JP2015059903A - 採取装置及び採取方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電プラントにおいて作動する作動液体を採取する際、サンプリング配管における懸濁物質の滞留を抑制できる採取装置を提供する。
【解決手段】採取装置は、発電プラントから抽出された作動液体が流れるサンプリング配管と、サンプリング配管の少なくとも一部に接続され、サンプリング配管の作動液体にマイクロバブル及びナノバブルの一方又は両方を含む気泡を供給する供給装置と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、採取装置及び採取方法に関する。
発電プラントにおいては、作動液体である水が給水システムの配管を流れ、ボイラで加熱される。一般に、発電プラントにおいては、ボイラや配管の劣化の抑制又は発電プラントの安定した稼働のために水管理が行われる。水管理においては、例えば特許文献1、特許文献2、及び特許文献3などに開示されるように、水の一部を採取してその水質に関するデータを取得することが行われる。
特開昭63−188736号公報 特開平04−286934号公報 特開平10−169406号公報
例えば、配管の鉄分などが水に溶出し、懸濁物質(粒子)となって水に分散される可能性がある。水の採取をサンプリング用のサンプリング配管を介して行う場合、そのサンプリング配管の一部に懸濁物質が滞留する可能性がある。懸濁物質が滞留してしまうと、水に懸濁物質が分散されているにもかかわらず、採取した水から懸濁物質が十分に検出されず、その結果、水質に関する正確なデータを取得できなくなる可能性がある。また、例えば、サンプリング配管の圧力変動、サンプリング配管の流量変動、及びサンプリング配管に作用した外力の少なくとも一つに起因して、サンプリング配管に滞留していた懸濁物質が一気に流出する可能性もある。この場合も、水質に関する正確なデータを取得することが困難となる可能性がある。このように、サンプリング配管の一部に懸濁物質が滞留してしまうと、水質に関する正確なデータを取得することが困難となる可能性がある。
本発明は、発電プラントにおいて作動する作動液体を採取する際、サンプリング配管における懸濁物質の滞留を抑制できる採取装置及び採取方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る採取装置は、発電プラントから抽出された作動液体が流れるサンプリング配管と、前記サンプリング配管の少なくとも一部に接続され、前記サンプリング配管の前記作動液体にマイクロバブル及びナノバブルの一方又は両方を含む気泡を供給する供給装置と、を備える。
本発明によれば、サンプリング配管の作動流体に気泡が供給されることにより、その気泡にサンプリング配管の懸濁物質が吸着し、水に分散された状態で、水とともに流れることができる。したがって、サンプリング配管において懸濁物質が滞留することが抑制される。
本発明に係る採取装置において、前記作動流体の水素イオン指数を調整可能な調整装置を備え、前記調整装置は、前記サンプリング配管において前記気泡と前記サンプリング配管内の懸濁物質とが吸着するように、前記サンプリング配管の前記作動流体の水素イオン指数を調整してもよい。作動流体の水素イオン指数が調整されることにより、気泡のゼータ電位及び懸濁物質のゼータ電位が変化する。したがって、作動流体の水素イオン指数を調整することにより、気泡と懸濁物質とを吸着させることができる。
本発明に係る採取装置において、前記調整装置は、前記気泡及び前記懸濁物質の一方がマイナスに帯電し、他方がプラスに帯電するように、前記サンプリング配管の前記作動流体の水素イオン指数を調整してもよい。作動流体の水素イオン指数を調整して、例えば、気泡をマイナスに帯電させ、懸濁物質をプラスに帯電させることにより、気泡と懸濁物質とを十分に吸着させることができる。
本発明に係る採取装置において、前記調整装置は、前記発電プラントにおいて前記作動流体の水素イオン指数を検出する検出装置の検出値に基づいて、前記サンプリング配管の前記作動流体に水素イオン指数調整用液体を供給してもよい。サンプリング配管に流入する前の作動流体の水素イオン指数を検出装置で検出することにより、その検出装置の検出値に基づいて、サンプリング配管の水の水素イオン指数を目標値にするための水素イオン指数調整用液体の供給条件を決定することができる。
本発明に係る採取装置において、前記供給装置は、不活性ガスの気泡を供給してもよい。気泡が不活性ガスで生成されることにより、例えば、水が酸化されやすい物質を含む場合でも、その物質の特性が変化してしまうことを抑制できる。
本発明に係る採取装置において、前記供給装置は、前記気泡を含む気泡含有液体を供給してもよい。これにより、サンプリング配管の水に気泡を円滑に含有させることができる。
上記の目的を達成するための本発明に係る採取方法は、発電プラントから抽出された作動液体をサンプリング配管に流す工程と、前記サンプリング配管の前記作動液体にマイクロバブル及びナノバブルの一方又は両方を含む気泡を供給する工程と、前記サンプリング配管から前記作動液体を採取する工程と、と含む。
本発明によれば、サンプリング配管の作動流体に気泡が供給されることにより、その気泡にサンプリング配管の懸濁物質が吸着し、水に分散された状態で、水とともに流れることができる。したがって、サンプリング配管において懸濁物質が滞留することが抑制される。
本発明に係る採取装置及び採取方法によれば、発電プラントにおいて作動する作動液体を採取する際、サンプリング配管における懸濁物質の滞留を抑制できる。
図1は、本実施形態に係る採取装置が設けられた発電プラントの一例を示す図である。 図2は、本実施形態に係るボイラシステムの一例を示す図である。 図3は、本実施形態に係る採取装置の一例を示す図である。 図4は、水中における気泡の一例を示す概念図である。 図5は、水の水素イオン指数と気泡のゼータ電位との関係を示す図である。 図6は、酸化鉄粒子の水素イオン指数と気泡のゼータ電位との関係を示す図である。 図7は、本実施形態に係る採取方法の一例を示すフローチャートである。 図8は、水の電気伝導率とアルカリ濃度との関係を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
図1は、本実施形態に係る発電プラントPGの一例を模式的に示す図である。図1において、発電プラントPGは、ボイラシステム1と、ボイラシステム1に作動液体である水を供給する給水システム2と、ボイラシステム1で生成された蒸気を送出する送気システム3と、ボイラシステム1で生成された蒸気により作動するタービンシステム4と、を備えている。発電プラントPGには、発電プラントPGの水を採取する採取装置100が設けられている。
なお、本実施形態において、水は、純水、及び純水に添加物質が添加された水の一方又は両方を含む概念である。純水に添加物質が添加された水は、アルカリを含む水、及び酸を含む水の一方又は両方を含む概念である。
本実施形態において、ボイラシステム1は、貫流ボイラを含む。ボイラシステム1で生成された蒸気は、送気システム3を介してタービンシステム4に供給される。タービンシステム4は、高圧タービン5と、中圧タービン6と、低圧タービン7と、を含み、発電機(不図示)と接続される。ボイラシステム1からの蒸気によりタービンシステム4の少なくとも一部が回転することにより発電機が作動する。
給水システム2は、水の溶存気体を低減する脱気器8と、水が貯められる給水タンク9と、ボイラシステム1に水を供給するための給水ポンプ10と、を備えている。脱気器8は、水の溶存気体を低減する脱気処理を行う。脱気処理された水は、給水タンク9に貯められた後、給水ポンプ10によりボイラシステム1に送られる。
また、給水システム2は、タービンシステム4において仕事をした後の蒸気を冷却して水に戻す復水器11と、復水器11の水を送り出す復水ポンプ12と、補給される水が貯められる補給水タンク13と、補給水タンク13の水を送り出す補給水ポンプ14と、を備えている。本実施形態において、補給水ポンプ14は、復水器11に水を送り出す。復水器11からの水は、脱気器8に供給され、脱気器8において脱気処理された後、給水タンク9を経て、給水ポンプ10によりボイラシステム1に送られる。また、給水システム2は、復水器11からの水を清浄化する復水処理装置15を備えている。復水処理装置15は、水の不純物を除去するための前置炉過器15Aと、不純物を浄化するための復水脱塩装置15Bと、を含む。
また、給水システム2は、復水器11と脱気器8との間に配置され、復水器11からの水を加熱する低圧給水加熱器16と、脱気器8(給水タンク9)からの水を加熱する高圧給水加熱器17と、を備えている。
図2は、ボイラシステム1の一例を示す模式図である。図1及び図2において、ボイラシステム1は、内部空間を有するボイラ本体18と、ボイラ本体18に設けられ、燃焼バーナを含む燃焼装置19と、給水システム2(高圧給水加熱器17)からの水が供給され、その水を加熱(予熱)可能な節炭器(エコノマイザ)20と、節炭器20からの水が供給され、その水を加熱可能な蒸発器21と、蒸発器21の出口と接続され、蒸発器21で生成された蒸気と水とを分離する気水分離器22と、気水分離器22からの蒸気(湿り飽和蒸気)が供給され、その蒸気を加熱可能な過熱器(スーパーヒータ)23と、を備えている。また、ボイラシステム1は、再熱器(リヒータ)24を備えている。
節炭器20、蒸発器21、過熱器23、及び再熱器24は、ボイラ本体18の内部空間に配置される。燃焼装置19は、高温の燃焼ガスを生成し、ボイラ本体18に供給する。ボイラ本体18は、排気口25を有する。ボイラ本体18の内部空間のガスの少なくとも一部は、排ガスとして排気口25から排出される。
節炭器20は、給水システム2からの水を、ボイラ本体18の排ガスを使って加熱する。これにより、熱効率の低下が抑制される。
蒸発器21は、節炭器20と接続され、燃焼装置19で生成された燃焼ガスにより加熱される。蒸発器21に節炭器20からの水が供給される。蒸発器21が燃焼ガスにより加熱されることによって、蒸発器21を流れる水は、加熱され、沸騰する。これにより、蒸発器21において水と蒸気とが共存する状態となる。
気水分離器22は、蒸発器21の出口と接続され、蒸発器21からの水と蒸気とを分離する。蒸発器21からの水は、飽和水であり、蒸気は、湿り飽和蒸気である。気水分離器22において、重力の作用により、水は落下し、蒸気は上昇する。これにより、蒸気と水とが分離される。気水分離器22で分離された水は、ドレンタンク26に回収される。気水分離器22で分離された水の少なくとも一部は、ボイラ再循環ポンプ27により、節炭器20に戻される。また、気水分離器22で分離された水の少なくとも一部は、復水器11に戻される。
過熱器23は、気水分離器22と接続され、燃焼装置19で生成された燃焼ガスにより加熱される。過熱器23に気水分離器22からの蒸気(湿り飽和蒸気)が供給される。過熱器23が燃焼ガスにより加熱されることによって、過熱器23を流れる湿り飽和蒸気は、加熱され、過熱蒸気となる。過熱器23で生成された過熱蒸気は、高圧タービン5に送られて仕事をする。
再熱器24は、高圧タービン5と接続され、燃焼装置19で生成された燃焼ガスにより加熱される。再熱器24に高圧タービン5で仕事をした蒸気が供給される。再熱器24が燃焼ガスにより加熱されることによって、再熱器24を流れる蒸気は、加熱(再加熱)される。再熱器24で再加熱された蒸気は、中圧タービン6に供給される。これにより、熱効率の低下が抑制される。また、再加熱により蒸気の乾き度が向上するため、中圧タービン6のタービン翼の劣化(腐食)が抑制される。
タービンシステム4で仕事をした蒸気は、復水器11に送られる。復水器11は、例えば海水を用いて蒸気を冷却する。これにより、蒸気が水に戻される。
図1に示すように、給水システム2は、給水システム2(給水システム2の配管2P)を流れる水の質(水質)を調整可能な調整装置28を備えている。本実施形態において、調整装置28は、少なくとも、水の水素イオン指数(pH)を調整可能である。調整装置28は、給水システム2を流れる水にアルカリ性液体を供給して、その水のpHを調整する。本実施形態において、調整装置28から供給されるアルカリ性液体は、アンモニアである。なお、調整装置28から供給されるアルカリ性液体は、ヒドラジンでもよい。以下の説明においては、給水システム2を流れる水のpHを調整するために調整装置28から給水システム2に供給されるアルカリ性液体を適宜、第1薬液、と称する。第1薬液は、給水システム2の水のpHを調整するためのpH調整用液体である。
調整装置28は、例えば、復水器11の出口に第1薬液を供給してもよい。図1に示すように、本実施形態において、調整装置28は、復水処理装置15(復水脱塩装置15B)の出口に第1薬液を供給する。復水脱塩装置15Bの出口と結ばれる給水システム2の配管2Pの一部と調整装置28とが接続される。調整装置28は、その配管2Pの一部に第1薬液を供給する。
本実施形態において、調整装置28は、給水システム2を流れる水のpHが、9.0以上9.6以下となるように、給水システム2に第1薬液を供給する。
また、給水システム2は、給水システム2を流れる水のpHを検出する検出装置29を備えている。給水システム2において、検出装置29は、調整装置28よりも下流(ボイラシステム1側)に配置される。図1に示すように、本実施形態において、検出装置29は、脱気器8の入口における水のpHを検出する。脱気器8の入口と結ばれる給水システム2の配管2Pの一部と検出装置29とが接続される。検出装置29は、その配管2Pから採取された水のpHを検出する。本実施形態において、検出装置29と給水システム2の配管2Pとがサンプリング用のサンプリング配管30で接続される。給水システム2の水の一部がサンプリング配管30を流れて検出装置29に送られる。検出装置29は、そのサンプリング配管30を介して採取された水のpHを検出する。検出装置29は、pH計及び電気伝導率計を含み、水のpHを検出可能である。
なお、本実施形態においては、給水システム2が検出装置29を有することとするが、採取装置100が検出装置29及びサンプリング配管30を有することとしてもよい。なお、検出装置29は、サンプリング配管30を介さずに、給水システム2から採取された水のpHを検出してもよい。
調整装置28は、給水システム2における水のpHが目標値になるように、給水システム2(配管2P)に供給する第1薬液の量(単位時間当たりの量)を調整する。本実施形態において、調整装置28は、検出装置29の検出値に基づいて、給水システム2に供給する第1薬液の量を調整する。給水システム2に供給される第1薬液の量が調整されることにより、給水システム2を流れる水の第1薬液濃度(アルカリ濃度)が調整される。第1薬液濃度が調整されることにより、給水システム2を流れる水のpHが調整される。なお、第1薬液がアルカリ(溶質)と水(溶媒)とからなる溶液でもよい。その場合、使用するアルカリの種類及び第1薬液のアルカリ濃度により、調整装置28から給水システム2に供給される第1薬液の量は適宜定められる。
次に、採取装置100について説明する。図3は、本実施形態に係る採取装置100の一例を示す図である。図1及び図3において、採取装置100は、発電プラントPGの給水システム2から抽出された水が流れるサンプリング配管30と、サンプリング配管30の少なくとも一部に接続され、サンプリング配管30の水にマイクロバブル及びナノバブルの一方又は両方を含む気泡を供給する供給装置31と、サンプリング配管30を介して採取された水の質(水質)を計測する計測システム32と、を備えている。
図1に示すように、本実施形態においては、採取装置100が、脱気器8の入口(ボイラシステム1の入口)の水を採取する場合を例にして説明する。すなわち、脱気器8の入口と結ばれる給水システム2の配管2Pの一部とサンプリング配管30とが接続され、採取装置100は、脱気器8の入口と結ばれた配管2P(脱気器8と高圧給水加熱器17との間の配管2P)から水を採取する。なお、採取装置100は、調整装置28からの第1薬液が供給される給水システム2(配管2P)の部位よりも下流(ボイラシステム1側)の任意の部位から水を採取可能である。例えば、採取装置100は、給水タンク9と給水ポンプ10との間の配管2Pから水を採取してもよいし、給水ポンプ10と高圧給水加熱器17との間の配管2Pから水を採取してもよい。
なお、採取装置100は、給水システム2(給水システム2の配管)、ボイラシステム1(ボイラシステム1の配管)、送気システム3(送気システム3の配管)、及びタービンシステム4(タービンシステム4の配管)を含む発電プラントPG(発電プラントPGの配管システム)の任意の部位から水を採取してもよい。例えば、サンプリング配管30が、復水器11、復水器11の出口、復水ポンプ12の出口、補給水ポンプ14の出口、前置炉過器15Aの出口、復水脱塩装置15Bの出口、低圧給水加熱器16、給水タンク9、高圧給水加熱器17、ドレンタンク26の出口、再熱器24の出口、及び過熱器23の出口の少なくとも一つに接続されてもよい。採取装置100は、発電プラントPGのこれらの部位から採取した水(又は蒸気)の質を計測してもよい。
サンプリング配管30は、給水システム2の配管2Pと接続される。給水システム2の水の一部がサンプリング配管30に流入する。サンプリング配管30に流入した水は、サンプリング配管30を流れて、計測システム32に送られる。計測システム32は、サンプリング配管30を介して採取された水の質(水質)を計測する。計測システム32は、水質として、水のpH、水の電気伝導率、水の溶存気体濃度、及び水のシリカ濃度などを計測可能である。本実施形態において、計測システム32は、水のpHを計測可能なpH計29Aと、水の電気伝導率を計測可能な電気伝導率計29Bと、水の溶存酸素濃度を計測可能な溶存酸素計32Aと、水のシリカ濃度を計測可能なシリカ計32Bと、を含む。なお、計測システム32により計測可能とされる水質の項目は、上述の項目に限定されない。例えば、計測システム32は、水の溶存窒素濃度を計測可能な溶存窒素計を含んでもよいし、水の懸濁物質の量を計測可能なパーティクルカウンタを含んでもよい。また、計測システム32は、水のアンモニア濃度、ヒドラジン濃度、及びリン酸濃度の少なくとも一つを計測可能な計測計を含んでもよいし、水の濁度を計測可能な計測計を含んでもよい。
また、採取装置100は、サンプリング配管30に配置された開閉弁38と、サンプリング配管30に配置され、水を冷却する冷却装置35と、サンプリング配管30に配置され、水の圧力を低減する減圧装置36と、サンプリング配管30に配置され、サンプリング配管30を流れる単位時間当たりの水の量を計測する流量計37とを備えている。開閉弁38は、配管2Pとサンプリング配管30との接続部CNの近傍に配置される。開閉弁38によりサンプリング配管30の流路が開けられると、配管2Pの水の一部がサンプリング配管30に流入する。計測システム32は、サンプリング配管30を介して供給された水の質を計測する。開閉弁38によりサンプリング配管30の流路が閉じられると、配管2Pの水はサンプリング配管30に流入しない。
配管2Pからサンプリング配管30に流入した水は、冷却装置35で冷却され、減圧装置36で減圧された後、流量計37に流入する。サンプリング配管30は、配管29AT、配管29BT、配管32AT、及び配管32BTのそれぞれと接続されている。配管29AT、配管29BT、配管32AT、及び配管32BTのそれぞれには、開閉弁29AB、開閉弁29BB、開閉弁32AB、及び開閉弁32BBが配置されている。例えば、pH計29Aを用いる計測が実施される場合、開閉弁29ABにより配管29ATの流路が開けられる。pH計29Aを用いる計測が実施されない場合、開閉弁29ABにより配管29ATの流路が閉じられる。電気伝導率計29B、溶存酸素計32A、及びシリカ計32Bのそれぞれを用いる計測の実施又は不実施についても同様である。すなわち、計測の実施又は不実施に応じて、電気伝導率計29B、溶存酸素計32A、及びシリカ計32Bのそれぞれに通じる配管の流路が開閉弁により開閉される。
供給装置31は、気泡発生装置33を含み、サンプリング配管30の水に微小な気泡を供給可能である。供給装置31は、マイクロバブル及びナノバブルの一方又は両方を供給する。マイクロバブルとは、気泡の直径が50μm以下の微小な気泡である。ナノバブルとは、気泡の直径が1μm以下の極微小な気泡である。供給装置31は、直径が1μmよりも大きく50μm以下のマイクロバブルのみを供給してもよいし、直径が1μm以下のナノバブルのみを供給してもよいし、マイクロバブル及びナノバブルの両方を供給してもよい。また、供給装置31から供給される気泡の一部に、直径が50μmよりも大きく100μmよりも小さい気泡が含まれていてもよい。
供給装置31は、空気の気泡を供給してもよいし、不活性ガスの気泡を供給してもよい。不活性ガスは、窒素ガスでもよいし、アルゴンガスでもよい。気泡が不活性ガスで生成されることにより、例えば、水が酸化されやすい物質を含む場合でも、その物質の特性が変化してしまうことが抑制される。
本実施形態において、採取装置100は、サンプリング配管30の水の水素イオン指数(pH)を調整可能な調整装置34を備えている。調整装置34は、サンプリング配管30に酸性液体を供給して、そのサンプリング配管30を流れる水のpHを調整する。調整装置34は、接続部CN(サンプリング配管30の入口)の近傍に酸性液体を供給する。本実施形態において、調整装置34から供給される酸性液体は、硫酸である。なお、調整装置34から供給される酸性液体は、酢酸でもよいし、クエン酸でもよいし、塩酸でもよい。以下の説明においては、サンプリング配管30を流れる水のpHを調整するために調整装置34からサンプリング配管30に供給される酸性液体を適宜、第2薬液、と称する。第2薬液は、サンプリング配管30の水のpHを調整するためのpH調整用液体である。
供給装置31(調整装置34)は、サンプリング配管30における水のpHが目標値となるように、サンプリング配管30に供給する第2薬液の量(単位時間当たりの量)を調整する。サンプリング配管30に供給される第2薬液の量が調整されることにより、サンプリング配管30を流れる水の第2薬液濃度(酸濃度)が調整される。第2薬液濃度が調整されることにより、サンプリング配管30を流れる水のpHが調整される。なお、第2薬液が酸(溶質)と水(溶媒)とからなる溶液でもよい。その場合、使用する酸の種類及び第2薬液の酸濃度により、調整装置34からサンプリング配管30に供給される第2薬液の量は適宜定められる。
本実施形態において、調整装置34は、供給装置31に設けられる。本実施形態において、供給装置31は、気泡を含む第2薬液を供給する。供給装置31は、第2薬液に気泡を生成可能である。供給装置31は、第2薬液に気泡を含有させ、気泡を含む気泡含有薬液をサンプリング配管30に供給する。なお、供給装置31は、水に気泡を含有させ、その気泡を含む水(気泡含有水)と第2薬液とを別々にサンプリング配管30に供給してもよい。なお、供給装置31は、第2薬液を供給するとともに、サンプリング配管30の水に気泡を直接供給(注入)してもよい。
本実施形態において、採取装置100は、供給装置31からサンプリング配管30に供給される第2薬液の量(単位時間当たりの量)を計測可能な流量計39を備える。供給装置31は、流量計39の計測値に基づいて、サンプリング配管30に供給する第2薬液の量を調整可能である。なお、供給装置31から気泡含有水が供給される場合、流量計39は、供給装置31からサンプリング配管30に供給される気泡含有水の量(単位時間当たりの量)を計測可能である。
本実施形態において、供給装置31(調整装置34)は、検出装置29の検出値に基づいて、サンプリング配管30の水に第2薬液を供給する。検出装置29は、発電プラントPG(給水システム2)における水のpHを検出する。すなわち、検出装置29は、気泡及び第2薬液が供給される前の給水システム2の水のpHを検出する。供給装置31は、検出装置29の検出値に基づいて、サンプリング配管30の水のpHが目標値になるように、サンプリング配管30に供給する第2薬液の量(単位時間当たりの量)を調整する。
本実施形態において、発電プラントPG及び採取装置100の一方又は両方は、水のアルカリ濃度と、水のpHとの関係(テーブル)を記憶した記憶装置を有する。本実施形態において、調整装置28は、検出装置29で検出した水のpHと、給水システム2の水の量(配管2Pを単位時間当たりに流れる水の量)と、記憶装置の情報とに基づいて、給水システム2の水のpHが目標値になるように、給水システム2に対して供給する第1薬液の量(単位時間当たりの量)を決定し、その決定した量の第1薬液を供給する。
また、記憶装置には、水の酸濃度と、水のpHとの関係(テーブル)が記憶されている。調整装置34は、検出装置29で検出した水のpHと、サンプリング配管30の水の量(サンプリング配管30を単位時間当たりに流れる水の量)と、記憶装置の情報とに基づいて、第1薬液を含んでいる水のpHが目標値になるように、サンプリング配管30に対して供給する第2薬液の量(単位時間当たりの量)を決定し、その決定した量の第2薬液を供給する。
次に、本実施形態に係る採取装置100の動作の一例について説明する。本実施形態においては、サンプリング配管30において懸濁物質(粒子)の滞留が抑制されるように、供給装置31からサンプリング配管30に気泡が供給される。
例えば、給水システム2の配管2Pの鉄分や、採取装置100のサンプリング配管30の鉄分が水に溶出し、粒子となって水に分散される可能性がある。その粒子(酸化鉄粒子)がサンプリング配管30の一部に滞留する可能性がある。特に、接続部CNと計測システム32との距離が長く、サンプリング配管30が長かったり、屈曲部を有していたりする場合、サンプリング配管30の少なくとも一部に粒子が滞留してしまう可能性が高くなる。
本実施形態においては、サンプリング配管30の水に、マイクロバブル及びナノバブルの一方又は両方を含む気泡が供給されるため、サンプリング配管30における粒子の滞留が抑制される。
図4は、水中における気泡の一例を示す概念図である。水中において、気泡(マイクロバブル及びナノバブルの一方又は両方)の表面は、マイナスに帯電する可能性が高い。図4に示すように、気泡の表面にOHなどの陰イオンが吸着して、その気泡の表面がマイナスに帯電する可能性が高い。気泡がマイナスに帯電すると、気泡同士は反発し合う。これにより、水中において気泡同士が結合することが抑制される。
水中に粒子が存在する場合、水に気泡が供給されることにより、気泡の表面の電荷効果により、その供給された気泡の表面に粒子が吸着(電気的吸着)する可能性がある。そのため、サンプリング配管30において流れる水に気泡が供給されることにより、サンプリング配管30に存在する粒子は、気泡に吸着して、水とともに流れることができる。これにより、サンプリング配管30に存在する粒子は、サンプリング配管30に滞留せずに、水に分散された状態で流れることができる。
また、本実施形態において、供給装置31(調整装置34)は、サンプリング配管30において気泡とサンプリング配管30内の粒子とが吸着するように、サンプリング配管30の水のpHを調整する。すなわち、供給装置31は、気泡と粒子との吸着力(吸着効果)が高まるように、サンプリング配管30の水のpHを調整する。
気泡と粒子とが十分に吸着するためには、気泡と粒子とのゼータ電位の極性が異なるとよい。すなわち、気泡がマイナスに帯電する場合、粒子はプラスに帯電するとよい。水のpHが変化した場合、その水に存在する気泡のゼータ電位、及び粒子のゼータ電位のそれぞれが変化する現象が生じる。すなわち、水のpHに基づいて、その水に存在する気泡のゼータ電位、及び粒子のゼータ電位のそれぞれが定められる。そこで、調整装置34は、気泡及び粒子の一方がマイナスに帯電し、他方がプラスに帯電するように、サンプリング配管30の水のpHを調整する。
以下の説明においては、懸濁物質(粒子)が、酸化鉄(Fe)粒子であることとする。図5は、気泡と水のpHとの関係を示す図であり、図6は、酸化鉄粒子と水のpHとの関係を示す図である。図5のグラフにおいて、横軸は水のpHであり、縦軸は、気泡のゼータ電位である。図6のグラフにおいて、横軸は水のpHであり、縦軸は、酸化鉄粒子のゼータ電位である。図5に示すように、水のpHにより、気泡がプラスに帯電する場合とマイナスに帯電する場合とがある。図6に示すように、水のpHにより、酸化鉄粒子がプラスに帯電する場合とマイナスに帯電する場合とがある。
気泡と酸化鉄粒子とが十分に吸着するためには、気泡及び粒子の一方がマイナスに帯電し、他方がプラスに帯電することが好ましい。また、気泡と酸化鉄粒子とが十分に吸着するためには、気泡のゼータ電位の絶対値及び酸化鉄粒子のゼータ電位の絶対値のそれぞれが大きいことが好ましい。図5に示すように、水のpHが5.0〜6.0程度の場合、気泡のゼータ電位は−15mV〜−40mV程度である。図6に示すように、水のpHが5.0〜6.0程度の場合、酸化鉄粒子のゼータ電位は+25mV〜+45mV程度である。すなわち、水のpHが5.0以上6.0以下に調整されることによって、水において気泡がマイナスに帯電し、酸化鉄粒子がプラスに帯電するとともに、気泡のゼータ電位の絶対値及び酸化鉄粒子のゼータ電位の絶対値のそれぞれが大きい値となり、気泡と酸化鉄粒子とが十分に吸着する可能性が高くなる。
そこで、本実施形態において、供給装置31(調整装置34)は、サンプリング配管30の水において気泡がマイナスに帯電し、酸化鉄粒子がプラスに帯電するとともに、気泡及び酸化鉄粒子それぞれのゼータ電位の絶対値が大きくなるように、サンプリング配管30における水のpHを調整する。
発電プラントPG及び採取装置100の一方又は両方に設けられた記憶装置には、図5及び図6を参照して説明したような、水のpHと、気泡のゼータ電位と、酸化鉄粒子のゼータ電位との関係が記憶されている。サンプリング配管30において酸化鉄粒子の滞留を抑制したい場合、供給装置31は、記憶装置の情報に基づいて、気泡がマイナスに帯電し、酸化鉄粒子がプラスに帯電するように、水のpHの目標値を決定する。また、供給装置31は、記憶装置の情報に基づいて、気泡のゼータ電位の絶対値及び酸化鉄粒子のゼータ電位の絶対値のそれぞれが大きくなるように、水のpHの目標値を決定する。本実施形態において、サンプリング配管30における水のpHの目標値が5.0以上6.0以下に定められる。
供給装置31は、サンプリング配管30を流れる水のpHが目標値(pH5.0以上6.0以下)となるように、サンプリング配管30に第2薬液を供給して、サンプリング配管30における水のpHを調整する。これにより、気泡と酸化鉄粒子とが十分に吸着し、サンプリング配管30に酸化鉄粒子が滞留することが抑制される。
上述のように、本実施形態において、供給装置31は、検出装置29の検出値に基づいて、サンプリング配管30の水に第2薬液を供給する。本実施形態において、供給装置31は、検出装置29の検出結果に基づいて、サンプリング配管30に存在する粒子の少なくとも一部と気泡とが吸着するように、サンプリング配管30の水に第2薬液を供給する。気泡及び第2薬液が供給される前の水のpH(第1薬液を含み、第2薬液を含まない水のpH)は、検出装置29によって検出される。供給装置31は、検出装置29の検出値(pH9.0以上9.6以下)と、記憶装置の情報とに基づいて、サンプリング配管30における水のpHが目標値(pH5.0以上6.0以下)となるように、サンプリング配管30に供給する第2薬液の量を決定し、その決定した量の第2薬液をサンプリング配管30の水に供給する。
なお、本実施形態においては、懸濁物質が酸化鉄粒子であることとした。滞留抑制対象の懸濁物質は酸化鉄粒子に限定されない。本実施形態において、水のpHと、複数種類の懸濁物質それぞれのゼータ電位と、気泡のゼータ電位との関係が記憶装置に記憶されている。なお、記憶装置に記憶される情報は、予備実験及びシミュレーションの少なくとも一方により求めることができる。供給装置31は、その記憶装置の情報に基づいて、気泡及び懸濁物質の一方がマイナスに帯電し、他方がプラスに帯電するように、水のpHの目標値を決定し、サンプリング配管30における水のpHが目標値となるように、第2薬液を供給して、サンプリング配管30における水のpHを調整する。これにより、気泡と懸濁物質とが十分に吸着し、サンプリング配管30に懸濁物質が滞留することが抑制される。
なお、本実施形態においては、気泡がマイナスに帯電し、懸濁物質がプラスに帯電するように、水のpHが調整されることとした。気泡がプラスに帯電し、懸濁物質がマイナスに帯電するように、水のpHが調整されてもよい。
次に、採取装置100の動作の一例について、図7のフローチャートを参照して説明する。発電プラントPGから水の一部を抽出するために、開閉弁38が操作され、サンプリング配管30の流路が開けられる。これにより、発電プラントPGから抽出された水がサンプリング配管30に流れる(ステップS1)。
気泡及び酸化鉄粒子の一方がマイナスに帯電し、他方がプラスに帯電するように、サンプリング配管30における水のpHの目標値が決定される(ステップS2)。
サンプリング配管30において酸化鉄粒子の滞留が抑制されるように、サンプリング配管30の水に供給装置31から気泡及び第2薬液が供給される(ステップS3)。供給装置31は、検出装置29の検出値と、記憶装置の情報とに基づいて、サンプリング配管30における水のpHが目標値になるように、第2薬液の量を決定し、その決定した量の第2薬液を供給する。供給装置31は、気泡と酸化鉄粒子とが吸着するように、気泡含有薬液を供給してもよいし、気泡含有水と第2薬液と別々に供給してもよいし、気泡含有薬液と気泡含有水との両方を供給してもよいし、第2薬液を供給しつつサンプリング配管30の水に気泡を直接注入してもよい。
これにより、気泡と酸化鉄粒子とが吸着し、水に分散された状態で、水とともに流れる。したがって、サンプリング配管30において酸化鉄粒子が滞留することが抑制される。また、サンプリング配管30に滞留していた酸化鉄粒子も、水とともに流れて、サンプリング配管30から排出される。
なお、ステップS1、ステップS2、及びステップS3の順番は任意である。ステップS1の前にステップS2が行われてもよいし、ステップS1とステップS2とステップS3とが同時に行われてもよい。また、気泡と第2薬液とは同時に供給されてもよいし、気泡の供給後、第2薬液の供給が開始されてもよいし、第2薬液の供給後、気泡の供給が開始されてもよい。
サンプリング配管30に対する気泡及び第2薬液の供給を所定時間行った後、供給装置31は、気泡の供給を停止するとともに、第2薬液の供給を停止する(ステップS4)。これにより、計測システム32には、気泡及び第2薬液を含まない水が供給される。計測システム32は、サンプリング配管30から水を採取し、その水質を計測する(ステップS5)。サンプリング配管30の酸化鉄粒子を排出した後、計測システム32による計測が行われるため、発電プラントPGにおいて作動する水の質に関する正確なデータを取得することができる。
また、サンプリング配管30の酸化鉄粒子が排除された後、気泡を含まない水が計測システム32(溶存酸素計32A)に供給されることにより、計測システム32は、発電プラントPG(給水システム2)からの水の溶存酸素濃度に関する正確なデータを取得することができる。また、サンプリング配管30の酸化鉄粒子が排除された後、第2薬液を含まない水が計測システム32(pH計29A)に供給されることにより、計測システム32は、発電プラントPG(給水システム2)からの水のpHに関する正確なデータを取得することができる。
なお、水に気泡及び第2薬液の両方が含まれていても計測に影響を与えない水質の項目(例えば、懸濁物質の量など)を計測する場合、ステップS4において、気泡の供給の停止をしなくてもよいし、第2薬液の供給の停止をしなくてもよい。気泡及び第2薬液を供給しつづけることにより、例えば計測システム32の計測中においても、サンプリング配管30に酸化鉄粒子が滞留することが抑制される。
なお、水に気泡が含まれていても計測に影響を与えない水質の項目(例えば、pH、電気伝導率など)を計測する場合、ステップS4において、第2薬液の供給を停止し、気泡の供給を停止しなくてもよい。気泡を供給しつづけることにより、例えば計測システム32の計測中においても、サンプリング配管30に酸化鉄粒子が滞留することが抑制される。
なお、発電プラントPGから水の一部を抽出するためのサンプリング配管30を複数設け、第1のサンプリング配管30の水に供給装置31から気泡及び第2薬液を供給して酸化鉄粒子を排出し、その第1のサンプリング配管30に対する気泡及び第2薬液の供給を停止した後、気泡及び第2薬液を含まない水を計測システム32で計測し、第2のサンプリング配管30には気泡及び第2薬液を供給しないで、その第2のサンプリング配管30の水を計測システム32で常時監視するようにしてもよい。すなわち、気泡及び第2薬液の供給が行われる第1のサンプリング配管30と、気泡及び第2薬液の供給が行われない第2のサンプリング配管30との2つの計測系統を設けておき、供給装置31を有する第1のサンプリング配管30を使った計測と、供給装置31を有しない第2のサンプリング配管30を使った常時監視とを併用してもよい。
なお、第2薬液の供給が停止され、気泡を含む水(気泡含有水)がサンプリング配管30の水に供給されている状態で、発電プラントPGからの水の質を計測システム32で計測する場合、供給装置31から供給された気泡含有水の量に基づいて、計測システム32の計測値が補正されてもよい。供給装置31からサンプリング配管30に気泡含有水を供給しながら発電プラントPG(給水システム2)からの水の質を計測システム32で計測する場合、計測システム32には、発電プラントPGからの水とともに、供給装置31からの気泡含有水も供給されることとなる。すなわち、発電プラントPGの水は、供給装置31からの気泡含有水で希釈され、その希釈された水が計測システム32に供給されることとなる。例えば、計測システム32を使って発電プラントPGの水のアルカリ濃度を計測したい場合、計測システム32は、発電プラントPGの水に関する正確なデータを取得できなくなる可能性がある。
そこで、採取装置100は、供給装置31から供給された気泡含有水の量に基づいて、計測システム32の計測値を補正してもよい。採取装置100は、供給装置31からサンプリング配管30に供給される気泡含有水の量を流量計39で計測し、その流量計39の計測値に基づいて、計測システム32の計測値を補正する。流量計37は、発電プラントPGからの単位時間当たりの水の量と、供給装置31からの単位時間当たりの気泡含有水の量との和を計測可能である。したがって、採取装置100は、流量計37の計測値及び流量計39の計測値に基づいて、供給装置31から気泡含有水が供給された場合の発電プラントPGの水のアルカリ濃度(希釈率)と、供給装置31から気泡含有水が供給されない場合の発電プラントPGの水のアルカリ濃度(希釈率)との差分値を推定することができる。採取装置100は、計測システム32で計測した水のアルカリ濃度の計測値を、推定したアルカリ濃度の差分値を使って補正することにより、供給装置31から気泡含有水が供給されない条件での水のアルカリ濃度(発電プラントPGの水の真のアルカリ濃度)を求めることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、発電プラントPGにおいて作動する水がサンプリング配管30を介して採取される際、サンプリング配管30の水に気泡を供給するようにしたので、その気泡にサンプリング配管30の懸濁物質を吸着させ、懸濁物質を水に分散させた状態で、水とともに流すことができる。また、サンプリング配管30に滞留していた懸濁物質も、水に分散させて流すことができる。そのため、サンプリング配管30において懸濁物質が滞留することが抑制される。したがって、発電プラントPGの水の質に関する正確なデータを取得することができる。
また、本実施形態においては、サンプリング配管30の水のpHを調整して、気泡のゼータ電位及び懸濁物質のゼータ電位を調整するようにしたので、気泡と懸濁物質とを吸着させることができる。
また、本実施形態においては、気泡及び懸濁物質の一方がマイナスに帯電し、他方がプラスに帯電するように、サンプリング配管30の水のpHを調整するようにしたので、気泡と懸濁物質とを十分に吸着させることができる。
また、本実施形態においては、発電プラントPGにおいて水のpHを検出する検出装置29の検出値に基づいて、サンプリング配管30の水に対する第2薬液の供給条件を定めるようにしたので、サンプリング配管30の水のpHを円滑に目標値にすることができる。
なお、上述の実施形態においては、サンプリング配管30の水のpHを調整するために、供給する第2薬液の量を調整することとした。供給装置31(調整装置34)は、第2薬液の種類を変更してサンプリング配管30の水のpHを調整してもよいし、第2薬液の酸濃度を変更してサンプリング配管30の水のpHを調整してもよい。同様に、給水システム2の調整装置28は、給水システム2の水のpHを調整するために、第1薬液の種類を変更してもよいし、第1薬液のアルカリ濃度を変更してもよい。
なお、上述の実施形態においては、検出装置29で水のpHを検出して、その検出値に基づいて、サンプリング配管30の水のpHを調整することとした。水の電気伝導率を指数として、サンプリング配管30に懸濁物質が滞留しないように、水を調整してもよい。例えば、検出装置29が水の電気伝導率を検出してもよい。図8に示すように、水の電気伝導率とその水のアンモニア濃度(アルカリ濃度)とに関連性があるため、水の電気伝導率が検出されることにより、その水のアルカリ濃度を導出(推定)することができる。また、水のアルカリ濃度と水のpHとに関連性がある場合、水の電気伝導率又はアルカリ濃度から水のpHを導出(推定)することもできる。例えば、一例として、給水システム2の水のpHが9.0以上9.6以下に調整されている場合、その水の電気伝導率は約0.28mS/m以上10.8mS/m以下程度であり、そのときのアンモニア濃度は約0.28ppm以上2.2ppm程度である。供給装置31(調整装置34)は、その検出装置29の検出値(電気伝導率)に基づいて、サンプリング配管30において気泡と懸濁物質とが吸着するように、第1薬液を供給して、サンプリング配管30の水の酸濃度を調整してもよい。水の酸濃度と水のpHとに関連性がある場合、水の酸濃度及び水のpHの一方から他方を導出(推定)することができる。一例として、給水システム2の水のpHが9.4の場合、その水の電気伝導率は、0.67mS/mであり、そのときのアンモニア濃度は、約1ppmとなる。サンプリング配管30の水のpHを5.0以上6.0以下にしたい場合、サンプリング配管30の水の塩酸濃度(酸濃度)が約0.4ppm程度になるように、第1薬液が供給される。
1 ボイラシステム
2 給水システム
3 送気システム
4 タービンシステム
29 検出装置
30 サンプリング配管
31 供給装置
32 計測システム
33 気泡発生装置
34 調整装置
100 採取装置
PG 発電プラント

Claims (7)

  1. 発電プラントから抽出された作動液体が流れるサンプリング配管と、
    前記サンプリング配管の少なくとも一部に接続され、前記サンプリング配管の前記作動液体にマイクロバブル及びナノバブルの一方又は両方を含む気泡を供給する供給装置と、を備える採取装置。
  2. 前記作動流体の水素イオン指数を調整可能な調整装置を備え、
    前記調整装置は、前記サンプリング配管において前記気泡と前記サンプリング配管内の懸濁物質とが吸着するように、前記サンプリング配管の前記作動流体の水素イオン指数を調整する請求項1に記載の採取装置。
  3. 前記調整装置は、前記気泡及び前記懸濁物質の一方がマイナスに帯電し、他方がプラスに帯電するように、前記サンプリング配管の前記作動流体の水素イオン指数を調整する請求項2に記載の採取装置。
  4. 前記調整装置は、前記発電プラントにおいて前記作動流体の水素イオン指数を検出する検出装置の検出値に基づいて、前記サンプリング配管の前記作動流体に水素イオン指数調整用液体を供給する請求項2又は請求項3に記載の採取装置。
  5. 前記供給装置は、不活性ガスの気泡を供給する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の採取装置。
  6. 前記供給装置は、前記気泡を含む気泡含有液体を供給する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の採取装置。
  7. 発電プラントから抽出された作動液体をサンプリング配管に流す工程と、
    前記サンプリング配管の前記作動液体にマイクロバブル及びナノバブルの一方又は両方を含む気泡を供給する工程と、
    前記サンプリング配管から前記作動液体を採取する工程と、と含む採取方法。
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