JP2015059313A - ねじ節鉄筋用定着具の取付構造 - Google Patents

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【課題】ねじ節鉄筋と定着具との間のがたつきを確実に除去可能なねじ節鉄筋用定着具の取付構造を提供する。【解決手段】ねじ節鉄筋3の一端に定着具4が螺着されて、ねじ節鉄筋3に引張力が作用した状態でコンクリートに埋められるねじ節鉄筋用定着具の取付構造において、ねじ節鉄筋3と定着具4との間で架け渡される圧縮ばね12Bを備え、圧縮ばね12Bは、ねじ節鉄筋3の一端側に向かう付勢力を定着具4に発生させて、ねじ節鉄筋3のおねじ部9に定着具4のめねじ部11を押し付けることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、ねじ節鉄筋の一端に螺着されてコンクリートに埋められるねじ節鉄筋用定着具の取付構造に関する。
従来、鉄筋コンクリート構造物を施工する際に、鉄筋の端部を折り曲げてコンクリートに埋め込む定着工法が行われている。近年では、鉄筋の端部を折り曲げることなく、鉄筋の端部に定着具を取り付けてコンクリートに埋め込む新しい定着工法が採用されつつある。
このような分野の技術として特許文献1がある。特許文献1には、ねじ節鉄筋に対して定着具を固定するためのグラウト材及び鉄筋端部に別途ねじ棒を接合することを不要としたねじ節鉄筋用取付具が記載されている。このねじ節鉄筋取付具の鉄筋挿入孔には、ねじ節鉄筋における螺旋状のねじ山を遊嵌可能であり、ねじ山と同ピッチの螺旋溝が設けられている。ねじ山と螺旋溝との間には、コイルが配置されている。
特開2009−287234号公報
ねじ節鉄筋のおねじ部と定着具のめねじ部との間には、一般的な機械部品におけるねじよりも大きながたつきがある。このがたつきを有する状態では、コンクリートの変形等によりねじ節鉄筋に外力が作用すると、ねじ節鉄筋自体が伸縮すると共に、ねじ節鉄筋ががたつき分だけ移動する場合がある。従って、外力に対するねじ節鉄筋の変位量が大きくなるため、定着具とねじ節鉄筋とを有する構造全体の剛性が低下する。
そこで、特許文献1のねじ節鉄筋用取付具では、コイルを螺旋溝に沿って巻き付けたねじ節鉄筋の端部に定着具を螺着することにより、ねじ節鉄筋用取付具の螺旋溝とねじ節鉄筋のねじ山との隙間にコイルを配置してがたつきを除去している。
しかし、ねじ節鉄筋や定着具等では仕上がり寸法のばらつきが大きくなる傾向があり、コイルを構成する線材の直径と隙間の大きさを略同等に保つことが困難になる場合がある。例えば、線材の直径が隙間より大きい場合には定着具を取り付け難くなるが、がたつきを除去することは可能である。その一方、線材の直径が隙間の大きさより小さい場合には、ねじ節鉄筋と定着具との間に隙間が残り、がたつきの除去が不十分になる。従って、がたつきの除去が不確実になる虞があった。
そこで、本発明は、ねじ節鉄筋と定着具との間のがたつきを確実に除去可能なねじ節鉄筋用定着具の取付構造を提供することを目的とする。
本発明は、ねじ節鉄筋の一端に定着具が螺着されて、ねじ節鉄筋に引張力が作用した状態でコンクリートに埋められるねじ節鉄筋用定着具の取付構造において、ねじ節鉄筋と定着具との間で架け渡される弾性体を備え、弾性体は、ねじ節鉄筋の一端側に向かう付勢力を定着具に発生させて、ねじ節鉄筋のおねじ部に定着具のめねじ部を押し付けることを特徴とする。
このねじ節鉄筋用定着具の取付構造では、ねじ節鉄筋と定着具との間に掛け渡された弾性体により定着具に付勢力が与えられている。この付勢力の方向は、ねじ節鉄筋の一端側に向かう方向であり、ねじ節鉄筋を引き延ばすように作用する引張力の方向に対して逆になっている。このため、定着具は、ねじ節鉄筋に対して引張力とは逆方向に押し付けられている。この状態によれば、ねじ節鉄筋に引張力が作用しても、ねじ節鉄筋が定着具に既に押し付けられているため、引張力の方向に定着具が移動し難くなっている。従って、ねじ節鉄筋と定着具との間のがたつきを確実に除去することができる。
また、弾性体は、圧縮ばねであり、圧縮ばねの一端側は、定着具に押し付けられ、圧縮ばねの他端側は、ねじ節鉄筋のおねじ部に引っ掛かるようにねじ節鉄筋に巻き付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、圧縮ばねの他端側がおねじ部に引っ掛かるように巻き付けられているため、圧縮ばねはねじ節鉄筋の軸方向に固定されている。この状態で、圧縮ばねの一端側が押し付けられた定着具を他端側に移動させると、圧縮ばねが縮まって、ねじ節鉄筋の一端側に向かう付勢力が定着具に発生する。従って、簡易且つ確実に引張力と逆方向の付勢力を発生させることができる。
また、本発明は、ねじ節鉄筋の一端に定着具が螺着されて、ねじ節鉄筋に圧縮力が作用した状態でコンクリートに埋められるねじ節鉄筋用定着具の取付構造において、ねじ節鉄筋と定着具との間で架け渡される弾性体を備え、弾性体は、ねじ節鉄筋の他端側に向かう付勢力を定着具に発生させて、ねじ節鉄筋のおねじ部に定着具のめねじ部を押し付けることを特徴とする。
このねじ節鉄筋用定着具の取付構造では、ねじ節鉄筋と定着具との間に掛け渡された弾性体により定着具に付勢力が与えられている。この付勢力の方向は、ねじ節鉄筋の他端側に向かう方向であり、ねじ節鉄筋を縮めるように作用する圧縮力の方向に対して逆になっている。このため、定着具は、ねじ節鉄筋に対して圧縮力とは逆方向に押し付けられている。この状態によれば、ねじ節鉄筋に圧縮力が作用しても、ねじ節鉄筋が定着具に既に押し付けられているため、圧縮力の方向に定着具が移動し難くなっている。従って、ねじ節鉄筋と定着具との間のがたつきを確実に除去することができる。
また、弾性体は、引張ばねであり、引張ばねの一端側は、定着具に設けられたフランジに引っ掛けられ、引張ばねの他端側は、ねじ節鉄筋のおねじ部に引っ掛かるようにねじ節鉄筋に巻き付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、引張ばねの他端側がおねじ部に引っ掛かるように巻き付けられているため、引張ばねはねじ節鉄筋の軸方向に固定されている。この状態で、フランジ部に引張ばねの一端側が引っ掛けられた定着具を一端側に移動させると、引張ばねが引き伸ばされて、ねじ節鉄筋の他端側に向かう付勢力が定着具に発生する。従って、簡易且つ確実に圧縮力と逆方向の付勢力を発生させることができる。
本発明に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造によれば、ねじ節鉄筋と定着具との間のがたつきを確実に除去可能することができる。
本発明に係るねじ節鉄筋用定着具を鉄筋コンクリート構造物に適用した第1実施形態を示す断面図である。 ねじ節鉄筋用定着具の取付構造を示す斜視図である。 図2に示されたねじ節鉄筋のおねじ部と定着具のめねじ部を示す要部断面図である。 第2実施形態に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造を示す側面図である。 図4に示されたねじ節鉄筋のおねじ部と定着具のめねじ部を示す要部断面図である。 第1変形例に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造を示す側面図である。 第2変形例に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造を示す側面図である。 第3変形例に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造を示す側面図である。 第4変形例に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造を示す側面図である。
以下、本発明に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1に示されるように、鉄筋コンクリートからなる柱1と鉄筋コンクリートからなる梁2との接合部では、梁2の延在方向に沿って複数のねじ節鉄筋3がコンクリートに埋め込まれている。これらねじ節鉄筋3は、コンクリートの内部で梁2から柱1に亘って埋設され、ねじ節鉄筋3の一端は柱1の内部に配置されている。そして、このねじ節鉄筋3の一端には、ねじ節鉄筋用定着具4が取り付けられている。この定着具4は、ねじ節鉄筋3の延在方向に沿った引張力又は圧縮力といった変形力がねじ節鉄筋3に作用したときに、変形力を定着具4近傍のコンクリートに伝達してねじ節鉄筋3を含む梁2の耐力を確保する。
図2に示されるように、ねじ節鉄筋用定着具4の取付構造は、ねじ節鉄筋3がコンクリートに埋められた状態で、ねじ節鉄筋3に対して引張力TFが作用する場合にがたつきを除去する。定着具4は、ねじ節鉄筋3に取り付けるための断面六角形状である頭部6を有している。この頭部6の一端側には、頭部6よりも大きい外径を有する円盤状の定着フランジ部7が固定されている。定着フランジ部7は、ねじ節鉄筋3に作用する引張力を支圧応力として近傍のコンクリートに伝達する。
定着具4は、いわゆる貫通型の定着具であり、頭部6と定着フランジ部7には定着具4の長手方向に貫通する鉄筋挿通穴8(図3参照)が形成され、鉄筋挿通穴8の内周面にはねじ節鉄筋3のおねじ部9と螺合するめねじ部11が形成されている。貫通型の定着具4によれば、定着具4とねじ節鉄筋3との螺合長さは、定着具4の軸方向長さと同等になる。従って、頭部6側から定着フランジ部7側に挿通されたねじ節鉄筋3の一端が、定着具4の定着フランジ部7より突出していることを確認することにより、所定の螺合長さが確保されていることを容易に確認できる。
定着具4とねじ節鉄筋3との間では、ねじ節鉄筋3の延在方向に沿う付勢力SF1を定着具4に与えるための弾性体としての圧縮ばね12Aが掛け渡されている。
圧縮ばね12Aの一端側には、定着具4の頭部6に押し付けられる定着具押圧部12aが設けられている。定着具押圧部12aでは、鉄筋挿通穴8の内径よりも大きく、且つ頭部6の端面6aにおける対角長よりも小さい直径を有するようにばね線材がコイル状に形成されている。
一方、圧縮ばね12Aの他端側には、圧縮ばね12Aをねじ節鉄筋3に取り付けるための鉄筋巻付部12bが設けられている。鉄筋巻付部12bでは、おねじ部9の谷部9aと同ピッチであり、おねじ部9のねじ山9bの外径よりも小さい直径を有するようにばね線材がコイル状に形成されている。鉄筋巻付部12bがおねじ部9に巻き付けられていることにより、圧縮ばね12Aを圧縮したときに、圧縮ばね12Aの延在方向に沿ったねじ節鉄筋3の移動が規制される。
また、定着具押圧部12aと鉄筋巻付部12bとの間には、付勢力SF1を発生させるための付勢力発生部12cが設けられている。付勢力発生部12cでは、ねじ節鉄筋3のねじ山9bよりも大きい内径を有するようにばね線材がコイル状に形成されているため、付勢力発生部12cはねじ節鉄筋3の延在方向に沿って伸縮可能になっている。
ここで、ねじ節鉄筋3のおねじ部9と定着具4のめねじ部11との関係について詳細に説明する。図3に示されるように、ねじ節鉄筋3のおねじ部9には、断面台形状のねじ山9bが螺旋状に設けられ、おねじ部9ではねじ山9bの幅よりもねじ山9bとねじ山9bとの間の谷部9aの幅が大きくなっている。また、定着具4のめねじ部11にも、ねじ節鉄筋3のおねじ部9と同様のねじ山11bと谷部11aとが設けられている。
めねじ部11におけるねじ山11bの間隔は、おねじ部9におけるねじ山9bの幅よりも大きく、おねじ部9におけるねじ山9bの間隔は、めねじ部11におけるねじ山11bの幅よりも大きい。このようなおねじ部9にめねじ部11が螺合されると、おねじ部9とめねじ部11との間には隙間が形成される。
この取付構造では、定着具4に対して、ねじ節鉄筋3の一端側に向かう方向に付勢力SF1が作用している。この付勢力SF1の方向は、ねじ節鉄筋3に引張力TFが作用した際にねじ節鉄筋3が変形する方向と逆方向である。この付勢力SF1が定着具4に作用すると、ねじ山9bの他端側に向かって下がる斜面B1に対して、ねじ山11bの一端側に向かって下がる斜面B2が押し付けられる。一方、ねじ山9bの一端側に向かって下がる斜面B3と、ねじ山11bの他端側に向かって下がる斜面B4との間には隙間が形成される。この隙間には、頭部6に設けられた注入穴14から注入されたエポキシ樹脂等のグラウト材Gが充填されている。
次に、定着具4をねじ節鉄筋3に取り付ける方法を説明する。図2に示されるように、まず、圧縮ばね12Aをねじ節鉄筋3に取り付ける。より詳細には、鉄筋巻付部12bがねじ節鉄筋3の谷部9aと同ピッチのコイル形状を有しているため、ねじ節鉄筋3に対して圧縮ばね12Aを回転させてねじ込むことにより、圧縮ばね12Aがねじ節鉄筋3に取り付けられる。
続いて、定着具4をねじ節鉄筋3の一端側からねじ込んで、ねじ節鉄筋3に螺着する。そして、定着具4を回転させると定着具4が他端側に移動するため、定着具4の頭部6における端面6aが、先に取り付けられた圧縮ばね12Aの定着具押圧部12aに当接する。この状態からさらに定着具4を回転させると圧縮ばね12Aの付勢力発生部12cが縮まり、定着具4には一端側に向かう付勢力SF1が作用する。従って、定着具4の回転動作により定着具4に作用する付勢力SF1の大きさを容易に調整することができる。
続いて、注入穴14からグラウト材Gを注入して隙間を埋めた後に、所定時間放置してグラウト材Gを硬化させる。その後、圧縮ばね12Aを取り外して、定着具4を取り付けたねじ節鉄筋3を鉄筋躯体に配置し、コンクリートの打設を行う(図1参照)。
ねじ節鉄筋用定着具4の取付構造では、ねじ節鉄筋3と定着具4との間に掛け渡された圧縮ばね12Aにより定着具4に付勢力SF1が与えられている。この付勢力SF1の方向は、ねじ節鉄筋3の一端側に向かう方向であり、ねじ節鉄筋3を引き延ばすように作用する引張力TFの方向に対して逆になっている。このため、定着具4は、ねじ節鉄筋3に対して引張力TFとは逆方向に押し付けられている。この状態によれば、ねじ節鉄筋3に引張力TFが作用しても、ねじ節鉄筋3が定着具4に既に押し付けられているため、引張力TFの方向に定着具4が移動し難くなっている。従って、ねじ節鉄筋3と定着具4との間のがたつきを確実に除去することができる。
さらに、ねじ節鉄筋3と定着具4との間のがたつきが除去されると、取付構造の剛性が高まり定着具4の定着性能が向上する。従って、定着具4におけるめねじ部11のねじ山11bの数を低減することができるため、定着具4の長さを短縮化すると共に、定着具4を軽量化することができる。
また、ねじ節鉄筋用定着具の取付構造では、圧縮ばね12Aの他端側がおねじ部9に引っ掛かるように巻き付けられているため、圧縮ばね12Aはねじ節鉄筋3の延在方向に固定されている。この状態で、圧縮ばね12Aの一端側が押し付けられた定着具4を他端側に移動させると、圧縮ばね12Aが縮まって、ねじ節鉄筋3の一端側に向かう付勢力SF1が定着具4に発生する。従って、引張力TFと逆方向の付勢力SF1を簡易且つ確実に発生させることができる。
また、ねじ節鉄筋用定着具の取付構造では、定着具4をねじ節鉄筋3の一端側に押し付けるために、定着具4に対して他端側に配置した圧縮ばね12Aを用いている。一方、定着具4をねじ節鉄筋3の一端側に押し付ける構成として、例えば、ロックナットを用いる構成もある。しかし、このロックナットは、ねじ節鉄筋3の近傍に配置される別のねじ節鉄筋の配置を阻害し、鉄筋配置の設計自由度を制限する場合がある。このねじ節鉄筋用定着具の取付構造では、がたつきを除去するためにロックナットを必要としないため、鉄筋配置の設計自由度を高めつつ、コンクリート充填率を高めることができる。
ところで、エポキシ樹脂系のグラウト材Gの弾性係数は、鋼材の弾性係数に対して1/100〜1/200程度であるため、固定強度はロックナットよりも低い。例えば、鋼材の弾性係数は約200kN/mmである。また、セメント系グラウト材の弾性係数は、鋼材の1/10程度である。そのため、グラウト材Gを強度部材として考えて、取付構造における剛性を確保するためには、定着具4のめねじ部11において所定数のねじ山9bを形成する必要がある。例えば、通常強度のねじ節鉄筋3では4個又は5個のねじ山が必要になる。
一方、このねじ節鉄筋用定着具の取付構造では、ねじ節鉄筋3が定着具4に押し付けられているため取付構造における剛性が高まり、定着具4の定着性能が向上する。従って、定着具4におけるめねじ部11のねじ山11bの数を低減することができるため、定着具4の延在方向の長さを短縮化すると共に、定着具4を軽量化することができる。
また、ねじ節鉄筋3に作用する引張力TFは、ねじ節鉄筋3のねじ山9bから定着具4のねじ山11bを介して伝達されるため、グラウト材Gに作用する力が低減する。従って、グラウト材Gの充填量を少なくすることができる。また、エポキシ樹脂といった比較的弾性係数の小さいグラウト材Gを選択することができる。
[第2実施形態]
図4に示されるように、第2実施形態に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造は、ねじ節鉄筋3に対して圧縮力PFが作用するときにがたつきを除去する点で第1実施形態に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造と相違している。以下、相違点について詳細に説明する。
定着具4とねじ節鉄筋3との間には、弾性体としての引張ばね12Bが掛け渡され、引張ばね12Bは、ねじ節鉄筋3の延在方向に沿う付勢力SF2を定着具4に与える。
引張ばね12Bの一端側には、ねじ節鉄筋3の他端側に向かう方向の付勢力SF2を定着フランジ部7に伝達するための定着具引掛部12dが設けられている。定着具引掛部12dでは、定着フランジ部7の外径よりも小さく、且つ頭部6の外形寸法よりも大きい内径を有するようにばね線材が環状に形成されている。一方、引張ばね12Bの他端側には、鉄筋巻付部12bが設けられている。
図5に示されるように、この取付構造では、定着具4に対して、ねじ節鉄筋3の他端側に向かう方向に付勢力SF2が作用しているため、ねじ節鉄筋3のねじ山9bにおける一端側に向いた斜面B3に対して定着具4のねじ山11bにおける他端側に向いた斜面B4が押し付けられている。
次に、定着具4をねじ節鉄筋3に取り付ける方法を説明する。図4に示されるように、引張ばね12Bをねじ節鉄筋3に取り付ける。続いて、定着具4をねじ節鉄筋3の一端側からねじ込み、引張ばね12Bの定着具引掛部12dを定着フランジ部7に引っかける。そして、定着具4を逆方向に回転させて定着具4をねじ節鉄筋3の一端側へ移動させると、引張ばね12Bの付勢力発生部12cが伸長されて、定着具4には他端側に向かう付勢力SF2が作用する。この状態で、注入穴14からグラウト材Gを注入して隙間を埋めた後に、所定時間放置してグラウト材Gを硬化させる。そして、引張ばね12Bを取り外した後に、定着具4を取り付けたねじ節鉄筋3を鉄筋躯体に配置し、コンクリートの打設を行う。
このねじ節鉄筋用定着具4の取付構造では、ねじ節鉄筋3と定着具4との間に掛け渡された引張ばね12Bにより定着具4に付勢力SF2が与えられている。この付勢力SF2の方向は、ねじ節鉄筋3の他端側に向かう方向であり、ねじ節鉄筋3を縮めるように作用する圧縮力PFの方向に対して逆になっている。このため、定着具4は、ねじ節鉄筋3に対して圧縮力PFとは逆方向に押し付けられている。この状態によれば、ねじ節鉄筋3に圧縮力PFが作用しても、ねじ節鉄筋3が定着具4に既に押し付けられているため、圧縮力PFの方向に定着具4が移動し難くなっている。従って、ねじ節鉄筋3と定着具4との間のがたつきを確実に除去することができる。
この構成によれば、引張ばね12Bの他端側がおねじ部9に引っ掛かるように巻き付けられているため、引張ばね12Bはねじ節鉄筋3の軸方向に固定されている。この状態で、引張ばね12Bが引っ掛けられた定着具4を一端側に移動させると、引張ばね12Bが引き伸ばされて、ねじ節鉄筋3の他端側に向かう付勢力SF2が定着具4に発生する。従って、簡易且つ確実に圧縮力PFと逆方向の付勢力SF2を発生させることができる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。
図6に示されるように、第1変形例に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造には、ねじ節鉄筋3を螺着するための穴が貫通していない有底型の定着具17が用いられてもよい。図6(a)に示されるように、有底型の定着具17であっても、圧縮ばね12Aにより定着具17をねじ節鉄筋3の一端側に押し付けて、ねじ節鉄筋3に引張力TFが作用する場合にがたつきを除去することができる。また、図6(b)に示されるように、引張ばね12Bにより定着具17を他端側に押し付けて、ねじ節鉄筋3に圧縮力PFが作用する場合にがたつきを除去することができる。
図7に示されるように、第2変形例に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造は、ねじ節鉄筋3に圧縮力PFが作用する場合にがたつきを除去するための引張ばね12Cを備えていてもよい。引張ばね12Cは、フック状に折り曲げた引張ばね12Bの一端部12eを、定着具4の頭部6に設けられた差込み穴6bに差し込むことにより、定着具4に取り付けられている。
図8に示されるように、第3変形例に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造は、ねじ節鉄筋3に圧縮力PFが作用する場合に対応し、ねじ節鉄筋3において定着具4に対して圧縮ばね12Aが一端側に配置されていてもよい。ねじ節鉄筋3の一端側に配置した圧縮ばね12Aにより、他端側に向かう方向の付勢力SF2が定着具4に作用している。この構成によれば、ねじ節鉄筋3に定着具4を固定した後に、圧縮ばね12Aを容易に取り外すことができる。
図9に示されるように、第4変形例に係るねじ節鉄筋用定着具の取付構造は、例えば、付勢力SF2を発生させる弾性体としてゴムチューブ18を備えていてもよい。このゴムチューブ18は、ねじ節鉄筋3の直径よりも小さい内径を有している。そして、ゴムチューブ18は、定着具4の定着フランジ部7と頭部6の一部において収縮力により固定するための固定部18aと、ねじ節鉄筋3において収縮力により固定するための固定部18bとを有している。
さらに、固定部18a,18bの間では、ゴムチューブ18の内径を拡大するためのコイル19がゴムチューブ18の内部に配置され、この部分がねじ節鉄筋3の軸方向に伸長されることにより付勢力SF2が発生し、固定部18aを介して付勢力SF2が定着具4に作用する。
また、ねじ節鉄筋用定着具の取付構造は、圧縮ばね12A等を取り付けたままでねじ節鉄筋3をコンクリートに埋め込んでもよい。この場合には、定着具4の周囲が螺旋状の圧縮ばね12A等により補強されるため、定着性能を更に向上させることができる。
また、ねじ節鉄筋用定着具の取付構造は、圧縮ばね12A又は引張ばね12Bの一端側が、定着具4の頭部6に環状に設けられたスリット(不図示)に嵌め込まれて、圧縮ばね12A又は引張ばね12Bが定着具4に取り付けられる構成であってもよい。
また、ねじ節鉄筋用定着具の取付構造は、隙間にグラウト材Gを充填しない構造であってもよい。グラウト材Gを充填しない構造によれば、注入穴14からグラウト材Gを充填する工程を不要とし、ねじ節鉄筋3への定着具4の取付作業を簡略化できる。
また、ねじ節鉄筋用定着具の取付構造は、圧縮ばね12A及び引張ばね12Bの構成材料はばね用線材に限定されず、所定の大きさの付勢力を発生可能な材料であればよい。
また、ねじ節鉄筋用定着具の取付構造は、定着具4の定着フランジ部7の位置を、ねじ節鉄筋3に作用する変形力の方向によらず、ねじ節鉄筋3の一端側に配置してもよいし、他端側に配置してもよい。
3…ねじ節鉄筋、4…ねじ節鉄筋用定着具、9…おねじ部、11…めねじ部、12A,…圧縮ばね(弾性体)、12B…引張ばね(弾性体)、SF1,SF2…付勢力、TF…引張力、PF…圧縮力。

Claims (4)

  1. ねじ節鉄筋の一端に定着具が螺着されて、前記ねじ節鉄筋に引張力が作用した状態でコンクリートに埋められるねじ節鉄筋用定着具の取付構造において、
    前記ねじ節鉄筋と前記定着具との間で架け渡される弾性体を備え、
    前記弾性体は、前記ねじ節鉄筋の前記一端側に向かう付勢力を前記定着具に発生させて、前記ねじ節鉄筋のおねじ部に前記定着具のめねじ部を押し付けることを特徴とするねじ節鉄筋用定着具の取付構造。
  2. 前記弾性体は、圧縮ばねであり、
    前記圧縮ばねの一端側は、前記定着具に押し付けられ、
    前記圧縮ばねの他端側は、前記ねじ節鉄筋の前記おねじ部に引っ掛かるように前記ねじ節鉄筋に巻き付けられていることを特徴とする請求項1に記載のねじ節鉄筋用定着具の取付構造。
  3. ねじ節鉄筋の一端に定着具が螺着されて、前記ねじ節鉄筋に圧縮力が作用した状態でコンクリートに埋められるねじ節鉄筋用定着具の取付構造において、
    前記ねじ節鉄筋と前記定着具との間で架け渡される弾性体を備え、
    前記弾性体は、前記ねじ節鉄筋の他端側に向かう付勢力を前記定着具に発生させて、前記ねじ節鉄筋のおねじ部に前記定着具のめねじ部を押し付けることを特徴とするねじ節鉄筋用定着具の取付構造。
  4. 前記弾性体は、引張ばねであり、
    前記引張ばねの一端側は、前記定着具に設けられたフランジに引っ掛けられ、
    前記引張ばねの他端側は、前記ねじ節鉄筋の前記おねじ部に引っ掛かるように前記ねじ節鉄筋に巻き付けられていることを特徴とする請求項3に記載のねじ節鉄筋用定着具の取付構造。
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