性を拘束できる。その結果、本発明の目的を達成することが出来る。
結晶性セグメントと非晶性セグメントのミクロ相分離構造をトナー内部で形成させ、非晶性セグメントを海、結晶性セグメントを島とする海島構造を微細化することが好ましい。具体的には非晶性セグメントと結晶性セグメントの混和性を制御し、DSC降温測定における結晶性セグメントの吸熱ピーク量及び吸熱ピーク形状(吸熱ピーク温度における吸熱量=シャープメルト性)で確認を行った。
これにより、結晶性セグメントの融点以下では、非晶性セグメントの分子運動性の拘束により優れた機械的耐久性を有し、定着温度領域ではトナー全体が速やかに弾性緩和して変形し、画像排紙時には非晶性セグメントが結晶性セグメントの過度な分子運動を即時に抑制し、且つ、微細な海島構造により結晶性セグメントの画像表面への露出を防ぐことで、速やかな画像の硬度回復が可能なトナーが得られた。
なお、前記共重合体の分子構造、結晶性やミクロ相分離構造などの高次構造については、従来公知の手法により容易に解析できる。具体的には、高分解能NMR測定(1H,13C等)、示差走査熱量計(DSC)測定、広角X線回折測定、(熱分解)GC/MS測定、LC/MS測定、赤外線吸収(IR)スペクトル測定、原子間力顕微鏡観察、TEM観察などにより確認することができる。
<非晶性セグメント>
前記非晶性セグメント(A)を構成する非晶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、主たる記録媒体である紙との親和性に優れ、かつトナーの耐熱保存性に優れる点から、ポリエステル樹脂であることが好ましい。
前記樹脂の水酸基価としては、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜40mgKOH/gであることが好ましい。
同様の指標として、重量平均分子量が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができるが、3,000〜30,000が好ましく、5,000〜25,000がより好ましい。分子量が低すぎる場合、トナーの耐熱保存性、現像器内での攪拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合があり、分子量が高すぎる場合、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性に劣る場合がある。なお、前記非晶性樹脂の重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記非晶性樹脂のガラス転移温度は、40℃〜75℃が好ましい。前記ガラス転移温度が、40℃以上であると、耐熱保存性、現像器内での攪拌等のストレスに対する耐久性が向上し、75℃以下であると、低温定着性が良くなる。なお、前記非晶性樹脂のガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量分析法(DSC法)により測定することができる。
非結晶性ポリエステル樹脂に用いられるアルコール成分としては、2価のアルコール(ジオール)、具体的には、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール及び1,6−ヘキサンジオールなど);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレングリコールなど);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールAなど);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)及びブチレンオキシド(以下BOと略記する)など〕付加物(付加モル数1〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールSなど)の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO及びBOなど)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
また、前記の2価のジオールに加えて3価以上(3〜8価またはそれ以上)のアルコール成分を含有してもよく、具体的には、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物、例えば、グリセリン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、及びジペンタエリスリトール;糖類及びその誘導体、例えば庶糖及びメチルグルコシド;など);上記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO及びBOなど)付加物(付加モル数1〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど)の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO及びBOなど)付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラックなど:平均重合度3〜60)の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
非結晶性ポリエステル樹脂に用いられるカルボン酸成分としては、2価のカルボン酸(ジカルボン酸)、具体的には、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アピジン酸、及びセバシン酸など)及びアルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸など);炭素数4〜36の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)など〕;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、及びメサコン酸など);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸またはこれらの誘導体、及びナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸、及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。なお、ポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物または低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
このほか、ポリ乳酸やポリカーボネートジオールの如き開環重合系も好適に使用しうる。
非晶性セグメント(A)は、2価の脂肪族アルコール成分と多価の芳香族カルボン酸成分とを構成成分に有する非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
前記樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。
<結晶性セグメント>
前記結晶性セグメント(B)を構成する結晶性樹脂としては、目的に応じて適宜選択することができるが、定着時にシャープメルトし、低分子量化しても充分な可とう性、及び耐久性を有する点から、ポリエステル樹脂が好ましい。前記ポリエステル樹脂の中でも、優れたシャープメルト性、高い結晶性を有する点から、脂肪族ポリエステル樹脂が特に好ましい。前記脂肪族ポリエステル樹脂は、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステル等の多価カルボン酸および/またはその誘導体とを重縮合させて得られる。また、ポリカプロラクトンの如き開環重合系も好適に使用しうる。
前記結晶性樹脂の融点としては、50℃〜80℃が好ましい。前記融点が、50℃以上であると、前記結晶性樹脂が低温で溶融しにくく、トナーの耐熱保存性が向上し、80℃以下であると、定着時の加熱による前記結晶性樹脂の溶融が十分となり、トナーの低温定着性が向上する。
前記結晶性樹脂の水酸基価としては、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜40mgKOH/gであることが好ましい。
同様の指標として、重量平均分子量が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができるが、3,000〜30,000が好ましく、5,000〜25,000がより好ましい。分子量が低すぎる場合、トナーの耐熱保存性、現像器内での攪拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合があり、分子量が高すぎる場合、トナーの溶融時の粘男声が高くなり低温定着性に劣る場合がある。なお、前記非晶性樹脂の重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
−多価アルコール−
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、飽和脂肪族ジオール、などが挙げられる。前記飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、直鎖飽和脂肪族ジオール、分岐飽和脂肪族ジオールが挙げられる。これらの中でも、直鎖飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールがより好ましい。前記飽和脂肪族ジオールが分岐型であると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が低下してしまうことがある。前記飽和脂肪族ジオールの炭素数が12を超えると、材料の入手が困難となることがあるので、前記炭素数は12以下であることがより好ましい。
前記飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオール、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが特に好ましい。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−多価カルボン酸−
前記多価カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の芳香族ジカルボン酸、又はこれらの無水物、或いはこれらの低級(炭素数1〜3)アルキルエステル、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、又はこれらの無水物、あるいはこれらの低級(炭素数1〜3)アルキルエステル、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記多価カルボン酸としては、前記飽和脂肪族ジカルボン酸、前記芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、2重結合を持つジカルボン酸、などを含有していてもよい。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、2価の脂肪族アルコール成分と2価の脂肪族カルボン酸成分とを構成成分に有する結晶性ポリエステルが好ましく、炭素数4以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸と、炭素数2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールとを縮重合させて得られるものがより好ましい。即ち、前記結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数4以上12以下の飽和脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位と、炭素数2以上12以下の飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位とを有することがより好ましい。その結果、得られる結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性が高く、シャープメルト性に優れることから、優れたトナーの低温定着性を発揮できる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性、分子構造等については、示差走査熱熱量計(DSC)の吸熱ピーク形状(吸熱ピーク温度における吸熱量=シャープメルト性)、X線回折線のピーク強度などにより確認することができる。
<共重合体について>
共重合の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の(1)から(3)のいずれかの方法、などが挙げられるが、分子設計の自由度の観点から(1)および(3)が好ましく、(1)がより好ましい。
(1)予め重合反応により調製した非晶性樹脂と、予め重合反応により調製した結晶性樹脂とを適当な溶媒に溶解乃至分散させ、イソシアネート基、エポキシ基、カルボジイミド基等のポリマー鎖末端の水酸基、又はカルボン酸と反応する官能基を2つ以上有する伸長剤とを反応させることにより共重合する方法。
(2)予め重合反応により調製した非晶性樹脂と、予め重合反応により調製した結晶性樹脂とを溶融混練し、減圧下でエステル交換反応により調製する方法。
(3)予め重合反応により調製した結晶性樹脂の水酸基を重合開始成分として使用し、前記結晶性樹脂のポリマー鎖末端から非晶性樹脂を開環重合し共重合する方法。
前記ブッロク共重合体において、前記結晶性セグメント(B)である前記結晶性ポリエステル樹脂と前記非晶性セグメント(A)である非晶性ポリエステル樹脂とのモル比(結晶性ポリエステル樹脂/非晶性ポリエステル樹脂)が、10/90〜40/60であることが好ましい。前記モル比が10/90以上であることにより、非晶部の影響が強くなりすぎることがなく、保存や定着後の機内搬送工程など、流動、変形性が不要な場面では非晶部が有効に寄与するとともに、定着等、流動性が必要なケースでは結晶部により十分な流動、変形性を担保でき好ましい。また、40/60以下であることにより、結晶部の影響が強くなりすぎることがなく、ブロック共重合体に特有のミクロ相分離構造を得られやすく、定着等、流動性が必要なケースでは結晶部が有効に寄与するとともに、保存や定着後の機内搬送工程など、流動、変形性が不要な場面では、その運動性を拘束できる。
前記結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性樹脂のモル比は、前記樹脂のモル数を以下のように計算し、求めることができる。
モル数=(樹脂の重量(g)×OHV/56.11)/1,000
OHVは、水酸基価であり、その単位は、mgKOH/g
伸長剤としては、従来公知の何れをも使用することができ、目的に応じて一種、及び多種を併用しても良いが、コスト及び反応性の観点からイソシアネート化合物が好ましく、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、及びIPDIである。
伸長剤としてイソシアネート化合物を用いて得られるブロック共重合体は、非晶性セグメント(A)と結晶性セグメント(B)がウレタン結合してなる。
共重合体調製における伸長剤の使用量としては、ポリエステルポリオール総モル数/イソシアネート総モル数(OH/NCO)として、0.35〜0.7の範囲が好適である。OH/NCOが0.35以上であると、非晶性樹脂と結晶性樹脂の接合が十分となり、独立に存在する成分が少なくなり、品質の安定性を担保することが出来るため好ましく、OH/NCOが0.7以下の場合、共重合体の分子量、およびウレタン基間の相互作用の影響が強くなりすぎることがなく、定着等、流動性が必要な場面で十分な流動、変形性を担保でき、本発明の目的を満足することが出来るため好ましい。
<結着樹脂の分子量について>
本発明の非晶性セグメント(A)と結晶性セグメント(B)をブロック共重合させた樹脂の重量平均分子量(Mw)は、上記諸特性を成立させ、かつ低温定着性と耐熱保存性の両立性の観点から10,000〜150,000であることが好ましく、15,000〜70,000であることがより好ましい。
10,00以上の場合は、特にトナーの耐熱保存性が良くなり、さらに、耐ホットオフセット性が良くなる。また、150,000以下の場合は、特に低温での定着時においてもトナーが充分に溶融し、画像の剥がれが生じにくくなるため、トナーの低温定着性が良くなり、好ましい。
本発明において、トナーのテトラヒドロフラン可溶分および樹脂の分子量分布や重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、HLC−8220GPC(東ソー社製))を用いて測定できる。カラムとしては、TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)を使用した。測定する樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬製)にて0.15重量%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いた。前記THF試料溶液を測定装置に100μl注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.35ml/分間で測定した。
分子量は単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線を用いて計算を行った。
前記標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDシリーズおよびトルエンを用いた。以下の3種類の単分散ポリスチレン標準試料のTHF溶液を作成し上記の条件で測定を行い、ピークトップの保持時間を単分散ポリスチレン標準試料の光散乱分子量として検量線を作成した。
溶液A:S-7450 2.5mg, S-678 2.5mg, S-46.5 2.5mg, S-2.90 2.5mg, THF 50ml
溶液B:S-3730 2.5mg, S-257 2.5mg, S-19.8 2.5mg, S-0.580 2.5mg, THF 50ml
溶液C:S-1470 2.5mg, S-112 2.5mg, S-6.93 2.5mg, トルエン2.5mg, THF 50ml
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
なお、前記共重合体の分子構造、結晶性やミクロ相分離構造などの高次構造については、従来公知の手法により容易に解析できる。具体的には、高分解能NMR測定(1H,13C等)、示差走査熱量計(DSC)測定、広角X線回折測定、(熱分解)GC/MS測定、LC/MS測定、赤外線吸収(IR)スペクトル測定、原子間力顕微鏡観察、TEM観察などにより確認することができる。
例えば、トナー中に本発明で規定する共重合体が含まれているか否かは、下記のようにして判断することができる。
まず、トナーを酢酸エチル、THFなどの溶媒を用いて溶解する(ソックスレー抽出でも可)。ついで、冷却機能付き高速遠心分離装置を用いて、例えば20℃、10,000rpm×10min.の遠心操作に供し、可溶分と不溶分に分離する。可溶分については、再沈殿を複数回行って精製を行う。この処理により、高度に架橋された樹脂成分、顔料、ワックスなどを分離することができる。
ついで、得られた樹脂成分に対してGPC測定を行い、分子量及び分布、クロマトグラムを獲得する。このとき、得られたクロマトグラムが多峰性の場合は、フラクションコレクターなどを活用して分画/分取を行い、得られた各フラクションについて上記同様に製膜する。この操作によって、各種樹脂成分を分離精製し、夫々を各種分析操作に供する。
得られた精製膜については、まず、DSC測定を行ってTg、融点、結晶化挙動などを把握する。冷却降温時に結晶化ピークが観られた場合、その温度域で24h以上アニーリングして結晶成分を成長させる。結晶化は観られないが、融解ピークが観られた場合、融点−10℃程度の温度でアニーリングを行う。これにより、各種転移点及び結晶性骨格の存在を把握することができる。
次に、SPM(AFM)観察、場合によってはTEM観察も併用して相分離構造の有無を確認し、所謂ミクロ相分離構造が確認できた場合には、共重合体、あるいは高い分子内/間相互作用を有する系であるということになる。
さらに、精製膜について、FT−IR測定、NMR測定(1H,13C)、GC/MS測定、場合によっては、分子構造をより詳細に分析できるNMR測定(2D)を行うことで、その組成、構造および各種特性を把握でき、例えば、ポリエステル骨格やウレタン結合の存在、それらの組成、組成比を確認することが出来る。
以上の測定、分析結果を総合的に判断することにより、トナー中に本発明で規定する第一の樹脂(共重合体)が含まれているか否かを判断することができる。
以下では、上記で紹介した各種測定法の手順や条件の一例を示す(SPM(AFM)観察のみ後述)。
<GPC測定の一例>
ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、HLC−8220GPC(東ソー社製))を用いて測定することができ、フラクションコレクター付きのものが好ましい。
カラムとしては、TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)などを好適に使用できる。測定する樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬製)にて0.15質量%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いた。前記THF試料溶液を測定装置に100μl注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.35ml/分間で測定した。
分子量は単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線を用いて計算を行った。前記標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDシリーズおよびトルエンを用いた。以下の3種類の単分散ポリスチレン標準試料のTHF溶液を作成し上記の条件で測定を行い、ピークトップの保持時間を単分散ポリスチレン標準試料の光散乱分子量として検量線を作成した。
溶液A:S-7450 2.5mg,S-678 2.5mg,S-46.5 2.5mg,S-2.90 2.5mg,THF 50ml
溶液B:S-3730 2.5mg,S-257 2.5mg,S-19.8 2.5mg,S-0.580 2.5mg,THF 50ml
溶液C:S-1470 2.5mg,S-112 2.5mg,S-6.93 2.5mg,トルエン2.5mg,THF 50ml
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いることが出来るが、フラクション分画などを行う際にはより感度の高いUV検出器を使用することができる。
<DSC測定の一例>
サンプル5mgをTAインスツルメンツ社製T−Zero簡易密閉パンに封入し、示差走査熱量計(DSC)(TAインスツルメンツ社製Q2000)を用いて測定した。測定は、窒素気流下、1st.ヒーティングとして、40℃から150℃まで5℃/分で昇温し、5分間保持した後、−70℃まで5℃/min.で冷却し、5分間保持した。次いで2nd.ヒーティングとして、昇温速度5℃/分で昇温して熱変化を測定し、「吸発熱量」と「温度」のグラフを描き、定法に従ってTg、冷結晶化、融点、結晶化温度などを求めた。なお、Tgは1st.ヒーティングのDSC曲線からミッドポイント法によって得た値を使用した。なお、昇温時に±0.3℃のモジュレーションをエンタルピー緩和成分を分離することも可能である。
<SPM観察の一例>
原子間力顕微鏡(AFM)によるタッピングモードによる位相像によって確認される。本発明における共重合体は低い軟質、すなわち位相差が大きい像として観察される部位と、硬質であり位相差が小さい像として観察される部位が微分散していることが特徴である。このとき、硬質である低位相差の部位からなる第二の位相差像が外相であり、軟質な高位相差の部位からなる第一の位相差像が内相で微分散された構造であることが本発明においては重要である。
前記位相像を得るためのサンプルとしては、例えばライカ製ウルトラミクロトームULTRACUT UCTを用いて以下の条件で樹脂のブロックを切断して切片を出したものを用いることで観察できる。
・切削厚み:60nm
・切削速度:0.4mm/sec
・ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic 35°)使用
前記AFM位相像を得るための代表的な装置としては、例えばアサイラムテクノロジー社製のMFP−3Dにて、カンチレバーとしてOMCL−AC240TS−C3を用いて以下の測定条件にて観察することができる。
・ target amplitude:0.5V
・ target percent:-5%
・ amplitude setpoint:315mV
・ scan rate:1Hz
・ scan points:256×256
・ scan angle:0°
<TEM観察の一例>
□手順
(1)試料をRuO4水溶液の雰囲気に曝して、2時間染色を施した。
(2)試料をガラスナイフでトリミング後、ウルトラミクロトームを使用して下記条件で切片を作製した。
―切削条件―
切削厚み:75nm
切削速度:0.05〜0.2mm/sec
ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic35°)使用
(3)メッシュ上に切片を固定し、RuO4水溶液の雰囲気に曝して5分間切片染色を施した。
□観察条件
使用装置:日本電子製 透過型電子顕微鏡 JEM−2100F
加速電圧:200kV
形態観察:明視野法
設定条件:spot size :3, CLAP : 1, OLAP : 3, Alpha : 3
<FT−IR測定の一例>
FT−IRスペクトル測定は、FT−IRスペクトロメータ(パーキンエルマー社製、商品名「Spectrum One」)を用いて(16スキャン、分解能:2cm-1)、中赤外領域(400−4000cm-1)で行った。
<NMR測定の一例>
サンプルを重クロロホルム中に可能な限り高濃度で溶解させた後、5mmφのNMRサンプルチューブに入れ、各種NMR測定に供した。測定装置はJEOL Resonance社製のJNM−ECX−300を使用した。
測定温度は何れも30℃とし、1H−NMR測定は、積算回数256回、繰り返し時間5.0sで行った。13C測定は、積算回数10,000回、繰り返し時間1.5sとした。得られるケミカルシフトから成分を帰属し、該当するピークの積分値をプロトン乃至カーボン数で除した数値から配合比を算出することが可能である。
更に詳細な構造解析を行う場合は、二量子フィルター1H−1Hシフト相関二次元NMR測定(DQF−COSY)測定などを行うことも可能であり、この場合は、積算回数1,000回、繰り返し時間2.45sまたは2.80sで行い、得られたスペクトルからそのカップリング状態、即ち反応サイトを特定することも出来るが、通常の1Hおよび13C測定で十分に判別可能である。
<GC/MS測定の一例>
本分析は反応試薬を用いた反応熱分解ガスクロマトグラフー質量分析(GC/MS)法を実施した。尚、反応熱分解GC/MS法で使用する反応試薬は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の10%メタノール溶液(東京化成工業)を用いた。GC−MS装置は島津製作所製QP2010、データ解析ソフトは島津製作所製GCMSsolution、加熱装置はフロンティア・ラボ製Py2020Dを使用した。
分析条件
反応熱分解温度: 300℃
カラム: Ultra ALLOY-5 L=30m ID=0.25mm Film=0.25μm
カラム昇温: 50℃(保持1分)〜10℃/min〜330℃(保持11分)
キャリアガス圧力: 53.6 kPa一定
カラム流量: 1.0ml/min
イオン化法: EI法 (70eV)
質量範囲: m/z 29〜700
注入モード: Split (1:100)
<その他の結着樹脂>
本発明のトナーは、結着樹脂として前述のブロック共重合体の他に結着樹脂を含有しても良く、その他の結着樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂を好適に併用することができる。結着樹脂の80重量%以上が前記ブロック共重合体であることが好ましい。
<親油性を有するチキソ性付与剤>
本発明のトナーに用いる親油性を有するチキソ性付与剤として、変性ウレア溶液、ポリヒドロキシカルボン酸アミド溶液、セルロースアセテート、層状無機鉱物が有する金属カチオンの少なくとも一部を有機カチオンで変性した層状無機鉱物(以下変性層状無機物と称することがある)などが上げられるが、クリーニング性能と帯電性能が両立の観点から変性層状無機鉱物が好ましい。
前記変性ウレア溶液としては、ビックケミー社製のチキソ付与剤BYK420等が挙げられる。また前記セルロースアセテートとしては、EASTMAN CHEMICAL社製のチキソ付与剤CAB551−0.01等が挙げられる。
前記変性層状無機鉱物は、スメクタイト系の基本結晶構造を持つものを有機物カチオンで変性したものが望ましい。有機物カチオンで変性される層状無機鉱物としては、モンモリロナイト又はベントナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどが挙げられる。
前記変性層状無機鉱物の、有機カチオン変性剤としては第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩やイミダゾリウム塩などが挙げられるが、第4級アルキルアンモニウム塩が望ましい。前記第4級アルキルアンモニウムとしては、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記変性層状無機鉱物としては、ELEMENTIS社製のBENTONE34、BENTONE52、BENTONE38、BENTONE27、BENTONE57、BENTONE SD1、BENTONE SD2、BENTONE SD3等、SCP社製のCRAYTONE34、CRAYTONE40、CRAYTONE HT、CRAYTONE2000、CRAYTONE AF、CRAYTONE APA、CRAYTONE HY等、HOJUN社製のエスベン、エスベンE、エスベンC、エスベンNZ、エスベンNZ70、エスベンW、エスベンN400、エスベンNX、エスベンNX80、エスベンNO12S、エスベンNEZ、エスベンNO12、エスベンWX、エスベンNE等、クニミネ工業社製のクニビス110、クニビス120、クニビス127等が挙げられる。
本発明のトナーには、親油性を有するチキソ性付与剤、特に変性層状無機鉱物をトナー中に微分散させるために、前記変性層状無機鉱物はアミノ基含有高分子化合物とを有機溶媒中に分散させた分散液として、使用することが望ましい。
前記アミノ基含有高分子化合物は、アミン価10〜30であることが望ましい。アミン価が10未満又は30を超えると、前記変性層状無機鉱物の微分散が十分に得られないことがある。
前記アミノ基含有高分子化合物は、前記変性層状無機鉱物の分散効果が高いポリウレタン樹脂であることが望ましい。
使用されるポリウレタン樹脂のアミノ基含有高分子化合物としては、ビックケミー社製のDisperbyk161、Disperbyk162、Disperbyk163、Disperbyk167、Disperbyk168、Disperbyk182、Disperbyk184、Disperbyk185等が挙げられる。
前記親油性を有するチキソ性付与剤とアミノ基含有高分子化合物とを有機溶媒中に分散させた分散液において、使用されるアミノ基含有高分子化合物は、該親油性を有するチキソ性付与剤100重量部に対し0.5〜50重量部含有していることが好ましい。0.5重量部以上であるとトナー形状及びトナー帯電性能への効果が得られ、50重量部以下であると、トナーの帯電及び定着性能が良くなる。
前記親油性を有するチキソ性付与剤はトナー中に0.1〜5重量%含有されることが好ましい。0.1重量%以上含有されることによりではトナー形状及びトナー帯電性能への効果が得られ、5重量%以下であると、定着性能が良くなる。
前記アミノ基含有高分子化合物は、親油性を有するチキソ性付与剤と共にトナー中に含有される。親油性を有するチキソ性付与剤がトナー中に0.1〜5重量%含有されることが好ましく、アミノ基含有高分子化合物が親油性を有するチキソ性付与剤100重量部に対し0.5〜50重量部が好ましいので、アミノ基含有高分子化合物は、トナー中に5×10-4〜2.5重量%含有されることが好ましい。
親油性を有するチキソ性付与剤及びアミノ基含有高分子化合物は、基本的にはトナー(製造時には油滴)内部に存在しているので、製造時の仕込み量と同等の量がトナーに含有されると見なされる。トナーに含有される変性層状無機鉱物の含有量は、蛍光X線で定量することもできる。
<トナー円形度>
本発明におけるトナーは特定の形状を有すことが重要であり、平均円形度が0.980〜0.940であることが好ましい。平均円形度が0.940未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られにくい。平均円形度が0.980を超える場合、ブレードクリーニングなどを採用しているシステムでは、感光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こしやすい。
そこで本発明では、、層状無機鉱物が有する金属カチオンの少なくとも一部を有機カチオンで変性した層状無機鉱物をトナーに含有させることにより、その円形度が0.940〜0.980であるトナーを容易に得ることができる。トナーの製造方法としては、下記に示すように乳化懸濁法が、形状制御し易く好ましい。
<トナー粒度分布>
本発明のトナーにおいて、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は、1.00〜1.30であることが好ましく、このことが高解像度、高画質のトナーを得ることを可能とする。更に、二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナーの粒子径の変動を少なくするとともに、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性を可能とする。Dv/Dnが1.30を超えてしまうと、個々のトナー粒子の粒径のバラツキが大きく、現像の際などでトナーの挙動にバラツキが発生し、微小ドットの再現性を損なってしまうことがあり、高品位な画像は得られにくくなる。さらに好ましくは、Dv/Dnは1.00〜1.20の範囲であり、より良好な画像が得られる。
<トナー粒径及び粒子径2μm以下の粒子>
本発明のトナーにおいて、その体積平均粒径Dvは3.0〜7.0μmであることが好ましい。一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、前記の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラーへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。また、これらの現象は、微粉の含有率が大きく関係し、特に粒子径2μm以下の粒子が10個数%を超えるとキャリアへの付着や高いレベルで帯電の安定性を図る場合支障となる。逆に、トナーの粒子径が前記範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.30よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。
以下、本発明のトナーの性状に関する測定方法を示す。
(円形度及び2μm以下粒子の測定方法)
本発明においては、粒径2μm以下トナーの計測にフロー式粒子像分析装置(「FPIA−3000」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−3000 Part11 Version00−11)を用いて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を前記FPIA−3000を用いて濃度を5000〜15000個/μlが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5000〜15000個/μlにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことが出来ないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径のより異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3〜7μmの場合、トナー量を0.1〜0.5g添加することにより分散液濃度を5000〜15000個/μlにあわせる事が可能となる。
(トナー粒径及び粒度分布の測定方法)
トナーの平均粒径及び粒度分布はカーコールターカウンター法による。トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。本発明においてはコールターカウンターTA−II型を用いて、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)接続し測定した。
以下にその測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の体積平均粒径(Dv)及び個数分布から求めた個数平均粒径(Dn)とその比Dv/Dnを求めた。
[トナーおよびトナー用樹脂の特性]
(パルスNMRにより求められる特性について)
本発明の骨子は、結晶性セグメントと非晶性セグメントを化学的に結合させ、各セグメントの構造を制御することで結晶性セグメントの分子運動を拘束する技術手段を見出したことにある。
分子運動性の尺度化には、パルス法NMRが有効である。パルス法NMRは、高分解能NMRとは異なり化学シフト情報(局所化学構造など)を与えない代わりに、分子運動性と密接な関係のある1H核の緩和時間(スピン―格子緩和時間(T1)、およびスピン―スピン緩和時間(T2))を迅速に測定できる手法であり、近年その使用が急速に広がっている。パルス法NMRにおける測定法としては、ハーンエコー法、ソリッドエコー法、CPMG法(カー・パーセル・メイブーム・ギル法)あるいは90゜パルス法などが挙げられ、何れも好適に用いることが出来るが、本発明におけるトナー及びトナー用樹脂は中程度のスピン−スピン緩和時間(T2)を有するので、ハーンエコー法が最も適している。一般的に、ソリッドエコー法および90゜パルス法は、短いT2の測定に適し、ハーンエコー法は、中程度のT2の測定に適し、CPMG法は、長いT2の測定に適している。
本発明においては、保存安定性に関する分子運動性の尺度として50℃におけるスピン−スピン緩和時間(t50)を、定着時に関する定着時の分子運動性の尺度として130℃におけるスピン−スピン緩和時間(t130)を、画像搬送時の耐擦性に関する分子運動性の尺度として130℃から70℃まで降温したときの70℃におけるスピン−スピン緩和時間(t’70)を、夫々規定している。即ち、定着等、流動性が必要な際には十分な運動性を有し、保存や機内搬送など、流動性が不要な際には十分に運動性が拘束されていることが必要であることを示している。
保存安定性に関する分子運動性の尺度であるt50は、2ms以下であることが好ましい。2ms以下であると、50℃におけるトナー及び樹脂の運動性が高くなりすぎないため、外力による変形や凝集が発生しにくくなり、夏場や船便での海外輸送・保管に難を生じることがないため好ましい。
定着特性に関する分子運動性の尺度t130は、9ms以上であることが好ましい。9ms以上であると、加熱時における分子運動性が十分であるため、トナー及び樹脂の流動、変形性が低下することがない。これにより、画像延展性の低下、印字対象物との接合悪化などが起こりにくくなり、結果、光沢低下や画像剥離などの画質低下が生じることがないため、好ましい。
さらに、画像搬送時の耐擦性に関する分子運動性の尺度であるt’70は、3ms以下であることが好ましい。3ms以下であると、分子運動性が十分に拘束された後に、定着後の排紙工程におけるローラや搬送部材等との接触、摺擦することになり、画像表面に傷跡や光沢度の変化などが発生することがないため、好ましい。
<パルス法NMRを用いた測定方法>
本測定は、ブルカー・オプティクス社製「Minispec−MQ20」を用いて行った。測定は、観測核は1H、共鳴周波数が19.65MHz、測定間隔5sの条件で行い、ハーンエコー法のパルスシーケンス(90゜x−Pi−180゜x)にて減衰曲線を測定した。なお、Piは0.01〜100ms、データポイント数は100点、積算回数は32回として測定温度を50℃→130℃→70℃の順に温度を変えて行った。
サンプルは、トナー粉体0.2g、もしくは主成分であるトナー樹脂粉0.2gを専用のサンプル管中に入れ、磁場の適正範囲までサンプル管に挿入して測定した。この測定によって、各サンプルについて、50℃におけるスピン−スピン緩和時間(t50)、130℃におけるスピン−スピン緩和時間(t130)、および130℃から70℃まで降温したときの70℃におけるスピン−スピン緩和時間(t’70)を、夫々求めた。
(トナー製造方法について)
本発明のトナーの製造方法は、特に限定されないが、溶解懸濁法、乳化凝集法等の公知の湿式造粒法、粉砕法が挙げられる。混練による分子切断や高分子量樹脂と低分子量樹脂の均一混練の難しさから、結着樹脂の混練を伴わない製造方法である、溶解懸濁法、乳化凝集法が好ましく、さらにトナー粒子中の樹脂均一性の観点から溶解懸濁法が特に好ましい。
[溶解懸濁法]
溶解懸濁法によるトナーの製造は次のようにして行う。
先ず、上記の着色剤、結着樹脂、離型剤等のトナー材料を有機溶媒中に分散あるいは溶解させトナー材料液を作り、次にトナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させることにより粒子を得ることができる。
本発明のトナーは、少なくとも、有機溶媒中に非晶性セグメント(A)と結晶性セグメント(B)からなるブロック共重合樹脂を含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、親油性を有するチキソ性付与剤とアミノ基含有高分子化合物とを有機溶媒中に分散させた分散液とを溶解又は分散させ、該溶液または分散液を樹脂微粒子含有水系媒体中で乳化又は分散させ、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して得られることが好ましい。
この時、上述したように、前記親油性を有するチキソ性付与剤、特に層状無機鉱物が有する金属カチオンの少なくとも一部を有機カチオンで変性した層状無機鉱物をトナー中に微分散させるために、前記有機溶媒中に分散させた分散液中に、アミノ含有高分子化合物が、該親油性を有するチキソ性付与剤100重量部に対し0.5〜50重量部含有されていることが好ましい。
(有機溶媒)
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、酢酸エチルが好ましい。有機溶媒の使用量は、前記トナー材料100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
(水系媒体)
水系媒体は、水単独でもよいし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られにくい。20000重量部を超えると経済的でない。
(界面活性剤、樹脂微粒子)
また、水系媒体中に界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加えるのは、着色剤、前記ブロック共重合樹脂、離型剤等の分散を良好にするためである。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは3級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
(樹脂微粒子)
樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
例えばビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂が挙げられる。樹脂微粒子の平均粒径は5〜200nm、好ましくは20〜300nmである。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
(分散剤)
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
(分散の方法)
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
(有機溶媒の除去、洗浄、乾燥)
乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添剤として母体粒子に付着させ、トナーを得る。なお、荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
[乳化凝集法]
乳化凝集法を用いてトナーを製造する方法としては、少なくとも、結着樹脂分散体を、着色剤の分散体、ワックスの分散体等と凝集、融着させることによりトナースラリーを得て、公知の方法に従い、洗浄・濾過により回収し、乾燥することにより単離することができる。
[粉砕法]
粉砕法を用いてトナーを製造する方法としては、従来公知の手段に従い、少なくとも、結着樹脂、帯電制御剤及び着色剤等からなるトナー組成物を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程を有するトナーの製造方法が挙げられる。なお、機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕又は分級する工程で得られる製品となるトナー以外のものを再利用してもよい。
機械的に混合する工程は、攪拌羽根を有する混合機等を用いて通常の条件で行えばよく、特に制限されない。この工程が終了したら、混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。
溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機やロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。具体的には、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型押出機(東芝機械社製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、PCM型2軸押出機(池貝鉄工所社製)、コニーダー(ブス社製)等が挙げられる。溶融混練は、結着樹脂の分子鎖を切断しないような条件で行う必要がある。溶融混練温度が結着樹脂の軟化点より低過ぎると、分子鎖の切断が起こり、高過ぎると、帯電制御剤、着色剤等の分散が進まないため、溶融混練温度は、樹脂の軟化点に応じて適宜設定されることが好ましい。
溶融混練する工程が終了したら、混練物を粉砕する。粉砕する工程においては、粗粉砕した後に、微粉砕することが好ましい。このような粉砕方法としては、ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕する方法、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕する方法、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方法が挙げられる。
この工程が終了した後に、遠心力等を用いて粉砕物を気流中で分級することにより、所定の粒子径を有するトナーを得ることができる。
また、前記トナーは、特許第4531076号公報に示されるような粒子製造方法、即ち、トナーを構成する材料を液状又は超臨界状態の二酸化炭素に溶解させた後に、この液状又は超臨界状態の二酸化炭素を除去することによりトナー粒子を得る粒子製造方法によっても製造することができる。
(その他のトナー用材料について)
―着色剤―
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤から目的に応じて適宜選択することができる。
前記トナーの着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
ブラック用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料等が挙げられる。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、150、163、177、179、184、202、206、207、209、211、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
シアン用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36等が挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、139、151、154、155、180、185;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36等が挙げられる。
トナー中における着色剤の含有量は、1重量%〜15重量%が好ましく、3重量%〜10重量%がより好ましい。前記含有量が、1重量%未満であると、トナーの着色力が低下することがあり、15重量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては、特に制限はないが、本発明における結着樹脂との相溶性の点から、本発明の結着樹脂、又は本発明の結着樹脂と類似した構造の樹脂を用いることが好ましい。
前記マスターバッチは、高せん断力をかけて、樹脂と着色剤を混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒と共に混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水及び有機溶媒を除去する方法である。混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
―離型剤―
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜100℃が好ましく、60℃〜90℃がより好ましい。前記融点が50℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、100℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(TA−60WS及びDSC−60(島津製作所製))を用いて測定することができる。即ち、まず、離型剤5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minで150℃まで昇温し、その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで降温した後、更に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温してDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時における融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記離型剤の溶融粘度としては、100℃における測定値として、5mPa・sec〜100mPa・secが好ましく、5mPa・sec〜50mPa・secがより好ましく、5mPa・sec〜20mPa・secが特に好ましい。前記溶融粘度が、5mPa・sec未満の場合、離型性が低下することがあり、100mPa・secより大きい場合、耐ホットオフセット性、及び低温での離型性が悪化することがあるため、好ましくない。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1重量%〜20重量%が好ましく、3重量%〜10重量%がより好ましい。前記含有量が、1重量%未満の場合、耐ホットオフセット性が悪化する傾向にあり、20重量%を超えると耐熱保存性、帯電性、転写性、耐ストレス性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
―帯電制御剤―
また、トナーに適切な帯電能を付与するために、必要に応じて帯電制御剤をトナーに含有させることも可能である。
帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤がいずれも使用可能である。有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤の含有量は、結着樹脂の種類、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるものであり、一義的に限定されるものではないが、前記結着樹脂に対し0.01重量%〜5重量%が好ましく、0.02重量%〜2重量%がより好ましい。前記添加量が、5重量%を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがあり、0.01重量%未満であると、帯電立ち上り性や帯電量が十分でなく、トナー画像に影響を及ぼしやすいことがある。
―外添剤―
本トナーは流動性改質や帯電量調整、電気特性の調整などの目的として各種の外添剤を添加することが出来る。外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子としては、例えばHDK H2000、HDK H2000/4、HDK H2050EP、HVK21、HDK H1303(いずれも、ヘキスト社製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。前記チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル株式会社製);STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製);TAF−140(富士チタン工業株式会社製);MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。前記疎水化された酸化チタン微粒子としては、例えばT−805(日本アエロジル株式会社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製);MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製);IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子、疎水化されたチタニア微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子は、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。前記疎水化処理剤としては、例えばジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径は、1〜100nmが好ましく、3〜70nmがより好ましい。前記平均粒径が1nm未満であると、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくいことがあり、100nmを超えると、静電潜像担持体表面を不均一に傷つけてしまうことがある。前記外添剤としては、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
前記外添剤の添加量は、前記トナーに対し0.1〜5重量%が好ましく、0.3〜3重量%がより好ましい。
前記外添剤として樹脂微粒子も添加することができる。例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系;熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。このような樹脂微粒子を併用することによってトナーの帯電性が強化でき、逆帯電のトナーを減少させ、地肌汚れを低減することができる。
前記樹脂微粒子の添加量は、前記トナーに対し0.01〜5重量%が好ましく、0.1〜2重量%がより好ましい。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤を用いて表面処理すると、トナー粒子表面の疎水性が向上し、高湿度下においても流動特性や帯電特性の低下を抑制することができる。
前記流動性向上剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤をトナーに添加すると、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤が除去されやすくなる。
前記クリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等のソープフリー乳化重合を用いて得られる樹脂粒子などが挙げられる。前記樹脂粒子は、粒度分布が狭いことが好ましく、体積平均粒子径が0.01μm〜1μmであることが好ましい。
−磁性材料−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色の磁性材料が好ましい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像剤担持体としての現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
本発明の現像剤は、画像形成用現像剤及び補給用現像剤として用いることができる。
(キャリア)
キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層(被覆層)とを有するものが好ましい。
―キャリア芯材―
前記芯材としては、磁性を有する粒子であれば特に限定されるものではなく、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル等が好適に挙げられる。また、近年著しく進む環境面への適応性を配慮した場合には、フェライトであれば、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、例えば、マンガンフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、マンガン−ストロンチウムフェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト、リチウム系フェライト等を用いることが好適である。
―被覆層―
被覆層は、少なくとも結着樹脂を含有しており、必要に応じて無機微粒子等の他の成分を含有していても良い。
[結着樹脂]
キャリアの被覆層を形成するための結着樹脂としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択できるが、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)やその変性品、スチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルエーテル等を含む架橋性共重合物;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変性品(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等による変性品);ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;エポキシ樹脂;アイオノマー樹脂;ポリイミド樹脂、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に合わせて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂、およびアルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂が挙げられる。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2405、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)などが挙げられる。また、上記変性シリコーン樹脂の具体例としては、エポキシ変性物:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性物:KR−5203、アルキッド変性物:KR−206、ウレタン変性物:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性物:SR2115、アルキッド変性物:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
なお、前記シリコーン樹脂は、単体で用いることも可能であるが、架橋反応性成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。該架橋反応性成分としては、シランカップリング剤等が挙げられる。該シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、アミノシランカップリング剤等が挙げられる。
[微粒子]
前記被覆層には、必要に応じて微粒子を含有させてもよく、該微粒子としては、特に制限はなく、従来公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粉、酸化錫、酸化亜鉛、シリカ、酸化チタン、アルミナ、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、ホウ酸アルミニウム等の無機微粒子や、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)、ポリピロール、パリレン等の導電性高分子、カーボンブラック等の有機微粒子等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
前記微粒子は、更に、表面が導電性処理をされていてもよい。このような導電性処理の方法としては、微粒子の表面に、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、銀、又はこれらの合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウム等を固溶体や融着の形態として被覆させる方法等が挙げられる。これらの中でも、酸化スズ、酸化インジウム、スズをドープした酸化インジウムを用いて導電性処理をする方法が好ましい。
前記被覆層のキャリア中での含有率としては5重量%以上が好ましく、更には5重量%以上10重量%以下がより好ましい。
前記被覆層の厚さとしては、0.1μm〜5μmであることが好ましく、0.3μm〜2μmであることが更に好ましい。
ここで、被覆層の厚さは、例えば、FIB(集束イオンビーム)でキャリア断面を作成後、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて50点以上のキャリア断面を観察し、求めた膜厚の平均値として算出することができる。
―キャリア被覆層の形成方法―
キャリアへの被覆層の形成法としては、特に制限はなく、従来公知の被覆層形成方法が使用でき、結着樹脂又は結着樹脂前駆体を始めとする上述の被覆層用の原料を溶解した被覆層溶液を、芯材の表面に噴霧法又は浸漬法等を用いて塗布する方法が挙げられる。芯材表面に被覆層溶液を塗布し、塗布層が形成されたキャリアを加熱することにより、結着樹脂又は結着樹脂前駆体の重合反応を促進させることが好ましい。該加熱処理は、被覆層形成後、引き続きコート装置内で行っても良く、あるいは、被覆層形成後、通常の電気炉や焼成キルン等、別の加熱手段によって行っても良い。
加熱処理温度としては、使用する被覆層の構成材料によって異なるため、一概に決められるものではないが、120℃〜350℃程度が好ましく、被覆層構成材料の分解温度以下であることが特に好ましい。なお、該被覆層構成材料の分解温度としては、220℃程度までの上限温度であることが好ましく、加熱処理時間としては、5分〜120分間程度であることが好ましい。
―キャリアの物性―
前記キャリアの体積平均粒径は、10〜100μmの範囲であることが好ましく、20〜65μmの範囲であることがより好ましい。
前記キャリアの体積平均粒径が、10μm未満では前記芯材粒子の均一性が低下することに起因するキャリア付着が発生することがあり好ましくなく、100μmを超える場合には画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないことがあり好ましくない。
前記体積平均粒径の測定方法としては、粒度分布を測定できる機器であれば特に制限はなく、例えば、マイクロトラック粒度分布計:モデルHRA9320―X100(日機装(株)製)を用いて測定することができる。
前記キャリアの体積抵抗率は、9[log(Ω・cm)]以上16[log(Ω・cm)]以下であることが好ましく、10[log(Ω・cm)]以上14[log(Ω・cm)]以下であることがより好ましい。
前記体積抵抗率が9[log(Ω・cm)]未満の場合は非画像部でのキャリア付着が生じて好ましくなく、16[log(Ω・cm)]より大きい場合は現像時、エッジ部における画像濃度が強調される、いわゆるエッジ効果が顕著になり好ましくない。該体積抵抗率は必要に応じて、キャリアの被覆層の膜厚、前記導電性の微粒子の含有量を調整することで、該範囲内で任意に調整可能である。
前記体積抵抗率の測定方法としては、電極間距離0.2cm、表面積2.5cm×4cmの電極1a、電極1bを収容したフッ素樹脂製容器からなるセルに、キャリアを充填し、落下高さ:1cm、タッピングスピード:30回/min、タッピング回数:10回の条件でタッピングを行う。次に、両電極間に1000Vの直流電圧を印加し、30秒後の抵抗値r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード(株)製:HighResistance Meter)により測定し、下記式(3)の通り計算して体積抵抗率R[log(Ω・cm)]を算出することができる。
R=Log[r×(2.5cm×4cm)/0.2cm]・・・・(3)
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、該二成分現像剤におけるトナーとキャリアの混合割合は、キャリアに対するトナーの重量比が2.0〜12.0重量%であることが好ましく、2.5〜10.0重量%であることがより好ましい。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明に係る画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明に用いられる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
―静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段―
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、等が挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
―現像工程及び現像手段―
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、前記現像剤入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器は、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するもの等が好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記現像剤である。
―転写工程及び転写手段―
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
―定着工程及び定着手段―
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、各工程は制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図1に、本発明の画像形成装置の第一例を示す。画像形成装置100Aは、感光体ドラム10と、帯電ローラ20と、露光装置(不図示)と、現像装置40と、中間転写ベルト50と、クリーニングブレードを有するクリーニング装置60と、除電ランプ70とを備える。
中間転写ベルト50は、内側に配置されている3個のローラ51で張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。3個のローラ51の一部は、中間転写ベルト50に転写バイアス(一次転写バイアス)を印加することが可能な転写バイアスローラとしても機能する。また、中間転写ベルト50の近傍に、クリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。さらに、転写紙95にトナー像を転写するための転写バイアス(二次転写バイアス)を印加することが可能な転写ローラ80が中間転写ベルト50と対向して配置されている。また、中間転写ベルト50の周囲には、中間転写ベルト50に転写されたトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電装置58が、中間転写ベルト50の回転方向に対して、感光体ドラム10と中間転写ベルト50の接触部と、中間転写ベルト50と転写紙95の接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cから構成されている。なお、各色の現像ユニット45は、現像剤収容部42、現像剤供給ローラ43及び現像ローラ44を備える。また、現像ベルト41は、複数のベルトローラで張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。さらに、現像ベルト41の一部が感光体ドラム10と接触している。
次に、画像形成装置100Aを用いて画像を形成する方法について説明する。まず、帯電ローラ20を用いて、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させた後、露光装置(不図示)を用いて、感光ドラム10に露光光Lを露光し、静電潜像を形成する。次に、感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40から供給されたトナーで現像してトナー像を形成する。さらに、感光体ドラム10上に形成されたトナー像が、ローラ51から印加された転写バイアスにより、中間転写ベルト50上に転写(一次転写)された後、転写ローラ80から印加された転写バイアスにより、転写紙95上に転写(二次転写)される。一方、トナー像が中間転写ベルト50に転写された感光体ドラム10は、表面に残留したトナーがクリーニング装置60により除去された後、除電ランプ70により除電される。
図2に、本発明の画像形成装置の第二例を示す。画像形成装置100Bは、現像ベルト41を設けずに、感光体ドラム10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されている以外は、画像形成装置100Aと同様の構成を有する。
図3に、本発明の画像形成装置の第三例を示す。画像形成装置100Cは、タンデム型カラー画像形成装置であり、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備える。
複写装置本体150の中央部に設けられている中間転写ベルト50は、3個のローラ14、15及び16に張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。ローラ15の近傍には、トナー像が記録紙に転写された中間転写ベルト50上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードを有するクリーニング装置17が配置されている。ローラ14及び15により張架された中間転写ベルト50に対向すると共に、搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの画像形成ユニット120Y、120C、120M及び120Kが並置されている。また、画像形成ユニット120の近傍には、露光装置21が配置されている。さらに、中間転写ベルト50の画像形成ユニット120が配置されている側とは反対側には、二次転写ベルト24が配置されている。なお、二次転写ベルト24は、一対のローラ23に張架されている無端ベルトであり、二次転写ベルト24上を搬送される記録紙と中間転写ベルト50は、ローラ16と23の間で接触することができる。また、二次転写ベルト24の近傍には、一対のローラに張架されている無端ベルトである定着ベルト26と、定着ベルト26に押圧されて配置された加圧ローラ27とを備える定着装置25が配置されている。なお、二次転写ベルト24及び定着装置25の近傍に、記録紙の両面に画像を形成する場合に、記録紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、画像形成装置100Cを用いて、フルカラー画像を形成する方法について説明する。まず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に、カラー原稿をセットするか、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に、カラー原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした場合は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした場合は、直ちに、スキャナ300が駆動し、光源を備える第1走行体33及びミラーを備える第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33から照射された光の原稿面からの反射光を第2走行体34で反射した後、結像レンズ35を介して、読み取りセンサ36で受光することにより、原稿が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報が得られる。
各色の画像情報は、各色の画像形成ユニット120に伝達され、各色のトナー像が形成される。各色の画像形成ユニット120は、図4に示すように、それぞれ、感光体ドラム10と、感光体ドラム10を一様に帯電させる帯電ローラ160と、各色の画像情報に基づいて、感光体ドラム10に露光光Lを露光し、各色の静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像を各色の現像剤で現像して各色のトナー像を形成する現像装置61と、トナー像を中間転写ベルト50上に転写させるための転写ローラ62と、クリーニングブレードを有するクリーニング装置63と、除電ランプ64とを備える。
各色の画像形成ユニット120で形成された各色のトナー像は、ローラ14、15及び16に張架されて移動する中間転写体50上に順次転写(一次転写)され、重ね合わされて複合トナー像が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の一つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の一つから記録紙を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラを回転して手差しトレイ54上の記録紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録紙の紙粉を除去するためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。次に、中間転写ベルト50上に形成された複合トナー像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させることにより、中間転写ベルト50と二次転写ベルト24との間に記録紙を送出させ、複合トナー像を記録紙上に転写(二次転写)する。なお、複合トナー像を転写した中間転写ベルト50上に残留したトナーは、クリーニング装置17により除去される。
複合トナー像が転写された記録紙は、二次転写ベルト24により搬送された後、定着装置25により複合トナー像が定着される。次に、記録紙は、切換爪55により搬送経路が切り換えられ、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出される。あるいは、記録紙は、切換爪55により搬送経路が切り換えられ、シート反転装置28により反転され、裏面にも同様にして画像が形成された後、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出される。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
(製造例1)
<非晶性セグメントA1の製造> ;PG/TPADM・AADM(90/10)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコール、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチル/アジピン酸ジメチル(モル比90/10)を、OH基とCOOH基の比率(OH/COOH)が1.2になるように仕込み、300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に、メタノールを流出させながら反応させ、最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5KOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg〜30mmHgの減圧下にて4時間反応させ、線状ポリエステル樹脂である[非晶性セグメントA1]を得た。
得られた樹脂は、酸価(AV)1.08mgKOH/g、水酸基価(OHV)23.3mgKOH/g、Tg59.2℃であった。
(製造例2)
<非晶性セグメントA2の製造> ;PG/TPADM・FmADM(83/17)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコール、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチル/フマル酸ジメチル(モル比で83/17)を、OH基とCOOH基の比率(OH/COOH)が1.3になるように仕込み、300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に、メタノールを流出させながら反応させ、最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5KOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg〜30mmHgの減圧下にて4時間反応させ、線状ポリエステル樹脂である[非晶性セグメントA2]を得た。
得られた樹脂は、酸価(AV)0.58mgKOH/g、水酸基価(OHV)24.5mgKOH/g、Tg48.7℃であった。
(製造例3)
<非晶性セグメントA3の製造> ;PG/TPADM
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコール、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルを、OH基とCOOH基の比率(OH/COOH)が1.2になるように仕込み、300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共にメタノールを流出させながら反応させ、最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5KOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg〜30mmHgの減圧下にて4時間反応させ、線状ポリエステル樹脂である[非晶性セグメントA3]を得た。
得られた樹脂は、酸価(AV)0.37mgKOH/g、水酸基価(OHV)25.3mgKOH/g、Tg72.0℃であった。
(製造例4)
<結晶性セグメントC1の製造> ;HD/AA
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとして1,6−ヘキサンジオール、ジカルボン酸としてアジピン酸を、OH基とCOOH基の比率(OH/COOH)が1.1になるように仕込み、300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に、水を流出させながら反応させ、最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5KOH/g以下になるまで反応させた。その後、10mmHg以下の減圧下にて5時間反応させ、結晶性ポリエステル樹脂である[結晶性セグメントC1]を得た。
得られた樹脂は、酸価(AV)0.45mgKOH/g、水酸基価(OHV)29.1mgKOH/g、Tm56.7℃であった。
(製造例5)
<結晶性セグメントC2の製造> ;HD/SA
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとして1,6−ヘキサンジオール、ジカルボン酸としてセバシン酸を、OH基とCOOH基の比率(OH/COOH)が1.15になるように仕込み、300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に水を流出させながら反応させ、最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5KOH/g以下になるまで反応させた。その後、10mmHg以下の減圧下にて4時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂である[結晶性セグメントC2]を得た。
得られた樹脂は、酸価(AV)0.52mgKOH/g、水酸基価(OHV)35.8mgKOH/g、Tm67.2℃であった。
(製造例6)
<結晶性セグメントC3の製造> ;BD/SA
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとして1,4−ブタンジオール、ジカルボン酸としてセバシン酸を、OH基とCOOH基の比率(OH/COOH)が1.1になるように仕込み、300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に、水を流出させながら反応させ、最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5KOH/g以下になるまで反応させた。その後、10mmHg以下の減圧下にて6時間反応させ、結晶性ポリエステル樹脂である[結晶性セグメントC3]を得た。
得られた樹脂は、酸価(AV)0.38mgKOH/g、水酸基価(OHV)22.6mgKOH/g、Tm63.8℃であった。
(製造例7)
<ブロック共重合樹脂B1の製造> ;C1/A1(40/60)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶性セグメントA1]1300gと、[結晶性セグメントC1]700gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート136gを系に投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去し、[ブロック共重合樹脂B1]を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示した。
(製造例8)
<ブロック共重合樹脂B2の製造> ;C1/A1(30/70)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶性セグメントA1]1480gと、[結晶性セグメントC1]520gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート133gを系に投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去し、[ブロック共重合樹脂B2]を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示した。
(製造例9)
<ブロック共重合樹脂B3の製造> ;C2/A2(30/70)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶性セグメントA2]1550gと、[結晶性セグメントC2]450gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート145gを系に投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去し、[ブロック共重合樹脂B3]を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示した。
(製造例10)
<ブロック共重合樹脂B4の製造> ;C2/A1(30/70)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶性セグメントA1]1560gと、[結晶性セグメントC2]440gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート140gを系に投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去し、[ブロック共重合樹脂B4]を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示した。
(製造例11)
<ブロック共重合樹脂B5の製造> ;C2/A1(25/75)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶性セグメントA1]1650gと、[結晶性セグメントC2]350gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート137gを系に投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去し、[ブロック共重合樹脂B5]を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示した。
(製造例12)
<ブロック共重合樹脂B6の製造> ;C3/A3(25/75)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶性セグメントA3]1450gと、[結晶性セグメントC3]550gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート132gを系に投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去し、[ブロック共重合樹脂B6]を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示した。
(製造例13)
<ブロック共重合樹脂B7の製造> ;C2/A1(10/90)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶性セグメントA1]1700gと、[結晶性セグメントC2]120gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート137gを系に投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去し、[ブロック共重合樹脂B7]を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示した。
(製造例14)
<ブロック共重合樹脂B8の製造> ;C2/A1(9/91)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、[非晶性セグメントA1]1720gと、[結晶性セグメントC2]110gとを仕込み、60℃で2時間、10mmHgで減圧乾燥を行った。窒素解圧後、モレキュラーシーブス4Aにて脱水処理を行った酢酸エチル2000gを投入し、窒素気流下、均一になるまで溶解させた。次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート137gを系に投入し、目視下にて均一になるまで撹拌した。その後、触媒として2−エチルヘキサン酸スズを100ppm投入し、80℃まで昇温させ、リフラックス下で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去し、[ブロック共重合樹脂B8]を得た。得られた樹脂の特性値を表1に示した。
Figure 2015059952
(製造例15)
<着色剤マスターバッチの製造>
[ブロック共重合樹脂B1]100重量部、シアン顔料(C.I.Pigment blue 15:3)100重量部、及びイオン交換水30重量部をよく混合して、オープンロール型混練機(ニーデックス/三井鉱山(株)製)にて混練を行った。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却し、樹脂と顔料の比率(重量比)が1:1である[着色剤マスターバッチP1]を作製した。
また、[ブロック共重合樹脂B1]を[ブロック共重合樹脂B2〜B8]に変更すること以外は同様にして、[着色剤マスターバッチP2〜P8]を作製した。
(製造例16)
<ワックス分散液の製造>
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、パラフィンワックス(HNP−9(融点75℃)、日本精蝋社製)20重量部、及び酢酸エチル80重量部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、さらにウルトラビスコミル(アイメックス製)にて、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液]を作製した。
(製造例17)
<樹脂微粒子分散液の製造>
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683重量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11重量部、スチレン83重量部、メタクリル酸83重量部、アクリル酸ブチル110重量部、過硫酸アンモニウム1重量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30重量部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[樹脂微粒子分散液1]を得た。[樹脂微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[樹脂微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は150000であった。
(製造例18)
<チキソ性付与剤分散液−1の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk161 13.3重量部(アミノ基含有高分子化合物は30%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−1]を調製した。
(製造例19)
<チキソ性付与剤分散液−2の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk164 6.7重量部(アミノ基含有高分子化合物は60%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−2]を調製した。
(製造例20)
<チキソ性付与剤分散液−3の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 7.7重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−3]を調製した。
(製造例21)
<チキソ性付与剤分散液−4の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk182 9.3重量部(アミノ基含有高分子化合物は43%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−4]を調製した。
(製造例22)
<チキソ性付与剤分散液−5の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk184 7.7重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−5]を調製した。
(製造例23)
<チキソ性付与剤分散液−6の製造>
酢酸エチル150重量部、HOJUN社製エスベンWX 20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 7.7重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−6]を調製した。
(製造例24)
<チキソ性付与剤分散液−7の製造>
酢酸エチル150重量部、ELEMENTIS社製BENTONE57 20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 7.7重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−7]を調製した。
(製造例25)
<チキソ性付与剤分散液−8の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 0.2重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では0.1重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−8]を調製した。
(製造例26)
<チキソ性付与剤分散液−9の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 19.2重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では10重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−9]を調製した。
(製造例27)
<チキソ性付与剤分散液−10の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B1]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 7.7重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−10]を調製した。
(製造例28)
<チキソ性付与剤分散液−11の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B3]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 7.7重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−11]を調製した。
(製造例29)
<チキソ性付与剤分散液−12の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B4]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 7.7重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−12]を調製した。
(製造例30)
<チキソ性付与剤分散液−13の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B5]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 7.7重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−13]を調製した。
(製造例31)
<チキソ性付与剤分散液−14の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B6]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 7.7重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−14]を調製した。
(製造例32)
<チキソ性付与剤分散液−15の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−15]を調製した。
(製造例33)
<チキソ性付与剤分散液−16の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk102 4量部(主成分はアミノ基を含有しない高分子化合物であり、該高分子化合物を99%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−16]を調製した。
(製造例34)
<チキソ性付与剤分散液−17製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk103 10量部(主成分はアミノ基を含有しない高分子化合物であり、該高分子化合物を40%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−17]を調製した。
(製造例35)
<チキソ性付与剤分散液−18製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk180 9.4量部(主成分はアミノ基を含有しない高分子化合物であり、該高分子化合物を81%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−18]を調製した。
(製造例36)
<チキソ性付与剤分散液−19の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B7]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 7.7重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−19]を調製した。
(製造例37)
<チキソ性付与剤分散液−20の製造>
酢酸エチル150重量部、SCP社製CRAYTONE APA20重量部、及び前記[ブロック共重合樹脂B8]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 7.7重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では4重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−20]を調製した。
(製造例38)
<チキソ性付与剤分散液−21製造>
酢酸エチル131重量部、ビックケミー社製チキソ付与剤BYK420 38.5重量部(チキソ付与剤主成分である変性ウレアを52%含有のため純分では20重量部)、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−21]を調製した。
(製造例39)
<チキソ性付与剤分散液−22製造>
酢酸エチル131重量部、ビックケミー社製チキソ付与剤BYK420 38.5重量部(チキソ付与剤主成分である変性ウレアを52%含有のため純分では20重量部)、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 0.2重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では0.1重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−22]を調製した。
(製造例40)
<チキソ性付与剤分散液−23製造>
酢酸エチル150重量部、EASTMAN CHEMICAL社製チキソ付与剤CAB551−0.01 20重量部(チキソ付与剤主成分はセロースアセテート)、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−23]を調製した。
(製造例41)
<チキソ性付与剤分散液−24製造>
酢酸エチル150重量部、EASTMAN CHEMICAL社製チキソ付与剤CAB551−0.01 20重量部(チキソ付与剤主成分はセロースアセテート)、及び前記[ブロック共重合樹脂B2]80重量部、ビックケミー社Disperbyk167 0.2重量部(アミノ基含有高分子化合物は52%含有のため純分では0.1重量部)を、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて3時間分散して、[チキソ性付与剤分散液−24]を調製した。
Figure 2015059952
(実施例1)
−トナー1の製造−
温度計及び攪拌機を装備した容器に、[ブロック共重合樹脂B2]89.5重量部、及び酢酸エチル81重量部を入れ、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させ、[ワックス分散液]を25重量部、[着色剤マスターバッチP2]12重量部、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)で回転数10,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相1]を得た。なお、[油相1]の温度は容器内にて50℃に保つようにした。
次に、撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に、イオン交換水75重量部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25重量%分散液(三洋化成工業社製)3重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業製)16重量部及び酢酸エチル5重量部を40℃で混合撹拌させて水相溶液を作製し、50℃に保たれた[油相1]50重量部を加え、45℃〜48℃にてTKホモミキサー(特殊機化株式会社製)で回転数12,000rpmで1分間混合して、[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、50℃で2時間脱溶剤して、[スラリー1]を得た。
得られたトナー母粒子の[スラリー1]100重量部を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100重量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10重量%水酸化ナトリウム水溶液100重量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10重量%塩酸100重量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300重量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、[濾過ケーキ1]を得た。
得られた[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母粒子1]を作製した。
次に、得られた[トナー母体粒子1]100重量部に疎水性シリカ(HDK−2000、ワッカー・ケミー社製)1.0重量部、酸化チタン(MT−150AI、テイカ社製)0.3重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合して、[トナー1]を作製した。得られたトナーの特性値評価を行い、結果を表2、表3に示した。
−キャリア1の製造−
芯材として、Mnフェライト粒子(重量平均径:35μm)5,000重量部、並びに、被覆材として、トルエン300重量部、ブチルセロソルブ300重量部、アクリル樹脂溶液(組成比 メタクリル酸:メタクリル酸メチル:2−ヒドロキシエチルアクリレート=5:9:3、固形分50重量%トルエン溶液、Tg38℃)60重量部、N−テトラメトキシメチルベンゾグアナミン樹脂溶液(重合度1.5、固形分77重量%トルエン溶液)15重量部及びアルミナ粒子(平均一次粒子径0.30μm)15重量部をスターラーで10分間分散して調製されたコート液を用いて、前記芯材とこのコート液と流動床内において回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、当該コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で220℃、2時間の条件で焼成し、[キャリア1]を得た。
−現像剤1の製造−
[キャリア1]100重量部に対し上記で作製した[トナー1]7重量部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し、二成分現像剤である[現像剤1]を得た。
また、以上作製した二成分現像剤について、接触帯電方式、二成分現像方式、二次転写方式、ブレードクリーニング方式、及び外部加熱のローラ定着方式を採用した間接転写方式のタンデム型画像形成装置(画像形成装置A)の現像ユニットに装填して画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。
−評価−
以下に、本発明におけるトナーおよび現像剤の品質評価の方法について詳細を説明する。
評価方法
<<定着性(定着下限温度)>>
図3に示すタンデム型フルカラー画像形成装置100Cを用いて、転写紙(リコービジネスエキスパート株式会社製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナーの付着量が0.85±0.10mg/cm2の紙全面ベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(株式会社上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260μmR〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。定着下限温度は、低い程、低温定着性に優れる。
〔評価基準〕
◎: 105℃以下
○: 105℃を超え115℃以下
△: 115℃を超え130℃以下
×: 130℃を超える
<<定着性(耐ホットオフセット性・定着幅)>>
図3に示すタンデム型フルカラー画像形成装置100Cを用いて、転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)上に、転写後のトナー付着量が0.85±0.10mg/cm2の紙全面ベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、ホットオフセットの有無を目視評価し、ホットオフセットが発生しない上限温度と、定着下限温度との差を定着幅とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。定着幅は、広い程、耐ホットオフセット性に優れ、約50℃が従来のフルカラートナーの平均的な温度幅である。
〔評価基準〕
◎: 100℃を超える
○: 55℃を超え100℃以下
△: 30℃を超え55℃以下
×: 30℃以下
<<耐熱保存性(針入度)>>
50mLのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JISK2235−1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。
なお、本発明においては針入度を貫入深さ(mm)で表す。
〔評価基準〕
◎: 針入度25mm以上
○: 針入度15mm以上25mm未満
△: 針入度5mm以上15mm未満
×: 針入度5mm未満
<<排紙跡評価(排紙耐擦性)>>
得られた[トナー1]から作成した[現像剤1]をImagioC2802に装着し、A4紙に全面ベタ画像(トナー付着量は0.6mg/cm2)を10枚連続して印刷した。画像を目視で観察しランク付けを行った。
<<画像接着(スタック保存性)>>
A4紙に全面ベタ画像(トナー付着量は0.85mg/cm2)の未定着画像を定着機に30枚連続通紙し、すぐに重ね合わせてその上にさらにA4紙70枚を載せて荷重をかけた。10分放置後の画像状態を下記の基準で評価した。
○: 紙同士が接着していない。すぐにはがれる。
△: やや接着するが、画像にはがした跡が残らない
×: 強く接着し無理にはがすと画像上のトナーがはがれる、紙が破れる。
<<転写白抜け画像評価>>
得られた[トナー1]から作成した[現像剤1]をImagioC2802に装着し、画像面積率5%のA4画像を1万枚の連続して印刷した。試験終了後、A4紙に全面ベタ画像(トナー付着量は0.4mg/cm2)を三枚出力し、目視で画像中の白抜け画像数を計測した。
3枚の白抜け画像数の総計により下記のランク付けを行った。
○:3枚とも白抜け画像が目視でわからない
△:3枚あわせて白抜け画像が1〜10個 目視で確認できる
×:3枚あわせて白抜け画像が10個以上 目視で確認できる
<<地汚れ>>
デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioColor2800)を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定を行なった。画像濃度差ΔIDが少ない方が地肌汚れが良く、下記のようにランク付けした。
◎:0≦ΔID≦0.01
○:0.01<ΔID≦0.05
△:0.05<ΔID≦0.1
×:0.1<ΔID
の順にランク付けした。
<<トナー飛散>>
デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioColor2800)を用い、の5万枚の連続印刷後、機内のトナーの汚染度合いを確認した。問題ないレベルを「○」、トナーが見られるものの、使用上問題ないレベルのものを「△」、著しく汚染しており、問題となるものを「×」とした。
<<クリーニング性>>
清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.01以下のものを○(良好)、それを越えるものを×(不良)として評価した。
<<帯電安定性>>
(1)高温高湿環境帯電安定性
温度40℃、湿度90%の環境において、単色モードで7%画像面積の画像チャートをデジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioColor2800)にて100,000枚ランニング出力する間に、1000枚ごとに現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定して、帯電安定性を評価した。帯電量の変化が5μc/g以下の場合は○、5μc/gを超え10μc/g以下の場合は△、10μc/g超える場合は×とした。
(2)低温低湿環境帯電安定性
温度10℃、湿度15%の環境において、単色モードで7%画像面積の画像チャートをデジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioColor2800)にて100,000枚ランニング出力する間に、1000枚ごとに現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定して、帯電安定性を評価した。帯電量の変化が5μc/g以下の場合は○、5μc/gを超え10μc/g以下の場合は△、10μc/g超える場合は×とした。
(1)及び(2)のブローオフ法による帯電量測定は次のように行った。
温度20℃、湿度50%の試験室で各トナー10gとフェライトキャリア100gとを内容積の3割までステンレス製ポットに入れ、100rpmの撹拌速度で10分攪拌し、現像剤の帯電量(μC/g)を[東芝ケミカル(株)製:TB−200]にて測定した。
(実施例2)
−トナー2、現像剤2の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−2]14.4重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー2]及び[現像剤2]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例3)
−トナー3、現像剤3の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−3]14.4重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー3]及び[現像剤3]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例4)
−トナー4、現像剤4の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−4]14.5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー4]及び[現像剤4]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例5)
−トナー5、現像剤5の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−5]14.4重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー5]及び[現像剤5]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例6)
−トナー6、現像剤6の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−6]14.4重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー6]及び[現像剤6]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例7)
−トナー7、現像剤7の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−7]14.4重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー7]及び[現像剤7]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例8)
−トナー8、現像剤8の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−8]14重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー8]及び[現像剤8]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例9)
−トナー9、現像剤9の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−9]15.1重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー9]及び[現像剤9]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例10)
−トナー10、現像剤10の製造−
実施例1のトナーの製造において、[ブロック共重合樹脂B2]93.6重量部に変更し、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−3]1.4重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー10]及び[現像剤10]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例11)
−トナー11、現像剤11の製造−
実施例1のトナーの製造において、[ブロック共重合樹脂B2]70.6重量部に変更し、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−3]75.3重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー11]及び[現像剤11]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例12)
−トナー12、現像剤12の製造−
実施例1のトナーの製造において、[ブロック共重合樹脂B2]に代えて[ブロック共重合樹脂B1]にそれぞれ変更し、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−10]14.4重量部に変更し、[着色剤マスターバッチP2]に代えて[着色剤マスターバッチP1]にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー12]及び[現像剤12]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例13)
−トナー13、現像剤13の製造−
実施例1のトナーの製造において、[ブロック共重合樹脂B2]に代えて[ブロック共重合樹脂B3]にそれぞれ変更し、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−11]14.4重量部に変更し、[着色剤マスターバッチP2]に代えて[着色剤マスターバッチP3]にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー13]及び[現像剤13]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例14)
−トナー14、現像剤14の製造−
実施例1のトナーの製造において、[ブロック共重合樹脂B2]に代えて[ブロック共重合樹脂B4]にそれぞれ変更し、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−12]14.4重量部に変更し、[着色剤マスターバッチP2]に代えて[着色剤マスターバッチP4]にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー14]及び[現像剤14]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例15)
−トナー15、現像剤15の製造−
実施例1のトナーの製造において、[ブロック共重合樹脂B2]に代えて[ブロック共重合樹脂B5]にそれぞれ変更し、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−13]14.4重量部に変更し、[着色剤マスターバッチP2]に代えて[着色剤マスターバッチP5]にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー15]及び[現像剤15]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例16)
−トナー16、現像剤16の製造−
実施例1のトナーの製造において、[ブロック共重合樹脂B2]に代えて[ブロック共重合樹脂B6]にそれぞれ変更し、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−14]14.4重量部に変更し、[着色剤マスターバッチP2]に代えて[着色剤マスターバッチP6]にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー16]及び[現像剤16]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例17)
−トナー17の製造−
実施例1のトナーの製造において、[ブロック共重合樹脂B2]に代えて[ブロック共重合樹脂B6]に変更し、[ブロック共重合樹脂B6]89.5重量部と[結晶性セグメントC2]4.7重量部及び酢酸エチル81重量部を、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させて油相を作成し、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−14]14.4重量部に変更し、[着色剤マスターバッチP2]に代えて[着色剤マスターバッチP6]に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー17]及び[現像剤17]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表2および3に示した。
(実施例18)
−トナー18の製造−
実施例1のトナーの製造において、[ブロック共重合樹脂B2]に代えて[ブロック共重合樹脂B6]に変更し、[ブロック共重合樹脂B6]89.5重量部と[結晶性セグメントC2]14.1重量部及び酢酸エチル81重量部を、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させて油相を作成し、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−14]14.4重量部に変更し、[着色剤マスターバッチP2]に代えて[着色剤マスターバッチP6]に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー18]及び[現像剤18]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表2および3に示した。
(比較例1)
−トナー19、現像剤19の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−15]14重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー19]及び[現像剤19]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(比較例2)
−トナー20、現像剤20の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−16]14.2重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー20]及び[現像剤20]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(比較例3)
−トナー21、現像剤21の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−17]14.6重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー21]及び[現像剤21]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(比較例4)
−トナー22、現像剤22の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−18]14.4重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー22]及び[現像剤22]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(比較例5)
−トナー23、現像剤23の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−21]14.1重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー23]及び[現像剤23]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例19)
−トナー24、現像剤24の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−22]14.5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー24]及び[現像剤24]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(比較例6)
−トナー25、現像剤25の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−23]14.1重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー25]及び[現像剤25]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例20)
−トナー26、現像剤26の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−24]14.5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー26]及び[現像剤26]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例21)
−トナー27、現像剤27の製造−
実施例1のトナーの製造において、[ブロック共重合樹脂B2]に代えて[ブロック共重合樹脂B7]にそれぞれ変更し、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−19]14.4重量部に変更し、[着色剤マスターバッチP2]に代えて[着色剤マスターバッチP7]にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー27]及び[現像剤27]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(実施例22)
−トナー28、現像剤28の製造−
実施例1のトナーの製造において、[ブロック共重合樹脂B2]に代えて[ブロック共重合樹脂B8]にそれぞれ変更し、[チキソ性付与剤分散液−1]14.8重量部を[チキソ性付与剤分散液−20]14.4重量部に変更し、[着色剤マスターバッチP2]に代えて[着色剤マスターバッチP8]にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして[トナー28]及び[現像剤28]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(比較例7)
−トナー29、現像剤29の製造−
実施例1のトナーの製造において、[チキソ性付与剤分散液−1]を入れない以外は、実施例1と同様にして[トナー29]及び[現像剤29]を作製し、トナー及び現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(比較例8)
−トナー30の製造−
(低分子ポリエステル−1の製造)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229重量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529重量部、テレフタル酸208重量部、イソフタル酸46重量部、及びジブチルチンオキサイド2重量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44重量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、[低分子ポリエステル−1]を合成した。得られた[低分子ポリエステル−1]は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が5,200、ガラス転移温度(Tg)が45℃、酸価が20mgKOH/gであった。
(プレポリマーの製造)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795部、イソフタル酸200部、テレフタル酸65部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で8時間縮合反応した。次いで10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中1,500部中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行い、[プレポリマー溶液−1]を得た。得られた[プレポリマー溶液−1]中のプレポリマーの重量平均分子量は90,000であった。また、この[プレポリマー溶液−1]中のプレポリマー純分は50%だった。
(変性層状無機鉱物マスターバッチ−1の製造)
水1200重量部、SCP社製CRAYTONE−APA 174重量部、及び前記[低分子ポリエステル−1]1570重量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、[変性層状無機鉱物マスターバッチ−1]を調製した。
(油相30の調整)
ビーカー内に[プレポリマー溶液−1]46.8部、[低分子ポリエステル−1]123.6部、[マスターバッチ−1]20部、酢酸エチル80部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを96.6部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソフォロンジアミン2.9部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmの回転数で5分攪拌して、[油相30]を得た。
(水相分散液30の調整)
ビーカー内にイオン交換水512部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム18部を入れ、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、[水相分散液30]を得た。
(スラリー30の製造)
上記[水相分散液30]600部に上記[油相30]400部を加え、30分攪拌を続けながら反応させて、[スラリー30]を得た。この[スラリー30]から有機溶剤を除去した後、温水温度45℃で熟成処理する。
得られた[スラリー30]100重量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100重量部を添加し、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。次いで、10重量%塩酸100重量部を添加し、TKホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。
次いで、イオン交換水300重量部を添加し、TKホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
得られた濾過ケーキを、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー30]を作製した。
−現像剤30の製造−
[トナー1]を[トナー30]に変更する以外は、実施例1と同様にして[現像剤30]を作製し、現像剤の品質評価を行った。結果を表3および4に示した。
(比較例9)
ビーカー内に[プレポリマー溶液−1]46.8部、[低分子ポリエステル−1]141.6部、オルガノシリカゾル(MEK−ST、固形分濃度30%、平均一次粒子径15nm、日産化学工業製)7部、酢酸エチル64部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを120部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソフォロンジアミン2.9部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12000rpmの回転数で5分攪拌して、[油相31]を得た。上記[水相分散液30]600部に上記[油相31]400部を加え、30分攪拌を続けながら反応させて、[スラリー31]液を得た。この[スラリ−31]から有機溶剤を除去した後、温水温度45℃で熟成処理する。
得られた[スラリー31]100重量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100重量部を添加し、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。次いで、10重量%塩酸100重量部を添加し、TKホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。
次いで、イオン交換水300重量部を添加し、TKホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
得られた濾過ケーキを、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー31]を作製した。
−現像剤31の製造−
[トナー1]を[トナー31]に変更する以外は、実施例1と同様にして[現像剤31]を作製し、現像剤の品質評価を行った。結果を表5および6に示した。
Figure 2015059952
Figure 2015059952
Figure 2015059952
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45C シアン現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写ベルト
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電装置
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写ローラ
63 感光体クリーニング装置
64 除電ランプ
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100A、100B、100C 画像形成装置
120 画像形成ユニット
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
特許第3949553号公報 特許第4155108号公報 特開2006−071906号公報 特開2006−251564号公報 特開2007−286144号公報 特公平4−024702号公報 特公平4−024703号公報 特開昭63−027855号公報 特許第4569546号公報 特許第4218303号公報 特開2012−27212号公報 特許第3360527号公報 特許第3910338号公報 特開平11−133665号公報 特開平9−15903号公報 特開2005−49858号公報

Claims (10)

  1. 少なくとも非晶性セグメント(A)と結晶性セグメント(B)とからなるブロック共重合樹脂を含有するトナーであって、該トナーは親油性を有するチキソ性付与剤とアミノ基含有高分子化合物とを含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記アミノ基含有高分子化合物がポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記静電荷像現像用トナーのパルスNMRにより測定される、50℃におけるスピン−スピン緩和時間(t50)が2ms以下、50℃から130℃まで昇温したときの130℃におけるスピン−スピン緩和時間(t130)が9ms以上、130℃から70℃まで降温したときの70℃におけるスピン−スピン緩和時間(t’70)が3ms以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記ブロック共重合樹脂が、非晶性セグメント(A)と結晶性セグメント(B)とがウレタン結合してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記結晶性セグメント(B)が、2価の脂肪族アルコール成分と2価の脂肪族カルボン酸成分とを構成成分に有する結晶性ポリエステル樹脂であり、前記非晶性セグメント(A)が、2価の脂肪族アルコール成分と多価の芳香族カルボン酸成分とを構成成分に有する非晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記結晶性セグメント(B)である前記結晶性ポリエステル樹脂と前記非晶性セグメント(A)である非晶性ポリエステル樹脂とのモル比(結晶性ポリエステル樹脂/非晶性ポリエステル樹脂)が、10/90〜40/60であることを特徴とする請求項5に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 少なくとも、有機溶媒に非晶性セグメント(A)と結晶性セグメント(B)からなるブロック共重合樹脂を含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、親油性を有するチキソ性付与剤とアミノ基含有高分子化合物とを有機溶媒中に分散させた分散液とを溶解又は分散させ、該溶液または分散液を樹脂微粒子含有水系媒体中で乳化又は分散させ、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して得られることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 前記静電荷像現像用トナーの平均円形度が0.980〜0.940であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする現像剤。
  10. トナーとして請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを使用することを特徴とする画像形成装置。
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